(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】電子装置および人力駆動車用システム
(51)【国際特許分類】
B62M 6/45 20100101AFI20221213BHJP
B62J 45/20 20200101ALI20221213BHJP
B62M 6/50 20100101ALI20221213BHJP
B62M 7/12 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
B62M6/45
B62J45/20
B62M6/50
B62M7/12
(21)【出願番号】P 2018236763
(22)【出願日】2018-12-18
【審査請求日】2021-10-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】近藤 兼弘
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-101761(JP,A)
【文献】特表2003-507261(JP,A)
【文献】特開2016-134129(JP,A)
【文献】特開2018-150034(JP,A)
【文献】特開昭62-261745(JP,A)
【文献】特開平02-097732(JP,A)
【文献】特表2014-516007(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0046869(US,A1)
【文献】米国特許第06047230(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 6/45
B62M 6/50
B62M 7/12
B62J 45/20
B62J 45/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車、前記人力駆動車の搭乗者、および、前記人力駆動車の環境の少なくとも1つに関する第1情報に応じて
、電動アジャスタブルシートポスト、および、電動サスペンションの少なくとも1つを含む電気コンポーネントを制御するための第2情報を作成可能な人工知能処理部を含み、
前記人工知能処理部は、前記第1情報と
、前記電動アジャスタブルシートポスト、および、前記電動サスペンションの前記少なくとも1つを操作するための第1操作部の操作と、に応じて、前記第2情報を作成するための処理を変更する、電子装置。
【請求項2】
前記
第1情報を検出する検出部をさらに含む、請求項
1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記人力駆動車に設けられる第1検出部と、前記人力駆動車の外部に設けられる第2検出部とを含む、請求項
2に記載の電子装置。
【請求項4】
人力駆動車、前記人力駆動車の搭乗者、および、前記人力駆動車の環境の少なくとも1つに関する第1情報に応じて、前記人力駆動車に推進力を付与するドライブユニット、電動アジャスタブルシートポスト、および、電動サスペンションの少なくとも1つを含む電気コンポーネントを制御するための第2情報を作成可能な人工知能処理部を含み、
前記人工知能処理部は、前記第1情報と、前記ドライブユニット、前記電動アジャスタブルシートポスト、および、前記電動サスペンションの前記少なくとも1つを操作するための第1操作部の操作と、に応じて、前記第2情報を作成するための処理を変更し、
前記人力駆動車に関する前記第1情報は、前記人力駆動車の変速比を変更する電動変速機に関する情報、前記電動変速機によって変更される前記変速比に関する情報、前記人力駆動車の車速に関する情報、前記人力駆動車のクランクの回転速度に関する情報、および、前記人力駆動車に入力される人力駆動力に関する情報の少なくとも1つを含む、電子装置。
【請求項5】
前記人力駆動車に関する前記第1情報は、前記人力駆動車の変速比を変更する電動変速機に関する情報、前記電動変速機によって変更される前記変速比に関する情報、前記人力駆動車の車速に関する情報、前記人力駆動車のクランクの回転速度に関する情報、前記人力駆動車に入力される人力駆動力に関する情報、および、前記人力駆動車の傾きに関する情報の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の電子装置。
【請求項6】
前
記搭乗者に関する前記第1情報は、前記搭乗者の生体情報を含む、請求項1~
5のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項7】
前記人力駆動車の環境に関する前記第1情報は、前記人力駆動車の走行路に関する情報を含む、請求項1~
6のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項8】
前記電動アジャスタブルシートポスト、および、前記電動サスペンションの前記少なくとも1つを制御する制御部を含み、
前記制御部は、
前記第2情報に応じて
、前記電動アジャスタブルシートポスト、および、前記電動サスペンションの前記少なくとも1つを制御する第1制御状態と、
前記第1操作部の操作に応じて
、前記電動アジャスタブルシートポスト、および、前記電動サスペンションの前記少なくとも1つを制御する第2制御状態と、で動作可能に構成される、請求項1に記載の電子装置。
【請求項9】
前記制御部は、第2操作部の操作に応じて、前記第1制御状態と、前記第2制御状態とを切り替える、請求項
8に記載の電子装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第1制御状態において、前記第1操作部が操作されると、前記第2制御状態に切り替わる、請求項
8または9に記載の電子装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記第2制御状態において、予め定める条件が満たされると、前記第1制御状態に切り替わる、請求項
8~1
0のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記第1制御状態と前記第2制御状態とを切り替える場合、報知部に報知させる、請求項
8~1
1のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項13】
通信部をさらに含み、
前記人工知能処理部には、前記通信部を介して前記第1情報が入力される、請求項1~1
2のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項14】
前記通信部は、インターネットに接続され、前記インターネットを介して、前記第1情報を受信する、請求項1
3に記載の電子装置。
【請求項15】
前記人工知能処理部は、前記第1情報に応じて、前記人力駆動車の部品に関する提案を作成する、請求項1~1
4のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項16】
前記人力駆動車の部品に関する前記提案を表示する表示部をさらに含む、請求項1
5に記載の電子装置。
【請求項17】
前記人工知能処理部は、前記第1情報に応じて、前記人力駆動車の設定に関する第4情報を作成する、請求項1~1
6のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項18】
請求項1~1
7のいずれか一項に記載の電子装置と、
前記電子装置から前記人工知能処理部の処理に関する第3情報を受信し、前記第1情報と、前記第3情報とに応じて、前記電気コンポーネントを制御する制御部をさらに含む、人力駆動車用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置および人力駆動車用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示される電子装置は、人力駆動車に設けられる検出部の出力に応じて各種制御を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される電子装置は、予め定められる条件に応じて各種制御を実行するが、ユーザおよび走行環境等によって好ましい条件および制御は変化する。
本発明の目的の1つは、ユーザビリティに貢献できる電子装置および人力駆動車用システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従う電子装置は、人力駆動車、前記人力駆動車の搭乗者、および、前記人力駆動車の環境の少なくとも1つに関する第1情報に応じて、前記人力駆動車に推進力を付与するドライブユニット、電動アジャスタブルシートポスト、および、電動サスペンションの少なくとも1つを含む電気コンポーネントを制御するための第2情報を作成可能な人工知能処理部を含み、前記人工知能処理部は、前記第1情報と、前記ドライブユニット、前記電動アジャスタブルシートポスト、および、前記電動サスペンションの前記少なくとも1つを操作するための第1操作部の操作と、に応じて、前記第2情報を作成するための処理を変更する。
第1側面の電子装置によれば、第1情報と、第1操作部の操作とに応じて、人工知能処理部が第2情報を作成するための処理を変更することによって、第1情報に応じて好適な第2情報を作成できる。このため、ユーザビリティに貢献できる。
【0006】
本開示の第2側面に従う電子装置は、人力駆動車の搭乗者、および、前記人力駆動車の環境の少なくとも1つに関する第1情報に応じて、前記人力駆動車に設けられる電気コンポーネントを制御するための第2情報を作成可能な人工知能処理部を含み、前記人工知能処理部は、前記第1情報と、前記電気コンポーネントを操作するための第1操作部の操作とに応じて、前記第2情報を作成するための処理を変更する。
第2側面の電子装置によれば、第1情報と、第1操作部の操作とに応じて、人工知能処理部が第2情報を作成するための処理を変更することによって、好適な第2情報を作成できる。このため、ユーザビリティに貢献できる。
【0007】
本開示の第2側面に従う第3側面の電子装置において、前記電気コンポーネントは、電動変速機、前記人力駆動車に推進力を付与するドライブユニット、電動アジャスタブルシートポスト、および、電動サスペンションの少なくとも1つを含む。
第3側面の電子装置によれば、電動変速機、ドライブユニット、電動アジャスタブルシートポスト、および、電動サスペンションの少なくとも1つを好適に制御できる。
【0008】
本開示の第1~第3側面のいずれか1つに従う第4側面の電子装置において、前記第1情報を検出する検出部をさらに含む。
第4側面の電子装置によれば、検出部によって第1情報を好適に検出できる。
【0009】
本開示の第4側面に従う第5側面の電子装置において、前記検出部は、前記人力駆動車に設けられる第1検出部と、前記人力駆動車の外部に設けられる第2検出部とを含む。
第5側面の電子装置によれば、第1検出部および第2検出部によって第1情報を好適に検出できる。
【0010】
本開示の第1側面に従う第6側面の電子装置において、前記人力駆動車に関する前記第1情報は、前記人力駆動車の変速比を変更する電動変速機に関する情報、前記電動変速機によって変更される前記変速比に関する情報、前記人力駆動車の車速に関する情報、前記人力駆動車のクランクの回転速度に関する情報、前記人力駆動車に入力される人力駆動力に関する情報、および、前記人力駆動車の傾きに関する情報の少なくとも1つを含む。
第6側面の電子装置によれば、人力駆動車の変速比を変更する電動変速機に関する情報、電動変速機によって変更される変速比に関する情報、人力駆動車の車速に関する情報、人力駆動車のクランクの回転速度に関する情報、人力駆動車に入力される人力駆動力に関する情報、および、人力駆動車の傾きに関する情報の少なくとも1つに応じて、第2情報を好適に作成できる。
【0011】
本開示の第1~第6側面のいずれか1つに従う第7側面の電子装置において、前記人力駆動車の搭乗者に関する前記第1情報は、前記搭乗者の生体情報を含む。
第7側面の電子装置によれば、搭乗者の生体情報に応じて第2情報を好適に作成できる。
【0012】
本開示の第1~第7側面のいずれか1つに従う第8側面の電子装置において、前記人力駆動車の環境に関する前記第1情報は、前記人力駆動車の走行路に関する情報を含む。
第8側面の電子装置によれば、人力駆動車の走行路に関する情報に応じて第2情報を好適に作成できる。
【0013】
本開示の第1側面に従う第9側面の電子装置において、前記ドライブユニット、前記電動アジャスタブルシートポスト、および、前記電動サスペンションの前記少なくとも1つを制御する制御部を含み、前記制御部は、前記第2情報に応じて、前記ドライブユニット、前記電動アジャスタブルシートポスト、および、前記電動サスペンションの前記少なくとも1つを制御する第1制御状態と、前記第1操作部の操作に応じて、前記ドライブユニット、前記電動アジャスタブルシートポスト、および、前記電動サスペンションの前記少なくとも1つを制御する第2制御状態と、で動作可能に構成される。
第9側面の電子装置によれば、ドライブユニット、電動アジャスタブルシートポスト、および、電動サスペンションの少なくとも1つを第1制御状態と第2制御状態とで動作させることができる。
【0014】
本開示の第2側面に従う第10側面の電子装置において、前記電気コンポーネントを制御する制御部を含み、前記制御部は、前記第2情報に応じて、前記電気コンポーネントを制御する第1制御状態と、前記第1操作部の操作に応じて、前記電気コンポーネントを制御する第2制御状態と、で動作可能に構成される。
第10側面の電子装置によれば、電気コンポーネントを第1制御状態と第2制御状態とで動作させることができる。
【0015】
本開示の第9または第10側面に従う第11側面の電子装置において、前記制御部は、第2操作部の操作に応じて、前記第1制御状態と、前記第2制御状態とを切り替える。
第11側面の電子装置によれば、第2操作部の操作に応じて、第1制御状態と第2制御状態とを切り替えることができる。
【0016】
本開示の第9~第11側面のいずれか1つに従う第12側面の電子装置において、前記制御部は、前記第1制御状態において、前記第1操作部が操作されると、前記第2制御状態に切り替わる。
第12側面の電子装置によれば、第1操作部の操作に応じて、第1制御状態から第2制御状態に切り替えることができる。
【0017】
本開示の第9~第12側面のいずれか1つに従う第13側面の電子装置において、前記制御部は、前記第2制御状態において、予め定める条件が満たされると、前記第1制御状態に切り替わる。
第13側面の電子装置によれば、予め定める条件が満たされることによって、第2制御状態から第1制御状態に切り替えることができる。
【0018】
本開示の第9~第13側面のいずれか1つに従う第14側面の電子装置において、前記制御部は、前記第1制御状態と前記第2制御状態とを切り替える場合、報知部に報知させる。
第14側面の電子装置によれば、報知部によって搭乗者に第1制御状態と第2制御状態との切り替えを報知できる。
【0019】
本開示の第1~第14側面のいずれか1つに従う第15側面の電子装置において、通信部をさらに含み、前記人工知能処理部には、前記通信部を介して前記第1情報が入力される。
第15側面の電子装置によれば、通信部によって第1情報を好適に取得できる。
【0020】
本開示の第15側面に従う第16側面の電子装置において、前記通信部は、インターネットに接続され、前記インターネットを介して、前記第1情報を受信する。
第16側面の電子装置によれば、インターネットを介して第1情報を好適に取得できる。
【0021】
本開示の第1~第16側面のいずれか1つに従う第17側面の電子装置において、前記人工知能処理部は、前記第1情報に応じて、前記人力駆動車の部品に関する提案を作成する。
第17側面の電子装置によれば、人力駆動車の部品に関する提案を行うことができる。
【0022】
本開示の第17側面に従う第18側面の電子装置において、前記人力駆動車の部品に関する前記提案を表示する表示部をさらに含む。
第18側面の電子装置によれば、ユーザが人力駆動車の部品に関する提案を表示部によって把握できる。
【0023】
本開示の第1~第18側面のいずれか1つに従う第19側面の電子装置において、前記人工知能処理部は、前記第1情報に応じて、前記人力駆動車の設定に関する第4情報を作成する。
第19側面の電子装置によれば、第1情報に応じて、人力駆動車の設定に関する第4情報を作成できる。
【0024】
本開示の第20側面に従う人力駆動車用システムは、第1~第19側面のいずれか1つに従う電子装置と、前記電子装置から前記人工知能処理部の処理に関する第3情報を受信し、前記第1情報と、前記第3情報とに応じて、前記電気コンポーネントを制御する制御部をさらに含む。
第20側面の人力駆動車用システムによれば、第1情報と第3情報とに応じて、電気コンポーネントを好適に制御できる。
【発明の効果】
【0025】
本開示の電子装置および人力駆動車用システムは、ユーザビリティに貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】第1実施形態の電子装置を含む人力駆動車の側面図。
【
図2】
図1の電子装置の電気的な構成を示すブロック図。
【
図3】
図2の電気コンポーネントの構成を示すブロック図。
【
図4】
図2の人工知能処理部によって実行される第1情報に応じて第2情報を作成する処理のフローチャート。
【
図5】
図2の人工知能処理部によって実行される第2情報を作成するための処理を変更する処理のフローチャート。
【
図6】
図2の制御部によって実行される制御状態を切り替える処理のフローチャート。
【
図7】
図2の人工知能処理部によって実行される人力駆動車の部品に関する提案を作成する処理のフローチャート。
【
図8】
図2の人工知能処理部によって実行される第4情報を作成するための処理を変更する処理のフローチャート。
【
図9】第2実施形態の制御部によって実行される制御状態を切り替える処理のフローチャート。
【
図10】変形例の電子装置を含む人力駆動車用システムの電気的な構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、その選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、その選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0028】
(第1実施形態)
図1~
図8を参照して、第1実施形態の電子装置50について説明する。電子装置50は、人力駆動車10に用いられる。人力駆動車10は、少なくとも人力駆動力によって駆動することができる車両である。人力駆動車10は、例えば、自転車を含む。人力駆動車10は、車輪の数が限定されず、例えば1輪車および3輪以上の車輪を有する車両も含む。人力駆動車は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車、ならびに、電動自転車(E-bike)を含む。電動自転車は、電気モータによって車両の推進を補助する電動アシスト自転車を含む。以下、実施の形態において、人力駆動車10を、自転車として説明する。
【0029】
人力駆動車10は、クランク12および駆動輪14を備える。人力駆動車10は、フレーム16をさらに備える。クランク12には、人力駆動力が入力される。クランク12は、フレーム16に対して回転可能なクランク軸12Aと、クランク軸12Aの軸方向の端部にそれぞれ設けられるクランクアーム12Bとを含む。各クランクアーム12Bには、ペダル18が連結される。駆動輪14は、クランク12が回転することによって駆動される。駆動輪14は、フレーム16に支持される。クランク12と駆動輪14とは、駆動機構20によって連結される。駆動機構20は、クランク軸12Aに結合される第1回転体22を含む。クランク軸12Aと第1回転体22とは、第1ワンウェイクラッチを介して結合されていてもよい。第1ワンウェイクラッチは、クランク12が前転した場合に、第1回転体22を前転させ、クランク12が後転した場合に、第1回転体22を後転させないように構成される。第1回転体22は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。駆動機構20は、第2回転体24と、連結部材26とをさらに含む。連結部材26は、第1回転体22の回転力を第2回転体24に伝達する。連結部材26は、例えば、チェーン、ベルト、または、シャフトを含む。
【0030】
第2回転体24は、駆動輪14に連結される。第2回転体24は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。第2回転体24と駆動輪14との間には、好ましくは、第2ワンウェイクラッチが設けられている。第2ワンウェイクラッチは、第2回転体24が前転した場合に、駆動輪14を前転させ、第2回転体24が後転した場合に、駆動輪14を後転させないように構成される。
【0031】
人力駆動車10は、前輪および後輪を含む。フレーム16には、フロントフォーク16Aを介して前輪が取り付けられている。フロントフォーク16Aには、ハンドルバー16Cがステム16Bを介して連結されている。以下の実施形態では、後輪を駆動輪14として説明するが、前輪が駆動輪14であってもよい。
【0032】
人力駆動車10は、バッテリ装置28をさらに含む。バッテリ装置28は、1または複数のバッテリセルを含む。バッテリセルは、充電池を含む。バッテリ装置28は、人力駆動車10に設けられ、バッテリ装置28と有線で電気的に接続されている他の電気部品、例えば、電子装置50および電気コンポーネント32に電力を供給する。バッテリ装置28は、電気コンポーネント32と有線または無線によって通信可能に接続されている。バッテリ装置28は、例えば電力線通信(PLC;power line communication)によって電子装置50および電気コンポーネント32と通信可能である。バッテリ装置28は、フレーム16の外部に取り付けられてもよく、少なくとも一部がフレーム16の内部に収容されてもよい。バッテリ装置28は、電子装置50および電気コンポーネント32に設けられてもよい。
【0033】
人力駆動車10は、好ましくは、電動変速機30をさらに含む。人力駆動力が入力される回転体は、クランク12を含む。電動変速機30は、電動アクチュエータによって駆動されるように構成される。電動アクチュエータは、電気モータを含む。電動変速機30は、クランク12の回転速度に対する駆動輪14の回転速度の比率を変更するために用いられる。本実施形態では、電動変速機30は、クランク12の回転速度に対する駆動輪14の回転速度の比率を段階的に変更するように構成される。電動アクチュエータは、電動変速機30に変速動作を実行させる。電動アクチュエータは、電子装置50と有線または無線によって通信可能に接続されている。電動アクチュエータは、例えば電力線通信(PLC)によって人工知能処理部52と通信可能である。電動アクチュエータは、電子装置50からの制御信号に応じて電動変速機30に変速動作を実行させる。電動変速機30は、内装変速機および外装変速機(ディレイラ)の少なくとも一方を含む。
【0034】
電子装置50は、人工知能処理部52を含む。人工知能処理部52は、人力駆動車10、人力駆動車10の搭乗者、および、人力駆動車10の環境の少なくとも1つに関する第1情報に応じて、電気コンポーネント32を制御するための第2情報を作成可能である。電気コンポーネント32は、人力駆動車10の推進力を付与するドライブユニット34、電動アジャスタブルシートポスト36、および、電動サスペンション38の少なくとも1つを含む。人工知能処理部52は、第1情報と、ドライブユニット34、電動アジャスタブルシートポスト36、および、電動サスペンション38の少なくとも1つを操作するための第1操作部40の操作とに応じて、第2情報を作成するための処理を変更する。
【0035】
電子装置50は、人力駆動車に設けられるコンポーネントであってもよく、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、パーソナルコンピュータ、および、サーバであってもよい。コンポーネントは、電気コンポーネント32、バッテリ装置28、電動変速機30、および、サイクルコンピュータの少なくとも1つを含む。
【0036】
人力駆動車10は、好ましくは、電気コンポーネント32をさらに含む。
ドライブユニット34は、モータ34Aを含む。ドライブユニット34は、駆動回路34Bをさらに含む。モータ34Aと駆動回路34Bとは、好ましくは、同一のハウジングに設けられる。駆動回路34Bは、バッテリ装置28からモータ34Aに供給される電力を制御する。駆動回路34Bは、制御部62と有線または無線によって通信可能に接続されている。駆動回路34Bは、例えばシリアル通信によって制御部62と通信可能である。駆動回路34Bは、制御部62からの制御信号に応じてモータ34Aを駆動させる。モータ34Aは、電気モータを含む。モータ34Aは、ペダル18から後輪までの人力駆動力の動力伝達経路、または、前輪に回転を伝達するように設けられる。モータ34Aは、人力駆動車10のフレーム16、後輪、または、前輪に設けられる。一例では、モータ34Aは、クランク軸12Aから第1回転体22までの動力伝達経路に結合される。モータ34Aとクランク軸12Aとの間の動力伝達経路には、クランク軸12Aを人力駆動車10が前進する方向に回転させた場合にクランク12の回転力によってモータ34Aが回転しないようにワンウェイクラッチが設けられるのが好ましい。モータ34Aおよび駆動回路34Bが設けられるハウジングには、モータ34Aおよび駆動回路34B以外の構成が設けられてもよく、例えばモータ34Aの回転を減速して出力する減速機が設けられてもよい。
【0037】
電動アジャスタブルシートポスト36は、電動アクチュエータ36Aを含む。電動アジャスタブルシートポスト36は、電動アクチュエータ36Aに与える電力を制御する駆動回路36Bをさらに含む。電動アクチュエータ36Aは、電気モータを含む。電動アクチュエータ36Aに含まれる電気モータは、ソレノイドに置き換えてもよい。駆動回路36Bは、制御部62からの制御信号に応じて電動アクチュエータ36Aを駆動させる。電動アジャスタブルシートポスト36は、シートチューブ16Dに設けられ、サドルの高さを変更するように構成される。電動アジャスタブルシートポスト36は、電動アクチュエータの力でシートポストが伸縮する電気式シートポスト、または、電動アクチュエータ36Aの力でバルブを制御することによって、シートポストがバネおよび空気の少なくとも一方の力で伸び、人力を加えることによって縮む機械式シートポストを含む。機械式シートポストは、油圧式シートポスト、または、油圧および空気圧式シートポストを含む。
【0038】
電動サスペンション38は、電動サスペンション38を動作させるための電動アクチュエータ38Aを含む。電動サスペンション38は、電動アクチュエータ38Aに与える電力を制御する駆動回路38Bをさらに含む。電動アクチュエータ38Aは、電気モータを含む。電動アクチュエータ38Aに含まれる電気モータは、ソレノイドに置き換えてもよい。駆動回路38Bは、制御部62からの制御信号に応じて電動アクチュエータ38Aを駆動させる。電動サスペンション38は、リアサスペンションおよびフロントサスペンションの少なくとも1つを含む。電動サスペンション38は、車輪に加えられる衝撃を吸収する。電動サスペンション38は、油圧サスペンションであってもよく、エアサスペンションであってもよい。電動サスペンション38は、第1部分と、第1部分に嵌め込まれて第1部分と相対移動可能な第2部分とを含む。電動サスペンション38の動作状態は、第1部分と第2部分との相対移動が規制されるロック状態と、第1部分と第2部分との相対移動が許容されるロック解除状態とを含む。電動アクチュエータ38Aは、電動サスペンション38の動作状態を切り替える。電動サスペンション38のロック状態は、車輪に強い力が加えられた場合に、第1部分と第2部分とがわずかに相対移動する状態を含み得る。電動サスペンション38の動作状態は、ロック状態およびロック解除状態に代えて、または、加えて、減衰力が異なる複数の動作状態、および、ストローク量が異なる複数の動作状態の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0039】
リアサスペンションは、人力駆動車10のフレーム16に設けられるように構成される。より具体的には、リアサスペンションは、フレーム16のフレーム本体と、後輪を支持するスイングアームとの間に設けられる。リアサスペンションは、後輪に加えられる衝撃を吸収する。フロントサスペンションは、人力駆動車10のフレーム16と前輪との間に設けられるように構成される。より具体的には、フロントサスペンションは、フロントフォーク16Aに設けられる。フロントサスペンションは、前輪に加えられる衝撃を吸収する。
【0040】
人工知能処理部52は、ソフトウェアを記憶している記憶装置52Aと、記憶装置52Aに記憶されているソフトウェアを実行する演算処理装置52Bと、を含む。演算処理装置52Bは、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。演算処理装置52Bは、CPUまたはMPUに加えて、好ましくは、GPU(Graphics Processing Unit)を含む。演算処理装置52Bは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでいてもよい。人工知能処理部52は、1または複数の演算処理装置52Bを含んでいてもよい。人工知能処理部52は、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置52Bを含んでいてもよい。演算処理装置52Bは、記憶装置52Aに記憶されている制御プログラムP1を実行する。
【0041】
記憶装置52Aは、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。記憶装置52Aは、制御プログラムP1、学習プログラムP2、および、学習モデルM1を記憶する。記憶装置52Aは、学習モデルM2を記憶していてもよい。記憶装置52Aは、学習モデルM3を記憶していてもよい。本実施形態では、学習モデルM1,M2,M3は、予め定める学習アルゴリズムによって学習された学習済みのモデルである。学習アルゴリズムは、機械学習、深層学習、または、深層強化学習を含む。学習アルゴリズムは、例えば、教師あり学習、教師なし学習、および、強化学習の少なくとも1つを含む。学習アルゴリズムとしては、人工知能の分野に属する手法を用いて学習モデルM1,M2,M3を更新させるように構成されていれば、本明細書に記載されている手法以外の手法を用いてもよい。学習モデルM1,M2,M3を更新させるための学習処理は、好ましくは、GPUによって行われる。学習アルゴリズムは、ニューラルネットワーク(以下NN:Neural Network)を用いてもよい。学習アルゴリズムは、リカレントニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network)を用いてもよい。人工知能処理部52は、学習モードと制御モードとで動作する。人工知能処理部52は、学習モードで動作する場合、学習プログラムP2に基づき、学習アルゴリズムによって学習モデルM1,M2,M3を作成する。人工知能処理部52は、制御モードで動作する場合、制御プログラムP1に基づき、検出部54によって取得した第1情報を、学習モデルM1,M2,M3を用いて処理することによって第2情報を出力する。
【0042】
人力駆動車10は、好ましくは、第1操作部40をさらに含む。第1操作部40は、電子装置50と有線または無線によって通信可能に接続されている。第1操作部40は、例えば電力線通信(PLC)によって電子装置50と通信可能である。第1操作部40は、それぞれ例えば操作部材と、操作部材の動きを検出する検出部と、検出部の出力信号に応じて、電子装置50と通信を行う電気回路とを含む。ユーザによって操作部材が操作されることによって、電気回路は、電子装置50に検出部の出力信号に応じた信号を送信する。操作部材およびその動きを検出する検出部は、プッシュスイッチ、レバー式スイッチ、または、タッチパネルを含んで構成される。第1操作部40は、例えばハンドルバー16Cに設けられる。第1操作部40は、電子装置50と無線によって通信可能に接続されている場合、無線通信ユニットを含む。第1操作部40は、電動変速機30を操作するための操作部40A、人力駆動車10の推進をアシストするドライブユニット34の動作状態を変更するための操作部40B、電動アジャスタブルシートポスト36の動作状態を変更するための操作部40C、および、電動サスペンション38の動作状態を変更するための操作部40Dの少なくとも1つを含む。操作部40Aは、例えば、人力駆動車10の変速比を変更するための操作部を含む。操作部40Bは、例えば、ドライブユニット34の動作モードを変更するための操作部を含む。ドライブユニット34の動作モードは、モータ34Aによるアシスト力の異なる複数の動作モードを含む。操作部40Cは、例えば、電動アジャスタブルシートポスト36の高さを変更するための操作部を含む。操作部40Dは、例えば、電動サスペンション38の硬さを変更するための操作部を含む。
【0043】
電子装置50は、第1情報を検出する検出部54をさらに含む。検出部54は、好ましくは、人力駆動車10に設けられる第1検出部56と、人力駆動車10の外部に設けられる第2検出部58とを含む。検出部54が第1検出部56を含む場合、第1情報は、電子装置50が設けられる人力駆動車10に関する情報を含む。検出部54が第2検出部58を含む場合、第1情報は、外部装置に蓄積される情報を含む。外部装置に蓄積される情報は、1つの人力駆動車10に関する情報を含んでいてもよく、複数の人力駆動車10に関する情報を含んでいてもよい。好ましくは、第1検出部56と、第2検出部58とは、異なる情報を検出する。
【0044】
電子装置50は、好ましくは、入力部60をさらに含む。入力部60は、好ましくは、人工知能処理部52と同一のハウジングに設けられる。第1検出部56および第2検出部58の少なくとも1つは、人工知能処理部52が設けられるハウジングに設けられてもよく、人工知能処理部52が設けられるハウジングとは別のハウジングに設けられてもよい。第1検出部56および第2検出部58の出力は、入力部60に入力される。第1検出部56および第2検出部58は、電気ケーブルによって入力部60と電気的に接続されてもよく、無線通信によって入力部60と電気的に接続されてもよい。
【0045】
第1操作部40の出力信号は、好ましくは、制御部62に入力される。第1操作部40が操作された場合、第1操作部40の出力信号および第1操作部40の出力信号の入力履歴の一方が、制御部62を介して人工知能処理部52に入力される。第1操作部40の出力信号は、制御部62を介さず、人工知能処理部52に入力されるようにしてもよい。制御部62は、第1操作部40の出力信号に応じて、電動変速機30および電気コンポーネント32の少なくとも1つを制御するように構成される。制御部62は、操作部40Aが操作されると、電動変速機30を動作させる。制御部62は、操作部40Bが操作されるとドライブユニット34の動作状態を変更する。制御部62は、操作部40Cが操作されると電動アジャスタブルシートポスト36の動作状態を変更する。制御部62は、操作部40Dが操作されると電動サスペンション38の動作状態を変更する。
【0046】
人力駆動車10に関する第1情報は、人力駆動車10の変速比を変更する電動変速機30に関する情報、電動変速機30によって変更される変速比に関する情報、人力駆動車10の車速に関する情報、人力駆動車10のクランク12の回転速度に関する情報、人力駆動車10に入力される人力駆動力に関する情報、および、人力駆動車10の傾きに関する情報の少なくとも1つを含む。
【0047】
電動変速機30によって変更される変速比は、人力駆動力が入力される回転体の回転速度に対する駆動輪14の回転速度の比率である。変速比は、クランク12の回転速度と、車輪の回転速度との比率に対応する。
【0048】
第1情報が電動変速機30に関する情報を含む場合、第1検出部56は、好ましくは、電動変速機30の状態を検出する状態検出センサを含む。状態検出センサは、電動変速機30の現在の変速ステージを検出する。状態検出センサは、電動変速機30および電動アクチュエータなどの物理的な動作を検出する。状態検出センサは、例えばポテンショメータ、および、ホール素子などのセンサを含む。
【0049】
第1情報が変速比に関する情報を含む場合、第1検出部56は、車速センサおよびクランク回転センサを含む。車速センサは、人力駆動車10の車輪の回転速度を検出するために用いられる。車速センサは、車輪の回転速度に応じた信号を出力する。クランク回転センサは、クランク12の回転速度を検出するために用いられる。クランク回転センサは、クランク12の回転速度に応じた信号を出力する。第1情報が変速比に関する情報を含む場合、第1検出部56は、電動変速機30を制御する制御部から送信される制御信号を検出する検出部、および、電動変速機30を動作させるための操作部40Aの操作信号を検出する検出部の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0050】
第1情報が車速に関する情報を含む場合、第1検出部56は、好ましくは、車速センサを含む。車速センサは、人力駆動車10の車輪の回転速度を検出するために用いられる。車速センサは、車輪の回転速度に応じた信号を出力する。制御部62は、車輪の回転速度に基づいて人力駆動車10の車速を演算できる。車速センサは、好ましくは、リードスイッチを構成する磁性体リード、または、ホール素子を含む。車速センサは、人力駆動車10のフレーム16のチェーンステイに取り付けられ、後輪に取り付けられる磁石を検出する構成としてもよく、フロントフォーク16Aに設けられ、前輪に取り付けられる磁石を検出する構成としてもよい。第1情報が車速に関する情報を含む場合、第1検出部56は車速センサを含まず、かつ、GPS(global positioning system)受信機および地図情報を記憶する記憶部を含んでいてもよい。第1情報が車速に関する情報を含む場合、第2検出部58は、GPS受信機および地図情報を記憶する記憶部を含んでいてもよい。この場合、制御部62は、GPS受信機によって受信される位置情報と、地図情報と、制御部62に含まれるタイマとに応じて、人力駆動車10の車速を演算できる。
【0051】
第1情報がクランク12の回転速度に関する情報を含む場合、第1検出部56は、好ましくは、クランク回転センサを含む。クランク回転センサは、クランク12の回転速度を検出するために用いられる。クランク回転センサは、人力駆動車10のフレーム16またはドライブユニット34のハウジングに取り付けられる。クランク回転センサは、磁界の強度に応じた信号を出力する磁気センサを含んで構成される。周方向に磁界の強度が変化する環状の磁石が、クランク軸12A、クランク軸12Aに連動して回転する部材、または、クランク軸12Aから第1回転体22までの間の動力伝達経路に設けられる。クランク回転センサは、クランク12の回転速度に応じた信号を出力する。磁石は、クランク軸12Aから第1回転体22までの人力駆動力の動力伝達経路において、クランク軸12Aと一体に回転する部材に設けられてもよい。例えば、磁石は、クランク軸12Aと第1回転体22との間に第1ワンウェイクラッチが設けられない場合、第1回転体22に設けられてもよい。クランク回転センサは、磁気センサに代えて光学センサ、加速度センサ、またはトルクセンサなどを含んでいてもよい。
【0052】
第1情報が人力駆動力を含む場合、第1検出部56は、好ましくは、トルクセンサを含む。トルクセンサは、クランク12に入力される人力駆動力のトルクを検出するために用いられる。トルクセンサは、例えば、動力伝達経路に第1ワンウェイクラッチが設けられる場合、第1ワンウェイクラッチよりも動力伝達経路の上流側に設けられる。トルクセンサは、歪センサ、磁歪センサ、または、圧力センサなどを含む。歪センサは、歪ゲージを含む。トルクセンサは、動力伝達経路、または、動力伝達経路に含まれる部材の近傍に含まれる部材に設けられる。動力伝達経路に含まれる部材は、例えば、クランク軸12A、クランクアーム12B、または、ペダル18である。トルクセンサは、無線または有線の通信部を含んでいてもよい。人力駆動力は、人力駆動力の仕事率を含んでいてもよい。この場合、第1検出部56は、好ましくは、それぞれトルクセンサおよびクランク回転センサを含む。
【0053】
第1情報が人力駆動車10の傾きに関する情報を含む場合、第1検出部56は、好ましくは、傾斜センサを含む。傾斜センサは、人力駆動車10に設けられ、人力駆動車10の傾斜角度を検出する。人力駆動車10の傾斜角度は、ピッチ角度、ロール角度、および、ヨー角度の少なくとも1つを含む。傾斜センサは、例えばジャイロセンサおよび加速度センサの少なくとも1つを含む。
【0054】
人力駆動車の搭乗者に関する情報は、搭乗者の生体情報を含む。第1情報が搭乗者の身体状態を含む場合、第2検出部58は、好ましくは、心拍センサ、脳波センサ、および、筋電センサの少なくとも1つを含む。
【0055】
人力駆動車10の環境に関する情報は、人力駆動車10の走行路に関する情報を含む。第1情報が人力駆動車10の走行路に関する情報を含む場合、第1検出部56および第2検出部58の少なくとも1つは、好ましくは、GPS受信機および地図情報を記憶する記憶部を含む。地図情報は、第1検出部56および第2検出部58の少なくとも1つと電気的に接続される外部装置から取得してもよい。
【0056】
図4を参照して、第1情報に応じて第2情報を作成する処理について説明する。人工知能処理部52は、人工知能処理部52に電力が供給され、制御モードが設定されると、処理を開始して
図4に示すフローチャートのステップS11に移行する。
【0057】
人工知能処理部52は、ステップS11において、第1情報が入力されたか否かを判定する。人工知能処理部52は、第1情報が入力されていない場合、処理を終了する。人工知能処理部52は、第1情報が入力された場合、ステップS12に移行する。人工知能処理部52は、ステップS12において、制御プログラムP1に基づいて、第1情報を、学習モデルM1を用いて処理することによって第2情報を作成し、処理を終了する。人工知能処理部52は、電力の供給が停止されるまでは、
図4に示すフローチャートが終了した後、予め定める周期が経過するとステップS11に移行する。
【0058】
図5を参照して、第2情報を作成するための処理を変更する処理について説明する。人工知能処理部52は、人工知能処理部52に電力が供給され、学習モードが設定されると、処理を開始して
図5に示すフローチャートのステップS21に移行する。
【0059】
人工知能処理部52は、ステップS21において、第1操作部40が操作されたか否かを判定する。人工知能処理部52は、第1操作部40が操作されていない場合、処理を終了する。人工知能処理部52は、第1操作部40が操作された場合、ステップS22に移行する。人工知能処理部52は、ステップS22において、第2情報を作成するための処理を変更し、処理を終了する。人工知能処理部52は、ステップS22において、学習プログラムP2に基づき、第1情報を用いて第2情報を作成するための学習モデルM1を学習アルゴリズムによって更新させる。人工知能処理部52は、電力の供給が停止されるまでは、
図5に示すフローチャートが終了した後、予め定める周期が経過するとステップS21に移行する。
【0060】
人工知能処理部52は、ステップS22において変更された第2情報を作成するための処理を用いて、
図4の第2情報を作成する処理を行う。第2情報を作成するための処理に関する情報は、人工知能処理部52の記憶装置52Aに変更可能に記憶される。第2情報を作成するための処理に関する情報は、学習モデルM1における重み付けおよびバイアスの少なくとも一方の情報を含む。
【0061】
人工知能処理部52は、第1操作部40の操作と、第1操作部40の操作が行われたときの第1情報との組み合わせを用いて学習することによって、搭乗者の好みに応じた電気コンポーネント32の制御を行うことができる。
【0062】
本実施形態では、人工知能処理部52は、学習モードと制御モードとで動作する。人工知能処理部52は、電力が供給されると、制御モードで動作する。人工知能処理部52は、学習モードで動作する場合、学習プログラムP2に基づき、学習アルゴリズムによって学習モデルM1を作成する。人工知能処理部52は、制御モードで動作する場合、制御プログラムP1に基づき、検出部54によって取得した第1情報を、学習モデルM1を用いて処理することによって第2情報を出力する。
【0063】
電子装置50は、ドライブユニット34、電動アジャスタブルシートポスト36、および、電動サスペンション38の少なくとも1つを制御する制御部62を含む。制御部62は、第2情報に応じて、ドライブユニット34、電動アジャスタブルシートポスト36、および、電動サスペンション38の少なくとも1つを制御する第1制御状態と、第1操作部40の操作に応じて、ドライブユニット34、電動アジャスタブルシートポスト36、および、電動サスペンション38の少なくとも1つを制御する第2制御状態と、で動作可能に構成される。第1制御状態において、電子装置50は、第1操作部40の操作に応じて、ドライブユニット34、電動アジャスタブルシートポスト36、および、電動サスペンション38を制御してもよい。第2制御状態において、電子装置50は、第2情報に応じて、ドライブユニット34、電動アジャスタブルシートポスト36、および、電動サスペンション38を制御しない。
【0064】
制御部62は、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPUまたはMPUを含む。制御部62は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。制御部62は、記憶部を含んでいてもよい。記憶部は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。制御部62は、電気コンポーネント32を制御する。
【0065】
制御部62は、第1制御状態において、例えば、車速、クランク12の回転速度および人力駆動力の少なくとも1つに応じてドライブユニット34を制御する。
【0066】
制御部62は、好ましくは、第2操作部42の操作に応じて、第1制御状態と、第2制御状態とを切り替える。人工知能処理部52は、第2制御状態において学習モードで動作するように構成され、かつ、第1制御状態において制御モードで動作するように構成されてもよい。人工知能処理部52は、第2制御状態において学習モードで動作するように構成され、かつ、第1制御状態において制御モードで動作するように構成される場合、好ましくは、第2操作部42の操作に応じて、制御モードと、学習モードとも切り替えられる。
【0067】
人力駆動車10は、好ましくは、第2操作部42をさらに含む。第2操作部42は、電子装置50と有線または無線によって通信可能に接続されている。第2操作部42は、例えば電力線通信(PLC)によって電子装置50と通信可能である。第2操作部42は、それぞれ例えば操作部材と、操作部材の動きを検出する検出部と、検出部の出力信号に応じて、電子装置50と通信を行う電気回路とを含む。ユーザによって操作部材が操作されることによって、電気回路は、電子装置50に出力信号を送信する。第2操作部材およびその動きを検出する検出部は、プッシュスイッチ、レバー式スイッチ、または、タッチパネルを含んで構成される。第2操作部42は、例えばハンドルバー16Cに設けられる。
【0068】
第2操作部42の出力信号は、好ましくは、制御部62に入力される。第2操作部42が操作された場合、第2操作部42の出力信号および第2操作部42の出力信号の入力履歴の一方が、制御部62を介して人工知能処理部52に入力される。第2操作部42の出力信号は、制御部62を介さず、人工知能処理部52に入力されるようにしてもよい。
【0069】
図6を参照して、第1制御状態と第2制御状態とを切り替える処理を変更する処理について説明する。制御部62は、制御部62に電力が供給されると、処理を開始して
図6に示すフローチャートのステップS31に移行する。
【0070】
制御部62は、ステップS31において、第2操作部42が操作されたか否かを判定する。制御部62は、第2操作部42が操作されていない場合、処理を終了する。制御部62は、第2操作部42が操作された場合、ステップS32に移行する。制御部62は、ステップS32において、制御状態を切り替え、処理を終了する。例えば、制御部62は、第1制御状態において第2操作部42が操作された場合、第2制御状態に切り替え、第2制御状態において第2操作部42が操作された場合、第1制御状態に切り替える。
【0071】
制御部62は、第1制御状態と第2制御状態とを切り替える場合、報知部64に報知させる。電子装置50は、好ましくは、報知部64をさらに含む。報知部64は、スピーカおよび表示装置の少なくとも1つを含む。表示装置は、液晶および有機EL(electro-luminescence)ディスプレイの少なくとも1つを含む。表示装置は、タッチパネルであってもよい。報知部64は、電子装置50に含まれるのではなく、電子装置50とは別体の外部装置に含まれていてもよい。この場合、報知部64は、電子装置50と通信可能に構成される。
【0072】
電子装置50は、通信部66をさらに含み、人工知能処理部52には、通信部66を介して第1情報が入力されるようにしてもよい。通信部66は、例えば、無線LAN(Local Area Network)および公衆通信回線網の少なくとも1つを介して、通信可能に構成される。通信部66は、無線通信ユニットおよび有線通信ユニットの少なくとも1つを含む。通信部66は、インターネットに接続され、インターネットを介して、第1情報を受信するようにしてもよい。通信部66は、入力部60を介して人工知能処理部52に第1情報を送信してもよく、入力部60を介さずに人工知能処理部52に第1情報を送信してもよい。
【0073】
人工知能処理部52は、第1情報に応じて、人力駆動車10の部品に関する提案を作成してもよい。この場合、電子装置50は、好ましくは、人力駆動車10の部品に関する提案を表示する表示部68をさらに含む。表示部68は、液晶および有機ELディスプレイの少なくとも1つを含む。表示部68は、タッチパネルであってもよい。報知部64が表示装置を含む場合、報知部64の表示装置を、表示部68として用いてもよい。
【0074】
人工知能処理部52は、第1情報に応じて、搭乗者の走行に適した人力駆動車10の部品に関する提案を作成する。この場合、人工知能処理部52には、搭乗者の走行に適した人力駆動車10の部品に関する提案を作成するための学習モデルM2が記憶される。例えば、人工知能処理部52が第1情報に応じて、変速ステージ間の変速比の変化量が現在の変速比の変化量よりも大きくなる方が搭乗者に対して好適であると判定した場合、人工知能処理部52は、第1回転体22および第2回転体24の少なくとも1つの型番号、歯数、または、歯数の組合せ等を表示部68に表示させる。例えば、人工知能処理部52が第1情報に応じて、最大変速比が現在の最大変速比よりも大きくなる方が搭乗者に対して好適であると判定した場合、人工知能処理部52は、第1回転体22および第2回転体24の少なくとも1つの型番号、歯数、または、歯数の組合せ等を表示部68に表示させる。例えば、人工知能処理部52が第1情報に応じて、最小変速比が現在の最小変速比よりも大きくなる方が搭乗者に対して好適であると判定した場合、人工知能処理部52は、第1回転体22および第2回転体24の少なくとも1つの型番号、歯数、または、歯数の組合せ等を表示部68に表示させる。
【0075】
図7を参照して、人力駆動車10の部品に関する提案を作成する処理について説明する。人工知能処理部52は、人工知能処理部52に電力が供給されると、処理を開始して
図7に示すフローチャートのステップS41に移行する。
【0076】
人工知能処理部52は、ステップS41において、第1情報が入力されたか否かを判定する。人工知能処理部52は、ステップS41において第1情報が入力されていない場合、処理を終了する。人工知能処理部52は、第1情報が入力されたと判定した場合、ステップS42に移行する。人工知能処理部52は、ステップS42において、人力駆動車の10の部品に関する提案を作成し、処理を終了する。人工知能処理部52は、ステップS42において、学習プログラムP2に基づき、第1情報を用いて提案を作成するための学習モデルM2を学習アルゴリズムによって更新させ、更新した学習モデルM2によって提案を作成する。人工知能処理部52は、ステップS42において作成した提案を、表示部68に表示させる。人工知能処理部52は、電力の供給が停止されるまでは、
図7に示すフローチャートが終了した後、予め定める周期が経過するとステップS41に移行する。
【0077】
人工知能処理部52は、第1情報に応じて、人力駆動車10の設定に関する第4情報を作成してもよい。第4情報は、例えば、第2制御状態において制御に用いられるパラメータの値等を含む。この場合、人工知能処理部52には、第4情報を作成するための学習モデルM3が記憶される。例えば、人工知能処理部52が第1情報に応じて、停止時の電動アジャスタブルシートポスト36の高さが現在の設定値よりも高い方が好適であると判定した場合、停止時の電動アジャスタブルシートポスト36の高さの設定値が変更される。
【0078】
図8を参照して、第1情報に応じて第4情報を作成する処理について説明する。人工知能処理部52は、人工知能処理部52に電力が供給されると、処理を開始して
図8に示すフローチャートのステップS51に移行する。
【0079】
人工知能処理部52は、ステップS51において、第1情報が入力されたか否かを判定する。人工知能処理部52は、ステップS51において第1情報が入力されていない場合、処理を終了する。人工知能処理部52は、第1情報が入力されたと判定した場合、ステップS52に移行する。人工知能処理部52は、ステップS52において、第4情報を作成し、処理を終了する。人工知能処理部52は、ステップS52において、学習プログラムP2に基づき、第1情報を用いて第4情報を作成するための学習モデルM3を学習アルゴリズムによって更新させ、更新した学習モデルM3によって第4情報を作成する。人工知能処理部52は、ステップS52において作成した設定に関する情報を用いて電気コンポーネント32の制御を行う。
【0080】
(第2実施形態)
図9を参照して、第2実施形態の電子装置50について説明する。第2実施形態の電子装置50は、第1制御状態と第2制御状態とを切り替える処理が異なる点以外は、第1実施形態の電子装置50と同様であるので、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0081】
制御部62は、第1制御状態において、第1操作部40が操作されると、第2制御状態に切り替わる。制御部62は、好ましくは、第2制御状態において、予め定める条件が満たされると、第1制御状態に切り替わる。
【0082】
予め定める条件は、例えば、電子装置50への電力の供給が停止された場合に満たされるようにしてもよい。この場合、再び電子装置50に電力が供給されて走行が再開された場合、第1制御状態に切り替わる。予め定める条件は、第2操作部42に操作が行われた場合に満たされるようにしてもよい。
【0083】
図9を参照して、制御状態を切り替える処理について説明する。制御部62は、制御部62に電力が供給されると、処理を開始して
図9に示すフローチャートのステップS61に移行する。
【0084】
制御部62は、ステップS61において、第1制御状態か否かを判定する。制御部62は、第1制御状態の場合、ステップS62に移行する。制御部62は、ステップS62において、第1操作部40が操作されたか否かを判定する。制御部62は、第1操作部40が操作されていない場合、処理を終了する。制御部62は、第1操作部40が操作された場合、ステップS63に移行する。
【0085】
制御部62は、ステップS63において、第2制御状態に切り替え、ステップS64に移行する。制御部62は、ステップS64において、第2制御状態への切り替えを報知部64に報知させて処理を終了する。
【0086】
制御部62は、ステップS61において、第1制御状態ではないと判定した場合、ステップS65に移行する。制御部62は、ステップS65において、予め定める条件が満たされたか否かを判定する。制御部62は、予め定める条件が満たされていない場合、処理を終了する。制御部62は、予め定める条件が満たされた場合、ステップS66に移行する。
【0087】
制御部62は、ステップS66において、第1制御状態に切り替え、ステップS67に移行する。制御部62は、ステップS67において、第1制御状態への切り替えを報知部64に報知させて処理を終了する。
【0088】
(変形例)
実施形態に関する説明は、本発明に従う電子装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う電子装置は、例えば以下に示される実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0089】
・電子装置50は、
図10に示す人力駆動車用システム80に含まれてもよい。人力駆動車用システム80は、電子装置50と、電子装置50から人工知能処理部52の処理に関する第3情報を受信し、第1情報と、第3情報とに応じて、電気コンポーネント32を制御する制御部82をさらに含む。この場合、電子装置50の制御部62は、省略してもよい。制御部82は、電気コンポーネント32と別体に設けられてもよく、電気コンポーネント32に設けられてもよい。この場合、電子装置50は、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、パーソナルコンピュータ、および、サーバの少なくとも1つを含む。第3情報は、第2情報と同様である。
【0090】
・第1変形例の電気コンポーネント32は、電動変速機30、人力駆動車10の推進力を付与するドライブユニット34、電動アジャスタブルシートポスト36、および、電動サスペンション38の少なくとも1つを含んでもよい。この場合、電子装置50は、人力駆動車10の搭乗者、および、人力駆動車10の環境の少なくとも1つに関する第1情報に応じて、人力駆動車10に設けられる電気コンポーネント32を制御するための第2情報を作成可能な人工知能処理部52、を含み、人工知能処理部52は、第1情報と、電気コンポーネント32を操作するための第1操作部40の操作とに応じて、第2情報を作成するための処理を変更する。
【0091】
・第1変形例において、電子装置50は、電気コンポーネント32を制御する制御部62を含み、制御部62は、第2情報に応じて、電気コンポーネント32を制御する第1制御状態と、第1操作部40の操作に応じて、電気コンポーネント32を制御する第2制御状態と、で動作可能に構成されてもよい。
【0092】
・人工知能処理部52は、第2操作部42とは異なる条件によって、制御モードと学習モードとを切り替えるようにしてもよい。例えば、電子装置50は、制御モードと学習モードとを切り替えるための第3操作部を設け、第3操作部の操作によって制御モードと学習モードとを切り替える。この場合、人工知能処理部52は、第1制御状態の場合の第1情報に応じて第2情報を作成してもよい。
【0093】
・第1操作部40、および、第2操作部42の少なくとも1つは、電子装置50に設けられてもよい。
【符号の説明】
【0094】
10…人力駆動車、12…クランク、30…電動変速機、32…電気コンポーネント、34…ドライブユニット、36…電動アジャスタブルシートポスト、38…電動サスペンション、40…第1操作部、42…第2操作部、50…電子装置、52…人工知能処理部、54…検出部、56…第1検出部、58…第2検出部、62…制御部、64…報知部、66…通信部、68…表示部、80…人力駆動車用システム、82…制御部。