(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】有機発光ダイオード表示パネル及びその製造方法、表示装置
(51)【国際特許分類】
H01L 51/50 20060101AFI20221213BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20221213BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20221213BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20221213BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20221213BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20221213BHJP
G09F 9/302 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/12 E
H05B33/12 C
H05B33/10
G02B5/20 101
G09F9/30 365
G09F9/302 C
(21)【出願番号】P 2018558429
(86)(22)【出願日】2018-04-11
(86)【国際出願番号】 CN2018082695
(87)【国際公開番号】W WO2018233353
(87)【国際公開日】2018-12-27
【審査請求日】2021-03-29
(31)【優先権主張番号】201710469604.4
(32)【優先日】2017-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ ▲長▼晏
(72)【発明者】
【氏名】宋 泳▲錫▼
(72)【発明者】
【氏名】宋 文峰
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】林 俊▲儀▼
【審査官】小久保 州洋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0079556(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02846372(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0161114(US,A1)
【文献】特開2005-150078(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1711002(CN,A)
【文献】特開2007-103028(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0134461(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0118612(US,A1)
【文献】特開2012-199231(JP,A)
【文献】特開2014-026228(JP,A)
【文献】特開2014-153592(JP,A)
【文献】特開2010-249870(JP,A)
【文献】特開2012-013757(JP,A)
【文献】特開2006-210330(JP,A)
【文献】特開2014-225415(JP,A)
【文献】特開2012-182126(JP,A)
【文献】特開2007-012370(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/50 - 51/56
H05B 33/12
H05B 33/10
H01L 27/32
G02B 5/20
G09F 9/30
G09F 9/302
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機発光ダイオード表示パネルであって、
下地基板、及び前記下地基板上に位置する発光層を含み、
前記発光層の発光スペクトルの最大スペクトル強度の10%~15%におけるスペクトル幅が200nm以上であり
、
前記有機発光ダイオード表示パネルは、
前記発光層の前記下地基板と離れた側に位置し、且つ前記発光層の光射出側に位置し、少なくとも3色のフィルターユニットを含むフィルター層をさらに含み、
1色のフィルターユニットは波長580nm超えの光のみが透過し、且つ波長595nmの光の透過率が50%以上であるように配置され、前記発光スペクトルの黄光から緑光までの波長領域が、550nm~562nmの間に位置するピークを一つのみ含み、前記550nm~562nmの間に位置するピークを第1のピークとし、前記発光スペクトルの最大スペクトル強度におけるピークを第2のピークとして、前記第2のピークのピーク波長が456nm以下で
あり、
前記第1のピークと前記第2のピークとの間のトラフのトラフ値は、前記第2のピークのピーク値の15%より大きく、
前記発光スペクトルの赤い光の波長領域は、第3のピークを含み、前記第3のピークのピーク波長は610nm~624nmの間に位置し、
前記第1のピークのピーク値と前記第3のピークのピーク値との比が1.5:1より大きく、且つ前記第3のピークのピーク波長と前記第1のピークのピーク波長との差が70nm未満であり、
前記第3のピークのピーク値は、前記第2のピークのピーク値の20%~30%以内である、有機発光ダイオード表示パネル。
【請求項2】
前記発光スペクトルは、少なくとも3つのピークを含む、請求項1に記載の有機発光ダイオード表示パネル。
【請求項3】
前記発光層が3つの積層された層を含む、請求項1
または2に記載の有機発光ダイオード表示パネル。
【請求項4】
前記3つの積層された層は、第1の青色発光層、赤色及び緑色発光層、および第2の青色発光層を含む、請求項
3に記載の有機発光ダイオード表示パネル。
【請求項5】
前記第1の青色発光層の厚さは150~300nmであり、前記赤色及び緑色発光層の厚さは60~100nmであり、前記第2の青色発光層の厚さは100~200nmである、請求項
4に記載の有機発光ダイオード表示パネル。
【請求項6】
前記第1の青色発光層および前記第2の青色発光層は、いずれも蛍光発光材料を含み、前記赤色および緑色発光層は燐光発光材料を含む、請求項
4または
5に記載の有機発光ダイオード表示パネル。
【請求項7】
前記有機発光ダイオード表示パネルは、赤色の画素、緑色の画素、青色の画素及び白色の画素を含み、前記少なくとも3色のフィルターユニットはレッドフィルターユニットと、グリーンフィルターユニットと、ブルーフィルターユニットを含み、且つそれぞれ前記赤色の画素、前記緑色の画素、前記青色の画素内に配置される、請求項1から
6のいずれか一項に記載の有機発光ダイオード表示パネル。
【請求項8】
前記発光層は白光発光層である、請求項1~
7のいずれか一項に記載の有機発光ダイオード表示パネル。
【請求項9】
請求項1~
8のいずれか一項に記載の有機発光ダイオード表示パネルを含む、表示装置。
【請求項10】
有機発光ダイオード表示パネルの製造方法であって、
下地基板に発光層を形成することを含み、
前記発光層の発光スペクトルの最大スペクトル強度の10%~15%におけるスペクトル幅が200nm以上であり
、
有機発光ダイオード表示パネルの製造方法は、
前記発光層の前記下地基板と離れた側にフィルター層を形成することをさらに含み、
前記フィルター層が前記発光層の光射出側に位置し、且つ前記フィルター層は、少なくとも3色のフィルターユニットを含み、
1色のフィルターユニットは波長580nm超えの光のみが透過し、且つ波長595nmの光の透過率は50%以上であるように配置され、
前記発光スペクトルの黄光から緑光までの波長領域は、550nm~562nmの間に位置するピークを一つのみ含み、前記550nm~562nmの間に位置するピークを第1のピークとし、前記発光スペクトルの最大スペクトル強度におけるピークを第2のピークとして、前記第2のピークのピーク波長が456nm以下で
あり、
前記第1のピークと前記第2のピークとの間のトラフのトラフ値は、前記第2のピークのピーク値の15%より大きく、
前記発光スペクトルの赤い光の波長領域は、第3のピークを含み、前記第3のピークのピーク波長は610nm~624nmの間に位置し、
前記第1のピークのピーク値と前記第3のピークのピーク値との比が1.5:1より大きく、且つ前記第3のピークのピーク波長と前記第1のピークのピーク波長との差が70nm未満であり、
前記第3のピークのピーク値は、前記第2のピークのピーク値の20%~30%以内である、有機発光ダイオード表示パネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年6月20日に中国で出願された特許出願第201710469604.4号に対して優先権を主張するものであり、上記の中国特許出願に開示された内容全体は引用によって本明細書に含まれている。
【0002】
本発明の少なくとも一つの実施態様は、有機発光ダイオード表示パネル及びその製造方法、表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Didode,OLED)デバイスは、新型のフラットパネルディスプレイデバイスであり、全固体状態構造、高輝度、広視野角、高速応答、フレキシブルディスプレイなど利点を有する自発光型デバイスである。従って、有機発光ダイオードデバイスは、優れた競争力と発展の見通しを有する次世代のディスプレイ技術である。
【0004】
白光有機発光ダイオード(White Organic Light Emitting Diode、WOLED)は、面光源に属し、任意形状を有する大型な平面光源の製造に用いることができ、液晶ディスプレイのバックライト及びフルカラー有機発光ダイオード表示装置に適している。一般に、WOLEDをカラーフィルター(Color Filter、CF)と重ね合わせることにより、有機発光ダイオード表示装置のフルカラー化を実現する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の少なくとも一実施様態が有機発光ダイオード表示パネル及びその製造方法、表示装置を提供する。該有機発光ダイオード表示パネルは、同時に広い色域と低消費電力の両方の性能を有する。
【0006】
本願の少なくとも一つの実施様態が有機発光ダイオード表示パネルを提供している。該有機発光ダイオード表示パネルは、下地基板及び前記下地基板に配置されている発光層を備え、該発光層の発光スペクトルの最大スペクトル強度の10%~15%におけるスペクトル幅が200nm以上であり、且つ前記発光スペクトルの黄光から緑光までの波長領域が、550nm~562nmの間に位置するピークを少なくとも1つ有する。
【0007】
本願に開示される一つの実施様態において、有機発光ダイオード表示パネルは発光層の下地基板と離れた側に位置するフィルター層を備え、且つ前記フィルター層が発光層の光射出側に位置し、前記フィルター層は少なくとも3色のフィルターユニットを含み、そのなかで1色のフィルターユニットは、波長580nm超えの光のみが透過、且つ波長595nmの光の透過率は50%以上であるように配置されている。
【0008】
本願に開示される一つの実施様態において、前記発光スペクトルは、少なくとも3つのピークを含む。
【0009】
本願に開示される一つの実施様態において、前記発光スペクトルの黄光から緑光までの波長領域が、550nm~562nmの間に位置するピークを一つのみ含み、550nm~562nmの間に位置するピークを第1のピークとする。
【0010】
本願に開示される一つの実施様態において、前記発光スペクトルの最大スペクトル強度におけるピークを第2のピークとして、前記第2のピークのピーク波長が456nm以下である。
【0011】
本願に開示される一つの実施様態において、第1のピークと第2のピークとの間のトラフ値は、前記第2のピークの15%~30%の間に位置する。
【0012】
本願に開示される一つの実施様態において、発光スペクトルの赤い光の波長領域は、第3のピークを含み、前記第3のピークのピーク波長は、610nm~624nmの間に位置する。
【0013】
本願に開示される一つの実施様態において、前記第1のピークのピーク値と前記第3のピークのピーク値との比が1.5:1より大きく、且つ第3のピークのピーク波長と第1のピークのピーク波長との差が70nm未満である。
【0014】
本願に開示される一つの実施様態において、発光層が3つの積層された層を含む。
【0015】
本願に開示される一つの実施様態において、3つの積層された層は、第1の青色発光層、赤色及び緑色発光層、および第2の青色発光層を含む。
【0016】
本願に開示される一つの実施様態において、第1の青色発光層の厚さは150~300nmであり、赤色及び緑色発光層の厚さは60~100nmであり、第2の青色発光層の厚さは100~200nmである。
【0017】
本願に開示される一つの実施様態において、第1の青色発光層および第2の青色発光層は、いずれも蛍光発光材料を含み、赤色および緑色発光層は燐光発光材料を含む。
【0018】
本願に開示される一つの実施様態において、有機発光ダイオード表示パネルは、赤色の画素、緑色の画素、青色の画素及び白色の画素を含み、前記少なくとも3色のフィルターユニットはレッドフィルターユニットとグリーンフィルターユニットとブルーフィルターユニットを含み、それぞれ前記赤色の画素、前記緑色の画素、前記青色の画素内に配置される。
【0019】
本願に開示される一つの実施様態において、発光層は白光発光層である。
【0020】
本願に開示される少なくとも一つの実施様態が有機発光ダイオード表示パネルの製造方法を提供している。前記方法が下地基板に発光層を形成することを含み、発光層の発光スペクトルの最大スペクトル強度の10%~15%におけるスペクトル幅が200nm以上であり、且つ前記発光スペクトルの黄光から緑光までの波長領域が550nm~562nmの間に位置するピークを少なくとも1つ有する。
【0021】
本願に開示される一つの実施様態において、有機発光ダイオード表示パネルの製造方法は、発光層の前記下地基板と離れた側にフィルター層を形成することを含み、フィルター層が発光層の光射出側に位置し、且つフィルター層は、少なくとも3色のフィルターユニットを含み、そのなかで1色のフィルターユニットは、波長580nm超えの光のみが透過し、且つ波長595nmの光の透過率は50%以上であるように配置される。
【0022】
本願に開示される一つの実施様態において、前記発光スペクトルの黄光から緑光までの波長領域は550nm~562nmの間に位置するピークを一つのみ有する。
【0023】
本願の少なくとも一つの実施様態で提供される表示装置は、本願の実施様態で提供されるいずれかの有機発光ダイオード表示パネルを含む。
【0024】
本発明の実施態様の技術構成をより明らかに説明するため、実施態様の図面について、下記のように簡単に説明する。明らかに、下記に説明する図面は、本発明の一部の実施態様にしか関わっておらず、本発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一つの実施態様で提供される有機発光ダイオード表示パネルの概略図である。
【
図2】
図1に示される有機発光ダイオード表示パネルの発光スペクトルである。
【
図3】本発明の一つの実施態様で提供されるフィルター層の1色のフィルターユニットのフィルター特性の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施態様の目的、技術構成、および技術効果をより明らかにするため、下記に本発明の実施態様の図面を組み合わせながら、本発明の実施態様の技術構成について明確かつ完全に説明する。明らかに、下記に説明する実施態様は、本発明の一部の実施態様に過ぎず、すべての実施態様ではない。下記に説明する本発明の実施態様に基づき、創造的な労力を要らない前提下で当業者が得たその他の実施態様は、本発明の保護範囲に属す。
【0027】
別途に定義されない限り、本発明で使用される技術用語または科学用語は、当業者の通常の意味において理解されることである。本発明において使用される「第1」、「第2」および類似の用語は順序、数量または重要性を示すものではなく、異なる構成要素を区別するために使用される。「含む」または「備える」など類似の言葉は、この言葉の前の要素或は物はこの言葉の後ろで挙げられた要素或は物等を含むことを示すが、他の要素または物は除外されるわけではない。「上」、「下」、「左」、「右」等は、相対的な位置関係を示すためだけに用いられ、記載の対象の絶対位置が変更された場合には、該相対的な位置関係も対応的に変更されることがある。
【0028】
この研究において、本発明者らは、有機発光ダイオード表示パネルの色域を増加すると、その消費電力に大きな影響を与え、即ち、有機発光ダイオード表示パネルの色域を増加することは、容易に消費電力を増加させる。従って、有機発光ダイオード表示パネルが広い色域と低消費電力を同時に実現することは困難である。
【0029】
本発明の実施様態が有機発光ダイオード表示パネル及びその製造方法、表示装置を提供する。該有機発光ダイオード表示パネルは下地基板及び下地基板上に位置する発光層を含み、前記発光層の発光スペクトルの最大スペクトル強度の10%~15%におけるスペクトル幅が200nm以上であり、且つ前記発光スペクトルの黄光から緑光までの波長領域が550nm~562nmの間に位置するピークを少なくとも1つ有する。該有機発光ダイオード表示パネルは同時に広い色域と低消費電力の両方の性能を有する。
【0030】
以下、添付図面を参照しながら、本願の実施形態で提供される有機発光ダイオード表示パネル及びその製造方法、表示装置について説明する。
【0031】
本発明の一つの実施様態が有機発光ダイオード表示パネルを提供する。
図1は本発明の一つの実施態様で提供される有機発光ダイオード表示パネルの概略図である;
図2は
図1に示される有機発光ダイオード表示パネルの発光スペクトル図である;
図1に示されるように、本願の実施様態で提供される有機発光ダイオード表示パネルは、下地基板100及び下地基板100に位置する発光層110を含む。
図2に示されるように、該発光層110の発光スペクトルの最大スペクトル強度におけるピーク111のピーク値10%~15%におけるスペクトル幅が200nm以上である。
図2から、最大スペクトル強度におけるピーク111のピーク値10%におけるスペクトル幅が、最大スペクトル強度におけるピーク111のピーク値15%におけるスペクトル幅より大きいであることが分かる。よって、本願の実施様態において、スペクトル線の中で最大スペクトル強度の15%に対応するスペクトル線の二つの点AとBの間の波長間隔はλ1>200nmである。本実施形態で提供される発光層110が発するスペクトルは、広いスペクトルという特性を有するため、該発光層を含む有機発光ダイオード表示パネルが広い色域を有する。
【0032】
図2に示されるように、発光スペクトルの黄光から緑光までの波長領域は550nm~562nmの間に位置するピークを少なくとも一つ有する。ここで、黄光から緑光までの波長領域が500nm~600nm程度である。本願の実施様態で提供される発光スペクトルの黄光から緑光までの波長領域は550nm~562nmの間に位置するピークを少なくとも一つ有する。本実施形態では、該発光スペクトルの黄光から緑光までの波長領域が500nm~562nmの間に位置するピークを一つのみ有することを例として説明する。しかし、それのみに限定されていない。該ピークの位置に対応する波長は、人間の視覚曲線のピークに対応する波長に近いため、有機発光ダイオード表示パネルが発する緑光により高い発光効率を付与する。ここで、「発光効率」とは、主に電流効率、即ち、単位電流における輝度を指す。
【0033】
例えば、該ピークのピーク波長が左にシフトする(即ち、波長値が低減する)場合、本実施形態で提供される有機発光ダイオード表示パネルの電流効率が低下し、消費電力が増加する。ここでの「消費電力」とは、表示パネルのホワイトパワー(White Power)及び最大消費電力(Worst Power)を含む。例えば、該ピークのピーク波長が右にシフトする(即ち、波長値が増大する)場合、本実施形態で提供される有機発光ダイオード表示パネルの色域が縮小する。
【0034】
例えば、
図2に示されるように、最大スペクトル強度におけるピーク111のピーク波長が456nm以下であり、即ち、発光スペクトルの最大スペクトル強度のピーク111が深青い光領域に位置することにより、有機発光ダイオード表示パネルはより広い色域を有する。
【0035】
例えば、
図1に示されるように、本願の実施様態で提供される有機発光ダイオード表示パネルはさらにフィルター層120を含み、フィルター層120は発光層110の下地基板100と離れた側に位置し、且つフィルター層120は有機発光ダイオード表示パネルの光射出側に位置する。本実施様態における有機発光ダイオード表示パネルの構造は白光有機発光ダイオード(WOLED、White Organic Light Emitting Diode)とカラーフィルター層(CF、Color Filter)を重ね合わせた構造である;即ち、本実施様態における発光層は白光を発するための白光発光層である。該フィルター層120は少なくとも3色のフィルターユニットを含み、本実施様態ではフィルター層120が3色のフィルターユニットを含むことを例として説明するが、それのみに限定されていない。
【0036】
例えば、
図1に示されるように、フィルター層120は第1のフィルターユニット121、第2のフィルターユニット122及び第3のフィルターユニット123を含み、本実施様態は前記内容を含むが、それのみに限定されていない。
【0037】
例えば、
図1に示されるように、本実施様態では有機発光ダイオード表示パネルが赤色の画素201、緑色の画素202、青色の画素203及び白色の画素204(図において点線で囲まれる各画素)を含むことを例として説明するが、前記内容に限定されなく、他の色の画素を含むこともできる。
【0038】
例えば、本実施様態におけるフィルター層120に含まれる第1のフィルターユニット121はレッドフィルターユニットであってもいい;第2のフィルターユニット122はグリーンフィルターユニットであってもいい;第3のフィルターユニット123はブルーフィルターユニットであってもいい;この3色のフィルターユニットはそれぞれ赤色の画素201、緑色の画素202、青色の画素203内に配置されるが、本実施様態が前記内容を含むが、それのみに限定されていない。
【0039】
例えば、
図3は本実施態様で提供されるフィルター層における1色のフィルターユニットのフィルター特性の概略図である。
図3に示されるように、1色のフィルターユニットは波長580nm超えの光のみが透過するように配置される、即ち、波長580nmは異なる波長の光のフィルターユニットに対する透過率がゼロから増加する開始点(onset)である。発光層が発する異なる波長の白光は該フィルターユニットを透過する場合、波長580nm以下の光は基本的に該フィルターユニットを透過することができなく、波長580nm超えの光は該フィルターユニットを透過することができる。該フィルターユニットを透過できる光の波長範囲から、該フィルターユニットは最大波長を有する光(即ち、赤い光)が透過できるフィルターユニット(即ち、レッドフィルターユニット)である。また、
図3に示されるように、該フィルターユニットは、波長595nmの光の透過率が50%以上であることを満たす必要がある。よって、該フィルターユニットを有する有機発光ダイオード表示パネルが発する赤い光はより高い発光効率(電流効率)を有する。同時に、本実施様態で提供される有機発光ダイオード表示パネルがより広い色域を有する。
【0040】
本実施態様で提供される有機発光ダイオード表示パネルでは、
図1に示される発光スペクトルを有する発光層と
図3に示される特別なスペクトル設定を有するフィルターユニットを重ね合わせた構造を用いて、青い光および赤い光を調節することにより、有機発光ダイオード表示パネルの広い色域特性を達成することができる。また、緑光および赤い光を調節することにより、有機発光ダイオード表示パネル(WOLED)における白色の画素の発光効率を向上し、表示パネルの消費電力を低減することができる。
【0041】
例えば、
図2に示されるように、該発光スペクトルは少なくとも3つのピークを含み、本実施形態では、該発光スペクトルが3つのピークを含むことを例として説明するが、それのみに限定されていない。
【0042】
例えば、
図2に示されるように、該発光スペクトルの黄光から緑光までの波長領域が550nm~562nmの間に位置するピークを1つのみ有し、550nm~562nmの間に位置するピークを第1のピーク112とする。
【0043】
例えば、
図2に示されるように、該発光スペクトルの最大スペクトル強度におけるピーク111を第2のピーク111とする。例えば、第1のピーク112と第2のピーク111との間のトラフ114のトラフ値が第2のピーク111のピーク値の15%~30%の間に位置する。即ち、トラフ114のスペクトル強度値が第2のピーク111のスペクトル強度(即ち、最大スペクトル強度値)の15%~30%の間に位置する。本実施様態で提供されるトラフ114のトラフ値が第2のピーク111のピーク値の15%より大きいので、最大スペクトル強度の10%~15%におけるスペクトルは連続的なスペクトルになる。本実施様態は前記内容を含むが、それのみに限定されていない。
【0044】
例えば、
図2に示されるように、発光スペクトルの赤い光の波長帯は第3のピーク113を含み、第3のピーク113のピーク波長が610~624nmの間に位置する。
【0045】
例えば、第1のピーク112のピーク値は第3のピーク113のピーク値より大きく、且つ第1のピークのピーク値と第3のピークのピーク値との比が1.5:1より大きく、即ち、第1のピーク112のピーク値が第3のピーク113のピーク値の50%以上である。本実施様態において、第3のピークのピーク波長と第1のピーク112のピーク波長との差が70nm未満であり、即ち、
図2におけるλ2<70nmである。よって、
図2における第3のピーク113が明らかではない。
【0046】
特定の量子効率を前提として、有機発光ダイオード表示パネルが発する青い光、緑光および赤い光のスペクトル強度値の比を調整することにより、表示パネルの電流効率を変更することができる。
【0047】
例えば、特定の量子効率を前提として、
図2に示されるスペクトル特性を有する有機発光ダイオード表示パネルは、高い電流効率及び高い色温度の特性の両方を有する。ここでの色温度は、光源のスペクトル品質を示す最も一般的な指標であり、即ち、黒体をある温度に加熱し、それに発される光の色がある光源に発される光の色と同じである場合、該黒体の加熱温度を該光源の色温度と呼び、色温度と略称する。
【0048】
例えば、
図2に示されるようなスペクトル特性を有する有機発光ダイオード表示パネルの量子効率が100%であり、電流効率が100%であり、色温度が9200Kである。本実施様態は前記内容を含むが、それのみに限定されていない。
【0049】
よって、本実施様態で提供される有機発光ダイオード表示パネルは、特別なスペクトル設定を有する発光層と特別なスペクトル設定を有するフィルター層を重ね合わせることにより、有機発光ダイオード表示パネル(WOLED)における白色の画素の発光効率を向上する(パネル全体の消費電力を低減する)だけではなく、同時に、表示パネルは適切な白い光の色温度を有することで、フィルター層に透過した光が広い色域を有することを保証できる。よって、本実施様態で提供される有機発光ダイオード表示パネルが同時に広い色域と低消費電力の性能を実現できる。
【0050】
例えば、
図1に示されるように、本実施様態で提供される発光層110は下地基板100と直交する方向に三つの積層を含み、且つ三つの積層構造を有する発光層110の下地基板100と離れた側に第1の電極130が配置され、発光層110の下地基板100と隣接する側に第2の電極140が配置されている。本実施様態で、三つの積層がタンデム積層構造であるため、本実施様態で提供される有機発光ダイオードはタンデム有機発光ダイオードであり、且つ該タンデムの三つの積層が第1の電極130と第2の電極140とを共用する。
【0051】
例えば、第1の電極130はカソード層であり、カソード層は有機発光ダイオード表示パネルの負電圧の接続層として、比較的に良い導電性及び低い仕事関数値を有する。
【0052】
例えば、第2の電極140はアノード層であり、アノード層は有機発光ダイオード表示パネルの正電圧の接続層として、比較的に良い導電性及び高い仕事関数値を有する。
【0053】
例えば、
図1に示されるように、有機発光ダイオード表示パネルにおける赤色の画素201、緑色の画素202、青色の画素203及び白色の画素204がそれぞれ第2の電極140における第1のサブ電極141、第2のサブ電極142、第3のサブ電極143及び第4のサブ電極144に対応する。
【0054】
例えば、
図1に示されるように、発光層110における三つの積層は第1の青色発光層115、赤色及び緑色発光層116及び第2青色発光層117を含んでもよく、本実施様態は前記内容を含むが、それのみに限定されていない。
【0055】
例えば、第1の青色発光層115の厚さは150~300nmであり、赤色及び緑色発光層116の厚さは60~100nmであり、第2の青色発光層117の厚さは100~200nmである。
【0056】
例えば、第1の青色発光層115の厚さは150~180nmであってもよく、或は210~230nm等であってもよく、本実施様態では限定されていない。
【0057】
例えば、赤色及び緑色発光層116の厚さは60~70nmであってもよく、或は80~90nm等であってもよく、本実施様態では限定されていない。
【0058】
例えば、第2の青色発光層117の厚さは120~150nmであってもよく、或は170~190nm等であってもよく、本実施様態では限定されていない。
【0059】
例えば、本実施様態における第1の青色発光層115と第2の青色発光層117の有機発光材料は蛍光発光材料を含み、赤色および緑色発光層116の有機発光材料は燐光発光材料を含み、本実施様態は前記内容を含むが、それのみに限定されていない。ここでの赤色および緑色発光層116とは、該発光層が赤い光および緑光を発する発光材料を含むことを指す。また、緑光を発する発光材料に発される光が黄緑光と呼ばれる(黄光とも呼ばれる)ことがあり、本実施様態は前記内容を含むが、それのみに限定されていない。
【0060】
例えば、上記蛍光発光材料或は燐光発光材料はドーピングシステムを使用することができ、すなわち、ドーパント材料を本体発光材料に混合し、利用可能な発光材料を得られる。
【0061】
例えば、本体発光材料には、金属錯体材料、ルテニウム誘導体、芳香族ジアミン化合物、トリフェニルアミン化合物、芳香族トリアミン化合物、ビフェニルジアミン誘導体またはトリアリールアミンポリマー等を使用することができる。本実施様態は前記内容を含むが、それのみに限定されていない。
【0062】
例えば、蛍光発光材料またはドーパント材料には、クマリン色素(クマリン6、C-545T)、ペリレン(perylene)およびその誘導体テトラ(t-ブチル)-ペリレン(TBP)、キナクリドン(DMQA)または4-(ジニトリルメチレン)-2-メチル-6-(4-ジメチルアミノ-スチレン)-4H-ピラン(DCM)シリーズ等が挙げられる。本実施様態は前記内容を含むが、それのみに限定されていない。燐光発光材料またはドーパント材料には、Ir、Pt、Ru、Cuなどに基づく金属錯体発光材料を含むことができ、例えば、FIrpic、Fir6、FirN4、FIrtaz、Ir(ppy)3、Ir(ppy)2(acac)、PtOEP、(btp)2Iracac、Ir(piq)2(acac)或(MDQ)2Iracac等が挙げられる。本実施様態は前記内容を含むが、それのみに限定されていない。また、発光材料には、二つの本体が含まれ且つドーピングされることもある。
【0063】
なお、
図1は、有機発光ダイオード表示パネルが三つの積層タンデムの有機発光ダイオード表示パネルであることを模式的に示す図であり、三つの積層に発光層のみが模式的に示めされているが、実際にタンデムな積層には他の機能層をさらに含む。
【0064】
例えば、第1の青色発光層115の下地基板100と離れた側に第1の電子輸送層等が配置され、該第1の電子輸送層等が第1の青色発光層115に電子を輸送し、注入するための機能層である;第1の青色発光層115の下地基板100と隣接する側に第1の正孔輸送層等が配置され、該第1の正孔輸送層等が第1の青色発光層115に正孔を輸送し、注入するための機能層である;これにより、第1の青色発光層115において、注入される電子と正孔が組み合わせて励起子を形成し、励起子がエネルギーを第1の青色発光層115の有機発光分子に渡し、有機発光分子の電子を基底状態から励起状態に遷移させる。励起状態の電子が放射し失活して、光子を発生し且つ青い光を発する。本実施様態は前記内容を含むが、それのみに限定されていない。該第1の青色発光層115が、それに対応する少なくとも一つの機能層と第1の発光ユニットを構成する。
【0065】
同様に、例えば、赤色及び緑色発光層116及び第2の青色発光層117は、下地基板100に向かう側及び下地基板100から離れた側に、それぞれ対応する機能層を有してもよい。本実施様態は前記内容を含むが、それのみに限定されていない。
【0066】
例えば、赤色及び緑色発光層116及び第2の青色発光層117が、それに対応する少なくとも一つの機能層とそれぞれ第2の発光ユニット及び第3の発光ユニットを構成する。三つの発光ユニットの間には、二つの中間連続層により接続され、該中間連続層は各発光ユニットを接続する役割を有するだけではなく、さらに電荷の発生と輸送、およびキャリアを各機能層に注入する役割を担う。
【0067】
本実施様態では、各機能層の膜の厚さを調整することにより、例えば、発光層と第2の電極との距離或は、第1の電極と第2の電極との距離を調整すること、及び発光材料における本体発光材料の特性、ドーパント材料を混入する割合、濃度などを制御することにより、有機発光ダイオード表示パネルの発光スペクトルにおけるスペクトルの幅、各ピークのピーク値、各ピークのピーク波長などのパラメータを制御することができる。
【0068】
例えば、各機能層には、正孔輸送層、正孔注入層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層、電子阻止層の少なくとも1つを含むことができ、本実施様態では限定されていない。
【0069】
例えば、正孔注入層は、トリフェニルアミン化合物、P型ドープ有機層またはポリマー等から構成されてもよく、本実施様態では限定されていない。
【0070】
例えば、正孔輸送層は、芳香族ジアミン化合物、芳香族トリアミン化合物、ビフェニルジアミン誘導体、及びカルバゾール系重合体等から構成されてもよく、本実施様態では限定されていない。
【0071】
例えば、電子輸送層は、フェナントロリン誘導体、イミダゾール誘導体、金属錯体、ルテニウム誘導体等を使用してもよく、本実施様態では限定されていない。
【0072】
例えば、電子注入層は、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属フッ化物等を使用してもよく、本実施様態では限定されていない。
【0073】
例えば、本発明の実施形態で提供される方法を用いた有機発光表示パネルの特性と、従来の方法を用いた有機発光表示パネルの特性との比較が下記表に示されている。
【0074】
【0075】
例えば、上記表の比較から、従来の方法と比べて、本願の実施様態で赤い光(R)、緑光(G)、青い光(B)の色度座標が変化したので、本願の実施様態でRGB原色の色域とCIE 1931xy色度図との相対位置は、従来の方法における両者の相対位置と比べて変化することが分かる。上記表から、従来の方法におけるRGB原色の色域はDCI-P3色域標準のカバー率が84%であるが、本願の実施様態におけるRGB原色の色域はDCI-P3色域標準のカバー率が92%である。よって、上記実験結果から、本願の実施様態で提供される有機発光ダイオード表示パネルは、従来の方法と比べてより広い色域を有する。一方、表示パネルの画面が白画面である場合、従来の方法におけるホワイト・パワー(white power)は210ワット(watt)であるが、本願の実施様態におけるホワイト・パワーは160ワットである。両者を比べ、本願の実施様態で提供される表示パネルがより低いホワイト・パワーを有する。表示パネルの画面が最大消費電力の画面と表示される(例えば、紫色の画面に調整される)場合、従来の方法における最大消費電力(Worst power)は427ワットであるが、本願の実施様態における最大消費電力(Worst Power)は403ワットである。両者を比べ、本願の実施様態で提供される表示パネルがより低い最大消費電力を有する。よって、本願の実施様態で提供される有機発光ダイオード表示パネルは広い色域と低消費電力の性能を同時に実現できる。
【0076】
本願のもう一つの実施様態が有機発光ダイオード表示パネルの製造方法を提供している。該有機発光ダイオード表示パネルの製造方法は、主に下地基板に発光層を形成することを含む。該発光層の発光スペクトルの最大スペクトル強度の10%~15%におけるスペクトル幅が200nm以上であり、即ち、スペクトル線の最大スペクトル強度の10%~15%の範囲に対応するスペクトル線の二つの点の間の波長間隔は200nm以上である。本願の実施様態で提供される発光層が発するスペクトルは、広いスペクトルの特性を有する。よって、該発光層を有する表示パネルが広い色域の特性を有する。
【0077】
本願の実施様態で提供される発光層の発光スペクトルにおける黄光から緑光までの波長領域には、550nm~562nmの間に位置するピークを少なくとも1つ有する。
【0078】
例えば、本願の実施様態では、発光スペクトルの黄光から緑光までの波長領域に550nm~562nmの間に位置するピークを1つのみ有することを例として説明する。該ピークの位置に対応する波長は、人間の視覚曲線のピークに対応する波長に近いので、該有機発光ダイオード表示パネルが発する緑光により高い発光効率を付与する。
【0079】
例えば、本願の実施様態で提供される発光層の発光スペクトルの最大スペクトル強度のピークにおけるピーク波長は456nm以下である。即ち、発光スペクトルの最大スペクトル強度におけるピークは深青い光領域に位置する。
【0080】
例えば、本願の実施様態で提供される発光層の発光スペクトルが少なくとも三つのピークを含み、本願の実施様態では該発光スペクトルが三つのピークを含むことを例として説明する。本願の実施様態ではこれのみに限定されていない。
【0081】
例えば、本願の実施様態で提供される発光層は下地基板と直交する方向に三つの積層を含み、三つの積層が第1の青色発光層、赤色及び緑色発光層及び第2の青色発光層を含んでもよい。本願の実施様態は前記内容を含むが、それのみに限定されていない。
【0082】
例えば、有機発光ダイオード表示パネルの製造方法は、さらに次の内容を含む。発光層の下地基板と離れた側にフィルター層を形成し、且つ前記フィルター層が前記有機発光ダイオード表示パネルの光射出側に位置する。本実施様態における有機発光ダイオード表示パネルの構造は、白光有機発光ダイオード(WOLED、White Organic Light Emitting Diode)とカラーフィルター層(CF、Color Filter)を重ね合わせた構造である。前記カラーフィルター層は、少なくとも3色のフィルターユニットを含む。本願の実施様態では、フィルター層が3色のフィルターユニットを含むことを例に説明するが、本願の実施様態はこれのみに限定されていない。
【0083】
例えば、本実施様態では、有機発光ダイオード表示パネルが赤色の画素、緑色の画素、青色の画素及び白色の画素を含むことを例として説明するが、本願の実施様態はこれのみに限定されていない。他の色の画素を含んでもよい。
【0084】
例えば、本実施様態のフィルター層がレッドフィルターユニット、グリーンフィルターユニットとブルーフィルターユニットを含み、この3色のフィルターユニットがそれぞれ赤色の画素、緑色の画素、及び青色の画素内に配置される。本実施様態は前記内容を含むが、それのみに限定されていない。
【0085】
例えば、レッドフィルターユニットには波長580nm超えの光のみが透過し、且つ波長595nmの光の透過率は50%以上であるように配置する。
【0086】
本実施様態で提供される有機発光ダイオード表示パネルの製造方法で製造される有機発光ダイオード表示パネルは、従来な方法で製造される有機発光ダイオード表示パネルと比べて、より広い色域および低い消費電力を有する。よって、本実施様態で提供される有機発光ダイオード表示パネルの製造方法で製造される有機発光ダイオード表示パネルは、広い色域と低消費電力の性能を同時に実現できる。
【0087】
本発明のもう一つの実施様態で提供される表示装置は、本発明の実施様態で提供されるいずれかの有機発光ダイオード表示パネルを含む。よって、上記有機発光ダイオード表示パネルを含む表示装置が広い色域と低消費電力の性能を同時に実現できる。
【0088】
例えば、該表示装置は有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Didode,OLED)の表示装置等の表示デバイス、及び該表示装置を含むテレビ、デジタルカメラ、携帯電話、時計、タブレット、ラップトップ、ナビゲータなどの表示機能を有する製品或は部件であってもよいが、本願の実施様態はこれのみに限定されていない。
【0089】
注意すべき点がいくつかある:
(1)別途に定義されない限り、本実施例および図面において、同じ表記が同じ意味を示す
(2)本発明の実施形態の図面では、本実施形態に関連する構造のみに関わり、他の構造は一般的な設計を参照することができる。
(3)明らかにするために、本実施形態を説明するための図面では、層または領域の厚さが拡大または縮小されることがある。さらに、層、膜、領域または基板のような要素が別の要素の「上にある」または「下にある」と述べられた場合、該要素は「直接的に」他の要素の「上に」または「下に」位置してもよく、または中間要素が存在してもよい。
【0090】
上記内容は、本開示の具体的な実施形態のみであるが、本開示の保護範囲はそれのみに限定されていない。本分野の技術に詳しい当業者は本開示に記載された技術範囲内で、簡単に思いつける変化或は交替のいずれも本開示の保護範囲内に含まれる。よって、本開示の保護範囲は特許請求の範囲に準じるべきである。
【符号の説明】
【0091】
100 下地基板
110 発光層
111 最大スペクトル強度におけるピーク(第2のピーク)
112 第1のピーク
113 第3のピーク
114 トラフ
115 第1の青色発光層
116 赤色及び緑色発光層
117 第2の青色発光層
120 フィルター層
121 第1のフィルターユニット
122 第2のフィルターユニット
123 第3のフィルターユニット
130 第1の電極
140 第2の電極
141 第1のサブ電極
142 第2のサブ電極
143 第3のサブ電極
144 第4のサブ電極
201 赤色の画素
202 緑色の画素
203 青色の画素
204 白色の画素