IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日立マクセル株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-電解水素水生成装置 図1
  • 特許-電解水素水生成装置 図2
  • 特許-電解水素水生成装置 図3
  • 特許-電解水素水生成装置 図4
  • 特許-電解水素水生成装置 図5
  • 特許-電解水素水生成装置 図6
  • 特許-電解水素水生成装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】電解水素水生成装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/461 20060101AFI20221213BHJP
   B01F 23/40 20220101ALI20221213BHJP
   B01F 33/40 20220101ALI20221213BHJP
   B01F 25/21 20220101ALI20221213BHJP
   C02F 1/68 20060101ALI20221213BHJP
   C25B 9/00 20210101ALI20221213BHJP
   A47K 3/00 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
C02F1/461 A
B01F23/40
B01F33/40
B01F25/21
C02F1/68 510B
C02F1/68 530B
C02F1/68 520B
C02F1/68 510H
C25B9/00 A
A47K3/00 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019018914
(22)【出願日】2019-02-05
(65)【公開番号】P2020124685
(43)【公開日】2020-08-20
【審査請求日】2021-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】久保 晃一
【審査官】柴田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/225560(WO,A1)
【文献】特開2018-001069(JP,A)
【文献】特開2017-205749(JP,A)
【文献】国際公開第2017/064967(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/46- 1/48
B01F 21/00-25/90
B01F 35/00-35/95
B01F 33/40
C02F 1/68
C25B 1/00- 9/77
A47K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溜水に浮遊又は沈下した状態で筐体内に溜水を導入して電解し、生成した電解水素水を前記筐体から溜水中へ放出する電解水素水生成装置であって、
筐体内に空気を導入し前記溜水中へ補助流体として噴出することにより前記電解水素水の拡散を助長する拡散補助手段を備えたことを特徴とする電解水素水生成装置。
【請求項2】
前記拡散補助手段は、下流方向への狭窄形状により流体を増速し低圧部を生じさせる主管と前記低圧部に臨ませた枝管とを有するベンチュリ部を備え、前記溜水又は前記電解水素水と前記空気とを前記主管又は枝管からそれぞれ導入して気液混合し前記補助流体を生成する請求項1に記載の電解水素水生成装置。
【請求項3】
電解水素水を吐出する水素水吐出口と、補助流体を噴出する補助流体噴出口とを前記筐体の溜水との接触面にそれぞれ別個に備えると共に、
前記水素水吐出口は、前記補助流体噴出口からの補助流体の噴出により水中に生じたエアバブル群によって攪乱される溜水の流動領域内へ電解水素水を噴出可能な位置に形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電解水素水生成装置。
【請求項4】
前記主管に前記溜水を導入する一方、前記枝管に前記空気を導入すべく構成したことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の電解水素水生成装置。
【請求項5】
電解水素水の吐出と補助流体の噴出とに共用される前記筐体の溜水との接触面に形成された混合流体噴出口を備え、
前記ベンチュリ部の下流端を前記混合流体噴出口に接続すると共に、前記電解水素水と空気とを前記主管又は枝管からそれぞれ導入して混合し溜水中へ噴出させることを特徴とする請求項2に記載の電解水素水生成装置。
【請求項6】
前記主管に前記電解水素水を導入する一方、前記枝管に空気を導入すべく構成したことを特徴とする請求項5に記載の電解水素水生成装置。
【請求項7】
前記主管に前記空気を導入する一方、前記枝管に前記電解水素水を導入すべく構成したことを特徴とする請求項5に記載の電解水素水生成装置。
【請求項8】
前記筐体は溜水に浮遊するものであり、前記補助流体の噴出により水面上で運動すべく
構成したことを特徴とする請求項1~いずれか1項に記載の電解水素水生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溜水に浮遊させたり沈下させた状態で電解水素水を生成し、これを溜水中に拡散させる電解水素水生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲用や浴用など様々な用途に供すべく、水の電気分解により生じた水素が溶存乃至分散状態で含まれた電解水(以下、電解水素水と称する。)を生成する電解水素水生成装置が知られている。
【0003】
中でも、装置自体を溜水の水面に浮かせたり水面下に配置し、電解水素水を溜水中に放出する電解水素水生成装置は、例えば浴槽の溜水(浴湯)中に没して使用することで浴湯に水素を溶存させることができ、使用者が湯船に浸かれば体全体で水素水の効果を享受することが可能となる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-205749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述の溜水用の電解水素水生成装置を浴湯中で使用すると、浴湯中へ放出された電解水素水、特に電解水中に分散している水素ガスは肉眼では殆ど視認できないほど極めて小さな気泡となり、やや白濁した煙状となって浴湯中をゆっくりと漂うこととなる。
【0006】
それ故、浴湯全体に電解水素水が行き渡るためには、相当な時間が必要であった。
【0007】
勿論、使用者が使用中に手で浴湯を攪拌したり、装置自体に撹拌翼を設ければ、浴湯中への電解水素水の速やかな拡散を実現することは不可能ではない。
【0008】
しかしながら、装置の使用者の中には、水素といえば気体状であると強くイメージする者も多く存在しており、煙状に立ち上る気泡さえも手や撹拌翼による水流で霧散してしまうと視認可能な水素放出の痕跡は殆ど無く、使用者のイメージを更に損ねてしまうという問題があった。
【0009】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、電解水素水を溜水中でより遠くに拡散させることができ、あたかも大量の水素が放出されているかのような視覚効果を得ることのできる電解水素水生成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記従来の課題を解決するために、本発明に係る電解水素水生成装置では、(1)溜水に浮遊又は沈下した状態で筐体内に溜水を導入して電解し、生成した電解水素水を前記筐体から溜水中へ放出する電解水素水生成装置であって、筐体内に空気を導入し前記溜水中へ補助流体として噴出することにより前記電解水素水の拡散を助長する拡散補助手段を備えることとした。
【0011】
また本発明に係る電解水素水生成装置では、以下の点にも特徴を有する。
(2)前記拡散補助手段は、下流方向への狭窄形状により流体を増速し低圧部を生じさせる主管と前記低圧部に臨ませた枝管とを有するベンチュリ部を備え、前記溜水又は前記電解水素水と前記空気とを前記主管又は枝管からそれぞれ導入して気液混合し前記補助流体を生成すること。
(3)電解水素水を吐出する水素水吐出口と、補助流体を噴出する補助流体噴出口とを前記筐体の溜水との接触面にそれぞれ別個に備えると共に、前記水素水吐出口は、前記補助流体噴出口からの補助流体の噴出により水中に生じたエアバブル群によって攪乱される溜水の流動領域内へ噴出可能な位置に形成したこと。
(4)前記主管に前記溜水を導入する一方、前記枝管に前記空気を導入すべく構成したこと。
(5)電解水素水の吐出と補助流体の噴出とに共用される前記筐体の溜水との接触面に形成された混合流体噴出口を備え、前記ベンチュリ部の下流端を前記混合流体噴出口に接続するとすると共に、前記電解水素水と空気とを前記主管又は枝管からそれぞれ導入して混合し溜水中へ噴出させること。
(6)前記主管に前記電解水素水を導入する一方、前記枝管に空気を導入すべく構成したこと。
(7)前記ベンチュリ部は第1の枝管と第2の枝管とを備え、前記主管に溜水を導入する一方、第1の枝管には補助流体を導入し、第2の枝管には電解水素水を導入すべく構成したこと。
(8)前記主管に前記空気を導入する一方、前記枝管に前記電解水素水を導入すべく構成したこと。
(9)前記筐体は溜水に浮遊するものであり、前記補助流体の噴出により水面上で運動すべく構成したこと。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、溜水に浮遊又は沈下した状態で筐体内に溜水を導入して電解し、生成した電解水素水を前記筐体から溜水中へ放出する電解水素水生成装置であって、筐体内に空気を導入し前記溜水中へ補助流体として噴出することにより前記電解水素水の拡散を助長する拡散補助手段を備えたため、電解水素水を溜水中でより遠くに拡散させることができ、あたかも大量の水素が放出されているかのような視覚効果を得ることのできる電解水素水生成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係る電解水素水生成装置の使用態様の説明図である。
図2】第1の実施形態に係る電解水素水生成装置の構成を示した説明図である。
図3】第2の実施形態に係る電解水素水生成装置の構成を示した説明図である。
図4】第3の実施形態に係る電解水素水生成装置の構成を示した説明図である。
図5】第4~第6の実施形態に係る電解水素水生成装置の構成を示した説明図である。
図6】第7及び第8の実施形態に係る電解水素水生成装置の構成を示した説明図である。
図7】第9の実施形態に係る電解水素水生成装置の構成を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、溜水に浮遊又は沈下した状態で筐体内に溜水を導入して電解し、生成した電解水素水を前記筐体から溜水中へ放出する電解水素水生成装置に関するものである。
【0015】
また特に本実施形態に係る電解水素水生成装置は、電解水素水を溜水中でより遠くに拡散させることができ、併せてあたかも大量の水素が放出されているかのような視覚効果を得ることができる点に特徴を有している。
【0016】
ここで、本明細書において溜水は特に限定されない。すなわち、溜水の用途等は限定されるものではなく、例えば浴用に供するものであったり、飲用に供するものであっても良い。
【0017】
一例を挙げるならば、本実施形態に係る電解水素水生成装置は、浴槽に貯留された浴湯に電解水素水を拡散させる装置と解することもでき、また、中の様子が見えるガラスポット中で飲用の電解水素水を生成するための手のひらサイズ程度の装置と解することも可能である。
【0018】
また、本実施形態に係る電解水素水生成装置は、溜水に浮遊又は沈下した状態で使用する。ここで浮遊状態とは溜水の水面に浮遊している状態や、着底せず水中に浮遊している状態を含む。また、沈下状態とは、着底している状態や、水面上に露出することなく水中に浮遊している状態も含む。
【0019】
そして、本実施形態に係る電解水素水生成装置の特徴的な点としては、筐体内に空気を導入し前記溜水中へ補助流体として噴出することにより前記電解水素水の拡散を助長する拡散補助手段を備えた点が挙げられる。
【0020】
ここで補助流体とは、電解水素水の拡散を助長し補助するために噴出される流体である。例えば、筐体内に導入した空気をそのまま噴出させる場合にはその空気が補助流体であり、別個筐体内に導入した溜水や生成した電解水素水を主体としつつ導入した空気を混合して噴出させる場合にはこの含気水流が補助流体であり、導入した空気を主体としつつ溜水や電解水素水を混合させて噴出させる場合には霧状の含水気流が補助流体となる。特に本実施形態では、この補助流体はいずれにしても空気を含有している点で共通している。
【0021】
またこの補助流体は、筐体より噴出させるにあたり、電解水素水と別個に噴出させることも可能であるし、電解水素水と共に噴出させることも可能である。なお、以下の説明において、電解水素水と補助流体との混合状態で筐体より噴出された流体を便宜上、拡散性電解水素水とも称する。
【0022】
そして、このような構成を備えた本実施形態に係る電解水素水生成装置によれば、空気を含有する補助流体の噴出により電解水素水の拡散を助長する拡散補助手段を備えているため、あたかも大量の水素が放出されているかのような視覚効果を生起させつつ、電解水素水を溜水中でより遠くに拡散させることができる。
【0023】
特に、水中撹拌翼の如く単に溜水を対流させて電解水素水の拡散を図る方式と比較して、空気を含み勢いよく噴出させた補助流体と共に拡散させるため、水素ガスを含む豊かな気泡を使用者に視認させ、効率的に視覚効果を生起させることができる。
【0024】
また、本実施形態に係る電解水素水生成装置において前記拡散補助手段は、下流方向への狭窄形状により流体を増速し低圧部を生じさせる主管と前記低圧部に臨ませた枝管とを有するベンチュリ部を備え、前記溜水又は前記電解水素水と前記空気とを前記主管又は枝管からそれぞれ導入して気液混合し前記補助流体を生成するよう構成しても良い。
【0025】
すなわち、空気と溜水又は電解水素水とのいずれか一方をベンチュリ部の主管に供給しつついずれか他方を枝管へ供給し、気液混合させて前述した含気水流状や含水気流状の補助流体や拡散性電解水素水を生成し、噴出するようにしても良い。
【0026】
このような構成とすることにより、効率的な気液混合による均一な補助流体の調製を行うことができ、溜水中での電解水素水の安定的な拡散を行わせることができる。
【0027】
また、電解水素水生成装置は、電解水素水を吐出する水素水吐出口と、補助流体を噴出する補助流体噴出口とを前記筐体の溜水との接触面にそれぞれ別個に備えると共に、前記水素水吐出口は、前記補助流体噴出口からの補助流体の噴出により水中に生じたエアバブル群によって攪乱される溜水の流動領域内へ噴出可能な位置に形成しても良い。
【0028】
ここで、エアバブル群によって攪乱される溜水の流動領域とは、補助流体噴出口から噴出した補助流体の流れる範囲のみならず、この補助流体の流れによって周辺の流体が引き込まれる範囲(以下、引き込まれる流れを引込流とも称する。)も含む。
【0029】
そして、このような構成とすることにより、水素水吐出口から吐出された電解水素水のうち一部は煙状に漂うミルキーな泡を視認させつつ、残部を引込流を介して補助流体の流れに合流させて拡散させることができ、使用者の興趣を向上させることができる。
【0030】
また前記主管に前記溜水を導入する一方、前記枝管に前記空気を導入すべく構成しても良い。
【0031】
このような構成とすれば、均一な空気の気泡が満遍なく含まれた含気水流を補助流体として噴出させることができ、電解水素水の溜水中への拡散をより効率的に行うことができる。
【0032】
また、電解水素水生成装置は、電解水素水と補助流体とを別個に吐出するのではなく、電解水素水の吐出と補助流体の噴出とに共用される前記筐体の溜水との接触面に形成された混合流体噴出口を備え、前記ベンチュリ部の下流端を前記混合流体噴出口に接続するとすると共に、前記電解水素水と空気とを前記主管又は枝管からそれぞれ導入して混合し溜水中へ噴出させることとしても良い。
【0033】
すなわち、空気と電解水素水とのいずれか一方をベンチュリ部の主管に供給しつついずれか他方を枝管へ供給し、気液混合させて前述した含気水流状や含水気流状の拡散性電解水素水を生成し、混合流体噴出口より噴出するようにしても良い。
【0034】
このような構成とすることにより、電解水素水と補助流体とを噴出前に予め渾然一体に混じり合わせ、拡散性電解水素水の状態で吐出させることができ、電解水素水を溜水中で均一且つより遠方へ到達させることができる。
【0035】
また、前記主管に前記電解水素水を導入する一方、前記枝管に空気を導入すべく構成すれば、水素気泡を含む電解水素水に対し、更に空気を分散状態で含ませることができ、気体成分をより多く含む含気水流状の拡散性電解水素水として吐出させることができる。
【0036】
また、前記ベンチュリ部は第1の枝管と第2の枝管とを備え、前記主管に溜水を導入する一方、第1の枝管には補助流体を導入し、第2の枝管には電解水素水を導入すべく構成しても良い。
【0037】
このような構成とすることにより、電解水素水を主体としつつ空気を混合させて含気水流状とした拡散性電解水素水を噴出させる場合に比して、噴出流量を更に確保して勢いを保つことができ、溜水内で電解水素水をより遠方へ到達させ効率的な拡散を実現することができる。
【0038】
また、前記主管に前記空気を導入する一方、前記枝管に前記電解水素水を導入すべく構成することも可能である。このような構成とすれば、含水気流状(霧状)の拡散性電解水素水として噴出させることができ、気泡形成性に優れた電解水素水の拡散態様とすることができる。
【0039】
また、本実施形態に係る電解水素水生成装置では、前記筐体は溜水に浮遊するものであり、前記補助流体の噴出により水面上で運動すべく構成しても良い。このような構成とすることにより、水面上を回転したり自走しながら溜水の隅々にまで豊かな気泡と共に電解水素水の拡散を行うことができる。
【0040】
以下、本実施形態に係る電解水素水生成装置について、図面を参照しながら更に説明する。なお、以下では本実施形態に係る電解水素水生成装置の使用態様について、溜水を浴湯とした浴槽での使用を例に説明するが、先述の如くこれに限定されるものではない。
【0041】
図1は本実施形態に係る電解水素水生成装置の使用態様の説明図である。ここではまず、電解水素水生成装置について2種の使用態様を例示して説明し、その後、別の図面を参照しながら内部構成等の違いによる各装置のバリエーションについて説明する。
【0042】
図1(a)は、浴槽10に貯留した溜水としての浴湯11の水面12に浮かせて使用するタイプの電解水素水生成装置Fを示している。
【0043】
この電解水素水生成装置Fは、筐体20の下部から空気を含んだ補助流体13を噴出させつつ電解水素水14aを吐出させることで、あたかも大量の水素が放出されているかのような視覚的な演出を行いつつ、符号14bにて示す網掛け部分の如く浴湯11中に電解水素水14aを拡散可能としている。以下の説明では、この図1(a)に示すように浮かせて使用するタイプの電解水素水生成装置Fを浮遊型装置とも称する。
【0044】
また図1(b)は、別の態様として、浴湯11の水面12よりも下、すなわち浴湯11中となる着底させた状態で使用するタイプの電解水素水生成装置Sを示している。
【0045】
この電解水素水生成装置Sは、筐体20の上部から空気を含んだ補助流体13を噴出させつつ電解水素水14aを吐出させることで、あたかも大量の水素が放出されているかのような視覚的な演出を行いつつ、符号14bにて示す網掛け部分の如く浴湯11中に電解水素水14aを拡散可能としている。以下の説明では、この図1(b)に示すように溜水中で着底状態で使用するタイプの電解水素水生成装置Sを着底型装置とも称する。なお、図1(b)において符号48及び49は、着底状態に配された電解水素水生成装置Sへ供給する空気を取り込むための浮子と通気ホースである。
【0046】
次に、上述の浮遊型装置や着底型装置について、その内部の要部構成を明らかにしつつ各種バリエーションを説明する。なお、装置内部に配されたポンプや電解部の稼動に必要な蓄電部や制御部等の電気的構成は説明の便宜上割愛するが、必要に応じそれぞれの電解水素水生成装置内に備えているのは勿論である。
【0047】
図2は、電解水素水生成装置F1の内部構成を模式的に示した説明図である。電解水素水生成装置F1は先述の浮遊型装置に相当し、電解水素水14aと含気水流状の補助流体13とをそれぞれ別個に浴湯11中へ吐出する。
【0048】
また内部構成に着目すると、電解水素水生成装置F1は、水面12に浮遊する筐体20内に、電解水生成流路31と補助流体生成流路41との独立した2つの流路を備えている。
【0049】
電解水生成流路31は、原水取水口32と、原水ポンプ33と、電解部34と、水素水吐出口35とを備えており、これらを所定の配管で連通連結して構成している。
【0050】
原水取水口32は、電解水素水を生成するための原水である溜水、すなわち浴湯11を取水するための部位であり、筐体20の表面のうち水面下となる浴湯11との接触面に形成している。
【0051】
また原水取水口32には、筐体20内に導入する原水に含まれたゴミや汚れを除去するためのフィルタ32aが配設されており、下流側に配された原水ポンプ33や電解部34にてゴミや汚れに由来する不具合を防止している。
【0052】
原水ポンプ33は、原水取水口32より導入された原水を電解部34へ送給するためのポンプである。原水ポンプ33は図示しない制御部や蓄電体と電気的に接続されており所定の給水量で電解部34へ原水が供給されるよう構成している。
【0053】
電解部34は、供給された原水を電気分解に供し、電解水素水を生成するための部位である。
【0054】
具体的には、電解部34内には、水の電気分解が可能な程度に相対的に異なる電位に印加された一乃至複数枚の陽電極板及び陰電極板が配設されており、両電極板間を流れる原水を電気分解に供して電解水を生成すると共に、陰電極板表面より発生する水素ガスを溶存又は微細気泡状態で拡散させ、電解水素水が生成される。なお、この電解部34もまた、図示しない制御部や蓄電体と電気的に接続されており、所定の電流で電気分解が行われるよう構成している。
【0055】
水素水吐出口35は、電解部34にて生成された電解水素水が吐出される部位である。この電解水素水生成装置F1では、後述の補助流体噴出口と水素水吐出口35とが別個に設けられているため、この水素水吐出口35からは白濁した煙状の電解水素水が浴湯11中へ吐出される。
【0056】
一方、補助流体生成流路41は、筐体内に空気を導入し溜水としての浴湯11中へ補助流体13として噴出することにより電解水素水14aの拡散を助長する拡散補助手段として機能する部位であり、溜水導入口42と、主管ポンプ43と、エア導入口44と、ベンチュリ部45と、補助流体噴出口46とを備えており、これらを所定の配管で連通連結して構成している。
【0057】
溜水導入口42は、含気水流状の補助流体の主構成要素となる溜水、すなわち浴湯11を導入するための部位であり、筐体20の表面のうち水面下となる浴湯11との接触面に形成している。
【0058】
主管ポンプ43は、溜水導入口42より導入された溜水をベンチュリ部45へ送給するためのポンプである。主管ポンプ43は、原水ポンプ33と同様に図示しない制御部や蓄電体と電気的に接続されており所定の給水量でベンチュリ部45へ原水が供給されるよう構成している。
【0059】
エア導入口44は、含気水流状の補助流体の副構成要素となる空気を導入するための部位であり、浮遊状態とした筐体20の表面のうち水面上に露出する面に形成している。
【0060】
ベンチュリ部45は、溜水導入口42より導入された溜水と、エア導入口44から導入された空気とを混合して補助流体を生成するための部位である。
【0061】
具体的には、ベンチュリ部45は、主管45aと、枝管45bと、混合室45cとを備えており、主管45aの上流基端側は溜水導入口42に主管ポンプ43を介して接続しつつ下流先端側を混合室45c内とする一方、枝管45bの上流基端側はエア導入口44に接続しつつ下流先端側を混合室45c内に接続している。
【0062】
また、主管45aには混合室45c内において下流方向へ狭窄した形状を有する増速部45dが形成されており、同じく混合室45c内において枝管45bの下流先端は、主管45aの増速部45dによる溜水の増速によって生じる低圧部に臨ませて配設している。
【0063】
補助流体噴出口46は、ベンチュリ部45にて生成された補助流体が浴湯11中へ向けて噴出する部位であり、ベンチュリ部45の下流端部が接続されている。この電解水素水生成装置F1では、噴出させる補助流体が含気水流状であるため、気泡の浮力に負けにくく水流の勢いに乗って比較的離れた位置まで到達可能な補助流体が浴湯11中へ噴出される。
【0064】
また、電解水素水生成装置F1の下面側には網掛けで示すように、補助流体噴出口46からの補助流体の噴出に伴い、水中に生じたエアバブル群で浴湯11が攪乱される流動領域47が形成される。
【0065】
そして、先述の水素水吐出口35は、同水素水吐出口35から吐出される電解水素水が流動領域47内に到達可能な位置に形成されている。
【0066】
従って、水素水吐出口35より吐出された電解水素水は、流動領域47内の流れにのり、浴湯11中でより遠くに拡散されることとなる。
【0067】
また、補助流体にはエア導入口44より導入された空気の気泡が豊富に含まれており、ベンチュリ部45にて均一な状態で混合されて浴湯11中に噴出するため、使用者は豊富な気泡を視認することとなり、あたかも大量の水素が放出されているかのような視覚効果を得ることができる。
【0068】
次に、第2の実施形態に係る電解水素水生成装置F2について図3を参照しつつ説明する。図3(a)に示すように電解水素水生成装置F2もまた浮遊型装置であり、電解水生成流路31や補助流体生成流路41の構成、及び電解水素水14aと含気水流状の補助流体13とをそれぞれ別個に浴湯11中へ吐出する点で先述の電解水素水生成装置F1と同様であるが、浴湯11の水面12上で運動しつつより広範囲に電解水素水を拡散可能としてる点で構成を異にしている。なお、以下の各実施形態において、先に説明した構成と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0069】
すなわち電解水素水生成装置F2では、図3(a)に示すように、拡散補助手段として機能する補助流体生成流路41の補助流体噴出口46を、重心鉛直軸L1から偏心した位置に、鉛直方向に対し傾きをもって形成することで、電解水素水生成装置F2の筐体20を水面12上で回転乃至移動可能に構成している。
【0070】
理解を容易とするために、電解水素水生成装置F2の平面視が円形状であり、重量は概ね偏りがなく重心鉛直軸が平面視略中央部に位置していることとした場合、図3(b)に示すように、当初、水面12上の位置P1に存在していた電解水素水生成装置F2は、重心鉛直軸L1を中心に黒矢印方向へ自転運動を行いつつ、位置P2や位置P3へと移動することとなる。
【0071】
この際、補助流体噴出口46より噴出する補助流体13は、電解水素水生成装置F2の自転によってその噴出方向が360度に亘って変化するため、水素水吐出口35より吐出された電解水素水14aは、浴湯11中において更に満遍なく拡散することとなる。
【0072】
また使用者に対しても、気泡を含む補助流体の噴出方向が刻々と変化するため更に注意を引きやすく、豊富な気泡による視覚効果をより効率的に発揮させることができる。
【0073】
次に、第3の実施形態に係る電解水素水生成装置S3について、図4を参照しつつ説明する。図4に示すように電解水素水生成装置S3は前述した電解水素水生成装置F1と比較すると、電解水生成流路31や補助流体生成流路41の構成、及び電解水素水14aと含気水流状の補助流体13とをそれぞれ別個に浴湯11中へ吐出する点で構成を同じくするものであるが、先に図1(b)で参照した着底型装置である点や、浮子48、通気ホース49を備えている点で構成を異にしている。
【0074】
具体的には、着底させた状態で使用可能とすべく、電解水素水生成装置S3の比重を水よりも重く構成すると共に、電解水生成流路31の水素水吐出口35の形成位置を筐体20の上部とし、補助流体生成流路41の補助流体噴出口46もまた筐体20の上部に形成することで、補助流体による電解水素水の付勢拡散方向を上方へ指向させている。なお、水素水吐出口35は補助流体噴出口46からの補助流体13の噴出により形成される流動領域47内へ電解水素水を吐出可能な位置としている点は、先の電解水素水生成装置F1,F2と同様である。
【0075】
また、補助流体生成流路41を構成するベンチュリ部45の枝管45bには通気ホース49が接続されており、その先端部には浮子48を配設して通気ホース49の先端が水面12上に露出するよう構成し、エア導入口44としている。
【0076】
そして、このような構成を備えた電解水素水生成装置S3によれば、空気を含み勢いよく噴出させた補助流体と共に電解水素水を拡散させるため、水素ガスを含む豊かな気泡を使用者に視認させ、効率的に視覚効果を生起させることができるのは勿論のこと、効率的な気液混合による均一な補助流体の調製を行うことができ、溜水中での電解水素水の安定的な拡散を行わせることができる。
【0077】
また、水素水吐出口から吐出された電解水素水のうち一部は煙状に漂うミルキーな泡を視認させつつ、残部を引込流を介して補助流体の流れに合流させて拡散させることができ、使用者の興趣を向上させることができる。
【0078】
次に、第4~第6の実施形態に係る電解水素水生成装置F4~F6について、図5を参照しながら説明する。先に言及した電解水素水生成装置F1,F2,S3は、電解水生成流路31と補助流体生成流路41とが系統的にそれぞれ分離独立している電解水素水生成装置の例であったが、本第4~第6の実施形態に係る電解水素水生成装置F4~F6は、電解水生成流路31と補助流体生成流路41とが相互に関係した流路を有している点で特徴的である。なお、以下の各実施形態の説明において、流動領域47は図2と概ね同様であるため図示は割愛するが、水素水吐出口35は、同水素水吐出口35から吐出される電解水素水が流動領域47内に到達可能な位置に形成されている。
【0079】
まず、図5(a)に示すように、第4の実施形態に係る電解水素水生成装置F4は、前述の電解水素水生成装置F1と略同様の構成を備えた含気水流状の補助流体を噴出する浮遊型装置であるが、電解水生成流路31の原水ポンプ33と電解部34との間に分岐部36を設けて補助流体生成流路41のベンチュリ部45の主管45aと接続し、原水取水口32より導入した原水の一部をベンチュリ部45へ供給するよう構成している。
【0080】
このような構成を備えた電解水素水生成装置F4によれば、先述の電解水素水生成装置F1と同様の効果に加え、浴湯11の筐体20内への導入を電解水生成流路31と補助流体生成流路41とで共通化することができ、ポンプ等を別個に設ける必要がなく電力消費量を低減したり、構成部品をよりシンプルなものとすることができる。
【0081】
図5(b)は、第5の実施形態に係る電解水素水生成装置F5の構成を示している。電解水素水生成装置F5は、電解水素水生成装置F4と大凡同様の構成を備えた浮遊型装置であるが、補助流体13と電解水素水14aとをそれぞれ別個に吐出するのではなく、補助流体13と同様の機能が電解水素水14aに付与された含気水流状の拡散性電解水素水を混合流体噴出口51より噴出させるよう構成している点で異なっている。
【0082】
具体的には、電解水生成流路31の電解部34の下流に補助流体生成流路41のベンチュリ部45の主管45aを接続し、ベンチュリ部45において電解水素水を主体しつつ空気を混入させて含気水流状の拡散性電解水素水を生成すべく構成している。
【0083】
付言すれば、電解水生成流路31と補助流体生成流路41とを上流下流の直列に接続し、電解水素水を主体としつつ空気を混入させて補助流体化することにより拡散性電解水素水を生成し、これを混合流体噴出口51より噴出させるようにしている。
【0084】
従って、効率的な気液混合による均一な補助流体の調製を行うことができ、溜水中での電解水素水の安定的な拡散を行わせることができる。
【0085】
図5(c)は、第6の実施形態に係る電解水素水生成装置F6の構成を示している。電解水素水生成装置F6は、図5(a)にて示す電解水素水生成装置F4と略同様の構成を備えた浮遊型装置であるが、電解部34の下流を水素水吐出口35へ接続するのではなく、第1枝管45bと第2枝管45eとの2つの枝管を有するベンチュリ部45の第2枝管45eに接続している点で特徴的である。
【0086】
このような構成とすることにより、電解水素水を主体としつつ空気を混合させて含気水流状とした拡散性電解水素水を噴出させる場合に比して、噴出流量を更に確保して勢いを保つことができ、溜水内で電解水素水をより遠方へ到達させ効率的な拡散を実現することができる。
【0087】
次に、第7及び第8の実施形態に係る電解水素水生成装置F7,F8について、図6を参照しながら説明する。先に言及した各電解水素水生成装置は、含気水流状の補助流体や拡散性電解水素水を噴出するものであったが、本第7及び第8の実施形態に係る電解水素水生成装置F7,F8は、ベンチュリ部45の主管45aに空気を供給し、枝管45bに浴湯11や電解水素水を供給することで、空気を主体としつつ液滴を混在させた含水気流状の補助流体や拡散性電解水素水を噴出する点で特徴的である。
【0088】
第7の実施形態に係る電解水素水生成装置F7は、図6(a)に示すように、浮遊型装置である点や、電解水生成流路31及び補助流体生成流路41がそれぞれ別系統として設けられている点、電解水生成流路31の構成等で図2に示した電解水素水生成装置F1と同様であるが、補助流体生成流路41のベンチュリ部45へ供給する流体に関し、主管45aより空気を、枝管45bより浴湯を導入している点で構成を異にしている。
【0089】
特に、主管45aにはエアポンプ53が備えられており、エア導入口44より吸気して増速部45dへ向け空気を圧送すると共に、混合室45c内に形成された低圧部により溜水導入口42より枝管45bを介して浴湯11が吸引導入され、圧送空気と接触して霧状となり補助流体噴出口46より噴出する。
【0090】
そして、このような構成を備える電解水素水生成装置F7によれば、電解水素水生成装置F1の如く含気液流状の補助流体を噴出させる場合に比して、より豊富に空気を含んだ補助流体を噴出させることができ、使用者に対して気泡による視覚効果をより効果的に生起させることができる。
【0091】
電解水素水生成装置F8は、図6(b)に示すように、浮遊型装置である点や電解部34にて生成した電解水素水をベンチュリ部45へ導入し混合流体噴出口51から拡散性電解水素水を噴出する点などで図5(b)に示した電解水素水生成装置F5と同様であるが、ベンチュリ部45へ供給する流体に関し、主管45aより空気を、枝管45bより電解水生成流路31にて生成した電解水素水を導入している点で構成を異にしている。
【0092】
具体的には、主管45aにはエアポンプ53が備えられており、エア導入口44より吸気して増速部45dへ向け空気を圧送すると共に、電解水生成流路31の電解部34の下流を枝管45bに接続し、圧送空気と接触させて霧状とし補助流体噴出口46より噴出させることとしている。なお、電解水素水生成装置F8の電解水生成流路31では、原水の導入にあたり原水ポンプ33を使用して電解部34や混合室45c内へ原水乃至電解水素水を圧送するよう構成しているが、混合室45c内に発生する低圧部にて電解水生成流路31内に一連の流れを形成可能であれば、この原水ポンプ33は必ずしも必要ではなく省略することもできる。
【0093】
そして、このような構成を備える電解水素水生成装置F8によれば、電解水素水生成装置F1の如く含気液流状の補助流体を噴出させる場合に比して、より豊富に空気を含んだ補助流体を噴出させることができ、使用者に対して気泡による視覚効果をより効果的に生起させることができる。
【0094】
また、補助流体噴出口46での引込流を利用して電解水素水の拡散を行う電解水素水生成装置F7に比しても、混合流体噴出口51から拡散性電解水素水として噴出させるため、溜水内で電解水素水をより遠方へ到達させ効率的な拡散を実現することができる。
【0095】
次に、第9の実施形態に係る電解水素水生成装置F9について、図7を参照しながら説明する。ここまで言及してきた各電解水素水生成装置は、ベンチュリ部45にて気液混合し生成した含気水流状や含水気流状の補助流体を噴出するものであったが、電解水素水生成装置F9は、これまでと比較してよりシンプルな空気自体を補助流体として噴出する点で特徴的である。
【0096】
また、電解水素水の生成に関しても、ここまで言及してきた各電解水素水生成装置は、電解水生成流路31において原水の導入にあたり原水ポンプ33を使用する例が主であったが、電解水素水生成装置F9は、補助流体噴出口46より噴出させた補助流体の引込流により電解水生成流路内の流れを形成する点で特徴を有している。
【0097】
図7に示すように電解水素水生成装置F9は浮遊型装置に相当し、電解水素水14aと空気である補助流体13とをそれぞれ別個に浴湯11中へ吐出する。
【0098】
また内部構成に着目すると、電解水素水生成装置F9は、水面12に浮遊する筐体20内に、電解水生成流路61と補助流体生成流路71との独立した2つの流路を備えている。
【0099】
電解水生成流路61は、流水流路62を備えており、上流側端部開口を原水取水口63として筐体20の表面のうち水面下となる浴湯11との接触面に形成し、下流側端部開口を水素水吐出口64として筐体20の下面に形成している。
【0100】
また、流水流路62内の水素水吐出口64の近傍には電解部34を配設しており、図示しない電気的構成により流水流路62内に流入する浴湯を電解し水素水吐出口64から吐出させるよう構成している。
【0101】
一方、補助流体生成流路71は通気流路54を備えており、上流側端部開口をエア導入口44として筐体20の上面部に形成し、下流側は漸次狭窄させつつ筐体20の下面に補助流体噴出口46として開口を形成している。
【0102】
また、通気流路54の中途にはエアポンプ53を配設しており、エア導入口44より吸気した空気を補助流体噴出口46から勢いよく噴出させ、引込流を形成して電解水生成流路61を通じ水素水吐出口64の近傍に吐出された電解水素水を補助流体噴出口46と共に遠方へ拡散させると共に、流水流路62内に水流を形成し浴湯の更なる電解を促進させるようにしている。
【0103】
そして、このような構成を備える電解水素水生成装置F9によれば、電解水生成流路61において流水流路62の中で浴湯を流動させるための原水ポンプが必要なく、また、ベンチュリ部などの構成も不要であるため、構成をシンプル化して安価な電解水素水生成装置を構築することができる。
【0104】
上述してきたように、本実施形態に係る電解水素水生成装置によれば、溜水に浮遊又は沈下した状態で筐体内に溜水を導入して電解し、生成した電解水素水を前記筐体から溜水中へ放出する電解水素水生成装置であって、筐体内に空気を導入し前記溜水中へ補助流体として噴出することにより前記電解水素水の拡散を助長する拡散補助手段を備えたため、電解水素水を溜水中でより遠くに拡散させることができ、あたかも大量の水素が放出されているかのような視覚効果を得ることのできる電解水素水生成装置を提供することができる。
【0105】
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0106】
すなわち、上述してきた第1~第9の各実施形態に係る電解水素水生成装置は、本願発明の主旨に反しない限りにおいて、一の電解水素水生成装置の構成の一部を削除したり、一の電解水素水生成装置の構成に他の電解水素水生成装置の構成の一部を付加することや、一の電解水素水生成装置の構成の一部と他の電解水素水生成装置の構成の一部とを置換することができ、これら削除、付加、置換により生じる電解水素水生成装置もまた、本願発明の範疇に属するものである。
【0107】
例えば、上述してきた各実施形態のうち、水素水吐出口35と補助流体噴出口46とを筐体20の表面に備え、補助流体噴出口46からの補助流体の噴出に伴う引込流で電解水素水の拡散を行うタイプの電解水素水生成装置、具体的には、電解水素水生成装置F1,F2,S3,F7の如き装置は、この引込流が電解水生成流路中に水流を形成できる程度の十分な流れであれば、電解水生成流路の構成のうち原水ポンプは削除することも可能である。
【0108】
また、電解水生成流路の下流をベンチュリ部の枝管へ接続し、原水ポンプはこの枝管を介した電解水素水の供給にのみ稼動するタイプの電解水素水生成装置、具体的には電解水素水生成装置F8の如き装置は、ベンチュリ部内の低圧部が電解水生成流路中に水流を形成できる程度の十分な圧力差を有するものであれば、電解水生成流路の構成のうち原水ポンプは削除することも可能である。
【0109】
また、これら両タイプの電解水素水生成装置は、電解水生成流路31を、電解水素水生成装置F9の電解水生成流路61と置換することも可能である。このような構成とすることにより、大きな開口と流路断面により流路抵抗を低く抑えることができ、引込流による電解水生成流路61内での水流発生を効果的に行い、連続的な電解水素水の生成を実現することができる。
【符号の説明】
【0110】
10 浴槽
11 浴湯
12 水面
13 補助流体
14a 電解水素水
20 筐体
31 電解水生成流路
34 電解部
35 水素水吐出口
41 補助流体生成流路
45 ベンチュリ部
45a 主管
45b 枝管
45d 増速部
45e 第2枝管
46 補助流体噴出口
47 流動領域
51 混合流体噴出口
F 電解水素水生成装置
S 電解水素水生成装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7