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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/00 20200101AFI20221213BHJP
【FI】
D06F39/00 F
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019062871
(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公開番号】P2020157006
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】長友 芳郎
【審査官】程塚 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-105694(JP,A)
【文献】特開2016-064103(JP,A)
【文献】特開2014-166204(JP,A)
【文献】特開2002-049381(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0024280(US,A1)
【文献】実開昭59-119288(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 21/00-34/34
D06F 37/00-39/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信用の無線モジュールを備えた洗濯機であって、
少なくとも一部に金属筐体を含む本体筐体と、
前記金属筐体の背面の一部を覆うように取り付けられる樹脂製の後部カバー部材とを有しており、
前記無線モジュールは、前記後部カバー部材の内部空間の左右方向の一方の端部に配置され、
当該洗濯機の洗濯槽へ水道水を給水するための給水系は、前記本体筐体の後方側において、前記無線モジュールの上方であり、かつ、前記無線モジュールとは反対側の端部に配置されていることを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
請求項1に記載の洗濯機であって、
当該洗濯機は、乾燥機能を有する洗濯乾燥機であり、
乾燥機能のための熱源は、前記本体筐体の後方側において、前記無線モジュールの上方であり、かつ、前記無線モジュールと同一側の端部に配置されていることを特徴とする洗濯機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の洗濯機であって、
前記無線モジュールは、無線通信基板と、一方の面が開放された1つのモジュールケースとから構成され、
上記無線モジュールは、前記モジュールケースの開放された側の面を前記無線モジュールが取り付けられるケース部材に対向させて取り付けられ、
前記無線通信基板は、前記ケース部材と、前記モジュールケースとで形成される空間内に収容されることを特徴とする洗濯機。
【請求項4】
請求項3に記載の洗濯機であって、
前記ケース部材における前記無線通信基板の上方にはリブが形成されており、前記ケース部材の前記リブと前記モジュールケースの上板とによってラビリンス構造が形成されていることを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線モジュールを備えた洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な電化製品におけるIoT(Internet of Things)や、住宅内ネットワークの構築などが進んでおり、洗濯機においても無線通信用の無線モジュールを備えたものがある。無線モジュールを備えた洗濯機においては、防水性や通信性能を損なわないようにして無線モジュールを取り付けることが要求される。
【0003】
特許文献1には、無線通信基板を二重構造のケースに収納し、かつ、無線通信基板の角度をケース内で変更可能とした無線モジュールの構成が開示されている。すなわち、特許文献1に開示の洗濯機は、無線通信基板を二重構造のケースに収納することで高い防水性を確保し、アンテナの感度がよい方向へ無線通信基板の取付角度を変更することで良好な通信性能を得るようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第3915897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の洗濯機では、ケースを二重構造としたり無線通信基板の取付角度をケース内で変更可能としたりすることでその構造が複雑となり、コストが高くなるといった問題がある。また、無線モジュールは洗濯機の下部付近に配置されており、その周囲は金属筐体に囲まれている。このため、無線モジュールの通信性能は金属筐体によって損なわれやすく、無線通信基板の取付角度を変更するのみでは良好な通信性能が得られない場合もあると考えられる。さらには、無線モジュールの取付位置によっては、無線モジュールの水没の虞もある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、コストをかけることなく、無線モジュールの高い防水性および良好な通信性能を確保できる洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、無線通信用の無線モジュールを備えた洗濯機であって、少なくとも一部に金属筐体を含む本体筐体と、前記金属筐体の背面の一部を覆うように取り付けられる後部カバー部材とを有しており、前記無線モジュールは、前記後部カバー部材の内部空間の左右方向の一方の端部に配置され、当該洗濯機の洗濯槽へ水道水を給水するための給水系は、前記本体筐体の後方側において、前記無線モジュールの上方であり、かつ、前記無線モジュールとは反対側の端部に配置されていることを特徴としている。
【0008】
上記の構成によれば、無線モジュールおよび給水系は共に本体筐体の後方側に配置され、給水系は、無線モジュールの上方であり、かつ、無線モジュールとは反対側の端部に配置される。これにより、仮に給水系から水が漏れたとしても、無線モジュールは給水系とは逆側の端部にあるため、無線モジュールには水が掛かりにくい。このため、無線モジュール自体は、二重構造のケースのような複雑な構成としなくてもよく、低コストで十分な防水性が確保できる。また、後部カバー部材は樹脂製であるため、後部カバー部材の内部空間、すなわち金属筐体の外側に配置される無線モジュールは、少なくとも左右方向および後方向において金属筐体に囲まれることがなく、良好な通信性能を確保することができる。
【0009】
また、上記洗濯機は、乾燥機能を有する洗濯乾燥機であり、乾燥機能のための熱源は、前記本体筐体の後方側において、前記無線モジュールの上方であり、かつ、前記無線モジュールと同一側の端部に配置されている構成とすることができる。
【0010】
上記の構成によれば、熱源と無線モジュールとは、左右方向においては同一側であるが、上下方向においては無線モジュールが熱源の下方に配置され、熱源の周囲の空気は温められることで上昇するため、無線モジュールへの熱影響を最小限とすることができる。
【0011】
また、上記洗濯機では、前記無線モジュールは、無線通信基板と、一方の面が開放された1つのモジュールケースとから構成され、上記無線モジュールは、前記モジュールケースの開放された側の面を前記無線モジュールが取り付けられるケース部材に対向させて取り付けられ、前記無線通信基板は、前記ケース部材と、前記モジュールケースとで形成される空間内に収容される構成とすることができる。
【0012】
上記の構成によれば、無線モジュールが取り付けられるケース部材自体を無線通信基板の防水に利用でき、モジュールケースは無線通信基板の片側だけを覆うものとなるため、より構造が簡単で低コストとなる防水構造を得ることができる。
【0013】
また、上記洗濯機では、前記ケース部材における前記無線通信基板の上方にはリブが形成されており、前記ケース部材の前記リブと前記モジュールケースの上板とによってラビリンス構造が形成されている構成とすることができる。
【0014】
上記の構成によれば、仮にケース部材とモジュールケースとの隙間から水が入り込んだとしても、その水はラビリンス構造によってケース部材もしくはモジュールケースの内側面に案内され、ケース部材のもしくはモジュールケースの内側面を伝って流れるため、無線通信基板が濡れることを防止できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の洗濯機は、無線モジュールを樹脂製である後部カバー部材の内部空間に配置すると共に、給水系を、無線モジュールの上方であり、かつ、無線モジュールとは反対側の端部に配置することで、無線モジュール自体を二重構造のケースのような複雑な構成としなくても、低コストで十分な防水性が確保でき、かつ、無線モジュールの周囲が金属筐体に囲まれることがなく、良好な通信性能を確保することができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施の形態1に係る洗濯機の外観を示すものであり、洗濯機を斜め後ろから見た斜視図である。
図2図1に示す洗濯機において、下部筐体から後部カバー部材を取り外し、後部カバー部材の内部空間を見える状態とした斜視図である。
図3図1に示す洗濯機において、上部筐体における背面板を外し、上部筐体の内部を見える状態とした斜視図である。
図4】実施の形態に係る無線モジュールの構造を示す図であり、無線モジュールを裏側から見た斜視図である。
図5】無線モジュールを取り付ける前の基板ケースにおいて、無線モジュールの取付箇所付近の拡大斜視図である。
図6】無線モジュールを取り付けた状態の基板ケースにおいて、無線モジュールの取付箇所を含む縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔実施の形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施の形態1に係る洗濯機10の外観を示すものであり、洗濯機10を斜め後ろから見た斜視図である。図1に示すように、洗濯機10の外観は、洗濯機10の本体筐体を構成する下部筐体11および上部筐体12と、後部カバー部材13と、蓋体14とによって構成されている。
【0018】
下部筐体11は、本体筐体の大部分をなすものであり、金属製の筐体(金属筐体)として構成されている。上部筐体12は、下部筐体11の上方に配置されるものであり、樹脂製の筐体として構成されている。後部カバー部材13は、下部筐体11の背面の一部を覆うように取り付けられるものであり、樹脂製の部材として構成されている。蓋体14は、上部筐体12の上面に取り付けられるものであり、上部筐体12上面の洗濯物投入口を開閉可能に覆うように設けられている。
【0019】
洗濯機10は、インターネットやホームサーバーとなる端末装置などと無線通信可能となっており、そのため、無線通信用の無線モジュール20(図2参照)を備えている。但し、無線モジュール20で用いられる通信技術は特に限定されるものではない。
【0020】
本実施の形態1に係る洗濯機10は、無線モジュール20の取付構造に特徴を有するものである。以下、本発明の特徴点に絞って洗濯機10の説明を行い、洗濯機10の公知の構造については詳細な図示や説明を省略する。
【0021】
図2は、図1に示す洗濯機10において、下部筐体11から後部カバー部材13を取り外し、後部カバー部材13の内部空間を見える状態とした斜視図である。尚、後部カバー部材13の内部空間とは、下部筐体11の背面および後部カバー部材13の前面端よりも後方に存在する空間を意味する。また、図2において、下部筐体11の内部構造(洗濯槽など)は図示を省略している。
【0022】
図2に示すように、下部筐体11の背面側であって、後部カバー部材13の内部空間には無線モジュール20およびメイン回路基板30が配置される。具体的には、後部カバー部材13の内部空間には、無線モジュール20およびメイン回路基板30を所定位置に保持するための樹脂製の基板ケース(ケース部材)131が配置され、無線モジュール20およびメイン回路基板30は基板ケース131に取り付けられる。すなわち、無線モジュール20およびメイン回路基板30は、下部筐体11に対しては外側に配置されている。メイン回路基板30は、洗濯機10の動作を制御するマイコンなどの制御回路や、制御回路及び洗濯機10に備えた各種モータや弁などを駆動するための電源回路などを備えている。無線モジュール20は、制御回路に入出力されるデータを無線信号に変換する機能を有している。尚、図2において、メイン回路基板30の具体的な回路構造部分については図示を省略している。
【0023】
この例では、基板ケース131に対し後方から見て右側にメイン回路基板30が取り付けられ、後方から見て左側に無線モジュール20が取り付けられている。そして、無線モジュール20は、メイン回路基板30に対して配線(図示せず)などで接続される。このように、洗濯機10では、無線モジュール20は後部カバー部材13の内部空間において、左右方向の一方の端部(図2では左側端部)に配置される。
【0024】
洗濯機10では、当然ながら、メイン回路基板30の防水性を確保するための対策も必要となる。メイン回路基板30の防水対策としては、一般に樹脂ポッティングと呼ばれる手法が用いられる。すなわち、メイン回路基板30の表面(回路形成面)に樹脂(例えばウレタン樹脂)を流し込んで樹脂層を形成し、この樹脂層によってメイン回路基板30の防水性を確保する。この樹脂ポッティングにおいて、樹脂層の層厚はmmオーダーの比較的厚いものとされている。
【0025】
一方、本実施の形態1に係る洗濯機10において、無線モジュール20は、メイン回路基板30とは別途に備えられている。すなわち、メイン回路基板30に無線通信回路を作り込み、樹脂ポッティングによって防水性を確保するといった方法は取っていない。これは、以下の理由による。
【0026】
メイン回路基板30に無線通信回路を作り込むとすれば、メイン回路基板30上には、配線にて構成されるパターンアンテナが形成されることになる。このパターンアンテナは、所望の周波数特性を有するように高い寸法精度で設計される必要があり、その上に樹脂ポッティングによって層厚の大きい樹脂層を形成することは、樹脂層の膨張(温度変化や吸湿による膨張)や樹脂の誘電率による波長短縮などでパターンアンテナの周波数特性に悪影響を与える虞がある。このため、本実施の形態1に係る洗濯機10は、無線モジュール20を備え、無線モジュール20においてメイン回路基板30とは別の防水対策を取る構成とされている。
【0027】
一例としては、無線モジュール20は、無線通信回路の形成された無線通信基板をモジュールケースに収納した構成とし、モジュールケースによって無線通信基板の防水性を得ることが考えられる。尚、この場合の無線通信基板は、その表面(回路形成面)にウレタン樹脂などを塗布して薄い樹脂膜を形成し、防水性を高めた構成とされていてもよい。無論、この場合の樹脂膜は、無線通信基板に形成されるパターンアンテナの周波数特性に悪影響を与えないような膜厚および材質とされる。
【0028】
尚、基板ケース131において、メイン回路基板30の配置領域と無線モジュール20の配置領域との間には区画板131Aが形成されている。この区画板131Aにより、メイン回路基板30に対する樹脂ポッティングをメイン回路基板30のみに施すことができる。
【0029】
図3は、上部筐体12における背面板12A(図1参照)を外し、上部筐体12の内部を見える状態とした斜視図である。洗濯機10において、洗濯槽へ水道水を給水するための給水系40(給水ポンプや電磁弁)は、無線モジュール20やメイン回路基板30と同じく洗濯機10の後方側に設けられる。給水系40は、図3に示すように、上部筐体12の内部空間において、その後方側に設けられる。
【0030】
給水系40は、メイン回路基板30の上方であり、かつ、無線モジュール20とは反対側の端部(図3では右側端部)に配置される。これにより、仮に給水系40から水が漏れたとしても、無線モジュール20は給水系40とは逆側の端部にあるため、無線モジュール20には水が掛かりにくい。したがって、特許文献1のように無線モジュール20を二重ケース構造としたり、樹脂ポッティングなどで層厚の大きい樹脂層を形成したりせずとも十分な防水性が確保でき、低コストで十分な防水性を得ることができる。
【0031】
さらに、本実施の形態1に係る洗濯機10において、無線モジュール20の通信性能は、無線モジュール20を後部カバー部材13の内部空間に配置することで確保されている。すなわち、後部カバー部材13は樹脂製であり、後部カバー部材13の内部空間であって、下部筐体11の外側に配置される無線モジュール20は、少なくとも左右方向および後方向において金属筐体に囲まれることがなく(金属筐体によって通信が阻害されにくく)、良好な通信性能を確保することができる。
【0032】
〔実施の形態2〕
洗濯機10を、乾燥機能を有する洗濯乾燥機とする場合、洗濯機10の内部には乾燥機能のための熱源50(図3参照)も配置される。この場合、熱源50をユーザに近い洗濯機10の前方側に配置することは好ましくないため、熱源50は、無線モジュール20やメイン回路基板30と同じく洗濯機10の後方側に設けられる。また、無線モジュール20および熱源50は、無線モジュール20に対する熱影響を少なくするように配置されることが望ましい。尚、乾燥機能のための熱源50の種類は特に限定されるものではなく、例えば、洗濯機10がヒータ式の洗濯乾燥機である場合はヒータが熱源50であり、洗濯機10がヒートポンプ式の洗濯乾燥機である場合は凝縮器が熱源50となる。
【0033】
熱源50は、図3に示すように、上部筐体12の後方側において給水系40と並ぶように配置されるが、給水系40とは反対側の端部(図3では左側端部)に配置される。すなわち、熱源50は、左右方向においては無線モジュール20と同一側に配置され、上下方向においては、無線モジュール20の上方に配置される。この構成の場合、熱源50と無線モジュール20とは、左右方向においては同一側であるが、上下方向においては無線モジュール20が熱源50の下方に配置されている。そして、熱源50の周囲の空気は温められることで上昇するため、無線モジュール20への熱影響を最小限とすることができる。
【0034】
〔実施の形態3〕
本実施の形態3では、洗濯機10における無線モジュール20のさらに好適な構成例について説明する。
【0035】
上述したように、無線モジュール20における好適な構成は、無線通信基板をモジュールケース内に収容し、モジュールケースによって無線通信基板の防水性を確保するというものである。このモジュールケースは、2つの部材からなるモジュールケースによって無線通信基板を両側から挟み込み、モジュールケース内部に無線通信基板を完全に収容する構造とすることも考えられる。
【0036】
これに対し、本実施の形態3では、単一部材からなるモジュールケースを用い、より簡易で低コストな構造によって、無線通信基板の防水性を確保する構成を説明する。図4は、本実施の形態3に係る無線モジュール20の構造を示す図であり、無線モジュール20を裏側(基板ケース131への取付側)から見た斜視図である。
【0037】
図4に示すように、本実施の形態3に係る無線モジュール20は、無線通信基板21と、裏側の面が開放された1つのモジュールケース22とから構成されている。また、無線通信基板21は、モジュールケース22に対してビス23などで固定されるようになっている。上記構造の無線モジュール20は、モジュールケース22の開放側の面を基板ケース131に対向して取り付けられる。この構造では、基板ケース131とモジュールケース22とで形成される空間内に無線通信基板21が収容されることで、無線通信基板21の防水性が確保される。また、モジュールケース22は、無線通信基板21の片側だけを覆うものであるため、部材点数が削減でき、より低コストとなる。
【0038】
図5は、無線モジュール20を取り付ける前の基板ケース131において、無線モジュール20の取付箇所付近の拡大斜視図である。図6は、無線モジュール20を取り付けた状態の基板ケース131において、無線モジュール20の取付箇所を含む縦断面図である。基板ケース131においては、図5および図6に示すように、無線通信基板21の上方にリブ131Bを形成し、基板ケース131に無線モジュール20を取り付けたときに、リブ131Bとモジュールケース22の上板22Aとによってラビリンス構造が形成されることが好ましい。
【0039】
このラビリンス構造により、基板ケース131とモジュールケース22との隙間から水が入り込んだとしても、その水は基板ケース131の内側面131Cに案内されて内側面131Cを伝って流れるため、無線通信基板21が濡れることを防止できる。
【0040】
尚、図4図6に示す構成では、無線通信基板21がモジュールケース22に対してビス23などで固定され、無線通信基板21が固定されたモジュールケース22を基板ケース131に取り付ける構成とされている。しかしながら、本発明の構成はこれに限定されるものではない。例えば、無線通信基板21を基板ケース131に対してビスなどで固定し、無線通信基板21を覆うようにモジュールケース22を基板ケース131に取り付ける構成であってもよい。
【0041】
また、図5および図6に示す構成では、モジュールケース22の上板22Aの上にリブ131Bを配置してラビリンス構造を形成している。しかしながら、本発明の構成はこれに限定されるものではない。例えば、リブ131Bの上にモジュールケース22の上板22Aを配置してラビリンス構造を形成してもよい。この場合は、基板ケース131とモジュールケース22との隙間から水が入り込んだとしても、その水はモジュールケース22の内側面に案内されて当該内側面を伝って流れるため、無線通信基板21が濡れることを防止できる。
【0042】
上記説明では、本発明が適用される洗濯機10が縦型洗濯機である場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ドラム式洗濯機にも適用可能である。本発明をドラム式洗濯機に適用する場合、本体筐体は、特に上部筐体および下部筐体に分かれている必要はなく、金属製である1つの本体筐体を含むものであってもよく、樹脂製である背面カバー部材は本体筐体の背面の一部を覆うように取り付けられるものであればよい。
【0043】
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0044】
10 洗濯機
11 下部筐体(金属筐体、本体筐体の一部)
12 上部筐体(本体筐体の一部)
13 後部カバー部材
131 基板ケース(ケース部材)
131B リブ(ラビリンス構造の一部)
14 蓋体
20 無線モジュール
21 無線通信基板
22 モジュールケース
22A 上板(ラビリンス構造の一部)
30 メイン回路基板
40 給水系
50 熱源
図1
図2
図3
図4
図5
図6