IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社マキタの特許一覧

<>
  • 特許-電源供給装置、電動作業機システム 図1
  • 特許-電源供給装置、電動作業機システム 図2
  • 特許-電源供給装置、電動作業機システム 図3
  • 特許-電源供給装置、電動作業機システム 図4
  • 特許-電源供給装置、電動作業機システム 図5
  • 特許-電源供給装置、電動作業機システム 図6
  • 特許-電源供給装置、電動作業機システム 図7
  • 特許-電源供給装置、電動作業機システム 図8
  • 特許-電源供給装置、電動作業機システム 図9
  • 特許-電源供給装置、電動作業機システム 図10
  • 特許-電源供給装置、電動作業機システム 図11
  • 特許-電源供給装置、電動作業機システム 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】電源供給装置、電動作業機システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20221213BHJP
   B25F 5/00 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
H02J7/00 302A
B25F5/00 C
B25F5/00 H
H02J7/00 Y
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019067691
(22)【出願日】2019-03-29
(65)【公開番号】P2020167862
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】片山 純一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 均
【審査官】下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/148228(WO,A1)
【文献】特開昭60-174079(JP,A)
【文献】特開2014-235812(JP,A)
【文献】国際公開第2015/182515(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
B25F 1/00 - 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者により操作されるトリガスイッチと、モータと、前記モータが発生する駆動力によって駆動する先端工具と、を備える電動作業機に、電源を供給する電源供給装置であって、
前記電源の出力を開始した後に、前記電動作業機の接続を検出するように構成された接続検出部と、
前記トリガスイッチの状態を検出するように構成されたトリガ検出部と、
前記接続検出部により前記電動作業機の接続が検出され、且つ、前記トリガ検出部により前記トリガスイッチのオン状態が検出された場合に、前記トリガ検出部により一旦前記トリガスイッチのオフ状態が検出されるまで、前記モータへの電力供給を禁止する放電禁止信号を前記電動作業機へ出力するように構成された信号出力部と、を備える、
電源供給装置。
【請求項2】
前記接続検出部は、前記電動作業機からのトリガ操作信号の入力に基づいて、前記電動作業機の接続を検出するように構成され、
前記トリガ検出部は、前記トリガ操作信号の入力に基づいて、前記トリガスイッチのオン状態を検出するように構成されている、
請求項1に記載の電源供給装置。
【請求項3】
前記信号出力部は、前記トリガ検出部により一旦前記トリガスイッチのオフ状態が検出された場合に、前記トリガ検出部による前記トリガスイッチのオン状態の検出待ち状態に移行するように構成されている、
請求項1又は2に記載の電源供給装置。
【請求項4】
前記トリガ検出部により一旦前記トリガスイッチのオフ状態が検出された後、前記トリガ検出部により前記トリガスイッチのオン状態が検出された場合に、前記電源供給装置が放電可能な状態か否か判定するように構成された放電判定部を備える、
請求項1~3のいずれか1項に記載の電源供給装置。
【請求項5】
少なくとも一つのバッテリパックと、
取り外し可能で、且つ前記電動作業機に接続されるように構成されたアダプタと、を備え、
前記放電可能な状態は、前記アダプタが接続されており、且つ、前記バッテリパックからの電源供給を許可する放電許可信号が前記バッテリパックから出力されている状態である、
請求項4に記載の電源供給装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の電源供給装置と、前記電動作業機と、を備え、
前記モータは、前記電動作業機が前記放電禁止信号を受信した場合に停止するように構成されている、
電動作業機システム。
【請求項7】
請求項1に記載の電源供給装置と、電動作業機と、を備える電動作業機システムであって、
前記電動作業機は、
使用者により操作されるトリガスイッチと、
モータと、
前記モータが発生する駆動力によって駆動する先端工具と、
前記モータを停止させる必要があるエラー状態を検出するように構成されたエラー検出部と、
前記トリガスイッチの状態を検出するように構成された作業機側トリガ検出部と、
前記エラー検出部により前記エラー状態が検出された場合に、前記エラー状態が検出されたときから、前記作業機側トリガ検出部により前記トリガスイッチのオフ状態が検出されるまで、前記モータを停止させる停止信号を出力するように構成された停止制御部と、を備える、
電動作業機システム。
【請求項8】
前記電動作業機は、前記電源供給装置の接続を検出するように構成された作業機側接続検出部を備え、
前記モータは、前記電動作業機が前記放電禁止信号を受信した場合に停止するように構成されており、
前記停止制御部は、前記作業機側接続検出部により前記電源供給装置の接続が検出され、且つ、前記作業機側トリガ検出部により前記トリガスイッチのオン状態が検出された場合に、前記作業機側トリガ検出部により一旦前記トリガスイッチのオフ状態が検出されるまで、前記停止信号を出力するように構成されている、
請求項7に記載の電動作業機システム。
【請求項9】
前記作業機側接続検出部には、前記電源供給装置が接続されたことを示す電源接続信号が入力され、
前記作業機側トリガ検出部には、前記トリガスイッチの第1トリガ操作信号が入力され、
前記接続検出部には、前記電動作業機が接続されたことを示す作業機接続信号が入力され、
前記トリガ検出部には、前記第1トリガ操作信号とは独立した、前記トリガスイッチの第2トリガ操作信号が入力される、
請求項8に記載の電動作業機システム。
【請求項10】
前記電動作業機は、前記作業機側接続検出部及び前記作業機側トリガ検出部を含む作業機制御回路を備え、
前記電源接続信号は、前記作業機制御回路へ入力されるリセット解除信号である、
請求項9に記載の電動作業機システム。
【請求項11】
前記電動作業機は、前記トリガスイッチの操作に連動して開閉する接点部と、前記トリガスイッチの操作に連動して抵抗値が変化する摺動抵抗器と、を備え、
前記第1トリガ操作信号は、前記接点部及び前記摺動抵抗器のうちの一方から出力され、
前記第2トリガ操作信号は、前記接点部及び前記摺動抵抗器のうちの他方から出力される、
請求項9又は10に記載の電動作業機システム。
【請求項12】
前記電動作業機は、
前記信号出力部から出力された前記放電禁止信号の入力に応じて、前記モータを停止させるように構成された第1停止回路と、
前記停止制御部から出力された前記停止信号の入力に応じて、前記モータを停止させるように構成された第2停止回路と、を備える、
請求項7~11のいずれか1項に記載の電動作業機システム。
【請求項13】
前記信号出力部は、前記接続検出部により前記電動作業機の接続が検出されていない場合には、前記放電禁止信号を出力するように構成され、
前記電動作業機は、
前記電源供給装置の接続を検出するように構成された作業機側接続検出部と、
前記作業機側接続検出部により前記電源供給装置の接続が検出された後、前記信号出力部から出力されている出力信号が、前記放電禁止信号であるか前記モータへの電力供給を許可する放電許可信号であるかを判定するように構成された信号判定部と、を備え、
前記停止制御部は、前記信号判定部により前記出力信号が前記放電許可信号であると判定された場合に、前記停止信号を出力するように構成されている、
請求項7~12のいずれか1項に記載の電動作業機システム。
【請求項14】
前記信号判定部により前記出力信号が前記放電許可信号であると判定された場合に、前記電源供給装置からの前記出力信号に異常がある状態を報知するように構成された報知部を備える、
請求項13に記載の電動作業機システム。
【請求項15】
前記電源供給装置は、
前記接続検出部により前記電動作業機の接続が検出された後に、前記電動作業機と初回通信を行うように構成された通信部を備え、
前記信号出力部は、前記通信部による初回通信が終了し、且つ、前記トリガ検出部により前記トリガスイッチのオフ状態が検出された場合に、出力信号を前記放電禁止信号から前記モータへの電力供給を許可する放電許可信号に切り替えるように構成されている、
請求項7~14のいずれか1項に記載の電動作業機システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動作業機の突然の再起動を抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の電動工具は、トリガスイッチがオンされた状態でバッテリパックに接続された場合に、バッテリパックから電動工具への電力供給を遮断して、電動工具が突然動作を始めることを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4556929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、古いタイプのバッテリパックはパワーが比較的低かった。そのため、トリガスイッチがオン状態の電動作業機をバッテリパックに接続して、電動作業機が突然動作を初めても、電動作業機を振り回すほどのパワーをバッテリパックが供給できなかったため、電動作業機が突然動作を始めたとしても電動作業機が振り回されることなく問題はなかった。そのため、特許文献1に記載のような再起動を抑制する機能を備えていない電動作業機も存在する。
【0005】
一方、近年バッテリパックのパワーが徐々に向上してきたため、電動作業機が突然動作を始めることを抑制したいという要望が生じている。しかしながら、市場に出た再起動を抑制する機能を備えていない電動作業機に、再起動を抑制する機能を追加することは困難である。
【0006】
本開示の1つの局面は、電源供給装置側から電動作業機の突然の再起動を抑制可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の局面は、使用者により操作されるトリガスイッチと、モータと、モータが発生する駆動力によって駆動する先端工具と、を備える電動作業機に、電源を供給する電源供給装置であって、接続検出部と、トリガ検出部と、信号出力部と、を備える。接続検出部は、電源の出力を開始した後に、電動作業機の接続を検出するように構成される。トリガ検出部は、トリガスイッチの状態を検出するように構成される。信号出力部は、接続検出部により電動作業機の接続が検出され、且つ、トリガ検出部によりトリガスイッチのオン状態が検出された場合に、トリガ検出部により一旦トリガスイッチのオフ状態が検出されるまで、モータへの電力供給を禁止する放電禁止信号を電動作業機へ出力するように構成される。
【0008】
電源の出力を開始した後に、電動作業機の接続が検出され、且つ、トリガスイッチのオン状態が検出された場合には、一旦、トリガスイッチのオフ状態が検出されるまで、電動作業機へ放電禁止信号が出力される。これにより、トリガスイッチがオン状態の電動作業機が電源供給装置に接続された場合でも、電動作業機のモータへの電源供給が禁止され、電動作業機の起動が抑制される。すなわち、電源供給装置側から電動作業機の突然の再起動を抑制することができる。ひいては、草刈機や丸鋸等の電動作業機のモータが突然回転し、電動作業機本体がその反動で振り回されたり、先端工具が突然動作したりすることを抑制することができる。先端工具は、例えば、刃物などの切断工具、切削工具、砥石などの研磨工具、穿孔工具である。
【0009】
また、接続検出部は、電動作業機からのトリガ操作信号の入力に基づいて、電動作業機の接続を検出するように構成されてもよい。トリガ検出部は、トリガ操作信号の入力に基づいて、トリガスイッチのオン状態を検出するように構成されていてもよい。
1つのトリガ操作信号の入力に基づいて、電動作業機の接続と、トリガスイッチのオン状態とを検出することができる。
【0010】
また、信号出力部は、トリガ検出部により一旦トリガスイッチのオフ状態が検出された場合に、トリガ検出部によるトリガスイッチのオン状態の検出待ち状態に移行するように構成されていてもよい。
【0011】
一旦トリガスイッチのオフ状態が検出された場合には、その後、使用者が意図的にトリガスイッチをオンにしない限り、電動作業機が起動しない。すなわち、一旦トリガスイッチのオフ状態が検出された場合には、電動作業機が突然再起動することがない。したがって、この場合、電源供給装置は、トリガスイッチがオン状態になり且つ他の条件が満たされれば、放電許可信号を出力できる。よって、電源供給装置は、一旦トリガスイッチのオフ状態が検出された場合に、トリガスイッチのオン状態の検出待ち状態に移行することができる。すなわち、電源供給装置は、一旦トリガスイッチのオフ状態が検出された場合に、放電許可信号の出力待ち状態に移行することができる。
【0012】
また、トリガ検出部により一旦トリガスイッチのオフ状態が検出された後、トリガ検出部によりトリガスイッチのオン状態が検出された場合に、電源供給装置が放電可能な状態か否か判定するように構成された放電判定部を備えてもよい。
【0013】
一旦トリガスイッチのオフ状態が検出された後に、トリガスイッチのオン状態が検出された場合には、電源供給装置が放電可能な状態か否か判定される。放電可能な状態と判定された場合には、電源供給装置から電動作業機へ放電許可信号を出力することができる。
【0014】
また、少なくとも一つのバッテリパックと、アダプタと、を備えてもよい。アダプタは、取り外し可能で、且つ電動作業機に接続されるように構成される。放電可能な状態は、アダプタが接続されており、且つ、バッテリパックからの電源供給を許可する放電許可信号がバッテリパックから出力されている状態であってもよい。
【0015】
電源供給装置にアダプタが接続されており、且つ、バッテリパックから放電許可信号が出力されている場合には、電源供給装置からの放電が可能な状態と判定することができる。
【0016】
本開示の第2の局面は、電動作業機システムであって、前述した電源供給装置と、電動作業機と、を備える。モータは、電動作業機が放電禁止信号を受信した場合に停止するように構成されている。
電源供給装置から出力された放電禁止信号によってモータが停止するため、電源供給装置によりモータの駆動を抑制することができる。
【0017】
本開示の第3の局面は、電動作業機システムであって、前述した電源供給装置と、電動作業機と、を備える。電動作業機は、トリガスイッチと、モータと、先端工具と、エラー検出部と、作業機側トリガ検出部と、停止制御部と、を備えてもよい。トリガスイッチは、使用者により操作される。先端工具は、モータが発生する駆動力によって駆動する。エラー検出部は、モータを停止させる必要があるエラー状態を検出するように構成される。作業機側トリガ検出部は、トリガスイッチの状態を検出するように構成される。停止制御部は、エラー検出部によりエラー状態が検出された場合に、エラー状態が検出されたときから、作業機側トリガ検出部によりトリガスイッチのオフ状態が検出されるまで、モータを停止させる停止信号を出力するように構成される。
【0018】
電動作業機において、エラー状態が検出された場合には、エラー状態が検出されたときから、トリガスイッチのオフ状態が検出されるまで、停止信号が出力される。これにより、電源供給装置または電動作業機に温度上昇等のエラー状態が発生してモータが停止した際において、トリガスイッチがオン状態に維持されたままエラー状態が解消した場合に、モータが突然駆動開始することを抑制できる。すなわち、電源供給装置に電動作業機が接続された場合だけでなく、エラー状態が発生してモータが停止した後にエラー状態が解消した場合にも、電動作業機の突然の再起動を抑制することができる。
【0019】
また、電動作業機は、電源供給装置の接続を検出するように構成された作業機側接続検出部を備えてもよい。モータは、電動作業機が放電禁止信号を受信した場合に停止するように構成されていてもよい。停止制御部は、作業機側接続検出部により電源供給装置の接続が検出され、且つ、作業機側トリガ検出部によりトリガスイッチのオン状態が検出された場合に、作業機側トリガ検出部により一旦トリガスイッチのオフ状態が検出されるまで、停止信号を出力するように構成されていてもよい。
【0020】
電源供給装置において、電源の出力を開始した後に、電動作業機の接続が検出され、且つ、トリガスイッチのオン状態が検出された場合には、一旦、トリガスイッチのオフ状態が検出されるまで、電動作業機へ放電禁止信号が出力される。そして、電源供給装置から出力された放電禁止信号によってモータが停止する。また、電動作業機において、電源供給装置の接続が検出され、且つ、トリガスイッチのオン状態が検出された場合には、一旦、トリガスイッチのオフ状態が検出されるまで、モータを停止させる停止信号が出力される。したがって、電源供給装置側からだけでなく、電動作業機側からも、電動作業機の突然の再起動を抑制することができる。すなわち、電動作業機の突然の再起動の抑制手段が冗長化されるため、再起動抑制手段への信頼性を向上させることができる。
【0021】
また、作業機側接続検出部には、電源供給装置が接続されたことを示す電源接続信号が入力されてもよい。作業機側トリガ検出部には、トリガスイッチの第1トリガ操作信号が入力されてもよい。接続検出部には、電動作業機が接続されたことを示す作業機接続信号が入力されてもよい。トリガ検出部には、第1トリガ操作信号とは独立した、トリガスイッチの第2トリガ操作信号が入力されてもよい。
【0022】
電動作業機の作業機側トリガ検出部に入力される第1トリガ操作信号と、電源供給装置のトリガ検出部に入力される第2トリガ操作信号とが独立している。よって、トリガスイッチの操作信号を冗長化して、トリガスイッチの操作信号への信頼性を向上させることができる。
【0023】
また、電動作業機は、作業機側接続検出部及び作業機側トリガ検出部を含む作業機制御回路を備えてもよい。電源接続信号は、作業機制御回路へ入力されるリセット解除信号であってもよい。
【0024】
通常、電動作業機へ電源の供給が開始されると、作業機制御回路へリセット解除信号が入力される。このリセット解除信号が電源接続信号として用いられるため、リセット解除信号を有効に利用することができる。
【0025】
また、電動作業機は、接点部と、摺動抵抗器と、を備えてもよい。接点部は、トリガスイッチの操作に連動して開閉する。摺動抵抗器は、トリガスイッチの操作に連動して抵抗値が変化する。第1トリガ操作信号は、接点部及び摺動抵抗器のうちの一方から出力され、第2トリガ操作信号は、接点部及び摺動抵抗器のうちの他方から出力されてもよい。
【0026】
トリガスイッチの操作に連動して開閉する接点部から第1トリガ操作信号及び第2トリガ操作信号のうちの一方が出力される。また、トリガスイッチの操作に連動して抵抗値が変化する摺動抵抗器から第1トリガ操作信号及び第2トリガ操作信号のうちの他方が出力される。これにより、トリガスイッチの操作信号が冗長化されるため、トリガスイッチの操作信号への信頼性を向上させることができる。
【0027】
また、電動作業機は、第1停止回路と、第2停止回路と、を備えてもよい。第1停止回路は、信号出力部から出力された放電禁止信号の入力に応じて、モータを停止させるように構成される。第2停止回路は、停止制御部から出力された停止信号の入力に応じて、モータを停止させるように構成される。
【0028】
放電禁止信号と停止信号とは、互いに異なる停止回路へ入力され、互いに異なる停止回路を介してモータを停止させる。これにより、モータの停止制御が冗長化されるため、モータ停止制御への信頼性を向上させることができる。
【0029】
また、信号出力部は、接続検出部により電動作業機の接続が検出されていない場合には、放電禁止信号を出力するように構成されてもよい。電動作業機は、作業機側接続検出部と、信号判定部と、を備えてもよい。作業機側接続検出部は、電源供給装置の接続を検出するように構成される。信号判定部は、作業機側接続検出部により電源供給装置の接続が検出された後、信号出力部から出力されている出力信号が、放電禁止信号であるかモータへの電力供給を許可する放電許可信号であるかを判定するように構成される。停止制御部は、信号判定部により出力信号が放電許可信号であると判定された場合に、停止信号を出力するように構成されていてもよい。
【0030】
電動作業機において、電源供給装置の接続が検出された後、電源供給装置からの出力信号が放電許可信号か否か判定される。そして、本来、出力信号が放電禁止信号であるべきにもかかわらず、出力信号が放電許可信号である場合には、停止信号が出力され、モータが停止させられる。すなわち、電源供給装置からの出力信号に異常があると判定される場合には、モータが停止させられる。これにより、電源供給装置からの出力信号の信頼性を向上させることができる。
【0031】
また、信号判定部により出力信号が放電許可信号であると判定された場合に、電源供給装置からの出力信号に異常がある状態を報知するように構成された報知部を備えてもよい。
報知部により電源供給装置からの出力信号に異常がある状態が報知されるため、使用者は電源供給装置からの出力信号に異常がある状態を認識することができる。
【0032】
また、電源供給装置は、接続検出部により電動作業機の接続が検出された後に、電動作業機と初回通信を行うように構成された通信部を備えてもよい。信号出力部は、通信部による初回通信が終了し、且つ、トリガ検出部によりトリガスイッチのオフ状態が検出された場合に、出力信号を放電許禁止信号から放電許可信号に切り替えるように構成されていてもよい。
【0033】
初回通信が終了し、且つ、トリガスイッチのオフ状態が検出された場合に、出力信号が放電禁止信号から放電許可信号へ切り替えられる。トリガスイッチのオフ状態で出力信号が放電禁止信号から放電許可信号へ切り替わるため、確実にモータが停止した状態で放電信号を切り替えることができる。また、トリガスイッチがオフ状態のときに、出力信号を放電禁止信号から放電許可信号に切り替えることにより、トリガスイッチがオン状態になったときに、直ちにモータを駆動させることができる。
【0034】
本開示の第4の局面は、電動作業機であって、トリガスイッチと、モータと、先端工具と、エラー検出部と、トリガ検出部と、停止制御部と、を備える。トリガスイッチは、使用者により操作される。先端工具は、モータが発生する駆動力によって駆動する。エラー検出部は、モータを停止させる必要があるエラー状態を検出するように構成される。トリガ検出部は、トリガスイッチの状態を検出するように構成される。停止制御部は、エラー検出部によりエラー状態が検出された場合に、エラー状態が検出されたときから、トリガ検出部により前記トリガスイッチのオフ状態が検出されるまで、モータを停止させる停止信号を出力するように構成される。これによれば、エラー状態が発生した場合に、電動作業機の突然の再起動を抑制することができる。
【0035】
また、本開示の第4の局面において、電動作業機は、本開示の第3の局面における電動作業機が備える構成のうちのいずれか1つ又は複数の組み合わせを備えていてもよい。また、本開示の第5の局面は、本開示の第4の局面における電動作業機と、本開示の第1又は第3における電源供給装置とを備える電動作業機システムでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】第1実施形態に係るポータブル電源ユニットの外観を示す図である。
図2】第1実施形態に係るポータブル電源ユニットのコネクタの端子構成を示す図である。
図3】第1実施形態に係るポータブル電源ユニットにおけるバッテリパックの接続構成を示す図である。
図4】第1実施形態に係る電動作業機システムの構成を示す図である。
図5】第1実施形態に係る再起動防止処理の処理手順を示すフローチャートである。
図6】第2実施形態に係る電動作業機システムの構成を示す図である。
図7】第2実施形態に係る電動工具における電源接続時の再起動防止処理の処理手順を示すフローチャートである。
図8】第2実施形態に係るバッテリパックにおける再起動防止処理の処理手順を示すフローチャートである。
図9】第2実施形態に係る電動工具におけるエラー発生時の再起動防止処理の処理手順を示すフローチャートである。
図10】第3実施形態に係る電動作業機システムの構成を示す図である。
図11】第4実施形態に係る電動作業機システムの構成を示す図である。
図12】第5実施形態に係る電源接続時の再起動防止処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照しながら、本開示を実施するための形態を説明する。
(第1実施形態)
<1-1.ポータブル電源ユニットの全体構成>
本実施形態では、電動作業機に電源を供給する電源供給装置としてポータブル電源ユニット1(以下、電源ユニット1)を用いる。本実施形態の電源ユニット1の構成について、図1~3を参照して説明する。電源ユニット1は、ポータブル電源装置10と、工具用アダプタ20(以下、アダプタ20)と、を備え、アダプタ20に接続された電動作業機に電力を供給するように構成されている。電動作業機としては、例えば、電動工具、電動園芸機器などが挙げられる。これらの電動作業機は、例えば、18Vのバッテリパックを1個接続して駆動する作業機や、18Vの電池パックを2個接続して駆動する作業機や、36Vの電動作業機を1個接続して駆動する作業機を含む。
【0038】
図1に示すように、ポータブル電源装置10は、本体部10aと、背負いベルト10Bと、出力コネクタ13と、出力延長ケーブル15と、を備える。さらに、図2に示すように、ポータブル電源装置10は、本体部10aに収容された複数のバッテリパック30A,30Bを備える。図2は、本体部10aのカバーを開けた状態を示す。
【0039】
本体部10aは、最大8個のバッテリパック30A,30Bを収容可能に構成されている。各バッテリパック30A,30Bの定格出力電圧は18Vである。本体部10aには、主電源スイッチ11が設けられている。また、本体部10aの内部には、後述する電源ユニット制御回路12を含む制御基板が搭載されている。
【0040】
背負いベルト10bは、使用者が本体部10aを背負うことが可能となるように本体部10aに固定されている。出力コネクタ13は、出力延長ケーブル15を介して本体部10aに接続されている。出力コネクタ13は、アダプタ20のコネクタに接続可能に構成されている。
【0041】
アダプタ20は、第1電圧用アダプタ20aと、複数出力用アダプタ20bと、第2電圧用アダプタ20cと、を備える。出力コネクタ13には、第1電圧用コネクタ21a、複数出力用コネクタ21b及び第2電圧用コネクタ21cのいずれかが接続される。電源ユニット1は、アダプタ20をバッテリパックの代わりに電動作業機に接続することで、電動機器への電力供給が可能となるように構成されている。
【0042】
第1電圧用アダプタ20aは、電圧18Vの出力系統を1個備えており、1系統の電圧18Vを電動作業機に出力するためのアダプタである。第1電圧用アダプタ20aは、第1電圧用コネクタ21aと、機器接続ケーブル23aと、機器側ユニット25aと、を備える。
【0043】
複数出力用アダプタ20bは、電圧18Vの出力系統を2個備えており、2系統の電圧18Vを電動作業機に出力するためのアダプタである。複数出力用アダプタ20bは、複数出力用コネクタ21bと、機器接続ケーブル23bと、機器側ユニット25bと、を備える。機器側ユニット25bは、第1機器側ユニット25b1と、第2機器側ユニット25b2と、を備える。
【0044】
第2電圧用アダプタ20cは、電圧36Vの出力系統を1個備えており、1系統の電圧36Vを電動作業機に出力するためのアダプタである。第2電圧用アダプタ20cは、第2電圧用コネクタ21cと、機器接続ケーブル23cと、機器側ユニット25cと、を備える。
【0045】
次に、本体部10aに収納されるバッテリパック30A,30Bの接続構成について説明する。図2に示すように、出力コネクタ13は、負極端子13aと、第1正極端子13bと、第2正極端子13cと、識別子取得端子13d(以下、ID取得端子13d)と、信号入出力端子13eと、を備える。
【0046】
負極端子13aは、出力電圧の基準電位(=0V)となる端子である。第1正極端子13bは、1つの18V電圧を出力する際、または、2つの18V電圧を出力する際に用いられる端子である。第2正極端子13cは、36V電圧を出力する際、または、2つの18V電圧を出力する際に用いられる端子である。ID取得端子13dは、出力コネクタ13に接続されたアダプタ20の識別情報を取得するための端子である。信号入出力端子13eは、電動作業機からトリガ操作信号を取得するための端子であるとともに、電動作業機へ放電許可信号又は放電禁止信号を出力するための端子である。
【0047】
図3に示すように、4個のバッテリパック30Aは、負極端子13aと第1正極端子13bとの間に、並列に接続されている。バッテリパック30Aのそれぞれには、スイッチSWAが接続されている。詳しくは、各バッテリパック30Aの負極は、第1負極ライン13fに接続されており、第1負極ライン13fは、負極端子13aに接続されている。各バッテリパック30Aの正極は、スイッチSWAを介して第1正極ライン13gに接続されており、第1正極ライン13gは、第1正極端子13bに接続されている。
【0048】
また、4個のバッテリパック30Bは、負極端子13aと第2正極端子13cとの間に、並列に接続されている。バッテリパック30Bのそれぞれには、スイッチSWAが接続されている。詳しくは、各バッテリパック30Bの負極は、第2負極ライン13hに接続されており、第2負極ライン13hは、スイッチSWBを介して第1負極ライン13fに接続されている。各バッテリパック30Bの正極は、スイッチSWAを介して第2正極ライン13iに接続されており、第2正極ライン13iは、第2正極端子13cに接続されている。
【0049】
さらに、第2正極ライン13iは、スイッチSWCを介して第1正極ライン13gに接続されている。また、第2負極ライン13hは、スイッチSWDを介して第1正極ライン13gに接続されている。
【0050】
8個のスイッチSWAと、スイッチSWBと、スイッチSWCと、スイッチSWDの開閉(すなわちオンオフ)は、電源ユニット制御回路12により制御される。詳しくは、電源ユニット制御回路12は、ID取得端子13dを介して、第1電圧用アダプタ20aの識別情報を取得した場合、スイッチSWB,SWC,SWDをオフにする。さらに、電源ユニット制御回路12は、4個のバッテリパック30Aのうち放電させるバッテリパック30Aを選択し、選択したバッテリパック30Aに接続されたスイッチSWAをオンにする。これにより、負極端子13aと第1正極端子13bとの両端子間から、18Vの電圧が出力される。
【0051】
電源ユニット制御回路12は、CPU、メモリを備え、CPUがメモリに記憶されているプログラムを実行することにより、各種の機能を実現する。例えば、電源ユニット制御回路12は、選択したバッテリパック30Aの電力残容量が少なくなった場合には、放電させるバッテリパック30Aを、残りの3個のバッテリパック30Aのいずれかに交換する。これにより、電動作業機は、複数のバッテリパック30Aの電力を連続して使用することができる。
【0052】
また、電源ユニット制御回路12は、ID取得端子13dを介して、複数出力用アダプタ20bの識別情報を取得した場合、スイッチSWB,SWCをオフにし、スイッチSWDをオンにする。さらに、電源ユニット制御回路12は、4個のバッテリパック30Aと4個のバッテリパック30Bのそれぞれから放電させるバッテリパック30A,30Bを選択し、選択したバッテリパック30A,30Bに接続されたスイッチSWAをオンにする。これにより、負極端子13aと第1正極端子13bとの両端子間から、18Vの電圧が出力されるとともに、第1正極端子13bと第2正極端子13cとの両端子間から、18Vの電圧が出力される。
【0053】
また、電源ユニット制御回路12は、ID取得端子13dを介して、第2電圧用アダプタ20cの識別情報を取得した場合、スイッチSWB,SWCをオフにし、スイッチSWDをオンにする。さらに、電源ユニット制御回路12は、4個のバッテリパック30Aと4個のバッテリパック30Bのそれぞれから放電させるバッテリパック30A,30Bを選択し、選択したバッテリパック30A,30Bに接続されたスイッチSWAをオンにする。これにより、負極端子13aと第2正極端子13cとの両端子間から、36Vの電圧が出力される。
【0054】
ここで、図4に示すように、スイッチSWAは、2個の電界効果トランジスタ(以下、FET)により構成してもよい。この2個のFETは、ゲートへの電圧印加時におけるドレイン-ソース間の通電方向が互いに逆方向となるように、直列に接続される。なお、FETは、その特性上、ドレイン-ソース間に並列に接続される寄生ダイオードを備えており、ゲートへ電圧印加されていない場合には、この寄生ダイオードによる逆方向の通電が可能である。これに対して、図4に示すように、直列に接続された2個のFETをいずれもオフにすることで、バッテリパック30A,30Bにおける両方向の電流(放電電流及び充電電流)が流れることを回避することができる。また、直列に接続された2個のFETをいずれもオンにすることで、スイッチSWAを通電させることができる。また、スイッチSWB,SWC,SWDも、スイッチSWAと同様に、ゲートへの電圧印加時におけるドレイン-ソース間の通電方向が互いに逆方向となるように直列に接続された2個のFETにより構成してもよい。なお、バッテリパック30A,30Bから他のバッテリパック30A,30Bへの充電を許容する場合には、スイッチSWA,SWB,SWC,SWDを1個のFETより構成してもよい。
【0055】
<1-2.電動作業機システムの構成>
次に、本実施形態に係る電動作業機システム700の電気的な構成について、図4を参照して説明する。ここでは、電動作業機として、18Vの電圧で駆動する電動工具50の例を示す。
【0056】
電動作業機システム700は、電源ユニット1と、電動工具50と、を備える。電源ユニット1は、本体部10aと、バッテリパック30Aと、第1電圧用アダプタ20aと、を備える。本体部10aは、バッテリパック30Aに接続されているとともに、第1電圧用アダプタ20aを介して電動工具50に接続されている。
【0057】
本体部10aは、電源ユニット制御回路12と、入力制御部17,18と、出力制御部16,19と、スイッチSWAと、を備える。
電源ユニット制御回路12は、前述したように、ID取得端子13dを介して、第1電圧用アダプタ20aの識別情報を取得し、スイッチSWA,SWB,SWC,SWDを制御する。さらに、電源ユニット制御回路12は、後述する再起動抑制処理を実行する。
【0058】
入力制御部18は、信号入出力端子13eを介して、電動工具50のトリガ操作信号を取得し、取得したトリガ操作信号を電源ユニット制御回路12へ出力する。トリガ操作信号は、電動工具50のトリガスイッチ51の操作状態を示す信号である。トリガスイッチ51がオンの場合に、High信号であるトリガ操作信号が信号入出力端子13eに入力される。また、トリガスイッチ51がオフの場合、及び電動工具50が接続されていない場合は、信号入出力端子13eにLow信号のトリガ操作信号が入力される、すなわち、信号入出力端子13eに信号が入力されない。
【0059】
電源ユニット制御回路12は、トリガ操作信号の入力に基づいて、電動工具50が第1電圧用アダプタ20aに接続されていることを検出する。また、電源ユニット制御回路12は、トリガ操作信号の入力に基づいて、トリガスイッチ51のオン状態を検出する。
【0060】
また、電源ユニット制御回路12は、取得したトリガ操作信号を、出力制御部16を介してバッテリパック30Aへ出力する。入力制御部17は、バッテリパック30Aから出力された放電許可信号又は放電禁止信号を取得し、電源ユニット制御回路12へ出力する。
【0061】
電源ユニット制御回路12は、バッテリパック30Aから出力された放電許可信号又は放電禁止信号とその他の条件とに基づいて、モータ60への電力供給を許可するか禁止するか判定する。そして、電源ユニット制御回路12は、モータ60への電力供給を許可する放電許可信号、又は、モータ60への電力供給を禁止する放電禁止信号を、出力制御部19へ出力する。出力制御部19は、信号入出力端子13eを介して、放電許可信号又は放電禁止信号を電動工具50へ出力する。
【0062】
なお、本実施形態では、電源ユニット制御回路12が実現する機能が、接続検出部と、トリガ検出部と、信号出力部と、放電判定部とに相当する。
バッテリパック30Aは、バッテリ制御回路35と、監視IC31と、電流検出回路32と、入力制御部33と、出力制御部34と、バッテリ38と、を備える。
【0063】
バッテリ38は、複数のバッテリセルが直列接続されて構成されている。電流検出回路32は、バッテリ38へ流れ込む充電電流及びバッテリ38から流れ出る放電電流を検出し、検出値をバッテリ制御回路35へ出力する。監視IC31は、バッテリ38に含まれる各バッテリセルのセル電圧、少なくとも1つのバッテリセルのセル温度などを検出し、検出値をバッテリ制御回路35へ出力する。
【0064】
バッテリ制御回路35は、CPU、メモリ等を備え、CPUがメモリに記憶されているプログラムを実行することにより、各種機能を実現する。例えば、バッテリ制御回路35は、入力されたトリガ操作信号からトリガスイッチ51のオン状態及び電動工具50の接続を検出する。また、バッテリ制御回路35は、入力された各種の検出値に基づいて、バッテリ38の過放電状態や過熱状態を判定する。そして、バッテリ制御回路35は、判定結果に基づいて、バッテリ38からの電源供給を許可する放電許可信号、または、バッテリ38からの電源供給を禁止する放電禁止信号を出力制御部34へ出力する。出力制御部34は、放電許可信号又は放電禁止信号を本体部10aへ出力する。また、バッテリパック30Bは、バッテリパック30Aと同様に構成されている。
【0065】
電動工具50は、トリガスイッチ51と、電源回路52と、ドライブ回路54と、スイッチング回路53と、モータ60と、先端工具65と、を備える。
トリガスイッチ51は、電動工具50を駆動させるために、使用者により操作されるスイッチである。モータ60は、ブラシ付き直流モータである。先端工具65は、電動工具50の先端に取り付けられ、モータ60が発生する駆動力を受けて駆動する工具である。先端工具65は、例えば、刃物などの切断工具、切削工具、砥石などの研磨工具、穿孔工具などである。
【0066】
電源回路52は、電源ユニット1から供給された電力から、電動工具50に搭載されたドライブ回路54等の各種回路に供給する電源を生成する。スイッチング回路53は、モータ60に電流を流すための回路である。ドライブ回路54は、電源ユニット1から放電許可信号が入力された場合に、スイッチング回路53を制御して、モータ60を回転させる。また、ドライブ回路54は、電源ユニット1から放電禁止信号が入力された場合に、スイッチング回路53を制御して、モータ60の回転を停止させる。なお、モータ60は、3相のブラシレスモータでもよい。
【0067】
<1-3.再起動防止処理>
次に、電源ユニット制御回路12が実行する再起動防止処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。電源ユニット1が電動工具50に接続され、主電源スイッチ11がオンにされると、電源ユニット制御回路12は、本処理を開始する。
【0068】
まず、S10では、電動工具50への電源供給を停止する。具体的には、スイッチSWAをオフにする。
続いて、S20では、信号入出力端子13eを介して電動工具50へ、モータ60への電力供給を禁止する放電禁止信号を出力する。
【0069】
続いて、S30では、電源ユニット1が放電可能な状態か否か判定する。放電可能な状態は、出力コネクタ13にいずれかのアダプタ20が接続されており、且つ、バッテリパック30Aから本体部10aへ放電許可信号が出力されている状態である。
【0070】
S30において、放電可能な状態ではないと判定した場合は、放電可能な状態であると判定するまで待機する。S30において、放電可能な状態であると判定した場合は、S40の処理へ進む。
【0071】
S40では、電動工具50へ電源供給を開始する。具体的には、スイッチSWAをオンにする。
続いて、S50では、トリガスイッチ51のオン状態を検出したか否か判定する。すなわち、信号入出力端子13eを介してトリガ操作信号が入力されたか否か判定する。S50において、トリガスイッチ51のオン状態を検出したと判定した場合、S60の処理へ進む。なお、トリガ操作信号の入力により、トリガスイッチ51のオン状態とともに、電動工具50の接続も検出する。
【0072】
S60では、再起動防止状態を継続する。具体的には、電動工具50へ放電禁止信号を出力し続ける。使用者は、トリガスイッチ51をオンに操作したまま、電動工具50に接続する電源供給装置を交換することがある。このような場合、電動工具50の接続の検出直後又は接続の検出と同時にトリガスイッチ51のオン状態を検出したことに応じて、モータ60への電力供給を許可すると、電動工具50は突然動作を再開する。このような、電動工具50の突然の再起動を防止するため、電動工具50の接続が検出され、且つ、トリガスイッチ51のオン状態が検出された場合は、一旦、トリガスイッチ51のオフ状態が検出されるまでは、電動工具50へ放電禁止信号を出力し続ける。
【0073】
一方、S50において、トリガスイッチ51のオン状態を検出していない、すなわち、トリガスイッチ51のオフ状態を検出したと判定した場合は、S70の処理へ進む。ここで、電源ユニット制御回路12は、モーメンタリ型の主電源スイッチ11が押されると、図示しないレギュレータを介して電源の供給を受ける。その際に、電源ユニット制御回路12は、電源を維持するFETをオンにさせておく。そして、そのまましばらくの間、電源ユニット制御回路12に何の入力もない場合には、電源ユニット制御回路12は、電源を維持するFETをオフにして、シャットダウンする。また、主電源スイッチ11が長押しされると、電源ユニット制御回路12は、主電源スイッチ11の長押しを検出して、電源を維持するFETをオフにして、シャットダウンする。そのため、電源ユニット制御回路12は、基本的には常時トリガスイッチ51のオフ状態を検出することができる。
【0074】
S70では、再起動防止状態を解除する。一旦、トリガスイッチ51のオフ状態が検出された場合には、その後、使用者が意図的にトリガスイッチ51をオンに操作しない限り、モータ60は回転しない。すなわち、一旦トリガスイッチ51のオフ状態が検出された場合には、電動工具50が突然再起動することがない。したがって、この場合、再起動防止状態を解除する。具体的には、放電禁止信号の出力を継続しつつ、トリガスイッチ51のオン状態の検出待ち状態に移行する。すなわち、放電許可信号の出力待ち状態に移行する。S70の処理の後、S80の処理へ進む。
【0075】
S80では、トリガスイッチ51のオン状態を検出したか否か判定する。S80において、トリガスイッチ51のオフ状態を検出したと判定した場合は、オン状態を検出するまで待機する。S80において、トリガスイッチ51のオン状態を検出したと判定した場合は、S90の処理へ進む。
【0076】
S90では、S30の処理と同様に、電源ユニット1が放電可能な状態か否か判定する。S90において、放電可能な状態ではないと判定した場合は、S80の処理へ戻る。一方、S90において、放電可能な状態であると判定した場合は、S100の処理へ進む。
【0077】
S100では、信号入出力端子13eを介して電動工具50へ、モータ60への電力供給を許可する放電許可信号を出力する。
続いて、S110では、S30の処理と同様に、電源ユニット1が放電可能な状態か否か判定する。S110において、放電可能な状態ではないと判定した場合は、S10の処理へ戻る。一方、S110において、放電可能な状態であると判定した場合は、S120の処理へ進む。
【0078】
S120では、トリガスイッチ51のオン状態を検出したか否か判定する。S120において、トリガスイッチ51のオン状態を検出したと判定した場合は、S110の処理に戻る。S120において、トリガスイッチ51のオフ状態を検出したと判定した場合は、S130の処理へ進む。
【0079】
S130では、信号入出力端子13eを介して電動工具50へ、モータ60への電力供給を禁止する放電禁止信号を出力し、S80の処理へ戻る。以上で、本処理を終了する。
<1-4.効果>
以上説明した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
【0080】
(1)電源の出力を開始した後に、電動工具50の接続が検出され、且つ、トリガスイッチ51のオン状態が検出された場合には、一旦、トリガスイッチ51のオフ状態が検出されるまで、電源ユニット1から電動工具50へ放電禁止信号が出力される。これにより、トリガスイッチ51がオン状態の電動工具50が電源ユニット1に接続された場合でも、モータ60への電源供給が禁止され、電動工具50の起動が抑制される。すなわち、電源ユニット1側から電動工具50の突然の再起動を抑制することができる。
【0081】
(2)電源ユニット1は、1つのトリガ操作信号の入力に基づいて、電動工具50の接続と、トリガスイッチ51のオン状態とを検出することができる。
(3)電源ユニット1は、一旦トリガスイッチ51のオフ状態が検出された場合には、トリガスイッチ51のオン状態の検出待ち状態に移行することができる。
【0082】
(4)電源ユニット1において、一旦トリガスイッチ51のオフ状態が検出された後に、トリガスイッチ51のオン状態が検出された場合には、電源ユニット1が放電可能な状態か否か判定される。電源ユニット1は、放電可能な状態と判定した場合には、電動工具50へ放電許可信号を出力することができる。
【0083】
(5)電源ユニット1にアダプタ20が接続されており、且つ、バッテリパック30Aから放電許可信号が出力されている場合には、電源ユニット1は、電源ユニット1からの放電が可能な状態と判定することができる。
(6)電源ユニット1から出力された放電禁止信号によって、モータ60が停止する。したがって、電源ユニット1によりモータ60の駆動を抑制することができる。
【0084】
(第2実施形態)
<2-1.電動作業機システムの構成>
次に、第2実施形態に係る電動作業機システム800について、図6を参照して説明する。電動作業機システム800は、バッテリパック300と、電動工具500と、を備える。すなわち、電動作業機システム800では、電源供給装置として、電動工具500に直接接続するバッテリパック300を用いる。
【0085】
バッテリパック300は、バッテリ380と、バッテリ制御回路350と、分離回路360と、バッテリ側正極端子331と、バッテリ側負極端子332と、状態信号入力端子333と、バッテリ側通信端子334と、放電信号出力端子335と、を備える。
【0086】
バッテリ側正極端子331は、電動工具500の工具側正極端子531に接続され、バッテリ側負極端子332は、電動工具500の工具側負極端子532に接続される。バッテリ側正極端子331と工具側正極端子531とを接続し、バッテリ側負極端子332と工具側負極端子532とを接続することにより、バッテリパック300から電動工具500へ電源の供給が開始される。
【0087】
また、状態信号入力端子333は、電動工具500の状態信号出力端子533に接続され、放電信号出力端子335は、電動工具500の放電信号入力端子535に接続される。また、バッテリ側通信端子334は、電動工具500の工具側通信端子534に接続される。
【0088】
バッテリ380は、複数のバッテリセルが直列に接続されて構成されている。バッテリ380の正極はバッテリ側正極端子331に接続されており、バッテリ380の負極はバッテリ側負極端子332に接続されている。バッテリ380の定格電圧は、例えば36Vである。
【0089】
分離回路360は、電動工具500から状態信号入力端子333に入力された合成信号を、状態信号入力端子333の電位に基づいて、工具接続信号とトリガ操作信号とに分離する。工具接続信号は、電動工具500の接続を示す信号である。トリガ操作信号は、電動工具500が備えるトリガスイッチ510のオン状態を示す信号である。分離回路360は、分離した工具接続信号とトリガ操作信号とを、バッテリ制御回路350へ出力する。
【0090】
バッテリ制御回路350は、CPU、メモリ等を備え、CPUがメモリに記憶されているプログラムを実行することにより、各種機能を実現する。例えば、バッテリ制御回路350は、図示しない検出回路によって検出された、バッテリ380のセル電圧、セル温度、充放電電流の検出値に基づいて、バッテリ380の過放電状態や過熱状態を判定する。そして、バッテリ制御回路350は、判定結果に基づいて、モータ600への電力供給を許可する放電許可信号、又は、モータ600への電力供給を禁止する放電禁止信号を、放電信号出力端子335から電動工具500へ出力する。また、バッテリ制御回路350は、電動工具500の接続が検出されていない場合には、放電禁止信号を出力する。
【0091】
また、バッテリ制御回路350は、バッテリ側通信端子334及び工具側通信端子534を介して、電動工具500の工具制御回路550と、初回通信を含む通信を行う。初回通信は、バッテリパック300と電動工具500との接続直後に行う最初の通信である。さらに、バッテリ制御回路350は、後述するバッテリパック300における再起動防止処理を実行する。なお、本実施形態では、バッテリ制御回路350が実現する機能が、接続検出部と、トリガ検出部と、信号出力部と、通信部とに相当する。
【0092】
電動工具500は、モータ600と、先端工具650と、工具制御回路550と、モータドライバ回路560と、モータ停止スイッチ570と、レギュレータ530と、トリガスイッチ510と、第1接点部520と、第2接点部515と、合成回路575と、リセットIC540と、LED580と、バッファ590と、を備える。さらに、電動工具500は、工具側正極端子531と、工具側負極端子532と、状態信号出力端子533と、工具側通信端子534と、放電信号入力端子535と、を備える。
【0093】
レギュレータ530は、バッテリパック300から供給された電源から、電動工具500に搭載された各回路に供給する所定電圧(例えば、5V)の電源を生成する。
トリガスイッチ510は、電動工具500を駆動させるために、使用者により操作されるスイッチである。第1接点部520及び第2接点部515は、それぞれ、2つの接点を備え、トリガスイッチ510の操作に連動して、2つの接点間が開閉する。第2接点部515及び第1接点部520は、互いに独立して開閉する。トリガスイッチ510がオン状態になると、第2接点部515を介して第2トリガ操作信号が、合成回路575へ出力されるとともに、第1接点部520を介して第1トリガ操作信号が工具制御回路550へ出力される。第1トリガ操作信号と第2トリガ操作信号とは互いに独立した信号である。
【0094】
合成回路575には、第2トリガ操作信号とともに、工具側正極端子531に接続された正極ライン595から、バッテリ接続信号が入力される。工具側正極端子531がバッテリ側正極端子331に接続されることにより、正極ライン595の電位が上がり、High信号であるバッテリ接続信号が合成回路575に入力される。合成回路575は、バッテリ接続信号と第2トリガ操作信号とを合成した合成信号を、状態信号出力端子533を介して、バッテリパック300へ出力する。
【0095】
このように、バッテリ制御回路350と工具制御回路550には、独立したトリガ操作信号が入力される。そのため、第1接点部520及び第2接点部515のいずれか一方が故障し、誤った信号が出力された場合でも、バッテリ制御回路350と工具制御回路550のいずれか一方には、正しいトリガ操作信号が入力される。
【0096】
モータ600は、3相のブラシレスモータである。モータドライバ回路560は、工具制御回路550から出力されたモータ制御信号に従って、モータ600を駆動するインバータ回路である。先端工具65は、電動工具500の先端に取り付けられ、モータ60が発生する駆動力を受けて駆動する工具である。先端工具65は、例えば、刃物などの切断工具、切削工具、砥石などの研磨工具、穿孔工具などである。
【0097】
モータ停止スイッチ570は、工具制御回路550からモータドライバ回路560へモータ制御信号を出力する信号出力経路505に設けられている。図6では簡略して1本の信号出力経路505が記載されているが、実際には3相分の信号出力経路505が工具制御回路550とモータドライバ回路560との間に接続されている。
【0098】
モータ停止スイッチ570は、放電信号入力端子535を介して放電許可信号が入力された場合に、オンになる。これにより、信号出力経路505が通電状態になり、モータドライバ回路560にモータ制御信号が入力される。また、モータ停止スイッチ570は、放電信号入力端子535を介して放電禁止信号が入力された場合に、オフになる。これにより、信号出力経路505が遮断状態になり、モータドライバ回路560にモータ制御信号が入力されない。したがって、電動工具500に放電禁止信号が入力されると、モータ600の回転が停止する。本実施形態では、モータ停止スイッチ570が第1停止回路に相当し、モータドライバ回路560が第2停止回路に相当する。
【0099】
バッテリパック300から出力された放電許可信号又は放電禁止信号は、信号ライン593に接続されたバッファ590を介して、工具制御回路550へ入力される。信号ライン593は、放電信号入力端子535に接続され、放電許可信号又は放電禁止信号を伝達する。
【0100】
信号ライン593を工具制御回路550に直接接続した場合、工具制御回路550が暴走して、信号ライン593へHigh信号を出力することがあり得る。ひいては、モータ停止スイッチ570を誤ってオンにすることがあり得る。ここで、バッファ590が信号を伝送する方向は、信号ライン593から工具制御回路550への一方向である。そのため、バッファ590を介して信号ライン593を工具制御回路550に接続したことにより、工具制御回路550からHigh信号が出力されても、バッファ590から信号ライン593へHigh信号が出力されない。したがって、モータ停止スイッチ570を誤ってオンすることを回避できる。
【0101】
リセットIC540は、工具制御回路550にリセット信号を出力する。工具制御回路550は、リセット信号を受信すると、内部回路をすべて初期状態にする。リセットIC540は、レギュレータ530から供給される電源電圧が所定値よりも低い場合には、工具制御回路550に継続してリセット信号を出力する。そして、リセットIC540は、電源電圧が所定値を超えると、工具制御回路550にリセット解除信号を出力する。工具制御回路550は、リセット解除信号を受信すると、プログラムの実行を開始する。
【0102】
LED580は、エラーを報知するための報知部である。報知するエラーの種類としては、モータ600の回転を停止させる必要があるエラー、例えば、バッテリパック300の過熱状態や、過放電状態、故障などである。
【0103】
工具制御回路550は、CPU、メモリ等を備え、CPUがメモリに記憶されているプログラムを実行することにより、各種機能を実現する。例えば、工具制御回路550は、モータ600の駆動を制御するためのモータ制御信号を生成して、生成したモータ制御信号をモータドライバ回路560へ出力する。また、工具制御回路550は、エラー発生時に、エラーを報知するため、LED580を点灯させる。工具制御回路550は、エラーの種類に応じて、LED580の発光パターンや発光色を変化させてもよい。さらに、工具制御回路550は、後述する電源接続時の再起動防止処理、及びエラー発生時の再起動防止処理を実行する。
【0104】
なお、本実施形態では、工具制御回路550が実現する機能が、エラー検出部と、作業機側トリガ検出部と、停止制御部と、作業機側接続検出部に相当する。また、工具制御回路550が作業機停止回路に相当する。また、モータ停止スイッチ570が第1停止回路に相当し、モータドライバ回路560が第2停止回路に相当する。
【0105】
<2-2.処理>
<2-2-1.電源接続時の再起動防止処理>
次に、工具制御回路550が実行する電源接続時の再起動防止処理について、図7のフローチャートを参照して説明する。工具制御回路550は、バッテリパック300に接続され、バッテリパック300から電源供給を受けると、本処理の実行を開始する。
【0106】
まず、S100では、リセットIC540からリセット解除信号を受けて、工具制御回路550が始動する。さらに、工具制御回路550は、リセット解除信号の入力に応じて、バッテリパック300の接続を検出する。リセット解除信号は、バッテリパック300が接続されたことを示す電源接続信号である。
【0107】
続いて、S110では、モータ制御信号として、モータ600の回転を停止させる停止信号を生成して、停止信号をモータドライバ回路560へ出力する。これにより、モータ600の回転を停止させる。
【0108】
続いて、S120では、バッテリ制御回路350と初回通信を行う。詳しくは、工具側通信端子534を介して、電動工具500の型番、バッテリパックの装着回数などの情報をバッテリ制御回路350へ送信する。また、工具側通信端子534を介して、バッテリ制御回路350から、バッテリパック300の型番、使用回数などの情報を受信する。
【0109】
続いて、S130では、トリガスイッチ510のオン状態を検出したか否か判定する。S130において、トリガスイッチ510のオン状態を検出したと判定した場合、S140の処理へ進む。
【0110】
S140では、再起動防止状態を継続する。具体的には、モータドライバ回路560へ停止信号を出力し続ける。電動工具500の突然の再起動を防止するため、バッテリパック300の接続が検出され、且つ、トリガスイッチ510のオン状態が検出された場合は、一旦、トリガスイッチ510のオフ状態が検出されるまで、モータドライバ回路560へ停止信号を出力し続ける。
【0111】
一方、S130において、トリガスイッチ510のオフ状態を検出したと判定した場合は、S150の処理へ進む。
S150では、再起動防止状態を解除する。一旦トリガスイッチ510のオフ状態が検出された場合には、電動工具500が突然再起動することがない。したがって、この場合、再起動防止状態を解除する。具体的には、トリガスイッチ510のオン状態の検出待ち状態へ移行する。S150の処理の後、S160の処理へ進む。
【0112】
S160では、トリガスイッチ510のオン状態を検出したか否か判定する。S160において、トリガスイッチ510のオン状態を検出していないと判定した場合は、オン状態を検出するまで待機する。S160において、トリガスイッチ510のオン状態を検出したと判定した場合は、S170の処理へ進む。
【0113】
S170において、バッテリパック300から放電信号入力端子535を介して入力された放電許可信号を検出したか否か判定する。S170において、放電許可信号を検出したと判定した場合は、S180の処理へ進む。一方、S170において、放電許可信号を検出していないと判定した場合は、S190の処理へ進む。
【0114】
S180では、モータ制御信号を生成する。使用者は、図示しない設定スイッチを操作して、速度モード及びモータ600の回転方向を設定する。速度モードとしては、例えば、低速モード、中速モード、高速モードが挙げられる。工具制御回路550は、設定された速度モード及び回転方向に応じたモータ制御信号を生成する。そして、生成したモータ制御信号をモータドライバ回路560へ出力し、モータ600の回転を開始させる。
【0115】
S190では、モータドライバ回路560へ停止信号を出力して、モータ600の回転を停止させる。以上で本処理を終了する。
<2-2-2.バッテリパックにおける再起動防止処理>
次に、バッテリ制御回路350が実行する工具接続時の再起動防止処理について、図8のフローチャートを参照して説明する。
【0116】
まず、S300では、工具接続を検出したか否か判定する。すなわち、状態信号入力端子333を介して、工具接続信号が入力されたか否か判定する。S300において、工具接続を検出していないと判定された場合は、工具接続を検出したと判定するまで待機する。S300において、工具接続を検出したと判定した場合は、S310の処理へ進む。
【0117】
S310では、放電信号出力端子335を介して電動工具500へ、モータ600への電力供給を禁止する放電禁止信号を出力する。
続いて、S320では、工具制御回路550と初回通信を行い、互いの情報を交換する。
【0118】
続いて、S330では、トリガスイッチ510のオン状態を検出したか否か判定する。すなわち、状態信号入力端子333を介して、第2トリガ操作信号が入力されたか否か判定する。S330において、トリガスイッチ510のオン状態を検出したと判定した場合、S350の処理へ進む。
【0119】
S350では、再起動防止状態を継続する。具体的には、放電信号出力端子335を介して電動工具500へ、放電禁止信号を出力し続ける。これにより、工具制御回路550よりモータ600の突然の再始動を抑制できるとともに、バッテリ制御回路350によりモータ600の突然の再始動を抑制することができる。すなわち、モータ600の再起動防止のための制御を、工具制御回路550による制御とバッテリ制御回路350による制御とで冗長化することができる。
【0120】
一方、S330において、トリガスイッチ510のオフ状態を検出したと判定した場合、S340の処理へ進む。
S340では、再起動防止状態を解除する。具体的には、放電許可信号の出力待ち状態に移行する。
【0121】
続いて、S360では、バッテリ380が放電許可状態か否か判定する。すなわち、バッテリ380が、過放電状態や過熱状態ではなく、放電可能な状態か否か判定する。S360において、バッテリ380が放電許可状態であると判定した場合は、S370の処理へ進み、バッテリ380が放電禁止状態であると判定した場合は、S380の処理へ進む。
【0122】
S370では、放電信号出力端子335を介して電動工具500へ、放電許可信号を出力する。本実施形態では、再起動防止状態が解除され、バッテリ380が放電許可状態の場合には、トリガスイッチ510がオフ状態のときに、放電許可信号の出力を開始する。これにより、トリガスイッチ510がオフ状態からオン状態に変化すると、直ちにモータ600の回転を開始させることができる。
【0123】
また、S380では、放電信号出力端子335を介して電動工具500へ、放電禁止信号を出力する。以上で本処理を終了する。
<2-2-3.エラー発生時の再起動防止処理>
次に、工具制御回路550が実行するエラー発生時の再起動防止処理について、図9のフローチャートを参照して説明する。工具制御回路550は、電源接続時の再起動防止処理と並列に本処理を実行する。
【0124】
まず、S500では、工具制御回路550が放電信号出力端子335を介してモータ600を停止させる必要があるエラー状態を検出する。このようなエラー状態としては、例えば、バッテリパック300の過熱状態、過放電状態、モータドライバ回路560の過熱状態などが挙げられる。
【0125】
続いて、S510では、モータドライバ回路560へ停止信号を出力して、モータ600の回転を停止させる。
続いて、S520では、トリガスイッチ510のオン状態を検出したか否か判定する。S520において、トリガスイッチ510のオン状態を検出したと判定した場合は、S530へ進む。
【0126】
S530では、再起動防止状態と判定して、モータドライバ回路560への停止信号の出力を継続して、モータ600の回転を停止させる。電動工具500の使用中にエラー状態が発生してモータ600の回転が停止した場合に、使用者がトリガスイッチ510をオンに操作したまま維持することがある。この場合に、エラー状態が解消したことに応じて、工具制御回路550からモータドライバ回路560へモータ制御信号を出力すると、電動工具500は突然動作を再開する。このような、電動工具500の突然の再起動を防止するため、エラー状態が検出された場合は、一旦、トリガスイッチ510のオフ状態が検出されるまで、モータドライバ回路560へ停止信号を出力し続ける。
【0127】
S530の処理の後、S520の処理へ戻る。そして、トリガスイッチ510のオフ状態が検出されるまで、S520及びS530の処理を繰り返し実行する。
一方、S520において、トリガスイッチ510のオフ状態を検出したと判定した場合には、その後、使用者が意図的にトリガスイッチ510をオンに操作しない限り、モータ600は回転しない。よって、この場合、再起動防止処理を終了する。
【0128】
<3.効果>
以上説明した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1)と同様の効果に加え、以下の効果が得られる。
【0129】
(7)電動工具500において、エラー状態が検出された場合には、エラー状態が検出されたときから、トリガスイッチ510のオフ状態が検出されるまで、モータドライバ回路560へ停止信号が出力される。これにより、バッテリパック300の過加熱等のエラー状態が発生してモータ600が停止した際において、トリガスイッチ510がオン状態に維持されたままエラー状態が解消した場合に、モータ600が突然駆動開始することを抑制できる。すなわち、バッテリパック300に電動工具500が接続された場合だけでなく、エラー状態が発生してモータ600が停止した後にエラー状態が解消した場合にも、電動工具500の突然の再起動を抑制することができる。
【0130】
(8)バッテリパック300において、電源の出力を開始した後に、電動工具500の接続が検出され、且つ、トリガスイッチ510のオン状態が検出された場合には、一旦、トリガスイッチ510のオフ状態が検出されるまで、電動工具500へ放電禁止信号が出力される。そして、バッテリパック300から出力された放電禁止信号によってモータ600の回転が停止する。また、電動工具500において、バッテリパック300の接続が検出され、且つ、トリガスイッチ510のオン状態が検出された場合には、一旦、トリガスイッチ510のオフ状態が検出されるまで、モータ600を停止させる停止信号がモータドライバ回路560へ出力される。したがって、バッテリパック300側からだけでなく、電動工具500側からも、電動工具500の突然の再起動を抑制することができる。すなわち、電動工具500の突然の再起動の抑制手段が冗長化されるため、再起動の抑制手段に対する信頼性を向上させることができる。
【0131】
(9)電動工具500の工具制御回路550に入力される第1トリガ操作信号と、バッテリパック300のバッテリ制御回路350に入力される第2トリガ操作信号とが独立している。よって、トリガスイッチ510のトリガ操作信号を冗長化して、トリガ操作信号に対する信頼性を向上させることができる。
【0132】
(10)電源の供給開始時に工具制御回路550に入力されるリセット解除信号が、電源接続信号として用いられるため、リセット解除信号を有効に利用することができる。
(11)バッテリ制御回路350から出力される放電禁止信号と、工具制御回路550から出力される停止信号とは、互いに異なる停止手段によってモータ600を停止させる。これにより、モータ600の停止制御が冗長化されるため、停止制御に対する信頼性を向上させることができる。
【0133】
(12)バッテリ制御回路350と工具制御回路550との初回通信が終了し、且つ、トリガスイッチ510のオフ状態が検出された場合に、バッテリ制御回路350から出力される出力信号が放電禁止信号から放電許可信号へ切り替えられるが、トリガスイッチ510はオフ状態なのでモータ600が回転することはない。これにより、モータ600の回転を確実に停止させたまま、バッテリ制御回路350から出力される出力信号を放電禁止信号から放電許可信号へ切り替えることができる。また、トリガスイッチ510がオフ状態のときに、バッテリ制御回路350から出力される出力信号が放電禁止信号から放電許可信号に切り替えられることにより、トリガスイッチ510がオン状態になったときに、直ちにモータ600を駆動させることができる。
【0134】
(第3実施形態)
<3-1.第2実施形態との相違点>
第3実施形態は、基本的な構成は第2実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。なお、第2実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0135】
第3実施形態に係る電動作業機システム800Aの構成について、図10を参照して説明する。電動作業機システム800Aは、バッテリパック300と、電動工具500Aと、を備える。
【0136】
電動工具500Aは、第1接点部520の代わりに、摺動抵抗器525を備える点で、第2実施形態に係る電動工具500と異なる。すなわち、電動工具500Aは、トリガ操作信号の出力経路として、第2接点部515と摺動抵抗器525との独立した2つの経路を備える。
【0137】
摺動抵抗器525は、トリガスイッチ510の操作(具体的には引き量)に連動して抵抗値VRが変化する。詳しくは、トリガスイッチ510の引き量が大きいほど、摺動抵抗器525の抵抗値VRは大きくなる。使用者は、設定スイッチによる速度モードの設定と、トリガスイッチ510の引き量とで、モータ600の回転速度を指令することができる。
【0138】
摺動抵抗器525の抵抗値VRに応じた電圧値(以下、摺動電圧値)は、変速信号として、入力抵抗器565を介して、工具制御回路550へ入力される。工具制御回路550は、設定されている速度モードと変速信号とから、モータ600の目標回転速度を算出し、目標回転速度に応じたモータ制御信号を生成する。具体的には、速度モードごとに、目標回転速度の範囲が設定されている。工具制御回路550は、トリガスイッチ510の引き量が大きいほど、速度モードに応じた範囲内で、目標回転速度を大きく設定する。
【0139】
また、摺動電圧値は、コンパレータ545の非反転入力端子に入力される。コンパレータ545の反転入力端子には、参照電源555の電圧値が入力される。コンパレータ545は、摺動電圧値が参照電源555の電圧値を超えた場合に、High信号である第1トリガ操作信号を工具制御回路550へ出力する。参照電源555の電圧値は、使用者によりトリガスイッチ510が少しでも引かれると、工具制御回路550へ第1トリガ操作信号が入力されるような値に設定されている。
【0140】
また、入力抵抗器565の抵抗値Rは、引き量が最大時における摺動抵抗器525の抵抗値VRよりも十分に大きい値に設定されている。工具制御回路550が暴走した場合に、工具制御回路550の変速信号入力ポートからHigh信号が出力されることがあり得る。この場合、コンパレータ545の非反転入力端子には、変速信号入力ポートから出力された信号電圧値を、抵抗値VRと抵抗値Rとで分圧した分圧電圧値が入力される。分圧電圧値が参照電源555の電圧値よりも高くなると、工具制御回路550に誤って第1トリガ操作信号が入力される。そこで、抵抗値Rを抵抗値VRよりも十分に大きくする。これにより、コンパレータ545の非反転入力端子に入力される分圧電圧値を十分に低くして、工具制御回路550に誤って第1トリガ操作信号が入力することを回避できる。
【0141】
以上説明した第3実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1)及び前述した第2実施形態の効果(7)~(12)と同様の効果に加え、以下の効果が得られる。
(13)トリガスイッチ510の操作に連動して開閉する第2接点部515から第2トリガ操作信号が出力される。また、トリガスイッチ510の引き量に連動して抵抗値VRが変化する摺動抵抗器525から第1トリガ操作信号が出力される。これにより、トリガ操作信号が冗長化されるため、トリガ操作信号に対する信頼性を向上させることができる。
【0142】
(第4実施形態)
<4-1.第2実施形態との相違点>
第4実施形態は、基本的な構成は第2実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。なお、第2実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0143】
第4実施形態に係る電動作業機システム800Bの構成について、図11を参照して説明する。電動作業機システム800Bは、バッテリパック300と、電動工具500Bと、を備える。
【0144】
電動工具500Bは、信号出力経路505に設けられたモータ停止スイッチ570の代わりに、モータ停止スイッチ585を備える点で、第2実施形態と異なる。モータ停止スイッチ585は、工具側正極端子531とモータドライバ回路560の正極側とを接続する正極ライン595に設けられている。
【0145】
モータ停止スイッチ585は、放電信号入力端子535を介して放電許可信号が入力された場合に、オンになる。これにより、モータドライバ回路560へ電源が供給される。また、モータ停止スイッチ585は、放電信号入力端子535を介して放電禁止信号が入力された場合に、オフになる。これにより、モータドライバ回路560への電源が遮断され、モータ600の回転が停止する。本実施形態では、モータ停止スイッチ585が第1停止回路に相当する。
【0146】
以上説明した第4実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1)と前述した第2実施形態の効果(7)~(12)と前述した第3実施形態の効果(13)と同様の効果を奏する。
【0147】
(第5実施形態)
<5-1.第3実施形態との相違点>
第5実施形態は、基本的な構成は第3実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。なお、第3実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0148】
第5実施形態に係る電動作業機システムは、第3実施形態に係る電動作業機システム800Aと同様の構成になっている。第5実施形態に係る電動工具500Aは、バッテリパック300から出力された放電許可信号又は放電禁止信号を監視し、電源接続時の再起動防止処理において、バッテリパック300から入力される信号の異常判定を実行する点で、第3実施形態に係る電動工具500Aと異なる。なお、本実施形態では、工具制御回路550が実現する機能に信号判定部が含まれる。
【0149】
<5-2.電源接続時の再起動防止処理>
次に、第5実施形態に係る工具制御回路550が実行する電源接続時の再起動防止処理について、図12のフローチャートを参照して説明する。工具制御回路550は、バッテリパック300に接続され、バッテリパック300から電源供給を受けると、本処理の実行を開始する。
【0150】
まず、S700及びS710では、S100及びS110と同様の処理を実行する。
続いて、S720では、放電信号入力端子535を介して入力される放電禁止信号の異常を診断するため、バッテリパック300から放電禁止信号が出力されているか否か判定する。すなわち、放電信号入力端子535を介して、放電禁止信号が入力されているか否か判定する。バッテリパック300は、電動工具500Cの接続が検出されていない場合は、放電禁止信号を出力する。そして、図8のフローチャートに示すように、電動工具500Cの接続が検出されても、再起動防止状態が解除されるまで、放電禁止信号を出力し続ける。
【0151】
したがって、バッテリパック300から放電信号入力端子535を介して入力される信号に異常がない場合、電動工具500Cに電源供給が開始された直後は、バッテリパック300から入力される信号は放電禁止信号のはずである。本来、バッテリパック300から放電禁止信号が入力されているべきときに、放電許可信号が入力されている場合には、放電信号入力端子535を介して入力される放電禁止信号に異常があると判定できる。
【0152】
S720において、放電禁止信号が出力されていると判定した場合は、S730の処理へ進む。
S730では、バッテリ制御回路350と初回通信を行い、S740の処理へ進む。
【0153】
S740では、トリガスイッチ510のオン状態を検出したか否か判定する。S740において、トリガスイッチ510のオン状態を検出したと判定した場合は、S750へ進み、トリガスイッチ510のオフ状態を検出したと判定した場合は、電源接続時の再起動防止処理を終了する。
【0154】
S750では、再起動防止状態と判定して、モータドライバ回路560への停止信号の出力を継続して、モータ600の回転を停止させる。S750の処理の後、S740の処理へ戻る。そして、トリガスイッチ510のオフ状態が検出されるまで、S740及びS750の処理を繰り返し実行する。
【0155】
一方、S720において、放電許可信号が出力されていると判定した場合は、S760の処理へ進む。
S760では、放電信号入力端子535を介して入力される放電禁止信号に異常があると判定する。そして、モータドライバ回路560へ停止信号を出力して、モータ600の回転を停止させる。
【0156】
続いて、S770では、LED580を点灯させて、使用者にエラーを報知し、電源接続時の再起動防止処理を終了する。
以上説明した第5実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1)と前述した第2実施形態の効果(7)~(12)と前述した第3実施形態の効果(13)と前述した第4実施形態の効果(13)と同様の効果に加えて、以下の効果を奏する。
【0157】
(14)電動工具500Cにおいて、バッテリパック300の接続が検出された後、バッテリパック300からの出力信号が放電許可信号か否か判定される。そして、本来、出力信号が放電禁止信号であるべきにもかかわらず、出力信号が放電許可信号である場合には、モータドライバ回路560へ停止信号が出力され、モータ600が停止させられる。すなわち、放電信号入力端子535を介して入力される放電禁止信号に異常があると判定される場合には、モータ600が停止させられる。これにより、バッテリパック300から入力される信号に対する信頼性を向上させることができる。
【0158】
(15)LED580によりバッテリパック300から入力される信号の異常状態が報知されるため、使用者は電動作業機システム800Cの異常状態を認識することができる。
(他の実施形態)
以上、本開示を実施するための形態について説明したが、本開示は前述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0159】
(a)上記実施形態では、第2~第5実施形態では、工具制御回路550が電源接続時の再起動防止処理とエラー発生時の再起動防止処理との両方を実行していたが、一方のみを実行してもよい。
【0160】
(b)本開示は、切断、切削、研磨、穿孔等の作業を行う電動工具であれば、どのような電動工具に適用されてもよい。具体的には、本開示は、電動ハンマ、電動ハンマドリル、電動ドリル、電動ドライバ、電動レンチ、電動グラインダ、電動マルノコ、電動レシプロソー、電動ジグソー、電動カッター、電動チェンソー、電動カンナ、電動釘打ち機などに適用されてもよい。また、本開示は、電動工具に限らず、草刈機、芝刈り機、ヘッジトリマ、バリカンなどの電動園芸機器に適用されてもよい。
【0161】
(c)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【0162】
(d)前述した電源供給装置、当該電源供給装置を構成要素とする電動作業機システムの他、電動作業機、再起動防止方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【符号の説明】
【0163】
1…ポータブル電源ユニット、10…ポータブル電源装置、10a…本体部、11…主電源スイッチ、13…出力コネクタ、20…工具用アダプタ、30A,30B,300…バッテリパック、35…バッテリ制御回路、38,380…バッテリ、50,500,500A,500B,500C…電動工具、51,510…トリガスイッチ、60,600…モータ、65,650…先端工具、350…バッテリ制御回路、515…第2接点部、520…第1接点部、525…摺動抵抗器、540…リセットIC、550…工具制御回路、560…モータドライバ回路、570,585…モータ停止スイッチ、580…LED、590…バッファ、700,800,800A,800B,800C…電動作業機システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12