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特許7193424カッタアセンブリおよび高容量の水中シュレッダポンプ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】カッタアセンブリおよび高容量の水中シュレッダポンプ
(51)【国際特許分類】
   B02C 23/36 20060101AFI20221213BHJP
   B02C 18/00 20060101ALI20221213BHJP
   B02C 18/10 20060101ALI20221213BHJP
   F04D 29/70 20060101ALI20221213BHJP
   F04D 29/42 20060101ALI20221213BHJP
   F04D 7/04 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
B02C23/36
B02C18/00 101A
B02C18/10
F04D29/70 G
F04D29/42 E
F04D7/04 C
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019128865
(22)【出願日】2019-07-11
(65)【公開番号】P2020015036
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-06-13
(31)【優先権主張番号】16/045,998
(32)【優先日】2018-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512275008
【氏名又は名称】アルフレッド エイ. チオトラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000268
【氏名又は名称】オリジネイト弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アルフレッド エイ. チオトラ
【審査官】河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-092148(JP,A)
【文献】特開2006-015284(JP,A)
【文献】特開昭52-067801(JP,A)
【文献】特公昭49-005681(JP,B1)
【文献】特開平06-178945(JP,A)
【文献】特表2002-535553(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 18/00 - 18/38
B02C 23/00 - 23/40
F04D 7/04
F04D 29/42
F04D 29/70
E03C 1/266
B02C 2/00 - 2/10
B02C 7/00 - 7/18
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り入れ開口部、および吐き出し開口部を有する静止渦巻き部における取り入れ開口部の前に取り付けられる切断アセンブリであって、
a)第1の回転方向および第2の回転方向に交互に回転可能な駆動軸と、b)前記駆動軸に回転可能に固定されたロータリカッタであって、ハブの中心軸を通るボアを有する円形ハブと、ボア内で駆動軸をハブに固定するための手段とを備え、複数の切断ローブがあり、前記切断ローブのそれぞれは上面、上面に対向する下面、前縁部、および前縁部に対向する後縁部を有し、それぞれの切断ローブには、上面から下面へ貫通する開口を有し、切断ローブのそれぞれはそれぞれの切断ローブの前縁部と後縁部との間で等距離にされた中心線がハブの中心軸に実質的に垂直になるようにハブから外向きに延在し、前記切断ローブは、ある切断ローブの前縁部と次の隣接する切断ローブの後縁部との距離が同じ径方向の位置における別の切断ローブの前縁部とその次の隣接する切断ローブの後縁部との距離が実質的に等しくなるようにハブの外周にそって配置され、それぞれの切断ローブの下面は、複数の間隔を置いて配置された溝、および隣接する溝の間の隔壁を有し、それぞれの切断ローブの溝および隔壁は、その前縁部からその後縁部にまたはその前縁部からその開口に、かつその開口からその後縁部に延び、前記溝および隔壁のそれぞれはハブの中心軸と同心の円弧の形状を有する、ロータリカッタと、
c)円形横断面を有するカップ形状の凹状プレートカッタであって、前記凹状プレートカッタは、前記静止渦巻き部の前記取り入れ開口部に装着するのに適しており、前記凹状プレートカッタは、床で終わる1つまたは複数の側壁、および床を通る中心プレートボアを有し、側壁のそれぞれは、複数の間隔を置いて配置された同心溝、および隣接する同心溝の間の同心隔壁を有する内面を有し、同心溝のそれぞれおよび同心隔壁のそれぞれは、凹状プレートカッタのボアの中心軸と同心の円弧の形状を有し、前記駆動軸は、凹状プレートカッタの中心プレートボア内で回転するように装着され、前記凹状プレートカッタは、1つまたは複数の側壁を通る複数の穴を有し、各切断ローブの下面からの溝および隔壁は、凹状プレートカッタからの対応する同心隔壁および同心溝と並置される凹状プレートカッタを備える、切断アセンブリ。
【請求項2】
前記凹状プレートカッタが略半球形の形状である請求項1に記載の切断アセンブリ。
【請求項3】
前記凹状プレートカッタが略円錐形の形状である請求項1に記載の切断アセンブリ。
【請求項4】
前記凹状プレートカッタが略円筒形の形状である請求項1に記載の切断アセンブリ。
【請求項5】
前記溝のそれぞれおよび隣接する溝の間の隔壁と、前記同心溝のそれぞれおよび隣接する同心溝の間の同心隔壁は、略V字形の断面または略矩形の断面、もしくは略半円形の断面を形成する請求項1に記載の切断アセンブリ。
【請求項6】
前記ボア内で前記駆動軸を固定するための前記手段が、シャチ継手である請求項1に記載の切断アセンブリ。
【請求項7】
2個~6個の切断ローブを備える請求項1に記載の切断アセンブリ。
【請求項8】
シュレッダポンプであって、
i)取り入れ開口部、および吐き出し開口部を有する静止渦巻き部と、ii)取り入れ開口部の前に取り付けられた切断アセンブリであって、a)第1の回転方向および第2の回転方向に交互に回転可能な駆動軸と、b)前記駆動軸に回転可能に固定されたロータリカッタであって、ハブの中心軸を通るボアを有する円形ハブとボア内で駆動軸をハブに固定するための手段とを備え、複数の切断ローブがあり、前記切断ローブのそれぞれは上面、上面に対向する下面、前縁部、および前縁部に対向する後縁部を有し、それぞれの切断ローブには、上面から下面へ貫通する開口を有し、切断ローブのそれぞれは、それぞれの切断ローブの前縁部と後縁部との間で等距離にされた中心線がハブの中心軸に実質的に垂直になるようにハブから外向きに延在し、前記切断ローブは、ある切断ローブの前縁部と次の隣接する切断ローブの後縁部との距離が同じ径方向の位置における別の切断ローブの前縁部とその次の隣接する切断ローブの後縁部との距離が実質的に等しくなるようにハブの外周にそって配置され、それぞれの切断ローブの下面は、複数の間隔を置いて配置された溝、および隣接する溝の間の隔壁を有し、それぞれの切断ローブの溝および隔壁は、その前縁部からその後縁部にまたはその前縁部からその開口に、かつその開口からその後縁部に延び、前記溝および隔壁のそれぞれは、ハブの中心軸と同心の円弧の形状を有する、ロータリカッタと、
c)円形横断面を有するカップ形状の凹状プレートカッタであって、前記凹状プレートカッタは、前記静止渦巻き部の取り入れ開口部に装着するのに適しており、前記凹状プレートカッタは、床で終わる1つまたは複数の側壁、および床を通る中心プレートボアを有し、側壁のそれぞれは、複数の間隔を置いて配置された同心溝、および隣接する同心溝の間の同心隔壁を有する内面を有し、同心溝のそれぞれおよび同心隔壁のそれぞれは、凹状プレートカッタのボアの中心軸と同心の円弧の形状を有し、駆動軸は、凹状プレートカッタの中心プレートボア内で回転するように装着され、前記凹状プレートカッタは、1つまたは複数の側壁を通る複数の穴を有し、各切断ローブの下面からの溝および隔壁は、凹状プレートカッタからの対応する同心隔壁および同心溝と並置され、駆動軸は、ベアリングによって前記静止渦巻き部の壁を通って回転するように装着され、メカニカルシールによってシールされる凹状プレートカッタと、
iii)駆動軸の周りに固定された前記静止渦巻き部内の羽根車と、
iv)前記静止渦巻き部の外側部分に取り付けられ、前記静止渦巻き部の中で駆動軸を回転させるために駆動軸に固定された電気モータと、を備えるシュレッダポンプ。
【請求項9】
前記電気モータは、前記駆動軸を第1の回転方向と第2の回転方向とに交互に回転させることが可能な双方向電気モータである請求項8に記載のシュレッダポンプ。
【請求項10】
前記駆動軸の回転方向を第1の回転方向と第2の回転方向とに交互に切り替えるためのコントローラをさらに備える請求項9に記載のシュレッダポンプ。
【請求項11】
前記羽根車は、前記駆動軸が前記第1の回転方向および第2の回転方向のそれぞれに回転しているときに、前記静止渦巻き部の液体を前記吐き出し開口部の方向に移動させることが可能な双方向羽根車ある請求項8に記載のシュレッダポンプ。
【請求項12】
前記凹状プレートカッタが、略半球形の形状である請求項8に記載のシュレッダポンプ。
【請求項13】
前記凹状プレートカッタが、略円錐形の形状である請求項8に記載のシュレッダポンプ。
【請求項14】
前記凹状プレートカッタが、略円筒形の形状である請求項8に記載のシュレッダポンプ。
【請求項15】
前記溝のそれぞれおよび隣接する溝の間の隔壁と、前記同心溝のそれぞれおよび隣接する同心溝の間の同心隔壁は、略V字形の断面、または略矩形の断面、または略半円形の断面を形成する請求項8に記載のシュレッダポンプ。
【請求項16】
前記ボア内で前記駆動軸を固定するための前期手段はシャチ継手を備える請求項8に記載のシュレッダポンプ。
【請求項17】
2個~6個の切断ローブを備える請求項8に記載のシュレッダポンプ。
【請求項18】
液体中の固形物を裁断する方法であって、
I)シュレッダポンプとして、
i)取り入れ開口部、および吐き出し開口部を有する静止渦巻き部と、ii)取り入れ開口部の前に取り付けられた切断アセンブリであって、a)第1の回転方向および第2の回転方向に交互に回転可能な駆動軸と、b)前記駆動軸に回転可能に固定されたロータリカッタであって、ハブの中心軸を通るボアを有する円形ハブとボア内で駆動軸をハブに固定するための手段とを備え、複数の切断ローブがあり、前記切断ローブのそれぞれは上面、上面に対向する下面、前縁部、および前縁部に対向する後縁部を有し、それぞれの切断ローブには、上面から下面へ貫通する開口を有し、切断ローブのそれぞれは、それぞれの切断ローブの前縁部と後縁部との間で等距離にされた中心線がハブの中心軸に実質的に垂直になるようにハブから外向きに延在し、前記切断ローブは、ある切断ローブの前縁部と次の隣接する切断ローブの後縁部との距離が同じ径方向の位置における別の切断ローブの前縁部とその次の隣接する切断ローブの後縁部との距離が実質的に等しくなるようにハブの外周にそって配置され、それぞれの切断ローブの下面は、複数の間隔を置いて配置された溝、および隣接する溝の間の隔壁を有し、それぞれの切断ローブの溝および隔壁は、その前縁部からその後縁部にまたはその前縁部からその開口に、かつその開口からその後縁部に延び、前記溝および隔壁のそれぞれは、ハブの中心軸と同心の円弧の形状を有する、ロータリカッタと、
c)円形横断面を有するカップ形状の凹状プレートカッタであって、凹状プレートカッタは、前記静止渦巻き部の取り入れ開口部に装着するのに適しており、前記凹状プレートカッタは、床で終わる1つまたは複数の側壁、および床を通る中心プレートボアを有し、側壁のそれぞれは、複数の間隔を置いて配置された同心溝、および隣接する同心溝の間の同心隔壁を有する内面を有し、同心溝のそれぞれおよび同心隔壁のそれぞれは、凹状プレートカッタのボアの中心軸と同心の円弧の形状を有し、駆動軸は、プレートカッタの中心プレートボア内で回転するように装着され、凹状プレートカッタは、1つまたは複数の側壁を通る複数の穴を有し、各切断ローブの下面からの溝および隔壁は、凹状プレートカッタからの対応する同心隔壁および同心溝と並置され、駆動軸は、ベアリングによって前記静止渦巻き部の壁を通って回転するように装着され、メカニカルシールによってシールされる凹状プレートカッタと、を備える切断アセンブリと、
iii)駆動軸の周りに固定された前記静止渦巻き部内の羽根車と、
iv)前記静止渦巻き部の外側部分に取り付けられ、前記静止渦巻き部の中で駆動軸を回転させるために駆動軸に固定された電気モータを備えるシュレッダポンプを装備することと、
II)電気モータで駆動軸を少なくとも1つの回転方向に回転させることと、
III)液体、および固形物を、切断アセンブリに通し、前記静止渦巻き部の中に送り込み、次いで、羽根車で液体および固形物を推進して吐き出し開口部に通すことを含む、方法。
【請求項19】
前記凹状プレートカッタが、略半球形の形状、または略円錐形の形状、もしくは略円筒形の形状である請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記羽根車は、前記駆動軸が前記第1の回転方向および第2の回転方向のそれぞれに回転しているときに、前記静止渦巻き部の液体を前記吐き出し開口部の方向に移動させることが可能な双方向羽根車ある請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カッタアセンブリ(cutter assembly)および高容量の水中シュレッダポンプ(high volume submersible shredder pump)に関するものである。これらは、細断、裁断、切断、または粉砕によりポンプ作用を受けて送り込まれる液体中の固形物のサイズを縮小するためのものである。
【背景技術】
【0002】
廃棄品の小片などの固形物を含有する液体およびスラリーをポンプ作用で送ることができる遠心力ポンプに大きな商業的関心が集まっている。これらのポンプは、液体混合物中の固形物を細断、裁断、切断、または粉砕する能力を有し、これによりポンプから出る産出物がより容易に廃棄されうる。
【0003】
裁断ポンプは、液体に含まれる固体または半固体物質のサイズ縮小を必要とする液体輸送用途において、そのような物質を切断または裁断するために、使用される。発明のポンプは、未処理下水、魚類サイレージ、食肉処理場の副産物、製紙工場の廃水、および類似の過酷な用途の排出物をポンプ作用で送る水中ポンプの吸い込み側に取り付けられているときに特に有用である改善された切断アセンブリを備える。
【0004】
これらの固体または半固体物質は、スラリーが形成されるようにサイズを縮小され、固形物それ自体に比べて容易にポンプ作用で送られる。公知の粉砕ポンプ(grinder pumps)は、ポンプ室に接続された入口、およびポンプ室を貫通し入口内へ延在する従動軸を有する。この軸で、プレートカッタの近くで切断シリンダまたはディスクが回転し、これにより、ポンプの切断作用が引き起こされる。精密公差で連携動作する部品間の剪断作用をもたらす、粉砕ポンプの多くの他の変更形態および構成が知られている。
【0005】
このようなポンプの例は、先行する米国特許第3,650,081号、米国特許第3,961,758号、米国特許第4,108,386号、米国特許第4,378,093号、米国特許第4,454,993号、米国特許第4,640,666号、米国特許第4,697,746号、米国特許第4,842,479号、米国特許第5,016,825号、米国特許第5,044,566号、米国特許第5,256,032号、米国特許第6,010,086号、米国特許第6,190,121号において開示されている。
【0006】
米国特許第7,159,806号では、対向するプレートカッタに当接して回転可能なロータリカッタからなる粉砕ポンプ用の切断アセンブリを提示している。プレートカッタの刃先は、複数のV字スライス切歯を備えており、ポート内に吸い込まれる物質をつまんでV字スライスにそって切断を開始し、次いで切断した物質がポンプの渦巻き部を通り中に前進する架橋空間を形成する。ロータリカッタは、プレートカッタの刃先と連携して集められた物質を剪断するすくい角を持つ研いだ刃を有する。
【0007】
米国特許第7,159,806号の粉砕ポンプは、複数の螺旋状溝を備える内面壁カバーを有する。これらの螺旋状溝は、羽根車の羽根と壁との間に蓄積し始める固体破片を外へ排出するために羽根車の羽根と連動して作用する。米国特許第7,159,806号の羽根車の羽根は、螺旋状溝と合わさる表面上で平坦である。
【0008】
米国特許第8,784,038号は、円形プレートカッタの対応する溝と嵌合する溝付き面を有する切断ローブを用いるカッタアセンブリを提供している。その結果、放出される液体中の固体物質をより効果的に、素早く裁断する、さらに多くの切断表面が構成される。米国特許第8,784,038号の機構は、ポンプの吸い込みケーシングに取り付けられた静止穿孔円板と回転軸に留められたシュレッダとを備え、これら2つの部品の接合により、裁断が実行される。液体は、静止プレート内の穴を通して移動し、ポンプ作用で排出される。静止プレート内の穴より大きい固形物は、シュレッダ機構の回転部分によって即座にサイズを縮小される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許第3,650,081号
【文献】米国特許第3,961,758号
【文献】米国特許第4,108,386号
【文献】米国特許第4,378,093号
【文献】米国特許第4,454,993号
【文献】米国特許第4,640,666号
【文献】米国特許第4,697,746号
【文献】米国特許第4,842,479号
【文献】米国特許第5,016,825号
【文献】米国特許第5,044,566号
【文献】米国特許第5,256,032号
【文献】米国特許第6,010,086号
【文献】米国特許第6,190,121号
【文献】米国特許第7,159,806号
【文献】米国特許第8,784,038号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
米国特許第8,784,038号の機構に関する問題は、平らな静止円板および平らなロータリカッタを有するので、粉砕される一部の廃棄物内容物が大きすぎると、関連するシュレッダポンプを詰まらせる傾向があることである。本発明は、米国特許第8,784,038号のカッタアセンブリを、複数の切断ローブ(cutting lobes)を有する対応するロータリカッタと嵌合するカップ形状の凹状プレートカッタを含むことにより積極的なカッタ配置を提供することによって改良する。カップ形状の凹状プレートカッタの内壁は、複数の間隔を置いて配置された同心溝と、隣接する溝の間の同心隔壁とを有する。切断ローブのそれぞれの下側には、対応する同心溝および同心隔壁があり、これらはカップ形状の凹状プレートカッタのそれらと並置して嵌合する。作動中、廃水内容物はより細かく粉砕され、それにより効率的な除去を改良し、シュレッダポンプの目詰まりの可能性を減少させる。
【0011】
本発明は、切断アセンブリであって、a)第1の回転方向および第2の回転方向に交互に回転可能な駆動軸と、b)前記駆動軸に回転可能に固定されたロータリカッタであって、ハブの中心軸を通るボアを有する円形ハブと、ボア内で駆動軸をハブに固定するための手段とを備え、複数の切断ローブがあり、前記切断ローブのそれぞれは上面、上面に対向する下面、前縁部、および前縁部に対向する後縁部を有し、それぞれの切断ローブには、上面から下面へ貫通する開口を有し、切断ローブのそれぞれはそれぞれの切断ローブの前縁部と後縁部との間で等距離にされた中心線がハブの中心軸に実質的に垂直になるようにハブから外向きに延在し、前記切断ローブは、ある切断ローブの前縁部と次の隣接する切断ローブの後縁部との距離が同じ径方向の位置における別の切断ローブの前縁部とその次の隣接する切断ローブの後縁部との距離が実質的に等しくなるようにハブの外周にそって配置され、それぞれの切断ローブの下面は、複数の間隔を置いて配置された溝、および隣接する溝の間の隔壁を有し、それぞれの切断ローブの溝および隔壁は、その前縁部からその後縁部にまたはその前縁部からその開口に、かつその開口からその後縁部に延び、前記溝および隔壁のそれぞれはハブの中心軸と同心の円弧の形状を有する、ロータリカッタと、c)円形横断面を有するカップ形状の凹状プレートカッタであって、前記凹状プレートカッタは、静止渦巻き部の取り入れ開口部に装着するのに適しており、前記凹状プレートカッタは、床で終わる1つまたは複数の側壁、および床を通る中心プレートボアを有し、側壁のそれぞれは、複数の間隔を置いて配置された同心溝、および隣接する同心溝の間の同心隔壁を有する内面を有し、同心溝のそれぞれおよび同心隔壁のそれぞれは、凹状プレートカッタのボアの中心軸と同心の円弧の形状を有し、前記駆動軸は、凹状プレートカッタの中心プレートボア内で回転するように装着され、前記凹状プレートカッタは、1つまたは複数の側壁を通る複数の穴を有し、各切断ローブの下面からの溝および隔壁は、凹状プレートカッタからの対応する同心隔壁および同心溝と並置される凹状プレートカッタを備える、切断アセンブリを提供する。
【0012】
本発明は、シュレッダポンプも構成するものであって、i)取り入れ開口部、および吐き出し開口部を有する静止渦巻き部と、ii)取り入れ開口部の前に取り付けられた切断アセンブリであって、a)第1の回転方向および第2の回転方向に交互に回転可能な駆動軸と、b)前記駆動軸に回転可能に固定されたロータリカッタであって、ハブの中心軸を通るボアを有する円形ハブとボア内で駆動軸をハブに固定するための手段とを備え、複数の切断ローブがあり、前記切断ローブのそれぞれは上面、上面に対向する下面、前縁部、および前縁部に対向する後縁部を有し、それぞれの切断ローブには、上面から下面へ貫通する開口を有し、切断ローブのそれぞれは、それぞれの切断ローブの前縁部と後縁部との間で等距離にされた中心線がハブの中心軸に実質的に垂直になるようにハブから外向きに延在し、前記切断ローブは、ある切断ローブの前縁部と次の隣接する切断ローブの後縁部との距離が同じ径方向の位置における別の切断ローブの前縁部とその次の隣接する切断ローブの後縁部との距離が実質的に等しくなるようにハブの外周にそって配置され、それぞれの切断ローブの下面は、複数の間隔を置いて配置された溝、および隣接する溝の間の隔壁を有し、それぞれの切断ローブの溝および隔壁は、その前縁部からその後縁部にまたはその前縁部からその開口に、かつその開口からその後縁部に延び、前記溝および隔壁のそれぞれは、ハブの中心軸と同心の円弧の形状を有する、ロータリカッタと、c)円形横断面を有するカップ形状の凹状プレートカッタであって、前記凹状プレートカッタは、前記静止渦巻き部の取り入れ開口部に装着するのに適しており、前記凹状プレートカッタは、床で終わる1つまたは複数の側壁、および床を通る中心プレートボアを有し、側壁のそれぞれは、複数の間隔を置いて配置された同心溝、および隣接する同心溝の間の同心隔壁を有する内面を有し、同心溝のそれぞれおよび同心隔壁のそれぞれは、凹状プレートカッタのボアの中心軸と同心の円弧の形状を有し、駆動軸は、凹状プレートカッタの中心プレートボア内で回転するように装着され、前記凹状プレートカッタは、1つまたは複数の側壁を通る複数の穴を有し、各切断ローブの下面からの溝および隔壁は、凹状プレートカッタからの対応する同心隔壁および同心溝と並置され、駆動軸は、ベアリングによって前記静止渦巻き部の壁を通って回転するように装着され、メカニカルシールによってシールされる凹状プレートカッタと、iii)駆動軸の周りに固定された前記静止渦巻き部内の羽根車と、iv)前記静止渦巻き部の外側部分に取り付けられ、前記静止渦巻き部の中で駆動軸を回転させるために駆動軸に固定された電気モータと、を備えるシュレッダポンプを提供する。
【0013】
本発明はさらに、液体中の固形物を裁断する方法であって、I)シュレッダポンプとして、i)取り入れ開口部、および吐き出し開口部を有する静止渦巻き部と、ii)取り入れ開口部の前に取り付けられた切断アセンブリであって、a)第1の回転方向および第2の回転方向に交互に回転可能な駆動軸と、b)前記駆動軸に回転可能に固定されたロータリカッタであって、ハブの中心軸を通るボアを有する円形ハブとボア内で駆動軸をハブに固定するための手段とを備え、複数の切断ローブがあり、前記切断ローブのそれぞれは上面、上面に対向する下面、前縁部、および前縁部に対向する後縁部を有し、それぞれの切断ローブには、上面から下面へ貫通する開口を有し、切断ローブのそれぞれは、それぞれの切断ローブの前縁部と後縁部との間で等距離にされた中心線がハブの中心軸に実質的に垂直になるようにハブから外向きに延在し、前記切断ローブは、ある切断ローブの前縁部と次の隣接する切断ローブの後縁部との距離が同じ径方向の位置における別の切断ローブの前縁部とその次の隣接する切断ローブの後縁部との距離が実質的に等しくなるようにハブの外周にそって配置され、それぞれの切断ローブの下面は、複数の間隔を置いて配置された溝、および隣接する溝の間の隔壁を有し、それぞれの切断ローブの溝および隔壁は、その前縁部からその後縁部にまたはその前縁部からその開口に、かつその開口からその後縁部に延び、前記溝および隔壁のそれぞれは、ハブの中心軸と同心の円弧の形状を有する、ロータリカッタと、c)円形横断面を有するカップ形状の凹状プレートカッタであって、凹状プレートカッタは、前記止渦巻き部の取り入れ開口部に装着するのに適しており、前記凹状プレートカッタは、床で終わる1つまたは複数の側壁、および床を通る中心プレートボアを有し、側壁のそれぞれは、複数の間隔を置いて配置された同心溝、および隣接する同心溝の間の同心隔壁を有する内面を有し、同心溝のそれぞれおよび同心隔壁のそれぞれは、凹状プレートカッタのボアの中心軸と同心の円弧の形状を有し、駆動軸は、プレートカッタの中心プレートボア内で回転するように装着され、凹状プレートカッタは、1つまたは複数の側壁を通る複数の穴を有し、各切断ローブの下面からの溝および隔壁は、凹状プレートカッタからの対応する同心隔壁および同心溝と並置され、駆動軸は、ベアリングによって前記静止渦巻き部の壁を通って回転するように装着され、メカニカルシールによってシールされる凹状プレートカッタと、を備える切断アセンブリと、iii)駆動軸の周りに固定された前記静止渦巻き部内の羽根車と、iv)前記静止渦巻き部の外側部分に取り付けられ、前記静止渦巻き部の中で駆動軸を回転させるために駆動軸に固定された電気モータを備えるシュレッダポンプを装備することと、II)電気モータで駆動軸を少なくとも1つの回転方向に回転させることと、III)液体、および固形物を、切断アセンブリに通し、前記静止渦巻き部の中に送り込み、次いで、羽根車で液体および固形物を推進して吐き出し開口部に通すこと、を含む方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明によるシュレッダポンプを例示する断面図。
図2】ロータリカッタの下面の斜視図。
図3】互いに並列している円形プレートカッタおよびロータリカッタのアセンブリを示す図。
図4a】ロータリカッタおよび円形プレートカッタの変更形態の嵌合溝および隔壁の断面図。
図4b】ロータリカッタおよび円形プレートカッタの変更形態の嵌合溝および隔壁の断面図。
図4c】ロータリカッタおよび円形プレートカッタの変更形態の嵌合溝および隔壁の断面図。
図5】本発明にとって有用な双方向羽根車を示す図。
図6a】カップ形状の凹状プレートカッタが略円錐形の構成である円形横断面を有する、本発明の一実施形態を示す図。
図6b】ロータリカッタが円錐形のカップ形状の凹状プレートカッタと回転可能に嵌合する、本発明の一実施形態を示す図。
図7a】カップ形状の凹状プレートカッタが略半球形の構成である円形横断面を有する、本発明の一実施形態を示す図。
図7b】ロータリカッタが半球形のカップ形状の凹状プレートカッタと回転可能に嵌合する、本発明の一実施形態を示す図。
図8a】カップ形状の凹状プレートカッタが略円筒形の構成である円形横断面を有する、本発明の一実施形態を示す図。
図8b】ロータリカッタが略円筒形のカップ形状の凹状プレートカッタと回転可能に嵌合する、本発明の一実施形態を示す図。
図9】カップ形状の凹状プレートカッタが対応するロータリカッタと嵌合する略円筒形の構成である円形横断面を有する、本発明の一実施形態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明によるシュレッダポンプ10を例示している。これは電源コード4によって給電される電気モータ3が取り付けられている中央モータ室13を包含するハウジング1を備えることが図示されている。モータ3は、好ましくは、当技術分野でよく知られているように、頑丈で注油された耐熱モータである。モータ3は、上側および下側の玉軸受2を介してハウジング1に確実に取り付けられる。モータは、駆動軸14を回転し、次いで静止渦巻き部5内の詰め物のない双方向羽根車8を駆動する。好ましくは、電気モータ3は、コントローラ17に応答して第1の回転方向および第2の回転方向に交互に軸14を回転することができる双方向電気モータである。渦巻き部は、ボルト9などによってハウジング1に取り付けられる。渦巻き部5は、取り入れ開口部7、および吐き出し開口部11を有する。軸14は、モータ3からハウジング1の下側床面を通り、渦巻き部5の上壁を通り、さらに取り入れ開口部7を貫通する。モータ3は、軸14の周りに位置決めされたメカニカルシール6によって渦巻き部5から隔てられる。メカニカルシール6は、液体がモータ室内に入り込むのを防ぐ。そこで、駆動軸14は、軸受2の下側によって渦巻き部の上壁を通して回転するように取り付けられ、メカニカルシール6によって封止される。駆動軸14の端部に回転可能に固定されているのは、切断アセンブリ12である。切断アセンブリ12は、ロータリカッタ16および静止円形プレートカッタ40に取り付けられる駆動軸14の端部を備え、その変形について以下に説明する。切断アセンブリの一実施形態では、プレートカッタ40は、略半球形の形状である。切断アセンブリの別の実施形態では、プレートカッタ40は、略円錐形の形状である。切断アセンブリのさらに別の実施形態では、プレートカッタ40は、略円筒形の形状である。
【0016】
図2は、駆動軸14に固定され、かつ駆動軸14によって回転可能に駆動されるロータリカッタ16の下面を特徴とする取り外された状態の斜視図である。ロータリカッタ16は、ボアの中心軸を通るボア20を有する円形ハブ18を備える。図3に示すように、キー溝22およびエンドキャップ50などのボア内に駆動軸を固定するための好適な器具を有する。ハブ18から外向きに、複数の切断ローブ24が延在している。切断ローブ24のそれぞれは、上面26、上面に対向する下面28、前縁部30、および前縁部に対向する後縁部32を有する。それぞれの切断ローブには、上面26から、上面26を通り、下面28に至り、下面28を通って延在する開口34が貫通する。切断ローブ24のそれぞれは、それぞれの切断ローブ24の前縁部30と後縁部32との間の等距離にある中心線がハブ18の中心軸に実質的に垂直になるようにハブ18から外向きに延在する。切断ローブ24は、それぞれの切断ローブの前縁部30から次の隣接する切断ローブの後縁部32までの距離のそれぞれが実質的に等しくなるようにハブ18の外周にそって分配される。ローブ24は、回転時にロータリカッタ16が釣り合うようにハブ18の周りに実質的に等しい間隔で並べられることが最も好ましい。
【0017】
図3を見ると最もよくわかるように、それぞれの切断ローブ24の上面26は、好ましくはその前縁部30からその開口34まで、またその開口34から後縁部32まで延在する凸状屈曲部を有する。図2に示されているように、それぞれの切断ローブ24の下面28は、複数の溝36、および隣接する溝36の間に隔壁38を有する。それぞれの切断ローブ24の溝36および隔壁38は、その前縁部30からその後縁部32まで、またはその前縁部30からその開口34まで、およびその開口34からその後縁部32までのいずれかに延在する。前記溝36のそれぞれは、ハブ18の中心軸と同心である円弧の形状を有する。図3に示されているように、切断アセンブリのさらに別の部分は、円形プレートカッタ40である。円形プレートカッタ40は、ネジ42などによって、渦巻き部5の取り入れ開口部7の前に取り付けられる。
【0018】
円形プレートカッタ40は、軸14を受け入れるための中心プレートボア、および複数の同心上の溝44と隣接する溝44の間の隔壁46とを有する表面を有する。溝44のそれぞれは、ボア、さらにはロータリカッタ16のハブの中心軸と同心である円弧の形状を有する。駆動軸14は、円形プレートカッタボア内に回転するように取り付けられる。この実施形態では、プレートカッタ40は、その頂面からその底面へ完全に中を貫通する複数の穴48を有する。図3に円形穴として図示されているが、これらの穴は、任意の幾何学的形状、例えば、円形、三角形、矩形、多角形、星形、および同様の形状などの任意の形状のさまざまな穿孔のいずれかであるか、またはこれらは湾曲したスロット、傾斜したスロット、都合のよい長さおよび幅の放射状に配置構成されたスロット、またはこれらの組合せであるものとしてよい。一実施形態では、穴48は、その形状に関係なく、プレートカッタ40の頂面と底面との間に厚さに関してテーパーが付けられ、したがって、それぞれの穴に強化されたナイフのような刃が付けられる。切断ローブ24が軸14上に取り付けられる場合、それぞれの切断ローブ24の下面からの溝36および隔壁38は、円形プレートカッタ40からの対応する隔壁46および溝44と並置される。好ましくは、切断ローブ24は、円形プレートカッタ40から、金属スペーサによって数千分の1インチだけ離される。
【0019】
図3は、円形プレートカッタ40のアセンブリを示しており、ロータリカッタ16のローブ24は互いに並置されている。軸14、およびロータリカッタ16は、好ましくは、シャチ継手、例えば、円形プレートカッタ40の各中心ボアを通してキー溝に入る軸14にそったキー、およびロータリカッタ16によって1つにまとめられ、最終的にエンドキャップ50およびソケットヘッドねじ15によって取り付けられる。ソケットヘッドねじ15がエンドキャップ50をロータリカッタ16に当接して保持し、好ましくは軸14内にまっすぐ通るようにする。図2および図3は、3つのローブを有するロータリカッタを示しているが、所望の数のローブ、例えば、2個から6個のローブ、好ましくは2個から4個のローブを使用することができる。
【0020】
それぞれの切断ローブ24の下面からの溝36および隔壁38、ならびに円形プレートカッタ40からの対応する隔壁46および溝44は、都合のよい形状を有するものとしてよい。一実施形態では、溝のそれぞれおよび隣接する溝の間の隔壁は、図4(a)に示されているように一般的に矩形の形状の断面を形成する。別の実施形態では、溝のそれぞれおよび隣接する溝の間の隔壁は、図4(b)に示されているように一般的にV字型または三角形の断面を形成する。さらに別の実施形態では、溝のそれぞれおよび隣接する溝の間の隔壁は、図4(c)に示されているように一般的に半円形の形状の断面を形成する。
【0021】
切断ローブ24の嵌合溝および隔壁ならびに円形プレートカッタ40は、液体中の固形物のサイズ縮小のためかなり広い裁断表面積を構成することによって従来技術に勝る改善をもたらす。加えて、前縁部および後縁部および中央開口をプレートカッタの表面を通る複数の穴と組み合わせて有するローブは、かなり多い切刃を備え、これにより固形物を減らす。
【0022】
遮られていない渦巻き部の入口開口部の相当面積である正味「流れ面積」を計算するために、回転しているカッタによって常時遮られている面積を差し引く。したがって、正味「流れ面積」=静止円形プレートカッタ内の総穴面積-回転しているロータリカッタによって遮られている総面積である。回転している切断ローブのそれぞれのローブにおいて開口を有する本明細書で説明されている実施形態では、2つの明確に異なる利点が得られる、つまり、回転しているカッタによって遮られている面積の縮小、延いては正味「流れ面積」が増大することと、接触端の数が増加することである。そこで、従来技術の1つのシュレッダポンプでは、1回転当たり108回の切断が主張されている。本発明のシュレッダポンプの使用の排他的な例では、1回転当たり約1000~約3000回の切断速度で固形物を十分に裁断することができる。
【0023】
図5は、本発明にとって有用な双方向羽根車8を示している。羽根車8は、図1に示されているように、渦巻き部5内に軸14を中心として回転するように取り付けられる。これは、複数の羽根52を備えることが図示されている。羽根の数は、所望の用途のために当業者によって容易に決定可能なものである。図5は、6枚の羽根を示している。それぞれの羽根52は、凸状表面を有する対向する湾曲面を有する。このような双方向羽根車は、軸が第1の回転方向または第2の回転方向のいずれかの方向に回転しているときに流体および液体中に埋め込まれた固形物を渦巻き部5の吐き出し開口部11の方へ推進することができる。
【0024】
一実施形態では、本発明のシュレッダポンプは、第1の回転方向および第2の回転方向に軸14の回転方向を交互に切り替えるためのコントローラ17をさらに備える。これは、コントローラが、過剰な固形物がプレートカッタ40の開口部内に詰まったことによって引き起こされる過負荷を感知し、ロータリカッタ16の回転を自動的に逆転するときに特に有用である。これにより、固形物の一部が取り除かれ、残っている固形物が切断ローブの新しい前縁部によって切断されるようにできる。この逆転する特徴は、ロータリカッタ16の周りに詰められた繊維状物質を解くのにも非常に有用である。このような逆方向コントローラは、当技術分野でよく知られている。
【0025】
図6aは、ロータリカッタ16が略円錐形のカップ形状の凹状プレートカッタと回転可能に嵌合する、本発明の一実施形態を示す。図6bは、カップ形状の凹状プレートカッタ40が略円錐形の構成である円形横断面を有する、本発明の一実施形態を示す。図7aは、カップ形状の凹状プレートカッタ40が略半球形の構成である円形横断面を有する、本発明の一実施形態を示す。図7bは、ロータリカッタ16が略半球形のカップ形状の凹状プレートカッタと回転可能に嵌合する、本発明の一実施形態を示す。図8aは、カップ形状の凹状プレートカッタ40が略円筒形の構成である円形横断面を有する、本発明の一実施形態を示す。図8bは、ロータリカッタ16が略円筒形のカップ形状の凹状プレートカッタと回転可能に嵌合する、本発明の一実施形態を示す。図9は、カップ形状の凹状プレートカッタ40が対応するロータリカッタ16と嵌合する略円筒形の構成である円形横断面を有する、本発明の一実施形態を示す。半球形または円錐形の構成を有するカップ形状の凹状プレートカッタを用いて、同様の嵌合配置が作られる。
【0026】
使用時に、本発明は、液体中の固形物を裁断する方法をさらに提供し、この方法は上述のシュレッダポンプを備えることと、次いで、電気モータで駆動軸を少なくとも1つの回転方向に回転させることと、次いで、液体、および任意選択の固形物を、切断アセンブリに通し、渦巻き部の中に送り込み、次いで、羽根車で液体および任意選択の固形物を推進して吐き出し開口部に通すこととを含む。
【0027】
これらの実施形態のカップ状の特徴は、裁断されている間は固形物を拘束し続けるという点で、従来技術の平らなカッタディスクを超える利点を示す。平らなディスクタイプは、固形物が吸い込まれるときにその一部を裁断するが、次にそれを切り出してポンプによって再び吸い込まれるまで液体中に戻す。本発明のカッタは、衣服などの固形物がカップ状のカッタアセンブリに吸い込まれると、完全に裁断されるまでそこに留まることを実現する。
【0028】
本発明を特に好ましい実施形態を参照し、図示して説明したが、当業者であれば本発明の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更および修正が加えられることは容易に理解できるであろう。特許請求の範囲は、開示されている実施形態、上述の代替え形態、およびそのすべての均等物を網羅するように解釈されることが意図されている。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図5
図6a
図6b
図7a
図7b
図8a
図8b
図9