(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】釣り用品用の湾曲体
(51)【国際特許分類】
A01K 89/01 20060101AFI20221213BHJP
A01K 89/015 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
A01K89/01 D
A01K89/015 D
(21)【出願番号】P 2019209460
(22)【出願日】2019-11-20
【審査請求日】2021-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097559
【氏名又は名称】水野 浩司
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【氏名又は名称】松下 亮
(72)【発明者】
【氏名】川村 拓司
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 昌幸
(72)【発明者】
【氏名】富岡 貴彦
【審査官】川野 汐音
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-155871(JP,A)
【文献】特開2013-031457(JP,A)
【文献】特開平11-216206(JP,A)
【文献】特開平03-166937(JP,A)
【文献】特開2016-159544(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 87/00-87/08
A01K 89/00-89/08
A01K 97/00-99/00
A63B 53/00-53/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
強化繊維に合成樹脂を含浸したプリプレグシートを積層することによって形成される釣り用品用の湾曲体において、
前記釣り用品用の湾曲体は、湾曲した管状体として構成されるスピニングリール用のハンドルアームであり、
前記湾曲した管状体の最外層は、強化繊維が±45°に編成されたプリプレグシートで構成され、
前記湾曲した管状体の最内層は、強化繊維が0°/90°、又は、±45°に編成されたプリプレグシートで構成され、
前記最外層と最内層の間の中間層は、強化繊維が軸長方向に指向されたプリプレグシートが含まれることを特徴とする釣り用品用の湾曲体。
【請求項2】
前記中間層には、強化繊維が斜向方向に指向されたプリプレグシートが含まれることを特徴とする請求項1に記載の釣り用品用の湾曲体。
【請求項3】
前記強化繊維が斜向方向に指向されたプリプレグシートは、強化繊維が軸長方向に対して30°未満で15°以上に指向されていることを特徴とする請求項2に記載の釣り用品用の湾曲体。
【請求項4】
前記最内層の内側に合成樹脂製のマンドレルが配設されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の釣り用品用の湾曲体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の釣り用品に用いられる湾曲体に関する。ここで、湾曲体は、例えば、各種魚釣用リールに装着されるハンドルアーム、スピニングリールのベール、玉網の網が装着されるリング等が該当する。
【背景技術】
【0002】
釣り用品には、内部が空洞となった管状体が用いられることがあり、例えば、下記のURL(非特許文献1)には、リールのカスタム品として、繊維強化樹脂材(FRP)で形成されたストレート形状のハンドルアーム(カーボンハンドル)が紹介されている。ハンドルアームを繊維強化樹脂材で形成すると軽量化が図れるようになり、更に内部を空洞状に形成すると、より軽量化が図れるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、最近では、ハンドルアームをリール本体側に近付けて回転バランスを向上させたり、意匠性を向上するために、湾曲形状のハンドルアームを装着することがある。ハンドルアームを繊維強化樹脂材で形成する場合、それがストレート状であれば、剛性を向上するために、主に強化繊維を軸長方向(ハンドルアームの長手方向)に指向したプリプレグシートを積層したものが用いられるが、それを湾曲状に形成する場合、ストレート状のハンドルアームと同様な積層構造にすると不具合が生じてしまう。
【0005】
具体的には、湾曲した形状の内側は、座屈応力が作用し易いと共に、繊維乱れが生じる等、皺が生じ易く、十分な強度が確保されず、外観も低下してしまう。一方、ハンドルアームは、魚が掛かった状態の巻き上げ時に大きな負荷が作用する部分であるため、十分な曲げ剛性を備えていないと折れが生じる等、破損する可能性がある。特に、ハンドルアームの両端部は、回転基部になると共にハンドルノブが装着されて大きな負荷が作用するため、十分な曲げ剛性が必要になる。
【0006】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、強度低下や外観の低下が生じることがない釣り用品用の湾曲体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明に係る釣り用品用の湾曲体は、強化繊維に合成樹脂を含浸したプリプレグシートを積層することによって形成され、最外層は、強化繊維が±45°に編成されたプリプレグシートで構成され、最内層は、強化繊維が0°/90°、又は、±45°に編成されたプリプレグシートで構成され、前記最外層と最内層の間の中間層は、強化繊維が軸長方向に指向されたプリプレグシートが含まれることを特徴とする。
【0008】
上記した釣り用品用の湾曲体によれば、最外層に、強化繊維が±45°に編成されたプリプレグシートを用いたことで、湾曲状に形成するに際して、最外層を構成している強化繊維がその湾曲に追従することができ、表面部分で皺が生じ難くなる。また、内側湾曲部分の強化繊維に座屈応力が加わっても、十分な強度を確保することができ、欠陥や皺等が生じることが抑制され、強度低下が生じることが抑制される。また、最内層に、強化繊維が0°/90°、又は、±45°に編成されたプリプレグシートを用いたことで、最内層での強度を十分に確保することができ、強度低下が生じることが抑制される。さらに、最外層と最内層の間に、強化繊維が軸長方向に指向されたプリプレグシートによる中間層が配設されることで、剛性が高まり、効率的に軽量化を図りつつ、強度低下することのない(破損等が生じ難い)湾曲体が得られる。この場合、中間層については、強化繊維が斜向方向(15°以上、30°未満が好ましい)に指向されたプリプレグシートが含まれていても良い。
【0009】
なお、上記した湾曲体は、内部が空洞状(管状体)、内部が中実状(中実体)の両方の形態が含まれる。また、強化繊維の指向方向は、湾曲体が屈曲される前の直線状態のときで定義され、湾曲体に成形されたときにその湾曲に沿った方向が軸長方向、軸長方向に直交した方向が周方向となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、強度低下が生じることがない釣り用品用の湾曲体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る湾曲体(空洞状のハンドル)を装着した魚釣用スピニングリールを示す側面図。
【
図2】
図1に示した魚釣用スピニングリールを後方から見た図。
【
図3】湾曲体の製造工程を説明する図であり、プリプレグシートとマンドレルを示す図。
【
図4】湾曲体の軸長方向に対して直交する方向の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る釣り用品用の湾曲体の一実施例について説明する。
図1及び
図2は、釣り用品として魚釣用スピニングリールが示されており、本実施形態に係る湾曲体は回転操作されるハンドル部分(ハンドルアーム)に用いられている。
【0013】
最初に、魚釣用スピニングリールの全体構成の概略について説明する。
魚釣用スピニングリールを構成するリール本体1は、釣竿に装着されるリール脚1aを備えており、その前方には回転可能に支持されたロータ3と、ロータ3の回転運動と同期して前後動可能に支持され、釣糸が巻回されるスプール5が配設されている。
【0014】
前記リール本体1内には、ハンドル軸(駆動軸)が回転可能に支持されており、その突出端部にはハンドル10が取り付けられている。また、ハンドル軸には、巻取り駆動機構が係合している。巻取り駆動機構は、公知のように、ハンドル軸に取り付けられ、内歯が形成されたドライブギア(駆動歯車)と、このドライブギアに噛合すると共に、ハンドル軸と直交する方向に延出し、内部に軸方向に延出する空洞部が形成されたピニオンギアとを備えている。
【0015】
前記ピニオンギアには、前記スプール5を回転可能に支持するスプール軸が軸方向に前後動可能に挿通されている。このスプール軸の後方側には、公知のオシレート機構が係合しており、ハンドル10を回転操作すると、オシレート機構及びスプール軸を介してスプール5は前後に往復動される。また、前記ピニオンギアの前方側には、ロータナットを締め付けることで、前記ロータ3がピニオンギアに対して固定されている。これにより、ハンドル10を巻き取り操作することで、ロータ3が回転すると共に、この回転と同期してスプール5は前後に往復動され、釣糸は、ロータ3と共に回転する釣糸案内装置(ラインローラ)を介してスプール5に巻回される。
【0016】
上記したハンドル10は、一端にリール本体のハンドル軸に装着される回転基部10Aと、他端にハンドルノブ20が装着される支持部10Bとを具備し、
図2に示すように湾曲形成されたハンドルアーム(湾曲体)12が回転基部10Aと支持部10Bとの間に装着される。ハンドルアーム12を直線状にするのではなく、湾曲形成することで、回転操作位置をリール本体側に接近させることができ、回転操作時の本体のブレを抑制することが可能となる。この場合、ハンドルアーム12は、軽量化が図れるように、繊維強化樹脂製の材料(プリプレグシートの積層構造)によって形成されるが、ハンドルアームには回転操作時に両端部において大きな曲げ応力が作用し、特に、湾曲状に形成したことで局所的に大きな曲げ応力が作用する。
以下、湾曲体として構成されるハンドルアーム12、及び、その製造方法について、
図3及び
図4を参照して説明する。
【0017】
本実施形態のハンドルアーム12は、所定の長さを有するマンドレル30に、繊維強化樹脂製のプリプレグシート15,16a,16b,17を順に巻回し、その表面に熱収縮チューブ18(或いは緊締テープ)を被覆し、これを所定の角度で曲げ加工しながら加熱することで形成することが可能である。
【0018】
この場合、マンドレルに巻回されるプリプレグシートのマトリックス樹脂が熱硬化性樹脂であれば、予め湾曲した凹部を有する雄型と雌型の間に設置し、加熱しながらマトリクス樹脂を硬化させることでハンドルアームとしての湾曲体が成形可能である。また、マトリックス樹脂が熱可塑性樹脂であれば、熱を掛けてマンドレル30を湾曲させ、冷却することでハンドルアームとしての湾曲体が成形可能である。なお、マトリックス樹脂としては、強化繊維の含有量を多くでき、形状が安定することから熱硬化性を用いることが好ましい。
【0019】
前記マンドレル30は、可撓性のある樹脂で円柱状に形成されたものが使用され、その外表面はセンタレス加工しておくことが好ましい。センタレス加工を施すことで、表面の精度(平滑度)は、±0.01mm程度以内にすることが可能であり、これにより、巻回されるプリプレグシートが硬化して管状体(脱芯して管状体とする)としたときの内径を高い精度にすることが可能となる。
【0020】
プリプレグシート15,16a,16b,17が巻回されたマンドレル30に被覆される熱収縮チューブ18は、熱収縮性の樹脂で構成されており、特に、フッ素樹脂(PTFE、PFA、ETFE等)によって形成されるのが好ましい。このようなフッ素樹脂材料によって形成された熱収縮チューブ18は、表面が平滑化されているので、成形された管状体の表面(最外層のプリプレグシートの表面)が安定すると共に、滑らかに仕上げることができる。この場合、熱収縮チューブ18の肉厚Tは、マンドレル30に巻回されたプリプレグシート15,16a,16b,17に対して、軸方向から圧入することが可能なように、1mm~2mmの範囲で形成されていれば良い。
【0021】
前記マンドレルに巻回されるプリプレグシート15,16a,16b,17は、強化繊維に合成樹脂を含浸した構成であり、このようなプリプレグシートを複数枚重ね、樹脂を硬化することで湾曲成形されるハンドルアーム12は、
図4の断面図で示すように複数層構造となっている。なお、
図4では分かりやすいように、最内層15A、最外層17A、最内層と最外層との間を中間層16Aとして示してある。
【0022】
前記最内層15A及び最外層17Aを構成するプリプレグシートは、1枚のシートで構成されており、それは単層(1巻回)であっても良いし、複数層(1巻回より多い巻回数)であっても良い。また、中間層16Aを構成するプリプレグシートは、1枚のシートであっても良いし、複数枚のシートであっても良く、単層(1巻回)であっても良いし、複数層(1巻回より多い巻回数)であっても良い。
【0023】
上記したプリプレグシートに用いられる強化繊維としては、例えば、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維などが用いられ、これを一方向に引き揃えたり(中間層に用いられるUDシート)、平織り(最内層及び最外層に用いられる織布状シート)に編成して、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、ナイロン、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PC(ポリカーボネート)、PPS(ポリフェニレンスルフイド)等の熱可塑性樹脂等を含浸することで構成されている。
【0024】
本実施形態のハンドルアーム12の最内層15Aを構成するプリプレグシート15は、強化繊維が織布状に編成されたもの、具体的には、軸長方向及び周方向に編成されたもの(0°/90°)が用いられる。この場合、最内層15Aを構成するプリプレグシート15は、強化繊維が編成されたものであれば良く、例えば、軸長方向及び周方向(0°/90°)に指向された状態で巻回しても良いし、軸長方向に対して±45°に指向された状態で巻回しても良い。
【0025】
また、本実施形態のハンドルアーム12の最外層17Aを構成するプリプレグシート17は、強化繊維が織布状に編成されたものが用いられ、強化繊維が軸長方向に対して±45°に指向された状態で巻回される。
【0026】
なお、前記最内層15Aを構成するプリプレグシート15、及び、前記最外層17Aを構成するプリプレグシート17は、強化繊維が織布状に編成されたものではなく、強化繊維が斜向方向に指向されたプリプレグシート(UDシート)を用いても良い。
【0027】
前記最外層17Aと最内層15Aの間には、中間層16Aが介在されている。中間層16Aは、少なくとも強化繊維が軸長方向に指向されたプリプレグシート(UDシート)16aが含まれていれば良く、このような軸長方向に指向されたプリプレグシート(UDシート)16aを含むことによって、曲げ強度の向上が図れると共に、特に回転時において大きな負荷が作用する両端部(回転基部10A、支持部10B)での剛性が向上して破損を効果的に抑制することが可能となる。
【0028】
中間層16Aについては、上記した強化繊維が軸長方向に指向されたプリプレグシート16a以外にも、強化繊維が軸長方向に対して傾斜したプリプレグシート16bを含んでいても良いし、織布状に編成されたプリプレグシート(図示せず)が含まれていても良い。このような強化繊維が斜向しているプリプレグシートを含むことによって、プリプレグシート16aの強化繊維に作用する座屈応力を緩和することができ、皺等が発生することを効果的に抑制することができる。
【0029】
なお、上記した構成において、強化繊維が斜向する方向に指向したプリプレグシートを用いる場合、その指向方向については、強度(剛性)の向上が図れるように45°未満にすることが好ましく、特に、30°未満にすることが好ましい。ただし、傾斜角度を小さくし過ぎると、曲げ加工する際、座屈応力が作用する傾向が強くなって皺が発生したり、繊維切れ等が生じるため、15°以上にすることが好ましい。
【0030】
前記プリプレグシート15,16a,16b,17のそれぞれの巻回数については、上記したように、1巻回以上であれば良いが、重量化しない程度の巻回数(30巻回以下)にすることが好ましい。また、各プリプレグシートの肉厚については特に限定されることはないが、扱い易いように、0.02mm~0.30mm、更には、0.05mm~0.15mm程度のものを用いることが好ましい。
【0031】
上記した構成のハンドルアーム12によれば、プリプレグシートの上から熱収縮チューブ18が被覆されて加熱・成形工程がなされるため、プリプレグシートの表面に圧力が均等に掛かるようになり、成形した素材表面にボイドや樹脂枯れが生じることはなく、ハンドルアーム12の外径寸法が安定して高い精度を出すことができると共に、強度も安定する。この場合、熱収縮チューブ18は、剥離、引き抜き、割裂等によって除去しても良いし、そのまま残しても良い。熱収縮チューブを除去すると、表面には凹凸が生じていない(平滑化されている)ため、研磨処理や塗装等の表面処理を最小限に抑えることができ、製造コストを低減することができる。さらに、マンドレル30の外表面をセンタレス加工し、加熱・成形後に脱芯することで、ハンドルアーム12の内径の寸法精度が良くなり、前記回転基部10Aや支持部10B(嵌合部品)に合わせた追加工を最小限にすることができ、製造コストを低減することができる。
【0032】
そして、上記したプリプレグシートの積層構造によるハンドルアーム12によれば、最外層に強化繊維が±45°に編成されたプリプレグシート17が用いられているため、表面が湾曲した状態であっても、強化繊維は±45°に指向しているため、その曲面に追従することができ、皺が発生したり強化繊維が切れるようなこともない。また、その内側湾曲部分の強化繊維に座屈応力が加わっても、十分な強度を確保することができ、欠陥や皺等が生じることが抑制され、強度低下が生じることが抑制される。さらに、外表面の外観が向上すると共に、ハンドルアームの回転操作時に作用する捩れ方向の応力に対する捩り剛性を高めることが可能となる。
なお、最外層を構成するプリプレグシート17については、強化繊維が傾斜方向に指向したUDシートを用いても良く、このようなプリプレグシートであっても、外表面の外観が向上すると共に、捩り剛性を高めることが可能である。
【0033】
また、最内層には、強化繊維が0°/90°、又は、±45°に編成されたプリプレグシート15が用いられているため、潰れや捩れに対する強度の向上が図れると共に、前記最外層と最内層の間に、強化繊維が軸長方向に指向されたプリプレグシート16aを含んだ中間層が配設されることで、効率的に軽量化を図りつつ、強度低下することのないハンドルアーム12が得られる。
【0034】
上記した湾曲体は、加熱・硬化処理が行われた後、マンドレル30を脱芯して使用されても良いし、脱芯せずに使用されても良い。前者の場合、管状体(空洞体)となり、湾曲体として軽量化を図ることができ、後者の場合、マンドレル(芯材)30が存在することで、強度が向上した湾曲体が得られるようになる。
【0035】
また、熱収縮チューブ18については、最終的に剥がしても良いし、剥がさずにそのまま湾曲管状体(湾曲中実体)として使用しても良い。熱収縮チューブ18を残すことで、プリプレグシートの樹脂による接着力で両者を結合可能なため、別工程によって保護層を形成する必要がなく、製造コストを低減することが可能となる。
【0036】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
上記した構成において、釣り用品として、スピニングリールのハンドルを例示したが、各種リールのハンドルアームに適用することが可能である。また、上記した湾曲体については、ハンドルアーム以外の各種釣り用品に適用することが可能であり、その曲率や大きさについては限定されることはない。
【符号の説明】
【0037】
1 リール本体(釣り用品)
3 ロータ
5 スプール
10 ハンドル
12 ハンドルアーム(湾曲体)
15,16a,16b,17 プリプレグシート
18 熱収縮チューブ
30 マンドレル