(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】撮像装置および車両監視システム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/232 20060101AFI20221213BHJP
【FI】
H04N5/232 450
H04N5/232 300
H04N5/232 411
(21)【出願番号】P 2019526748
(86)(22)【出願日】2018-06-05
(86)【国際出願番号】 JP2018021545
(87)【国際公開番号】W WO2019003826
(87)【国際公開日】2019-01-03
【審査請求日】2021-05-07
(31)【優先権主張番号】P 2017124837
(32)【優先日】2017-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武笠 智治
(72)【発明者】
【氏名】一色 昭寿
【審査官】▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-178348(JP,A)
【文献】特開2016-062148(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費電力を低減可能な第1の動作モードと、撮像画像を生成する第2の動作モードとを含む複数の動作モードを有する撮像部と、
動体検出処理を行う検出処理部と、
前記複数の動作モードのうちのいずれか1つを選択する動作モード設定部と
、
認証部と、
通信部と
を備え
、
前記第1の動作モードは、低解像度画像を生成する動作モードであり、
前記第2の動作モードは、前記撮像部の撮像領域のうちの、撮像動作が行われる第1の領域を変更可能な動作モードであり、
前記検出処理部は、前記低解像度画像に基づいて前記動体検出処理を行い、前記検出処理部が検出した動体の位置に応じて、前記第1の領域を設定し、
前記動作モード設定部は、前記動体検出処理の処理結果に基づいて、前記第2の動作モードを選択し、
前記撮像画像は顔画像を含み、
前記認証部は、前記撮像画像に基づいて認証処理を行い、
前記通信部は、前記認証処理が失敗した場合に、第1の装置に前記撮像画像を供給する
撮像装置。
【請求項2】
前記動作モード設定部は、前記検出処理部が、前記撮像部の撮像領域のうちの第2の領域以外の領域において動体を検出した場合に、前記第2の動作モードを選択する
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記動作モード設定部は、前記検出処理部が検出した動体の画像の大きさが所定の大きさよりも大きい場合に、前記第2の動作モードを選択する
請求項1または請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記動作モード設定部は、前記検出処理部が検出した動体の画像が、前記低解像度画像の端部に接している場合に、前記第2の動作モードを選択する
請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記動作モード設定部は、前記検出処理部が動体を所定の時間以上検出し続けた場合に、前記第2の動作モードを選択する
請求項1から請求項4のうちのいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記認証部が前記認証処理を行う際に用いる認証情報を生成する認証情報生成部をさらに備えた
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記認証情報生成部は、前記撮像部により撮像された画像に基づいて、前記認証情報を生成する
請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
第2の装置から供給された認証情報を受け取る通信部をさらに備え、
前記認証部は、前記認証情報を用いて、前記撮像画像に基づいて前記認証処理を行う
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項9】
撮像装置を有する車両と、
サーバと
を備え、
前記撮像装置は、
消費電力を低減可能な第1の動作モードと、撮像画像を生成する第2の動作モードとを含む複数の動作モードを有する撮像部と、
動体検出処理を行う検出処理部と、
前記複数の動作モードのうちのいずれか1つを選択する動作モード設定部と、
認証部と、
前記サーバに前記撮像画像を供給可能な通信部と
を有
し、
前記第1の動作モードは、低解像度画像を生成する動作モードであり、
前記第2の動作モードは、前記撮像部の撮像領域のうちの、撮像動作が行われる第1の領域を変更可能な動作モードであり、
前記検出処理部は、前記低解像度画像に基づいて前記動体検出処理を行い、前記検出処理部が検出した動体の位置に応じて、前記第1の領域を設定し、
前記動作モード設定部は、前記動体検出処理の処理結果に基づいて、前記第2の動作モードを選択し、
前記撮像画像は顔画像を含み、
前記認証部は、前記撮像画像に基づいて認証処理を行い、
前記通信部は、前記認証処理が失敗した場合に、前記サーバに前記撮像画像を供給する
車両監視システム。
【請求項10】
携帯端末をさらに備え、
前記サーバは、前記認証処理が失敗した場合に、前記撮像画像を前記携帯端末に供給する
請求項9に記載の車両監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像を撮像する撮像装置、および撮像装置を備えた車両監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、しばしば、カメラを用いてユーザの生体情報が取得され、その生体情報に基づいて認証処理が行われる。例えば、特許文献1には、携帯情報端末を用いてユーザの生体情報を取得し、その生体情報に基づいて認証処理を行い、認証処理の結果に基づいて、そのユーザの自宅に設置されている電子ロックの解錠および施錠の制御を行う電子ロック制御システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
ところで、一般に、電子機器では、消費電力の低減が望まれており、撮像装置においても、さらなる消費電力の低減が期待されている。
【0005】
消費電力を低減することができる撮像装置および車両監視システムを提供することが望ましい。
【0006】
本開示の一実施の形態における撮像装置は、撮像部と、検出処理部と、動作モード設定部と、認証部と、通信部とを備えている。撮像部は、消費電力を低減可能な第1の動作モードと、撮像画像を生成する第2の動作モードとを含む複数の動作モードを有するものである。検出処理部は、動体検出処理を行うものである。動作モード設定部は、複数の動作モードのうちのいずれか1つを選択するものである。上記第1の動作モードは、低解像度画像を生成する動作モードであり、第2の動作モードは、撮像部の撮像領域のうちの、撮像動作が行われる第1の領域を変更可能な動作モードである。上記検出処理部は、低解像度画像に基づいて動体検出処理を行い、検出処理部が検出した動体の位置に応じて、第1の領域を設定する。動作モード設定部は、動体検出処理の処理結果に基づいて、第2の動作モードを選択する。撮像画像は顔画像を含む。認証部は、撮像画像に基づいて認証処理を行う。通信部は、認証処理が失敗した場合に、第1の装置に撮像画像を供給する。
【0008】
本開示の一実施の形態における車両監視システムは、車両と、サーバとを備えている。車両は、撮像装置を有している。撮像装置は、撮像部と、検出処理部と、動作モード設定部と、認証部と、通信部とを有している。撮像部は、消費電力を低減可能な第1の動作モードと、撮像画像を生成する第2の動作モードとを含む複数の動作モードを有するものである。検出処理部は、動体検出処理を行うものである。動作モード設定部は、複数の動作モードのうちのいずれか1つを選択するものである。通信部は、サーバに撮像画像を供給可能なものである。上記第1の動作モードは、低解像度画像を生成する動作モードであり、第2の動作モードは、撮像部の撮像領域のうちの、撮像動作が行われる第1の領域を変更可能な動作モードである。上記検出処理部は、低解像度画像に基づいて動体検出処理を行い、検出処理部が検出した動体の位置に応じて、第1の領域を設定する。動作モード設定部は、動体検出処理の処理結果に基づいて、第2の動作モードを選択する。撮像画像は顔画像を含む。認証部は、撮像画像に基づいて認証処理を行う。通信部は、認証処理が失敗した場合に、サーバに撮像画像を供給する。
【0009】
本開示の一実施の形態における撮像装置および車両監視システムでは、撮像部では、第1の動作モードにおいて、消費電力を低減するような動作が行われ、第2の動作モードにおいて、撮像画像が生成される。この撮像部の動作モードは、動作モード設定部により設定される。
【0010】
本開示の一実施の形態における撮像装置および監視システムによれば、第1の動作モードと第2の動作モードとを含む複数の動作モードを有する撮像部を用いるようにしたので、消費電力を低減することができる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれの効果があってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の第1の実施の形態に係るカーシェアリングシステムの一構成例を表す構成図である。
【
図2】
図1に示した車両における撮像装置の一構成例を表すブロック図である。
【
図3】
図1に示したカーシェアリングシステムの一動作例を表すフローチャートである。
【
図4】
図1に示したカーシェアリングシステムの一動作例を表す他のフローチャートである。
【
図5】第1の実施の形態の変形例に係るカーシェアリングシステムの一構成例を表す構成図である。
【
図6】
図5に示した車両における撮像装置の一構成例を表すブロック図である。
【
図7】
図5に示したカーシェアリングシステムの一動作例を表すフローチャートである。
【
図8】第1の実施の形態の他の変形例に係る撮像部の配置例を表す説明図である。
【
図9】第1の実施の形態の他の変形例に係る撮像部における撮像領域の一例を表す説明図である。
【
図10】
図9に示した撮像部を有するカーシェアリングシステムの一動作例を表すフローチャートである。
【
図11】第1の実施の形態の他の変形例に係る撮像装置の一構成例を表すブロック図である。
【
図13】
図11に示した撮像装置を有するカーシェアリングシステムの一動作例を表すフローチャートである。
【
図14】第1の実施の形態の他の変形例に係る撮像装置の一構成例を表すブロック図である。
【
図16】第1の実施の形態の他の変形例に係るカーシェアリングシステムの一動作例を表すフローチャートである。
【
図17】第1の実施の形態の他の変形例に係るカーシェアリングシステムの一動作例を表すフローチャートである。
【
図18】第1の実施の形態の他の変形例に係るカーシェアリングシステムの一動作例を表すフローチャートである。
【
図19】第1の実施の形態の他の変形例に係るカーシェアリングシステムの一構成例を表す構成図である。
【
図20】
図19に示した車両における撮像装置の一構成例を表すブロック図である。
【
図21】第1の実施の形態の他の変形例に係る撮像装置の一構成例を表すブロック図である。
【
図22】
図21に示した撮像装置を有するカーシェアリングシステムの一動作例を表すフローチャートである。
【
図23】第1の実施の形態の他の変形例に係る撮像装置の一構成例を表すブロック図である。
【
図24】
図23に示した撮像装置を有するカーシェアリングシステムの一動作例を表すフローチャートである。
【
図25】第2の実施の形態に係る車両監視システムの一構成例を表す構成図である。
【
図26】
図25に示した車両における撮像装置の一構成例を表すブロック図である。
【
図27】
図25に示した車両監視システムの一動作例を表すフローチャートである。
【
図28】第2の実施の形態の変形例に係る車両監視システムの一構成例を表す構成図である。
【
図29】
図28に示した車両における撮像装置の一構成例を表すブロック図である。
【
図30】
図28に示した車両監視システムの一動作例を表すフローチャートである。
【
図31】第2の実施の形態の他の変形例に係る車両監視システムの一動作例を表すフローチャートである。
【
図32】第2の実施の形態の他の変形例に係る撮像装置の一構成例を表すブロック図である。
【
図33】
図32に示した撮像装置を有する車両監視システムの一動作例を表すフローチャートである。
【
図34】第2の実施の形態の他の変形例に係る撮像装置の一構成例を表すブロック図である。
【
図35】第2の実施の形態の他の変形例に係る車両監視システムの一動作例を表すフローチャートである。
【
図36】第2の実施の形態の他の変形例に係る車両監視システムの一動作例を表すフローチャートである。
【
図37】第2の実施の形態の他の変形例に係る車両監視システムの一構成例を表す構成図である。
【
図38】第2の実施の形態の他の変形例に係る撮像装置の一構成例を表すブロック図である。
【
図39】
図38に示した撮像装置を有する車両監視システムの一動作例を表すフローチャートである。
【
図40】第2の実施の形態の他の変形例に係る車両監視システムの一動作例を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(カーシェアリングシステムの例)
2.第2の実施の形態(車両監視システムの例)
【0013】
<1.第1の実施の形態>
[構成例]
図1は、第1の実施の形態に係る撮像装置を備えたカーシェアリングシステム1の一構成例を表すものである。なお、カーシェアリングシステム1を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、レンタカーを管理するシステムに適用してもよい。
【0014】
カーシェアリングシステム1は、パーソナルコンピュータ7と、サーバ10と、車両8とを備えている。パーソナルコンピュータ7およびサーバ10は、それぞれインターネットNETに接続されている。また、車両8に搭載された撮像装置20(後述)は、例えば携帯電話網を介してインターネットNETに接続されている。なお、これに限定されるものではなく、撮像装置20は、例えば無線LAN(Local Area Network)を介してインターネットNETに接続されていてもよい。
【0015】
このカーシェアリングシステム1では、ユーザUが例えばパーソナルコンピュータ7を操作することにより、車両8の利用予約を行う。サーバ10は、パーソナルコンピュータ7から供給された利用予約についての情報(予約情報INF3)に基づいて予約処理を行い、ユーザUの顔画像を用いてユーザUを認証するための情報(認証情報INF2)を、予約情報INF3とともに、予約された車両8の撮像装置20(後述)に供給する。車両8の撮像装置20は、ユーザUが車両8を利用するときにユーザUの顔を撮像し、その撮像画像に基づいて、認証情報INF2を用いて認証処理を行う。そして、認証処理が成功した場合には、車両8は、ドアを解錠するようになっている。
【0016】
パーソナルコンピュータ7は、例えば、カーシェアリングシステム1を利用するユーザUが所有するコンピュータである。パーソナルコンピュータ7は、ユーザUの操作を受け付けるとともにサーバ10と通信を行う。これにより、ユーザUは、ユーザ登録を行い、車両8の利用予約を行う。ユーザUがユーザ登録を行う場合には、カーシェアリングシステム1は、ユーザUのアカウントを作成し、ユーザUは、住所、氏名などのユーザ情報INF1を入力するとともに、ユーザUの顔画像を登録する。そして、パーソナルコンピュータ7は、ユーザ情報INF1およびユーザUの顔画像をサーバ10に供給する。また、ユーザUが車両8の利用予約を行う場合には、ユーザUは、利用したい場所、車種、時間などの予約情報INF3を入力する。そして、パーソナルコンピュータ7は、この予約情報INF3をサーバ10に供給する。なお、この例では、パーソナルコンピュータ7を用いたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えばスマートフォンであってもよいし、タブレット端末であってもよい。
【0017】
サーバ10は、例えば、カーシェアリングシステム1を運営する業者が管理する装置である。サーバ10は、登録処理部11と、予約処理部12と、データベース13とを有している。
【0018】
登録処理部11は、パーソナルコンピュータ7からの指示に基づいて、ユーザUを登録する登録処理を行うものである。具体的には、登録処理部11は、パーソナルコンピュータ7からの指示に基づいて、ユーザUのアカウントを作成する。そして、登録処理部11は、パーソナルコンピュータ7から供給されたユーザUの顔画像に基づいて、ユーザUの顔画像に係る様々な特徴量を含む認証情報INF2を生成する。そして、登録処理部11は、パーソナルコンピュータ7から供給されたユーザ情報INF1、および生成した認証情報INF2を、そのユーザUのアカウントと関連づけてデータベース13に登録するようになっている。
【0019】
予約処理部12は、パーソナルコンピュータ7から供給された予約情報INF3に基づいて、車両8の予約処理を行うものである。そして、予約処理部12は、予約処理に係る予約情報INF3を、そのユーザUのアカウントと関連づけてデータベース13に登録するようになっている。
【0020】
データベース13は、ユーザ情報INF1、認証情報INF2、および予約情報INF3を、ユーザUのアカウントと関連づけて記憶するものである。
【0021】
この構成により、サーバ10は、車両8の利用予約を受け付ける。そして、サーバ10は、認証情報INF2および予約情報INF3を、予約された車両8の撮像装置20(後述)に供給するようになっている。
【0022】
車両8は、例えば、カーシェアリングシステム1を運営する業者が管理する車両である。
【0023】
図2は、車両8に搭載された撮像装置20の一構成例を表すものである。撮像装置20は、撮像部21と、通信部22と、記憶部23と、制御部30とを有している。
【0024】
撮像部21は、車両8の周囲を撮像するものであり、例えば、CIS(CMOS Image Sensor)を用いて構成される。撮像部21は、カラー画像を撮像してもよいし、白黒画像を撮像してもよい。撮像部21は、例えば、車両8の車内に搭載され、
図1に示したように、車両8の前方向を撮像するように配置される。なお、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば車両8の車外に搭載されてもよいし、車両8の後方向または横方向を撮像するように配置してもよい。撮像部21は、例えば、車両8に近づいたユーザUを撮像することにより、ユーザUの顔画像を取得するようになっている。撮像部21は、2つの動作モードM(動作モードM1,M2)を有している。
【0025】
動作モードM1は、解像度が低い画像(低解像度画像PIC1)を取得するものである。この動作モードM1は、例えば、撮像部21が有する複数の撮像画素のうちの一部を間引いて動作させるモードであり、撮像装置20は、この動作モードM1で動作することにより、消費電力を低減することができる。なお、これに限定されるものではなく、動作モードM1において、複数の撮像画素を結合させて動作させることにより、低解像度画像PIC1を取得してもよい。撮像装置20は、この低解像度画像PIC1に基づいて、動体検出を行うようになっている。
【0026】
動作モードM2は、解像度が高い画像(高解像度画像PIC2)を取得するものである。この動作モードM2は、例えば、撮像部21が有する複数の撮像画素の全てを動作させるモードである。撮像装置20は、この高解像度画像PIC2に基づいて、認証処理を行うようになっている。
【0027】
通信部22は、この例では、携帯電話網を介して、サーバ10と通信を行うものである。通信部22は、例えば、サーバ10から供給された認証情報INF2および予約情報INF3を受け取るようになっている。
【0028】
記憶部23は、サーバ10から供給された認証情報INF2および予約情報INF3を記憶するものである。
【0029】
制御部30は、撮像装置20の動作を制御するものである。制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)などを用いて構成される。制御部30は、動体検出部31と、認証処理部32と、動作モード設定部33とを有している。動体検出部31は、低解像度画像PIC1に基づいて、動体の有無を検出することにより動体検出を行うものである。認証処理部32は、高解像度画像PIC2に基づいて、認証情報INF2を利用して認証処理を行うものである。動作モード設定部33は、撮像部21の動作モードMを設定するものである。また、制御部30は、認証処理部32において行われる認証処理が成功した場合には、解錠制御部6(後述)に対して、車両8のドアの解錠を指示する機能をも有している。
【0030】
車両8は、
図2に示したように、撮像装置20に加えて、バッテリ5と、解錠制御部6とを有している。バッテリ5は、撮像装置20や、車両8の様々な電子機器に対して電力を供給する、いわゆるカーバッテリである。解錠制御部6は、車両8のドアの解錠および施錠を制御するものである。解錠制御部6は、例えば、エンジンや空調設備など、車両8の様々な装置の動作を制御するECU(Engine Control Unit)を用いて構成される。
【0031】
この構成により、まず、撮像部21は、動作モードM1で動作することにより、低解像度画像PIC1を取得する。そして、動体検出部31は、この低解像度画像PIC1に基づいて動体検出を行う。動体を検出した場合には、撮像部21は、動作モードM2で動作することにより、高解像度画像PIC2を取得する。そして、認証処理部32は、この高解像度画像PIC2に基づいて、認証情報INF2を利用して認証処理を行う。認証処理が成功した場合には、制御部30は、解錠制御部6に対して、車両8のドアの解錠を指示するようになっている。
【0032】
ここで、カーシェアリングシステム1は、本開示における「車両利用システム」の一具体例に対応する。撮像部21は、本開示における「撮像部」の一具体例に対応する。動作モードM1は、本開示における「第1の動作モード」の一具体例に対応する。動作モードM2は、本開示における「第2の動作モード」の一具体例に対応する。高解像度画像PIC2は、本開示における「撮像画像」の一具体例に対応する。動作モード設定部33は、本開示における「動作モード設定部」の一具体例に対応する。動体検出部31は、本開示における「検出処理部」の一具体例に対応する。サーバ10は、本開示における「第2の装置」の一具体例に対応する。
【0033】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態のカーシェアリングシステム1の動作および作用について説明する。
【0034】
(全体動作概要)
まず、
図1,2を参照して、カーシェアリングシステム1の全体動作概要を説明する。サーバ10の登録処理部11は、パーソナルコンピュータ7からの指示に基づいて、登録処理を行う。具体的には、登録処理部11は、パーソナルコンピュータ7からの指示に基づいて、ユーザUのアカウントを作成する。そして、登録処理部11は、パーソナルコンピュータ7から供給されたユーザUの顔画像に基づいて、ユーザUの顔画像に係る様々な特徴量を含む認証情報INF2を生成する。そして、登録処理部11は、ユーザ情報INF1および認証情報INF2を、そのユーザUのアカウントと関連づけてデータベース13に登録する。予約処理部12は、パーソナルコンピュータ7から供給された予約情報INF3に基づいて、車両8の予約処理を行う。そして、予約処理部12は、予約処理に係る予約情報INF3を、そのユーザUのアカウントと関連づけてデータベース13に登録する。そして、サーバ10は、認証情報INF2および予約情報INF3を、予約された車両8の撮像装置20に供給する。
【0035】
撮像装置20の通信部22は、サーバ10から供給された認証情報INF2および予約情報INF3を受け取り、記憶部23は、この認証情報INF2および予約情報INF3を記憶する。撮像部21は、まず、動作モードM1で動作することにより、低解像度画像PIC1を取得する。そして、動体検出部31は、この低解像度画像PIC1に基づいて動体検出を行う。動体を検出した場合には、撮像部21は、動作モードM2で動作することにより、高解像度画像PIC2を取得する。そして、認証処理部32は、この高解像度画像PIC2に基づいて、認証情報INF2を利用して認証処理を行う。認証処理が成功した場合には、制御部30は、解錠制御部6に対して、車両8のドアの解錠を指示する。
【0036】
(詳細動作)
図3は、ユーザUが車両8の利用予約を行う際の、カーシェアリングシステム1の一動作例を表すものである。
【0037】
まず、パーソナルコンピュータ7は、ユーザUの操作に基づいて、予約情報INF3を生成し、生成した予約情報INF3をサーバ10に供給する(ステップS101)。
【0038】
次に、サーバ10の予約処理部12は、受け取った予約情報INF3を、ユーザUのアカウントと関連づけてデータベース13に登録する(ステップS102)。
【0039】
次に、サーバ10は、予約情報INF3、および車両8の利用予約を行ったユーザUに係る認証情報INF2を、予約された車両8の撮像装置20に供給する(ステップS103)。
【0040】
以上でこのフローは終了する。
【0041】
図4は、車両8の利用予約を行ったユーザUが車両8の利用を開始する際の、カーシェアリングシステム1の一動作例を表すものである。
【0042】
まず、動作モード設定部33は、撮像部21の動作モードMを動作モードM1に設定する(ステップS111)。これにより、撮像部21は、低解像度画像PIC1の取得を開始する。なお、動作モード設定部33は、車両8の前の利用者が、カーシェアリングシステム1のステーションに車両8を駐車したときに、動作モードMを動作モードM1に設定してもよいし、予約情報INF3が示す利用開始時間に、動作モードMを動作モードM1に設定してもよい。
【0043】
次に、動体検出部31は、低解像度画像PIC1に基づいて動体検出を行う(ステップS112)。
【0044】
次に、動体検出部31は、動体を検出したかどうかを確認する(ステップS113)。動体を検出しなかった場合(ステップS113において“N”)には、ステップS112に戻り、動体を検出するまでこのステップS112,S113を繰り返す。具体的には、例えば、予約情報INF3に応じた時間にユーザUが車両8に近づき、動体検出部31がユーザUを動体として検出するまで、このステップS112,S113を繰り返す。
【0045】
ステップS113において、動体を検出した場合(ステップS113において“Y”)には、動作モード設定部33は、撮像部21の動作モードMを動作モードM2に設定する(ステップS114)。これにより、撮像部21は、高解像度画像PIC2を取得する。この高解像度画像PIC2は、例えばユーザUの顔画像を含んでいる。
【0046】
次に、認証処理部32は、高解像度画像PIC2に基づいて、記憶部23に記憶された認証情報INF2を利用して認証処理を行う(ステップS115)。すなわち、高解像度画像PIC2は、例えばユーザUの顔画像を含んでいるので、認証処理部32は、高解像度画像PIC2に基づいて、認証情報INF2を利用して認証処理を行う。
【0047】
次に、認証処理部32は、認証処理が成功したかどうかを確認する(ステップS116)。認証処理が失敗した場合(ステップS116において“N”)には、ステップS111に戻り、動作モード設定部33は動作モードMを動作モードM1に設定する。すなわち、この場合には、例えば、利用予約を行ったユーザUとは無関係の他人がたまたま車両8に近づき、動作モード設定部33が動作モードMを動作モードM2に設定したので、動作モード設定部33は、動作モードMを動作モードM1に戻す。
【0048】
ステップS116において、認証処理が成功した場合(ステップS116において“Y”)には、制御部30は、解錠制御部6に対して、車両8のドアの解錠を指示する(ステップS117)。
【0049】
以上で、このフローは終了する。これにより、解錠制御部6は、車両8のドアを解錠する。そして、ユーザUは、車両8を利用することができる。
【0050】
このように、カーシェアリングシステム1では、撮像画像(高解像度画像PIC2)に基づいて認証処理を行い、認証処理が成功したときに、車両8のドアを解錠するようにしたので、ユーザUの利便性を高めることができる。すなわち、例えば、近距離無線通信(NFC;Near Field Communication)のリーダライタを車両に搭載し、カーシェアリングシステムの会員カードをリーダライタにかざすことにより車両を利用する場合には、例えば、会員カードを家に置いてきた場合にカーシェアリングシステムを利用することができないなど、不便である。また、例えば、会員カードを紛失した場合には、その会員カードを拾った者に不正に利用されるおそれがある。一方、カーシェアリングシステム1では、撮像画像に基づいて認証処理を行うようにしたので、ユーザUは撮像されるだけでカーシェアリングシステム1を利用することができるため、ユーザの利便性を高めることができる。
【0051】
また、カーシェアリングシステム1では、動作モードM1,M2を有する撮像部21を用いて撮像装置20を構成したので、消費電力を低減することができる。すなわち、認証処理を行うためには高解像度画像PIC2を用いる必要があるが、撮像部21が常に高解像度画像PIC2を取得する場合には、消費電力が増大するおそれがある。その結果、車両8では、バッテリ5におけるバッテリレベルが低くなるおそれがある。一方、カーシェアリングシステム1では、まず、撮像部21の動作モードMを動作モードM1に設定することにより、低解像度画像PIC1を取得するようにした。そして、この低解像度画像PIC1に基づいて動体が検出された場合に、撮像部21の動作モードMを動作モードM2に設定することにより、高解像度画像PIC2を取得するようにした。これにより、カーシェアリングシステム1では、効果的に消費電力を低減することができる。
【0052】
また、カーシェアリングシステム1では、撮像部21による撮像結果に基づいて認証処理を行うように構成したので、導入コストを抑えることができる。すなわち、近年、車両には、ドライブレコーダや、先進運転支援システム(ADAS;advanced driver assistance system)の搭載が進んでいる。これらが導入された車両には撮像部が搭載される。よって、このように、すでに搭載されている撮像部を用いて撮像装置20を構成することにより、導入コストを抑えることができる。
【0053】
[効果]
以上のように本実施の形態では、撮像画像に基づいて認証処理を行い、認証処理が成功したときに、車両のドアを解錠するようにしたので、ユーザの利便性を高めることができる。
【0054】
本実施の形態では、動作モードM1,M2を有する撮像部を用いて撮像装置を構成したので、消費電力を低減することができる。
【0055】
本実施の形態では、撮像部による撮像結果に基づいて認証処理を行うように構成したので、導入コストを抑えることができる。
【0056】
[変形例1-1]
上記実施の形態では、撮像装置20が認証処理を行ったが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、サーバが認証処理を行ってもよい。以下に、本変形例に係るカーシェアリングシステム1Aについて詳細に説明する。
【0057】
図5は、カーシェアリングシステム1Aの一構成例を表すものである。カーシェアリングシステム1Aは、サーバ10Aと、車両8Aとを備えている。
【0058】
サーバ10Aは、認証処理部14Aを有している。認証処理部14Aは、車両8Aの撮像装置20A(後述)から供給された高解像度画像PIC2に基づいて、データベース13に記憶された認証情報INF2を用いて認証処理を行うものである。また、サーバ10Aは、認証処理部14Aによる認証処理の処理結果を、車両8Aの撮像装置20A(後述)に通知する機能をも有している。
【0059】
ここで、サーバ10Aは、本開示における「第3の装置」の一具体例に対応する。
【0060】
図6は、車両8Aに搭載された撮像装置20Aの一構成例を表すものである。撮像装置20Aは、制御部30Aを有している。制御部30Aは、動体検出部31と、動作モード設定部33とを有している。すなわち、制御部30Aは、上記第1の実施の形態に係る制御部30から、認証処理部32を省いたものである。また、制御部30Aは、撮像部21の動作モードMを動作モードM2に設定したときに撮像部21が取得した高解像度画像PIC2を、通信部22を用いてサーバ10Aに供給するとともに、サーバ10Aから、認証処理が成功した旨の通知を受け取った場合に、解錠制御部6に対して、車両8Aのドアの解錠を指示する機能をも有している。
【0061】
図7は、車両8Aの利用予約を行ったユーザUが車両8Aの利用を開始する際の、カーシェアリングシステム1Aの一動作例を表すものである。
【0062】
上記第1の実施の形態の場合(
図4)と同様に、まず、動作モード設定部33は、撮像部21の動作モードMを動作モードM1に設定する(ステップS111)。これにより、撮像部21は、低解像度画像PIC1の取得を開始する。次に、動体検出部31は、低解像度画像PIC1に基づいて動体検出を行う(ステップS112)。そして、動体検出部31は、動体を検出したかどうかを確認する(ステップS113)。動体を検出しなかった場合(ステップS113において“N”)には、ステップS112に戻る。動体を検出した場合(ステップS113において“Y”)には、動作モード設定部33は、撮像部21の動作モードMを動作モードM2に設定する(ステップS114)。これにより、撮像部21は、高解像度画像PIC2を取得する。
【0063】
次に、撮像装置20Aの通信部22は、高解像度画像PIC2をサーバ10Aに供給する(ステップS121)。
【0064】
次に、サーバ10Aの認証処理部14Aは、撮像装置20Aから供給された高解像度画像PIC2に基づいて、データベース13に記憶された認証情報INF2を利用して認証処理を行う(ステップS122)。
【0065】
次に、認証処理部14Aは、認証処理が成功したかどうかを確認する(ステップS123)。認証処理が失敗した場合(ステップS123において“N”)には、サーバ10Aは、撮像装置20Aに対して認証処理が失敗した旨を通知する(ステップS124)。撮像装置20Aの通信部22は、この通知を受け取る。そして、ステップS111に戻る。
【0066】
ステップS123において、認証処理が成功した場合(ステップS123において“Y”)には、サーバ10Aは、撮像装置20Aに対して認証処理が成功した旨を通知する(ステップS125)。撮像装置20Aの通信部22は、この通知を受け取る。
【0067】
次に、制御部30Aは、解錠制御部6に対して、車両8Aのドアの解錠を指示する(ステップS116)。以上で、このフローは終了する。
【0068】
[変形例1-2]
上記実施の形態では、1つの撮像部21を設けたが、これに限定されるものではない。例えば、
図8(A)に示す車両8B1のように、上記実施の形態と同様に、1つの撮像部21B1を設けてもよい。この撮像部21Bは、車両8B1の前方向を撮像するように配置されている。また、例えば、
図8(B)に示す車両8B2のように、2つの撮像部21B1,21B2を設けてもよい。この撮像部21B2は、車両8B2の右方向を撮像するように配置されている。すなわち、この車両8B2では、ドライバの座席は右側にあり、ユーザUは車両8B2の右側に近づくので、撮像部21B2は車両8B2の右方向を撮像している。
【0069】
また、
図8(C)に示す車両8B3のように、5つの撮像部21B1,21B3~21B6を設けてもよい。撮像部21B3は車両8B3の左前方向を撮像するように配置され、撮像部21B4は車両8B3の右前方向を撮像するように配置され、撮像部21B5は車両8B3の左後方向を撮像するように配置され、撮像部21B6は車両8B3の右後方向を撮像するように配置されている。このように構成することにより、ユーザUがどの方向から車両8B3に近づいても、ユーザUを認識することができる。5つの撮像部21B1,21B3~21B6は、例えば、駐車用のカメラシステムを構成している。このようなカメラシステムの撮像部を利用して、本変形例に係る撮像装置20Bを構成することにより、導入コストを抑えることができる。
【0070】
例えば、これらの5つの撮像部21B1,21B3~21B6のそれぞれは、2つの動作モードM(動作モードM1,M2)を有している。本変形例に係る動作モード設定部33Bは、これらの5つの撮像部21B1,21B3~21B6の動作モードMをまとめて設定してもよい。具体的には、5つの撮像部21B1,21B3~21B6が動作モードM1で動作している場合において、本変形例に係る動体検出部31Bが、例えば撮像部21B4が取得した低解像度画像PIC1に基づいて動体を検出した場合には、動作モード設定部33Bが5つの撮像部21B1,21B3~21B6の動作モードMを動作モードM2に設定することができる。
【0071】
また、動作モード設定部33Bは、これらの5つの撮像部21B1,21B3~21B6の動作モードMを個別に設定するようにしてもよい。具体的には、5つの撮像部21B1,21B3~21B6が動作モードM1で動作している場合において、動体検出部31Bが、例えば撮像部21B4が取得した低解像度画像PIC1に基づいて動体を検出した場合には、動作モード設定部33Bがこの撮像部21B4の動作モードMを動作モードM2に設定することができる。
【0072】
[変形例1-3]
上記実施の形態では、撮像部21は、高解像度画像PIC2を取得する動作モードM2において、撮像部21が有する複数の撮像画素の全てを動作させたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、撮像部21が有する複数の撮像画素のうちの一部の撮像画素を動作させてもよい。以下に、本変形例に係るカーシェアリングシステム1Cについて詳細に説明する。カーシェアリングシステム1Cは、車両8Cを備えている。車両8Cは、撮像装置20Cを有している。撮像装置20Cは、撮像部21Cと、制御部30Cとを有している。
【0073】
図9は、撮像部21Cにおける撮像領域100の一例を表すものである。撮像部21Cの撮像領域100は、複数の領域101に区分されている。複数の領域101のそれぞれには、図示していないが、複数の撮像画素が並設されている。撮像部21Cは、領域101を単位として撮像動作を行うことができるように構成されている。
【0074】
撮像部21Cは、2つの動作モードM(動作モードM1,M3)を有している。動作モードM3は、解像度が高い画像(高解像度画像PIC3)を取得するものであり、領域101を単位として撮像動作を行うモードである。すなわち、動作モードM3は、撮像領域100のうち、撮像動作を行いたい1または複数の領域101の撮像画素のみを動作させることができる、いわゆるROI(Region of Interest)モードである。
【0075】
制御部30Cは、動作モード設定部33Cを有している。動作モード設定部33Cは、撮像部21Cの動作モードMを設定するものである。動作モード設定部33Cは、撮像部21Cの動作モードMを動作モードM3に設定する際、撮像領域100のうち、動体検出において動体が検出された1または複数の領域101を選択的に動作させるようになっている。
【0076】
図10は、車両8Cの利用予約を行ったユーザUが車両8Cの利用を開始する際の、カーシェアリングシステム1Cの一動作例を表すものである。
【0077】
上記第1の実施の形態の場合(
図4)と同様に、まず、動作モード設定部33Cは、撮像部21の動作モードMを動作モードM1に設定する(ステップS111)。これにより、撮像部21Cは、低解像度画像PIC1の取得を開始する。次に、動体検出部31は、低解像度画像PIC1に基づいて動体検出を行う(ステップS112)。そして、動体検出部31は、動体を検出したかどうかを確認する(ステップS113)。動体を検出しなかった場合(ステップS113において“N”)には、ステップS112に戻る。
【0078】
ステップS113において、動体を検出した場合(ステップS113において“Y”)には、動作モード設定部33Cは、撮像部21Cの動作モードMを動作モードM3に設定するとともに、撮像領域100のうちの動作させる領域101を設定する(ステップS134)。その際、動作モード設定部33Cは、撮像領域100のうち、動体検出において動体が検出された1または複数の領域101を、動作させる領域101として設定する。これにより、撮像部21Cは、高解像度画像PIC3を取得する。
【0079】
次に、認証処理部32は、高解像度画像PIC3に基づいて、記憶部23に記憶された認証情報INF2を利用して認証処理を行う(ステップS135)。
【0080】
次に、認証処理部32は、認証処理が成功したかどうかを確認する(ステップS136)。認証処理が失敗した場合(ステップS136において“N”)には、ステップS111に戻る。認証処理が成功した場合(ステップS136において“Y”)には、制御部30Cは、解錠制御部6に対して、車両8Cのドアの解錠を指示する(ステップS117)。以上で、このフローは終了する。
【0081】
このように、カーシェアリングシステム1Cでは、高解像度画像PIC3を取得する動作モードM3において、撮像領域100のうち、動体検出において動体が検出された1または複数の領域101を動作させるようにした。これにより、カーシェアリングシステム1Cでは、例えば、ユーザの顔画像を含む複数の領域101のみを動作させ、それ以外の複数の領域101の動作を停止させることができるので、消費電力を効果的に低減することができる。
【0082】
この例では、撮像部21Cは、2つの動作モードM1,M3を有するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、さらに高解像度画像PIC2を取得する動作モードM2を有するようにしてもよい。この場合には、例えば、動作モードM3で動作した後、必要に応じて、動作モードM2で動作するようにしてもよい。具体的には、撮像装置20Cは、例えば、動作モードM3において撮像領域100のうちの1または複数の領域101を動作させているときに、動体の位置がずれた場合には、動作モードMを動作モードM2に設定し、すべての領域101を動作させるようにしてもよい。
【0083】
[変形例1-4]
上記実施の形態では、撮像部21は、撮像部21の撮像領域100において動体を検出した場合に、動作モードMを動作モードM2に設定したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、撮像部21の撮像領域100のうちの所定の領域において動体を検出した場合に、動作モードMを動作モードM2に設定してもよい。以下に、本変形例に係るカーシェアリングシステム1Dについて詳細に説明する。カーシェアリングシステム1Dは、車両8Dを備えている。車両8Dは、撮像装置20Dを有している。
【0084】
図11は、撮像装置20Dの一構成例を表すものである。撮像装置20Dは、非検出領域設定部24Dと、非検出領域記憶部25Dと、制御部30Dとを有している。
【0085】
非検出領域設定部24Dは、例えば、カーシェアリングシステム1Dを運営する業者の担当者の操作に基づいて、非検出領域102を設定するものである。非検出領域102は、撮像領域100のうち、動体検出の対象領域から除外する領域である。すなわち、撮像装置20Dは、後述するように、撮像領域100のうち非検出領域102以外の領域において動体を検出したかどうかを確認するようになっている。非検出領域記憶部25Dは、非検出領域設定部24Dが設定した非検出領域102を記憶するものである。
【0086】
図12は、非検出領域102の一例を表すものである。この例では、撮像部21の撮像画像に、道路が映っている。この道路には、車両や人が通行している。この例では、非検出領域設定部24Dは、この道路を含む領域を非検出領域102として設定する。すなわち、非検出領域102を設定しない場合には、車両8Dの近くの道路を車や人が通行する度に、動体が検出されるおそれがあるので、この例では、この道路を含む領域を非検出領域102として設定する。
【0087】
制御部30Dは、動体検出部31Dを有している。動体検出部31Dは、低解像度画像PIC1に基づいて、動体検出を行うものである。この動体検出部31Dは、非検出領域102以外の領域において動体を検出したかどうかを確認する機能を有している。
【0088】
図13は、車両8Dの利用予約を行ったユーザUが車両8Dの利用を開始する際の、カーシェアリングシステム1Dの一動作例を表すものである。
【0089】
上記第1の実施の形態の場合(
図4)と同様に、まず、動作モード設定部33は、撮像部21の動作モードMを動作モードM1に設定する(ステップS111)。これにより、撮像部21は、低解像度画像PIC1の取得を開始する。次に、動体検出部31Dは、低解像度画像PIC1に基づいて動体検出を行う(ステップS112)。そして、動体検出部31Dは、動体を検出したかどうかを確認する(ステップS113)。動体を検出しなかった場合(ステップS113において“N”)には、ステップS112に戻る。
【0090】
ステップS113において、動体を検出した場合(ステップS113において“Y”)には、動体検出部31Dは、非検出領域102以外の領域で動体を検出したかどうかを確認する(ステップS143)。非検出領域102以外の領域で動体を検出しなかった場合(ステップS143において“N”)には、ステップS112に戻る。
【0091】
ステップS143において、非検出領域102以外の領域で動体を検出した場合(ステップS143において“Y”)には、動作モード設定部33は、撮像部21の動作モードMを動作モードM2に設定する(ステップS114)。これにより、撮像部21は、高解像度画像PIC2を取得する。そして、認証処理部32は、高解像度画像PIC2に基づいて、記憶部23に記憶された認証情報INF2を利用して認証処理を行う(ステップS115)。
【0092】
次に、認証処理部32は、認証処理が成功したかどうかを確認する(ステップS116)。認証処理が失敗した場合(ステップS116において“N”)には、ステップS111に戻る。認証処理が成功した場合(ステップS116において“Y”)には、制御部30Dは、解錠制御部6に対して、車両8Dのドアの解錠を指示する(ステップS117)。以上で、このフローは終了する。
【0093】
このように、カーシェアリングシステム1Dでは、非検出領域102以外の領域で動体を検出した場合に、動作モードMを動作モードM2に設定した。これにより、例えば、車両8Dの近くの道路を車や人が通行する度に、動作モードMが動作モードM2に設定されるおそれを低減することができるので、消費電力を効果的に低減することができる。
【0094】
非検出領域設定部24Dは、例えば、カーシェアリングシステム1Dを運営する業者の担当者の操作に基づいて、非検出領域102を設定することができる。具体的には、例えば、担当者は、車両8Dがカーシェアリングシステム1Dのステーションに駐車されているときに、撮像部21が撮影した撮像画像を確認しながら、非検出領域102を設定することができる。例えば、カーシェアリングシステム1Dのステーションの場所が変更された場合には、担当者は、同様にして、非検出領域102を再度設定することができる。
【0095】
また、例えば、
図14に示した撮像装置20Eのように、非検出領域102をあらかじめ複数設定しておき、その複数の非検出領域102のうちの1つを選択するようにしてもよい。撮像装置20Eは、非検出領域設定部24Eと、非検出領域記憶部25Eと、位置検出部26Eと、制御部30Eとを有している。非検出領域設定部24Eは、複数の非検出領域102を設定可能なものである。非検出領域記憶部25Eは、非検出領域設定部24Eが設定した複数の非検出領域102を記憶するものである。位置検出部26Eは、撮像装置20Eを搭載した車両8Eの位置や向きを検出するものであり、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機や、地磁気センサなどを用いて構成される。制御部30Eは、動体検出部31Eを有している。動体検出部31Eは、位置検出部26Eの検出結果に基づいて、非検出領域記憶部25Eに記憶された複数の非検出領域102のうちの1つを選択し、この選択された非検出領域102を用いて、低解像度画像PIC1に基づいて動体検出を行うものである。これにより、例えば、カーシェアリングシステム1Eのステーションが複数ある場合に、車両8Eを駐車するステーションに応じて、非検出領域102を選択することができる。
【0096】
また、
図11の例では、非検出領域設定部24Dは、担当者の操作に基づいて、非検出領域102を設定するようにしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、非検出領域設定部が、自動で非検出領域102を設定してもよい。具体的には、例えば、撮像部21が、ある所定の長さの時間において撮像動作を行い、本変形例に係る非検出領域設定部24Fが、撮像領域100における動体が検出された領域を非検出領域102として設定してもよい。すなわち、例えば、本変形例に係る車両8F近くに道路がある場合には、車や人が通行することが予想されるので、撮像領域100における動体が検出された領域を検出することにより、その道路を含む領域を非検出領域102として設定することができる。また、非検出領域設定部24Fは、例えば、機械学習の手法を用いて、非検出領域102を設定してもよい。なお、これに限定されるものではなく、非検出領域設定部24Fは、例えば、撮像画像に基づいて、画像認識処理を行うことにより道路を検出し、その検出結果に基づいて非検出領域102を設定してもよいし、例えばインターネットNETを介して地図データを取得し、その地図データを利用して非検出領域102を設定してもよい。
【0097】
[変形例1-5]
上記実施の形態では、撮像部21は、撮像部21の撮像領域100において動体を検出した場合に、動作モードMを動作モードM2に設定したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、動体検出により検出された動体の画像の大きさや、検出された動体の画像の位置に基づいて、動作モードMを動作モードM2に設定してもよい。以下に、いくつか例を挙げて、本変形例について詳細に説明する。
【0098】
本変形例に係るカーシェアリングシステム1Gは、車両8Gを備えている。車両8Gは、撮像装置20Gを有している。撮像装置20Gは、制御部30Gを有している。制御部30Gは、動体検出部31Gを有している。動体検出部31Gは、低解像度画像PIC1に基づいて、動体検出を行うものである。また、動体検出部31Gは、動体検出により検出された動体の画像の大きさを求め、その大きさが所定の大きさよりも大きいかどうかを判断する機能をも有している。すなわち、
図15に示したように、撮像画像は様々な被写体の画像を含みうるが、撮像装置20Gが認証処理を行う場合には、ユーザUの顔が大きく映ることが期待される。よって、動体検出部31Gは、検出された動体の画像の大きさを求め、その大きさが所定の大きさよりも大きいかどうかを判断するようになっている。
【0099】
図16は、車両8Gの利用予約を行ったユーザUが車両8Gの利用を開始する際の、カーシェアリングシステム1Gの一動作例を表すものである。
【0100】
上記第1の実施の形態の場合(
図4)と同様に、まず、動作モード設定部33は、撮像部21の動作モードMを動作モードM1に設定する(ステップS111)。これにより、撮像部21は、低解像度画像PIC1の取得を開始する。次に、動体検出部31Gは、低解像度画像PIC1に基づいて動体検出を行う(ステップS112)。そして、動体検出部31Gは、動体を検出したかどうかを確認する(ステップS113)。動体を検出しなかった場合(ステップS113において“N”)には、ステップS112に戻る。
【0101】
ステップS113において、動体を検出した場合(ステップS113において“Y”)には、動体検出部31Gは、検出された動体の画像の大きさが所定の大きさよりも大きいかどうかを確認する(ステップS153)。具体的には、動体検出部31Gは、検出された動体の画像の面積を求め、その画像の面積が所定の面積よりも大きいかどうかを確認する。検出された動体の画像の大きさが所定の大きさよりも大きくない場合(ステップS153において“N”)には、ステップS112に戻る。
【0102】
ステップS153において、検出された動体の画像の大きさが所定の大きさよりも大きい場合(ステップS153において“Y”)には、動作モード設定部33は、撮像部21の動作モードMを動作モードM2に設定する(ステップS114)。これにより、撮像部21は、高解像度画像PIC2を取得する。そして、認証処理部32は、高解像度画像PIC2に基づいて、記憶部23に記憶された認証情報INF2を利用して認証処理を行う(ステップS115)。
【0103】
次に、認証処理部32は、認証処理が成功したかどうかを確認する(ステップS116)。認証処理が失敗した場合(ステップS116において“N”)には、ステップS111に戻る。認証処理が成功した場合(ステップS116において“Y”)には、制御部30Gは、解錠制御部6に対して、車両8Gのドアの解錠を指示する(ステップS117)。以上で、このフローは終了する。
【0104】
このように、カーシェアリングシステム1Gでは、動体検出部31Gにより検出された動体の画像の大きさが所定の大きさよりも大きい場合に、動作モードMを動作モードM2に設定した。これにより、例えば、たまたま車両8Gの近くに人や動物がいた場合でも、このような人や動物の画像の大きさは小さいので、動作モード設定部33は動作モードMを変更しない。その結果、カーシェアリングシステム1Gでは、車両8Gの近くを人や動物が通行する度に、動作モードMが動作モードM2に設定されるおそれを低減することができるので、消費電力を効果的に低減することができる。
【0105】
次に、本変形例に係る他のカーシェアリングシステム1Hについて説明する。カーシェアリングシステム1Hは、車両8Hを備えている。車両8Hは、撮像装置20Hを有している。撮像装置20Hは、制御部30Hを有している。制御部30Hは、動体検出部31Hを有している。動体検出部31Hは、低解像度画像PIC1に基づいて、動体検出を行うものである。また、動体検出部31Hは、動体検出により検出された動体の画像が、低解像度画像PIC1の端部に接しているかどうかを判断する機能をも有している。すなわち、
図15に示したように、撮像画像には様々な被写体の画像を含みうるが、撮像装置20Hが認証処理を行う場合には、ユーザUの顔が大きく映ることが期待されている。この場合、撮像画像には、ユーザUの全身画像は収まりきらないので、ユーザUの画像は撮像画像の端部に接することとなる。よって、動体検出部31Hは、検出された動体(この例ではユーザU)の画像が、低解像度画像PIC1の端部に接しているかどうかを判断するようになっている。
【0106】
図17は、車両8Hの利用予約を行ったユーザUが車両8Hの利用を開始する際の、カーシェアリングシステム1Hの一動作例を表すものである。このフローチャートは、カーシェアリングシステム1Gのフローチャート(
図16)におけるステップS153をステップS163に置き換えたものである。
【0107】
ステップS113において、動体を検出した場合(ステップS113において“Y”)には、動体検出部31Hは、検出された動体の画像が、低解像度画像PIC1の端部に接しているかどうかを確認する(ステップS163)。検出された動体の画像が、低解像度画像PIC1の端部に接していない場合(ステップS163において“N”)には、ステップS112に戻る。
【0108】
ステップS163において、検出された動体の画像が、低解像度画像PIC1の端部に接している場合(ステップS163において“Y”)には、動作モード設定部33は、撮像部21の動作モードMを動作モードM2に設定する(ステップS114)。
【0109】
このように、カーシェアリングシステム1Hでは、動体検出部31Hにより検出された動体の画像が低解像度画像PIC1の端部に接している場合に、動作モードMを動作モードM2に設定した。これにより、車両8Hの近くを人や動物が通行する度に、動作モードMが動作モードM2に設定されるおそれを低減することができるので、消費電力を効果的に低減することができる。
【0110】
また、これらのカーシェアリングシステム1G,1Hを組み合わせてもよい。具体的には、
図18に示したカーシェアリングシステム1Jのように、動体検出により検出された動体の画像の大きさが所定の大きさよりも大きく、かつ、動体検出により検出された動体が低解像度画像PIC1の端部に接している場合(ステップS153,S163)に、動作モードMを動作モードM2に設定してもよい。この場合も、消費電力を効果的に低減することができる。
【0111】
[変形例1-6]
上記実施の形態では、サーバ10の登録処理部11が、ユーザUの顔画像に基づいて認証情報INF2を生成したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、撮像装置がユーザUの顔画像に基づいて認証情報INF2を生成してもよい。以下に、本変形例に係るカーシェアリングシステム1Kについて詳細に説明する。
【0112】
図19は、カーシェアリングシステム1Kの一構成例を表すものである。カーシェアリングシステム1Kは、サーバ10Kと、車両8Kとを備えている。
【0113】
サーバ10Kは、登録処理部11Kと、データベース13Kとを有している。
【0114】
登録処理部11Kは、パーソナルコンピュータ7からの指示に基づいて、ユーザを登録する登録処理を行うものである。具体的には、登録処理部11は、パーソナルコンピュータ7からの指示に基づいて、ユーザUのアカウントを作成する。そして、登録処理部11Kは、ユーザ情報INF1およびユーザUの顔画像を、そのユーザUのアカウントと関連づけてデータベース13Kに登録するようになっている。
【0115】
データベース13Kは、ユーザ情報INF1、ユーザUの顔画像、および予約情報INF3を、ユーザUのアカウントと関連づけて記憶するものである。
【0116】
サーバ10Kは、上記第1の実施の形態に係るサーバ10と同様に、車両8Kの利用予約を受け付ける。そして、サーバ10Kは、ユーザUの顔画像および予約情報INF3を、予約された車両8Kの撮像装置20K(後述)に供給するようになっている。
【0117】
図20は、車両8Kに搭載された撮像装置20Kの一構成例を表すものである。撮像装置20Kは、制御部30Kを有している。制御部30Kは、認証情報生成部34Kを有している。認証情報生成部34Kは、サーバ10Kから供給されたユーザUの顔画像に基づいて、ユーザUの顔画像に係る様々な特徴量を含む認証情報INF2を生成するものである。そして、記憶部23は、認証情報生成部34Kが生成した認証情報INF2、およびサーバ10Kから供給された予約情報INF3を記憶するようになっている。
【0118】
[変形例1-7]
上記実施の形態では、撮像部21が取得した低解像度画像PIC1に基づいて動体検出を行うようにしたが、これに限定されるものではない。以下に、いくつか例を挙げて、本変形例について詳細に説明する。
【0119】
本変形例に係るカーシェアリングシステム1Lは、車両8Lを備えている。車両8Lは、撮像装置20Lを有している。
【0120】
図21は、撮像装置20Lの一構成例を表すものである。撮像装置20Lは、撮像部21Lと、焦電センサ27Lと、制御部30Lとを有している。撮像部21Lは、2つの動作モードM(動作モードM0,M2)を有している。動作モードM0は、撮像動作を停止するモードである。撮像装置20Lは、撮像部21Lの動作モードMを動作モードM0に設定することにより、消費電力を低減することができるようになっている。焦電センサ27Lは、例えば赤外線センサであり、動体(例えばユーザU)を検出するものである。制御部30Lは、動作モード設定部33Lを有している。動作モード設定部33Lは、撮像部21Lの動作モードMを設定するものである。動作モード設定部33Lは、例えば、撮像部21Lの動作モードMが動作モードM0である場合において、焦電センサ27Lが動体を検出したときに、動作モードMを動作モードM2に設定するようになっている。
【0121】
ここで、焦電センサ27Lは、本開示における「センサ」の一具体例に対応する。
【0122】
図22は、車両8Lの利用予約を行ったユーザUが車両8Lの利用を開始する際の、カーシェアリングシステム1Lの一動作例を表すものである。
【0123】
まず、動作モード設定部33Lは、撮像部21Lの動作モードMを動作モードM0に設定する(ステップS171)。これにより、撮像部21Lは、撮像動作を停止する。そして、焦電センサ27Lは、動体検出を行う(ステップS172)。
【0124】
次に、制御部30Lは、焦電センサ27Lが動体を検出したかどうかを確認する(ステップS173)。動体を検出しなかった場合(ステップS173において“N”)には、ステップS172に戻る。
【0125】
ステップS173において、動体を検出した場合(ステップS173において“Y”)には、動作モード設定部33Lは、撮像部21Lの動作モードMを動作モードM2に設定する(ステップS114)。これにより、撮像部21Lは、高解像度画像PIC2を取得する。そして、認証処理部32は、高解像度画像PIC2に基づいて、記憶部23に記憶された認証情報INF2を利用して認証処理を行う(ステップS115)。
【0126】
次に、認証処理部32は、認証処理が成功したかどうかを確認する(ステップS116)。認証処理が失敗した場合(ステップS116において“N”)には、ステップS171に戻る。認証処理が成功した場合(ステップS116において“Y”)には、制御部30Lは、解錠制御部6に対して、車両8Lのドアの解錠を指示する(ステップS117)。以上で、このフローは終了する。
【0127】
このように、カーシェアリングシステム1Lでは、撮像動作を停止する動作モードM0、および高解像度画像PIC2を取得する動作モードM2を有する撮像部21Lを用いて撮像装置20を構成し、焦電センサ27Lが動体を検出したときに、動作モードMを動作モードM2に設定するようにしたので、消費電力を低減することができる。
【0128】
次に、本変形例に係る他のカーシェアリングシステム1Mについて説明する。カーシェアリングシステム1Mは、車両8Mを備えている。車両8Mは、撮像装置20Mを有している。
【0129】
図23は、撮像装置20Mの一構成例を表すものである。撮像装置20Mは、撮像部21Lと、スイッチ28Mと、制御部30Mとを有している。スイッチ28Mは、例えばユーザUにより操作されるものである。制御部30Mは、動作モード設定部33Mを有している。動作モード設定部33Mは、撮像部21Lの動作モードMを設定するものである。動作モード設定部33Mは、例えば、撮像部21Lの動作モードMが動作モードM0である場合において、スイッチ28Mが操作されたときに、動作モードMを動作モードM2に設定するようになっている。
【0130】
図24は、車両8Mの利用予約を行ったユーザUが車両8Mの利用を開始する際の、カーシェアリングシステム1Mの一動作例を表すものである。
【0131】
まず、動作モード設定部33Mは、撮像部21Lの動作モードMを動作モードM0に設定する(ステップS171)。これにより、撮像部21Lは、撮像動作を停止する。
【0132】
次に、制御部30Mは、スイッチ28Mが操作されたかどうかを確認する(ステップS183)。スイッチ28Mが操作されなかった場合(ステップS183において“N”)には、ステップS183に戻り、スイッチ28Mが操作されるまでこのステップS183を繰り返す。具体的には、例えば、予約情報INF3に応じた時間にユーザUが車両8Mに近づき、スイッチ28Mを操作するまで、このステップS183を繰り返す。
【0133】
ステップS183において、スイッチ28Mが操作された場合(ステップS183において“Y”)には、動作モード設定部33Mは、撮像部21Lの動作モードMを動作モードM2に設定する(ステップS114)。これにより、撮像部21Lは、高解像度画像PIC2を取得する。そして、認証処理部32は、高解像度画像PIC2に基づいて、記憶部23に記憶された認証情報INF2を利用して認証処理を行う(ステップS115)。
【0134】
次に、認証処理部32は、認証処理が成功したかどうかを確認する(ステップS116)。認証処理が失敗した場合(ステップS116において“N”)には、ステップS171に戻る。認証処理が成功した場合(ステップS116において“Y”)には、制御部30Mは、解錠制御部6に対して、車両8Mのドアの解錠を指示する(ステップS117)。以上で、このフローは終了する。
【0135】
このように、カーシェアリングシステム1L,1Mでは、撮像動作を停止する動作モードM0、および高解像度画像PIC2を取得する動作モードM2を有する撮像部21Lを用いて撮像装置20を構成し、ユーザUがスイッチ28Mを操作したときに、動作モードMを動作モードM2に設定するようにしたので、消費電力を低減することができる。
【0136】
[その他の変形例]
また、これらの変形例のうちの2以上を組み合わせてもよい。
【0137】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係る撮像装置を備えた車両監視システム2について説明する。なお、上記第1の実施の形態に係るカーシェアリングシステム1の撮像装置20と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0138】
図25は、車両監視システム2の一構成例を表すものである。車両監視システム2は、車両9と、サーバ40と、スマートフォン4とを備えている。サーバ40は、インターネットNETに接続されている。また、スマートフォン4、および車両9に搭載された撮像装置50(後述)は、例えば携帯電話網を介してインターネットNETに接続されている。
【0139】
この車両監視システム2では、車両9の撮像装置50(後述)は、車両9に近づいた人を撮像し、その撮像画像に基づいて、認証情報INF2を用いて認証処理を行う。そして、認証処理が失敗した場合には、撮像装置50は撮像画像をサーバ40に供給する。そして、サーバ40は、登録されたユーザU以外の人が車両9に近づいた旨をスマートフォン4に通知するとともに、撮像画像をスマートフォン4に供給するようになっている。
【0140】
車両9は、例えば、車両監視システム2を利用するユーザUが所有する車両である。
【0141】
図26は、車両9に搭載された撮像装置50の一構成例を表すものである。撮像装置50は、撮像部21と、通信部22と、制御部60と、記憶部53とを有している。
【0142】
制御部60は、認証情報生成部61と、動体検出部31と、認証処理部32と、動作モード設定部33とを有している。
【0143】
認証情報生成部61は、撮像部21により撮像されたユーザUの顔画像に基づいて、ユーザUの顔画像に係る様々な特徴量を含む認証情報INF2を生成するものである。すなわち、ユーザUは、この車両監視システム2の利用に先立ち、自らを撮像部21に撮像させる。認証情報生成部61は、このようにして撮像したユーザUの顔画像に基づいて、認証情報INF2を生成するようになっている。
【0144】
動体検出部31は、上記第1の実施の形態の場合と同様に、低解像度画像PIC1に基づいて、動体の有無を検出することにより動体検出を行うものである。認証処理部32は、上記第1の実施の形態の場合と同様に、高解像度画像PIC2に基づいて、認証情報INF2を利用して認証処理を行うものである。動作モード設定部33は、上記第1の実施の形態の場合と同様に、撮像部21の動作モードMを設定するものである。
【0145】
また、制御部60は、認証処理部32において行われる認証処理が失敗した場合には、通信部22に対して、高解像度画像PIC2をサーバ40に供給するように指示する機能をも有している。
【0146】
記憶部53は、認証情報生成部61が生成した認証情報INF2を記憶するものである。なお、この例では、一人のユーザUの認証情報INF2を記憶するようにしたが、これに限定されるものではなく、車両9を利用し得る複数のユーザUにそれぞれ対応する複数の認証情報INF2を記憶してもよい。
【0147】
この構成により、まず、撮像部21は、動作モードM1で動作することにより、低解像度画像PIC1を取得する。そして、動体検出部31は、この低解像度画像PIC1に基づいて動体検出を行う。動体を検出した場合には、撮像部21は、動作モードM2で動作することにより、高解像度画像PIC2を取得する。そして、認証処理部32は、この高解像度画像PIC2に基づいて、認証情報INF2を利用して認証処理を行う。認証処理が失敗した場合には、通信部22は、高解像度画像PIC2をサーバ40に供給するようになっている。
【0148】
スマートフォン4(
図25)は、例えば、車両監視システム2を利用するユーザUが所有する多機能携帯電話である。スマートフォン4は、ユーザUの操作を受け付けるとともにサーバ40と通信を行う。ユーザUがユーザ登録を行う場合には、車両監視システム2は、ユーザUのアカウントを作成し、ユーザUは、住所、氏名などのユーザ情報INF1を入力する。そして、スマートフォン4は、ユーザ情報INF1をサーバ40に供給する。また、スマートフォン4は、サーバ40から、登録されたユーザU以外の人が車両9に近づいた旨の通知を受け取った場合には、その旨および高解像度画像PIC2を表示部に表示するようになっている。
【0149】
サーバ40は、例えば、車両監視システム2を運営する業者が管理する装置である。サーバ40は、登録処理部41と、通知部42と、データベース43とを有している。
【0150】
登録処理部41は、スマートフォン4からの指示に基づいて、ユーザを登録する登録処理を行うものである。具体的には、登録処理部41は、スマートフォン4からの指示に基づいて、ユーザUのアカウントを作成する。そして、登録処理部41は、スマートフォン4から供給されたユーザ情報INF1を、そのユーザUのアカウントと関連づけてデータベース43に登録するようになっている。
【0151】
通知部42は、サーバ40が、撮像装置50から高解像度画像PIC2を受け取った場合に、登録されたユーザU以外の人が車両9に近づいた旨をスマートフォン4に通知するとともに、高解像度画像PIC2をスマートフォン4に供給するものである。
【0152】
データベース43は、ユーザ情報INF1、高解像度画像PIC2、および通知の履歴を、ユーザUのアカウントと関連づけて記憶するものである。
【0153】
ここで、車両監視システム2は、本開示における「車両監視システム」の一具体例に対応する。サーバ40は、本開示における「第1の装置」の一具体例に対応する。
【0154】
図27は、ユーザUが車両9を駐車場に停車する際の、車両監視システム2の一動作例を表すものである。
【0155】
まず、車両9は、ユーザUの操作に基づいてエンジンを停止する(ステップS211)。
【0156】
次に、動作モード設定部33は、撮像部21の動作モードMを動作モードM1に設定する(ステップS212)。これにより、撮像部21は、低解像度画像PIC1の取得を開始する。そして、動体検出部31は、低解像度画像PIC1に基づいて動体検出を行う(ステップS213)。
【0157】
次に、動体検出部31は、動体を検出したかどうかを確認する(ステップS214)。動体を検出しなかった場合(ステップS214において“N”)には、ステップS213に戻り、動体を検出するまでこのステップS213,S214を繰り返す。
【0158】
ステップS214において、動体を検出した場合(ステップS214において“Y”)には、動作モード設定部33は、撮像部21の動作モードMを動作モードM2に設定する(ステップS215)。これにより、撮像部21は、高解像度画像PIC2を取得する。そして、認証処理部32は、高解像度画像PIC2に基づいて、記憶部53に記憶された認証情報INF2を利用して認証処理を行う(ステップS216)。
【0159】
次に、認証処理部32は、認証処理が成功したかどうかを確認する(ステップS217)。認証処理が成功した場合(ステップS217において“Y”)には、ステップS212に戻り、動作モード設定部33は動作モードMを動作モードM1に設定する。すなわち、この場合には、例えば、車両9を所有するユーザUが車両9に近づいたので、ユーザUに通知する必要がないため、動作モード設定部33は、動作モードMを動作モードM1に戻す。
【0160】
ステップS217において、認証処理が失敗した場合(ステップS217において“N”)には、通信部22は、制御部60からの指示に基づいて、高解像度画像PIC2をサーバ40に供給する(ステップS218)。すなわち、この場合には、例えば、車両9を所有するユーザU以外の人が車両9に近づいたので、撮像装置50は、その旨をユーザUに通知するため、高解像度画像PIC2をサーバ40に供給する。
【0161】
そして、サーバ40の通知部42は、登録されたユーザU以外の人が車両9に近づいた旨をスマートフォン4に通知するとともに、高解像度画像PIC2をスマートフォン4に供給する(ステップS219)。
【0162】
以上で、このフローは終了する。
【0163】
このように、車両監視システム2では、撮像画像(高解像度画像PIC2)に基づいて認証処理を行い、認証処理が失敗したときに、撮像画像をスマートフォン4に供給するようにしたので、ユーザUの利便性を高めることができる。すなわち、例えば、撮像装置を車両に搭載し、撮像画像を撮像装置に記憶させるようにした場合には、登録されたユーザU以外の人が車両に近づいていることを、ユーザUがタイムリーに知ることができない。また、この場合において、車両が盗難された場合には、撮像装置に記憶された撮像画像も含めて盗難されるため、ユーザUは撮像画像を確認することができない。一方、車両監視システム2では、撮像画像に基づいて認証処理を行い、認証処理が失敗したときに、撮像画像をスマートフォン4に供給するようにした。これにより、ユーザUは、登録されたユーザU以外の人が車両に近づいていることをタイムリーに知ることができるとともに、撮像画像を確認することができるので、ユーザの利便性を高めることができる。その結果、車両9が盗難されるおそれを低減することができる。
【0164】
以上のように本実施の形態では、撮像画像に基づいて認証処理を行い、認証処理が失敗したときに、撮像画像をスマートフォンに供給するようにしたので、ユーザUの利便性を高めることができるとともに、車両が盗難されるおそれを低減することができる。その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
【0165】
[変形例2-1]
上記実施の形態では、撮像装置50が認証処理を行ったが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、上記第1の実施の形態の変形例1-1の場合と同様に、サーバが認証処理を行ってもよい。以下に、本変形例に係る車両監視システム2Aについて詳細に説明する。
【0166】
図28は、車両監視システム2Aの一構成例を表すものである。車両監視システム2Aは、車両9Aと、サーバ40Aとを備えている。
【0167】
図29は、車両9Aに搭載された撮像装置50Aの一構成例を表すものである。撮像装置50Aは、制御部60Aを有している。制御部60Aは、動体検出部31と、動作モード設定部33とを有している。すなわち、制御部60Aは、上記第2の実施の形態に係る制御部60から、認証情報生成部61および認証処理部32を省いたものである。また、制御部60Aは、ユーザUによる車両監視システム2Aの利用に先立ち、撮像部21が撮像したユーザUの顔画像を、通信部22を用いてサーバ40Aに供給する。また、制御部60Aは、撮像部21の動作モードMを動作モードM2に設定したときに撮像部21が取得した高解像度画像PIC2を、通信部22を用いてサーバ40Aに供給する機能をも有している。
【0168】
サーバ40Aは、認証情報生成部44Aと、認証処理部45Aと、データベース43Aとを有している。
【0169】
認証情報生成部44Aは、ユーザUによる車両監視システム2Aの利用に先立ち、撮像部21が撮像したユーザUの顔画像に基づいて、ユーザUの顔画像に係る様々な特徴量を含む認証情報INF2を生成するものである。そして、認証情報生成部44Aは、その認証情報INF2を、そのユーザUのアカウントと関連づけてデータベース43Aに登録するようになっている。
【0170】
認証処理部45Aは、車両9Aの撮像装置50Aから供給された高解像度画像PIC2に基づいて、データベース43Aに記憶された認証情報INF2を用いて認証処理を行うものである。
【0171】
データベース43Aは、ユーザ情報INF1、認証情報INF2、高解像度画像PIC2、および通知の履歴を、ユーザUのアカウントと関連づけて記憶するものである。
【0172】
ここで、サーバ40Aは、本開示における「第3の装置」の一具体例に対応する。
【0173】
図30は、ユーザUが車両9Aを駐車場に停車する際の、車両監視システム2Aの一動作例を表すものである。
【0174】
上記第2の実施の形態の場合(
図27)と同様に、まず、車両9Aは、ユーザUの操作に基づいてエンジンを停止し(ステップS211)、動作モード設定部33は、撮像部21の動作モードMを動作モードM1に設定する(ステップS212)。これにより、撮像部21は、低解像度画像PIC1の取得を開始する。そして、動体検出部31は、低解像度画像PIC1に基づいて動体検出を行う(ステップS213)。次に、動体検出部31は、動体を検出したかどうかを確認する(ステップS214)。動体を検出しなかった場合(ステップS214において“N”)には、ステップS213に戻る。ステップS214において、動体を検出した場合(ステップS214において“Y”)には、動作モード設定部33は、撮像部21の動作モードMを動作モードM2に設定する(ステップS215)。これにより、撮像部21は、高解像度画像PIC2を取得する。
【0175】
次に、撮像装置50Aの通信部22は、高解像度画像PIC2をサーバ40Aに供給する(ステップS221)。
【0176】
次に、サーバ40Aの認証処理部45Aは、撮像装置50Aから供給された高解像度画像PIC2に基づいて、データベース43Aに記憶された認証情報INF2を利用して認証処理を行う(ステップS222)。
【0177】
次に、認証処理部45Aは、認証処理が成功したかどうかを確認する(ステップS223)。認証処理が成功した場合(ステップS223において“Y”)には、サーバ40Aは、撮像装置20Aに対して認証処理が成功した旨を通知する(ステップS224)。撮像装置50Aの通信部22は、この通知を受け取る。そして、ステップS212に戻る。
【0178】
ステップS223において、認証処理が失敗した場合(ステップS223において“N”)には、サーバ40Aの通知部42は、登録されたユーザU以外の人が車両9Aに近づいた旨をスマートフォン4に通知するとともに、高解像度画像PIC2をスマートフォン4に供給する(ステップS219)。以上で、このフローは終了する。
【0179】
[変形例2-2]
上記実施の形態では、1つの撮像部21を設けたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、上記第1の実施の形態の変形例1-2(
図8)と同様に、複数の撮像部を設けてもよい。特に、
図8(C)に示したように、5つの撮像部を設けた場合には、登録されたユーザU以外の人がどの方向から車両に近づいても、その人を検出することができる。
【0180】
[変形例2-3]
上記実施の形態では、撮像部21は、高解像度画像PIC2を取得する動作モードM2において、撮像部21が有する複数の撮像画素の全てを動作させたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、上記第1の実施の形態の変形例1-3の場合と同様に、撮像部21が有する複数の撮像画素のうちの一部の撮像画素を動作させてもよい。以下に、本変形例に係る車両監視システム2Cについて詳細に説明する。車両監視システム2Cは、車両9Cを備えている。車両9Cは、撮像装置50Cを有している。撮像装置50Cは、撮像部21Cと、制御部60Cとを有している。
【0181】
上記第1の実施の形態の変形例1-3の場合と同様に、撮像部21Cは、
図9に示したように、領域101を単位として撮像動作を行うことができるように構成されている。撮像部21Cは、2つの動作モードM(動作モードM1,M3)を有している。動作モードM3は、解像度が高い画像(高解像度画像PIC3)を取得するものであり、領域101を単位として撮像動作を行うモードである。
【0182】
制御部60Cは、動作モード設定部33Cを有している。動作モード設定部33Cは、撮像部21Cの動作モードMを設定するものである。動作モード設定部33Cは、撮像部21Cの動作モードMを動作モードM3に設定する際、撮像領域100のうち、動体検出において動体が検出された1または複数の領域101を選択的に動作させるようになっている。
【0183】
図31は、ユーザUが車両9Cを駐車場に停車する際の、車両監視システム2Cの一動作例を表すものである。
【0184】
上記第2の実施の形態の場合(
図27)と同様に、まず、車両9Cは、ユーザUの操作に基づいてエンジンを停止し(ステップS211)、動作モード設定部33Cは、撮像部21Cの動作モードMを動作モードM1に設定する(ステップS212)。これにより、撮像部21Cは、低解像度画像PIC1の取得を開始する。そして、動体検出部31は、低解像度画像PIC1に基づいて動体検出を行う(ステップS213)。次に、動体検出部31は、動体を検出したかどうかを確認する(ステップS214)。動体を検出しなかった場合(ステップS214において“N”)には、ステップS213に戻る。
【0185】
ステップS214において、動体を検出した場合(ステップS214において“Y”)には、動作モード設定部33Cは、撮像部21Cの動作モードMを動作モードM3に設定するとともに、撮像領域100のうちの動作させる領域101を設定する(ステップS235)。その際、動作モード設定部33Cは、撮像領域100のうち、動体検出において動体が検出された1または複数の領域101を、動作させる領域101として設定する。これにより、撮像部21Cは、高解像度画像PIC3を取得する。
【0186】
次に、認証処理部32は、高解像度画像PIC3に基づいて、記憶部53に記憶された認証情報INF2を利用して認証処理を行う(ステップS236)。
【0187】
次に、認証処理部32は、認証処理が成功したかどうかを確認する(ステップS237)。認証処理が成功した場合(ステップS237において“Y”)には、ステップS212に戻る。認証処理が失敗した場合(ステップS237において“N”)には、通信部22は、制御部60Cからの指示に基づいて、高解像度画像PIC3をサーバ40に供給する(ステップS238)。
【0188】
そして、サーバ40の通知部42は、登録されたユーザU以外の人が車両9Cに近づいた旨をスマートフォン4に通知するとともに、高解像度画像PIC3をスマートフォン4に供給する(ステップS239)。以上で、このフローは終了する。
【0189】
このように、車両監視システム2Cでは、高解像度画像PIC3を取得する動作モードM3において、撮像領域100のうち、動体検出において動体が検出された1または複数の領域101を動作させるようにしたので、消費電力を効果的に低減することができる。
【0190】
この例では、撮像部21Cは、2つの動作モードM1,M3を有するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、さらに動作モードM2を有するようにしてもよい。この場合には、例えば、動作モードM3で動作した後、必要に応じて、動作モードM2で動作するようにしてもよい。具体的には、撮像装置は、例えば、動作モードM3において撮像領域100のうちの1または複数の領域101を動作させ、認証処理が失敗した場合に、動作モードMを動作モードM2に設定し、すべての領域101を動作させるようにしてもよい。すなわち、この場合には、登録されたユーザU以外の人が車両9Cに近づいているため、この車両9Cの周囲の状況を撮像するために、動作モードMを動作モードM2に設定してもよい。
【0191】
[変形例2-4]
上記実施の形態では、撮像部21は、撮像部21の撮像領域100において動体を検出した場合に、動作モードMを動作モードM2に設定したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、上記第1の実施の形態の変形例1-4の場合と同様に、撮像部21の撮像領域100のうちの所定の領域において動体を検出した場合に、動作モードMを動作モードM2に設定してもよい。以下に、本変形例に係る車両監視システム2Dについて詳細に説明する。車両監視システム2Dは、車両9Dを備えている。車両9Dは、撮像装置50Dを有している。
【0192】
図32は、撮像装置50Dの一構成例を表すものである。撮像装置50Dは、非検出領域設定部24Dと、非検出領域記憶部25Dと、制御部60Dとを有している。
【0193】
上記第1の実施の形態の変形例1-4の場合と同様に、非検出領域設定部24Dは、例えば、ユーザUの操作に基づいて、非検出領域102を設定するものである。非検出領域記憶部25Dは、非検出領域設定部24Dが設定した非検出領域102を記憶するものである。
【0194】
制御部60Dは、動体検出部31Dを有している。動体検出部31Dは、低解像度画像PIC1に基づいて、動体検出を行うものである。この動体検出部31Dは、上記第1の実施の形態の変形例1-4の場合と同様に、非検出領域102以外の領域において動体を検出したかどうかを確認する機能を有している。
【0195】
図33は、ユーザUが車両9Dを駐車場に停車する際の、車両監視システム2Dの一動作例を表すものである。
【0196】
上記第2の実施の形態の場合(
図27)と同様に、まず、車両9Dは、ユーザUの操作に基づいてエンジンを停止し(ステップS211)、動作モード設定部33は、撮像部21の動作モードMを動作モードM1に設定する(ステップS212)。これにより、撮像部21は、低解像度画像PIC1の取得を開始する。そして、動体検出部31Dは、低解像度画像PIC1に基づいて動体検出を行う(ステップS213)。次に、動体検出部31Dは、動体を検出したかどうかを確認する(ステップS214)。動体を検出しなかった場合(ステップS214において“N”)には、ステップS213に戻る。
【0197】
ステップS214において、動体を検出した場合(ステップS214において“Y”)には、動体検出部31Dは、非検出領域102以外の領域で動体を検出したかどうかを確認する(ステップS244)。非検出領域102以外の領域で動体を検出しなかった場合(ステップS244において“N”)には、ステップS213に戻る。
【0198】
ステップS244において、非検出領域102以外の領域で動体を検出した場合(ステップS244において“Y”)には、動作モード設定部33は、撮像部21の動作モードMを動作モードM2に設定する(ステップS215)。これにより、撮像部21は、高解像度画像PIC2を取得する。そして、認証処理部32は、高解像度画像PIC2に基づいて、記憶部53に記憶された認証情報INF2を利用して認証処理を行う(ステップS216)。
【0199】
次に、認証処理部32は、認証処理が成功したかどうかを確認する(ステップS217)。認証処理が成功した場合(ステップS217において“Y”)には、ステップS212に戻る。認証処理が失敗した場合(ステップS217において“N”)には、通信部22は、制御部60Dからの指示に基づいて、高解像度画像PIC2をサーバ40に供給する(ステップS218)。
【0200】
そして、サーバ40の通知部42は、登録されたユーザU以外の人が車両9Dに近づいた旨をスマートフォン4に通知するとともに、高解像度画像PIC2をスマートフォン4に供給する(ステップS219)。以上で、このフローは終了する。
【0201】
このように、車両監視システム2Dでは、非検出領域102以外の領域で動体を検出した場合に、動作モードMを動作モードM2に設定した。これにより、例えば、車両9Dの近くの道路を車や人が通行する度に、動作モードMが動作モードM2に設定されるおそれを低減することができるので、消費電力を効果的に低減することができる。また、車両監視システム2Dでは、車両9Dの近くの道路を車や人が通行する度に、ユーザUに通知を行うおそれを低減することができる。
【0202】
非検出領域設定部24Dは、例えば、ユーザUの操作に基づいて、非検出領域102を設定することができる。具体的には、例えば、ユーザUは、車両9Dが自宅の駐車場に駐車されているときに、撮像部21が撮影した撮像画像を確認しながら、非検出領域102を設定することができる。例えば、車両9Dを自宅の駐車場とは別の場所に駐車する場合には、ユーザUは、同様にして、非検出領域102を再度設定することができる。
【0203】
また、例えば、
図34に示した撮像装置50Eのように、非検出領域102をあらかじめ複数設定しておき、その複数の非検出領域102のうちの1つを選択するようにしてもよい。撮像装置50Eは、非検出領域設定部24Eと、非検出領域記憶部25Eと、位置検出部26Eと、制御部60Eとを有している。上記第1の実施の形態の変形例1-4の場合と同様に、非検出領域設定部24Eは、複数の非検出領域102を設定可能なものである。非検出領域記憶部25Eは、非検出領域設定部24Eが設定した複数の非検出領域102を記憶するものである。位置検出部26Eは、撮像装置50Eを搭載した車両9Eの位置や向きを検出するものであり、例えば、GPS受信機や、地磁気センサなどを用いて構成される。制御部60Eは、動体検出部31Eを有している。動体検出部31Eは、位置検出部26Eの検出結果に基づいて、非検出領域記憶部25Eに記憶された複数の非検出領域102のうちの1つを選択し、この選択された非検出領域102を用いて、低解像度画像PIC1に基づいて動体検出を行うものである。これにより、例えば、車両9Dを頻繁に駐車する場所が複数ある場合に、その場所に応じて、非検出領域102を選択することができる。
【0204】
また、
図32の例では、非検出領域設定部24Dは、ユーザUの操作に基づいて、非検出領域102を設定するようにしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、非検出領域設定部は、上記第1の実施の形態の変形例1-4の場合と同様に、自動で非検出領域102を設定してもよい。
【0205】
[変形例2-5]
上記実施の形態では、撮像部21は、撮像部21の撮像領域100において動体を検出した場合に、動作モードMを動作モードM2に設定したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、動体検出により検出された動体の画像の大きさや、検出され続けた時間に基づいて、動作モードMを動作モードM2に設定してもよい。以下に、いくつか例を挙げて、本変形例について詳細に説明する。
【0206】
本変形例に係る車両監視システム2Gは、車両9Gを備えている。車両9Gは、撮像装置50Gを有している。撮像装置50Gは、制御部60Gを有している。制御部60Gは、動体検出部31Gを有している。上記第1の実施の形態の変形例1-5の場合と同様に、動体検出部31Gは、低解像度画像PIC1に基づいて、動体検出を行うものである。また、動体検出部31Gは、動体検出により検出された動体の画像の大きさを求め、その大きさが所定の大きさよりも大きいかどうかを判断する機能をも有している。
【0207】
図35は、ユーザUが車両9Gを駐車場に停車する際の、車両監視システム2Gの一動作例を表すものである。
【0208】
上記第2の実施の形態の場合(
図27)と同様に、まず、車両9Gは、ユーザUの操作に基づいてエンジンを停止し(ステップS211)、動作モード設定部33は、撮像部21の動作モードMを動作モードM1に設定する(ステップS212)。これにより、撮像部21は、低解像度画像PIC1の取得を開始する。そして、動体検出部31Gは、低解像度画像PIC1に基づいて動体検出を行う(ステップS213)。次に、動体検出部31Gは、動体を検出したかどうかを確認する(ステップS214)。動体を検出しなかった場合(ステップS214において“N”)には、ステップS213に戻る。
【0209】
ステップS214において、動体を検出した場合(ステップS214において“Y”)には、動体検出部31Gは、検出された動体の画像の大きさが所定の大きさよりも大きいかどうかを確認する(ステップS254)。検出された動体の画像の大きさが所定の大きさよりも大きくない場合(ステップS254において“N”)には、ステップS213に戻る。
【0210】
ステップS254において、検出された動体の画像の大きさが所定の大きさよりも大きい場合(ステップS254において“Y”)には、動作モード設定部33は、撮像部21の動作モードMを動作モードM2に設定する(ステップS215)。これにより、撮像部21は、高解像度画像PIC2を取得する。そして、認証処理部32は、高解像度画像PIC2に基づいて、記憶部53に記憶された認証情報INF2を利用して認証処理を行う(ステップS216)。
【0211】
次に、認証処理部32は、認証処理が成功したかどうかを確認する(ステップS217)。認証処理が成功した場合(ステップS217において“Y”)には、ステップS212に戻る。認証処理が失敗した場合(ステップS217において“N”)には、通信部22は、制御部60Gからの指示に基づいて、高解像度画像PIC2をサーバ40に供給する(ステップS218)。
【0212】
そして、サーバ40の通知部42は、登録されたユーザU以外の人が車両9Gに近づいた旨をスマートフォン4に通知するとともに、高解像度画像PIC2をスマートフォン4に供給する(ステップS219)。以上で、このフローは終了する。
【0213】
このように、車両監視システム2Gでは、動体検出部31Gにより検出された動体の画像の大きさが所定の大きさよりも大きい場合に、動作モードMを動作モードM2に設定した。これにより、例えば、たまたま車両9Gの近くにいる人や動物の画像の大きさは小さいので、動作モードMを変更しない。その結果、車両9Gの近くを人や動物が通行する度に、動作モードMが動作モードM2に設定されるおそれを低減することができるので、消費電力を効果的に低減することができる。また、車両監視システム2Gでは、車両9Gの近くを人や動物が通行する度に、ユーザUに通知を行うおそれを低減することができる。
【0214】
次に、本変形例に係る他の車両監視システム2Hについて説明する。車両監視システム2Hは、車両9Hを備えている。車両9Hは、撮像装置50Hを有している。撮像装置50Hは、制御部60Hを有している。制御部60Hは、動体検出部62Hを有している。動体検出部62Hは、低解像度画像PIC1に基づいて、動体検出を行うものである。また、動体検出部62Hは、動体を所定の時間以上検出し続けたかどうかを判断する機能をも有している。これにより、撮像装置50Hは、例えば、車両9Hの周囲を行ったり来たりする人を検出することができるようになっている。
【0215】
図36は、ユーザUが車両9Hを駐車場に停車する際の、車両監視システム2Hの一動作例を表すものである。このフローチャートは、車両監視システム2Gのフローチャート(
図35)におけるステップS254をステップS264に置き換えたものである。
【0216】
ステップS214において、動体を検出した場合(ステップS214において“Y”)には、動体検出部62Hは、動体を所定の時間以上検出し続けたかどうかどうかを確認する(ステップS264)。動体を所定の時間以上検出し続けていない場合(ステップS264において“N”)には、ステップS213に戻る。
【0217】
ステップS264において、動体を所定の時間以上検出し続けた場合(ステップS264において“Y”)には、動作モード設定部33は、撮像部21の動作モードMを動作モードM2に設定する(ステップS215)。
【0218】
このように、車両監視システム2Hでは、動体検出部62Hが動体を所定の時間以上検出し続けた場合に、動作モードMを動作モードM2に設定した。これにより、車両9Hの近くを人や動物が通行する度に、動作モードMが動作モードM2に設定されるおそれを低減することができるので、消費電力を効果的に低減することができる。また、車両監視システム2Hでは、車両9Hの近くを人や動物が通行する度に、ユーザUに通知を行うおそれを低減することができる。
【0219】
また、これらの車両監視システム2G,2Hを組み合わせてもよい。具体的には、
図37に示した車両監視システム2Jのように、動体検出により検出された動体の画像の大きさが所定の大きさよりも大きく、かつ、そのような動体を所定の時間以上検出し続けた場合(ステップS254,S264)に、動作モードMを動作モードM2に設定してもよい。この場合も、消費電力を効果的に低減することができるとともに、車両9Jの近くを人や動物が通行する度に、ユーザUに通知を行うおそれを低減することができる。
【0220】
[変形例2-6]
上記実施の形態では、ユーザUは、この車両監視システム2の利用に先立ち、自らを撮像部21に撮像させ、認証情報生成部61は、このようにして撮像したユーザUの顔画像に基づいて、認証情報INF2を生成するようにしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば上記第1の実施の形態の場合のように、例えばユーザ登録の際に、ユーザUが、住所、氏名などのユーザ情報INF1を入力するとともに、ユーザUの顔画像を登録し、スマートフォン4が、ユーザ情報INF1およびユーザUの顔画像をサーバ40に供給してもよい。この場合には、サーバ40が、ユーザUの顔画像に基づいて認証情報INF2を生成し、この認証情報INF2を撮像装置50に供給してもよいし、サーバ40が、ユーザUの顔画像を撮像装置50に供給し、撮像装置50が、サーバ40から供給されたユーザUの顔画像に基づいて認証情報INF2を生成してもよい。
【0221】
[変形例2-7]
上記実施の形態では、撮像部21が取得した低解像度画像PIC1に基づいて動体検出を行うようにしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、上記第1の実施の形態の変形例1-7の場合と同様に、焦電センサを設けてもよい。以下に、本変形例に係る車両監視システム2Lについて詳細に説明する。車両監視システム2Lは、車両9Lを備えている。車両9Lは、撮像装置50Lを有している。
【0222】
図38は、撮像装置50Lの一構成例を表すものである。撮像装置50Lは、撮像部21Lと、焦電センサ27Lと、制御部60Lとを有している。上記第1の実施の形態の変形例1-7の場合と同様に、撮像部21Lは、2つの動作モードM(動作モードM0,M2)を有している。動作モードM0は、撮像動作を停止するモードである。焦電センサ27Lは、例えば赤外線センサであり、動体(例えばユーザU)を検出するものである。制御部60Lは、動作モード設定部33Lを有している。動作モード設定部33Lは、撮像部21Lの動作モードMを設定するものである。
【0223】
図39は、ユーザUが車両9Lを駐車場に停車する際の、車両監視システム2Lの一動作例を表すものである。
【0224】
まず、車両9Lは、ユーザUの操作に基づいてエンジンを停止し(ステップS211)、動作モード設定部33Lは、撮像部21Lの動作モードMを動作モードM0に設定する(ステップS272)。これにより、撮像部21Lは、撮像動作を停止する。そして、焦電センサ27Lは、動体検出を行う(ステップS273)。
【0225】
次に、制御部60Lは、焦電センサ27Lが動体を検出したかどうかを確認する(ステップS274)。動体を検出しなかった場合(ステップS274において“N”)には、ステップS273に戻る。
【0226】
ステップS274において、動体を検出した場合(ステップS274において“Y”)には、動作モード設定部33Lは、撮像部21Lの動作モードMを動作モードM2に設定する(ステップS215)。これにより、撮像部21Lは、高解像度画像PIC2を取得する。そして、認証処理部32は、高解像度画像PIC2に基づいて、記憶部53に記憶された認証情報INF2を利用して認証処理を行う(ステップS216)。
【0227】
次に、認証処理部32は、認証処理が成功したかどうかを確認する(ステップS217)。認証処理が成功した場合(ステップS217において“Y”)には、ステップS272に戻る。認証処理が失敗した場合(ステップS217において“N”)には、通信部22は、制御部60Lからの指示に基づいて、高解像度画像PIC2をサーバ40に供給する(ステップS218)。
【0228】
そして、サーバ40の通知部42は、登録されたユーザU以外の人が車両9Lに近づいた旨をスマートフォン4に通知するとともに、高解像度画像PIC2をスマートフォン4に供給する(ステップS219)。以上で、このフローは終了する。
【0229】
このように、車両監視システム2Lでは、撮像動作を停止する動作モードM0、および高解像度画像PIC2を取得する動作モードM2を有する撮像部21Lを用いて撮像装置20を構成し、焦電センサ27Lが動体を検出したときに、動作モードMを動作モードM2に設定するようにしたので、消費電力を低減することができる。
【0230】
[変形例2-8]
上記実施の形態では、エンジンを停止した後に撮像部21の動作モードMを動作モードM1に設定したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、
図40に示す車両監視システム2Mのように、エンジンを停止した後に、撮像部21の撮像画像に基づいて、ユーザUが車両9Mから離れたかどうかを確認し(ステップS281)、ユーザUが車両9Mから離れた場合に、撮像部21の動作モードMを動作モードM1に設定してもよい。
【0231】
[変形例2-9]
上記実施の形態では、車両9の車外を撮像する撮像部21を設けたが、これに限定されるものではなく、これに加えて、例えば、車両9の車内を撮像する撮像部21Nをさらに設けてもよい。この撮像部21Nは、例えば、カラー画像を撮像してもよいし、白黒画像を撮像してもよい。また、撮像部21Nは、近赤外線カメラであってもよい。撮像部21Nは、例えば、車両9の運転者を撮像するように配置してもよい。この撮像部21Nを有する撮像装置50Nは、例えば、登録されたユーザU以外の人が車両9のドアを開けた場合に、車両9の運転者を撮像してもよい。また、登録されたユーザU以外の人が車両9のエンジンを始動した場合に、車両9の運転者を撮像してもよい。また、登録されたユーザU以外の人が車両9を移動させた場合に、車両9の運転者を撮像してもよい。そして、撮像装置50Nは、このようにして撮像した撮像画像を、例えばサーバ40に供給してもよい。
【0232】
[変形例2-9]
上記実施の形態では、車両監視システム2を運営する業者が管理するサーバ40に、高解像度画像PIC2が供給されるようにした。これにより、この業者が、車両9が駐車されている場所に警備員を急行させるセキュリティサービスを行うようにしてもよい。特に、本技術では、高解像度画像PIC2に基づいて認証処理を行うようにした。また、変形例2-4,2-5に記載の技術を用いることにより、車両9の近くを人や動物が通行する度に、サーバ40に通知を行うおそれを低減することができる。その結果、セキュリティサービスのコストを低減することができる。また、例えば、この業者の担当者が、高解像度画像PIC2に基づいて不審者がいるかどうかを判断し、不審者がいると判断した場合に、警備員を急行させることにより、セキュリティサービスのコストをさらに低減させることができる。
【0233】
また、撮像装置50を車両9に搭載した場合に、自動車保険の保険料率を下げるようにしてもよい。
【0234】
[その他の変形例]
また、これらの変形例のうちの2以上を組み合わせてもよい。
【0235】
以上、いくつかの実施の形態および変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0236】
例えば、上記の第2の実施の形態では、撮像装置50がサーバ40に高解像度画像PIC2を一旦供給したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、撮像装置50がスマートフォン4に高解像度画像PIC2を直接供給してもよい。
【0237】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0238】
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。
【0239】
(1)消費電力を低減可能な第1の動作モードと、撮像画像を生成する第2の動作モードとを含む複数の動作モードを有する撮像部と、
前記複数の動作モードのうちのいずれか1つを選択する動作モード設定部と
を備えた撮像装置。
(2)動体検出処理を行う検出処理部をさらに備え、
前記第1の動作モードは、低解像度画像を生成する動作モードであり、
前記検出処理部は、前記低解像度画像に基づいて前記動体検出処理を行い、
前記動作モード設定部は、前記動体検出処理の処理結果に基づいて、前記第2の動作モードを選択する
前記(1)に記載の撮像装置。
(3)前記第2の動作モードは、前記撮像部の撮像領域のうちの、撮像動作が行われる第1の領域を変更可能な動作モードであり、
前記検出処理部は、さらに、前記動体検出処理の処理結果に基づいて、前記第1の領域を設定する
前記(2)に記載の撮像装置。
(4)前記検出処理部は、前記検出処理部が検出した動体の位置に応じて、前記第1の領域を設定する
前記(3)に記載の撮像装置。
(5)前記動作モード設定部は、前記検出処理部が、前記撮像部の撮像領域のうちの第2の領域以外の領域において動体を検出した場合に、前記第2の動作モードを選択する
前記(2)から(4)のいずれかに記載の撮像装置。
(6)前記動作モード設定部は、前記検出処理部が検出した動体の画像の大きさが所定の大きさよりも大きい場合に、前記第2の動作モードを選択する
前記(2)から(4)のいずれかに記載の撮像装置。
(7)前記動作モード設定部は、前記検出処理部が検出した動体の画像が、前記低解像度画像の端部に接している場合に、前記第2の動作モードを選択する
前記(2)から(4)のいずれかに記載の撮像装置。
(8)前記動作モード設定部は、前記検出処理部が動体を所定の時間以上検出し続けた場合に、前記第2の動作モードを選択する
前記(2)から(4)のいずれかに記載の撮像装置。
(9)動体検出を行うセンサをさらに備え、
前記第1の動作モードは、撮像動作を停止する動作モードであり、
前記動作モード設定部は、前記センサによる検出結果に基づいて、前記第2の動作モードを選択する
前記(1)に記載の撮像装置。
(10)ユーザの操作を受け付けるスイッチをさらに備え、
前記動作モード設定部は、前記スイッチからの指示に基づいて前記第2の動作モードを選択する
前記(1)に記載の撮像装置。
(11)認証部をさらに備え、
前記撮像画像は顔画像を含み、
前記認証部は、前記撮像画像に基づいて認証処理を行う
前記(1)から(10)のいずれかに記載の撮像装置。
(12)前記認証処理が失敗した場合に、第1の装置に前記撮像画像を供給する通信部をさらに備えた
前記(11)に記載の撮像装置。
(13)前記認証部が前記認証処理を行う際に用いる認証情報を生成する認証情報生成部をさらに備えた
前記(11)または(12)に記載の撮像装置。
(14)前記認証情報生成部は、前記撮像部により撮像された画像に基づいて、前記認証情報を生成する
前記(13)に記載の撮像装置。
(15)第2の装置から供給された認証情報を受け取る通信部をさらに備え、
前記認証部は、前記認証情報を用いて、前記撮像画像に基づいて前記認証処理を行う
前記(11)または(12)に記載の撮像装置。
(16)前記撮像画像を、前記撮像画像に基づいて認証処理を行う第3の装置に供給する通信部をさらに備え、
前記撮像画像は顔画像を含む
前記(1)から(10)のいずれかに記載の撮像装置。
(17)前記通信部は、さらに、前記第3の装置から供給された前記認証処理の処理結果を受け取る
前記(16)に記載の撮像装置。
(18)撮像装置を有する車両と、
サーバと
を備え、
前記撮像装置は、
消費電力を低減可能な第1の動作モードと、撮像画像を生成する第2の動作モードとを含む複数の動作モードを有する撮像部と、
前記複数の動作モードのうちのいずれか1つを選択する動作モード設定部と、
前記サーバから、前記車両の利用予約情報を受け取る通信部と
を有する
車両利用システム。
(19)前記撮像装置は、認証部をさらに有し、
前記撮像画像は顔画像を含み、
前記車両は、ドアと、前記ドアの解錠を制御する解錠制御部とをさらに有し、
前記認証部は、前記撮像画像に基づいて認証処理を行い、
前記解錠制御部は、前記認証処理の処理結果に基づいて前記ドアを解錠する
前記(18)に記載の車両利用システム。
(20)前記車両は、ドアと、前記ドアの解錠を制御する解錠制御部とをさらに有し、
前記撮像画像は顔画像を含み、
前記サーバは、前記撮像画像に基づいて認証処理を行い、
前記通信部は、前記撮像画像を前記サーバに供給するとともに、前記認証処理の処理結果を受け取り、
前記解錠制御部は、前記認証処理の処理結果に基づいて前記ドアを解錠する
前記(18)に記載の車両利用システム。
(21)撮像装置を有する車両と、
サーバと
を備え、
前記撮像装置は、
消費電力を低減可能な第1の動作モードと、撮像画像を生成する第2の動作モードとを含む複数の動作モードを有する撮像部と、
前記複数の動作モードのうちのいずれか1つを選択する動作モード設定部と、
前記サーバに前記撮像画像を供給可能な通信部と
を有する
車両監視システム。
(22)前記撮像装置は、認証部をさらに有し、
前記撮像画像は顔画像を含み、
前記認証部は、前記撮像画像に基づいて認証処理を行い、
前記通信部は、前記認証処理が失敗した場合に、前記サーバに前記撮像画像を供給する
前記(21)に記載の車両監視システム。
(23)前記撮像画像は顔画像を含み、
前記サーバは、前記撮像画像に基づいて認証処理を行い、
前記通信部は、前記撮像画像を前記サーバに供給するとともに、前記認証処理の処理結果を受け取る
前記(21)に記載の車両監視システム。
(24)携帯端末をさらに備え、
前記サーバは、前記認証処理が失敗した場合に、前記撮像画像を前記携帯端末に供給する
前記(22)または(23)に記載の車両監視システム。
【0240】
本出願は、日本国特許庁において2017年6月27日に出願された日本特許出願番号2017-124837号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
【0241】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。