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特許7193485ミクロトームおよびミクロトーム試料ヘッドの位置決め方法
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  • 特許-ミクロトームおよびミクロトーム試料ヘッドの位置決め方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】ミクロトームおよびミクロトーム試料ヘッドの位置決め方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/06 20060101AFI20221213BHJP
【FI】
G01N1/06 A
G01N1/06 L
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019570072
(86)(22)【出願日】2018-11-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-15
(86)【国際出願番号】 EP2018082578
(87)【国際公開番号】W WO2019105894
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】102017128491.5
(32)【優先日】2017-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500113648
【氏名又は名称】ライカ ビオズュステムス ヌスロッホ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】ハインリッヒ、マルク-オリヴァー
【審査官】西浦 昌哉
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-503731(JP,A)
【文献】特開2014-025934(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0245728(US,A1)
【文献】特開2000-283899(JP,A)
【文献】特開2009-244265(JP,A)
【文献】特開平05-340851(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0036667(US,A1)
【文献】特表2004-515780(JP,A)
【文献】特表2017-519200(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第00762104(EP,A1)
【文献】米国特許第09606026(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00- 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断ナイフ(4)と、該切断ナイフ(4)に対し相対的に可動な試料ヘッド(5)を含む、ミクロトームであって、
該ミクロトームは、
前記試料ヘッド(5)の電動運動のための電気駆動装置(16)と、
目標位置(z1)における前記試料ヘッド(5)の存在を検出するためのセンサ(21)と、
前記電気駆動装置(16)を制御するための及び前記センサ(21)の信号を処理するための制御装置(18)
を含み、
前記制御装置(18)は、前記試料ヘッド(5)を動かすように及び前記目標位置(z1)における前記試料ヘッド(5)の存在の検出に応答して前記試料ヘッド(5)を停止させるように前記電気駆動装置(16)を制御するよう構成されている、
ミクロトーム。
【請求項2】
前記試料ヘッド(5)を手動で動かすために、機械式ドライブトレイン(15)を介して前記試料ヘッド(5)に結合されているハンドホイール(8)を備える、
請求項1に記載のミクロトーム。
【請求項3】
前記センサ(21)は前記ハンドホイール(8)の位置を検出するよう構成されている、
請求項2に記載のミクロトーム。
【請求項4】
前記センサ(21)は回転角センサである、
請求項3に記載のミクロトーム。
【請求項5】
前記機械式ドライブトレイン(15)はクランク機構を含む、
請求項2から4のいずれか1項に記載のミクロトーム。
【請求項6】
前記センサ(21)は前記クランク機構の死点位置を検出するよう構成されている、
請求項5に記載のミクロトーム。
【請求項7】
ミクロトームは、前記目標位置(z1)の前方の位置に前記試料ヘッド(5)の存在を検出するための更なるセンサ(19)を備える、
請求項1から6のいずれか1項に記載のミクロトーム。
【請求項8】
前記制御装置(18)は、最初に第一速度で前記試料ヘッド(5)を動かし、前記目標位置(z1)の前方の前記位置における前記試料ヘッド(5)の存在の検出に応答して、前記第一速度より遅い第二速度で前記試料ヘッド(5)を動かすように前記電気駆動装置(16)を制御するよう構成されている、
請求項7に記載のミクロトーム。
【請求項9】
前記制御装置(18)は、前記試料ヘッド(5)の停止後に、試料ヘッド上に存在する試料の撮像、ナイフの自動交換及び試料ホルダの自動交換から選択される1つまたは複数の機能を実行するように構成されている、
請求項1から8のいずれか1項に記載のミクロトーム。
【請求項10】
ミクロトーム(1)の試料ヘッド(5)を目標位置(z1)に位置決めする方法であって、
前記試料ヘッド(5)は、電気駆動装置(16)によって、前記ミクロトーム(1)の切断ナイフ(4)に対して相対的に動かされ、
前記試料ヘッド(5)が前記目標位置(z1)に存在することがセンサ(21)によって検出されると、前記試料ヘッド(5)は停止される、
方法。
【請求項11】
機械式ドライブトレイン(15)を介して前記試料ヘッド(5)に結合されているハンドホイール(8)の位置は前記センサ(21)によって検出されること、
を特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
クランク機構として構成された前記機械式ドライブトレイン(15)の死点位置が検出されること、
を特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記試料ヘッド(5)は、前記電気駆動装置(16)によって、前記ミクロトーム(1)の前記切断ナイフ(4)に対して相対的に、最初に第一速度で動かされ、次に、前記目標位置(z1)へ接近する際、前記第一速度より遅い第二速度で動かされること、
を特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記試料ヘッド(5)の停止後、試料ヘッド上に存在する試料の撮像、ナイフの自動交換及び試料ホルダの自動交換から選択される1つまたは複数の機能が作動されること、
を特徴とする請求項10から13のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切断ナイフと、該切断ナイフに対して相対的に可動な試料ヘッドを含むミクロトーム、及び、ミクロトームの試料ヘッドを目標位置に位置決めする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ミクロトームは、操作者の作業負荷を減らし、容易な取り扱いを確保するために、一層自動化されている。更に、スループットは、相応に自動化されたミクロトームによって向上されることができる。ミクロトームの自動化のために、ミクロトームは、試料を切断ナイフ際にもたらすための電動送り機構(Zustellmechanismen)だけではなく、試料と切断ナイフとの間の切断運動を引き起こす電動駆動システムも備える。
【0003】
ディスク式ミクロトーム(Scheibenmikrotom)として構成されたそのようなミクロトームは例えばWO98/04898A1に記載されている。
【0004】
別のタイプのものは回転式ミクロトーム(Rotationsmikrotom)という名称で知られており、例えばUS5,065,657に記載されている。回転式ミクロトームは、通常、切断されるべき試料を保持する試料ヘッドを備える。試料ヘッドは、回転式ミクロトームでは、通常、垂直方向で上下に動く。この垂直方向運動中に、切断されるべき試料は、回転式ミクロトーム内に固定的に配置されている切断ナイフ際を通過する。垂直方向運動は、ハンドホイールによって駆動されるクランク機構(Kurbelbetrieb)によって引き起こすことができる。クランク機構は、ハンドホイールの回転運動を試料ヘッドの垂直方向運動に変換する。
【0005】
US6,598,507B1は、薄切片を作製するためのそのような電動回転式ミクロトームを記載しており、この場合、切断(切片)は、試料と切断ナイフとの間の相対運動によって引き起こされる。切断運動を引き起こすために、モータ、制御ユニットおよびハンドホイールを含む駆動システムが設けられている。ハンドホイールは、ハンドホイールの相応の回転信号を制御ユニットに出力するインクリメンタルトランスデューサ(Inkrementalgeber)を備える。次いで、モータは制御ユニットによって相応に制御され、それによって、切断運動を引き起こす。
【0006】
US8,640,585B2は、滑走式ミクロトーム(Schlittenmikrotom)を使用して試料の連続画像を生成する装置を開示している。試料は試料ホルダに配置され、ナイフは試料の上方で切断方向に動かされる。ナイフの上方には、丁度生成された試料の切断面の相応の画像を取得するためのカメラを備えた顕微鏡が配置されている。
【0007】
US3,884,563Aは、連続画像取得(連続撮像)を可能にするために、乾燥凍結試料から有機材料の連続薄切片を回転ナイフによって切断(生成)するミクロトームを記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】WO98/04898A1
【文献】US5,065,657
【文献】US6,598,507B1
【文献】US8,640,585B2
【文献】US3,884,563A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
例えばそのような連続画像取得を可能にするために、回転式ミクロトームにおいて試料ヘッドを可及的に正確に位置決めすることが可能であることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に応じ、切断ナイフと該切断ナイフに対して相対的に可動な試料ヘッドを含むミクロトーム及びミクロトームの試料ヘッドを目標位置に位置決めする方法であって、夫々独立請求項の特徴を有するものが提案される。
即ち、本発明の第1の視点により、切断ナイフと、該切断ナイフに対し相対的に可動な試料ヘッドを含む、ミクロトームが提供される。該ミクロトームは、
前記試料ヘッドの電動運動のための電気駆動装置と、
目標位置における前記試料ヘッドの存在を検出するためのセンサと、
前記電気駆動装置を制御するための及び前記センサの信号を処理するための制御装置
を含み、
前記制御装置は、前記試料ヘッドを動かすように及び前記目標位置における前記試料ヘッドの存在の検出に応答して前記試料ヘッドを停止させるように前記電気駆動装置を制御するよう構成されていることを特徴とする(形態1)。
更に、本発明の第2の視点により、ミクロトームの試料ヘッドを目標位置に位置決めする方法が提供される。該方法において、
前記試料ヘッドは、電気駆動装置によって、前記ミクロトームの切断ナイフに対して相対的に動かされ、
前記試料ヘッドが前記目標位置に存在することがセンサによって検出されると、前記試料ヘッドは停止されること、を特徴とする(形態10)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
有利な実施形態は従属請求項及び以下の説明の対象である。
ここに、本発明の好ましい形態を示す。
(形態1)上記本発明の第1の視点参照。
(形態2)形態1のミクロトームは、前記試料ヘッドを手動で動かすために、機械式ドライブトレインを介して前記試料ヘッドに結合されているハンドホイールを備えることが好ましい。
(形態3)形態2のミクロトームにおいて、前記センサは前記ハンドホイールの位置を検出するよう構成されていることが好ましい。
(形態4)形態3のミクロトームにおいて、前記センサは回転角センサであることが好ましい。
(形態5)形態2~4の何れかのミクロトームにおいて、前記機械式ドライブトレインはクランク機構を含むことが好ましい。
(形態6)形態5のミクロトームにおいて、前記センサは前記クランク機構の死点位置を検出するよう構成されていることが好ましい。
(形態7)形態1~6の何れかのミクロトームにおいて、ミクロトームは、前記目標位置の前方の位置に前記試料ヘッドの存在を検出するための更なるセンサを備えることが好ましい。
(形態8)形態7のミクロトームにおいて、前記制御装置は、最初に第一速度で前記試料ヘッドを動かし、前記目標位置の前方の前記位置における前記試料ヘッドの存在の検出に応答して、前記第一速度より遅い第二速度で前記試料ヘッドを動かすように前記電気駆動装置を制御するよう構成されていることが好ましい。
(形態9)形態1~8の何れかのミクロトームにおいて、前記制御装置は、前記試料ヘッドの停止後に、試料ヘッド上に存在する試料の撮像、ナイフの自動交換及び試料ホルダの自動交換から選択される1つまたは複数の機能を実行するように構成されていることが好ましい。
(形態10)上記本発明の第2の視点参照。
(形態11)形態10の方法において、機械式ドライブトレインを介して前記試料ヘッドに結合されているハンドホイールの位置は前記センサによって検出されることが好ましい。
(形態12)形態11の方法において、クランク機構として構成された前記機械式ドライブトレインの死点位置が検出されることが好ましい。
(形態13)形態10~12の何れかの方法において、前記試料ヘッドは、前記電気駆動装置によって、前記ミクロトームの前記切断ナイフに対して相対的に、最初に第一速度で動かされ、次に、前記目標位置へ接近する際、前記第一速度より遅い第二速度で動かされることが好ましい。
(形態14)形態10~13の何れかの方法において、前記試料ヘッドの停止後、試料ヘッド上に存在する試料の撮像、ナイフの自動交換及び試料ホルダの自動交換から選択される1つまたは複数の機能が作動されることが好ましい。

【0012】
ミクロトームは、試料ヘッドの電動運動(モータ駆動による運動)のための電気駆動装置と、目標位置における試料ヘッドの存在を検出するためのセンサと、電気駆動装置の制御のための及びセンサの信号の処理のための制御装置を備える。制御装置は、試料ヘッドを動かすように及び目標位置における試料ヘッドの存在の検出に応答して試料ヘッドを停止するように、電気駆動装置を制御するよう構成されている。
【0013】
相応に、本発明の方法の枠内において、試料ヘッドは、電気駆動装置によって、切断ナイフに対して相対的に動かされる。試料ヘッドが目標位置に存在することがセンサによって検出されると、試料ヘッドは停止される。本発明のミクロトーム及び本発明の方法の利点および好ましい実施形態は、以下の説明から相応に明らかになる。
【0014】
本発明は、試料ヘッドを所望の位置に確実に到達させることを可能にするための、更には、この位置における試料ヘッドの到達及び停止のための高い再現精度(Wiederholgenauigkeit)を達成するための可能性を提供する。制御ユニットは、試料ヘッドが所望の目標位置に高い精度かつ高い再現精度で移動可能であるよう、センサが当該位置における試料ヘッドの存在を認識(検出)するとすぐに、電気駆動装置を、したがって、試料ヘッドの運動を停止させると好都合である。
【0015】
試料ヘッドには、対象物ないし試料が配置可能であると好都合である。電気駆動装置は、例えば、電気モータとして、特にステッピングモータとして、構成可能である。電気駆動装置による試料ヘッドの運動によって、対象物はナイフの刃(エッジ)上に導かれることができ、試料の切片(複数;Schnitte)が生成されることができる。
【0016】
例えば、試料ヘッド、したがって試料は、各切断の実行後に、高い再現精度で正確に目標位置に移動されることができる。この目標位置は、特に、試料ヘッドおよび試料ヘッド上に配置される試料が極めて(最も)良好に到達可能な(zugaenglich)位置とすることができる。この目標位置への高精度で確実な到達によって、とりわけ、常に同じ目標位置における切片(複数)の連続画像取得(連続撮像)を提供することを可能にすることができる。したがって、高い再現精度で、例えば各切断後に目標位置における試料の写真画像を取得することができ、例えば、複数の画像を重ねて3次元画像を生成したりフィルム(動画)として再生したりすることができ、それによって、試料の3次元的印象を得ることができる。
【0017】
有利には、ミクロトームは、試料ヘッドに機械式ドライブトレイン(駆動伝達系)、特にクランク機構を介して結合される、試料ヘッドを手動で動かすためのハンドホイールを有する。ハンドホイールは、回動可能に(軸受)支持されることができ、ハンドルを有することができると好都合である。ハンドホイールの手動での回転によって、試料ヘッドは動かされ、それによって、試料はナイフの刃(エッジ)上に導かれる。ハンドホイールの回転運動は、機械式ドライブトレインを介して、とりわけ試料ヘッドの垂直方向上下運動に変換される。
【0018】
センサは、有利には、ハンドホイールの位置を検出するよう構成されている。有利には、センサによって、機械式ドライブトレインを介して試料ヘッドに結合されているハンドホイールの位置が検出される。これは、ハンドホイールの回転運動と試料ヘッドの垂直方向運動との間にとりわけ正弦関係が存在するため、とりわけ試料ヘッド位置の格別に高精度な検出をもたらす。ハンドホイールの実際の位置ないしハンドホイールの回転運動の実際の角度位置から、試料ヘッドの実際の位置を正確に求める(決定する)こと、及び、目標位置における試料ヘッドの存在を高信頼性で認識する(検出する)ことができる。
【0019】
センサは、好ましくは回転角センサである。このような回転角センサによって、ハンドホイールの回転運動の実際位置または実際角度位置を正確に検出することができる。ハンドホイールの回転運動は試料ヘッドの運動と直接に相関するため、試料ヘッドの実際位置を正確に求める(決定する)ことができる。
【0020】
有利には、機械式ドライブトレインはクランク機構を含む。ハンドホイールはこのクランク機構のクランクシャフトに回転不能に結合されると好都合であり、そのため、ハンドホイールの回転によって、クランクシャフトも回転される。クランクシャフトの対応する回転運動は、例えば、コネクティングロッド(Pleuel)を介して、試料ヘッドの垂直方向運動に変換される。
【0021】
本発明の好ましい一実施形態に応じ、センサはクランク機構の死点位置(Totpunktstellung)を検出するよう構成されている。したがって、有利には、クランク機構として構成された機械式ドライブトレインの死点位置が検出される。これは格別に高精度の検出をもたらす。なぜなら、クランク機構のないしクランク機構のクランクシャフトの回転運動と試料ヘッドの運動との間に、特に、死点の領域において、特に上死点の領域において、格別にフラット(平ら)である正弦関係(正弦曲線の推移)が存在するからである。
【0022】
有利には、ミクロトームは、目標位置の前方の位置において試料ヘッドの存在を検出するために更なるセンサを有する。このセンサは、例えば、光障壁式センサ(物体が光ビームを横切ることを検出するセンサ:Lichtschranke)またはマグネットスイッチ(Magnetschalter)として構成可能であり、試料ヘッドは、例えば、対応するトリガタブ(Ausloesefahne)または対応するトリガマグネット(Ausloesemagneten)を備えることができる。したがって、この更なるセンサによって、試料ヘッドが目標位置に接近し、この目標位置にまもなく到達すること(とき)を認識する(検出する)ことができる。したがって、ミクロトームは、試料ヘッドの運動を間もなく停止させるために適時に準備することができる。
【0023】
好ましい一実施形態に応じ、制御装置は、最初に第一速度で試料ヘッドを動かし、目標位置の前方の位置における試料ヘッドの存在の検出に応答して、第一速度より遅い第二速度で試料ヘッドを動かすように、電気駆動装置を制御するよう構成されている。したがって、試料ヘッドは、電気駆動装置によって、ミクロトームの切断ナイフに対し相対的に、最初に第一速度で動かされ、次いで、目標位置に接近する際に、より遅い第二速度で動されると有利である。したがって、試料ヘッドは、試料ヘッドが目標位置の前方の位置に存在すること、従って目標位置に接近していることが認識(検出)されるまで、まず、より大きい第一速度で迅速に動かされる。その後、試料ヘッドの速度は減少され、試料ヘッドは、目標位置における試料ヘッドの正確な停止を可能にするために、より遅い第二速度で動かされる。
【0024】
好ましくは、制御装置は、試料ヘッドの停止後、1つまたは複数の機能を実行するように構成される。そのため、試料ヘッドの停止後、有利には、1つまたは複数の機能が、特に試料ヘッド上に存在する対象物(試料)の撮像が作動(トリガ)される。したがって、例えば、試料の切片(複数)の連続画像取得(連続撮像)を常に同じ目標位置において自動的に実行(生成)することができる。例えば、ナイフの自動交換および/または、新たな試料を処理に供するための、試料ホルダの自動交換も、そのような更なる機能として行うことができる。
【0025】
本発明のさらなる利点および実施形態は以下の説明および添付の図面から明らかになる。
【0026】
上記に列挙された特徴および以下において説明されるべき各特徴は、それぞれ示された組み合わせだけではなく、本発明の範囲から逸脱することなく、他の任意の組み合わせでまたは個別に使用可能であると理解されるべきである。
【0027】
ここに、本発明の可能な態様を付記する。
[付記1]切断ナイフと、該切断ナイフに対し相対的に可動な試料ヘッドを含む、ミクロトーム。
該ミクロトームは、
前記試料ヘッドの電動運動のための電気駆動装置と、
目標位置における前記試料ヘッドの存在を検出するためのセンサと、
前記電気駆動装置を制御するための及び前記センサの信号を処理するための制御装置
を含む。
前記制御装置は、前記試料ヘッドを動かすように及び前記目標位置における前記試料ヘッドの存在の検出に応答して前記試料ヘッドを停止させるように前記電気駆動装置を制御するよう構成されている。
[付記2]上記のミクロトームは、前記試料ヘッドを手動で動かすために、機械式ドライブトレインを介して前記試料ヘッドに結合されているハンドホイールを備える。
[付記3]上記のミクロトームにおいて、前記センサは前記ハンドホイールの位置を検出するよう構成されている。
[付記4]上記のミクロトームにおいて、前記センサは回転角センサである。
[付記5]上記のミクロトームにおいて、前記機械式ドライブトレインはクランク機構を含む。
[付記6]上記のミクロトームにおいて、前記センサは前記クランク機構の死点位置を検出するよう構成されている。
[付記7]上記のミクロトームにおいて、ミクロトームは、前記目標位置の前方の位置に前記試料ヘッドの存在を検出するための更なるセンサを備える。
[付記8]上記のミクロトームにおいて、前記制御装置は、最初に第一速度で前記試料ヘッドを動かし、前記目標位置の前方の前記位置における前記試料ヘッドの存在の検出に応答して、前記第一速度より遅い第二速度で前記試料ヘッドを動かすように前記電気駆動装置を制御するよう構成されている。
[付記9]上記のミクロトームにおいて、前記制御装置は、前記試料ヘッドの停止後に、1つまたは複数の機能を実行するように構成されている。
[付記10]ミクロトームの試料ヘッドを目標位置に位置決めする方法。
前記試料ヘッドは、電気駆動装置によって、前記ミクロトームの切断ナイフに対して相対的に動かされる。
前記試料ヘッドが前記目標位置に存在することがセンサによって検出されると、前記試料ヘッドは停止される。
[付記11]上記の方法において、機械式ドライブトレインを介して前記試料ヘッドに結合されているハンドホイールの位置は前記センサによって検出される。
[付記12]上記の方法において、クランク機構として構成された前記機械式ドライブトレインの死点位置が検出される。
[付記13]上記の方法において、前記試料ヘッドは、前記電気駆動装置によって、前記ミクロトームの前記切断ナイフに対して相対的に、最初に第一速度で動かされ、次に、前記目標位置へ接近する際、前記第一速度より遅い第二速度で動かされる。
[付記14]上記の方法において、前記試料ヘッドの停止後、1つまたは複数の機能が、特に前記試料ヘッドに存在する試料の撮像が、作動される。
本発明は、一実施形態に基づいて図面に概略的に記載されているが、以下に図面を参照して詳細に説明される。
なお、特許請求の範囲に付記した図面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものであり、本発明を図示の態様に限定することは意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】回転式ミクロトームの一例の斜視図。
図2】本発明の好ましい一実施形態に応じた回転式ミクロトームの一例のドライブトレインの模式図。
図3】本発明の好ましい一実施形態のフローチャートの一例。
【実施例
【0029】
図1は、ミクロトームハウジング2と、切断ナイフ4を受容するためのナイフホルダ3を含むミクロトーム1の一例を示す。対象物(試料)7はその試料ホルダ6と共に、キャリッジ(スライダ)として構成され両矢印方向に可動な試料ヘッド5上に配置されている。ミクロトーム1には、ハンドルグリップ9を有し回転自在に(軸受)支持されたハンドホイール8が配されている。ハンドホイール8における回転によって、試料ヘッド5は動かされ、対象物7はナイフ4の刃(エッジ)上に導される。
【0030】
図2にも示されるように、ハンドホイール8は例えばクランク機構15(US5,065,657参照)のような機械式ドライブトレインを介して試料ヘッド5に結合されることができる。この場合、ハンドホイールはクランク機構15のクランクシャフト14に回転不能に結合されており、そのため、ハンドホイール8の回転によって、クランクシャフト14も回転される。
【0031】
試料ヘッド5の電動の(モータ駆動による)上下運動(すなわち切断運動)のために、更に、例えばステッピングモータとして構成される電気モータ16が設けられている。この電気モータ16は、例えばベルトドライブとして構成される機械式ドライブトレイン17を介してハンドホイール8またはクランクシャフト14に結合されている。ハンドホイール8ないしクランクシャフト14からモータ16を切り離すためのクラッチ(連結装置)を設けることも可能である。クラッチはとりわけ手動での切断のために開放されるため、この場合、ハンドホイールを電気モータの抵抗に抗して手動で回転させる必要はない。モータ16は、ミクロトーム構成要素(複数)を制御するよう構成された(ハウジング2の内部の)制御ユニット18によって制御される。
【0032】
制御ユニット18には制御ライン22を介して外部コントロールパネル(Bedienpult)10が接続されている。コントロールパネル10は、数値入力のためのキーパッド11と、連続的に変化可能な入力のための回転式コントローラ13と、所定のスイッチ位置及び運転状態を入力するためのスイッチ12を有する。
【0033】
試料ヘッド5は、付加的に、(切断ナイフの方向における)前方および後方に直線的に運動可能に構成されるが、そのために、機械式または電気式ドライブトレインを有するハンドホイール(不図示)と電気モータを設けることも可能である。切片厚および所謂「対象物後退(Objektrueckzug)」(試料ヘッドが、下方位置から再び上方位置へ移動される前に、所定の距離を置いてナイフの刃(エッジ)際を通り過ぎるよう、一旦後退させられること)は、このドライブトレインを介して実現される。そのために、試料ヘッドは、付加的に、直線的に可動に、例えばキャリッジに、支持される。電気式ドライブトレインは、例えば、ハンドホイールに回転運動を検出するためのインクリメンタルトランスデューサが配属され(割り当てられ)、このトランスデューサの信号が制御ユニットに供給され、次いで、制御ユニットがこれらの信号に依存して電気モータを制御するようにして、実現される(具現化される)ことができる。
【0034】
ここで、上下運動のためのドライブトレインについて、図2を参照してより詳細に説明する。クランク機構15によって、試料ヘッド5は、下方位置z0と上方位置z1との間で走行(運動)可能である。制御ユニット18には、試料ヘッド5の存在を検出する上部センサ19および下部センサ20が接続されている。センサ19、20は、例えば、光障壁式センサまたはマグネットスイッチとして構成されることができる。これに対応して、試料ヘッド5は、例えばトリガタブまたはトリガマグネットを備えることができる。
【0035】
上部センサ19と下部センサ20との間の距離はいわゆる切断ウィンドウを定義する。なお、このウィンドウ内において、試料7は切断ナイフ4際を通過するよう案内される。切断ウィンドウの内部では、とりわけ、切断ナイフ4に対する相対的な試料ヘッド5の速度は、きれいな(正確な:sauber)切片を確保するために、遅いことが望ましい。これに対し、切断ウィンドウの外部では、すなわちとりわけ試料ヘッド5の上方への戻り走行(運動)の際には、より高い速度で走行することができる。
【0036】
本発明は、付加的に、試料ヘッド5が所望の位置に確実に到達することを可能にするための解決策を提供する。この位置は、とりわけ、試料ヘッド5および該試料ヘッド上に配された試料7が極めて(最も)良好に到達可能な(zugaenglich)上方位置z1である。とりわけ常に同じ位置における切片(複数)の連続撮像を可能にするために、高精度でこの位置に到達することが望ましい。
【0037】
そのために、本発明のここに記載される好ましい一実施形態に応じ、ミクロトーム1は、特に機械式ドライブトレインは、所望の位置における試料ヘッド5の存在を認識する(検出する)更なるセンサ21を備えている。センサ21は制御ユニット18に接続されており、制御ユニットは、センサ21が試料ヘッド5を検出するとすぐにモータ16を停止させる。
【0038】
本発明のここに記載される好ましい一実施形態に応じ、センサ21は、ハンドホイール8の位置、従ってクランクシャフト14の位置、従って試料ヘッド5の位置を検出するために、ハンドホイール8に配属されている(関連付けられている)。これは格別に高精度の検出をもたらす。なぜなら、ハンドホイール8の回転運動と試料ヘッド5の垂直方向運動との間には、この例において関連する上死点の領域において格別に平ら(フラット)である正弦関係が存在するからである。この措置によって、試料ヘッド位置についての1~2μmの再現精度を達成(実現)することができる。センサ21は、特に回転角センサとして構成されることができる。
【0039】
試料ヘッド5がこの位置にあると、このことはセンサ21によって検出され、制御ユニット18へ通知(伝達)される。制御ユニット18は、モータ16を停止させることに加えて、更なる機能を、例えば試料の表面の撮像を、作動することができる。このために、制御ユニット18には、カメラ23の作動ないしトリガラインも接続することができる。
【0040】
代替的にまたは付加的に、新たな試料7を処理に供するために、試料ホルダ6の自動的交換を実行することができ、または、その位置は、ナイフ交換位置へと、可動の試料ヘッド5とナイフ4との間に可及的に大きな距離を形成するよう、移動される。
【0041】
高い再現精度によって、各切断後に(1つの)写真画像を取得することができる。複数の画像は、試料の3次元印象が得られるよう、重ね合わされて3次元画像を生成したり、フィルム(動画)として再生されたりすることができる。
【0042】
本発明は、更に、滑走式ミクロトームにおいて使用されることができる。これらの2種類のミクロトームは夫々クライオスタットに組み込むことも可能である。この場合、写真撮影装置の配設は、カプセル化によりクライオスタットチャンバ内で実行可能であり、またはミラー装置を介してクライオスタットチャンバの外部において実現可能である。
【0043】
ここで、格別な高精度を達成(実現)可能である本発明の方法の好ましい一実施形態について、図3を参照して説明する。
【0044】
ステップ100では、試料ヘッド5は位置z1にある。
【0045】
ステップ101では、試料ヘッド5は、センサ19によって検出されるまで、したがって切断ウィンドウに入るまで、第一速度(送り速度)で下方に動かされる。
【0046】
ステップ102では、この(第一)速度は第二速度(切断速度)に低下される。そのため、試料ヘッド5は、センサ20によって検出されるまで、したがって切断ウィンドウを去るまで、よりゆっくりと(より遅く)更に下方に動かされる。その間に、切断が行われる。
【0047】
ステップ103では、速度は再び第一速度に増大され、試料ヘッド5は、下死点z0に到達するまで、さらに下方に動かされる。
【0048】
ステップ104では、試料ヘッド5は、今度は、直線的に後方に動かされる。
【0049】
ステップ105では、試料ヘッド5は、センサ19によって再度検出されるまで、第一速度で、ナイフの後方を通り過ぎて上方へ動かされる。
【0050】
ステップ106では、本発明の好ましい一実施形態に応じ、速度は再び、好ましくは第二速度に、低下され、試料ヘッド5は、上死点z1に到達し、同時にセンサ21が応答するまで、さらに上方へ動かされる。
【0051】
ステップ107では、電気モータ16は停止され、1つ以上の所望の機能、特に連続画像を生成するための機能、が作動される。
【0052】
該機能の終了後、試料表面の特に連続画像を全体的に取得することができるよう、このプロセス(オペレーション:Ablauf)は好ましくは始めから開始される。
図1
図2
図3