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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20221213BHJP
【FI】
A63F7/02 326C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020203320
(22)【出願日】2020-12-08
(65)【公開番号】P2022090794
(43)【公開日】2022-06-20
【審査請求日】2022-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 優
【審査官】堀 圭史
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-010899(JP,A)
【文献】特開2015-042309(JP,A)
【文献】特開2009-125166(JP,A)
【文献】特開2011-224312(JP,A)
【文献】特開2013-022077(JP,A)
【文献】特開2019-076165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外枠と、
前記外枠に対して開閉可能な遊技機本体と、
前記遊技機本体に設けられた第1部品と、
前記外枠に設けられた第2部品と、を備え、
前記第1部品と前記第2部品とは、対となっており、
前記遊技機本体を開放状態とすると、前記第1部品と前記第2部品とが離間した状態となり、
前記遊技機本体を閉鎖状態とすると、前記第1部品と前記第2部品とが接続または近接した状態となり、
前記外枠における前記第2部品の前方に、左右方向の一方から他方に向けて下方に傾斜する傾斜部が設けられている
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記外枠における前記傾斜部の前方に、上方に向かって突出し、左右方向に沿って延在する壁部が設けられており、
前記壁部の高さが、前記傾斜部における少なくとも下側の部分の高さよりも高くなっている
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記壁部の上端部に、前方に向かって突出する凸部が左右方向に沿って設けられており、
前記遊技機本体における前記第1部品よりも下方に、前方に向かって凹む凹部が左右方向に沿って設けられており、
前記遊技機本体を閉鎖状態とすると、前記凸部が前記凹部の内側に収容される
ことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、遊技盤および発射装置等を備えたパチンコ遊技機が知られている。パチンコ遊技機では、遊技球(遊技媒体)が遊技盤の前面に設けられた遊技領域に発射され、遊技球が、遊技領域に設けられている入賞口に進入したことに基づき、遊技者に遊技上の利益が付与される。
【0003】
このような遊技機に代表される所定の遊技機は、外枠に対して前枠(内枠)が開閉可能となっている。また、特許文献1には、外枠の下部にスピーカーユニットを設けることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-87764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、遊技機では、部品の破損を抑制することが求められている。
【0006】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、部品の破損を抑制することができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の遊技機は、
外枠と、
前記外枠に対して開閉可能な遊技機本体と、
前記遊技機本体に設けられた第1部品と、
前記外枠に設けられた第2部品と、を備え、
前記第1部品と前記第2部品とは、対となっており、
前記遊技機本体を開放状態とすると、前記第1部品と前記第2部品とが離間した状態となり、
前記遊技機本体を閉鎖状態とすると、前記第1部品と前記第2部品とが接続または近接した状態となり、
前記外枠における前記第2部品の前方に、左右方向の一方から他方に向けて下方に傾斜する傾斜部が設けられている。
【0008】
このような構成によれば、前記外枠における前記第2部品の前方に、左右方向の一方から他方に向けて下方に傾斜する傾斜部が設けられているため、前記第2部品の前方に遊技球が到達した場合であっても、当該遊技球はその場に留まらず、右側または左側へと移動(転動)する。このため、前記外枠に対して前記遊技機本体を閉じる際に(閉鎖状態とする際に)、前記第1部品と前記第2部品との間に遊技球が挟み込まれるのを防止できる。これにより、遊技球が挟み込まれることにより、部品が破損するのを防止できる。
【0009】
また、本発明の前記構成において、
前記外枠における前記傾斜部の前方に、上方に向かって突出し、左右方向に沿って延在する壁部が設けられており、
前記壁部の高さが、前記傾斜部における少なくとも下側の部分の高さよりも高くなっている。
【0010】
前記壁部の高さが、前記傾斜部における少なくとも下側の部分の高さよりも高くなっているため、前記傾斜部を下る遊技球の前方側への移動が規制される。これにより、前記傾斜部を下る遊技球を安定させ、遊技球を右側または左側へと、より確実に導くことができる。
【0011】
また、本発明の前記構成において、
前記壁部の上端部に、前方に向かって突出する凸部が左右方向に沿って設けられており、
前記遊技機本体における前記第1部品よりも下方に、前方に向かって凹む凹部が左右方向に沿って設けられており、
前記遊技機本体を閉鎖状態とすると、前記凸部が前記凹部の内側に収容される。
【0012】
前記遊技機本体を閉鎖状態とすると、前記凸部が、前記凹部の内側に収容される。換言すると、前記凸部が、前記凹部にくわえ込まれるようになっている。このため、仮に、前記外枠と前記遊技機本体との間の隙間からピアノ線等の部材を差し込んだ場合であっても、遊技機の内部に至る経路が屈曲を繰り返す複雑な経路となっているため、遊技機の内部にアクセスすることは困難である。これにより、当該隙間を利用して不正が行われるのを抑制できる。また、遊技球の転動を規制する機能と、不正を防ぐ機能とを1つの部材(前記壁部)で実現することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、部品の破損を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、外枠に対して前枠および内枠が開放された状態を示す斜視図である。
図2】同、遊技盤を示すもので、正面側から見た図である。
図3】同、遊技機を正面側から見た概略図である。
図4】同、外枠を示すもので、前方から見た斜視図である。
図5】同、本体枠の一部を示すもので、背面側から見た図である
図6】同、第1部品と第2部品との接続状態を示す概略断面図である。
図7】同、第1コネクタの可動域を説明するための図である。
図8】同、外枠の一部を示すもので、前方側から見た斜視図である。
図9】同、くわえ込み構造について説明するための概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態では遊技機の一つであるパチンコ遊技機について説明するが、その他の遊技機であってもよい。以下の説明において、基本的に「前後」とは、パチンコ遊技機の前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、パチンコ遊技機側が「後」を意味し、「上下」とはパチンコ遊技機の上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とは遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。なお、本発明はその発明の範囲内において、各構成の自由な組み合わせ、あるいは各構成の任意の変形、もしくは各構成の省略が可能である。
【0016】
図1は、遊技機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。
遊技機100(パチンコ遊技機100)は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けて遊技機100による遊技を行う。なお、遊技機100における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。
【0017】
遊技機100は、外枠102と、本体枠400(遊技機本体)と、を備えている。外枠102は、略矩形枠状(縦長の矩形枠状)に形成されている。本体枠400は、外枠102に対して着脱可能(開閉自在)(開閉可能)となっている。換言すると、本体枠400は、外枠102に設けられた開口部を塞ぐ閉位置(閉鎖状態)と、外枠102に設けられた開口部を開放する開位置(開放状態)との間で開閉する。
【0018】
本体枠400は、内枠104(中扉)(中枠)と、前枠106(前扉)(ガラス扉枠)と、を備えている。内枠104は、外枠102と同様に略矩形枠状に形成されており、ヒンジ機構を介して外枠102に開閉自在に取り付けられている。また、前枠106は、ヒンジ機構を介して内枠104に開閉自在に取り付けられている。内枠104は、遊技盤108(遊技盤ユニット)を保持している。遊技盤ユニットは、前枠106を前方へ開放した状態において、内枠104(内枠アセンブリ)に対して着脱可能となっている。内枠104という場合、単に枠状部材を指すものであってもよく、当該枠状部材と当該枠状部材に設けられる部品(遊技盤108等)とが一体となったユニット(内枠ユニット)を指すものであってもよい。同様に、前枠106という場合、単に枠状部材を指すものであってもよく、当該枠状部材と当該枠状部材に設けられるすべての部品(意匠部材等)とが一体となったユニット(扉ユニット)を指してもよい。
【0019】
前枠106は、ガラスユニット110を保持している。換言すると、前枠106には、ガラスユニット110が取り付けられている。具体的には、前枠106の中央に窓部が設けられており、その窓部にガラスユニット110が取り付けられている。ガラスユニット110としては、例えば窓の形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものがある。なお、本実施形態では、ガラスユニット110を用いるものとするが、樹脂製のものであってもよい。
【0020】
外枠102に対して本体枠400(内枠104および前枠106)を閉じた状態において、遊技盤108とガラスユニット110とが所定の間隔(隙間)を介して略平行に対面する。ガラスユニット110は、遊技盤108との間に遊技球が流下する空間を形成する。また、ガラスユニット110は、正面側からの遊技盤108の視認を可能とする。また、ガラスユニット110は、遊技者による遊技盤108への接触を防止する。
【0021】
遊技機100は、遊技の進行中等に演出を行う演出装置を備えている。演出装置としては、演出表示装置114、演出役物装置119、音出力装置118(図3で示す)、演出照明装置120、および演出操作装置138(図3で示す)等がある。演出装置は、内枠104内に設けられた制御基板に制御され、所定の演出を実行する。
【0022】
演出表示装置114としては液晶表示装置がある。演出表示装置114は、内枠104内における、遊技盤108の背面側に設けられている。演出表示装置114は、画像を表示する画像表示部を備えている。遊技盤108には、厚さ方向(前後方向)に貫通する貫通孔108a(図2参照)が形成されており、演出表示装置114は、貫通孔108aを介して画像表示部が露出するように配置されている。これにより、正面側から画像表示部に表示される画像を視認可能となる。
【0023】
演出役物装置119としては可動装置がある。演出役物装置119は、内枠104内において演出表示装置114よりも前面に配置され、通常、遊技盤108の背面側等に退避しているが、遊技の進行中等に、演出表示装置114の前面まで可動(移動)する。これにより、遊技者に大当たりの期待感等が付与される。
【0024】
演出照明装置120としては、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプがある。演出照明装置120は、前枠106の前面側に設けられており、例えば、ガラスユニット110を囲むように複数設けられている。演出照明装置120は、LED等を備えており、例えば演出表示装置114に表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。
【0025】
図3は、遊技機100を正面側から見た概略図である。
演出操作装置138は、前枠106の前面側に設けられている。演出操作装置138は、演出に関する操作を受け付け(入力)可能に構成された演出操作部を備えている。演出操作部としては、押し込み操作(押下操作)が可能に形成されたボタンや、傾動操作が可能に形成されたレバー等がある。演出操作部が操作されると、演出内容(演出表示装置114の表示等)が切り替わったり、所定の演出が発生したりするようになっている。
【0026】
なお、前枠106には、受皿ユニット139やハンドルユニット140等が設けられている。受皿ユニット139は、前方側(遊技者側)へ突出した(膨出した)形状を有しており、受皿を備えている。受皿は、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や、入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留可能に形成されている。また、受皿は、遊技球を発射装置(図示せず)に供給可能に保持するように形成されている。
【0027】
ハンドルユニット140は、前方側(遊技者側)に向かって突出し、回転操作可能に形成されたハンドルを備えている。ハンドルを回転させる操作(発射操作)が行われると、ハンドルの回転角度(操作角度)(回転操作量)に応じた強度(射出力)(勢い)で発射装置から遊技球が発射(弾球)されるようになっている。
【0028】
また、本体枠400おける右側には、鍵部137(シリンダ)が設けられている。所定の鍵を鍵部137に差し込んだ状態で反時計回りに回転させる(捻る)と、前枠106を前方側に開放させることができ、時計回りに回転させると、本体枠400(すなわち前枠106および内枠104)を前方側に開放させることができる。
【0029】
音出力装置118としてはスピーカがある。図示を省略しているが、スピーカは、複数設けられており、例えば遊技機100の上部側等にも配置されている。スピーカは、演出表示装置114に表示される画像等に合わせて、遊技機100の正面側に向けて音、音声、BGM等を出力する。以下、外枠102の下部に設けられているスピーカを、スピーカ118として説明する。
【0030】
図2は、遊技盤108を正面側から見た図である。
遊技盤(遊技板)108は、正面から見て略四角形状を有する盤状(板状)の部材であり、例えば透明な合成樹脂(アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂)等で形成されている。遊技盤108には、略円形状の外レール114bと、外レール114bの内側に外レール114bに沿うように円弧状に形成された内レール114aと、が設けられている。発射装置から発射された遊技球は、内レール114aと外レール114bとの間を上昇して、遊技領域116に導かれるようになっている。
遊技領域116は、遊技盤108とガラスユニット110との間に形成される空間であって、遊技球が移動(転動)可能な領域となっている。遊技盤108には、多数の遊技釘や風車が設けられており、遊技領域116に導かれた遊技球が遊技釘や風車に衝突して、不規則な方向に移動するようになっている。
【0031】
外レール114bは、遊技盤108の下方から左上方に向けて時計回り方向に延びているとともに、遊技盤108の上下方向の略中央から右上方に向けて時計回り方向に延びている。外レール114bは、遊技盤108における下部から上部にわたって湾曲して延在しており、遊技領域116を囲繞形成している。換言すると、外レール114bに囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域116となる。また、内レール114aは、遊技盤108における左側であって、遊技領域116において外レール114bよりも内側となる位置に設けられている。
【0032】
遊技領域116は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にし、遊技球の打ち分けが可能となっている第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116bを含む。第1遊技領域116aは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の左側に位置し、第2遊技領域116bは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の右側に位置している。外レール114bおよび内レール114aが、遊技領域116の左側にあることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第1遊技領域116a(左打ち領域)に進入し、発射機構によって所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第2遊技領域116b(右打ち領域)に進入することとなる。ここで、図3に示すハンドルユニット140のハンドルを操作して遊技球を第1遊技領域116aに打ち込むことを、左打ちを行うと称し、操作ハンドル340を操作して遊技球を第2遊技領域116bに打ち込むことを、右打ちを実行すると称する。
【0033】
また、遊技領域116には、遊技球が入球可能な(入球部としての)一般入賞口123および始動入賞口121(始動口)が設けられている。一般入賞口123および始動入賞口121に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球(入賞により獲得した遊技球)が遊技者に払い出される。なお、賞球数は1個以上であれば何個でもよい。また、一般入賞口123、始動入賞口121のそれぞれで払い出す賞球数を異ならせてもよいし、同じ賞球数に設定してもよい。
【0034】
始動入賞口121は、遊技領域116における下側の中央(左右方向中央)に設けられている。具体的な説明を省略するが、始動入賞口121に遊技球が入球すると、所定の遊技利益を付与するか否かを決定する大役抽選が行われ、大役抽選で大当たりに当選すると大役遊技が実行される。大役遊技は、複数回のラウンド遊技で構成されており、各ラウンド遊技中は、大入賞口(図示せず)が開放される。大入賞口は、第2遊技領域116bに設けられている。各ラウンド遊技は、その開始から所定時間が経過するか、もしくは、予め設定された上限数の遊技球が大入賞口に入球すると終了する。大入賞口に遊技球が入球すると、所定数の賞球が遊技者に払い出されることから、大役遊技の実行により、遊技者は多量の賞球を獲得することができる。
【0035】
また、遊技領域116の最下部にはアウト口122(排出口)が設けられている。一般入賞口123、始動入賞口121、および大入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球は、アウト口122を介して遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出される。
【0036】
なお、遊技領域116には、左打ち領域116aと右打ち領域116bとを繋ぐ上部通路114cが含まれている。本実施形態では、上部通路114cは、貫通孔108aの上方に設けられている。
【0037】
本実施形態に係る遊技機は、メイン制御基板(主制御基板)およびサブ制御基板(副制御基板)を含む制御基板によって制御される。そして、メイン制御基板やサブ制御基板等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAM等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0038】
メイン制御基板は、入力手段(各種センサ等)からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、出力手段(払出装置等)の動作制御を行う。
【0039】
サブ制御基板(演出制御基板)は、メイン制御基板から送られてくるコマンドや、後述する演出操作装置138に対する操作を検出する演出操作センサからの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、演出装置の動作制御を行う。
【0040】
図4は、外枠102(外枠ユニット)を前方から見た斜視図である。外枠102は、上板、下板、右側板および左側板によって囲まれた開口部を備えている。また、外枠102の開口部の下部には幕板210(幕板ユニット)が設けられている。幕板210は上下方向に所定の幅を有しており、外枠102の開口部の下側を埋めるように配置(固定)されている。幕板210は、樹脂で形成されている。
【0041】
幕板210は、前方側に位置する第1幕板211と、後方側に位置する第2幕板212とを備えており、中空状(箱形状)に形成されている。幕板210は、第1幕板211と第2幕板212とを前後から合わせる(組み合わせる)ことにより形成される。幕板210の内部には、スピーカ118が配置(内蔵)されている。スピーカ118は、音声が遊技者側に出力されるように配置されている。幕板210(第1幕板211)の前面における、スピーカ118と対向する位置には開口部が設けられており、この開口部を介してスピーカ118からの音声が前方へ出力される。
なお、幕板210の内部に配置されているスピーカ118は、音が出力される装置(音出力装置)であればよい。例えば、スピーカ118として、サブウーハーが用いられてもよい。
【0042】
幕板210(第2幕板212)の上部(上面)における右側には、第2コネクタ312が設けられている。本実施形態では、第2コネクタ312は基板(図示せず)に実装(配置)されている。当該基板には、第2コネクタ312とは異なるコネクタ(図示せず)が実装されており、当該コネクタに配線(図示せず)が接続されている。当該配線は、スピーカ118と接続されている。すなわち、第2コネクタ312は、配線を含む他の部品を介してスピーカ118と接続されている。
なお、第2コネクタ312は基板に実装されていなくてもよく、第2コネクタ312とスピーカ118とが配線を介して直接接続されているものであってもよい。
【0043】
第2コネクタ312は、後述する第1コネクタ311との嵌合部(嵌合面)は露出しているが、他の面は第2幕板212(幕板210)に覆われている。換言すると、第2コネクタ312は、嵌合面を露出させた状態で、第2幕板212(幕板210)の内部に収容されている。以下、幕板210における、第2コネクタ312が収容されている箇所を、第2コネクタ収容部220と呼ぶ。
【0044】
図5は、本体枠400(内枠104)の背面の一部(左下部)を示す図である。図5では、本体枠400の背面に正対した場合における右手側を右とし、左手側を左とする。本体枠400の背面における左下部であって、外枠102の第2コネクタ312と対応(対向)する位置には、第1コネクタ311が設けられている。第1コネクタ311は、配線(図示せず)を介して所定の制御基板に接続されている。本実施形態では、第1コネクタ311が配線を介して音声制御基板(音制御基板)に接続されている。音声制御基板は、例えば、音声再生部、帯域フィルタ、増幅部等を備えている。また、音声制御基板は配線を介してサブ制御基板に接続されている。
なお、本実施形態では、第1コネクタ311が音声制御基板を介してサブ制御基板に接続されているものとするが、音声制御基板を介さずにサブ制御基板に接続されていてもよい。
【0045】
第1コネクタ311と、第2コネクタ312とはコネクタユニット(ドッキングコネクタ)を構成している。外枠102に対して本体枠400を開放した状態(開放状態)では、第1コネクタ311と第2コネクタ312とが嵌合せず(離間し)、非接続状態(第2状態)となる。換言すると、音声制御基板(サブ制御基板)とスピーカ118とが電気的に接続されていない状態となる。
【0046】
図6は、外枠102に対して本体枠400を閉鎖した状態(閉鎖状態)を示すもので、右側から見た概略断面図である。閉鎖状態では、第1コネクタ311と第2コネクタ312とが嵌合し(接続し)、接続状態(第1状態)となる。換言すると、音声制御基板(サブ制御基板)とスピーカ118とが電気的に接続された状態となる。これにより、音声制御基板(サブ制御基板)から出力される信号に基づいてスピーカ118の制御(駆動)が可能な状態となる。換言すると、サブ制御基板からの指令に基づいてスピーカ118から音を出力することが可能な状態となる。
【0047】
本実施形態では、第1コネクタ311と第2コネクタ312とが対向するように設けられているが、コネクタの位置(相対位置)が設計位置に対して僅かにずれる場合がある。その要因としては、部品組付け時の精度(バラつき)や経年劣化等がある。コネクタの相対位置に僅かなずれが生じた場合、第1コネクタ311と第2コネクタ312とを接続(嵌合)させることができない(接続不良の発生)という問題が生じ得る。
【0048】
上記に鑑み、本実施形態のコネクタユニットは、位置ずれ吸収機構を有している。本実施形態では、一方のコネクタである第1コネクタ311が位置ずれ吸収機構を有している。図7に示すように、第1コネクタ311は、可動域(可動領域)を有しており、基準位置(中央位置)から、上下方向、左右方向および斜め方向の各方向に、所定の距離(約1.4mm)だけ移動(揺動)可能となっている。第1コネクタ311は、2箇所においてねじ締めが施されているが、ねじ穴の直径がねじ(ねじ部、軸部)の直径よりも大きく形成されており、所定の方向に移動可能(可動可能)となっている。なお、可動域は、ダンパーや弾性部材等によって実現されていてもよい。
【0049】
第1コネクタ311が位置ずれ吸収機構を有しているため、コネクタの相対位置に僅かなずれが生じた場合であっても、第1コネクタ311が移動して当該ずれが吸収される。したがって、第1コネクタ311と第2コネクタ312とを確実に嵌合させることができる。これにより、第1コネクタ311と第2コネクタ312との接続不良が発生するのを防止できる。
なお、本実施形態では、第1コネクタ311が位置ずれ吸収機構を有するものとしたが、第1コネクタ311および第2コネクタ312のうちのいずれか一方が位置ずれ吸収機構を有するものとしてもよい。
【0050】
また、本実施形態では、第1コネクタ311の凸部が、第2コネクタ312の凹部に挿入されるようになっているが、第1コネクタ311の凸部の先端に面取りが施されている。このように面取りを施すことで、凸部が凹部の縁に接触した際に、よりスムーズに凸部(第1コネクタ311)の位置が規制される。換言すると、コネクタの位置ずれがより吸収されやすいとものとなる。
なお、図7に示すように、第1コネクタ311における所定の角部に、遊技機100の後方側に向かって突出する棒状のガイドピンPをさらに設けてもよい。第1コネクタ311(ガイドピンPを除く部分)は、ガイドピンPを中心として回転可能となっている。ガイドピンPを設けることで、第1コネクタ311の凸部を第2コネクタ312の凹部に挿入する際に回転方向の動き(回転)がより規制されやすいものとなる。これにより、第1コネクタ311を第2コネクタ312に、よりスムーズに嵌合させることができる。
【0051】
図5に示すように、本体枠400の背面に正対した場合における、第1コネクタ311の右側(すなわち本体枠400の回転軸側)には、外枠102に対する本体枠400の開放、閉鎖を検出する検出スイッチ320(本体開放スイッチ)が設けられている。検出スイッチ320は、遊技機100の後方側に向かって突出する円柱状の突出部321を備えており、押し込み可能(押圧可能)に形成されている。検出スイッチ320は、突出部321に物体が接触して押し込まれた状態では、内部の回路がON状態となり、ONを示す信号(ON信号)を所定の制御基板(例えばメイン制御基板やサブ制御基板等)に出力する。一方、検出スイッチ320は、突出部321に物体が接触せずに押し込まれていない状態では、内部の回路がOFF状態となり、OFFを示す信号(OFF信号)を所定の制御基板に出力する。
検出スイッチ320からOFFを示す信号(OFF信号)が出力されると、所定の制御基板(メイン制御基板等)は、遊技機本体(本体枠400)(内枠104)が開放していることを示す信号(遊技機本体(内枠)開放信号)を演出制御基板(サブ制御基板)に出力する。演出制御基板は、当該信号を受信すると、遊技機本体(内枠)の開放を報知する演出を実行する。具体的には、演出表示装置114(液晶表示装置)や、音出力装置118(スピーカ)、演出照明装置120(ランプ)等を介して遊技機本体の開放を報知する演出が実行される。また、遊技機本体(内枠)が開放していることは、遊技機100から出力される外部情報信号によって、遊技店(遊技場)に設けられたホールコンピュータに通知可能となっている。換言すると、遊技機100は、遊技機本体(内枠)の開放(開放状態)を検出すると、当該開放を示す外部情報信号を、遊技店に設けられたホールコンピュータに出力可能となっている。ホールコンピュータは遊技機の状態を監視するために設けられている。
なお、検出スイッチ320は、突出部321が押し込まれた状態(押下状態)では、導通状態となり、突出部321が押し込まれていない状態(非押下状態)では開放状態となる。そして、所定の制御基板が、検出スイッチ320の端子間電圧を検出し、検出スイッチ320がON状態であるかOFF状態であるかを判定している。
【0052】
また、図4に示すように、幕板210(第2幕板212)の上部における第2コネクタ312(第2コネクタ収容部220)の左側(外枠102におけるヒンジ102a側)であって、本体枠400の検出スイッチ320と対向する位置には、押下部221(押下面)が設けられている。押下部221は、検出スイッチ320の突出部321と接触可能に形成されている。
【0053】
押下部221は、正面(前方)から見て略四角形状を有し、前面が平面部となっている。また、押下部221は、隣接する第2コネクタ収容部220と一体に形成されている。換言すると、押下部221は、第2コネクタ収容部220の左側に、第2コネクタ収容部220と連続するように形成されている(第2コネクタ収容部220を左方に延長するようにして形成されている)。このように、押下部221を第2コネクタ収容部220と一体に形成することで、別部品とする場合に比べて、部品点数を減らすことができる。また、押下部221を別部品とする場合に生じる、押下部221の組み付け作業を省略できる。
【0054】
なお、押下部221を、例えば、外枠102の右側板から内側に延びる金属製の部位(部品)として形成することも可能である。ただし、押下部221を金属製とした場合、寸法(厚さ)の微調整が困難となる。これに対し、本実施形態では、幕板210(第2幕板212)の形状の一部を押下部221としている。換言すると、押下部221を幕板210(第2幕板212)と一体に形成し、樹脂製としている。このため、寸法(厚さ)の微調整が容易である。したがって、寸法を微調整し、検出スイッチ320の検出精度をより向上させることができる。
【0055】
第1コネクタ311と第2コネクタ312とが嵌合すると、検出スイッチ320の突出部321が押下部221によって押し込まれ、検出スイッチ320がON状態となる(ON信号が出力される)。
【0056】
本体枠400が開放状態である場合、検出スイッチ320の突出部321と、押下部221とが離間した状態(第2状態)となり、検出スイッチ320がOFF状態となる(OFF信号が出力される)。演出制御基板は、検出スイッチ320がOFF状態であることを検出すると(すなわち本体枠400が開放状態であることを検出すると)、例えば、スピーカ118に対して信号を出力しないように制御する。なお、本体枠400(遊技機本体)が開放状態である場合、スピーカ118に対して信号が出力されず、スピーカ118からは音(音声)等が出力されないが、他のスピーカからは、遊技機本体(内枠)の開放を報知する音(音声)等が出力されるようになっている。
【0057】
一方、本体枠400が閉鎖状態である場合、図6に示すように、第1コネクタ311と第2コネクタ312とが嵌合するとともに、検出スイッチ320の突出部321が押下部221によって押し込まれた状態(検出スイッチ320の突出部321と押下部221が接触(接続)した状態)(第1状態)となり、検出スイッチ320がON状態となる(ON信号が出力される)。演出制御基板は、検出スイッチ320がON状態であることを検出すると(すなわち本体枠400が閉鎖状態であることを検出すると)、例えば、スピーカ118に対して信号を出力するように制御する。
【0058】
なお、本実施形態では、検出スイッチ320として、押下部221と接触したか否かによって出力する信号が切り替わるスイッチを示したが、例えば、検出スイッチ320として、非接触型のスイッチ(センサ)を用いてもよい。例えば、検出スイッチ320を赤外線距離センサとし、押下部221を赤外線距離センサから出力される赤外光の反射部とし、センサと反射部との間の距離が測定されるようにしてもよい。その場合、当該距離が閾値以上であるか否かによって、出力信号が切り替わるようにしてもよい。本体枠400が開放状態である場合、センサと反射部とが離間した状態(第2状態)となり、両者の間の距離が閾値以上となるため、検出スイッチ320からOFF信号が出力される。一方、本体枠400が閉鎖状態である場合、スイッチと反射部とが近接した状態(第1状態)となり、両者の間の距離が閾値未満となるため、検出スイッチ320からON信号が出力される。
【0059】
図8は、外枠102の右下部を、前方から見た斜視図である。第1幕板211の幕板上面211aは、後方から前方に向けて下方に向かうように傾斜する傾斜面となっている。この傾斜は、後述する内枠104の下板104aの誘い込みとなっている。また、当該下板104aとの干渉を回避するための傾斜(テーパー面)とも言える。
【0060】
幕板上面211a(第1幕板211)における後方側の端部には、上方に向かって突出し、左右方向に沿って延在する壁部211b(不正防止壁部)が設けられている。壁部211bは、その上端部から前方に向かって所定の長さ突出する凸部211c(返し形状部)(折り返し形状部)を有している。凸部211cは、左右方向に沿って設けられている。
【0061】
図9は、第1コネクタ311と第2コネクタ312とが嵌合している箇所を、右側から見た概略断面図である。内枠104(本体枠400)の最下部には、左右方向に延在する板状(壁状)の下板104aが設けられている。この下板104aは、閉鎖状態において、第1幕板211の幕板上面211aと所定の隙間を介して対向するようになっている。換言すると、下板104aと幕板上面211aとは、合わせ面となっている。また、下板104aから所定の距離だけ上方となる位置に、下板104aと所定の隙間を介して対向する壁部104bが設けられている。壁部104bは、下板104aと対向する面を有し、かつ後方側に向かって凸となっている。壁部104bは、例えば、壁状に設けられていてもよく、他の形状の一部として設けられていてもよい。
【0062】
内枠104(本体枠400)には、上下方向に離間する一対の壁部(下板104aおよび壁部104b)が設けられ、前方に向かって凹む凹部330が形成されていると言える。凹部330は、内枠104の背面側に、左右方向に沿って設けられている。
なお、凹部330は、上下方向において、第1コネクタ311および検出スイッチ320よりも下方に設けられている。また、凸部211cを有する壁部211bは、上下方向において、第2コネクタ312および押下部221よりも下方に設けられている。
【0063】
外枠102に対して内枠104(本体枠400)を閉じた状態(閉鎖状態)において、凸部211cは、凹部330(下板104aと壁部104bとの間)に収容されるようになっている。換言すると、外枠102の形状の一部(凸部211c)が、内枠104に設けられた形状(凹部330)に、くわえ込まれるようになっている。
【0064】
上述のとおり、内枠104の下板104aと第1幕板211(外枠102)の幕板上面211aとの間には隙間が形成される。このため、当該隙間からピアノ線等の部材を差し込み(挿し込み)、遊技機100の内部にアクセスする不正行為が行われる可能性がある。本実施形態では、内枠104の下板104aと第1幕板211の幕板上面211aとの合わせ部分に、くわえ込み形状(くわえ込み構造)を採用しているため、当該隙間から遊技機100の内部へと至る経路が、屈曲を繰り返す複雑な経路となっている。換言すると、当該隙間からピアノ線等の部材を直線的に差し込んでも内部にアクセスすることできない経路となっている。よって、当該隙間からピアノ線等の部材を差し込んだ場合であっても、遊技機100の内部にアクセスすることはできない。これにより、内枠104(本体枠400)と外枠102との隙間を利用して不正が行われるのを抑制できる。
【0065】
なお、凸部211cを有する壁部211bを第1不正防止部とし、凹部330を第2不正防止部とし、第1不正防止部と第2不正防止部とにより不正防止部が構成されていると称してもよい。
【0066】
本実施形態において、第1コネクタ311と第2コネクタ312とは、対となっている部品(対となって機能する部品)であり、検出スイッチ320と押下部221とは、対となっている部品(対となって機能する部品)である。
以下、第1コネクタ311および検出スイッチ320のうちの少なくとも一方を「第1部品」と呼ぶ。また、第2コネクタ312および押下部221のうちの少なくとも一方を「第2部品」と呼ぶ。第1部品が第1コネクタ311を指す場合には、第2部品は第2コネクタ312を指すものとする。また、第1部品が検出スイッチ320を指す場合には、第2部品は押下部221を指すものとする。本実施形態では、本体枠400を開放状態とすると、第1部品と第2部品とが離間した状態となる。一方、本体枠400を閉鎖状態とすると、第1部品と第2部品とが接続(接触)または近接した状態となる。
【0067】
図8を用いて説明する。外枠102に対して本体枠400を閉じる際に(本体枠400を開放状態から閉鎖状態とする際に)、仮に第2部品の前方(前方となる位置)に遊技球が留まっている場合、第1部品と第2部品との間に遊技球が挟み込まれ、挟み込みの衝撃によって、部品が破損するおそれがある。
【0068】
本実施形態では、幕板210(第2幕板212)の上部であって、第2部品の前方(第2部品の下側の前方に)傾斜部230が形成されている。傾斜部230は、幕板210(第2幕板212)と一体となるように樹脂で形成されている。傾斜部230は、左右方向において、一方から他方に向けて下側(下方)に向かうように傾斜している。換言すると、傾斜部230は、左方または右方へと遊技球を転動可能に形成されている。さらに換言すると、遊技球は傾斜部230に沿って転がる(移動する)ことが可能である。
【0069】
本実施形態では、傾斜部230として2つの傾斜部が設けられている。具体的には、(1)左右方向において、左側から右側に向けて下方に傾斜する右傾斜部231と、(2)右側から左側に向けて下方に傾斜する左傾斜部232と、が設けられている。右傾斜部231は、水平面に対する傾斜面の傾斜角が約5°となっている。また、左傾斜部232は、水平面に対する傾斜面の傾斜角が約3°となっている。遊技球の移動(転動)を促す観点から、傾斜部230の傾斜角は2.5°以上であることが好ましく、3°以上であることがより好ましく、5°以上であることがさらに好ましい。なお、傾斜面の左右方向の長さは、左傾斜部232の方が右傾斜部231よりも長くなっている。
【0070】
右傾斜部231は、第2コネクタ312の右側部分の前方に設けられている。したがって、第2コネクタ312の右側部分の前方に到達した遊技球は、その場に留まることなく、右傾斜部231を下って(降りて)右側へと移動(転動)する。また、左傾斜部232は、第2コネクタ312の左側部分の前方と押下部221の前方とに設けられている。したがって、第2コネクタ312の左側部分の前方または押下部221の前方に到達した遊技球は、その場に留まることなく、左傾斜部232を下って(降りて)左側へと移動(転動)する。右傾斜部231または左傾斜部232を下った遊技球は、後方側へと移動する(後方側へ排出される)ようになっている。なお、右傾斜部231または左傾斜部232を下った遊技球が、本体枠400に押し出されて後方側へ排出されるようになっていてもよい。
【0071】
このように形成された傾斜部230は、球留まり防止部とも言える。本実施形態では、外枠102(幕板210)の形状の一部が球留まり防止部となっている。第2部品の前方(前方となる位置)に傾斜部230が設けられているため、第2部品の前方に遊技球が存在(到達)したとしても、遊技球はその場に留まらず、右側または左側へと移動する。したがって、外枠102に対して本体枠400を閉じる際に、第1部品と第2部品との間に遊技球が挟み込まれるのを防止できる。これにより、遊技球が挟み込まれることにより部品が破損するのを防止できる。
【0072】
なお、本実施形態では、第2部品の前方に2つの傾斜部(右傾斜部231および左傾斜部232)を設けたが、傾斜部は、第2部品の前方に少なくとも1つ設けられていればよい。1つの傾斜部が設けられている場合、遊技球は、右側または左側のいずれかに転がることとなる。ただし、本実施形態のように、2つの傾斜部(右傾斜部231および左傾斜部232)を設けた場合、傾斜部を1つとした場合に比べて、傾斜部の左右方向の長さをより短くすることができる。傾斜部の左右方向の長さをより短くした場合、傾斜面の勾配(水平面に対する角度)をより大きくすることができ、勾配を大きくするほど、遊技球のよりスムーズな移動(転動)を実現できる。
【0073】
第2部品の前方であって、傾斜部230よりも前方には壁部211bが設けられている。壁部211bの上面は、前後方向に所定の幅(長さ)を有しているが、当該幅は、遊技球(直径:約11mm)の半径未満となっており、遊技球がその場に留まることが不可能な幅となっている。また、壁部211bの上面は、後方から前方に向けて下方に向かうように傾斜している。したがって、仮に壁部211bの上面に遊技球が到達しても、遊技球はその場に留まらずに前方へと転がり、手前側に落下する。このため、壁部211bの上面に存在する遊技球を挟み込むことはない。
なお、壁部211bの上面の傾斜は、例えば約1°としてもよい。また、壁部211bにおける凸部211cの先端に面取り(図9参照)が施されていてもよい。この面取りは、本体枠400の壁部104b(図9参照)の誘い込みとなっていてもよい。
【0074】
また、第2部品の前方であって、傾斜部230および壁部211bよりも前方には、第1幕板211の幕板上面211aが設けられている。上述のとおり、幕板上面211aは、後方から前方に向けて下方に向かうように傾斜する傾斜面となっている。したがって、仮に幕板上面211aの上に遊技球が到達しても、遊技球はその場に留まらずに前方へと転がり、手前側に落下する。このため、幕板上面211aの上面に存在する遊技球を挟み込むことはない。
【0075】
なお、壁部211bの高さ(幕板上面211aからの高さ)を、遊技球の半径以上であり直径未満としてもよい。その場合、本体枠400を閉じる際に、幕板上面211aに遊技球が存在していても、当該遊技球は本体枠400に押されて後方へと移動し、壁部211bを乗り越えることが可能である。そして、当該遊技球は、傾斜部230に到達して、右側または左側へと移動する。
【0076】
ここで、図8に示すように、右傾斜部231の上端を上端231aとし、左傾斜部232の上端を上端232aとする。本実施形態では、左右方向において、上端231aと上端232aとが離間しており、両者の間に平面部が形成されているものとする。ただし、上端231aと上端232aとが一致するように形成されており、当該平面部は形成されていなくてもよい。
本実施形態において、当該平面部は、遊技球が留まることができない大きさ(面積)となっており、当該平面部に到達した遊技球は右傾斜部231または左傾斜部232のいずれかに導かれるようになっている。なお、当該平面部に、後方から前方に向けて下方に向かう傾斜が設けられていてもよい。当該傾斜の傾斜角度は、例えば約1°としてもよい。
【0077】
また、右傾斜部231および左傾斜部232は、左右方向における傾斜に加え、前後方向における傾斜を有していてもよい。その場合、前後方向における傾斜は、左右方向における傾斜(傾斜面の傾斜)よりも小さく、例えば約1°としてもよい。
【0078】
壁部211bの高さは、上端231aの高さおよび上端232aの高さと同等であるか、あるいはそれらの高さよりも僅かに高くなっている。なお、壁部211bの高さが、上端231aの高さおよび上端232aの高さよりも僅かに低くなっていてもよい。また、壁部211bの高さは、傾斜部230(右傾斜部231および左傾斜部232)における少なくとも下側(下端側)の部分(下端部を含む部分)の高さよりも高くなっている。
本実施形態では、壁部211bの高さは、傾斜部230(傾斜面)における上下方向の中間部分の高さよりも高くなっている。このため、右傾斜部231または左傾斜部232を下り始めた遊技球は、壁部211b(第1幕板211の形状の一部)によって、前方側へと転がらないように規制(ガイド)される。換言すると、右側または左側へと転がる遊技球の前方への転がりが防止される。これにより、遊技球を右側または左側へと確実に移動させることができる。換言すると、傾斜を下る遊技球の移動を安定させることができる。この場合、不正防止壁部としての壁部211bが、球留まり防止部としても機能していると言える。すなわち、壁部211bは、ピアノ線等の差し込みを防ぐ機能を果たすとともに、傾斜部230を下る遊技球を左右に導く機能を果たしている。
【0079】
本実施形態では、傾斜部230(右傾斜部231および左傾斜部232)の前後方向(遊技球が下る方向と垂直な方向)の幅(長さ)は、遊技球の半径以上なっており、遊技球の直径未満となっている。このため、当該幅が、遊技球の直径以上確保されている場合に比べて、壁部211bが果たすガイドとしての機能(役割)がより大きいものとなっている。
なお、図9では、傾斜部230と壁部211bとの間に溝Gが設けられているが、この溝Gは設けられていなくてもよい。すなわち、傾斜部230の前方側の端部(端面)と壁部211bの背面とが当接していてもよい。
【0080】
また、本実施形態では、傾斜部230が第2幕板212に設けられているものとしたが、これに限らず、第1幕板211に設けられていてもよい。また、幕板210が、2つの部材(第1幕板211および第2幕板212)により形成されているものとしたが、1部材で一体に形成されていてもよい。
【0081】
本実施形態の遊技機は、
外枠と、
前記外枠に対して開閉可能な遊技機本体と、
前記遊技機本体に設けられた第1部品と、
前記外枠に設けられた第2部品と、を備え、
前記第1部品と前記第2部品とは、対となっており、
前記遊技機本体を開放状態とすると、前記第1部品と前記第2部品とが離間した状態となり、
前記遊技機本体を閉鎖状態とすると、前記第1部品と前記第2部品とが接続または近接した状態となり、
前記外枠における前記第2部品の前方に、左右方向の一方から他方に向けて下方に傾斜する(左方または右方への遊技球の転動を可能とする)傾斜部が設けられている。
【0082】
前記外枠における前記第2部品の前方に、左右方向の一方から他方に向けて下方に傾斜する傾斜部が設けられているため、前記第2部品の前方に遊技球が到達した場合であっても、当該遊技球はその場に留まらず、右側または左側へと移動(転動)する。このため、前記外枠に対して前記遊技機本体を閉じる際に(閉鎖状態とする際に)、前記第1部品と前記第2部品との間に遊技球が挟み込まれるのを防止できる。これにより、遊技球が挟み込まれることにより、部品が破損するのを防止できる。
【0083】
また、本実施形態の遊技機において、
前記外枠における前記傾斜部の前方に、上方に向かって突出し、左右方向に沿って延在する壁部が設けられており、
前記壁部の高さが、前記傾斜部における少なくとも下側の部分の高さよりも高くなっている。
【0084】
前記壁部の高さが、前記傾斜部における少なくとも下側の部分の高さよりも高くなっているため、前記傾斜部を下る遊技球の前方側への移動が規制される。これにより、前記傾斜部を下る遊技球を安定させ、遊技球を右側または左側へと、より確実に導くことができる。
【0085】
また、本実施形態の遊技機において、
前記壁部の上端部に、前方に向かって突出する凸部が左右方向に沿って設けられており、
前記遊技機本体における前記第1部品よりも下方に、前方に向かって凹む凹部が左右方向に沿って設けられており、
前記遊技機本体を閉鎖状態とすると、前記凸部が前記凹部の内側に収容される。
【0086】
前記遊技機本体を閉鎖状態とすると、前記凸部が、前記凹部の内側に収容される。換言すると、前記凸部が、前記凹部にくわえ込まれるようになっている。このため、仮に、前記外枠と前記遊技機本体との間の隙間からピアノ線等の部材を差し込んだ場合であっても、遊技機の内部に至る経路が屈曲を繰り返す複雑な経路となっているため、遊技機の内部にアクセスすることは困難である。これにより、当該隙間を利用して不正が行われるのを抑制できる。また、遊技球の転動を規制する機能と、不正を防ぐ機能とを1つの部材(前記壁部)で実現することができる。
【0087】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、パチンコ遊技機の構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。本発明は発明の範囲内において、任意の構成要素の変形、もしくは任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0088】
102 外枠
211b 壁部
211c 凸部
330 凹部
230 傾斜部
221 押下部(第2部品)
400 本体枠(遊技機本体)
311 第1コネクタ(第1部品)
312 第2コネクタ(第2部品)
320 検出スイッチ(第1部品)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9