(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】IV調合システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20221213BHJP
G16H 20/10 20180101ALI20221213BHJP
【FI】
A61J3/00 310K
G16H20/10
(21)【出願番号】P 2020529543
(86)(22)【出願日】2018-11-30
(86)【国際出願番号】 US2018063500
(87)【国際公開番号】W WO2019109052
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2021-10-11
(32)【優先日】2017-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505411125
【氏名又は名称】オムニセル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】マカッチャン、ラリー
(72)【発明者】
【氏名】マムラ、スタンリー
(72)【発明者】
【氏名】マーシュ、チャールズ
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-296912(JP,A)
【文献】特開2004-208842(JP,A)
【文献】特表2017-534995(JP,A)
【文献】特表2007-515213(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0078231(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0156294(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0210437(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0094653(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/00
G16H 20/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を調合するためのコンピュータ
により実行される方法であって、
電子ディスプレイ上に提示されたユーザインタフェースに
、複数のワークフロータイプのリストを提示することであって、前記複数のワークフロータイプのうちの少なくともいくつかは、完成した調合された医薬品が送達される媒体の種類によっ
て区別され
る、複数のワークフロータイプのリストを
提示すること、
前記複数のワークフロータイプのうちの1つ
の選択
を受信すること、
前記ユーザインタフェースにおいて、複数の調合デバイスタイプのリストを
提示すること、
前記複数の調合デバイスタイプのうちの1つ
の選択
を受信すること、
前記ユーザインタフェースにおいて、選択されたワークフロータイプの送達媒体
で送達される医薬品を、選択されたデバイスタイプ
の調合デバイスを用いて調合するのに適用可能な複数のオプション
を提示すること、
前記オプションのうちの1つまたは複数
の選択
を受信すること、
前記ユーザインタフェースにおいて、選択されたオプションに従って、選択されたデバイスタイプ
の調合デバイスを用いて、選択されたワークフロータイプの送達媒体
で送達される医薬品を調合するための自動的に構築されたワークフローを
提示することであって、前記ワークフローは、前記構築されたワークフローに従って調合される特定の医薬品によって決定される情報のためのプレースホルダーを含む、
提示すること、
前記構築されたワークフローに従って調合される特定の医薬品を指定する
選択を受信すること、
前記ユーザインタフェースにおいて、前記特定の医薬品に関する情報を前記構築されたワークフロー
の前記プレースホルダーに挿入することにより、前記構築されたワークフローか
ら調合プロトコルを
自動的に構築すること、
前記調合プロトコル
を前記選択された調合デバイスタイプの調合デバイスに送信
することにより、前記調合デバイスに、前記調合プロトコルに従って、前記選択されたワークフロータイプの送達媒体で送達される指定された医薬品を調合させること、
を含む
、方法。
【請求項2】
前記送達媒体は、IVバッグである、請求項1に記載
の方法。
【請求項3】
前記送達媒体は、注射器である、請求項
1に記載
の方法。
【請求項4】
医薬品調合のためのシステムであって、
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
電子ディスプレイ上に
複数のワークフロータイプを提示することであって、前記複数のワークフロータイプのうちの少なくともいくつかは、完成した調合された医薬品が送達される媒体の種類によっ
て区別され
る、複数のワークフロータイプを提示すること、
前記ワークフロータイプのうちの1つの選択をユーザから受信すること、
選択されたワークフロータイプの送達媒体
で送達される医薬品を調合するのに適用可能な複数のオプションを前記電子ディスプレイに提示すること、
前記オプションのうちの1つまたは複数の選択を前記ユーザから受信すること、
選択されたオプションに従って、前記選択されたワークフロータイプの送達媒体
で送達される医薬品を調合するためのワークフローを自動的に構築すること
を実施するように構成されている、システム。
【請求項5】
前記選択されたワークフロータイプの送達媒体
で送達される医薬品を調合するためのワークフローを自動的に構築することは、
異なるオプションが選択された際に、選択されたオプションをリアルタイムで分析して、選択されたオプションと互換性のある1つまたは複数のワークフローテンプレートをリアルタイムで識別すること、
前記電子ディスプレイをリアルタイムで変更して、前記選択されたオプションと互換性のある1つまたは複数のワークフローテンプレートの少なくとも一部を表示すること
を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記選択されたワークフロータイプの送達媒体
で送達される医薬品を調合するためのワークフローを自動的に構築することは、
事前定義されたルールセットに基づいて、1つまたは複数のワークフローテンプレートを識別すること
を含み、前記事前定義されたルールセットは、異なるオプションと互換性のある異なるワークフローテンプレートを識別する、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサは、
複数の調合デバイスタイプを前記電子ディスプレイに提示すること、
前記調合デバイスタイプのうちの1つの選択を前記ユーザから受信すること
を実施するようにさらに構成されており、
前記電子ディスプレイに提示される前記複数のオプションは、前記選択されたデバイスタイプの調合デバイスを用いて薬品を調合するのに適用可能なものである、請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
構築されたワークフローは、前記構築されたワークフローに従って調合される特定の医薬品によって決定される情報のためのプレースホルダーを含み、前記プロセッサは、
前記構築されたワークフローに従って調合される特定の医薬品の指定を前記ユーザから受信すること、
前記特定の医薬品に関する情報を前記構築されたワークフロー
の前記プレースホルダーに挿入することにより、前記構築されたワークフローから調合プロトコルを自動的に構築すること、
前記調合プロトコルをプロトコルデータベースに格納すること
を実施するようにさらに構成されて
おり、前記プロトコルデータベースは、既存の調合プロトコルの選択を可能とする複数の調合プロトコルのリストを含む、請求項4乃至7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
調合支援デバイスをさらに備え、前記プロセッサは、前記調合支援デバイスへ前記調合プロトコルを送信することを実施するようにさらに構成されており、前記調合支援デバイスは、前記調合支援デバイスの画面に表示される一連のプロンプトを使用して、前記調合プロトコルに従って調合タスクを通じて前記調合支援デバイスのユーザを導く、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
調合ロボットをさらに備え、前記プロセッサは、前記調合プロトコルを前記調合ロボットに送信することを実行するようにさらに構成され、前記調合ロボットは、前記調合プロトコルに従って、前記選択されたワークフロータイプの送達媒体
で送達される前記特定の医薬品を調合する、請求項8または請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記調合プロトコルは、送達媒体、材料
、攪拌デバイス、または廃棄ポートを扱うための、または記録機器、スケール、カメラ、またはバーコードスキャナを操作するための、前記調合ロボットの1つまたは複数のロボット機構に対する指示を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記選択されたワークフロータイプの送達媒体
で送達される医薬品を調合するためのワークフローを自動的に構築することは、
前記調合プロトコルのステップの数、前記調合プロトコルのステップの種類、アイテムが前記調合ロボット
の内部で動かされる距離、前記調合ロボットがアイテムを動かす速度のうちの1つまたは複数に基づいて、前記調合プロトコルに従って前記調合ロボットが前記選択されたワークフロータイプ
の送達媒体で送達される医薬品を調合するのに必要とされる時間を推定すること、
前記電子ディスプレイに推定された時間を表示すること
を含む、請求項10または請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記ワークフローに挿入される指示メッセージの指定を前記ユーザから受信すること、
前記ワークフローに前記指示メッセージを挿入すること
を実施するようにさらに構成されている、請求項4乃至12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
コンピュータにより実行される、医薬品調合のためのプロトコルを指定す
る方法であって、
電子ディスプレイ上に
複数のワークフロータイプを提示することであって、前記複数のワークフロータイプのうちの少なくともいくつかは、完成した調合された医薬品が送達される媒体の種類によっ
て区別され
る、複数のワークフロータイプを提示すること、
前記ワークフロータイプのうちの1つの選択をユーザから受信すること、
選択されたワークフロータイプの送達媒体
で送達される医薬品を調合するのに適用可能な複数のオプションを前記電子ディスプレイに提示すること、
前記オプションのうちの1つまたは複数の選択を前記ユーザから受信すること、
選択されたオプションに従って、前記選択されたワークフロータイプの送達媒体
で送達される医薬品を調合するためのワークフローを自動的に構築すること
を含む
、方法。
【請求項15】
構築されたワークフローは、前記構築されたワークフローに従って調合される特定の医薬品によって決定される情報のためのプレースホルダーを含み、前記方法は、
前記構築されたワークフローに従って調合される特定の医薬品の指定を前記ユーザから受信すること、
前記特定の医薬品に関する情報を前記構築されたワークフロー
の前記プレースホルダーに挿入することにより、前記構築されたワークフローから調合プロトコルを自動的に構築すること、
前記調合プロトコルをプロトコルデータベースに格納すること
をさらに含
み、、前記プロトコルデータベースは、既存の調合プロトコルの選択を可能とする複数の調合プロトコルのリストを含む、請求項14に記載
の方法。
【請求項16】
複数の調合デバイスタイプを前記電子ディスプレイに提示すること、
前記調合デバイスタイプのうちの1つの選択を前記ユーザから受信すること
をさらに含み、前記ワークフローは、選択されたデバイスタイプ
の調合デバイスを用いて医薬品を調合するために構築されている、請求項14または請求項15に記載
の方法。
【請求項17】
特定の医薬品の
調合のオーダーを受信すること、
前記選択されたデバイスタイプの調合デバイスに電子ネットワークを介して調合プロトコルを送信すること
をさらに含む、請求項16に記載
の方法。
【請求項18】
調合デバイスは、調合支援デバイスであり、前記方法は、前記調合支援デバイスのディスプレイに一連のプロンプトを表示することにより、前記選択されたワークフロータイプの送達媒体
で送達される前記特定の医薬品を調合するために調合タスクを通じて前記調合支援デバイスのユーザを導くことをさらに含む、請求項17に記載
の方法。
【請求項19】
前記構築されたワークフローは、前記調合タスクの少なくとも一部の結果
についての、前記ユーザ以外の第2の人物
による検証ステップを含む、請求項18に記載
の方法。
【請求項20】
離れた場所にいる前記第2の人物に前記調合支援デバイスからデータを送信すること、
前記離れた場所から、前記第2の人物からの承認を受信すること
をさらに含む、請求項19に記載
の方法。
【請求項21】
調合デバイスは、調合ロボットであり、前記方法は、調合プロトコルに従って、前記選択されたワークフロータイプの送達媒体
で送達される指定された医薬品を
前記調合ロボッ
トに調合
させることをさらに含む、請求項
14乃至20のいずれか一項に記載
の方法。
【請求項22】
前記オプションのうちの1つは、調合タスクで使用される特定の医薬品の投与量検証を文書化するための技術を指定する、請求項14乃至21のいずれか一項に記載
の方法。
【請求項23】
前記投与量検証を文書化するための技術を指定するために提示されるオプションは、前記選択されたワークフロータイプの送達媒体および前記調合タスクで使用される任意の中間容器と互換性
を有している、請求項22に記載
の方法。
【請求項24】
前記ワークフローは、事前定義されたルールセットに従
うワークフロー
テンプレートを用いて構築され、前記ルールセットは、送達媒体、デバイスタイプ、およびオプションのどの組み合わせが許可されるかを指定する、請求項14乃至23のいずれか一項に記載
の方法。
【請求項25】
前記選択されたワークフロータイプの送達媒体に2つの異なる医薬品を含めるためのステップを構築されたワークフローが含むべきであることの指示を受信すること、
前記選択されたワークフロータイプの送達媒体
で送達される前記2つの異なる医薬品を調合するためのステップを、前記構築されたワークフローに含めること
をさらに含む、請求項14乃至24のいずれか一項に記載
の方法。
【請求項26】
前記構築されたワークフローは、前記構築されたワークフローに従って調合される2つの医薬品によって決定される情報のためのプレースホルダーを含み、前記方法は、
前記構築されたワークフローに従って調合される2つの特定の医薬品の指定を前記ユーザから受信すること、
前記2つの特定の医薬品に関する情報を前記構築されたワークフロー
の前記プレースホルダーに挿入することにより、前記構築されたワークフローから調合プロトコルを自動的に構築すること、
前記調合プロトコルをプロトコルデータベースに格納すること
をさらに含
み、前記プロトコルデータベースは、既存の調合プロトコルの選択を可能とする複数の調合プロトコルのリストを含む、請求項25に記載
の方法。
【請求項27】
事前に製造された医薬品製剤を、当該事前に製造された医薬品製剤が、事前に製造されたものであることを示す
標示と共に
、調合のために利用可能な医薬品のリストに追加すること、
事前に製造された医薬品製
剤に関連する仮想プロトコルを構築すること、
前記事前に製造された医薬品製
剤の調合のオーダーを受信すること、
前記オーダーを満たすためのオプションとして、前記仮想プロトコルを前記ユーザに提示すること
をさらに含む、請求項14乃至26のいずれか一項に記載
の方法。
【請求項28】
前記
構築されたワークフロ
ーは、前記ワークフローに従って実行される調合タスクの少なくとも一部の結果
についての、前記ユーザとは異なる第2の人物によ
る検証および承認
ステップを含む、請求項14乃至27のいずれか一項に記載
の方法。
【請求項29】
前記ワークフローに挿入される指示メッセージの指定を前記ユーザから受信することをさらに含み、前記ワークフローを自動的に構築することは、前記ワークフローに前記指示メッセージを挿入することを含む、請求項14乃至28のいずれか一項に記載
の方法。
【請求項30】
前記プロセッサは、医薬品調合のためのプロトコルを指定するためのユーザインタフェース
を前記電子ディスプレイに表示するように構成されており、前記ユーザインタフェースは、
第1のユーザインタフェース画面であって、
複数の調合ワークフロータイプのリストを提示し、前記
複数の調合ワークフロータイプのうちの1つの選択を可能に
し、前記複数の調合ワークフロータイプのうちの少なくともいくつかは、完成した調合された医薬品が送達される媒体の種類によって区別される、第1のユーザインタフェース画面と、
第2のユーザインタフェース画面であって、前記第1のユーザインタフェース画面で前記調合ワークフロータイプのうちのそれぞれの1つの選択の後に到達され、特定の調合タスクのためのワークフローを構成するための複数のオプションを提示し、構成されたワークフローを表示し、前記第2のユーザインタフェース画面でオプションが選択されると、前記構成されたワークフローをリアルタイムで更新する第2のユーザインタフェース画面と
を
含み、前記構成されたワークフローは、前記ワークフローに必要な成分の挿入のためのプレースホルダーと共に表示される、
請求項4乃至13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項31】
前記第1のユーザインタフェース画面は、調合デバイスタイプのリストも提示し、前記調合デバイスタイプのうちの1つの選択を可能にし、
前記第2のユーザインタフェース画面は、特定の調合デバイスタイプに合わせて調整されている、請求項30に記載の
システム。
【請求項32】
別のユーザインタフェース画面をさらに備え、前記別のユーザインタフェース画面は、
前記構成されたワークフローの選択を可能にし、
前記選択されたワークフローに従って調合される特定の医薬品の指定を可能にし、
前記選択されたワークフローに従って、指定された医薬品を調合するための調合プロトコルを表示し、
前記ワークフローの選択および医薬品の指定の変更に応じて、表示されている調合プロトコルをリアルタイムで更新する、請求項30または請求項31に記載の
システム。
【請求項33】
前記第2のユーザインタフェース画面は、指定された送達媒体
で送達される2つの異なる医薬品を調合するためのステップを前記ワークフローが含むべきであることを指定することを可能にし、前記ユーザインタフェースは、別のユーザインタフェース画面をさらに備え、前記別のユーザインタフェース画面は、
前記指定された送達媒体
で送達される2つの異なる医薬品を調合するためのステップを含む、格納されたワークフローの選択を可能にし、
前記選択されたワークフローに従って調合される2つの特定の医薬品の指定を可能にし、
前記選択されたワークフローに従って、2つの指定された医薬品を調合するための調合プロトコルを表示し、
前記ワークフローの選択および医薬品の指定の変更に応じて、表示されている調合プロトコルをリアルタイムで更新する、請求項30乃至32のいずれか一項に記載の
システム。
【請求項34】
前記ユーザインタフェースは、
調合のために利用可能な医薬品のリストに追加されるべき医薬品に関する情報を入力するためのフィールドを含む第3のユーザインタフェース画面であって、前記医薬品が事前に製造されたものであることを示すユーザインタフェース選択
領域も含む、第3のユーザインタフェース画面と、
調合タスクの割り当てを可能にする第4のユーザインタフェース画面と
をさらに
含み、前記第4のユーザインタフェース画面は、ユーザに
、事前に製造された薬物が使用される仮想プロトコルを提示
する、請求項30乃至33のいずれか一項に記載の
システム。
【請求項35】
前記プロセッサは、請求項1乃至3または14乃至29のいずれか一項に記載
の方法を実行するように構成されている、請求項4乃至13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項36】
医薬品調合のためのプロトコルを指定するためのユーザインタフェースを前記電子ディスプレイに表示することをさらに含
み、前記ユーザインタフェースは、
第1のユーザインタフェース画面であって、複数の調合ワークフロータイプのリストを提示し、前記複数の調合ワークフロータイプのうちの1つの選択を可能にし、前記複数の調合ワークフロータイプのうちの少なくともいくつかは、完成した調合された医薬品が送達される媒体の種類によって区別される、第1のユーザインタフェース画面と、
第2のユーザインタフェース画面であって、前記第1のユーザインタフェース画面で前記調合ワークフロータイプのうちのそれぞれの1つの選択の後に到達され、特定の調合タスクのためのワークフローを構成するための複数のオプションを提示し、構成されたワークフローを表示し、前記第2のユーザインタフェース画面でオプションが選択されると、前記構成されたワークフローをリアルタイムで更新する第2のユーザインタフェース画面と
を含み、前記構成されたワークフローは、前記ワークフローに必要な成分の挿入のためのプレースホルダーと共に表示される、請求項1乃至3または14乃至29のいずれか一項に記載
の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
医薬品調合は、成分の処理または組み合わせによる薬剤の調製である。多くの薬剤、特に錠剤の形で経口投与される薬剤は、現在、さまざまな形態および投与量で製造されているため、薬局では、特定の患者のための医師の処方箋を満たすために適切な数の錠剤を瓶に入れる以外は、ほとんど準備が必要とされていない。しかしながら、静脈内送達のための薬剤は、例えば病院の薬局で日常的に調合されている。調合された薬剤は、患者固有のものである場合があり、または頻繁に使用される薬剤は、後で使用するために準備および保管されている場合がある。
【0002】
典型的には、医師は、静脈内(IV)送達のために、特定の患者のための特定の薬剤または薬剤の組み合わせを処方する。薬局は処方箋を受け取り、各処方された薬剤の適切な量を有するIV溶液を準備する。調合された薬剤は、患者への投与のために病院フロアへ送られる。
【0003】
汚染物質を導入することなく、正しい薬剤を正しい比率で調製することが最も重要である。調剤師が従うための詳細なプロトコルが開発され得る。さまざまなプロトコルの数は非常に多い可能性があり、その理由は、さまざまなパッケージから選択し、複数の異なる方法で、複数の投与量で調製し、複数の異なる送達媒体で提供するために、多数の異なる薬剤が存在し得るからである。
【0004】
調合作業の多くは、薬剤師として登録されていない従事者またはロボットマシンに委託され得る。したがって、各薬剤の調製に関する詳細な記録が保持され、その結果、薬剤師は、各薬剤が薬局を離れる前にどのように作成されたかを確認できる。記録は、その正確性について何か疑義がある場合に、後で特定の薬剤の調製のレビューを可能にもする。
【発明の概要】
【0005】
一態様によれば、薬剤を調合するコンピュータ実装方法は、電子ディスプレイ上に提示されたユーザインタフェースにおいて、完成した調合された医薬品が送達される媒体の種類によって少なくとも部分的に区別された複数のワークフロータイプのリストを受信することを含む。方法は、複数のワークフロータイプのうちの1つを選択すること、ユーザインタフェースにおいて、複数の調合デバイスタイプのリストを受信すること、複数の調合デバイスタイプのうちの1つを選択すること、ユーザインタフェースにおいて、選択されたワークフロータイプの送達媒体に、選択されたデバイスタイプ上で医薬品を調合するのに適用可能な複数のオプションの提示を受信することをさらに含む。方法は、オプションのうちの1つまたは複数を選択すること、ユーザインタフェースにおいて、選択されたオプションに従って、選択されたデバイスタイプ上で選択されたワークフロータイプの送達媒体に医薬品を調合するための自動的に構築されたワークフローを受信することであって、ワークフローは、構築されたワークフローに従って調合される特定の医薬品によって決定される情報のためのプレースホルダーを含む、受信すること、構築されたワークフローに従って調合される特定の医薬品を指定すること、ユーザインタフェースにおいて、特定の医薬品に関する情報を構築されたワークフローに挿入することにより、構築されたワークフローから構築された、自動的に構築された調合プロトコルを受信することをさらに含む。方法は、調合プロトコルが、選択された調合デバイスタイプの調合デバイスに送信されるようにすること、調合プロトコルに従って、選択されたワークフロータイプの送達媒体に指定された医薬品を調合することをさらに含む。いくつかの実施形態では、選択されたワークフロータイプの送達媒体に指定された医薬品を調合することは、指定された医薬品の静脈内送達に適した容器に指定された医薬品を調合することを含む。いくつかの実施形態では、選択されたワークフロータイプの送達媒体に指定された医薬品を調合することは、指定された医薬品の経口液体送達に適した容器に指定された医薬品を調合することを含む。
【0006】
別の態様によれば、医薬品を調合するためのシステムは、プロセッサを備え、プロセッサは、電子ディスプレイ上に、完成した調合された医薬品が送達される媒体の種類によって少なくとも部分的に区別された複数のワークフロータイプを提示すること、ワークフロータイプのうちの1つの選択をユーザから受信すること選択されたワークフロータイプの送達媒体に、選択されたデバイスタイプ上で医薬品を調合するのに適用可能な複数のオプションを電子ディスプレイに提示すること、オプションのうちの1つまたは複数の選択をユーザから受信すること、選択されたオプションに従って、選択されたワークフロータイプの送達媒体に医薬品を調合するためのワークフローを自動的に構築することを実施するように構成されている。
【0007】
いくつかの実施形態では、選択されたワークフロータイプの送達媒体に医薬品を調合するためのワークフローを自動的に構築することは、異なるオプションが選択された際に、選択されたオプションをリアルタイムで分析して、選択されたオプションと互換性のある1つまたは複数のワークフローテンプレートをリアルタイムで識別すること、電子ディスプレイをリアルタイムで変更して、選択されたオプションと互換性のある1つまたは複数のワークフローテンプレートの少なくとも一部を表示することを含む。いくつかの実施形態では、選択されたワークフロータイプの送達媒体に医薬品を調合するためのワークフローを自動的に構築することは、事前定義されたルールセットに基づいて、1つまたは複数のワークフローテンプレートを識別することを含み、事前定義されたルールセットは、異なるオプションと互換性のある異なるワークフローテンプレートを識別する。いくつかの実施形態では、プロセッサは、複数の調合デバイスタイプを電子ディスプレイに提示すること、調合デバイスタイプのうちの1つの選択をユーザから受信することを実施するようにさらに構成されており、ワークフローは、選択されたデバイスタイプに合わせて調整されている。いくつかの実施形態では、構築されたワークフローは、構築されたワークフローに従って調合される特定の医薬品によって決定される情報のためのプレースホルダーを含み、プロセッサは、構築されたワークフローに従って調合される特定の医薬品の指定をユーザから受信すること、特定の医薬品に関する情報を構築されたワークフローに挿入することにより、構築されたワークフローから調合プロトコルを自動的に構築すること、調合プロトコルをプロトコルデータベースに格納することを実施するようにさらに構成されている。いくつかの実施形態では、システムは、調合支援デバイスをさらに備え、プロセッサは、調合支援デバイスへ調合プロトコルを送信することを実施するようにさらに構成されており、調合支援デバイスは、調合支援デバイスの画面に表示される一連のプロンプトを使用して、調合プロトコルに従って調合タスクを通じて調合支援デバイスのユーザを導く。いくつかの実施形態では、システムは、調合ロボットをさらに備え、プロセッサは、調合プロトコルを調合ロボットに送信することを実行するようにさらに構成され、調合ロボットは、調合プロトコルに従って、選択されたワークフロータイプの送達媒体に特定の医薬品を調合する。いくつかの実施形態では、調合プロトコルは、送達媒体、材料、供給品、攪拌デバイス、または廃棄ポートを扱うための、または記録機器、スケール、カメラ、またはバーコードスキャナを操作するための、調合ロボットの1つまたは複数のロボット機構に対する指示を含む。いくつかの実施形態では、選択されたワークフロータイプの送達媒体に医薬品を調合するためのワークフローを自動的に構築することは、調合プロトコルのステップの数、調合プロトコルのステップの種類、アイテムが調合ロボット内部で動かされる距離、調合ロボットがアイテムを動かす速度のうちの1つまたは複数に基づいて、調合プロトコルに従って調合ロボットが選択されたワークフロータイプを実行するのに必要とされる時間を推定すること、電子ディスプレイに推定された時間を表示することを含む。いくつかの実施形態では、プロセッサは、ワークフローに挿入される指示メッセージの指定をユーザから受信すること、ワークフローに指示メッセージを挿入することを実施するようにさらに構成されている。
【0008】
別の態様によれば、医薬品調合のためのプロトコルを指定するコンピュータ実装方法は、電子ディスプレイ上に、完成した調合された医薬品が送達される媒体の種類によって少なくとも部分的に区別された複数のワークフロータイプを提示すること、ワークフロータイプのうちの1つの選択をユーザから受信すること、選択されたワークフロータイプの送達媒体に医薬品を調合するのに適用可能な複数のオプションを電子ディスプレイに提示すること、オプションのうちの1つまたは複数の選択をユーザから受信すること、選択されたオプションに従って、選択されたワークフロータイプの送達媒体に医薬品を調合するためのワークフローを自動的に構築することを含む。いくつかの実施形態では、構築されたワークフローは、構築されたワークフローに従って調合される特定の医薬品によって決定される情報のためのプレースホルダーを含み、方法は、構築されたワークフローに従って調合される特定の医薬品の指定をユーザから受信すること、特定の医薬品に関する情報を構築されたワークフローに挿入することにより、構築されたワークフローから調合プロトコルを自動的に構築すること、調合プロトコルをプロトコルデータベースに格納することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、複数の調合デバイスタイプを電子ディスプレイに提示すること、調合デバイスタイプのうちの1つの選択をユーザから受信することをさらに含み、ワークフローは、選択されたデバイスタイプ上で調合するために構築されている。いくつかの実施形態では、方法は、特定の医薬品の調製のオーダーを受信すること、選択されたデバイスタイプの調合デバイスに電子ネットワークを介して調合プロトコルを送信することをさらに含む。いくつかの実施形態では、調合デバイスは、調合支援デバイスであり、方法は、調合支援デバイスのディスプレイに一連のプロンプトを表示することにより、選択されたワークフロータイプの送達媒体に特定の医薬品を調合するために調合タスクを通じて調合支援デバイスのユーザを導くことをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、調合タスクの少なくとも一部の結果が、ユーザ以外の第2の人物によって承認されることを要求することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、離れた場所にいる第2の人物に調合支援デバイスからデータを送信すること、離れた場所から、第2の人物からの承認を受信することをさらに含む。いくつかの実施形態では、調合デバイスは、調合ロボットであり、方法は、調合プロトコルに従って、選択されたワークフロータイプの送達媒体に指定された医薬品をロボット的に調合することをさらに含む。いくつかの実施形態では、オプションのうちの1つは、調合タスクで使用される特定の医薬品の投与量検証を文書化するための技術を指定する。いくつかの実施形態では、選択されたワークフロータイプの送達媒体および調合タスクで使用される任意の中間容器と互換性のある、投与量検証を文書化するための技術のオプションのみが提示される。いくつかの実施形態では、方法は、事前定義されたルールセットに従ってワークフローのライブラリを準備することをさらに含み、ルールセットは、送達媒体、デバイスタイプ、およびオプションのどの組み合わせが許可されるかを指定する。いくつかの実施形態では、方法は、選択されたワークフロータイプの送達媒体に2つの異なる医薬品を含めるためのステップを構築されたワークフローが含むべきであることの指示を受信すること、選択されたワークフロータイプの送達媒体に2つの異なる医薬品を調合するためのステップを、構築されたワークフローに含めることをさらに含む。いくつかの実施形態では、構築されたワークフローは、構築されたワークフローに従って調合される2つの医薬品によって決定される情報のためのプレースホルダーを含み、方法は、構築されたワークフローに従って調合される2つの特定の医薬品の指定をユーザから受信すること、2つの特定の医薬品に関する情報を構築されたワークフローに挿入することにより、構築されたワークフローから調合プロトコルを自動的に構築すること、調合プロトコルをプロトコルデータベースに格納することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、事前に製造された医薬品製剤を、当該事前に製造された医薬品製剤が、事前に製造されたものであることを示す指示と共に処方に追加すること、事前に製造された医薬品製剤中の医薬品に関連する仮想プロトコルを構築すること、事前に製造された医薬品製剤中の医薬品の調製のオーダーを受信すること、特定の医薬品のオーダーを満たすためのオプションとして、仮想プロトコルをユーザに提示することをさらに含む。いくつかの実施形態では、ワークフローを自動的に構築することは、ワークフローに従って実行される調合タスクの少なくとも一部の結果がユーザとは異なる第2の人物によって検証および承認されるという要件をワークフローに含めることを含む。いくつかの実施形態では、方法は、ワークフローに挿入される指示メッセージの指定をユーザから受信することをさらに含み、ワークフローを自動的に構築することは、ワークフローに指示メッセージを挿入することを含む。
【0009】
別の態様によれば、医薬品調合のためのプロトコルを指定するためのユーザインタフェースは、電子ディスプレイに表示するための第1のユーザインタフェース画面であって、完成した調合された医薬品が送達される媒体の種類によって少なくとも部分的に区別された調合ワークフロータイプのリストを提示し、調合ワークフロータイプのうちの1つの選択を可能にする、第1のユーザインタフェース画面と、第2のユーザインタフェース画面であって、第1のユーザインタフェース画面で調合ワークフロータイプのうちのそれぞれの1つの選択の後に到達され、特定の調合タスクのためのワークフローを構成するための複数のオプションを提示し、構成されたワークフローを表示し、第2のユーザインタフェース画面でオプションが選択されると、構成されたワークフローをリアルタイムで更新する第2のユーザインタフェース画面とを備え、構成されたワークフローは、前記ワークフローに必要な成分の挿入のためのプレースホルダーと共に表示される。いくつかの実施形態では、第1のユーザインタフェース画面は、調合デバイスタイプのリストも提示し、調合デバイスタイプのうちの1つの選択を可能にし、第2のユーザインタフェース画面は、特定の調合デバイスタイプに合わせて調整されている。いくつかの実施形態では、ユーザインタフェースは、別のユーザインタフェース画面をさらに備え、別のユーザインタフェース画面は、格納されたワークフローの選択を可能にし、選択されたワークフローに従って調合される特定の医薬品の指定を可能にし、選択されたワークフローに従って、指定された医薬品を調合するための調合プロトコルを表示し、ワークフローの選択および医薬品の指定の変更に応じて、表示されている調合プロトコルをリアルタイムで更新する。いくつかの実施形態では、第2のユーザインタフェース画面は、指定された送達媒体に2つの異なる医薬品を調合するためのステップをワークフローが含むべきであることを指定することを可能にし、ユーザインタフェースは、別のユーザインタフェース画面をさらに備え、別のユーザインタフェース画面は、指定された送達媒体に2つの異なる医薬品を調合するためのステップを含む、格納されたワークフローの選択を可能にし、選択されたワークフローに従って調合される2つの特定の医薬品の指定を可能にし、選択されたワークフローに従って、2つの指定された医薬品を調合するための調合プロトコルを表示し、ワークフローの選択および医薬品の指定の変更に応じて、表示されている調合プロトコルをリアルタイムで更新する。いくつかの実施形態では、ユーザインタフェースは、処方に追加されるべき医薬品に関する情報を入力するためのフィールドを含む第3のユーザインタフェース画面であって、医薬品が事前に製造されたものであることを示すユーザインタフェース選択も含む、第3のユーザインタフェース画面と、調合タスクの割り当てを可能にする第4のユーザインタフェース画面とをさらに備え、第4のユーザインタフェース画面は、ユーザに仮想プロトコルを提示し、その選択は、薬物が事前に製造されたものであることを示す。
【0010】
別の態様によれば、装置の実施形態のいずれかのプロセッサは、方法の実施形態のいずれかのコンピュータ実装方法を実行するように構成されている。
別の態様によれば、装置の実施形態のいずれかのプロセッサは、ユーザインタフェースの実施形態のいずれかのユーザインタフェースを表示するように構成されている。
【0011】
別の態様によれば、方法の実施形態のいずれかは、ユーザインタフェースの実施形態のいずれかのユーザインタフェースを表示することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態による調剤薬局を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態による手動調合ステーションを示す図である。
【
図3】本発明の実施形態による調合支援デバイスを示す図である。
【
図4】本発明の実施形態による、
図3の調合支援デバイスの下方斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態による、
図3の調合支援デバイスによるバーコードスキャンを示す図である。
【
図6】本発明の実施形態による、調合プロセスのステップを示す図である。
【
図7】本発明の実施形態による、調合プロセスの別のステップを示す図である。
【
図8】本発明の実施形態による、調合プロセスの別のステップを示す図である。
【
図9】本発明の実施形態による、調合プロセスの別のステップを示す図である。
【
図10】本発明の実施形態による、可視光カメラを使用して撮影され得る写真を示す図である。
【
図11】本発明の実施形態による、赤外線カメラを使用して撮影され得る注射器の写真を示す図である。
【
図12】本発明の実施形態による、調合プロセスの別のステップを示す図である。
【
図13】本発明の実施形態による、調合プロセスの別のステップを示す図である。
【
図14】医薬品調合のためのワークフローおよびプロトコルを開発するための本発明の実施形態によるシステムのブロック図である。
【
図15】本発明の実施形態による、
図14のワークフロー設計モジュールの第1のユーザインタフェース画面を示す図である。
【
図16】本発明の実施形態による、第2のユーザインタフェース画面を示す図である。
【
図17】本発明の実施形態による、異なる調合オプションの選択の
図16の画面への影響を示す図である。
【
図18】本発明の実施形態による、別のオプション変更の影響を示す図である。
【
図19】本発明の実施形態によるワークフローデータベース内の定義されたワークフローのリストを示す図である。
【
図20】本発明の実施形態による、プロトコルを作成するための第1のユーザインタフェース画面を示す図である。
【
図21】本発明の実施形態による、フィルタリングの例示的な結果を示す図である。
【
図22】本発明の実施形態による、医薬品をワークフローに割り当てるためのユーザインタフェース画面を示す図である。
【
図23】本発明の実施形態による、プロトコルのための成分を選択するプロセスにおける
図22の画面を示す図である。
【
図24】本発明の実施形態による、プロトコルで使用するバッグのタイプを選択するプロセスにおける
図22の画面を示す図である。
【
図25】本発明の実施形態による、プロトコルデータベース内のプロトコルのリストを示す図である。
【
図26】本発明の実施形態による、処方データベースの一部を示す図である。
【
図27】本発明の実施形態による、2成分のワークフローの作成を示す図である。
【
図28】
図27の2成分のワークフローを利用するプロトコルを作成するためのユーザインタフェース画面を示す図である。
【
図29】本発明の実施形態による、ロボット調合のためのワークフローの指定を示す図である。
【
図30】本発明の実施形態による、薬局の部分的な組織図である。
【
図31】本発明の実施形態による、処方に薬物を追加するためのユーザインタフェース画面を示す図である。
【
図32】本発明の実施形態による仮想プロトコルを含む、プロトコルのリストを伴うユーザインタフェース画面を示す図である。
【
図33】本発明の実施形態による、調合される薬物の調製を割り当てるためのユーザインタフェース画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
医薬品の調合は、調合された混合物の成分、量、濃度、および他の側面の正確な知識を利用して、調合された混合物が使用しても安全であることを適切に保証する複雑な作業である。調合された混合物が安全かつ有効であることが確証されると、継続的な安全性を確保するために、再び製造する際に、調合された混合物を正確に再現することが望ましい。ワークフローは、安全かつ有効な混合物の繰り返しの製造を可能にするのに有用である可能性があり、調合された混合物の製造のさまざまなステップのロボット制御を可能にし、またはそれらのガイドされた制御を容易にすることにより、調合される混合物の生成を簡素化し得る。しかしながら、ロボット制御された調合システムで使用するためのワークフローの作成は、1つまたは複数のロボット調合器の機能に関する詳細な知識を必要とし得る。さらに、ワークフロー内のどのタスクがロボット制御に適しているか、および、どのタスクがロボット制御によって実行されるべきでないかを判定することは簡単ではない可能性がある。薬局の技術者による手動または機械支援による調合を目的としたタスクであっても、調合ワークフローおよびプロトコルの手作業による準備は手間がかかり、エラーが発生しやすい。
【0014】
目下開示されている方法およびシステムは、直感的で複雑さを最小限に抑え、簡単かつ正確な複製を提供する方法で、調合ワークフローおよび関連プロトコルの作成および変更を提供することにより、これらの困難を克服する。例えば、さまざまなオプションを使用するときに発生してはならない特定のタスクを識別することにより、開示された方法およびシステムは、調合プロセスのエラーを低減する。このようなエラーの低減は、少なくとも部分的に、混合物、化学物質、組成物、量濃度、送達媒体、担体、賦形剤などの間の適合性、ならびに時間および温度の制御に関するさまざまなルールを採用し、適合性または他の制御側面が、安全でない、または実用的ではない結果を生じさせるようなワークフローの作成を防止することによって生じ得る。一連のルールをデータベースに格納することは、薬剤師の記憶負担を軽減し、エラーの可能性も低減する。
【0015】
潜在的に危険な、または重要な医薬品の調合に関して、システムおよび方法は、ワークフローが完成される前、またはワークフローに従って作成された調合された混合物が使用のためにリリースされる前に、追加のレベルの検証または承認を伴うか、または必要とし得る。有利には、システムおよび方法は、混合物、化学物質、または組成物の同一性、異なる混合物、化学物質、または組成物の添加タイミング、混合物、化学物質、または組成物の量、混合物、化学物質、または組成物の添加順序、混合物、化学物質、または組成物の温度などの特定の変数または入力を要求または記録することによって、調合手順を実行しながら、ワークフローの作成およびワークフローに基づくプロトコルの実行の両方に関連する様々な側面の自動化された追跡および記録を可能にする。
【0016】
さらに、この方法およびシステムにより、薬剤師は、手間がかかり、エラーが発生しやすい調合プロトコルの手動の開発ではなく、高レベルの決定に集中することができる。加えて、一部のワークフローでは、システムおよび方法は、詳細が確定されていない、または後で提供されるが、特定のプロトコルについて発生し得るワークフローのさまざまな部分を自動的に入力し得る。
【0017】
さらに、方法およびシステムは、ワークフローまたは調合プロトコルの作成に必要な時間の短縮を可能にするためにユーザによって素早く選択されることが可能な様々なオプションまたは決定の自動的な表示を可能にするユーザインタフェースを提供する。方法およびシステムは、さらに、不適切または互換性のない特定のオプションを示してもよく、または単に不適切または互換性のないオプションの選択または表示さえも許可せずに、ワークフローまたはプロトコルの作成におけるエラーを防いでもよい。インタフェースは、選択されたオプションと互換性のある既存のワークフローの自動表示を可能にして、調合プロトコルに適したワークフローがすでにデータベースに存在する場合など、冗長な調合プロトコルの作成を削減または排除してもよい。例えば、特定のオプションがユーザによって選択されると、互換性のあるワークフローを表示して、ユーザが閲覧し、表示されたワークフローのうちの任意のものが適切であるかどうかを決定することができる。場合によっては、追加のオプションがユーザにより選択されると、互換性のあるワークフローのリストは、その数を減らし、方法およびシステムは、互換性のないワークフローを表示から自動的に排除し得る。繰り返しになるが、これは、適切なものがすでに存在する場合、または既存のワークフローを見つける場合に、調合プロトコルを生成する必要性を排除することにより、調合混合物が必要とされる場合に薬剤師の時間および労力を節約することができる。ワークフローおよびプロトコルの自動構築は、実証済みの手順への迅速かつ容易なアクセスも提供し、エラーまたはステップの脱落の可能性を低減する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態による調剤薬局100を示す。薬局100のオペレーションは、以下により詳細に説明される薬局サーバ101によって調整される。薬局サーバ101は、例えば、医師からの処方箋などの調合される薬剤のオーダーを受信する。薬局サーバ101は、受信したオーダーの広範な記録、薬剤の調合のための詳細なプロトコル、オーダーに応じた薬剤の調製の記録、および他のアイテムを維持する。薬局サーバ101は、ステーション102aおよび102bなどの手動調合ステーション、ならびに1つまたは複数のロボット調合器103を含み得る、1つまたは複数の調合ステーションにタスクを割り当てもする。調合ステーションは、例えばオーダーされた各薬剤の調合の記録などの情報を薬局サーバ101に報告することもできる。
【0019】
薬局サーバ101は、プロセッサ105およびメモリ106を含む。メモリ106は、プロセッサ105によって実行されると、本発明の実施形態に従って薬局サーバにその機能を実行させる命令を保持する。メモリ106は、薬局100のオペレーションにおいて収集および生成された記録、プロトコル、および他の情報も保持し得る。本開示の目的上、用語「メモリ」は、多くの異なる種類のデータ記憶デバイスおよびそのようなデバイスの組み合わせ、例えば、動的メモリ、静的メモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、および磁気または光ディスクストレージまたはテープストレージなどの大容量記憶ストレージを包含する。
【0020】
薬局サーバ101は、
図1では単一のブロックとして示されており、メモリ106および1つまたは複数のプロセッサ105を有する単一のスタンドアロンコンピュータシステムであり得るが、他の実装形態も可能である。例えば、薬局サーバは、同じ場所にあるか、複数の場所にある、相互接続された複数のコンピュータを使用して実装され得る。特に、薬局サーバ101は、薬局サーバ101の機能が異なる時間に異なるプロセッサによって実行され、メモリ106も分散され得る「クラウド」サービスとして実装され得る。薬局サーバ101は、電子ディスプレイ107上に示されるユーザインタフェースを介してユーザに情報を提示し、任意の1つまたは複数の入力デバイス108、例えばキーボード、マウス、他のポインティングデバイス、または他の入力デバイスまたは入力デバイスの組み合わせを介してユーザから入力を受け取ることができる。
【0021】
作業材料は、供給ストア104から調合ステーションに供給される。薬局サーバ101は、供給ストア104にある材料の在庫を維持することができ、薬局100内の薬剤および供給品の動きを追跡することができる。
【0022】
完成した製品は、薬剤師によってレビューされ、薬局100からそれらの使用場所、例えば看護師による患者への投与のために病室に届けられる。上記の説明は非常に一般化されており、実際の調剤薬局は他の多くのシステムおよび設備を有し得ることが理解されよう。
【0023】
図2は、本発明の実施形態による手動調合ステーション102aを示す。調合ステーション102aは、面202上に調合支援デバイス201を含む。本開示の目的上、調合支援デバイスは、人間のオペレータによる調合タスクの実行を容易にするための、その例が以下に説明される特徴および能力を有する電気機械デバイスである。調合支援デバイス201は、作業中の材料の汚染を回避するのを助け、調合ステーション102aのユーザを保護するために、フィルタリングされた空気を調合支援デバイス201および面202の上に流す層流フード203の下に配置され得る。
【0024】
図示の例では、調合ステーション102aは、単純な調合タスクのための供給品を受け取っている。バイアル204で供給される薬剤は、IV点滴バッグ205に追加されるべきものである。注射器206は、移し替えを達成するために使用され得る。
【0025】
調合支援デバイス201は、調合器がIV点滴バッグ205で製剤を適切に調製し、プロセスを完全に文書化するのを支援するいくつかの特徴および能力を有する。調合支援デバイス201は、薬局サーバ101へのネットワーク接続207を有し、それを介して、調合支援デバイス201は、調合タスクを実行するのに必要なステップを記述する指示を薬局サーバ101から受信することができる。
【0026】
本開示の目的上、プロトコルは、成分および容器のリストであり、特定のIV薬剤を製造するための処理ワークフローへの参照である。ワークフローは、特定の薬剤および特定の調合タスクの投与量とは独立して指定される、一般的なステップのセットである。1つのワークフローは、ある種の調合タスクに必要な一般的なステップを記述し得る。多くの異なるプロトコルは、特定の薬剤および量のために、ワークフローを参照し得る。例えば、特定のワークフローでは、バイアルから薬剤を抜き取り、IV点滴バッグに追加するために必要なステップを記述し得る。次に、複数のプロトコルが、特定の投与量の特定の薬剤を点滴バッグに入れるためにそのワークフローを参照することができる。この点については、以下でさらに説明する。
【0027】
調合支援デバイス201は、ユーザへの指示を提示することができる、またはユーザが情報を入力することができる表示画面208を含む。例えば、表示画面208は、タッチを感知し、タッチの位置を区別できるタッチスクリーンディスプレイであってよい。調合支援デバイス201は、以下でより詳細に説明されるように、それらが計量または撮影される間、アイテムを保持するためのキャリアを提供するトレイ209を含む。
【0028】
図3は、本発明の実施形態による、トレイ209が取り外された状態の調合支援デバイス201を示す。
図3で見ることができるのは、トレイ209およびその内容物を計量するための、例えばロードセルなどの重量センサ301である。光源302も見ることができる。光源302は、例えば、トレイ209の一部を下から赤外光で照明する赤外光パネルであってもよい。
【0029】
図4は、本発明の実施形態による、調合支援デバイス201の下方斜視図を示す。ガントリー401はトレイ209にまたがっている。ガントリー401には、バーコードスキャナ402、可視光カメラ403、赤外線カメラ404が配置されている。可視光カメラ403は、上からトレイ209の少なくとも一部を照明するための1つまたは複数の光源405をさらに含み得る。光源405は、例えば、可視光カメラ403を取り囲む1つまたは複数の白色光発光ダイオード(LED)、または別の種類の光源であってよい。本開示の目的上、約400から700ナノメートルの間の光波長を含む場合、光は「可視」である。光は、合理的に完全な色認識を可能にするのに十分な波長を可視範囲に含む場合、「白色」である。
【0030】
トレイ209の上の領域は、赤外線カメラ404または可視光カメラ403によって撮影されるか、またはバーコードスキャナ402によってスキャンされるべきアイテムの観察領域と呼ばれ得る。他の実施形態では、アイテムは、必ずしも、下から照明されて上から撮影されなくてもよい。例えば、調合ロボットでは、ロボット機構が、カメラの視野内で撮影されるべきアイテムを任意の向きで保持することができる。例えば、アイテムは下から、または水平に撮影され得る。
【0031】
バーコードスキャナ402は、トレイ209とバーコードスキャナ402との間の観察領域に保持されたアイテムのバーコードを読み取るように配置されている。可視光カメラ403および赤外線カメラ404は、トレイ209上のアイテムの写真を撮るための位置にある。
【0032】
薬剤の調合中、重量センサ301、バーコードスキャナ402、可視光カメラ403、および赤外線カメラ404のうちの1つまたは複数を使用して、薬剤がどのように調合されたかを文書化し、エラーを回避することができる。
【0033】
例えば、
図2に示される調合タスクを実行するために、薬局サーバ101は、詳細な逐次命令を調合支援デバイス201に送信し、次いで、調合支援デバイス201は、特定の送達媒体での送達のために、特定の薬剤を必要とされる特定の投与量で調合するのに必要なステップを介してユーザを導く。この例では、タスクは、30000ユニットのヘパリン(一般的な抗凝固剤)を、溶液中、5000ユニット/mlのヘパリンを含むバイアルからIV点滴バッグに移し替えることを含む。したがって、移し替えに必要な溶液量は、6mlである。バイアル204およびIV点滴バッグ205は、移し替えを行うために必要となる注射器206とともに調合ステーション102aに供給されている。
【0034】
第1に、調合支援デバイス201は、ユーザがバイアル204をバーコードスキャナ402に提示することを要求して、バイアル204上の識別バーコードが読み取られ、正しい濃度の正しいバイアルが提供されたことをシステムが確認できるようにする。そうでない場合は、エラーメッセージが生成され、調合タスクが停止される。スキャンプロセスは、画面208に示される例示的なプロンプトとともに
図5に示されている。調合支援デバイス201は、バーコードが検出されたことを自動的に認識し、次のステップに進むことができる。代替的に、このステップおよび他のステップで、ユーザからの確認が必要とされてもよい。
【0035】
図6は、バイアル204の初期重量が収集されている調合プロセスの第2のステップを示す。この目的のために、バイアル204は、トレイ209上に配置されている。トレイ209は、バイアル204が配置されるべき場所を示すアイコン601を含んでいてよく、バイアル204の適切な配置を補助するための機械的特徴も含んでいてよい。例えば、穏やかなV字形のトラフが、トレイ209に形成され得る。調合支援デバイス201は、トレイ209上のバイアル204の重量を自動的に認識し、その重量を記録し、調合プロセスの次のステップに進むことができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、バイアル204は、可視光カメラ403を使用して、周囲光、光源405からの光、またはそれらの組み合わせを使用して、トレイ209上にある間に撮影されてもよい。
【0037】
図7は、IVバッグ205の初期重量が収集されている第3のステップを示す。次に、調合支援デバイス201は、バイアル204から注射器206に正しい量(6ml)の溶液を吸い出すようにユーザに促し得る。
【0038】
図8は、
図6に示されている初期バイアル重量を取得するのと同様の方法で、吸い出された後のバイアル204の重量が取得されている第4のステップを示す。システムは、記録を保持し、適切な量の溶液が引き出されたことを検証するために、バイアル204の2つの重量を比較して、バイアル204から抜き取られた溶液の量を計算することができる。
【0039】
図9は、充填された注射器が撮影される第5のステップを示す。この目的のために、トレイ209は、注射器206を配置するためのアイコン901を含んでもよく、トレイ209上での注射器206の正しい配置および位置合わせを容易にする機械的特徴、例えば、V字型トラフ、または注射器206のバレルフランジの端を収容するような形状およびサイズの溝902を含み得る。他の基準マークも存在し得る。
【0040】
注射器206は、可視光カメラ403を使用して撮影されてもよいが、好ましくは、赤外線カメラ404を使用して撮影される。
図10は、可視光カメラ403を使用して撮影され得るような写真を示す。(可視光カメラ403は、好ましくは
図10に示されるよりも大きい視野を有するが、説明を容易にするために、注射器206は、より大きな視野から分離されている。)注射器206は、
図10の写真で容易に視認可能であるが、写真は、グレアスポット1001の影響を受けており、調合支援デバイス201の制御下にない周囲光源の影響を受けている可能性がある。
【0041】
図11は、赤外線カメラ404を使用して撮影され得るような注射器206の写真を示す。トレイ209は、赤外線放射に対して不透明ではないので、注射器206は、赤外光源302によってバックライトを当てられている。例えば、トレイ209は、赤外線放射に対して実質的に透明であってもよく、または半透明であってもよい。いくつかの実施形態では、トレイ209は、ポリカーボネートまたは別の適切なポリマーまたはポリマーのブレンドから作製され得る。赤外線カメラ404は、赤外光をカメラ404に通過させるが、可視スペクトルを遮断する波長選択性光学フィルタを有し得る。したがって、可視光から形成されるグレアスポットは、
図11の写真から除外されており、その結果、注射器206の特徴がより明確になる。
【0042】
どの種類のカメラが使用されても、調合支援デバイス201は、複数の目的のうちの任意のもののために、結果として得られる写真を自動的に分析することができる。例えば(
図11を参照)、注射器206のプランジャー1101の位置は、自動的に認識され、吸い出された液体1102の量は、注射器206の既知の寸法に基づいて計算される。いくつかの実施形態では、気泡1103などの気泡は、それらが準備されている薬剤の投与量に著しく影響するのに十分なほど大きい場合、検出され、フラグが立てられ得る。場合によっては、バイアル204から液体を吸い出す前後の注射器206の重量を使用して、正しい量の液体が注射器206に入れられたことを確認することができる。その場合、調合支援デバイス201は、各計量で注射器206を撮影し、写真を分析して、注射器キャップ1104がある計量では誤って含まれていたが、別の計量では含まれていなかった可能性があるかどうかを検出し得る。トレイ209上の基準マーク1105は、既知の位置に配置され、写真で検出され、写真の距離を較正するために使用され得る。
【0043】
図12は、注射器206からの溶液の追加後にIVバッグ205が再計量される第6のステップを示す。調合支援デバイス201は、バッグ205の前後の重量を比較して、正しい量のヘパリン溶液がバッグ205に入れられたことを確認することができる。
【0044】
図13は、(システム内のチェックのすべてが、調合プロセスが正しく行われたことを確認したと仮定して)調合支援デバイス201が、ラベルプリンタ1303を使用してバッグ205に取り付けられるべきラベル1301を印刷し、ユーザが、ラベル1301をバッグ205に貼るように促される第7のステップを示す。その後、完成した薬剤は、その使用場所に届けられ、例えば注射器206などの任意の消耗品を廃棄することができる。ユーザは、ディスプレイ208を使用して、ラベル1301が貼付されていることを確認1302するように求められ得る。いくつかの実施形態では、完成したバッグ205の最終的な写真は、薬剤師のレビューのために撮影され得る。
【0045】
上記の調合プロセスは一例に過ぎず、異なるステップ、異なる薬剤容器を使用する、プロセス検証のために異なるまたは追加の情報を収集する、または図示の例とは他の点で異なる多くの異なる調合ワークフローが実装され得る。
【0046】
上記の例は調合ワークステーション102aのコンテキストで示されたが、
図1に示されるロボット調合器103などのロボット調合器を使用して調合するために類似のプロセスに従うことができる。ロボット調合器は、通常は囲われた機械であり、ロボット機構を使用して、バイアル、注射器、バッグなどを扱い、調合される薬剤を準備する。ロボット調合器は、スケール、1つまたは複数のカメラ、攪拌デバイス、廃棄ポート、材料および供給ローディングウィンドウ、および完成した薬剤を送達するための送達ウィンドウを含み得る。ロボット調合器は、調合プロセスで人的エラーの影響を受けないが、材料の不適切なローディング、機械的誤動作、プログラミングエラーなどから保護するために、それらの作業に関するさまざまな重量チェックおよび写真チェックを含む。
【0047】
調合が手動で行われるかロボットで行われるかにかかわらず、調合プロセス中に収集されたデータは、例えば薬局サーバ101に格納され、担当の薬剤師により確認されることが可能である。例えば、薬剤師は、正しい薬剤を含む正しい種類のバイアルがバーコードスキャンによって識別されたことを確認できる。投与量は、注射器の写真、バイアルの前後の重量、バッグの前後の重量、またはこれらまたは他のデータの組み合わせを見ることにより確認されることが可能である。調合プロセス中に撮影されたデジタル写真は、薬剤師による検査に利用可能とされ得る。例えば、薬剤師は、
図11の写真のような写真を見て、注射器206に吸引された液体に過剰な気泡が含まれていたかどうかを判定し得る。
【0048】
調合タスクが完了すると、薬局サーバ101は、調合ステーション102aに別の調合タスクを割り当て、新しいタスクに従って調合支援デバイス201に別のプロトコルをダウンロードすることができる。
【0049】
図5~
図13のステップのいくつかを展開すると、上記の例を説明するワークフローは、次のようにリストされ得る。
1.医薬品を含むバイアルのバーコードをスキャンする。
【0050】
2.医薬品を含むバイアルをトレイに配置する。
3.医薬品を含むバイアルの重さを量る。
4.希釈剤を含むバッグをトレイに配置する。
【0051】
5.希釈剤を含むバッグの重さを量る。
6.注射器に医薬品溶液を吸い込む。
7.残りの医薬品を含むバイアルをトレイに配置する。
【0052】
8.残りの医薬品を含むバイアルの重さを再び量る。
9.医薬品を含む充填済み注射器をトレイに配置する。
10.医薬品を含む充填済み注射器の写真を撮影する。
【0053】
11.希釈剤を含むバッグに注射器から医薬品を注入する。
12.バッグをトレイに配置する。
13.バッグの重量を量る。
【0054】
14.完成したバッグにラベルを貼る。
このワークフローは、注射器を使用してバイアルから希釈剤を含むIVバッグに医薬品を入れること、およびプロセスのチェックとしてバイアルの重量および注射器の写真を使用することに特有である。しかしながら、ワークフローは、移し替えられる特定の薬物、投与量、バッグ内の希釈剤、および使用されるバイアルおよび注射器のサイズに関して一般的なものである。例えば、同じワークフローを使用して、異なる投与量のヘパリンを異なるサイズの注射器を使用して異なる希釈剤を含むIVバッグに分注し、または同じサイズの注射器を使用して異なる薬剤をIVバッグに分注することができる。異なる薬物、投与量、希釈剤、および容器のサイズの各々は、同じワークフローを使用して実装された異なるプロトコルに従う。
【0055】
例えば、上記の例に対応するプロトコルは、希釈剤としてD5Wを含むバッグにヘパリンが分注されることを指定し得る。ワークフローは、プロトコルに適用され、次のように閲覧され得る。
【0056】
1.ヘパリンを含むバイアルのバーコードをスキャンする。
2.ヘパリンを含むバイアルをトレイに配置する。
3.ヘパリンを含むバイアルの重さを量る。
【0057】
4.D5Wを含むバッグをトレイに配置する。
5.D5Wを含むバッグの重さを量る。
6.注射器にヘパリンを吸い込む。
【0058】
7.残りのヘパリンを含むバイアルをトレイに配置する。
8.残りのヘパリンを含むバイアルの重さを再び量る。
9.ヘパリンを含む充填済み注射器をトレイに配置する。
【0059】
10.ヘパリンを含む充填済み注射器の写真を撮影する。
11.D5Wを含むバッグに注射器からヘパリンを注入する。
12.バッグをトレイに配置する。
【0060】
13.バッグの重量を量る。
14.完成したバッグにラベルを貼る。
このプロトコル内で、薬局サーバ101から調合支援デバイス201への指示は、バイアル中の5000ユニット/mlのヘパリン溶液の比重などの情報を含むことができ、その結果、調合支援デバイス201は、バイアルおよびバッグの前後の重量に基づいて、バイアルから取り出されてバッグに入れられた溶液の体積を計算することができる。
【0061】
上記の例示的な調合タスクは、異なるワークフローを使用して達成できることも認識されるであろう。例えば、注射器の写真を使用して正しい量の溶液が注射器に吸引されたことを確認するのではなく、異なるワークフローでは、この目的のために注射器の前後の重量を用いることができる。非常に重要な状況では、写真および重量の両方のチェックを行うワークフローを設計することができる。例えば、転用の検出が特に重要な管理物質の分注、または投与量の正確さが特に重要な小児科診療では、複数のチェックが使用され得る。
【0062】
他のワークフローは、粉末形態で受け取った薬剤を再構成および調合するための、直接注射のために注射器で薬物を送達するための、または他のシナリオのための一般的なステップをレイアウトし得る。より複雑なワークフローは、例えば、複数の薬剤を単一のIV点滴バッグに入れるなどの、複数の薬剤を調合するために設計され得る。
【0063】
各ワークフローについて、複数のプロトコルは、特定の投与量の特定の薬剤を伴うワークフローを使用し得る。従来、調合指示の準備は手間のかかる作業であり、すべての薬剤、投与量、および送達の組み合わせごとに新たに開始された。本発明の実施形態によれば、システムは、プロトコルおよびワークフローの準備を容易にし、異なる送達容器、検証技術、および他のパラメータに従っている。
【0064】
図14は、医薬品調合のためのワークフローおよびプロトコルを開発するための本発明の実施形態によるシステム1400のブロック図を示す。システムは、ワークフロー設計1401およびプロトコル設計1402のためのモジュールを含み、各々が、ユーザおよび1つまたは複数のデータベースからの入力を受け取る。
【0065】
例えば、ワークフロー設計モジュール1401は、ルールデータベース1403からのワークフローテンプレートおよびシステムのユーザからの1つまたは複数のオプション1404の指定を受け取る。個々に設計されたワークフローは、ワークフローデータベース1405に格納され、プロトコル設計モジュール1402への入力になる。完成したプロトコルは、プロトコルデータベース1406に格納される。調合のために利用可能な医薬品のリストは、処方データベース1407に保持されている。
【0066】
図15は、本発明の実施形態による、ワークフロー設計モジュール1401の第1のユーザインタフェース画面1501を示す。画面1501は、完成した調合された医薬品が送達される媒体の種類によって区別される複数のワークフロータイプをユーザに提示する。例えば、調合された医薬品は、上述のようにバッグで、または注射器またはエラストマーポンプで送達され得る。他のタイプでは、医薬品は、その既存の容器で再構成されてもよく、またはその既存の容器で希釈されてもよい。
【0067】
画面1501は、例えば、調合支援デバイス201などの調合支援デバイス、ロボット調合器、または癌治療薬物のような危険な薬物を処理するために特に構成されたロボット調合器などの、調合が実施されるデバイスのタイプの指定も要求する。他のワークフローまたはデバイスタイプが想定されてもよい。
【0068】
例示的な画面1501において、ユーザは、調合支援デバイス上で、IVバッグで送達される医薬品を調合するためのワークフローを設計することを選択した。本発明の実施形態におけるユーザインタフェースからのアイテムの選択は、任意の適切な選択メカニズム、例えば、表示された選択上のカーソルによるクリック、タッチスクリーンディスプレイ上の指またはスタイラスのタッチ、キーボードで実行される一連のキーストローク、または別の選択メカニズムによって達成され得る。
【0069】
図16は、本発明の実施形態による、第2のユーザインタフェース画面1601を示す。画面1601は、例えば、ユーザが画面1501で「次へ」をクリックした後に提示され得る。画面1501で、設計中のワークフローに従って調合された医薬品がバッグで送達されることが指定されたため、システムは、画面1601にバッグ準備のオプションを自動的に提示する。
【0070】
ユーザは、ワークフローについての複数のオプションから選択することができる。例えば、「成分識別」という見出しの下で、ユーザは、バッグに移し替えられる薬物を入れたバイアルおよびバッグ自体からバーコードがスキャンされるべきであることを指定している。あるいは、ユーザは、例えば、メニューから選択するためにコンピュータポインティングデバイスを使用して、画面上のリストからアイテムが選択される必要があるだけであることを指定することができる。
【0071】
「投与量検証」の下で、ユーザは、正しい量の薬物が移し替えられたことの検証のために、バッグへの薬物の移し替えの前後でバッグが計量されるべきであることを指定した。代替の検証技術は、移し替えで使用された注射器を空および満杯にして計量すること、または充填された注射器の写真を分析することを含む。いくつかの重大でないケースでは、検証手法が示されない場合がある。他の実施形態では、投与量検証のための冗長な技術を指定することが可能であり得る。
【0072】
他のオプション、例えば注射器のサイズが自動的に決定されるべきかどうか、および完成したバッグの最終的な写真が撮影され格納されるべきかどうかも指定され得る。他のドキュメンテーションが指定されてもよい。例えば、移し替えられている薬物のバイアルの写真が必要とされてもよく、または調合者は、移し替えられている薬物の有効期限またはロット番号に関する情報を入力するように要求されてもよい。他のオプションが想定されてもよい。
【0073】
いくつかの場合、例えば、特に重要な薬物または投与量サイズの場合、第2の人物が、第1の人物の仕事をレビューするために呼び出され、承認されるべき調製のために資格情報を入力しなければならないインワークフロー内レビューが指定され得る。第2の人物は、薬剤師、薬局の技術者、または別の資格のある人物であり得る。いくつかの実施形態では、レビューは遠隔で行われてもよく、第2の人物が、写真、重量データ、または薬剤を調合するプロセスで収集される他の情報を閲覧する。例えば、第2の人物は、薬局の無菌エリアの外、病院の別の場所、または情報にアクセスできる世界中の他の場所にいる可能性がある。
【0074】
オプションは、任意の適切な基準、例えば、調合される薬剤の重要性、特定の検証技術に対する薬剤師の好み、または他の基準に従って選択され得る。
オプションが選択されると、結果として生じるワークフロー1602は、リアルタイムで表示および更新され得る。ワークフロー1602は、プロトコル設計段階で特定の成分を挿入するためのプレースホルダー1603を有する。ワークフローの個々のステップは、ラベル1604を付けられて、どれが調合支援デバイスによって実行されるか(この例では、ステップ1、3、4、および8)、どれが調合支援デバイスのオペレータによって実行されるか(この例では、ステップ2、5~7、および9)を便利に示すことができる。
【0075】
図17は、異なるオプションの選択画面1601への影響を示し、異なるオプションとは、この場合は、調合ワークフローが完了すると、完成したIVバッグの最終写真が撮影されるべきとの指定である。
図17に見られるように、ステップ10および11がワークフローに自動的に追加されており、ユーザは、調合支援デバイスにバッグを配置するように指示され(ステップ10)、調合支援デバイスは、バッグの最終写真を撮影する(ステップ11)。
【0076】
図18は、投与量検証手法として、「バッグ重量測定」ではなく「注射器容積測定」を選択するという、別のオプション変更の影響を示す。最終写真の要件が削除されており、バイアルの写真を撮影するという要件が追加された。このように、ワークフローは自動的に調整されて、バッグをスケールに載せて計量することを指定するステップ(
図17のステップ2、3、7、および8)を削除し、それらを、移し替え用注射器をスケールに載せて、写真を撮影することを指定するステップ(
図18に示されるステップ6、7、9、および10)に置き換える。
【0077】
いくつかの実施形態では、薬剤師は、調合タスク中にオペレータに表示される指示メッセージをワークフローに挿入する能力を与えられ得る。例えば、
図18のワークフローにおいて、「薬剤師に電話する」という指示が、ワークフローの追加ステップとして挿入され得る。他の指示は、特定の送達媒体に関連し得る。例えば、エラストマーポンプで送達される医薬品を調合するためのワークフローでは、薬剤師は、ワークフローに「チューブへのプライミング」または「スパイクの取り付け」などの指示を挿入し得る。
【0078】
設計されたワークフローは、名前1801を与えられ、ワークフローデータベース1405に保存1802されることが可能である。したがって、新しいワークフローは、特定の薬物を調合するための適切なプロトコルを設計するために利用可能となる。
【0079】
図19は、
図18で定義され、
図19の1901に示されている「容積測定バッグ」ワークフローを含む、本発明の実施形態によるワークフローデータベース1405内の定義されたワークフローのリストを示す。時間の経過とともに、ワークフローデータベース1405内のワークフローの数は、さらに増える可能性がある。フィルタ1902は、特定の送達オプションに関連するワークフローのみを表示するために提供され得る。
【0080】
図20は、本発明の実施形態による、プロトコルを作成するための第1のユーザインタフェース画面2001を示す。この例では、プロトコルを作成する最初のステップは、参照するワークフロー、例えば、上記で作成され、
図20の2002に示されている「容積測定バッグ」ワークフローを選択することである。プロトコル設計者は、調合される薬物とその送達媒体に適したワークフローを選択することが可能である。例えば、ヘパリンは、IVバッグからのIV点滴によって便利に送達される。
【0081】
システムは、時間の経過とともに多数のワークフローを蓄積する可能性があるため、ユーザは、フィルタ2003などのフィルタを選択して、リストされたワークフローを、使用が意図されている送達媒体に適用可能なワークフローに制限することができる。
図21は、バッグ送達のワークフローのみを表示するためのフィルタリングの結果の例を示す。
図21において、「容積測定バッグ」ワークフローが選択された。
【0082】
図22は、プロトコルを作成するために、画面2101で選択されたワークフローに医薬品を割り当てるための別のユーザインタフェース画面2201を示す。IV点滴バッグの場合、2つの「成分」、すなわち、バッグに入れる医薬品およびバッグ自体のタイプが選択される。例えば、異なるサイズのバッグが利用可能であり、異なるバッグは異なる希釈剤を含み得る。
【0083】
図23は、設計されているプロトコルの成分を選択するプロセスにおける画面2201を示す。ドロップダウンメニュー2301は、調合される薬物の選択肢を提示する。ヘパリンは2302で選択されており、選択されたワークフローのいくつかの場所2303(すべてがラベル付けされているわけではない)に自動的に入力される。
【0084】
図24は、プロトコルで使用するバッグのタイプを選択するプロセスにおける画面2201を示す。別のドロップダウンメニュー2401は、バッグタイプの選択肢を提示し、通常の生理食塩水を含む250mlバッグが2402で選択されている。バッグタイプは、2403でワークフローに自動的に入力され、プロトコルが完成する。プロトコルは、2404で名前を付けて、2405でプロトコルデータベース1406に保存することができる。
【0085】
図25は、新しく作成されたプロトコル2501を含む、プロトコルデータベース1406内のプロトコルのリストを示す。
図25に示すように、例えば、異なるワークフローに従って、同じ薬物を調合するために異なるプロトコルが利用可能であり得る。新しいオーダーに一致するプロトコルが存在する場合、既存のプロトコルをリストから選択することができる。適切なプロトコルが存在しない場合は、上記のように新しいプロトコルを作成できる。
【0086】
システムは、好ましくは、選択されたワークフローについて適切な選択肢のみを提示する。例えば、バッグ送達のためのワークフローが選択された場合、IV点滴送達と互換性のある薬剤のみが、ドロップダウンメニュー2301に提示される。したがって、プロトコル設計者の時間が節約され、エラーを回避できる。
【0087】
システムは、他の類似のルールも同様に実装し得る。例えば、システムは、調合に使用できる医薬品および他のアイテムのリストを含む処方データベース1407を維持する。
図26は、処方データベース1407の一部を示す。データベース内のアイテムは、例えば、
図26に示される「薬物」または「希釈剤」などのタイプごとにコード化されている。他のタイプは、粉末薬物についての「粉末」を含み得る。アイテムは、例えばバイアル、注射器、またはバッグでの調合プロセスに供給されるかどうかなど、それらが供給される容器の種類によってもコード化され得る。システムは、この情報を使用して、「ナンセンス」プロトコルを防止または排除することができる。例えば、システムは、粉末薬物を注射器で送達するためのプロトコルの作成をもたらすオプションを提示しない場合がある。
【0088】
上記の例は、1つの薬物のみを含む単純な調合タスクを含んでいたが、複数の薬物の調合タスクが指定されることも可能である。例えば、複数の薬物が、同時送達のためにIVバッグに追加され得る。
図27は、以前に作成された「容積測定バッグ」ワークフロー(
図18)と類似の2成分ワークフローの作成を示す。2つの成分が2701で指定されると、2703に示すように、ワークフロー2702は、第2の成分をバッグに追加するための追加のステップを自動的に入力する。(追加のステップは存在するが、表示されていない。)
図28は、上記で作成された2成分ワークフローを利用するプロトコルを作成するためのユーザインタフェース画面を示す。
図28は、バッグに追加される2つの薬物を指定するための2つのドロップダウンメニュー2801が提供されていることを除いて、
図22と類似している。以前と同様に、成分が指定されると、それらはプロトコル2802に自動的に入力される。任意の可能な数の成分を組み込むことができる。
【0089】
上記の例は、デバイス201などの調合支援デバイスのコンテキストでも提示されている。他のワークフローおよびプロトコルが、調合ロボットで使用するために設計され得る。
図29は、ロボット調合のためのワークフローの指定を示す。
図29は、
図18と類似しているが、ステップ2901のすべてが人間のオペレータによってではなく、ロボットによって実行される。
【0090】
他の相違点は、異なる調合デバイスを対象とするワークフロー間に存在し得る。例えば、検証オプションは、ある種類の調合デバイスのワークフローの設計では相互に排他的であり得るが、別の種類の調合デバイスのワークフローの設計では複数の検証オプションを選択できてもよい。手動または自動のいずれかの調合は、相互に排他的な検証オプションを有するか、または複数の検証オプションを選択する機能を有し得る。
【0091】
加えて、システムは、ロボット調合器が指定された順序付けタスクを実行するのに必要とされる時間2902を推定している。推定された時間は、ユーザが自分の作業を計画する際、または必要な調合および検証を最短時間で実行するワークフローを選択する際に役立ち得る。時間の推定値は、調合プロトコルを完了するために必要なステップの数および種類、調合タスクで使用されるアイテムの数、アイテムが調合ロボット内で移動される距離、ロボットがアイテムを移動させる速度、および他のファクタに基づき得る。時間の推定値は、ロボットによる調合のコンテキストでのみ図に示されているが、デバイス201などの調合支援デバイスを使用して調合するために必要とされる時間も、人間のオペレータの動作速度の仮定、以前の調合タスクに必要とされた時間の測定値、または他のファクタに基づいて推定することが可能である。
【0092】
図30は、本発明の実施形態による、薬局の部分的な組織
図3000を示す。薬局は、別々のスペースに分割され、異なる目的に使用され得る。例えば、無菌空間3001は、ステーション102aおよび102bのような1つまたは複数の調合ステーション、および1つまたは複数のロボット調合器103を収容し得る。好ましくは、開封された医薬品容器を含む作業は、無菌空間3001で行われる。無菌空間3001は、複数の機能を提供する「準備室」3002に接続されている。例えば、未開封の医薬品パッケージおよび他の供給品は、準備室3002で保管されるか、または少なくとも一時的に扱われ得る。準備室3002の担当者は、実際の調合のために無菌空間3001に渡される、特定の調合タスクのための薬剤および供給品のキットを準備することができる。調合タスクが完了すると、調合された製剤を保持する、結果として得られる密封された容器は、準備室3002に戻すことができる。無菌空間3001および準備室3002は、材料が通過するエアロック3003によって分離され得る。
【0093】
いくつかの状況では、準備室3002の担当者は、無菌空間3001の職員を関与させることなく、薬剤のオーダーを満たすことができる場合がある。例えば、一部の薬剤は、「事前に製造され」、準備室3002に保管または持ち込まれたものであり得る。事前に製造された薬剤は、各個別のオーダーに対して調合するのではなく、使用を見越してそれらの供給を蓄積することを正当化するのに十分に一般的に使用される調合された製剤であり得る。そのような薬剤のオーダーが受信された場合、そのオーダーは、既存の在庫から準備室で単純に満たされ得る。
【0094】
製剤は、製造業者によって事前に製造されて、完成した形態で薬局によって受け取られ得るか、または予想される使用に先立ってローカルに事前に製造され得る。例えば、一般的に使用される製剤は、閑散時間中、またはそうでなければ、調剤能力が薬局で利用可能な場合に、無菌空間3001においてバッチで調製され得る。バッチサイズは、特定の薬剤の使用における過去の傾向、および調合された製剤の有効期間(「使用期限」日または時刻とも呼ばれる)を含む、複数のファクタに基づいて選択され得る。
【0095】
本発明の実施形態は、個別に調合された薬剤の処理と概念的に類似の方法で、事前に製造された薬剤の処理を提供する。
例えば、薬物、希釈剤、および同様のものは、しばしば処方リストに追加されることがあり、その結果、それらが調合に利用できるようになる。場合によっては、薬物は、製造業者から完成した形で購入されることがあるので、調合は必要ではない。その薬物が処方に追加されると、製造業者により事前に製造されたものとしてフラグを立てることができる。例えば、単純なチェックボックス、ラジオボタン、または他のユーザインタフェース選択が、この標示のためにシステムユーザインタフェースに提供され得る。処方に薬物を追加する一部として、「仮想プロトコル」を作成して、後で使用するためにプロトコルリストに格納することができる。仮想プロトコルは調合ステップを含まないが、準備室の在庫からの充填のオーダーにフラグが立てられる。
【0096】
図31は、本発明の実施形態による、処方に薬物を追加するためのユーザインタフェース画面3101を示す。画面3101は、処方に追加されている薬物に関する情報を提供するためのさまざまなフィールドを含むが、この例では、ボックス3102をチェックして薬物が製造業者の事前に製造された薬剤であることを示す以外は、画面3101は完了されていない。
【0097】
図32は、システムのプロトコルの部分的なリストを伴うユーザインタフェース画面3201を示す。仮想プロトコル3202が強調表示され、それが事前に製造された薬物に関連していることを示している。
【0098】
その後、薬物が処方されて薬局にオーダーされたとき、在庫からオーダーを単純に満たす仮想「プロトコル」が、場合によってはローカルで同じ薬物を調合するための1つまたは複数の実際のプロトコルとともに、調合ワークフロープロセスのオプションとして提示される。例えば、
図33は、本発明の実施形態による、この例では10,000ユニットのヘパリンである、調合された薬物の調製を割り当てるためのユーザインタフェース画面3301を示す。(希釈剤としてD5Wを含む250mlバッグにおいて)この投与量を調製するためのプロトコル3302が存在し、オンサイト調合のオプションとして薬剤師に提示されている。
【0099】
しかしながら、システムは、薬局がこの薬物の製造業者の事前に製造されたバージョンをストックしていることも認識しており、そのための「プロトコル」3303を同様に提示している。この場合、その「プロトコル」は仮想であり、この割り当てをインターセプトし、製造業者の事前に製造されたバージョンを使用してオーダーを満たすための準備室の担当者に対するフラグとしてのみ機能する。
図33において、薬剤師は仮想プロトコル3303を選択しており、「送信」ボタン3304または同様のユーザインタフェースコントロールを使用して割り当てを転送することができる。
【0100】
薬剤師がオンサイト調合のための通常のプロトコルを選択したならば、割り当てはインターセプトされず、調合タスクは、処理のために調合デバイスのうちの1つに割り当てられていたであろう。薬剤師の観点から見ると、事前に製造された薬物を指定することは、薬物がオンサイトで調合されることを指定することと概念的に非常に類似している。
【0101】
類似の仮想プロトコルは、バッチ製剤が調製される場合に作成され得る。仮想プロトコルは、
図33の提示と同様に、調合タスクを割り当てるためのオプションとして薬剤師に提示されることが可能である。
【0102】
他の実施形態では、バッチが最近調製された調合プロトコルを薬剤師が指定する場合、システムは、バッチ調製された薬物の供給が手元にあることを自動的に認識し、調製のためにプロトコルを調合デバイスに送るのではなく、準備室のストックから充填するために割り当てをデフォルトで自動的にインターセプトし得る。好ましくは、薬剤師は、所望の場合にはこのデフォルトを上書きし、新鮮な調合を指示することができる。
【0103】
上記の例は、静脈内(IV)送達のための薬剤の調合のコンテキストで与えられてきたが、含まれる原理は、他のコンテキストにも同様に適用可能である。例えば、新生児および小児科の治療では、薬剤は、乳児および幼児に液体の形で経口投与されることがしばしばある。これは、例えばアセトアミノフェンなどの、錠剤または他の形態で高齢の患者にしばしば投与される可能性のある薬剤にも当てはまる可能性がある。経口液体薬剤投与量の準備は、ワークフローに従って実行される薬剤調合の一種と考えられ得る。例えば、粉末薬剤は、経口送達のために液体に溶解されるか、または濃縮された液体薬剤は、患者の年齢またはサイズに適切な特定の投与量に希釈され得る。
【0104】
ワークフローおよびプロトコルは、経口液体として送達するための薬剤の調製のために上記の技術を使用して作成され得る。IV送達のために製剤化およびパッケージ化された薬剤と同様に、薬剤は、特定の患者のために液体の形で調製され、ローカルで事前に製造され、またはサプライヤーから事前に製造されたものが購入され得る。事前に製造されたものの場合、仮想プロトコルは、上記のように構築され得る。
【0105】
添付の特許請求の範囲において、用語「a」または「an」(英語で単数を意味する冠詞)は、「1つまたは複数」を意味することが意図されている。「備える(comprise)」という用語、ならびに「備えている(comprising)」などのその変形は、ステップまたは要素の記載に続く場合、さらなるステップまたは要素の追加は任意であり、除外されないことを意味することが意図されている。本明細書に開示された要素および特徴の任意の実現可能な組み合わせも開示されたものとみなされることを理解されたい。
【0106】
本発明は、明確化および理解を目的として詳細に説明された。しかしながら、当業者は、ある特定の変更および修正が添付の特許請求の範囲内で実施され得ることを理解するであろう。