(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】水中エネルギー貯蔵システム
(51)【国際特許分類】
F03B 17/02 20060101AFI20221213BHJP
F03D 9/14 20160101ALI20221213BHJP
【FI】
F03B17/02
F03D9/14
(21)【出願番号】P 2020531592
(86)(22)【出願日】2018-12-10
(86)【国際出願番号】 NL2018050828
(87)【国際公開番号】W WO2019117711
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2021-11-10
(32)【優先日】2017-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】509323222
【氏名又は名称】レイクスユニヴェルシテイト フローニンゲン
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】プリンス, ワウテル, アドリアヌス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ローイ, マレイン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァキス, アントニオス, イアコヴァウ
(72)【発明者】
【氏名】ジャヤワルドハナ, バーユ
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】カナダ国特許出願公開第02467287(CA,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03B 17/02
F03D 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水体(1)の表面(3)の下にエネルギーを蓄える水中エネルギー貯蔵システム(30)であって、
前記水中エネルギー貯蔵システムは、ベース構造(6)を有するタンク構造(5;105)を備え、前記タンク構造は前記ベース構造によって前記水体の底(4)に置かれており、
前記タンク構造は、前記ベース構造に対してそれぞれ支持される加圧タンク(7A、7B)と減圧タンク(8A、8B)を有し、前記加圧タンクと前記減圧タンクはそれぞれ、前記水体の前記表面(3)の下に、前記水体の水(2)から分離させて動作液体(9)を保持し、
前記加圧タンク(7A、7B)は、変形可能な壁構造(17A、17B)を有し、前記変形可能な壁構造に作用する前記水(2)の静水圧の影響による前記変形可能な壁構造の変形によって前記加圧タンク内に収容された前記動作液体(9)を加圧するように設置されて構成され、
前記減圧タンク(8A、8B)は、前記水(2)の静水圧の影響による加圧から、前記減圧タンク内の前記動作液体(9)を遮断するように設置されて構成された剛体壁構造(6、14、18A、18B)を有し、
前記水中エネルギー貯蔵システム(30)はさらに、
前記減圧タンクから前記加圧タンクへ前記動作液体の一部を移動することにより、前記タンク構造内の前記動作液体(9)の位置エネルギーを高めることによってエネルギーを蓄えるように構成されたエネルギー貯蔵サブシステム(11A、11B)と、
前記加圧タンクから前記減圧タンクへ前記動作液体の一部を流して解放することにより、前記タンク構造内の前記動作液体の位置エネルギーを減少させることによって、貯蔵されたエネルギーを回収するように構成されたエネルギー回収サブシステム(12A,12B)とを備える、水中エネルギー貯蔵システム。
【請求項2】
請求項1に記載の水中エネルギー貯蔵システム(30)において、
前記減圧タンク(8A、8B)と、前記水体(1)の前記表面(3)上のエアスペースとの間に空気の流れを供給するように設置され構成された通風管構造(14;114)をさらに備える、水中エネルギー貯蔵システム。
【請求項3】
動力取出および貯蔵システム(10)であって、
動力取出システム(50、70)と、
請求項1
または2に記載の水中エネルギー貯蔵システムとを備え、
前記動力取出システムは、前記水中エネルギー貯蔵システム(30)の前記タンク構造(5)の前記ベース構造(6)によって、前記水体(1)の前記底(4)に載置されている、動力取出および貯蔵システム。
【請求項4】
請求項3に記載の動力取出および貯蔵システム(10)において、
前記エネルギー貯蔵サブシステム(11A,11B)により、前記動力取出システム(50,70)によって供給されたエネルギーを貯蔵するように構成されている、動力取出および貯蔵システム。
【請求項5】
請求項3または4に記載の動力取出および貯蔵システム(10)において、
前記動力取出システム(50)は、風力タービンである、動力取出および貯蔵システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水体の表面下にエネルギーを蓄える水中エネルギー貯蔵システムに関する。
【背景技術】
【0002】
なお、本記述においては、本明細書を通して使用される「水体(waterbody)」という用語は、海、海洋、水路、または他の同様に大きな水塊を指す。
【0003】
さらに、本明細書においては、水中エネルギー貯蔵システムは「UW-ESシステム」と略されることもある。
【0004】
水体の表面下にエネルギーを蓄える水中エネルギー貯蔵システムは、例えば、WO2015/053615A1の
図1Aから知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、既知の水中エネルギー貯蔵システムに対して改良された、代替の水中エネルギー貯蔵システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、本発明は、添付の独立請求項1に記載の水中エネルギー貯蔵システムを提供する。本発明の好ましい実施形態は、添付の従属請求項2-5によって提供される。
【0007】
したがって、本発明は、水体の表面の下にエネルギーを蓄える水中エネルギー貯蔵システムであって、水中エネルギー貯蔵システムは、ベース構造を有するタンク構造を備え、タンク構造はベース構造によって水体の底に置かれており、タンク構造は、ベース構造に対してそれぞれ支持される加圧タンクと減圧タンクを有し、加圧タンクと減圧タンクはそれぞれ、水体の表面の下に、水体の水から分離させて動作液体を保持し、加圧タンクは、変形可能な壁構造を有し、変形可能な壁構造に作用する水の静水圧の影響による変形可能な壁構造の変形によって加圧タンク内に収容された動作液体を加圧するように設置されて構成され、減圧タンクは、水の静水圧の影響による加圧から、減圧タンク内の動作液体を遮断するように設置されて構成された剛体壁構造を有し、水中エネルギー貯蔵システムはさらに、減圧タンクから加圧タンクへ動作液体の一部を移動することにより、タンク構造内の動作液体の位置エネルギーを高めることによってエネルギーを蓄えるように構成されたエネルギー貯蔵サブシステムと、加圧タンクから減圧タンクへ動作液体の一部を流して解放することにより、タンク構造内の動作液体の位置エネルギーを減少させることによって、貯蔵されたエネルギーを回収するように構成されたエネルギー回収サブシステムとを備える、水中エネルギー貯蔵システムを提供する。
【0008】
WO2015/053615A1の
図1Aから知られた水中エネルギー貯蔵システムと比べて、本発明によるUW-ESシステムは、異なるタンク構造を有している。主な違いは、本UW-ESシステムのタンク構造は、タンク構造が水体の底に置かれるためのベース構造を有し、変形可能な壁構造を有する加圧タンクを備えることである。これらの違いにより、位置エネルギーを蓄え、回収するときに、本UW-ESシステムは、水体の水中において当然に利用可能であって、加圧タンクの変形可能な壁構造に作用する静水圧を利用できる。静水圧はタンク構造が載置される水体の底付近で非常に強力であるため、静水圧を利用することにより、本UW-ESシステムのタンク構造は、WO2015/053615A1の
図1Aから知られたシステムのタンク構造よりもかなりコンパクトでかなり安価に建設することができる。つまり、上記既知のシステムは、比較的大型の上部タンク2と下部タンク3とを備える。これらが大型である理由は、上記既知のシステムでは、位置エネルギーを蓄え、回収するときに、動作液体自体の静水圧のみが利用されるからである。上記既知のシステムは、水体の水が有するはるかに高い静水圧を全く利用していない。
【0009】
なお、水体の水自体を、位置エネルギーを蓄えて回収するために移動される動作液体として利用する他のシステムが知られている。その意味で、これらの他の既知のシステムは水体の水の静水圧を利用する。しかしながら、これらの他の既知のシステムには、水体の水がこれらのシステムの構造部品を汚染するという不都合がある。一方、本発明によるUW-ESシステムでは、動作液体は調整済み(conditioned)の動作液体であって、水体の未調整(unconditioned)の水から分離して保持されている。
【0010】
本発明の好ましい実施形態において、水中エネルギー貯蔵システムは、減圧タンクと、水体の表面上のエアスペースとの間に空気の流れを供給するように設置され構成された通風管構造をさらに備える。通風管構造のおかげで、減圧タンクから加圧タンクへ、およびその反対への動作液体の一部の様々な多数の移動の間、減圧タンク内の空気圧を実質的に大気圧レベルに保つようにすることができる。任意に、必要であれば、減圧タンク内の空気圧を他の様々な圧力レベルに制御するために、制御可能なバルブ手段および/または制御可能な空気移動装置を有する通風管構造を提供することも可能である。
【0011】
他の好ましい実施形態において、本発明は、本発明による水中エネルギー貯蔵システムだけでなく、動力取出システムも備える、動力取出しおよび貯蔵システムを提供し、動力取出システムは、水中エネルギー貯蔵システムのタンク構造のベース構造によって、水体の底に載置されている。したがって、この好ましい実施形態は、水中エネルギー貯蔵システムと動力取出システムの両方に対し、水体の底における少なくとも共有された土台を提供する。これにより、両方のシステムの設備と保守の総合的なコストに関する相乗作用がもたらされる。
【0012】
本発明の他の好ましい実施形態において、動力取出および貯蔵システムは、エネルギー貯蔵サブシステムにより、動力取出システムによって供給されたエネルギーを貯蔵するように構成されている。これにより、両方のシステムの設備と保守の総合的なコストに関するさらなる相乗作用がもたらされる。
【0013】
本発明の他の好ましい実施形態において、動力取出および貯蔵システムの動力取出システムは、風力タービンである。風力タービンは比較的堅い土台を必要とするので、両方のシステムの設備費に関する上記の相乗作用が十分に活用される。したがって、本発明は、統合されたその場所にある(in-site)エネルギー貯蔵システムと組み合わされるコンパクトな風力タービンシステムを提供することができる。このように風力タービンシステムとエネルギー貯蔵システムとを組み合わせたシステムは、2つのシステムの設備と保守について最適なコストを有するだけでなく、操作エネルギーについても最適な経済性を提供できる。これは、風力エネルギーを、それが取り出されるまさにその場所、通常は沖合、において貯蔵できるためである。
【0014】
本発明の上述した態様および他の態様は、以下に非限定的な例として説明する実施形態、および添付の図面に示された概念図を参照して、明瞭にされる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明による水中エネルギー貯蔵システムの一実施の形態の一例を示す断面図である。
【
図2】
図2は、本発明による水中エネルギー貯蔵システムに用いられる上記通風管構造の特定の実施形態の一例を示す、
図1と同様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1および2に用いる参照符号は、以下に示すように、上述した本発明の部分と態様、さらに関連する部分および態様を示している。
1 水体
2 水体の水
3 水体の表面
4 水体の底
5;105 タンク構造
6 ベース構造
7A,7B 加圧タンク
8A,8B 減圧タンク
9 動作液体
10 動力取出および貯蔵システム
11A,11B エネルギー貯蔵サブシステム
12A,12B エネルギー回収サブシステム
14;114 通風管構造
15A,15B エネルギー貯蔵導管
16A,16B エネルギー回収導管
17A,17B 変形可能壁構造
18A,18B 剛体壁構造
19 アンカーシステム
21 ポンプ
22A,22B タービン
30 水中エネルギー貯蔵(UW-ES)システム
50 動力取出システム(風力タービン)
70 動力取出システム(表面波エネルギー抽出機)
71 フロート
72 巻上線
73 液体ガイド構造
【0017】
図1および2では、
図1および2に示す異なる実施形態において類似した部分および態様に同じ参照符号を付すことがある。
【0018】
図面の簡単な説明を含む上記導入部分の記載に基づいて、および図面に用いられる上記参照符号に基づいて、
図1および2に示す例は、大部分が容易に自明であり説明を要しない。以下に、追加の説明をする。
【0019】
最初に、
図1に示された例を参照する。
図1には、動力取出および貯蔵システム10の一部として、水中エネルギー貯蔵システム30(UW-ESシステム30)が示されている。動力取出および貯蔵システム10はさらに、2つの動力取出システム50,70を備える。動力取出システム50は風力タービンである。動力取出システム70は、表面波エネルギー抽出機であり、上記WO2015/053615A1に記載された方法と同様に、水体1の表面波から運動エネルギーを抽出するように設置され構成されている。従って、ここでは表面波エネルギー抽出機70の動作については詳述しない。ここでは、
図1に示すフロート71、巻上線72、液体ガイド構造73が、それぞれWO2015/053615A1の
図3に示されたシステム1のフロート9、巻上線28、液体ガイド構造52と同様であることを簡単に述べておく。
【0020】
UW-ESシステム30のタンク構造5のベース構造6は、剛性の防水の床であり、例えば、アンカースカート19のようなアンカーシステム19によって、水体1の底4に対してしっかりと固定されている。
【0021】
タンク構造5は、2つの(互いに同様な)加圧タンク7A、7Bと、2つのそれぞれ対応する(互いに同様な)減圧タンク8A、8Bとを備える。加圧タンク7A、7Bは袋状(bladder type)の変形可能な壁構造17A、17Bをそれぞれ備える。減圧タンク8A、8Bは剛体壁構造物18A、18Bをそれぞれ備える。さらに、剛性のベース構造6および剛性の通風管構造14は、減圧タンク8A、8Bの剛体壁構造の一部として機能する。
【0022】
図1の左下部分に示すように、UW-ESシステム30は、さらにエネルギー貯蔵サブシステム11Aとエネルギー回収サブシステム12Aを有し、これらは加圧タンク7Aと減圧タンク8Aに対応する。また、
図1の右下部分に示すように、UW-ESシステム30は、エネルギー貯蔵サブシステム11Bとエネルギー回収サブシステム12Bを有し、これらは加圧タンク7Bと減圧タンク8Bに対応する。
【0023】
図1の左下部分に示すように、エネルギー貯蔵サブシステム11Aはエネルギー貯蔵導管15Aを備え、エネルギー貯蔵導管15Aを介して動作液体9の一部が減圧タンク8Aから加圧タンク7Aへ移動することができる。この動作液体9の移動は、変形可能な袋状タンク7Aに作用する水2の静水圧の働きに対抗してなされる必要がある。表面波エネルギー抽出機70の働きによって、動作液体9の移動を行うためのエネルギーが供給される。
【0024】
図1の左下部分にさらに示すように、エネルギー回収サブシステム12Aはエネルギー回収導管16Aとタービン22Aを有し、これらを介して動作液体9が加圧タンク7Aから減圧タンク8Aに流れることができる。この動作液体9の流れは、変形可能な袋状タンク7Aに作用する水2の静水圧の働きによって生成される。タービン22Aは、この動作液体9の流れから電気的エネルギーを発生するよう働く。
【0025】
図1の右下部分に示すように、エネルギー貯蔵サブシステム11Bはエネルギー貯蔵導管15Bを備え、これを介して動作液体9が減圧タンク8Bから加圧タンク7Bに移動することができる。この動作液体9の移動は、変形可能な袋状タンク7Bに作用する水2の静水圧の働きに対抗してなされる必要がある。ポンプ21の働きによって、動作液体9の移動を行うためのエネルギーが供給され、ポンプ21は風力タービン50によって供給されるエネルギーによって駆動される。
【0026】
図1の右下部分にさらに示すように、エネルギー回収サブシステム12Bはエネルギー回収導管16Bとタービン22Bを備え、これらを介して動作液体9の一部が加圧タンクBから減圧タンク8Bに流れることができる。この動作液体9の流れは、変形可能な袋状タンク7Bに作用する水2の静水圧の働きによって生成される。タービン22Bは、動作液体9の流れから電気的エネルギーを発生するよう働く。
【0027】
図1に示す状態において、加圧タンク7Aは比較的拡張した状態を示し、加圧タンク7Bは比較的潰れた状態を示している。これに対応して、減圧タンク8Aは比較的少量の動作液体9を収容し、もう一方の減圧タンク8Bは比較的多量の動作液体9を収容している。
【0028】
図1のUW-ESシステム30は、減圧タンク8A、8Bと、水体1の表面3上のエアスペースとの間に空気の流れを提供するように設置され構成された通風管構造14を備える。
図1の例では、通風管構造14は剛性のシャフト状の通風管構造である。シャフトは、メンテナンス等のためにタンク構造5の内部へアクセスするために利用可能であり、例えば、エレベーター、または階段等がシャフト内部に設置され取り付けられて用いられる。
【0029】
図1の例では、風力タービン50は水体1の底4に置かれている。これはタンク構造5のベース構造6を介して実現されている。
【0030】
次に、
図1の通風管構造4とは異なる通風管構造114を示す
図2を参照する。通風管構造114は剛性のシャフト状ではない。通風管構造114はその代わりに、柔軟性のあるホースを有し、ブイによって水体1の表面3で浮き続けるようにされている。
【0031】
以上の記載および図面において本発明を詳細に説明したが、これらの記載や説明は例示および/または理解を助けるためのものであり、これらに限定されるものではなく、本発明は開示した実施形態に限定されるものではない。
【0032】
例えば、上述した例では、加圧タンクの変形可能な壁構造は袋状であるとした。しかし、このような加圧タンクの変形可能な壁構造として他の種々のものが適用可能であり、例えばテレスコピック方式で伸縮可能である変形可能な壁構造も適用できる。
【0033】
別の例として、上述した例では、UW-ESシステムのタンク構造のベース構造はアンカー手段19を用いて水体1の底4に載置されていた。この代わりに、タンク構造の係留を、タンク構造の重さ、またはより大きなUW-ESシステムの重さ、またはさらに大きな動力取出および貯蔵システムの重さ、のみによって行うようにしてもよい。
【0034】
さらに別の例として、上述した例では、エネルギー貯蔵サブシステム11Aとエネルギー回収サブシステム12Aとを互いに分離した2つの構造物として形成し、エネルギー貯蔵サブシステム11Bとエネルギー回収サブシステム12Bとを互いに分離した2つの構造物として形成した。この代わりに、エネルギー貯蔵サブシステムとエネルギー回収サブシステムの両方の機能を果たす1つの構造物としてもよい。例えば、タービン発電機として、および反対に電動機駆動のポンプとしても作動する、既知の、いわゆるリバーシブル水力発電タービンを、エネルギー貯蔵サブシステムおよびエネルギー回収サブシステムの両方の機能を果たすように適用してもよい。
【0035】
特許請求の範囲に記載された発明を実施する技術分野の当業者にとっては、図面、明細書および添付の特許請求の範囲の研究から、開示した実施形態の他の変形も理解され、実現され得る。特許請求の範囲において、「備える(comprising)」という用語は、他の要素またはステップを除外するものではなく、不定冠詞の「a」または「an」は複数を除外しない。特許請求の範囲に記載された複数の構成の機能を、1つの部分によって実現してもよい。明確かつ簡潔な説明のために、ここでは同一のまたは別々の実施形態の部分として構成を開示したが、本発明の範囲は、開示された構成の全てまたはいくつかを組み合わせた実施形態を含んでもよいことが理解されるべきである。ある手段が互いに異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に用いることができない、ということを示すものではない。特許請求の範囲の参照符号は、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。