(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】付加製造装置、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
B29C 64/241 20170101AFI20221213BHJP
B29C 64/106 20170101ALI20221213BHJP
B29C 64/205 20170101ALI20221213BHJP
B29C 64/218 20170101ALI20221213BHJP
B29C 64/264 20170101ALI20221213BHJP
B29C 64/321 20170101ALI20221213BHJP
B29C 64/35 20170101ALI20221213BHJP
B29C 64/393 20170101ALI20221213BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20221213BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20221213BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20221213BHJP
【FI】
B29C64/241
B29C64/106
B29C64/205
B29C64/218
B29C64/264
B29C64/321
B29C64/35
B29C64/393
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/02
(21)【出願番号】P 2020554499
(86)(22)【出願日】2019-04-05
(86)【国際出願番号】 US2019026026
(87)【国際公開番号】W WO2019195702
(87)【国際公開日】2019-10-10
【審査請求日】2020-11-27
(32)【優先日】2018-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518167103
【氏名又は名称】パクシス リミティッド ライアビリティー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】クネヒト,フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】リトレル,ミハエル ジー
【審査官】清水 研吾
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0239932(US,A1)
【文献】国際公開第2017/009832(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/049834(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
造形プラットフォームに隣接して画定される造形領域を有する、交互吸着技術(layer-by-layer technique)において樹脂を使用して前記造形プラットフォーム上に三次元オブジェクトを生成するように構成された堆積機構であって、
前記造形領域を通る移動のために構成されたキャリッジと、
前記キャリッジ上に取り付けられた流動性形態の前記樹脂の供給部と、
前記樹脂の前記供給部と連通し、前記キャリッジ上に回転可能に取り付けられたローラーと、
前記キャリッジ上に取り付けられ、電磁波を放射するように構成される露光装置と
、を含み、
前記露光装置が、前記樹脂の前記供給部内の前記ローラーに隣接して配置される第一の露出部位に前記電磁波を放射して、前記樹脂の層を少なくとも部分的に固化するよう構成され、
前記第一の露出部位が前記ローラーと厚さリミッターとの間に位置するように、前記第一の露出部位に配置された厚さリミッターをさらに含み、前記ローラーと前記厚さリミッターとの間の空間が前記層の厚さを画定し、
前記ローラーが、回転して、前記樹脂の前記層を塗布のための前記造形領域内の塗布部位に運び、前記キャリッジが前記造形領域を通過するときに前記三次元オブジェクトを生産するように構成され、
前記露光装置が、前記三次元オブジェクトを生産するために前記層を塗布するために、前記造形領域内の第二の露出部位に前記電磁波を放射するようにさらに構成される、堆積機構。
【請求項2】
前記三次元オブジェクトを生産するために前記キャリッジおよび前記ローラーの動きを制御し、前記露光装置の作動を制御するように構成されたコントローラーをさらに含む、請求項1に記載の堆積機構。
【請求項3】
第一のアレイに配置された第一の出口端部と、前記露光装置から前記電磁波を受信するように構成された第一の入口端部とを有する第一の複数の光ファイバーと、第二のアレイに配置された第二の出口端部と、前記露光装置から前記電磁波を受信するように構成された第二の入口端部とを有する第二の複数の光ファイバーとをさらに含み、前記第一の複数の光ファイバーが、前記露光装置によって放射された前記電磁波が、前記第一の複数の光ファイバーを通って伝わり、前記第一の露出部位に向けられた前記第一のアレイの前記出口端部を出るように、構成され、前記第二の複数の光ファイバーが、前記露光装置によって放射された前記電磁波が、前記第二の複数の光ファイバーを通って伝わり、前記第二の露出部位に向けられた前記第二のアレイの前記出口端部を出るように、構成される、請求項1に記載の堆積機構。
【請求項4】
前記露光装置が、複数のLEDを含み、前記第一の複数の光ファイバーの各々および前記第二の複数の光ファイバーの各々が、前記複数のLEDのうちの一つと関連付けられる、請求項3に記載の堆積機構。
【請求項5】
前記露光装置がDLPプロジェクターを含み、前記第一の複数の光ファイバーの各々および前記第二の複数の光ファイバーの各々が、前記DLPプロジェクターから前記電磁波を受信するように構成される、請求項3に記載の堆積機構。
【請求項6】
前記ローラーが前記電磁波に対して透過性であり、前記露光装置が、前記電磁波が前記第一の露出部位および前記第二の露出部位に伝わるときに前記ローラーを通過するように構成される、請求項1に記載の堆積機構。
【請求項7】
前記堆積機構が、前記第一の露出部位と前記第二の露出部位との間に位置付けられ、前記第一の露出部位と前記第二の露出部位との間の前記層から過剰な未固化樹脂を除去するように構成される樹脂除去機構をさらに含む、請求項1に記載の堆積機構。
【請求項8】
堆積機構が、前記露光装置と前記第一の露出部位との間に配置された第一のレンズアレイと、前記露光装置と前記第二の露出部位との間に配置された第二のレンズアレイとをさらに含み、前記第一および第二のレンズアレイは、前記第一の露出部位および前記第二の露出部位に向けられた前記電磁波を集束させるように構成される、請求項1に記載の堆積機構。
【請求項9】
前記厚さリミッターが、前記樹脂の前記供給部内に少なくとも部分的に回転可能に取り付けられた二次ローラーを含む、請求項
1に記載の堆積機構。
【請求項10】
前記キャリッジが、前記造形領域を通る移動のためにトラック上に取り付けられるように構成された、請求項1に記載の堆積機構。
【請求項11】
前記キャリッジが、前記トラックから分離された自律移動のためにさらに構成される、請求項
10に記載の堆積機構。
【請求項12】
前記第一の露出部位および前記第二の露出部位が、前記ローラーに対して互いに約180°に位置する、請求項1に記載の堆積機構。
【請求項13】
前記造形領域が、前記造形プラットフォームの下方に位置し、前記ローラーが、前記造形プラットフォームの下を通過して、前記造形プラットフォームの下方に前記オブジェクトを造形するように構成される、請求項1に記載の堆積機構。
【請求項14】
前記造形領域が、前記造形プラットフォームの上方に位置し、前記ローラーが、前記造形プラットフォームの上方を通過して、前記造形プラットフォームの上方に前記オブジェクトを造形するように構成される、請求項1に記載の堆積機構。
【請求項15】
請求項1に記載の前記堆積機構と、前記造形プラットフォームに隣接して画定された前記造形領域を有する前記造形プラットフォームを有する支持アセンブリーとを含む、装置。
【請求項16】
造形プラットフォームに隣接して画定された造形領域を有する前記造形プラットフォームを有する支持アセンブリーと、
交互吸着技術で樹脂を使用して前記造形プラットフォーム上に三次元オブジェクトを生成するように構成された堆積機構であって、前記造形領域を通って移動するように構成されたキャリッジと、前記キャリッジに取り付けられた流動性形態の樹脂の供給部と、前記樹脂の供給部に連通し、前記キャリッジに回転可能に取り付けられたローラーと、前記キャリッジに取り付けられ、電磁波を放射するように構成された露光装置とを含む、堆積機構とを含む、装置を提供することと、
前記キャリッジを前記造形領域通過して移動させることと、
前記露光装置を選択的に作動させて、前記樹脂の前記供給部内の前記ローラーに隣接して位置する第一の露出部位に前記電磁波を放射し、前記樹脂の層を少なくとも部分的に固化させることと、
前記堆積機構が、前記第一の露出部位が前記ローラーと厚さリミッターとの間に位置するように、前記第一の露出部位に配置された厚さリミッターをさらに含み、前記ローラーと前記厚さリミッターとの間の空間が前記層の厚さを画定し、
前記ローラーを回転させ、前記樹脂の前記層を塗布のための前記造形領域内の塗布部位に運び、前記キャリッジが前記造形領域を通過するときに、前記三次元オブジェクトを生産することと、
前記露光装置を選択的に起動し、前記電磁波を前記造形領域内の第二の露出部位に放射し、前記層を塗布し、前記三次元オブジェクトを生産することと
、を含む、方法。
【請求項17】
コントローラーを使用して、前記キャリッジおよび前記ローラーの移動を制御し、前記露光装置の作動を制御して前記三次元オブジェクトを生産することをさらに含む、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
前記キャリッジがトラックに取り付けられ、前記トラックに沿って前記造形領域を通って移動し、前記キャリッジが前記トラックから離れて移動するよう構成され、前記方法が、前記コントローラーを使用して前記トラックから離れて前記堆積機構の移動を制御することをさらに含む、請求項
17に記載の方法。
【請求項19】
前記コントローラーを使用して、前記堆積機構から独立して移動可能な少なくとも一つの追加の堆積機構を制御して、前記三次元オブジェクトを生産することをさらに含む、請求項
17に記載の方法。
【請求項20】
前記堆積機構が、第一のアレイに配置された第一の出口端部と、前記露光装置から前記電磁波を受信するように構成された第一の入口端部とを有する第一の複数の光ファイバーと、第二のアレイに配置された第二の出口端部と、前記露光装置から前記電磁波を受信するように構成された第二の入口端部とを有する第二の複数の光ファイバーとをさらに含み、前記第一の複数の光ファイバーが、前記露光装置によって放射された前記電磁波が、前記第一の複数の光ファイバーを通って伝わり、前記第一の露出部位に向けられた前記第一のアレイの前記出口端部を出るように、構成され、前記第二の複数の光ファイバーが、前記露光装置によって放射された前記電磁波が、前記第二の複数の光ファイバーを通って伝わり、前記第二の露出部位に向けられた前記第二のアレイの前記出口端部を出るように、構成される、請求項
16に記載の方法。
【請求項21】
前記堆積機構が、前記第一の露出部位と前記第二の露出部位との間に位置付けられ、前記第一の露出部位と前記第二の露出部位との間の前記層から過剰な未固化樹脂を除去するように構成される樹脂除去機構をさらに含む、請求項
16に記載の方法。
【請求項22】
前記堆積機構が、前記露光装置と前記第一の露出部位との間に配置された第一のレンズアレイと、前記露光装置と前記第二の露出部位との間に配置された第二のレンズアレイとをさらに含み、前記第一および第二のレンズアレイは、前記第一の露出部位および前記第二の露出部位に向けられた前記電磁波を集束させるように構成される、請求項
16に記載の方法。
【請求項23】
前記厚さリミッターが、前記樹脂の前記供給部内に少なくとも部分的に回転可能に取り付けられた二次ローラーを含む、請求項
16に記載の方法。
【請求項24】
造形プラットフォームに隣接して画定された造形領域を有する前記造形プラットフォームを有する支持アセンブリーと、
交互吸着技術で樹脂を使用して前記造形プラットフォーム上に三次元オブジェクトを生成するように構成された堆積機構であって、前記造形領域を通って移動するように構成されたキャリッジと、前記キャリッジに取り付けられた流動性形態の樹脂の供給部と、前記樹脂の供給部に連通し、前記キャリッジに回転可能に取り付けられた一次ローラーと、前記一次ローラーおよび二次ローラーとの間に空間が画定されるように、前記樹脂の前記供給部内に少なくとも部分的に回転可能に取り付けられた二次ローラーと、前記キャリッジに取り付けられ、電磁波を放射するように構成された露光装置とを含む、堆積機構とを含む、装置を提供することと、
前記キャリッジを前記造形領域通過して移動させることと、
前記露光装置を選択的に作動させ、前記樹脂の前記供給部内および前記一次ローラ―および前記二次ローラーの間の前記空間内に位置した、第一の露出部位に前記電磁波を放射し、前記一次ローラ―および前記二次ローラーの間の前記空間が層の厚さを画定するように、前記樹脂の前記層を少なくとも部分的に固化することと、
前記一次ローラーを回転させ、前記樹脂の前記層を塗布のための前記造形領域内の塗布部位に運び、前記キャリッジが前記造形領域を通過するときに前記三次元オブジェクトを生産することと、
前記露光装置を選択的に作動させ、前記電磁波を前記造形領域内の第二の露出部位に放射し、前記層を塗布し、前記三次元オブジェクトを生産することとを含み、
一つまたは複数の堆積機構を使用して、前記三次元オブジェクトが生産され、
複数の連続する
前記層の第一の層が、第一の部分の少なくとも一部の間に画定される空間を有する複数の第一の部分を含み、
複数の連続する
前記層の第二の層が、前記第一の層に塗布され、前記第二の層が、前記第一の部分からオフセットされた、または前記第一の部分に対して横方向に配向された、複数の第二の部分を含む
、方法。
【請求項25】
前記第一の層の前記第一の部分が、第一の方向に沿って配向された複数の第一の細長いストリップを含み、前記第二の層の前記第二の部分が、前記第一の方向に沿って配向され、前記第一の方向に鉛直な第二の方向に前記第一の細長いストリップからオフセットされた複数の第二の細長いストリップを含む、請求項
24に記載の方法。
【請求項26】
前記第一の方向が、前記造形領域を通る前記キャリッジの移動方向に対して平行または鉛直である、請求項
25に記載の方法。
【請求項27】
前記第一の層の前記第一の部分が、第一の方向に沿って配向された複数の第一の細長いストリップを含み、前記第二の層の前記第二の部分が、前記第一の方向に鉛直な第二の方向に位置する複数の第二の細長いストリップを含む、請求項
24に記載の方法。
【請求項28】
前記第一の方向が、前記造形領域を通る前記キャリッジの移動方向に対して平行または鉛直である、請求項
27に記載の方法。
【請求項29】
前記第一の層の前記第一の部分が、複数の第一のブロックを含み、前記第二の層の前記第二の部分が、前記第一のブロックから少なくとも一つの方向にオフセットされた複数の第二のブロックを含む、請求項
24に記載の方法。
【請求項30】
前記第二のブロックが、前記第一のブロックおよび前記第二のブロックが、前記第一の層および前記第二の層の塗布後に、前記第一のブロックおよび前記第二のブロックの角で互いに接着するように、前記第一のブロックから二つの垂直方向にオフセットされる、請求項
29に記載の方法。
【請求項31】
前記複数の連続する層の追加的な層が、前記第一および第二の層に対して、交互に同一に配向される、請求項
24に記載の方法。
【請求項32】
前記第一の層および前記第二の層が、異なる堆積機構によって塗布される、請求項
24に記載の方法。
【請求項33】
前記第一の層および前記第二の層が、前記第一の層を塗布するために第一の方向に移動し、前記第二の層を塗布するために前記第一の方向と反対の第二の方向に移動する単一の堆積機構によって塗布される、請求項
24に記載の方法。
【請求項34】
前記一つまたは複数の堆積機構のそれぞれが、前記
一次ローラーと
前記二次ローラーの間に空間が画定されるように、前記樹脂の前記供給部内に少なくとも部分的に回転可能に取り付けられた二次ローラーをさらに含み、前記樹脂の前記複数の連続する層のそれぞれが、前記
一次ローラーを回転させてそれぞれの
前記層を塗布部位に運ぶ前に、前記
一次ローラーと前記二次ローラーとの間の空間がそれぞれの層の厚さを画定するように、前記露光装置を選択的に作動させて塗布され、前記樹脂の前記供給部内および前記
一次ローラーと前記二次ローラーとの間の前記空間内にある初期露出部位に前記電磁波を放射し、各層を少なくとも部分的に固化する、請求項
24に記載の方法。
【請求項35】
前記樹脂を含むように構成された供給バットであって、供給バットの両端に位置する第一および第二の内側支持壁を有する供給バットを含む前記供給部と、
前記第一の内側支持壁と第一の外側支持壁との間に第一の空間が画定されるように、前記第一の内側支持壁の外側に位置し、前記供給バットの外側に位置付けられた第一の外側支持壁であって、前記第一の内側支持壁が、前記供給バットと前記第一の空間との間に延在する第一の開口部を有する、第一の外側支持壁と、
前記供給バット内に少なくとも部分的に位置付けられ、前記樹脂と接触するように構成される前記ローラーであって、前記ローラーが前記第一の開口部を通って延在し、前記第一の空間内に少なくとも部分的に位置付けられる前記ローラーと、
前記ローラーの周辺全体の周りで前記ローラーと係合し、前記第一の開口部を通して前記樹脂のほとんどの漏れに抵抗するように前記第一の開口部に隣接して位置付けられた第一のシールと、
前記第一の開口部を通過する前記樹脂の部分を前記第一の空間から除去するように構成された排水システムとを含む、請求項1に記載の堆積機構。
【請求項36】
前記排水システムが、前記樹脂の前記部分を前記供給バットに戻すようにさらに構成される、請求項
35に記載の堆積機構。
【請求項37】
第二の空間が前記第二の内側支持壁と第二の外側支持壁との間に画定されるように、前記第二の内側支持壁の外側に配置され、供給バットの外側に位置する第二の外側支持壁であって、前記第二の内側支持壁が、前記供給バットと前記第二の空間との間に延びる第二の開口部を有し、前記ローラーが、前記第二の開口部を通って延在し、少なくとも部分的に前記第二の空間内に配置される、第二の外側支持壁と、
前記ローラーの周辺全体の周りで前記ローラーと係合し、前記第二の開口部を通して前記樹脂のほとんどの漏れに抵抗するように前記第二の開口部に隣接して位置付けられた第二のシールとをさらに含み、
前記排水システムが、前記第二の開口部を通過する前記樹脂の追加部分を前記第二の空間から取り除くようにさらに構成される、請求項
35に記載の堆積機構。
【請求項38】
前記供給バットが、前記第一と第二の内側支持壁との間に延在し、前記第一の空間を横切って前記第一の内側支持壁と前記第一の外側支持壁との間にさらに延在する底部壁を有し、前記排水システムが前記第一の空間内の前記底部壁内に排水孔を含む、請求項
35に記載の堆積機構。
【請求項39】
前記排水システムが、前記第一の空間内の排水孔と、前記排水孔と連通するリザーバーとをさらに含み、前記排水システムが、前記樹脂の前記部分が前記排水孔を通って前記リザーバー内に流れることによって除去されるように構成される、請求項
35に記載の堆積機構。
【請求項40】
前記排水システムが、前記リザーバーから前記供給バットに前記樹脂をポンピングするように構成されたポンプ機構をさらに含む、請求項
39に記載の堆積機構。
【請求項41】
前記供給バットの前記底部壁が、前記ポンプ機構が前記樹脂を前記開口部を通して前記供給バット内にポンピングするように構成されるように、前記ポンプ機構と連通する開口部を有し、前記供給バットの前記底部壁が、前記開口部に向かって下向きに傾斜している、請求項
40に記載の堆積機構。
【請求項42】
前記第一の外側支持壁に連結され、前記ローラーを係合して前記ローラーを回転可能に支持する、第一のベアリングをさらに含む、請求項
35に記載の堆積機構。
【請求項43】
前記堆積機構はさらに、
前記キャリッジ上に取り付けられ、前記樹脂を収容するよう構成された供給バットであって、前記供給バットの両端に位置する第一および第二の内側支持壁を有する供給バットを含む前記供給部と、
前記第一の内側支持壁と第一の外側支持壁との間に第一の空間が画定されるように、前記第一の内側支持壁の外側に位置し、前記供給バットの外側に位置付けられた第一の外側支持壁であって、前記第一の内側支持壁が、前記供給バットと前記第一の空間との間に延在する第一の開口部を有する、第一の外側支持壁と、
前記供給バット内に少なくとも部分的に配置され、前記樹脂と接触するように構成された前
記ローラーであって、前
記ローラーは、前記第一の開口部を通って延在し、少なくとも部分的に前記第一の空間内に配置される前
記ローラーと、
前
記ローラーの周辺全体の周りで前
記ローラーと係合し、前記第一の開口部を通して前記樹脂のほとんどの漏れに抵抗するように前記第一の開口部に隣接して位置付けられた第一のシールと、
前記第一の開口部を通過する前記樹脂の部分を前記第一の空間から除去するように構成された排水システムと、を含む、請求項
16に記載の
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年4月6日に出願された米国仮出願番号第62/654,076号に対する非仮出願であり、優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、装置およびシステムを動作させるための付加製造技術および方法における三次元オブジェクトを生成するための装置およびシステムに関し、より具体的には、オブジェクトの各層を造形する際に流動性樹脂または他の前駆体材料と接触するローラーを使用する装置、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
三次元オブジェクトの付加製造のための現在の技術(例えば、光造形法、3D印刷等)は、高忠実度で高品質の製品を製造することができるが、このような技術には大きな限界がある。典型的には、このような技術は、(a)固定バット内に含まれる液状樹脂の表面またはその近くで層を連続的に重合する、(b)樹脂の固定バットの底部またはその近くで樹脂の層を連続的に重合する、または(c)一つまたは複数の単一ノズルまたは多ノズルのプリントヘッドによって下方に噴射された樹脂の層を連続的に重合する、の三つの方法の一つで機能する。このような技術は、一般に、幅または長さがわずか数フィート、またはさらに小さいさまざまな機械の最大サイズで、小さいサイズに限定される。これにより、生産できるオブジェクトのサイズが制限される。ジェットベースのプロセスには大きなサイズ制限があり製造中に大量の樹脂材料を無駄にしている。
【0004】
バットベースの技術は、製造中にオブジェクトが部分的にまたは完全に浸漬されることが必要であり、従って、樹脂のバットを相当な体積に維持する必要がある。これは、このような樹脂は通常、非常に高価であり、機械の集合における樹脂バットの保守は、非常に高価であり得るため、費用がかかる可能性がある。バットのサイズはまた、上述のように、生産され得るオブジェクトのサイズを制限する。さらに、生産中のオブジェクトの浸漬は、多くの場合、未硬化の液状樹脂で充填されるオブジェクト内の空洞をもたらすが、これは排水されなければならず、排水孔を穿孔し、その後の修理を必要とする。また、バットは、一般に単一の樹脂のみを含むため、多材部品の製造は不可能である。また、新しい樹脂が重合される領域の上または下を流れるのを待つ時間があるため、バットベースの技術には生産速度の制限もある。
【0005】
本発明は、従来の装置、システム、方法のある一定のこれらの制限およびその他の欠点を克服し、これまでに利用できなかった新しい特徴を提供することを模索する。
【発明の概要】
【0006】
本開示の一般的な態様は、流動性材料の層を塗布部位に運ぶためのローラーまたは他のアプリケータ、電磁波を放射してその層をオブジェクトに塗布してオブジェクトを造形する露光装置を利用し、ローラーが層を塗布部位に運ぶ前に、流動性材料の層を少なくとも部分的に固化するために、任意選択でさらに、放射された電磁波による初期露光を含む、交互吸着技術(layer-by-layer technique)において樹脂または他の流動性材料を使用して、造形プラットフォーム上に三次元オブジェクトを生成するように構成された堆積機構に関する。本開示の一般的な態様は、また、このような堆積機構を使用するシステム、装置、および方法に関する。
【0007】
本開示の態様は、交互吸着技術で樹脂を使用して造形プラットフォーム上に三次元オブジェクトを生成するように構成された堆積機構に関し、造形領域が、造形領域を通って移動するように構成されたキャリッジと、キャリッジに取り付けられた流動性形態の樹脂の供給部と、樹脂の供給部に連通し、キャリッジに回転可能に取り付けられたローラーと、キャリッジに取り付けられ、電磁波を放射するように構成された露光装置とを含む造形プラットフォームに隣接して画定される。露光装置は、樹脂の供給部内のローラーに隣接して配置された第一の露出部位に電磁波を放射し、樹脂の層を少なくとも部分的に固化するように構成され、ローラーは、回転し、樹脂の層を塗布のための造形領域内の塗布部位に運び、キャリッジが造形領域を通過するときに三次元オブジェクトを生産するように構成される。露光装置が、造形領域内の第二の露出部位に電磁波を放出し、層を塗布し、三次元オブジェクトを生産するようにさらに構成される。一つの構成では、第一の露出部位および第二の露出部位は、ローラーに対して互いに約180°に位置し得る。さまざまな構成において、造形領域が、ローラーが、造形プラットフォームの下方にオブジェクトを造形するために、造形プラットフォームの下方を通過するよう構成されるように、造形プラットフォームの下方に位置し得るか、または造形領域が、ローラーが、造形プラットフォームの上方にオブジェクトを造形するために、造形プラットフォームの上方を通過するよう構成されるように、造形プラットフォームの上方に位置し得る。
【0008】
一つの態様によれば、機構は、三次元オブジェクトを生産するためにキャリッジおよびローラーの動きを制御し、露光装置の作動を制御するように構成されたコントローラーをさらに含む。
【0009】
別の態様によれば、機構は、第一のアレイに配置された第一の出口端部と、露光装置から電磁波を受信するように構成された第一の入口端部とを有する第一の複数の光ファイバーと、第二のアレイに配置された第二の出口端部と、露光装置から電磁波を受信するように構成された第二の入口端部とを有する第二の複数の光ファイバーとをさらに含む。第一の複数の光ファイバーが、露光装置によって放射された電磁波が、第一の複数の光ファイバーを通って伝わり、第一の露出部位に向けられた第一のアレイの出口端部を出るように、構成され、第二の複数の光ファイバーが、露光装置によって放射された電磁波が、第二の複数の光ファイバーを通って伝わり、第二の露出部位に向けられた第二のアレイの出口端部を出るように、構成される。一つの構成では、露光装置が、複数のLEDを含み、第一の複数の光ファイバーの各々および第二の複数の光ファイバーの各々が、複数のLEDのうちの一つと関連付けられる。別の構成では、露光装置がDLPプロジェクターを含み、第一の複数の光ファイバーの各々、および第二の複数の光ファイバーの各々が、DLPプロジェクターから電磁波を受信するように構成される。
【0010】
さらなる態様によれば、ローラーが電磁波に対して透過性であり、露光装置が、電磁波が第一の露出部位および第二の露出部位に伝わるときにローラーを通過するように構成される。
【0011】
また別の態様によれば、堆積機構が、第一の露出部位と第二の露出部位との間に位置付けられ、第一の露出部位と第二の露出部位との間の層から過剰な未固化樹脂を除去するように構成される樹脂除去機構をさらに含む。
【0012】
別にさらなる態様によれば、堆積機構が、露光装置と第一の露出部位との間に配置された第一のレンズアレイと、露光装置と第二の露出部位との間に配置された第二のレンズアレイとをさらに含み、第一および第二のレンズアレイは、第一の露出部位および第二の露出部位に向けられた電磁波を集束させるように構成される。
【0013】
追加の態様によれば、堆積機構が、第一の露出部位がローラーと厚さリミッターとの間に位置するように、第一の露出部位に配置された厚さリミッターをさらに含み、ローラーと厚さリミッターとの間の空間が層の厚さを画定する。一つの構成では、厚さリミッターが、樹脂の供給部内に少なくとも部分的に回転可能に取り付けられた二次ローラーを含む。
【0014】
さらなる態様によれば、キャリッジは、造形領域を通る移動のためにトラック上に取り付けられるように構成される。キャリッジはさらに、トラックとは別の自律移動のために構成され得る。
【0015】
本開示の追加の態様は、造形領域が、造形領域を通って移動するように構成されたキャリッジと、キャリッジに取り付けられた流動性形態の樹脂の供給部と、一次ローラーおよび二次ローラーの間に空間が画定されるように、樹脂の供給部と連通し、キャリッジに回転可能に取り付けられた一次ローラーと、樹脂の供給部内に少なくとも部分的に回転可能に取り付けられた二次ローラーと、キャリッジに取り付けられ、電磁波を放射するように構成された露光装置とを含む、造形プラットフォームに隣接して確定される、交互吸着技術で樹脂を使用して造形プラットフォーム上に三次元オブジェクトを生成するように構成された堆積機構に関係する。露光装置は、樹脂の供給部内および一次および二次ローラーとの間の空間内に位置する第一の露出部位に電磁波を放射して、一次および二次ローラーの間の空間が層の厚さを画定するように、樹脂の層を少なくとも部分的に固化するように構成され、一次ローラーは、回転して、樹脂の層を塗布のための造形領域内の塗布部位に運び、キャリッジが造形領域を通過するときに三次元オブジェクトを生産するように構成される。露光装置が、造形領域内の第二の露出部位に電磁波を放出し、層を塗布し、三次元オブジェクトを生産するようにさらに構成される。一つの構成では、第一の露出部位および第二の露出部位は、ローラーに対して互いに約180°に位置し得る。さまざまな構成において、造形領域が、一次ローラーが、造形プラットフォームの下方にオブジェクトを造形するために、造形プラットフォームの下方を通過するよう構成されるように、造形プラットフォームの下方に位置し得るか、または造形領域が、一次ローラーが、造形プラットフォームの上方にオブジェクトを造形するために、造形プラットフォームの上方を通過するよう構成されるように、造形プラットフォームの上方に位置し得る。
【0016】
一つの態様によれば、機構は、三次元オブジェクトを生産するためにキャリッジおよび一次および二次ローラーの動きを制御し、露光装置の作動を制御するように構成されたコントローラーをさらに含む。
【0017】
別の態様によれば、機構は、第一のアレイに配置された第一の出口端部と、露光装置から電磁波を受信するように構成された第一の入口端部とを有する第一の複数の光ファイバーと、第二のアレイに配置された第二の出口端部と、露光装置から電磁波を受信するように構成された第二の入口端部とを有する第二の複数の光ファイバーとをさらに含む。第一の複数の光ファイバーが、露光装置によって放射された電磁波が、第一の複数の光ファイバーを通って伝わり、第一の露出部位に向けられた第一のアレイの出口端部を出るように、構成され、第二の複数の光ファイバーが、露光装置によって放射された電磁波が、第二の複数の光ファイバーを通って伝わり、第二の露出部位に向けられた第二のアレイの出口端部を出るように、構成される。一つの構成では、露光装置が、複数のLEDを含み、第一の複数の光ファイバーの各々および第二の複数の光ファイバーの各々が、複数のLEDのうちの一つと関連付けられる。別の構成では、露光装置がDLPプロジェクターを含み、第一の複数の光ファイバーの各々および第二の複数の光ファイバーの各々が、DLPプロジェクターから電磁波を受信するように構成される。いくつかの構成では、第一のアレイの出口端部および第二のアレイの出口端部が、一次ローラー内に配置される。
【0018】
さらなる態様によれば、一次ローラーが電磁波に対して透過性であり、露光装置が、電磁波が第一の露出部位および第二の露出部位に伝わるときに一次ローラーを通過するように構成される。
【0019】
別にさらなる態様によれば、機構が、第一の露出部位と第二の露出部位との間に位置付けられ、第一の露出部位と第二の露出部位との間の層から過剰な未固化樹脂を除去するように構成される樹脂除去機構をさらに含む。一つの構成では、樹脂除去機構が、第一の露出部位と第二の露出部位との間に位置付けられ、層の表面と接触して回転して、第一の露出部位と第二の露出部位との間の層から過剰な未固化樹脂を除去するように構成される、クリーニングローラーを含む。樹脂除去機構は、第二の露出部位の両側に第一の露出部位と第二の露出部位との間に配置された第一および第二のクリーニングローラーを含んでもよく、第一および第二のクリーニングローラーが、第一のクリーニングローラーが、層の表面と接触して回転して、堆積機構が第一の方向に移動しているとき、第一の露出部位と第二の露出部位との間の層から過剰な未固化樹脂を除去するように構成され、第二のクリーニングローラーが、層の表面と接触して回転して、堆積機構が第一の方向と反対の第二の方向に移動しているとき、第一の露出部位と第二の露出部位との間の層から過剰な未固化樹脂を除去するように構成されるように構成される。この構成では、第一および第二のクリーニングローラーが、第一のクリーニングローラーが、堆積機構が第二の方向に移動しているとき、一次ローラーに接触して第一の転送確認センサーとして機能するように構成され、第二のクリーニングローラーが、堆積機構が第一の方向に移動しているとき、一次ローラーに接触して第二の転送確認センサーとして機能するように構成されるように構成される。
【0020】
さらに別の態様によれば、堆積機構が、露光装置と第一の露出部位との間に配置された第一のレンズアレイと、露光装置と第二の露出部位との間に配置された第二のレンズアレイとをさらに含み、第一および第二のレンズアレイは、第一の露出部位および第二の露出部位に向けられた電磁波を集束させるように構成される。
【0021】
追加的な態様によれば、キャリッジは、造形領域を通る移動のためにトラック上に取り付けられるように構成される。一つの構成では、キャリッジはさらに、トラックとは別の自律移動のために構成される。
【0022】
本開示のさらなる態様は、流動性材料を含むように構成された供給バットであって、供給バットの両端に位置する第一および第二の内側支持壁を有する供給バットと、供給バット内に少なくとも部分的に位置付けられ、流動性材料と接触するように構成されるローラーと、第一の内側支持壁と第一の外側支持壁との間に第一の空間が画定されるように、第一の内側支持壁の外側に位置し、供給バットの外側に位置付けられた第一の外側支持壁とを含む、流動性材料を供給するためのアセンブリーに関する。第一の内側支持壁は、供給バットと第一の空間との間に延在する第一の開口部を有し、ローラーは、第一の開口部を通って延在し、第一の空間内に少なくとも部分的に位置付けられる。第一のシールは、ローラーの周辺全体の周りでローラーと係合し、第一の開口部を通して流動性材料のほとんどの漏れに抵抗するように、第一の開口部に隣接して位置付けられる一方で、第一の開口部を通して流動性材料の部分のいくらかのゆっくりとしたおよび/または制御された漏れを許容する。アセンブリーはまた、第一の開口部を通過する流動性材料の部分を第一の空間から除去するように構成された排水システムを含む。本開示の態様はまた、流動性材料を供給するためのアセンブリー、ならびに三次元オブジェクトを造形するために造形領域を通って移動するように構成されたキャリッジ、および電磁波を造形領域内の露出部位に放射し、ローラーによって運ばれる材料の層を塗布し、オブジェクトを生産するように構成された露光装置を含む堆積機構に関する。
【0023】
一つの態様によれば、排水システムが、流動性材料の部分を供給バットに戻すようにさらに構成される。
【0024】
別の態様によれば、アセンブリーは、第二の空間が第二の内側支持壁と第二の外側支持壁との間に画定されるように、第二の内側支持壁の外側に位置し、供給バットの外側に位置付けられた第二の外側支持壁を含む。第二の内側支持壁は、供給バットと第二の空間との間に延在する第二の開口部を有し、ローラーは第二の開口部を通って延在し、第二の空間内に少なくとも部分的に位置付けられる。第二のシールが、ローラーの周辺全体の周りでローラーと係合し、第二の開口部を通して流動性材料のほとんどの漏れに抵抗するように第二の開口部に隣接して位置付けられる。排水システムが、第二の開口部を通過する流動性材料の追加部分を第二の空間から取り除くようにさらに構成される。
【0025】
さらなる態様によれば、供給バットが、第一と第二の内側支持壁との間に延在し、第一の空間を横切って第一の内側支持壁と第一の外側支持壁との間にさらに延在する底部壁を有し、排水システムが第一の空間内の底部壁内に排水孔を含む。
【0026】
さらに別の態様によれば、排水システムが、第一の空間内の排水孔と、排水孔と連通するリザーバーとをさらに含み、排水システムが、流動性材料の部分が排水孔を通ってリザーバー内に流れることによって除去されるように構成される。一つの構成では、排水システムが、リザーバーから供給バットに流動性材料をポンピングするように構成されたポンプ機構をさらに含む。この構成では、供給バットの底部壁が、ポンプ機構が流動性材料を開口部を通して供給バット内にポンピングするように構成されるように、ポンプ機構と連通する開口部を有してもよく、供給バットの底部壁が、開口部に向かって下向きに傾斜し得る。
【0027】
別にさらなる態様によれば、第一のベアリングが、第一の外側支持壁に連結され、ローラーを係合してローラーを回転可能に支持する。
【0028】
本開示の他の態様は、本明細書に記載の流動性材料を供給するための堆積機構および/またはアセンブリーを含む自律ユニットに関し、自律ユニットは、堆積機構を使用して一つまたは複数のオブジェクトを造形するように移動可能である。
【0029】
本開示の他の態様は、本明細書に記載の堆積機構と、造形プラットフォーム上に一つまたは複数のオブジェクトを造形するための造形プラットフォームに隣接して画定された造形領域を有する造形プラットフォームを有する支持アセンブリーとを含む装置に関する。
【0030】
本開示の別にさらなる態様は、上述の堆積機構、装置、および/または自律ユニットを使用して三次元オブジェクトを造形する方法に関する。一つの構成では、この方法は、露光装置を選択的に作動させて、樹脂の供給部内のローラーに隣接して位置する第一の露出部位に電磁波を放射して、樹脂の層を少なくとも部分的に固化することと、ローラーを回転させ、樹脂の層を塗布のための造形領域内の塗布部位に運び、キャリッジが造形領域を通過するときに三次元オブジェクトを生産することと、露光装置を選択的に作動させて、造形領域内の第二の露出部位に電磁波を放射し、層を塗布して三次元オブジェクトを生産することとを含む。別の構成では、方法は、露光装置を選択的に作動させて、樹脂の供給部内および一次および二次ローラーとの間の空間内に位置する第一の露出部位に電磁波を放射して、一次および二次ローラーの間の空間が層の厚さを画定するように、樹脂の層を少なくとも部分的に固化することと、一次ローラーを回転させて、樹脂の層を塗布のための造形領域内の塗布部位に運び、キャリッジが造形領域を通過するときに三次元オブジェクトを生産することと、露光装置を選択的に作動させて、造形領域内の第二の露出部位に電磁波を放射し、層を塗布して、三次元オブジェクトを生産することとを含む。
【0031】
一つの態様によれば、方法は、コントローラーを使って、キャリッジおよびローラーの動きを制御し、露光装置の作動を制御し、三次元オブジェクトを生産することをさらに含んでもよい。一つの構成では、キャリッジはトラックに取り付けられ、トラックに沿って造形領域を通って移動し、キャリッジはトラックから離れて移動するよう構成され、方法はコントローラーを使用してトラックから離れて堆積機構の移動を制御することをさらに含む。別の構成では、方法は、コントローラーを使用して、堆積機構から独立して移動可能な少なくとも一つの追加の堆積機構を制御して、三次元オブジェクトを生産することをさらに含む。
【0032】
本開示のその他の特徴および利点は、以下の図面と併せた下記の明細書から明らかとなる。
【0033】
実施形態の例を理解するために、例証として、以下の添付図面に関連して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するためのシステムおよび装置の一実施形態の側面概略図である。
【
図2A】
図2Aは、支持アセンブリー上に三次元オブジェクトが生産される
図1のシステムおよび装置の支持アセンブリーの側面概略図である。
【
図2B】
図2Bは、支持アセンブリー上に三次元オブジェクトが生産される
図1のシステムおよび装置の支持アセンブリーの側面概略図である。
【
図3】
図3は、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するためのシステムおよび装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図4】
図4は、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するためのシステムおよび装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図5A】
図5Aは、本開示の態様による、動作中の
図1のシステムおよび装置の上面概略図である。
【
図5B】
図5Bは、本開示の態様による、動作中の
図1のシステムおよび装置の上面概略図である。
【
図6A】
図6Aは、本開示の態様による、動作中の
図1のシステムおよび装置の側面概略図である。
【
図6B】
図6Bは、本開示の態様による、動作中の
図1のシステムおよび装置の側面概略図である。
【
図7】
図7は、二次露光装置をさらに含む、
図1の装置の側面概略図である。
【
図8】
図8は、本開示の態様による、三次元オブジェクトを生成するための装置の別の実施形態の頂面斜視図である。
【
図12】
図12は、本開示の態様による、
図8の堆積機構と併用するコレクタの一実施形態の斜視図である。
【
図13】
図13は、本開示の態様による露光装置の一実施形態で動作中に示される
図12のコレクタの概略図である。
【
図14】
図14は、本開示の態様による、露光装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図15】
図15は、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置の別の実施形態の斜視図である。
【
図19】
図19は、本開示の態様による、構成要素のモジュール接続のモジュール接続のために構成された堆積機構の別の実施形態の側面概略図である。
【
図20A】
図20Aは、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図20B】
図20Bは、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図21】
図21は、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図22】
図22は、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図23】
図23は、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図24A】
図24Aは、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図24B】
図24Bは、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図25】
図25は、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するためのシステムおよび装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図26】
図26は、本開示の態様によるコントローラーの概略図である。
【
図27】
図27は、本開示の態様による流動性材料のアプリケータおよび供給部の別の実施形態の上面概略図である。
【
図28】
図28は、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するためのシステムおよび装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図29】
図29は、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図30】
図30は、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図31】
図31は、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置の別の実施形態の側面図である。
【
図33】
図33は、新しい鉛直塗布位置に対する装置の堆積機構の鉛直調整を示す、
図31の装置の斜視図である。
【
図34】
図34は、造形位置から管理位置への造形プラットフォームの移動を示す、
図31の装置の支持アセンブリーの斜視図である。
【
図35】
図35は、造形プラットフォームを管理位置で示す、
図31の装置の支持アセンブリーの斜視図である。
【
図36】
図36は、造形プラットフォームが管理位置にあるときの管理動作の実行を示す、
図31の装置の斜視図である。
【
図37】
図37は、
図31の装置の斜視図であり、
図36における管理動作の実行の後、造形プラットフォームが造形位置にあるときのオブジェクトのさらなる生成を示す。
【
図39】
図39は、
図38の堆積機構の側面図であり、新しい鉛直塗布位置に対する堆積機構の鉛直調整を示す。
【
図40】
図40は、支持アセンブリーの別の堆積機構の動きを示す、
図31の堆積機構の部分斜視図である。
【
図43】
図43は、
図38の堆積機構の取り外し可能な樹脂アプリケーションモジュールの一部の斜視図である。
【
図44】
図44は、
図38の樹脂堆積機構からの樹脂アプリケーションモジュールの取り外しを示す斜視図である。
【
図46】
図46は、
図38の樹脂堆積機構のための第二の樹脂アプリケーションモジュールの交換を示す斜視図である。
【
図47】
図47は、樹脂アプリケーションモジュールを堆積機構から取り除くことを示す、
図10の堆積機構の斜視図である。
【
図48A】
図48Aは、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図48B】
図48Bは、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図49A】
図49Aは、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置の別の実施形態の背面概略図である。
【
図49B】
図49Bは、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置の別の実施形態の背面概略図である。
【
図49C】
図49Cは、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図49D】
図49Dは、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図50】
図50は、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための堆積機構に関連して使用するように構成された造形センサーの一実施形態の側面概略図である。
【
図51】
図51は、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図52】
図52は、造形プラットフォームから離れた
図51の装置の動作を示す側面概略図である。
【
図53】
図53は、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図54】
図54は、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置と関連して使用するための露光装置の一実施形態の平面概略図である。
【
図55】
図55は、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置と関連して使用するための露光装置の別の実施形態の平面概略図である。
【
図56】
図56は、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置と関連して使用するための露光装置の別の実施形態の平面概略図である。
【
図57】
図57は、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置と関連して使用するための露光装置の別の実施形態の平面概略図である。
【
図58】
図58は、本開示の態様による、三次元オブジェクトを動作中に生成するための装置と関連して使用するための露光装置およびアプリケータの別の実施形態の側面概略図である。
【
図59】
図59は、本開示の態様による、三次元オブジェクトを動作させる装置と関連して、
図58の露光装置およびアプリケータの動作の一実施形態を図示する側面概略図である。
【
図60】
図60は、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置と関連して、
図58の露光装置およびアプリケータの動作の別の実施形態を示す側面概略図である。
【
図61A】
図61Aは、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置と関連して使用するための露光装置およびアプリケータの別の実施形態の側面概略図である。
【
図61B】
図61Bは、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置と関連して使用するための露光装置およびアプリケータの別の実施形態の側面概略図である。
【
図62】
図62は、本開示の態様による、造形位置の造形プラットフォームで示される、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置の別の実施形態を示す斜視図である。
【
図63】
図63は、造形位置から管理位置への造形プラットフォームの移動を示す、
図62の装置を示す斜視図である。
【
図64】
図64は、管理位置の造形プラットフォームを示す、
図62の装置を示す斜視図である。
【
図65】
図65は、本開示の態様による、追加の材料を再配置および固化するためのプロセスを示す概略図である。
【
図66】
図66は、本開示の態様による、露光装置および堆積機構の別の実施形態の部分拡大概略図であり、露光装置が拡大され、破断線は拡大部分と非拡大部分との間の分離を示す。
【
図67】
図67は、本開示の態様による、流動性材料を供給するためのローラーおよびバットの一実施形態の部分切断斜視図である。
【
図71】
図71は、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するためのシステムおよび装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図71A】
図71Aは、本開示の態様による、温度調節要素を含む
図71のシステムおよび装置の一部分の側面概略図である。
【
図71B】
図71Bは、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するためのシステムおよび装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図71C】
図71Cは、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するためのシステムおよび装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図71D】
図71Dは、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するためのシステムおよび装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図72】
図72は、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するためのシステムおよび装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図73】
図73は、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するためのシステムおよび装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図74】
図74は、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するためのシステムおよび装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図75】
図75は、本開示の態様による、動作中の三次元オブジェクトを生成するためのシステムおよび装置の別の実施形態の側面概略図である。
【
図75A】
図75Aは、本開示の態様による、温度調節要素を含む
図75のシステムおよび装置の一部分の側面概略図である。
【
図76】
図76は、本開示の態様による、支持アセンブリーに向かって移動する堆積機構を含む、動作中の三次元オブジェクトを生成するための装置の別の実施形態の斜視図である。
【
図78】
図78は、
図76の装置の斜視図であり、装置の支持アセンブリーの新しい鉛直塗布位置への鉛直調整および三次元オブジェクトを生産する堆積機構の動作を示す。
【
図82】
図82は、本開示の態様による三次元オブジェクトの別の実施形態の層を生成する堆積機構の一部分の底面斜視図である。
【
図83】
図83は、
図82に示されるような三次元オブジェクトの層を生成する堆積機構の部分の上面斜視図である。
【
図84】
図84は、
図82に示されるような三次元オブジェクトの第二の層を生成する堆積機構の部分の底面斜視図である。
【
図85】
図85は、
図84に示すように、三次元オブジェクトの第二の層を生成する堆積機構の部分の上面斜視図である。
【
図86】
図86は、本開示の態様による三次元オブジェクトの別の実施形態の層を生成する堆積機構の一部分の底面斜視図である。
【
図87】
図87は、
図86に示されるような三次元オブジェクトの層を生成する堆積機構の部分の上面斜視図である。
【
図88】
図88は、
図86および87の技術を使用して生産された三次元オブジェクトの一例の拡大斜視図である。
【
図90】
図90は、本開示の態様による三次元オブジェクトの別の実施形態の層を生成する堆積機構の一部分の底面斜視図である。
【
図91】
図91は、
図90に示されるような三次元オブジェクトの層を生成する堆積機構の部分の上面斜視図である。
【
図92】
図92は、本開示の態様による三次元オブジェクトの別の実施形態の層を生成する堆積機構の一部分の底面斜視図である。
【
図93】
図93は、
図92に示されるような三次元オブジェクトの層を生成する堆積機構の部分の上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は数多くの異なる形態での実施形態が可能であるが、それらは図面に図示しており、また本開示は本発明の原理を例証したものとしてみなされ、よって本発明の広範な様相を図示および説明した実施形態に限定することは意図していないことが理解されるという前提で、本明細書において詳細な好ましい発明の実施形態が記述される。
【0036】
一般に、本開示は、付加製造、3D印刷、光造形法、または他の迅速なプロトタイピング技術などの交互吸着技術における三次元オブジェクトを生産するためのシステム、装置、および方法に関する。まず
図1を参照すると、装置12の一つまたは複数の構成要素と連通し、装置12および/またはその構成要素の動作を制御してオブジェクト11を製造するように構成される、製造装置12およびコンピューターコントローラー100を含むシステム10の例示的実施形態が概略的に示される。装置12は、製造中に造形領域13内でオブジェクト11を支持するための支持アセンブリー20と、造形領域13を通って延在するトラック14と、トラック14上に据え付けられ、材料の交互吸着式適用を通して造形領域13内でオブジェクト11を生産するように構成される材料堆積機構30とを含む。堆積機構30によって塗布される材料は、重合、相変化、焼結、およびその他の技術またはこのような技術の組み合わせによって、オブジェクト11を製造するために固化することができる任意の流動性材料(例えば、液体、粉末、または他の粒子状固体、およびそれらの組み合わせ)であり得る。一実施例では、材料は、光(可視、IR、またはUV)などの電磁波に曝されることによって重合され得る樹脂であってもよく、または含んでもよい。樹脂系材料を製造に使用する場合、堆積機構30は「樹脂堆積機構」と称され得る。
図3~4および25は、システム10および装置12の追加的な概略的実施形態を示し、
図8~13および15~19は、装置12の構造的実施形態を示す。
図2A~B、5A~7、14、および20~29は、システム10および装置12の動作のための構成要素および/または方法および構成の概略的な実施形態を図示する。図面全体を通して構造的または機能的に類似または同一の構成要素を指すために、本明細書全体を通して一貫した参照番号が使用され、すでに十分に詳細に記述されるいくつかの実施形態の特徴および態様は、簡潔さのために各実施形態に関して具体的に再記述されない場合があることが理解される。
【0037】
付加製造によるオブジェクト11の生産は、多くの場合、製造中に形成され、製造中にオブジェクト11を支持し、後で除去される支持構造の生産を伴う。こうした支持構造は、オブジェクト11の所望の最終部分と同一または異なる材料で形成することができる。こうした支持構造の除去は、機械的手段(例えば、分離、破損、機械加工)、溶媒系手段(例えば、洗い流すことができる水溶性ポリマーの使用)、またはその他の手段を使用して達成することができる。本明細書に記載されるオブジェクト11とともに製造される任意の支持構造は、本明細書に定義される「オブジェクト」の一部とみなされる。
【0038】
支持アセンブリー20は一般に、製造中に造形領域13内にオブジェクト11を支持するように構成された造形プラットフォーム22を含む。造形領域13は、
図1の実施形態の造形プラットフォーム22のすぐ下にある造形プラットフォーム22に隣接する領域に定義される。
図1の支持アセンブリー20は、鉛直(z)方向に移動可能であり、造形プラットフォーム22を画定する取り外し可能なインサート26を支持する支持プラットフォーム24を含む。インサート26は、
図2Aおよび2Bに示されるようなクランプ28、または他の機械的構造、または特定の実施形態において真空吸引、磁気引力、放出可能な接着剤、およびそのようなメカニズムの組み合わせなどの他のさまざまな取り外し可能な接続メカニズムなどの、機械的コネクターによって支持アセンブリー20に取り外し可能に接続することができる。一実施形態では、
図2Aおよび2Bでは、インサート26は、主に真空装置21による真空吸引の塗布によって支持アセンブリー20に取り外し可能に接続され、クランプ28が、誤動作、停電などの場合にバックアップまたは冗長接続構造として使用される。
図2Aでは、オブジェクト11が、製造中など、支持アセンブリー20によって支持されるとき、真空装置21は、インサート26に吸引を適用し、クランプ28は、支持プラットフォーム24に関連してインサート26を保持するために閉じられる。
図2Bに示すように、オブジェクト11が除去される時、インサート26およびオブジェクト11を支持アセンブリー20から除去できるように、真空吸引が停止し、クランプ28が解放される。インサート26は、取り外し後にインサート26からオブジェクト11を解放しやすくするために、可撓性であり得る。さらに、造形プラットフォーム22のための他の取り外し可能な構成が存在してもよく、画定可能な支持プラットフォーム24を使用してもよく、または使用しなくてもよいことが理解される。例えば、
図8~11および15~19の実施形態では、支持プラットフォーム24全体が、支持アセンブリー20から造形プラットフォーム22を取り外すことができるように取り外し可能である。オブジェクト11は、造形プラットフォーム22を取り外すことなく造形プラットフォーム22から取り外されてもよく、造形プラットフォーム22は、その他の実施形態では取り外し可能な構造を含んでいなくてもよいことが理解される。
【0039】
一実施形態では、支持アセンブリー20およびトラック14は、部分的または完全にモジュール式であり得る。
図8~11の実施形態における支持アセンブリー20およびトラック14は、この方法で構成される。これにより、必要に応じて、装置12全体の構築および変更が容易になる。これはまた、現在の光造形装置で問題となり得る、装置12が部屋へのドアよりも著しく大きい場合でも、装置12を組み立てることまたは分解して部屋の中または外に移動させることを可能にする。
【0040】
図8~11および
図15~19の実施形態における支持アセンブリー20は、本明細書の他の箇所に記載されるように、製造中に造形プラットフォーム22の高さを変更するように構成される鉛直位置決め機構23を含む。
図8に示す実施形態では、鉛直位置決め機構23は、支持アセンブリー20の両側に配置された複数のジャッキねじ25と、ジャッキねじ25と係合し、支持プラットフォーム24に接続してサポートするサポートフレーム27とを含む。支持プラットフォーム24(およびそれによって、造形プラットフォーム22)の鉛直移動は、ジャッキねじ25の回転によって達成され、ジャッキねじ25のねじ切りは、造形プラットフォーム22の鉛直位置の微細な増分変化を可能にするように角度付けられ得ることが理解される。ジャッキねじ25の回転は、モーターアセンブリー(図示せず)によって駆動され、コントローラー100によって制御され得る。
図15の実施形態では、鉛直位置決め機構23は、鉛直駆動機構29と係合し、支持プラットフォーム24に接続し、それをサポートするサポートフレーム27を有する、支持アセンブリー20の四つの角に位置する四つの鉛直駆動機構29を含む。
図15の鉛直駆動機構29は、本明細書に記載のジャッキねじであってもよく、またはチェーン、ケーブル、ベルト、ギア、スプロケット、車輪などの異なる機械的構造を使用し得る。鉛直駆動機構29は、モーターアセンブリー(図示せず)によって駆動され、コントローラー100によって制御され得る。
【0041】
図1は、一般に、トラック14と係合し、トラック14に沿って造形領域13を通って移動するように構成されたキャリッジ32と、キャリッジ32に取り付けられた、またはそうでなければ動作可能に接続された流動性材料36の供給部34と、流動性材料36の供給部34と連通し、流動性材料36を造形領域13内の塗布部位41に塗布するように構成されたアプリケータ40と、電磁波を放射して、塗布材料36を固化してオブジェクト11を形成するように構成された露光装置50とを含む、堆積機構30の実施形態を概略的に示している。塗布部位41は一般に、材料36が堆積表面、すなわち、造形プラットフォーム22またはオブジェクト11の表面と接触する領域として画定される。堆積機構30のさまざまな実施形態が、本明細書では、概略的および特定の構造的実施形態に関して記載される。
図3および4は、
図1の実施形態と共通する多くの特徴を共有する堆積機構30の実施形態を概略的に図示し、
図3および4の実施形態の特定の態様は、簡潔にするために、
図1の実施形態とのそれらの差異に関してのみ説明され得る。
図8~
図13および
図15~18は、概略図よりも詳細であり得、類似または異なる機能を有し得る構造を含む、製造装置12および堆積機構30の追加の実施形態を図示する。
【0042】
キャリッジ32は、トラック14に沿って移動して、製造中に堆積機構30を造形領域13を通して移動させるように構成される。トラック14は、一般に、オブジェクト11の作成のために堆積機構30のキャリッジ32を造形領域13を通して案内するよう構成される。装置12は、
図8~11および15~19に示したように、トラック14および装置12のその他の構成要素を支持するためのベースフレーム19を含み得る。トラック14およびキャリッジ32は、トラック14に沿ったキャリッジ32の移動を可能にする相補的な係合構造を有し得る。例えば、
図8~11および
図15~19に示す実施形態では、トラック14は二つの平行なビーム15を含み、キャリッジ32およびトラック14は、キャリッジ32のギア表面33の回転によってキャリッジ32がビーム15に沿って回転することを可能にする相補的なギア表面33を持つ。キャリッジ32は、
図8~11および15~19の実施形態におけるギア表面33の回転のために動力が供給され、あるいは、車輪またはその他のギア配置など、さまざまな実施形態における移動のために動力が供給され得る。他の実施形態では、移動のための動力は、チェーン、ケーブル、ベルト、スプロケット、ピストンなど、トラック14に組み込まれてもよく、組み込まれなくてもよい外部機構によって供給され得る。駆動モーター39の実施例を、
図15に示す。キャリッジ32の速度は、異なる粘度および/または固化速度を有する材料36が、高速または低速の駆動速度から恩恵を受け得るとき、材料36の特性に応じて調節され得る。キャリッジ32は、他の構成要素がキャリッジ32とともに動くように、堆積機構30の他の構成要素を支持するように構成され得る。例えば、
図1、
図3および
図4の実施形態では、キャリッジ32は、少なくともアプリケータ40、露光装置50、および材料供給部34を支持する。これらの実施形態は概略的に図示されており、キャリッジ32は、コントローラー100および/または図示されていないその他の構成要素を含む追加の構成要素も支持し得ることが理解される。キャリッジ32は、本明細書の他の箇所に記載されるように、構成要素のモジュール接続のためにも構成され得る。コントローラー100は、キャリッジ32および製造プロセスの動作、速度、上昇、およびその他の態様を制御するように構成され得る。一実施形態において、多数のパラメーターは、製造プロセスの開始前および/または単一のパスの前に決定され、コントローラー100によって実行され得る。こうしたパラメーターは、手動で決定されてもよく、自動的に決定されてもよく、またはそれらの組み合わせであり得る。例えば、パスがなされる前に、層の厚さ、造形方向、造形速度、ローラー方向および速度、材料対ローラー連通レベル(材料36の粘度に基づいて決定される)、および露光装置50のパワー出力を決定してもよく、堆積機構30は所定の開始(登録)位置に配置され得る。
【0043】
図1、3、4、8~13、および15~19の実施形態では、アプリケータ40は、材料供給部34と連通または接触するローラー42を含むか、またはその形態である。これらの実施形態では、ローラー42は円筒形であり、供給部34と接触する円筒形外側表面43を有する。
図1および
図3の実施形態では、ローラー42は中空であるか、またはその他の方法で内部チャンバーを有するが、代替的に、例えば、
図3~4の実施形態では、固体シリンダーであり得る。ローラー42は、材料36がローラー42の外側表面43上でピックアップされるように回転し、オブジェクト11の製造のために塗布部位41に運ばれる。ローラー42は、ギア、スプロケット、車輪、ベルトなどのさまざまな機構のいずれかによって回転するように動力が供給され得る。一実施形態では、ローラー42は、キャリッジ32の移動とともに回転するように構成され、すなわち、ローラー42の上部がキャリッジ32の移動と反対の方向およびほぼ同じ速度で移動するように構成される。これは、
図1および
図3~4に概略的に表示され、オブジェクト11および塗布材料36の表面上のドラッグおよび/またはせん断を回避する。別の実施形態では、ローラー42は、異なる速度で、すなわち、堆積表面にわたる並進移動速度よりも速い、または遅い速度で回転するように構成され得る。並進移動速度よりも早くローラー42を回転させることで、ローラー42の表面43上の材料36に対する堆積表面での材料36の露出時間を増加させることによって、材料36の堆積表面での硬化を改善できると考えられる。ローラー42は、波がローラー42を比較的変化しないで通過することができるように、露光装置50によって放射される電磁波に対して透過性である材料からさらに作製され得る。塗布部位41は、ローラー42の外側表面43と堆積表面、すなわち、造形プラットフォーム22またはオブジェクト11の表面との間に一般的に画定される。ローラー42の外側表面43と堆積表面との間の間隔は、堆積される材料36の厚さ、および固化材料層38の最終的な厚さを画定し得る。ローラー42の材料は、十分な透過性を確保するために電磁波の特定の波長にカスタマイズされ得ることが理解される。アプリケータ40は、別の実施形態では異なる構成を有してもよく、異なる機構を使用して材料36を塗布部位41に運んでもよい。アプリケータ40はさらに、
図25に示されるように、造形プラットフォーム22に対して異なる向きを有することができる。
【0044】
本明細書に記述した特定の実施形態におけるローラー42の使用は、ローラー42の頂点で移動保持領域を作成し、ローラー42の頂点と造形表面(すなわち、造形プラットフォームまたは最後に堆積された層38)との間の固定距離は、生成される層の厚さを決定する。さらに、ローラー42は材料36の供給部34と連通しているため、任意の非固化材料36が供給部34に戻され、廃棄物を低減または排除する。
【0045】
アプリケータ40がローラー42として構成される時、造形プラットフォーム22の表面および/またはローラー42の表面は、所望の接着特性のために選択または修正され得る。造形プラットフォーム22の表面および/またはオブジェクト11の任意の塗布層38の表面が、ローラー42の表面よりも固化材料36により高い接着性を有することは、有益である。これが起こらない場合、材料はローラー42に接着し、そこで固化して、製造されるオブジェクト11に欠陥を引き起こす場合がある。一実施形態では、ローラー42は、接着を低減するために低接着材料から作製されるか、またはコーティングで処理され得る。同様に、造形プラットフォーム22の表面は、接着を増加させるため高接着材料から作製されるか、またはコーティングで処理され得る。一実施形態では、ローラー42は、材料36(すなわち、造形プラットフォーム22または最後に堆積した層38)の接着表面の接着特性よりも固化材料36に対して低い接着特性を有する。流動性材料36の接着特性は、異なる材料に対して異なってもよい。
【0046】
図1、3、4、8~13、および15~19の実施形態では、供給部34は、ローラー42の回転が材料36を塗布部位41に運ぶように、ローラー42と接触する流動性材料36のバットとして構成される。この構成では、流動性材料36は、ローラー42が未硬化の流動性材料36の連続層を塗布部位41に運ぶことができる十分な粘度を有するべきである。流動性材料36の所望の粘度は、ローラー42の所望の造形速度または回転速度、または供給部34内の材料36のレベルに対するローラー42のレベルに依存し得る。低速な回転速度および/またはより低いバット材料36レベルは、より高い粘性材料36を必要とし得る。より強力な波53は材料をより速く固化する(例えば、樹脂を重合する)ことができるため、露光装置50の動力は、より遅いまたはより速い速度を必要とし得ることが理解される。別の実施形態において、供給部34は、材料36をローラー42上に強制する注入器またはノズルを含むことによってなど、より複雑であり得る。
図15~
図19の実施形態では、供給部34は、バット内の材料36のレベルを再充填または維持するために、追加の材料36の容器の取り外し可能な接続を可能にし得る流体コネクター35を含む。さらに、流動性材料36の供給部34は、アプリケータ40の構成が変更された場合、異なって構成されてもよく、供給部34は、アプリケータ40の設計と互換性があるように構成されてもよく、またはその逆であり得る。
【0047】
図27に示す一実施形態では、供給部34は、複数の流動性材料36A~Eを保持し、堆積機構30が、異なる材料36A~Eから複数のオブジェクト11、または異なる材料36A~Eから同時に単一のオブジェクト11を造形することを可能にするように構成され得る。
図27に示すように、供給部34は、異なる材料36A~Eを分離するための仕切り37を有するバットとして構成され得る。仕切り37は、異なる材料36A~Eの比および境界を所望の通り変更するように調節可能であり得る。本明細書で使用される「異なる材料」を使用することの説明はまた、異なる着色を有する同じ材料の使用を可能にし得ることが理解される。
【0048】
露光装置50は、一般的に、電磁波53を放射して塗布材料36を固化してオブジェクト11を形成するように構成される。電磁波の波長および強度は、固化される材料36および固化の速度または機構に基づいて選択され得る。例えば、光硬化性樹脂が材料36として使用される場合、露光装置50は、固体材料層38を形成するために樹脂を硬化/重合するための適切な波長である光(可視、IR、UVなど)を放射するように構成され得る。別の例として、焼結プロセスを使用して流動性材料36を固化する場合、露光装置50によって放射される波53は、材料36を焼結して固体材料層38を形成するのに十分な力を有し得る。露光装置50はまた、材料36が露出部位51で波に露出される、造形領域13内の露出部位51に向かって放射された波を方向付けるさまざまな構成要素および構造を含んでもよい。波は、一実施形態では、露出部位51がほぼ塗布部位41に位置するように、または別の実施形態において、露出部位51が塗布部位41からオフセットされるように(走行方向で、塗布部位41の前方または後方に)方向付けられてもよい。
図1および
図3は、波53が、ほぼ塗布部位41において露出部位51に向けられること(実線で)を図示し、波53が、塗布部位41の後方または前方にオフセットされた露出部位51に交互に向けられること(破線で)をさらに図示する。
図4は、塗布部位41の後ろの露出部位51オフセットに向けられる波53を示す。
【0049】
一般に、露光装置50は、露光装置によって生成された波が出口54を通って出て、露出部位51の特定の領域に向かって方向付けられ、堆積機構30が通過するにつれて、露出部位51の選択された領域で材料36の選択的な固化を可能にするように構成される。一実施形態では、露光装置50は、波53を露出部位51に向かって方向付けおよび/または集束させるよう設計された構成要素を含む露出アセンブリー60の一部である。出口54は、アレイ55内に配置されてもよく、アレイ55に沿った特定の出口54は、
図5Aおよび5Bにしめすように、材料36の部分を選択的に固化するように選択的に駆動され得る。
図5Aおよび5Bは、アクティブ出口56が暗く、非アクティブ出口57が明るいことで示される。
図5Aおよび5Bでは、アクティブ出口56および非アクティブ出口57は、ローラー42が、オブジェクト11の形状または輪郭が変化する点に達すると変化する。出口54の選択的な起動および停止は、本明細書に記載されるように、コントローラー100によって制御され得る。
図5Aおよび5Bのアレイ55は、出口54の単一の水平列として図示される。他の実施形態では、アレイ55は、複数のオフセットした水平な列など、異なって配置され得る。アレイ55内の複数の列の使用は、単一の列の使用よりも、出口54間のより狭い横方向の間隔を許容し得る。
図14のアレイ55は、同様に、これらの実施形態のいずれかに従って構成および配置され得る。
【0050】
上述のように、波53は、露出部位51へのそれらの経路上のローラー42を貫通し得る。
図1の実施形態では、出口54はローラー42内に配置され、放射波53は、一度、露出部位51への経路上にローラー42の表面を貫通する。
図1の実施形態では、露光装置50自体は、
図8~13の実施形態のように、ローラー42内に配置されてもよく、または露光装置50は、出口54がローラー内に配置された状態で、ローラー42の外側に配置され得る。
図3の実施形態では、出口54はローラー42の下方に位置し、放射波53は、露出部位51へのそれらの経路においてローラー42を完全に貫通する。
図15~18の実施形態は、同様に構成される。この構成では、堆積機構30は、
図16~17に示すように、波53が供給バット34の壁を通過することを可能にするように構成された窓44を含み得る。スクイージー、ガスケット、またはその他の密封構造などの追加的な構造を使用して、ローラー42と窓44との間の樹脂の浸入に抵抗し得る。
図4の実施形態では、出口54は、塗布部位41のすぐ後ろに位置する露出部位51に配置され、それに向けられ、本実施形態では、波53はローラー42を通過する必要はない。
図4の実施形態における波53は、望ましい場合、ローラー42の一部分を通過するよう指示され得ることが理解される。
【0051】
一実施形態では、露光装置50は、波53のソースとしてデジタル光プロセシング(DLP)プロジェクターなどのプロジェクターであり、また、露出アセンブリー60は、
図8~13に示すように、光ファイバー61を使用して波53を露出部位51に方向付け得る。本実施形態では、プロジェクター50は、プロジェクター50によって放射される光が光ファイバー61の入口端部62に入り、光ファイバー61を通って伝わり、露出部位51に向けられた光ファイバー61の出口端部63を通って出るように構成される。本実施形態の出口54は、光ファイバー61の出口端部63によって形成され、
図1、5A~B、および8~12に示すように、ローラー42内に配置され、ローラー内のアレイ55として配置され得る。こうした実施形態では、光ファイバー61は、シリンダーの一方または両端からローラー42内に延在してもよく、この場合には、適切な封止およびブレーシング構成要素を光ファイバー61の周りに使用し得る。例えば、
図8~12の実施形態では、光ファイバー61の出口端部63は、ケーシングまたは類似の構造67によって収集され、所定位置に保持され得る(
図5A~5B)。露出アセンブリー60はさらに、
図13に示されるように、集束機構66を使用して、光波53が光ファイバー61の出口端部63を出た後、光波53を集束させることができる。一実施形態では、集束機構66は、波長53を集束させ、露出部位51への経路上の回折を回避するSelfocレンズアレイ(SLA)レンズなどの、光ファイバー61の出口端部63とオブジェクト11との間にマイクロレンズアレイ64を含む。
図8~12は、受金物65によってローラー42内で定位置に保持されるマイクロレンズアレイ64を図示する。他の実施形態では、さまざまな他のレンズ、ミラー、および他の集束機器が使用され得る。こうした集束機構66は、
図3、4、15~18、および25の実施形態など、本明細書に記載の他の実施形態で使用され得ることが理解される。光ファイバー61の使用により、露光装置50の波源がアプリケータ40から、例えば、一部の実施形態において、堆積機構30上の他の場所に、または堆積機構30から離れて、遠隔に配置されることが許容されることが理解される。この構成では、露光装置によって生成される熱は、アプリケータまたは材料36に伝達されず、これにより、望ましくない固化、材料36の特性の変化、またはアプリケータ40の熱変形を回避することができる。また、この構成は、露光装置50が、物理的制限、例えば、ローラー42内部への嵌合を考慮することなく、はるかに大きいおよび/またはより強力な波源(例えば、高出力LEDまたは高出力DLPプロジェクター)を使用することを可能にする。
【0052】
図8~13の実施形態における露出アセンブリー60は、波53がコレクタ70で光ファイバー61の入口端部62に入るように、光ファイバー61の入口端部62と係合するコレクタ70を使用して、露光装置50に対して入口端部62定位置に固定する。コレクタ70の一実施形態を
図12に、
図13に概略的に示す。コレクタ70は、光ファイバー61の入口端部62と係合し、入口端部62をチャンバーまたは通路72内に保持し、(一実施形態ではレンズとして構成され得る)窓73を通路72の端部に位置付けるフレーム71を含む。波53は露光装置50から出て窓73を通って、光ファイバー61の入口端部62に入る。レンズ66Aは、この段階で波53を集束させるために、露光装置50と窓73との間に位置付けられ得る。フレーム71は、光ファイバー61の入口端部62が露光装置50に対して動かないように、露光装置50に対してしっかりと所定位置に保持される。この固定された相対位置決めにより、露光装置50は、ピクセルマッピングを使用して出口54を選択的に起動および停止することができる。換言すれば、各光ファイバー61の入口端部62は、指定されたピクセルを活性化することによって、指定されたピクセルによって放射される波53が光ファイバー61を下って伝わり、それによって、その光ファイバー61に関連付けられた出口54を活性化するように、露光装置50の一つまたは複数の指定されたピクセルにマッピングされる。また、ピクセルマッピングは、各光ファイバー61の出口54が向かっている露出部位51の特定の領域のマッピングを組み込む。DLPプロジェクターが露光装置50として使用される一実施形態では、各光ファイバー61は、DLPプロジェクターの複数のピクセル(潜在的には数百以上)にマッピングされる。こうした構成では、複数のピクセルの喪失または不活性化は、光ファイバー61の動作のための十分な機能および電力を維持する能力に影響を与えることなく生じ得る。本明細書に記載のコレクタ70および光ファイバー61の使用は、二次元投影を、およそ一次元(線形)の露出に変換する。このマッピングは、コンピューターメモリに保存され、コントローラー100など、コンピュータープロセッサによって実行され得る。
【0053】
別の実施形態では、露光装置50は、
図14に示すように、波の発生源53として機能するLED59のアレイ55の形態である。LED59は、材料36を固化するための適切な波長および強度の波53を放射するように設計され得る。LED59のアレイ55は、
図14に示すようにローラー42内に、または本明細書に記述されるようにローラー42の外側に位置付けられ得、また、本明細書にも記述されるように、集束機構66を使用し得る。いずれの場合でも、上述のように、出口54におけるマイクロレンズアレイ64は、波53を集束させるのを支援し得る。本実施形態におけるLED59のそれぞれは、露出部位51の特定の領域に向けられる別個の出口54を構成し、LED59は、露出部位51のその特定の領域を波53に露出するために、選択的に起動および解除することができる。起動されたLED59は、アクティブ出口56を構成し、
図14では暗く表示され、不活性なLED59は、明るく示される非アクティブ出口57を構成する。
図14に示すように、アクティブ出口56と整列した材料36は固化されて層38を形成する。LED59は、それらが向けられる露出部位51の特定の領域にマッピングされてもよく、このマッピングは、コンピューターメモリに保存され、コントローラー100によってコンピュータープロセッサによって実行され得る。LED59がローラー42の外側に位置付けられる場合、複数の光ファイバー61をLED59と併せて使用して、出口54を形成し得る。
図66は、LED59のアレイ55がアプリケータ40とは別個に位置付けられたこの構成の一実施形態を概略的に図示し、光ファイバー61は、LED59からの波53が光ファイバー61に入り、出口端部63で放射されるように、LED59に対して所定位置にそれらの入口端部62を固定し、上述のように出口56を形成する。出口56は、集束機構66、および波53の方向を
図66に示されていない堆積機構30の走行方向において前方または後方に調整するための機構の使用を含む、
図1~13の実施形態および他の実施形態に関して、本明細書に示され記載されるのと同じ様式で構成され得る。光ファイバー61の入口端部62は、LEDアレイ55のサイズおよび配置に適切なさまざまな固定およびバンドリング構造を使用してLED59に対して所定位置に固定されてもよく、LEDアレイ55が、一部の構成では直線状に配置されなくてもよいことが理解される。一実施形態では、LED59と光ファイバー61の入口端部62との間には、レンズまたはその他の集束構造は不要であり得る。各LED59は、
図66に示す実施形態では個々の光ファイバー61にマッピングされ得るが、他の実施形態では、複数の光ファイバー61は、各LED59にマッピングされ得る。この構成は、アプリケータ40内に組み込まれ得るものよりも大きいLEDのアレイの使用を可能にする。さらなる実施形態では、異なるタイプの露光装置50が使用されてもよく、堆積機構60は、波53を露光装置から露出部位51の適切な領域に誘導するように構成された構成要素を含み得る。例えば、
図15~
図19の実施形態では、露光装置50はレーザーの形態であり、レンズおよび/またはミラーを含む集束機構66を使用してビームを集束させる。
図16~17の集束機構66は、一つまたは複数のレンズ66Aおよび一つまたは複数のミラー66Bを含む。別にさらなる実施形態では、露光装置50は、LCDソースまたは高速位置決め可能機械的シャッターシステムの形態であり得る。
【0054】
装置12の動作中、アプリケータ40と堆積表面との間の間隔は、堆積されるオブジェクト11のそれぞれの新しい層38に対して変更されなければならない。
図1、3、4、8~11、および15~19の実施形態におけるアプリケータ40は、ローラー42が堆積表面の下方に鉛直に位置決めされ、ローラー42の上方に鉛直に層38を形成するように配向される。本実施形態では、相対的な鉛直並進移動(すなわち、交互吸着造形方向に対して平行)は、連続的な層38の製造中にアプリケータ40と堆積表面との間で起こる。この鉛直並進移動は、例えば、
図6A、6Bに示され、堆積機構30が、第一のパスと第二のパスとの間の鉛直並進移動を想像線で示すように、第一のパス(
図6A)を左から右に行い、第一の層38を堆積っせ、および第二のパス(
図6B)を右から左に行い、第二の層38を堆積させることを示す。位置決めにおけるこの相対的な変化は、一つまたは複数の異なる方法および機構またはその組み合わせを使用して達成することができる。
図8~11および
図15~19の実施形態では、この鉛直並進移動は、本明細書に記載の鉛直位置決め機構23を使用して、造形プラットフォーム22の上昇を変更することによって達成され得る。別の実施形態において、この鉛直並進移動は、本明細書に記載される類似の鉛直位置決め機構23を使用して達成され得るトラック14の上昇を変更することによって、代わりに達成され得る。さらなる実施形態では、堆積機構30は、アプリケータ40および/またはシャーシ32全体を上昇または下降させることによって、造形プラットフォーム22に対するアプリケータ40の鉛直位置を変更するための機構を含み得る。例えば、
図20A~Bを参照すると、堆積機構30はそれぞれ、キャリッジ32をトラック14に対して上昇または下降させることによって、制限された動作範囲を通してトラック14に対して鉛直並進移動することができる。鉛直並進移動は、キャリッジ32を、トラック14をローラー42に対して係合する駆動構造を鉛直に移動させるなど、あらかじめ設定された鉛直位置の間で切り替えることによって達成され得る。本実施形態におけるアプリケータ40に対する造形プラットフォーム22の主な鉛直並進移動は、本明細書に記載されるように造形プラットフォーム22の移動によって達成され、堆積機構30の鉛直位置決め範囲は、複数の堆積機構30が、より時間がかかる、造形プラットフォーム22の位置を調整することなく、造形領域13を通過することを可能にする。これらの実施形態の動作は、本明細書にさらに詳細に説明される。
【0055】
堆積機構30は、高品質のオブジェクト11を製造するための追加的な機能を提供するさらなる追加の構成要素を含み得る。本明細書の実施形態の例示的実施形態のいずれかは、本明細書に具体的に図示されていなくても、これらの追加の構成要素の任意の組み合わせを含み得ることが理解される。例えば、堆積機構30は、
図7に示すように、移動方向にアプリケータ40を追跡するように構成された一つまたは複数の二次露光装置80を含み得る。二次露光装置80は、追加的な電磁波53を放射して材料をさらに固化させ、その波53が、露光装置50からの波53と同じまたは異なる波長および強度を持ち得る。一実施形態では、二次露光装置80は、オブジェクト11の表面全体が照射されることが許容されるので、正確に集束させる必要はない。この構成では、露光装置50からの波53は、安定した層38(「緑色状態」として知られる)を形成するのに十分な程度に材料36を固化するのみ構成されてもよく、次いで、二次露光装置80は、層38を所望の最終固化レベルにさらに固化する。これは、オブジェクト11が典型的には緑色状態で生産され、完全な硬化のためにその後の別個の照射工程を必要とする既存のプロセスに対して、著しい効率上の利点を示す。一実施形態において、露光装置50および二次露光装置80のパワーレベルは、各露光装置50、80が材料36を部分的に固化し、組み合わされた露出が材料36を完全に固化するのに十分であるように設定され得る。この設定により、審美的および/または機械的損傷を引き起こす可能性のある材料36の過剰露出を避ける。
図15~
図19の実施形態は、キャリッジ32が180°の回転を行わずに二つの反対方向に移動している間に、層38の二次露出を可能にする二つの二次露光装置80を含む。トレーリング二次露光装置80がアクティブである状態で、リーディング二次露光装置80は、キャリッジ32の各パスに対して無効化されてもよく、または両方の二次露光装置80がアクティブであり得る。二次露光装置80の構成要素80Aを
図16にしめす。コントローラー100は、二次露光装置80の作動を制御し得る。
【0056】
別の例として、堆積機構30は、一つまたは複数のスクイージー81または一つまたは複数の非接触真空スクイージー82など、過剰および/または未固化材料を除去または再配置するように構成された一つまたは複数の材料除去および/または再配置機構を含み得る。例えば、
図15~19の実施形態は、層38の表面を拭いて、固化プロセス後に過剰および/または未固化材料36を除去する、ローラー42の交互側面上に配置された二つのスクイージー81を含む。一実施形態では、スクイージー81は、トレーリングスクイージー81のみがオブジェクト11の表面と係合するように、上昇および下降するように構成されてもよく、コントローラー100によって操作が制御され得る。別の例として、
図15~
図19の実施形態はまた、ブローまたは吸引を通して真空気流の適用を通して固化プロセスの後に過剰なおよび/または未固化材料36を除去または再配置する、ローラー42の別の側面上に配置された二つの真空スクイージー82を含む。真空スクイージー82の構成要素82A~Bは、
図16に示される。一実施形態では、真空スクイージー82は、後部真空スクイージー82のみがオブジェクト11の表面に影響を与えるように、起動および停止されるように構成されてもよく、コントローラー100によって操作が制御され得る。一実施形態では、真空スクイージー82は、オブジェクト11の鉛直表面上に位置する残りの流動性材料36を、塗布層38の隣接する水平表面に移動させることができ、材料36は、機械的スクイージー81によって除去され、供給部34内に回収され、または、例えば、二次露光装置80によって、塗布層38の一部になるように固化され得る。任意の残りの材料36をオブジェクト11の表面に動かして固化させることは、次に塗布層38の保持および結合を助けることができるように、追加的な縁部体積および層の縁部に不規則な表面を生成するという付加的な利点を有する。一実施形態では、真空スクイージー82は、オブジェクト11の一つまたは複数の基礎層が完了するまで作動しなくてもよい。真空スクイージー82は、別の実施形態において、過剰および/または未固化材料を完全に取り除くように交互に構成され得る。
図8~11の実施形態は、
図15~
図19の実施形態と同様に構成されたスクイージー81および真空スクイージー82を含む。
【0057】
図65は、一実施形態による、本明細書に記述された真空スクイージー82を使用して、未固化流動性材料36の移動およびその後の固化を図示する。
図65では、ステップAは、以前に固化された以前の層38B上に積み重ねられた、露光装置50によって固化された最後の固化層38Aの縁の周りに残る未固化材料36を示す。
図65の層38A~Bの陰影は、材料36の異なる程度の固化/硬化を図示する。
図65のステップBは、本明細書に記載の真空スクイージー82による未固化材料36の再配置を示す。未固化材料36は、層38Aの鉛直面93から層38Aの水平面94に移動され、水平面94の縁の近くにとどまる。
図65のステップCは、本明細書に記述される二次露光装置80による材料36の固化を描写し、固化材料38Cを形成する。この構成の固化材料38Cは、以前の層38Aの縁の近くに不均一な部分を形成する。
図65のステップDは、以前の層38Aへの結合が、固化材料38Cの縁部分によって強化される、次の層38Dの塗布および固化後のオブジェクト11を示す。追加的な未固化材料36がステップDに図示されており、プロセスは、その後、造形が完了するまでサイクルでステップBに戻ることができることが理解される。
【0058】
さらなる追加の構成要素が、他の実施形態に含まれてもよい。一実施形態では、
図19に示すように、一つまたは複数の追加の構成要素83は、キャリッジ32に、および互いにモジュール式に接続可能であり、所望の機能を提供し得る。ファスナー、クランプ、連動構造(例えば、タブ/スロット)、またはその他の構造などの取り外し可能な接続を使用して、これらのモジュール接続を実現し得る。
図19に示すように、追加の構成要素83の各々は、完全にモジュール化されカスタマイズ可能な構造を提供するために、キャリッジ32に接続可能であり、互いの追加の構成要素83の外部に接続可能である。こうした追加の構成要素83は、本明細書に記述されるように、一つまたは複数の二次露光装置80、スクイージー81、または真空スクイージー82を含み得る。こうした追加の構成要素83はまた、溶媒または液体洗浄装置、機械的ワイパー/クリーナー、カラーアプリケータ、または追加の材料堆積のための装置などの他の機能的構成要素を含んでもよい。この構成で使用されるカラーアプリケータは、層ごとに着色することを可能にし得、最終的なオブジェクト11に、単に表面コーティングではなく、オブジェクト11の厚さを内部的に貫通する着色を与える。追加の材料堆積のための装置は、オブジェクト11の本体内の伝導性材料またはトレースの堆積のための装置を含むことができ、伝導性および/または回路機能をオブジェクト11に提供する。
【0059】
装置12は、
図20~23に例証されるように、複数の堆積機構30および/または複数のアプリケータ40を使用して、造形領域13を順番に通過するように構成され得る。
図20~23の複数の堆積機構30は、同じトラック14に接続されるものとして図示されるが、複数のトラック14が別の実施形態において使用され得る。一実施形態では、
図20A~Bを参照すると、複数の堆積機構30は、造形領域13を連続的に通過するように構成されてもよく、各堆積機構30は、異なる鉛直位置にアプリケータ40を有する。異なるアプリケータ40の位置は、
図20A~Bの想像線で示され、各連続する堆積機構30は、前述の堆積機構30よりも離間が小さい。この構成は、本明細書の他の箇所で説明される鉛直位置決め構造を使用して達成され得る。複数の堆積機構30の間の鉛直位置決めにおける差は、各塗布層38の所望の厚さと実質的に同じであり得ることが理解される。
図20Aでは、造形領域13を通過する複数の堆積機構30は、支持アセンブリー20の再位置決めを必要としない単一のパス内に、層38を、それぞれ、次の上に一つ堆積する。この構成は、
図20Aは、単一の堆積機構30を有する単一のパスの3倍の数の層を堆積するので、乗法的効率と時間の節約を増大させる結果となる。さらに、複数の堆積機構30は、
図20Bに示されるように、造形プラットフォーム22の再配置後に、逆方向のパスを可能にして三つの追加的な層38を堆積させるように、それらの高さを逆の順序で調節するように構成され得る。別の実施形態では、支持アセンブリー20は、
図22に示すように、複数のパスを可能にするため、通過する各堆積機構30の間の造形プラットフォーム22の位置を迅速に調整するように構成され得る。さらなる実施形態では、トラック14は、ループまたは円形コンベヤー構成に配置されて、堆積機構30の方向を逆転させることなく、同じ相対造形プラットフォーム22の高さで一つまたは複数の堆積機構30による通過を可能にすることができる。これにより、互いに対する堆積機構30の相対的な高さを再調整するための必要性を除去し得、トラック14に対する造形プラットフォーム22の調節のみを必要とする。これはまた、逆方向のパスを可能にするために、二次露光装置80、スクイージー81、真空スクイージー82などの重複構成要素の必要性を排除することができる。トラック14のループは、水平、鉛直、またはより複雑な構成であり得る。複数の堆積機構30が使用される場合、全ての堆積機構30は、同じ材料36を使用してもよく、または異なる堆積機構30は、異なる材料36を塗布するように構成され得る。異なる材料36の特性の違いにより、堆積機構30は、異なる速度で通過する必要がある場合がある。本明細書に記載される自己推進キャリッジ32は、この動作を可能にする。別にさらに、トラック14は、所望の場合、堆積機構30間の切り替えを可能にするために、未使用の堆積機構およびトラック切り替え機構のための休息領域を有する複雑な構造(図示せず)を含み得る。
【0060】
別の実施形態では、複数の堆積機構30は、
図20A~Bを参照して、造形領域13を連続的に通り抜け、堆積機構30は、アプリケータ40を同じ鉛直位置に有する。これは、オブジェクト11の同じ層の異なる部分を造形するために使用することができ、特に、堆積機構30は、層内に異なる材料36を堆積するように構成され得る。例えば、異なる堆積機構30は、異なる色を有する部分を生成することができ、または一つの堆積機構30は、オブジェクト11の本体を生産し得、一方で別のものは、後に除去される支持構造を生成し得る。
【0061】
図21に示す別の実施形態において、単一の堆積機構30は、異なる高さで位置付けられた複数のアプリケータ40を含み、別個の塗布部位41を画定し、一つまたは複数の露光装置50によって放射される波53のための十分な出口54が、各アプリケータ40のための別個の露出部位51を画定する。複数のアプリケータ40は、流動性材料36の単一の供給部34、または一つまたは複数の流動性材料36の複数の供給部34で構成されてもよく、その他の構成要素は、所望される場合、複製され得ることが理解される。
図21のローラー42は、一実施形態では、互いに鉛直に調節可能であり得る。
【0062】
他の実施形態では、
図24A~Bでは、単一または複数の堆積機構30は、トラック14が通過する別個の造形領域13を有する、各々の別個のオブジェクト11を有する複数の造形プラットフォーム22または同一の造形プラットフォーム22上に造形される複数のオブジェクト11を使用することによって、複数のオブジェクト11を単一のパス内に造形するように構成され得る。
図24Aでは、複数の堆積機構30は、複数の連続する層38を複数のオブジェクト11に単一のパスで塗布し得る。
図24Bでは、複数の堆積機構30は、同一の層38の異なる部分を、複数のオブジェクト11のそれぞれに単一のパスで塗布し得る。この構成は、複数材料オブジェクト11または後で除去されることになるオブジェクト11とともに製造される支持構造を含むオブジェクト11など、複数の材料が同じ層に堆積される必要のある部品に特に有用であり得る。アプリケータ40に対する造形プラットフォーム22の高さは、本明細書に記述されるように、パス間で調整され得ることが理解される。さらに、
図20~
図23に示す複数の堆積機構30および/または複数のアプリケータ40を、
図24に示す実施形態とともに使用することは、乗法的効率および時間の節約を可能にし得る。さらに、
図20~23に示す複数の堆積機構30および/または複数のアプリケータ40を、
図24Aまたは24Bに示す実施形態と組み合わせて使用することは、複数の同一のオブジェクト11の異なる部品を、各堆積機構30の単一のパスで同時に製造することを可能にし得る。例えば、第一の堆積機構30は、オブジェクト11の第一の部分を製造するための第一の材料36を搭載することができ、第二の堆積機構30は、オブジェクト11の第二の部分を製造するための第二の材料36を搭載することができ、これらの堆積機構30のそれぞれは、
図24A~Bに示されるように、複数の同一のオブジェクト11上の同じ位置に所望の材料36の層38(または部分層)を順次堆積させる単一のパスを行うよう構成することができる。異なる材料36が使用される場合、異なる堆積機構30はまた、異なる露光装置50を含み得ることが理解される。
【0063】
図28は、本明細書に記載の実施形態による、装置12および堆積機構30を利用して、一つまたは複数のオブジェクト11を製造するためのシステム10の追加の実施形態を図示する。特に、
図28の実施形態は、
図24の実施形態と同様に、いくつかのオブジェクト11を順番に生産するように構成することができる。
図28の実施形態における各堆積機構30は、自律ユニット90として構成されてもよく、コントローラー100がサブコントローラーを制御し、それによって、全てのユニット90を制御するように、全てのユニット90に対するサブコントローラーは、コントローラー100と一体化される、個々のサブコントローラーを有する。各ユニット90は、局所位置決めシステムおよび/またはグローバル位置決めシステム(GPS)を含む、一つまたは複数の位置決めシステムをさらに含み得る。各ユニット90は、堆積機構30と、製造中にユニット90を移動させるように構成された駆動機構91とをさらに含み得る。
図28に示すように、ユニット90は全て、ユニット90を複数のステーションの周りに移動する円形コンベヤー92に接続される。ステーションは、それぞれ特殊な目的のために構成できる。例えば、一部のステーションは、ユニット90が、一つまたは複数の造形プラットフォーム22上の一つまたは複数のオブジェクト11を製造するための一つまたは複数の造形領域13を通過してパスを行う製造ステーションであり得る。こうしたステーションはまた、ユニット90によって造形するための適切な位置に造形プラットフォーム22を保持するロボットアームなどのロボット構成要素を含んでもよい。他のステーションは、ユニット90に供給部34を補充するように構成されたステーションなどの保守ステーションであり得る。円形コンベヤー92は、造形中のユニット90の移動を案内するために、本明細書に記述したように一つまたは複数のトラック14を有し得る。駆動機構91は、ユニット90が自律的に駆動され、再充填または保守ステーションを訪問するなど、造形プロセスにない時にトラック14と係合および係合解除し、およびトラック14から離れて移動することができるように、多機能であり得る。
図28に例証される構成では、
図24に関して上述したように、各ユニット90は、単一のオブジェクト11または異なるオブジェクトの異なる部品を製造するための異なる材料36を装填され得る。従って、この構成は、一連のオブジェクト11、同一のオブジェクト11または異なるオブジェクト11のいずれかを迅速に製造する能力を提供する。
【0064】
図29は、装置12および本明細書に記載のローラー42とは異なるアプリケータ40を有する堆積機構30を利用して、一つまたは複数のオブジェクト11を製造するためのシステム10の追加の実施形態を図示する。
図29の実施形態では、アプリケータ40は、流動性材料36の供給部34と連通し、横方向移動によって流動性材料36を塗布部位41に運び、オブジェクト11の層38を形成する可動フィルム84を含む。
図29の堆積機構30は、上述したように、塗布部位41の位置および塗布層38の厚さを画定する静的表面85を有し、フィルム84は、静的表面85上を移動することによって材料36を塗布部位41に搬送する。静的表面85は、
図29の円筒によって形成されるが、その他の実施形態では、隆起または他の構造によって形成され得る。例えば、
図30は、台形構造によって形成される平坦な静的表面85を有する、
図29に示すシステム10の実施形態を図示する。細長いまたは平坦な表面を有する楕円形、長円形、またはその他の構造が、他の実施形態で使用され得る。
図29の堆積機構はまた、移動方向に応じて、取込みまたは供給ステーションとして機能する、塗布部位41の両側に二つのロール86を有する。例えば、
図29では、堆積機構は、示されるように左から右へと移動し、フィルム84は右から左へと移動し、左手ロール86は取込みステーションとして機能し、右手ロール86は供給ステーションとして機能する。これは、右から左に移動すると逆になる。また、フィルム84のためのガイドローラー87または他のガイド、取込みローラー86に到達する前にフィルム84から流動性材料36を除去するためのスクイージー81、または他の材料除去装置、およびロール86上に格納されたフィルム84を洗浄するための洗浄ステーション88などの他の構成要素も含まれる。キャリッジ32は
図29には示されていないが、これらの構成要素の全ては、本明細書に記載のキャリッジ32に取り付けられてもよいことが理解される。
図29に示すように、露光装置50、またはその少なくとも出口54は、静的表面85の下および静的表面85を画定するシリンダー内に位置し得るが、本明細書に記載の露光装置50およびその出口54の任意の構成および位置決めを、本実施形態に関連して使用することができる。図示した構成では、露光装置50からの波53は、露出部位51への経路上の静的表面85およびフィルム84の両方を通過する。追加的実施形態では、静的表面85は、静的表面85を通過することなく、波53が露出部位51を通過することを可能にするギャップを有し得る。さらなる実施形態では、静的表面85は、レンズまたは他の集束機器が不要な露出部位51に近接して出口54を配置し得る、このようなギャップ内に取り付けられた出口54のアレイ55を有し得る。
【0065】
図25は、造形プラットフォーム22の上方に位置付けられた堆積機構30を有する、流動性材料36の従来のバット供給部34を使用するシステム10および装置12の代替実施形態を図示する。本実施形態における堆積機構30は、一般的に、ローラー42およびそれらの経路上のローラー42を露出部位51へと通過する波53を放射する露光装置50を有し、トラック14に沿って移動するよう構成されたキャリッジ32を含む。本実施形態では、ローラー42は、
図1および
図3~4の実施形態のようにアプリケータとして作用しないが、このような前の実施形態と同様に、材料36の塗布層38の厚さを画定する。従って、本実施形態のローラー42は層画定機構として作用し、材料36に沿ってまたは材料36を通ってスライドするブロック形状など、別の実施形態では、異なる構成構造をこの目的に使用し得る。
図25の造形プラットフォーム22および関連する構造は、本明細書の他の場所で記載したように、取り外し可能な構造を有するように構成され得る。さらに、堆積機構30および/または造形プラットフォーム22は、造形プラットフォーム22およびローラー表面42の相対的鉛直位置調整のための調整機構(図示せず)を有し得る。調整機構は、本明細書に記述された構造および/または造形プラットフォーム22をバット供給部34の中へと徐々に深く動かすなど、既存のバットベースの高速プロトタイピング技術で使用される構造を含み得る。本実施形態は、必要に応じて、制御可能な層38の厚さで、オブジェクト11を流動性材料36の表面の下で製造することを可能にする。しかしながら、本実施形態は、流動性材料36の大きなバット供給部34を維持する要件を排除することなど、本明細書に記載の他の実施形態の利点の一部を提供しない。
図25の実施形態は、本明細書に記載の追加の構造、構成要素、および特徴を含み得ることが理解される。例えば、
図25に図示したシステム10は、本明細書に記載の装置12の構成要素を制御および/または監視するように構成されたコントローラー100も含む。別の例として、露光装置50、またはその少なくとも出口54は、ローラー42の内側に位置するものとして
図25に図示されるが、露光装置50は、別の実施形態では、ローラー42を完全に貫通するように
図3のものと類似して構成され得る。
【0066】
図31~46は、装置12の一つまたは複数の構成要素と連通し、装置12および/またはその構成要素の動作を制御してオブジェクト11を製造するよう構成されたコンピューターコントローラー100に接続され得る製造装置12を含むシステム10の別の実施形態を図示する。
図31~46の装置12は、製造中に造形領域13内でオブジェクト11を支持するための支持アセンブリー20と、造形領域13を通って延在するトラック14と、トラック14上に取り付けられ、材料の交互吸着式適用を通して造形領域13内でオブジェクト11を生産するように構成された材料堆積機構30とを含む。
図31~46のシステム10および装置12の多くの構成要素は、その他の実施形態に関して本明細書に記載される他の構成要素と構造および動作が類似しており、こうした構成要素は、
図31~46の実施形態に関して再度詳細に記載されなくてもよい。類似の参照番号は、そのような類似の構成要素を示すために使用され得ることが理解される。
図31~46の堆積機構30は、本明細書に記載の自律ユニット90として動作するよう構成され、各自律ユニット90は、プロセッサ2604、メモリ2612、および/または自律ユニット90を自動化し、および/またはコンピューターコントローラー100と通信するためのコンピューター実行可能命令を実行するために必要な他のコンピューター構成要素をオンボードに有し得る。
【0067】
図31~46の支持アセンブリー20は、トラック14、造形プラットフォーム22、装置12のその他の構成要素の一部または全てを支持するためのベースフレーム19を含む。
図31~46の実施形態では、トラック14は、ベースフレーム19によって支持されず、床に別々に固定されるが、トラック14は、別の実施形態では、ベースフレーム19に接続され、それによって支持され得る。トラック14は、二つの平行なビームまたはレール15と、堆積機構30に電力を供給するように構成された少なくとも一つのバスバー101とを含む。バスバー101は、一実施形態では、レール15のうちの一方または両方の一部であり得る。さらに、一方または両方のレール15の実質的な全体が、一実施形態では、バスバー101として作用し得る。一つまたは複数のバスバー101は、別の実施形態では、レール15とは別に提供され得る。トラック14は、別の実施形態では、バスバー101を全く含まず、堆積機構30(すなわち、自律ユニット90)は、内部バッテリなどによる移動および動作のために自己動力式であり得る。トラック14、造形プラットフォーム22、支持アセンブリー20、およびその他の構成要素は、
図31~42に図示したものよりも大幅に大きい長さおよび幅を含む、任意の所望のサイズで造形され得ることが理解される。
【0068】
図31~46の実施形態における堆積機構30は、一般に、トラック14と係合し、トラック14に沿って造形領域13を通って移動するように構成されたキャリッジ32と、キャリッジ32に取り付けられた、またはそうでなければ動作可能に接続された流動性材料36の供給部34と、流動性材料36の供給部34と連通し、流動性材料36を造形領域13内の塗布部位41に塗布するように構成されたアプリケータ40と、電磁波を放射して、塗布材料36を固化してオブジェクト11を形成するように構成された露光装置50とを含む。
図31~46の実施形態における流動性材料36の供給部34、アプリケータ40、および露出アセンブリー60は、
図8~13の実施形態における同じ構成要素と機能および構造において類似または同一であり、本明細書で詳細に説明する必要はない。
図31~46の実施形態における流動性材料36の供給部34およびアプリケータ40は、キャリッジ32から取り外し可能であり、第二のアプリケーションモジュール110と交換可能な、樹脂アプリケーションモジュール110とも呼ばれる、統合アプリケーションモジュール110を形成するように接続される。
図44~46は、このようなアプリケーションモジュール110、およびアプリケーションモジュール110の取り外しおよび交換のプロセスの例を図示する。
図43は、ローラー42および供給部34を画定する構造を含む、アプリケーションモジュール110の一部分を図示する。
図43~46に示すように、供給部34は、流動性樹脂36と連通するように、少なくとも部分的にリザーバー内にローラー42が配置されたバットまたはリザーバーの形態で提供され、供給部34は、望ましい場合、樹脂36を排出することなく取り外すことができる。本実施形態のアプリケータ40は、細長いローラー42の形態であり、ローラー42の端部の一方または両方が、バット34の側壁111に接続される。光ファイバー61は、側壁111の一つおよびローラー42の端部のうちを通って延在する開口部112を通過し、ローラー42の内部に通過して、ローラー42内に出口54のアレイ55を形成する。繊維61、マイクロレンズアレイ64および露光装置50のその他の構成要素を保持する、受金物65および関連する支持構造113は、アプリケーションモジュール110が取り外された時、所定位置にとどまる。この実施形態では、
図44に示すようにアプリケーションモジュール110を取り外すために、キャリッジ32のサイドパネル114が取り外されることが理解される。
図31~46の実施形態における取り外し可能なサイドパネル114は、ローラー42の回転を駆動する駆動アセンブリー115として、キャリッジの反対側にある。一実施形態において、堆積機構30の一方または両方のサイドパネル114は、供給部34に接続された樹脂タンクを含み、使用済み材料36を置換し、および/または材料36のレベルを一定に保ってもよい。
図8~
図13の堆積機構は、
図47に示すような本明細書に記載の取り外し可能なアプリケーションモジュール110を含み得る。
【0069】
図44~45に示すように、アプリケーションモジュール110が取り外された後、同じまたは異なるアプリケーションモジュール110は、
図46に示されるように、同じ方法で交換され得る。一実施形態では、第一のアプリケーションモジュール110は、取り外して、異なる特性を持つ第二のアプリケーションモジュール110と交換できる。例えば、第二のアプリケーションモジュール110は、異なる構成のアプリケータ40を有してもよく、または異なる流動性材料36を有してもよく、供給部34を排出、清掃、および補充することなく、流動性材料36の切り替えを可能にする。別の例として、アプリケーションモジュール110は、修理または再充填のために取り外されてもよく、ダウンタイムを回避するためにバックアップアプリケーションモジュール110と交換され得る。他の実施形態では、供給部34またはアプリケータ40のいずれかは、独立して取り外し可能であり、類似の構成を使用して交換可能であり得る。他の取り外し可能な構成を他の実施形態で使用し得る。
【0070】
支持アセンブリー20は、造形プラットフォーム22を造形位置と管理位置との間で移動するための機構102をさらに含み、造形プラットフォーム22は、造形位置のオブジェクト11の生成のためにトラック14に向かって面し、造形プラットフォーム22は、管理位置のトラック14から離れて面し、オブジェクト11上で管理動作が実施されることを可能にする。管理動作の例には、支持構造の除去(例えば、切断、機械加工などによる)を含む材料の除去などによるオブジェクト11を修正することと、オブジェクト11の製造が完了したかのように、ペイント、クリーニング、または造形プラットフォーム22からオブジェクト11の除去することと、、または、RFIDチップ、磁石、追加されたウェイトまたは構造サポート、プリント回路基板、液体タンクなど、以前に同じまたは異なるプロセスによって製造された機能的または非機能的構成要素(二次オブジェクトとも呼ばれる)を挿入または取り付けることとが含まれる。こうした二次オブジェクトは、造形プラットフォーム22が造形位置に戻されたときに、オブジェクト11の連続生産中に波53に露出しないように、構成内で接続され得る。例えば、二次オブジェクトは、部分的に造形されたオブジェクト11の内部空洞内に挿入されてもよく、および/または保護ケーシングを含んでもよい。一実施形態において、二次オブジェクトは、本明細書に記述されたように、同一または他の造形プラットフォーム22上で同時に製造される他のオブジェクト11であり得る。
図31~46の実施形態では、機構102は、回転によって造形位置と管理位置との間で造形プラットフォーム22を移動させる。
図31~33および37は、造形位置における造形プラットフォーム22を図示し、
図34は、造形プラットフォーム22が造形位置から管理位置へと移動していることを図示し、
図35および36は、本実施形態では、管理位置における造形プラットフォーム22を図示する。
【0071】
図31~46の実施形態における造形プラットフォーム22を移動させるための機構102は、本明細書に記載の造形プラットフォーム22を画定および/または支持する支持プラットフォーム24を含み、一つまたは複数の回転ベース103が支持プラットフォーム24に接続され、支持プラットフォーム24を移動させるように回転するように構成される。
図31~37に示すように、機構102は、軸を中心として一体に回転するように構成された支持プラットフォーム24の両端に二つの回転ベース103を含み、支持プラットフォーム24は回転ベース103に対して固定される。回転ベース103は、ベースフレーム19上に取り付けられ、ベースフレーム19に対して回転するように構成される。本実施形態における支持プラットフォーム24は、支持プラットフォーム24および造形プラットフォーム22が回転ベース103が回転する時に軸を旋回するように、軸からオフセットされ、軸に平行である。この軌道動作は、造形位置と管理位置との間で移動するとき、造形プラットフォーム22が異なる方向に面し、高さが変化する結果となる。本実施形態における造形プラットフォーム22は、造形位置でより高く、鉛直方向により多くの造形空間を許容し、造形プラットフォーム上の任意のオブジェクト11の手動操作を容易にするために、管理位置でより低くなる。別の実施形態において、支持プラットフォーム24は、支持プラットフォーム24が、造形位置と管理位置との間で移動する際に軌道ではなく回転するように、回転ベース103の軸と回転して整列され得る。別の実施形態において、支持プラットフォーム24は、支持プラットフォーム24の一端に単一の回転ベース103のみが提供されるカンチレバー配置、または回転ベース103が支持プラットフォーム24の端部に配置されていない配置など、異なる配置を持ち得る。さらなる実施形態では、異なるタイプの移動機構102を使用し得る。
【0072】
図62~64は、造形位置と管理位置との間で造形プラットフォーム22を移動させるための機構102の別の実施形態を図示する。
図62は、造形位置における造形プラットフォーム22を図示し、
図63は、造形プラットフォーム22が造形位置から管理位置に移動していることを図示し、
図64は、本実施形態では、管理位置における造形プラットフォーム22を図示する。
図62~64の実施形態では、機構は、支持プラットフォーム24に連結され、支持プラットフォーム24を上下に移動させるように旋回するように構成された一つまたは複数の旋回ベース(または旋回アーム)116を含む。
図62~64に示すように、機構102は、共通軸を中心に一体に旋回するように構成された支持プラットフォーム24の両端に二つの旋回ベース116を含み、支持プラットフォーム24は、旋回ベース116に対して旋回するように構成される。旋回ベース116は、ベースフレーム19上に旋回可能に取り付けられ、ベースフレーム19に対して旋回するように構成される。
図63および64に示されるように、造形位置から管理位置に移動する際、旋回ベース116は、アクセスを容易にするために、造形プラットフォーム22のレベルを下げるために下向きに旋回し、支持プラットフォーム24は、旋回ベース116に対して旋回して、造形プラットフォーム22を上向きおよび/またはトラック14から遠ざける。同様に、管理位置から造形位置に移動する際、旋回ベース116は、造形プラットフォーム22のレベルを上昇させるために上向きに旋回し、支持プラットフォーム24は、旋回ベース116に対して旋回して、製造で使用するために、造形プラットフォーム22を下向きおよび/またはトラック14に向かって向ける。別の実施形態では、支持プラットフォーム24は、旋回ベース116に対して旋回するのではなく、旋回ベース116の中心軸の周りを回転し得る。
図62~64の構成は、造形プラットフォーム22の高さを管理位置で調節するのにより大きな能力を可能にし、また自律ユニット90が(本明細書に記載のアプリケータ40を下げることなく)トラック14と係合するためのより大きなクリアランス空間を提供する。
【0073】
図34~37および62~64は、造形プラットフォーム22が造形位置において下向きに、および管理位置において上向きに向くように、造形位置と管理位置との間で180°回転している造形プラットフォーム22および支持プラットフォーム24を図示する。他の実施形態では、造形プラットフォーム22および支持プラットフォーム24は、造形位置から90°または135°回転するなど、管理位置において異なって配向され得る。例えば、一実施形態では、造形プラットフォーム22を移動させるための機構102は、下向きの第一の管理位置(すなわち、
図37および62に示されるように、造形位置22から180°回転)、横方向外向きに面する第二の管理位置(すなわち、
図37および62に示されるように、造形位置22から90°回転)、および/または異なる角度方向での第三の管理位置(例えば、
図37および62に示されるような造形位置22からの135°の回転)のような、異なる方向で複数の管理位置を提供するように構成され得る。さらなる実施形態では、造形プラットフォーム22を移動させるための機構102は、ユーザーによって選択可能な任意の所望の配向で、管理位置を提供するように構成されてもよく、機構102は手動で制御され得る。管理位置の任意の組み合わせは、本明細書に記載の構造、および造形位置と管理位置との間で造形プラットフォーム22を移動させるための機構102のその他の実施形態によって提供され得る。
【0074】
一実施形態では、
図36および37に示すように、システム10および装置12は、互いに異なり、異なる造形時間、造形要件、および/または造形高さを有する複数のオブジェクトを含む、複数のオブジェクト11を同時に生産するために使用され得る。本明細書に記載されるように、さまざまな実施形態による装置12および堆積機構30は、同じ造形プラットフォーム22上の複数のオブジェクト11または同じ支持アセンブリー20によって支持される異なる造形プラットフォーム22上の複数のオブジェクト11を含む、複数のオブジェクト11を同時に生産することができる。
図31~46の装置12では、
図37に示すように、複数のオブジェクト11は、造形プラットフォーム22で造形位置に造形することができる。一つまたは複数のオブジェクト11上に、管理動作が必要な場合、
図36に示すように、造形プラットフォーム22は、管理位置に移動され得、管理動作が実施され得る。
図36は、造形が完成しているオブジェクト11の一つの除去の形態の管理動作を示し、追加の管理動作は、この段階で除去されていないオブジェクト11を含む、任意のオブジェクト11に対して実施され得ることが理解される。管理動作が完了すると、造形プラットフォーム22は、装置12が、二つの残りの未完了のオブジェクト11を造形し続けることを示す
図37に示すように、造形位置に戻ることができる。これにより、異なるオブジェクトを同時に製造できる。
【0075】
図31~46の実施形態におけるトラック14は、堆積機構30(自律ユニット90など)が、所望に応じてトラック14と係合および係合解除できるように、「開放」されるよう構成される。トラック14は、堆積機構30がトラック14と係合および係合解除され得る、一方または両方の端に開放端を有するとみなされ得る。
図41A~42に示すように、ベースフレーム19は、トラック14の一方または両端に二つの鉛直カラム105の間に画定された開口部104を提供し、堆積機構30がベースフレーム19を通してトラックと係合することを可能にする。開口部104はまた、トラック14のレール15の間に存在する。
図31~46に示すトラック14のレール15は、開口部104を超えて、および/またはベースフレーム19の隣接部分を超えて外向きに延在し、トラック14とのキャリッジ32の係合を容易にするために、一つまたは複数の表面上で先細になっている端部106を有する。キャリッジ32は、トラック14と係合してトラック14に沿って堆積機構30の移動を許容するように構成されたトラック係合機構109を有する。
図31~46の実施形態におけるトラック係合機構109は、係合中に端部106を受容し、キャリッジ32がトラック14と係合されるときにそれぞれのレール15の一部分をさらに受容するように構成されるスロット107を含む。
図31~46の実施形態のレール15は、それぞれ、スロット107に受けいれられるフランジまたは他の外向きに延びる部分108を有する。トラック係合機構109は、車輪、ローラー、スライダー、ギア、スプロケットまたはスロット107内に配置され、外向きに延びる部分108の底面および/または内側を含む複数の表面上でレール15と係合する他の係合構造を有する。
図41A~Bに示すように、
図31~46の実施形態におけるトラック係合機構109は、レール15の上面および内面、ならびに外側に延びる部分108の下側を係合してトラック14に対してキャリッジ32を安定化するローラー119を含む。トラック14に沿ったキャリッジ32のロコモーションは、車輪、ギア、スプロケットなどのトラック14を係合するロコモーション機構を含む、トラック係合機構109によって提供される。一実施形態では、堆積機構30は、トラック14に沿ってキャリッジ32の動きを駆動するために、各レール15上の直線ギアと係合する円形ギアを含む。他の実施形態では、トラック14に沿ったキャリッジ32のロコモーションは、他の機構の中でも、電動車輪117または直線誘導モーターによって、提供され得る。一実施形態におけるトラック係合機構109は、バスバー101に係合し、バスバー101から電力を引き出すための一つまたは複数の電気接点(図示せず)をさらに有し得る。堆積機構30は、内部電源、一時的なアンビリカル電源接続、および/または非接触誘導電源を含む他の機構によって駆動され得る。他のトラック係合機構109は、異なるロコモーション機構を含む他の実施形態で使用されてもよく、トラック14およびトラック係合機構109は相補的な様式で設計され得ることが理解される。
【0076】
図31~46の堆積機構30は、
図28に関して本明細書に記述したように、いくつかの状況においてトラック14から独立して移動可能であり得る自律ユニット90であるように構成される。
図40~41Bは、トラック14から独立して堆積機構30が移動し、堆積機構30がトラック14と係合することを示す。
図42に示すように、複数の堆積機構30がトラック14上で同時に使用され得る。こうした複数の堆積機構30は、反対方向に複数のパスを作るために、または単一のパスを作るために構成され得る。例えば、堆積機構30は、トラック14の一端と係合し、造形領域13の単一のパスを行い、次いで、反対側の端でトラック14を出て、異なるタスク(例えば、別の装置)に移動するか、またはトラック14を第一の端部で再び再係合し得る。堆積機構30の連続トレインは、造形領域13を連続的に通過し得、各堆積機構30は、単一のパスを行い、別のパスを行うためにトラック14を再係合するように戻ることが意図される。さらなる実施形態では、装置12は、トラック14から係合解除され得る自律ユニット90を含む堆積機構と、トラック14から容易に切断することができない非自律および/または永久的な堆積機構30との混合物を使用し得る。
【0077】
上述のように、堆積機構30は、
図31~46の実施形態におけるトラック14から別々に独立して移動可能であり得、堆積機構30は自律ユニット90として提供される。本実施形態では、堆積機構30は、トラック14から独立して、支持およびロコモーションのための接地係合機構を使用する。
図31~46の実施形態における接地係合機構は、例えば、装置12が位置する表面上のトラック14から独立して、ロコモーションのために車輪117を使用する。
図31~46の接地係合機構はまた、堆積機構30を安定化させ、トラック14から離れて車輪117による移動中に傾くのに抵抗するために、車輪117の前方および後方側部にスタビライザー118を含む。本実施形態では、スタビライザー118は、必要でない時、格納可能であり、すなわち、スタビライザー118は、トラック14から離れて移動して使用するために、
図33および39に示す拡張位置と、堆積機構30がトラック14と係合されるとき、
図31、32、および38に示される格納位置との間で移動可能である。スタビライザー118は、移動中に接地係合を可能にするための追加の車輪、キャスター、スライダー、またはその他の構造を含み得る。他の実施形態では、堆積機構30は、トラック、可動脚、または他のそのような構造を含む、異なる接地係合機構を含み得る。
【0078】
図31~46の実施形態における堆積機構30は、アプリケータ40および/または堆積機構30のその他の構成要素の位置を、鉛直方向に、すなわち、図示した実施形態の造形方向に平行に調節するように構成された鉛直調整機構120を有する。この構成は、鉛直調整が、造形プラットフォーム22の位置を調節することによって実施される、
図8~11および15~18に図示した構成とは異なる。
図31~46の堆積機構30は、トラック14および/または接地と係合する底部121、および底部121によって支持され、底部121に対して鉛直方向に移動可能な上部122を有する。上部分122は、少なくともこれらの構成要素が上部122とともに鉛直方向に移動するように、少なくとも
図31~46の実施形態のアプリケータ40、流動性材料36の供給部34、および出口54を含む。鉛直調整機構120は、底部121に対して上部122を動かす。
図31~46の実施形態では、鉛直調整機構120は、堆積機構30の両側に二つのリフト123を含む。これらのリフト123は、伸縮構造を含んでもよく、油圧または空気圧シリンダー、ジャッキねじ、スプロケット/チェーン駆動、ギアなどを含む、さまざまな異なる機構によって動力を供給され得る。他の実施形態では、
図31~46の造形プラットフォーム22は、本明細書の他の場所で記載されるように、追加的にまたは代替的に、鉛直調整のために構成され得る。例えば、造形プラットフォーム22は、
図31~46の実施形態では鉛直調整のために構成されていないが、堆積機構30の鉛直調整に加えて、またはその代わりに、他の実施形態ではそのように構成され得る。一実施形態では、造形プラットフォーム22および堆積機構30の両方は、造形されるオブジェクト11の潜在的な鉛直サイズをさらに増加させるために、鉛直調整のために構成され得る。この構成では、造形プラットフォーム22は、堆積機構30の鉛直調整範囲が造形要件に対して不十分である、またはその逆の場合のみ、鉛直調整のために構成され得る。
【0079】
造形プラットフォーム22は、いくつかの実施形態でトラック14のサイズによって可能になるであろうものよりも大きなおよび/または多数のオブジェクトの生成を可能にするように、移動のために構成され得る。例えば、一実施形態では、
図48A~Bに示すように、造形プラットフォーム22は、複数の造形プラットフォーム22を有し、異なるオブジェクト11を生産するために、造形領域13内に異なる造形プラットフォーム22を選択的に位置付けるために移動可能である、支持プラットフォーム24上に提供される。
図48Aに示されるように、支持プラットフォーム24は回転可能であり、第一の造形プラットフォーム22Aを造形領域13内に配置して第一のオブジェクト11Aを生産し、次に回転して、三つの追加の造形プラットフォーム22B~Dの一つを造形領域13に配置して他の三つのオブジェクト11B~Dの一つを生産することができる。この構成は、単一の堆積機構30および/または複数の堆積機構30を備えた単一のトラック14が、オブジェクト11またはオブジェクトの一部を順次生産することを可能にする。これは、一つのオブジェクト11Aの生産を可能にし、その後、完成したオブジェクト11Aが造形プラットフォーム22Aから除去されるのを待たずに、第二のオブジェクト11Bの生産を直ちに開始することの利点を提供する。これはまた、一つまたは複数の堆積機構30が複数のオブジェクト11の第一の部分を順次生産することを可能にし、次に堆積機構30を切り替えてオブジェクト11(例えば、それは異なる材料から作られていてもよい)の異なる部分を生産し、複数のオブジェクトを生産する過程で堆積機構30を変更または切り替える必要がある回数を減らすことを可能にするという利点を提供する。
【0080】
別の例として、造形プラットフォーム22は、
図49A~Dに示すように、一つまたは複数の方向に移動可能な支持プラットフォーム24上に配置され得る。
図49A~Bの実施形態では支持プラットフォーム22は、横方向に(すなわち、y方向に)移動可能である。本実施形態では、堆積機構30は、造形領域13を通過して一つまたは複数のパスを作り、オブジェクト11Eの第一のオブジェクトまたは部分を生産し得る。次に、造形プラットフォーム22および/または支持プラットフォーム24を横方向にシフトさせて、オブジェクト11Fの第二のオブジェクトまたは部分の生産を可能にし得る。
図49A~Bは、x方向、すなわち、堆積機構30の移動方向に沿って見ることが理解される。
図49A~Bの横方向の移動は、堆積機構30の動作を許容して、同一または異なる造形プラットフォーム22上に複数の異なるオブジェクト11を造形すること、または造形領域よりも広い単一のオブジェクト11の部分を造形することを可能にすることができる。
図49C~Dの実施形態において、造形プラットフォーム22は、水平方向に(すなわち、x方向に)移動可能である。本実施形態では、堆積機構30は静止していてもよく、造形プラットフォーム22および/または支持プラットフォームを水平方向にシフトさせて材料36を塗布し得る。言い換えれば、堆積機構30と造形プラットフォーム22との間の相対的移動は、堆積機構の移動ではなく、造形プラットフォーム22の移動を介して達成される。この構成は、生産のために静止して固定される、本明細書に記載の可動堆積機構30を用いて実施されてもよく、本明細書に記載の「開放」トラック14に接続されてもよく、または代替的に、この構成は、永久的な静止堆積機構30を用いて実施され得る。
図49A~Dの実施形態において、鉛直調整は、アプリケータ40の高さ、造形プラットフォーム22の高さ、または組み合わせの調整によって達成され得ることが理解される。さらなる実施形態では、
図49A~Bの造形プラットフォームの移動は、
図49C~Dの移動と組み合わされてもよく、造形領域13の潜在的なサイズをさらに増大させる。
【0081】
装置12は、一実施形態では、アプリケータ40上の材料(例えば、硬化樹脂)の造形を検出するように構成された材料造形センサー124を含み得る。例えば、
図50に示すように、ローラー42が使用されるとき、露光装置50によって硬化される材料129は、不注意にローラー42に接着し得る。この接着材料129は、さらなる造形を引き起こし、オブジェクト11の品質に悪影響を及ぼし得る。
図50の実施形態では、接触部材125は、ローラー42(例えば、材料129)の表面上の任意の不連続性が接触部材125の変位を引き起こし、従って、不連続性が、接触部材125の変位を感知するように構成された変位センサー126によって感知されることを可能にするように位置付けられてもよい。
図50の実施形態における接触部材125は、接触ローラーとして示されるが、その他の接触部材が、スライダー、繊維などの他の実施形態で使用され得る。他の非接触ベースの造形センサー124は、光学センサー、導電率/抵抗センサー、またはその他のセンサーなどの他の実施形態で使用され得る。本明細書に記載の材料造形センサー124は、一実施形態では堆積機構30に組み込まれてもよく、または別の実施形態では堆積機構30から別個に提供され得る。
【0082】
別の実施形態では、堆積機構30は、アプリケータ40によって塗布される材料36の厚さに対するより大きな制御を提供するように、平準化デバイス127で構成され得る。
図51~52は、平準化デバイス127を有する装置の一実施形態を図示し、
図53は、別のそのような実施形態を図示する。
図51~52の実施形態では、堆積機構30は、供給部34から造形領域13に流動性材料36を運ぶために回転するローラー42の形態のアプリケータ40と、流動性材料36を固化するための露光装置50と、ローラー42と露光装置50の出口54との間に位置する平準化ローラー128の形態の平準化デバイス127とを含む。本実施形態では、ローラー42は、流動性材料36を、材料36が塗布される表面130(すなわち、造形プラットフォーム22またはオブジェクト11の表面)に運び、平準化ローラー128は、ローラー42から反対方向に回転して、任意の余分な材料36を供給部34内に戻す。キャリッジ32の移動は、材料36が平準化ローラー128を通過した後、露光装置50に材料36を固化させ、平準化ローラー128と表面130との間の間隔は、塗布層38の厚さをおよそ設定する。
図52に示すように、材料36を塗布するための表面130が存在しない場合、平準化ローラー128の回転は、材料36の全てを供給部34に押し戻す。材料36と表面130との間の接着の増加は、空気ギャップが塗布材料36と堆積機構30との間に、波53と材料36との間の交点に存在するため、
図51~52に示す堆積機構30を使用してオブジェクト11を形成するのを支援し得ることが理解される。本実施形態では、塗布部位41は、露出部位51から離間していてもよく、出口54は、露出部位51を塗布部位41に、または塗布部位41の近くに移動させるために、本明細書に記載の通り、リーディング方向に向けられてもよいことが理解される。堆積機構30はさらに、キャリッジ32の反対側(すなわち、
図51および52の左側)に第二のローラー42および平準化ローラー128を含む。第二のローラー42は、余分な材料36を表面130に向かって移動させないように、塗布部位41を追尾するときに回転しない。キャリッジ32が反対方向(すなわち、
図51~52の右から左)に移動する時、第二の(リーディング)ローラー42は回転し、トレーリングローラー42は静止する。従って、
図51~52の堆積機構30は、二つの反対方向に移動する間、材料36を塗布することができる。
【0083】
図53は、二つの平準化ローラー128の形態の平準化デバイス127を使用する、堆積機構30の別の実施形態を図示する。本実施形態では、アプリケータ40は、材料36を表面130に向かって運ぶローラー42の形態であり、リーディング側の平準化ローラー128は、ローラー42と反対方向に回転して、余分な材料36をローラー42から取り除く。ローラー42と平準化ローラー128との間の間隔が、塗布層38の厚さをほぼ設定する。堆積機構30は、キャリッジ32が反対方向(すなわち、
図53の右から左)に移動しているとき、平準化機能を実行するキャリッジ32の反対側(すなわち、
図53の左側)に第二の平準化ローラー128を含む。さらに、トレーリング平準化ローラー128は、露出後に、未固化材料(例えば、非硬化樹脂)を塗布層38の表面から取り除くさらなる機能を提供する。キャリッジが反対方向に移動しているとき、ローラー42は反対方向に回転することが理解される。従って、
図51~52の堆積機構30は、二つの反対方向に移動する間、材料36を塗布することができる。堆積機構30は、ローラー42の表面と、平準化ローラー128の表面と、塗布層38の表面とを含む、さまざまな表面から余分な材料36を拭くように構成された複数のワイパーまたはスクイージー131をさらに含む。堆積機構30はまた、本明細書に記載の真空スクイージー(図示せず)または他の真空ベースの材料除去装置を含んでもよく、最終ワイパー131を追尾する。この真空装置は、真空装置によって除去された未使用の材料36を貯蔵するための回収タンクをさらに含み得、本明細書に記述された(真空スクイージー82を含む)真空ベースの材料除去装置のいずれも、このような回収タンクを含み得ることが理解される。
【0084】
電磁波53の伝送および方向のための露光装置50および関連する構造は、堆積機構30に改善された性能および/または汎用性を提供するために調節できるように構成され得る。こうした調節は、露光装置50および関連する構造(出口54を含む)の選択、配置、パワー出力、照準方向、および/またはその他の態様および特性における調節を含み得る。
図54~61Bは、こうした調節を提供するさまざまな実施形態を示しており、
図54~61Bの実施形態の態様は、互いに、および本明細書に記載の他の調節可能な構成(およびその用途)を含んで本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせて、使用されることが理解される。
【0085】
図54は、部品の生産において改善され解像度を提供し得る、露出アセンブリー60の出口54のアレイ55の配列の一実施形態を図示する。
図54の実施形態における出口54は、アレイ55の各出口54が、少なくとも一つの他の出口54によって横方向に(すなわち、y方向に)重なり合うように、互いに対して互い違いに配置される。
図54に示すように、アレイ55の両端にある出口54以外の全ての出口54は、他の出口54によって両方の縁で重なり合う。この配置は、露出領域の横方向(y方向)の末端をより正確に選択することを可能にし、露出アセンブリー60の解像度を改善する。出口54の互い違いに配置することで、単一の列と比較して、より多くの数の出口54を所定の横方向幅に配置することも可能になり、従って、アレイ55のパワー出力が向上する。
【0086】
図55は、y方向での位置調整のために構成された露出アセンブリー60の出口54のアレイ55の実施形態を図示する。一実施形態では、この位置調整は、一実施形態における並進移動/スライド移動のために構成された構造上にアレイ55を取り付けることによって達成でき、スライド移動が、一次元移動のために構成されたピストン、ジャッキねじ、またはその他の構造によって作動され得る。別の実施形態では、この位置調整は、ピストン、ジャッキねじ、またはアレイ55の一方または両方の横方向の端部を上昇および下降させるように構成された他の構造によって作動され得る、角度/傾斜移動のために構成される構造上にアレイ55を取り付けることによって達成できる。さらなる実施形態では、出口54は、個別に、または個別グループまたはクラスター内で調節することができる。出口54は、y方向における急速な往復運動のためにさらに構成されてもよく、単一の出口54が、y方向において拡大される領域に波53を向けることを可能にする。このy方向の調整および/または往復によって、露出領域の横方向(y方向)の末端をより正確に選択することができ、露出アセンブリー60の解像度を改善する。アレイ55は、他の実施形態では、より多くの数の列および/または異なるオフセット配置を含み得ることが理解される。
【0087】
図56は、出力パワーにおいて調整するよう構成された露出アセンブリー60の出口54のアレイ55の実施形態を図示する。出力パワーにおけるこの調整は、露光装置50の出力パワーを変化させることによって達成され得る。一実施形態において、出力パワーの調整は、各出口54の露出領域58のサイズを調整するように構成されてもよく、それによって、露出領域の横方向(y方向)の末端をより正確に選択することができ、露出アセンブリー60の解像度が改善される。
図56に示すように、露出領域58のサイズは、出力パワーをそれぞれ増加または減少させることによって、増加または減少(破線で示される)させてもよい。別の実施形態において、一部の材料36は固化のためにより大きなまたはより少ないパワー量を必要とし得るため、出力パワーの調整は、流動性材料36の特性に対してカスタマイズされ得る。堆積機構30の走行速度などの他の要因は、所望の出力パワーに影響を与え得ることが理解される。
【0088】
図57は、アレイ55の第一のサブセット132が、第一の特性を有する波53を放射するように構成され、アレイの第二のサブセット133が、第二の特性を有する波53を放射するように構成されるように、構成される露出アセンブリー60の出口54のアレイ55の実施形態を図示する。一実施形態では、第一および第二のサブセット132、133は、異なるパワー出力レベルを有する波を放射するように構成されてもよく、生産において著しくより大きな多用途性を可能にする。例えば、第一のサブセット132は、より緊密にまとめられた比較的小さなパワー出力レベルを有する、より小さな出口54(例えば、より小さな直径の光ファイバー61)を含み得て、限界寸法に対しy方向の解像度を上げることができ、第二のサブセット132は、比較的大きなパワー出力レベルを有する、より大きな出口54(例えば、より大きな直径の光ファイバー61)を含み得て、オブジェクトの本体を満たすためのより迅速な凝固を可能にする。異なるサブセット132、133の出口54を異なる露光装置50に接続すること、異なるサブセット132、133の出口54をパワー変動が可能な単一の露光装置50に接続すること、または第二のサブセット133の入口端部62が、サイズが大きいため、(DLPプロジェクターを使用する場合)より多くのピクセルによって放射された波53を受信することによって、異なるパワー出力を達成することができる。(横方向に重なり合う出口54を含む)異なるサブセット132、133からの出口54の組み合わせは、例えば、オブジェクト11の中央部分に対するさらなる露出パワーの増加および/または高パワーの組み合わせ、およびオブジェクト11の縁でのより細かい解像度などのさらなるプロセス変動を可能にするように起動され得る。代替の実施形態では、これらの利点のいくつかは、二つのサブセット132、133間のパワー出力に差異を有さず、直径がより小さく、より大きい光ファイバー61のサブセット132、133を使用して達成され得る。別の実施形態において、第一および第二のサブセット132、133の出口54は、異なるタイプの材料36を硬化させるか、または異なる速度で一つの材料36を硬化させることができる、異なる波長の波53を放射する異なる露光装置に接続され得る。さらに異なる特性を有するより多くの数のサブセット132、133を、他の実施形態において使用することができ、各サブセットによって放射される波53は、互いに異なる複数の特性を有し得ることが理解される。
【0089】
図61Aおよび61Bは、選択的に切り換えることができる複数の出口54または出口54のアレイ55A~Cを使用する堆積機構30の実施形態を図示する。一実施形態では、出口54の複数のアレイ55A~Cは、アレイ55A~Cが露出部位51に向かって選択的に方向付けられ得るように、軸の周りで回転可能な取付構造135上に取り付けられ得る(例えば、ジンバル構造上に取り付けられ得る)。各アレイ55A~Cは、異なって構成され得る。例えば、アレイ55A~Cは、例えば、本明細書に記載される波長、パワー、またはその他の特性などの一つまたは複数の異なる特性を有する波53を放射するように構成されてもよく、またはアレイ55A~Cは、異なる解像度能力を生成するために異なるサイズまたは配置の出口54を有し得る。この構成により、単一の堆積機構30が、
図57の構成と同様に、固化のために異なる特性を有する波53を必要とする異なる材料36、および異なる解像度能力を必要とする異なるプロジェクトで動作することができるので、プロセスの多様性が高まる。
図57のサブセット132、133は、
図61A~Bに示されるように、並進移動および/または回転運動などによって、一実施形態において、各サブセット132、133を露出部位51に向けて選択的に向けるために移動可能であるように取り付けられてもよいことが理解される。他の実施形態では、堆積機構30は、異なる数のアレイ55A~Cを含み得て、および取付構造135は、アレイ55A~Cの中から選択するために異なる方法で移動可能であり得る。
【0090】
図58は、本明細書に記載され、
図1、3、および4に関して示されるように、一実施形態では、露出部位51がほぼ塗布部位41に位置するように、または別の実施形態では、露出部位51が、塗布部位41からオフセット(走行方向において塗布部位41の前または後ろ)されるように、波53を方向付けるための構造の一実施形態を示している。本実施形態では、出口54の目標は、x方向に前方および後方に調節可能である。
図58に図示するように、露出アセンブリー60の出口54は、例えば、露出部位51を前進または遅延させるように、移動範囲にわたって回転可能なまたは旋回可能な構造(例えば、受金物65)を使用して出口54を取り付けることによって、一実施形態において傾斜可能であるように構成され得る。例えば、堆積機構30は、一軸回転を可能にするためにジンバル上に取り付けられた出口54のための取付構造を含み得る。
図58に示す傾斜の程度は、多くの実施形態において、この目的を達成するために必要な実際の傾斜の程度と比較して誇張され得ることが理解される。別の実施形態において、露光装置50は、出口54の選択的な起動により、露出部位51が前進または遅延することが可能になる、異なる角度で方向付けられた出口54の複数のアレイを含んでもよい。さらなる実施形態では、出口54は、x方向の並進移動によって異なって目標設定され得る。露出部位51のオフセットの程度は、他の要因の中でも、流動性材料36の特性および堆積機構30の速度に依存し得ることが理解される。露出部位51をオフセットすることは、流動性材料36の表面130への接合および/またはローラー42からの流動性材料36の分離を改善し得る。より大きな長さを有するローラー42上で、材料36が固化するにつれてそれが収縮すると、材料36がローラー42から適切に分離されない場合、ローラー42の表面を引っ張ることができ、ローラー42の表面の寸法歪み(例えば、外向きに曲がる)を引き起こす。従って、露出部位51をオフセットすることは、構成に特に有利であり得る。
【0091】
図59および60は、塗布部位41からオフセットされた波53を方向付けることができる露出アセンブリー60を有する堆積機構30の実施形態を図示する。
図59および
図60の実施形態では、出口54の目標は、アプリケータ40が塗布部位41を通過して、造形領域22内の画定された点134上に波53を集束させ、アプリケータ40が画定された点134を通過して、画定された点134の露出時間を増加させるように、堆積機構の走行方向に沿って調整される。
図59に示すように、露出アセンブリー60は、出口54の目標が、画定された点134を追跡し、アプリケータ40(すなわち、本実施形態ではローラー42の頂点)が画定された点134を通過した後も画定された点134に引き続き、集束させるように、出口54の目標を走行方向において後方方向に連続的に調整するように構成される。
図60に示されるように、露出アセンブリー60は、出口54の目標が、アプリケータ40の前に画定された点134を追跡し、アプリケータ40(すなわち、本実施形態におけるローラー42の頂点)が画定された点134に到着するまで、画定された点に集束させ続けるように、出口54の目標を走行方向において前方に連続的に調整および再調整するように構成される。これは、画定された点134における静止露出の瞬間を作り出し、開始/停止目標角度は、造形速度および材料36の特性などの因子に基づいてもよいことが理解される。
図59および60の実施形態は、出口54の目標が、画定された点134でアプリケータ40の到着の前後に、画定された点134を追跡するように組み合わされ得ることが理解される。
【0092】
さらなる実施形態では、本明細書に記載の装置12は、温度制御、圧力制御、湿度制御、および/または特定のガス(ガスの混合物を含む)で充填され得る密封チャンバー内に封入され得る。温度、圧力、および湿度制御は、造形速度に影響を与え、それによって効率を改善することができる。さらに、装置12は、中空の密封されたオブジェクト11を造形する能力を有し、従って、環境ガスの選択は、特定のガスで充填された中空の密封されたオブジェクト11の生成を可能にし得る。例えば、不活性ガスで充填されたそのようなオブジェクト11は、例えば、航空宇宙用途に有用であり得る。
【0093】
図67~70は、本明細書で説明される任意の実施形態に関連して使用可能なバットの形態の流動性材料36用の供給部34を含む供給アセンブリー79の別の実施形態を図示する。
図67~70の構成は、シール95および排水システム140を利用して、材料36の廃棄物を最小化し、材料36の望ましくない場所への漏れに抵抗する。
図67~70に示すように、供給アセンブリー79は、内側支持壁97および外側支持壁98を有し、内側支持壁97は、外側支持壁98に対して平行であり、外側支持壁98の内側に位置する。この構成の内側支持壁97は、物品の製造に使用するための流動性材料36の供給バット34の境界を画定する。内側および外側支持壁97、98は全て円形開口部99を有し、ローラー42は、内側および外側支持壁97、98の開口部99を通って延在してローラー42を支持する。ローラー42内に含まれる任意の構成要素は、支持壁97、98を通って延在し得ることが理解される。内側支持壁97は、
図67~70のOリングシール95の形態である、開口部99の内側および外側端のローラー42の周りのシール95を有する。従って、内側支持壁97は、
図67~70の実施形態において、壁を封止するとみなされ得る。シール95は、一実施形態では、ローラー42と係合し、ローラー42とともに回転し、ローラー42は、シール95の動きに抵抗するように、シール95のシートを形成するための溝を有し得る。他の実施形態では、シール95は、他の構成の中でも特に、ローラー42の周りに配置されたスリーブまたはローラー42の外側表面から外向きに延在する隆起の形態であり得る。極端に厳しい許容差が、別の実施形態において、漏れを最小化するために使用され得る。外側支持壁98は、外側支持壁98およびベアリング96が回転のためにローラー42を支持するように、開口部99の内側および外側端上のローラー42の周りのベアリング96を有する。シール95は、シール95が内側支持壁97の内面および外側表面に隣接して回転するにつれて、内側支持壁97と最小の摩擦を作り出すように構成され、いくつかの状況で起こり得る摩擦によって流動性材料36が固まるのを防ぐ。摩擦を最小化するために、シール95を通る流動性材料36のいくらかのゆっくりとした制御された漏れが一実施形態では生じ得ることが理解される。排水システム140は、流動性材料36がベアリング96と接触することを避けるために、シール95および内側支持壁97を貫通する任意の材料36を除去するように構成される。シール95を通る材料36の漏れは、排水システム140が、材料36がベアリング96に接触する前に、漏れた材料36を空間143から取り除くことができるほど十分に小さくてもよい。この構成は、その中に分散された粒子または充填剤材料を有する流動性材料に有用であり得る。
【0094】
排水システム140は、内側および外側支持壁97、98との間に画定される空間143内のバットの壁(例えば、底部壁142)内に配置された排水孔141を含み、また、流動性材料36が排水孔141から流れることができるリザーバーまたは排水パンを含んでもよい。一実施形態では、
図68に示す通り、排水孔141は、導管などにより、底部壁142の下方に位置付けられた流動性材料36のリザーバーまたはタンク144と連通している。リザーバー144は、
図68に概略的に表示され、ポンプ機構146の使用などによって、流動性材料36を供給バット34に供給するように構成される。一実施形態において、リザーバー144は、供給バット34を補充するために停止することなく延長動作を可能にするために、供給バット34よりもはるかに多くの流動性材料36を保持する流動性材料36の主供給部または保持タンクであり得る。内側支持壁97を通過する(例えば、シール95を通過する)任意の材料36は、排水孔141の中を通ってリザーバー144の中へと流れ、それによって外側支持壁98上のベアリング96への貫通または接触さえも回避する。さらに、
図67~70の底部壁142は、リザーバー144内の材料36が、使用のために供給部34に返却されることを可能にすることができる、底部壁142の最下端にある内側支持壁97に隣接した開口部145を有する。また、開口部145は、供給バット34を排出するために使用することができ、供給バット34の底部壁142は、
図67~70に示す配向で左端から右端まで下向きに傾斜して排出を支援する。また、リザーバー144は、新しいリザーバーとの排出および/または交換のために取り外し可能であり得る。また、シール95は、それらが損傷した場合、または硬化した材料36で覆われた場合、交換可能である。
【0095】
図67~70に示す供給アセンブリー79および供給部34および関連する構成要素は、本明細書に開示された実施形態の一部(例えば、
図1、3~4、7~11、15~18、43~47など)において同一または類似の構成で組み込まれてもよく、供給アセンブリー79、供給部34、および/またはそれらの構成要素の変更バージョンは本明細書の一部のその他の実施形態に組み込まれてもよいことが理解される。例えば、シール95および排水システム140は、以下に説明される
図71~81の実施形態を含む、流動性材料36の供給部34に浸漬された、または部分的に浸漬された一つまたは複数のローラー42を含む任意の実施形態に、何らかの形態で組み込まれてもよい。
【0096】
図71~75は、本明細書に記載のシステム10および方法を用いて使用可能な製造装置12の追加の実施形態を示しており、本明細書に記載のシステム10の任意の構成要素および方法を含み得る。例えば、
図71~75の実施形態の装置12は、装置12の一つまたは複数の構成要素と連通するコンピューターコントローラー100に接続され、装置12および/またはその構成要素の動作を制御してオブジェクト11を製造するように構成され得る。
図71~75の実施形態は、流動性材料36の供給部34、アプリケータ40、露出アセンブリー60、および本明細書に記載の他の実施形態とは異なるように構成される他の構成要素を含む、
図1~66の実施形態とは異なる堆積機構30を有する。
図71~75に図示した堆積機構30の、供給部34、アプリケータ40、露出アセンブリー60、およびその他の構成要素は、本明細書に記載の他の実施形態の他の構成要素および特徴に関連して使用され得る。
図71~75の実施形態における供給部34、アプリケータ40、露出アセンブリー60、およびその他の関連する構造は、
図8~13、15~18、または31~46に示すように、堆積機構30および装置12に組み込まれ得る。例えば、
図71~75の実施形態における供給部34、アプリケータ40、および他の関連する構造は、堆積機構30を形成するために、本明細書に示され、説明される実施形態の一つまたは複数に従って、キャリッジ32に取り付けられ、および/または、露出アセンブリー60の他の構成要素に接続され得る。そのような堆積機構30は、本明細書に示され、説明される一つまたは複数の実施形態による、トラック14および/または支持アセンブリー20に関連して使用され得る。
図71~75の装置12は、特に、露出アセンブリー60および露光装置50、キャリッジ32、さまざまなモジュール式構成要素などの構成要素、特徴、および機能を含むがこれに限定されない、その他の実施形態に関して本明細書に記載される構成要素、特徴、および機能のいずれかを備えうることが理解される。本明細書の一つまたは複数の実施形態に関してすでに説明される構成要素は、簡潔にするために
図71~75に関して再度説明されることはなく、同一の参照番号を使用して、前述の構成要素を参照し得る。
【0097】
図71~75に示す堆積機構30は、本明細書に表示および記載される一つまたは複数の実施形態に従って、自律ユニット90の一部としてさらに構成されてもよく、自律ユニット90を自動化し、および/またはコンピューターコントローラー100と通信するためのコンピューター実行可能命令を実行するために必要なプロセッサ2604、メモリ2612、および/またはその他のコンピューター構成要素をオンボードに有し得る。
図71~74の堆積機構30は、
図31~47に示されるように自律ユニット90に何らかの修正を加えて組み込まれてもよく、
図76~81は、以下に説明されるように、
図75の堆積機構30を使用するように構成された自律ユニット90および関連するシステム10の例を図示する。
【0098】
図71の堆積機構30は、塗布部位41に位置しまたはその近くに位置する露出部位51が二次露出部位51となって、層38をオブジェクト11に結合させるように、材料36が塗布部位41に到達する前に、層38を少なくとも部分的に形成する第一のまたは初期露出部位150を利用する。二次露出部位51は、一実施形態では最終露出であり得る。その他の実施形態では、
図7に示すように、例えば、二次露光装置80によって、二次露出部位51の後、および/または初期露出部位150と二次露出部位51との間に、追加の露出が実施され得ることが理解される。初期露出部位150および二次露出部位51は、「第一」および「第二」が、別途明示的に指定されない限り、いかなる順序も意味しないことを理解された上で、「第一」および「第二」の露出部位と呼ばれてもよい。例えば、「第一の」および「第二の」は、「第一の」動作が「第二の」動作に先行することを暗示するものではなく、「第一の」動作は、別途明示的に特定されない限り、「第一の」動作に先行する他の動作がないことを暗示するものではない。「最初」および「最後」という用語は、アクション(例えば、露出)が一連の最初または最後であることを意味するために使用される。
図71~75の実施形態において、初期露出部位150は、流動性材料36内(すなわち、浸漬)に位置し、堆積機構は、厚さリミッターがローラー42の表面から離間し、初期露出部位150がこの空間内に位置するように、初期露出部位150とともに厚さリミッターを使用し得る。ローラー42と厚さリミッターとの間の空間は、一実施形態では層38の厚さを画定する。
図71の堆積機構30は、ローラー42と二次ローラー151との間の空間が、初期露出部位150で形成された層38の厚さを画定するように、ローラー42から間隔を置いた二次ローラー151の形態の厚さリミッターを含む。ローラー42は、一次ローラーまたは一次造形ローラーであると考えられてもよく、この構成では、二次ローラーは中間造形ローラーであると考えられてもよい。装置12は、本明細書に記述された手動または自動の機構であり得る、層38の厚さを変えるためにローラー42、151の間の間隔を調節するための機構を含んでもよい。二次ローラー151は、
図71に、完全に浸漬されるものとして図示されており、初期露出部位150は、流動性材料36内、すなわち、流動性材料36の表面の下方に位置する。別の実施形態では、二次ローラー151は、初期露出部位150が依然として流動性材料36の表面の下方に位置するように、部分的に浸漬され得る。さらなる実施形態では、初期露出部位150は、流動性材料36の表面上または上方に位置し得る。この構成では、厚さリミッター(例えば、流動性材料36の表面の上方に部分的または完全に位置付けられる二次ローラー151)を使用し得るし、使用しなくてもよい。
【0099】
一実施形態における二次ローラー151は、シリコーンゴム材料またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から作製されてもよく、一般的に、ほとんどの光硬化性樹脂に弱い接着性を有する。固化層38に対する接着特性が弱いその他の材料も使用され得る。一実施形態では、二次ローラー151の材料は、固化時に層38に接着しないように選択され得る。二次ローラー151は、波53が二次ローラー151の表面を貫通する必要がないため、
図71の実施形態では不透明であり得る。実際に、材料36の不注意な固化を回避するために、波53が二次ローラー151を貫通しないことが望ましい場合がある。一実施形態では、二次ローラー151は、初期露出部位150に波53を反射するよう構成された反射特性(例えば、鏡面面)を有してもよく、反射波53が流動性材料36の露出を増加させるため、露光装置50により低いパワーを使用することを可能にし得る。二次ローラー151は、二次ローラー151の表面がローラー42の隣接表面と同じ一般的方向および速度に移動するように回転するように構成され得る。二次ローラー151は、一実施形態ではそのような回転のために動力が供給されてもよく、または別の実施形態では自由に回転し得る。一つまたは複数の追加的な二次ローラー152は、他の実施形態(
図71に破線で示す)で使用されてもよく、追加的な二次ローラー152は、層38を所定位置に保持し、および/または追加的な露出部位を提供するために使用され得る。二次ローラー151および初期露出部位150は、塗布部位41の反対側のローラー42の底部に位置付けられたものとして
図71に示されるが、この位置は他の実施形態では変更され得る。例えば、二次ローラー151をローラー42の側部に配置することは、供給バット34の必要な深さを低減し得る。
【0100】
他の実施形態における堆積機構30は、異なるタイプの厚さリミッターを含んでもよく、または厚さリミッターを全く含まなくてもよい。例えば、
図71Cは、流動性材料36中に浸漬され、厚さリミッターを形成するためにローラー42から間隔を置いている表面172(またはその一部分)を有する堆積機構30の実施形態を図示する。この構成では、初期露出部位150は、表面172とローラー42との間の空間に位置する。表面172は、本明細書に記載されるように、流動性材料36の弱い接着特性、低摩擦特性、および/または反射特性を有する材料で形成され得る。一実施形態では、表面172は静的表面であってもよく、また別の実施形態では、表面172は、一つまたは複数のプーリーの周りにループされたエンドレスベルトなどの可動表面であり得る。表面172は、
図172では平坦であると示されるが、表面172は、他の実施形態では凹状、凸状、または別の輪郭を有し得る。別の例として、
図71Dは、厚さリミッターのない堆積機構30の実施形態を図示する。本実施形態では、露光装置50のパワーは、波53が所定の距離だけを流動性材料36内に貫通するように、ローラー42の透明性および流動性材料36の特性に基づいて慎重に調整され、それによって所望の厚さで層38を形成する。光硬化性樹脂の硬化の深さは、例えば、電磁波53の力と露出時間の関数であり、コントローラー100は、これらの要因に基づいて所望の硬化の深さを達成するためのアルゴリズムを含んでもよい。より具体的には、光硬化性樹脂の硬化の深さは、P*t/Aの機能に依存し、P=パワー、A=露出面積、およびt=時間である。
【0101】
図71Aおよび75Aの実施形態では、堆積機構30は、供給バット34内の流動性材料36の温度を制御するように構成される一つまたは複数の温度調節要素170を含み得る。例えば、一部の樹脂は、周囲温度を超える温度でより良好に機能してもよく、堆積機構30は、流動性材料36の温度をより最適な温度に上昇させる一つまたは複数の発熱体を含んでもよい。別の例として、硬化などによる流動性材料36の固化は、特に初期露出部位150が流動性材料36の下方に浸漬される場合に、流動性材料36の温度を望ましくないレベルに上昇させる熱を生成し得る。この実施例では、堆積機構30は、流動性材料36の温度上昇を制限する、および/または流動性材料36をより最適な温度に冷却するための、一つまたは複数の冷却要素を含み得る。温度調節要素170は、供給バット34内、供給バット34の壁内もしくはそれに隣接する、またはローラー42および/または二次ローラー151内を含む、さまざまな場所に配置され得る。このような温度調節要素170の例は、加熱および/または冷却流体の外部供給源171から供給され得る加熱または冷却流体を循環する流体導管であるが、他の実施形態では他の温度調節要素170が使用され得る。例えば、一実施形態では、ローラー42および/または二次ローラー151は、ローラー42、151の実質的に全長を延在する一つまたは複数の流体導管を有し得る。同じ導管を使用して、必要に応じて加熱または冷却流体を選択的に循環させることができる。一実施形態における堆積機構30は、加熱および冷却のために構成された別個の温度調節要素170をさらに含み得る。一実施形態では、温度調節要素170を最初に使用して、流動性材料36の温度を、物品11の製造に適したまたは最適な温度に上昇させることができる。しかし、長時間の凝固/硬化によって熱が蓄積した後、温度調節要素を使用して、流動性材料36の温度を低下させ、および/または温度上昇を制限して、適切なまたは最適な温度を維持することができる。コントローラー100は、そのような温度調節要素170のうちの一つまたは複数を制御して加熱または冷却機能を実行することによって、堆積機構30および/またはその一部分の温度を制御するためのロジックを含み得る。
【0102】
図71の露出アセンブリー60は、一つの露光装置50が初期露出部位150に向かって波53を放射し、他の露光装置50が、塗布部位41で二次露出部位51に向かって波53を放射するように、それぞれ自身の出口54を有する二つの露光装置50を含む。一実施形態では、露出アセンブリー60は、本明細書に記載の出口54の二つのアレイ55を含み、その各々は、露出部位51、150に向かって方向づけられるLED59のアレイ55の形態で、またはDLPプロジェクターまたはLED59の形態で露光装置50に接続された光ファイバー61のアレイ55の形態で、露光装置50によって、提供され得る。露出アセンブリー60はさらに、本明細書に記載されるように、出口54と露出部位51、150との間の波53を集束させるための集束機構66を含み得る。例えば、集束機構66は、本明細書に記載されるマイクロレンズアレイ64または他のレンズアレイを含み得る。露光装置50は、特定の出口54の選択的な作動およびその他の技術によって、各層38を生産するために、本明細書に記載の流動性材料36の部分を選択的に固化するように構成され得る。一実施形態において、初期露出部位150の露光装置50は、二次露出部位51の露光装置50と同じ層38の部分を固化するために、出口54を選択的に作動するように構成され得る。さらなる実施形態(図示せず)では、初期露出部位150の出口54の一部または全ては、二次ローラー151が、例えば、
図8~11、15~18、および43~47に示すように、本明細書に表示および記載されるローラー42と類似した構造を有するように、二次ローラー151内に配置され得る。露出アセンブリー60は、本明細書に記述されるように、必要に応じて、露出部位51、150を前進または後退させるように構成され得るがことが理解される。さらに、一実施形態では、初期露出部位150の集束機構66は、波53がローラー42の表面に集束されるように構成された集束長を有し得る。二次露出部位51の集束機構66は、波53が、層38の外側表面および/または層38が塗布/結合されるオブジェクト11の表面に集束されるように構成された集束長を有し得る。
【0103】
他の実施形態では、
図71の装置12および堆積機構30は、異なる構成を有する露出アセンブリー60と類似または同一の構成で提供され得る。
図72~74は、異なる露出アセンブリー60を有する、このような類似または同一の装置12および堆積機構30を例示し、
図72~74の実施形態は、
図71に関し、本明細書に記述される構成要素および特徴を含んでもよいことが理解される。本明細書に記載の他の実施形態と同様に、露光装置50は、
図71~74のローラー42内に位置するものとして概略的に図示されるが、多くの構成では、露光装置は、ローラー42の外に位置し、出口54はローラー42内に位置する。
図72の実施形態では、露出アセンブリー60は、二つの露出部位51、150に向かって向けられた、二つの出口54または出口54のアレイ55を有する単一の露光装置50を含む。例えば、露出アセンブリー60は、光ファイバー61が、ローラー42内に出口54の二つのアレイ55を形成するように配置され、方向付けられる状態で、LED59のアレイまたはDLPプロジェクターの形態の単一の露光装置50を含み得る。
図73の実施形態では、露出アセンブリー60は、出口54が、所望の露出部位51、150に波53を向けるように移動可能である、単一の出口54または出口54の単一のアレイ55を有する単一の露光装置50を含む。例えば、出口54(例えば、光ファイバー61またはLED59の出口端部63)は、ジンバルまたはその他の回転可能な構造上に取り付けられてもよく、この機能を達成するために交互のストローブを使用し得る。
図74の実施形態では、露出アセンブリー60は、集束機構66が、所望の露出部位51、150のいずれかに波53を向けるように構成された状態で、単一の出口54または出口54の単一のアレイ55を有する単一の露光装置50を含む。例えば、集束機構66は、波形53を所望の露出部位51、150に反射および/または方向付けるように構成された一つまたは複数の可動ミラーを含むことができ、ジンバルまたは他の回転可能な構造上に取り付けることによって移動可能であり、この機能を達成するために交互のストローブを使用し得る。露出アセンブリー60のその他の構成が、別の実施形態に関して本明細書に記述した任意の構成を含む、
図71~74の実施形態に関連して使用され得ることが理解される。
【0104】
図71の堆積機構30は、所望の厚さで、流動性材料36の表面の下の、初期露出部位150で層38を少なくとも部分的にまたは完全に固化することによって動作する。層38は次に、ローラー42によって塗布部位41に上方に運ばれ、次いで、オブジェクト11に塗布/結合され、(必要に応じて)二次露出部位51でさらに固化される。装置12は、層38のさらなる固化のために、
図7のような一つまたは複数の追加的な二次露光装置80をさらに含み得ることが理解される。一実施形態では、堆積機構30は、適切な時間で層38の適切な接着を促進するように構成され得る。例えば、二次ローラー151は、層38が、二次ローラー151に接着するよりも、塗布部位41に搬送されるようにローラー42に接着するように促すために、ローラー42の外側表面43よりも層38を形成する材料に対してより低い接着特性を有する外側表面を有し得る。同様に、ローラー42の外側表面43は、層38が、ローラー42に接着するよりも、オブジェクト11および/または造形プラットフォーム22に接着するように促すために、オブジェクト11の表面よりも層38を形成する材料に対してより低い接着特性を有し得る。
図71の装置12はまた、
図71のエアワイパーの形態であるが、その他の実施形態では、追加的または代替的に、スクイージーまたはその他の機械的除去装置を含み得る、過剰な未硬化の流動性材料36を除去するための除去装置155を含む。除去装置155は、層38から流動性材料36のほとんど(ではあるが全てではない)が除去されるように構成され、層38をオブジェクト11に接合するために層38上に少量の未固化材料36を残す。除去装置155の特徴、例えば、エアワイパーの角度およびパワーは、それが接着される表面から層38を損傷または剥離することなく、流動性材料36の適切な除去を確実にするように構成され得る。除去装置155はさらに、廃棄物を減少させるために除去された材料36を供給部34内に戻すように構成され得る。層38がオブジェクト11に接着された後、流動性材料36を除去するための場所を含む追加の除去装置155を使用し得ることが理解される。
【0105】
図71の実施形態における装置12は、造形確認センサー153および転送確認センサー154などの堆積機構30の適切な動作を確認するためのセンサーを含む。造形確認センサー153は、初期露出部位150と二次露出部位51との間のローラー42の表面をスキャンして、層38が作られ、ローラー42に接着されることを確認するように位置付けられる。転送確認センサー154は、二次露出部位51を通過した後、ローラー42の表面をスキャンして、層38がローラー42から分離され、オブジェクト11に接着されたことを確認するように位置付けられる。造形および転送確認センサー153、154の両方は、層38の存在を検出することができる光センサーまたはその他のセンサーのアレイであり得る。センサー153、154のいずれかが、関連する動作が適切に完了されなかったことを検出する場合、例えば、造形確認センサー153が層38を感知しないか、または転送確認センサー154が存在する層38を感知しない場合、かなり後まで発見されない製造上の欠陥を回避するために、生産を停止することができる。確認センサー153、154の使用は、オブジェクト11の確実かつ正確な生産を確保するのに役立つ。
【0106】
図71Bは、ローラー42の反対側の層38の表面と接触し、層38から余分な流動性材料36を清掃するように構成された、一つまたは複数のクリーニングローラー173を含む除去装置155を有する堆積機構30の別の実施形態を図示する。
図71Bでは、除去装置155は、クリーニングローラー173の一つ(
図71Bの右側のローラー173)が、層38に接触して、堆積機構30が一方向(
図71Bの右側)に移動しているとき、過剰な流動性材料を清掃し、他のクリーニングローラー173(
図71Bの左側のローラー173)が、堆積機構30が反対方向(
図71Bの左側)に移動しているとき、同じ行為を実行するように、塗布部位41および露出部位51の両側に配置された二つのクリーニングローラー173を含む。層38と接触しているクリーニングローラー173の表面が、層38およびローラー42の隣接表面と反対方向に移動するように、クリーニングローラー173に回転のための動力が供給され得る。除去装置155は、
図71Bにも示されているように、クリーニングローラー173の表面から流動性材料を清掃するように構成されたワイパー174をさらに含み得る。追加のワイパー174が、
図71Bに示されるような二次ローラー151またはローラー42を含む、堆積機構30の他の構成要素を洗浄するために含まれ得る。ワイパー174は、
図71C~Dにも示され、
図71B~Dおよび本明細書に記述されるようなワイパー174は、ローラー42、二次ローラー151、クリーニングローラー173、平準化ローラー128などを含む、本明細書に記述される任意の実施形態のローラーのいずれかに関連して使用され得ることが理解される。一実施形態では、クリーニングローラー173はまた、例えば、造形確認センサー153または転送確認センサー154などのセンサーとして機能することもできる。例えば、一実施形態では、層38に接触していないクリーニングローラー173(すなわち、
図71Bの左側のローラー173)は、ローラー42に接触し、ローラー42とともに自由に回転するように配置および構成され、転送確認センサーとして機能する。ローラー42から分離されず、オブジェクト11へと転送される層38の任意の部分により、クリーニングローラー173をローラー42からわずかに押し離し、クリーニングローラー173はこの動きを感知する位置センサーを含み、転送確認センサーとして機能する。堆積機構30が反対方向に動く時、他のクリーニングローラー173が、転送確認センサーとして機能し得ることが理解される。別の実施形態では、層38と接触するクリーニングローラー173は、同様の方法で造形確認センサーとして機能するために位置センサーを使用し得る。
図71B~Dのクリーニングローラー173は、
図72~75の実施形態を含む本明細書に表示および記載される他の実施形態に関連して使用することができ、このような実施形態におけるクリーニングローラー173の位置は、必要かつ実用的に変更され得る。
【0107】
図75は、アプリケータ40の下方に位置する造形プラットフォーム22上にオブジェクト11を造形するように構成される、装置12および堆積機構30の別の実施形態を図示する。
図75の実施形態は、二次ローラー151、任意の追加の二次ローラー152、確認センサー153、154、および除去装置155を含む、
図71~74の実施形態と同じ構成要素の多くを含む。これらの構成要素は、
図75では一部の構成要素が再配置されるが、
図71~74と同じ機能を共有し、これらの構成要素は、
図75を参照し、詳細には説明されなくてもよい。
図75の実施形態は、それぞれが出口54または出口54のアレイ55を有する二つの露光装置50の使用を示し、本明細書に記載の露出アセンブリー60の任意の構成が、
図72~74の構成のいずれかを含む、
図75の実施形態に関連して使用され得ることに留意されたい。
図75の実施形態では、流動性材料36の供給部34は、塗布部位41の上方で、ローラー42の一方の側のみと連通して、流動性材料36を保持する。二次ローラー151は、ローラー42の横に位置付けられ、流動性材料36内に浸漬されて、ローラー42と二次ローラー151との間に初期露出部位150を形成する。上述のように、ローラー42、151の間の間隔は層38の厚さを決定する。次いで、層38は、オブジェクト11および/または造形プラットフォーム22に接合するために、ローラー42によってローラーの頂部の上に運ばれ、塗布部位41および二次露出部位51に向かって下向きに運ばれる。
図75の堆積機構は、供給バット34とローラー42との間の接合部において、供給バット34から下方に流動性材料36の漏れに抵抗する、柔軟なリップまたはガスケットなどの閉じ込めシール163をさらに、含む。何らかの漏れが発生する可能性がある場合、閉じ込めシール163の下方にドリップパン164が設けられ、シール163を通過する任意の流動性材料36を収集する。ドリップパン164は、ポンプ機構を使用することによって、または流動性材料36を供給バット34に戻すために取り外し可能であることによって、流動性材料36を供給バット34に戻すように構成され得る。
図75の除去機構155は、余分な材料36を供給部34に向かって逆方向に吹き付けるように構成されたエアワイパーであることに留意されたい。
【0108】
追加の固化段階を使用する
図71~75の実施形態は、既存の付加製造方法に対する利点を示す。例えば、オブジェクト11に接合する前に層38を造形することは、固化中の収縮制御の改善を可能にする。別の例として、追加的な固化工程は、より少ない工程を使用する硬化プロセスに関与する可能性がある熱の蓄積を回避し、より完全に硬化/固化層38を生産する。さらなる例として、
図75の少なくとも実施形態は、物品11が造形プラットフォーム22の上方に置かれた状態で、底部から上方に物品11の生産を可能にするが、多くの物品11の生産のための利点を提示し得る。
図71~75の実施形態はまた、余分な流動性材料36が、オブジェクト11に接合する前に層38から取り除かれ得るため、最小限の所望の量の流動性材料36のみがオブジェクト11に組み込まれる、オブジェクト11を造形することができる。これにより、流動性材料の使用が最小限に抑えられ、プロセスのコスト効率が向上する。一実施形態では、最大98%の余分な樹脂が除去され、部品は、過酷な化学物質ではなく、洗剤で洗浄される。これはまた、非固化流動性材料36が内部隙間内に閉じ込められることなく、内部空洞を有するオブジェクトの作成を可能にする。このような多孔性オブジェクトを生産することができることにより、軽量化および材料使用の減少を伴うオブジェクトの造形が可能になり、プロセスの多用途性が増し、生産コストが削減される。こうした多孔質オブジェクトはまた、他の改良された特性の中でも特に、浮力、断熱、および遮音特性の増加を提供し得る。
図82~93は、内部気孔を有するオブジェクト11を製造する技術を含む、
図71~75の実施形態によって可能になるさまざまな生産技術を示す。
図71~75の実施形態はまた、内部ハニカム構成、すなわち、六角形セル(図示せず)を有する部品を造形するために使用され得る。内部気孔を有するオブジェクト11は、固体(非多孔性)材料の外部「シェル」層を含んで、より滑らかでより剛性のある外側表面を形成し、水分および他の汚染物質の侵入に抵抗し得ることが理解される。
【0109】
図82~85は、オブジェクト11が、斜めに配向されたストリップ156、157の層38を使用して生産される、第一の生産技術を示す。
図82~83は、ローラー42上で軸方向に、すなわち、y方向に延在する固化材料のストリップ156を含む第一の層38の生産を示す。
図84~85は、ローラー42上で円周方向に、すなわちx方向に延在する固化材料のストリップ157を含む、第一の層38に接着される第二の層38の生産を図示する。連続する各層は、交互に生産される。結果として得られるオブジェクト11は、内部空気ポケットまたは空隙147が、物品11の固化材料によって部分的または完全に取り囲まれた状態で、
図82~85に示すような内部気孔を有する。
【0110】
図86~89は、オブジェクト11が、固化材料のオフセットされたまたは互い違いに配置された立方体158の層38を使用して生産される、第二の生産技術を図示する。
図86~87は、現在製造される層38が結合されるオブジェクト11の表面を形成する、以前に堆積された層に対するx方向、y方向、およびz方向においてオフセットした、このような立方体158の層38の生産を図示する。各連続する層38は、この同じ方法でオフセットするように生産され、物品11の固化材料によって部分的または完全に囲まれた内部空気ポケットまたは空隙147を有するオブジェクト11の反復および内部多孔質構造を生成する。立方体158は、オブジェクト11の構造を大きく拡大したことを示す、
図88~89に示す通り、互いの角部159で互いに結合するように寸法設定される。この結合を達成するためには、ローラー42の高さ(z方向)位置を制御しなければならないことが理解される。
【0111】
図90~91は、オブジェクト11が、固化材料のオフセットまたは互い違いに配置されたストリップ157の層38を使用して生産される、第三の生産技術を示す。
図90~91のストリップ157は、ローラー42上で円周方向に、すなわちx方向に延在するが、プロセスは、代わりにローラー42上で軸方向に、すなわちy方向に延在するストリップを使用するように修正され得る。
図90~91に現在塗布される層38のストリップ157は、現在生産される層38が接合されるオブジェクト11の表面を形成するストリップ157から、y方向およびz方向に対して平行であり、またオフセットしている。各連続する層38は、この同じ方法でオフセットするように生産され、物品11の固化材料によって部分的または完全に囲まれた内部空気ポケットまたは空隙147を有するオブジェクト11の反復および内部多孔質構造を生成する。ストリップ157は、この構造を生成するために、コーナー159で隣接するストリップに結合される。この結合を達成するためには、ローラー42の高さ(z方向)位置を制御しなければならないことが理解される。プロセスがx方向ではなく、y方向に延びるストリップを使用する場合、ストリップは隣接する層38のx方向でオフセットされることが理解される。
【0112】
図92~93は、オブジェクト11が、固化材料のオフセットまたは互い違いに配置されたストリップ157の層38を使用して生産される、第四の生産技術を示す。
図92~93のストリップ157は、ローラー42上で円周方向に、すなわちx方向に延在するが、プロセスは、代わりにローラー42上で軸方向に、すなわちy方向に延在するストリップを使用するように修正され得る。
図92~93に現在塗布される層38のストリップ157は、現在生産される層38が接合されるオブジェクト11の表面を形成するストリップ157から、y方向に対して平行であり、またオフセットしている。層38は対で塗布され、第一の層38が、オブジェクト11に塗布され、次に、続いて第二の層38が、ストリップ157間のギャップを埋めて固体オブジェクトを生成するように、第一の層38に対して第一の層38の厚さの約半分オフセットしているが、y方向にオフセットするz位置で、ストリップ157を有して塗布される。
図92~93は、第二のこのような層38の生産を図示し、第一の層38がオブジェクト11の平坦な表面に塗布されることが理解される。この結合を達成するためには、ローラー42の高さ(z方向)位置を制御しなければならないことが理解される。プロセスがx方向ではなく、y方向に延びるストリップを使用する場合、ストリップは隣接する層38のx方向でオフセットされることが理解される。この生産技術は、大きな連続材料シートの塗布で発生する問題のために、内部気孔の少ない大きな部品の生産に利点を提供し得る。こうした問題には、潜在的な速度改善、塗布部位41における未硬化材料の造形(例えば、「すきをかけること」)、および応力による層38の変形が含まれる。
図92~93の造形構成はまた、接合位置のオフセットにより、より大きな強度および/または靭性を有するオブジェクトを潜在的に生成し得る。
【0113】
図76~81は、
図75に示されるように、堆積機構30を使用するように構成された自律ユニット90および造形プラットフォーム22を示す。自律ユニット90の構成要素は、本明細書に記述され、
図31~47に示すユニット90と同一であり、簡潔さのために、本実施形態に関して類似または同一の構成要素は再説明されない。
図80~81に示すように、自律ユニット90は、塗布部位41が堆積機構30の底部にある堆積機構30を保持するように構成される。従って、ユニット90は、脚160の間に空間161を形成する二つの脚160を有し、アプリケータ40は、層38を塗布して、脚160の間でアプリケータ40の下の空間161内にオブジェクト11を造形するように構成される。
図76~79は、造形プラットフォーム22上にオブジェクト11を造形するための自律ユニット90の使用を示し、造形プラットフォーム22は、
図78~79に示す通り、製造中にギャップ161を通過する。堆積機構30の高さ(z位置)は、ユニット90の鉛直調整機構120を使用して調節可能であり、造形プラットフォーム22の高さは、造形プラットフォーム22上の鉛直調整機構162を使用して調節可能である。これらの調整機構120、162の組み合わせは、大きな高さを有するオブジェクト11の生産のために、堆積機構30と造形プラットフォーム22との間の大きな相対移動を可能にする。
【0114】
システム10はまた、本明細書に記述された多数の実施例を含む、装置12の一つまたは複数の機構の動作を制御および/または監視するように構成されたコントローラー100を含む。本発明の一実施形態では、コントローラー100は、コンピューター2602などのコンピューターシステムを用いて実装され得る。コンピューター2602は、コンピューターの全体的な動作を制御する中央プロセッサ2604と、中央プロセッサ210を下記に説明する構成要素に接続するシステムバス2606とを含む。システムバス2606は、さまざまな従来的なバスアーキテクチャーのうちのいずれか一つを用いて実装され得る。
【0115】
コンピューター2602は、データまたはファイルを読み書きするためのさまざまなインターフェースユニットおよびドライブを含み得る。例えば、コンピューター2602は、メモリドライブ2610をシステムバス2606に連結するメモリインターフェース2608を含んでもよい。メモリドライブ2610は、物理メモリデバイス、磁気メモリデバイス、光学メモリデバイス、または他のタイプのメモリデバイスとともに実装され得る。メモリドライブ2610は、本明細書に記載されるように、三次元オブジェクトを生産するために使用されるデータ、CADファイル、およびその他の電子ファイルを保存し得る。システムメモリ2612は、基本的な入出力システム(BIOS)を格納する読み取り専用メモリセクションと、他のデータおよびファイルを格納するランダムアクセスメモリ(RAM)とを有する従来のコンピューター可読媒体メモリとともに含まれ、実装され得る。メモリドライブ2610およびシステムメモリ2612は両方とも、プロセッサ2604によって実行されるように設計されたコンピューター実行可能命令を含み得る。いくつかの実施形態では、各装置12内の一つまたは複数の装置12および/または複数の構成要素(例えば、複数の堆積機構30)を動作させるための一つまたは複数の制御プログラムは、メモリドライブ2610および/またはシステムメモリ2612に保存され得る。
【0116】
コンピューター2602は、周辺デバイスをシステムバス2606に接続するための追加のインターフェースを含み得る。例えば、コンピューター2602はまた、システムバス2602をローカルエリアネットワーク(LAN)2616に連結するネットワークインターフェース2614を含んでもよい。LAN2616は、周知のLANトポロジーの一つまたは複数を有してもよく、イーサネットなどのさまざまな異なるプロトコルを使用し得る。インターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)2618も、コンピューター2602によってアクセスされ得る。
図26は、LAN2616をWAN2618に従来的な方法で接続し得るルーター2620を示す。サーバー2622は、WAN204に接続されることが示される。もちろん、多数の追加のサーバー、コンピューター、携帯型デバイス、パーソナルデジタルアシスタント、電話およびその他のデバイスもまた、WAN2618に接続され得る。いくつかの実施形態では、サーバー2622は、コンピューター2602によってアクセスされ、本明細書に記載の三次元オブジェクトを生産するために使用され得るデータ、CADファイル、制御プログラム、および/または他の電子ファイルを保存する。
【0117】
さまざまな実施形態が、特徴および構成要素のさまざまな組み合わせとともに本明細書に記述される。本明細書に記載されるさまざまな実施形態のそれぞれの特徴および構成要素は、本明細書に記載される他の実施形態に組み込まれ得ることが理解される。
【0118】
本明細書に記載のシステムおよび装置の使用は、既存の技術に対する利点および利点を提供する。例えば、装置によって無駄はほとんど発生せず、多くの現在の技術と違って、製造用に固化するために材料の大きなバットを維持する必要がないので、消耗品のコストは大幅に削減される。さらに、装置の構造は、特定のサイズ制限を指示せず、装置は、既存の技術よりも著しく大きいオブジェクトを生成するように構成され得る。トラックの長さおよびアプリケータの幅は、性能に悪影響を与えることなく、所望に応じて増加することができ、装置が置かれる部屋のサイズは、装置のサイズの限界となる。さらに、装置は、既存の任意の技術よりも何倍も速くオブジェクトまたは複数のオブジェクトを製造するように構成され得る。装置はまた、主オブジェクトとは異なる材料から作られる取り外し可能な支持構造を有するオブジェクトを含む、複数の材料からオブジェクトを製造する能力を提供する。また、異なる露出ソースを必要とする複数の材料からのオブジェクトの生産も可能となる。装置はさらに、窓またはその他の透明なオブジェクト、または伝導性オブジェクトなどの機能オブジェクトを製造する能力を提供する。別にさらに、本明細書に記載の装置を使用して製造されるオブジェクトは、排水のための孔を穿孔する必要が有り得る、完成したオブジェクトの任意の内部空洞から液体材料を排出する必要がない。また、この装置は、清潔で乾燥し、完全に硬化したオブジェクトを製造できるため、生産効率が向上する。また、装置のモジュラー構成は、優れた汎用性、カスタマイズ性、およびその他の利点も提供する。
【0119】
さらなる利点は、ユニット90によって係合および係合解除され得る開放端のトラック14と、トラック14と関連し下向きの交互吸着技術でオブジェクト11を製造するように構成される造形プラットフォーム22との組み合わせで、鉛直調整機構120を有する自律ユニット90としての堆積機構30の構成によって提供される。この構成は、複数の堆積機構30が、同一のトラック14上で動作して、複数の層を一つまたは複数のオブジェクト11に同時に塗布することを可能にする。同一のトラック14上で動作する複数の堆積機構30は、組み合って、一つまたは複数のオブジェクト11を造形してもよく、または同一の造形プラットフォーム22上に複数のオブジェクト11を別々にかつ同時に作成し得る。また、この構成は、同じまたは異なる材料の複数のオブジェクトを、同じ造形プラットフォーム22上の別々の場所に、迅速に造形することを可能にする。また、この構成は、自律ユニット90が、迅速かつ容易に保守するために生産プロセスから除去され得るため、また、実質的に中断されない生産を達成するために、別のユニット90と迅速かつ容易に交換され得るため、堆積機構30の保守を容易にする。複数のそのようなユニット90を含むシステムは、最適化された生産のために必要に応じて、ユニット90を特定の造形領域13に割り当て、および再割り当てすることができる、大型の生産施設など、多数の異なる造形プラットフォーム22で動作することができる。また、既存の技術に対するその他の利点および利点は、本明細書に記載されるシステム、装置、および方法によって提供され、当業者は、そのような利点および利点を認識するであろう。
【0120】
いくつかの代替的な実施形態および例を、本明細書で描写および図示してきた。当業者であれば、個別の実施形態の特徴、および構成要素の考えられる組み合わせおよび変形物を理解する。当業者であればさらに、任意の実施形態は、本明細書で開示したその他の実施形態との任意の組み合わせで提供され得ることを理解する。本発明は、その精神または中心的な特性から逸脱することなく、その他の特定の形態で具体化し得ることが理解される。よって、現在の例および実施形態は、あらゆる面で例証的であり、制限的ではないものと考慮され、また本発明は、本明細書で与えられた詳細に限定されないものとする。「第一の」、「第二の」、「上部」、「下部」、などの用語は、本明細書で使用されるとき、例証的な目的のみが意図され、いかなる方法でも実施形態を限定することがない。特に、これらの条件は、かかる条件により修正された構成要素のいかなる順序または位置も暗示しない。さらに、「複数」という用語は、本明細書で使用するとき、無限数に至るまで、必要に応じて離説的または接続的のいずれかでの1より大きい任意の数を示す。さらに、物品または装置の「提供」は、本明細書で使用するとき、物品に対して実施される将来的な行為について、物品を利用可能またはアクセス可能にすることを大まかに意味するもので、その物品を提供する当事者がその物品を製造、生産、または供給したこと、またはその物品を提供する当事者が、その物品について所有権または統制を持つことは暗示していない。従って、具体的な実施形態の図示および記載をしてきたが、数多くの変更が本発明の精神から著しく逸脱することなく思い浮かぶ。