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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】温度測定器
(51)【国際特許分類】
   G01J 5/03 20220101AFI20221213BHJP
   G01J 5/10 20060101ALI20221213BHJP
   G01K 3/02 20060101ALI20221213BHJP
   A61B 5/01 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
G01J5/03
G01J5/10 Z
G01K3/02 M
A61B5/01 100
A61B5/01 350
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021080285
(22)【出願日】2021-05-11
(65)【公開番号】P2021189173
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2021-05-11
(31)【優先権主張番号】109118635
(32)【優先日】2020-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】517000058
【氏名又は名称】豪展醫療科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】歐陽 興
(72)【発明者】
【氏名】施 宣豪
(72)【発明者】
【氏名】楊 大杰
【審査官】平田 佳規
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01519172(EP,A1)
【文献】特開平08-327403(JP,A)
【文献】特開平10-170345(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 5/00- G01J 5/90
G01J 1/02
G01J 1/42- G01J 1/46
G01K 1/02- G01K 1/024
G01K 3/00- G01K 3/02
A61B 5/01
G01D 7/00- G01D 7/12
G01D 9/00- G01D 9/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度測定器によって目標物の温度を測定するのに用いられる温度測定方法であって、
前記温度測定器は、温度センサーと、入力ユニットと、出力ユニット、及びコントロールユニットを含み、
前記入力ユニットの入力操作に反応して、前記コントロールユニットが、前記温度測定方法の実行を開始し、以下のステップを含み、前記ステップは、
前記温度センサーに周期的に多数個の温度測定操作を実行するよう指示し、多数個の温度測定操作に対応する多数個の測定済み温度値を獲得すること
獲得した多数個の温度値の中から多数個の有効温度値のみを記録し、多数個の有効温度値の総数はXより小さいか或いは等しく、Xは2より大きい正の整数として予め設定され、多数個の有効温度値は、多数個の温度値の中で上からX個の最大温度値であること、
実行した温度測定方法が完了されたか否か判断すること
実行した温度測定方法が完了した判定に反応して、記録した多数個の有効温度値を判別することで、多数個の有効温度値の中から最大値の値を削除し、残りの一つ或いは多数個の目標温度値を獲得すること
一つ或いは多数個の目標温度値に基づいて平均値を計算し、目標物の温度として、前記出力ユニットに温度を示すよう指示すること、であることを特徴とする、温度測定方法
【請求項2】
前記コントロールユニットが、以下のステップを実行し、前記ステップは、
実行した温度測定方法が未完了である判定に反応し、前記出力ユニットに提示メッセージを示すよう指示し、ユーザーに前記温度測定器を移動するよう提示し、目標物に接近させ、目標物上の異なる位置の温度を測定すること、であることを特徴とする、請求項1に記載の温度測定方法
【請求項3】
前記コントロールユニットが、以下のステップを実行し、前記ステップは、
実行した温度測定方法が完了したか否かを判断するプロセスの中で、
測定済みの多数個の温度値の総数がNより小さいか否か判断し、NはXより大きい或いは等しい正の整数として予め設定されており、前記コントロールユニットが測定済の多数個の温度値の総数がNより小さくない判定に反応して、実行した温度測定方法の完了の判定をし、前記コントロールユニットが測定済みの多数個の温度値の総数がNより小さい判定に反応して、実行した温度測定方法が未完了である判定をすること、或いは
入力操作が停止したか否か判断し、前記コントロールユニットは入力操作が停止した判定に反応して、実行した温度測定方法が完了したと判定し、前記コントロールユニットは入力操作が未停止である判定に反応して、実行した温度測定方法が未完了であると判定すること、であること、を特徴とする、請求項1に記載の温度測定方法
【請求項4】
前記コントロールユニットが、以下のステップを実行し、前記ステップは、
前記コントロールユニットが獲得した多数個の温度値の中の多数個の有効温度値のみを記録するプロセスの中で、
前記コントロールユニットが一つの測定済みの温度値を獲得する度に、獲得した一つの測定済みの温度値を記録した多数個の有効温度値と比較して、記録した多数個の有効温度値を更新すること、であること、を特徴とする、請求項1に記載の温度測定方法
【請求項5】
前記コントロールユニットが、以下のステップを実行し、前記ステップは、
前記コントロールユニットが獲得した一つの測定済みの温度値を記録した多数個の有効温度値と比較して、記録した多数個の有効温度値を更新するプロセスの中で、
前記コントロールユニットが多数個の有効温度値の総数がXより小さい判定に反応して、一つの測定済みの温度値を多数個の有効温度値の中の一つとして直接記録し、多数個の有効温度値を更新し、
前記コントロールユニットが多数個の有効温度値の総数がXと等しい判定に反応して、一つの測定済みの温度値が多数個の有効温度値の中の一つより大きいか否か判断し、
前記コントロールユニットが一つの測定済みの温度値が多数個の有効温度値の中の一つより大きい判定に反応して、多数個の有効温度値の中から最小値の値を削除し、一つの測定済みの温度値を多数個の有効温度値の中の一つとして記録し、多数個の有効温度値を更新し、
前記Xは多数個の有効温度値の上限総数を表すのに用いられ、多数個の有効温度値は全ての測定済みの多数個の温度値の中の上からX個の最大温度値を表すのに用いられること、であること、を特徴とする、請求項4に記載の温度測定方法
【請求項6】
前記コントロールユニットが、以下のステップを実行し、前記ステップは、
前記コントロールユニットが獲得した一つの測定済みの温度値を記録した多数個の有効温度値と比較して、記録した多数個の有効温度値を更新するプロセスの中で、
前記コントロールユニットが一つの測定済みの温度値が多数個の有効温度値の中の一つより大きくない判定に反応して、一つの測定済みの温度値を多数個の有効温度値の中の一つとして記録しないこと、であること、を特徴とする、請求項5に記載の温度測定方法
【請求項7】
前記コントロールユニットが、以下のステップを実行し、前記ステップは、
前記コントロールユニットが実行した温度測定方法が完了したか否かの判断のプロセスの中で、
前記コントロールユニットが前記入力ユニットの他の入力操作の受信に反応し、実行した温度測定方法が完了したと判定すること、であること、を特徴とする、請求項1に記載の温度測定方法
【請求項8】
前記コントロールユニットが、以下のステップを実行し、前記ステップは、
前記コントロールユニットが実行した温度測定方法が完了した判定、且つ前記コントロールユニットが多数個の有効温度値の総数が2である判定に反応し、
前記コントロールユニット記録済みの多数個の有効温度値の中で比較的小さい値を直接目標物の温度とし、前記出力ユニットに温度を示すよう指示すること、であること、を特徴とする、請求項7に記載の温度測定器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種の温度測定器に関するものである(額温度計、温度測定装置ともいう)。
【背景技術】
【0002】
従来では、一般の温度測定器(例えば額温度計)は極端温度値を除去しない状況下で、目標物(例えば、対象者の額)の温度を測定する。この方法では、最終的に示される目標物の温度に歪みが生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は一種の温度測定器を提供するものであり、極端温度による温度の歪みを避け、最終的に獲得した目標物の温度の正確性を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は一種の温度測定器であり、目標物の温度を測定するのに用いられ、温度センサー、入力ユニット、出力ユニット、及びコントロールユニットを含む。コントロールユニットが入力ユニットの入力操作に反応し、温度測定過程の実行を開始し、コントロールユニットが温度センサーに周期的に多数個の温度測定操作を実行するよう指示し、多数個の温度測定操作に対応する多数個の測定済み温度値を獲得し、コントロールユニットは獲得した多数個の温度値の中から多数個の有効温度値のみを記録し、多数個の有効温度値は全て多数個の温度値の中の他の温度値より大きく、多数個の有効温度値の総数はXより小さいか或いは等しく、Xは予め2より大きい正の整数として設定されている。その他、コントロールユニットは実行した温度測定過程が完了されたか否か判断し、コントロールユニットが実行した温度測定過程が完了した判定に反応し、記録した多数個の有効温度値を判別し、コントロールユニットは記録した多数個の有効温度値の中から最大値の値を削除し、残りの一つ或いは多数個の目標温度値を獲得し、コントロールユニットは一つ或いは多数個の目標温度値に基づいて平均値を計算し、目標物の温度として、出力ユニットに温度を示すよう指示する。
【0005】
本発明の一つの実施例では、コントロールユニットが実行した温度測定過程が未完了である判定に反応し、出力ユニットに提示メッセージを示すよう指示し、ユーザーに温度測定器を移動するよう提示し、目標物に接近させ、目標物上の異なる位置の温度を測定する。
【0006】
本発明の一つの実施例では、温度センサーは赤外線温度センサーである。
【0007】
本発明の一つの実施例では、温度を示した後、コントロールユニットは記録した全ての温度値を消去する。
【0008】
本発明の一つの実施例では、コントロールユニットが実行した温度測定過程が完了したか否かを判断するプロセスの中で、測定済みの多数個の温度値の総数がNより大きいか或いは以下かを判別し、Nは予めXより大きい或いは等しい予定設定の正の整数として設定されており、コントロールユニットが測定済の多数個の温度値の総数がNより小さくない判定に反応して、実行した温度測定過程の完了の判定をし、コントロールユニットが測定済みの多数個の温度値の総数がNより小さい判定に反応して、実行した温度測定過程が未完了である判定をする。
【0009】
本発明の一つの実施例では、コントロールユニットが獲得した多数個の温度値の中の多数個の有効温度値のみを記録するプロセスの中で、一つの測定済みの温度値を獲得する度に、獲得した一つの測定済みの温度値を記録した多数個の有効温度値と比較して、記録した多数個の有効温度値を更新する。
【0010】
本発明の一つの実施例では、コントロールユニットが獲得した一つの測定済みの温度値を記録した多数個の有効温度値と比較して、記録した多数個の有効温度値を更新するプロセスの中で、多数個の有効温度値の総数がXより小さい判定に反応して、一つの測定済みの温度値を多数個の有効温度値の中の一つとして直接記録して、多数個の有効温度値を更新し、コントロールユニットが多数個の有効温度値の総数がXと等しい判定に反応して、一つの測定済みの温度値が多数個の有効温度値の中の一つより大きいか否か判断し、コントロールユニットが一つの測定済みの温度値が多数個の有効温度値の中の一つより大きい判定に反応して、多数個の有効温度値の中から最小値の値を削除し、一つの測定済みの温度値を多数個の有効温度値の中の一つとして記録して、多数個の有効温度値を更新する。
【0011】
本発明の一つの実施例では、コントロールユニットが獲得した一つの測定済みの温度値を記録した多数個の有効温度値と比較して、記録した多数個の有効温度値を更新するプロセスの中で、一つの測定済みの温度値が多数個の有効温度値の中の一つより大きくない判定に反応して、一つの測定済みの温度値を多数個の有効温度値の中の一つとして記録しない。
【0012】
本発明の一つの実施例では、コントロールユニットが実行した温度測定過程が完了したか否かの判断のプロセスの中で、入力ユニットの他の入力操作の受信に反応して、実行した温度測定過程が完了したと判定する。
【0013】
本発明の一つの実施例では、コントロールユニットが実行した温度測定過程が完了した判定且つコントロールユニットが多数個の有効温度値の総数が2である判定に反応して、記録済みの多数個の有効温度値の中で比較的小さい値を直接目標物の温度とし、出力ユニットに温度を示すよう指示する。
【0014】
上記に基づいて、本発明実施例が提供する温度測定器は、目標物に対する多数回の温度測定操作の実行により測定済みの多数個の温度値を獲得し且つ多数個の温度値の中で比較的大きい多数個の有効温度値を記録し、記録した多数個の有効温度値の中から最大値の値を削除し、残りの多数個の目標温度値の平均値を計算し、目標物の温度とする。この方法により、測定した極端温度による温度の歪みを避け、獲得した温度の正確性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明第1実施例に基づいた温度測定器を示すブロック図である。
図2A】本発明第1実施例に基づいた温度測定器の第一視点図と第二視点図である。
図2B】本発明第1実施例に基づいた温度測定器の第三視点図と第四視点図である。
図2C】本発明第1実施例に基づいた温度測定器の第五視点図と第六視点図である。
図3】本発明第1実施例に基づいた温度測定器のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は本発明第1実施例に基づいた温度測定器を示すブロック図である。図2Aは本発明第1実施例に基づいた温度測定器の第一視点図と第二視点図である。図2Bは本発明第1実施例に基づいた温度測定器の第三視点図と第四視点図である。図2Cは本発明第1実施例に基づいた温度測定器の第五視点図と第六視点図である。
【0017】
同時に図1図2A-2Cを参考すると、本実施例では、温度測定器10はコントロールユニット110、温度センサー120、入力ユニット130、出力ユニット140を含む。コントロールユニット110は温度センサー120、入力ユニット130、出力ユニット140に連結している。他の一つの実施例では、温度測定器10は更にコントロールユニット110に連結している記憶ユニット150と電力管理ユニット160を含む。本実施例では、温度測定器10は目標物上の表面温度を測定するのに用いられる。例えば、温度測定器10は額温度計、耳温度計であってもよく、本発明はこれに限定されない。目標物は例えば、対象者のおでこ、外耳道或いは他の皮膚表面である。その他、目標物は他の実体物であってもよい。
【0018】
コントロールユニット110は、温度測定操作を実行するための計算能力(例えば、チップセット、プロセッサ等)を備えたハードウェアであり、温度測定器10の全体的作動を管理するのに用いられ、温度センサー120に異なる信号/指令を送信するためにも用いられる。実行した温度測定操作が毎回完了した後、温度センサー120は対応する温度値をコントロールユニット110に伝送することができる。コントロールユニット110は自身で受信した温度値を一時保存/記録でき、或いはコントロールユニット110は受信した温度値を記憶ユニット150に記憶/記録できる。本実施例では、コントロールユニット110は、例えばマイクロプロセッサ(micro-processor)、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor,DSP)、プログラマブルコントローラ、特殊用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuits,ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device,PLD))或いは他の類似の装置である。
【0019】
入力ユニット130はコントロールユニット110に連結しており、例えば実体のボタン(例えば、第一ボタン130(1)と第二ボタン130(2))であり、其れはユーザーが実行した入力操作を受信するのに用いられ(例えば、実体のボタン130を押す)、対応する過程を実行するようにコントロールユニット110に通知する。
【0020】
例えば、第一ボタン130(1)が押されたとき、第一ボタン130(1)が触発され且つ第一信号が発生し、第一信号がコントロールユニット110に伝送され、コントロールユニット110の温度測定過程実行を開始させる。若し温度測定器10がシャットダウン/スリープ状態で、第一ボタン130(1)が押されたとき、温度測定器10は起動し、そして第一ボタン130(1)が触発され且つ前記第一信号が発生する。
【0021】
又例えば、第二ボタン130(2)が押されたとき、第二ボタン130(2)が触発され且つ第二信号が発生し、第二信号がコントロールユニット110に伝送され、コントロールユニット110の温度測定過程実行を停止させる(例えば、コントロールユニット110に温度測定過程の完了を判定させる)。一つの実施例では、第二ボタン130(2)が所定時間を超えて押されたとき、コントロールユニット110は電力管理ユニット160に電力提供の停止を指示し、温度測定器10をシャットダウン/スリープさせる。
【0022】
出力ユニット140は例えば液晶モニターである(其れはコントロールユニット110の指示/指令を受信し対応する映像/文字内容を示すのに用いられる)。一つの実施例では、入力ユニット130は更に出力ユニット140と統合することができ、例えばタッチモニターとして資料(例えば、映像或いは文字)を示す(出力)ことができ、そしてユーザーのタッチ操作を受信することもでき相応の過程(例えば、温度測定過程)を触発できる。
【0023】
記憶ユニット150はコントロールユニット110に連結している。記憶ユニット150は資料の記憶に用いられる。記憶ユニット150は如何なる形態の不揮発性メモリ記憶装置であり得ることができる。資料は例えば、測定した温度値或いは温度測定器10を管理するのに用いられるソフトウェア或いはファームウェアである。その他の実施例では、記憶ユニット150はコントロールユニット110に統合することもできる。
【0024】
電力管理ユニット160は温度測定器10の電力を管理するのに用いられる。例えば、温度測定器10が所定時間アイドル状態の後、電力管理ユニット160は温度測定器10への電力提供を停止することができ、温度測定器10をシャットダウン/スリープ状態にする。上記の通り、若し温度測定器10がシャットダウン/スリープ状態で、第一ボタン130(1)が押されたとき、電力管理ユニット160が触発され、電力を温度測定器10に提供する。電力管理ユニット160は、例えば、バッテリーの電力により温度測定器10へ全体的作動に必要な電力を提供する、バッテリー設置可能の回路ユニットである。
【0025】
本実施例では、温度センサー120はコントロールユニット110の指示を受信し相応の温度測定操作を実行するのに用いられる。具体的に、温度センサー120は例えば、赤外線温度センサーであり、一種の非接触式の温度センサーである。照準した目標物上の温度が発する赤外線エネルギーの収集を通し、波長と温度の換算を利用して対応する温度値を計算する。
【0026】
図2Aに示す通り、温度センサー120は温度測定器10の上表面に設置でき、入力ユニット130と出力ユニット140は温度測定器10の前側表面に設置されることができ、コントロールユニット110、記憶ユニット150及び電力管理ユニット160は温度測定器10の内部に設置されることができる。その他、図2Cに示す通り、温度測定器10の裏側表面にはバッテリーバックカバー161を備えており、バッテリーを含むチャンバーを覆うのに用いられる。ユーザーはバッテリーバックカバー上の画像指示に従って、バッテリーバックカバーを開いて、バッテリーの取り付け或いは取り外しをする。
【0027】
本発明の温度測定器の作動の流れと機能を説明するために、図3と対応する段落説明を参考。
【0028】
図3は本発明第1実施例に基づいた温度測定器のフローチャートである。図3を参考すれば分かるように、ステップS31では、コントロールユニット110が入力ユニット130の入力操作に反応し、温度測定過程の実行を開始する。例えば、上記のように第一ボタン130(1)が押されたことに反応して(入力操作)、コントロールユニット110が温度測定過程の実行を開始する(例えば、ステップS32、S33、S34)。
【0029】
次に、ステップS32では、コントロールユニット110が温度センサーに周期的に多数個の温度測定操作を実行するよう指示し、多数個の温度測定操作に対応する多数個の測定済み温度値を獲得する。具体的に、ステップS32では、温度センサー120が周期的に(例えば、所定時間おきに)一定時間内の赤外線エネルギーの収集を開始し、相応の測定済みの温度値に換算し、そして温度値をコントロールユニット110に送り戻し、コントロールユニット110に受信した測定済みの温度値を獲得させる。一つの実施例では、コントロールユニット110は測定済みの温度値を温度測定器のメモリに一時保存できる。
【0030】
次に、ステップS33では、コントロールユニット110は獲得した多数個の温度値の中から多数個の有効温度値のみを記録し、多数個の有効温度値は全て多数個の温度値の中の他の温度値より大きく、多数個の有効温度値の総数はXより小さいか或いは等しく、Xは2より大きい正の整数として予め設定されている。具体的に、コントロールユニット110は受信した測定済みの多数個の温度値の中で上からX個の最大温度値のみを記録する(即ち、有効温度値)。
【0031】
具体的に、コントロールユニット110が獲得した多数個の温度値の中の多数個の有効温度値のみを記録するプロセスの中で、一つの測定済みの温度値を獲得する度に、コントロールユニット110は獲得した一つの測定済みの温度値を記録した多数個の有効温度値と比較して、記録した多数個の有効温度値を更新する。
【0032】
より詳細に説明すると、コントロールユニット110が獲得した一つの測定済みの温度値を記録した多数個の有効温度値と比較して、記録した多数個の有効温度値を更新するプロセスの中で、多数個の有効温度値の総数がXより小さい判定に反応し、一つの測定済みの温度値を多数個の有効温度値の中の一つとして直接記録し、多数個の有効温度値を更新する。
【0033】
その一方で、コントロールユニット110が多数個の有効温度値の総数がXと等しい判定に反応し、一つの測定済みの温度値が多数個の有効温度値の中の一つより大きいか否か判断する。コントロールユニット110が一つの測定済みの温度値が多数個の有効温度値の中の一つより大きい判定に反応し、多数個の有効温度値の中から最小値の値を削除し、一つの測定済みの温度値を多数個の有効温度値の中の一つとして記録し、多数個の有効温度値を更新する。その他、コントロールユニット110が一つの測定済みの温度値が多数個の有効温度値の中の一つより大きくない判定に反応し、一つの測定済みの温度値を多数個の有効温度値の中の一つとして記録しない。
【0034】
言い換えれば、一つの測定済みの温度値を獲得する度に、若しコントロールユニット110が、全ての有効温度値の総数がXにまだ達しないと判定すれば、コントロールユニット110は獲得した温度値を直接有効温度値とし、若しコントロールユニット110が、全ての有効温度値の総数がXに達したと判定すれば、コントロールユニット110は獲得した温度値が現在の多数個の有効温度値の中の一つより大きいか否かに基づいて獲得した温度値を新しい有効温度値にし、多数個の有効温度値の中の最小値の値を置き換える。言い換えれば、Xは多数個の有効温度値の上限総数を表すのに用いられ、多数個の有効温度値は全ての測定済みの多数個の温度値の中の上からX個の最大温度値を表すのに用いられる。
【0035】
次に、ステップS34では、コントロールユニット110は実行した温度測定過程が完了したか否か判断する。本実施例では、コントロールユニット110は測定済みの多数個の温度値の総数がNより小さいか否か判断し、NはXより大きい或いは等しい正の整数として予め設定される。コントロールユニット110が測定済の多数個の温度値の総数がNより小さくない判定に反応し、実行した温度測定過程の完了の判定をする、コントロールユニット110が測定済みの多数個の温度値の総数がNより小さい判定に反応し、実行した温度測定過程が未完了である判定をする。
【0036】
他の一つの実施例では、入力ユニット130の他の入力操作の受信に反応し(例えば、第二ボタン130(2)が押される)、コントロールユニット110は実行した温度測定過程が完了したと判定する。
【0037】
又他の一つの実施例では、第一ボタン130(1)が継続的に押されている過程の中、コントロールユニット110は温度測定過程が未完了であると判定し、第一ボタン130(1)を押している状態から押していない状態への変化の判定に反応し(例えば、第一ボタン130(1)を押している指を離した)、実行した温度測定過程の完了を判定する。言い換えれば、ステップS34では、コントロールユニット110は入力操作(第一ボタン130(1)への押し操作)が停止したか否か判断し、コントロールユニット110は入力操作が停止した判定に反応して、実行した温度測定過程が完了したと判定し、コントロールユニット110は入力操作が未停止である判定に反応して、実行した温度測定過程が未完了であると判定する。その他、更に他の一つの実施例では、温度センサーはP秒毎に一つの測定済みの温度値を取得でき、例えばPは0.04である。Pは0.04より大きく或いは小さく設定されることができる。
【0038】
注意すべきことは、コントロールユニット110が実行した温度測定過程が完了した判定且つコントロールユニット110が多数個の有効温度値の総数が2である判定に反応し、記録済みの多数個の有効温度値の中で比較的小さい値を直接目標物の温度とし、出力ユニット140に温度を示すよう指示する(即ち、比較的大きい温度値を無視する)。
【0039】
言及する価値があることは、一つの実施例では、コントロールユニット110が実行した温度測定過程が完了した判定に反応して、出力ユニット140に音を出すよう指示ができ(出力ユニット140はスピーカーを備えることもできる)、ユーザーに温度測定過程が完了したと提示する。
【0040】
実行した温度測定過程が完了した判定に反応し(S34->YES)、ステップS36を実行;実行した温度測定過程が未完了である判定に反応し(S34->NO)、ステップS35を実行。
【0041】
ステップS35では、コントロールユニット110は実行した温度測定過程が未完了である判定に反応して、出力ユニットに提示メッセージを示すよう指示し、ユーザーに温度測定器を移動するよう提示し、目標物に接近させ、目標物上の異なる位置の温度を測定する。次に、流れはステップS32に続き、温度測定操作の実行を続ける。他の一つの実施例では、提示メッセージはユーザーが継続して温度測定器10を目標物に接近させるのを指示するのに用いられる(温度測定過程未完了)。
【0042】
ステップS36では、コントロールユニット110が記録した多数個の有効温度値の識別をする。その他、このステップでは、コントロールユニット110は更に記録した多数個の有効温度値を最大値から最小値の順に並べる。
【0043】
次に、ステップS37では、コントロールユニット110は記録した多数個の有効温度値の中から最大値の値を削除し、残りの一つ或いは多数個の目標温度値を獲得する。例えば、コントロールユニット110は既に並んでいる多数個の有効温度値の中から上位最大値として並んでいる温度値を削除し、残りの多数個の温度値を獲得する(即ち、多数個の目標温度値)。
【0044】
注意すべきことは、一つの実施例では、コントロールユニット110は更に既に並んでいる多数個の有効温度値の中から下位最小値として並んでいる温度値を削除し、残りの一つ或いは多数個の目標温度値を獲得する(即ち、多数個の目標温度値)。
【0045】
即ち、コントロールユニット110は記録した多数個の有効温度値の中から最大極端値及び最小極端値を削除し、残りの一つ或いは多数個の目標温度値を獲得する。一つの実施例では、有効温度値の中から最大値或いは最小値を削除する前に、コントロールユニット110は、最大値と二番目に大きい値の間の差値或いは最小値と二番目に小さい値の間の差値が極端閾値より大きいか否か判断することができ、最大値或いは最小値を削除するか否か確認する(例えば、若し差値が極端閾値より大きい場合、対応する最大値或いは最小値の削除を確定する)。
【0046】
次に、ステップS38では、コントロールユニット110は一つ或いは多数個の目標温度値に基づいて平均値を計算し、目標物の温度として、出力ユニット140に温度を示すよう指示する。具体的に、本実施例では、コントロールユニット110は全ての目標温度値の平均値を計算でき(例えば、算術平均値)、計算した算術平均値を目標物の温度とする。若し目標温度値が一つだけの場合、コントロールユニット110は直接目標温度値を目標物の温度とする。
【0047】
他の一つの実施例では、コントロールユニット110は一つ或いは多数個の目標温度値の中の最大値と二番目に大きい値の平均値を計算し、目標物の温度とする。
【0048】
その他、コントロールユニット110は出力ユニット140を通して目標物の温度を示す(例えば、液晶モニター上で目標物の温度の数値を示す)。
【0049】
一つの実施例では、目標物の温度を獲得した後、(或いは出力ユニットが温度を示した後)、ステップS39にて、コントロールユニット110は記録した全ての温度値を消去する。この方法により、今回の温度測定過程で記録された多数個の温度値が後の温度測定過程実行に与える影響を回避する。
【0050】
上記に基づいて、本発明実施例が提供する温度測定器は、目標物に対する多数回の温度測定操作の実行により多数個の有効温度値を獲得且つ記録し、記録した多数個の有効温度値の中から最大値の値を削除し、残りの多数個の目標温度値の平均値を計算し、目標物の温度とする。この方法により、測定した極端温度による温度の歪みを避け、獲得した温度の正確性を向上させる。
【0051】
本発明は上記の実施例で開示されているが、本発明を限定するものではなく、あらゆる技術分野の通常の知識を有する者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、いくつかの変更および修正を行うことができる、故に本発明の保護の範囲は添付の特許範囲によって定義されたものに従うものとする。
【符号の説明】
【0052】
10 温度測定器
110 コントロールユニット
120 温度センサー
130、130(1)、130(2) 入力ユニット
140 出力ユニット
150 記憶ユニット
160 電力管理ユニット
161 バッテリーバックカバー
S31、S32、S33、S34、S35、S36、S37、S38、S39 温度測定器の作動ステップ
図1
図2A
図2B
図2C
図3