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特許7193586無線電力送信システムにおいて通信を行う装置及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】無線電力送信システムにおいて通信を行う装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/80 20160101AFI20221213BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20221213BHJP
【FI】
H02J50/80
H02J50/10
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021114420
(22)【出願日】2021-07-09
(62)【分割の表示】P 2019551611の分割
【原出願日】2018-08-24
(65)【公開番号】P2021168594
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2021-07-09
(31)【優先権主張番号】62/549,931
(32)【優先日】2017-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/550,623
(32)【優先日】2017-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】10-2018-0034709
(32)【優先日】2018-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0068029
(32)【優先日】2018-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】パク ヨンチョル
(72)【発明者】
【氏名】ユク キョンファン
【審査官】杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-175798(JP,A)
【文献】特開2013-106515(JP,A)
【文献】特開2017-085711(JP,A)
【文献】特表2014-505460(JP,A)
【文献】特表2014-521290(JP,A)
【文献】特表2016-529864(JP,A)
【文献】特表2016-536959(JP,A)
【文献】特表2017-511111(JP,A)
【文献】特表2017-522851(JP,A)
【文献】特表2017-525332(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0058379(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0342024(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0117772(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0118810(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0329755(US,A1)
【文献】国際公開第2011/128969(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/119458(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/078473(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線電力送信装置において、
無線電力受信装置と第1の利用可能な電力指標に関するネゴシエーションを行うように構成されている通信装置/制御装置と、
前記第1の利用可能な電力指標に基づいて1次コイルに磁気カップリング(magnetic coupling)を生成して前記無線電力受信装置に無線電力を送信するように構成されている電力変換装置と、を含み、
前記無線電力送信装置は、
前記無線電力受信装置により受信された電力を示す受信電力パケットを前記無線電力受信装置から受信し、
前記受信した電力パケットに応答して前記第1の利用可能な電力指標を変更するために、通信を要求するビットパターンを、前記無線電力が送信される電力送信フェーズの間、前記無線電力受信装置に送信
前記通信を受信する準備ができたことを示す応答信号を前記無線電力受信装置から受信し、
前記応答信号を受信した後、前記電力送信フェーズの間、前記無線電力受信装置に第2の利用可能な電力指標に関するパケットを送信するように構成され
前記ビットパターンは、8ビットで構成され、
前記ビットパターンは、ACK応答に対するビットパターン、NAK応答に対するビットパターン及びND応答に対するビットパターンとは異なるパターンとして定義される、無線電力送信装置。
【請求項2】
前記第1の利用可能な電力指標と前記第2の利用可能な電力指標は、保証電力である、請求項1に記載の無線電力送信装置。
【請求項3】
前記第1の利用可能な電力指標と前記第2の利用可能な電力指標は、ターゲット電力である、請求項1に記載の無線電力送信装置。
【請求項4】
前記ビットパターンは、前記無線電力送信装置が所定のパケットを送信できる権限を取得するために前記無線電力受信装置に対する要求を知らせる、請求項1に記載の無線電力送信装置。
【請求項5】
無線電力送信装置により実行される無線電力送信方法において、
無線電力受信装置と第1の利用可能な電力指標に関するネゴシエーションを行う段階と、
前記第1の利用可能な電力指標に基づいて1次コイルに磁気カップリング(magnetic coupling)を生成して前記無線電力受信装置に無線電力を送信する段階と、
前記無線電力受信装置により受信された電力を示す受信電力パケットを前記無線電力受信装置から受信する段階と、
前記受信電力パケットに応答して前記第1の利用可能な電力指標を変更するために通信を要求するビットパターンを、前記無線電力が送信される電力送信フェーズの間前記無線電力受信装置に送信する段階と、
前記通信を受信する準備ができたことを示す応答信号を前記無線電力受信装置から受信する段階と、
前記応答信号を受信した後、第2の利用可能な電力指標に関するパケットを、前記電力送信フェーズの間前記無線電力受信装置に送信する段階と、を含み
前記ビットパターンは、8ビットで構成され、
前記ビットパターンは、ACK応答に対するビットパターン、NAK応答に対するビットパターン及びND応答に対するビットパターンと異なるパターンとして定義される、無線電力送信方法。
【請求項6】
前記第1の利用可能な電力指標と前記第2の利用可能な電力指標は、保証電力である、請求項に記載の無線電力送信方法。
【請求項7】
前記第1の利用可能な電力指標と前記第2の利用可能な電力指標は、ターゲット電力である、請求項に記載の無線電力送信方法。
【請求項8】
前記ビットパターンは、前記無線電力送信装置が所定のパケットを送信できる権限を取得するために前記無線電力受信装置に対する要求を知らせる、請求項に記載の無線電力送信方法。
【請求項9】
無線電力受信装置において、
無線電力送信装置と第1の利用可能な電力指標に関するネゴシエーションを行うように構成され通信装置/制御装置と、
前記第1の利用可能な電力指標に基づいて1次コイルに生成される磁気カップリング(magnetic coupling)により前記無線電力送信装置から無線電力を受信するように構成され電力ピックアップ部と、を含み、
前記無線電力受信装置は、
記無線電力受信装置により受信した電力値を示す受信電力パケットを前記無線電力送信装置へ送信し、
前記受信した電力パケットに応答して前記第1の利用可能な電力指標を変更するために通信を要求するビットパターンを、前記無線電力が送信される電力送信フェーズの間前記無線電力送信装置から受信し
前記通信を受信する準備ができたことを示す応答信号を前記無線電力送信装置に送信し、
前記応答信号を受信した後、第2の利用可能な電力指標に関するパケットを、前記電力送信フェーズの間前記無線電力送信装置から受信するように構成され
前記ビットパターンは、8ビットで構成され、
前記ビットパターンは、ACK応答に対するビットパターン、NAK応答に対するビットパターン及びND応答に対するビットパターンとは異なるパターンとして定義された、無線電力受信装置。
【請求項10】
前記第1の利用可能な電力指標と前記第2の利用可能な電力指標は、保証電力である、請求項に記載の無線電力受信装置。
【請求項11】
前記第1の利用可能な電力指標と前記第2の利用可能な電力指標は、ターゲット電力である、請求項に記載の無線電力受信装置。
【請求項12】
無線電力受信装置により実行される無線電力受信方法であって
無線電力送信装置と第1の利用可能な電力指標に関するネゴシエーションを行う段階と
前記第1の利用可能な電力指標に基づいて1次コイルに生成される磁気カップリング(magnetic coupling)により前記無線電力送信装置から無線電力を受信する段階と
前記無線電力受信装置により受信された電力値を示す受信電力パケットを、前記無線電力送信装置に送信する段階と
前記受信した電力パケットに応答して前記第1の利用可能な電力指標を変更するために通信を要求するビットパターンを、前記無線電力が送信される電力送信フェーズの間前記無線電力送信装置から受信する段階と、
前記通信を受信する準備ができたことを示す応答信号を前記無線電力送信装置に送信する段階と
前記応答信号を受信した後、第2の利用可能な電力指標に関するパケットを、前記電力送信フェーズの間前記無線電力送信装置から受信する段階を含み
前記ビットパターンは、8ビットで構成され、
前記ビットパターンは、ACK応答に対するビットパターン、NAK応答に対するビットパターン及びND応答に対するビットパターンと異なるパターンとして定義される、無線電力受信方法
【請求項13】
前記第1の利用可能な電力指標と前記第2の利用可能な電力指標は、保証電力である、請求項12に記載の無線電力受信方法
【請求項14】
前記第1の利用可能な電力指標と前記第2の利用可能な電力指標は、ターゲット電力である、請求項12に記載の無線電力受信方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線電力送信に関し、より詳細には、無線電力送信システムにおいて通信を行う装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線電力送信技術は、電源ソースと電子機器の間に無線で電力を伝達する技術である。一例として、無線電力送信技術は、スマートフォンやタブレットなどの無線端末を無線充電パッドの上に置くだけで無線端末機のバッテリを充電できるようにすることにより、既存の有線充電コネクタを利用する有線充電環境に比べてより優れた移動性、利便性、及び安全性を提供することができる。無線電力送信技術は、無線端末の無線充電以外にも、電気自動車、ブルートゥースイヤホンや3Dメガネなどの各種ウェアラブルデバイス(wearable device)、家電機器、家具、地中施設物、建物、医療機器、ロボット、レジャーなどの多様な分野で既存の有線電力送信環境を代替すると注目されている。
【0003】
無線電力送信方式は、非接触(contactless)電力送信方式又は無接点(no point of contact)電力送信方式、無線充電(wireless charging)方式ともいう。無線電力送信システムは、無線電力送信方式で電気エネルギーを供給する無線電力送信装置と、前記無線電力送信装置から無線で供給される電気エネルギーを受信してバッテリセルなどの受電装置に電力を供給する無線電力受信装置と、から構成される。
【0004】
無線電力送信技術は、磁気カップリング(magnetic coupling)により電力を伝達する方式、無線周波数(radio frequency:RF)により電力を伝達する方式、マイクロ波(microwave)により電力を伝達する方式、超音波により電力を伝達する方式など多様である。磁気カップリングに基づいた方式は、磁気誘導(magnetic induction)方式と磁気共振(magnetic resonance)方式とにさらに分類される。磁気誘導方式は、送信側のコイルと受信側のコイルの間の電磁結合により送信側コイルバッテリセルから発生させた磁場により受信側コイルに誘導される電流を利用してエネルギーを送信する方式である。磁気共振方式は、磁場を利用するという点で磁気誘導方式と類似している。しかしながら、磁気共振方式は、送信側のコイルと受信側のコイルに特定の共振周波数が印加されるときに共振が発生し、これにより、送信側と受信側の両端に磁場が集中する現象によりエネルギーが伝達されるという点で磁気誘導とは異なる。
【0005】
無線電力送信装置と受信装置の間の通信プロトコルにおいて、通信を開始又は主導する送信者(sender)又はマスターが受信装置である場合、無線電力送信装置は、無線電力受信装置の要求に対する応答のみを送信することができる。この場合、無線電力送信装置が充電領域(又は、磁場領域)内に異物を検出するか充電環境が変更されても、所望のタイミングに主導的に電力レベルを調節することができず、認証(authentication)を行うことができない。
〔先行技術文献〕
〔特許文献〕
〔特許文献1〕米国特許出願公開第2013/0119778号明細書
〔特許文献2〕米国特許出願公開第2012/0212071号明細書
【0006】
従って、無線電力送信装置が状況に応じてマスター/送信者としての地位と権限取得を可能にして現在周辺状況/環境をリアルタイムで反映して効率的かつ安定的な電力管理と認証を行う装置及び方法が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の技術的課題は、無線電力送信システムにおいて通信を行う装置及び方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の技術的課題は、無線電力送信システムにおいて通信を行う無線電力送信装置及び方法を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに他の技術的課題は、無線電力送信システムにおいて通信を行う無線電力受信装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によると、無線電力送信装置を提供する。前記装置は、無線電力受信装置と第1の利用可能な電力指標に関するネゴシエーションを行うように構成されている通信/制御ユニットと、前記第1の利用可能な電力指標によって1次コイルに磁気カップリング(magnetic coupling)を生成して前記無線電力受信装置に無線電力を送信するように構成されている電力変換部とを含む。ここで、前記通信/制御ユニットは、前記無線電力受信装置により受信された電力を示す受信電力パケットを前記無線電力受信装置から受信し、前記無線電力送信装置による通信を要求するビットパターン応答を前記無線電力受信装置に送信し、前記無線電力送信装置による通信を受信する準備ができたことを示す応答信号を前記無線電力受信装置から受信し、前記無線電力受信装置に第2の利用可能な電力指標に関するパケットを前記無線電力受信装置に送信することができる。
【0011】
一側面において、前記第1の利用可能な電力指標と第2の利用可能な電力指標は、保証電力であり得る。
【0012】
他の側面において、前記第1の利用可能な電力指標と第2の利用可能な電力指標は、ターゲット電力であり得る。
【0013】
さらに他の側面において、第2の利用可能な電力指標に関するパケットは、前記無線電力送信装置の性能パケット(capability packet)を含むことができる。
【0014】
さらに他の側面において、前記ビットパターン応答は、前記無線電力送信装置が所定のパケットを送信できる権限取得を前記無線電力受信装置に要求することを示すことができる。
【0015】
さらに他の側面において、前記ビットパターン応答は、ACK応答、NAK応答、前記要求が有効でないことを示すND応答のためのビットパターンとは異なるパターンで定義される。
【0016】
本発明の他の態様によると、無線電力送信方法を提供する。前記方法は、無線電力受信装置と第1の利用可能な電力指標に関するネゴシエーションを行う段階と、前記第1の利用可能な電力指標によって1次コイルに磁気カップリング(magnetic coupling)を生成して前記無線電力受信装置に無線電力を送信する段階と、前記無線電力受信装置により受信された電力を示す受信電力パケットを前記無線電力受信装置から受信する段階と、前記無線電力送信装置による通信を要求するビットパターン応答を前記無線電力受信装置に送信する段階と、前記無線電力送信装置による通信を受信する準備ができたことを示す応答信号を前記無線電力受信装置から受信する段階と、前記無線電力受信装置に第2の利用可能な電力指標に関するパケットを前記無線電力受信装置に送信する段階と、を含む。
【0017】
本発明のさらに他の態様によると、無線電力受信装置を提供する。前記装置は、無線電力送信装置と第1の利用可能な電力指標に関するネゴシエーションを行うように構成されている通信/制御ユニットと、前記第1の利用可能な電力指標によって1次コイルに生成される磁気カップリング(magnetic coupling)により前記無線電力送信装置から無線電力を受信するように構成されている電力ピックアップ部とを含む。ここで、前記通信/制御ユニットは、前記受信した無線電力に関する受信電力パケットを前記無線電力送信装置に送信し、前記無線電力送信装置による通信を要求するビットパターン応答を前記無線電力送信装置から受信し、前記無線電力送信装置による通信を受信する準備ができたことを示す応答信号を前記無線電力送信装置に送信し、第2の利用可能な電力指標に関するパケットを前記無線電力送信装置から受信することができる。
【0018】
本発明のさらに他の態様によると、無線電力受信方法を提供する。前記方法は、無線電力送信装置と第1の利用可能な電力指標に関するネゴシエーションを行う段階と、前記第1の利用可能な電力指標によって1次コイルに生成された磁気カップリング(magnetic coupling)により前記無線電力送信装置から無線電力を受信する段階と、前記受信された無線電力を示す受信電力パケットを前記無線電力送信装置に送信する段階と、前記無線電力送信装置による通信を要求するビットパターン応答を前記無線電力送信装置から受信する段階と、前記無線電力送信装置による通信を受信する準備ができたことを示す応答信号を前記無線電力送信装置に送信する段階と、第2の利用可能な電力指標に関するパケットを前記無線電力送信装置から受信する段階と、を含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、無線電力送信装置は、周辺環境/状況に応じて自分が所望する時点で利用可能な電力指標を動的に適切に調節し、通信と認証を主導的に開始できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】一実施形態による無線電力システム10のブロック図である。
図2】他の実施形態による無線電力システム10のブロック図である。
図3】無線電力送信システムが導入される多様な電子機器の実施形態を示す。
図4】他の実施形態による無線電力送信システムのブロック図である。
図5】無線電力送信手順を説明するための状態遷移図である。
図6】一実施形態による電力制御コントロール方法を示す。
図7】他の実施形態による無線電力送信装置のブロック図である。
図8】他の実施形態による無線電力受信装置を示す。
図9】一実施形態による通信フレーム構造を示す。
図10】一実施形態によるシンクパターンの構造である。
図11】一実施形態によるシェアードモードで無線電力送信装置及び無線電力受信装置の動作状態を示す。
図12】一例による利用可能な電力指標を示す。
図13】一例によるネゴシエーションフェーズで各利用可能な電力指標が設定される方法を説明する。
図14】他の例によるネゴシエーションフェーズで各利用可能な電力指標が設定される方法を説明する。
図15】一例による電力送信フェーズで各利用可能な電力指標に基づいて電力制御が行われる過程を示す例示図である。
図16】他の例による電力送信フェーズで各利用可能な電力指標に基づいて電力制御が行われる過程を示す例示図である。
図17】一実施形態によるRFRの送信手順に関するプロトコルである。
図18】一実施形態によるRFAパケット構造である。
図19】一実施形態による利用可能な電力指標を含む無線電力送信装置の性能パケットの構造である。
図20】一実施形態による無線電力送信装置のターゲット電力パケットの構造である。
図21】一実施形態による無線電力受信装置の応答パケットの構造である。
図22】一実施形態による無線電力送信装置の応答パケットの構造である。
図23】一実施形態による付加送信プロトコルに基づいて無線電力送信装置が利用可能な電力指標に関する情報を送信するフローチャートである。
図24A】一実施形態による付加送信を行うATX(又は、ATD)段階を詳細に示す図である。
図24B】他の実施形態による付加送信を行うATX(又は、ATD)段階を詳細に示す図である。
図25】他の実施形態による付加送信プロトコルに基づいて無線電力送信装置が利用可能な電力指標に関する情報を送信するフローチャートである。
図26】GRパケットの一例である。
図27】RAパケットの一例である。
図28】ACKパケットの一例である。
図29】SOD/EODパケットの一例である。
図30】一実施形態によるADTデータ送信手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下で用いられる「無線電力」という用語は、物理的な電磁気伝導体を使用せずに無線電力送信装置(wireless power transmitter)から無線電力受信装置(wireless power receiver)に伝達される電場、磁場、電磁場などと関連した任意の形態のエネルギーを意味するように用いられる。無線電力は、無線電力信号(wireless power signal)と呼ばれることもあり、1次コイルと2次コイルにより囲まれた(enclosed)振動する磁束(oscillating magnetic flux)を意味することもある。例えば、移動電話機、コードレス電話機、iPod、MP3プレーヤー、ヘッドセットなどを含むデバイスを無線で充電するためのシステムにおける電力変換がここに説明される。一般に、無線電力送信の基本的な原理は、例えば、磁気カップリング(magnetic coupling)により電力を伝達する方式、無線周波数(radio frequency:RF)により電力を伝達する方式、マイクロウェーブ(microwave)により電力を伝達する方式、超音波により電力を伝達する方式を全て含む。
【0022】
図1は、一実施形態による無線電力システム10のブロック図である。
【0023】
図1に示すように、無線電力システム10は、無線電力送信装置(wireless power transmitter)100と無線電力受信装置(wireless power receiver)200を含む。
【0024】
無線電力送信装置100は、外部の電源ソース(S)から電源が印加されて磁場を発生させる。無線電力受信装置200は、発生した磁場を利用して電流を発生させて無線で電力を受信する。
【0025】
また、無線電力システム10において無線電力送信装置100と無線電力受信装置200は、無線電力送信に必要な多様な情報を送受信することができる。ここで、無線電力送信装置100と無線電力受信装置200との間の通信は、無線電力送信に利用される磁場を利用するインバンド通信(in-band communication)や別途の通信キャリアを利用するアウトバンド通信(out-band communication)のいずれか1つの方式により行われる。
【0026】
ここで、無線電力送信装置100は、固定型又は移動型で提供される。固定型の例としては、室内の天井や壁面又はテーブルなどの家具に埋め込まれる(embedded)形態、室外の駐車場、バス停や地下鉄駅などにインプラント形式で設置される形態や、車両や汽車などの運送手段に設置される形態などがある。移動型の無線電力送信装置100は、移動可能な重さやサイズの移動型装置やノートパソコンのカバーなどの他の装置の一部として実現されることができる。
【0027】
また、無線電力受信装置200は、バッテリを備える各種電子機器及び電源ケーブルの代わりに無線で電源が供給されて駆動される各種家電機器を含む包括的な概念として解釈されなければならない。無線電力受信装置200の代表的な例として、移動端末(portable terminal)、携帯電話(cellular phone)、スマートフォン(smart phone)、個人情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯型メディアプレーヤー(PMP:Portable Media Player)、ワイブロ端末(Wibro terminal)、タブレット(tablet)、パブレット(pablet)、ノートパソコン(notebook)、デジタルカメラ、ナビゲーション端末、テレビ、電気車(EV:Electronic Vehicle)などがある。
【0028】
無線電力システム100において無線電力受信装置200は、1つ又は複数であり得る。図1においては、無線電力送信装置100と無線電力受信装置200が一対一で電力をやりとりすることで表現されているが、図2に示すように、1つの無線電力送信装置100が複数の無線電力受信装置200-1、200-2、...、200-Mに電力を伝達することも可能である。特に、磁気共振方式で無線電力送信を行う場合は、1つの無線電力送信装置100が同時送信方式や時分割送信方式を応用して同時に複数の無線電力受信装置200-1、200-2、...、200-Mに電力を伝達することできる。
【0029】
また、図1には、無線電力送信装置100が無線電力受信装置200に直ちに電力を伝達する様子が示されているが、無線電力送信装置100と無線電力受信装置200との間に無線電力送信距離を増大させるためのリレー(relay)又は中継器(repeater)などの別途の無線電力送受信装置が備えられることもできる。この場合、無線電力送信装置100から無線電力送受信装置に電力が伝達され、無線電力送受信装置が再び無線電力受信装置200に電力を伝達することができる。
【0030】
以下、本明細書で言及される無線電力受信機、電力受信機、受信機は、無線電力受信装置200を示す。また、本明細書で言及される無線電力電送機、電力電送機、電送機は、無線電力受信送信装置100を示す。
【0031】
図3は、無線電力送信システムが導入される多様な電子機器の実施形態を示す。
【0032】
図3には、無線電力送信システムで送信及び受信する電力量によって電子機器を分類して示した。図3に示すように、スマート時計(Smart watch)、スマートグラス(Smart Glass)、HMD(Head Mounted Display)、及びスマートリング(Smart ring)などのウェアラブル機器及びイヤホン、リモコン、スマートフォン、PDA、タブレットパソコンなどのモバイル電子機器(又は、ポータブル電子機器)には、小電力(約5W以下又は約20W以下)無線充電方式が適用されることができる。
【0033】
ノートパソコン、ロボット掃除機、TV、音響機器、掃除機、モニターなどの中/小型家電機器には中電力(約50W以下又は約200W以下)無線充電方式が適用されることができる。ミキサー、電子レンジ、電気炊飯器などのキッチン用家電機器、車椅子、電動キックボード、電動自転車、電気自動車などの個人用移動機器(又は、電子機器/移動手段)には大電力(約2kW以下又は22kW以下)無線充電方式が適用されることができる。
【0034】
前述した(又は、図1に示す)電子機器/移動手段は、後述する無線電力受信機をそれぞれ含むことができる。従って、前述した電子機器/移動手段は、無線電力送信機から無線で電力を受信して充電されることができる。
【0035】
以下では、電力無線充電方式が適用されるモバイル機器を中心に説明するが、これは、実施形態に過ぎず、本発明による無線充電方法は前述した様々な電子機器に適用できる。
【0036】
無線電力送信及び受信装置は、非常に便利なユーザの経験とインタフェース(UX/UI)を提供することができる。すなわち、スマート無線充電サービスが提供されることができる、スマート無線充電サービスは、無線電力送信装置を含むスマートフォンのUX/UIに基づいて実現されることができる。このようなアプリケーションのために、スマートフォンのプロセッサと無線充電受信装置との間のインタフェースは、無線電力送信装置と受信装置間の「ドロップアンドプレイ(drop and play)」双方向通信を許容する。
【0037】
一例として、ユーザは、ホテルでスマート無線充電サービスを経験することができる。ユーザがホテルの部屋に入って部屋内の無線充電器の上にスマートフォンを置くと、無線充電器は、スマートフォンに無線電力を送信し、スマートフォンは無線電力を受信する。この過程で、無線充電器は、スマート無線充電サービスに関する情報をスマートフォンに送信する。スマートフォンが無線充電器上に位置することを感知するか、無線電力の受信を感知するか、又はスマートフォンが無線充電器からスマート無線充電サービスに関する情報を受信すると、スマートフォンは、ユーザに付加的特徴への同意(opt-in)を問い合わせする状態に進入する。このために、スマートフォンは、アラーム音を含むか、又は含まない方式でスクリーン上にメッセージを表示することができる。メッセージの一例は、「Welcome to ### hotel.Select "Yes" to activate smart charging functions :Yes | No Thanks.」のような文句を含むことができる。スマートフォンは、Yes又はNo Thanksを選択してユーザが入力すると、ユーザにより選択された次の手順を行う。もし、Yesが選択されると、スマートフォンは、無線充電器に該当情報を送信する。そして、スマートフォンと無線充電器は、スマート充電機能を共に行う。
【0038】
スマート無線充電サービスは、またWiFi資格(wifi credentials)自動入力(auto-filled)を受信することを含むことができる。例えば、無線充電器は、WiFi資格をスマートフォンに送信し、スマートフォンは、適切なアプリを実行して無線充電器から受信されたWiFi資格を自動的に入力する。
【0039】
スマート無線充電サービスは、またホテルプロモーションを提供するホテルアプリケーションを実行するか、遠隔チェックイン/チェックアウト及びコンタクト情報を取得することを含むことができる。
【0040】
他の例として、ユーザは、車両内でスマート無線充電サービスを経験することができる。ユーザが車両に乗ってスマートフォンを無線充電器上に置くと、無線充電器はスマートフォンに無線電力を送信し、スマートフォンは無線電力を受信する。このような過程で、無線充電器は、スマート無線充電サービスに関する情報をスマートフォンに送信する。スマートフォンが無線充電器上に位置されることを感知するか、無線電力の受信を感知するか、又はスマートフォンが無線充電器からスマート無線充電サービスに関する情報を受信すると、スマートフォンは、ユーザに身元(identity)の確認を問い合わせする状態に進入する。
【0041】
この状態で、スマートフォンは、WiFi及び/又はブルートゥースを介して自動的に自動車と接続される。スマートフォンは、アラーム音を含むか、又は含まない方式でスクリーン上にメッセージを表示することができる。メッセージの一例は、「Welcome to your car. Select "Yes" to synch device with in-car controls :Yes | No Thanks.」のような文句を含むことができる。スマートフォンは、Yes又はNo Thanksを選択してユーザが入力すると、ユーザにより選択された次の手順を行う。もし、Yesが選択されると、スマートフォンは、無線充電器に該当情報を送信する。そして、スマートフォンと無線充電器は、車両内アプリケーション/ディスプレイソフトウェアを駆動することにより、車両内スマート制御機能を共に行うことができる。ユーザは、所望する音楽を楽しむことができ、正しいマップの位置を確認することができる。車両内アプリケーション/ディスプレイソフトウェアは、通行者のための同期化接近を提供する性能を含むことができる。
【0042】
また他の例として、ユーザは、スマート無線充電を宅内で経験することができる。ユーザが部屋に入って部屋内の無線充電器の上にスマートフォンを置くと、無線充電器はスマートフォンに無線電力を送信し、スマートフォンは無線電力を受信する。この過程で、無線充電器は、スマート無線充電サービスに関する情報をスマートフォンに送信する。スマートフォンが無線充電器上に位置されることを感知するか、無線電力の受信を感知するか、又はスマートフォンが無線充電器からスマート無線充電サービスに関する情報を受信すると、スマートフォンは、ユーザに付加的特徴への同意(opt-in)を問い合わせする状態に進入する。このために、スマートフォンはアラーム音を含むか、又は含まない方式でスクリーン上にメッセージを表示することができる。メッセージの一例は、「Hi xxx, Would you like to activate night mode and secure the building? :Yes | No Thanks.」のような文句を含むことができる。スマートフォンは、Yes又はNo Thanksを選択してユーザが入力すると、ユーザにより選択された次の手順を行う。もし、Yesが選択されると、スマートフォンは、無線充電器に該当情報を送信する。スマートフォンと無線充電器は、少なくともユーザのパターンを認知し、ユーザにドアと窓を閉めるか、火を消すか、アラームを設定するように勧めることができる。
【0043】
無線電力送信に関する標準(standard)は、WPC(wireless power consortium)、AFA(air fuel alliance)、PMA(power matters alliance)を含む。
【0044】
WPC標準は、基本電力プロファイル(baseline power profile:BPP)と拡張電力プロファイル(extended power profile:EPP)を定義する。BPPは、5Wの電力送信をサポートする無線電力送信装置と受信装置に関し、EPPは、5Wより大きく30Wより小さい範囲の電力送信をサポートする無線電力送信装置と受信装置に関する。
【0045】
異なる電力レベル(power level)を使用する様々な無線電力送信装置と受信装置が、各標準別にカバーされ、異なる電力クラス(power class:PC)又はカテゴリに分類される。
【0046】
例えば、WPCは、無線電力送信装置と受信装置を電力クラス(power class:PC)-1、PC0、PC1、PC2に分類し、各PCに対する標準文書を提供する。PC-1標準は、5W未満の保証電力(guaranteed power)を提供する無線電力送信装置と受信装置に関する。PC-1のアプリケーションは、スマート時計のようなウェアラブル機器を含む。
【0047】
PC0標準は、5Wの保証電力を提供する無線電力送信装置と受信装置に関する。PC0標準は、保証電力が30WまでであるEPPを含む。インバンド(in-band:IB)通信がPC0の必須な(mandatory)通信プロトコルであるが、オプションのバックアップチャネルとして使用されるアウトオブバンド(out-of-band:OBB)通信も使用されることができる。無線電力受信装置は、OOBのサポート有無を構成パケット(configuration packe)内のOOBフラグを設定することにより識別することができる。OOBをサポートする無線電力送信装置は、前記構成パケットへの応答として、OOBハンドオーバーのためのビットパターン(bit-pattern)を送信することによりOOBハンドオーバーフェーズ(handover phase)に進入することができる。前記構成パケットに対する応答は、NAK、ND又は新しく定義される8ビットのパターンであり得る。PC0のアプリケーションは、スマートフォンを含む。
【0048】
PC1標準は、30W~150Wの保証電力を提供する無線電力送信装置と受信装置に関する。OOBは、PC1のための必須の通信チャネルであり、IBは、OOBへの初期化及びリンク確立(link establishment)に使用される。無線電力送信装置は、構成パケットに対する応答として、OOBハンドオーバーのためのビットパターンを送信することによりOOBハンドオーバーフェーズに進入することができる。PC1のアプリケーションはラップトップや電動工具(power tool)を含む。
【0049】
PC2標準は、200W~2kWの保証電力を提供する無線電力送信装置と受信装置に関し、そのアプリケーションはキッチン家電を含む。
【0050】
このように、電力レベルによってPCが区別され、同一のPC間の互換性(compatibility)をサポートするか否かは選択又は必須事項である。ここで、同一のPC間の互換性は、同一のPC間では電力送受信が可能であることを意味する。例えば、PCxである無線電力送信装置が同一のPCxを有する無線電力受信装置の充電が可能である場合、同一のPC間の互換性が維持されるとみなすことができる。これと類似して、異なるPC間の互換性もサポートできる。ここで、異なるPC間の互換性は、異なるPC間にも電力送受信が可能であることを意味する。例えば、PCxである無線電力送信装置がPCyを有する無線電力受信装置の充電が可能である場合、異なるPC間の互換性が維持されるとみなすことができる。
【0051】
PC間の互換性のサポートは、ユーザ経験(User Experience)及びインフラ構築の側面で非常に重要なイシューである。ただ、PC間の互換性の維持には以下のような様々な技術的な問題点が存在する。
【0052】
同一のPC間の互換性の場合、例えば、連続的に電力が送信される場合にのみ安定的に充電が可能なラップトップ充電(Lap-top charging)方式の無線電力受信装置は、同一のPCの無線電力送信装置であっても、不連続的に電力を送信する電動ツール方式の無線電力送信装置から電力が安定的に供給されるのに問題があり得る。また、異なるPC間の互換性の場合、例えば、少なくとも保証電力が200Wである無線電力送信装置が、最大保証電力が5Wである無線電力受信装置に電力を送信する場合、過電圧により無線電力受信装置が破損する恐れがある。その結果、PCは互換性を代表/指示する指標/基準にすることが困難である。
【0053】
以下では、互換性を代表/指示する指標/基準として「プロファイル(profile)」を新しく定義する。すなわち、同一の「プロファイル」を有する無線電力送受信装置間では互換性が維持されて安定的な電力送受信が可能であり、異なる「プロファイル」を有する無線電力送受信装置間では電力送受信が不可能であると解釈されることができる。プロファイルは、電力クラスと関係なく(又は、独立して)互換性を有するか否か及び/又はアプリケーションによって定義されることができる。
【0054】
例えば、プロファイルは、i)モバイル、ii)電動ツール、iii)キッチン、及びiv)ウェアラブルの4つに大きく区分される。
【0055】
「モバイル」プロファイルの場合、PCはPC0及び/又はPC1、通信プロトコル/方式はIB及びOOB、動作周波数は87~205kHzに定義されることができ、アプリケーションの例示としてはスマートフォン、ラップトップなどがある。
【0056】
「電動ツール」プロファイルの場合、PCはPC1、通信プロトコル/方式はIB、動作周波数は87~145kHzに定義されることができ、アプリケーションの例示として電動ツールなどがある。
【0057】
「キッチン」プロファイルの場合、PCはPC2、通信プロトコル/方式はNFC基盤、動作周波数は100kHz未満に定義されることができ、アプリケーションの例示としてはキッチン/家電機器などがある。
【0058】
「ウェアラブル」プロファイルの場合、PCはPC-1、通信プロトコル/方式はIB、動作周波数は87~205kHzに定義されることができ、アプリケーションの例示としてはユーザの身体に着用するウェアラブル機器などがある。
【0059】
同一のプロファイル間では互換性の維持が必須事項であり、他のプロファイル間の互換性の維持は選択事項であり得る。
【0060】
前述したプロファイル(モバイルプロファイル、電動ツールプロファイル、キッチンプロファイル、及びウェアラブルプロファイル)は、第1ないし第nのプロファイルで一般化して表現されることができ、WPC規格及び実施形態によって新しいプロファイルが追加/代替できる。
【0061】
このようにプロファイルが定義される場合、無線電力送信装置が自分と同一のプロファイルの無線電力受信装置に対してのみ選択的に電力送信を行って、より安定的に電力送信が可能となる。また、無線電力送信装置の負担が低減し、互換性のない無線電力受信装置への電力送信を試みなくなるため、無線電力受信装置の破損の危険が軽減するという効果が発生する。
【0062】
「モバイル」プロファイル内のPC1は、PC0を基盤にOOBのような選択的拡張を借用することにより定義されることができ、「電動ツール」プロファイルの場合、PC1「モバイル」プロファイルが単純に変更されたバージョンとして定義されることができる。また、これまでは同一のプロファイル間の互換性の維持が目的と定義されたが、今後は異なるプロファイル間の互換性維持の方向に技術が発展されることができる。無線電力送信装置又は無線電力受信装置は、多様な方式により自分のプロファイルを相手に知らせることができる。
【0063】
AFA標準は、無線電力送信装置をPTU(power transmitting unit)と称し、無線電力受信装置をPRU(power receiving unit)と称し、PTUは表1のように複数のクラスに分類され、PRUは表2のように複数のカテゴリに分類される。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
表1のように、クラスn PTUの最大出力電力性能(capability)は、当該クラスのPTX_IN_MAX値より大きいか同一である。PRUは、当該カテゴリで明記された(specified)電力よりも大きな電力を引き出す(draw)ことはできない。
【0067】
図4は、他の実施形態による無線電力送信システムのブロック図である。
【0068】
図4に示すように、無線電力送信システム10は、無線で電力を受信するモバイル機器(Mobile Device)450及び無線で電力を送信するベースステーション(Base Station)400を含む。
【0069】
ベースステーション400は、誘導電力又は共振電力を提供する装置であり、少なくとも1つの無線電力送信装置(power transmitter)100及びシステムユニット405を含むことができる。無線電力送信装置100は、誘導電力又は共振電力を送信し、送信を制御することができる。無線電力送信装置100は、1次コイル(primary coil(s))により磁場を生成することにより、電気エネルギーを電力信号に変換する電力変換ユニット(power conversion unit)110、及び、適切なレベルで電力を伝達するように無線電力受信装置200との通信及び電力伝達をコントロールする通信/制御ユニット(communications & control unit)120を含むことができる。システムユニット405は、入力電力プロビジョニング(provisioning)、複数の無線電力送信装置のコントロール、及びユーザインタフェース制御などのベースステーション100のその他の動作の制御を行うことができる。
【0070】
1次コイルは、交流電力(又は、電圧又は電流)を利用して電磁場を発生させることができる。1次コイルは、電力変換ユニット110から出力される特定の周波数の交流電力(又は、電圧又は電流)が印加されると、これにより特定周波数の磁場を発生させることができる。磁場は、非放射型又は放射型に発生しうるが、無線電力受信装置200は、これを受信して電流を生成する。言い換えると、1次コイルは無線で電力を送信することである。
【0071】
磁気誘導方式において、1次コイルと2次コイルは任意の適した形態を有することができ、例えば、フェライト又は非晶質金属のような高透磁率の形成物の周りに巻かれた銅線であり得る。1次コイルは、1次コア(primary core)、1次ワインディング(primary winding)、1次ループアンテナ(primary loop antenna)などと呼ばれることもできる。一方、2次コイルは、2次コア(secondary core)、2次ワインディング(secondary winding)、2次ループアンテナ(secondary loop antenna)、ピックアップアンテナ(pickup antenna)などと呼ばれることもできる。
【0072】
磁気共振方式を利用する場合、1次コイルと2次コイルはそれぞれ1次共振アンテナと2次共振アンテナの形態で提供される。共振アンテナは、コイルとキャパシタを含む共振構造を有することができる。このとき、共振アンテナの共振周波数は、コイルのインダクタンスとキャパシタのキャパシタンスにより決定される。ここで、コイルはループの形態で形成されることができる。また、ループの内部にはコアが配置されることができる。コアは、フェライトコア(ferrite core)のような物理的なコアや空芯コア(air core)を含むことができる。
【0073】
1次共振アンテナと2次共振アンテナ間のエネルギー送信は、磁場の共振現象により行われることができる。共振現象とは、1つの共振アンテナで共振周波数に該当する近接場が発生するときに周囲に他の共振アンテナが位置する場合、両共振アンテナが互いにカップリングされて共振アンテナ間で高い効率のエネルギー伝達が起こる現象を意味する。1次共振アンテナと2次共振アンテナアンテナとの間で共振周波数に該当する磁場が発生すると、1次共振アンテナと2次共振アンテナが互いに共振する現象が発生し、これにより、一般的な場合に1次共振アンテナで発生した磁場が自由空間に放射される場合に比べてより高い効率で2次共振アンテナに向けて磁場が集束され、従って、1次共振アンテナから2次共振アンテナに高い効率でエネルギーが伝達されることができる。磁気誘導方式は、磁気共振方式と同様に実現されるが、このときは磁場の周波数が共振周波数である必要がない。代わりに、磁気誘導方式では1次コイルと2次コイルを構成するループ間の整合が必要であり、ループ間の間隔が非常に近接しなければならない。
【0074】
図示してはいないが、無線電力送信装置1100は、通信アンテナをさらに含むこともできる。通信アンテナは、磁場通信以外の通信キャリアを利用して通信信号を送受信することができる。例えば、通信アンテナは、Wi-Fi、ブルートゥース(Bluetooth)、ブルートゥースLE、ZigBee、NFCなどの通信信号を送受信することができる。
【0075】
通信/制御ユニット120は、無線電力受信装置200と情報を送受信することができる。通信/制御ユニット120は、IB通信モジュール又はOOB通信モジュールのうち少なくとも1つを含むことができる。
【0076】
IB通信モジュールは、特定の周波数を中心周波数とする磁気波を利用して情報を送受信することができる。例えば、通信/制御ユニット120は、磁気波に情報を載せて1次コイルを介して送信するか、又は情報が入っている磁気波を1次コイルを介して受信することによりインバンド通信を行うことができる。このとき、二位相偏移変調(BPSK:binary phase shift keying)又は振幅偏移変調(ASK:amplitude shift keying)などの変調方式とマンチェスター(Manchester)符号化又は非ゼロ復帰レベル(NZR-L:non-return-to-zero level)符号化などの符号化方式を利用して磁気波に情報を入れるか情報が入っている磁気波を解析することができる。このようなIB通信を利用すると、通信/制御ユニット120は、数kbpsのデータ送信率で数メートルに至る距離まで情報を送受信することができる。
【0077】
OOB通信モジュールは、通信アンテナを介してアウトバンド通信を行うこともできる。例えば、通信/制御ユニット120は近距離通信モジュールとして提供されることができる。近距離通信モジュールの例としてはWi-Fi、ブルートゥース、ブルートゥースLE、ZigBee、NFCなどの通信モジュールがある。
【0078】
通信/制御ユニット120は、無線電力送信装置100の全般的な動作を制御することができる。通信/制御ユニット120は、各種情報の演算及び処理を行い、無線電力送信装置100の各構成要素を制御することができる。
【0079】
通信/制御ユニット120は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせを利用して、コンピュータやこれと類似した装置で実現されることができる。ハードウェア的に、通信/制御ユニット120は電気的な信号を処理して制御機能を行う電子回路の形態で提供され、ソフトウェア的には、ハードウェア的な通信/制御ユニット120を駆動させるプログラムの形態で提供されることができる。
【0080】
通信/制御ユニット120は、動作ポイント(operating point)をコントロールすることにより送信電力をコントロールすることができる。コントロールする動作ポイントは、周波数(又は、位相)、デューティサイクル(duty cycle)、デューティ比(duty ratio)及び電圧振幅の組み合わせに該当することができる。通信/制御ユニット120は、周波数(又は、位相)、デューティサイクル、デューティ比、及び電圧振幅のうち少なくとも1つを調節して送信電力をコントロールすることができる。また、無線電力送信装置100は一定の電力を供給し、無線電力受信装置200が共振周波数をコントロールすることにより受信電力をコントロールすることもできる。
【0081】
モバイル機器450は、2次コイル(Secondary Coil)を介して無線電力を受信する無線電力受信装置(power receiver)200と、無線電力受信装置200で受信された電力を、電力を受けて保存し、機器に供給するロード(load)455を含む。
【0082】
無線電力受信装置200は、電力ピックアップユニット(power pick-up unit)210及び通信/制御ユニット(communications & control unit)220を含むことができる。電力ピックアップユニット210は、2次コイルを介して無線電力を受信して電気エネルギーに変換する。電力ピックアップユニット210は、2次コイルを介して得られる交流信号を整流して直流信号に変換する。通信/制御ユニット220は、無線電力の送信と受信(電力伝達及び受信)を制御する。
【0083】
2次コイルは、無線電力送信装置100から送信される無線電力を受信することができる。2次コイルは、1次コイルで発生する磁場を利用して電力を受信できる。ここで、特定周波数が共振周波数である場合は、1次コイルと2次コイルとの間に磁気共振現象が発生してより効率的に電力を受信することができる。
【0084】
図4には示していないが、通信/制御ユニット220は、通信アンテナをさらに含むこともできる。通信アンテナは、磁場通信以外の通信キャリアを利用して通信信号を送受信することができる。例えば、通信アンテナは、Wi-Fi、ブルートゥース、ブルートゥースLE、ZigBee、NFCなどの通信信号を送受信することができる。
【0085】
通信/制御ユニット220は、無線電力送信装置100と情報を送受信する。通信/制御ユニット220は、IB通信モジュール又はOOB通信モジュールのうち少なくとも1つを含むことができる。
【0086】
IB通信モジュールは、特定の周波数を中心周波数とする磁気波を利用して情報を送受信することができる。例えば、通信/制御ユニット220は、磁気波に情報を載せて2次コイルを介して送信するか又は情報が入っている磁気波を2次コイルを介して受信することによりIB通信を行うことができる。このとき、二位相偏移変調(BPSK:binary phase shift keying)又は振幅偏移変調(ASK:amplitude shift keying)などの変調方式と、マンチェスター(Manchester)符号化又は非ゼロ復帰レベル(NZR-L:non-return-to-zero level)符号化などの符号化方式を利用して磁気波に情報を入れるか情報が入っている磁気波を解析することができる。このようなIB通信を利用すると、通信/制御ユニット220は、数kbpsのデータ送信率で数メートルに至る距離まで情報を送受信することができる。
【0087】
OOBモジュールは、通信アンテナを介してアウトバンド通信を行うこともできる。例えば、通信/制御ユニット220は、近距離通信モジュールとして提供されることができる。
【0088】
近距離通信モジュールの例としては、Wi-Fi、ブルートゥース、ブルートゥースLE、ZigBee、NFCなどの通信モジュールがある。
【0089】
通信/制御ユニット220は、無線電力受信装置200の全般的な動作を制御することができる。通信/制御ユニット220は各種の情報の演算及び処理を行い、無線電力受信装置200の各構成要素を制御することができる。
【0090】
通信/制御ユニット220は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせを利用してコンピュータやこれと類似した装置で実現されることができる。ハードウェア的に、通信/制御ユニット220は電気的な信号を処理して制御機能を行う電子回路の形態で提供され、ソフトウェア的には、ハードウェア的な通信/制御ユニット220を駆動させるプログラムの形態で提供されることができる。
【0091】
ロード455はバッテリであり得る。バッテリは、電力ピックアップユニット210から出力される電力を利用してエネルギーを保存することができる。一方、モバイル機器450にバッテリが必ず含まれなければならないことではない。例えば、バッテリは、脱着が可能な形態の外部構成で提供できる。他の例としては、無線電力受信装置200に電子機器の多様な動作を駆動する駆動手段がバッテリの代わりに含まれることもできる。
【0092】
モバイル機器450は無線電力受信装置200を含むと図示され、ベースステーション400は、無線電力送信装置100を含むと図示されているが、広い意味では、無線電力受信装置200はモバイル機器450と同一視されることができ、無線電力送信装置100はベースステーション400と同一視されることもできる。
【0093】
以下、コイル又はコイル部を、コイル及びコイルに近接した少なくとも1つの素子を含んでコイルアセンブリ、コイルセル、又はセルと称することもできる。
【0094】
図5は、無線電力送信手順を説明するための状態遷移図である。
【0095】
図5に示すように、本発明の一実施形態による無線電力送信装置から受信機へのパワーの送信は、選択フェーズ(selection phase)510、ピングフェーズ(ping phase)520、識別及び構成フェーズ(identification and configuration phase)530、ネゴシエーションフェーズ(negotiation phase)540、補正フェーズ(calibration phase)550、電力送信フェーズ(power transfer phase)560、及び再ネゴシエーションフェーズ(renegotiation phase)570に大別される。
【0096】
選択フェーズ510は、パワー送信を開始するかパワー送信を維持する間、特定エラー又は特定イベントが感知されると、遷移される段階-例えば、図面符号S502、S504、S508、S510、及びS512を含む-であり得る。ここで、特定エラー及び特定イベントは、以下の説明により明確になる。また、選択フェーズ510で無線電力送信装置は、インタフェースの表面に物体が存在するか否かをモニターすることができる。もし、無線電力送信装置がインタフェースの表面に物体がことを感知する場合、ピングフェーズ520に遷移することができる。選択フェーズ510で無線電力送信装置は、非常に短いパルスのアナログピング(Analog Ping)信号を送信し、送信コイル又は1次コイル(Primary Coil)の電流変化に基づいてインタフェースの表面の活性領域(Active Area)に物体が存在するかを感知することができる。
【0097】
選択フェーズ510で物体が感知される場合、無線電力送信装置は、無線電力共振回路(例えば、電力送信コイル及び/又は共振コンデンサ)の品質因子を測定することができる。本発明の一実施形態では、選択フェーズ510で物体が感知されると、充電領域に異物とともに無線電力受信装置が置かれているかを判断するために品質因子を測定することができる。無線電力送信装置に備えられるコイルは、環境変化によりインダクタンス及び/又はコイル内の直列抵抗成分が減少することができ、これにより品質因子値が減少することになる。測定された品質因子値を利用して異物が存在するか否かを判断するために、無線電力送信装置は、充電領域に異物が配置されていない状態で予め測定された基準品質因子値を無線電力受信装置から受信することができる。ネゴシエーションフェーズS540で受信された基準品質因子値と測定された品質因子値を比較して異物が存在するか否かを判断することができる。しかしながら、基準品質因子値が低い無線電力受信装置の場合-例えば、無線電力受信装置のタイプ、用途、及び特性などによって特定の無線電力受信装置は低い基準品質因子値を有することができる-、異物が存在する場合に測定される品質因子値と基準品質因子値との間の差が大きくなくて異物が存在するか否かを判断しにくいという問題が発生する。従って、他の判断要素をさらに考慮するか、他の方法を利用して異物が存在するか否かを判断しなければならない。
【0098】
本発明の他の実施形態では、選択フェーズ510で物体が感知されると、充電領域に異物とともに無線電力受信装置が配置されているかを判断するために特定周波数領域内(例えば、動作周波数領域)の品質因子値を測定することができる。無線電力送信装置のコイルは、環境変化によりインダクタンス及び/又はコイル内の直列抵抗成分が減少し、これにより無線電力送信装置のコイルの共振周波数が変更(シフト)されることができる。すなわち、動作周波数帯域内の最大品質因子値が測定される周波数である品質因子ピーク(peak)周波数が移動されることがある。
【0099】
フェーズ520で無線電力送信装置は、物体が感知されると、受信機を活性化(Wake up)させ、感知された物体が無線電力受信機であるか否かを識別するためのデジタルピング(Digital Ping)を送信する。ピングフェーズ520で無線電力送信装置は、デジタルピングに対する応答シグナル-例えば、信号強度パケット-を受信機から受信しないと、再び選択フェーズ510に遷移する。また、ピングフェーズ520で無線電力送信装置は、受信機からパワー送信が完了したことを示す信号-すなわち、充電完了パケット-を受信すると、選択フェーズ510に遷移することもできる。
【0100】
ピングフェーズ520が完了すると、無線電力送信装置は受信機を識別し、受信機の構成及び状態情報を収集するための識別及び構成フェーズ530に遷移する。
【0101】
識別及び構成フェーズ530で無線電力送信装置は、所望しないパケットが受信されるか(unexpected packet)、予め定義された時間の間、所望するパケットが受信されていないか(time out)、パケット送信エラーがあるか(transmission error)、パワー送信契約が設定されないと(no power transfer contract)、選択フェーズ510に遷移することができる。
【0102】
無線電力送信装置は、識別及び構成フェーズ530で受信された構成パケット(Configuration packet)のネゴシエーションフィールド(Negotiation Field)値に基づいてネゴシエーションフェーズ540への進入が必要であるか否かを確認することができる。確認の結果、ネゴシエーションが必要である場合、無線電力送信装置はネゴシエーションフェーズ540に進入して所定のFOD検出手順を行うことができる。それに対して、確認の結果、ネゴシエーションが必要でない場合、無線電力送信装置は、直ちに電力送信フェーズ560に進入することもできる。
【0103】
ネゴシエーションフェーズ540で、無線電力送信装置は、基準品質因子値が含まれたFOD(Foreign Object Detection)状態パケットを受信することができる。または、基準ピーク周波数値が含まれたFOD状態パケットを受信することができる。または、基準品質因子値及び基準ピーク周波数値が含まれた状態パケットを受信することができる。このとき、無線電力送信装置は、基準品質因子値に基づいてFO検出のための品質係数閾値を決定することができる。無線電力送信装置は、基準ピーク周波数値に基づいてFO検出のためのピーク周波数閾値を決定することができる。
【0104】
無線電力送信装置は、決定されたFO検出のための品質係数閾値及び現在測定された品質因子値(ピングフェーズ以前に測定された品質因子値)を用いて充電領域にFOが存在するか否かを検出でき、FO検出結果に応じて電力送信を制御することができる。一例として、FOが検出された場合、電力送信が中断される可能性があるが、これに限定されない。
【0105】
無線電力送信装置は、決定されたFO検出のためのピーク周波数閾値及び現在測定されたピーク周波数値(ピングフェーズ以前に測定されたピーク周波数値)を用いて充電領域にFOが存在するか否かを検出でき、FO検出結果に応じて電力送信を制御することができる。一例として、FOが検出された場合、電力送信が中断される可能性があるが、これに限定されない。
【0106】
FOが検出された場合、無線電力送信装置は、選択フェーズ510に回帰することができる。これに対して、FOが検出されない場合、無線電力送信装置は、補正フェーズ550を経て電力送信フェーズ560に進入することもできる。詳しくは、FOが検出されていない場合、無線電力送信装置は、補正フェーズ550で受信端に受信された電力の強度を決定し、送信端で送信した電力の強度を決定するために受信端と送信端における電力損失を測定することができる。すなわち、無線電力送信装置は、補正フェーズ550で送信端の送信パワーと受信端の受信パワーとの間の差に基づいて電力損失を予測することができる。一実施形態による無線電力送信装置は、予測された電力損失を反映してFOD検出のための閾値を補正することもできる。
【0107】
電力送信フェーズ560で、無線電力送信装置は、所望しないパケットが受信されるか(unexpected packet)、予め定義された時間の間、所望するパケットが受信されていないか(time out)、設定されたパワー送信契約に対する違反が発生するか(power transfer contract violation)、充電が完了した場合、選択フェーズ510に遷移することができる。
【0108】
また、電力送信フェーズ560で、無線電力送信装置は、無線電力送信装置の状態変化などによってパワー送信契約を再構成する必要がある場合、再ネゴシエーションフェーズ570に遷移することができる。このとき、再ネゴシエーションが正常に完了すると、無線電力送信装置は電力送信フェーズ560に回帰することができる。
【0109】
前述したパワー送信契約は、無線電力送信装置と受信機の状態及び特性情報に基づいて設定されることができる。一例として、無線電力送信装置の状態情報は、最大送信可能なパワー量に関する情報、最大収容可能な受信機の数に関する情報などを含むことができ、受信機の状態情報は要求電力に関する情報などを含むことができる。
【0110】
図6は、一実施形態による電力制御コントロール方法を示す。
【0111】
図6において、電力送信フェーズ560で、無線電力送信装置100及び無線電力受信装置200は、電力送受信と共に通信を並行することにより伝達される電力の量をコントロールすることができる。無線電力送信装置及び無線電力受信装置は、特定のコントロールポイントで動作する。コントロールポイントは、電力伝達が行われるとき、無線電力受信装置の出力端(output)で提供される電圧及び電流の組み合わせ(combination)を示す。
【0112】
より詳細に説明すると、無線電力受信装置は、所望するコントロールポイント(desired Control Point)-所望する出力電流/電圧、モバイル機器の特定位置の温度などを選択し、さらに、現在動作している実際のコントロールポイント(actual control point)を決定する。無線電力受信装置は、所望するコントロールポイントと実際のコントロールポイントを使用して、コントロールエラーの値(control error value)を算出し、これをコントロールエラーパケットとして無線電力送信装置に送信することができる。
【0113】
そして、無線電力送信装置は、受信したコントロールエラーパケットを使用して新しい動作ポイント-振幅、周波数、及びデューティサイクル-を設定/コントロールして電力伝達を制御することができる。従って、コントロールエラーパケットは、電力伝達段階で一定時間間隔で送信/受信され、実施形態として無線電力受信装置は、無線電力送信装置の電流を低減しようとする場合は、コントロールエラーの値を負の数に、電流を増加させようとする場合は、コントロールエラーの値を正の数に設定して送信することができる。このように誘導モードでは、無線電力受信装置がコントロールエラーパケットを無線電力送信装置に送信することにより電力伝達を制御することができる。
【0114】
以下で説明する共振モードでは、誘導モードとは別の方式で動作することができる。共振モードでは1つの無線電力送信装置が複数の無線電力受信装置を同時にサービングできなければならない。ただ、前述した誘導モードのように電力伝達をコントロールする場合、伝達される電力が1つの無線電力受信装置との通信によりコントロールされるので、追加の無線電力受信装置に対する電力伝達はコントロールが困難になる可能性がある。従って、本発明の共振モードでは、無線電力送信装置は、基本電力を共通に伝達し、無線電力受信装置が自身の共振周波数をコントロールすることにより受信する電力量をコントロールする方法を使用しようとする。ただ、このような共振モードの動作においても図6で説明した方法が完全に排除されることではなく、追加の送信電力の制御を図6の方法で行うこともできる。
【0115】
図7は、他の実施形態による無線電力送信装置のブロック図である。これは、磁気共振方式又はシェアードモード(shared mode)の無線電力送信システムに属することができる。シェアードモードは、無線電力送信装置と無線電力受信装置との間に1対多通信及び充電を行うモードを称する。シェアードモードは、磁気誘導方式又は共振方式で実現される。
【0116】
図7に示すように、無線電力送信装置700は、コイルアセンブリを覆うカバー720、電力送信機(power transmitting unit)740に電力を供給する電力アダプタ730、無線電力を送信する電力送信機740、又は電力伝達の進行及び他の関連情報を提供するユーザインタフェース750のうち少なくとも1つを含むことができる。特に、ユーザインタフェース750は、オプショナルに含まれるか、無線電力送信装置700の他のユーザインタフェース750として含まれることもできる。
【0117】
電力送信機740は、コイルアセンブリ760、インピーダンスマッチング回路770、インバータ780、通信ユニット790、又は制御ユニット710のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0118】
コイルアセンブリ760は、磁場を生成する少なくとも1つの1次コイルを含み、コイルセルと呼ばれることもできる。
【0119】
インピーダンスマッチング回路770は、インバータと1次コイルとの間のインピーダンスマッチングを提供することができる。インピーダンスマッチング回路770は、1次コイル電流をブースト(boost)する適切な(suitable)周波数で共振(resonance)を発生させることができる。マルチコイル(multi-coil)電力送信機740においてインピーダンスマッチング回路は、インバータから1次コイルのサブセットに信号をルーティングするマルチフレックスを追加で含むこともできる。インピーダンスマッチング回路は、「タンク回路(tank circuit)」と呼ばれることもできる。
【0120】
インピーダンスマッチング回路770は、キャパシタ、インダクタ、及びこれらの接続をスイッチングするスイッチング素子を含むことができる。インピーダンスのマッチングは、コイルアセンブリ760を介して送信される無線電力の反射波を検出し、検出された反射波に基づいてスイッチング素子をスイッチングしてキャパシタやインダクタの接続状態を調整するか、キャパシタのキャパシタンスを調整するか、インダクタのインダクタンスを調整することにより行われることができる。場合によって、インピーダンスマッチング回路770は、省略されて実施されることもでき、本明細書はインピーダンスマッチング回路770が省略された無線電力送信装置700の実施形態も含む。
【0121】
インバータ780は、DCインプットをAC信号に変換することができる。インバータ780は、可変(adjustable)周波数のパルスウェーブ及びデューティサイクルを生成するようにハーフブリッジ又はフルブリッジで駆動されることができる。また、インバータは、入力電圧レベルを調整するように複数のステージを含むこともできる。
【0122】
通信ユニット790は、電力受信機との通信を行うことができる。電力受信機は、電力送信機に対する要求及び情報を通信するためにロード(load)変調を行う。従って、電力送信機740は、通信ユニット790を使用して電力受信機が送信するデータを復調するために1次コイルの電流及び/又は電圧の振幅及び/又は位相をモニターすることができる。
【0123】
また、電力送信機740は、通信ユニット790を介してFSK(Frequency Shift Keying)方式などを使用してデータを送信するように出力電力をコントロールすることもできる。
【0124】
制御ユニット710は、電力送信機740の通信及び電力伝達をコントロールすることができる。制御ユニット710は、前述した動作ポイントを調整して電力送信を制御することができる。動作ポイントは、例えば、動作周波数、デューティサイクル、及び入力電圧のうち少なくとも1つにより決定されることができる。
【0125】
通信ユニット790及び制御ユニット710は、別個のユニット/素子/チップセットとして備えられるか、1つのユニット/素子/チップセットとして備えられることもできる。
【0126】
図8は、他の実施形態による無線電力受信装置を示す。これは、磁気共振方式又はシェアードモード(shared mode)の無線電力送信システムに属する。
【0127】
図8において、無線電力受信装置800は、電力伝達の進行及び他の関連情報を提供するユーザインタフェース820、無線電力を受信する電力受信機(power receiving unit)830、ロード回路(load circuit)840、又はコイルアセンブリを支えてカバーするベース850のうち少なくとも1つを含むことができる。特に、ユーザインタフェース820は、オプショナルに含まれるか、電力受信装備の他のユーザインタフェース82として含まれることもできる。
【0128】
電力受信機830は、電力コンバータ860、インピーダンスマッチング回路870、コイルアセンブリ880、通信ユニット890、又は制御ユニット810のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0129】
電力コンバータ860は、2次コイルから受信するAC電力をロード回路に適した電圧及び電流に変換(convert)することができる。実施形態として、電力コンバータ860は、整流器(rectifier)を含む。整流器は、受信した無線電力を整流して交流から直流に変換できる。整流器は、ダイオードやトランジスタを利用して交流を直流に変換し、キャパシタと抵抗を利用してこれを平滑することができる。整流器としては、ブリッジ回路などで実現される全波整流器、半波整流器、電圧増倍器などが利用される。さらに、電力コンバータは電力受信機の反射(reflected)インピーダンスを適用(adapt)することもできる。
【0130】
インピーダンスマッチング回路870は、電力コンバータ860及びロード回路870の組み合わせと2次コイルとの間のインピーダンスマッチングを提供することができる。実施形態として、インピーダンスマッチング回路は、電力伝達を強化できる100kHz近傍の共振を発生させることができる。インピーダンスマッチング回路870は、キャパシタ、インダクタ、及びこれらの組み合わせをスイッチングするスイッチング素子で構成されることができる。インピーダンスの整合は、受信される無線電力の電圧値や電流値、電力値、周波数値などに基づいてインピーダンスマッチング回路870を構成する回路のスイッチング素子を制御することにより行われることができる。場合によって、インピーダンスマッチング回路870は省略されて実施されることもでき、本明細書は、インピーダンスマッチング回路870が省略された無線電力受信装置200の実施形態も含む。
【0131】
コイルアセンブリ880は、少なくとも1つの2次コイルを含み、オプショナルには磁場から受信機の金属部分をシールド(shield)するエレメント(element)をさらに含むこともできる。
【0132】
通信ユニット890は、電力送信機に要求(request)及び他の情報を通信するためにロード変調を行うことができる。
【0133】
このために、電力受信機830は、反射インピーダンスを変更するように抵抗又はキャパシタをスイッチングすることもできる。
【0134】
制御ユニット810は、受信電力をコントロールすることができる。このために、制御ユニット810は、電力受信機830の実際の動作ポイントと所望する動作ポイントの差を決定/算出することができる。そして、制御ユニット810は、電力送信機の反射インピーダンスの調整及び/又は電力送信機の動作ポイントの調整要求を行うことにより実際の動作ポイントと所望する動作ポイントの差を調整/低減する。この差を最小化する場合、最適な電力受信を行うことができる。
【0135】
通信ユニット890及び制御ユニット810は別個の素子/チップセットとして備えられるか、1つの素子/チップセットとして備えられることもできる。
【0136】
図9は、一実施形態による通信フレーム構造を示す。これは、シェアードモードでの通信フレーム構造であり得る。
【0137】
図9に示すように、シェアードモードでは、異なる形態のフレームが共に使用されることができる。例えば、前記シェアードモードでは、(A)のような複数のスロットを有するスロットフレーム(slotted frame)及び(B)のような特定形態のないフリーフォーマットフレーム(free format frame)を使用することができる。より具体的に、スロットフレームは、無線電力受信装置200から、無線電力送信装置100に短いデータパケットを送信するためのフレームであり、フリーフォーマットフレームは、複数のスロットを備えないため、長いデータパケットの送信が可能なフレームであり得る。
【0138】
一方、スロットフレーム及びフリーフォーマットフレームは、当業者により様々な名称に変更されることができる。例えば、スロットフレームはチャネルフレームに、フリーフォーマットフレームはメッセージフレームなどに変更されて名付けられることができる。
【0139】
より具体的に、スロットフレームは、スロットの開始を示すシンクパターン、測定スロット、9つのスロット及び前記9つのスロットのそれぞれの前に、同一の時間間隔を有する追加のシンクパターンを含むことができる。
【0140】
ここで、前記追加のシンクパターンは、前述したフレームの開始を示すシンクパターンとは異なるシンクパターンである。より具体的に、前記追加のシンクパターンは、フレームの開始を示すことではなく、隣接したスロット(すなわち、シンクパターンの両側に位置する連続する2つのスロット)に関する情報を示すことができる。
【0141】
前記9つのスロットのうち連続する2つのスロットの間には、それぞれシンクパターンが位置することができる。この場合、前記シンクパターンは、前記連続して2つのスロットに関する情報を提供する。
【0142】
また、前記9つのスロット及び前記9つのスロットのそれぞれの前に提供されるシンクパターンは、それぞれ同一の時間間隔を有することができる。例えば、前記9つのスロットは50msの時間間隔を有することができる。また、前記9つのシンクパターンも50msの時間長を有することができる。
【0143】
一方、(B)のようなフリーフォーマットフレームは、フレームの開始を示すシンクパターン及び測定スロット以外に、具体的な形態を有しない可能性もある。すなわち、前記フリーフォーマットフレームは、前記スロットフレームと異なる役割を行うためのものであり、例えば、前記無線電力送信装置と無線電力受信装置との間に長いデータパケット(例えば、追加所有者情報パケットなど)の通信を行うか、複数のコイルで構成された無線電力送信装置において、複数のコイルのうちいずれか1つのコイルを選択する役割のために使用されることもできる。
【0144】
以下では、各フレームに含まれたシンクパターン(sync pattern)について図面とともにより具体的に説明する。
【0145】
図10は、一実施形態によるシンクパターンの構造である。
【0146】
図10に示すように、シンクパターンは、プリアンブル(preamble)、スタートビット(start bit)、応答フィールド(Resonse field)、タイプフィールド(type field)、情報フィールド(info field)、及びパリティビット(parity bit)で構成される。図10では、スタートビットがZEROに示されている。
【0147】
より具体的に、プリアンブルは連続するビットで構成され、全部0に設定されることができる。すなわち、プリアンブルは、シンクパターンの時間長を合わせるためのビットである。
【0148】
プリアンブルを構成するビットの数は、シンクパターンの長さが50msに最も近くなるように、しかしながら、50msを超過しない範囲内で、動作周波数に従属されることができる。例えば、動作周波数が100kHzである場合、シンクパターンは2つのプリアンブルビットで構成され、動作周波数が105kHzである場合、シンクパターンは3つのプリアンブルビットで構成される。
【0149】
スタートビットは、プリアンブルの次に続くビートであり、ゼロ(ZERO)を意味する。前記ゼロ(ZERO)は、シンクパターンの種類を示すビットであり得る。ここで、シンクパターンの種類は、フレームに関する情報を含むフレームシンク(frame sync)とスロットの情報を含むスロットシンク(slot sync)を含む。すなわち、前記シンクパターンは、連続するフレームの間に位置し、フレームの開始を示すフレームシンクであるか、フレームを構成する複数のスロットのうち連続するスロットの間に位置し、前記連続するスロットに関する情報を含むスロットシンクであり得る。
【0150】
例えば、前記ゼロが0である場合は、該当スロットがスロットとスロットとの間に位置したスロットシンクであることを意味し、1である場合は、当該シンクパターンがフレームとフレームとの間に位置したフレームシンクであることを意味する。
【0151】
パリティビットは、シンクパターンの最後のビットであり、シンクパターンのデータフィールド(即ち、応答フィールド、タイプフィールド、情報フィールド)を構成するビットの個数情報を示す。例えば、パリティビットは、シンクパターンのデータフィールドを構成するビットの個数が偶数である場合は1、その他の場合(すなわち、奇数の場合)は0になり得る。
【0152】
応答(Response)フィールドは、シンクパターン以前のスロット内で、無線電力受信装置との通信に対する、無線電力送信装置の応答情報を含むことができる。例えば、応答フィールドは、無線電力受信装置と通信の実行が感知されない場合、「00」を有することができる。また、前記応答フィールドは、無線電力受信装置との通信に通信エラー(communication error)が感知された場合、「01」を有することができる。通信エラーは、2つ又はそれ以上の無線電力受信装置が1つのスロットに接近を試みて、2つ又はそれ以上の無線電力受信装置との間の衝突が発生した場合であり得る。
【0153】
また、応答フィールドは、無線電力受信装置からデータパケットを正確に受信しているか否かを示す情報を含むことができる。より具体的に、応答フィールドは、無線電力送信装置がデータパケットを拒否(deni)した場合、「10」(10-not acknowledge、NAK)に、無線電力送信装置が前記データパケットを確認(confirm)した場合、「11」(11-acknowledge、ACK)になり得る。
【0154】
タイプフィールドは、シンクパターンの種類を示す。より具体的に、タイプフィールドは、シンクパターンがフレームの1番目のシンクパターンである場合(すなわち、フレームの1番目のシンクのパターンであって、測定スロットの以前に位置した場合)、フレームシンクであることを示す「1」を有することができる。
【0155】
また、タイプフィールドは、スロットフレームにおいて、シンクパターンがフレームの1番目のシンクパターンではない場合、スロットシンクであることを示す「0」を有することができる。
【0156】
また、情報フィールドは、タイプフィールドが示すシンクパターンの種類によってその値の意味が決定される。例えば、タイプフィールドが1である場合(すなわち、フレームシンクを示す場合)、情報フィールドの意味はフレームの種類を示すことができる。すなわち、情報フィールドは、現在のフレームがスロットフレーム(slotted frame)であるか又はフリーフォーマットフレーム(free-format frame)であるかを示す。例えば、情報フィールドが「00」である場合はスロットフレームを示し、情報フィールドが「01」である場合はフリーフォーマットフレームを示す。
【0157】
それとは異なり、タイプフィールドが0である場合(すなわち、スロットシンクである場合)、情報フィールドはシンクパターンの後ろに位置した次のスロット(next slot)の状態を示すことができる。より具体的に、情報フィールドは、次のスロットが特定の(specific)無線電力受信装置に割り当てられた(allocated)スロットである場合は「00」を、特定の無線電力受信装置が一時的に使用するために、ロックされているスロットの場合は「01」を、又は任意の無線電力受信装置が自由に使用可能なスロットである場合は「10」を有することができる。
【0158】
図11は、一実施形態によるシェアードモードで無線電力送信装置及び無線電力受信装置の動作状態を示す。
【0159】
図11に示すように、シェアードモードで動作する無線電力受信装置は、選択フェーズ(Selection Phase)1100、導入フェーズ(Introduction Phase)1110、設定フェーズ(Configuration Phase)1120、ネゴシエーションフェーズ(Negotiation Phase)1130、及び電力送信フェーズ(Power Transfer Phase)1140のいずれか1つの状態で動作することができる。
【0160】
まず、一実施形態による無線電力送信装置は、無線電力受信装置を感知するために、無線電力信号を送信することができる。すなわち、無線電力信号を利用して無線電力受信装置を感知する過程をアナログピング(Analog ping)ということができる。
【0161】
一方、無線電力信号を受信した無線電力受信装置は、選択フェーズ1100に進入することができる。選択フェーズ1100に進入した無線電力受信装置は、前述したように、前記無線電力信号上にFSK信号の存在を感知することができる。
【0162】
すなわち、無線電力受信装置は、FSK信号の有無によってエクスクルーシブモード又はシェアードモードのいずれか1つの方式で通信を行うことができる。
【0163】
より具体的に、無線電力受信装置は、無線電力信号にFSK信号が含まれている場合はシェアードモードで動作し、そうでない場合はエクスクルーシブモードで動作することができる。
【0164】
無線電力受信装置がシェアードモードで動作する場合、前記無線電力受信装置は導入フェーズ1110に進入することができる。導入フェーズ1110において、無線電力受信装置は、設定フェーズ、ネゴシエーションフェーズ、及び電力送信フェーズで制御情報パケット(Control Information(CI) packet)を送信するために無線電力送信装置に制御情報パケットを送信することができる。制御情報パケットは、ヘッダ(Header)及び制御に関する情報を有することができる。例えば、制御情報パケットは、ヘッダが0X53であり得る。
【0165】
導入フェーズ1110において、無線電力受信装置は、制御情報(control information:CI)パケットを送信するためにフリースロット(free slot)を要求する試みを次の構成フェーズ、ネゴシエーションフェーズ、電力送信フェーズにわたって行う。このとき、無線電力受信装置は、フリースロットを選択し、最初のCIパケットを送信する。もし、無線電力送信装置が当該CIパケットにACKで応答すると、無線電力送信装置は構成フェーズに進入する。もし、無線電力送信装置がNACKで応答すると、他の無線電力受信装置が構成及びネゴシエーションフェーズを進行している。この場合、無線電力受信装置は、フリースロットの要求を再び試みる。
【0166】
もし、無線電力受信装置がCIパケットに対する応答としてACKを受信すると、無線電力受信装置は、最初のフレームシンクまで残りのスロットシンクをカウントすることによりフレーム内のプライベートスロット(private slot)の位置を決定する。全ての後続スロット基盤フレームにおいて、無線電力受信装置は当該スロットを介してCIパケットを送信する。
【0167】
もし、無線電力送信装置が無線電力受信装置に構成フェーズに進行することを許可すると、無線電力送信装置は、無線電力受信装置の排他的使用のためのロックスロット(locked slot)シリーズを提供する。これは、無線電力受信装置が衝突なしに構成フェーズを進行することを確実にする。
【0168】
無線電力受信装置は、2つの識別データパケット(IDHIとIDLO)のようなデータパケットのシーケンスをロックスロットを使用して送信する。本フェーズを完了すると、無線電力受信装置はネゴシエーションフェーズに進入する。ネゴシエーションフェーズで、無線電力送信装置が無線電力受信装置に排他的使用のためのロックスロットを継続して提供する。これは、無線電力受信装置が衝突なしにネゴシエーションフェーズを進行することを確実にする。
【0169】
無線電力受信装置は、当該ロックスロットを使用して1つ又はそれ以上のネゴシエーションデータパケットを送信し、これはプロプライエタリデータパケット(proprietary data packet) と混合される可能性がある。結局、当該シーケンスは、特定要求(specific request(SRQ))パケットと共に終了する。当該シーケンスを完了すると、無線電力受信装置は電力送信フェーズに進入し、無線電力送信装置はロックスロットの提供を中断する。
【0170】
電力送信状態において、無線電力受信装置は、割り当てられたスロットを使用してCIパケットの送信を行い、電力を受信する。無線電力受信装置は、レギュレータ回路を含むことができる。レギュレータ回路は通信/制御ユニットに含まれることができる。無線電力受信装置は、レギュレータ回路を介して無線電力受信装置の反射インピーダンスを自己調節(self-regulate)することができる。言い換えると、無線電力受信装置は、外部負荷により要求される量のパワーを送信するために反射するインピーダンスを調整することができる。これは、過度な電力の受信と過熱を防止することができる。
【0171】
シェアードモードにおいて、無線電力送信装置は、受信されるCIパケットに対する応答として電力を調整することを行わないことがあるので(動作モードに応じて)、この場合は過電圧状態を防止するための制御が必要になる。
【0172】
以下では、無線電力送信装置が状況に応じてマスター/送信者としての地位と権限とを有して電力管理と認証に関する通信を行う装置及び方法について開示される。
【0173】
1.利用可能な電力指標の定義と活用(definition and usage of power indicator)
【0174】
図12は、一例による利用可能な電力指標を示す。
【0175】
図12に示すように、一実施形態による利用可能な電力指標(available power indicator)は、電力送信フェーズで無線電力送信装置が無線電力受信装置の出力として提供可能な又は送信可能な電力を意味し、具体的には潜在電力(potential power:PP)、保証電力(guaranteed power:GP)、ターゲット電力(target power:TP)を含む。
【0176】
潜在電力は、無線電力送信装置が電力送信フェーズ(power transfer phase)中に生成できる(make available)基準無線電力受信装置の出力電力又は出力電力の量を意味する。潜在電力は、デザインにより固定されることができる。
【0177】
保証電力は、無線電力送信装置が電力送信フェーズ中にいつでも可能性を保証する(ensure)基準無線電力受信装置の出力電力又は出力電力の量を意味する。保証電力は、電力送信フェーズ以前にネゴシエート(negotiated)されるが、電力送信フェーズ中には固定的に維持されることができる。保証電力は、少なくとも5Wであり得る。
【0178】
ターゲット電力は、無線電力送信装置が電力送信フェーズ中に提供する無線電力受信装置の出力電力又は出力電力の量を意味する。ターゲット電力は、動的であり、電力送信フェーズ中に変化することがある。サポートされるターゲット電力は、無線電力送信装置が動作する条件に依存することがある。
【0179】
図13は、一例によるネゴシエーションフェーズで各利用可能な電力指標が設定される方法を説明する。
【0180】
図13に示すように、無線電力送信装置は、潜在電力と保証電力の中間に十分なマージン(margin)を置く(reserve)。無線電力送信装置は、電力送信フェーズ中に予想される動作条件(expected operation conditions)に対する保証電力をネゴシエートする。例えば、無線電力送信装置のデザインと販売市場(market)によって、無線電力送信装置は、潜在電力の50%レベルで保証電力をネゴシエートするように設定される。このような保証電力のネゴシエーションは、図4の通信/制御ユニット120又は図7の制御ユニット710により行われる。
【0181】
無線電力送信装置は、ネゴシエートされた保証電力を初期ターゲット電力に設定することができる。ターゲット電力は、無線電力受信装置が電力送信フェーズ中に引く実際の電力(無線電力送信装置が現在充電中の周囲条件でサポートする)によってアップデートされる。一方、初期ターゲット電力は、図14のように他の方法によっても設定できる。初期ターゲット電力の設定は図4の通信/制御ユニット120又は図7の制御ユニット710により行われることができる。
【0182】
図14は、他の例によるネゴシエーションフェーズで各利用可能な電力指標が設定される方法を説明する。
【0183】
図14に示すように、無線電力送信装置は、潜在電力を初期ターゲット電力に設定することができる。ターゲット電力は、無線電力送信装置の実際条件に応じてアップデートされる。初期ターゲット電力の設定は、図4の通信/制御ユニット120又は図7の制御ユニット710により行われる。
【0184】
電力送信フェーズにおいて、無線電力送信装置と受信装置は、利用可能な電力指標に基づいて電力制御を行うか、必要に応じて利用可能な電力指標を調整することができる。以下、電力制御又は利用可能な電力指標の調整は、図4の通信/制御ユニット120又は図7の制御ユニット710により行われる。
【0185】
一例として、無線電力送信装置は、保証電力を越えるレベルの制御権限を引き受けることができる。条件が許可されると、無線電力送信装置は、既存の制御エラー(control error)による電力レベルに適応し(adapt)、ターゲット電力を無線電力受信装置の受信電力(received power)にアップデートすることができる。
【0186】
一側面において、無線電力送信装置は、通信のための要求(request for communication:RFC)を報告してターゲット電力を調整することができる。RFCは、再ネゴシエーション要求(request for renegotiation:RFR)、付加送信要求(request for auxiliary transport:RFA)又はアテンション(attention)などの用語に代替でき、用語が異なっても利用可能な電力指標に関連した機能又は無線電力送信装置により開始される(PTx-initiated)通信に関連した機能は同一である、又は、類似する。無線電力送信装置は、変質した(deteriorated)周囲の充電条件に基づいて、ターゲット電力を減少させることを所望することもある。または、無線電力送信装置は、向上した周囲の充電条件に基づいて、ターゲット電力を増加させることを所望することもある。このような再ネゴシエーションフェーズ中に、無線電力受信装置は、無線電力送信装置のターゲット電力を認知(acknowledge)し、必要に応じて動作モードを調整することができる。
【0187】
他の側面において、もし電力送信フェーズ中に条件が変わると、無線電力送信装置は、それによるターゲット電力に適応することができる。ターゲット電力が変更されると、無線電力送信装置は、無線電力受信装置に警報(alert)を送ることができる。これは、無線電力受信装置に対しては選択機能であるが、無線電力送信装置に対しては必須機能であり得る。また、無線電力受信装置は、無線電力送信装置にネゴシエーションフェーズ中に警報(alert)を適用するように要求することができる。実際の電力がターゲット電力より大きい場合、無線電力送信装置は、実際の電力の伝達を減らすか、制限することができる。無線電力送信装置は、実際の電力の伝達を警告又は警報なしに急に減らすことはできない。警報を送信する動作は、図4の通信/制御ユニット120又は図7の通信ユニット790により行われる。
【0188】
他の例として、無線電力送信装置は、受信電力パケット(received power(RP) packet:RPP)に対する応答として保証電力を維持することができない場合、「NAK」を報告することができる。これは、例外的な場合であり、例えば、非常に悪いカップリング環境、又は高温の状態、又は異物が挿入された場合などがある。NAK報告は、図4の通信/制御ユニット120又は図7の通信ユニット790により行われる。ここで、無線電力受信装置は、電力送信終了(end power transfer:EPT)パケットを送信することができ、その値は0x08であり得る。EPTパケットの送信は、図4の通信/制御ユニット220又は図8の通信ユニット890により行われる。
【0189】
この場合、無線電力送信装置は、再開(restarting)前に異物検知を行うために電力送信を再開する。
【0190】
さらに他の例として、無線電力受信装置は、保証電力を取り扱うことができる。ロード(load)は、保証電力において整流電圧(rectified voltage)が十分に高くなるように備えられることができる。もし、要求される電力が保証電力より大きいか同一であり、無線電力送信装置が正(positive)の制御エラーを無視する場合、無線電力送信装置は電力送信を続けて行うことができ、ここで、EPTパケット(0x08)は不要である。
【0191】
図15は、一例による電力送信フェーズで各利用可能な電力指標に基づいて電力制御が行われる過程を示す例示図である。
【0192】
図15に示すように、無線電力送信装置は、電力送信フェーズと再ネゴシエーションフェーズ中に現在の周辺充電条件に応じてターゲット電力を変更(増加又は減少)することができる。すなわち、再ネゴシエーションフェーズによってターゲット電力が変更されることができ、再ネゴシエーションフェーズ中には以前の(previous)電力レベルで電力送信が続く。このようなターゲット電力の変更は、図4の通信/制御ユニット120又は図7の制御ユニット710により行われる。
【0193】
図16は、他の例による電力送信フェーズで各利用可能な電力指標に基づいて電力制御が行われる過程を示す例示図である。
【0194】
図16に示すように、無線電力送信装置は、電力送信中に現在の周辺充電条件に応じて利用可能な電力指標(例えば、ターゲット電力)を変更(増加又は減少)することができる。
【0195】
無線電力送信装置により開始された通信に基づいて、無線電力送信装置と無線電力受信装置が利用可能な電力指標を変更する実施形態は次の通りである。
【0196】
第1実施形態による利用可能な電力指標の変更は、無線電力送信装置がRP又はCEパケットに対する応答として「通信のための要求(request for communication:RFC)」を無線電力受信装置に送信して既存にネゴシエートされた第1の利用可能な電力指標の変更のための通知(alert)を行う段階、無線電力受信装置がこのような無線電力送信装置の通信を受信する準備ができたことを示す応答信号を無線電力送信装置に送信する段階、無線電力送信装置が無線電力受信装置に第2の利用可能な電力指標に関するパケットを送信する段階、及び無線電力受信装置が前記第2の利用可能な電力指標によって動作モードを調整し、無線電力送信装置にACKを送信する段階を含むことができる。前記準備ができたことを示す応答信号は、ポール(poll)又はACKパケットであり得る。また、前記第2の利用可能な電力指標は、潜在電力、保証電力、ターゲット電力の少なくとも1つを含むことができる。
【0197】
一例として、前記第2の利用可能な電力指標が保証電力である場合、無線電力送信装置は、無線電力受信装置から応答信号を受信した後、保証電力に関するパケットを無線電力受信装置に送信し、無線電力受信装置は、前記保証電力によって動作モードを調整することができる。保証電力に関するパケットは、図19のように保証電力値を示す無線電力送信装置の性能(capability)パケットを含むことができる。
【0198】
他の例として、前記第2の利用可能な電力指標がターゲット電力である場合、無線電力送信装置は、無線電力受信装置から応答信号を受信した後、ターゲット電力に関するパケットを無線電力受信装置に送信し、無線電力受信装置は、前記ターゲット電力によって動作モードを調整することができる。ターゲット電力に関するパケットは、図19又は図20のようにターゲット電力値を示すパケットを含むことができる。
【0199】
一方、RFCは、再ネゴシエーション要求(RFR)に関し、第2実施形態による利用可能な電力指標の変更は、第1実施形態においてRFCを受信した無線電力受信装置がACKを送信した後、再ネゴシエーションフェーズに進入して前記利用可能な電力指標による電力契約を変更する段階をさらに含むことができる。
【0200】
RFC、ターゲット電力パケットの送信及び応答信号の受信は、図4の通信/制御ユニット120又は図7の通信ユニット790により行われる。応答信号送信は、図4の通信/制御ユニット220又は図8の通信ユニット890により行われる。ターゲット電力による動作モードの調整は、図4の通信/制御ユニット220又は図8の制御ユニット810により行われる。
【0201】
2.利用可能な電力指標に関連して用いられる無線電力送信装置の信号又はパケット
【0202】
(1)ビットパターン応答(bit pattern response)
【0203】
利用可能な電力指標に関連して、無線電力送信装置は、無線電力受信装置にビットパターン応答を送信することができる。ビットパターン応答は、無線電力受信装置が無線電力送信装置に或る通信パケット(例えば、RPパケット)を送信したことに対する応答として送信されるものである。ビットパターン応答の生成と送信は、図4の通信/制御ユニット120又は図7の通信ユニット790により行われる。
【0204】
一例として、ビットパターン応答は、ACK、NAK、ND及びRFRを含むことができる。例えば、RFRは、8ビットであって。その値が“00110011”bのように設定される。一方、残りのビットパターン応答もACK(‘111111’b)、NAK(‘0000000’b)、ND(‘01010101’b)の値を有することができる。この場合、異なるビットパターン応答の間にはビットパターンが明確に区別されることが分かる。
【0205】
無線電力送信装置は、ターゲット電力を更新するために無線電力受信装置にビットパターン応答RFRを送信して再ネゴシエーションフェーズに進入することを要求することができる。ターゲット電力を更新することは、現在の周辺の充電条件を反映して要求電力を増加させるか、減少させるためである。RFRの送信手順に関するプロトコルは、図17のようである。
【0206】
図17は、一実施形態によるRFRの送信手順に関するプロトコルである。
【0207】
図17に示すように、無線電力送信装置は、無線電力受信装置が再ネゴシエーションフェーズに進入するように要求するためにRPP1700以後にビットパターン応答であるRFR1705を送信する。RFRの送信は、図4の通信/制御ユニット120又は図7の通信ユニット790により行われる。それにより、無線電力受信装置は、再ネゴシエーション(RNG)パケット1710を無線電力送信装置に送信し、無線電力送信装置は無線電力受信装置にACK1715を送信する。再ネゴシエーションパケットの送信は、図4の通信/制御ユニット220又は図8の通信ユニット890により行われる。無線電力送信装置の応答はRPPに対して可能であるだけでなく、CEパケットに対する無線電力送信装置の新しい応答を定義することによりRFRに対して既存の「NAK」が再使用されることができる。
【0208】
他の例として、ビットパターン応答はACK、NAK、ND、及びRFCを含むことができる。例えば、RFCは8ビットであって、その値が“00110011”bのように設定される。一方、残りのビットパターン応答もACK(‘111111’b)、NAK(‘0000000’b)、ND(‘01010101’b)の値を有することができる。この場合、異なるビットパターン応答の間にはビットパターンが明確に区別されることが分かる。すなわち、ビットパターン応答は反復的ビットパターン(repetitive bit pattern)と定義されるので、速い認知(quick recognition)、反復的で単純な実現(redundancy and simple implementation)が可能となる。例えば、無線電力受信装置により受信された4ビットが予め定義されたビットパターンのうち1つと完全に一致する場合、無線電力受信装置は最初の4ビットを受信した後(又は、その時点で)、そのビットパターン応答の意味に対する確信を有することができる。無線電力受信装置は、最初の一部のビットを逃すことはあるが、パターンを認識することができ、反転したビット(flipping bit)を訂正する(correct)することができる。
【0209】
RFCの送信手順は、無線電力送信装置が通信する事項が必要であると、RPパケットやCEパケットに対する応答として警報(alert)を無線電力受信装置に送信し、無線電力受信装置が無線電力送信装置を聴取できる条件であると、無線電力受信装置はACKを送信し、無線電力送信装置が実際サポートされるターゲット電力に関する情報で応答し、無線電力受信装置が新しいターゲット電力の新しい状況に適応した後、ACKを送信する段階を含む。ここで、無線電力送信装置のメッセージと無線電力受信装置の応答及び動作は、無線電力送信装置のメッセージによって定義される。例えば、ターゲット電力に関する情報の場合、無線電力受信装置は、その動作モードを調整した後、ACKを送信する。
【0210】
さらに他の例として、ビットパターン応答は、ACK、NAK、ND及びRFA(request for auxiliary transport)を含むことができる。例えば、RFAは8ビットであって、その値が“00110011”bのように設定される。一方、残りのビットパターン応答もACK(‘111111’b)、NAK(‘0000000’b)、ND(‘01010101’b)の値を有することができる。この場合、異なるビットパターン応答の間ではビットパターンが明確に区別されることが分かる。
【0211】
RFAの送信手順は、無線電力送信装置が通信する事項が必要であると、RPパケットに対する応答として警報(alert)を無線電力受信装置に送信し、無線電力受信装置が無線電力送信装置を聴取できる条件であると、無線電力受信装置はACKを送信し、無線電力送信装置が実際サポートされるターゲット電力に関する情報で応答し、無線電力受信装置が新しいターゲット電力の新しい状況に適応した後、ACKを送信する段階を含む。レガシー(legacy)Qi無線電力受信装置との互換性のために、無線電力受信装置はモード0でRPパケットに対する応答としてのみRFAを送信することができる。
【0212】
(2)無線電力送信装置のRFAパケット
【0213】
RFAは、ビットパターン応答ではない、図18に示すように、RFAのためのヘッダにより示されるRFAパケットと定義される。例えば、要求(request)フィールドが‘11111111’bに設定されると、RFAはデータ送信のための無線電力送信装置の要求を示し、要求フィールドが‘00000000’bに設定されると、RFAは付加データ送信のための無線電力送信装置の要求を示す。ここで、付加送信(auxiliary transport)は、データ送信(data transport)と付加データ送信(auxiliary data transport)を含む。データ送信のためのヘッダは、データパケットのタイプを示す。付加データ送信のためのヘッダは、該当パケットが上位層アプリケーションにより解析できる付加データであることを示す。
【0214】
(3)無線電力送信装置の性能(capability)パケット
【0215】
利用可能な電力指標は、無線電力送信装置の性能パケットに含まれて送信できる。利用可能な電力指標の送信又は性能パケットの送信は、図4の通信/制御ユニット120又は図7の通信ユニット790により行われる。
【0216】
図19は、一実施形態による利用可能な電力指標を含む無線電力送信装置の性能パケットの構造である。
【0217】
図19に示すように、性能パケットは、3バイトであって、1番目のバイトB0は電力クラス、(ターゲット)保証電力値(guaranteed power value)を含み、2番目のバイトB1は予備(reserved)、潜在電力値(potential power value)を含み、予備(reserved)、WPID、Not REs Sensを含む。
【0218】
ネゴシエーションフェーズで、(ターゲット)保証電力値は、無線電力送信装置が電力送信フェーズ中にいつでも可能性を保証する(ensure)基準無線電力受信装置の出力電力又は出力電力の量を示すことができる。
【0219】
再ネゴシエーションフェーズで、(ターゲット)保証電力値は、現在の周囲の条件下で無線電力送信装置が再ネゴシエーションを所望する無線電力受信装置の出力電力又は出力電力の量を意味することができる。
【0220】
(4)無線電力送信装置のターゲット電力パケット
【0221】
ターゲット電力値は、無線電力送信装置のターゲット電力パケットに含まれて送信できる。ターゲット電力パケットの送信は、図4の通信/制御ユニット120又は図7の通信ユニット790により行われる。
【0222】
図20は、一実施形態による無線電力送信装置のターゲット電力パケットの構造である。
【0223】
図20に示すように、ターゲット電力パケットは、1バイトであって、その一部は予備(reserved)ビットであり、残りの一部はターゲット電力値を示すフィールドであり得る。例えば、予備ビットは2ビット、ターゲット電力値を示すフィールドは6ビットであり得る。ターゲット電力値は、無線電力送信装置が電力送信フェーズ中に提供する無線電力受信装置の出力電力又は出力電力の量を意味することができる。ターゲット電力値は、動的であり電力送信フェーズ中に変化することがある。サポートされるターゲット電力は、無線電力送信装置が動作する条件に依存することがある。
【0224】
(5)一般要求パケット(general request packet:GRP)と特定要求パケット(specific request packet:SRP)
【0225】
無線電力受信装置は、現在の利用可能な保証電力(又は、ターゲット電力)の値を得るために一般要求パケット又は特定要求パケットを用いることができる。一般又は特定要求パケットの生成及び送信は、図4の通信/制御ユニット220又は図8の通信ユニット890により行われる。
【0226】
一例として、無線電力受信装置は、一般要求パケットを用いて、無線電力送信装置の性能パケットを読み出すことができる。ここで、ターゲット電力値は、性能パケットに含まれた保証電力値と同じであり得る。または、無線電力受信装置は、サポートされるターゲット電力に関する情報を得るために一般要求パケットを用いることができる。
【0227】
他の例として、無線電力受信装置は、特定要求パケットを用いて、無線電力送信装置のターゲット電力値(又は、保証電力値)を読み出すことができる。特定要求パケットは、はい/いいえの回答を得るために用いられ、利用可能な電力指標と関連してターゲット電力が急に減少せずに一定に維持されるように要求するために用いられる。
【0228】
(6)無線電力受信装置の応答パケット(response packet)
【0229】
利用可能な電力指標に関連して、無線電力受信装置の応答パケットが用いられることができる。無線電力受信装置の応答パケットの生成及び送信は、図4の通信/制御ユニット220又は図8の通信ユニット890により行われる。
【0230】
図21は、一実施形態による無線電力受信装置の応答パケットの構造である。
【0231】
図21に示すように、応答パケットは1バイトであって、8ビット全体が複数の応答を示す応答フィールドであり得る。
【0232】
例えば、応答フィールドが‘11111111’bに設定されると、応答パケットはACKを示し、応答フィールドが‘00000000’bに設定されると、応答パケットはNAKを示し、応答フィールドが‘01010101’bに設定されると、応答パケットはNDを示すことができる。
【0233】
他の例として、応答フィールドが‘11111111’bに設定されると、応答パケットはACKを示し、応答フィールドが‘00000000’bに設定されると、応答パケットはNAKを示し、応答フィールドが‘01010101’bに設定されると、応答パケットはNDを示し、応答フィールドが‘00110011’bに設定されると、応答パケットはRFAを示すことができる。
【0234】
(6)無線電力送信装置の応答パケット(response packet)
【0235】
利用可能な電力指標に関連して、無線電力送信装置の応答パケットが用いられることができる。無線電力送信装置の応答パケットの生成及び送信は、図4の通信/制御ユニット120又は図7の通信ユニット790により行われる。図22は、一実施形態による無線電力送信装置の応答パケットの構造である。
【0236】
図22に示すように、応答パケットは1バイトであって、8ビット全体が複数の応答を示す応答フィールドであり得る。これは、図21の無線電力受信装置の応答パケットと同一の構造である。
【0237】
一例として、応答フィールドが‘11111111’bに設定されると、応答パケットはACKを示し、応答フィールドが‘00000000’bに設定されると、応答パケットはNAKを示し、応答フィールドが‘01010101’bに設定されると、応答パケットはNDを示し、応答フィールドが‘00110011’bに設定されると、応答パケットはRFAを示すことができる。
【0238】
3.利用可能な電力指標に関して無線電力送信装置により開始される(PTx-initiated)通信方法
【0239】
無線電力送信装置により開始される通信は、認証(authentication)と電力管理(power management)機能において用いられることができる。無線電力送信装置により開始される認証において、無線電力送信装置は、自分に要求されるタイミングに要求メッセージのデータストリームを送信することによりイニシエータとして認証を開始する必要がある。
【0240】
無線電力送信装置により開始される電力管理において、無線電力送信装置は、自分に要求されるタイミングで充電環境に依存して電力レベルを再ネゴシエートする必要がある。
【0241】
従って、無線電力送信装置により開始される通信は、無線電力受信装置から注意(attention)を要求する手段を提供しなければならない。すなわち、無線電力送信装置が無線電力受信装置にデータを送信しようとすると、前述されたビットパターン応答(例えば、RFR、RFC、RFA)が用いられる。ビットパターン応答により無線電力送信装置にデータを送信する機会(opportunity)が与えられる。ただ、この場合も、無線電力受信装置が無線電力送信装置の要求を許容する(allowing)/許容しない(disallowing)ことにより依然として通信の統制を維持することができる。
【0242】
無線電力送信装置がデータを送信しようとする場合、それに適合するプロトコルも定義されなければならない。例えば、無線電力送信装置により開始される通信において、データの送信のために、付加送信(auxiliary transport)又は付加データ送信(auxiliary data transport)プロトコルが用いられることができる。
【0243】
図23は、一実施形態による付加送信プロトコルに基づいて無線電力送信装置が利用可能な電力指標に関する情報を送信するフローチャートである。
【0244】
図23に示すように、付加送信プロトコルは、無線電力送信装置が付加送信(auxiliary transport)を要求する段階(S2300とS2305)と、付加送信要求に応じて付加送信を行う段階(S2310とS2315)とに大きく分けられる。
【0245】
まず、付加送信を要求する段階において、無線電力受信装置は、RPパケット(RPP)を無線電力送信装置に送信する(S2300)。RPパケットの生成及び送信は、図4の通信/制御ユニット220又は図8の通信ユニット890により行われる。無線電力送信装置は、RFAを無線電力受信装置に送信する(S2305)。RFAの生成及び送信は、図4の通信/制御ユニット120又は図7の通信ユニット790により行われる。RFAは、ビットパターン応答でもあり、RFAパケットでもあり得る。無線電力送信装置がRFAを送信する目的は、無線電力送信装置により開始される通信を用いて無線電力受信装置に無線電力送信装置のデータを送信しようとすることであり得る。ここで、無線電力送信装置が送信するデータは、利用可能な電力指標に関するパケットを含むことができる。例えば、利用可能な電力指標に関するパケットは、ターゲット電力、保証電力、潜在電力のうち少なくとも1つに関する情報であり得る。この場合、無線電力送信装置がRFAを送信する目的は、利用可能な電力指標の変更(例えば、保証電力の増加又は減少)のために再ネゴシエーションを要求することであり得る。
【0246】
次に、付加送信を行う段階において、RFAを受信した無線電力受信装置は、RFAに対する応答パケットを無線電力送信装置に送信する(S2310)。RFAに対する応答パケットの生成及び送信は、図4の通信/制御ユニット220又は図8の通信ユニット890により行われる。一例として、RFAに対する応答パケットは、無線電力受信装置が無線電力送信装置の要求を認知したことを示すACKパケットであり得る。他の例として、RFAに対する応答パケットは、無線電力受信装置が無線電力送信装置を聴取する状態であることを示すことができる。
【0247】
その後、無線電力送信装置は、利用可能な電力指標に関するパケットを無線電力受信装置に送信する(S2315)。利用可能な電力指標に関するパケットの生成及び送信は、図4の通信/制御ユニット120又は図7の通信ユニット790により行われる。
【0248】
図24Aは、一実施形態による付加送信を行うATX(又は、ATD)段階を詳細に示す図である。
【0249】
図24Aに示すように、付加送信を行うATX(又は、ATD)段階(S2400)は、無線電力受信装置が付加送信を行う段階(ATX_PRx、S2405)と無線電力送信装置が付加送信を行う段階(ATX_PTx、S2410)とのように2段階が対をなすことができる。ATX_PRxでは、無線電力受信装置の付加データ又は付加データパケット、又は応答(ACK/NAK/RFA)パケットが送信される。無線電力受信装置の付加データ又は付加データパケット、又は応答(ACK/NAK/RFA)パケットの生成及び送信は、図4の通信/制御ユニット220又は図8の通信ユニット890により行われる。
【0250】
ATX_PTxでは、無線電力送信装置の付加データ又は付加データパケット、又は応答(ACK/NAK/RFA)パケット、又はビットパターン応答が送信される。ATXは、ADT(auxiliary data transport)又はADC(auxiliary data control transport)と呼ばれることもできる。無線電力送信装置の付加データ又は付加データパケット、又は応答(ACK/NAK/RFA)パケット、又はビットパターン応答の生成及び送信は、図4の通信/制御ユニット120又は図7の通信ユニット790により行われる。
【0251】
図24Bは、他の実施形態による付加送信を行うATX(又は、ATD)段階を詳細に示す図である。
【0252】
図24Bに示すように、付加送信を行うATX(又は、ATD)段階(S2420)は、無線電力送信装置(又は、無線電力受信装置)が付加送信を行う段階(S2525)と無線電力受信装置(又は、無線電力送信装置)がACK/NAK又はビットパターン応答を送信する段階(S2530)とのように2段階が対をなすことができる。ADTパケットのヘッダは、ヘッダA又はヘッダBを示すことができる。ADTは、CE値が0であるか又は0に近い場合、例えば、500msの周期で送信することができる。または、CE値が一定値以上である場合、ADTの送信は省略することができる。単一ADT(ADTデータ対)が2つの隣接するCEパケットの間から送信することができる。
【0253】
図25は、他の実施形態による付加送信プロトコルに基づいて無線電力送信装置が利用可能な電力指標に関する情報を送信するフローチャートである。
【0254】
図25に示すように、無線電力受信装置は、CEパケットとRPパケットを無線電力送信装置に送信する(S2500)。CEパケットとRPパケットの生成及び送信は、図4の通信/制御ユニット220又は図8の通信ユニット890により行われる。無線電力送信装置は、ビットパターン応答RFCを無線電力受信装置に送信する(S2505)。これにより、無線電力送信装置は、無線電力受信装置の注意を集め(get attention)、無線電力送信装置による通信開始を要求する。本実施形態においては、無線電力送信装置が利用可能な電力指標の変更を目的としてビットパターン応答RFCを送信すると仮定する。この場合、無線電力送信装置は、再ネゴシエーションフェーズで利用可能な電力指標の変更手順を行う。実施形態によってRFCはRFA、RFR、ATNに代替されることもできる。
【0255】
一方、無線電力受信装置は、RFCに対する応答パケット(GR(general request)パケット)を無線電力送信装置に送信して(S2510)、無線電力送信装置による通信開始の理由を問い合わせる。これをポール(poll)ともいう。RFCに対する応答パケットの生成及び送信は、図4の通信/制御ユニット220又は図8の通信ユニット890により行われる。
【0256】
一例として、応答パケットとしてGRパケットが用いられることができ、GRパケットは、例えば、図26の構造を有することができる。図26に示すように、GRパケットは要求フィールド(request field)を含む。無線電力受信装置は、アテンション(attention)の理由(reason for attention:RA)を示す要求フィールドを含むGRパケットを無線電力送信装置に送信することにより、アテンション要求の理由をポーリングする。要求フィールドは、RAパケットのヘッダになり得る。
【0257】
再び図25を参照すると、無線電力送信装置は、利用可能な電力指標の変更を理由として、無線電力受信装置に再ネゴシエーションが必要であることを通知する(S2515)。段階S2515のために別途のRAパケットが用いられることができる。ここで、RAパケットは、図27の構造を有することができる。図27に示すように、RAパケットは、1バイトであって、アテンション要求に関する理由を示すことができ、例えば、b0=1である場合は再ネゴシエーションを示し、b1=1である場合はADTデータストリーム(例えば、認証)送信を示すことができる。また、b2からb7は、予備ビットであり得る。RAは、要求の理由(reason for request:RR)と呼ばれることもできる。RAパケットの生成及び送信は、図4の通信/制御ユニット120又は図7の通信ユニット790により行われる。
【0258】
再び図25を参照すると、無線電力受信装置は、再ネゴシエーション要求を受け入れるか否かを判断した後、許可の表示で図28のようなACKパケットを送信し(S2520)、進行中の電力送信に対するCEパケットを無線電力送信装置に送信する(S2525)。ACK/NAKパケットは、1バイトの情報であって、その値が‘11111111’bを示すと、ACK(RAパケット又はADTデータパケットを異常なしに受信した)を示し、その値が‘00000000’bを示すと、NAK(RAパケット又はADTデータパケットを受信することにエラーが発生した)を示す。
【0259】
その後、無線電力受信装置は、再ネゴシエーションパケットを無線電力送信装置に送信する(S2530)。無線電力送信装置は、これに対してACKで応答し(S2535)、無線電力受信装置は、必要なパケットを受信するために無線電力送信装置に特定要求(specific request)パケットを送信する(S2540)。その後、無線電力送信装置と受信装置は、再ネゴシエーションフェーズに進入して必要なパケットを交換した後、利用可能な電力指標を変更する。
【0260】
一方、無線電力送信装置により開始される通信は、無線電力受信装置が無線電力送信装置に送信するデータストリームがあるか否かを問い合わせる方式で行われることもできる。
【0261】
このために、無線電力受信装置は、ストリーム開始(start of data stream:SOD)又はストリーム終了(end of data stream:EOD)を含むADTデータパケットを送信することができる。例えば、ADTデータストリームの先端(start)にデータストリームの開始(SOD)パケットが付加(add)されることができる。または、データストリームの終端(end)にEODパケットを付加することができる。SOD/EODパケットの構造は、例えば、図29の通りである。SOD又はEODを含むADTデータパケットの生成及び送信は、図4の通信/制御ユニット220又は図8の通信ユニット890により行われる。
【0262】
図30は、一実施形態によるADTデータ送信手順を示す図である。これは、無線電力受信装置がADT送信プロトコルを用いて無線電力送信装置にADTデータを送信する手順である。
【0263】
図30に示すように、電力送信フェーズで無線電力受信装置がCEパケットを無線電力送信装置に送信し、次いでSODを無線電力送信装置に送信し(S3000)、無線電力送信装置がこの受信に成功すると、その応答としてビットパターン応答であるACKを送信する(S3005)。無線電力受信装置は、無線電力送信装置にメッセージを送信するマスターの役割を果たす。
【0264】
無線電力受信装置は、第0ADTデータパケット(ADT_PRx(0))の送信に成功した後(S3010)、ACKを受信する(S3015)。ADTデータパケットが送信される過程は、電力送信フェーズに属することができ、この場合、ADTデータパケットの中間に又は周期的にCEパケットが無線電力受信装置から無線電力送信装置に送信されることができる。
【0265】
一方、無線電力送信装置が第1ADTデータパケット(ADT_PRx(1))の受信には失敗して(S3020)、NAKを無線電力受信装置に送信する(S3025)。その後、無線電力受信装置は、第1ADTデータパケット(ADT_PRx(1))を再送する(S3030)。このようなADTパケット送信シーケンスを繰り返した後、無線電力受信装置は、最後に残った第5ADTデータパケット(ADT_PRx(5))の送信に成功した後、ACKを受信する。これに対して、無線電力受信装置は、EODの送信に成功して(S3035)ACKを受信することによりADTデータの送信手順を終了する。
【0266】
前述した本発明の実施形態による無線電力送信方法及び装置、又は受信装置及び方法は、全ての構成要素又は段階が必須なものではないので、無線電力送信装置及び方法、又は受信装置及び方法は、前述した構成要素又は段階の一部又は全部を含んで行うことができる。また、前述した無線電力送信装置及び方法、又は受信装置及び方法の実施形態は互いに組み合わされて行われることもできる。また、前述した各構成要素又は段階は、必ず説明した手順どおりに行わなければならないのではなく、後に説明された段階が先に説明された段階に先立って行われることも可能である。
【0267】
以上の説明は、本発明の技術的思想を例示的に説明したことに過ぎないものであって、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から外れない範囲で多様な修正及び変形が可能である。従って、以上で説明した本発明の実施形態は互いに別個に又は組み合わされて実現されることも可能である
【0268】
従って、本発明に開示された実施形態は本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであって、このような実施形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は特許請求の範囲により解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にある全ての技術的思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
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図5
図6
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図22
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図24a
図24b
図25
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