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特許7193596商品販売データ処理装置、及び入力制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置、及び入力制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/01 20060101AFI20221213BHJP
【FI】
G07G1/01 301E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021142476
(22)【出願日】2021-09-01
(62)【分割の表示】P 2017040940の分割
【原出願日】2017-03-03
(65)【公開番号】P2021184317
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2021-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】五反田 剛
(72)【発明者】
【氏名】中島 隆司
(72)【発明者】
【氏名】杉田 延裕
(72)【発明者】
【氏名】後藤 幾
(72)【発明者】
【氏名】菊池 淳
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 純
(72)【発明者】
【氏名】平松 顕也
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-103189(JP,A)
【文献】特開平10-255167(JP,A)
【文献】特開2014-142922(JP,A)
【文献】特開2009-99045(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能のそれぞれに応じた複数のキーが配置された第1画面を表示する第1表示部と、
前記複数の機能のうち予め決められた数以下の特定の機能に応じた少なくとも1つのキーが配置された第2画面を表示する第2表示部と、
従業員を示す固有の識別データと、前記第2画面の表示有無を判別するためのデータと、が対応づけて設定された従業員データを記憶する記憶部と、
固有の識別データを入力する入力部と、
前記入力部により入力された前記識別データに応じて、前記従業員データをもとに前記第2画面を表示すると判別をした場合に、前記第2表示部に前記第2画面を表示させる制御部と、
前記第1画面及び前記第2画面に応じた入力操作により選択されたキーに対応する機能を実行する機能処理部とを有する商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記第2表示部は、前記複数の機能のうち予め決められた数以下の、前記複数の機能の何れかと対応する少なくとも1つのキーが配置され、
前記機能処理部は、前記第1画面あるいは前記第2画面に表示された同じ機能に対応するキーを選択する入力操作に応じて、前記入力操作により選択されたキーに対応する機能を実行する請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記第1画面に応じた入力操作により実行される処理状況に応じて、前記第2画面に配置されるキーに対応する機能を変更する変更部をさらに有する請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記従業員データには前記識別データと対応づけた言語を示すデータを含み、
前記入力部により入力された前記識別データに対応する言語を判別する判別部をさらに有し、
前記第2表示部は、前記判別部により判別された言語の文字により、キーに応じた機能名を表示する請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
前記第1画面に表示されるキーよりも、前記第2画面に表示されるキーの表示面積を大きくする請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
複数の機能のそれぞれに応じた複数のキーが配置された第1画面を表示させる第1表示部と、
前記複数の機能のうち予め決められた数以下の特定の機能に応じた少なくとも1つのキーが配置された第2画面を表示させる第2表示部と、
従業員を示す固有の識別データと、前記第2画面の表示有無を判別するためのデータと、が対応づけて設定された従業員データを記憶する記憶部と、
固有の識別データを入力する入力部と、
前記入力部により入力された前記識別データに応じて、前記従業員データをもとに前記第2画面を表示すると判別をした場合に、前記第2表示部に前記第2画面を表示させる制御部と、
前記第1画面及び前記第2画面に応じた入力操作により選択されたキーに対応する機能を実行する機能処理部として機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品販売データ処理装置、及び入力制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット等で利用される店舗会計システム(チェックアウトシステム)には、従業員によって操作される商品販売データ処理装置(POS(Point of Sales)端末)が設置される。POS端末は、従業員の入力操作に応じて、例えば顧客が買い上げる商品の登録処理、登録処理された商品についての決済処理の他、チェックアウト業務を関係する各種の処理を実行する。一般に、POS端末には、従業員による入力操作を受け付けると共に処理内容を表示させることができるタッチパネル、及び複数のキーが設けられたキーボード(ハードウェアキーボード)が設けられている。従業員は、チェックアウト業務における各種状況に応じて、タッチパネルに表示されたキー(ボタン)あるいはキーボードのキーを操作することで、その状況で必要とされる処理を実行させることができる。
【0003】
通常、タッチパネルには多数の機能のそれぞれに応じた複数のキーが配列され、またキーボードにおいても複数のキーに対して特定の機能が割り当てられている。従って、従業員には、タッチパネルのキー及びキーボードのキーの配列と、それぞれのキーに割り当てられた機能を把握することが要求される。
【0004】
ところで、流通小売業界における雇用状況が大きく変化しており、アルバイト、外国人労働者、高齢者など、POS端末の操作に慣れていない従業員が、POS端末を操作する機会が増加しつつある。しかしながら、こうした従業員にとってはPOS端末の操作を習熟するために長い時間を要すことがある。また、習熟する前にPOS端末を操作しなければならない場合、操作すべきキーの位置が分からない、誤ったキーを操作してしまうなどの混乱が生じやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-16281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、操作に慣れていない従業員であっても適切な操作をすることが可能な商品販売データ処理装置、及び入力制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、商品販売データ処理装置は、第1表示部、第2表示部、記憶部、入力部、制御部、及び機能処理部を有する。第1表示部は、複数の機能のそれぞれに応じた複数のキーが配置された第1画面を表示する。第2表示部は、前記複数の機能のうち予め決められた数以下の特定の機能に応じた少なくとも1つのキーが配置された第2画面を表示する。記憶部は、従業員を示す固有の識別データと、前記第2画面の表示有無を判別するためのデータとが対応づけて設定された従業員データを記憶する。入力部は、固有の識別データを入力する。制御部は、前記入力部により入力された前記識別データに応じて、前記従業員データをもとに前記第2画面を表示すると判別をした場合に、前記第2表示部に前記第2画面を表示させる。機能処理部は、前記第1画面及び前記第2画面に応じた入力操作により選択されたキーに対応する機能を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の商品販売データ処理装置の外観を示す斜視図。
図2】本実施形態のコンビネーションキーボードの一例を示す図。
図3】本実施形態における商品販売データ処理装置の構成を示すブロック図。
図4】本実施形態におけるキャッシャテーブルに設定されるデータの一部を示す図。
図5】本実施形態における商品販売データ処理装置の動作を示すフローチャート。
図6】本実施形態における商品販売データ処理装置の動作を示すフローチャート。
図7】本実施形態における登録画面の一例を示す図。
図8】本実施形態におけるタッチパネルに表示される第1補助画面の例を示す図。
図9】本実施形態におけるタッチパネルに表示される第2補助画面の例を示す図。
図10】本実施形態におけるタッチパネルに表示される英語表示による第2補助画面の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の商品販売データ処理装置10の外観を示す斜視図である。商品販売データ処理装置10は、スーパーマーケット等の店舗で使用される店舗会計システムの一部を構成するもので、例えばPOS(Point of Sales)端末として構成される。
【0010】
図1に示すように、商品販売データ処理装置10は、釣銭機11e、タッチパネル11h、コンビネーションキーボード11j(キーボード11ja、タッチパネル11jb)、プリンタ11k、カードリーダライタ11m、及びディスプレイ11nが設けられている。
【0011】
商品販売データ処理装置10は、規定のハウジングに対して、タッチパネル11h、コンビネーションキーボード11j、プリンタ11k、ディスプレイ11nが脱着可能となるように構成されている。このため、商品販売データ処理装置10は、店舗での使用に適した、タッチパネル11h、コンビネーションキーボード11j、プリンタ11k、ディスプレイ11nを個々に選択して実装させることができる。
【0012】
例えば、コンビネーションキーボード11jは、図1及び図2に示すように、キーボード11jaとタッチパネル11jbとが設けられた形態の他、タッチパネル11jbに代えて、より多くのキーが実装されたキーボードのみの形態のものがある。また、コンビネーションキーボード11jを実装せずに、タッチパネル11hからのみ従業員による入力操作を受け付ける形態とすることもできる。本実施形態では、図2に示すキーボード11jaとタッチパネル11jbとが設けられたコンビネーションキーボード11jが実装されているものとして説明する。
【0013】
同様にして、例えばディスプレイ11nは、顧客に対して情報を提供するための客面用として用いられるもので、画面サイズの異なる複数のユニットから何れかを選択して実装することができる。また、顧客による入力操作を受け付けられるように、ディスプレイ11nに代えてタッチパネルを実装することも可能である。
【0014】
なお、本実施形態では、タッチパネル11h及びタッチパネル11jbに例えば複数のキーを含む操作画面を表示して、パネルに対してタッチ操作をさせるものとしているが他の入力操作をするようにしても良い。例えば、タッチパネル11h及びタッチパネル11jbに表示された操作画面に応じて、キーボード11jaを操作して何れかのキーを選択させたり、音声入力によって選択するキーを指定させたりすることも可能である。この場合、タッチパネル11hあるいはタッチパネル11jbに代えてディスプレイを設け、操作画面を表示するようにしても良い。
【0015】
図3は、本実施形態における商品販売データ処理装置10の構成を示すブロック図である。
商品販売データ処理装置10は、コンピュータの機能が実装されており、プロセッサ(CPU(central processing unit)等)11a、ROM(read-only memory)11b、RAM(random-access memory)11c、記憶ユニット11d、釣銭機11e、通信ユニット11f、スキャナ11g、タッチパネル11h、コンビネーションキーボード11j(キーボード11ja、タッチパネル11jb)、プリンタ11k、カードリーダライタ11m、及びディスプレイ11nを有する。
【0016】
プロセッサ11aは、ROM11b及びRAM11cに記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムに基づいて、商品販売データ処理装置10としての各種の動作を実現するべく各部を制御するための回路である。
【0017】
ROM11b及びRAM11cは、プロセッサ11aにより実行される各種プログラムの他、プロセッサ11aが各種の処理を行う上で参照するデータを記録する。例えば、RAM11cには、商品の情報を登録する処理が実行される場合に、顧客による購入対象とする商品の情報が登録される登録商品テーブルが記録される。また、RAM11cには、タッチパネル11h及びタッチパネル11jbに表示させる画面のデータ、商品販売データ処理装置10を操作するためにログイン操作をした従業員(キャッシャ)を判別するためのキャッシャテーブルなどが記憶される。
【0018】
図4には、本実施形態におけるキャッシャテーブルに設定されるデータの一部を示している。キャッシャテーブルには、従業員(キャッシャ)のそれぞれに固有のキャッシャ識別データと対応づけて、氏名、年齢などの個人データの他、図4に示すように、主に使用する言語を示すデータが設定される。また、キャッシャテーブルには、正社員、アルバイト、タッチパネル11jbにおける操作画面の表示有無を示すデータなどを設定しておくことも可能である。
【0019】
プロセッサ11aにより実行されるプログラムには、スキャナ11gを通じて商品の情報(商品コード等)を入力するスキャン処理、登録商品テーブルに登録された商品の情報に応じた決済処理に用いられる取引情報を生成する登録処理、取引情報をもとにした決済処理などを実行するための制御プログラムが含まれる。さらに、プロセッサ11aにより実行される制御プログラムには、商品販売データ処理装置10を操作する従業員(キャッシャ)を判別するサインイン処理プログラム(判別部)、タッチパネル11hに表示される画面に応じた入力操作により実行される処理状況(例えば、スキャン処理、登録処理、締め処理など)に応じて、タッチパネル11jbの操作画面を変更する入力制御プログラムが含まれる。
【0020】
プロセッサ11aは、制御プログラムに基づいて、複数の機能のそれぞれに応じた複数のキーが配置された操作画面(第1画面)をタッチパネル11hに表示させる表示部、タッチパネル11hに対する操作により実行可能な複数の機能のうち予め決められた数以下の特定の機能に応じた少なくとも1つのキーが配置された操作画面(第2画面)をタッチパネル11jbに表示させる第2表示部、タッチパネル11h及びタッチパネル11jbのそれぞれに表示される画面に応じた入力操作により選択されたキーに対応する機能を実行する機能処理部とを実現する。タッチパネル11jbに表示される操作画面は、処理状況において実行可能な、決められた数以下の特定の機能に対応するキーのみが表示されるため、商品販売データ処理装置10の操作に慣れていない従業員(例えば、アルバイト、外国人労働者、高齢者など)であっても容易に操作をすることができる。
【0021】
記憶ユニット11dは、プロセッサ11aが各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ11aの処理によって生成されたデータを記憶する。記憶ユニット11dとしては、例えばEEPROM(登録商標)(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)、あるいはSSD(solid state drive)などを使用できる。
【0022】
釣銭機11eは、投入される硬貨及び紙幣を収受、釣銭とする硬貨及び紙幣を排出する。
通信ユニット11fは、例えばLANを介して、サーバや他の商品販売データ処理装置との通信を行う。
【0023】
スキャナ11gは、例えば、光学的スキャンにより商品の情報を読み取って、商品に固有の商品コードを入力する。スキャナ11gは、固定式またはハンディ式の2次元コードスキャナとしても良いし、商品を撮影した画像から画像認識技術を利用して商品を識別するタイプとしても良い。また、スキャナ11gは、1つのタイプのみを設けても良いし、複数のタイプのものを設けても良い。
【0024】
タッチパネル11hは、従業員(キャッシャ)により入力操作がされるデバイスであり、表示デバイス及びタッチセンサを含む。表示デバイスは、GUI(Graphical User Interface)画面などの任意の画面を表示する。例えば、表示デバイスは、買い上げ対象として登録された商品に関する取引情報(商品名、金額など)の一覧リストや小計金額等を含む登録画面(商品一覧画面)、各種の機能のそれぞれに対応した複数のキーを含むメニュー、及び各種機能の実行を指示するコマンドを入力するためのキーなどを含む操作画面を表示する。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD(Liquid Crystal Display)等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置される。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をプロセッサ11aへと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。
【0025】
コンビネーションキーボード11jは、従業員(キャッシャ)により入力操作がされるデバイスであり、例えば特定の機能が個々に割り当てられた複数のキーが配列されたキーボード11jaとタッチパネル11jbを有する。タッチパネル11jbは、例えばタッチパネル11hと同様に構成される。タッチパネル11jbは、常に表示する必要がない補足情報や、店内の従業員で共有すべき情報(特売情報や店長からのメッセージなど)等が表示される。また、タッチパネル11jbには、タッチパネル11hに表示される画面に応じた入力操作により実行される処理状況に応じて、タッチパネル11hの操作画面に配置された複数のキーのそれぞれに対応する複数の機能のうち、予め決められた数(例えば4個)以下の特定の機能に応じたキーが配置された操作画面(補助画面)が表示される(図8~10参照)。
【0026】
プリンタ11kは、例えばサーマルプリンタまたはドットインパクトプリンタなどであり、レシート用紙に対して各種の文字列、画像、コードパターン(バーコード、2次元コードなど)などを印刷することにより、商品名、単価、合計金額などの取引内容が印刷された取引レシート等を発行する。
【0027】
カードリーダライタ11mは、カードに記録されたデータを読み取るとともに、カードへデータを書き込む。カードは、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、プリペイドカードなどの決済用カードの他に、メンバーズカード、ポイントカードなどの決済処理に関わる情報を記録する各種のカードを含む。カードリーダライタ11mは、磁気式、接触式、あるいは非接触式の何れのデバイスであっても良いし、また複数種のデバイスを含んでいても良い。
【0028】
ディスプレイ11nは、例えば顧客に対して情報を提供するための客面用として用いられるデバイスであり、カラーLCD等の周知のデバイスを利用できる。
【0029】
次に、本実施形態における商品販売データ処理装置10の動作について、図5及び図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0030】
従業員(キャッシャ)は、商品販売データ処理装置10の操作を開始する前にサインインのための操作を行う。例えば、従業員は、従業員毎に割り当てられた固有のコード(キャッシャ識別データ)を入力(例えば、スキャナ11gによりバーコードを読み取らせるなど)する。商品販売データ処理装置10のプロセッサ11aは、サインイン処理を実行して、入力されたコードをもとにキャッシャテーブルを参照し、商品販売データ処理装置10を操作しようとする従業員を判別する(Act1)。
【0031】
ここで、プロセッサ11aは、キャッシャテーブルの設定内容に基づいて、タッチパネル11jbにおいて操作画面(以下、補助画面と称する)を表示する必要があるか判別する。例えば、操作画面の表示有無を示すデータにおいて、表示有りを示すデータが設定されている場合に、補助画面を表示する必要があるものと判別し、補助画面を表示する設定を記憶しておく。操作画面の表示有無を示すデータは、例えば店長などが従業員の商品販売データ処理装置10に対する操作の技量を判断し、予め設定しておくことができる。
【0032】
また、操作画面の表示有無を示すデータではなく、例えば従業員がアルバイトの場合にはタッチパネル11jbに操作画面を表示させるといった判別をするようにしても良い。さらに、補助画面を表示する設定をした場合に、従業員に対応する言語を示すデータを参照し、操作画面においてキーに応じた機能名を表す文字を表示する際の言語を記憶しておく。
以下、サインインした従業員に応じて、補助画面を表示する設定がされたものとして説明する。
【0033】
商品販売データ処理装置10は、買い上げ対象とする商品の登録処理が起動されると、プロセッサ11aによる、ROM11bまたは記憶ユニット11dに記憶された制御プログラムに基づく制御処理を開始する。
【0034】
プロセッサ11aは、登録処理を開始すると、RAM11cに記録される登録商品テーブルをクリアし、タッチパネル11hに登録画面(第1画面)を表示させる(Act2)。登録画面は、登録商品テーブルに登録された商品の情報などを表示するためのもので、登録処理の実施状況を従業員に確認させるための画面である。
【0035】
従業員の操作によりスキャナ11gから商品に付された商品コードが読み取られたことを検出すると(Act3、Yes)、プロセッサ11aは、商品コードに対応する商品の情報を登録商品テーブルに登録(更新)する(Act4)。また、プロセッサ11aは、更新後の登録商品テーブルの内容に応じて、登録画面の商品の情報を更新する。
【0036】
図7は、本実施形態における登録画面の一例を示す図である。図7に示すように、タッチパネル11hに表示される登録画面には、多数の商品から登録対象とする商品を直接的なキー操作によって選択(指示)することができるように、多くのキーが配置されている。また、登録画面には、商品登録のためのキーだけでなく、登録処理中で実行可能な他の機能に対応するキーが配置されている。図7では、例えば「値引」キーR1と「割引」キーR2が設けられている。タッチパネル11hには、処理内容に応じた多数のキーが配置された画面が表示される。
【0037】
プロセッサ11aは、タッチパネル11jbに補助画面を既に表示済みでない場合には(Act5、No)、タッチパネル11jbに対して、現在の処理状況に対応する補助画面をタッチパネル11jbにおいて表示させる。なお、タッチパネル11jbには、補助画面を表示させる必要が無い通常の状況においては、常に表示する必要がない補足情報や、店内の従業員で共有すべき情報(特売情報や店長からのメッセージなど)等が表示されている。
【0038】
現在の処理状況が登録処理中であるため、プロセッサ11aは、タッチパネル11hにおいて登録処理中で実行可能な複数の機能のうち、限られた数(例えば4つ以下)の特定の機能に応じたキーが配置された第1補助画面(第2画面)を表示させる(Act6)。
【0039】
図8には、本実施形態におけるタッチパネル11jbに表示される第1補助画面の例を示す図である。第1補助画面には、例えば登録された商品の価格を予め登録された価格から値引きする処理をするための「値引」キーと、同じく割引きする処理をするための「割引」キーが設けられている。第1補助画面では、登録処理において必須の機能(処理)として、値引きと割引きの処理をキー操作によって実行できるようにしている。なお、図8に示す第1補助画面は一例であって、他の機能を実行させるためのキーが配置されていても良いし、4つ以下の制限内で例えば3つあるいは4つのキーが配置されていても良い。また、本実施形態では補助画面において4つ以内のキー(機能)を配置可能としているが、操作に慣れていない従業員でも操作を誤るおそれが少ない数のキーであれば4つに限定されるものではない。
【0040】
図8に示すように、補助画面(第2画面)には、タッチパネル11hに配置されるキーの数と比較して大幅に少ない予め決められた数(例えば4つ以下)のキーのみが表示される。本実施形態では、タッチパネル11jbの方がタッチパネル11hよりも表示面積が狭いが、タッチパネル11jbに表示されるキーの数を制限することで、タッチパネル11jbに表示される1つのキーの面積を、タッチパネル11hに表示される1つのキーよりも大きくすることができる(キーの縦横の長さがタッチパネル11hに表示されるキーよりも長い)。
【0041】
なお、第1補助画面に配置された「戻る」キーと「HELP」キーは、タッチパネル11hに設けられたキー(機能)とは関係なく、他の補助画面と共通する固定位置に設けられた固定キーである。「戻る」キーは、タッチパネル11jbの表示画面を前画面に切り替える指示を入力するためのキー、「HELP」キーは、例えば他の従業員に対して補助を依頼する通知を送信するためのキーである。
【0042】
なお、タッチパネル11jbに対して第1補助画面を表示させた場合、従業員が商品販売データ処理装置10の操作に慣れていない状況にある。この場合、プロセッサ11aは、例えば第1補助画面に配置されたキーに対応する機能以外の処理について従業員が対応できないことを顧客に通知するようにしても良い。例えば、客面用のディスプレイ11nにおいて、「このレジは返品、両替は承りません」などのメッセージを表示させる。なお、ディスプレイ11nにおけるメッセージの表示に限らず、スピーカ(図示せず)から音声によりメッセージを出力させても良いし、商品販売データ処理装置10とは分離して設けられた他のディスプレイ等にメッセージを表示させるようにしても良い。
【0043】
その後、プロセッサ11aは、前述したように、従業員がスキャナ11gにより商品コードを読み取らせる操作がされる毎に、取得された商品コードに応じた商品の情報を、順次、登録商品テーブルに追加する(Act3,4)。
【0044】
タッチパネル11jbに第1補助画面が表示された場合、プロセッサ11aは、タッチパネル11hに表示された登録画面に対する入力操作(Act7,Yes)と、タッチパネル11jbの第1補助画面に対する入力操作(Act8、Yes)とのそれぞれに応じて、操作に応じた機能(処理)を実行する(Act9)。すなわち、商品販売データ処理装置10の操作に慣れていない従業員の場合には、第1補助画面のみを操作して登録処理をすれば良い。また、第1補助画面が表示されているが(操作に慣れていないと判別されている)、タッチパネル11hの登録画面に対する操作を覚えた従業員の場合には、タッチパネル11hとタッチパネル11jbの何れかを任意に選択して登録処理を実行することも可能である。
【0045】
こうして、少なくとも1つの商品が登録された後、プロセッサ11aは、例えば小計ボタンが操作されたことを検出した場合(Act10、Yes)、登録商品テーブルに登録された内容に基づいて、登録商品テーブルに登録された商品に関する決済処理のための取引情報を生成する。
【0046】
プロセッサ11aは、登録商品のリスト及び登録された商品の合計個数及び合計金額などの情報を含む小計画面をタッチパネル11hに表示させる。さらに、小計画面に設けられた会計ボタンが操作されたことを検出した場合、プロセッサ11aは、登録処理を終了させた後、締め処理を開始する。
【0047】
プロセッサ11aは、締め処理を開始すると、タッチパネル11jbに対して、現在の処理状況に対応する補助画面をタッチパネル11jbにおいて表示させる。現在の処理状況が締め処理中であるため、プロセッサ11aは、タッチパネル11hにおいて締め処理中で実行可能な複数の機能のうち、限られた数(例えば4つ以下)の特定の機能に応じたキーが配置された第2補助画面(第2画面)を表示させる(Act11)。
【0048】
図9(A)には、本実施形態におけるタッチパネル11jbに表示される第2補助画面の例を示す図である。第2補助画面には、例えば支払い方法を設定すると共に決済処理の実行を指示するための「現金」キー、「クレジット」キー及び「電子マネー」キーと、他の機能を実行させるキーを表示させるための「他」キーが設けられている。
【0049】
締め処理において必須の機能(処理)として、支払い方法を選択して決済処理を開始させる処理をキー操作によって実行できるようにしている。
【0050】
タッチパネル11jbに第2補助画面が表示された場合、プロセッサ11aは、タッチパネル11hに表示された登録画面に対する入力操作(Act12,Yes)と、タッチパネル11jbの第2補助画面に対する入力操作(Act13、Yes)とのそれぞれに応じて、操作に応じた機能(処理)を実行する(Act14)。第2補助画面では、「他」キーに対する操作があった場合、プロセッサ11aは、図9(B)に示すように、第2補助画面のサブ画面を表示させる。サブ画面では、締め処理において、例えば小計額の変更が必要となる、例えば「商品券」「クーポン」「割引」のそれぞれに対応するキーが設けられている。各キーの操作によって、それぞれのキーに応じた小計額の変更処理を実行することができる。
【0051】
なお、図9(A)(B)に示す第2補助画面は一例であって、第1補助画面と同様にして、他の機能を実行させるためのキーが配置されていても良いし、4つ以下の制限内で異なる数のキーが配置されていても良い。ただし、第1補助画面と第2補助画面(サブ画面を含む)は、キーの配置を同じにして、従業員がキー配置を容易に覚えやすくする。これにより、操作に慣れていない従業員であっても、操作すべきキーの位置が容易に把握することができ、誤ったキー操作を回避することができる。
【0052】
プロセッサ11aは、「現金」キー、「クレジット」キー、あるいは「電子マネー」キーの何れかが操作されると(Act15、Yes)、操作されたキーに応じた支払い方法を用いた決済処理を実行する(Act16)。
【0053】
なお、前述した第1補助画面と第2補助画面では、従業員が使用する言語が日本語である場合の例を示しているが、従業員に対応する言語を示すデータが設定されている場合には、このデータに応じた言語の文字を用いて補助画面を表示させる。
【0054】
例えば、従業員に対応する言語として「英語」が設定されている場合、プロセッサ11aは、第2補助画面を図10に示すように、キートップを表す文字を英語の文字列によって表示させる。例えば、「現金」キーに代えて「cash」、「クレジット」キーに代えて「credit」キーが表示されている。
【0055】
こうして、従業員に応じて補助画面で使用する文字の言語を変更することにより、例えば従業員が外国人労働者である場合であっても、補助画面のキーに対応する機能(処理)を容易に認識することができ、確実な操作が可能となる。
【0056】
また、タッチパネル11jbに表示される補助画面(第2画面)では、タッチパネル11hに表示されるキーよりも1つのキーの面積が大きいため、各キーに割り当てられた機能を容易に判別することができ、またキーに対する誤ったタッチ操作の低減を図ることが可能となる。
【0057】
このようにして、本実施形態の商品販売データ処理装置10では、タッチパネル11hとは別に設けられたタッチパネル11jbにおいて、タッチパネル11hにおいて実行可能な複数の機能のうち、限られた数の特定の機能に応じたキーが配置された補助画面を表示させて、補助画面に対する操作に応じた処理を実行することができる。補助画面では、例えば現在の処理状況に応じて必須の機能に対応するキーのみが配置されているため、操作に慣れていない従業員であっても適切な操作をすることが可能となる。
【0058】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0059】
また、前述した実施の形態において記載した処理は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に提供することができる。また、通信媒体により伝送して各種装置に提供することも可能である。コンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、または通信媒体を介してプログラムを受信し、このプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。
【符号の説明】
【0060】
10…商品販売データ処理装置、11a…プロセッサ、11b…ROM、11c…RAM、11d…記憶ユニット、11e…釣銭機、11f…通信ユニット、11g…スキャナ、11h…タッチパネル、11j…コンビネーションキーボード、11ja…キーボード、11jb…タッチパネル、11k…プリンタ。
図1
図2
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図7
図8
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図10