(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】無停電電力供給マイクログリッドシステム
(51)【国際特許分類】
H02J 3/38 20060101AFI20221213BHJP
H02J 1/00 20060101ALI20221213BHJP
H02J 9/08 20060101ALI20221213BHJP
H02J 9/06 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
H02J3/38 110
H02J3/38 180
H02J1/00 304G
H02J1/00 304H
H02J9/08
H02J9/06 120
(21)【出願番号】P 2021531610
(86)(22)【出願日】2019-12-11
(86)【国際出願番号】 KR2019017513
(87)【国際公開番号】W WO2020122605
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-06-02
(31)【優先権主張番号】10-2018-0160678
(32)【優先日】2018-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】592000691
【氏名又は名称】ポスコ
【氏名又は名称原語表記】POSCO
(73)【特許権者】
【識別番号】592000705
【氏名又は名称】リサーチ インスティチュート オブ インダストリアル サイエンス アンド テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】イ、 ソン-ヒ
(72)【発明者】
【氏名】モク、 イム-ス
(72)【発明者】
【氏名】ホン、 ジョン-ヒュイ
(72)【発明者】
【氏名】イ、 ジン-ヒ
(72)【発明者】
【氏名】キム、 ア-ロン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、 ウォン-ジュン
【審査官】清水 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/015796(WO,A1)
【文献】特開2015-177574(JP,A)
【文献】特開平11-089217(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0294782(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00 - 5/00
H02J 9/00 - 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
母線系統から交流電力が印加される第1ノード;
第2ノードに直流電力を印加する第1発電機;
第3ノードと連結して交流電力が供給される第1負荷;
前記第2ノードと連結して直流電力が供給される第2負荷;
第4ノードと連結して交流電力が供給される第3負荷;
第5ノードに交流電力を印加する第2発電機;
前記第2ノードの直流電力を交流電力に変換して出力する第1変換器;
前記第2ノードの直流電力を交流電力に変換して出力する第2変換器;及び
前記第1変換器と前記第2変換器の状態に応じて、前記第1ノード、前記第3ノード、前記第4ノード、前記第1変換器、及び前記第2変換器との間の連結関係を調整するスイッチ部を含
み、
前記母線系統から前記第1ノードに交流電力が印加されないと、前記第5ノードと前記第3ノードとを連結して、前記第2発電機からの交流電力と前記第1変換器からの交流電力を前記第1負荷に供給し、前記第1変換器からの交流電力の位相は、前記第2発電機からの交流電力の位相と同一に調整される、電力供給マイクログリッドシステム。
【請求項2】
前記スイッチ部は、
前記母線系統から前記第1ノードに交流電力が印加され、前記第1変換器が正常の場合、前記第1ノードと前記第4ノードとを連結し、前記第1ノードと前記第3ノードとを連結する、請求項1に記載の電力供給マイクログリッドシステム。
【請求項3】
前記スイッチ部は、
前記第1変換器から出力される交流電力が前記第3ノードに印加されるように前記連結関係を調整する、請求項2に記載の電力供給マイクログリッドシステム。
【請求項4】
前記スイッチ部は、
前記母線系統から前記第1ノードに交流電力が印加されず、前記第1変換器と前記第2変換器が正常の場合、前記第1変換器から出力される交流電力が前記第3ノードに印加され、前記第2変換器から出力される交流電力が前記第4ノードに印加されるように前記連結関係を調整する、請求項1に記載の電力供給マイクログリッドシステム。
【請求項5】
前記スイッチ部は、
前記母線系統から前記第1ノードに交流電力が印加されず、前記第1変換器が動作せず、前記第2変換器が正常の場合、前記第2変換器から出力される交流電力が前記第4ノードに印加され、前記第4ノードと前記第3ノードとが連結されるように前記連結関係を調整する、請求項1に記載の電力供給マイクログリッドシステム。
【請求項6】
前記スイッチ部は、
前記第2変換器が動作しないと、前記第5ノードと前記第4ノードとを連結する、請求項
1に記載の電力供給マイクログリッドシステム。
【請求項7】
母線系統から交流電力が印加される第1ノード;
第1発電機から直流電力が印加され、第1負荷と連結する第2ノード;
交流電力が印加され、第2負荷と連結する第3ノード;
交流電力が印加され、第3負荷と連結する第4ノード;
前記第2ノードの直流電力を交流電力に変換して出力する第1変換器;
前記第2ノードの直流電力を交流電力に変換して出力する第2変換器;
第2発電機から交流電力が印加される第5ノード;
前記第1ノードまたは前記第5ノードを第6ノードと選択的に連結する第1スイッチ;
前記第1ノードと第7ノードとの間に連結された第2スイッチ;
前記第6ノードと前記第7ノードとの間に連結された第3スイッチ;
前記第6ノードと前記第3ノードとの間に連結された第4スイッチ;
前記第3ノードと前記第1変換器との間に連結された第5スイッチ;
前記第2変換器と前記第4ノードとの間に連結された第6スイッチ;及び
前記第7ノードと前記第4ノードとの間に連結された第7スイッチを含む、電力供給マイクログリッドシステム。
【請求項8】
前記第1スイッチは自動切換スイッチであり、
前記第2スイッチ、前記第5スイッチ、及び前記第6スイッチは機械的接点を有するスイッチであり、
前記第3スイッチ及び前記第7スイッチは電子的接点を有するスイッチである、請求項
7に記載の電力供給マイクログリッドシステム。
【請求項9】
前記電力供給マイクログリッドシステムは、
前記第4スイッチと並列に連結される第8スイッチをさらに含み、
前記第4スイッチは電子的接点を有するスイッチであり、前記第8スイッチは機械的接点を有するスイッチである、請求項
7または
8に記載の電力供給マイクログリッドシステム。
【請求項10】
前記電力供給マイクログリッドシステムは、
前記母線系統と前記第1ノードとの間に連結される第9スイッチをさらに含む、請求項
7または
9に記載の電力供給マイクログリッドシステム。
【請求項11】
前記母線系統から前記第1ノードに交流電力が印加され、前記第1変換器及び前記第2変換器が正常の場合、前記第1スイッチは前記第1ノードと前記第6ノードとを連結し、前記第2スイッチ、前記第4スイッチ、前記第5スイッチ、及び前記第7スイッチはオンになり、前記第3スイッチ及び前記第6スイッチはオフになる、請求項
7または
9に記載の電力供給マイクログリッドシステム。
【請求項12】
前記母線系統から前記第1ノードに交流電力が印加されず、前記第1変換器及び前記第2変換器が正常の場合、前記第1スイッチは前記第5ノードと前記第6ノードとを連結し、前記第4スイッチ、前記第5スイッチ、及び前記第6スイッチはオンになり、前記第2スイッチ、前記第3スイッチ、前記第7スイッチはオフになる、請求項
7または
9に記載の電力供給マイクログリッドシステム。
【請求項13】
前記母線系統から前記第1ノードに交流電力が印加されず、前記第1変換器は正常であり、前記第2変換器は動作しない場合、前記第1スイッチは前記第5ノードと前記第6ノードとを連結し、前記第3スイッチ、前記第4スイッチ、前記第5スイッチ、及び前記第7スイッチはオンになり、前記第2スイッチ及び前記第6スイッチはオフになる、請求項
7または
9に記載の電力供給マイクログリッドシステム。
【請求項14】
前記母線系統から前記第1ノードに交流電力が印加されず、前記第2変換器は正常であり、前記第1変換器は動作しない場合、前記第1スイッチは前記第5ノードと前記第6ノードとを連結し、前記第3スイッチ、前記第4スイッチ、前記第6スイッチ、及び前記第7スイッチはオンになり、前記第2スイッチ及び前記第5スイッチはオフになる、請求項
7に記載の電力供給マイクログリッドシステム。
【請求項15】
前記母線系統から前記第1ノードに交流電力が印加されず、前記第1変換器及び前記第2変換器は動作しない場合、前記第1スイッチは前記第5ノードと前記第6ノードとを連結し、前記第3スイッチ、前記第4スイッチ、及び前記第7スイッチはオンになり、前記第2スイッチ、前記第5スイッチ、及び前記第6スイッチはオフになる、請求項
7または
9に記載の電力供給マイクログリッドシステム。
【請求項16】
前記第1変換器は第3ノードの交流電力を直流電力に変換して出力する機能をさらに行う両方向コンバータであり、
前記第2変換器はインバータである、請求項
7または
15に記載の電力供給マイクログリッドシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電力系統において一部構成に異常が発生しても途切れることなく電力を供給することができるシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電力を供給するシステムとして、マイクログリッドなどが使用されている。マイクログリッドは、母線系統などのACグリッド(grid)を中心に、様々な発電設備やエネルギー貯蔵装置などから構成され、それぞれの電力制御が必要な部分に様々な形態の電力変換器が配置されることで実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施例によると、電力系統において一部構成に異常が発生しても途切れることなく電力を供給することができる電力供給マイクログリッドシステムが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例による電力供給マイクログリッドシステムは、母線系統から交流電力が印加される第1ノード、第2ノードに直流電力を印加する第1発電機、第3ノードと連結して交流電力が供給される第1負荷、上記第2ノードと連結して直流電力が供給される第2負荷、第4ノードと連結して交流電力が供給される第3負荷、上記第2ノードの直流電力を交流電力に変換して出力する第1変換器、上記第2ノードの直流電力を交流電力に変換して出力する第2変換器、及び上記第1変換器と上記第2変換器の状態に応じて上記第1ノード、上記第3ノード、上記第4ノード、上記第1変換器、及び上記第2変換器との間の連結関係を調整するスイッチ部を含む。
【0006】
本発明の実施例による電力供給マイクログリッドシステムの上記スイッチ部は、上記母線系統から上記第1ノードに交流電力が印加され、上記第1変換器が正常の場合、上記第1ノードと上記第4ノードとを連結し、上記第1ノードと上記第3ノードとを連結することができる。この場合、上記スイッチ部は、上記第1変換器から出力される交流電力が上記第3ノードに印加されるように上記連結関係を調整することができる。
【0007】
本発明の実施例による電力供給マイクログリッドシステムの上記スイッチ部は、上記母線系統から上記第1ノードに交流電力が印加されず、上記第1変換器と上記第2変換器が正常の場合、上記第1変換器から出力される交流電力が上記第3ノードに印加され、上記第2変換器から出力される交流電力が上記第4ノードに印加されるように上記連結関係を調整することができる。
【0008】
本発明の実施例による電力供給マイクログリッドシステムの上記スイッチ部は、上記母線系統から上記第1ノードに交流電力が印加されず、上記第1変換器が動作せず、上記第2変換器が正常の場合、上記第2変換器から出力される交流電力が上記第4ノードに印加され、上記第4ノードと上記第3ノードが連結されるように上記連結関係を調整することができる。
【0009】
本発明の実施例による電力供給マイクログリッドシステムは、第5ノードに交流電力を印加する第2発電機をさらに含むことができる。
【0010】
本発明の実施例による電力供給マイクログリッドシステムの上記スイッチ部は、上記母線系統から上記第1ノードに交流電力が印加されなければ、上記第5ノードと上記第3ノードとを連結することができる。この場合、上記スイッチ部は、上記第2変換器が動作しないと、上記第5ノードと上記第4ノードとを連結することができる。
【0011】
本発明の他の実施例による電源供給システムは、母線系統から交流電力が印加される第1ノード、第1発電機から直流電力が印加され、第1負荷と連結する第2ノード、交流電力が印加され、第2負荷と連結する第3ノード、交流電力が印加され、第3負荷と連結する第4ノード、上記第2ノードの直流電力を交流電力に変換して出力する第1変換器、上記第2ノードの直流電力を交流電力に変換して出力する第2変換器、第2発電機から交流電力が印加される第5ノード、上記第1ノードまたは上記第5ノードを第6ノードと選択的に連結する第1スイッチ、上記第1ノードと第7ノードとの間に連結された第2スイッチ、上記第6ノードと上記第7ノードとの間に連結された第3スイッチ、上記第6ノードと上記第3ノードとの間に連結された第4スイッチ、上記第3ノードと上記第1変換器との間に連結された第5スイッチ、上記第2変換器と上記第4ノードとの間に連結された第6スイッチ、及び上記第7ノードと上記第4ノードとの間に連結された第7スイッチを含む。
【0012】
本発明の他の実施例による電源供給システムの上記第1スイッチは、自動切換スイッチであり、上記第2スイッチ、上記第5スイッチ、及び上記第6スイッチは、機械的接点を有するスイッチであり、上記第3スイッチ及び上記第7スイッチは、電子的接点を有するスイッチであることができる。
【0013】
本発明の他の実施例による電源供給システムは、上記第4スイッチと並列に連結される第8スイッチをさらに含み、上記第4スイッチは、電子的接点を有するスイッチであり、上記第8スイッチは、機械的接点を有するスイッチであることができる。
【0014】
本発明の他の実施例による電源供給システムは、上記母線系統と上記第1ノードとの間に連結される第9スイッチをさらに含むことができる。
【0015】
本発明の他の実施例による電源供給システムは、上記母線系統から上記第1ノードに交流電力が印加され、上記第1変換器及び上記第2変換器が正常の場合、上記第1スイッチは、上記第1ノードと上記第6ノードとを連結し、上記第2スイッチ、上記第4スイッチ、上記第5スイッチ、及び上記第7スイッチはオンになり、上記第3スイッチ及び上記第6スイッチはオフになることがある。
【0016】
本発明の他の実施例による電源供給システムは、上記母線系統から上記第1ノードに交流電力が印加されず、上記第1変換器及び上記第2変換器が正常の場合、上記第1スイッチは、上記第5ノードと上記第6ノードとを連結し、上記第4スイッチ、上記第5スイッチ、及び上記第6スイッチはオンになり、上記第2スイッチ、上記第3スイッチ、上記第7スイッチはオフになることがある。
【0017】
本発明の他の実施例による電源供給システムは、上記母線系統から上記第1ノードに交流電力が印加されず、上記第1変換器は正常であり、上記第2変換器は動作しない場合、上記第1スイッチは上記第5ノードと上記第6ノードとを連結し、上記第3スイッチ、上記第4スイッチ、上記第5スイッチ、及び上記第7スイッチはオンになり、上記第2スイッチ及び上記第6スイッチはオフになることがある。
【0018】
本発明の他の実施例による電源供給システムは、上記母線系統から上記第1ノードに交流電力が印加されず、上記第2変換器は正常であり、上記第1変換器は動作しない場合、上記第1スイッチは上記第5ノードと上記第6ノードとを連結し、上記第3スイッチ、上記第4スイッチ、上記第6スイッチ、及び上記第7スイッチはオンになり、上記第2スイッチ及び上記第5スイッチはオフになることがある。
【0019】
本発明の他の実施例による電源供給システムは、上記母線系統から上記第1ノードに交流電力が印加されず、上記第1変換器及び上記第2変換器は動作しない場合、上記第1スイッチは上記第5ノードと上記第6ノードとを連結し、上記第3スイッチ、上記第4スイッチ、及び上記第7スイッチはオンになり、上記第2スイッチ、上記第5スイッチ、及び上記第6スイッチはオフになることがある。
【0020】
本発明の他の実施例による電源供給システムは、上記第1変換器は、第3ノードの交流電力を直流電力に変換して出力する機能をさらに行う両方向コンバータであり、上記第2変換器はインバータであることができる。
【発明の効果】
【0021】
したがって、本発明の実施例による電力供給マイクログリッドシステムによると、電力系統に異常が発生したり、またはシステムを構成する一部構成要素に異常が発生しても途切れることなく電力を供給することができる。また、本発明の電力供給マイクログリッドシステムは、電力系統または変換器などを二重化させなくても途切れることなく電力供給が可能であることから、投資費用を減少させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施例による電力供給マイクログリッドシステムを概略的に示す図面である。
【
図2】
図1に示した本発明の一実施例による電力供給マイクログリッドシステムにおいて、異常が発生しない場合のエネルギーの流れを説明するための図面である。
【
図3】
図1に示した本発明の一実施例による電力供給マイクログリッドシステムにおいて、母線系統に異常が発生した場合のエネルギーの流れを説明するための図面である。
【
図4】
図1に示した本発明の一実施例による電力供給マイクログリッドシステムにおいて、母線系統及びインバータに異常が発生した場合のエネルギーの流れを説明するための図面である。
【
図5】
図1に示した本発明の一実施例による電力供給マイクログリッドシステムにおいて、母線系統及びコンバータに異常が発生した場合のエネルギーの流れを説明するための図面である。
【
図6】
図1に示した本発明の一実施例による電力供給マイクログリッドシステムにおいて、母線系統、コンバータ、及びインバータに異常が発生した場合のエネルギーの流れを説明するための図面である。
【
図7】
図1に示した本発明の一実施例による電力供給マイクログリッドシステムにおいて、母線系統、非常発電機、コンバータ、及びインバータに異常が発生した場合のエネルギーの流れを説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【0024】
図1は、本発明の一実施例による電力供給マイクログリッドシステムを概略的に示す図面である。本発明の一実施例による電力供給マイクログリッドシステムは、母線系統10、第1発電機20、第2発電機30、エネルギー貯蔵装置40、第1負荷51、第2負荷52、第3負荷53、及び複数個のスイッチ60、71、72、73、74、75、76、77、81、82、83、100から構成されたスイッチ部、コンバータ91、及びインバータ92を含むことができる。
【0025】
母線系統10は、第1ノードN1に交流AC電力を供給することができる。母線系統10は、外部の発電所などから第1ノードN1に電力を送電する系統であることができる。
【0026】
第1発電機20は、第2ノードN2に直流DC電力を供給することができる。第1発電機20は、太陽光発電機などの様々な形態の発電機であることができる。第1発電機20が太陽光発電機の場合、第1発電機20は、太陽光を入射して電力を生成する太陽電池などの太陽光発電設備21と、太陽光発電設備21が生成した電力を一定の電圧または一定の電流を有する直流電力に変換する変換器22を含むことができる。このとき、変換器22は、DC/DCコンバータであることができる。
【0027】
第2発電機30は、第5ノードN5に交流電力を供給することができる。第2発電機30は、ディーゼルエンジン発電機(diesel engine generator)であることができ、母線系統10から電力が供給されない場合には非常発電機として機能することができる。
【0028】
エネルギー貯蔵装置40は、第2ノードN2に供給された電力を利用してエネルギーを貯蔵するか、貯蔵されたエネルギーを第2ノードN2に供給することができる。エネルギー貯蔵装置40は、充電池などから構成されることができる。
【0029】
第1負荷51は、第3ノードN3と連結し、第3ノードN3を介して交流電力が供給されることができる。第1負荷51は、不完全な無停電特性を有することができる。すなわち、場合によっては、第1負荷51には交流電力が供給されない可能性もある。第1負荷51には、母線系統10から第1ノードN1に供給された交流電力、第2発電機20によって第2ノードN2に供給された直流電力が変換された交流電力、エネルギー貯蔵装置40によって第2ノードN2に供給された直流電力が変換された交流電力、及び第2発電機30によって第5ノードN5に供給された交流電力のうち少なくとも一つがスイッチ部を介して供給されることができる。
【0030】
第2負荷52は、第2ノードN2と連結し、第2ノードN2を介して直流電力が供給されることができる。第2負荷52は、完全な無停電特性を有することができる。すなわち、第2負荷52には、過電流遮断を除く如何なる状況でも常に直流電力が供給されるように実現することができる。第2負荷52には、第2発電機20によって第2ノードN2に供給された直流電力及びエネルギー貯蔵装置40によって第2ノードN2に供給された直流電力のうち少なくとも一つがスイッチ部を介して供給されることができる。場合によっては、第2負荷52は、母線系統10から第1ノードN1に供給された交流電力が変換された直流電力及び第2発電機30によって第5ノードN5に供給された交流電力が変換された直流電力のうち少なくとも一つがスイッチ部を介して供給されることもできる。
【0031】
第3負荷53は、第4ノードN4と連結し、第4ノードN4を介して交流電力が供給されることができる。第3負荷53は、第1負荷51に比べて相対的により完全な無停電特性を有することができる。すなわち、例外的な場合ではない限り、第3負荷53には交流電力が供給されるように実現することができる。第3負荷53には、母線系統10から第1ノードN1に供給された交流電力、第2発電機20によって第2ノードN2に供給された直流電力が変換された交流電力、エネルギー貯蔵装置40によって第2ノードN2に供給された直流電力が変換された交流電力、及び第2発電機30によって第5ノードN5に供給された交流電力のうち少なくとも一つがスイッチ部を介して供給されることができる。
【0032】
コンバータ91は、第2ノードN2の直流電力を交流電力に変換し、第3ノードN3に転送することができる。コンバータ91から出力される交流電力は、母線系統10から供給され、第3ノードN3に印加される交流電力または第2発電機30によって発生し、第3ノードN3に印加される交流電力と同一の位相を有するように調整することができる。またはコンバータ91は、第3ノードN2の交流電力を直流電力に変換して第2ノードN2に転送することができる。すなわち、コンバータ91は、両方向コンバータであることができる。
【0033】
インバータ92は、第2ノードN2の直流電力を交流電力に変換して第4ノードN4に転送することができる。インバータ92は、定電圧定周波数(constant voltage constant frequency:CVCF)インバータであることができる。
【0034】
スイッチ部は母線系統10、第2発電機30、コンバータ91、及びインバータ92の状態に応じて、互いに異なる電力伝達経路を形成することができる。
【0035】
スイッチ部は、第1ノードN1または第5ノードN5を第6ノードN6と連結するスイッチ60、第6ノードN6と第3ノードN3との間に連結されたスイッチ73、第6ノードN6と第3ノードN3との間に連結されたスイッチ81、第6ノードN6と第7ノードN7との間に連結されたスイッチ83、第1ノードN1と第7ノードN7との間に連結されたスイッチ72、第7ノードN7と第4ノードN4との間に連結されたスイッチ82、第3ノードN3とコンバータ91との間に連結されたスイッチ74、及びインバータ92と第4ノードN4との間に連結されたスイッチ75を含むことができる。
【0036】
スイッチ部は母線系統10と第1ノードN1との間に連結された少なくとも1つのスイッチ71、100、第2ノードN2とエネルギー貯蔵装置40との間に連結されたスイッチ76、及び第2ノードN2と第2負荷52との間に連結されたスイッチ77をさらに含むこともできる。スイッチ76、77は、特別な場合(例えば、過電流遮断が必要な場合)ではない限り、オン状態を維持することができる。また、スイッチ71、100は、母線系統10において異常が発生した場合ではない限り、オン状態を維持することができる。
【0037】
スイッチ60は、自動切換スイッチ(Automatic Transfer Switch:ATS)であることができ、スイッチ71、72、73、74、75、76、77は、配線用遮断器(Molded Case Circuit Breaker:MCCB)のような物理的接点を有するスイッチであることができ、スイッチ81、82、83は、スタティックトランスファースイッチ(Static Transfer Switch:STS)のような電子的接点を有するスイッチであることができる。スイッチ100は、気中遮断器(Air Circuit Breaker:ACB)であることができる。
【0038】
スイッチ部のスイッチのそれぞれの動作を、
図2~
図7を参照して説明する。
【0039】
また、本発明の電力供給マイクログリッドシステムは、スイッチ82と直列に連結されたインダクタをさらに含むこともできる。
【0040】
また、図示してはいないが、本発明の一実施例による電力供給マイクログリッドシステムは、母線系統10、第2発電機30、コンバータ91、及びインバータ92の状態を把握し、スイッチ部のスイッチを制御する制御部をさらに含むこともできる。
【0041】
図2は、
図1に示した本発明の一実施例による電力供給マイクログリッドシステムにおいて、異常が発生しない場合のエネルギーの流れを説明するための図面である。
【0042】
母線系統10、コンバータ91、及びインバータ92のすべてが正常に動作する場合、第2発電機30は動作しないこともある。
【0043】
また、この場合、第1ノードN1には、母線系統10から供給された交流電力が印加される。このため、スイッチ100、71がオンになることがある。
【0044】
また、第1ノードN1に印加された交流電力が第3負荷53に供給されることができる。このため、スイッチ72、82はオンになり、スイッチ75はオフになることがある。また、インバータ92は動作しないこともある。
【0045】
第1ノードN1に印加された交流電力及びコンバータ91によって変換された直流電力のうち少なくとも1つが第1負荷51に供給されることができる。このため、スイッチ60は、第1ノードN1と第6ノードN6を連結し、スイッチ73、81のうち少なくとも一つとスイッチ74がオンになり、スイッチ74がオンになることがある。また、スイッチ83はオフになることがある。
【0046】
また、この場合、第2ノードN2に印加された直流電力が第2負荷52に供給されることができる。このため、スイッチ77がオンになることがある。また、コンバータ91は、第3ノードN3に印加された交流電力を直流電力に変換して第2ノードN2に出力することもできる。
【0047】
図3は、
図1に示した本発明の一実施例による電力供給マイクログリッドシステムにおいて、母線系統に異常が発生した場合のエネルギーの流れを説明するための図面である。
【0048】
母線系統10に異常が発生し、第1ノードN1に交流電力が印加されない場合、第2発電機30が動作することができる。
【0049】
また、母線系統10に異常が発生し、第2発電機30、コンバータ91、及びインバータ92は動作する場合、第3負荷53にはインバータ92から出力された交流電力が供給される。このため、母線系統10に異常が発生した場合には、インバータ92が即座に動作し、スイッチ75がオンになることがある。したがって、母線系統10に異常が発生しても、母線系統10に異常が発生した時点から短い時間(例えば、4msec)以内に第3負荷53に交流電力が供給されることができる。すなわち、第3負荷53の電源障害時間は非常に短くなることがある。この場合、スイッチ72、82、83はオフになることがある。
【0050】
また、この場合、第1負荷51には第2発電機30が生成した交流電力が供給されることができる。このため、スイッチ60は第5ノードN5と第6ノードN6とを連結し、スイッチ73、81のうち少なくとも一つはオンになることがある。スイッチ83はオフになることがある。第1負荷51はコンバータ91から出力される交流電力が供給されることもできる。このため、コンバータ91は、第2ノードN2の直流電力を交流電力に変換して出力することができ、スイッチ74はオンになることがある。したがって、母線系統10に異常が発生した時点から一定の時間(例えば、100msec)以内に第1負荷51に交流電力が供給されることができる。また、この場合、コンバータ91から出力される交流電力は、第2発電機30によって発生し、第3ノードN3に印加される交流電力と同一の位相を有するように調整することができる。これにより、第2発電機30とコンバータ91が並列運転モードに転換され、したがって、第1負荷51により安定して電力を供給することができる。
【0051】
また、この場合、第2ノードN2に印加された直流電力が第2負荷52に供給されることができる。このため、スイッチ77がオンになることがある。また、コンバータ91は、第3ノードN3に印加された交流電力を直流電力に変換して第2ノードN2に出力することもできる。
【0052】
図4は、
図1に示した本発明の一実施例による電力供給マイクログリッドシステムにおいて、母線系統及びインバータに異常が発生した場合のエネルギーの流れを説明するための図面である。
【0053】
母線系統10に異常が発生し、第1ノードN1に交流電力が印加されない場合、第2発電機30が動作することができる。また、スイッチ60は、第5ノードN5を第6ノードN6と連結することができる。
【0054】
また、母線系統10及びインバータ92に異常が発生し、第2発電機30及びコンバータ91は正常に動作する場合、第3負荷53には第2発電機30が生成した交流電力が供給されることができる。このため、スイッチ83、82がオンになることがあり、スイッチ75はオフになることがある。また、第3負荷53にはコンバータ91から出力される交流電力が供給されることもできる。このため、コンバータ91は、第2ノードN2の直流電力を交流電力に変換して出力することができ、スイッチ74はオンになることがある。
【0055】
また、この場合、第1負荷51には第2発電機30が生成した交流電力が供給されることができる。このため、スイッチ60は、第5ノードN5と第6ノードN6とを連結し、スイッチ73、81のうち少なくとも一つはオンになることがあり、スイッチ83はオフになることがある。第1負荷51にはコンバータ91から出力される交流電力が供給されることもできる。このため、コンバータ91は第2ノードN2の直流電力を交流電力に変換して出力することができ、スイッチ74はオンになることがある。したがって、母線系統10に異常が発生した時点から一定の時間(例えば、100msec)以内に第1負荷51に交流電力が供給されることができる。
【0056】
また、この場合、第2ノードN2に印加された直流電力が第2負荷52に供給されることができる。このため、スイッチ77がオンになることがある。また、コンバータ91は第3ノードN3に印加された交流電力を直流電力に変換して第2ノードN2に出力することもできる。
【0057】
すなわち、
図4の場合において、第2発電機30とコンバータ91が並列運転モードで動作することができる。したがって、第1負荷51及び第3負荷53に電力がより安定して供給されることができる。
【0058】
図5は、
図1に示した本発明の一実施例による電力供給マイクログリッドシステムにおいて、母線系統及びコンバータに異常が発生した場合のエネルギーの流れを説明するための図面である。
【0059】
母線系統10に異常が発生し、第1ノードN1に交流電力が印加されない場合、第2発電機30が動作することができる。また、スイッチ60は、第5ノードN5を第6ノードN6と連結することができる。
【0060】
母線系統10及びコンバータ91に異常が発生し、第2発電機30及びインバータ92が動作する場合、第3負荷53にはインバータ92から出力された交流電力が供給される。このため、スイッチ75がオンになることがあり、スイッチ72はオフになることがある。
【0061】
また、この場合、第1負荷51には第2発電機30が生成した交流電力が供給されることができる。このため、スイッチ60は、第5ノードN5と第6ノードN6とを連結し、スイッチ73、81のうち少なくとも一つはオンになることがあり、スイッチ74はオフになることがある。第1負荷51にはインバータ92から出力される交流電力が供給されることもできる。このため、スイッチ75、82、83がオンになることがある。また、この場合、インバータ92から出力される交流電力は、第2発電機30によって発生し、第3ノードN3に印加される交流電力と同一の位相を有するように調整されることができる。すなわち、第2発電機30とインバータ92が並列運転モードで動作することで、第1負荷51に電力がより安定して供給されることができる。
【0062】
また、この場合、第2ノードN2に印加された直流電力が第2負荷52に供給されることができる。このため、スイッチ77がオンになることがある。
【0063】
図6は、
図1に示した本発明の一実施例による電力供給マイクログリッドシステムにおいて、母線系統、コンバータ、及びインバータに異常が発生した場合のエネルギーの流れを説明するための図面である。
【0064】
母線系統10に異常が発生し、第1ノードN1に交流電力が印加されない場合、第2発電機30が動作することができる。また、スイッチ60は第5ノードN5を第6ノードN6と連結することができる。
【0065】
また、母線系統10、コンバータ91、及びインバータ92に異常が発生し、第2発電機30は正常に動作する場合、第3負荷53には第2発電機30が生成した交流電力が供給される。このため、スイッチ83、82がオンになることがあり、スイッチ75はオフになることがある。
【0066】
また、この場合、第1負荷51には第2発電機30が生成した交流電力が供給されることができる。このため、スイッチ60は第5ノードN5と第6ノードN6を連結し、スイッチ73、81のうち少なくとも一つはオンになることがあり、スイッチ74はオフになることがある。
【0067】
また、この場合、第2ノードN2に印加された直流電力が第2負荷52に供給されることができる。このため、スイッチ77がオンになることがある。
【0068】
図7は、
図1に示した本発明の一実施例による電力供給マイクログリッドシステムにおいて、母線系統、非常発電機、コンバータ、及びインバータに異常が発生した場合のエネルギーの流れを説明するための図面である。
【0069】
母線系統10、非常発電機30、コンバータ91、及びインバータ92に異常が発生した場合、第2ノードN2に印加された直流電力が第2負荷52に供給されることができる。このため、スイッチ77がオンになることがある。
【0070】
また、この場合、第1負荷51及び第3負荷53には電力が供給されないことがある。
【0071】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。