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特許7193645トレランスリング、アセンブリ、ならびにその作製および使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】トレランスリング、アセンブリ、ならびにその作製および使用方法
(51)【国際特許分類】
   F16D 7/02 20060101AFI20221213BHJP
   F16D 1/09 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
F16D7/02 F
F16D7/02 A
F16D1/09 300
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021536771
(86)(22)【出願日】2019-12-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-18
(86)【国際出願番号】 EP2019087184
(87)【国際公開番号】W WO2020141169
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-06-23
(31)【優先権主張番号】62/786,878
(32)【優先日】2018-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】310004529
【氏名又は名称】サン-ゴバン パフォーマンス プラスティックス レンコール リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャイルズ、トーマス
【審査官】稲村 正義
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/144628(WO,A1)
【文献】特開2008-38990(JP,A)
【文献】特開2018-176756(JP,A)
【文献】特開平4-236815(JP,A)
【文献】特開平10-331846(JP,A)
【文献】実開昭57-177510(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0283457(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 1/00,7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレランスリングであって、
半径方向内向きまたは外向きのうちの少なくとも一方に延在し、かつ第1および第2の端部でそれぞれ終端する第1および第2の端部分を有する、複数の波状部を備える、トレランスリング側壁を備え、前記トレランスリングが、前記トレランスリング側壁の周方向長さLを二分する位置で測定される、第1の曲率半径Rを有し、前記トレランスリング側壁の前記第1および第2の端部分のうちの1つに沿って測定される、第2の曲率半径Rを有し、R が負であり、かつRが正である、トレランスリング。
【請求項2】
トレランスリングであって、
半径方向内向きまたは外向きのうちの少なくとも一方に延在し、かつ第1および第2の端部でそれぞれ終端する第1および第2の端部分を有する、複数の波状部を備える、トレランスリング側壁を備え、取り付けられていない非付勢状態において、前記トレランスリングが、180°以下にわたる円周を有し、取り付けられた状態において、前記トレランスリングが、内側部材と外側部材との間に展開したときに変形して、少なくとも300°にわたる円周を有する、トレランスリング。
【請求項3】
パッケージ化された物品であって、
パッケージと、
前記パッケージ内に入れ子にされた複数のトレランスリングと、を備え、前記トレランスリングの各々が、半径方向内向きまたは外向きのうちの少なくとも一方に延在し、かつ第1および第2の端部でそれぞれ終端する第1および第2の端部分を有する、複数の波状部を備え、各トレランスリングが、180°以下にわたる円周を有する、パッケージ化された物品。
【請求項4】
0.5|R|が、|R|よりも大きい、請求項1に記載のトレランスリング。
【請求項5】
|R|が、|R|とは少なくとも10%異なる、請求項4に記載のトレランスリング。
【請求項6】
前記トレランスリング側壁が、単一の一体的帯状材料を含む、請求項2に記載のトレランスリング。
【請求項7】
前記パッケージ化された物品が、機械化された構造体構成要素とインターフェースして、トレランスリングを繰り返し取り出し、操作するように適合される、請求項3に記載のパッケージ化された物品。
【請求項8】
前記複数のトレランスリングが、少なくとも10個のトレランスリングを備える、請求項3に記載のパッケージ化された物品。
【請求項9】
前記トレランスリングが、基板を備える、請求項1~3のいずれかに記載のトレランスリングまたはパッケージ化された物品。
【請求項10】
前記基板が、金属を含む、請求項9に記載のトレランスリングまたはパッケージ化された物品。
【請求項11】
前記トレランスリングが、前記基板を覆うコーティングをさらに含む、請求項9に記載のトレランスリングまたはパッケージ化された物品。
【請求項12】
前記コーティングが、減衰材料を含む、請求項11に記載のトレランスリングまたはパッケージ化された物品。
【請求項13】
前記コーティングが、熱伝達材料を含む、請求項11に記載のトレランスリングまたはパッケージ化された物品。
【請求項14】
前記コーティングが、腐食保護材料を含む、請求項11に記載のトレランスリングまたはパッケージ化された物品。
【請求項15】
前記トレランスリングが、10°以上である円弧にわたる周方向長さLを有する、請求項1に記載のトレランスリング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トレランスリング、トレランスリングアセンブリに関し、より具体的には、アセンブリ内のトレランスリングのパッケージ化、取り付け、および使用に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、トレランスリングは、モータ、交流発電機、ポンプ、ステアリング、またはハードディスクドライブアセンブリなどの、トルクを伝送するように適合されたアセンブリ内の、正確な寸法に加工することができない2つの隣接した構成要素の間に干渉嵌合を提供する既知のデバイスである。具体的には、トレランスリングは、シャフトおよびシャフト用のハウジング構成要素などの、円筒形の構成要素の間に干渉嵌合を提供する。トレランスリングは、迅速な装置の組み立ておよび耐久性を可能にする、部品間の異なる膨張係数を補償することなどの、いくつかの他の潜在的利点を有する。
【0003】
典型的に、トレランスリングは、帯状の弾性材料、例えば金属を含み、その端部は、接合してまたは重ねわせて、リングを、または端部の間に空隙を有する実質的に完全な円を形成する。いくつかのリングの場合、結果として生じる空隙は、リングの使用中に、パッケージ化中に、および出荷中に引っ掛かり得るような大きさであり得、潜在的にトレランスリングに損傷を与え、ユーザの人手による作業負荷を増加させる。したがって、アセンブリの十分な性能を提供するが、より簡単な使用、パッケージ化、組み立て、および出荷を可能にするトレランスリングに対する必要性が引き続き存在している。
【図面の簡単な説明】
【0004】
実施形態は、例として示されており、添付の図に限定されない。
【0005】
図1】一実施形態によるトレランスリングを生成する方法を含む。
図2A】一実施形態によるトレランスリングの断面図を含む。
図2B】一実施形態によるトレランスリングの断面図を含む。
図2C】一実施形態によるトレランスリングの断面図を含む。
図2D】一実施形態によるトレランスリングの断面図を含む。
図3】一実施形態による、アセンブリ内の組み立てたトレランスリングの上面図を含む。
図4A】一実施形態によるトレランスリングの側面斜視図を含む。
図4B】一実施形態によるトレランスリングの側面斜視図を含む。
図4C】一実施形態によるトレランスリングの側面斜視図を含む。
図5】先行技術のトレランスリングと比較した、一実施形態によるトレランスリングの取り付け上面図を含む。
図6】一実施形態による複数のトレランスリングを含む、パッケージ化された物品の上面図を含む。
図7A】一実施形態による、トレランスリングの曲率半径に沿った位置とその円周に沿った位置とを対比した表を含む。
図7B】一実施形態による複数のトレランスリングの変形を示すグラフを含む、
【0006】
当業者は、図中の要素が単純化および明瞭化のために示されており、必ずしも縮尺どおりに描かれていないことを理解している。例えば、図中の要素のいくつかの寸法は、本発明の実施形態の理解を改善するのを助けるために、他の要素に対して誇張されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図面と組み合わせた以下の説明は、本明細書に開示される教示を理解するのを助けるために提供される。以下の説明は、本教示の具体的な実装および実施形態に焦点を合わせるであろう。この焦点は、本教示を説明するのを助けるために提供されており、本教示の範囲または適用性に対する限定として解釈されるべきではない。しかしながら、本出願で開示される教示に基づいて他の実施形態を使用することができる。
【0008】
用語「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、またはその任意の他の変形は、非排他的包含を含むことを意図している。例えば、特徴のリストを備える方法、物品、または装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されず、そのような方法、物品、または装置に明示的にリスト化されていないかまたは固有ではない他の特徴を含んでもよい。さらに、明示的にそうではないことが述べられていない限り、「または(or)」は、包含的な「または」を指し、排他的な「または」を意味しない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つによって満たされる。Aは真(または存在する)かつBは偽(または存在しない)、Aは偽(または存在しない)かつBは真(または存在する)、およびAとBの両方が真(または存在する)である。
【0009】
また、「1つ(a)」または「1つ(an)」の使用は、本明細書に記載の要素および構成要素を説明するために使用される。これは単に便宜上および本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行われている。この説明は、他を意味することが明確でない限り、1つ、少なくとも1つ、または複数も含む単数形、またはその逆を含むように読む必要がある。例えば、本明細書で単一の実施形態が説明される場合、単一の実施形態の代わりに2つ以上の実施形態が使用されることができる。同様に、本明細書で2つ以上の実施形態が説明される場合、単一の実施形態は、その2つ以上の実施形態の代わりにすることができる。
【0010】
他に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。材料、方法、および例は、例示的なものにすぎず、限定的であることを意図しない。本明細書で説明しない範囲で、具体的な材料および処理作用に関する多くの詳細は、従来的なものであり、トレランスリングおよびトレランスリングアセンブリ技術の範囲内の教科書および他のソースに見出され得る。
【0011】
本明細書で説明する実施形態は、一般に、トレランスリング、ならびにアセンブリ内でトレランスリングを作製および使用する方法を対象とする。特定の実施形態では、トレランスリングは、半径方向内向きまたは外向きのうちの少なくとも一方に延在し、かつ第1および第2の端部でそれぞれ終端する第1および第2の端部分を有する複数の波状部を含む、トレランスリング側壁を有することができ、トレランスリングは、トレランスリング側壁の周方向長さLを二分する位置で測定される、第1の曲率半径Rを有し、トレランスリング側壁の第1および第2の端部分のうちの1つに沿って測定される、第2の曲率半径Rを有し、1)RがRよりも大きいか、または2)Rが負であり、かつRが正である、のうちの少なくとも1つである。他の特定の実施形態では、トレランスリングは、半径方向内向きまたは外向きのうちの少なくとも一方に延在し、かつ第1および第2の端部でそれぞれ終端する第1および第2の端部分を有する複数の波状部を含む、トレランスリング側壁を有することができ、取り付けられていない非付勢状態において、トレランスリングは、180°以下にわたる円周を有し、取り付けられた状態において、トレランスリングは、内側部材と外側部材との間に展開したときに変形して、少なくとも300°にわたる円周を有する。他の特定の実施形態では、トレランスリングは、パッケージと、パッケージ内に入れ子にされた複数のトレランスリングと、を含む、パッケージ化された物品の一部であり得、トレランスリングの各々は、半径方向内向きまたは外向きのうちの少なくとも一方に延在し、かつ第1および第2の端部でそれぞれ終端する第1および第2の端部分を有する複数の波状部を含み、各トレランスリングは、180°以下にわたる円周を有する。他の特定の実施形態では、トレランスリングは、内側部材、外側部材、および内側部材と外側部材との間に配置されたトレランスリングを含むアセンブリの一部であり得、トレランスリングは、半径方向内向きまたは外向きのうちの少なくとも一方に延在し、かつ第1および第2の端部でそれぞれ終端する第1および第2の端部分を有する複数の波状部を含む、トレランスリング側壁を含み、取り付けられていない非付勢状態において、トレランスリングは、180°以下にわたる円周を有し、取り付けられた状態において、トレランスリングは、内側部材と外側部材との間に展開したときに変形して、少なくとも300°にわたる円周を有する。他の特定の実施形態では、トレランスリングは、内側部材を提供することと、外側部材を提供することと、内側部材と外側部材との間のトレランスリングを提供することであって、トレランスリングは、半径方向内向きまたは外向きのうちの少なくとも一方に延在し、かつ第1および第2の端部でそれぞれ終端する第1および第2の端部分を有する複数の波状部を含む、トレランスリング側壁を含み、取り付けられていない非付勢状態において、トレランスリングは、180°以下にわたる円周を有する、提供することと、トレランスリングが、内側部材と外側部材との間に展開したときに変形して、少なくとも300°にわたる円周を有することと、を含む、方法の一部であり得る。
【0012】
例示を目的として、図1は、トレランスリングを形成するための形成プロセス10を示す線図を含む。形成プロセス10は、基板を含む材料または複合材料を提供する、第1のステップ12を含むことができる。随意に、形成プロセス10は、材料または複合材料の端部をカールさせて、トレランスリングを形成する、第2のステップ14をさらに含むことができる。
【0013】
図2Aは、形成プロセス10の第1のステップ12の、トレランスリングに形成することができる材料1000の例示を含む。トレランスリングは、基板1119を含むことができる。実施形態では、基材1119は、少なくとも部分的に金属を含むことができる。特定の実施形態によれば、金属としては、鉄、銅、チタン、スズ、アルミニウム、それらの合金を挙げることができ、または別の種類の金属であり得る。より具体的には、基板1119は、ステンレス鋼、炭素鋼、またはばね鋼などの鋼を少なくとも部分的に含むことができる。例えば、基板1119は、301ステンレス鋼を少なくとも部分的に含むことができる。301ステンレス鋼は、焼鈍、1/4硬質、1/2硬質、3/4硬質、または完全硬質であり得る。さらに、鋼としては、クロム、ニッケル、またはこれらの組み合わせを含むステンレス鋼を挙げることができる。例えば、鋼は、X10CrNil8-8ステンレス鋼とすることができる。さらに、トレランスリングは、≧350、例えば、≧375、≧400、≧425、または≧450であり得る、ビッカースピラミッド硬度数VPNを含むことができる。VPNはまた、≦500、≦475、または≦450であり得る。VPNはまた、本明細書で説明するVPN値のいずれか間で、かつそれらを含む範囲内であり得る。別の態様では、トレランスリングは、その耐腐食性を高めるように処理することができる。具体的には、トレランスリングは、不動態化することができる。例えば、トレランスリングは、ASTM規格A967に従って、不動態化することができる。別の態様では、鋼としては、炭素鋼を挙げることができる。基板1119は、面取り、旋削、リーマ仕上げ、鍛造、押出、成型、焼結、圧延、または鋳造、のうちの少なくとも1つによって形成することができる。
【0014】
基板1119は、約1ミクロン~約1000ミクロン、例えば、約50ミクロン~約500ミクロン、例えば、約100ミクロン~約250ミクロン、例えば、約75ミクロン~約150ミクロンの厚さTsを有することができる。いくつかの実施形態では、基板1119は、約100~500ミクロンの厚さTsを有することができる。いくつかの実施形態では、基板1119は、約350~450ミクロンの厚さTsを有することができる。基板1119の厚さTsは、上記の最小値および最大値の任意の間の任意の値であり得ることがさらに認識されるであろう。基板1119の厚さは、均一であり得、すなわち、基板1119の第1の位置での厚さは、それに沿った第2の位置での厚さに等しくなり得る。基板1119の厚さは、不均一であり得、すなわち、基板1119の第1の位置での厚さは、それに沿った第2の位置での厚さとは異なり得る。
【0015】
図2Bは、形成プロセス10の第1のステップ12の、トレランスリングに形成することができる、材料1000の代替の複合材料1001の例示を含む。例示を目的として、図2Bは、トレランスリングの複合材料1001の多層構成を示す。いくつかの実施形態では、複合材料1001は、(上で述べた)基板1119と、基板1119を覆うコーティング1104と、を含むことができる。より特定の実施形態では、複合材料1001は、基板1119と、基板1119を覆う複数の1つのコーティング1104と、を含むことができる。図2Bに示すように、コーティング1104は、基板1119の少なくとも一部分に結合させることができる。特定の実施形態では、コーティング1104は、別の構成要素の別の表面とのインターフェースを形成するように、基板表面1119に結合させることができる。コーティング1104は、半径方向内側の基板表面1119に結合させることができる。あるいは、コーティング1104は、半径方向外側の基板表面1119に結合させることができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、コーティング1104は、減衰材料を含むことができる。減衰材料としては、天然ポリイソプレン、合成ポリイソプレン、ポリブタジエン、クロロプレンゴム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレン、ゴム、エピクロロヒドリンゴム、ポリアクリル酸ゴム、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フルオロエラストマー、パーフルオロエラストマー、ポリエーテルブロックアミド、ビチューメン、ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、エチルビニルアセテート(EVA)、EVA発泡体、低密度ポリエチレン発泡体、ニトリルゴム発泡体、ポリクロロプレン発泡体、ポリイミド発泡体、ポリプロピレン発泡体、ポリウレタン発泡体、ポリスチレン発泡体、ポリ塩化ビニル発泡体、シリコーン発泡体、発泡ゴム、ポリウレタン発泡体、XPS発泡体、エポキシ発泡体、フェノール発泡体、またはそれらの任意の組み合わせを挙げることができる。減衰層104は、リチウム石鹸、ラテックス、グラファイト、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、ポリテトラフルオロエチレン、窒化炭素、炭化タングステン、またはダイヤモンド状炭素、金属(アルミニウム、亜鉛、銅、マグネシウム、スズ、プラチナ、チタン、タングステン、鉄、青銅、鋼、ばね鋼、ステンレス鋼など)、金属合金(列記した金属を含む)、陽極酸化金属(列記した金属を含む)、またはそれらの任意の組み合わせを含む、固体系材料を含むことができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、コーティング1104は、熱伝達材料を含むことができる。熱伝達材料は、金属を含むことができる。特定の実施形態によれば、金属としては、鉄、銅、チタン、スズ、アルミニウム、マグネシウム、グラフェン、それらの合金を挙げることができ、または別の種類の金属であり得る。いくつかの実施形態では、コーティング1104は、高摩擦材料を含むことができる。高摩擦材料は、アルミニウムフレーク塗料、機械亜鉛、シリコーン、接着剤(接着剤層について下に列記するものを含む)を含むことができ、または別の種類の高摩擦材料であり得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、コーティング1104は、ガラス繊維、炭素繊維、シリコン、PEEK、芳香族ポリエステル、炭素粒子、青銅、フルオロポリマー、熱可塑性フィラー、酸化アルミニウム、ポリアミドイミド(PAI)、PPS、ポリフェニレンスルホン(PPSO2)、LCP、芳香族ポリエステル、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、グラフェン、膨張グラファイト、窒化ホウ素、タルク、フッ化カルシウム、またはそれらの任意の組み合わせを含む、フィラーをさらに含むことができる。さらに、フィラーは、アルミナ、シリカ、二酸化チタン、フッ化カルシウム、窒化ホウ素、雲母、ウォラストナイト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニア、カーボンブラック、顔料、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。フィラーは、ビーズ、繊維、粉末、メッシュ、またはそれらの任意の組み合わせの形態とすることができる。
【0019】
一実施形態では、コーティング1104は、約1ミクロン~約500ミクロン、例えば、約10ミクロン~約250ミクロン、例えば、約30ミクロン~約150ミクロン、例えば、約40ミクロン~約100ミクロンの厚さTLFLを有することができる。いくつかの実施形態ではて、コーティング1104は、約50~250ミクロンの厚さTLFLを有することができる。コーティング1104の厚さTLFLは、上記の最小値および最大値の任意の間の任意の値であり得ることがさらに認識されるであろう。コーティング1104の厚さは、均一であり得、すなわち、コーティング1104の第1の位置での厚さは、それに沿った第2の位置での厚さに等しくなり得る。コーティング1104の厚さは、不均一であり得、すなわち、コーティング1104の第1の位置での厚さは、それに沿った第2の位置での厚さと異なり得る。異なるコーティング1104が異なる厚さを有し得ることを認識することができる。コーティング1104は、示す基板1119の一方の主表面を覆うこと、または両方の主表面を覆うことができる。基板1119は、コーティング1104によって少なくとも部分的にカプセル化することができる。すなわち、コーティング1104は、基板1119の少なくとも一部分を覆うことができる。基板1119の軸方向表面は、コーティング1104から露出させることができる。
【0020】
図2Cは、形成プロセス10の第1のステップ12の、トレランスリングに形成することができる、材料1000、1001の代替の、複合材料1002の代替の実施形態の例示を含む。例示を目的として、図2Cは、トレランスリングの複合材料1002の多層構成を示す。この特定の実施形態によれば、この複合材料1002がまた、コーティング1104を基板1119およびコーティング1104に結合させることができる少なくとも1つの接着剤層1121も含むことができることを除いて、複合材料1002は、図2Bの複合材料1001と類似し得る。他の代替実施形態では、基板1119は、固体構成要素、織布メッシュ、または膨張金属グリッドとして、コーティング1104と基板1119との間に含まれる少なくとも1つの接着剤層1121の間に埋設することができる。
【0021】
接着層1121は、これらに限定されるものではないが、フルオロポリマー、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテル/ポリアミドコポリマー、エチレン酢酸ビニル、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ETFEコポリマー、パーフルオロアルコキシ(PFA)、またはそれらの任意の組み合わせを含むリング技術に一般的な任意の公知の接着材料を含むことができる。さらに、接着剤は、-C=O、-C-O-R、-COH、-COOH、-COOR、-CF=CF-OR、またはそれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1つの官能基を含むことができ、Rは、1~20個の炭素原子を含有する環状または線状の有機基である。さらに、接着剤は、コポリマーを含むことができる。一実施形態では、ホットメルト接着剤は、250℃以下、例えば、220℃以下の融点を有することができる。別の実施形態では、接着剤は、200℃超、例えば、220℃超で破壊し得る。さらなる実施形態では、ホットメルト接着剤の融解温度は、250℃超、さらには300℃超であり得る。接着剤層1121は、約1ミクロン~約500ミクロン、例えば、約10ミクロン~約250ミクロン、例えば、約30ミクロン~約150ミクロン、例えば、約40ミクロン~約100ミクロンの厚さTALを有することができる。いくつかの実施形態では、接着剤層1121は、約50~250ミクロンの厚さTALを有することができる。いくつかの実施形態では、接着剤層1121は、約80~120ミクロンの厚さTALを有することができる。接着剤層1121の厚さTALは、上記の最小値および最大値の任意の間の任意の値であり得ることがさらに認識されるであろう。接着剤層1121の厚さは、均一であり得、すなわち、接着剤層1121の第1の位置での厚さは、それに沿った第2の位置での厚さに等しくなり得る。接着剤層1121の厚さは、不均一であり得、すなわち、接着剤層1121の第1の位置での厚さは、それに沿った第2の位置での厚さとは異なり得る。
【0022】
図2Dは、形成プロセス10の第1のステップ12の、トレランスリングに形成することができる、材料1000、1001、1002の代替の、複合材料1003の代替の実施形態の例示を含む。例示を目的として、図2Dは、トレランスリングの複合材料1003の多層構成を示す。この特定の実施形態によれば、この複合材料1003がまた、少なくとも1つの腐食保護層1704、1705、および1708、ならびに基板1119およびコーティング1104に結合させることができる接着促進剤層1127およびエポキシ層1129を含むことができる耐食性コーティング1124も含むことができることを除いて、複合材料1003は、図2Bの複合材料1002と類似し得る。
【0023】
基板1119は、処理前の複合材料1003の腐食を防止するために、腐食保護材料を含む腐食保護層1704および1705でコーティングすることができる。さらに、腐食保護層1708は、層1704の上に塗布され得る。層1704、1705、および1708のそれぞれは、約7から15ミクロンなど、約1から50ミクロンの厚さを有することができる。層1704および1705は、リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸マンガン、またはそれらの任意の組み合わせを含む腐食保護材料、またはナノセラミック層を含むことができる。さらに、層1704および1705は、官能性シラン、ナノスケールシラン系プライマー、加水分解シラン、オルガノシラン接着促進剤、溶媒/水系シランプライマー、塩素化ポリオレフィン、不動態化表面、市販の亜鉛(機械的/ガルバニック)もしくは亜鉛ニッケルコーティング、またはそれらの任意の組み合わせを含む、腐食防止材料を含むことができる。層1708は、官能性シラン、ナノスケールシラン系プライマー、加水分解シラン、オルガノシラン接着促進剤、溶媒/水系シランプライマーを含むことができる。腐食保護層1704、1706、および1708は、処理中に除去または保持されることができる。
【0024】
上で述べたように、複合材料1003は、耐食性コーティング1125をさらに含むことができる。耐食性コーティング1125は、約5から20ミクロン、および約7から15ミクロンなど、約1から50ミクロンの厚さを有することができる。耐食性コーティング1125は、接着促進剤層1127およびエポキシ層1129を含むことができる。接着促進剤層1127は、リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸マンガン、リン酸スズ、またはそれらの任意の組み合わせを含む腐食保護材料、またはナノセラミック層を含むことができる。接着促進剤層1127は、官能性シラン、ナノスケールシラン系の層、加水分解シラン、オルガノシラン接着促進剤、溶媒/水系シランプライマー、塩素化ポリオレフィン、不動態化表面、市販の亜鉛(機械的/ガルバニック)もしくは亜鉛ニッケルコーティング、またはそれらの任意の組み合わせを含む、腐食保護材料を含むことができる。接着促進剤層1127は、スプレーコーティング、eコーティング、ディップスピンコーティング、静電コーティング、フローコーティング、ロールコーティング、ナイフコーティング、コイルコーティング、などによって塗布することができる。
【0025】
エポキシ層1129は、熱硬化エポキシ、UV硬化エポキシ、IR硬化エポキシ、電子ビーム硬化エポキシ、放射線硬化エポキシ、または空気硬化エポキシを含む、腐食保護材料とすることができる。さらに、エポキシ層1129は、ポリグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、ビスフェノールA、ビスフェノールF、オキシラン、オキサシクロプロパン、エチレンオキシド、1,2-エポキシプロパン、2-メチルオキシラン、9,10-エポキシ-9,10-ジヒドロアントラセン、またはそれらの任意の組み合わせを含む、腐食保護材料を含むことができる。エポキシ層1129は、硬化剤をさらに含むことができる。硬化剤は、アミン、酸無水物、フェノールノボラックポリ[N-(4-ヒドロキシフェニル)マレイミド](PHPMI)などのフェノールノボラック硬化剤、レゾールフェノールホルムアルデヒド、脂肪アミン化合物、ポリカルボン酸無水物、ポリアクリレート、イソシアネート、カプセル化ポリイソシアネート、三フッ化ホウ素アミン錯体、クロミウムなどのクロム系硬化剤、ポリアミド、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。一般に、酸無水物は、式R-C=O-O-C=O-R’に適合することができ、Rは、上述したようにCとすることができる。アミンは、モノエチルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミンなどの脂肪族アミン、脂環式アミン、環状脂肪族アミン、環状脂肪族アミン、アミドアミン、ポリアミド、ジシアンジアミド、イミダゾール誘導体などの芳香族アミン、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。一般に、アミンは、式RNに適合する第一級アミン、第二級アミン、または第三級アミンとすることができ、ここで、Rは、上で説明したようにCとすることができる。一実施形態では、エポキシ層1129は、炭素フィラー、炭素繊維、炭素粒子、黒鉛、青銅、アルミニウム、および他の金属材料、ならびにそれらの合金などの金属フィラー、金属酸化物フィラー、金属コーティング炭素フィラー、金属コーティングポリマーフィラー、またはそれらの任意の組み合わせなどの、導電率を向上させるためのフィラーを含むことができる。導電性フィラーは、電流がエポキシコーティングを通過することを可能にすることができ、導電性フィラーのないコーティングされたブッシングと比較して、複合材料の導電率を高めることができる。一実施形態では、エポキシ層1129は、スプレーコーティング、eコーティング、ディップスピンコーティング、静電コーティング、フローコーティング、ロールコーティング、ナイフコーティング、コイルコーティング、などによって塗布することができる。さらに、エポキシ層1129は、熱硬化、UV硬化、IR硬化、電子ビーム硬化、照射硬化、またはそれらの任意の組み合わせなどによって硬化させることができる。好ましくは、コーティング1104、接着剤層1121、基板1119、または接着促進剤層1127のいずれの降伏温度も超えて構成要素の温度を上昇させることなく、硬化を達成することができる。したがって、エポキシは、約250℃未満で、さらには約200℃未満で硬化し得る。
【0026】
一実施形態では、図1のステップ12の下で、上で説明した材料または複合材料1000、1001、1002、1003上の層のいずれかは、各々をロール状に配置し、そこから剥がして、圧力下で、高温(熱間プレスもしくは圧延、または冷間プレスもしくは圧延)で、接着剤によって、またはそれらの任意の組み合わせによって、共に接合することができる。上で説明した材料または複合材料1000、1001、1002、1003の層のいずれかは、それらが少なくとも部分的に互いに重なるよって、共に積層させることができる。上で説明した材料または複合材料1000、1001、1002、1003の層のいずれかは、例えば、物理蒸着または気相蒸着、スプレー、めっき、粉末コーティングなどのコーティング技術を使用して、または他の化学技術もしくは電気化学技術を通して、共に塗布することができる。特定の実施形態では、コーティング1104は、例えば、押出コーティングを含む、ロールツーロールコーティングプロセスによって塗布することができる。コーティング1104は、溶融状態または半溶融状態に加熱して、スロットダイを通して基板1119の主表面上へ押出することができる。別の実施形態では、コーティング1104は、鋳造または成型することができる。一実施形態では、材料または複合材料1000、1001、1002、1003は、単一の一体的帯状材料であり得る。
【0027】
他の実施形態では、図1のステップ12の下で、上で説明した材料または複合材料1000、1001、1002、1003上の層のいずれかは、例えば、物理蒸着または気相蒸着、スプレー、めっき、粉末コーティングなどのコーティング技術によって、または他の化学技術もしくは電気化学技術を通して、共に塗布することができる。特定の実施形態では、コーティング1104は、例えば、押出コーティングを含む、ロールツーロールコーティングプロセスによって塗布することができる。コーティング1104は、溶融状態または半溶融状態に加熱して、スロットダイを通して基板1119の主表面上へ押出することができる。別の実施形態では、コーティング1104は、鋳造または成型することができる。
【0028】
一実施形態では、コーティング1104または任意の層は、溶融接着剤層1121を使用して基板1119に接着して、積層体を形成することができる。一実施形態では、材料または複合材料1000、1001、1002、1003上の介在層または未処理層のうちのいずれも、積層体を形成することができる。積層体は、トレランスリングに形成することができる帯状板またはブランク材に切断することができる。積層体の切断は、スタンプ、プレス、パンチ、ソーの使用を含み得るか、または異なる方法で機械加工され得る。積層体を切断することで、基板1119の露出部を含む切断縁部を作製することができる。
【0029】
一実施形態では、図1のステップ14の下で、ブランク材は、積層帯状板またはブランク材の端部をカールさせることによって、トレランスリングに形成することができる。トレランスリングは、スタンプ、プレス、パンチ、ソー、圧延、フランジングによって形成することができ、または異なる方法で機械加工することができる。
【0030】
次に、本明細書で説明する実施形態に従って形成されるトレランスリングを参照すると、図3は、アセンブリ500内のトレランスリング200の上面図例示を含む。アセンブリ500は、内側部材204と、外側部材206と、をさらに含むことができる。図3に例示し、下でさらに詳細に説明するように、トレランスリング200は、アセンブリ500内で、内側部材204と外側部材206との間に取り付けるまたは配置することができる。具体的には、外側部材206は、ボア202と共に形成することができ、内側部材204は、ボア202内に取り付けることができる。さらに、トレランスリング200は、ボア202内で内側部材204と外側部材206との間に取り付けることができる。トレランスリング200は、干渉嵌合で内側部材204を干渉の外側部材206内に維持するために、ボア202の外側部材206の内壁および内側部材204の外壁を係合するように構成することができる。トレランスリング200は、取り付け中および取り付け後に、ボア202内の内側部材204と外側部材206との間で少なくとも部分的に変形または圧縮させることによって、寸法の変化を考慮することができる。
【0031】
次に、図4A~4Cを参照すると、トレランスリング200に関する詳細が例示されている。図4Aは、一実施形態によるトレランスリングの側面斜視図を例示する。図4Bは、一実施形態によるトレランスリングの側面斜視図を例示する。図4Cは、一実施形態によるトレランスリングの側面斜視図を例示する。表されるように、トレランスリング200は、中心軸450の下に配向された略円筒の本体402を含むことができる。いくつかの実施形態では、トレランスリング200または略円筒の本体402は、トレランスリング側壁404を含むことができる。トレランスリング側壁404は、円筒であり得る。トレランスリング側壁404は、半円筒形であり得るか、または他の半円筒形の円弧を有し得る。トレランスリング側壁404は、頂部408と、底部412と、を含むことができる。さらに、トレランスリング側壁404は、第1の周方向端部417を画定する第1の端部分416と、第2の周方向端部421を画定する第2の端部分420と、を含むことができる。第1の端部分416または第2の端部分420のうちの少なくとも1つは、トレランスリング200の周方向長さLの少なくとも5%、例えば、トレランスリング200の周方向長さLの少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、または少なくとも40%にわたり得る。特定の実施形態では、第1の端部分416は、トレランスリング200の周方向長さLの最初の10%にわたり得、一方で、第2の端部分420は、トレランスリング200の周方向長さLの最後の10%にわたり得る。中間部分418は、第1の端部分416および第2の端部分420を接続することができる。さらに、トレランスリング側壁404は、内径縁部457を画定する第1の軸方向表面456と、外径縁部459を画定する第2の軸方向表面458と、を有することができる。図4Aに示すように、中間部分418は、端部から内方へ丸み付けすることができ、略円筒形の本体402の連続的に湾曲した弧状形状を形成する。代替の実施形態では、図4Bに示すように、中間部分418は、平面または平坦であり得、略円筒形の本体402の非連続的に湾曲した弧状形状を形成する。中間部分418は、トレランスリング200の周方向長さLの少なくとも50%、例えば、トレランスリング200の周方向長さLの少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、または少なくとも80%にわたって平面または平坦であり得る。代替の実施形態ではて、図4Cに示すように、中間部分418は、内方へ丸み付けして、凸状部分を形成することができ、一方で、端部もまた、内方へ丸み付けして、略円筒形の本体402の波状形状を形成することができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、図2A~2Dおよび図4A~4Cに示すように、トレランスリング200は、特定の厚さTTRを有することができる。本明細書で説明する実施形態の目的で、トレランスリング200の厚さTTRは、第1の軸方向表面456から第2の軸方向表面458までの距離である。トレランスリングの厚さTTRは、図2A~2Dに示す材料または複合材料1000、1001、1002、1003と実質的に類似するまたは同じ厚さであり得ることが認識されるであろう。特定の実施形態によれば、トレランスリング200の厚さTTRは、少なくとも約0.1mm、または少なくとも約0.2mm、または少なくとも約0.3mm、または少なくとも約0.4mm、さらには少なくとも約0.5mmであり得る。さらに他の実施形態によれば、トレランスリング200のTTRは、約1mm以下、例えば、約0.9mm以下、または約0.8mm以下であり得る。トレランスリング200の厚さTTRは、上記の最大値および最小値のいずれかの間の範囲内であり得ることができることが認識されるであろう。トレランスリング200の厚さTTRは、上記の最大値および最小値のいずれかの間の任意の値であり得ることがさらに認識されるであろう。また、トレランスリング200の厚さTTRは、その円周に沿って異なり得ることも認識することができる。また、トレランスリング200の厚さTTRは、その円周に沿って異なり得ること、および複数のトレランスリングにわたって異なり得ることも認識することができる。
【0033】
図4A~4Cを参照すると、トレランスリング200は、本体402またはトレランスリング200の側壁404に形成された複数の波状部(またはブリッジ)452を含むことができる。例示されるように、一態様では、波状部452は、中心軸450に対して外側方向に延在し得る。しかしながら、別の態様では、波状部452は、中心軸450に対して内側方向に延在し得る。波状部452は、トレランスリング200が、実質的に側壁404の長さに沿って、かつ細長い波状部452をトレランスリング200の本体402の側壁404に沿って円周方向に等間隔に離間配置することができるようなパターンで延在する複数の細長い波状部を含むことができるように、本体402の側壁404内に形成または別様に配設することができる。さらに、トレランスリング側壁404は、複数の未形成のセクション430を含むことができる。各未形成のセクション430は、隣接する波状部間に延在する側壁404のセクションを含むことができ、また、任意の波状部または他の構造体と共に形成されない場合がある。波状部452および未形成のセクション430は、各側壁404の円周の周囲に交互させることができる。さらに、特定の態様では、波状部452は、各側壁404の未形成のセクション430によって、各側壁404の円周に沿って均一に離間され得る。トレランスリング200は、波状部の総数Wを含むことができる。Wは、偶数の整数とすることができ、Wは、≧4、例えば、≧6、≧8、≧10、≧12、≧14、≧16、≧18、または≧20とすることができる。さらに、Wは、≦500、≦250、≦100、≦90、≦80、≦70、≦60、または≦50とすることができる。
【0034】
特定の態様において、任意の一対の波状部452のトレランスリング200にわたる釣り合い力は、トレランスリング200が、≦50μmであり得る同心度Cを提供することを可能にし、ここで、同心度は、内側部材204の中心と外側部材206の中心との間で測定した距離である。別の態様では、Cは、≦45μm、例えば、≦40μm、≦35μm、≦30μm、≦25μm、または≦20μmとすることができる。Cはまた、≧5μm、例えば、≧6μm、≧7μm、≧8μm、≧9μm、≧10μm、≧11μm、≧12μm、≧13μm、≧14μm、または≧15μmとすることができる。さらに、Cは、上のCの値のいずれかの範囲内で、かつそれらのいずれかを含むことができる。特定の態様において、Cは、トレランスリングが内側部材204と外側部材206との間で内側部材204の周囲に取り付けた後に測定することができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、図4A~4Cに示すように、トレランスリング200は、第1の外周縁部417から第2の外周縁部421までの円弧長で測定したときに、周方向長さLを有することができる。周方向長さLは、
【数1】

によって計算することができ、式中、θは、中心軸450に対して第1の外周縁部417と第2の外周縁部421との間に形成される角度であり、Cは、トレランスリング200の内径縁部457によって形成される最良の嵌合円に沿ったトレランスリング200の円周である。周方向長さLは、図2A~2Dに示す材料または複合材料1000、1001、1002、1003の長さと実質的に類似し得ることが認識されるであろう。特定の実施形態によれば、トレランスリング200の周方向長さLは、少なくとも約1mm、例えば、少なくとも約10mm、または少なくとも約30mm、または少なくとも約50mm、または少なくとも約100mm、または少なくとも約500mmであり得る。さらに他の実施形態によれば、トレランスリング200の周方向長さLは、約1000mm以下、例えば、約500mm以下、さらには約250mm以下であり得る。トレランスリング200の周方向長さLは、上記の最大値および最小値のいずれかの間の範囲内であり得ることができることが認識されるであろう。トレランスリング200の周方向長さLは、上記の最小値および最大値の任意の間の任意の値であり得ることがさらに認識されるであろう。また、トレランスリング200の周方向長さLは、その円周に沿って異なり得ること、および複数のトレランスリングにわたって異なり得ることも認識することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、図3に最良に示すように、トレランスリング200は、特定の内側曲率半径IRTRを有することができる。本明細書で説明する実施形態の目的で、トレランスリング200の内側曲率半径IRTRは、中心軸450から内径縁部457までの距離である。特定の実施形態によれば、トレランスリング200の内側曲率半径IRTRは、少なくとも約10mm、または少なくとも約20mm、または少なくとも約30mm、または少なくとも約50mm、さらには少なくとも約100mmであり得る。さらに他の実施形態によれば、トレランスリング200の内側曲率半径IRTRは、約500mm以下、例えば、約250mm以下、さらには約100mm以下であり得る。トレランスリング200の内側曲率半径IRTRは、上記の最大値および最小値のいずれかの間の範囲内であり得ることができることが認識されるであろう。トレランスリング200の内側曲率半径IRTRは、上記の最大値および最小値のいずれかの間の任意の値であり得ることがさらに認識されるであろう。また、トレランスリング200の内側曲率半径IRTRは、その円周に沿って異なり得ること、および複数のトレランスリングにわたって異なり得ることも認識することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、図3に最良に示すように、トレランスリング200は、特定の外側曲率半径ORTRを有することができる。本明細書で説明する実施形態の目的で、トレランスリング200の外側曲率半径ORTRは、中心軸Aから外径縁部459までの距離である。特定の実施形態によれば、トレランスリング200の外側曲率半径ORTRは、少なくとも約10mm、または少なくとも約20mm、または少なくとも約30mm、または少なくとも約50mm、さらには少なくとも約100mmであり得る。さらに他の実施形態によれば、トレランスリング200の外側曲率半径ORTRは、約500mm以下、例えば、約250mm以下、さらには約100mm以下であり得る。トレランスリング200の外側曲率半径ORTRは、上記の最大値および最小値のいずれかの間の範囲内であり得ることができることが認識されるであろう。トレランスリング200の外側曲率半径ORTRは、上記の最大値および最小値のいずれかの間の任意の値であり得ることがさらに認識されるであろう。トレランスリング200の外側曲率半径ORTRは、その円周に沿って異なり得ること、および複数のトレランスリングにわたって異なり得ることも認識することができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、図4A~4Cに最良に示すように、トレランスリング200は、図4Aに示すように、その曲率半径に最良に嵌合する円のための、トレランスリング200の側壁404から中心軸450’までの、周方向長さLを二分する地点Xで測定される、第1の曲率半径Rを有し得る。トレランスリング200は、その曲率半径に最良に嵌合する円のための、トレランスリングの側壁404の第1の端部分416および第2の端部分420のうちの1つに沿って中心軸450’’まで測定される、地点Xで測定される、第2の曲率半径Rを有し得る。いくつかの実施形態では、R≦Rである。具体的には、│R│は、│R│の≦75%、例えば、│R│≦70%│R│、│R│≦65%│R│、│R│≦60%│R│、│R│≦55%│R│、または│R│≦50%│R│とすることができる。別の態様では、│R│は、│R│の≧25%、例えば、│R│≧30%│R│、R≧35%│R│、またはR≧40%│R│とすることができる。別の態様では、│R│は、上で開示した│R│のパーセンテージ値のいずれか間で、かつそれらを含む範囲内であり得る。特定の実施形態では、0.5│R│は、|R|よりも大きくなり得、例えば、0.1|R|は、|R|よりも大きくなり得るか、または0.01|R|は、|R|よりも大きくなり得る。他の実施形態では、│R│は、│R│とは少なくとも10%、例えば、│R│とは少なくとも20%、│R│とは少なくとも30%、または│R│とは少なくとも40%異なり得る。これらの範囲は、図4Aの連続的に湾曲した弧状形状トレランスリング200、図4Bの非連続的に湾曲した弧状形状トレランスリング200、または図4Cの波状形状トレランスリング200を含む、本明細書で開示するトレランスリングのいずれかに反映され得る。いくつかの実施形態では、図4Bの非連続的に湾曲した弧状形状トレランスリング200に示すように、Rは、無限である曲率半径を有し得る。いくつかの実施形態では、特に図4Cに示すように波状形状トレランスリング200の場合、Rは、負であり、一方で、Rは、正であり得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、トレランスリング200は、2つを超える異なる曲率半径を有することができる。いくつかの実施形態では、図7A~7Bに示すように、トレランスリング200、200’は、トレランスリング200側壁404の周方向長さLを二分する曲率半径から各端部分416、420に向かって延びる、2つを超える異なる曲率半径を有することができる。図7Aは、220mmの周方向長さLを有するトレランスリング200に関する位置に基づく、異なる曲率半径の表の非限定的な例を示す。示すように、曲率半径は、各端部分416、420に向かって徐々にきつくなる。いくつかの実施形態では、トレランスリング200の周方向長さLの周囲の曲率半径は、連続的に融合し得、それらの円周の周囲に異なる値を形成する。例えば、設定点の曲率半径は、図7Bに示すマーカ点から変化し得る。図7Bは、実施形態による複数のトレランスリングの変形を示すグラフを含む。図7Bは、2つの異なるトレランスリング200、200’を例示し、ここで、トレランスリング200は、取り付けられた状態であり、トレランスリング200’は、取り付けられていない非付勢状態である。このようにして、トレランスリング200は、その周方向長さLに沿って複数の異なる曲率半径を有することができる。
【0040】
図3図4Cを再度参照すると、本明細書で説明する実施形態によるアセンブリ500内のトレランスリング200は、取り付けられていない非付勢状態を有することができ、ここで、トレランスリングは、10°以上、例えば、15°以上、20°以上、30°以上、または45°以上である円弧にわたる周方向(円弧)長さLを有する。さらに、本明細書で説明する実施形態によれば、取り付けられていない非付勢状態を有することができ、ここで、トレランスリングは、180°以下、例えば、150°以下、120°以下、90°以下、または45°以下である円弧にわたる周方向(円弧)長さLを有する。トレランスリングは、アセンブリの内側部材204と部材206との間に取り付けて、取り付けられた状態を形成することができ、ここで、トレランスリング200は、内側部材204と外側部材206との間に展開したときに変形して、少なくとも300°にわたる円周を有する。すなわち、図3に最良に示すように、トレランスリングは、変形して、アセンブリ500内で内側部材204をより良好に取り囲むことができる。これは、内側部材204の円周よりも大きくすることができる周方向長さLを有し、アセンブリ500内の内側部材204の周囲で変形可能材料または複合材料1000、1001、1002、1003を嵌合させ、形成することによって行うことができる。
【0041】
図5は、先行技術のトレランスリング300と比較した、一実施形態によるトレランスリング200の取り付け上面図を示す。図1のステップ14の下で、材料または複合材料の端部をカールさせて、トレランスリング200を形成する。図5に示すように、本明細書で開示する実施形態のトレランスリング200は、先行技術のトレランスリングと比較して、内側構成要素204と外側構成要素206との間で、取り付けられていない非付勢状態から、取り付けられた状態へと移り、最良の嵌合円へのより完全な嵌合を形成する。具体的には、本明細書で開示する実施形態のトレランスリング200は、端部をカールさせたときに中間部分418と端部分416、420と間のトレランスリング側壁404の空間のより少ない逸脱を提供して、アセンブリ500のボア202とのより共形のリング200を形成する。これは、トレランスリング200の端部がカールして、内側構成要素204と外側構成要素206との間でアセンブリ500内のボア202に嵌合するようにより良好に修正する、第1の端部分416および第2の端部分420を形成するからである。逸脱は、本明細書では、1)内側構成要素204の外面とトレランスリング200の内径縁部457との間、または2)外側構成要素206の内面とトレランスリング200の外径縁部459との間、のいずれかの最大距離として定義され得、第2の係合構成要素がアセンブリ内に取り付けられる前に、内側構成要素204または外側構成要素206の表面に垂直に測定される。例えば、図5は、本明細書の実施形態で開示するトレランスリング200および先行技術のトレランスリング300の、外側構成要素206の内面と外径縁部459との最良の適合からの逸脱を示す。逸脱が大きくなるにつれて、アセンブリのトレランスリング200または他の構成要素の使用寿命を短くし得る望ましくない摩耗、ノイズ、または振動につながり得る、アセンブリ500内のサイジングの問題と関連付けられたリスクを高める。逸脱は、0.05~1mmの範囲であり得る。
【0042】
このプロセスには、内側部材204を提供することと、外側部材206を提供することと、内側部材204と外側部材206との間にトレランスリング200を提供することであって、トレランスリング200は、トレランスリング200が180°以下にわたる円周を有する、取り付けられていない非付勢状態のトレランスリング側壁404を含む、提供することと、トレランスリング200が、内側部材204と外側部材206との間に展開したときに変形して、少なくとも300°にわたる円周を有することと、を含む方法を含むことができる。上で述べたように、トレランスリング200は、その後に、トレランスリング200の周囲に展開させる外側部材206と共に、内側部材204の周囲に展開させることができる。代替的に、トレランスリング200は、その後に、トレランスリング200内に展開させる内側部材204と共に、外側部材206内に展開させることができる。
【0043】
図6は、一実施形態による複数のトレランスリング200、200’、200’’、200’’’を含む、パッケージ化された物品700の上面図を例示する。パッケージ化された物品700は、パッケージ702を含むことができる。パッケージ702は、本明細書の実施形態に関して説明するような複数のトレランスリング200、200’、200’’、200’’’を収容すること、支持すること、または別様にそれらに接触することができる。複数のトレランスリング200、200’、200’’、200’’’は、連続的に湾曲した弧状形状(図4Aに示す)、非連続的に湾曲した弧状形状(図4Bに示す)、または波状形状(図4Cに示す)を有する半円弧またはトレランスリングを形成するように、および本明細書の実施形態で説明するように、パッケージ702内に入れ子状にすることができる。複数のトレランスリング200、200’、200’’、200’’’は、トレランスリング200’の内径縁部457が別のトレランスリング200’’の外径縁部459に接触する、または近接することができるように、パッケージ702内に入れ子状にすることができる。このようにして、パッケージ702は、アセンブリ500で使用するためのトレランスリング200、200’、200’’、200’’’を格納、出荷、および送給するために提供するカートリッジとして作用することができる。パッケージ702は、少なくとも10個のトレランスリング、例えば、少なくとも15個のトレランスリング、または少なくとも20個のトレランスリングを収容すること、支持すること、またはそれらに接触することができる。いくつかの実施形態では、パッケージ化された物品700は、機械化された構造体構成要素750とインターフェースして、アセンブリ500で使用するためのトレランスリング200、200’、200’’、200’’’を繰り返し取り出し、操作するように適合させることができる。機械化された構造体構成要素750は、別のトレランスリング格納概念よりも高速に、トレランスリング200、200’、200’’、200’’’を取り出すことができる。
【0044】
一実施形態では、アセンブリ500は、内側部材204に対して長手方向に少なくとも10N、例えば、少なくとも20N、少なくとも30N、少なくとも40N、少なくとも50N、少なくとも100N、またはさらには少なくとも150Nの組立力によって取り付けるかまたは組み立てることができる。さらなる実施形態では、アセンブリ500は、内側部材204に対して長手方向に少なくとも1kgf、例えば、1500N以下、1000N以下、750N以下、またはさらには250N以下の組立力によって取り付けるかまたは組み立てることができる。
【0045】
本明細書で説明するトレランスリング200、パッケージ化された物品700、アセンブリ500、または方法の使用は、ジェネレータアセンブリ(オルタネータアセンブリが挙げられるが、それらに限定されない)、モータアセンブリ(電動モータアセンブリが挙げられるが、それらに限定されない)、エンジンアセンブリ、クラッチアセンブリ、または保持機構もしくは他のタイプの用途などの、ロータおよびステータが挙げられるが、それらに限定されない、いくつかの用途において、利益の増大を提供することができる。特に、トレランスリング200の使用は、構成要素を排除することによって、アセンブリ500の簡略化を提供することができる。さらに、トレランスリング200の使用は、必要とされる組立力を向上させること、内側部材204と外側部材206との間の良好な逸脱で、軸方向、径方向、または周方向のトレランスを補償すること、かつ内側部材204と外側部材206との間の望ましくない移動を防止することによるアセンブリ500内のノイズ除去、減衰、および振動結合解除を提供することができる。さらに、トレランスリング200は、単純な取り付けであり得、コスト効率的であり得、また、複雑さが異なるいくつかの可能性なアセンブリにわたって既存の構成要素に後付けされ得る。さらに、パッケージ化された物品700または方法の使用は、トレランスリング200のパッキング密度を増加させること、引っ掛かりのリスクを取り除く、または低減させること、かつトレランスリング200を含むアセンブリ500のパッキング、アンパッキング、および組み立てのための自動プロセスの使用を容易にすることができ、無駄な時間、材料、および組み立ての人的資源を低減する。さらに、トレランスリング200、パッケージ化された物品700、アセンブリ500、または方法は、便利さの向上および顧客への適合を提供することができる。最後に、トレランスリング200の使用は、内側部材28と外側部材30との間の向上した剛性および引張強度を維持し、アセンブリ500の寿命を延ばすことができる。
【0046】
多くの異なる態様および実施形態が可能である。それらの態様および実施形態のいくつかが以下に説明される。本明細書を読んだ後、当業者は、それらの態様および実施形態が例示にすぎず、本発明の範囲を限定しないことを理解するであろう。実施形態は、以下にリスト化される実施形態のうちのいずれか1つ以上に従うことができる。
【0047】
実施形態1.トレランスリングであって、半径方向内向きまたは外向きのうちの少なくとも一方に延在し、かつ第1および第2の端部でそれぞれ終端する第1および第2の端部分を有する複数の波状部を備える、トレランスリング側壁を備え、トレランスリングが、トレランスリング側壁の周方向長さLを二分する位置で測定される、第1の曲率半径Rを有し、トレランスリング側壁の第1および第2の端部分のうちの1つに沿って測定される、第2の曲率半径Rを有し、1)RがRよりも大きいか、または2)Rが負であり、かつRが正である、のうちの少なくとも1つである、トレランスリング。
【0048】
実施形態2.トレランスリングであって、半径方向内向きまたは外向きのうちの少なくとも一方に延在し、かつ第1および第2の端部でそれぞれ終端する第1および第2の端部分を有する複数の波状部を備える、トレランスリング側壁を備え、取り付けられていない非付勢状態において、トレランスリングが、180°以下にわたる円周を有し、取り付けられた状態において、トレランスリングが、内側部材と外側部材との間に展開したときに変形して、少なくとも300°にわたる円周を有する、トレランスリング。
【0049】
実施形態3.パッケージ化された物品であって、パッケージと、パッケージ内に入れ子にされた複数のトレランスリングと、を備え、トレランスリングの各々が、半径方向内向きまたは外向きのうちの少なくとも一方に延在し、かつ第1および第2の端部でそれぞれ終端する第1および第2の端部分を有する複数の波状部を備え、各トレランスリングが、180°以下にわたる円周を有する、パッケージ化された物品。
【0050】
実施形態4.アセンブリであって、内側部材と、外側部材と、内側部材と外側部材との間に配置されたトレランスリングであって、半径方向内向きまたは外向きのうちの少なくとも一方に延在し、かつ第1および第2の端部でそれぞれ終端する第1および第2の端部分を有する、複数の波状部を備えるトレランスリング側壁を備え、取り付けられていない非付勢状態において、トレランスリングは、180°以下にわたる円周を有し、取り付けられた状態において、トレランスリングは、内側部材と外側部材との間に展開したときに変形して、少なくとも300°にわたる円周を有する、アセンブリ。
【0051】
実施形態5.方法であって、内側部材を提供することと、外側部材を提供することと、内側部材と外側部材との間のトレランスリングを提供することであって、半径方向内向きまたは外向きのうちの少なくとも一方に延在し、かつ第1および第2の端部でそれぞれ終端する第1および第2の端部分を有する、複数の波状部を備えるトレランスリング側壁を備え、取り付けられていない非付勢状態において、トレランスリングは、180°以下にわたる円周を有する、提供することと、トレランスリングが、内側部材と外側部材との間に展開したときに変形して、少なくとも300°にわたる円周を有することと、を含む、方法。
【0052】
実施形態6.0.5|R|が、|R|よりも大きい、例えば、0.1|R|が、|R|よりも大きいか、または0.01|R|が、|R|よりも大きい、実施形態1に記載のトレランスリング。
【0053】
実施形態7.|R|が、|R|と少なくとも10%異なる、実施形態6に記載のトレランスリング。
【0054】
実施形態8.トレランスリング側壁が、単一の一体的ストリップを備える、実施形態2に記載のトレランスリング。
【0055】
実施形態9.パッケージ化された物品が、機械化された構造体構成要素とインターフェースして、トレランスリングを繰り返し取り出し、操作するように適合される、実施形態3に記載のパッケージ化された物品。
【0056】
実施形態10.複数のトレランスリングが、少なくとも10個のトレランスリング、例えば、少なくとも15個のトレランスリング、または少なくとも20個のトレランスリングを備える、実施形態3に記載のパッケージ化された物品。
【0057】
実施形態11.トレランスリングが、基板を備える、実施形態1~10のいずれかに記載のトレランスリング、パッケージ化された物品、または方法。
【0058】
実施形態12.基板が、金属を含む、実施形態9に記載のトレランスリング、パッケージ化された物品、または方法。
【0059】
実施形態13.基板が、鋼またはステンレス鋼を含む、実施形態9に記載のトレランスリング、パッケージ化された物品、または方法。
【0060】
実施形態14.トレランスリングが、基板を覆うコーティングをさらに含む、実施形態9~11のいずれかに記載のトレランスリング、パッケージ化された物品、または方法。
【0061】
実施形態15.コーティングが、減衰材料を含む、実施形態14に記載のトレランスリング、パッケージ化された物品、または方法。
【0062】
実施形態16.コーティングが、熱伝達材料を含む、実施形態14に記載のトレランスリング、パッケージ化された物品、または方法。
【0063】
実施形態17.コーティングが、腐食保護材料を含む、実施形態14に記載のトレランスリング、パッケージ化された物品、または方法。
【0064】
実施形態18.トレランスリングが、基板とコーティングとの間に接着剤層をさらに備える、実施形態14~17のいずれかに記載のトレランスリング、パッケージ化された物品、または方法。
【0065】
実施形態19.接着剤層が、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテル/ポリアミドコポリマー、エチレンビニルアセテート、ETFEコポリマー、またはそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態18に記載のトレランスリング、パッケージ化された物品、または方法。
【0066】
実施形態20.トレランスリングが、連続的に湾曲した弧状形状を有する、実施形態1~19のいずれかに記載のトレランスリング、パッケージ化された物品、または方法。
【0067】
実施形態21.トレランスリングが、10°以上、例えば、15°以上、または20°以上、または30°以上、または45°以上である円弧にわたる周方向長さLを有する、実施形態1に記載のトレランスリング。
【0068】
実施形態22.トレランスリングが、非連続的に湾曲した弧状形状を有する、実施形態1~21のいずれかに記載のトレランスリング、パッケージ化された物品、または方法。
【0069】
実施形態23.トレランスリングが、波状形状を有する、実施形態1~22のいずれかに記載のトレランスリング、パッケージ化された物品、または方法。
【0070】
実施形態24.トレランスリングが、0.05~1mmの範囲の、内側構成要素の外面または外側構成要素の内面からの逸脱を有する、実施形態1~23のいずれかに記載のトレランスリング、パッケージ化された物品、または方法。
【0071】
上記の全ての特徴が必要なわけではなく、特定の特徴の一部が必要でなくてもよく、説明したものに加えて1つ以上の特徴が提供されてもよいことに留意されたい。さらになお、特徴が説明される順序は、必ずしも特徴が設置される順序ではない。
【0072】
特定の特徴は、明確にするために、別個の実施形態の文脈で本明細書に記載されているが、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよい。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴は、別個にまたは任意のサブコンビネーションで提供されてもよい。
【0073】
特定の実施形態に関して、利益、他の利点、および課題の解決策が上述されたが、利益、利点、課題の解決策、および任意の利益、利点、または解決策を発生させるまたはより明確にさせることができる任意の特徴は、任意または全ての請求項の重要な、必要な、または本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0074】
本明細書に記載された実施形態の明細書および例示は、様々な実施形態の構造の一般的な理解を提供することを意図している。明細書および例示は、本明細書に記載の構造または方法を使用する装置およびシステムの全ての要素および特徴の網羅的かつ包括的な説明として役立つことを意図するものではない。別個の実施形態はまた、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよく、逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特徴もまた、別個にまたは任意の副組み合わせで提供されてもよい。さらに、範囲で述べられた値への言及は、その範囲内のありとあらゆる値を含む。本明細書を読んだだけで、他の多くの実施形態が当業者には明らかであろう。本開示の範囲から逸脱することなく、構造的置換、論理的置換、または任意の変更が行われることができるように、他の実施形態が使用され、本開示から導出されることができる。したがって、本開示は限定的ではなく例示的とみなされるべきである。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7A
図7B