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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】搬送集積装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 57/03 20060101AFI20221214BHJP
   B65B 57/02 20060101ALI20221214BHJP
   B65B 57/04 20060101ALI20221214BHJP
   B65G 57/11 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
B65G57/03 Z
B65B57/02 C
B65B57/04
B65G57/11
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018192093
(22)【出願日】2018-10-10
(65)【公開番号】P2020059581
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】313005282
【氏名又は名称】東洋製罐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100153497
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 信男
(74)【代理人】
【識別番号】100110515
【氏名又は名称】山田 益男
(72)【発明者】
【氏名】西松 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】森 拓也
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特許第2958763(JP,B1)
【文献】特開2006-052059(JP,A)
【文献】特開平10-297753(JP,A)
【文献】実開昭48-076680(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 57/00-57/32
B65B 57/00-57/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製袋装置の上流側コンベアから搬送されたパウチを集積し次工程へ搬送する集積部を有する搬送集積装置であって、
前記搬送集積装置は、前記集積部に集積される直前のパウチの姿勢を検知する検出部をさらに有し、
前記集積部は、昇降可能に構成された受台と、前記受台に集積したパウチを整列する押え部とを有し、
前記押え部には、前記受台に集積したパウチの側方から進退移動可能に構成された整列用ハンドと、前記受台を挟んで前記整列用ハンドに対向配置された突き当て壁部とが設けられ、
前記整列用ハンドの前記突き当て壁部側の端部には、下方に開放した櫛状の接触櫛部が前記突き当て壁部に対向するように設けられ、
前記検出部は、前記接触櫛部を境に前記集積部の反対側から検知可能に構成され、前記集積部に集積されたパウチの上面よりも高い位置でパウチの姿勢を検出することを特徴とする搬送集積装置。
【請求項2】
前記検出部は、レーザセンサで構成され、
前記レーザセンサは、前記レーザセンサから照射される照射光が前記接触櫛部の隙間を通過可能な位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の搬送集積装置。
【請求項3】
前記レーザセンサは、回帰反射式レーザセンサと回帰反射型ミラーとで構成され、
前記回帰反射式レーザセンサは、前記接触櫛部を挟んで前記突き当て壁部に対向する位置に設けられ、前記回帰反射型ミラーは、前記突き当て壁側の前記回帰反射式レーザセンサに対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の搬送集積装置。
【請求項4】
前記検出部の信号で前記集積部への正常集積を判定する集積確認手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の搬送集積装置。
【請求項5】
前記集積確認手段は、前記検出部から取得したパウチの検知情報を基に、パウチの異常集積の有無を判定する状態判定部を有することを特徴とする請求項4に記載の搬送集積装置。
【請求項6】
前記集積確認手段は、前記状態判定部から取得したパウチの異常集積の有無の判定情報を基に、前記製袋装置および前記搬送集積装置の稼働または停止を実施する装置停止部を有することを特徴とする請求項5に記載の搬送集積装置。
【請求項7】
前記集積確認手段は、パウチの搬送タイミングを取得する搬送確認部を有することを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の搬送集積装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋装置の上流側コンベアから搬送されたパウチを集積し次工程へ搬送する集積部を有する搬送集積装置であって、特に、薄く変形しやすいパウチを集積し次工程へ搬送する集積部を有する搬送集積装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、製袋装置の上流側コンベアから搬送されたパウチを集積し次工程へ搬送する集積部を有する搬送集積装置として、順次排出されてくる袋を所定の枚数に集積すると共に、バンドにて結束して梱包するものが公知である。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の製袋機用スタッカーバンドラーの搬送集積装置(揃え積重ね装置5)は、区分け搬送装置4の搬送終端部に設けられており、モータ30にて回転するねじ杆31によって、区分け搬送装置4の上流側コンベア(搬送ライン)より低い積み重ね位置からこれより下方の押し出し搬送位置にわたって昇降するようにしたすのこ状の受け台32と、この受け台32の幅方向中央で、かつ区分け搬送装置4による区分け間隔に対応する位置に設けられた区分け板33と、積み重ね位置にある受け台32の搬送方向上流側端部と幅方向両側端部に対向して設けられた搬送方向上流側の揃え板34、幅方向両側の揃え板35a、35bと、搬送方向上流側の揃え板34の下側に位置し、かつ押し出し位置にある受け台32の搬送方向上流端部に対向して設けられた押し出し板36と、積み重ね位置にある受け台32の搬送方向下流側に対応して上下方向に設けた突き当て部材38と、受け台32上に落下する製品を一時的に受ける仮受け部材39とで構成されている。
【0004】
この特許文献1に記載の搬送集積装置(揃え積重ね装置5)は、上流側コンベア(搬送ライン)から送られてきたパウチを積み重ね位置で受け台に集積した後、受け台を押し出し搬送位置に降下させ、押し出し板で受け台に積み重ねたパウチを側方から押して横送り装置6の下流側コンベア(第1の横送りコンベヤ8)へ移動させ、積み重ねたパウチを結束機7へ搬送するものである。
【0005】
また、製袋装置の上流側コンベアから搬送されたパウチを集積し次工程へ搬送する集積部を有する搬送集積装置として、図5および図6に示すものも公知である。
この公知の搬送集積装置200の集積部210は、昇降可能に構成された受台211と、受台211に集積したパウチPを整列する押え部212と、受台211に集積したパウチPを受け取り次工程へ搬送する搬送部220と、受台211が搬送部220にパウチPを移載している間に受台211の代わりにパウチPを集積する仮受け部材216とを有している。
【0006】
押え部212には、受台211に集積したパウチPの側方から進退移動可能に構成された整列用ハンド213と、受台211を挟んで整列用ハンド213に対向配置された突き当て壁部215とが設けられ、整列用ハンド213の突き当て壁部215側の端部には、下方に開放した櫛状の接触櫛部214が突き当て壁部215に対向するように設けられている。
搬送部220には、受台211に集積したパウチPを受け取る移送部材221と、移送部材221からパウチPを受け取り次工程へ搬送する下流側コンベア223と、移送部材221に載せたパウチPを下流側コンベア223上に移す対向板222とが設けられている。
【0007】
この公知の搬送集積装置200は、図6乃至図10に示すように、受台211または仮受け部材216を昇降させることで、常に同じ高さ(以下、「集積高さ」という。)でパウチPを集積でき、パウチPが上流側コンベアCから受台211または仮受け部材216上に集積されるまでの振る舞いを安定化できるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特許第2958763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、これらの公知の搬送集積装置には未だ改善の余地があった。
【0010】
すなわち、上記特許文献等で公知の搬送集積装置200は、図11および図12に示すように、エラーパウチPSが突き当て壁部215に引っかかって正常に集積されないこと(以下、「異常集積」という。)が稀にあり、搬送物が段ボール等の所定の厚みや硬さを有するものを集積する場合は、異常集積が発生しても搬送物がつっかえる等して上流側の搬送物をせき止める等するため、すぐに異常集積を検知することができるが、パウチ等の薄く変形しやすい搬送物を集積する場合は、異常集積が発生すると、図12乃至図14に示すように、次に上流側コンベアCから送られてきたパウチPがエラーパウチPSを側方から突き上げ、エラーパウチPSの表裏が逆転された状態で集積されてしまい、異常集積が検知されずに集積作業が継続されてしまう虞があった。
これによって、ロット番号等の印字位置の不良等、次工程で実施する作業でトラブルが発生する虞や、集積された後のパウチの表裏を全数目視検査する等、作業量が大幅に増え、作業コストが大幅に増加してしまう虞や、パウチの製造ラインやパウチに製品を充填する製造ライン等を長時間止めてしまう虞があった。
また、集積部211のパウチの集積状況を、集積されたパウチPの上方や整列用ハンド213のない正面方向からセンサ等を使用して監視する方法も考えられるが、集積部の上方から監視する場合は、パウチの材質やパウチ表面の状態によって集積されたパウチに照明等が反射してセンサが集積状況を誤検知する虞があり、集積部の正面方向から監視する場合は、エラーパウチPSの面を捉えることができないため、センサ等ではエラーパウチPSを検知できない虞があった。
【0011】
本発明は、これらの問題点を解決するものであり、簡単な構成で、パウチ等の薄く変形しやすいものを集積する際にも、異常集積を素早く検知でき、集積されたパウチの検査時間を少なくするとともに、製造ラインの再稼働までの時間を短縮可能な搬送集積装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の搬送集積装置は、製袋装置の上流側コンベアから搬送されたパウチを集積し次工程へ搬送する集積部を有する搬送集積装置であって、前記搬送集積装置は、前記集積部に集積される直前のパウチの姿勢を検知する検出部をさらに有し、前記集積部は、昇降可能に構成された受台と、前記受台に集積したパウチを整列する押え部とを有し、前記押え部には、前記受台に集積したパウチの側方から進退移動可能に構成された整列用ハンドと、前記受台を挟んで前記整列用ハンドに対向配置された突き当て壁部とが設けられ、前記整列用ハンドの前記突き当て壁部側の端部には、下方に開放した櫛状の接触櫛部が前記突き当て壁部に対向するように設けられ、前記検出部は、前記接触櫛部を境に前記集積部の反対側から検知可能に構成され、前記集積部に集積されるパウチの上面よりも高い位置でパウチの姿勢を検出することにより、前記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1にかかる発明の搬送集積装置は、集積部に集積される直前のパウチの姿勢を検知する検出部を有しており、検出部は、整列ハンドの突き当て壁部側の端部に設けられた接触櫛部を境に集積部の反対側から検知可能に構成され、前記集積部に集積されるパウチの上面よりも高い位置でパウチの姿勢を検出するため、検出部がパウチに接触したり、集積部の動作を妨げたりすることなく、集積部に正常集積される直前に引っ掛かった異常集積の発生源となるエラーパウチを検知できる。
また、検出部は整列ハンドの突き当て壁部の端部に設けられた接触櫛部を境に集積部の反対側からパウチを検知するため、検出部の設置に必要な空間を確実に確保できるとともに、エラーパウチの面を捉えることができるため、検出部は確実にエラーパウチを検知できる。
【0014】
請求項2に記載の構成によれば、検出部は、レーザセンサで構成され、レーザセンサは、レーザセンサから照射される照射光が接触櫛部の隙間を通過可能な位置に配置されているため、レーザセンサは照射光を接触櫛部の隙間に通過可能な位置であれば設置場所を選ぶことがなく、照射光の反射状況をレーザセンサが読み取ることで、暗室等可視光が乏しい環境でもパウチの集積部への集積状態を確認し、より一層確実に異常集積を検知できる。
請求項3に記載の構成によれば、レーザセンサは、回帰反射式レーザセンサと回帰反射型ミラーとで構成されているため、回帰反射式レーザは回帰反射型ミラーへ照射したレーザが回帰反射したもののみを検知する特性を用いて、回帰反射式レーザセンサと回帰反射型ミラーとの間にパウチの集積部が位置するように配置すれば、外乱光に妨げられることなくパウチの集積部への集積状態を確認できるとともに誤検知を防止でき、さらに一層確実に異常集積を検知できる。
【0015】
請求項4に記載の構成によれば、検出部の信号で集積部への正常集積を判定する集積確認手段をさらに有するため、作業人員の操作を介することなく、集積確認手段によってパウチの集積状態を自動で迅速に検知することができる。
請求項5に記載の構成によれば、集積確認手段は、検出部から取得したパウチの集積状態の情報を基に、パウチの異常集積の有無を判定する状態判定部を有するため、検出部と状態判定部とを連携させることで、作業人員の操作を介することなく、パウチの異常集積の有無の判定を自動で迅速に実施できる。
【0016】
請求項6に記載の構成によれば、集積確認手段は、状態判定部から取得したパウチの異常集積の有無の判定情報を基に、製袋装置および搬送集積装置の稼働または停止を実施する装置停止部を有するため、状態判定部と装置停止部とを連携させることで、パウチの異常集積が発生した場合、作業人員の操作を介することなく、迅速且つ確実に製袋装置および搬送集積装置を自動で停止することができる。
さらに、異常集積の判定から搬送集積装置を停止するまでの時間を短くできるため、異常集積が発生したパウチの上に集積される他のパウチを最低限に抑えることができ、集積したパウチの検品作業に要する時間が減り、製袋装置および搬送集積装置を再稼働させるまでの時間を短縮できる。
請求項7に記載の構成によれば、集積確認手段は、パウチの搬送タイミングを取得する搬送確認部を有するため、搬送確認部と検出部とを連携させることで、正常集積時にパウチの集積が完了するタイミングでのみ検出部を作動させることができ、検出部の作動時間を短くすることで、省エネルギー化できる。
さらに、搬送確認部と状態判定部とを連携させたり、搬送確認部と装置停止部とを連携させることで、検出部が取得したパウチの集積状態の情報のうち、パウチの異常集積の有無を判定可能な情報が取得できるタイミングでのみ状態判定部を作動させたり、状態判定部による異常集積の有無の判定情報が取得できるタイミングでのみ装置停止部を作動させることもでき、状態判定部や装置停止部の作動時間も短くすることで、より一層省エネルギー化できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る搬送集積装置100を示す斜視図。
図2】本発明の一実施形態に係る搬送集積装置100を示す概略断面図。
図3】本発明の一実施形態に係る搬送集積装置100の、正常集積状態での回帰式レーザセンサ130による検出動作を示す概略断面図。
図4】本発明の一実施形態に係る搬送主席装置100の、異常集積状態での回帰式レーザセンサ130による検出動作を示す概略断面図。
図5】従来の搬送集積装置200の一例を示す斜視図。
図6】従来の搬送集積装置200の一例の搬送集積工程1を示す概略断面図。
図7】従来の搬送集積装置200の一例の搬送集積工程2を示す概略断面図。
図8】従来の搬送集積装置200の一例の搬送集積工程3を示す概略断面図。
図9】従来の搬送集積装置200の一例の搬送集積工程4を示す概略断面図。
図10】従来の搬送集積装置200の一例の搬送集積工程5を示す概略断面図。
図11】従来の搬送集積装置200の一例の異常集積過程1を示す概略断面図。
図12】従来の搬送集積装置200の一例の異常集積過程1を示すA部拡大図。
図13】従来の搬送集積装置200の一例の異常集積過程2を示すA部拡大図。
図14】従来の搬送集積装置200の一例の異常集積過程3を示すA部拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態である搬送集積装置100は、製袋装置(図示しない)の上流側コンベアCから搬送されたパウチPを集積し次工程へ搬送する集積部110を有するものであり、図1に示すように、搬送集積装置100は、パウチPの集積部110への正常集積を判定可能な1対の回帰反射式レーザセンサ130および回帰反射型ミラー131で構成された検出部を有している。
集積部110は、昇降可能に構成された受台111と、受台111に集積したパウチPを整列する押え部112と、受台111に集積したパウチPを受け取り次工程へ搬送する搬送部120と、受台111が搬送部120にパウチPを移載している間に受台111の代わりにパウチPを集積する仮受け部材116とを有している。
【0019】
押え部112には、受台111に集積したパウチPの側方から進退移動可能に構成された整列用ハンド113と、受台111を挟んで整列用ハンド113に対向配置された突き当て壁部115とが設けられており、整列用ハンド113の突き当て壁部115側の端部には、下方に開放した櫛状の接触櫛部114が突き当て壁部115に対向するように設けられている。
搬送部120には、受台111に集積したパウチPを受け取る移送部材121と、移送部材121からパウチPを受け取り次工程へ搬送する下流側コンベア123と、移送部材121に載せたパウチPを下流側コンベア123上へ移す対向板122とが設けられている。
【0020】
受台111は、上流側コンベアCから搬送されるパウチPを、集積高さHで常に集積するように昇降可能に構成されているため、上流側コンベアCから受台111に集積するまでのパウチPの振る舞いを安定させることができる。
また、受台111は、接触櫛部114が通過可能な下方と側方を開放された溝を有しており、接触櫛部114を受台111の溝に通過させながらパウチPに向かって細かく進退移動することで、受台111に集積されたすべてのパウチPを確実に突き当て壁部115とで挟んで位置を揃えることができる。
【0021】
仮受け部材116は、接触櫛部114を通過可能な櫛状に形成されているため、受台111が移送部材121にパウチPを受け渡す間、仮受け部材116は接触櫛部114を通過して集積高さHに移動して、受台111の代わりにパウチPを集積する。
移送部材121は、受台111の溝を通過可能な櫛状に形成されているため、移送部材121が受台111の溝を側方から通過した後、受台111が下降して移送部材121が相対的に上方に移動することで、受台111に集積したパウチPを移送部材121へ受け渡すことができる。
【0022】
対向板122は、下流側コンベア123の中央を挟んで受台111と反対側に設けられており、対向板122の下部は、移送部材121が通過可能な櫛状に形成されている。
これによって、受台111から集積されたパウチPを受け取った移送部材121が下流側コンベア123上を通り対向板122の下部を通過する際、集積されたパウチPを対向板122が相対的に移送部材121上から押し出すことで、集積されたパウチPを下流側コンベア123に移送することができる。
【0023】
回帰反射式レーザセンサ130は対向板122の上部に設けられるとともに、照射レーザLの送受信部を集積高さHよりも上方且つ突き当て壁部115に対向する方向に向けて設置される。
また、回帰反射型ミラー131は、突き当て壁部115上の、回帰反射式レーザセンサ130から照射される照射レーザLを回帰反射式レーザセンサ130の送受信部に反射可能な位置に設置される。
【0024】
このとき、回帰反射式レーザセンサ130の送受信部を、照射レーザLが接触櫛部114の隙間を通過可能な位置に設置することで、対向板122側に回帰反射式レーザセンサ130を設置していても、接触櫛部114越しに照射レーザLを回帰反射型ミラー131に照射でき、また、回帰反射型ミラー131で反射した照射レーザLを回帰反射式レーザセンサ130が受信できる。
【0025】
上記構成の他に、説明のため図示しないが、搬送集積装置100の構成として、検出部と、製袋機(図示しない)から搬送されるパウチPの搬送タイミングを取得する搬送確認部と、パウチPの異常集積の有無を判定する状態判定部と、製袋装置(図示しない)および搬送集積装置100の稼働または停止を実施する装置停止部とを有した集積確認手段が設けられている。
また、集積確認手段は、搬送確認部が取得したパウチPの搬送タイミングの情報を検出部に送信可能に構成され、且つ、検出部が取得したパウチPの集積状態の情報を状態判定部に送信可能に構成され、且つ、状態判定部が取得したパウチPの異常集積の有無の情報を装置停止部に送信可能に構成されている。
【0026】
次に、本発明の搬送集積装置100の、受台111に集積されるパウチPの正常集積判定および異常集積判定の手順と動作について、図3および図4を用いて説明する。
まず、受台111を集積高さHに合わせて昇降させ、上流側コンベアCから搬送されるパウチPを集積する準備をする。
【0027】
次に、搬送確認部は、パウチPが受台111に集積される前から、製袋装置(図示しない)の上流側から一定の間隔を保って間欠送りで搬送されるパウチPの搬送タイミングを読み取り始める。
集積確認手段は、搬送確認部が取得したパウチPの搬送タイミングの情報を検出部へ送信し、検出部はパウチPの搬送タイミングを基に受台111上へのパウチPの集積タイミングを算出し、パウチPの集積タイミングに合わせて回帰反射式レーザセンサ130から照射レーザLを照射する。
【0028】
パウチPが正常集積されている場合は、図3に示すように、接触櫛部114の隙間を通過した照射レーザLは回帰反射型ミラー131によって回帰反射された後、回帰反射式レーザセンサ130の送受信部に戻る。
集積確認手段は、検出部から回帰反射式レーザセンサ130が回帰反射した照射レーザLを受信したという情報を、状態判定部へ送信する。
【0029】
次に、状態判定部は、集積確認手段を介して検出部から受信した照射レーザーの受信情報を基に、受台111上へのパウチPの集積は正常に実施されていると判定する。
集積確認手段は、状態判定部から受台111上へのパウチPの集積は正常に実施されているという情報を、装置停止部へ送信する。
装置停止部は、集積確認手段を介して状態判定部から受信したパウチPの正常集積の情報を基に、製袋装置(図示しない)および搬送集積装置100に対して稼働を継続するよう指示する。
【0030】
一方で、異常集積が発生した場合では、図4に示すように、異常集積されたエラーパウチPSは突き当て壁部115に引っかかるように位置し、回帰反射型ミラー131を隠す。
これによって、回帰反射式レーザセンサ130から照射された照射レーザLは、回帰反射型ミラー131に到達できず、エラーパウチPSに当たって拡散されるため、回帰反射式レーザセンサ130の送受信部に照射レーザLは戻ってこず、検出部は、パウチPの集積タイミングに回帰反射式レーザセンサ130が回帰反射型ミラー131によって回帰反射した照射レーザLを受信できなかったという情報を、集積確認手段を介して状態判定部へ送る。
【0031】
状態判定部は、集積確認手段を介して検出部から受信した情報を基に、受台111上へのエラーパウチPSの集積に異常が発生していると判定し、集積確認手段を介して装置停止部に判定情報を送る。
装置停止部は、集積確認手段を介して状態判定部から取得したエラーパウチPSの異常集積の情報を基に、製袋装置(図示しない)および搬送集積装置100に対して稼働を停止するよう指示する。
【0032】
製袋装置(図示しない)および搬送集積装置100を停止した後、異常集積が発生したエラーパウチPSと、エラーパウチPSが集積される直前に受台111上に集積されたパウチPの集積状態を確認し、不具合を取り除く。
これによって、エラーパウチPSが異常集積されたまま搬送集積装置100を稼働させていた場合に比べて、製袋装置(図示しない)および搬送集積装置100を再稼働するまでの時間を大幅に短縮することができ、集積作業を迅速に進めることができる。
また、エラーパウチPSが異常集積されている箇所が明確にわかるため、異常集積されたエラーパウチPSを確認して正常状態に戻すために発生する作業コストも削減できる。
【0033】
なお、パウチPの表面が鏡面状に処理されている場合、エラーパウチPSが受台111から見て垂直に保持され、回帰反射式レーザセンサ130に対向するように位置しても、照射レーザLはエラーパウチPSに反射して回帰反射式レーザセンサ130の送受信部に戻るが、回帰反射された照射レーザLとは異なるため、正常集積状態として誤検知されることはない。
また、パウチPが透明な素材で構成されている場合、照射レーザLがエラーパウチPSを透過して回帰反射型ミラー131に到達し、回帰反射した照射レーザLがエラーパウチPSを再び透過して回帰反射式レーザセンサ130の送受信部に戻ることがあるが、エラーパウチPSを透過する際に照射レーザLの位相が変化するため、正常集積状態として誤検知されることはない。
また、仮受け部材116にパウチPを集積する場合でも、集積確認手段によるパウチPの集積確認方法は、受台111上にパウチPを集積する際と同様である。
【0034】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0035】
なお、上述した実施形態では、パウチは製袋装置から集積部に一枚ずつ集積されるものとして説明したが、集積部の構成はこれに限定されず、例えば、複数列並んで排出されたパウチを同時に集積部に複数列集積してもよい。
また、上述した実施形態では、検出部は回帰反射式レーザセンサと回帰反射型ミラーとで構成されているものとして説明したが、検出部の構成はこれに限定されず、例えば、透過型センサを用いて構成してもよく、CCDカメラと画像処理装置を用いて構成してもよい。
【0036】
また、上述した実施形態では、検出部は1対設けられているものとして説明したが、検出部の数はこれに限定されず、例えば、パウチの同時集積列数の数だけ設けてもよく、1つのパウチの集積を複数の検出部で検知するように設けてもよい。
また、上述した実施形態では、集積部は、受台が搬送部にパウチを移載している間に受台の代わりにパウチを集積する仮受け部材を有するものとして説明したが、集積部の構成はこれに限定されず、例えば、仮受け部材がなくてもよい。
【0037】
また、上述した実施形態では、仮受け部材は接触櫛部を通過可能な櫛状に形成されているものとして説明したが、仮受け部材と接触櫛部との関係はこれに限定されず、例えば、仮受け部材は板状に形成され、接触櫛部の下端と摺動可能に構成されていてもよく、接触櫛部が仮受け部材の昇降に合わせて昇降可能に構成されていてもよい。
また、上述した実施形態では、受台に集積されたパウチは、移送部材に受け渡された後下流側コンベアへ受け渡されるものとして説明したが、下流側コンベアへのパウチの受け渡し方法はこれに限定されず、例えば、移送部材や対向板を設けずに、受台上のパウチを水平方向からエアシリンダで下流側コンベアへ押し出すように構成してもよい。
【0038】
また、上述した実施形態では、受台は、常に一定の集積高さを維持するように昇降可能に構成されているものとして説明したが、受台の構成はこれに限定されず、例えば、一定数のパウチを連続集積した後、集積高さを調整するように構成してもよい。
また、上述した実施形態では、検出部は集積確認手段を介して搬送確認部から取得したパウチの搬送タイミングの情報を基に算出したパウチの集積タイミングに合わせて、照射レーザを照射するように構成されているものとして説明したが、検出部の構成はこれに限定されず、例えば、搬送確認部からパウチの搬送タイミングの情報を取得せずに、常に照射レーザを照射するように構成されていてもよい。
【0039】
また、上述した実施形態では、装置停止部が製袋装置および搬送集積装置に稼働および停止の指示を出すものとして説明したが、製袋装置および搬送集積装置の稼働および停止の手順はこれに限定されず、例えば、装置停止部を設けずに、状態判定部が状態判定の情報を画面に表示し、作業員が状態判定部の画面を監視して、画面に表示された状態判定結果に従って製袋装置および搬送集積装置を稼働および停止するようにしてもよい。
【0040】
また、上述した実施形態では、パウチは、製袋装置の上流側から一定の間隔を保って間欠送りで搬送されてくるものとして説明したが、パウチの送り方法はこれに限定されず、例えば、一定の間隔を保って連続的に搬送されるように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0041】
100、200 ・・・ 搬送集積装置
110、210 ・・・ 集積部
111、211 ・・・ 受台
112、212 ・・・ 押え部
113、213 ・・・ 整列用ハンド
114、214 ・・・ 接触櫛部
115、215 ・・・ 突き当て壁部
116、216 ・・・ 仮受け部材
120、220 ・・・ 搬送部
121、221 ・・・ 移送部材
122、222 ・・・ 対向板
123、223 ・・・ 下流側コンベア
130 ・・・ 回帰反射式レーザセンサ
131 ・・・ 回帰反射型ミラー
C ・・・ 上流側コンベア
P ・・・ パウチ
PS ・・・ エラーパウチ
L ・・・ 照射レーザ
H ・・・ 集積高さ
図1
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