(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】乗物用シート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/64 20060101AFI20221214BHJP
【FI】
B60N2/64
(21)【出願番号】P 2018169105
(22)【出願日】2018-09-10
【審査請求日】2021-09-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100111109
【氏名又は名称】城田 百合子
(72)【発明者】
【氏名】日向野 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 秀樹
【審査官】瀧本 絢奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-074390(JP,A)
【文献】国際公開第2014/033965(WO,A1)
【文献】特開2008-254663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00-2/90
A47C 7/00-7/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートクッションに対して傾動可能なシートバックを備えた乗物用シートであって、
前記シートバックは、
シートバックフレームと、
車体に設けられた被係合部と係合して前記シートバックフレームの傾動をロックするロックユニットと、を備え、
前記シートバックフレームは、
前記乗物用シートの上下方向に延在するサイドフレームと、
該サイドフレームの前記乗物用シートの幅方向における外側に取り付けられた取付ブラケットと、を有し、
前記ロックユニットは、前記取付ブラケットの前記乗物用シートの幅方向における外側面に取り付けられており、
前記サイドフレームと前記取付ブラケットが補強ブラケットによって接続されて
おり、
前記取付ブラケットは、前記乗物用シートの前後方向に前面及び後面を備え、
前記前面及び前記後面は、前記外側面によって連結されており、
前記補強ブラケットは、前記サイドフレームと前記取付ブラケットの前記前面を接続していることを特徴とする乗物用シート。
【請求項2】
前記取付ブラケットの前記後面は、前記乗物用シートの前後方向の前方に突出する凸部を有し、
該凸部において、前記取付ブラケットが前記サイドフレームに取り付けられていることを特徴とする請求項
1に記載の乗物用シート。
【請求項3】
前記取付ブラケットは、前記後面及び前記外側面に跨る開口を備えていることを特徴とする請求項
1又は
2に記載の乗物用シート。
【請求項4】
前記取付ブラケットは、前記乗物用シートの上下方向に上面及び下面を備え、
前記上面は、前記サイドフレームと係合する第1凹部を有し、
前記下面は、前記サイドフレームと係合する第2凹部を有し、
前記第1凹部及び第2凹部において、前記取付ブラケットが前記サイドフレームに取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至
3のいずれか一項に記載の乗物用シート。
【請求項5】
前記取付ブラケットは、前記上面及び前記下面にそれぞれスリットを備えていることを特徴とする請求項
4に記載の乗物用シート。
【請求項6】
前記補強ブラケットは、前記乗物用シートの前後方向に前端部及び後端部を備え、
前記前端部及び前記後端部の間に延在する補強ビードが形成されていることを特徴とする請求項1乃至
5のいずれか一項に記載の乗物用シート。
【請求項7】
前記補強ビードは、前記補強ブラケットの上端部に上側補強ビードを有し、前記補強ブラケットの下端部に下側補強ビードを有し、
前記乗物用シートの前後方向において、前方から後方に向かうにつれて前記上側補強ビードと前記下側補強ビードとの間隔が広がっていることを特徴とする請求項
6に記載の乗物用シート。
【請求項8】
前記シートバックフレームの傾動のロックを解除するロック解除部材と、
前記ロック解除部材を支持する支持ブラケットと、
前記支持ブラケットに取り付けられたワイヤ部材を備え、
前記ワイヤ部材は、一端部が前記取付ブラケットの前記外側面に取り付けられており、
他端部が、前記シートバックフレームに取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至
7のいずれか一項に記載の乗物用シート。
【請求項9】
前記支持ブラケットは、前記乗物用シートの前後方向において、前方部及び後方部を備え、
前記前方部は、前記取付ブラケットに取り付けられ、
前記後方部は、前記ワイヤ部材に取り付けられていることを特徴とする請求項
8に記載の乗物用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートクッションに対して傾動可能なシートバックを備えた乗物用シートに係り、特に車体に設けられた被係合部と係合してシートバックの傾動をロックするロックユニットを備えた乗物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
シートバックを、シートクッションに対して近付く方向に傾動可能に構成した車両用シートにおいて、シートバックフレームにロックユニットを取り付けて、シートバックの傾動をロックする技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、パイプを枠状に折り曲げて形成されたフレーム部材の側部の角部にブラケットを設け、車体に支持されたストライカに係脱自在なロックユニットを取り付けたシートバックフレームが記載されている。乗員が着座する際には、ロックユニットをストライカと係合させ、ブラケット及びシートバックフレームは車体に対して固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両の前方及び後方からの衝突に対して、乗員を保護するためにシートフレームの強度を向上させることが求められているが、ブラケットを介してシートフレームに取り付けられたロックユニットの周囲においても、強度を向上させることで、安定してロックユニットを支持することが可能な構造が求められていた。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、シートバックフレームにおいて、ロックユニットを取り付けたサイドフレーム周辺の強度を向上させるとともに、ロックユニットを安定して支持することが可能な乗物用シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、本発明の乗物用シートによれば、シートクッションに対して傾動可能なシートバックを備えた乗物用シートであって、前記シートバックは、シートバックフレームと、車体に設けられた被係合部と係合して前記シートバックフレームの傾動をロックするロックユニットと、を備え、前記シートバックフレームは、前記乗物用シートの上下方向に延在するサイドフレームと、該サイドフレームの前記乗物用シートの幅方向における外側に取り付けられた取付ブラケットと、を有し、前記ロックユニットは、前記取付ブラケットの前記乗物用シートの幅方向における外側面に取り付けられており、前記サイドフレームと前記取付ブラケットが補強ブラケットによって接続されており、前記取付ブラケットは、前記乗物用シートの前後方向に前面及び後面を備え、前記前面及び前記後面は、前記外側面によって連結されており、前記補強ブラケットは、前記サイドフレームと前記取付ブラケットの前記前面を接続していること、により解決される。
【0008】
上記のように構成された本発明の乗物用シートでは、ロックユニットを取り付けたサイドフレーム周辺の強度を補強ブラケットにより向上させることで、ロックユニットを安定して支持することが可能となる。
また、上記の構成では、取付ブラケットの強度を適切に向上させることで、ロックユニットを一層安定して支持することが可能となる。
【0010】
上記の乗物用シートにおいて、前記取付ブラケットの前記後面は、前記乗物用シートの前後方向の前方に突出する凸部を有し、該凸部において、前記取付ブラケットが前記サイドフレームに取り付けられているとよい。
上記の構成では、取付ブラケットのサイドフレームに対する取付が安定なものとなるため、ロックユニットを一層安定して支持することが可能となる。
【0011】
上記の乗物用シートにおいて、前記取付ブラケットは、前記後面及び前記外側面に跨る開口を備えているとよい。
上記の構成では、ロックユニットを取り付ける外側面を確保しつつ、取付ブラケットの剛性を低下させることなく、軽量化することが可能となる。
【0012】
上記の乗物用シートにおいて、前記取付ブラケットは、前記乗物用シートの上下方向に上面及び下面を備え、前記上面は、前記サイドフレームと係合する第1凹部を有し、前記下面は、前記サイドフレームと係合する第2凹部を有し、前記第1凹部及び第2凹部において、前記取付ブラケットが前記サイドフレームに取り付けられているとよい。
上記の構成では、取付ブラケットが、シート上下方向において上面の第1凹部と下面の第2凹部にてサイドフレームに取り付けられているため、取付ブラケットのサイドフレームに対する取付がより一層安定なものとなる。
【0013】
上記の乗物用シートにおいて、前記取付ブラケットは、前記上面及び前記下面にそれぞれスリットを備えているとよい。
上記の構成では、取付ブラケットの上面及び下面がそれぞれスリットを備える構成であるため、板材を折り曲げるなどしてスリットを備える上面及び下面を形成することが可能となるため、取付ブラケットを成形する際の作業が容易なものとなる。
【0014】
上記の乗物用シートにおいて、前記補強ブラケットは、前記乗物用シートの前後方向に前端部及び後端部を備え、前記前端部及び前記後端部の間に延在する補強ビードが形成されているとよい。
上記の構成では、補強ビードを設けることで補強ブラケットの剛性を向上させることが可能となる。
【0015】
上記の乗物用シートにおいて、前記補強ビードは、前記補強ブラケットの上端部に上側補強ビードを有し、前記補強ブラケットの下端部に下側補強ビードを有し、前記乗物用シートの前後方向において、前方から後方に向かうにつれて前記上側補強ビードと前記下側補強ビードとの間隔が広がっているとよい。
上記の構成では、補強ブラケットが前方から後方に向かうにつれて間隔が広がる上側補強ビード及び下側補強ビードを有しているため、乗物用シートの前後方向から加わる衝撃に対する強度を向上させることが可能となる。
【0016】
上記の乗物用シートにおいて、前記シートバックフレームの傾動のロックを解除するロック解除部材と、前記ロック解除部材を支持する支持ブラケットと、前記支持ブラケットに取り付けられたワイヤ部材を備え、前記ワイヤ部材は、一端部が前記取付ブラケットの前記外側面に取り付けられており、他端部が、前記シートバックフレームに取り付けられているとよい。
上記の構成では、ロック解除部材を簡素な構造によって固定することが可能となる。
【0017】
上記の乗物用シートにおいて、前記支持ブラケットは、前記乗物用シートの前後方向において、前方部及び後方部を備え、前記前方部は、前記取付ブラケットに取り付けられ、前記後方部は、前記ワイヤ部材に取り付けられているとよい。
上記の構成では、ロック解除部材を安定して固定することが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の乗物用シートによれば、ロックユニットを取り付けたサイドフレーム周辺の強度を補強ブラケットにより向上させることで、ロックユニットを安定して支持することが可能となる。
また、本発明の乗物用シートによれば、取付ブラケットの強度を適切に向上させることで、ロックユニットを一層安定して支持することが可能となる。
また、本発明の乗物用シートによれば、取付ブラケットのサイドフレームに対する取付が安定なものとなるため、ロックユニットを一層安定して支持することが可能となる。
また、本発明の乗物用シートによれば、ロックユニットを取り付ける外側面を確保しつつ、取付ブラケットの剛性を低下させることなく、軽量化することが可能となる。
また、本発明の乗物用シートによれば、取付ブラケットが、シート上下方向において上面の第1凹部と下面の第2凹部にてサイドフレームに取り付けられているため、取付ブラケットのサイドフレームに対する取付がより一層安定なものとなる。
また、本発明の乗物用シートによれば、取付ブラケットの上面及び下面がそれぞれスリットを備える構成であるため、板材を折り曲げるなどしてスリットを備える上面及び下面を形成することが可能となるため、取付ブラケットを成形する際の作業が容易なものとなる。
また、本発明の乗物用シートによれば、補強ビードを設けることで補強ブラケットの剛性を向上させることが可能となる。
また、本発明の乗物用シートによれば、補強ブラケットが前方から後方に向かうにつれて間隔が広がる上側補強ビード及び下側補強ビードを有しているため、乗物用シートの前後方向から加わる衝撃に対する強度を向上させることが可能となる。
また、本発明の乗物用シートによれば、ロック解除部材を簡素な構造によって固定することが可能となる。
また、本発明の乗物用シートによれば、ロック解除部材を安定して固定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態に係る車両用シートの外観図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る車両用シートのシートフレームの外観図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るシートフレームのロックユニット周囲の構造を示す部分拡大図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るシートフレームのロックユニット周囲の構造を示す部分拡大図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る車両用シートの取付ブラケットの外観図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る車両用シートの取付ブラケットの外観図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る車両用シートの取付ブラケットの外観図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る車両用シートの取付ブラケットの外観図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る車両用シートの取付ブラケットの外観図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る車両用シートの取付ブラケットの外観図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る車両用シートの補強ブラケットの外観図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る車両用シートの補強ブラケットの外観図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る車両用シートのシートフレームの部分分解図である。
【
図14】本発明の変形例に係る車両用シートのシートフレームの外観図である。
【
図15】本発明の変形例に係る車両用シートの補強ブラケットの外観図である。
【
図16】本発明の変形例に係るシートフレームのロックユニット周囲の構造を示す部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、
図1乃至
図16を参照しながら、本発明の実施の形態(以下、本実施形態)に係る乗物用シートについて、車両に搭載される車両用シートを例に挙げて説明する。
【0021】
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、以下に説明する部材の形状、寸法、配置等については、本発明の趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【0022】
本明細書における方向を示す用語に関し、
図1のように各方向を定義する。具体的には、以下の説明中、「前後方向」とは、車両用シートの着座者から見たときの前後方向を意味し、車両の走行方向と一致する方向である。「シート幅方向」とは、車両用シートの横幅方向を意味し、車両用シートの着座者から見たときの左右方向と一致する。また、「上下方向」とは、車両用シートの高さ方向を意味し、車両用シートを正面から見たときの上下方向と一致している。
【0023】
[1.車両用シートSの主要構成]
本実施形態の車両用シートSは、例えば車両の後部右側の座席に相当するリアシートである。本実施形態に係る車両用シートSは、
図1に図示した外観を有している。なお、
図1中、車両用シートSの一部については、図示の都合上、トリムカバーを外した構成にて図示している。
【0024】
車両用シートSは、着座者の臀部を支える着座部分となるシートクッションS1、着座者の背部を支える背もたれ部分となるシートバックS2、及び、シートバックS2の上部に配され、着座者の頭部を支えるヘッドレストS3を主な構成要素として有する。なお、シートバックS2は不図示の支持ベースによって回動可能に支持されている。
【0025】
車両用シートSは、乗員が着座可能な使用状態から、シートクッションS1、シートバックS2及びヘッドレストS3(以下、シート本体という)を収納フロアに収納した収納状態へ移行可能である。具体的には、車両用シートSは、使用状態から、操作レバー(後述するロック解除部材41)を引っ張ることで、シートバックS2及びヘッドレストS3がシートクッションS1に対して近付く方向に傾動して折り畳まれ、収納フロアに収納された収納状態に切り替わる。また、収納状態から、乗員が手動でシート本体を上方に起こすことで使用状態に復帰する。
【0026】
シートクッションS1は、
図2に示す骨格となるシートクッションフレーム1にクッションパッドS11を載置し、更にクッションパッドS11をトリムカバーS12で覆うことで構成されている。シートバックS2は、
図2に示す骨格となるシートバックフレーム2にクッションパッドS21を載置して、トリムカバーS22で覆うことで構成されている。ヘッドレストS3は、不図示の芯材にクッションパッドS31を配して、トリムカバーS32で被覆して形成されている。クッションパッドS11,S21,S31は、ウレタンフォームなどの弾性を有するクッション材からなり、トリムカバーS12,S22,S32は、合成皮革や布地などからなり、複数の表皮材が縫製されて形成されている。
【0027】
[2.シートフレームの概要]
まず、
図2を参照しながら、シートフレームFの構成の概要について説明する。
図2では、
図1に示す車両用シートSの右側のシートのシートフレームFを図示している。
図2に示されるように、シートフレームFは、主にシートクッションフレーム1及びシートバックフレーム2により構成される。シートクッションフレーム1は、車両用シートSにおける着座部分の骨格をなし、シートバックフレーム2は、車両用シートSにおける背もたれ部分の骨格をなす。
【0028】
シートクッションフレーム1は、
図2に示されるように、上方から見たときに方形枠状の外形形状をなしている。そして、シートクッションフレーム1は、シート幅方向における端部を構成するサイドフレームと、シートクッションフレーム1の前端部を構成するパンフレームと、を主たる構成要素とする。シートクッションフレーム1は、支持脚1aを備えており、乗員が着座可能な使用状態において、
図1に示すように、支持脚1aが不図示の支持ベースに係合して固定されている。
【0029】
シートバックフレーム2は、パイプフレーム3と、パイプフレーム3のシート後面に設けられたバックパネル4を備えている。パイプフレーム3は、金属製のパイプ部材を折り曲げて形成した略矩形状の枠状体であり、
図2に示すように、左右に離間して配置され長手方向(シート上下方向)に延在する一対のサイドフレーム3aと、この一対のサイドフレーム3aの上端部を連結する上部フレーム3bと、下端部を連結する下部フレーム3cとによりに構成されている。
【0030】
上部フレーム3bの前面には、シート幅方向に略平坦面が形成されている。この略平坦面が形成された部分には、不図示のヘッドレストピラーを支持するための一対のピラー支持部がそれぞれ取り付けられている。ピラー支持部には、不図示のヘッドレストピラーが挿入され、ヘッドレストS3が取り付けられる。
【0031】
バックパネル4は、略矩形状からなる金属製のパネル部材である。バックパネル4は、シート幅方向において左右の端部がパイプフレーム3の左右のサイドフレーム3aに対してそれぞれ溶接で取り付けられている。また、バックパネル4は、シート上下方向において上方部分及び下方部分がそれぞれ上部フレーム3b及び下部フレーム3cに対して溶接で取り付けられている。
【0032】
[3.ロックユニットの取付態様]
車両用シートSは、シートバックフレーム2(シートバックS2)の傾動をロックするロックユニット30を備えている。以下、
図3及び
図4を参照して、シートフレームFに対するロックユニット30の取り付けについて説明する。
【0033】
図3及び
図4は、シートフレームFに取り付けられたロックユニット30の周囲の構造を示す部分拡大図であり、
図3はシートの前方から見た場合のロックユニット30の周囲の構造を示しており、
図4はシートの後方から見た場合のロックユニット30の周囲の構造を示している。
【0034】
図3及び
図4に示すように、サイドフレーム3aのシート幅方向における外側には、取付ブラケット10が取り付けられており、取付ブラケット10のシート幅方向における外側面11にロックユニット30が取り付けられている。
図4に示すように、ロックユニット30はロック片33を備えており、ロック片33が車体に設けられた不図示の被係合部(ストライカ)と係合してシートバックフレーム2(シートバックS2)の傾動をロックする。
【0035】
図3及び
図4に示すように、サイドフレーム3aと取付ブラケット10が、補強ブラケット20によって接続されている。また、シートバックフレーム2(シートバックS2)の傾動のロックを解除するロック解除部材41(操作レバー)が支持ブラケット40に対して回動可能に支持されている。
図3及び
図4に示すように、支持ブラケット40は、シート前後方向において、前方部42が取付ブラケット10に取り付けられ、後方部43がワイヤ部材50に取り付けられている。なお、
図3及び4において、ドットのハッチングを施した箇所は溶接痕を示している。
【0036】
(取付ブラケット10)
以下、
図5乃至
図10を参照して、取付ブラケット10の構成について説明する。
図5は取付ブラケット10の外観図であり、
図6は取付ブラケット10を前方上側から見た外観図であり、
図7は取付ブラケット10を前方下側から見た外観図であり、
図8は取付ブラケット10を後方上側から見た外観図であり、
図9は取付ブラケット10をシート幅方向における外側から見た外観図であり、
図10は取付ブラケット10をシート幅方向における内側から見た外観図である。
【0037】
図5乃至10に示すように取付ブラケット10は、シート幅方向に配置される外側面11と、シート前後方向にそれぞれ配置される前面12及び後面13と、シート上下方向にそれぞれ配置される上面14及び下面15と、を備えている。ここで、外側面11は、シート前後方向において前面12及び後面13を連結しており、シート上下方向において、上面14及び下面15を連結している。取付ブラケット10は、
図5に示すように、略箱型の形状を有している。
【0038】
図5、
図9及び
図10に示すように、取付ブラケット10の外側面11は、後面13に跨る開口11aを備えている。また、外側面11は、ロックユニット30を取り付ける際に用いられる取付孔11bを、シート前後方向において後面13よりも前面12に近い位置に、シート上下方向に2つ備えている。
【0039】
図5及び
図10に示すように、取付ブラケット10の後面13には、シート前後方向の前方に突出する凸部13aが形成されている。換言すると、取付ブラケット10の後面13は、外側面11に向かう方向に突出する凸部13aが形成されている。
図4に示すように、取付ブラケット10は、凸部13aにおいてサイドフレーム3aに溶接されて取り付けられている。
【0040】
図5及び
図7に示すように、取付ブラケット10の上面14は凹部14a(第1凹部)を有し、下面15は凹部15a(第2凹部)を有している。具体的には、取付ブラケット10の上面14は、
図4及び
図5に示すように、シート幅方向における内側から、外側に向かう方向(換言すると、外側面11に向かう方向)に湾曲する外形を備えた凹部14aが形成されている。また、取付ブラケット10の下面15は、
図5に示すように、シート幅方向における内側から、外側に向かう方向(換言すると、外側面11に向かう方向)に湾曲する外形を備えた凹部15aが形成されている。
【0041】
図3及び
図4に示すように、取付ブラケット10は、上面14の凹部14aにおいて、サイドフレーム3aに溶接されて取り付けられている。また、図示は省略するが、同様に、取付ブラケット10は、下面15の凹部15aにおいて、サイドフレーム3aに溶接されて取り付けられている。取付ブラケット10が、シート上下方向において上面14の凹部14aと下面15の凹部15aの2カ所にてサイドフレーム3aに対して取り付けられているため、取付ブラケット10のサイドフレーム3aに対する取付が安定なものとなっている。
【0042】
取付ブラケット10は、
図5に示すように、上面14にスリット14bを備え、下面15にスリット15bを備えている。スリット14bは、上面14において、外側面11及び後面13に隣接する角部から、凹部14aに向かって伸びるように形成されている。また、同様に、スリット15bは、下面15において、外側面11及び後面13に隣接する角部から、凹部15aに向かって伸びるように形成されている。
【0043】
取付ブラケット10は、1枚の金属板を打ち抜き、折り曲げて形成されている。このとき、取付ブラケット10の上面14及び下面15がそれぞれスリット14b,15bを備える構成であるため、金属板を折り曲げるなどしてスリット14b,15bを備える上面14及び下面15を形成することが可能となるため、取付ブラケット10を成形する際の作業が容易なものとなる。同様に、取付ブラケット10は、外側面11及び後面13に跨る位置に開口11aが形成されているため、取付ブラケット10を成形する際の作業が容易なものとなるとともに、ロックユニット30を取り付ける外側面11を確保しつつ、剛性を低下させることなく、軽量化することが可能となる。
【0044】
(補強ブラケット20)
以下、
図11及び12を参照して、補強ブラケット20の構成について説明する。
図11は補強ブラケット20を前方から見た外観図であり、
図12は補強ブラケット20を後方から見た外観図である。
【0045】
補強ブラケット20は、金属製の湾曲した板状部材で形成されており、車両用シートSのシートバックフレーム2に取り付けた際に、シート上下方向に配置される上端部21a及び下端部21bを備える基部21と、シート前後方向において、基部21から屈曲して形成された前端部22及び後端部23を備えている。
図11及び
図12に示すように、シート上下方向において、前端部22の長さが後端部23の長さよりも短くなっている。
【0046】
図10及び
図11に示すように、補強ブラケット20には、前端部22及び後端部23の間に延在する補強ビード24a,24bが形成されている。具体的には、補強ブラケット20の上端部21aに近い位置に補強ビード24a(上側補強ビード)が形成されており、下端部21bに近い位置に補強ビード24b(下側補強ビード)が形成されている。補強ビード24a、24bを設けることで補強ブラケット20の剛性が向上している。また、
図3に示すように、補強ブラケット20をシートバックフレーム2に取り付けた際に、補強ビード24a,24bが基部21から前方に突出するように配置される。
【0047】
また、車両用シートSによれば、補強ビード24a、24bは、補強ブラケット20の上端部21aに上側補強ビード(補強ビード24a)を有し、補強ブラケット20の下端部21bに下側補強ビード(補強ビード24b)を有し、車両用シートSの前後方向において、前方から後方に向かうにつれて上側補強ビード(補強ビード24a)と下側補強ビード(補強ビード24b)との間隔が広がっている。したがって、補強ブラケット20が前方から後方に向かうにつれて間隔が広がる上側補強ビード(補強ビード24a)及び下側補強ビード(補強ビード24b)を有しているため、車両用シートSの前後方向から加わる衝撃に対する強度を向上させることが可能となる。
【0048】
図3及び
図10に示すように、シート前後方向において、前方から後方に向かうにつれて補強ビード24aと補強ビード24bとの間隔が広がっている。換言すると、補強ブラケット20の前端部22から後端部23に向かうにつれて補強ビード24aと補強ビード24bとの間隔が広がっている。
【0049】
図3に示すように、補強ブラケット20は、前端部22が取付ブラケット10の前面12に対して溶接されて取り付けられており、後端部23がサイドフレーム3aに対してシート幅方向における内側において溶接されて取り付けられている。補強ブラケット20を用いることで、取付ブラケット10が取り付けられたサイドフレーム3a周辺の強度を向上するため、取付ブラケット10によってロックユニット30を安定して支持することが可能となる。また、補強ブラケット20は、サイドフレーム3aと取付ブラケット10の前面12を接続しており、サイドフレーム3aに取り付けられた取付ブラケット10の強度を適切に向上させることで、ロックユニット30を一層安定して支持することが可能となる。
【0050】
(ロックユニット30)
図13は、シートフレームFの部分分解図である。
図13に示すように、ロックユニット30は、シート幅方向における内側に内側側面31を有しており、内側側面31には、ロックユニット30を取付ブラケット10に対して取り付ける際に用いられる取付孔32が形成されている。ロックユニット30は、支持ブラケット40に回動操作可能に支持されたロック解除部材41と接続されている。
【0051】
ロックユニット30は、不図示のバネ部材と、バネ部材に接続されたロック片33(
図4)を備えた公知のロックユニットであり、ロック片33が車体に支持された不図示のストライカ(被係合部)に係合することでシートバックフレーム2の傾動がロックされる。そして、乗員がロック解除部材41を回動操作することで、ロックユニット30が備えるバネ部材が伸長し、ロック片33とストライカの係合が外れることで、シートバックフレーム2の傾動のロックが解除される。
【0052】
ロックユニット30の内側側面31に設けられた取付孔32が、取付ブラケット10の外側面11に設けられた取付孔11bと位置合わせされ、不図示の締結部材(例えば、ボルト)が相通されることで、ロックユニット30が取付ブラケット10の外側面11に固定される。このようにして、ロックユニット30が取付ブラケット10を介してシートバックフレーム2を構成するパイプフレーム3のサイドフレーム3aに対して取り付けられる。
【0053】
(ワイヤ部材50)
図3及び
図4に示すように、ワイヤ部材50は、ワイヤを折り曲げることで形成されており、シート上下方向に延在する第1延出部51及び第2延出部52と、第1延出部51及び第2延出部52を連結する連結部53と、を備えている。
図3及び4に示すように、第1延出部51の第1端部51aは、取付ブラケット10の外側面11に溶接されて取り付けられており、第2延出部52の第2端部52aは、上部フレーム3bに溶接されて取り付けられている。また、第1延出部51の第1端部51aとは反対側の端部である第1曲折部51bにおいてワイヤが折り曲げられて連結部53が連結されている。そして、第2延出部52の第2端部52aとは反対側の端部である第2曲折部52bにおいてワイヤが折り曲げられて連結部53が連結されている。
【0054】
このように、ワイヤ部材50は、第1端部51aが取付ブラケット10の外側面11に取り付けられており、第2端部52aが、シートバックフレーム2(上部フレーム3b)に取り付けられているため、簡素な構造によって支持ブラケット40及びロック解除部材41が固定されている。また、支持ブラケット40は、シート前後方向において、前方部42が取付ブラケット10の前面12に溶接されて取り付けられ、後方部43がワイヤ部材50の連結部53に取り付けられているため、ロック解除部材41を安定して支持することが可能となる。
【0055】
<車両用シートSが奏する効果の説明>
以上説明した車両用シートS(乗物用シート)によれば、シートクッションS1に対して傾動可能なシートバックS2を備えた車両用シートSであって、シートバックS2は、シートバックフレーム2と、車体に設けられた被係合部(ストライカ)と係合してシートバックフレーム2の傾動をロックするロックユニット30と、を備え、シートバックフレーム2は、車両用シートSの上下方向に延在するサイドフレーム3aと、サイドフレーム3aの車両用シートSの幅方向における外側に取り付けられた取付ブラケット10と、を有し、ロックユニット30は、取付ブラケット10の車両用シートSの幅方向における外側面11に取り付けられており、サイドフレーム3aと取付ブラケット10が補強ブラケット20によって接続されている。
【0056】
したがって、ロックユニット30を取り付けたサイドフレーム周辺の強度が補強ブラケットにより向上することで、ロックユニット30を安定して支持することが可能となる。
【0057】
また、車両用シートSによれば、取付ブラケット10は、車両用シートSの前後方向に前面12及び後面13を備え、前面12及び後面13は、外側面11によって連結されており、補強ブラケット20は、サイドフレーム3aと取付ブラケット10の前面12を接続している。したがって、取付ブラケット10の強度を適切に向上させることで、ロックユニット30を一層安定して支持することが可能となる。
【0058】
また、車両用シートSによれば、取付ブラケット10の後面13は、車両用シートSの前後方向の前方に突出する凸部13aを有し、凸部13aにおいて、取付ブラケット10がサイドフレーム3aに取り付けられている。したがって、取付ブラケット10のサイドフレーム3aに対する取付が安定なものとなるため、ロックユニット30を一層安定して支持することが可能となる。
【0059】
また、車両用シートSによれば、取付ブラケット10は、後面13及び外側面11に跨る開口11aを備えているしたがって、ロックユニット30を取り付ける外側面11を確保しつつ、取付ブラケット10の剛性を低下させることなく、軽量化することが可能となる。
【0060】
また、車両用シートSによれば、取付ブラケット10は、車両用シートSの上下方向に上面14及び下面15を備え、上面14は、サイドフレーム3aと係合する第1凹部(凹部14a)を有し、下面15は、サイドフレーム3aと係合する第2凹部(凹部15a)を有し、第1凹部(凹部14a)及び第2凹部(凹部15a)において、取付ブラケット10がサイドフレーム3aに取り付けられている。したがって、取付ブラケット10が、シート上下方向において上面14の第1凹部(凹部14a)と下面15の第2凹部(凹部15a)にてサイドフレーム3aに取り付けられているため、取付ブラケット10のサイドフレーム3aに対する取付がより一層安定なものとなる。
【0061】
また、車両用シートSによれば、取付ブラケット10は、上面14及び下面15にそれぞれスリット14b,スリット15bを備えている。したがって、取付ブラケット10の上面14及び下面15がそれぞれスリット14b、15bを備える構成であるため、板材を折り曲げるなどしてスリット14b、15bを備える上面14及び下面15を形成することが可能となるため、取付ブラケット10を成形する際の作業が容易なものとなる。
【0062】
また、車両用シートSによれば、補強ブラケット20は、車両用シートSの前後方向に前端部22及び後端部23を備え、前端部22及び後端部23の間に延在する補強ビード24a,補強ビード24bが形成されている。したがって、補強ビード24a、24bを設けることで補強ブラケット20の剛性を向上させることが可能となる。
【0063】
また、車両用シートSによれば、補強ビード24a、24bは、補強ブラケット20の上端部21aに上側補強ビード(補強ビード24a)を有し、補強ブラケット20の下端部21bに下側補強ビード(補強ビード24b)を有し、車両用シートSの前後方向において、前方から後方に向かうにつれて上側補強ビード(補強ビード24a)と下側補強ビード(補強ビード24b)との間隔が広がっている。したがって、補強ブラケット20が前方から後方に向かうにつれて間隔が広がる上側補強ビード(補強ビード24a)及び下側補強ビード(補強ビード24b)を有しているため、車両用シートSの前後方向から加わる衝撃に対する強度を向上させることが可能となる。
【0064】
また、車両用シートSによれば、シートバックフレーム2の傾動のロックを解除するロック解除部材41と、ロック解除部材41を支持する支持ブラケット40と、支持ブラケット40に取り付けられたワイヤ部材50を備え、ワイヤ部材50は、一端部(第1端部51a)が取付ブラケット10の外側面11に取り付けられており、他端部(第2端部52a)が、シートバックフレーム2(上部フレーム3b)に取り付けられている。したがって、ロック解除部材41を簡素な構造によって固定することが可能となる。
【0065】
また、
図3及び
図4に示すように、支持ブラケット40は、前方部42が取付ブラケット10の前面12に溶接されて取り付けられ、後方部43がワイヤ部材50の連結部53に溶接されて取り付けられている。したがって、支持ブラケット40が安定に固定されることとなり、ロック解除部材41を安定して支持することが可能となる。
【0066】
<変形例>
以上、本発明の一実施形態に係る車両用シートSの構成について説明してきたが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【0067】
特に、車両用シートSを構成する各要素の構造、材質、形状及び寸法等については、上記の実施形態の中で説明した内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて任意に設計することが可能である。
【0068】
上記の実施形態では車両用シートSとして、車両の後部座席に相当するリアシートを例に挙げて説明をした。本実施形態に係る車両用シートSは、車両前後方向に三列のシートを備える車両において二列目のミドルシートとしても利用することが可能である。
【0069】
図14は、本実施形態の変形例に係る車両用シートのシートフレームFXの外観図である。
図14に示されるように、シートフレームFXは、主にシートクッションフレーム1X及びシートバックフレーム2Xにより構成される。シートクッションフレーム1Xは着座部分の骨格をなし、シートバックフレーム2は背もたれ部分の骨格をなす。
【0070】
シートバックフレーム2Xは、パイプフレーム3と、シート幅方向において左右のパイプフレーム3の間に架設された複数のワイヤフレームWを備えている。パイプフレーム3は、パイプ部材を折り曲げて形成した略矩形状の枠状体であり、
図14に示すように、左右に離間して配置され長手方向(上下方向)に延在するサイドフレーム3aと、このサイドフレーム3aの上端部を連結する上部フレーム3bと、下端部を連結する下部フレーム3cとによりに構成されている。
【0071】
図15に、変形例に係る補強ブラケット20Xの外観図を示す。
図16は、変形例に係るシートフレームのロックユニット周囲の構造を示す部分拡大図である。補強ブラケット20Xは、シート上下方向に上端部21Xa及び下端部21Xbを備える基部21Xと、シート前後方向において、基部21Xから屈曲して形成された前端部22X及び後端部23Xを備えている。
図15に示すように、補強ブラケット20Xには、前端部22X及び後端部23Xの間に延在する補強ビード24Xa,24Xbが形成されている。具体的には、補強ブラケット20Xの上端部21Xaに近い位置に補強ビード24Xa(上側補強ビード)が形成されており、下端部21Xbに近い位置に補強ビード24Xb(下側補強ビード)が形成されている。
【0072】
図15及び
図16に示すように、シート前後方向において、補強ビード24Xaと補強ビード24Xbとの間隔が一定に保たれている。
図16に示すように、補強ブラケット20Xは、前端部22Xにおいて取付ブラケット10の前面12に対して溶接されて取り付けられており、後端部23Xにおいてサイドフレーム3aに対して溶接されて取り付けられている。また、
図16に示すように、シート幅方向においてロックユニット30の外側にはカバー部材60Xが設けられており、ロックユニット30が保護されている。
【0073】
以上、本実施形態に係る乗物用シートを、主として車両に搭載される車両用シートを例に説明した。本実施形態に係る乗物用シートは、自動車・鉄道など車輪を有する地上走行用乗物に搭載される車両用シートに限定されるものではなく、例えば、地上以外を移動する航空機や船舶などに搭載されるシートであってもよい。
【符号の説明】
【0074】
S 車両用シート
S1 シートクッション
S11 クッションパッド
S12 トリムカバー
S2 シートバック
S21 クッションパッド
S22 トリムカバー
S3 ヘッドレスト
S31 クッションパッド
S32 トリムカバー
F,FX シートフレーム
1,1X シートクッションフレーム
1a 支持脚
2,2X シートバックフレーム
3 パイプフレーム
3a サイドフレーム
3b 上部フレーム
3c 下部フレーム
4 バックパネル
W ワイヤフレーム
10 取付ブラケット
11 外側面
11a 開口
11b 取付孔
12 前面
13 後面
13a 凸部
14 上面
14a 凹部(第1凹部)
14b スリット
15 下面
15a 凹部(第2凹部)
15b スリット
20,20X 補強ブラケット
21,21X 基部
21a,21Xa 上端部
21b,21Xb 下端部
22,22X 前端部
23,23X 後端部
24a,24Xa 補強ビード(上側補強ビード)
24b,24Xb 補強ビード(下側補強ビード)
30 ロックユニット
31 内側側面
32 取付孔
33 ロック片
40 支持ブラケット
41 ロック解除部材
42 前方部
43 後方部
50 ワイヤ部材
51 第1延出部
51a 第1端部
51b 第1曲折部
52 第2延出部
52a 第2端部
52b 第2曲折部
53 連結部
60X カバー部材