(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/04 20060101AFI20221214BHJP
F16B 5/10 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
F25D23/04 K
F16B5/10 C
(21)【出願番号】P 2021553223
(86)(22)【出願日】2019-10-24
(86)【国際出願番号】 JP2019041663
(87)【国際公開番号】W WO2021079453
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2021-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【氏名又は名称】伊達 研郎
(72)【発明者】
【氏名】中西 裕三
(72)【発明者】
【氏名】狩野 天広
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-242049(JP,A)
【文献】登録実用新案第3034815(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2008/0223801(US,A1)
【文献】国際公開第2018/116379(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/04
F16B 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却手段により冷却される貯蔵室と、
前記貯蔵室に設けられ、収納物を収納する収納ケースと、
前記収納ケース内の空間を仕切る仕切り部材とを備え、
前記収納ケースは、
第1の方向に沿って延伸する複数の挿入穴、及び、当該
複数の挿入穴
のそれぞれに
対して、当該第1の方向と交差する第2の方向に沿って延伸する複数の切り欠きが形成された底面部を有し、
前記仕切り部材は、
前記収納ケース内の空間を仕切る仕切り部本体と、
前記底面部に形成された複数の挿入穴の位置に対応した前記仕切り部本体の位置から突出して設けられた複数の軸部と、
前記軸部の外周に向けて設けられた係止部であって、前記挿入穴に挿入された後、前記
複数の切り欠き
の何れかにスライドされて、当該切り欠きの周囲の底面部に係止する係止部とを有する
ことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記仕切り部材は、前記切り欠きが延伸する前記第2の方向に沿って係止される
ことを特徴とする請求項1に記載された冷蔵庫。
【請求項3】
前記仕切り部材は、
前記収納ケースの底面部と接触して前記仕切り部本体を支持する支持部を有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載された冷蔵庫。
【請求項4】
前記収納ケースは、
前記貯蔵室を開閉する扉体の内側に設けられた扉ポケットである
ことを特徴とする請求項1~3の何れか1つに記載された冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、冷蔵庫の貯蔵室に設けられた収納ケース内の空間において、当該空間を仕切る仕切り部材を設ける位置を調節可能とする技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、収納ケース内の空間を仕切る仕切り部材に設けられた嵌合部を、収納ケースの底面に形成された複数の嵌合穴に嵌合させる構成とすることで、仕切り部材を設ける位置を調節可能とする技術が開示されている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、収納ケース内の空間を仕切る仕切り部が立設する座面部の面とは反対側の面に突出する引掛部を、収納ケースの底面に形成された複数の穴部の何れか1つに挿入及び回転させて、座面部及び引掛部の間に底面部を挟み込む構成とすることで、仕切り部材を設ける位置を調節可能とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-242049号公報
【文献】WO2018/116379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された技術では、収納ケース内の空間を仕切る仕切り部材の嵌合部が、収納ケースの底面に形成された嵌合穴に嵌合されているだけであるから、収納ケースに収納された収納物からの負荷で仕切り部材が収納ケースから外れてしまう恐れがあった。
【0007】
また、特許文献2に開示された技術では、収納ケースの底面に形成された穴部に1つの引掛部が挿入されているだけであるから、収納ケースに収納された収納物からの負荷で仕切り部材が引掛部を中心として回転して外れてしまう恐れがあった。
【0008】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、冷蔵庫の貯蔵室に設けられた収納ケース内の空間を仕切る位置を調節可能であり、収納ケースに収納された収納物からの負荷で外れにくい仕切り部材を備えた冷蔵庫を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る冷蔵庫は、冷却手段により冷却される貯蔵室と、前記貯蔵室に設けられ、収納物を収納する収納ケースと、前記収納ケース内の空間を仕切る仕切り部材とを備え、前記収納ケースは、第1の方向に沿って延伸する複数の挿入穴、及び、当該複数の挿入穴のそれぞれに対して、当該第1の方向と交差する第2の方向に沿って延伸する複数の切り欠きが形成された底面部を有し、前記仕切り部材は、前記収納ケース内の空間を仕切る仕切り部本体と、前記底面部に形成された複数の挿入穴の位置に対応した前記仕切り部本体の位置から突出して設けられた複数の軸部と、前記軸部の外周に向けて設けられた係止部であって、前記挿入穴に挿入された後、前記複数の切り欠きの何れかにスライドされて、当該切り欠きの周囲の底面部に係止する係止部とを有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明は、貯蔵室に設けられた収納ケース内の空間を仕切る位置を調節可能であり、収納ケースに収納された収納物からの負荷で外れにくい仕切り部材を備えた冷蔵庫を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の形態に係る冷蔵庫の正面図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る冷蔵庫の側断面図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る冷蔵庫の冷蔵室扉の庫内側の要部拡大図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る冷蔵庫の扉ポケットの下面図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係る仕切り部材400の正面図、側面図、下面図である。
【
図6】本発明の実施の形態に係る仕切り部材400を設ける位置を調節した例を示す図である。本発明の実施の形態に係る冷蔵庫の仕切り部材を下側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本願発明を限定するものではない。なお、この明細書では冷蔵庫を正面から見たときに、上記の方向を表す用語を用いるものとする。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係る冷蔵庫100の正面図である。冷蔵庫100は、前面に開口部を有し、内部に貯蔵空間が形成された箱状態の本体1を備えている。内部の貯蔵空間は、複数の仕切り体によって複数の貯蔵室に仕切られている。冷蔵庫100は、複数の貯蔵室として、最上段に配置された冷蔵室3と、冷蔵室3の下方に配置された製氷室4と、製氷室4の右側方に隣接して配置された切替室5と、製氷室4及び切替室5の下方に配置された冷凍室6と、冷凍室6の下方の最下段に配置された野菜室7と、を有している。なお、各貯蔵室の配置は上記に限定されるものではなく、例えば、最下段に冷凍室6を配置し、野菜室7は冷凍室6の上方に配置するなど、ユーザにとって使いやすい高さに野菜室7を配置する形態でもよい。
【0014】
冷蔵室3の前面に形成された開口部には、当該開口部を自在に開閉することが出来る観音式の冷蔵室扉2aが設けられており、この冷蔵室扉2aは、冷蔵室扉左2a-1と冷蔵室扉右2a-2との2つにより構成されている。冷蔵室扉左2a-1には、貯蔵室内の温度設定などの各種操作が行われる操作スイッチと、貯蔵室内の温度情報などの各種表示を行う液晶表示部と、を有する操作表示パネル60が設けられている。なお、操作表示パネル60は、冷蔵室扉右2a-2に設けられていてもよく、冷蔵室3内の壁面に設けられていてもよい。なお、冷蔵室扉2aは、2つの扉で構成された観音式に限定されず、1つの扉で構成された回転式でもよい。
【0015】
製氷室4の前面に形成された開口部には、当該開口部を自在に開閉することが出来る引出式の製氷室扉2bが、切替室5の前面に形成された開口部には、当該開口部を自在に開閉することが出来る引出式の切替室扉2cが、それぞれ設けられている。また、冷凍室6の前面に形成された開口部には、当該開口部を自在に開閉することができる引出式の冷凍室扉2dが、野菜室7の前面に形成された開口部には、当該開口部を自在に開閉することが出来る引出式の野菜室扉2eが、それぞれ設けられている。
【0016】
図2は、本発明の実施の形態に係る冷蔵庫の側断面図である。本体1は、鋼板製の外箱1aと樹脂製の内箱1bとの間に断熱材1cを充填して形成された断熱箱体である。冷蔵室扉2aの庫内側を構成する内板70には、収納物を収納する収納ケースの一例である複数の扉ポケット200が設けられており、冷蔵室扉左2a-1には、上から順に、左扉ポケット上(図示せず)、左扉ポケット中(図示せず)、左扉ポケット(図示せず)が設けられている。また、冷蔵室扉右2a-2には上から順に、右扉ポケット上200a、右扉ポケット中200b、右扉ポケット下200c、が設けられている。
【0017】
製氷室扉2b、切替室扉2c、冷凍室扉2d、および、野菜室扉2eの庫内側には、それぞれ樹脂成形などによる収納ケースが引き出し自在に設けられている。具体的には、製氷室扉2bの庫面側には貯氷ケース(図示せず)が、切替室扉2cの庫面側には切替室ケース50bが、冷凍室扉2dの庫面側には冷凍室ケース50c、50dが、野菜室扉2eの庫内側には野菜室ケース50e、50f、が、それぞれ設けられている。また、冷蔵室3内の下部には、チルド室ケース3a、3bが設けられている。なお、上記の貯氷ケース、切替室ケース50b、冷凍室ケース50c、50d、野菜室ケース50e、50f、チルド室ケース3a、3bは、本発明の「収納ケース」の一例である。
【0018】
また、本体1の背面側の上部には、制御装置30が設けられている。制御装置30は、例えば、専用のハードウェア、または記憶部に格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)で構成されている。制御装置30は、操作表示パネル60の操作スイッチから入力された情報に応じて冷蔵庫100の動作を制御し、各種情報を操作表示パネル60の液晶表示部に出力する。
【0019】
操作表示パネル60は、冷蔵室3、冷凍室6、切替室5などの貯蔵室を選択する貯蔵室選択スイッチ(図示せず)と、切替室5などの貯蔵室の温度帯(冷凍、ソフトフリージングなど)を切り替えたり、急冷、強、中、弱などを切り替えたりする温度帯切替スイッチ(図示せず)と、過冷却冷凍(瞬冷凍ともいう)選択スイッチ(図示せず)と、製氷に関して、透明氷、通常、急速、停止などを選択する製氷モード選択スイッチ(図示せず)と、を備えている。つまり、貯蔵室の選択およびその選択された貯蔵室内の温度設定は、操作表示パネル60の操作により行われる。
【0020】
冷蔵庫100は、各貯蔵室を冷却するための冷凍サイクル装置を備えており、冷凍サイクル装置は、圧縮機12と、凝縮器(図示せず)と、減圧装置(図示せず)と、冷却器13と、冷気循環用ファン14は、本体1の背面側に設けられている。
【0021】
圧縮機12は、本体1の背面側の下部に形成された機械室1dに設けられている。圧縮機12で圧縮された冷媒は、凝縮器において凝縮され、凝縮された状態の冷媒は減圧装置である毛細管または膨張弁において減圧される。減圧された冷媒は、冷却器13において蒸発され、この蒸発時の冷媒の吸熱作用により、冷却器13周辺の空気は冷却され、冷気となる。その冷気は、冷気循環用ファン14によって、冷蔵室3、製氷室4、切替室5、冷凍室6、および、野菜室7へと送風され、各貯蔵室を冷却する。
【0022】
また、冷却器13で冷却された冷気が切替室5内に送風される際に通過する切替室冷却用フウロ(図示せず)には、風量調整手段である切替室ダンパ(図示せず)が設けられている。そして、風路ダンパの開度によって、冷気循環用ファン14により切替室5に送風される冷気の冷気量が調整され、切替室5の温度が所定温度に制御される。なお、切替室5は、その内部の温度を約-18℃から約-7℃までの間で複数の段階から選択可能な部屋である。
【0023】
切替室5の背面側の側面には、切替室5内の空気温度を検知するための温度検知手段である切替室サーミスタ19が設けられている。そして、制御装置30は切替室サーミスタ19の検知温度によって切替室ダンパを開閉することで、切替室5の温度を選択された温度帯または設定された温度範囲内に制御する。
【0024】
図3は、本発明の実施の形態に係る冷蔵庫100の冷蔵室扉2aの庫内側の要部拡大図である。
図3に示すように、冷蔵室扉2aの庫内側には、扉ポケット200、及び、扉ポケット200内の空間を仕切る仕切り部材400が設けられている。扉ポケット200の底面部240には、仕切り部材400を取り付けるための穴部250が複数形成されている。
【0025】
扉ポケット200の長手方向の両端には、側壁面235がそれぞれ設けられている。側壁面235の外側には、冷蔵室扉2aの庫内側に扉ポケット200を固定するための第一固定部236が2つずつ、それぞれ水平な位置に設けられている。また、側壁面235の上端であり第一固定部236の上側には、扉ポケット200の外側に突出したフランジ部237が設けられている。
【0026】
冷蔵室扉2aの庫内側を構成する内板70の左右には土手部71がそれぞれ対向するように設けられている。また、土手部71の内側には、第二固定部72がそれぞれ水平な位置に設けられている。
図3では第二固定部72を一方の土手部71にしか図示していないが、もう一方の土手部71(
図3の紙面手前側)にも、第二固定部72が設けられている。
【0027】
扉ポケット200を冷蔵室扉2aに取り付けるには、扉ポケット200の左側の側壁面235に設けられた2つの第一固定部236の間に、冷蔵室扉2aの左側の土手部71の内側に設けられた第二固定部72を挿入し、扉ポケット200の右側の側壁面235に設けられた2つの第一固定部236の間に冷蔵室扉2aの右側の土手部71の内側に設けられた第二固定部72を挿入する。このように、冷蔵室扉2aの左右の土手部71に設けられた第二固定部72に扉ポケット200の左右の側壁面235の上端に設けられたフランジ部237を引っ掛けることで、扉ポケット200を冷蔵室扉2aに取り付けることができる。また、第二固定部72は、土手部71の内側の上下方向に複数設けられている。そのため、冷蔵庫100は、扉ポケット200のフランジ部237を引掛ける第二固定部72の位置に応じて、扉ポケット200の取付位置を上下方向に変更することができる。
【0028】
図4は、本発明の実施の形態に係る扉ポケット200の下面図である。扉ポケット200の底面部240には2つの穴部250が形成されている。穴部250は、扉ポケット200の短手方向に沿って延伸する挿入穴251と、挿入穴251に連通し、扉ポケット200の長手方向に沿って延伸する複数の切り欠き253と、切り欠き253の先端の取付穴252とを有する。ここで、底面部240には、3つ以上の穴部250が形成されていてもよい。また、挿入穴251は、扉ポケット200の短手方向に限らず、扉ポケット200の長手方向、又は、扉ポケット200の長手方向に対して所定の角度を有する方向に沿って延伸してもよい。また、切り欠き253は、扉ポケット200の長手方向に限らず、扉ポケット200の短手方向、又は、扉ポケット200の長手方向に対して所定の角度を有する方向に沿って延伸してもよい。また、切り欠き253は、それぞれの挿入穴251に対して同数、及び、2つ以上形成されていればよい。また、切り欠き253の周囲の底面部240は、後述する軸部440が通過しやすいように角が面取りされていてもよい。
【0029】
図5は、本発明の実施の形態に係る仕切り部材400の上面図(a)、正面図(b)、下面図(c)、側面図(d)である。仕切り部材400は、仕切り部本体410と、支持部420と、軸部440と、係止部430とを有する。
【0030】
仕切り部本体410は、長方形状を有し、扉ポケット200内の空間を仕切るための部材である。また、支持部420は、長方形状を有し、扉ポケット200の底面部240と接触して仕切り部本体410を支持するための部材である。ここで、仕切り部本体410、及び、支持部420は、長方形状に限らず、その他の形状を有していてもよい。例えば、仕切り部本体410、及び、支持部420は、角を面取りされた長方形状であってもよいし、角丸の長方形状であってもよい。また、支持部420は、円形状であってもよい。
【0031】
軸部440は、円筒形状を有し、扉ポケット200の底面部240に形成された複数の挿入穴251の位置に対応した仕切り部本体410の位置から突出して設けられている。また、軸部440は、支持部420の仕切り部本体410が設けられている面とは反対の面側、つまり下面側に設けられている。ここで、軸部440は、仕切り部材400に2本以上形成されていればよい。このような構成とすることで、仕切り部材400は、仮に、収納物からの負荷が仕切り部材400に加えられたとしても、軸部440を中心として回転しにくいから、扉ポケット200から外れにくくなる。
【0032】
軸部440の先端には、仕切り部本体410の短手方向に向けて係止部430が設けられている。係止部430は、長方形状を有し、挿入穴251に挿入された後、切り欠き253にスライドすることで、切り欠き253の周囲の底面部240に係止する。ここで、係止部430は、長方形状に限らず、その他の形状を有していてもよい。例えば、係止部430は、角丸の長方形状であってもよい。また、係止部430は、仕切り部本体410の短手方向に限らず、少なくとも、切り欠き253の周囲の底面部240に係止可能であれば、短手方向に交差する方向に延伸してもよい。また、係止部430は、軸部440の先端に限らず、少なくとも、切り欠き253の周囲の底面部240に係止可能な位置であって、仕切り部本体410又は支持部420と間隔をあけた位置に設けられていれば良い。なお、係止部430だけで仕切り部本体410を支持可能である場合には、仕切り部材400は、支持部420を有していなくてもよい。
【0033】
次に、
図4及び
図5を用いて、各部材の寸法関係について説明する。軸部440の径は、扉ポケット200の挿入穴251の短手方向の幅L2、係止部430の短手方向の幅L3、切り欠き253の短手方向の幅L5よりも細い。ただし、仕切り部材400の意図しないスライドを規制するため、切り欠き253の一部区間における短手方向の幅を軸部440の径よりも狭くした規制部253aを設けてもよい。具体的には、挿入穴251から取付穴252に到達する直前の切り欠き253の短手方向の幅L5aを軸部440の径よりも狭い幅L5aとした規制部253aを設けてもよい。また、係止部430の短手方向の幅L3は、挿入穴251の短手方向の幅L2よりも狭い。また、係止部430の長手方向の幅L4は、挿入穴251の長手方向の幅L1よりも狭く、挿入穴251の短手方向の幅L2よりも広く、切り欠き253の短手方向の幅L5よりも広い。すなわち、寸法関係がL1>L4>L2>L3>L5>軸部440の径>L5aとなるように、仕切り部材400の係止部430と軸部440、および、扉ポケット200の穴部250が構成されている。
【0034】
次に、仕切り部材400を扉ポケット200に取り付ける方法について説明する。
まず、仕切り部材400の係止部430を、扉ポケット200の収納物が収納される側、つまり、底面部240の上面側から穴部250に挿入する。そして、係止部430を、切り欠き253にスライドさせて、切り欠き253(取付穴252)の周囲の底面部240に係止させる。このように、仕切り部材400の支持部420と係止部430の間に、扉ポケット200の底面部240を挟み込んだ状態で、仕切り部材400が、扉ポケット200に取り付けられることになる。このような構成とすることで、仕切り部材400は、支持部420及び/又は係止部430を有さずに扉ポケット200に取り付けられる場合に比べて、収納物から負荷を加えられても、扉ポケット200から外れにくくなる。
【0035】
ところで、扉ポケット200の底面部240の上面は、少なくとも、仕切り部材400が取り付けられる範囲で平面形状を有している。また、仕切り部材400の支持部420の下面は、平面形状を有している。そのため、扉ポケット200に仕切り部材400を取り付けた場合には、扉ポケット200の底面部240と、仕切り部材400の支持部420とが接触し、それぞれの間に隙間が生じにくい。従って、支持部420と底面部240の間に、ゴミや汚れが入り込みにくくなるから、例えば、扉ポケット200の内部を清掃しやすくなるなど、冷蔵庫100の使い勝手を向上させることができる。
【0036】
次に、仕切り部材400を扉ポケット200から取り外す方法について説明する。
まず、仕切り部材400の係止部430を、扉ポケット200の挿入穴251が形成された方向(水平方向)へとスライドさせる。そして、係止部430を、底面部240の上面側(垂直方向)へと移動させて挿入穴251から引き抜く。このように、仕切り部材400は、水平方向及び垂直方向に移動させることで初めて、扉ポケット200から取り外すことができる。従って、仮に、収納物からの負荷が仕切り部材400に加えられたとしても、それは、仕切り部材400の水平方向から加えられるものであって、仕切り部材400の垂直方向から加えられるものではないから、仕切り部材400は、仕切り部材400の垂直方向に移動しにくく、扉ポケット200から外れにくい。また、冷蔵庫100は、扉ポケット200から仕切り部材400を取り外すことができない場合に比べて、例えば、扉ポケット200の内部を清掃しやすくなるなど、冷蔵庫100の使い勝手を向上させることができる。
【0037】
次に、仕切り部材400を設ける位置を調節する方法について説明する。
図6は、仕切り部材400を設ける位置を調節した例を示す図である。
図6に示すように、扉ポケット200の底面部240には、3本の切り欠き253が形成されている。仕切り部材400の軸部440は、複数の切り欠き253の何れかを通過して、取付穴252へと移動する。従って、
図6(a)(b)(c)に示すように、仕切り部材400の軸部440を通過させる切り欠き253の位置に応じて、仕切り部材400を設ける位置を調節することができる。このような構成とすることで、扉ポケット200に収納する収納物の大きさに応じて、仕切り部材400を設ける位置を調節可能となり、扉ポケット200の収納性を向上させ、冷蔵庫100の使い勝手を向上させることができる。
【0038】
また、仕切り部材400を設ける位置を調節する場合であっても、仕切り部材400を水平方向に移動させるだけで、垂直方向に移動させる必要がない。従って、扉ポケット200に収納物が収納された状態であっても、収納物を扉ポケット200から取り出すことなく、仕切り部材400を設ける位置を調節することができるから、冷蔵庫100の使い勝手を向上させることができる。
【0039】
ところで、切り欠き253が延伸する第2の方向に沿って、仕切り部材400が係止される場合(つまり、切り欠き253が延伸する方向と、仕切り部材400の長手方向とが略同一の方向成分を含む場合)、仕切り部材400は、仕切り部材400の長手方向にスライドすることで、扉ポケット200から取り外される。このような構成を採用した場合、仮に、収納物からの負荷が仕切り部材400に加えられたとしても、それは、仕切り部材400の短手方向から加えられるものであって、仕切り部材400の長手方向から加えられるものではない。従って、仕切り部材400は、収納物からの負荷を加えられたとしても、仕切り部材400の長手方向にスライドしにくいから、扉ポケット200から外れにくくなる。
【0040】
本実施形態によれば、冷蔵庫100の貯蔵室に設けられた扉ポケット200内の空間を仕切る位置を調節可能であり、扉ポケット200に収納された収納物からの負荷で外れにくい仕切り部材400を備えた冷蔵庫を提供することができるから、冷蔵庫100の使い勝手を向上させることができる。
【符号の説明】
【0041】
1 本体、1a 外箱、1b 内箱、1c 断熱材、2a 冷蔵室扉、2a-1 冷蔵室扉左、2a-2 冷蔵室扉右、2b 製氷室扉、2c 切替室扉、2d 冷凍室扉、2e 野菜室扉、3 冷蔵室、3a チルド室ケース、3b チルド室ケース、4 製氷室、5 切替室、6 冷凍室、7 野菜室、12 圧縮機、13 冷却器、14 冷気循環用ファン、19 切替室サーミスタ、30 制御装置、50b 切替室ケース、50c 冷凍室ケース、50d 冷凍室ケース、50e 野菜室ケース、50f 野菜室ケース、60 操作表示パネル、70 内板、71 土手部、72 第二固定部、100 冷蔵庫、200 扉ポケット(収納ケース)、200a 右扉ポケット上、200b 右扉ポケット中、200c 右扉ポケット下、235 側壁面、236 第一固定部、237 フランジ部、240 底面部、250 穴部、251 挿入穴、252 取付穴、253 切り欠き、253a 規制部、400 仕切り部材、410 仕切り部本体、420 支持部、430 係止部、440 軸部