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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】情報通知装置および情報通知方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/0968 20060101AFI20221214BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20221214BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
G08G1/0968 A
G08G1/16 A
G01C21/26 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018022333
(22)【出願日】2018-02-09
(65)【公開番号】P2019139514
(43)【公開日】2019-08-22
【審査請求日】2021-02-03
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成26-29年度、国立研究開発法人科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業 総括実施型研究(ERATO)「石黒共生ヒューマンロボットインタラクションプロジェクト」に係る委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(73)【特許権者】
【識別番号】504176911
【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久木元 修
(72)【発明者】
【氏名】加藤 充顕
(72)【発明者】
【氏名】吉川 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】石黒 浩
(72)【発明者】
【氏名】小川 浩平
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-99747(JP,A)
【文献】特開平11-259446(JP,A)
【文献】特開2007-133728(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者への行動要請条件が成立したか否かを判定する判定部と、
前記行動要請条件が成立した場合に、複数のエージェント同士による会話形式で通知される情報である行動要請関連情報の通知を行うと共に、前記行動要請関連情報の通知に続いて、前記エージェントから前記利用者に話しかける形式で通知される情報である行動要請情報を通知する通知部と
を備えることを特徴とする情報通知装置。
【請求項2】
前記通知部は、
前記エージェント毎に前記会話における役割が異なる前記行動要請関連情報を通知する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報通知装置。
【請求項3】
前記通知部は、
第1のエージェントによる第1の行動要請関連情報の通知を行った後に、第2のエージェントによる前記第1の行動要請関連情報に対する評価を含む第2の行動要請関連情報の通知を行う
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報通知装置。
【請求項4】
前記行動要請関連情報は、前記行動要請関連情報に続いて出力される前記行動要請情報に対して、同等の意味を有し、表現が異なる通知内容の情報を含む
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の情報通知装置。
【請求項5】
前記通知部は、
前記行動要請情報に対する前記利用者の応答に基づいて前記複数のエージェントによる事後情報を通知する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の情報通知装置。
【請求項6】
前記通知部は、
前記行動要請情報に対する前記利用者の応答に同調する内容の事後情報を通知する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の情報通知装置。
【請求項7】
前記通知部は、
前記行動要請情報に対する前記利用者の応答が、前記行動要請情報に対して逸脱する応答である場合、前記複数のエージェントにより前記行動要請情報に対する行動要請を保留する事後情報を通知する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の情報通知装置。
【請求項8】
前記通知部は、
前記エージェント毎に出力するスピーカーを設定して音声通知を行う
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一つに記載の情報通知装置。
【請求項9】
前記通知部は、
前記エージェント毎に異なる音質で音声通知を行う
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一つに記載の情報通知装置。
【請求項10】
利用者への行動要請条件が成立したか否かを判定する判定工程と、
前記行動要請条件が成立した場合に、複数のエージェント同士による会話形式で通知される情報である行動要請関連情報の通知を行うと共に、前記行動要請関連情報の通知に続いて、前記エージェントから前記利用者に話しかける形式で通知される情報である行動要請情報を通知する通知工程と
を含むことを特徴とする情報通知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、情報通知装置および情報通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、擬人化されたエージェント毎に通信情報に対する担当分野を設定し、担当分野に応じて通信情報を通知するエージェントを変更する情報通知装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-56225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記情報通知装置では、例えば、担当分野の通信情報を通知する場合に、単一のエージェントによって通知情報を通知するため、利用者に押し付け感を与えるおそれがあり、通知を有効に活用できないおそれがある。
【0005】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、通知を有効に活用させる情報通知装置および情報通知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る情報通知装置は、判定部と、通知部とを備える。判定部は、利用者への行動要請条件が成立したか否かを判定する。通知部は、行動要請条件が成立した場合に、複数のエージェントによる会話形式の行動要請関連情報の通知を行うと共に、利用者への行動を促すための情報である行動要請情報を通知する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、通知を有効に活用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報通知方法の概要を説明する図である。
図2図2は、ナビゲーションシステムの概略を説明するブロック図である。
図3図3は、行動要請情報通知制御(その1)を説明するフローチャートである。
図4図4は、音声通知の一例を示す図である。
図5図5は、音声通知の一例を示す図である。
図6図6は、行動要請情報通知制御(その2)を説明するフローチャートである。
図7図7は、音声通知の一例を示す図である。
図8図8は、音声通知の一例を示す図である。
図9図9は、音声通知の一例を示す図である。
図10図10は、音声通知の一例を示す図である。
図11図11は、音声通知の一例を示す図である。
図12図12は、音声通知の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する情報通知装置および情報通知方法を説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
まず、実施形態に係る情報通知方法の概要について図1を参照し説明する。図1は、実施形態に係る情報通知方法の概要を説明する図である。
【0011】
ここでは、情報通知方法により情報通知を行う情報通知装置として、車両50に搭載されるナビゲーションシステム1を一例として説明するが、これに限られることはない。例えば、情報通知装置は、携帯電話などの情報処理端末であってもよい。
【0012】
ナビゲーションシステム1は、利用者であるドライバへの行動要請情報の通知を行うための条件(以下、「行動要請条件」という。)が成立すると(S1)、複数のエージェントによる会話形式の行動要請関連情報を通知すると共に、ドライバに行動要請情報を通知する。例えば、ナビゲーションシステム1は、行動要請条件が成立すると、行動要請関連情報を通知する(S2)。そして、ナビゲーションシステム1は、行動要請関連情報を通知した後に、ドライバに行動要請情報を通知する(S3)。
【0013】
行動要請条件は、予め設定されており、ドライバに注意喚起などを促すための条件である。行動要請条件は、例えば、車両50が走行している道路の前方に、ヒヤリハットが生じた注意ポイントがあり、車両50が注意ポイントよりも所定距離手前に到達した場合に成立する。所定距離は、予め設定された値である。
【0014】
行動要請情報は、ドライバに要請する行動内容を示す情報である。すなわち、行動要請情報は、ドライバに行動を起こさせるための情報である。行動要請情報は、例えば、注意ポイントに対してドライバに注意を喚起させるために通知される情報である。
【0015】
行動要請関連情報は、ドライバへの行動要請情報に関して提供される情報である。行動要請関連情報は、ドライバに押し付け感を与えず、ドライバが行動要請情報に興味を示し易くなる情報であり、ドライバに継続的なシステム利用を促すための情報である。行動要請関連情報は、例えば、注意ポイントに対して、ドライバにより注意を喚起させるために通知される情報である。
【0016】
行動要請関連情報のうち少なくとも一つは、行動要請情報に対して、同等の意味を有し、かつ表現が異なる通知内容の情報であってもよい。すなわち、行動要請関連情報は、行動要請情報に対して、同等の意味を有し、かつ表現が異なる通知内容の情報を含んでもよい。
【0017】
行動要請関連情報、および行動要請情報の通知は、バランス理論に基づいて行われる。バランス理論とは、対人関係において三者以上の存在がある場合に、三者間の認知関係のバランスを保とうとする人間の心理状態に関する理論である。
【0018】
エージェントは、ナビゲーションシステム1における仮想人物である。例えば、複数のエージェントのうち、エージェントAは、女性の音質で通知を行う仮想人物であり、エージェントBは、男性の音質で通知を行う仮想人物である。すなわち、ナビゲーションシステム1は、エージェント毎に異なる音質で音声通知を行う。
【0019】
また、エージェントは、エージェント毎に会話形式の通知において異なる役割を有している。例えば、エージェントAは、会話形式の音声通知において行動を計画する役割を有する。エージェントBは、会話形式の音声通知において行動を提案する役割を有する。
【0020】
例えば、過去に飛び出しによるヒヤリハットが発生した注意ポイントよりも所定距離である500m手前の地点に車両50が到達し、行動要請条件が成立すると、ナビゲーションシステム1は、まず、エージェントAにより、「500m先、飛び出しに注意して走行してください。」と音声通知を行う(S2-1)。なお、音声通知は、運転席に対して左側に設置されたスピーカー30Aと、運転席に対して右側に設置されたスピーカー30Bを介して行われる。
【0021】
次に、ナビゲーションシステム1は、エージェントBにより、「早めに注意だね。」と音声通知を行う(S2-2)。
【0022】
そして、ナビゲーションシステム1は、エージェントAにより、「ドライバさん、前方、ご注意ください。」と音声通知を行う(S3)。
【0023】
このように、ナビゲーションシステム1は、エージェントAおよびエージェントBによる会話形式の行動要請関連情報の通知として、「500m先、飛び出しに注意して走行してください。」および「早めに注意だね。」と音声通知を行う。そして、その後に、ナビゲーションシステム1は、ドライバへの行動要請情報の通知として、「ドライバさん、前方、ご注意ください。」と音声通知を行う。これにより、例えば、注意ポイントの通知に対する押し付け感をドライバに与えることを抑制し、注意ポイントに対するドライバの注意力を向上させることができる。そのため、ナビゲーションシステム1は、ドライバに行動要請情報の通知を有効に活用させることができる。また、ドライバによるシステムの継続的な利用を促すことができる。
【0024】
なお、行動要請情報は、上記した注意ポイントに限定されず、渋滞情報や、車内情報や、店舗情報などが含まれる。車内情報は、車内の温度に関する情報などが含まれる。
【0025】
また、行動要請情報は、直接的および間接的な指示、推奨、質問などの情報を含む。直接的および間接的な指示の行動要請情報は、例えば、「飛び出し多発地点です。」や、「ドライバさん、速度を落としましょう。」と通知する情報である。推奨の行動要請情報は、例えば、「迂回が好ましいでしょう。」や、「走行車線が楽でしょう。」と通知する情報である。また、質問の行動要請情報は、例えば、「迂回しませんか?」や、「暑いですか?」と通知する情報である。
【0026】
次に、ナビゲーションシステム1について、図2を参照し説明する。図2は、ナビゲーションシステム1の概略を説明するブロック図である。
【0027】
ナビゲーションシステム1は、入力部2と、出力部3と、記憶部4と、制御部5と、を備える。
【0028】
入力部2には、GPS(Global Positioning System)20から車両50(図1参照)の現在位置に関する信号が入力される。また、入力部2には、外部通信装置21から行動要請情報に関する情報の信号が入力される。また、入力部2には、マイク22を介してドライバの発話に関する信号が入力される。
【0029】
出力部3は、行動要請関連情報や、行動要請情報に関する音声通知信号をスピーカー30に出力する。これにより、スピーカー30から行動要請関連情報や、行動要請情報や、事後情報に関する音声通知が行われる。
【0030】
事後情報は、行動要請情報を通知した後のドライバの応答に対して通知される情報である。事後情報の通知は、行動要請関連情報および行動要請情報と同様に、バランス理論に基づいて行われてもよい。
【0031】
記憶部4は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、もしくはフラッシュメモリのような半導体メモリ素子、ハードディスク、または光ディスクのような記憶デバイスである。記憶部4は、行動要請関連情報や、行動要請情報や、事後情報に関するデータを記憶する。
【0032】
制御部5は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM、入出力ポートなどを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。なお、制御部5は、一部または全部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。
【0033】
制御部5は、ROMに記憶されたプログラム(図示略)をRAMを作業領域として使用して実行することにより機能する複数の処理部を備える。具体的には、制御部5は、取得部10と、判定部11と、生成部12と、通知部13とを備える。制御部5は、複数の制御部によって構成されてもよく、各処理部は複数の処理部によって構成されてもよく、統合されて構成されてもよい。
【0034】
取得部10は、入力部2を介して、車両50の現在位置に関する情報や、行動要請情報に関する情報や、ドライバの発話に関する情報、すなわち発話内容を取得する。なお、取得された行動要請情報に関する情報は、記憶部4に記憶される。
【0035】
判定部11は、行動要請条件が成立したか否かを判定する。例えば、行動要請条件は、上記した注意ポイントに関する条件の他に、車両50が走行している道路の前方で渋滞が発生しており、渋滞を迂回するルートがある場合に成立する。また、例えば、行動要請条件は、車両50の所定範囲以内に有名な店舗などが存在する場合に成立する。また、例えば、行動要請条件は、車内の温度が第1所定温度以下の場合や、車内の温度が第1所定温度よりも高い第2所定温度以上の場合に成立する。所定範囲、第1所定温度および第2所定温度は、それぞれ予め設定された値である。
【0036】
生成部12は、判定部11による行動要請条件が成立した場合に、成立した行動要請条件に応じた行動要請関連情報、および行動要請情報の音声信号を生成する。生成部12は、複数のエージェントによる会話形式の行動要請関連情報の音声信号を生成する。
【0037】
生成部12は、或るエージェントによる第1の行動要請関連情報に対して、異なるエージェントによる第2の行動要請関連情報が通知されるように、複数のエージェントによる行動要請関連情報の音声信号を生成する。
【0038】
第2の行動要請関連情報は、第1の行動要請関連情報に対する評価を含んでもよい。例えば、第2の行動要請関連情報は、第1の行動要請関連情報に対して、反発した評価を含む情報や、同調した評価などを含む情報である。
【0039】
また、生成部12は、行動要請情報を通知した後に、ドライバの応答に基づいて事後情報の音声信号を生成する。事後情報の音声信号は、成立した行動要請条件の種類に応じて生成される。すなわち、生成部12は、成立した行動要請条件が事後情報を通知する条件である場合に、事後情報の音声信号を生成する。
【0040】
通知部13は、生成部12によって生成された音声信号を、出力部3を介してスピーカー30から出力させて、音声通知を行う。
【0041】
ナビゲーションシステム1は、成立した行動要請条件が事後情報を通知する条件である場合には、行動要請情報を通知した後に、ドライバの応答に基づいて事後情報を通知する。そこで、以下では、2つの行動要請情報通知制御(その1、その2)について、説明を行う。
【0042】
行動要請情報通知制御(その1)は、行動要請情報を通知することで終了する制御である。行動要請情報通知制御(その2)は、行動要請情報を通知した後に、ドライバの応答に基づいて事後情報を通知する制御である。2つの行動要請通知制御(その1、その2)は、成立する行動要請条件に基づいて選択されて実行される。
【0043】
まず、行動要請情報通知制御(その1)について図3を参照し説明する。図3は、行動要請情報通知制御(その1)を説明するフローチャートである。
【0044】
ナビゲーションシステム1は、行動要請条件が成立したか否かを判定する(S100)。ナビゲーションシステム1は、行動要請条件が成立した場合には(S100:Yes)、複数のエージェントによる会話形式の行動要請関連情報を通知する(S101)。
【0045】
そして、ナビゲーションシステム1は、行動要請関連情報を通知した後に、行動要請情報を通知する(S102)。
【0046】
ナビゲーションシステム1は、行動要請条件が成立していない場合には(S100:No)、今回の処理を終了する。
【0047】
ナビゲーションシステム1は、例えば、過去に飛び出しによるヒヤリハットが発生した注意ポイントよりも所定距離手前に車両50が到達し、行動要請条件が成立すると、図4に示すように、エージェントAにより、「500m先、飛び出しに注意して走行してください。」と音声通知を行う。図4は、音声通知の一例を示す図である。
【0048】
次に、ナビゲーションシステム1は、エージェントBにより、「まじめだなぁ。」と音声通知を行う。さらに、ナビゲーションシステム1は、エージェントAにより、「早めの注意が大事です。」と音声通知を行う。さらに、ナビゲーションシステム1は、エージェントBにより、「そうだよね。」と音声通知を行う。
【0049】
そして、ナビゲーションシステム1は、エージェントAにより、「ドライバさん、前方、ご注意ください。」と音声通知を行う。
【0050】
このように、ナビゲーションシステム1は、エージェントAおよびエージェントBによる会話形式の行動要請関連情報の通知として、「500m先、飛び出しに注意して走行してください。」~「そうだよね。」と音声通知を行う。そして、その後に、ナビゲーションシステム1は、行動要請情報の通知として「ドライバさん、前方、ご注意ください。」と音声通知を行う。「500m先、飛び出しに注意して走行してください。」の通知は、「ドライバさん、前方、ご注意ください。」に対して、同等の意味を有し、かつ表現が異なる通知である。
【0051】
また、ナビゲーションシステム1は、例えば、過去に飛び出しによるヒヤリハットが発生した注意ポイントよりも所定距離手前に車両50が到達し、行動要請条件が成立すると、図5に示すように、エージェントBにより、「あ、そういえば、この先は注意地点だ。」と音声通知を行う。図5は、音声通知の一例を示す図である。
【0052】
次に、ナビゲーションシステム1は、エージェントAにより、「500m先、飛び出しに注意して走行してください。」と音声通知を行う。次に、ナビゲーションシステム1は、エージェントBにより、「なんだ、まだ先かぁ。」と音声通知を行う。次に、ナビゲーションシステム1は、エージェントAにより、「早めに慎重な運転をしないといけません。」と音声通知を行う。次に、ナビゲーションシステム1は、エージェントBにより、「そうだよね。」と音声通知を行う。
【0053】
そして、ナビゲーションシステム1は、エージェントAにより、「ドライバさん、前方、ご注意ください。」と音声通知を行う。
【0054】
このように、ナビゲーションシステム1は、エージェントAおよびエージェントBによる会話形式の行動要請関連情報の通知として、「あ、そういえば、この先は注意地点だ。」~「そうだよね。」と音声通知を行い、その後に、行動要請情報の通知として、「ドライバさん、前方、ご注意ください。」と音声通知を行う。
【0055】
なお、エージェントは、エージェント毎に性格を有してもよい。例えば、上記一例では、エージェントAは、慎重な性格であり、エージェントBは、楽観的な性格である。このように、エージェント毎に性格を有することで、より自然な会話形式による音声通知を行うことができる。
【0056】
このような会話形式の音声通知では、エージェントAによる「500m先、飛び出しに注意して走行してください。」の通知に対して、反発した評価である「まじめだなぁ。」や「なんだ、まだ先かぁ。」の通知がエージェントBにより行われる。そして、その後に、エージェントBがエージェントAに説得された通知が行われる。なお、エージェントAに対しエージェントBが同調する通知が行われてもよい。
【0057】
バランス理論に基づいた会話形式の音声通知がエージェントAおよびエージェントBにより行われることで、ドライバは、行動要請情報に対して押し付け感を受けることがなく、説得性や納得性を感じることができ、行動要請情報を受け入れ易くなる。
【0058】
次に、行動要請情報通知制御(その2)について図6を参照し説明する。図6は、行動要請情報通知制御(その2)を説明するフローチャートである。
【0059】
ナビゲーションシステム1は、行動要請条件が成立したか否かを判定する(S200)。ナビゲーションシステム1は、行動要請条件が成立した場合には(S200:Yes)、複数のエージェントによる会話形式の行動要請関連情報を通知する(S201)。
【0060】
そして、ナビゲーションシステム1は、行動要請関連情報を通知した後に、行動要請情報を通知する(S202)。
【0061】
ナビゲーションシステム1は、行動要請情報に対するドライバの応答が肯定的な応答であるか否かを判定する(S203)。
【0062】
ナビゲーションシステム1は、ドライバの応答が肯定的な応答である場合には(S203:Yes)、肯定的な応答に対する事後情報を通知する(S204)。ナビゲーションシステム1は、ドライバの応答が否定的な応答である場合には(S203:No)、否定的な応答に対する事後情報を通知する(S205)。
【0063】
ナビゲーションシステム1は、行動要請条件が成立していない場合には(S200:No)、今回の処理を終了する。
【0064】
なお、2つの行動要請情報通知制御(その1およびその2)が一つの行動要請情報通知制御とされ、ナビゲーションシステム1は、行動要請条件に応じて処理を振り分けてもよい。
【0065】
ナビゲーションシステム1は、例えば、車両50が走行している道路の前方で渋滞が発生しており、渋滞を迂回するルートがあり、行動要請条件が成立すると、図7に示すように、エージェントBにより、「あ、10km先、渋滞なんだね。」と音声通知を行う。図7は、音声通知の一例を示す図である。
【0066】
次に、ナビゲーションシステム1は、エージェントAにより、「迂回ルートがありますよ。」と音声通知を行う。次に、ナビゲーションシステム1は、エージェントBにより、「でも、これだとあまりかわらないんじゃない?」と音声通知を行う。
【0067】
次に、ナビゲーションシステム1は、エージェントAにより、「到着予測時刻が5分早くなります。」と音声通知を行う。
【0068】
そして、ナビゲーションシステム1は、エージェントBにより、「ドライバさん、迂回しますか?」と音声通知を行う。
【0069】
これに対し、ドライバが肯定的な応答として、「はい。」と返事をすると、ナビゲーションシステム1は、エージェントAにより、「それでは、案内します。」と音声通知を行う。
【0070】
一方、ドライバが否定的は応答として、「いいえ。」と返事をすると、ナビゲーションシステム1は、エージェントBにより、「焦らずに行きましょう。」と音声通知を行う。
【0071】
このように、ナビゲーションシステム1は、エージェントAおよびエージェントBによる会話形式の行動要請関連情報の通知として、「あ、10km先、渋滞なんだね。」~「到着予測時刻が5分早くなります。」と音声通知を行い、その後に、行動要請情報の通知として、「ドライバさん、迂回しますか?」と音声通知を行う。
【0072】
そして、ナビゲーションシステム1は、ドライバの応答に応じた事後情報の通知として、「それでは、ご案内します。」または「焦らずに行きましょう。」と音声通知を行う。
【0073】
このような会話形式の音声通知では、エージェントAとエージェントBとが反対意見をいうことで、ドライバがどちらの案を選択しても、ドライバに煩わしさを与えることを抑制することができる。
【0074】
また、ナビゲーションシステム1は、車両50の所定範囲以内に有名な店舗が存在し、行動要請条件が成立すると、図8に示すように、エージェントBにより、「あ、そういえば、3kmぐらい先にケーキ屋さんがあるんだけど。」と音声通知を行う。図8は、音声通知の一例を示す図である。
【0075】
次に、ナビゲーションシステム1は、エージェントAにより、「お薦めですか?」と音声通知を行う。次に、ナビゲーションシステム1は、エージェントBにより、「評価サイトで星4つ付いているよ。」と音声通知を行う。次に、ナビゲーションシステム1は、「そうなんですね。」と音声通知を行う。
【0076】
そして、ナビゲーションシステム1は、エージェントAにより、「ドライバさん、行ってみますか?」と音声通知を行う。
【0077】
これに対し、ドライバが肯定的な応答として、「はい。」と返事をすると、ナビゲーションシステム1は、エージェントAにより、「それでは、ご案内します。」と音声通知を行う。
【0078】
一方、ドライバが否定的な応答として、「いいえ。」と返事をすると、ナビゲーションシステム1は、エージェントBにより、「今日はそんな気分じゃないんだね。」と音声通知を行う。次に、ナビゲーションシステム1は、エージェントAにより、「また、次の機会にご案内します。」と音声通知を行う。
【0079】
このように、ナビゲーションシステム1は、エージェントAおよびエージェントBによる会話形式の行動要請関連情報の通知として、「あ、そういえば、3kmぐらい先にケーキ屋さんがあるんだけど。」~「そうなんですね。」と音声通知を行い、その後に、行動要請情報の通知として、「ドライバさん、行ってみますか?」と音声通知を行う。
【0080】
そして、ナビゲーションシステム1は、ドライバの応答に応じた事後情報の通知として、「それでは、ご案内します。」と音声通知を行う。また、ナビゲーションシステム1は、ドライバの応答に応じた事後情報の通知として、エージェントBによる「今日はそんな気分じゃないんだね。」およびエージェントAによる「また、次の機会にご案内します。」と音声通知を行う。すなわち、ドライバの応答に基づいて複数のエージェントによる事後情報の通知を行う。
【0081】
このような会話形式の音声通知では、ドライバの否定的な応答に対して、同調する内容の事後情報が通知される。これにより、ドライバに不快感を与えることを抑制することができる。
【0082】
なお、行動要請情報通知制御(その2)では、ドライバへ複数回の質問を行い、質問に対するドライバの応答に応じて事後情報が通知されてもよい。
【0083】
ナビゲーションシステム1は、例えば、車内の温度が第1所定温度以下であり、行動要請条件が成立すると、図9に示すように、エージェントBにより、「あれ?ちょっと寒くない?」と音声通知を行う。図9は、音声通知の一例を示す図である。
【0084】
次に、ナビゲーションシステム1は、エージェントAにより、「そうですか?」と音声通知を行う。次に、ナビゲーションシステム1は、エージェントBにより、「ドライバさん、寒くないですか?」と音声通知を行う。
【0085】
これに対し、ドライバが否定的な応答として、「いいえ。」と返事をすると、ナビゲーションシステム1は、エージェントAにより、「適温ですよね。」と音声通知を行う。
【0086】
一方、ドライバが肯定的な応答として、「はい。」と返事をすると、ナビゲーションシステム1は、エージェントBにより、「シートヒーターを使えば暖かいですよ。」と音声通知を行う。次に、ナビゲーションシステム1は、エージェントAにより、「使い方はわかりますか?」と音声通知を行う。
【0087】
これに対し、ドライバが肯定的な応答として、「はい。」と返事をすると、ナビゲーションシステム1は、エージェントBにより、「ほんと、便利だよね。」と音声通知を行う。
【0088】
一方、ドライバが否定的な応答として、「いいえ。」と返事をすると、ナビゲーションシステム1は、エージェントAにより、「エアコン操舵ダイヤルの下にスイッチがあります。」と音声通知を行う。
【0089】
このように、ナビゲーションシステム1は、エージェントAおよびエージェントBによる会話形式の行動要請関連情報の通知として、「あれ?ちょっと寒くない?」および「そうですか?」と音声通知を行い、その後に、行動要請情報の通知として「ドライバさん、寒くないですか?」と音声通知を行う。「あれ?ちょっと寒くない?」の通知は、「ドライバさん、寒くないですか?」に対して、同等の意味を有し、かつ表現が異なる通知である。
【0090】
そして、ナビゲーションシステム1は、1回目のドライバの応答に応じた事後情報の通知として、「適温ですね。」と音声通知を行い、または「シートヒーターを使えば暖かいですよ。」および「使い方はわかりますか?」と音声通知を行う。
【0091】
さらに、ナビゲーションシステム1は、2回目のドライバの応答に応じた事後情報の通知として、「ほんと、便利だよね。」、または「エアコン操舵ダイヤルの下にスイッチがあります。」と音声通知を行う。
【0092】
このような会話形式の音声通知では、エージェントAとエージェントBとが反対意見をいうことで、ドライバがどちらの案を選択しても、ドライバに煩わしさを与えることを抑制することができる。
【0093】
また、ドライバの応答に対して、同調する内容の事後情報を通知することで、ナビゲーションシステム1に対するドライバの好感度を高めることができる。
【0094】
ナビゲーションシステム1は、複数のエージェントによる会話形式の行動要請関連情報をドライバに通知した後に、ドライバに行動要請情報を通知する。これにより、ナビゲーションシステム1は、ドライバに押し付け感を与えることを抑制し、行動要請情報の通知に対する説得性や納得性をドライバに与えることができる。そのため、ナビゲーションシステム1は、ドライバに行動要請情報の通知を有効に活用させることができる。
【0095】
また、ドライバは、行動要請情報の内容を聞き入れ易くなり、ナビゲーションシステム1は、ナビゲーションシステム1に対するドライバの継続的な利用性を向上させることができる。また、ナビゲーションシステム1は、行動要請情報に対するドライバの理解を容易にし、行動要請情報に対するドライバの行動を早くすることができる。
【0096】
ナビゲーションシステム1は、エージェントAおよびエージェントBで会話形式の通知において役割が異なる行動要請関連情報を通知する。これにより、ナビゲーションシステム1は、エージェントAおよびエージェントBによる行動要請関連情報の通知を、より自然な会話形式にすることができる。
【0097】
ナビゲーションシステム1は、行動要請情報に対して、同等の意味を有し、表現が異なる内容の行動要請関連情報を通知する。これにより、ナビゲーションシステム1は、ドライバに必要な情報を迅速に通知しつつ、行動要請情報の通知に対する説得性や納得性をドライバに与えることができる。
【0098】
ナビゲーションシステム1は、例えば、エージェントAによる行動要請関連情報の通知を行った後に、エージェントAによる行動要請関連情報に対する評価を含む行動要請関連情報をエージェントBの通知により行う。これにより、ナビゲーションシステム1は、エージェントAおよびエージェントBによる行動要請関連情報の通知を、より自然な会話形式にすることができる。
【0099】
ナビゲーションシステム1は、行動要請情報に対するドライバの応答に基づいて、例えば、エージェントAおよびエージェントBにより、事後情報を通知する。これにより、ナビゲーションシステム1は、ナビゲーションシステム1に対するドライバの好感度を高め、ナビゲーションシステム1に対するドライバの継続的な利用性を向上させることができる。
【0100】
ナビゲーションシステム1は、ドライバの応答に同調する内容の事後情報を通知する。これにより、例えば、ドライバに対して不要な行動要請情報が通知された場合であっても、ナビゲーションシステム1は、ドライバに不快感を与えることを抑制し、ナビゲーションシステム1に対するドライバの継続的な利用性を向上させることができる。
【0101】
ナビゲーションシステム1は、エージェントAとエージェントBとで異なる音質の音声通知を行う。これにより、ナビゲーションシステム1は、エージェントAおよびエージェントBによる行動要請関連情報の通知を、より自然な会話形式にすることができる。また、ナビゲーションシステム1は、行動要請情報に対するドライバの理解を容易にし、行動要請情報に対するドライバの行動を早くすることができる。
【0102】
変形例に係るナビゲーションシステム1は、エージェント毎に出力するスピーカー30を設定し、エージェント毎に異なるスピーカー30から音声通知を行ってもよい。例えば、変形例に係るナビゲーションシステム1は、エージェントAによる音声通知を運転席から見て左側のスピーカー30A(図1参照)から行い、エージェントBによる音声通知を運転席から見て右側のスピーカー30B(図1参照)から行う。これにより、変形例に係るナビゲーションシステム1は、ドライバに、エージェントAおよびエージェントBによる会話形式の音声通知をより認識させることができる。そのため、変形例に係るナビゲーションシステム1は、行動要請情報に対し、ドライバにより興味を生じさせることができ、行動要請情報の通知を有効に活用させることができる。
【0103】
変形例に係るナビゲーションシステム1は、例えば、図4図5に示す音声通知において、注意ポイントを車両50が通過した後に、エージェントBにより、「リラックスして行こうか。」などと音声通知を行ってもよい。これにより、ナビゲーションシステム1は、ナビゲーションシステム1に対するドライバの好感度を高め、ナビゲーションシステム1に対するドライバの継続的な利用性を向上させることができる。
【0104】
変形例に係るナビゲーションシステム1は、行動要請条件が成立した場合に、行動要請情報を通知した後に、行動要請関連情報を通知する。例えば、変形例に係るナビゲーションシステム1は、ヒヤリハットが発生した注意ポイントよりも所定距離手前に車両50が到達し、行動要請条件が成立すると、図10に示すように、エージェントAにより、注意を喚起する行動要請情報として「飛び出し多発地点です!」と音声通知を行う。図10は、音声通知の一例を示す図である。
【0105】
次に、変形例に係るナビゲーションシステム1は、注意ポイントを通過すると、エージェントAにより、行動要請情報に対する説明である行動要請関連情報として「飛び出し多発地点では、前方を注意する意識が大事です。」と音声通知を行う。
【0106】
さらに、変形例に係るナビゲーションシステム1は、エージェントBにより、納得や同意する事後情報として「そうだね。」と音声通知を行う。
【0107】
なお、変形例に係るナビゲーションシステム1は、行動要請関連情報、行動要請情報、行動要請関連情報の順に音声通知を行ってもよい。
【0108】
これにより、変形例に係るナビゲーションシステム1は、行動要請情報の通知に対し、ドライバに押し付け感を与えることを抑制し、行動要請情報の通知に対する説得性や納得性をドライバに与えることができる。そのため、ナビゲーションシステム1は、ドライバに行動要請情報の通知を有効に活用させることができる。
【0109】
変形例に係るナビゲーションシステム1は、ドライバへの質問に対し、ドライバの応答が逸脱した応答である場合や、ナビゲーションシステム1による音声認識で誤認識が生じた場合などに、適切な応答となるように会話形式の事後情報を通知する。
【0110】
例えば、図9と同様に、変形例に係るナビゲーションシステム1は、車内の温度が第1所定温度以下であり、行動要請条件が成立すると、図11に示すように、エージェントBにより、「あれ?ちょっと寒くない?」と音声通知を行う。図11は、音声通知の一例を示す図である。
【0111】
変形例に係るナビゲーションシステム1は、エージェントAおよびBにより「そうですか?」および「ドライバさん、寒くないですか?」と音声通知を行う。これに対して、ドライバが「少し眠い。」と返事をした場合には、エージェントAにより「私、そうでもないかもと思いました。」と音声通知を行い、エージェントBにより「そうですか、では、寒くなったら、言ってください。」と音声通知を行う。
【0112】
このように、許可や同意を求める行動要請情報の通知に対して、ドライバが、逸脱した応答を行い、逸脱した応答に対する対処方法が不明である場合には、変形例に係るナビゲーションシステム1は、エージェントAおよびBによって行動要請を保留する事後情報を通知する。
【0113】
図11に示す一例では、変形例に係るナビゲーションシステム1は、ドライバの応答に対して、エージェントAにより反対の意見を述べる音声通知を行うことで、エージェントAおよびBによる会話形式の通知を継続し、ドライバへの行動要請を保留する。
【0114】
これにより、変形例に係るナビゲーションシステム1は、行動要請情報の通知に対してドライバの応答が逸脱し、対処方法が不明である場合であっても、ドライバへの音声通知を継続することができる。そのため、変形例に係るナビゲーションシステム1は、音声通知の中断を抑制することができる。なお、変形例に係るナビゲーションシステム1は、ドライバの応答(音声)を認識できなかった場合や、誤認識した場合にも、上記方法により、ドライバへの音声通知を継続することができる。
【0115】
また、変形例に係るナビゲーションシステム1は、動要請情報の通知に対してドライバの応答が逸脱している場合であっても、対処方法が不明ではなく、対処方法がある場合には、エージェントによる会話形式の通知を継続し、ドライバの応答を行動要請情報に適した応答に導いてもよい。例えば、車内の温度が第1所定温度以下であり、行動要請条件が成立すると、図12に示すように、エージェントBにより、「あれ?ちょっと寒くない?」と音声通知を行う。図12は、音声通知の一例を示す図である。なお、ここでは、説明のため図11と同じ事例(行動要請条件の成立)を一例として用いている。
【0116】
変形例に係るナビゲーションシステム1は、エージェントAおよびBにより「そうですか?」および「ドライバさん、寒くないですか?」と音声通知を行う。ドライバが「はい。」と返事をした場合には、図9と同様に、変形例に係るナビゲーションシステム1は、エージェントBにより、「シートヒーターを使えば暖かいですよ。」と音声通知を行い、図9と同様の事後情報を通知する。ドライバが、「いいえ。」と返事をした場合には、図9と同様に、変形例に係るナビゲーションシステム1は、エージェントAにより、「適温ですよね。」と音声通知を行う。
【0117】
これに対し、質問に対して逸脱する応答として、ドライバが「少し眠い。」と返事をする。変形例に係るナビゲーションシステム1は、このような逸脱した応答に対して対処方法がある場合には、エージェントAにより、「眠気が出始めましたか。」と音声通知を行う。
【0118】
そして、変形例に係るナビゲーションシステム1は、エージェントBにより、「暖かいと眠気が増しやすいですね。」およびエージェントAにより、「設定温度は変えなくてもいいですか?」と音声通知を行う。
【0119】
これに対し、ドライバが「はい。」と返事をした場合には、変形例に係るナビゲーションシステム1は、エージェントBにより、「シートヒーターを使えば暖かいですよ。」と音声通知を行い、図9と同様の事後情報を通知する。ドライバが、「いいえ。」と返事をした場合には、変形例に係るナビゲーションシステム1は、エージェントAにより、「適温ですよね。」と音声通知を行う。
【0120】
このように、変形例に係るナビゲーションシステム1は、ドライバへの質問に対し、ドライバの応答が逸脱する応答である場合などでも、行動要請情報に適した応答に導くための対処方法がある場合には、会話形式の事後情報を通知することで、ドライバへの音声通知を継続することができる。そのため、変形例に係るナビゲーションシステム1は、音声通知の中断を抑制することができる。また、変形例に係るナビゲーションシステム1は、ドライバに違和感を与えずに、行動要請情報に対するドライバの応答を、行動要請情報に適した応答に導くことができる。従って、変形例に係るナビゲーションシステム1は、ドライバに行動要請情報の通知を有効に活用させることができる。
【0121】
変形例に係るナビゲーションシステム1は、ドライバの操作や、行動に関する信号が入力部2に入力される。例えば、変形例に係るナビゲーションシステム1は、スイッチや、タッチパネルや、アクセルペダルや、ブレーキペダルや、シフトレバーなどの操作に関する信号が入力されてもよい。例えば、変形例に係るナビゲーションシステム1は、「ドライバさん、速度を落としましょう。」と行動要請情報の音声通知を行った後に、ブレーキペダルが踏み込まれると、音声通知に対するドライバのブレーキ操作を検出し、「安全運転が大事です。」などと事後情報の音声通知を行う。
【0122】
また、変形例に係るナビゲーションシステム1は、カメラにより検知されるドライバの視線に関する信号が入力されてもよい。変形例に係るナビゲーションシステム1は、これらをドライバの返事(応答)として用いてもよい。
【0123】
これにより、変形例に係るナビゲーションシステム1は、様々な方法により、ドライバの返事を検知することができる。
【0124】
また、変形例に係るナビゲーションシステム1は、行動要請関連情報や、行動要請情報や、事後情報に関する通知として、補助的な通知を行ってもよい。変形例に係るナビゲーションシステム1は、補助的な通知として、例えば、スイッチや、ボタンを点滅させたり、ディスプレイに文字や画像を表示させたりしてもよい。例えば、変形例に係るナビゲーションシステム1は、車内の温度が高い場合に、「ドライバさん、暑くないですか?」と行動要請情報の音声通知を行う場合に、空調調整用のスイッチを点滅させる。
【0125】
また、変形例に係るナビゲーションシステム1は、補助的な通知として、例えば、座席を振動させたり、小型のロボットを動作させたりしてもよい。例えば、変形例に係るナビゲーションシステム1は、車内の温度が高い場合に、「ドライバさん、暑くないですか?」と行動要請情報の音声通知を行う場合に、小型のロボットに扇ぐ動作を行わせる。
【0126】
これにより、変形例に係るナビゲーションシステム1は、補助的な通知を行うことで、ドライバに通知の内容を容易に理解させ、通知に対する説得性や納得性をドライバに与えることができる。
【0127】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。従って、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0128】
1 ナビゲーションシステム(情報通知装置)
4 記憶部
5 制御部
10 取得部
11 判定部
12 生成部
13 通知部
30 スピーカー
50 車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12