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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】容器供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/18 20060101AFI20221214BHJP
   B65B 43/46 20060101ALI20221214BHJP
   B65B 43/26 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
B65B43/18
B65B43/46 B
B65B43/26 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018219950
(22)【出願日】2018-11-26
(65)【公開番号】P2020083381
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-10-01
(73)【特許権者】
【識別番号】597017812
【氏名又は名称】株式会社ナベル
(72)【発明者】
【氏名】宮本 喬行
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-203317(JP,A)
【文献】特開昭63-097507(JP,A)
【文献】特開2003-137347(JP,A)
【文献】特開2008-068875(JP,A)
【文献】特開2017-043364(JP,A)
【文献】特開2017-121726(JP,A)
【文献】特開2016-124601(JP,A)
【文献】特開昭63-022321(JP,A)
【文献】特開平06-080123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
卵パックを収容するための空のコンテナと空の段ボール箱とを選択的に下流側に接続された共通のコンベヤに供給する容器供給装置であって、
前記空のコンテナ用の搬送部と前記空の段ボール箱用の搬送部とが上下にかつ搬送方向が平面視で同一になるように配置されている容器供給装置。
【請求項2】
前記空のコンテナ用の搬送部は、前記共通のコンベヤに向けて傾斜して配置されたものである請求項1記載の容器供給装置。
【請求項3】
前記空の段ボール箱用の搬送部は、段ボール箱の左右側面を支持するための対をなすサイドベルトコンベヤであり、
前記空のコンテナ用の搬送部は、前記サイドベルトコンベヤの搬送面の外側に配置されている請求項1または2記載の容器供給装置。
【請求項4】
前記空の段ボール箱用の搬送部は、折り畳まれた段ボールを組み立てる製函機構を備える請求項1、2または3記載の容器供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
GPセンターにおいて選別された卵は、パックやトレイに所定個数ずつ収容された後、輸送用のかご台車や、段ボール箱またはコンテナに詰め込まれて出荷される。その際の詰め込み作業は、手作業で行われており、作業者の負担になっていた。この作業者負担を軽減させるために、卵パックを箱詰めするためのケースパッカーが開発されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
この種のケースパッカーは、1台で段ボール箱とコンテナの両方に対応することが可能である。そのため、段ボール箱とコンテナとで別々の作業レーンを確保する必要がなく、スペースの限られたGPセンターに好適なものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-196522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
卵パックを段ボール箱またはコンテナに詰め込む作業は自動化されつつある。しかしながら、段ボール箱とコンテナという外形の大きく異なる複数の収容容器を取り扱うために、その上流工程は未だに手作業の部分が多いという問題点がある。本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、段ボール箱とコンテナとを共通のコンベヤに供給する容器供給装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の容器供給装置は、卵パックを収容するための空のコンテナと空の段ボール箱とを選択的に下流側に接続された共通のコンベヤに供給する容器供給装置であって、前記空のコンテナ用の搬送部と前記空の段ボール箱用の搬送部とが上下にかつ搬送方向が平面視で同一になるように配置されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、段ボール箱とコンテナとを共通のコンベヤに供給する容器供給装置を提供できる。
【0008】
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態にかかる移載システムの平面図である。
図2】同実施形態にかかる容器供給装置の斜視図である。
図3】同実施形態にかかる容器供給装置の作動の一例を示す側面図である。
図4】同実施形態にかかる移載装置の概略説明図である。
図5】同実施形態にかかる移載装置のコンテナを掴んだ状態の側面図である。
図6】同実施形態にかかる移載装置の段ボール箱を掴んだ状態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
本実施形態の移載システム1は、図1に示すように、空のコンテナCおよび空の段ボール箱Bを選択的に下流側へ供給するものである。空のコンテナCおよび空の段ボール箱Bは、これらで共通に用いられるストック部4に一時的に保管される。言い換えれば、本実施形態のストック部4は、フレーム上にコンテナCが置かれる場合と折り畳み段ボール箱Bが置かれる場合がある。図1では、説明用に段ボール箱Bが置かれている状態を示している。
【0012】
コンテナCは、例えば、図3および図5に示すように、上面側が開いたプラスチック製の箱で、上下方向に空間を空けて積み重ねるスタッキング状態と、上下方向にコンパクトに積み重ねるネスティング状態とを取り得る、この分野でよく知られたものである。コンテナCの場合、コンテナCがネスティング状態で上下方向に積み重ねられて一時的に保管される。
【0013】
段ボール箱Bは、図1および図6に示すように、折り畳まれた状態から筒状に展開し、内フラップおよび外フラップを内側に折り込むことで底B1が形成される、この分野でよく知られたものである。段ボール箱Bの場合、折り畳まれた状態の段ボール箱Bが上下方向に積み重ねられた状態で一時的に保管される。
【0014】
本実施形態の移載システム1は、容器供給装置2と移載装置3を備える。
【0015】
容器供給装置2は、図1図3に示すように、コンテナ用の搬送部6と、段ボール箱用の搬送部7とを備える。コンテナ用の搬送部6と段ボール箱用の搬送部7とは上下に配置されており、下流側に配置された共通のコンベヤ5に接続されている。
【0016】
段ボール箱用の搬送部7は、図1図3に示すように、折り畳まれた段ボールを組み立てる製函機構71を備える。製函機構71は、筒状に展開された段ボール箱Bの底B1側のフラップを折り畳んで底B1を形成する。製函機構71は、この分野でよく知られたものであるため、詳細な説明を省略する。折り畳まれた段ボール箱Bは、移載装置3によってストック部4から取り出された後、移載装置3および段ボール箱用の搬送部7で搬送される途中で、製函機構71で底B1が形成され、テープ止めされる。段ボール箱用の搬送部7は、段ボール箱Bの左右側面B2を支持するための対をなすサイドベルトコンベヤ72である。サイドベルトコンベヤ72の搬送面73の外側には、コンテナ用の搬送部6が配置されている。
【0017】
コンテナ用の搬送部6は、図1図3に示すように、段ボール箱用の搬送部7の上に配置される。コンテナ用の搬送部6は、共通のコンベヤ5に向けて傾斜して配置されたものである。コンテナ用の搬送部6は、ローラで構成されている。コンテナ用の搬送部6は、駆動されないものであり、ローラ上に載せられたコンテナCは、自重で搬送される。
【0018】
共通のコンベヤ5は、卵パックを収容するためのコンテナCおよび段ボール箱Bを搬送する。
【0019】
移載装置3は、折り畳まれた状態の段ボール箱Bをストック部4から段ボール箱用の搬送部7まで移動させる動作と、空のコンテナCをストック部4からコンテナ用の搬送部6まで移動させる動作とを行う。移載装置3は、ストック部4、段ボール箱用の搬送部7、コンテナ用の搬送部6のいずれにもアクセス可能である。本実施形態では、移載装置3として、ヘッド32が任意に作動する慣用の多関節ロボット(例えば、6軸垂直多関節ロボット)を用いるが、X、Y、Z軸に対してヘッド32が任意に移動することができるロボットや装置など種々のものが採用できる。ヘッド32は、アーム31の先端に位置し、図4図6に示すように、コンテナ用の保持部33または段ボール箱用の保持部34が取り付けられる。
【0020】
コンテナ用の保持部33は、ストック部4に積まれた状態から1つのコンテナCのみを取り出してコンテナ用の搬送部6まで運ぶことができればどのようなものであってもよい。例えば、図4および図5に示すように、コンテナCの対向する2面を把持するものが挙げられる。
【0021】
段ボール箱用の保持部34は、ストック部4に積まれた状態から1つの折り畳まれた状態の段ボール箱Bのみを取り出して段ボール箱用の搬送部7まで運ぶことができればどのようなものであってもよい。例えば、図4および図6に示すように、段ボール箱Bの隣接する2面を吸着して保持するものが挙げられる。なお、この分野でよく知られるように、保持部34によって、段ボール箱Bが折り畳まれた状態から筒状へと変形させられるものが好ましい。
【0022】
次に、移載システム1の作動の一例について説明する。
【0023】
共通のコンベヤ5にコンテナCを供給したい場合、まず、空のコンテナCがネスティング状態でストック部4に載せられる。移載装置3は、コンテナ用の保持部33をストック部4に位置付ける。そして、図5に示すように、保持部33によって持ち上げられた1つのコンテナCは、図3に示すように、コンテナ用の搬送部6へと移載される。コンテナ用の搬送部6は、コンテナCを下流側へと送り出し、箱詰め部(図示しない)にてコンテナCに卵パックが箱詰めされる。
【0024】
共通のコンベヤ5に段ボール箱Bを供給したい場合、まず、図1に示すように、折り畳まれた状態の段ボール箱Bが平らに積み重ねられた状態でストック部4に載せられる。移載装置3は、段ボール箱用の保持部34をストック部4に位置付ける。そして、保持部34によって持ち上げられた1つの折り畳み状態の段ボール箱Bは、図6に示すように、筒状に展開された後、移載装置3と段ボール箱用の搬送部7とにより、底B1が形成される。組み立てられた段ボール箱Bは、サイドベルトコンベヤ72の間およびコンテナ用の搬送部6の間を通過する。段ボール箱用の搬送部7は、上方に開口した段ボール箱Bを下流側へと送り出し、コンテナCと共通の箱詰め部にて段ボール箱Bに卵パックが箱詰めされる。
【0025】
以上説明したように、本実施形態の容器供給装置2は、卵パックを収容するためのコンテナCと段ボール箱Bとを下流側に接続された共通のコンベヤ5に供給する。容器供給装置2は、コンテナ用の搬送部6と段ボール箱用の搬送部7とが上下に配置されているので、左右に並列に配置されるものに比べて空間を有効活用できる。
【0026】
コンテナ用の搬送部6は、共通のコンベヤ5に向けて傾斜して配置されたものである。そのため、簡単な機構で共通のコンベヤ5に向けてコンテナCを送り出すことができる。
【0027】
段ボール箱用の搬送部7は、段ボール箱Bの左右側面B2を支持するための対をなすサイドベルトコンベヤ72であり、コンテナ用の搬送部6は、サイドベルトコンベヤ72の搬送面73の外側に配置されている。そのため、搬送される段ボール箱Bがコンテナ用の搬送部6と干渉することを抑制できる。
【0028】
段ボール箱用の搬送部7は、折り畳まれた段ボールを組み立てる製函機構71を備える。そのため、組み立てられた状態で共通のコンベヤ5に向けて段ボール箱Bを送り出すことができる。
【0029】
なお、本発明は上述した実施形態に限られない。
【0030】
容器供給装置2は、移載装置3とともに用いられないものであってもよい。容器供給装置2は、段ボール箱用の搬送部7が上に配置され、コンテナ用の搬送部6が下に配置されてもよい。また、段ボール箱用の搬送部7と、コンテナ用の搬送部6とは、全体が重なって配置されていなくてもよい。段ボール箱用の搬送部7およびコンテナ用の搬送部6は、共通のコンベヤ5に直接接続されているものに限られず、これらの間にコンベヤ以外の渡り板等を配置してもよい。
【0031】
コンテナ用の搬送部6は、傾斜して配置されていなくてもよい。段ボール箱用の搬送部7は、サイドベルトコンベヤ72には限られない。また、段ボール箱用の搬送部7は、製函機構71を備えなくてもよい。
【0032】
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、段ボール箱とコンテナとを共通のコンベヤに供給する容器供給装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0034】
2…容器供給装置
5…共通のコンベヤ
6…コンテナ用の搬送部
7…段ボール箱用の搬送部
71…製函機構
72…サイドベルトコンベヤ
73…搬送面
B…段ボール箱
B2…左右側面
C…コンテナ
図1
図2
図3
図4
図5
図6