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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】T型カルシウムチャネル阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 311/32 20060101AFI20221214BHJP
   A61K 31/353 20060101ALI20221214BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20221214BHJP
   A61P 5/42 20060101ALI20221214BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20221214BHJP
   A61P 7/10 20060101ALI20221214BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20221214BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20221214BHJP
   A61P 9/06 20060101ALI20221214BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20221214BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20221214BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20221214BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
C07D311/32 CSP
A61K31/353
A61P25/08
A61P5/42
A61P29/00
A61P7/10
A61P9/00
A61P9/04
A61P9/06
A61P9/10 101
A61P13/12
A61P25/04
A61P43/00 111
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019545076
(86)(22)【出願日】2018-09-21
(86)【国際出願番号】 JP2018035170
(87)【国際公開番号】W WO2019065532
(87)【国際公開日】2019-04-04
【審査請求日】2021-07-14
(31)【優先権主張番号】P 2017188717
(32)【優先日】2017-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000125347
【氏名又は名称】学校法人近畿大学
(73)【特許権者】
【識別番号】305060567
【氏名又は名称】国立大学法人富山大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000238201
【氏名又は名称】扶桑薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】川畑 篤史
(72)【発明者】
【氏名】関口 富美子
(72)【発明者】
【氏名】坪田 真帆
(72)【発明者】
【氏名】豊岡 尚樹
(72)【発明者】
【氏名】西川 裕之
【審査官】水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/188980(WO,A1)
【文献】J. Agric. Food Chem.,2016年12月26日,Vol. 65, No. 2,pp. 510-515
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
5,7-ジヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-33);
5,7-ジヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-34);
5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブチル)-クロマン-4-オン(化合物-39);
6-(3-エチル-ペント-2-エニル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-40);
6-(2-シクロペンチリデン-エチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-41);
2-(2,6-ジヒドロキシ-フェニル)-5,7-ジヒドロキシ-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-42);
5-ヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-43);
6-(3-エチル-ペント-2-エニル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-45);
6-(3-エチル-ペンチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-46);
6-(2-シクロペンチル-エチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-47);および
5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-プロピル-ヘキサ-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-48)
よりなる群から選択される化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項2】
6-(3-エチル-ペント-2-エニル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-40);
6-(2-シクロペンチリデン-エチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-41);
6-(3-エチル-ペント-2-エニル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-45);および
6-(2-シクロペンチル-エチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-47)
よりなる群から選択される請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項3】
5,7-ジヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-33);
5,7-ジヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-34);
2-(3,4-ジヒドロキシ-フェニル)-5,7-ジヒドロキシ-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-36);
5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブチル)-クロマン-4-オン(化合物-39);
6-(3-エチル-ペント-2-エニル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-40);
6-(2-シクロペンチリデン-エチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-41);
2-(2,6-ジヒドロキシ-フェニル)-5,7-ジヒドロキシ-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-42);
5-ヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-43);
6-(3-エチル-ペント-2-エニル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-45);
6-(3-エチル-ペンチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-46);
6-(2-シクロペンチル-エチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-47);および
5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-プロピル-ヘキサ-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-48)からなる群から選択されるT型カルシウムチャネル阻害剤を含む医薬組成物。
【請求項4】
5,7-ジヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-33);
5,7-ジヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-34);
2-(3,4-ジヒドロキシ-フェニル)-5,7-ジヒドロキシ-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-36);
5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブチル)-クロマン-4-オン(化合物-39);
6-(3-エチル-ペント-2-エニル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-40);
6-(2-シクロペンチリデン-エチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-41);
2-(2,6-ジヒドロキシ-フェニル)-5,7-ジヒドロキシ-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-42);
5-ヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-43);
6-(3-エチル-ペント-2-エニル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-45);
6-(3-エチル-ペンチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-46);
6-(2-シクロペンチル-エチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-47);および
5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-プロピル-ヘキサ-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-48)からなる群から選択されるT型カルシウムチャネル阻害剤を含む、てんかん、高アルドステロン血症、炎症、浮腫、心肥大、心不全、心筋症、心房細動、頻脈性不整脈、動脈硬化、腎炎、腎障害または腎不全の治療薬または予防薬。
【請求項5】
5,7-ジヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-33);
5,7-ジヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-34);
2-(3,4-ジヒドロキシ-フェニル)-5,7-ジヒドロキシ-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-36);
5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブチル)-クロマン-4-オン(化合物-39);
6-(3-エチル-ペント-2-エニル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-40);
6-(2-シクロペンチリデン-エチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-41);
2-(2,6-ジヒドロキシ-フェニル)-5,7-ジヒドロキシ-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-42);
5-ヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-43);
6-(3-エチル-ペント-2-エニル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-45);
6-(3-エチル-ペンチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-46);
6-(2-シクロペンチル-エチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-47);および
5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-プロピル-ヘキサ-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-48)からなる群から選択されるT型カルシウムチャネル阻害剤を含む、神経障害性疼痛の治療薬または予防薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラバノン化合物であるT型カルシウムチャネル阻害剤に関し、また、このようなT型カルシウムチャネル阻害剤を含む医薬、T型カルシウムチャネル阻害作用を有効作用とする疾患の治療薬または予防薬に関する。
【背景技術】
【0002】
イオンチャネルは、細胞膜を貫通したチャネルであり、リガンド依存性チャネルと電位依存性チャネルの2種類に大別される。近年、神経障害性疼痛のメカニズムの1種として、電位依存性ナトリウムチャネルおよび電位依存性カルシウムチャネルが標的として見いだされた。電位依存性ナトリウムチャネルを標的とする薬物として、例えば、リドカイン、カルバマゼピン、ラモトリギン、メキシレチンなどが知られている。また、電位依存性カルシウムチャネルを標的とする薬物として、例えば、ガバペンチン、プレガバリン、ジコノチドなどが知られている。
【0003】
神経障害性疼痛は、難治性であり、既存の鎮痛薬に対する反応が不十分であるという問題がある。また、確立された薬物療法であっても、その有効性を確実に予測することが難しく、他剤を併用しなければならないことも多い。日本ペインクリニック学会による神経障害性疼痛・薬物療法ガイドラインでは、高電位活性化カルシウムチャネル阻害剤が第一選択としてあげられているが、十分な治療効果が得られないことが多い。これらの阻害剤はまた、ふらつきなどの副作用が問題となっている。
【0004】
電位依存性カルシウムチャネルは、活性化および不活性化電位の違いによって、高電位活性化タイプおよび低電位活性化タイプに2分類される。L型、N型、P/Q型、およびR型カルシウムチャネルは大きな脱分極によって活性化されるため、高電位活性化カルシウムチャネルに分類される。これに対して、T型カルシウムチャネルは、小さな脱分極によって活性化されるため、低電位活性化カルシウムチャネルに分類される。
【0005】
最近、T型カルシウムチャネルが、神経障害性疼痛の発症・進展に関与する事が報告され、T型カルシウムチャネル阻害剤が神経障害性疼痛の治療薬となり得る可能性が示唆されている。T型カルシウムチャネル阻害剤として、例えば、ミベフラジル(例えばTodorovic, Neuron, 2001, 31((1), p.75-85(非特許文献1)参照)、エトスクシミド、(1S,2S)-2-[2-[[3-(1H-ベンジミダゾ-ル-2-イル)プロピル]メチルアミノ]エチル]-6-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-(1-メチルエチル)-2-ナフタルエニル-シクロプロパンカルボキシレート・塩酸塩(NNC55-0396)(例えば、Huang, J Pharmacol Exp Ther., 309(1), p.193-199(非特許文献2)参照)などが挙げられる。このようにT型カルシウムチャネル阻害剤として幾つかの化合物が既に見いだされているものの、副作用などの観点から、さらなる新たなT型カルシウムチャネル阻害剤の検討が必要とされている。
【0006】
ところで、フラバノン骨格を有するフラバノン化合物は、天然抽出物などに含まれる化合物である。そしてこれらのフラバノン化合物は、様々な薬効が見いだされている。例えば、フラバノン化合物の1種であるソホラフラバノンGは、ニキビ菌、フケ菌に対して増殖抑制作用を有する抗菌剤として用いることができることが見いだされている(特許第3327699号、特許文献1)。また、例えば特許第4393062号(特許文献2)には、8-プレニルナリンゲニン、クシェノールX、8-プレニルケンペロール、レアキアノンGおよびクシェノールEからなる群から選択されるフラボンと、アルカロイド、イソフラボン、カルコンおよびプテロカルパンを含有する、ソホラ種からの抽出物が、エストロゲンの代謝の異常によって引き起こされる病状を予防および治療できることが開示されている。一方で、フラバノン化合物が、T型カルシウムチャネル阻害作用を示すことは開示されていない。また、国際公開2014/188980号(特許文献3)には、フラバノン構造を有するT型カルシウムチャネル阻害剤、それを含む医薬、T型カルシウムチャネル阻害作用を有効作用とする疾患の治療薬または予防薬が開示されている。しかしながら、この先行技術文献には、フラバノン構造を有する化合物が一般式で網羅的に開示されており、本発明の特定の化合物が実際にT型カルシウムチャネル阻害効果を奏することは示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第3327699号明細書
【文献】特許第4393062号明細書
【文献】国際公開2014/188980号
【非特許文献】
【0008】
【文献】Todorovic, Neuron, 2001, 31(1), p.75-85
【文献】Huang, J Pharmacol Exp Ther., 2004,309(1), p193-199
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者らは、T型カルシウムチャネルを治療標的とした新しい鎮痛薬の開発を目指し、新たなT型カルシウムチャネル阻害剤を探索した。ここで、特定のフラバノン化合物が強力にT型カルシウムチャネルを阻害することを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明は、フラバノン化合物であるT型カルシウムチャネル阻害剤、このようなT型カルシウムチャネル阻害剤を含む医薬、T型カルシウムチャネル阻害作用を有効作用とする疾患の治療薬または予防薬を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、
式(1)
【化1】
[式(1)中、
およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-OHであり、
は、-OHであり、
は-OHまたは-Hであり、
は、炭素数1~10の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基もしくはシクロアルキル-アルキル基、または炭素数2~10の直鎖もしくは分枝鎖状のアルケニル基もしくはシクロアルキル-アルケニル基である。]
で表される化合物、該化合物の医薬的に許容され得る塩または該化合物の溶媒和物、またはそれらの化合物であるT型カルシウムチャネル阻害剤、ならびにそれらの化合物を含む鎮痛薬を提供するものであり、これにより上記目的が達成される。
【0012】
また、一般式(1)により示される化合物の中でも以下のものが好ましい。
5,7-ジヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-33);
5,7-ジヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-34);
2-(3,4-ジヒドロキシ-フェニル)-5,7-ジヒドロキシ-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-36);
5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブチル)-クロマン-4-オン(化合物-39);
6-(3-エチル-ペント-2-エニル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-40);
6-(2-シクロペンチリデン-エチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-41);
2-(2,6-ジヒドロキシ-フェニル)-5,7-ジヒドロキシ-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-42);
5-ヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-43);
6-(3-エチル-ペント-2-エニル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-45);
6-(3-エチル-ペンチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-46);
6-(2-シクロペンチル-エチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-47);
5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-プロピル-ヘキサ-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-48)。
【0013】
さらに、一般式(1)により示される化合物の中でも以下のものがより好ましい。

6-(3-エチル-ペント-2-エニル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-40);
6-(2-シクロペンチリデン-エチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-41);
6-(3-エチル-ペント-2-エニル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-45);
6-(2-シクロペンチル-エチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-47)。
【0014】
本発明はまた、上記T型カルシウムチャネル阻害剤を含む医薬、および、上記T型カルシウムチャネル阻害剤を含む、神経障害性疼痛の治療薬または予防薬も提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の、フラバノン化合物であるT型カルシウムチャネル阻害剤は、優れたT型カルシウムチャネル阻害作用を有する。本発明のT型カルシウムチャネル阻害剤は、例えば、医療、医薬、予防薬の分野において、非常に有益である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施例1の実験結果を示すグラフ図である。
図2】坐骨神経部分結紮(partial sciatic nerve ligation, PSNL)誘起痛覚過敏に対する化合物-40の抑制作用を示すグラフ図である。白抜き円は偽手術後の溶媒投与区、影付上向き三角はPSNLによる痛覚過敏誘起後の溶媒投与区、影付菱形はPSNLによる痛覚過敏誘起後の6-プレニルナリンゲニン 10mg/kg投与区、影付四角はPSNLによる痛覚過敏誘起後の6-プレニルナリンゲニン 20mg/kg投与区、影付下向き三角はPSNLによる痛覚過敏誘起後の6-プレニルナリンゲニン 30mg/kg投与区、黒塗り菱形はPSNLによる痛覚過敏誘起後の化合物-40 10mg/kg投与区、黒塗り四角はPSNLによる痛覚過敏誘起後の化合物-40 20mg/kg投与区、黒塗り下向き三角はPSNLによる痛覚過敏誘起後の化合物-40 30mg/kg投与区を示す。
図3】PSNL誘起痛覚過敏に対する化合物-41の抑制作用を示すグラフ図である。白抜き円は偽手術後の溶媒投与区、影付上向き三角はPSNLによる痛覚過敏誘起後の溶媒投与区、影付菱形はPSNLによる痛覚過敏誘起後の化合物-41 10mg/kg投与区、影付四角はPSNLによる痛覚過敏誘起後の化合物-41 20mg/kg投与区を示す。
図4】PSNL誘起痛覚過敏に対する化合物-45の抑制作用を示すグラフ図である。白抜き円は偽手術後の溶媒投与区、影付上向き三角はPSNLにいる痛覚過敏誘起後の溶媒投与区、影付菱形はPSNLによる痛覚過敏誘起後の化合物-45 10mg/kg投与区、影付四角はPSNLによる痛覚過敏誘起後の化合物-45 20mg/kg投与区を示す。
図5】PSNL誘起痛覚過敏に対する化合物-47の抑制作用を示すグラフ図である。白抜き円は偽手術後の溶媒投与区、影付上向き三角はPSNLによる痛覚過敏誘起後の溶媒投与区、影付菱形はPSNLによる痛覚過敏誘起後の6-プレニルナリンゲニン 10mg/kg投与区、影付四角はPSNLによる痛覚過敏誘起後の6-プレニルナリンゲニン 20mg/kg投与区、黒塗り菱形はPSNLによる痛覚過敏誘起後の化合物-47 10mg/kg投与区、黒塗り四角はPSNLによる痛覚過敏誘起後の化合物-47 20mg/kg投与区を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のT型カルシウムチャネル阻害剤は、下記式(1)に示される構造を有する。
【0018】
【化2】
【0019】
式(1)中、
およびRは、それぞれ独立して、Hまたは-OHであり、
は-OHであり、
は-OHまたは-Hであり、
は、炭素数1~10の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基もしくはシクロアルキル-アルキル基、または炭素数2~10の直鎖もしくは分枝鎖状のアルケニル基もしくはシクロアルキル-アルケニル基である。
【0020】
式(1)で表される化合物の中でも、
5,7-ジヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-33);
5,7-ジヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-34);
2-(3,4-ジヒドロキシ-フェニル)-5,7-ジヒドロキシ-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-36);
5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブチル)-クロマン-4-オン(化合物-39);
6-(3-エチル-ペント-2-エニル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-40);
6-(2-シクロペンチリデン-エチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-41);
2-(2,6-ジヒドロキシ-フェニル)-5,7-ジヒドロキシ-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-42);
5-ヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-43);
6-(3-エチル-ペント-2-エニル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-45);
6-(3-エチル-ペンチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-46);
6-(2-シクロペンチル-エチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-47);および
5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-プロピル-ヘキサ-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-48)が好ましく、
6-(3-エチル-ペント-2-エニル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-40);
6-(2-シクロペンチリデン-エチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-41);
6-(3-エチル-ペント-2-エニル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-45);
6-(2-シクロペンチル-エチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-47)が特に好ましい。さらには、これらの化合物の中でも、化合物-40、化合物-41、化合物-45および化合物-47は効果が高く、特に好ましい。
【0021】
本発明の上記式(1)で表されるT型カルシウムチャネル阻害剤において、上記式(1)で表される化合物は、塩を形成した状態であってもよい。すなわち、上記式(1)で表される化合物の医薬的に許容され得る塩も、T型カルシウムチャネル阻害剤として用いることができる。医薬的に許容され得る塩として、例えば、塩酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、臭化水素酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、サリチル酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩などが挙げられる。
【0022】
本発明の上記式(1)で表されるT型カルシウムチャネル阻害剤において、上記式(1)で表される化合物は、溶媒和物の状態であってもよい。溶媒和物としては、医薬的に許容され得るものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、水和物、およびエタノール和物などのアルコール和物、などを挙げることができる。
【0023】
本発明のT型カルシウムチャネル阻害剤には、上記式(1)で表されるT型カルシウムチャネル阻害剤のプロドラッグも含まれる。用語「プロドラッグ」とは、体内で、例えば血中での加水分解によって、薬理作用を有する活性形に変換される化合物を意味する。薬理的に許容しうるプロドラッグの例は文献[T. ヒグチおよびV. ステラ、新規ドラッグデリバリーシステムとしてのプロドラッグ(Prodrugs as Novel Drug Delivery Systems)、“薬物設計における生体可逆的担体(Bioreversible Carriers in Drug Design)”、エドワード B. ロッシュ編、米国薬学会およびペルガモンプレス(American Pharmaceutical Association and Pergamon Press)、A.C.S. Symposium Series、第14巻、(1987);およびD. フレイシャー、R. ボンおよび B. H. スチュワート、“経口ドラッグデリバリーの改善:プロドラッグの使用による可溶性の限界の克服(Improved oral drug delivery: Solubility limitations overcome by the use of prodrugs)”、Advanced Drug Delivery Reviews(1996)19(2):115-130)]に記載されている。プロドラッグの例として、式(I)で表される化合物が水酸基を有する場合は、式(I)で示される化合物と、アシルハライド、酸無水物またはハロゲン化アルキルオキシカルボニル化合物とを反応させることによって調製される、アシルオキシ誘導体などのプロドラッグなどが挙げられる。
【0024】
本発明のT型カルシウムチャネル阻害作用を有効作用とする疾患の治療薬または予防薬は、例えば、一般的な錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、丸剤、経口用液剤(シロップ剤)などの経口投与剤、直腸投与剤、経鼻吸収剤、経膣吸収剤などの経粘膜吸収剤、経肺吸収剤、吸入剤、点眼剤、経皮吸収剤あるいは注射剤として投与することができる。本発明の治療薬または予防薬において、本発明のT型カルシウムチャネル阻害剤は、1個の治療剤として用いてもよく、あるいは他の治療剤との混合物として用いてもよい。投与の際には、一般的には、医薬組成物の形態で投与される。
【0025】
本発明の治療薬または予防薬は、必要に応じた、薬理的・製剤学的に許容され得る添加物を用いて、当業者に一般的な方法により製造することができる。例えば錠剤、カプセル剤または顆粒剤の場合は、通常用いられる賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、湿潤剤、可塑剤、コーティング剤などの添加物を用いて調製することができる。経口用液剤は、水性または油性懸濁液、溶液、乳濁液、シロップ、エリキシルなどの形態であってもよく、また使用前に水または他の適した溶媒で調製するドライシロップとして供されてもよい。このような経口用液剤は、懸濁化剤、香料、希釈剤または乳化剤などの通常用いられる添加剤を用いて調製することができる。
【0026】
座剤は、カカオ脂、ラウリン脂、マクロゴール、グリセロゼラチン、ウィテプゾール、ステアリン酸ナトリウムまたはそれらの混合物など、適した物質を基剤として、必要に応じた乳化剤、懸濁化剤、保存剤などの添加剤を用いて調製することができる。注射剤は、注射用蒸留水、生理食塩水、5%ブドウ糖溶液、プロピレングリコールなどの溶解剤、そして必要に応じた溶解補助剤、pH調節剤、等張化剤、安定化剤などの添加剤を用いて調製することができる。
【0027】
本発明のT型カルシウムチャネル阻害剤をヒトに投与する場合の投与量は、投与される患者の年齢および状態に応じて調整することができる。患者が通常成人の場合は、経口剤または直腸内投与では、一般に0.1~1000mg/ヒト/日程度であり、注射剤では、一般に0.05mg~500mg/ヒト/日程度である。なお、これらの数値は、あくまでも例示であり、薬剤の投与量は、患者の症状などにあわせて決定される。
【0028】
本発明のT型カルシウムチャネル阻害作用を有効作用とする疾患の治療薬または予防薬として、例えば、神経障害性疼痛などの、神経障害性疼痛の治療薬または予防薬が挙げられる。なお、本発明のT型カルシウムチャネル阻害作用を有効作用とする疾患の治療薬または予防薬は、上記神経障害性疼痛の治療薬または予防薬に限定されるものではない。本発明のT型カルシウムチャネル阻害作用を有効作用とする疾患の、他の治療薬または予防薬として、例えば、てんかんの治療薬または予防薬、高アルドステロン血症の治療薬または予防薬、炎症の治療薬または予防薬、浮腫の治療薬または予防薬、心肥大の治療薬または予防薬、心不全の治療薬または予防薬、心筋症の治療薬または予防薬、心房細動の治療薬または予防薬、頻脈性不整脈の治療薬または予防薬、動脈硬化の治療薬または予防薬、腎炎の治療薬または予防薬、腎障害の治療薬または予防薬、腎不全の治療薬または予防薬などが挙げられる。
【0029】
なお、本明細書中に引用された全ての刊行物、特許および特許出願は、その全体が、参考文献として本明細書中に援用される。
【実施例
【0030】
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、「%」は、ことわりのない限り重量基準による。
【0031】
調製例 化合物の調製
【化3】
【0032】
反応図式1に従って、化合物-39~41および化合物-46~48を合成した。
Ar雰囲気下、酢酸4-(7-アセトキシ-6-アリル-5-ヒドロキシ-4-オキソ-クロマン-2-イル)-フェニル エステル11(0.25 mmol)のベンゼン(5mL)溶液に室温にてオレフィン(5.00 mmol)、Grubbs catalyst, 2nd Generation(0.012 mmol)を順次加え、封管中100℃にて12時間加熱を行った。放冷後、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : EtOAc=10 : 1(体積比))(薄層クロマトグラフィーにてRf値=0.25)により精製し、黄色結晶2a~2cを得た。
得られた中間化合物2a~2cの物性値は以下のとおりであった。
【0033】
酢酸4-[7-アセトキシ-6-(3-エチル-ペント-2-エニル)-5-ヒドロキシ-4-オキソ-クロマン-2-イル]-フェニルエステル(2a)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 0.96(3H, t, J=7.2 Hz), 1.03(3H, t, J=7.2 Hz), 2.00(2H, q, J=7.2 Hz), 2.20(2H, q, J=7.2 Hz), 2.29(3H, s), 2.31(3H, s), 2.85(1H, dd, J=17.2, 2.8 Hz), 3.08(1H, dd, J=17.2, 13.2 Hz), 3.26(2H, d, J=7.2 Hz), 5.04(1H, t, J=7.2 Hz), 5.43(1H, dd, J=13.2, 2.8 Hz), 6.28(1H, s), 7.15(2H, d, J=8.4 Hz), 7.45(2H, d, J=8.4 Hz), 12.17(1H, s); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 12.55, 13.05, 20.89, 21.07, 21.37, 23.25, 29.02, 43.69, 78.49, 102.06, 106.14, 115.31, 119.23, 122.02, 127.25, 135.71, 143.40, 150.85, 156.55, 159.57, 161.23, 168.35, 169.29, 197.01; IR(neat): 2964, 1769, 1752, 1646, 1633, 1585, 1511, 1431, 1371, 1303, 1219, 1193, 1141, 1086, 1065, 900 cm-1; mp: 70-72℃.
【0034】
酢酸4-[7-アセトキシ-5-ヒドロキシ-4-オキソ-6-(3-プロピル-ヘキサ-2-エニル)-クロマン-2-イル]-フェニルエステル(2b)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 0.82(3H, t, J=7.2 Hz), 0.93(3H, t, J=7.2 Hz), 1.28-1.45(4H, m), 1.90(2H, t, J=7.2 Hz), 2.11(2H, t, J=7.2 Hz), 2.27(3H, s), 2.30(3H, s), 2.79(1H, dd, J=17.2, 2.8 Hz), 3.08(1H, dd, J=17.2, 12.8 Hz), 3.22(2H, d, J=7.0 Hz), 5.06(1H, t, J=7.0 Hz), 5.41(1H, dd, J=12.8, 2.8 Hz), 6.25(1H, s), 7.13(2H, d, J=8.8 Hz), 7.44(2H, d, J=8.8 Hz), 12.13(1H, s);13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 13.90, 14.31, 20.95, 21.11, 21.17, 21.57, 32.33, 38.99, 43.75, 78.52, 102.06, 106.16, 115.39, 121.23, 122.05, 127.28, 135.74, 140.28, 150.88, 156.55, 159.59, 161.27, 168.38, 169.33, 197.03; IR(neat): 2959, 1768, 1752, 1647, 1628, 1587, 1507, 1431, 1373, 1219, 1194, 1163, 1142, 1086, 1065 cm-1; mp: 72-74℃.
【0035】
酢酸4-[7-アセトキシ-6-(2-シクロペンチリデン-エチル)-5-ヒドロキシ-4-オキソ-クロマン-2-イル]-フェニルエステル(2c)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 1.57(2H, quin, J=6.8 Hz), 1.67(2H, quin, J=6.8 Hz), 2.18(2H, t, J=6.8 Hz), 2.29(3H, s), 2.30(3H, s), 2.32(2H, t, J=6.8 Hz), 2.83(1H, dd, J=17.2, 3.2 Hz), 3.06(1H, dd, J=17.2, 13.6 Hz), 3.18(2H, d, J=6.8 Hz), 5.21(1H, t, J=6.8 Hz), 5.40(1H, dd, J=13.6, 3.2 Hz), 6.25(1H, s), 7.13(2H, d, J=8.4 Hz), 7.44(2H, d, J=8.4 Hz), 12.15(1H, s); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 20.93, 21.10, 23.41, 26.33, 26.41, 28.68, 33.56, 43.70, 78.51, 102.02, 106.16, 115.16, 116.61, 122.03, 127.27, 135.71, 144.20, 150.85, 156.43, 159.54, 161.24, 168.40, 169.32, 197.02; IR(neat): 2962, 1769, 1751, 1653, 1646, 1636, 1586, 1559, 1507, 1436, 1369, 1198, 1137, 1087 cm-1; mp: 67-69℃.
【0036】
Ar雰囲気下、得られた中間化合物2a~2c(0.20 mmol)のMeOH(2 mL)溶液に室温にてK2CO3(0.60 mmol)を加え、室温にて30分攪拌を行った。反応終了後、10% HCl(aq.)(1 mL)を加え、EtOAc(3 mL x 5)で抽出し、MgSO4により乾燥して溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : EtOAc=1 : 1(体積比))(薄層クロマトグラフィーにてRf値=0.50)により精製し、黄色結晶化合物-40~41および48を得た。
得られた化合物-40~41および48の物性値は以下のとおりであった。
【0037】
6-(3-エチル-ペント-2-エニル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-40)
1H-NMR(400 MHz Acetone-d6)δ: 0.93(3H, t, J=7.2 Hz), 1.01(3H, t, J=7.2 Hz), 1.98(2H, q, J=7.2 Hz), 2.23(2H, q, J=7.2 Hz), 2.70(1H, dd, J=17.2, 3.2 Hz), 3.16(1H, dd, J=17.2, 12.8 Hz), 3.28(2H, d, J=7.2 Hz), 5.19(1H, t, J=7.2 Hz), 5.42(1H, dd, J=12.8, 3.2 Hz), 6.02(1H, s), 6.88(2H, d, J=8.4 Hz), 7.38(2H, d, J=8.4 Hz), 8.53(1H, br), 9.46(1H, br), 12.48(1H, s); 13C-NMR(100 MHz Acetone-d6)δ: 12.35, 12.72, 20.32, 22.85, 28.94, 42.08, 79.07, 94.51, 102.30, 108.30, 115.34, 120.77, 128.20, 130.11, 141.84, 157.85, 161.20, 161.49, 164.00, 196.56; IR(neat): 2965, 1653, 1646, 1635, 1616, 1587, 1558, 1521, 1517, 1507, 1490, 1457, 1447, 1337, 1309, 1297, 1170, 1153, 1085, 830 cm-1; mp: 208-210℃.
【0038】
6-(2-シクロペンチリデン-エチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-41)
1H-NMR(400 MHz Acetone-d6)δ: 1.55(2H, quin, J=7.2 Hz), 1.65(2H, quin, J=7.2 Hz), 2.15(2H, t, J=7.2 Hz), 2.39(2H, t, J=7.2 Hz), 2.70(1H, dd, J=17.2, 2.8 Hz), 3.15(1H, dd, J=17.2, 12.8 Hz), 3.22(2H, d, J=7.2 Hz), 5.32(1H, tt, J=7.2, 2.0 Hz), 5.40(1H, dd, J=12.8, 2.8 Hz), 6.02(1H, s), 6.88(2H, d, J=8.4 Hz), 7.37(2H, d, J=8.4 Hz), 9.03(2H, br), 12.47(1H, s); 13C-NMR(100 MHz Acetone-d6)δ: 23.02, 26.94, 27.04, 29.04, 34.08, 43.55, 79.81, 95.25, 103.06, 108.95, 116.10, 118.85, 128.96, 130.88, 143.13, 158.58, 161.92, 162.22, 164.70, 197.28; IR(neat): 2969, 1653, 1646, 1635, 1616, 1586, 1559, 1521, 1517, 1507, 1497, 1490, 1472, 1457, 1448, 1437, 1339, 1310, 1296, 1245, 1220, 1160, 1085, 830 cm-1; mp: 217-219℃.
【0039】
5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-プロピル-ヘキサ-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-48)
1H-NMR(400 MHz Acetone-d6)δ: 0.82(3H, t, J=7.4 Hz), 0.93(3H, t, J=7.4 Hz), 1.31-1.49(4, m), 1.92(2H, t, J=7.4 Hz), 2.18(2H, t, J=7.4 Hz), 2.69(1H, dd, J=17.2, 2.8 Hz), 3.15(1H, dd, J=17.2, 12.8 Hz), 3.28(2H, d, J=7.6 Hz), 5.25(1H, t, J=7.6 Hz), 5.40(1H, dd, J=12.8, 2.8 Hz), 6.02(1H, s), 6.88(2H, d, J=8.4 Hz), 7.37(2H, d, J=8.4 Hz), 12.48(1H, br); 13C-NMR(100 MHz Acetone-d6)δ: 14.11, 14.54, 21.29, 21.91, 22.33, 32.63, 39.72, 43.59, 79.83, 95.30, 103.35, 109.13, 116.11, 123.75, 128.97, 130.90, 139.29, 158.64, 161.88, 162.25, 164.77, 197.26; IR(neat): 2959, 1638, 1616, 1601, 1518, 1491, 1456, 1340, 1310, 1252, 1215, 1153, 1086, 833 cm-1; mp: 130-132℃.
【0040】
31, 化合物-40~41(0.15 mmol)のEtOAc(3 mL)溶液に10% Pd/C(3 mg)を加え、水素雰囲気下、室温にて20時間攪拌を行った。反応終了後、反応液をセライトで濾過し、溶媒を留去することで、黄色結晶化合物-39および46~47を得た。
得られた化合物-39および46~47の物性値は以下のとおりであった。
【0041】
5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブチル)-クロマン-4-オン(化合物-39)
1H-NMR(400 MHz DMSO-d6)δ: 0.88(6H, d, J=6.4 Hz), 1.28(2H, q, J=7.6 Hz), 1.42-1.54(1H, m), 2.41(1H, d, J=7.6 Hz), 2.43(1H, d, J=7.6 Hz), 2.63(1H, dd, J=17.2, 2.8 Hz), 3.22(1H, dd, J=17.2, 12.8 Hz), 5.38(1H, dd, J=12.8, 2.8 Hz), 5.93(1H, s), 6.77(2H, d, J=8.4 Hz), 7.29(2H, d, J=8.4 Hz), 9.62(1H, br), 12.41(1H, s); 13C-NMR(100 MHz DMSO-d6)δ: 19.47, 22.57, 27.59, 37.75, 42.12, 78.30, 94.41, 101.35, 108.59, 115.15, 128.31, 129.08, 157.70, 160.43, 160.74, 162.57, 196.28; IR(neat): 2951, 1632, 1587, 1519, 1489, 1453, 1382, 1337, 1310, 1296, 1248, 1210, 1185, 1158, 1129, 1085, 1055, 830 cm-1; mp: 217-219℃.
【0042】
6-(3-エチル-ペンチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-46)
1H-NMR(400 MHz Acetone-d6)δ: 0.87(6H, t, J=7.2 Hz), 1.20-1.27(1H, m), 1.31-1.41(4H, m), 1.43-1.49(2H, m), 2.52(1H, d, J=8.0 Hz), 2.54(1H, d, J=8.0 Hz), 2.70(1H, dd, J=17.2, 2.8 Hz), 3.16(1H, dd, J=17.2, 12.8 Hz), 5.41(1H, dd, J=12.8, 2.8 Hz), 6.01(1H, s), 6.88(2H, d, J=8.4 Hz), 7.38(2H, d, J=8.4 Hz), 8.52(1H, br), 9.55(1H, br), 12.46(1H, s); 13C-NMR(100 MHz Acetone-d6)δ: 11.16, 19.64, 26.06, 32.31, 41.33, 43.61, 79.84, 95.20, 103.01, 110.20, 116.10, 128.70, 130.90, 158.62, 161.83, 162.38, 164.89, 197.31; IR(neat): 2960, 1635, 1587, 1518, 1489, 1458, 1338, 1308, 1296, 1261, 1244, 1186, 1161, 1105, 1084, 829 cm-1; mp: 206-208℃.
【0043】
6-(2-シクロペンチル-エチル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-47)
1H-NMR(400 MHz Acetone-d6)δ: 1.09-1.21(2H, m), 1.44-1.54(4H, m), 1.54-1.63(2H, m), 1.76-1.85(3H, m), 2.56(1H, d, J=8.0 Hz), 2.58(1H, d, J=8.0 Hz), 2.70(1H, dd, J=17.2, 2.8 Hz), 3.16(1H, dd, J=17.2, 12.8 Hz), 5.41(1H, dd, J=12.8, 2.8 Hz), 6.01(1H, s), 6.88(2H, d, J=8.4 Hz), 7.38(2H, d, J=8.4 Hz), 8.51(1H, s), 9.48(1H, s), 12.45(1H, s); 13C-NMR(100 MHz Acetone-d6)δ: 21.69, 25.83, 33.28, 36.19, 40.90, 43.61, 79.84, 95.19, 103.01, 110.04, 116.10, 128.98, 130.90, 158.61, 161.84, 162.43, 164.88, 197.31; IR(neat): 2951, 1635, 1589, 1518, 1491, 1452, 1338, 1310, 1296, 1261, 1159, 1142, 1105, 1084, 829 cm-1; mp: 224-226℃.
【0044】
【化4】
【0045】
Ar雰囲気下、1-(2-アリルオキシ-6-ヒドロキシ-フェニル)-エタノン 4a2(1.20 mmol)、または1-(2-アリルオキシ-6-ヒドロキシ-4-メトキシメトキシ-フェニル)-エタノン 4b(1.20 mmol)のEtOH(5 mL)溶液に室温にてアルデヒド(3.60 mmol)、Ba(OH)2(4.32 mmol)を順次加え、40℃にて20時間加熱を行った。放冷後、セライトにより濾過を行った後、溶媒を留去した。その後、H2O(5 mL)、10% HCl(aq.)(1 mL)を加え、EtOAc(3 mL x 3)で抽出し、MgSO4により乾燥して溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : EtOAc=10 : 1(体積比))(薄層クロマトグラフィーにてRf値=0.20)により精製し、黄色油状物質5a、5c~5d、黄色結晶5b、5eを得た。
得られた中間化合物5a~5eの物性値は以下のとおりであった。
【0046】
1-(2-アリルオキシ-6-ヒドロキシ-フェニル)-3-(2-メトキシメトキシ-フェニル)-プロペノン(5a)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 3.51(3H, s), 4.66(2H, dt, J=6.8, 2.0 Hz), 5.28(2H, s), 5.32(1H, dd, J=11.2, 2.0 Hz), 5.46(1H, dd, J=17.2, 2.0 Hz), 6.12(1H, ddt, J=17.2, 11.2, 6.8 Hz), 6.42(1H, d, J=8.0 Hz), 6.62(1H, d, J=8.0 Hz), 7.02(1H, t, J=8.0 Hz), 7.18(1H, d, J=8.0 Hz), 7.34(2H, t, J=8.0 Hz), 7.65(1H, dd, J=8.0, 2.0 Hz), 7.94(1H, d, J=15.6 Hz), 8.26(1H, d, J=15.6 Hz), 13.10(1H, s); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 56.26, 69.71, 94.56, 102.61, 110.97, 111.96, 114.88, 118.51, 121.78, 124.85, 127.73, 127.81, 131.61, 132.36, 135.65, 137.59, 156.38, 159.85, 164.66, 194.70; IR(neat): 1629, 1598, 1577, 1570, 1558, 1485, 1472, 1457, 1448, 1355, 1235, 1200, 1153, 1078, 1028, 990, 754 cm-1 .
【0047】
1-(2-アリルオキシ-6-ヒドロキシ-4-メトキシメトキシ-フェニル)-3-(2-メトキシメトキシ-フェニル)-プロペノン(5b)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 3.49(3H, s), 3.51(3H, s), 4.62(2H, d, J=5.2 Hz), 5.20(2H, s), 5.27(2H, s), 5.34(1H, d, J=10.8 Hz), 5.47(1H, d, J=17.2 Hz), 6.07(1H, d, J=2.4 Hz), 6.11(1H, ddt, J=17.2, 10.8, 5.2 Hz), 6.27(1H, d, J=2.4 Hz), 7.01(1H, t, J=7.6 Hz), 7.18(1H, d, J=7.6 Hz), 7.33(1H, td, J=7.6, 1.6 Hz), 7.64(1H, dd, J=7.6, 1.6 Hz), 7.96(1H, d, J=15.6 Hz), 8.23(1H, d, J=15.6 Hz), 14.03(1H, s); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 56.21, 56.37, 69.72, 92.65, 93.97, 94.52, 96.65, 107.22, 114.83, 118.83, 121.74, 125.02, 127.58, 127.69, 131.37, 132.14, 137.02, 156.22, 161.41, 163.41, 167.51, 193.09; IR(neat): 1622, 1576, 1558, 1343, 1235, 1217, 1204, 1161, 1153, 1104, 1076, 1040, 991, 950, 835 cm-1; mp: 94-96℃.
【0048】
1-(2-アリルオキシ-6-ヒドロキシ-4-メトキシメトキシ-フェニル)-3-(3-メトキシメトキシ-フェニル)-プロペノン(5c)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 3.43(3H, s), 3.45(3H, s), 4.56(2H, d, J=5.6 Hz), 5.15(2H, s), 5.16(2H, s), 5.30(1H, d, J=10.4 Hz), 5.42(1H, d, J=17.2 Hz), 6.02(1H, d, J=2.4 Hz), 6.10(1H, ddt, J=17.2, 10.4, 5.6 Hz), 6.22(1H, d, J=2.4 Hz), 7.07(1H, d, J=8.0 Hz), 7.23(3H, m), 7.66(1H, d, J=15.6 Hz), 7.89(1H, d, J=15.6 Hz), 13.92(1H, s); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 55.98, 56.39, 69.80, 92.61, 93.98, 94.32, 96.65, 107.10, 115.53, 118.06, 119.09, 122.36, 127.91, 129.75, 132.06, 136.82, 142.02, 157.54, 161.45, 163.57, 167.61, 192.77; IR(neat): 1653, 1634, 1623, 1617, 1577, 1569, 1558, 1505, 1343, 1218, 1151, 1082, 1025 cm-1 .
【0049】
1-(2-アリルオキシ-6-ヒドロキシ-4-メトキシメトキシ-フェニル)-3-(2,6-ビス-メトキシメトキシ-フェニル)-プロペノン(5d)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 3.48(6H, s), 3.49(3H, s), 4.65(2H, d, J=4.8 Hz), 5.20(1H, dd, J=10.4, 1.2 Hz), 5.25(6H, s), 5.39(1H, dd, J=17.2, 1.2 Hz), 6.02(1H, ddt, J=17.2, 10.4, 4.8 Hz), 6.06(1H, d, J=2.4 Hz), 6.27(1H, d, J=2.4 Hz), 6.85(2H, d, J=8.0 Hz), 7.23(1H, t, J=8.0 Hz), 8.26(2H, d, J=10.4 Hz), 14.02(1H, s); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 56.27, 56.38, 69.68, 92.95, 94.01, 94.64, 96.66, 107.68, 108.12, 115.0, 117.61, 131.03, 132.41, 133.54, 157.74, 161.45, 163.16, 167.25, 194.48; IR(neat): 1623, 1595, 1577, 1573, 1558, 1472, 1334, 1202, 1152, 1100, 1083, 1037, 921 cm-1.
【0050】
1-(2-アリルオキシ-6-ヒドロキシ-4-メトキシメトキシ-フェニル)-3-(3,4-ビス-メトキシメトキシ-フェニル)-プロペノン(5e)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 3.47(3H, s), 3.51(3H, s), 3.52(3H, s), 4.60(2H, d, J=5.6 Hz), 5.18(2H, s), 5.25(2H, s), 5.26(2H, s), 5.33(1H, dd, J=10.4, 1.2 Hz), 5.46(1H, dd, J=17.2, 1.2 Hz), 6.05(1H, d, J=2.4 Hz), 6.15(1H, ddt, J=17.2, 10.4, 5.6 Hz), 6.25(1H, d, J=2.4 Hz), 7.15(1H, d, J=8.4 Hz), 7.20(1H, d, J=8.4 Hz), 7.42(1H, d, J=1.6 Hz), 7.72(1H, d, J=16.4 Hz), 7.85(1H, d, J=16.4 Hz), 14.05(1H, s); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 56.22, 56.29, 56.37, 69.80, 92.57, 93.98, 95.03, 95.36, 96.65, 107.11, 115.61, 115.97, 118.93, 124.02, 126.04, 129.84, 132.13, 142.31, 147.27, 149.06, 161.38, 163.39, 167.58, 192.66; IR(neat): 1652, 1628, 1598, 1577, 1558, 1507, 1419, 1345, 1257, 1221, 1199, 1155, 1131, 1104, 1092, 1079, 1026, 1009, 997, 978 cm-1; mp: 63-64℃.
【0051】
5a~5e(0.60 mmol)のEtOH/H2O(9:1、5 mL)溶液に室温にてNaOAc(3.60 mmol)を加え、24時間加熱還流を行った。放冷後、溶媒を留去した後、CH2Cl2(3 mL x 3)で抽出し、MgSO4により乾燥して溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : EtOAc=3 : 1(体積比))(薄層クロマトグラフィーにてRf値=0.30)により精製し、黄色油状物質6a、6c、黄色結晶6b、6d~6eを得た。
得られた中間化合物6a~6eの物性値は以下のとおりであった。
【0052】
5-アリルオキシ-2-(2-メトキシメトキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(6a)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 2.91(2H, d, J=7.6 Hz), 3.34(3H, s), 4.63(2H, d, J=4.0 Hz), 5.18(2H, s), 5.32(1H, d, J=10.8 Hz), 5.66(1H, d, J=17.2 Hz), 5.80(1H, t, J=7.6 Hz), 6.07(1H, ddt, J=17.2, 10.8, 4.0 Hz), 6.51(1H, d, J=8.4 Hz), 6.65(1H, d, J=8.4 Hz), 7.07(1H, t, J=7.6 Hz), 7.12(1H, d, J=7.6 Hz), 7.28(1H, t, J=7.6 Hz), 7.35(1H, t, J=8.4Hz), 7.60(1H, d, J=7.6 Hz); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 45.31, 56.20, 69.36, 74.12, 94.24, 105.18, 110.26, 111.89, 113.79, 117.48, 121.97, 126.35, 128.00, 129.31, 132.32, 135.70, 153.45, 159.68, 163.62, 191.04; IR(neat): 1694, 1684, 1602, 1575, 1558, 1507, 1490, 1472, 1457, 1259, 1153, 1078, 992 cm-1.
【0053】
5-アリルオキシ-7-メトキシメトキシ-2-(2-メトキシメトキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(6b)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 2.67(2H, d, J=7.2 Hz), 3.45(3H, s), 3.48(3H, s), 4.62(2H, dd, J=4.8, 1.6 Hz), 5.18(2H, s), 5.19(2H, s), 5.35(1H, dd, J=10.8, 1.6 Hz), 5.69(1H, dd, J=17.2, 1.6 Hz), 5.80(1H, t, J=7.2 Hz), 6.09(1H, ddt, J=17.2, 10.8, 4.8 Hz), 6.20(1H, d, J=2.4 Hz), 6.45(1H, d, J=2.4 Hz), 7.09(1H, t, J=8.0 Hz), 7.13(1H, d, J=8.0 Hz), 7.30(1H, td, J=8.0, 2.0 Hz), 7.61(1H, dd, J=8.0, 2.0 Hz); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 45.00, 56.18, 56.36, 69.30, 74.26, 94.01, 94.18, 94.97, 96.23, 106.83, 113.07, 117.55, 121.91, 126.27, 128.00, 129.22, 132.09, 153.38, 161.13, 163.19, 165.05, 189.74; IR(neat): 1683, 1669, 1608, 1576, 1559, 1490, 1458, 1437, 1355, 1257, 1251, 1233, 1215, 1153, 1126, 1111, 1053, 1046, 1035, 998, 993, 950, 925, 917, 826, 754 cm-1; mp: 80-82℃.
【0054】
5-アリルオキシ-7-メトキシメトキシ-2-(3-メトキシメトキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(6c)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 2.79(1H, dd, J=17.2, 2.4 Hz), 3.00(1H, dd, J=17.2, 12.8 Hz), 3.48(3H, s), 3.49(3H, s), 4.61(2H, d, J=4.8 Hz), 5.17(2H, d, J=1.2 Hz), 5.20(2H, d, J=1.2 Hz), 5.34(1H, dd, J=10.4, 1.6 Hz), 5.37(1H, dd, J=12.8, 2.4 Hz), 5.66(1H, dd, J=17.2, 1.6 Hz), 6.07(1H, ddt, J=17.2, 10.4, 4.8 Hz), 6.19(1H, d, J=2.4 Hz), 6.34(1H, d, J=2.4 Hz), 7.04(1H, dd, J=8.0, 2.0 Hz), 7.08(1H, d, J=8.0 Hz), 7.13(1H, t, J=2.0 Hz), 7.33(1H, t, J=8.0Hz); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 45.65, 55.96, 56.33, 69.32, 78.84, 93.99, 94.31, 95.09, 96.21, 106.70, 114.01, 116.11, 117.60, 119.34, 129.77, 132.06, 140.30, 157.46, 161.01, 163.25, 164.46, 188.90; IR(neat): 1683, 1680,1608, 1573, 1436, 1259, 1211, 1150, 1124, 1107, 1083, 1055, 1031, 994 cm-1 .
【0055】
5-アリルオキシ-2-(2,6-ビス-メトキシメトキシ-フェニル)-7-メトキシメトキシ-クロマン-4-オン(6d)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 2.54(1H, dd, J=17.2, 3.2 Hz), 3.44(6H, s), 3.45(3H, s), 3.82(1H, dd, J=17.2, 14.0 Hz), 4.62(2H, d, J=6.4 Hz), 5.14(2H, d, J=3.2 Hz ), 5.17(4H, s), 5.33(1H, dd, J=10.4, 1.2 Hz), 5.68(1H, dd, J=17.2, 1.2 Hz), 6.08(1H, ddt, J=17.2, 10.4, 6.4 Hz), 6.09(1H, dd, J=14.0, 3.2 Hz), 6.17(1H, d, J=2.4 Hz), 6.23(1H, d, J=2.4 Hz), 6.82(2H, d, J=8.4 Hz), 7.23(1H, t, J=8.4 Hz); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 42.12, 56.25, 56.34, 69.32, 71.66, 93.99, 94.55, 96.01, 106.80, 108.56, 115.63, 117.54, 130.41, 132.22, 156.56, 161.23, 162.96, 165.66, 190.86; IR(neat): 1683, 1669, 1616, 1601, 1576, 1472, 1265, 1246, 1153, 1107, 1098, 1087, 1047, 1035, 919 cm-1; mp: 79-81℃.
【0056】
5-アリルオキシ-2-(3,4-ビス-メトキシメトキシ-フェニル)-7-メトキシメトキシ-クロマン-4-オン(6e)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 2.77(1H, dd, J=17.2, 3.2 Hz), 3.07(1H, dd, J=17.2, 13.6 Hz), 3.33(2H, d, J=6.0 Hz), 3.43(3H, s), 3.50(3H, s), 3.51(3H, s), 4.94(1H, dd, J=10.4, 2.0 Hz), 4.99(1H, dd, J=17.2, 2.0 Hz), 5.18(2H, d, J=3.2 Hz), 5.23(2H, s), 5.24(2H, d, J=3.2 Hz), 5.32(1H, dd, J=13.6, 3.2 Hz), 5.92(1H, ddt, J=17.2, 10.4, 6.0 Hz), 6.27(1H, s), 7.02(1H, dd, J=8.4, 2.0 Hz), 7.18(1H, d, J=8.4 Hz), 7.24(1H, d, J=2.0 Hz), 12.10(1H, s); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 26.16, 43.36, 56.17, 56.25, 56.36, 78.93, 93.42, 93.74, 95.26, 95.44, 103.34, 108.74, 114.23, 114.73, 116.57, 120.30, 132.52, 136.07, 147.40, 147.53, 160.68, 161.21, 162.87, 196.17; IR(neat): 1653, 1636, 1577, 1559, 1521, 1516, 1507, 1433, 1261, 1157, 1130, 1091, 1076, 1057, 993, 962, 923 cm-1; mp: 79-80℃.
【0057】
Ar雰囲気下、6a~6e(0.43 mmol)のClCH2CH2Cl(5 mL)溶液に室温にてEu(fod)3(0.043 mmol)を加え、封管中100℃にて20時間加熱を行った。放冷後、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : EtOAc=10 : 1(体積比))(薄層クロマトグラフィーにてRf値=0.35)により精製し、黄色油状物質7a, 黄色結晶7b~7eを得た。
得られた中間化合物7a~7eの物性値は以下のとおりであった。
【0058】
6-アリル-5-ヒドロキシ-2-(2-メトキシメトキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(7a)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 2.96(1H, d, J=4.8 Hz), 2.98(1H, d, J=12.4 Hz), 3.33(2H, d, J=6.0 Hz), 3.45(3H, s), 5.05(1H, dd, J=10.0, 1.6 Hz), 5.07(1H, dd, J=17.2, 1.6 Hz), 5.20(2H, d, J=3.2 Hz), 5.80(1H, dd, J=12.4, 4.8 Hz), 5.96(1H, ddt, J=17.2, 10.0, 6.0 Hz), 6.47(1H, d, J=8.4 Hz), 7.09(1H, t, J=7.2 Hz), 7.14(1H, d, J=7.2 Hz), 7.26(1H, d, J=8.4 Hz), 7.31(1H, td, J=7.2, 1.2 Hz), 7.61(1H, dd, J=7.2, 1.2 Hz), 12.03(1H, s); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 32.61, 43.12, 56.23, 74.23, 94.30, 106.95, 107.81, 113.92, 115.56, 120.09, 122.07, 126.47, 127.66, 129.54, 136.36, 138.55, 153.49, 159.50, 160.28, 198.88; IR(neat): 1651, 1644, 1639, 1634, 1494, 1455, 1442, 1435, 1362, 1234, 1154, 1080, 1061, 995, 755 cm-1.
【0059】
6-アリル-5-ヒドロキシ-7-メトキシメトキシ-2-(2-メトキシメトキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(7b)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 2.92(1H, d, J=4.4 Hz), 2.94(1H, d, J=12.4 Hz), 3.36(2H, d, J=6.0 Hz), 3.46(3H, s), 3.47(3H, s), 4.97(1H, dd, J=10.0, 1.6 Hz), 5.02(1H, dd, J=17.2, 1.6 Hz), 5.22(4H, s), 5.78(1H, dd, J=12.4, 4.4 Hz), 5.95(1H, ddt, J=17.2, 10.0, 6.0 Hz), 6.32(1H, s), 7.10(1H, t, J=8.0 Hz), 7.15(1H, d, J=8.0 Hz), 7.32(1H, t, J=8.0 Hz), 7.61(1H, d, J=8.0 Hz), 12.19(1H, s); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 26.18, 42.72, 56.20, 56.37, 74.36, 93.38, 93.76, 94.25, 103.40, 108.63, 113.83, 114.24, 122.02, 126.41, 127.67, 129.45, 136.10, 153.42, 160.77, 161.69, 162.79, 196.86; IR(neat): 1644, 1578, 1506, 1497, 1448, 1437, 1311, 1292, 1285, 1240, 1223, 1155, 1128, 1083, 1049, 997, 960, 913, 763 cm-1; mp: 114-115℃.
【0060】
6-アリル-5-ヒドロキシ-7-メトキシメトキシ-2-(3-メトキシメトキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(7c)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 2.91(1H, dd, J=17.2, 2.4 Hz), 3.16(1H, dd, J=17.2, 13.6 Hz), 3.37(2H, d, J=6.4 Hz), 3.47(3H, s), 3.49(3H, s), 4.97(1H, dd, J=10.4, 1.2 Hz), 5.03(1H, dd, J=17.2, 1.2 Hz), 5.21(2H, d, J=1.2 Hz), 5.22(2H, d, J=2.4 Hz), 5.42(1H, dd, J=13.6, 2.4 Hz), 5.95(1H, ddt, J=17.2, 10.4, 6.4 Hz), 6.33(1H, s), 7.06(1H, dd, J=8.0, 2.0 Hz), 7.09(1H, d, J=8.0 Hz), 7.15(1H, s), 7.34(1H, t, J=8.0Hz), 12.31(1H, s); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 26.23, 43.85, 56.05, 56.40, 79.15, 93.49, 93.81, 94.39, 103.22, 108.88, 114.08, 114.30, 116.40, 119.41, 129.93, 136.08, 140.01, 157.58, 160.93, 161.31, 163.04, 196.67; IR(neat): 1635, 1576, 1558, 1486, 1440, 1297, 1287, 1221, 1155, 1127, 1093, 1078, 1055, 1033, 966, 926 cm-1; mp: 79-81℃.
【0061】
6-アリル-2-(2,6-ビス-メトキシメトキシ-フェニル)-5-ヒドロキシ-7-メトキシメトキシ-クロマン-4-オン(7d)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 2.59(1H, dd, J=17.2, 3.2 Hz), 3.36(2H, d, J=6.4 Hz), 3.45(3H, s), 3.48(6H, s), 3.92(1H, dd, J=17.2, 14.0 Hz), 4.97(1H, d, J=10.0 Hz), 5.04(1H, dd, J=17.2, 1.2 Hz), 5.20(6H, s), 5.95(1H, ddt, J=17.2, 10.0, 6.4 Hz), 6.10(1H, dd, J=14.0, 3.2 Hz), 6.21(1H, s), 6.85(2H, d, J=8.4 Hz), 7.26(1H, t, J=8.4 Hz), 12.32(1H, s); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 26.22, 39.90, 56.34, 56.40, 71.63, 93.08, 93.77, 94.66, 108.20, 108.62, 114.26, 115.26, 130.71, 136.28, 156.66, 160.88, 162.40, 162.63, 197.99; IR(neat): 1653, 1635, 1601, 1577, 1558, 1506, 1472, 1447, 1153, 1124, 1099, 1082, 1048 cm-1; mp: 87-89℃.
【0062】
6-アリル-2-(3,4-ビス-メトキシメトキシ-フェニル)-5-ヒドロキシ-7-メトキシメトキシ-クロマン-4-オン(7e)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 2.77(1H, dd, J=17.2, 3.2 Hz), 3.07(1H, dd, J=17.2, 13.6 Hz), 3.33(2H, d, J=6.0 Hz), 3.43(3H, s), 3.50(3H, s), 3.51(3H, s), 4.94(1H, dd, J=10.4, 1.2 Hz), 4.99(1H, dd, J=17.2, 1.2 Hz), 5.18(2H, d, J=3.2 Hz), 5.23(2H, s), 5.24(2H, d, J=3.2 Hz), 5.32(1H, dd, J=13.6, 3.2 Hz), 5.92(1H, ddt, J=17.2, 10.4, 6.0 Hz), 6.27(1H, s), 7.02(1H, dd, J=8.4, 2.0 Hz), 7.18(1H, d, J=8.4 Hz), 7.24(1H, d, J=2.0 Hz), 12.10(1H, s); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 26.16, 43.36, 56.17, 56.25, 56.36, 78.93, 93.42, 93.74, 95.26, 95.44, 103.34, 108.74, 114.23, 114.73, 116.57, 120.30, 132.52, 136.07, 147.40, 147.53, 160.68, 161.21, 162.87, 196.17; IR(neat): 1653, 1636, 1577, 1559, 1521, 1516, 1507, 1433, 1261, 1157, 1130, 1091, 1076, 1057, 993, 962, 923 cm-1; mp: 79-80℃.
【0063】
7a~7e(0.33 mmol)のMeOH(3 mL)溶液に室温にてconc. HCl(3 drops)を加え、室温にて3日間攪拌を行った。反応終了後、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2 : MeOH=50 : 1(体積比))(薄層クロマトグラフィーにてRf値=0.35)により精製し、黄色結晶8a~8eを得た。
得られた中間化合物8a~8eの物性値は以下のおとりであった。
【0064】
6-アリル-5-ヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシル-フェニル)-クロマン-4-オン(8a)
1H-NMR(400 MHz Acetone-d6)δ: 2.93(1H, dd, J=17.2, 2.4 Hz), 3.19(1H, dd, J=17.2, 13.6 Hz), 3.30(2H, d, J=5.2 Hz), 5.00(1H, d, J=10.4 Hz), 5.06(1H, d, J=17.2 Hz), 5.84(1H, dd, J=13.6, 2.4 Hz), 5.95(1H, ddt, J=17.2, 10.4, 5.2 Hz), 6.49(1H, d, J=8.0 Hz), 6.93(1H, t, J=8.0 Hz), 6.94(1H, d, J=8.0 Hz), 7.21(1H, t, J=8.0 Hz), 7.32(1H, d, J=8.0 Hz), 7.54(1H, d, J=8.0 Hz), 8.77(1H, s), 12.15(1H, s); 13C-NMR(100 MHz Acetone-d6)δ: 33.11, 43.02, 75.36, 107.73, 108.47, 115.81, 116.27, 120.42, 120.69, 126.23, 127.63, 130.20, 137.39, 139.18, 154.72, 160.18, 161.37, 200.18; IR(neat): 1625, 1609, 1490, 1462, 1437, 1348, 1234, 755, 736 cm-1; mp: 184-186℃.
【0065】
6-アリル-5,7-ジヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシル-フェニル)-クロマン-4-オン(8b)
1H-NMR(400 MHz Acetone-d6)δ: 2.82(1H, dd, J=17.2, 3.2 Hz), 3.10(1H, dd, J=17.2, 13.2 Hz), 3.30(2H, d, J=6.4 Hz), 4.90(1H, dd, J=10.4, 2.0 Hz), 5.00(1H, dd, J=17.2, 2.0 Hz), 5.78(1H, dd, J=13.2, 3.2 Hz), 5.91(1H, ddt, J=17.2, 10.4, 6.4 Hz), 6.09(1H, s), 6.93(1H, d, J=8.0 Hz), 6.93(1H, t, J=8.0 Hz), 7.21(1H, td, J=8.0, 2.0 Hz), 7.52(1H, dd, J=8.0, 2.0 Hz), 8.78(1H, s), 9.62(1H, s), 12.15(1H, s); 13C-NMR(100 MHz Acetone-d6)δ: 26.66, 42.50, 75.26, 95.25, 102.97, 107.21, 114.51, 116.21, 120.62, 126.34, 127.62, 130.10, 136.98, 154.70, 162.43, 164.77, 197.39; IR(neat): 1653, 1646, 1635, 1616, 1591, 1558, 1506, 1497, 1490, 1472, 1457, 1340, 1312, 1300, 1218, 1158, 1118, 826 cm-1; mp: 174-176℃.
【0066】
6-アリル-5,7-ジヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシル-フェニル)-クロマン-4-オン(8c)
1H-NMR(400 MHz Acetone-d6)δ: 2.78(1H, dd, J=17.2, 3.2 Hz), 3.11(1H, dd, J=17.2, 12.8 Hz), 3.29(2H, d, J=6.0 Hz), 4.89(1H, dd, J=10.4, 1.6 Hz), 4.99(1H, dd, J=17.2, 1.6 Hz), 5.47(1H, dd, J=12.8, 3.2 Hz), 5.90(1H, ddt, J=17.2, 10.4, 6.0 Hz), 6.07(1H, s), 6.84(1H, dd, J=8.0, 2.4 Hz), 6.99(1H, d, J=8.0 Hz), 7.02(1H, d, J=2.4 Hz), 7.25(1H, t, J=8.0 Hz), 8.55(1H, br), 9.66(1H, br), 12.44(1H, s); 13C-NMR(100 MHz Acetone-d6)δ: 26.66, 43.65, 79.74, 95.27, 103.02, 107.29, 114.09, 114.53, 116.22, 118.19, 130.52, 136.97, 141.59, 158.44, 161.99, 162.39, 164.88, 196.95; IR(neat): 1635, 1593, 1558, 1506, 1490, 1472, 1456, 1339, 1303, 1280, 1215, 1154, 1120, 1078 cm-1; mp: 168-170℃.
【0067】
6-アリル-2-(2,6-ヒドロキシル-フェニル)-5,7-ジヒドロキシ-クロマン-4-オン(8d)
1H-NMR(400 MHz Acetone-d6)δ: 2.51(1H, dd, J=17.2, 2.4 Hz), 3.28(2H, d, J=6.0 Hz), 3.89(1H, dd, J=17.2, 13.6 Hz), 4.87(1H, d, J=10.0 Hz), 4.98(1H, d, J=17.2 Hz), 5.89(1H, ddt, J=17.2, 10.0, 6.0 Hz), 6.00(1H, s), 6.02(1H, dd, J=13.6, 2.4 Hz), 6.44(2H, d, J=8.4 Hz), 7.00(1H, t, J=8.4 Hz), 8.55(2H, s), 9.56(1H, s), 12.57(1H, s); 13C-NMR(100 MHz Acetone-d6)δ: 26.20, 39.74, 72.64, 94.46, 102.25, 106.29, 107.67, 110.95, 113.71, 130.17, 136.33, 156.99, 161.84, 162.17, 163.86, 197.69; IR(neat): 1653, 1635, 1601, 1558, 1506, 1472, 1456, 1451, 1447, 1312 cm-1; mp: 214-216℃.
【0068】
6-アリル-2-(3,4-ヒドロキシル-フェニル)-5,7-ジヒドロキシ-クロマン-4-オン(8e)
1H-NMR(400 MHz Acetone-d6)δ: 2.7(1H, dd, J=17.2, 3.2 Hz), 3.13(1H, dd, J=17.2, 12.8 Hz), 3.28(2H, dt, J=6.0, 2.0 Hz), 4.88(1H, dd, J=10.0, 2.0 Hz), 4.98(1H, dd, J=17.2, 2.0 Hz), 5.36(1H, dd, J=12.8, 3.2 Hz), 5.90(1H, ddt, J=17.2, 10.0, 6.0 Hz), 6.03(1H, s), 6.86(2H, s), 7.02(1H, s), 8.08(2H, br), 9.62(1H, br), 12.46(1H, s); 13C-NMR(100 MHz Acetone-d6)δ: 26.64, 43.57, 79.87, 95.19, 102.95, 107.09, 114.49, 114.63, 115.92, 119.15, 131.53, 137.00, 145.90, 146.27, 162.18, 162.34, 164.86, 197.30; IR(neat): 1654, 1646, 1635, 1617, 1589, 1523, 1507, 1490, 1457, 1339, 1326, 1303, 1290, 1158, 1109 cm-1; mp: 165-167℃.
【0069】
Ar雰囲気下、8a~8e(0.73 mmol)のピリジン(5 mL)溶液に室温にてAc2Oを必要量加え、室温にて14時間攪拌を行った。反応終了後、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : EtOAc=40 : 1(体積比))(薄層クロマトグラフィーにてRf値=0.40)により精製し、黄色結晶9a~9eを得た。
得られた中間化合物9a~9eの物性値は以下のとおりであった。
【0070】
酢酸 2-(6-アリル-5-ヒドロキシ-4-オキソ-クロマン-2-イル)-フェニルエステル(9a)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 2.27(3H, s), 2.83(1H, dd, J=17.2, 2.4 Hz), 3.10(1H, dd, J=17.2, 13.6 Hz), 3.32(2H, d, J=6.4 Hz), 5.05(1H, dd, J=10.4, 1.8 Hz), 5.06(1H, dd, J=17.2, 1.8 Hz), 5.53(1H, dd, J=13.6, 2.4 Hz), 5.95(1H, ddt, J=17.2, 10.4, 6.4 Hz), 6.44(1H, d, J=8.0 Hz), 7.13(1H, dd, J=8.0, 1.2 Hz), 7.25(1H, d, J=8.0 Hz), 7.32(1H, td, J=8.0, 1.2 Hz), 7.40(1H, td, J=8.0, 1.6 Hz), 7.62(1H, dd, J=8.0, 1.6 Hz), 11.96(1H, s); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 20.92, 32.59, 42.82, 74.32, 106.91, 107.66, 115.75, 120.49, 123.00, 126.55, 127.19, 129.76, 130.33, 136.22, 138.73, 147.72, 159.47, 159.72, 169.06, 198.02; IR(neat): 1762, 1653, 1647, 1627, 1493, 1480, 1431, 1369, 1356, 1340, 1226, 1202, 1186, 1175, 1166, 1060, 919, 815 cm-1; mp: 83-85℃.
【0071】
酢酸 2-(2-アセトキシ-フェニル)-6-アリル-5-ヒドロキシ-4-オキソ-クロマン-7-イルエステル(9b)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 2.30(3H, s), 2.31(3H, s), 2.84(1H, dd, J=17.2, 3.2 Hz), 3.11(1H, dd, J=17.2, 13.6 Hz), 3.28(2H, dd, J=6.0, 1.2 Hz), 4.99(1H, dd, J=10.4, 1.2 Hz), 5.03(1H, dd, J=17.2, 1.2 Hz), 5.57(1H, dd, J=13.6, 3.2 Hz), 5.85(1H, ddt, J=17.2, 10.4, 6.0 Hz), 6.28(1H, s), 7.14(1H, dd, J=7.6, 1.2 Hz), 7.34(1H, td, J=7.6, 1.2 Hz), 7.42(1H, td, J=7.6, 2.0 Hz), 7.62(1H, dd, J=7.6, 2.0 Hz), 12.19(1H, s); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 20.85, 20.88, 27.01, 30.85, 42.52, 74.30, 102.19, 106.02, 113.30, 115.09, 122.95, 126.53, 127.10, 129.82, 135.06, 147.64, 156.64, 159.94, 161.21, 168.24, 169.06, 197.05; IR(neat): 1771, 1653, 1635, 1587, 1558, 1505, 1436, 1373, 1270, 1192, 1178, 1138, 1083, 1055 cm-1; mp: 104-106℃.
【0072】
酢酸 2-(3-アセトキシ-フェニル)-6-アリル-5-ヒドロキシ-4-オキソ-クロマン-7-イルエステル(9c)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 2.28(3H, s), 2.30(3H, s), 2.87(1H, dd, J=17.2, 3.2 Hz), 3.07(1H, dd, J=17.2, 13.2 Hz), 3.26(2H, d, J=6.0 Hz), 4.98(1H, dd, J=9.6, 1.6 Hz), 5.00(1H, dd, J=17.2, 1.6 Hz), 5.43(1H, dd, J=13.2, 3.2 Hz), 5.83(1H, ddt, J=17.2, 9.6, 6.0 Hz), 6.30(1H, s), 7.11(1H, d, J=8.0 Hz), 7.20(1H, s), 7.28(1H, d, J=8.0 Hz), 7.42(1H, t, J=8.0 Hz), 12.14(1H, s); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 20.89, 21.06, 27.03, 43.61, 78.38, 102.23, 106.06, 113.24, 115.08, 119.29, 122.05, 123.27, 129.88, 135.09, 139.77, 150.92, 156.69, 159.78, 161.19, 168.26, 169.27, 196.84; IR(neat): 1768, 1652, 1640, 1635, 1586, 1436, 1371, 1198, 1138 cm-1; mp: 71-73℃.
【0073】
酢酸 6-アリル-2-(2,6-diアセトキシ-フェニル)-5-ヒドロキシ-4-オキソ-クロマン-7-イルエステル(9d)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 2.25(6H, s), 2.29(3H, s), 2.71(1H, dd, J=17.2, 3.2 Hz), 3.27(2H, d, J=6.4 Hz), 3.56(1H, dd, J=17.2, 14.0 Hz), 5.00(1H, dd, J=10.4, 1.2 Hz), 5.03(1H, dd, J=17.2, 1.2 Hz), 5.59(1H, dd, J=14.0, 3.2 Hz), 5.85(1H, ddt, J=17.2, 10.4, 6.4 Hz), 6.22(1H, s), 7.05(2H, d, J=8.0 Hz), 7.44(1H, t, J=8.0 Hz), 12.23(1H, s); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 20.84, 27.08, 40.43, 72.23, 101.93, 105.79, 113.47, 115.19, 121.48, 122.48, 130.01, 135.04, 149.28, 156.77, 159.66, 161.36, 168.20, 168.96, 197.69; IR(neat): 1771, 1653, 1646, 1635, 1616, 1558, 1507, 1436, 1192, 1139 cm-1; mp: 72-74℃.
【0074】
酢酸 2-アセトキシ-5-(7-アセトキシ-6-アリル-5-ヒドロキシ-4-オキソ-クロマン-2-イル)-フェニルエステル(9e)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 2.28(3H, s), 2.29(3H, s), 2.29(3H, s), 2.87(1H, dd, J=17.2, 3.2 Hz), 3.05(1H, dd, J=17.2, 13.6 Hz), 3.26(2H, d, J=6.4 Hz), 4.98(1H, d, J=9.2 Hz), 4.99(1H, d, J=17.2 Hz), 5.41(1H, dd, J=13.6, 3.2 Hz), 5.83(1H, ddt, J=17.2, 9.2, 6.4 Hz), 6.29(1H, d, J=2.4 Hz), 7.23(1H, d, J=6.0 Hz), 7.24(1H, d, J=2.4 Hz), 7.30(1H, d, J=6.0 Hz), 12.13(1H, s); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 20.57, 20.59, 20.89, 27.03, 43.60, 78.01, 102.21, 106.04, 113.35, 115.10, 121.30, 123.87, 124.07, 135.07, 136.86, 142.26, 142.30, 156.72, 159.69, 161.21, 168.04, 168.08, 168.24, 196.69; IR(neat): 1769, 1751, 1653, 1647, 1637, 1507, 1436, 1374, 1262, 1216, 1201, 1137, 1115 cm-1; mp: 97-99℃.
【0075】
Ar雰囲気下、9a~9e(0.36 mmol)のbenzene(5 mL)溶液に室温にてオレフィン(7.09 mmol)、Grubbs catalyst, 2nd Generation(0.018 mmol)を順次加え、封管中100℃にて12時間加熱を行った。放冷後、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : EtOAc=40 : 1(体積比))(薄層クロマトグラフィーにてRf値=0.40)により精製し、黄色結晶10a~10e、10b’を得た。
得られた中間化合物10a~10e、10b’の物性値は以下のとおりであった。
【0076】
酢酸 2-[5-ヒドロキシ-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-4-オキソ-クロマン-2-イル]-フェニルエステル(10a)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 1.64(3H, s), 1.68(3H, s), 2.22(3H, s), 2.77(1H, dd, J=17.2, 3.2 Hz), 3.04(1H, dd, J=17.2, 13.2 Hz), 3.20(2H, d, J=7.6 Hz), 5.21(1H, td, J=7.6, 2.8 Hz), 5.46(1H, dd, J=13.2, 3.2 Hz), 6.36(1H, d, J=8.0 Hz), 7.07(1H, d, J=8.0 Hz), 7.19(1H, d, J=8.0 Hz), 7.27(1H, t, J=8.0 Hz), 7.34(1H, td, J=8.0, 1.2 Hz), 7.56(1H, dd, J=8.0, 1.2 Hz), 11.91(1H, s); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 17.47, 20.93, 25.76, 26.83, 42.87, 74.30, 106.76, 107.63, 121.74, 122.12, 123.00, 126.55, 127.21, 129.74, 130.40, 133.15, 138.22, 147.73, 159.37, 159.48, 169.08, 198.06; IR(neat): 1762, 1653, 1645, 1635, 1558, 1490, 1461, 1436, 1368, 1231, 1207, 1186, 1056, 790 cm-1; mp: 93-95℃.
【0077】
酢酸 2-[7-アセトキシ-5-ヒドロキシ-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-4-オキソ-クロマン-2-イル]-フェニルエステル(10b)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 1.64(3H, s), 1.68(3H, s), 2.28(6H, s), 2.81(1H, dd, J=17.2, 3.2 Hz), 3.08(1H, dd, J=17.2, 13.2 Hz), 3.19(2H, d, J=7.2 Hz), 5.09(1H, t, J=7.2 Hz), 5.53(1H, dd, J=13.2, 3.2 Hz), 6.23(1H, s), 7.12(1H, d, J=7.2 Hz), 7.32(1H, t, J=7.2 Hz), 7.40(1H, td, J=7.2, 1.6 Hz), 7.59(1H, dd, J=7.2, 1.6 Hz), 12.16(1H, s); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 17.73, 20.85, 20.89, 21.95, 25.65, 42.58, 74.28, 102.06, 106.10, 115.20, 121.18, 122.97, 126.54, 127.13, 129.81, 130.10, 132.19, 147.68, 156.41, 159.61, 161.25, 168.34, 169.08, 197.08; IR(neat): 1771, 1683, 1653, 1646, 1635, 1558, 1540, 1506, 1490, 1456, 1436, 1373, 1195, 1139 cm-1; mp: 73-75℃.
【0078】
酢酸 2-(2-アセトキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ペント-2-エニル)-5-ヒドロキシ-4-オキソ-クロマン-7-イルエステル(10b’)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 0.94(3H, t, J=7.2 Hz), 1.03(3H, t, J=7.2 Hz), 2.00(2H, q, J=7.2 Hz), 2.18(2H, q, J=7.2 Hz), 2.22(3H, s), 2.30(3H, s), 2.84(1H, dd, J=17.2, 3.2 Hz), 3.10(1H, dd, J=17.2, 13.6 Hz), 3.25(2H, d, J=6.8 Hz), 5.04(1H, t, J=6.8 Hz), 5.55(1H, dd, J=13.6, 3.2 Hz), 6.25(1H, s), 7.14(1H, dd, J=7.6, 1.2 Hz), 7.34(1H, td, J=7.6, 1.2 Hz), 7.42(1H, td, J=7.6, 2.0 Hz), 7.61(1H, dd, J=7.6, 2.0 Hz), 12.18(1H, s); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 12.59, 13.07, 20.90, 20.94, 21.39, 23.27, 29.05, 42.65, 74.30, 102.12, 106.15, 115.45, 119.21, 122.98, 126.58, 127.15, 129.84, 130.15, 143.46, 147.70, 156.56, 159.65, 161.29, 168.36, 169.11, 197.11; IR(neat): 1771, 1768, 1762, 1653, 1646, 1635, 1558, 1506, 1490, 1457, 1437, 1368, 1207, 1197, 1141, 1100, 1062 cm-1; mp: 83-85℃.
【0079】
酢酸 2-(3-アセトキシ-フェニル)-5-ヒドロキシ-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-4-オキソ-クロマン-7-イルエステル(10c)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 1.68(3H, s), 1.75(3H, s), 2.30(3H, s), 2.32(3H, s), 2.88(1H, dd, J=17.2, 3.2 Hz), 3.07(1H, dd, J=17.2, 13.2 Hz), 3.21(2H, d, J=7.2 Hz), 5.11(1H, td, J=7.2, 1.2 Hz), 5.43(1H, dd, J=13.2, 3.2 Hz), 6.29(1H, s), 7.13(1H, dd, J=8.0, 1.2 Hz), 7.21(1H, t, J=1.2 Hz), 7.29(1H, d, J=8.0 Hz), 7.44(1H, t, J=8.0 Hz), 12.14(1H, s); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 17.73, 20.87, 21.07, 21.96, 25.65, 43.66, 78.34, 102.06, 106.13, 115.15, 119.29, 121.21, 122.02, 123.27, 129.87, 132.19, 139.86, 150.93, 156.45, 159.43, 161.20, 168.34, 169.27, 196.84; IR(neat): 1768, 1635, 1587, 1433, 1371, 1202, 1171, 1137, 1066 cm-1; mp: 84-86℃.
【0080】
酢酸 2-(2,6-ジアセトキシ-フェニル)-5-ヒドロキシ-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-4-オキソ-クロマン-7-イルエステル(10d)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 1.68(3H, s), 1.75(3H, s), 2.24(6H, s), 2.29(3H, s), 2.70(1H, dd, J=17.2, 3.2 Hz), 3.20(2H, d, J=7.6 Hz), 3.54(1H, dd, J=17.2, 14.0 Hz), 5.10(1H, t, J=7.6 Hz), 5.57(1H, dd, J=14.0, 3.2 Hz), 6.19(1H, s), 7.05(2H, d, J=8.0 Hz), 7.43(1H, t, J=8.0 Hz), 12.21(1H, s); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 17.71, 20.79, 20.83, 21.96, 25.65, 40.47, 72.20, 101.80, 105.85, 115.29, 121.09, 121.47, 122.51, 129.97, 132.25, 149.27, 156.50, 159.32, 161.36, 168.27, 168.97, 197.09; IR(neat): 1771, 1653, 1646, 1635, 1616, 1558, 1506, 1472, 1465, 1436, 1373, 1192, 1138, 1032 cm-1; mp: 68-70℃.
【0081】
酢酸 2-(3,4-ジアセトキシ-フェニル)-5-ヒドロキシ-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-4-オキソ-クロマン-7-イルエステル(10e)
1H-NMR(400 MHz CDCl3)δ: 1.66(3H, s), 1.73(3H, s), 2.28(6H, s), 2.29(3H, s), 2.86(1H, dd, J=17.2, 3.2 Hz), 3.04(1H, dd, J=17.2, 13.6 Hz), 3.19(2H, d, J=7.6 Hz), 5.09(1H, tt, J=7.6, 1.2 Hz), 5.40(1H, dd, J=13.6, 3.2 Hz), 6.26(1H, s), 7.23(1H, d, J=8.0 Hz ), 7.24(1H, s), 7.29(1H, d, J=8.0 Hz), 12.11(1H, s); 13C-NMR(100 MHz CDCl3)δ: 17.73, 20.57, 20.59, 20.87, 21.96, 25.65, 43.64, 77.95, 102.05, 106.09, 115.23, 121.18, 121.28, 123.85, 124.06, 132.20, 136.93, 142.23, 142.29, 156.45, 159.33, 161.21, 168.05, 168.09, 168.34, 196.68; IR(neat): 1772, 1654, 1646, 1635, 1507, 1430, 1374, 1270, 1205, 1197, 1138 cm-1; mp: 121-123℃.
【0082】
Ar雰囲気下、10a~10e、10b’(0.29 mmol)のMeOH(2 mL)溶液に室温にてK2CO3(0.86 mmol)を加え、室温にて30分攪拌を行った。反応終了後、10% HCl(aq.)(1 mL)を加え、EtOAc(3 mL x 5)で抽出し、MgSO4により乾燥して溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : EtOAc=10 : 1(体積比))(薄層クロマトグラフィーにてRf値=0.20)により精製し、黄色結晶化合物-33~34、36、42~43、45を得た。
得られた化合物-33~34、36、42~43および45の物性値は以下のとおりであった。
【0083】
5,7-ジヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-33)
1H-NMR(400 MHz Acetone-d6)δ: 1.63(3H, s), 1.74(3H, s), 2.81(1H, dd, J=17.2, 3.2 Hz), 3.08(1H, dd, J=17.2, 13.2 Hz), 3.24(2H, d, J=7.2 Hz), 5.23(1H, tt, J=7.2, 1.2 Hz), 5.77(1H, dd, J=13.2, 3.2 Hz), 6.08(1H, s), 6.92(1H, t, J=7.6 Hz), 6.93(1H, d, J=7.6 Hz), 7.20(1H, t, J=7.6 Hz), 7.51(1H, d, J=7.6 Hz), 12.47(1H, s); 13C-NMR(100 MHz Acetone-d6)δ: 17.80, 21.59, 25.82, 42.55, 75.24, 95.27, 103.01, 109.01, 116.22, 120.60, 123.52, 126.41, 127.60, 130.08, 131.18, 154.74, 162.13, 162.24, 164.72, 197.37; IR(neat): 1653, 1635, 1616, 1601, 1576, 1558, 1540, 1506, 1496, 1490, 1472, 1457, 1339, 1312, 1272, 1155, 1083, 751 cm-1; mp: 174-176℃.
【0084】
5,7-ジヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-34)
1H-NMR(400 MHz Acetone-d6)δ: 1.63(3H, s), 1.74(3H, s), 2.77(1H, dd, J=17.2, 2.8 Hz), 3.10(1H, dd, J=17.2, 12.8 Hz), 3.34(2H, d, J=7.2 Hz), 5.22(1H, td, J=7.2, 1.2 Hz), 5.46(1H, dd, J=12.8, 2.8 Hz), 6.06(1H, s), 6.84(1H, d, J=8.0 Hz), 6.99(1H, d, J=8.0 Hz), 7.02(1H, s), 7.24(1H, t, J=8.0 Hz), 12.43(1H, s); 13C-NMR(100 MHz Acetone-d6)δ: 17.06, 20.83, 25.09, 42.92, 78.94, 94.56, 102.33, 108.33, 113.33, 115.45, 117.45, 122.73, 129.78, 130.48, 140.88, 157.67, 160.93, 161.45, 163.99, 196.14; IR(neat): 1635, 1589, 1485, 1455, 1327, 1305, 1283, 1182, 1166, 1155, 1085, 1076 cm-1; mp: 179-181℃.
【0085】
2-(3,4-ジヒドロキシ-フェニル)-5,7-ジヒドロキシ-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-36)
1H-NMR(400 MHz Acetone-d6)δ: 1.62(3H, s), 1.73(3H, s), 2.70(1H, dd, J=17.2, 3.2 Hz), 3.11(1H, dd, J=17.2, 12.8 Hz), 3.23(2H, d, J=7.2 Hz), 5.22(1H, t, J=7.2 Hz), 5.35(1H, dd, J=12.8, 3.2 Hz), 6.01(1H, s), 6.85(2H, s), 7.01(1H, s), 8.19(1H, br)12.45(1H, s); 13C-NMR(100 MHz Acetone-d6)δ: 17.79, 21.56, 25.81, 43.60, 79.82, 95.24, 103.04, 108.92, 114.65, 115.95, 119.17, 123.51, 131.18, 131.64, 145.94, 146.28, 161.88, 162.17, 164.70, 197.26; IR(neat): 1653, 1646, 1635, 1624, 1616, 1596, 1577, 1559, 1507, 1457, 1448, 1339, 1287, 1158, 1120, 1090 cm-1; mp: 121-123℃.
【0086】
2-(2,6-ジヒドロキシ-フェニル)-5,7-ジヒドロキシ-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-42)
1H-NMR(400 MHz Acetone-d6)δ: 1.63(3H, s), 1.74(3H, s), 2.51(1H, dd, J=17.2, 3.2 Hz), 3.24(2H, d, J=7.2 Hz), 3.89(1H, dd, J=17.2, 14.0 Hz), 5.23(1H, t, J=7.2 Hz), 6.00(1H, s), 6.01(1H, dd, J=14.0, 3.2 Hz), 6.46(2H, d, J=8.0 Hz), 7.02(1H, t, J=8.0 Hz), 8.57(2H, s), 12.58(1H, s); 13C-NMR(100 MHz Acetone-d6)δ: 17.79, 21.59, 25.82, 40.52, 73.38, 95.22, 103.03, 108.39, 108.84, 111.73, 123.62, 130.88, 131.09, 157.74, 162.39, 162.59, 164.51, 198.39; IR(neat): 1653, 1635, 1603, 1559, 1506, 1472, 1456, 1451, 1447, 1309, 1150 cm-1; mp: 244-246℃.
【0087】
5-ヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシ-フェニル)-6-(3-メチル-ブト-2-エニル)-クロマン-4-オン(化合物-43)
1H-NMR(400 MHz Acetone-d6)δ: 1.70(6H, s), 2.93(1H, dd, J=17.2, 2.4 Hz), 3.18(1H, dd, J=17.2, 12.8 Hz), 3.25(2H, d, J=7.2 Hz), 5.29(1H, tt, J=7.2, 1.2 Hz), 5.83(1H, dd, J=12.8, 2.4 Hz), 6.47(1H, d, J=8.0 Hz), 6.92(1H, t, J=8.0 Hz), 6.94(1H, d, J=8.0 Hz), 7.21(1H, t, J=8.0 Hz), 7.31(1H, d, J=8.0 Hz), 7.54(1H, dd, J=8.0, 1.2 Hz), 8.77(1H, s), 12.15(1H, s); 13C-NMR(100 MHz Acetone-d6)δ: 17.75, 25.82, 27.37, 43.07, 75.31, 107.57, 108.45, 116.26, 120.68, 121.93, 123.05, 126.30, 127.62, 130.17, 132.98, 138.73, 154.73, 160.18, 161.03, 200.19; IR(neat): 1627, 1609, 1461, 1447, 1345, 1339, 1235, 1065, 735 cm-1; mp: 172-174℃.
【0088】
6-(3-エチル-ペント-2-エニル)-5,7-ジヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシ-フェニル)-クロマン-4-オン(化合物-45)
1H-NMR(400 MHz Acetone-d6)δ: 0.94(3H, t, J=7.2 Hz), 1.01(3H, t, J=7.2 Hz), 1.98(2H, q, J=7.2 Hz), 2.24(2H, q, J=7.2 Hz), 2.82(1H, dd, J=17.2, 3.2 Hz), 3.08(1H, dd, J=17.2, 12.8 Hz), 3.29(2H, d, J=7.2 Hz), 5.21(1H, t, J=7.2 Hz), 5.77(1H, dd, J=12.8, 3.2 Hz), 6.08(1H, s), 6.91(1H, t, J=7.6 Hz), 6.94(1H, d, J=7.6 Hz), 7.20(1H, td, J=7.6, 1.2 Hz), 7.52(1H, dd, J=7.6, 1.2 Hz), 8.77(1H, s), 9.62(1H, s), 12.49(1H, s); 13C-NMR(100 MHz Acetone-d6)δ: 13.11, 13.47, 21.01, 23.62, 42.57, 75.26, 95.31, 103.07, 109.14, 116.25, 120.64, 121.55, 126.44, 127.64, 130.11, 142.61, 154.75, 162.17, 162.31, 164.73, 197.41; IR(neat): 2964, 1653, 1635, 1616, 1595, 1559, 1507, 1496, 1490, 1472, 1457, 1339, 1309, 1302, 1272, 1156, 1082, 752 cm-1; mp: 154-156℃.
【0089】
参考文献
1)Sandra Tischer and Peter Metz, Adv. Synth. Catal. 2007, 349, 147-151.
2)Belanger, Patrice C., Scheigetz, John and Rokach, Joshua, Eur. Pat. Appl., 165810, 27 Dec 1985.
【0090】
下記化合物を、以下の方法により調製または入手した。
・8-プレニルナリンゲニン
Sigma-Aldrich(St. Louis, MO)社より購入した。
8-プレニルナリンゲニンの溶解溶媒として、DMSOを用いた。
【0091】
実施例1 ホールセルパッチクランプ法による、6-プレニルナリンゲニンのT型カルシウムチャネルの阻害作用の測定
ヒトT型カルシウムチャネルを強制発現させた、ヒト腎細胞由来細胞株 EK293細胞を用いて、ホールセルパッチ法により、6-プレニルナリンゲニンによるT型カルシウムチャネルの阻害作用を測定した。
ホールセルパッチ法は、外液および内液として、下記に示す組成のものを用いて、保持電位(holding potential)を-80mVとし、-80mVから-20mVへの電位ジャンプにおいて、内向き電流として流れるバリウム電流を測定した。ここで、高閾値活性化型カルシウムチャネルの影響を除くために、ピーク電流から刺激開始150ms後の電流を差し引いた値を、Tチャネル電流(T-current)としてデータ解析に用いた。
【0092】
外液組成
以下を含む水溶液:
97mM N-メチル-D-グルカミン(NMDG)
10mM BaCl
10mM 4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)
40mM テトラエチルアンモニウムクロライド(TEA-Cl)
5mM グルコース
(pH 7.4)
【0093】
内液組成
以下を含む水溶液:
4mM MgCl
140mM CsCl
10mM HEPES
5mM グリコールエーテルジアミン四酢酸(EGTA)
(pH 7.2)
【0094】
上記実験により得られたデータを下記表に示す。
【表1】
【0095】
上記実験により得られたデータを図1に示す。図1では、溶媒(DMSO)を添加した時のT-currentに対する、化合物添加時のT-currentの比率(%)で表した。
実施例1における6-プレニルナリンゲニンのIC50値(nM)を下記表に示す。このIC50値は、上記実施例1の結果を用いてGraphPad Prism(登録商標)((GraphPad Software, Inc.)により算出した値である。
【0096】
【表2】
【0097】
上記実施例より、6-プレニルナリンゲニンが優れたT型カルシウムチャネル阻害作用を有することが確認された。
【0098】
実施例2 ホールセルパッチクランプ法による、各化合物のT型カルシウムチャネルの阻害作用
6-プレニルナリンゲニンに代えて本発明の化合物を用いること以外は、実施例1と同様にして、本発明の化合物のT型カルシウムチャネルの阻害作用を測定した。
【0099】
実験により得られた各化合物のIC50値を6-プレニルナリンゲニンのIC50値に対するパーセンテージとして下記表に示す。
【表3】
【0100】
上記実施例により、本発明の化合物が6-プレニルナリンゲニンよりもさらに優れたT型カルシウムチャネル阻害作用を有することが示された。
【0101】
製剤例1
本発明のT型カルシウムチャネル阻害剤を含む顆粒剤を、以下に従って製造した。
【表4】
本発明の各化合物と乳糖を60メッシュのふるいに通し、コーンスターチを120メッシュのふるいに通した。これらをV型混合機にて混合した。混合粉末に、低粘度ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L)水溶液を添加し、練合した。得られた生成物を造粒(押し出し造粒 孔径0.5~1mm)した後、乾燥した。得られた乾燥顆粒を振動ふるい(12/60メッシュ)で篩過して、顆粒剤を得た。
【0102】
製剤例2
本発明のT型カルシウムチャネル阻害剤を含む静脈用製剤を、以下に従って製造した。
【表5】
上記成分の溶液は通常、1分間に1mlの速度で、患者に静脈内投与される。
【0103】
実施例3
坐骨神経部分結紮(partial sciatic nerve ligation, PSNL)誘起痛覚過敏に対する各化合物の作用
実施例2においてイン・ビトロ(in vitro)で優れたT型カルシウムチャネルの阻害作用が示された化合物-40、41、45及び47について、PSNL誘起痛覚過敏に対する抑制作用を調べた。PSNL誘起痛覚過敏は、ddY系雄性マウスを使用し、イソフルラン吸入麻酔下、マウスの大腿骨上の皮膚を切開し、露出させた坐骨神経の1/3-1/2を8-0の縫合糸で完全に結紮することにより作製した。また、坐骨神経を露出させるまでの処置を行い、露出した坐骨神経を結紮しないマウスをSham群(偽手術)とした。痛覚閾値は、von Frey法により測定した。
痛覚過敏が安定し、慢性期と考えられるPSNL処置7日目以降のマウスを用いて、化合物-40、41、45及び47を5%カルボキシメチルセルロース水に懸濁して腹腔内投与し、投与後15分毎に痛覚閾値を測定した。また、対照として偽手術後溶媒投与した区、並びにPNSLによる痛覚過敏誘起後に溶媒及び6-プレニルナリンゲニンを投与した区を設けた。
その結果を図2図5に示す。
化合物-40、41、45及び47は10~30 mg/kgの投与区においては、痛覚閾値が、PSNL処置後に溶媒を投与した区よりも痛覚過敏を誘導していない偽手術後に溶媒投与した区に近づき、有意に痛覚過敏を抑制し、その作用は投与15分後から60分後まで認められた。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明の、フラバノン化合物であるT型カルシウムチャネル阻害剤は、優れたT型カルシウムチャネル阻害作用を有する。本発明のT型カルシウムチャネル阻害剤は、例えば、医療、医薬、予防薬の分野において、非常に有益である。
図1
図2
図3
図4
図5