(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】コンテナ連結用金具
(51)【国際特許分類】
B65D 90/00 20060101AFI20221214BHJP
【FI】
B65D90/00 G
(21)【出願番号】P 2021073243
(22)【出願日】2021-04-23
【審査請求日】2022-06-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398026554
【氏名又は名称】中谷運輸株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591172799
【氏名又は名称】港製器工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 徹則
(72)【発明者】
【氏名】嘉納 大之
(72)【発明者】
【氏名】富田 宏隆
(72)【発明者】
【氏名】左近 剛史
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3069733(JP,U)
【文献】実開昭64-006449(JP,U)
【文献】特開2011-219099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に隣接する、複数のコンテナの各々の隅部に設けられた隅金具の孔に挿入可能な一対の挿入部材を含む、コンテナ連結用金具であって、
隣接する前記コンテナの各々には、角部に隅金具が設けられ、
前記コンテナ連結用金具の前記一対の挿入部材は、複数の隣接する前記コンテナに設けられ、隣接する前記隅金具の前記孔に挿入可能であ
り、
前記一対の挿入部材は、一対のU字状の部材であり、
前記一対のU字状の部材をそれぞれの一方側端部の近傍で接続する連結部材と、
前記一対のU字状の部材をそれぞれの一方側の端部と、他方側の端部とを接続するリンク部材とを備えた、コンテナ連結用金具。
【請求項2】
前記リンク部材は、一対のU字状部材の一方側U字状部材の一方側端部と、他方側U字状部材の他方側端部とを接続する、請求項
1に記載のコンテナ連結金具。
【請求項3】
前記リンク部材は、一対のそれぞれのU字状部材の一方側端部と、他方側端部とを接続する、請求項
1に記載のコンテナ連結金具。
【請求項4】
前記部材はチェーンである、請求項
1に記載のコンテナ連結金具。
【請求項5】
前記U字状部材は、対向する部分とこれらを湾曲しつつ接続する湾曲接続部分とを有し、前記対向する部分は、前記湾曲接続部分から離れるほど互いに離れていくように所定の角度で開いている、請求項
1に記載のコンテナ連結金具。
【請求項6】
前記所定の角度は10度以上で、20度以下である、請求項
5に記載のコンテナ連結金具。
【請求項7】
前記U字状部材は、棒状部材が湾曲した1つの湾曲部分と、この湾曲部分の両端から
それぞれ続く1つの直線部分により構成され、
前記湾曲部分の湾曲開始部分から湾曲終了部分までの外側の幅に対して、それぞれの前記直線部分の長さが0.6倍以上かつ1.0倍以下であり、
前記連結部材は棒状の連結棒であり、
前記U字状部材の前記湾曲部分の中心外側端から前記直線部分の端部までの長さに対して、2つの前記U字状部材の間隔が1.0倍以上かつ1.4倍以下である、
請求項
1、
5または
6に記載のコンテナ連結金具。
【請求項8】
前記一対の挿入部材には、パイプで構成された長手部材が接続され、長手部材の挿入部材と反対側の端部には、ワイヤロープが接続される、請求項1に記載のコンテナ連結金具。
【請求項9】
前記ワイヤロープは地面に接地したコンテナの下端部に位置する隅金具に接続される、請求項
8に記載のコンテナ連結金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はコンテナ連結用金具に関し、特に、複数のコンテナを連結可能なコンテナ連結用金具に関する。
【背景技術】
【0002】
下段コンテナ上に載置された上段コンテナが、横風等で落下するのを防止できるようにする、コンテナ連結金具が、例えば、実用新案登録第3069733号公報(特許文献1)に開示されている。同公報によれば、コンテナ落下防止具が、第1連結パイプと第2連結パイプを連結チェーンで連結して構成されている。第1上段コンテナの第1下部コーナフィッティングと、その直下に位置する第1下段コンテナの第1上部コーナフィッティングとの間に、第1連結パイプを斜めに挿入する。第2上段コンテナの第1下部コーナフィッティングと、その直下に位置する第2下段コンテナの第1上部コーナフィッティングとの間に、第2連結パイプを斜めに挿入する。これにより、4基のコンテナが、コンテナ落下防止具を介して連結されることになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3069733号公報(要約等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のコンテナ連結金具は、上記の様に構成されていた。このような構成であれば、簡単に複数のコンテナを連結可能である。しかしながら、このような構成であれば、強風が吹いたときには、コンテナが移動する場合があり、コンテナ連結金具が外れる可能性があるという問題があった。
【0005】
この発明は、上記の様な問題点を解消するためになされたもので、強風時であっても、コンテナが倒壊しないように、複数のコンテナを連結するコンテナ連結金具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明にかかる、コンテナ連結用金具は、相互に隣接する、複数のコンテナの各々の隅部に設けられた隅金具の孔に挿入可能であって、コンテナ連結用金具の一対の挿入部材は、複数の隣接するコンテナに設けられた、隣接する隅金具の孔に挿入可能である。
【0007】
好ましくは、一対の挿入部材は、一対のU字状の部材であり、一対のU字状の部材をそれぞれの一方側端部の近傍で接続する連結部材と、一対のU字状の部材をそれぞれの一方側の端部と、他方側の端部とを接続するリンク部材とを備えた。
【0008】
リンク部材は、一対のU字状部材の一方側U字状部材の一方側端部と、他方側U字状部材の他方側端部とを接続してもよいし、リンク部材は、一対のそれぞれのU字状部材の一方側端部と、他方側端部とを接続してもよい。
【0009】
この発明の一実施の形態においては、連結部材はチェーンである。
【0010】
U字状部材は、対向する部分とこれらを湾曲しつつ接続する湾曲接続部分とを有し、対向する部分は、湾曲接続部分から離れるほど互いに離れていくように所定の角度で開いている。
【0011】
所定の角度は10度以上で、20度以下であってもよい。
【0012】
この発明の一実施の形態においては、U字状部材は、棒状部材が湾曲した1つの湾曲部分と、この湾曲部分の両端からそれぞれ続く1つの直線部分により構成され、湾曲部分の湾曲開始部分から湾曲終了部分までの外側の幅に対して、それぞれの直線部分の長さが0.6倍以上かつ1.0倍以下であり、連結部材は棒状の連結棒であり、U字状部材の湾曲部分の中心外側端から直線部分の端部までの長さに対して、2つのU字状部材の間隔が1.0倍以上かつ1.4倍以下である。
【0013】
一対の挿入部材には、パイプで構成された長手部材が接続され、長手部材の挿入部材と反対側の端部には、ワイヤロープが接続されてもよい。
【0014】
ワイヤロープは地面に接地したコンテナの下端部に位置する隅金具に接続されてもよい。
【発明の効果】
【0015】
相互に隣接する複数のコンテナを連結可能なコンテナ連結用金具は、相互に隣接する複数のコンテナのそれぞれの隅金具に挿入可能な一対の挿入部材を含むため、隣接する複数のコンテナのそれぞれの隅金具に挿入するだけで、複数のコンテナを一体化可能である。
【0016】
その結果、強風時であっても、コンテナが倒壊しないように、複数のコンテナを連結するコンテナ連結金具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】この発明の一実施の形態に係るコンテナ連結金具の斜視図である。
【
図2】
図1示したコンテナ連結金具のチェーンの他の取り付け方法を示す斜視図である。
【
図3】他の実施の形態に係るコンテナ連結金具を示す図である。
【
図4】この発明の他の実施の形態に係るコンテナ連結金具の斜視図である。
【
図5】
図4に示したコンテナ連結金具の各矢視を示す図である。
【
図6】コンテナ連結金具の使用方法を示す図である。
【
図7】この発明のさらに他の実施の形態に係るコンテナ連結金具の斜視図である。
【
図8】
図7に示したコンテナ連結金具の各矢視を示す図である。
【
図9】
図7に示したコンテナ連結金具の使用方法を示す図である。
【
図10】この発明のさらに他の実施の形態に係るコンテナ連結金具を示す図である。
【
図11】この発明のさらに他の実施の形態に係るコンテナ連結金具を示す図である。
【
図12】この発明のさらに他の実施の形態に係るコンテナ連結金具を示す図である。
【
図13】この発明のさらに他の実施の形態に係るコンテナ連結金具の使用方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施の形態に係るコンテナ連結金具の斜視図である。
図1(A)は、コンテナ連結金具の構成要素を示す図であり、
図1(B)は、コンテナ連結金具の使用時の状態を示す図である。
図1(A)および
図1(B)を参照して、この発明の一実施の形態に係るコンテナ連結金具1は、一対のU字状部材(挿入部材)1a,1bと、一対のU字状部材1a,1bをその一方側端部4a,4bの近傍で接続する連結棒2と、一対のU字状部材1a,1bに取り付けられるチェーン5a,5bと、チェーン5a,5bの一方端側に取り付けられたシャックル6a,6bと、取り付けループ7a、7baとを含む。一対のU字状部材1a,1bは丸棒で形成され、連結棒は鋼製の角棒である。一対のU字状部材1a,1bは、いずれも、一直線の円柱形状である2つの直線部分1a1,1b1(対向する部分)と、その間に設けられた円柱形状が円弧状に湾曲した湾曲部分1a2,1b2(湾曲接続部分)とを有している。2つの直線部分1a1,1b1は同じ長さであり、2つの直線部分1a1,1b1および1つの湾曲部分1a2,1b2は同じ太さで一連に続いてる。すなわち、一対のU字状部材1a,1bは、いずれも、1本の円柱状の棒を中央で湾曲させた形状となっている。
【0019】
連結棒2と、一対のU字状部材1a,1bは、金属材料によって形成されており、硬く重く変形し難い構成となっている。
【0020】
図1(A),
図1(B)に示すように、一対のU字状部材1a,1bの一方端側には、孔3a,3bが設けられ、孔3a,3bには、チェーン5a,5bのシャックル6a,6bの止めピン9a,9bが挿入可能であり、これによってシャックル6a,6bと止めピン9a,9bをU字状部材1a,1bの一方端側に着脱することができる。また、一対のU字状部材1a,1bの他方端側には、スリット8a,8bが設けられ、このスリット8a,8bにはチェーン5a,5bの取り付けループ7a,7bが係合可能であり、これによってループ7a,7bをスリット8a,8bに着脱することができる。すなわち、この実施の形態に係るコンテナ連結金具1は
図1(B)に示すような状態で、コンテナに係合して使用される。
【0021】
次に、
図1に示したコンテナ連結金具1のチェーン5a,5bの他の取り付け方法について説明する。
図2は、この取り付け方法を示す斜視図である。
図2を参照して、この実施の形態においては、シャックル6a,6bが連結棒2に取り付けられている。これにより、シャックル6a,6bを連結棒2に着脱することができる。この場合のコンテナに係合して使用される状態は、
図1(B)と同様である。
【0022】
次に、他の実施の形態に係るコンテナ連結金具を示す図である。
【0023】
次に、コンテナ連結金具の他の例について説明する。
図3(A)、
図3(B)は、コンテナ連結金具の他の例を説明する図である。
図3(A)は、
図1に示したコンテナ連結金具1において、チェーン5a,5bを無くした場合の実施の形態である。また、
図3(B)は、
図3(A)において、連結棒2をチェーン2aとした場合の実施の形態を示す図である。
【0024】
この実施の形態においては、一対のU字状部材の両端を連結するチェーンが設けられていないが、U字状部材の剛性が高ければ、特にチェーンが無くても、問題はない。
【0025】
次に、この発明のさらに他の実施の形態に係るコンテナ連結金具について説明する。
図4は、この発明のさらに他の実施の形態に係るコンテナ連結金具10の斜視図であり、
図5は
図4に示したコンテナ連結金具10の
図4において、VA-VA、VB-VB、およびVC-VCで示す部分の矢視を示す図である。
図4および
図5を参照して、この実施の形態に係るコンテナ連結金具10は、一対のU字状部材(挿入部材)11a,11bと、一対のU字状部材11a,11bをその一方側端部の近傍で接続する連結棒12と、を含む。一対のU字状部材11a,11bは丸棒で形成され、それぞれ、連結棒12に近い側の端部14a,14b、および逆方向の端部15a,15b、は円形の平面である。
【0026】
一対のU字状部材11a,11bは、いずれも、一直線の円柱形状である2つの直線部分11a1,11b1と、その間に設けられた円柱形状が円弧状に湾曲した湾曲部分11a2,11b2とを有している。2つの直線部分11a1,11b1は同じ長さであり、2つの直線部分11a1,11b1および1つの湾曲部分11a2,11b2は同じ太さで一連に続いてる。すなわち、一対のU字状部材11a,11bは、いずれも、1本の円柱状の棒を中央で湾曲させた形状となっている。
【0027】
一対のU字状部材11a,11bは、いずれも平面に端部が少し広がるU字を描いたようなU字形状で同一形状であり、U字状に見える互いの前記平面が平行となり、かつ、直線部分11a1,11b1および湾曲部分11a2,11b2が互いに対向するように連結棒12によって配置が固定されている。
【0028】
互いに平行に配置されているU字状部材11aとU字状部材11bの間の幅L1は、U字状部材11a,11bの高さL2(湾曲部分11a2,11b2の中央外側から直線部分11a1,11b1の端部までの長さ)に対して、1.0倍以上かつ1.4倍以下とすることができ、1.1倍以上かつ1.3倍以下とすることが好ましく、1.2倍とすることがより好ましい。これにより、整列配置されたコンテナの隅金具の孔に2つのU字状部材11a,11bの各端部を同時に挿入して他の孔から突出させる作業が簡易になる。
【0029】
U字状部材11a,11bの直線部分11a1,11b1の長さL3は、湾曲部分11a2,11b2の幅L4(湾曲開始部分から湾曲終了部分までの外側の幅)に対して0.6倍以上かつ1.0倍以下とすることができ、0.7倍以上かつ0.9倍以下とすることが好ましく、0.8倍とすることがより好ましい。これにより、整列配置されたコンテナの隅金具の孔にU字状部材11a,11bの端部を挿入して他の孔から突出させる作業、すなわち孔の中を挿通させる作業がスムーズにでき、U字状部材11a,11bの端部の突出長さを無駄のない長さとすることができる。
【0030】
U字状部材11a,11bの直線部分11a1,11b1の端部から端部までの外側幅L5は、湾曲部分11a2,11b2の幅L4に対して、1.0倍以上かつ1.4倍以下とすることができ、1.1倍以上かつ1.3倍以下とすることが好ましく、1.2倍とすることがより好ましい。これにより、整列配置されたコンテナの隅金具の孔にU字状部材11a,11bの端部を挿入する際に他の端部が邪魔で入らないということを防止でき、かつ、孔の中を挿通させる作業をスムーズにできる。
【0031】
この
図5とともに説明したU字状部材11a,11bの形状、大きさ、および角度、およびそれによる作用効果は、全ての実施例に共通している。
【0032】
一方側の端部14a,14bには、連結棒12に平行な上端部を有するT字状の突出部16a,16bが設けられている。T字状の突出部16a,16bの柱部および横棒は円柱状であり、その径はU字状部材11a,11bの径よりも小さい。
【0033】
なお、連結棒は鋼製の角棒である。
【0034】
他方側の端部15a,15bには、逆U字状部材17a,17bが着脱可能に取り付けられている。逆U字状部材17a,17bは、U字状部材11a,11bと同一方向に延びる円柱状であり、その径は、U字状部材11a,11bより小さい。
【0035】
T字状の突出部16a,16bには、逆U字状部材17a,17bとの間で接続可能なリンクチェーン18a,18b(リンク部材)が着脱可能に取り付けられている。このリンクチェーン18a,18bは、T字状の突出部16a,16bから離れないように構成されているまた、U字状部材11a,11bの開口部が開きすぎるのを防止するために設けられている。
【0036】
図5(B)を参照して、一対のU字状部材11a,11bは、その凹部(湾曲部分11a2,11b2)を挟む2つの部材(直線部分11a1,11b1)が互いに平行では無く、基部側(湾曲部分11a2,11b2)から端部側へ広がるように10度以上かつ20度以下の角度(平行に対してそれぞれ5度以上かつ10度以下の角度)を有している。なお、14度の角度(平行に対してそれぞれ7度の角度)が最適である。この
図5(B)とともに説明したU字状部材11a,11bの直線部分11a1,11b1の平行ではない角度、およびそれによる作用効果は、全ての実施例に共通している。
【0037】
また、一例として、一対のU字状部材11a,11bは、直径が62mmの丸棒で構成され、開いたU字の全高、および開口部の寸法は、共に130mmである。
【0038】
次に、コンテナ連結金具10の使用方法について説明する。
図6は、コンテナ連結金具10の使用方法を示す図である。
図6(A)は、4つのコンテナ40a~40dが相互に間隔を空けて、隣接して上下左右に配置された状態で、そこにコンテナ連結金具10が挿入された状態を示す図であり、
図6(B)は、
図6(A)において、矢印VIB-VIBで示す部分の矢視図である。それぞれのコンテナ40a~40dには、その4隅に隅金具42a~42dが設けられているため、隅金具42a~42dが相互に隣接する。隅金具42a~42dは、いずれも、コンテナ40a~40dの正面、背面、右側面、左側面、平面、底面に対応して直交する3面を表面に有しておりこの3面全てに1つずつ孔45a,45b,45cが設けられている(
図6(A)参照)。3つの孔45a~45cは、いずれも内部で連通している。
【0039】
ここでは、コンテナ連結金具10は、一対のU字状部材11a,11bが、逆U字状部材17a,17b側から、下に位置する隅金具42c、42dの孔45d,45eにまず挿入され、その後、上に位置する隅金具42c、42dの孔45a,45fから逆U字状部材17a,17bが突出するようにされ、その後、リンクチェーン18a,18bの端部が逆U字状部材17a,17bに係合するように取り付けられる。
【0040】
すなわち、コンテナ連結金具10は、連結棒12が下に位置するように、コンテナ40a~40dに取り付けられる。
【0041】
ここで、連結棒12が下になるようにコンテナ連結金具を隅金具に挿入するのは、連結棒12が上になるように挿入すると、連結金具の重量バランスが上になり、金具が回転して脱落する可能性があるためである。
【0042】
このように、コンテナ連結金具10は、一対のU字状部材11a,11bが連結棒1
2で形状を固定して連結されている。このため、使用者は、一対のU字状部材11,11bの各端部を隅金具42c、42dの下方の孔45d,45eに同時に挿入してそのまま半回転させて上方の孔45a,45fから各端部を突出させ、リンクチェーン18a,18bを装着するだけで作業が完了する。したがって、コンテナ連結金具10を簡単かつ迅速に装着してコンテナを固定し、かつ、U字状部材11a,11bが隅金具42c、42dの孔45d,45eから脱落しないようにできる。
【0043】
U字状部材11a,11bの直線部分11a1,11b1は湾曲部分11a2,11b2から離れるにしたがって間隔が離れる構成であるため、使用者は、U字状部材11a,11bを孔45d,45eに挿入して突出させる一連の操作をスムーズに実施することができる。
【0044】
なお、
図1および
図2で示したコンテナ連結金具1も、
図6で示した状態でコンテナ40a~40dに取り付けられる。
図3に示したコンテナ連結金具は、チェーンを有していないが、これも
図6に示した状態で、コンテナに取り付けられる。
【0045】
次に、本発明のさらに他の実施の形態について説明する。
図7は、この発明の他の実施の形態に係るコンテナ連結金具20を示す図であり、
図8(A)は、
図7において、VIIIA-VIIIAで示す、コンテナ連結金具20の平面図、
図8(B)は、
図7において、コンテナ連結金具20を上から見た平面図であり、
図8(B)は、
図7において、VIIIB-VIIIBで示す部分であり、
図8(C)は、
図7において、VIIIC-VIIICで示す部分であり、
図8(D)は、
図7において、VIIID-VIIIDで示す部分の矢視図である。
【0046】
図7および
図8を参照してこの発明の他の実施の形態に係るコンテナ連結金具20は、連結棒が設けられず、その代わりに一対のU字状部材(挿入部材)21a,21bが、相互に、リンクチェーン28で接続されている点が、先の実施の形態と異なる。
【0047】
さらに、この実施の形態においては、一対のU字状部材21a,21bの一方側端部の近傍(先の実施の形態において、連結棒が設けられていた部分)の対向するU字状部材21a,21b側に、リンクチェーン29a、29bを固定するU字状の内側突出部23a,23bと、それらの反対側に設けられた中実の外側突出部22a,22bと、を含む。
【0048】
それ以外の点については、基本的に先の実施の形態と同じであり、
図7において、
図1と同一箇所については、同一部品に参照番号を20番台として表示し、その説明を省略する。
【0049】
すなわち、この発明の他の実施の形態に係るコンテナ連結金具20は、連結棒の代わりに、一対のU字状部材21a,21bが、U字状の内側突出部23a,23bに取り付けられた連結リンクチェーン28で接続されている点、およびU字状の内側突出部23a,23bに、対向する逆U字状部材27b,27aに連結可能な第2のリンクチェーン29a,29が着脱可能に取り付けられている点、および内側突出部23a,23bの反対側に、外側突出部22,22bが設けられている点が、先の実施の形態と異なる。
【0050】
なお、外側突出部22,22bは、
図9(A)に示すように、T字状の突出部26a,26bが隅金具42a~42dの孔45d,45eの開口部に入り込まないようにするために設けられている。突出部26a,26bにはリンクチェーン29a,29bの端部が着脱可能に取り付けられている。
【0051】
この実施の形態に係るコンテナ連結金具20は、隣接するコンテナ間の開きを抑えつつ、横ずれにも対応する。
【0052】
なお、
図9(B)は説明の便宜上1か所にだけコンテナ連結金具20を装着しているが、4つのコンテナが上下左右に隣接しあう全ての角部にコンテナ連結金具20を取り付けてコンテナを連結する。
【0053】
次に、コンテナ連結金具20の使用方法について説明する。
図9は、コンテナ連結金具20の使用方法を示す図である。
図9(A)は、4つのコンテナ40a~40dが相互に隣接して上下左右に配置された状態で、そこにコンテナ連結金具20が挿入された状態を示す図である。それぞれのコンテナ40a~40dには、その4隅に隅金具42a~42dが設けられているため、隅金具42a~42dが相互に隣接するのは、先の実施の形態と同様である。
【0054】
コンテナ40a~40dは、同じ大きさのものが上下方向に複数整列して配置され、かつ、左右方向にも当接または近接させて整列して配置され、さらに前後方向にも当接または近接させて整列して配置されている。このため、各コンテナ40a~40dに設けられている隅金具42a~42dが互いに当接または近接して整列する。したがって、片面から見ると各隅金具42a~42dに1つずつの合計4つの孔45a,45d,45e,45fが四方に配置され、これら4つの孔45a,45d,45e,45fが左右に同じ間隔で、かつ、上下に同じ間隔で配置される。
【0055】
ここでは、コンテナ連結金具20は、一対のU字状部材21a,21bが、逆U字状部材27a,27b側から、下に位置する隅金具42c、42dの各孔45d,45eにまず挿入され、その後、上に位置する隅金具42c、42dの各孔45a,45fから逆U字状部材27a,27bが突出するようにされ、その後、リンクチェーン29a,29bの端部が逆U字状部材27a,27bに係合するように取り付けられる。
【0056】
すなわち、コンテナ連結金具20は、連結リンクチェーン28が下に位置するように、コンテナ40a~40dに取り付けられる。
【0057】
この実施の形態において、このように、コンテナ連結金具20を隅金具に挿入するのは、先の実施の形態と同じ理由である。
【0058】
次に、
図9(B)について説明する。
図9(B)は、コンテナ連結金具20が特に使用されるのが推奨される場合を説明する図である。
【0059】
図9(B)を参照して、ここでは、複数のコンテナ40が2列に積み重ねられているが、その設置されている地面44が平面でなく、凹凸が激しい地面である。このような地面に、複数のコンテナが積み重ねられると、上方向に行くにつれて、横方向に隣接するコンテナ間の間隔が開く様になる。
【0060】
そこで、この実施の形態に係るコンテナ連結金具20を用いれば、リンクチェーン29a,29bで、隣接するコンテナ間の距離を一定に保てるため、隣接するコンテナ間の隙間が開かないようにすることができる。
【0061】
なお、
図9(B)において、Aで示した部分が、
図9(A)で示した部分である。
【0062】
次に、この発明のさらに他の実施の形態について説明する。
図10は、この発明のさらに他の実施の形態を示すコンテナ連結金具70を示す図である。
図10を参照してこの実施の形態に係るコンテナ連結金具70は、一対のU字状部材(挿入部材)71a,71bが、連結棒72で相互に連結されている点は、最初の実施の形態に似ているが、一対のU字状部材(挿入部材)71a,71bの両端部72aと73a、および72bと73bとをリンクチェーンではなく、接続棒78a,78b(リンク部材)で接続されている点が先の実施の形態と異なる。
【0063】
図10を参照して、接続棒78a,78bは、長手の平板状の部材であって、一方側の端部に長孔を有し、他方側端部にフック部79a,79bを有する。接続棒78a,78bは、一方側の端部の長孔に、連結棒72に近い側の端部72a,72bに設けられたボルトおよびナット75a,75bが係合することによって固定され、他端は、連結棒72から離れた側の端部73a,73bにボルトおよびナット74a,74bで構成された受け部にフック部79a,79bが係合する。受け部にフック部79a,79bが係合した後に、ボルトおよびナット74a,74bはフック部79a,79bを締め付ける。これにより、接続棒78a,78bがU字状部材(挿入部材)71a,71bの両端部72aと73a、および72bと73bに連結した閉状態と連結解除した開状態に開閉可能となっている。
【0064】
なお、このコンテナ連結金具70の使用方法は、先の実施の形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0065】
次に、この発明のさらに他の実施の形態について説明する。
図11は、この発明のさらに他の実施の形態を示すコンテナ連結金具を示す図である。これまで説明してきたコンテナ連結金具は、全て一対のU字状部材で構成されていたが、この実施の形態におけるコンテナ連結金具は、一対ではなく、単独で使用される。
【0066】
図11(A)は、先に
図3(A)や
図3(B)で説明した一対のコンテナ連結金具の内の一方のみをコンテナ連結金具として使用する。この場合には、コンテナ連結金具の構成が単純化され、簡便に使用可能になる。
【0067】
次に、この発明のさらに他の実施の形態について説明する。
図12は、この発明のさらに他の実施の形態に係るコンテナ連結金具を示す図であり、
図12(A)は、平面図であり、
図12(B)は側面図である。
【0068】
図12(A)および
図12(B)を参照して、この発明のさらに他の実施の形態に係るコンテナ連結金具30は、コンテナの隅金具に挿入される、一対の挿入部材31a,31bと、一対の挿入部材31a,31bをその一方側端部で接続する連結棒32と、を含む。挿入部材31a,31bは丸棒で形成され、それぞれ、連結棒32からまず第1段部として、前方向かつ下方向に延び、その後、第2段部として後ろの下方向に延びてフック状になっている。ここで、第2段部の長さは、第1段部の長さの約3倍の長さである。
【0069】
一対の挿入部材31a,31bの中央には、一対の挿入部材31a,31bと平行に配置された丸パイプ34が複数連続して設けられている。丸パイプ34の先端部(連結棒32側)には、連結部37が設けられている。一対の挿入部材31a,31bの連結棒32の接続部と連結部37とは、斜め方向に延びる補強部33a,33bによって接続されている。また、補強部33a,33bの中央部は、連結棒32の中央部と接続パイプ36a,36bで接続されている。
【0070】
丸パイプ34の空洞には、ワイヤロープ35が挿入されている。ワイヤロープ35の一対の挿入部材31a,31b側の端部は、連結棒32の中央に固定され、その反対側の端部はループ35aを形成している。
【0071】
複数の丸パイプ34は、使用される長さだけ延長されるが、その延長部の補強のために、隣接する丸パイプ34の上には、接続パイプ36が設けられており、丸パイプ34と接続パイプ36とは、相互にねじ止めされている。
【0072】
図12(C)は、コンテナ連結金具30の使用方法を示す図である。コンテナ連結金具30の一対の挿入部材31a,31bは、
図9(B)に示した上下左右に隣接する4つのコンテナ40a~40dに係合する。
【0073】
このとき、一対の挿入部材31a,31bは、
図12(C)に示すように、上側の隅金具42aの孔45aから挿入され、下側の隅金具42cの奥の側面に係合するように配置される。
【0074】
これによって、
図12(C)において、○で示すように、一対の挿入部材31a,31bのフックが隅金具42cの壁に当接してすべり、起き上がって抜けるのを防止する。
【0075】
次に、この実施の形態に係るコンテナ連結金具30の具体的使用方法について説明する。
図13は、この使用方法を説明する図である。
図13(A)は、複数のコンテナが、相互に隣接して地面44上に積み重ねられている状態を示す図であり、
図13(B)~
図13(D)は、
図13(A)において、○で囲んだB~Dで示した部分の拡大図である。
【0076】
コンテナ連結金具30は、このような、積み重ねられた、隣接する、高所に位置する複数のコンテナ40を安定化させるために使用される。
【0077】
図13(A)~(D)を参照して、高所のコンテナ40e~40hの隅金具42e,42fの各孔45g,45hに一対の挿入部材31a,31bを挿入する。そして、その下端部に位置するループ35aと、最下端部に位置するコンテナ40gの隅金具42gとをラッシングベルト46で接続する。ここでワイヤロープ35が長ければ、ループ35aと、最下端部に位置するコンテナ40gの隅金具42gとを直接接続してもよい。
【0078】
以上のように、この実施の形態においては、相互に隣接する複数のコンテナを連結可能なコンテナ連結用金具は、相互に隣接する複数のコンテナのそれぞれの隅金具に挿入可能な一対の挿入部材を含むため、隣接する複数のコンテナのそれぞれの隅金具に挿入するだけで、複数のコンテナを一体化可能である。
【0079】
その結果、強風時であっても、コンテナが倒壊しないように、複数のコンテナを連結するコンテナ連結金具を提供できる。
【0080】
コンテナは非常に大きいものであるため、強風を受けたときにかかる力はコンテナの重量に対して非常に大きな力となるが、複数のコンテナを連結することにより、特に強風によるコンテナの初期の浮き上がりを防止でき、また、コンテナが吹き飛ぶことも防止できる。
【0081】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0082】
この発明によれば、強風時であっても、コンテナが倒壊しないように、複数のコンテナを連結するコンテナ連結金具を提供できるため、コンテナ連結金具として有利に利用される。
【符号の説明】
【0083】
1,10,20,30、70 コンテナ連結金具、1a,1b,11a,11b U字状部材、12,72 連結棒、14a,14b,15a,15b 端部、16a,16b 突出部、17a,17b 逆U字状部材、18a,18b リンクチェーン、28 連結リンクチェーン、31 挿入部材、32 接続部、35 ワイヤ、40 コンテナ、42a,42b,42c,42d 隅金具。