(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】泡立て器
(51)【国際特許分類】
A47K 5/16 20060101AFI20221214BHJP
A45D 27/10 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
A47K5/16
A45D27/10
(21)【出願番号】P 2022080408
(22)【出願日】2022-05-16
【審査請求日】2022-07-04
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示日:2021年10月18日~20日 展示会名、開催場所:「Beautyworld Japan WEST2021」インテックス大阪 公開者:Pearlmoon株式会社 出品内容:Pearlmoon株式会社は、Beautyworld japan WEST2021にて、渡辺美砂絵、高橋政英が発明した泡立て器を公開した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519416129
【氏名又は名称】Pearlmoon株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】502065310
【氏名又は名称】日邦電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 美砂絵
(72)【発明者】
【氏名】高橋 政英
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-137153(JP,A)
【文献】実開昭57-147602(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 5/16
A45D 27/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を圧縮するエアポンプ部と、
一端の流入口が前記エアポンプ部に接続されていて、前記エアポンプ部からの圧縮空気を、前記流入口から他端の噴射口に送って、前記噴射口から噴射させる圧縮空気導送手段と、
一端が前記噴射口に接続されていて、前記噴射口から噴射された圧縮空気により化粧用石鹸液を泡立てる多孔質部材と、
を備え、
前記エアポンプ部は、少なくとも、電動のモータとコンプレッサーとを、有し、
前記圧縮空気導送手段の他端は、前記噴射口側の噴射部分と、前記噴射部分よりも前記流入口側の固定部分と、を有し、
前記多孔質部材は、中空部を有し、
前記多孔質部材の他端には、中空部を閉塞する閉塞壁が設けられ
、
前記噴射部分は、前記多孔質部材の一端から中空部中の途中まで突出していて、
前記多孔質部材の一端は、前記固定部分に固定されている、
ことを特徴とする泡立て器。
【請求項2】
前記閉塞壁は、前記多孔質部材と一体であり、または、前記多孔質部材と別体であって、前記多孔質部材の他端に一体に固定されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の泡立て器。
【請求項3】
前記エアポンプ部は
、前記圧縮空気導送手段の一端が着脱可能に取り付けられる挿し
口を有する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の泡立て器。
【請求項4】
前記圧縮空気導送手段は、エア導送部と、ジョイント部と、オリフィス部と、を有し、
前記エア導送部は、一端と、他端と、を有し、前記エア導送部の一端は、前記圧縮空気導送手段の一端であり、
前記ジョイント部は、一端と、他端と、を有し、前記ジョイント部の一端には、前記エア導送部の他端が気密状態で貫入固定されていて、
前記オリフィス部は、一端と、他端と、を有し、前記オリフィス部の一端は、前記ジョイント部の他端に気密状態で貫入固定されていて、前記オリフィス部の他端は、前記圧縮空気導送手段の他端であり、
前記オリフィス部の内径は、前記エア導送部の内径よりも小さい、
ことを特徴とする請求項
1に記載の泡立て器。
【請求項5】
前記ジョイント部の少なくとも一部分は、前記固定部分であり、
前記オリフィス部の他端は、前記噴射部分であり、
前記噴射部分の外径は、前記ジョイント部側から前記噴射口側にかけて徐々に小さくなっている、
ことを特徴とする請求項
4に記載の泡立て器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、泡立て器に関する。
【背景技術】
【0002】
泡で洗顔したり、肌を滑らかにするなどに、泡立てた石鹸・シャンプーなどが美容・介護の分野で用いられている。このような化粧用石鹸液を泡立てる器機としては、以下の特許文献1に開示のものがある。
【0003】
特許文献1の泡立て器は、オゾン発生器に流体放出器を接続し、その流体放出器を化粧用石鹸水の中に入れて、オゾンと空気を発散させながら充分に撹拌することによって多量の微細径の綿状の泡体を生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる泡立て器においては、最適な泡を、短時間で容易に生成できることが重要である。
【0006】
この発明が解決しようとする課題は、最適な泡を、短時間で容易に生成できる泡立て器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の泡立て器は、空気を圧縮するエアポンプ部と、一端の流入口がエアポンプ部に接続されていて、エアポンプ部からの圧縮空気を、流入口から他端の噴射口に送って、噴射口から噴射させる圧縮空気導送手段と、一端が噴射口に接続されていて、噴射口から噴射された圧縮空気により化粧用石鹸液を泡立てる多孔質部材と、を備え、多孔質部材は、中空部を有し、多孔質部材の他端には、中空部を閉塞する閉塞壁が設けられている、ことを特徴とする。
【0008】
この発明の泡立て器において、閉塞壁は、多孔質部材と一体であり、または、多孔質部材と別体であって、多孔質部材の他端に一体に固定されている、ことが好ましい。
【0009】
この発明の泡立て器において、エアポンプ部は、少なくとも、モータと、コンプレッサーと、圧縮空気導送手段の一端が着脱可能に取り付けられる挿し口と、を有し、圧縮空気導送手段の他端は、噴射口側の噴射部分と、噴射部分よりも流入口側の固定部分と、を有し、噴射部分は、多孔質部材の一端から中空部中の途中まで突出していて、多孔質部材の一端は、固定部分に固定されている、ことが好ましい。
【0010】
この発明の泡立て器において、圧縮空気導送手段は、エア導送部と、ジョイント部と、オリフィス部と、を有し、エア導送部は、一端と、他端と、を有し、エア導送部の一端は、圧縮空気導送手段の一端であり、ジョイント部は、一端と、他端と、を有し、ジョイント部の一端には、エア導送部の他端が気密状態で貫入固定されていて、オリフィス部は、一端と、他端と、を有し、オリフィス部の一端は、ジョイント部の他端に気密状態で貫入固定されていて、オリフィス部の他端は、圧縮空気導送手段の他端であり、オリフィス部の内径は、エア導送部の内径よりも小さい、ことが好ましい。
【0011】
この発明の泡立て器において、ジョイント部の少なくとも一部分は、固定部分であり、オリフィス部の他端は、噴射部分であり、噴射部分の外径は、ジョイント部側から噴射口側にかけて徐々に小さくなっている、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
この発明の泡立て器は、最適な泡を、短時間で容易に生成できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、この発明の泡立て器の実施形態を示す説明図である。(A)は、エアポンプ部とチューブ部およびスポンジ部とを組み付けた状態を示す説明図である。(B)は、エアポンプ部からチューブ部およびスポンジ部を取り外した状態を示す説明図である。
【
図2】
図2(A)は、エアポンプ部の一端面を示す説明図(
図1(B)中のIIA矢視図)である。
図2(B)は、エアポンプ部の他端面を示す説明図(
図1(B)中のIIB矢視図)である。
【
図3】
図3は、チューブ部の他端側の部分を示す説明図である。
【
図4】
図4は、スポンジ部を示す説明図である。(A)は、開口端側から見た説明図(斜視図)である。(B)は、スポンジ部の画像データをグレースケールで表した説明図(斜視図)である。(C)は、スポンジ部の画像データをグレースケールで表した一部拡大説明図である。
【
図5】
図5は、チューブ部とスポンジ部との結合部分を示した断面図である。
【
図6】
図6は、圧縮空気を噴射口から噴射させている状態を示す断面図(
図5に対応する断面図)である。
【
図7】
図7は、化粧用石鹸液を泡立てている状態(使用状態)を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明にかかる泡立て器の実施形態(実施例)の1例を図面に基づいて説明する。
【0015】
なお、図面においては、概略図であるため、主要部分を図示し、主要部分以外の部分の図示を省略し、また、ハッチングの一部を省略し、あるいは、断面の一部を省略する。
【0016】
(実施形態の構成の説明)
この実施形態にかかる泡立て器1は、
図1に示すように、エアポンプ部2と、チューブ部3と、スポンジ部4と、を備える。エアポンプ部2は、空気を圧縮する。チューブ部3は、エアポンプ部2からの圧縮空気A(
図6中の実線矢印を参照)を、一端30の流入口300から他端31の噴射口310に送って、噴射口310から噴射させる。スポンジ部4は、チューブ部3の噴射口310から噴射された圧縮空気Aにより化粧用石鹸液Bを泡立てる。この化粧用石鹸液Bには、泡で洗顔や肌を滑らかにする美容のための石鹸液を含む。
【0017】
(エアポンプ部2の説明)
エアポンプ部2は、
図1、
図2、
図5、
図6に示すように、ケーシング20と、操作スイッチ21と、充電バッテリー22と、モータ23と、コンプレッサー24と、挿し口25と、を有する。
【0018】
ケーシング20は、この例では、片手で持つことができる程度の大きさの円筒形状をなしている。ケーシング20中には、ケーシング20の一端(
図1において右端)から他端(
図1において左端)にかけて、操作スイッチ21のスイッチパネル、充電バッテリー22、モータ23およびコンプレッサー24などが、内蔵されている。
【0019】
図2(B)に示すように、ケーシング20の一端面の中央には、操作スイッチ21が設けられている。操作スイッチ21は、スイッチパネルを介して、充電バッテリー22からモータ23への電力の供給をオン、オフの操作を行う。この例では、操作スイッチ21を長押しすると、モータ23が駆動し、操作スイッチ21を再び長押しすると、モータ23の駆動が停止する。なお、操作スイッチ21の操作と、モータ23の駆動・停止との相対関係は、前記の説明に限定されない。
【0020】
ケーシング20の一端面には、マイクロUSBソケット220が設けられている。マイクロUSBソケット220は、USB充電ケーブルのコネクタ(図示せず)が、着脱可能に電気的に接続されることにより、スイッチパネルを介して、充電バッテリー22の充電を行う。
【0021】
ケーシング20の一端面には、第1表示ランプ221と第2表示ランプ222とが設けられている。第1表示ランプ221は、充電バッテリー22の充電状態を表示する。この例では、第1表示ランプ221がブルーに点灯表示している場合は、充電バッテリー22が満充電の状態にあり、第1表示ランプ221がオレンジに点灯表示している場合は、充電バッテリー22が間もなく充電する必要な状態にあり、第1表示ランプ221がレッドに点灯表示している場合は、充電バッテリー22が充電する必要な状態にある。第2表示ランプ222は、モータ23の駆動・停止状態を表示する。たとえば、第2表示ランプ222が点灯表示状態の場合は、モータ23が駆動状態にあり、第2表示ランプ222が消灯表示状態の場合は、モータ23が停止状態にある。なお、第1表示ランプ221および第2表示ランプ222の表示状態と、充電バッテリー22の充電状態およびモータ23の駆動・停止状態との相対関係は、前記の説明に限定されない。
【0022】
図2(A)に示すように、ケーシング20の他端面には、挿し口25が設けられている。挿し口25には、着脱機構250が備えられている。着脱機構250は、チューブ部3の流入口300側の一端30を挿し口25に着脱可能に取り付ける。
【0023】
着脱機構250は、この例では、チャックとスプリングと解除部251とを有する。着脱機構250は、チューブ部3の一端30を挿し口25に
図5、
図6中破線矢印方向に挿し込むと、
図1(A)、
図5、
図6に示すように、スプリングの作用により、チャックが一端30を把持し、一端30が挿し口25に取り付けられる。この時、コンプレッサー24の圧縮空気Aの突出口とチューブ部3の流入口300とは、連通している。
【0024】
また、着脱機構250は、着脱機構250の解除部251をスプリング力に抗して
図5、
図6中破線矢印方向に押すと、
図1(B)に示すように、チャックが一端30の把持を解除し、一端30がエアポンプ部2の挿し口25から取り外れる。
【0025】
エアポンプ部2の圧縮空気Aの最大圧力は、約66.4~約99.6Kpaであり、好ましくは、約83Kpaである。エアポンプ部2の圧縮空気Aの突出量は、無負荷時において、約3.2~約4.8L/分であり、好ましくは、約4L/分である。これにより、モータ23およびコンプレッサー24の静かな駆動および作動が得られるので、この泡立て器1を、家庭において、使用するのに適している。
【0026】
(チューブ部3の説明)
チューブ部3の他端31は、
図3、
図5、
図6に示すように、噴射口310側の噴射部分311と、噴射部分311よりも流入口300側の固定部分312と、を有する。チューブ部3は、エアチューブ32と、ジョイントチューブ33と、オリフィスチューブ(絞りチューブ)34と、を有する。チューブ部3は、請求項記載の圧縮空気導送手段に対応し、エアチューブ32は、エア導送部、ジョイントチューブ33は、ジョイント部、オリフィスチューブ34は、オリフィス部に対応する。
【0027】
エアチューブ32は、一端320と、他端321と、を有する。エアチューブ32の一端320は、チューブ部3の一端30である。エアチューブ32は、エアポンプ部2を片手で保持していて、スポンジ部4で化粧用石鹸液Bを泡立てることができる保形性とフレキシブル性とを兼ね備えている。なお、この例において、エアチューブ32の外径φ1は、約6mmであり、エアチューブ32の内径φ2は、約4mmである。
【0028】
ジョイントチューブ33は、一端330と、他端331と、を有する。ジョイントチューブ33の一端330には、エアチューブ32の他端321が、気密状態で貫入固定されている。ジョイントチューブ33の他端331には、オリフィスチューブ34の後記の一端340が、気密状態で貫入固定されている。ジョイントチューブ33の少なくとも一部分は、チューブ部3の固定部分312である。なお、この例において、ジョイントチューブ33の外径φ3は、約10.4mmであり、ジョイントチューブ33の内径φ4は、約6mmである。
【0029】
オリフィスチューブ34は、一端340と、他端341と、を有する。オリフィスチューブ34の一端340は、ジョイントチューブ33の他端331中に気密状態で貫入固定されている。オリフィスチューブ34の他端341は、チューブ部3の他端31であり、また、チューブ部3の噴射部分311である。
【0030】
オリフィスチューブ34の他端341、すなわち、チューブ部3の噴射部分311の外径φ5においては、ジョイントチューブ33側から噴射口310側にかけて徐々に小さくなっている。また、オリフィスチューブ34の内径φ6は、エアチューブ32の内径φ2よりも小さい。この結果、オリフィスチューブ34の一端340の噴射口310は、圧縮空気Aを、絞り、流速を上げて、噴射する。なお、この例において、オリフィスチューブ34の外径φ5は、約4mm~約6mmであり、オリフィスチューブ34の内径φ6は、約2mmである。
【0031】
(スポンジ部4の説明)
スポンジ部4は、合成樹脂部材、たとえば、ポリウレタンを発泡成形して作られている。すなわち、スポンジ部4は内部に細かな孔が無数に空いた多孔質の柔らかい物質であるスポンジからなる。
【0032】
スポンジ部4は、周部分44の一端が開口し他端が閉塞した中空の筒形状をなす。スポンジ部4の開口端40は、チューブ部3の固定部分312(ジョイントチューブ33の一部分)に外側から篏合して、緊締具42により、気密状態で固定されている。緊締具42は、この例では、ベルトであるが、チューブであっても良いし、その他の物であっても良い。スポンジ部4の中空部43中には、チューブ部3の噴射部分311(オリフィスチューブ34の一端340)が、中空部43の途中まで突出している。スポンジ部4の他端には、閉塞壁41が、一体に設けられている。スポンジ部4の閉塞壁41とチューブ部3の噴射口310とは、相互に向き合っている。
【0033】
スポンジ部4の目の粗さは、約1.5~約4mmであり、スポンジ部の外径φ7は、約28~42mmであり、好ましくは、約35mmであり、スポンジ部4の内径φ8は、約10.4~15.6mmであり、好ましくは、約13mmであり、スポンジ部4の全高t1は、約48~72mmであり、好ましくは、約60mmであり、スポンジ部4の中空部43の深さt2は、約32~48mmであり、好ましくは、約40mmである。
【0034】
(実施形態の作用の説明)
この実施形態にかかる泡立て器1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0035】
まず、
図7に示すように、ボールC中に化粧用石鹸液Bを入れる。泡立て器1のスポンジ部4をボールCの中の化粧用石鹸液B中に入れる。泡立て器1の操作スイッチ21を操作して、モータ23を駆動させる。すると、モータ23の駆動により、コンプレッサー24が、作動して、空気を圧縮する。コンプレッサー24で圧縮された圧縮空気Aは、コンプレッサー24の吐出口からチューブ部3中に吐出する。
【0036】
コンプレッサー24の吐出口からチューブ部3中に吐出された圧縮空気Aは、チューブ部3のエアチューブ32の中およびジョイントチューブ33の中を通ってオリフィスチューブ34の中に入る。この時、オリフィスチューブ34の内径φ6がエアチューブ32の内径φ2およびジョイントチューブ33の内径φ4よりも小さい。このため、圧縮空気Aの流速が、速くなる。
【0037】
流速が速くなった圧縮空気Aは、チューブ部3の他端31すなわちオリフィスチューブ34の一端340の噴射口310からスポンジ部4の中空部43中に噴射する。この時、チューブ部3の噴射口310は、スポンジ部4の閉塞壁41に向き合っている。このため、チューブ部3の噴射口310からスポンジ部4の中空部43中に噴射された圧縮空気Aは、スポンジ部4の中空部43中からスポンジ部4の閉塞壁41および周部分44を通してスポンジ部4の外部に全方向に、ほぼ均一な空気圧で、放出する。すると、化粧用石鹸液Bは、スポンジ部4の無数の細かな孔を介して、細かい泡Dとなり、その細かい泡Dがスポンジ部4から噴き出てくる。なお、細かい泡Dは、圧縮空気Aの適度な圧力と、スポンジ部4において、全方位に均一の圧力で圧縮空気Aが広がることと、スポンジ部4の無数の細かな孔すなわち目の粗さとにより、所望の細かさに生成される。そして、細かい泡Dの状態を観察して、細かい泡Dの生成状態に応じて適宜な時点で、操作スイッチ21を介して、モータ23の駆動を停止させる。なお、モータ23の駆動時間は、自動的に設定しても良い。
【0038】
(実施形態の効果の説明)
この実施形態にかかる泡立て器1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0039】
この実施形態にかかる泡立て器1は、エアポンプ部2と、チューブ部3と、スポンジ部4と、を備えるものであるから、エアポンプ部2で圧縮した圧縮空気Aを、エアポンプ部2からチューブ部3およびスポンジ部4を経て、化粧用石鹸液B中に噴射させて化粧用石鹸液Bを泡立てることができる。この結果、この実施形態にかかる泡立て器1は、手作業で泡を立てる手段と比較して、最適な泡D(木目細かいマイクロバブル)を、短時間で容易に生成できる。
【0040】
特に、この実施形態にかかる泡立て器1は、一端の開口端40がチューブ部3に接続されているスポンジ部4の他端に閉塞壁41を設けたものであるから、このスポンジ部4の他端の閉塞壁41により、最適な泡D(木目細かいマイクロバブル)を、短時間で容易に生成できる。
【0041】
この実施形態にかかる泡立て器1は、スポンジ部4の他端の閉塞壁41を、スポンジ部4と一体に構成したものであるから、閉塞壁41を有するスポンジ部4を容易に製造することができ、製造コストを安価にすることができる。
【0042】
この実施形態にかかる泡立て器1は、スポンジ部4が、周部分44の一端40が開口し閉塞壁41が閉塞した中空の筒形状をなし、スポンジ部4の開口端40が、チューブ部3の固定部分312に外側から篏合して気密状態で固定されていて、チューブ部3の噴射部分311が、スポンジ部4の中空部43中の途中まで突出している、ものである。この結果、この実施形態にかかる泡立て器1は、チューブ部3の噴射部分311の噴射口310から噴射された圧縮空気Aを、スポンジ部4の閉塞壁41と周部分44とから、スポンジ部4の外部の化粧用石鹸液Bに噴射させることができる。これにより、この実施形態にかかる泡立て器1は、化粧用石鹸液Bを効率良く泡立てることができ、最適な泡Dを、短時間で容易に生成できる。
【0043】
これに対して、特許文献1の泡立て器は、プローブの外周に、気泡を放出する気泡筒を、被嵌したものであるから、オゾンと空気を、プローブの外周のみから気泡筒を介して石鹸水に噴射させるものであるから、石鹸水を効率良く泡立てることが難しい。
【0044】
この結果、この実施形態にかかる泡立て器1は、特許文献1の泡立て器と比較して、最適な泡Dを、短時間で容易に生成できる。
【0045】
この実施形態にかかる泡立て器1は、エアポンプ部2に、チューブ部3の流入口300の一端30が着脱可能に取り付けられる挿し口25を、設けたものであるから、エアポンプ部2に対してチューブ部3およびスポンジ部4を着脱することができる。この結果、この実施形態にかかる泡立て器1は、使用後、チューブ部3およびスポンジ部4に付いている泡Dを洗い流すことができ、チューブ部3およびスポンジ部4を清潔に保つことができる。しかも、古いチューブ部3およびスポンジ部4を新しいチューブ部3およびスポンジ部4に交換することができる。
【0046】
この実施形態にかかる泡立て器1は、チューブ部3が、エアチューブ32と、ジョイントチューブ33と、オリフィスチューブ34と、を有し、エアチューブ32の他端321がジョイントチューブ33の一端330に貫入固定され、ジョイントチューブ33の他端331にオリフィスチューブ34の他端341が貫入固定され、オリフィスチューブ34の内径φ6がエアチューブ32の内径φ2よりも小さい。この結果、この実施形態にかかる泡立て器1は、圧縮空気Aがエアチューブ32およびジョイントチューブ33を通ってオリフィスチューブ34中に入ると、圧縮空気Aの流速が速くなるので、流速が速くなった圧縮空気Aがオリフィスチューブ34の一端340の噴射口310からスポンジ部4の中空部43中に噴射する。これにより、この実施形態にかかる泡立て器1は、最適な泡Dを、短時間で容易に生成できる。
【0047】
この実施形態にかかる泡立て器1は、オリフィスチューブ34の一端340の噴射部分311の外径φ5が、ジョイントチューブ33側から噴射口310側にかけて徐々に小さくなっている。この結果、この実施形態にかかる泡立て器1は、噴射口310から噴射された圧縮空気Aが噴射部分311の噴射口310側からジョイントチューブ33側に回り込むことができ、圧縮空気Aをスポンジ部4の閉塞壁41から開口端40すなわちチューブ部3の固定部分312側に回り込ませることができる。これにより、この実施形態にかかる泡立て器1は、圧縮空気Aを、スポンジ部4全体から外部に噴射させることができるので、最適な泡Dを、短時間で容易に生成できる。
【0048】
(実施形態以外の例の説明)
なお、この発明にかかる泡立て器1は、前記の実施形態に限定されない。特に、チューブ部3およびスポンジ部4の寸法や形状などは、前記の実施形態に限定されない。たとえば、スポンジ部4は、この例では、一端40が開口し閉塞壁41が閉塞した中空の筒形状をなすものである。しかしながら、この発明においては、スポンジ部4は、中空の筒形状や鐘状、逆円錐状をなすものであっても良い。この場合においては、噴射部分311をスポンジ部4の一端40から中空部43中の途中まで突出させて、スポンジ部4の一端40を固定部分312に、接着や緊締などにより固定する。
【0049】
また、前記の実施形態において、スポンジ部4の他端の閉塞壁41は、スポンジ部4と一体である。しかしながら、この発明においては、閉塞壁41を、スポンジ部4と別体であって、スポンジ部4の他端に一体に固定したものであっても良い。
【0050】
さらに、エアポンプからの圧縮空気を導送するチューブ部3は、可撓性のある樹脂製である必要はなく、硬質で可撓性のない金属製あるいは樹脂製の管状のものであってもよい。また、圧縮空気を噴射するオリフィスチューブ34やスポンジ部と結合する固定部分312を有するジョイントチューブ33も金属製のものであってもよい。
また、スポンジ部4は、液体が浸透し、空気が通る多孔質の部材でもよい。例えば、セラミック製の水槽用エアーストーンであれば圧縮空気を通過させスポンジと同様に泡を発生することができる。また、フィルタとして用いられる部材のように液体が浸透し空気が通過できる多孔質な部材でもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 泡立て器
2 エアポンプ部
20 ケーシング
21 操作スイッチ
22 充電バッテリー
220 マイクロUSBソケット
221 第1表示ランプ
222 第2表示ランプ
23 モータ
24 コンプレッサー
25 挿し口
250 着脱機構
251 解除部
3 チューブ部
30 一端
300 流入口
31 他端
310 噴射口
311 噴射部分
312 固定部分
32 エアチューブ
320 一端(チューブ部3の一端30)
321 他端
33 ジョイントチューブ
330 一端
331 他端
34 オリフィスチューブ
340 一端
341 他端(チューブ部3の他端31)
4 スポンジ部
40 開口端(一端)
41 閉塞壁(他端)
42 緊締具
43 中空部
44 周部分
A 圧縮空気
B 化粧用石鹸液
C ボール
D 泡
t1 全高
t2 深さ
φ1 エアチューブ32の外径
φ2 エアチューブ32の内径
φ3 ジョイントチューブ33の外径
φ4 ジョイントチューブ33の内径
φ5 オリフィスチューブ34の外径
φ6 オリフィスチューブ34の内径
φ7 スポンジ部4の外径
φ8 スポンジ部4の内径
【要約】
【課題】最適な泡を、短時間で容易に生成できる泡立て器を提供することにある。
【解決手段】この発明の泡立て器1は、エアポンプ部2と、圧縮空気導送手段3と、多孔質部材4と、を備える。これにより、この発明の泡立て器1は、エアポンプ部2で圧縮した圧縮空気Aを、エアポンプ部2から圧縮空気導送手段3および多孔質部材4を経て、化粧用石鹸液B中に噴射させて化粧用石鹸液Bを泡立てることができる。この結果、この発明の泡立て器1は、手作業で泡を立てる手段と比較して、最適な泡D(木目細かいマイクロバブル)を、短時間で容易に生成できる。
【選択図】
図1