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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】観賞装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 31/00 20180101AFI20221214BHJP
   A01G 9/02 20180101ALI20221214BHJP
   A01G 27/00 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
A01G31/00 601B
A01G9/02 E
A01G27/00 502V
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019086905
(22)【出願日】2019-04-27
(65)【公開番号】P2020182393
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2022-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】593069130
【氏名又は名称】株式会社アクアデザインアマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(74)【代理人】
【識別番号】100201237
【氏名又は名称】吉井 将太郎
(72)【発明者】
【氏名】天野 しのぶ
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-050585(JP,A)
【文献】特開2003-116379(JP,A)
【文献】特開2003-233338(JP,A)
【文献】国際公開第2018/068042(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3038876(JP,U)
【文献】WEBアクア・ジャーナル,常緑の雲霧林へ、高い演出性と実用性を兼ね備えた「ミストフロー」が熱帯の世界へといざなう,アクア・ジャーナル編集部,2018年11月30日,p.1-11,https://www.adana.co.jp/jp/aquajournal/makeandkeep_04/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 31/00
A01G 9/02
A01G 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面側に観賞体が設けられた観賞壁面部と、この観賞壁面部の正面側に霧を導出させる霧発生部とを備えた観賞装置であって、前記霧発生部は、前記観賞壁面部の背面側に設けられ水導入部及び該水導出部が設けられた水収納部と、この水収納部に設けられ水に超音波の振動エネルギーを付与して霧を発生させる超音波発生部とから成り、前記観賞壁面部には前記霧発生部で発生した霧を前記観賞壁面部の正面側へ導出させる霧導出部が設けられ、更に、前記水収納部には前記霧導出部に連通する霧通過部が設けられ、前記水収納部で発生した霧は前記霧通過部を通過して前記霧導出部から前記観賞壁面部の正面側に導出されるように構成されており、また、前記水導出部から導出される水は前記観賞壁面部の正面側に導出されないように構成されていることを特徴とする観賞装置。
【請求項2】
請求項1記載の観賞装置において、前記観賞壁面部の背面側には、前記水導出部から導出された水を回収する水溜め部が設けられ、この水溜め部に溜まった水Wをポンプ部を介して前記水導入部に搬送する水搬送部が設けられていることを特徴とする観賞装置。
【請求項3】
請求項1,2いずれか1項に記載の観賞装置において、前記観賞壁面部の背面側には、前記水導出部から導出された水を濾過する濾過材が設けられていることを特徴とする観賞装置。
【請求項4】
請求項1~3いずれか1項に記載の観賞装置において、前記観賞壁面部の下端部には貫通孔部が設けられ、前記観賞壁面部の背面側には、前記貫通孔部を通過して前記観賞壁面部の正面側から背面側へ流れた水を吸水する吸水部が設けられていることを特徴とする観賞装置。
【請求項5】
請求項1~4いずれか1項に記載の観賞装置において、前記観賞壁面部は、夫々透明な底面板,左側面板,右側面板及び背面板から成る透明ケース体内に設けられており、正面開口部には該正面開口部を開閉する透明な正面開閉板が設けられ、また、上面開口部には該上面開口部を開閉する透明な上面開閉板が設けられていることを特徴とする観賞装置。
【請求項6】
請求項5記載の観賞装置において、前記正面開閉板は、水平回動することで前記正面開口部を開閉するように構成されていることを特徴とする観賞装置。
【請求項7】
請求項5記載の観賞装置において、前記上面開閉板は、前後スライド移動することで前記上面開口部を開閉するように構成されていることを特徴とする観賞装置。
【請求項8】
請求項1~7いずれか1項に記載の観賞装置において、前記観賞壁面部の正面上方位置には巾方向に長さを有する凹状の霧溜め部が設けられ、この霧溜め部には前記霧導出部から導出される霧が溜められるように構成されていることを特徴とする観賞装置。
【請求項9】
請求項8記載の観賞装置において、前記霧溜め部は、前記観賞壁面部の正面から板体を上方傾斜状態で突設して構成されていることを特徴とする観賞装置。
【請求項10】
請求項1~9いずれか1項に記載の観賞装置において、前記観賞体として陸上植物を採用したことを特徴とする観賞装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観賞装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、特開2018-50585号及び特開2018-50586号に開示される観賞装置(以下、従来例)を提案している。
【0003】
この従来例は、連設された正面開口部及び上面開口部を有する水槽に観賞水草体を配設する壁面部を設け、この壁面部の上方位置には該壁面部に設けた観賞水草体に与える水を溜める水溜め部が設けられ、この水溜め部は、壁面部の巾方向に長さを有する凹所を設けて構成されている。
【0004】
従って、従来例は、壁面部の上方位置に設けられた水溜め部から水が流下すると、この壁面部に設けられる観賞水草体に水が供給され、また、この水が壁面部を流下することで観賞水草体を良好に美化することができ、しかも、水溜め部は、壁面部の巾方向に長さを有する凹所を設けて構成されており、壁面部の上部に所謂水面が形成されるなど、従来にない視覚効果を有してインテリア性に秀れたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-50585号公報
【文献】特開2018-50586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、前述した観賞装置について開発を進めた結果、極めて商品価値の高い観賞装置を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
正面側に観賞体50が設けられた観賞壁面部1と、この観賞壁面部1の正面側に霧Mを導出させる霧発生部2とを備えた観賞装置であって、前記霧発生部2は、前記観賞壁面部1の背面側に設けられ水導入部3及び該水導出部4が設けられた水収納部5と、この水収納部5に設けられ水Wに超音波の振動エネルギーを付与して霧Mを発生させる超音波発生部6とから成り、前記観賞壁面部1には前記霧発生部2で発生した霧Mを前記観賞壁面部1の正面側へ導出させる霧導出部8が設けられ、更に、前記水収納部5には前記霧導出部8に連通する霧通過部7が設けられ、前記水収納部5で発生した霧Mは前記霧通過部7を通過して前記霧導出部8から前記観賞壁面部1の正面側に導出されるように構成されており、また、前記水導出部4から導出される水Wは前記観賞壁面部1の正面側に導出されないように構成されていることを特徴とする観賞装置に係るものである。
【0009】
また、請求項1記載の観賞装置において、前記観賞壁面部1の背面側には、前記水導出部4から導出された水Wを回収する水溜め部10が設けられ、この水溜め部10に溜まった水Wをポンプ部11を介して前記水導入部3に搬送する水搬送部12が設けられていることを特徴とする観賞装置に係るものである。
【0010】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の観賞装置において、前記観賞壁面部1の背面側には、前記水導出部4から導出された水Wを濾過する濾過材17が設けられていることを特徴とする観賞装置に係るものである。
【0011】
また、請求項1~3いずれか1項に記載の観賞装置において、前記観賞壁面部1の下端部には貫通孔部13が設けられ、前記観賞壁面部1の背面側には、前記貫通孔部13を通過して前記観賞壁面部1の正面側から背面側へ流れた水を吸水する吸水部14が設けられていることを特徴とする観賞装置に係るものである。
【0012】
また、請求項1~4いずれか1項に記載の観賞装置において、前記観賞壁面部1は、夫々透明な底面板15a,左側面板15c,右側面板15d及び背面板15eから成る透明ケース体15内に設けられており、正面開口部15’には該正面開口部15’を開閉する透明な正面開閉板15Aが設けられ、また、上面開口部15”には該上面開口部15”を開閉する透明な上面開閉板15Bが設けられていることを特徴とする観賞装置に係るものである。
【0013】
また、請求項5記載の観賞装置において、前記正面開閉板15Aは、水平回動することで前記正面開口部15’を開閉するように構成されていることを特徴とする観賞装置に係るものである。
【0014】
また、請求項5記載の観賞装置において、前記上面開閉板15Bは、前後スライド移動することで前記上面開口部15”を開閉するように構成されていることを特徴とする観賞装置に係るものである。
【0015】
また、請求項1~7いずれか1項に記載の観賞装置において、前記観賞壁面部1の正面上方位置には巾方向に長さを有する凹状の霧溜め部16が設けられ、この霧溜め部16には前記霧導出部8から導出される霧Mが溜められるように構成されていることを特徴とする観賞装置に係るものである。
【0016】
また、請求項8記載の観賞装置において、前記霧溜め部16は、前記観賞壁面部1の正面から板体16’を上方傾斜状態で突設して構成されていることを特徴とする観賞装置に係るものである。
【0017】
また、請求項1~9いずれか1項に記載の観賞装置において、前記観賞体50として陸上植物を採用したことを特徴とする観賞装置に係るものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は上述のように構成したから、観賞体を良好に美化することができてインテリア性に秀れたものになり、しかも、観賞体が設けられる空間へ適度な水分を付与することができるなど、極めて商品価値の高い観賞装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施例の使用状態説明図である。
図2】本実施例を示す斜視図である。
図3】本実施例の分解斜視図である。
図4】本実施例の要部の斜視図である。
図5】本実施例の要部の断面図である。
図6】本実施例の要部の動作説明図である。
図7】本実施例の要部の動作説明図である。
図8】本実施例の要部の動作説明図である。
図9】本実施例の要部の動作説明図である。
図10】本実施例の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0021】
観賞壁面部1の正面側には観賞体50が設けられ、霧発生部2で発生した霧Mは観賞壁面部1の正面側に導出される。
【0022】
具体的には、霧発生部2では、水収納部5には水導入部3から水Wが導入され、この水Wに超音波発生部6から超音波の振動エネルギーを付与して霧Mが発生すると、この霧Mは、霧通過部7を通過して霧導出部8から観賞壁面部1の正面側に導出される。一方、水導出部4から導出された水Wは、観賞壁面部1の正面側には導出されない。
【0023】
つまり、観賞壁面部1の正面側には霧Mだけが導出され、それ以外の水分が観賞壁面部1の正面側に導出されない状態が得られることになり、従って、観賞壁面部1に設けられる観賞体50が美化され、また、この観賞体50が設けられる空間へ適度な水分を供給できることになる。
【0024】
具体的には、例えば観賞体50として陸上植物(熱帯植物)を採用した場合、その植物が生育する自然の雰囲気、即ち、熱帯雨林のような霧のかかった多湿な雰囲気を演出することができ、しかも、その植物の育成に適した量の水分を与えることができ、更に、その空間を加湿することができるなど、観賞壁面部1に霧Mだけを導出したいということが可能となる。
【実施例
【0025】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0026】
本実施例は、正面側に観賞体50が設けられた観賞壁面部1と、この観賞壁面部1の正面側に霧Mを導出させる霧発生部2とを備えた観賞装置Xである。
【0027】
尚、本実施例の観賞体50としては、本出願人が提案する特許第4628341号に開示される観賞水草体であったり、図1に図示したように基材50bに陸上植物50aが設けられたものや、木や岩などの植物観賞用レイアウトに使用される各種素材50cなどが採用される。その他、例えば樹脂や金属で出来た立体的な造形物であったり、絵や書などの平面的な造形物であっても良いのは勿論であり、また、観賞体50は観賞壁面部1に直接設けても所定距離を介した前方位置に設けても良く、要は観賞壁面部1の正面側に設けられる。
【0028】
具体的には、本実施例に係る観賞装置Xは、透明ケース体15と、この透明ケース体15内に設けられる観賞ユニット体18とで構成されている。
【0029】
透明ケース体15は、図1~3に図示したように適宜な透明部材(ガラス部材)製の底面板15a,正面板15b,左側面板15c,右側面板15d及び背面板15eから成り正面開口部15’及び上面開口部15”が連設状態に設けられたもので、更に、正面開口部15’を開閉する透明な正面開閉板15Aが設けられると共に、上面開口部15”を開閉する透明な上面開閉板15Bが設けられている。尚、本実施例では、正面板15bの高さが左側面板15c及び右側面板15dよりも低く設定されることで正面開口部15’が設けられ、透明ケース体15の下部には土や石や水などを配設し得る収納空間部15Sが設けられる。
【0030】
また、正面開閉板15Aは、左側面板15c若しくは右側面板15dのいずれか一方の前端部に水平回動自在に設けられている。
【0031】
具体的には、本実施例では、図1~3に図示したように正面開閉板15Aの左端部に合成樹脂製の取付部材19を設け、この取付部材19の上下両端部には凸部19aが設けられており、上部の凸部19aは、後述するガイド部材20の先端部に設けられた凹部20aに回動自在に嵌合し、下部の凸部19aは、左側面板15cの前端部と正面板15bとの連設部位に設けられる連結部材21に設けられた凹部21aに回動自在に嵌合する。
【0032】
従って、正面開閉板15Aは、左側面板15cの前端部に水平回動自在となり、例えば観賞体50の位置を変えたりメンテナンスしたい場合など、正面開閉板15Aを開放して行うことができる。
【0033】
符号22aは、正面開閉板15Aの上端部に設けられガイド部材20の先端部に設けられた金属薄板状の被磁着体22bに着磁して当該正面開閉板15Aの閉塞状態を保持する磁石(磁性体)である。
【0034】
また、上面開閉板15Bは、左側面板15c及び右側面板15dの上端部に前後スライド移動自在に設けられている。
【0035】
具体的には、本実施例では、図1~3に図示したように左側面板15c及び右側面板15dの上端部に合成樹脂製のガイド部材20を設け、このガイド部材20には凹段状のガイド部20bが設けられており、この左右のガイド部20bに上面開閉板15Bの左右端部をスライド移動自在(摺動自在)に載置して架設状態となるように構成されている。
【0036】
従って、上面開閉板15Bは、左側面板15c及び右側面板15dの上端部に前後スライド移動自在となり、霧Mが導出される透明ケース体15内の湿度を調整したり、透明ケース体15に納まりきらない大きさの観賞体50を外部に飛び出した状態で設けたりする場合など、上面開閉板15Bを適宜開閉して行うことができる。
【0037】
観賞ユニット体18は、図1~3に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で形成された矩形の箱状体18’を有し、この箱状体18’は透明ケース体15内に出し入れ自在に設けられている。
【0038】
また、箱状体18’の内部は仕切板18aにより仕切られた左右の空間部が設けられており、正面方向から見て右側の空間部には底部18bが設けられて水Wを収納し得るように構成されている。
【0039】
また、箱状体18’の上部には、上部開口部を閉塞する合成樹脂製の蓋体18cが設けられている。
【0040】
また、箱状体18’の正面板18dには、正面側に観賞体50が設けられる観賞壁面部1が設けられている。
【0041】
この観賞壁面部1は、図2,3に図示したようにその表面に所定長を有する断面円形の突起1aが複数設けられており、これら突起1a同士の間隔は観賞体50の基材50bを係止配設し得る適宜な間隔に設定されている。
【0042】
また、観賞壁面部1の上方中央位置には横孔が設けられ、この横孔は後述する霧発生部2から導出された霧Mを導出する霧導出部8として構成されている。
【0043】
また、本実施例は、観賞壁面部1の上方位置には、後述する霧発生部2から導出された霧Mを溜める霧溜め部16が設けられ、この霧溜め部16は、観賞壁面部1の巾方向に長さを有する凹所を設けて構成されている。
【0044】
具体的には、霧溜め部16は、図3,5に図示したように観賞壁面部1の表面から板体16’を上方傾斜状態に突設して構成されており、霧導出部8から導出された霧Mが溜められる。
【0045】
また、霧溜め部16には、該霧溜め部16の長さ方向に複数の排水孔部16aが並設されている。
【0046】
従って、霧溜め部16から観賞壁面部1に流下せずに霧Mの水粒が大きくなって溜まった水Wは各排水孔部16aから排水されて観賞壁面部1から収納空間部15Sまで流下する。
【0047】
また、観賞ユニット体18には、観賞壁面部1の正面側に導出させる霧Mを発生する霧発生部2が設けられている。
【0048】
具体的には、この霧発生部2は、図3~6に図示したように観賞壁面部1の背面側に設けられ水導入部3及び該水導入部3から導入された水Wを導出する水導出部4が設けられた水収納部5と、この水収納部5に設けられ水Wに超音波の振動エネルギーを付与して霧Mを発生する超音波発生部6とで構成されている。
【0049】
水収納部5は、箱状体18’を正面方向から見て右側の空間部にして観賞壁面部1の背面側上部中央位置に設けられ、正面板5aと左右の側板(側板5b及び仕切板18a)と底板5cと箱状体18’の背面板18cとから成る上部開口部を有する構成であり、その上部開口部は蓋体18”により閉塞し得るように構成されている。
【0050】
また、水収納部5の側板(仕切板18a)の上端部には、後述する管状の水搬送部12の上端部を配して水導入部3が設けられている。
【0051】
また、水収納部5には、その上部空間が霧導出部8に連通する霧通過部7として構成されている。
【0052】
従って、水収納部5で発生した霧Mが霧通過部7を通過して霧導出部8から観賞壁面部1の正面側に導出される。
【0053】
また、水収納部5の正面板5aの上方位置にして前述した霧通過部7及び霧導出部8よりも下方位置には多数のスリットから成る水導出部4(オーバーフロー部)が設けられている。
【0054】
従って、この水導出部4により水導入部3から水収納部5へ導入される水Wの量が所定量に維持される。
【0055】
また、この水導出部4には、該水導出部4から導出したオーバーフロー水W’を落下通過させるオーバーフロー水通過部9が併設されている。
【0056】
具体的には、水収納部5の正面板5aは観賞壁面部1の背面と所定間隔を介した位置に設けられ、つまり、水収納部5と観賞壁面部1との隙間が形成されており、水導出部4から水収納部5の外部へ排出されたオーバーフロー水W’が落下通過するように構成されている。
【0057】
従って、水導出部4から導出された水W(オーバーフロー水W’)はオーバーフロー水通過部9を落下通過して観賞壁面部1の正面側に導出されることはない。
【0058】
また、水収納部5には、水Wに超音波の振動エネルギーを付与して霧Mを発生する公知構造の超音波発生部6が設けられている。
【0059】
また、観賞壁面部1の背面側後方位置には、オーバーフロー水通過部9を落下通過した水W(オーバーフロー水W’)を回収する水溜め部10が設けられ、この水溜め部10に溜まった水Wをポンプ部11を介して水導入部3に搬送する管状の水搬送部12が設けられている。
【0060】
従って、観賞ユニット体18内を水Wが循環している。
【0061】
また、本実施例では、水溜め部10にしてオーバーフロー水通過部9の下方位置には、オーバーフロー水通過部9を落下通過した水W(オーバーフロー水W’)を濾過する濾過材17が設けられている。
【0062】
従って、観賞ユニット体18内を循環する水W(霧M)は可及的に綺麗な状態が維持される。
【0063】
また、観賞壁面部1の下端部には、箱状体18’を正面方向から見て左側の空間部に連通する貫通孔部13が設けられ、この貫通孔部13は、収納空間部15Sに溜まった水Wが通過するように構成され、更に、観賞壁面部1の背面側にして箱状体18’を正面方向から見て左側の空間部には吸水性素材(スポンジ)から成る吸水部14が設けられている。
【0064】
従って、観賞壁面部1の正面側へ導入された霧Mは、観賞体50に付着するなどしていずれ水滴が大きくなり収納空間部15Sに溜まるが、この収納空間部15Sの水Wは貫通孔部13を通過して観賞壁面部1の正面側から背面側へ流れ、その後、吸水部14で吸水されて回収される。
【0065】
本実施例は上述のよう構成したから、観賞壁面部1の正面側には観賞体50が設けられ、霧発生部2で発生した霧Mは観賞壁面部1の正面側に導出される。
【0066】
具体的には、霧発生部2では、水収納部5には水導入部3から水Wが導入され、この水導入部3から導入された水Wは水収納部5が所定の水量以上になると水導出部4から導出される。
【0067】
この状態で、水収納部5の水Wに超音波発生部6から超音波の振動エネルギーを付与して霧Mが発生すると、この霧Mは、霧通過部7を通過して霧導出部8から観賞壁面部1の正面側に導出され、一方、水導出部4から導出された水W(オーバーフロー水W’)は、オーバーフロー水通過部9を落下通過して観賞壁面部1の正面側には導出されない。
【0068】
従って、本実施例のように、観賞体50として陸上植物(熱帯植物)を採用した場合、その植物が生育する自然の雰囲気、即ち、熱帯雨林のような霧のかかった多湿な雰囲気を演出することができ、しかも、その植物の育成に適した量の水分を与えることができ、更に、その空間を加湿することができるなど、観賞壁面部1に霧Mだけを導出したいということが可能となる。
【0069】
また、本実施例は、観賞壁面部1の背面側には、水導出部4から導出された水Wを回収する水溜め部10が設けられ、この水溜め部10に溜まった水Wをポンプ部11を介して水導入部3に搬送する水搬送部12が設けられているから、装置内を水Wが循環することで可及的に止まった水Wを作ることなく装置内の水Wが傷むのを抑制することができる。
【0070】
また、本実施例は、観賞壁面部1の背面側には、水導出部4から導出された水Wを濾過する濾過材17が設けられているから、装置内を綺麗な水Wが循環することになる。
【0071】
また、本実施例は、観賞壁面部1の下端部には貫通孔部13が設けられ、観賞壁面部1の背面側には、貫通孔部13を通過して観賞壁面部1の正面側から背面側へ流れた水を吸水する吸水部14が設けられているから、装置内で発生する不要な水Wを簡易且つ確実に回収することができる。
【0072】
また、本実施例は、観賞壁面部1は、夫々透明な底面板15a,左側面板15c,右側面板15d及び背面板15eから成る透明ケース体15内に設けられており、正面開口部15’には該正面開口部15’を開閉する透明な正面開閉板15Aが設けられ、また、上面開口部15”には該上面開口部15”を開閉する透明な上面開閉板15Bが設けられているから、インテリア性だけでなく、使い勝手に秀れたものとなる。
【0073】
また、本実施例は、正面開閉板15Aは、水平回動することで正面開口部15’を開閉するように構成されているから、前述した作用効果を確実に奏することになる。
【0074】
また、本実施例は、上面開閉板15Bは、前後スライド移動することで上面開口部15”を開閉するように構成されているから、前述した作用効果を確実に奏することになる。
【0075】
また、本実施例は、観賞壁面部1の正面には巾方向に長さを有する凹状の霧溜め部16が設けられ、この霧溜め部16には前記霧導出部8から導出される霧Mが溜められるように構成されているから、霧Mを観賞体50へ良好に導出することができる。
【0076】
また、本実施例は、霧溜め部16は、観賞壁面部1の正面から板体16’を上方傾斜状態で突設して構成されているから、前述した作用効果を確実に奏することになる。
【0077】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0078】
M 霧
W 水
1 観賞壁面部
2 霧発生部
3 水導入部
4 水導出部
5 水収納部
6 超音波発生部
7 霧通過部
8 霧導出部
10 水溜め部
11 ポンプ部
12 水搬送部
13 貫通孔部
14 吸水部
15 透明ケース体
15’ 正面開口部
15” 上面開口部
15A 正面開閉板
15B 上面開閉板
15a 底面板
15c 左側面板
15d 右側面板
15e 背面板
16 霧溜め部
16’ 板体
17 濾過材
50 観賞体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10