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特許7193868矩形フィルタ、アセンブリ、および濾過のための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】矩形フィルタ、アセンブリ、および濾過のための方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 29/07 20060101AFI20221214BHJP
   B01D 19/00 20060101ALI20221214BHJP
   B01D 39/16 20060101ALI20221214BHJP
   B01D 39/18 20060101ALI20221214BHJP
   B01D 39/20 20060101ALI20221214BHJP
   B01D 46/52 20060101ALI20221214BHJP
   B01D 17/025 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
B01D29/06 510A
B01D19/00 G
B01D39/16 A
B01D39/18
B01D39/20 B
B01D39/20 D
B01D39/20 A
B01D46/52 C
B01D17/025
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019566055
(86)(22)【出願日】2018-02-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-26
(86)【国際出願番号】 US2018019009
(87)【国際公開番号】W WO2018156621
(87)【国際公開日】2018-08-30
【審査請求日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】62/462,327
(32)【優先日】2017-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519303531
【氏名又は名称】フィルトレーション テクノロジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100187964
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ハリス,ジェームス,ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,タイラー,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ウォレイス,クリストファー,ディー.
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0290116(US,A1)
【文献】特開2009-214063(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0079798(US,A1)
【文献】米国特許第04129429(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0314225(US,A1)
【文献】西独国特許出願公告第1019913(DE,B)
【文献】特開平08-000903(JP,A)
【文献】特表2000-508581(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0075123(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 17/00-17/12、19/00-19/04、
24/00-37/08、46/00-46/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタ要素であって、
a)頂部および底部が互いに平行で、前記頂部と前記底部との間の長辺が、前記底部が前記頂部よりも広くなるよう張り出ている、台形状のプリーツ型フィルタ媒体と、
b)前記頂部から前記底部へ延びる前記台形の内側の前記プリーツ型フィルタ媒体によって作り出される中央空隙と、
c)前記フィルタ要素の頂部の矩形の外形を維持した、前記プリーツ型フィルタ媒体の前記頂部において前記プリーツ型フィルタ媒体に固定された、硬質で概ね矩形である頂部キャップと、
d)前記プリーツ型フィルタ媒体の前記中央空隙と連通する中央開口部を伴う、前記プリーツ型フィルタ媒体の前記底部に固定された、概ね矩形の底部キャップと
を備え、
e)前記底部キャップは、前記プリーツ型フィルタ媒体の張出し部を収容するために、より長い矩形であり、
前記中央空隙への前記中央開口部は、前記頂部キャップ上にあり、底部キャップは硬質である、前記フィルタ要素。
【請求項2】
前記プリーツ型フィルタ媒体は、自然媒体、合成媒体、セラミック媒体、ガラス媒体、および金属媒体の群から選択される、請求項1に記載のフィルタ要素。
【請求項3】
フィルタアセンブリであって、
a)フィルタハウジングと、
b)前記フィルタハウジングへの、液体の入口と、
c)前記フィルタハウジングの内側外周に封止可能に固定された、分離プレートと、
d)前記フィルタハウジングに囲まれた、複数の矩形形状のフィルタであって、前記矩形形状のフィルタの各々は、前記液体の入口を通じて前記フィルタハウジングに入る濾過される液体に触れる外面を有するプリーツ型フィルタ媒体によって取り囲まれた中央空隙と、硬質の頂部キャップと、底部キャップとを有し、前記底部キャップは、前記頂部キャップから前記底部キャップへ延びた前記プリーツ型フィルタ媒体における前記中央空隙と連通するために、前記底部キャップに配置された開口部を伴う、前記複数の矩形形状のフィルタと
を備え、
e)各矩形形状のフィルタの前記底部キャップは、封止部材とともに、前記分離プレートの開口部の各々に取り外し可能に取り付けられており、前記封止部材は、前記濾過される液体が、前記底部キャップの前記開口部を通じて、前記プリーツ型フィルタ媒体の前記外面から前記矩形形状のフィルタの前記中央空隙内へ入り、その後前記濾過される液体が、前記分離プレートの前記開口部を通過するように、液体の迂回を防ぎ、前記封止部材は、ガスケット封止部または押し込み式のOリングであり、
f)チャンバが、前記フィルタハウジングの前記分離プレートの下方に設けられ、濾過された清浄な液体を集め、
g)前記分離プレートの下方の前記フィルタハウジングからの、清浄な液体の出口を備え、
前記フィルタアセンブリは、前記矩形形状のフィルタの各々の前記中央空隙の各々の内側に、孔が開けられた支持体をさらに備え、前記孔が開けられた支持体は、前記分離プレートの前記開口部に対応するように前記分離プレート上に取り付けられている、前記フィルタアセンブリ。
【請求項4】
前記矩形形状のフィルタは、フィルタの底部に向かって増加する断面積を有し、概ね台形形状である、請求項3に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項5】
各前記矩形形状のフィルタの前記頂部キャップ上にハンドルをさらに備える、請求項3に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項6】
前記フィルタハウジングは概ね円筒形であり、前記分離プレートは、前記ハウジングの内側に取り付けられ、概ね円形である、請求項3に記載のフィルタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
先行関連出願
本出願は、その全体が本明細書に組み込まれる、2017年2月22日に出願された米国仮特許出願第62/462,327号の優先権を主張する。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究の記載
該当なし。
【0003】
本開示は、一般に矩形形状のフィルタ、フィルタハウジング内の矩形形状のフィルタのアセンブリ、および濾過の方法に関する。矩形フィルタは、台形形状とすることもできる。矩形形状のフィルタ媒体は、高い効率の濾過ならびに簡単な交換が可能な、プリーツ型媒体であってよい。矩形形状のフィルタを使用して、多くのタイプの流体および流体混合物を濾過することができる。
【背景技術】
【0004】
一般的に産業濾過システムは、対応するフィルタハウジング内に配置されたカートリッジフィルタを備え、濾過される流体(流入液)は、ごみ、汚染物質、および粒子を取り除くために、フィルタハウジングおよびフィルタ要素の中に導入される。これらのカートリッジフィルタは、一般的に中空コアを伴う円筒形形状を有する。流入液は、中空コアに供給され、カートリッジフィルタの媒体を通過して外方向に(内側から外側へ)流れるか、または流入液はフィルタの外側からコアの中に(外側から内側への流れ)流れるかのいずれかであり、ごみ、汚染物質、および粒子を、媒体の表面に残す。プリーツ型媒体の円筒形のカートリッジフィルタは、製造と使用が容易であるが、フィルタハウジングの内側空間を効果的に利用していない。
【0005】
したがって、同じサイズのフィルタハウジングで濾過できる流体の体積を増加させるため、または同じもしくはより大きい流体の体積を、より小さいハウジングで濾過できるフィルタシステムを提供するための、新しいフィルタ要素、および対応するフィルタ構成が必要とされる。新しいアセンブリは、共通に使用される円筒形フィルタハウジングに設置することができるが、矩形フィルタを収容する、方形または矩形のフィルタハウジングなどの、異なる形状のフィルタハウジングを用いて使用することができる。新しいアセンブリおよび方法を、液体/気体の分離、および液体/液体の分離のために、集滴プロセスに同様に使用することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、概ね矩形形状のフィルタまたは集滴要素、複数の矩形形状のフィルタを伴うアセンブリ、および複数の矩形形状のフィルタを使用して濾過する方法のためにある。1つの実施形態において、矩形形状のフィルタは全体的に、矩形形状の頂部キャップ、矩形形状の底部キャップ、および頂部キャップと底部キャップとの間に延びるフィルタ媒体から成る。フィルタ媒体は、プリーツ型、または非プリーツ型の深層媒体であってよい。プリーツ型(pleated)フィルタ媒体は、プリーツとして折られた単一のシートのフィルタであってよく、プリーツの内側に中央空隙を提供する。プリーツ型媒体は、所望のフィルタに依拠して、同じまたは異なる材料の複数層を有し得る。2列のプリーツが、矩形の長辺に沿って形成される。矩形の短端部において、1層の非プリーツ型媒体または小さいプリーツが存在し得る。矩形に配置されたプリーツ型媒体は、中央空隙を作り出す。底部キャップは、プリーツ型媒体によって作り出された中央空隙と連通する中央出口を有する。フィルタ支持体も、中央空隙の内側内に設けることができ、フィルタ要素の長手方向の一体性を維持する。この支持体は、好ましくは硬質材料で作られる。フィルタ支持体に孔を開けて、プリーツ型媒体によって作り出された空隙の内側に流体を流すことができる。個々のフィルタ要素をより容易に挿入/取り外すため、頂部キャップはハンドルも有することができ、ハンドルは頂部キャップ上で折り畳むことができる。
【0007】
矩形形状のフィルタ要素は、概ね矩形形状を有し、より好ましくは、フィルタ要素は互いに平行な台形の頂部および底部の短い辺と、張出し部(flare)を収容するためにキャップのうちの一方が他方よりも長くなるよう、より長く張り出している辺と、を有する台形形状である。本明細書において、フィルタ要素は矩形と称されるが、この用語は台形形状を含む。
【0008】
本発明は、フィルタハウジング(容器とも称される)の中で用いられる複数の矩形形状のフィルタ要素を利用する、フィルタアセンブリも含む。フィルタハウジングは、一般に円筒形であるが、矩形フィルタを収容することになる、方形または矩形のフィルタハウジングなどの異なる形状のフィルタハウジングと共に使用される。本説明は、一般の円筒形ハウジングを参照することになるが、当業者に知られている他の形状も使用されてよい。複数の矩形形状のフィルタ要素は、フィルタ要素の周り、およびフィルタ要素間の流体の流れのための空間を有するフィルタハウジングの内側に、コンパクトに配置される。
【0009】
フィルタ要素は、フィルタハウジングの内側の濾過面積を最大化するよう配置され、それはフィルタ容量、すなわちフィルタが所与の時間に濾過できる流体量も増加させる。フィルタハウジングは、複数の矩形形状のフィルタ要素を含有するハウジングの中に流体を入れるための、流体の入口を有する。分離プレートが、フィルタハウジングの内側外周に封止可能に固定されるよう、フィルタハウジングの内側に提供される。フィルタレシーバは分離プレートに取り付けられ、矩形形状のフィルタ要素はフィルタレシーバに挿入されるか、または他の方法で固定される。フィルタレシーバは、底部キャップの開口部と連通する開口部も有する。分離プレートは、フィルタレシーバの開口部と連通する複数の開口部を有する。支持体は、フィルタレシーバに取り付けられて、矩形形状のフィルタの中央空隙からの流体の流れを阻害することなく、各矩形形状のフィルタの中央空隙の中に延び、分離プレートの開口部を貫通する。
【0010】
矩形形状のフィルタは、フィルタ媒体を囲むメッシュを含んでよい。汚れた流体は、流体の入口を通してフィルタハウジングの中に導入される。次にこの流体は、フィルタ媒体を通過して矩形形状のフィルタの中央空隙に入り、濾過された流体は、底部キャップの開口部、および分離プレートの対応する開口部を通過する。チャンバが、フィルタハウジングの分離プレートの下方に設けられ、濾過された清浄な流体を集める。フィルタハウジングの清浄な流体の出口は、このチャンバに配置され、濾過された流体を集めてフィルタハウジングから清浄な流体を取り出すのを可能にする。この実施形態は、外側から内側への流れに使用される。
【0011】
本発明の更なる実施形態は、内側から外側への流れのための矩形形状のフィルタの使用である。フィルタハウジングは、汚れた流体のためのフィルタ入口を有する。矩形形状のフィルタは、分離プレートの下に取り付けられる。この実施形態において、矩形形状のフィルタは、開口部を伴う矩形の頂部キャップと、矩形で硬質の底部キャップと、頂部キャップの下から底部キャップまで延び、頂部キャップの開口部と連通する中央空隙を伴うフィルタ媒体と、を有する。分離プレートは、矩形フィルタの長さを収容するよう、フィルタハウジングの底部から離される。分離プレートは、フィルタアセンブリにおけるフィルタハウジングの内側外周に封止可能に固定され、分離プレートには、分離プレートの上に延びる頂部キャップを伴う矩形形状のフィルタを、所定の箇所に受け入れかつ固定するための開口部が設けられる。この頂部キャップにおける開口部は、濾過する流体を受け入れ、それによって流体は矩形形状のフィルタの中央空隙の中を通り、媒体を介して、分離プレートの下方のフィルタハウジングの中に入る。清浄な流体は、フィルタハウジングの分離プレートの下方において、矩形フィルタ要素の外側のフィルタハウジングに集まる。出口が、分離プレート下方のフィルタハウジングに設けられ、清浄な流体を取り出す。フィルタは、使用中にフィルタの一体性を維持するために、バスケットによって取り囲まれてよい。バスケットは分離プレートの底部から延び、矩形形状のフィルタを受け入れるようサイズが決められる。
【0012】
本発明の追加の実施形態は、集滴プロセスによって液体から気体を分離する際の、矩形形状の要素の使用である。ハウジングは、気体と液体との混合物を入れるため、底部の近くに入口を有する。ハウジングは、ハウジングの内側壁に封止可能に取り付けられた、分離プレートを有する。分離プレートには開口部が存在する。開口部は、好ましくは矩形形状で分離プレートの頂部に取り付けられた、複数の中空竪管と連通する。複数の矩形形状の集滴要素は、中空竪管の頂部に取り付けられ、底部キャップおよび硬質の頂部キャップにおいて開いている中央空隙を有する。気体/液体の混合物はハウジングを通り、分離プレートの開口部を通り、中空竪管を貫通して、空隙を介して集滴媒体に入る。次に気体はハウジングの頂部まで上昇し、出口を通して集められる。液体はハウジング内の分離プレートの上に残り、排出されるか、必要であれば集められることができる。本発明は、本明細書で説明する気体/液体の分離方法も含む。
【0013】
本発明の更なる実施形態は、フィルタアセンブリである。フィルタアセンブリは、重力の助けを得て重い流体と軽い流体との混合物を分離するために、水平に配置されたフィルタハウジングの長軸方向で操作され得る。流体の入口は、ハウジングの内側外周に封止可能に固定された分離プレートを伴う、フィルタハウジングに配置される。複数の矩形形状の集滴装置は、分離プレートに取り付けられ、ハウジング内に囲まれる。矩形形状の集滴装置の各々は、媒体に取り囲まれた中央空隙と連通する開口部を伴う、キャップを有する。キャップは、キャップの開口部と連通し、さらに媒体の空隙と連通する開口部を有する、分離プレートに取り付けられる。硬質のキャップは、分離プレートに取り付けられた端部とは反対側の、矩形形状のフィルタの端部にある。分離される流体は、分離プレートの開口部および分離プレートに取り付けられた集滴要素のキャップを通過して、矩形形状のフィルタの中央空隙に入る。次に流体混合物は、媒体を通過する。流体混合物は、分離プレートの入口とは反対側のフィルタハウジングに集められる。より軽い流体は、フィルタハウジングの頂部に浮遊し、より重い流体はフィルタハウジングの底部に沈降する。フィルタハウジングには、より軽い流体を集めるために頂部に出口が設けられ、より重い流体を集めるために底部に出口が設けられる。関連した別の実施形態は、上記で説明した気体/液体の分離設計と同様の竪管を伴う、垂直ハウジングを利用する。より軽い液体はハウジングの頂部に集められ、一方でより重い液体は、分離プレートの上で竪管の周りに沈降し、集められる。本発明は、本明細書で説明する液体/液体の分離方法も含む。
【0014】
本発明は、濾過する流体を、複数の矩形形状のフィルタを伴うフィルタハウジングの中に導入することによって、流体を濾過する方法も含む。まず流体を、矩形形状のフィルタのフィルタ媒体を通過させ、フィルタ媒体の中に設けられた中央空隙の中に入れる。さらに、各矩形形状のフィルタの中央空隙から、濾過された流体をフィルタハウジングの分離チャンバに集め、フィルタハウジングから濾過された流体を取り出す。あるいは、フィルタハウジングの中に導入された流体を、矩形形状のフィルタの各々に配置された中央空隙の中に導入し、さらに空隙を取り囲む媒体層に通過させることができる。流体は、フィルタハウジングの分離チャンバに集められ、取り出される。
【0015】
本明細書で使用する「流入液」または「汚れた流体」は、フィルタに導入されてフィルタによって濾過される流体を意味する。
【0016】
本明細書で使用する、「内側から外側への流れ」は、フィルタの内側からフィルタの外側に流れる流体を意味し、「内側から外へ」または「内側から外」と交換可能に使用できる。
【0017】
本明細書で使用する、「外側から内側への流れ」は、フィルタの外側からフィルタの内側に流れる流体を意味し、「外側から内へ」と交換可能に使用できる。
【0018】
本明細書で使用する、「流出物」または「清浄な流体」は、すでにフィルタ媒体を通過した濾過された清浄な流体を意味する。
【0019】
単語「1つ(a)または(an)」の使用は、特許請求の範囲または明細書の中で用語「備える(comprising)」と共に使用するとき、文脈が別途規定しない限り、1つ以上を意味する。
【0020】
用語「約(about)」は、測定の方法が示されない場合、記載した値プラスマイナス測定許容誤差、またはプラスマイナス10%を意味する。
【0021】
特許請求の範囲での用語「または(or)」の使用は、代替物のみを指すよう明示的に示されない限り、または代替物が互いに排他的でない限り、「および/または(and/or)」を意味するよう使用される。
【0022】
用語「備える(comprise)」、「有する(have)」、「含む(include)」、および「含有する(contain)」(ならびにそれらの変化形)は、オープンエンドでリンクする動詞であって、請求項で使用されるときは、他の要素の追加が可能である。
【0023】
フレーズ「から成る(consisting of)」は閉じられており、全ての追加の要素を排除する。
【0024】
フレーズ「から実質的に成る(consisting essentilally of)」は、追加の材料要素を排除するが、本発明の性質を大幅に変えない非材料要素を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1Aは、本発明の矩形形状のフィルタ要素の、概略斜視図である。図1Bは、孔が開けられた支持体を見せるために、プリーツ型フィルタ媒体を切り取った、切取断面図である。図1Cは、フィルタ要素の幅が底部に向かって徐々に増加する、台形形状のフィルタ要素を示す、好ましい実施形態の側面図である。
図2図2Aは、示したプリーツ型フィルタおよび底部キャップを伴う、本開示の矩形形状のフィルタ要素の底部断面図である。図2Bは、矩形形状のフィルタ要素の、底部キャップの底面図である。図2Cは、矩形形状のフィルタおよび底部キャップの下端部の、部分的な垂直断面図である。
図3-1】図3Aは、フィルタハウジング内に配置された複数の矩形形状のフィルタを伴うフィルタシステムの斜視図である。
図3-2】図3Bは、フィルタハウジングの中を覗いて見た、フィルタアセンブリの上面図である。図3Cは、出口を示す、分離プレートの上面図である。図3Dは、本発明よりも少ない出口を示す、従来のフィルタアセンブリにおける分離プレートの上面図である。
図4-1】図4Aは、外側から内への濾過のための濾過の流れを示す、部分的断面図である。図4Bは、例としての台形形状のフィルタ要素を伴う、流体の流れの断面図である。
図4-2】図4Cは、孔が開けられた支持体の図である。
図5図5Aは、流れの方向が外側から内側である、フィルタハウジングの内側における台形形状のフィルタ要素の概要図である。図5Bは、フィルタを示す図5Aのフィルタの、フィルタハウジング内における長手方向の断面図である。
図6-1】図6Aは、内側から外側への流れ方向を示す、フィルタアセンブリの概要図である。図6Bは、図6Aで示した内側から外へのフィルタハウジングの、長手方向の断面図である。
図6-2】図6Cは、内側から外側への流れ方向に使用される、矩形形状のフィルタの図である。
図7図7Aは、支持構造を示すために1つの集滴装置の一部を取り除いた、気体-液体の分離アセンブリの概要図である。図7Bは、図7Aで示した分離器のハウジングを通じた、長手方向の断面図である。
図8】液体の混合物を集滴するのに使用される、液体分離アセンブリの断面図である。
図9図9A、Bは、18インチの径の容器内の、円筒形フィルタおよび矩形フィルタの使用を比較する図である。
図10図10A、Bは、30インチの径の容器内の、円筒形フィルタおよび矩形フィルタの使用を比較する図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示は、新規の矩形形状のフィルタ要素、およびより効果的な濾過を実現するため、円筒形フィルタハウジング内における複数の矩形形状のフィルタの使用のためのものである。矩形形状のフィルタ要素は、本明細書でさらに説明するように、外側からの内の流れ、内側から外の流れ、液体と気体との分離、および液体の混合物の分離に使用することができる。矩形形状のフィルタを、標準サイズの円筒形フィルタハウジングに使用することができるが、任意の所望のサイズに製造することもできる。本明細書で示すフィルタのサイズは、例示目的である。円筒形フィルタを収容するために製造されるフィルタハウジングを、複数の矩形形状のフィルタ要素を収容するために改良することができる。本発明で示すような、追加の分離プレートを改良して、矩形形状のフィルタを収容することができ、外側から内側への流れ、および内側から外側への流れのための、円筒形フィルタの分離プレートの上に設置される。内側から外側への流れのため、矩形形状のフィルタは、以下で示すように分離プレートの下方に取り付けられる。
【0027】
本発明のアセンブリおよび方法の詳細な説明は、図面を参照して成され得る。図面も例示であり、必ずしも縮尺に則っていない。本発明で使用される矩形形状のフィルタのサイズは、必要に応じて所望のサイズとすることができる。以下の例は、例示のみが意図され、添付の特許請求の範囲を必要以上に限定しない。
【0028】
図1Aは、本開示の矩形形状のフィルタ要素100の概略斜視図である。矩形形状のフィルタ要素100は一般に、頂部キャップ111、底部キャップ121、および頂部キャップ111から底部キャップ121へ延びる媒体101から成る。頂部キャップ111には、キャップの頂部に折り畳むことができるハンドル126が設けられ、設置する矩形形状のフィルタのために、よりコンパクトな外形(profile)を提供する。フィルタ媒体101は、濾過面積および濾過容量を増加させるために、好ましくはプリーツ型である。媒体には、媒体に取り囲まれた中央空隙が存在する(図1Aでは示さず)。矩形形状のフィルタは、(図3Aに示すように)分離プレート205上で矩形形状のフィルタレシーバ208の中に取り付けられる。矩形形状のフィルタレシーバ208は、底部キャップの出口コネクタ125を受け入れるための、分離プレートから上方に延びるリップ部を有する。
【0029】
フィルタまたは集滴媒体の材料は限定されず、濾過または集滴のタイプに依拠して個別調整することができる。媒体はセルロースのプリーツ型媒体、他の自然媒体、または限定でないが、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、PTFE、PPS、ECTFE、およびPVDFを含む、合成媒体であってよい。プリーツ型媒体は、濾過または分離の必要性に依拠して、1層の材料または多層の異なる材料であってよい。非プリーツ型の深層媒体のポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、PTFE、PPS、PVDF、ECTFE、セルロース繊維、ガラス繊維、ならびに織金網およびセラミック媒体を含む、他のタイプの媒体を使用することができる。フィルタ媒体は、1回使用の使い捨てか、または洗浄後に再使用可能であってよい。本発明は、矩形形状のフィルタまたは集滴装置に使用される任意のタイプの媒体に限定されない。
【0030】
次に参照する図1Bは、矩形形状のフィルタの切取断面図である。頂部キャップおよび底部キャップは、媒体にしっかりと装着される。頂部キャップのリップ部112は、媒体の外側頂縁部を囲み、内側リップ部113は、媒体の内側頂縁部を囲み、かつ固定する。底部キャップのリップ部122は、媒体の外側底縁部を囲み、底部キャップの内側リップ部124は、媒体の内側底縁部を囲む。加えて、媒体は確実に容器に入れられ、熱接合され、接着されるか、または他の方法でリップ部間の頂部キャップおよび底部キャップにしっかりと装着される。図1Bは、底部キャップの出口コネクタ125の断面も示す。出口コネクタ125は、フィルタレシーバ208の中に挿入され、次に分離プレート(図1Bには図示せず)上に取り付けられる。Oリング130をフィルタレシーバ208の底部に設けて、分離プレートとの確実な封止を提供できる。他の固定装着具も同様に使用できる。
【0031】
媒体は中央空隙105を有する。中央空隙105は、中央空隙の各側に示されるフィルタ媒体101の層と共に、切取図で示される。好ましい実施形態において、フィルタ要素の物理的な一体性を維持すること、ならびに空隙内の濾過された流体の流れ経路を提供することの両方のため、好ましくは孔が開けられた支持体103は、媒体101の中央空隙105の中に挿入される。孔が開けられた支持体103は、以下で説明するように、好ましくはフィルタハウジングの内側に取り付けられる。孔が開けられた支持体103は、プリーツ型フィルタ媒体内の総重量および圧力を支持するため、任意の硬質かつ軽量の材料で作ることができる。非限定の例として、プラスチック、金属、およびセラミックが挙げられる。
【0032】
孔が開けられた支持体103の形状は、テーパー付き、すなわちサイズが底部に向けて徐々に増加してもよい。このテーパーが付いた支持体の利点は、フィルタ要素の取り外しが容易であることである。なぜなら、頂部キャップに設けられたハンドルを使用して、ユーザがフィルタ要素を引き上げてフィルタハウジングから取り出すとき、フィルタ要素の内側が支持体103に干渉する可能性が小さいからである。
【0033】
本開示の矩形形状のフィルタ要素100の好ましい実施形態を示す、図1Cを参照する。図1Cに示すように、矩形形状のフィルタ要素100は台形形状の側部外形を有し、すなわち断面積が頂部から底部へ増加する。出口コネクタ125が、底部キャップ121から延出して示される。また、Oリング425が、出口コネクタ125の外周に設けられ、矩形形状のフィルタを、フィルタレシーバ208の所定の位置に固定するために使用される。
【0034】
矩形形状のフィルタ要素は、円形フィルタ要素によって作り出されるデッドスペースを、効果的に減少させる。加えて、台形形状によって、より容易なフィルタ要素の挿入/取り出しを可能にする。適切に機能させるために、フィルタ要素の特定の向きが求められる場合、矩形形状は、容易に列に整合させることもできる。
【0035】
図2Aは、プリーツ型媒体および底部キャップを示す矩形形状のフィルタ要素の、底部近くにおける水平方向の断面図である。好ましい実施形態において、フィルタ媒体101には中央空隙105の周りにプリーツが付けられ、濾過された流体がプリーツ型媒体を貫通して流れ、底部キャップ121に配置された開口部123から空隙の中へ出るのを可能にする。この断面において、プリーツ型フィルタ媒体101が、中央の周りに連続して折り畳まれた単一のシートの1つのフィルタ媒体で、濾過された流体が流れる内部空隙105を形成し、底部キャップの開口部123を通ってフィルタ要素を出る前に流体が空隙105の内側に集まることが、確認できる。底部キャップの外側リップ部が122に示され、内側リップ124が示されて、それらは媒体101の端部を囲む。プリーツ型媒体は、矩形形状の頂部キャップから矩形形状の底部キャップまで、矩形の長辺の2列のプリーツ101aおよび101b、ならびに101aと101bを接続する短辺の媒体層101cおよび101dを伴って延び、プリーツの内側に概ね中央の空隙105を作り出す。内側リップ部124が、この図に示される。頂部キャップ111および底部キャップ121は、フィルタ要素の矩形形状を維持する。加えて、メッシュ(図示せず)がフィルタ媒体を囲み、概ね矩形形状に維持することができる。メッシュは、ポリマー材料、または濾過される流体と接触するときにその一体性を維持することになる、他の材料で作ることができる。
【0036】
開口部123が、底部キャップ121に設けられる。開口部123は、中央空隙105と連通する。底部キャップの開口部は、底部キャップから延びる出口コネクタ125によって画定される。孔が開けられた支持体の外形(profile)は、簡単に設置できるよう、出口コネクタ125の開口部および開口部123よりも小さい。
【0037】
底部キャップ121の内側および開口部123の斜視図を、媒体を伴わずに示す、図2Bを参照する。内側リップ部124が、開口部123を画定して示される。
【0038】
図2Cを参照し、本開示の矩形形状のフィルタ要素の底部セクションにおける部分的断面図を示す。この図は、プリーツ型フィルタ媒体101が、いかにして底部キャップ121と連結するかを示す。リップ部122が底部キャップに設けられ、媒体の外側の低縁部を囲む。リップ部124が底部キャップに設けられ、媒体の内側の低縁部を囲む。出口コネクタ125が、底部キャップから延びて示される。Oリング425が、出口コネクタ125の外周に設けられ、矩形形状のフィルタをフィルタレシーバ208の所定の位置に固定するために使用される。
【0039】
図3Aは、点線で示された円筒形フィルタハウジング201の内側における、複数の矩形形状のフィルタ100のアセンブリの斜視図を示す。一般的にフィルタハウジングは、頂部(図示せず)および分離プレート205も含むことに留意されたい。(以下の図3C図3Dでさらに説明する。)図3Aに示すように、フィルタ要素100は並べて配置され、好ましくはそれによって、ハウジングおよび個々のフィルタ要素の両方のサイズに依拠して、フィルタハウジングの内側の濾過面積を最大にする。各フィルタ要素100は頂部キャップ111を有し、各々の頂部には、折り畳むことができるハンドル126がある。ハンドル126は、特にフィルタが長時間使用され、ごみがフィルタに溜まってフィルタ要素の重量に加わるときに、挿入/取り外しを容易にするために使用される。ハンドル126は、個々の矩形形状のフィルタ100を取り外すのを容易にする。底部キャップ121が、フィルタレシーバ208に挿入されて示される。
【0040】
図3Aで見られるように、各フィルタ要素の外形(profile)は、フィルタハウジング内のデッドスペースが複数の矩形形状のフィルタを含んで最小に保たれるよう、設計される。フィルタ要素によって占有されない空間は、汚れた流体がハウジング内を流れるのを可能にするが、望ましくない乱流を作り出さない。またこの構成は、プリーツ型フィルタ媒体を伴う新規の構成を伴う各矩形形状のフィルタ要素によって提供される濾過面積を最大にする。
【0041】
任意の2つの隣接したフィルタ要素100の間に空間があり、濾過されていない流体がフィルタ媒体101を流れ抜けるのを可能にする。頂部キャップ111および底部キャップ121は、流体がフィルタ媒体101の長手方向軸を通過するのを妨げない。テーパーが付いた形状または台形形状は、乱流を作り出すことなく、全ての媒体への流れ経路を提供するのに役立つ。
【0042】
図3Bは、ハウジングの内側に配置されて並んだ矩形形状のフィルタ要素を示す、上面図である。このコンパクトで密な嵌め方は、最大の濾過容量、およびデッドスペースを最小に保つことを可能にする。
【0043】
図3Cおよび図3Dは、本開示の分離プレートと、従来の円形形状のフィルタ要素に使用されるプレートとの間の比較を示す。図3Cは、分離プレートにおける矩形の開口部を示し、その一方で図3Dは、円形フィルタ要素を使用する一般の分離プレートの開口部を示す。矩形形状のフィルタの流体の流れのため、50%~75%より大きく増加されたオリフィス面積が存在し、それは、より低い全体差圧を意味する。図3Cおよび図3Dで例示するように、円筒形と比較した矩形要素の分離プレートにおける、より大きい断面開口面積は、分離プレートにわたる、より低い圧力低下、ならびに必要に応じて、さらなる流れのための、より大きい開口面積をもたらす。より低い開始差圧は、フィルタ要素を交換する間の、より長い作動サイクルを可能にする。例えば、従来のフィルタ容器が円形フィルタ要素を使用し、開始差圧が5PSID、および最大圧力が35PSIDであると想定すると、これは、不純物がフィルタ媒体に蓄積するために、30PSIDのウィンドウが存在することを意味する。しかし、開始差圧を、台形形状のフィルタ要素によって2PSIDまで減少させることができる場合、ウィンドウは3PSIDだけ拡張される。これは、フィルタ要素を交換する必要になる前の、より長い作動寿命を意味する。
【0044】
差圧は、フィルタハウジングの内側の流体の流れの、主な駆動力である。流体は、最小の抵抗の経路に沿って流れることになり、これは一般に、フィルタ容器が流体で満たされる際に、フィルタ要素の底部において始まる。この流体の流れは連続するが、フィルタ媒体が不純物をフィルタ要素の底部に向けて蓄積すると、この箇所における差圧も増加する。たとえ差が0.01PSIのみであったとしても、差圧がフィルタ要素の他の部分よりも高くなると直ぐに、流体の流れは最小の抵抗に向けて方向を変える。この動的な流体の流れは、フィルタハウジング内の、よりコンパクトな内部を伴って、ほとんど乱流を起こさず、全てのフィルタ要素および表面積を通して同時に、より均一な流れを可能にする。この新規の形状によって提供される、さらなる表面積は、フィルタ媒体を貫通する流体の面速度を低減させる。より低いこの面速度は、媒体にわたる抵抗または圧力低下をほとんどもたらさず、より低い圧力低下を可能にして、フィルタ要素における汚物および微粒子の処理能力を増加させる。汚物および微粒子の保持能力を加える利益は、当業者に理解される、より低い面速度によるものである。
【0045】
次に、矩形形状のフィルタ要素を使用して外側から内側への濾過の流れを示す、図4Aを参照する。汚れた流体は、容器壁のフィルタ容器201における流体の入口130を通して導入される。次に汚れた流体は、矩形形状のフィルタのうちの1つのフィルタ媒体101の層を流れ抜け、清浄な流体は、フィルタ媒体の内側の中央空隙105を流れ抜ける(図中で流れの矢印によって示す)。この空隙105は、中に挿入される、孔が開けられた支持体103を有する。次に流体は、分離プレート205に取り付けられたフィルタレシーバ208と連通する、底部キャップ121の開口部123を流れ抜ける。この図は、孔が開けられた支持体103にさらなる安定を提供するため、フィルタレシーバ208の底面に取り付けられた任意選択のスチフナ104も示す。矩形形状のフィルタの各々における、底部キャップの出口キャップ125は、分離プレートの頂部に取り付けられたフィルタレシーバ208上の、上方に突出したリップ部に挿入される。Oリング425を使用して、底部キャップと矩形形状のフィルタとの間の封止部を提供し、フィルタを所定の位置に堅い連結で固定する。底部キャップの開口部は、対応する分離プレートの出口ポート207と連通し、それによって、分離プレートを貫通した濾過された流体に、中央空隙105からフィルタハウジングの下方のチャンバへの、流体連通を提供する。
【0046】
図4Bは、台形構成の矩形形状のフィルタ(図1A図B図Cの対応する番号を使用する)を強調した、矩形形状のフィルタの垂直断面を示す。フィルタ要素100の内側における中央空隙105の空間は、下部に向けて徐々に増加して、流体の流れのために増加した領域を提供する。流体が出口207に向かって流れる際に台形フィルタ要素および媒体が広がり、中央空隙105が対応して広がるので、流体の体積を増加させる。この構造は、流体の流れにおける圧力低下をほとんどもたらさない。孔が開けられた支持体は、この図では示さない。
【0047】
図4Bは、台形の外形(profile)を有する矩形形状のフィルタ要素の、濾過の流れを図示する。これは外側から内側への流れ方向であり、濾過された流体のためのフィルタ開口部123が、フィルタ要素100の底部キャップ121に配置される。流体は、フィルタ媒体101の外側から中央空隙105へ流れ、最終的には、底部キャップのフィルタ開口部123を通って矩形形状のフィルタ100を出る。底部キャップの出口コネクタ125は、Oリング425を介して、分離プレートにおけるフィルタレシーバ208の中に固定される。
【0048】
流体の迂回を防ぐよう、底部キャップとフィルタレシーバ208との間のより良好な封止のために、任意選択で、ガスケット封止部または押し込み式のOリング425を、底部キャップに設けることができる。さらに、Oリングまたはガスケット封止部は、抵抗合図をユーザに提供することができ、一旦抵抗に打ち勝つと、フィルタ要素は所定の箇所に設置される。
【0049】
従来のハウジングを、本発明の新しい分離プレートを用いて改良して、円筒フィルタのために使用された分離プレートの上に矩形形状のフィルタを収容することができる。新しい分離プレートは、フィルタハウジングの内側外周に封止可能に嵌合するような正確な外径を有し、かつハウジングの中に適合できるフィルタ要素の長さに、適応しなければならない。
【0050】
図4Cは、流体の流れを阻害しないように、フィルタレシーバ208の開口部207の各側に取り付けられた、孔が開けられた2つの矩形の硬質シートで作られた好ましい実施形態を示す、孔が開けられた支持体103の断面である。孔が開けられシートの頂部は、合致する。狭い側のパネル106は、フィルタレシーバ208の頂部から孔が開けられたシートの頂部まで延びた、孔が開けられたシートの間にある(図5A参照)。
【0051】
好ましい実施形態において、図4Aに示されるような追加のスチフナ104が、孔が開けられシートの間に設けられ、孔が開けられた支持体103の内側におけるフィルタレシーバ208の頂部に取り付けられる。フィルタレシーバの底部上のOリング130が、この図に示される。
【0052】
参照する図5Aは、フィルタハウジング201内に設置された矩形フィルタ要素100を有する、フィルタアセンブリの概略図である。参照しやすいように、7つの矩形フィルタのみが概略図に示される。この図中におけるフィルタ要素100の数は、例示目的のみであり、フィルタ要素100の実際の数は、フィルタハウジングのサイズ、流体の流速、濾過される微粒子、および流体の性質など、多くの要因に依拠することになる。1つのフィルタ要素が、孔が開けられた支持体103を伴うフィルタアセンブリの構造を示すために、取り外されている。分離プレート205は、各フィルタ要素100の底部キャップ121におけるフィルタ開口部に合致する開口部(図示せず)を用いて、矩形形状のフィルタの底部キャップを受け入れるよう、複数のフィルタレシーバ208を有する。さらに、孔が開けられた支持体103はフィルタレシーバ208に取り付けられ、フィルタレシーバ208から延びる。この構成は、個々のフィルタ要素100の設置および取り外しも容易にする。なぜなら、孔が開けられた支持体103は、各フィルタ要素100の中央空隙(ここでは図示せず)と合致する「誘導レール」の役割も担うからである。孔が開けられた支持体103は、出口ポート207を通る流体の流れを阻害することなく、フィルタレシーバ208に取り付けられる。
【0053】
外側から内側への流体の流れのためのこの構成は、図5Bにも示される。この図は、濾過プロセス中に固定される、フィルタ容器の蓋135を示す。蓋は、フィルタを設置および取り外すためのハンドルを使用することによって、矩形形状のフィルタを交換および/または洗浄するために、取り外してよい。フィルタの台形形状も、その幅広のベースのフィルタが矩形の支持体によって阻害されないので、取り外すのに役立つ。濾過の開始において、濾過される流体は、汚れた流体の入口130を通して空のフィルタ容器の中に導入され、次に、分離プレート205から上方にフィルタ容器を満たす。流体レベルがフィルタ媒体101に達したとき、流体はフィルタ媒体101を越えて流れ、フィルタ要素100の中央空隙105の中に入る。フィルタ媒体を通過した濾過された流体は、次にフィルタ要素の底部キャップの出口の開口部を流れ抜け、フィルタレシーバ208および分離プレート205の対応する開口部を通って、最終的に、フィルタ容器の底部における清浄な流体の出口209を通ってフィルタハウジングを出る。
【0054】
さらに、分離プレートにおける濾過された流体の、増加された数の開口部が、フィルタにわたる圧力低下を効果的に低減させ、それによってフィルタの効率も増加させる。当技術分野で知られているように、過剰な圧力低下は、フィルタ性能に悪影響を与える。したがって、分離プレートにおいて流れ抜ける空間を増加させることによって、より良好なフィルタ性能のための、最適なレベルの圧力低下を実現することが可能となる。
【0055】
次に参照する図6A図6B、および図6Cは、前の図に示した外側から内への流れと対照的な、内側から外側への流れパターンにおける矩形形状のフィルタの使用を例示する図である。内側から外側への構成のために、分離プレート605に取り付けられて、下方に延びるフィルタ要素600が示される。頂部キャップ610の各々は、フィルタ媒体601の中央空隙620(図6Cに示す)と連通する開口部607を有する。この実施形態において、分離プレート605は、容器の内側外周に封止可能に連結されるが、矩形形状のフィルタは分離プレート605の下で下方に延びる。分離プレート605は、分離プレート605の下のフィルタ要素を固定するために、リップ部617によって所定の箇所に保持されたバスケット615を受け入れることができ、矩形形状のフィルタを受け入れるようサイズが決められる。1つのフィルタ要素が、バスケット構造615aを示すために取り除かれている。流体が濾過される際に、バスケット615は、フィルタ媒体が外側に拡張するのを防止し、差圧が増加する際にフィルタの形状の一体性を維持する。各フィルタ要素の頂部キャップ610は、汚れた流体を濾過された清浄な流体から分離するように、分離プレート、およびOリングまたはガスケット封止部を伴うバスケットに堅固に嵌合する。出口609は、濾過された流体をフィルタ容器から取り出すために、フィルタ容器の底部にある。
【0056】
図6Bは、流体の入口611を示すフィルタ容器の側断面図である。この図は、濾過プロセス中に固定される、フィルタ容器の蓋625を示す。蓋は、矩形形状のフィルタの交換および/または洗浄のために取り外してよい。流体は頂部キャップ610の開口部607を通過し(図6A参照)、分離プレート605の下のバスケット615に保持された矩形形状のフィルタの中に入る。
【0057】
図6Cは、バスケットから取り出した、内側から外側への流れに使用するための矩形形状のフィルタの断面である。頂部キャップ610はハンドル612を伴って示され、他の実施形態で前述したような同様の方法で媒体601を固定する、内側リップ部613および外側リップ部614を有する。硬質の底部キャップ608は、内側リップ部622および外側リップ部621を有し、媒体の低縁部を囲む。
【0058】
図6A図6B、および図6Cに図示するように、流体は汚れた流体の入口611から導入され、次に流体は、頂部キャップ610の開口部607を通ってフィルタ要素600に入る。頂部キャップの開口部607は、フィルタ媒体601の中央空隙620と連通する。流体は、フィルタ要素600の内側から、フィルタ媒体601を越えて、矩形形状のフィルタの外側へ流れて、濾過プロセスを完了する。清浄な流体は、分離プレート605の下のフィルタハウジングにおける清浄な流体の出口609を通して、フィルタハウジングを離れる。
【0059】
図7A図7Bは、別のアセンブリ、および、集滴を介して好ましくは液体と気体とから成る流体の混合物を分離するための、矩形形状の要素を使用する方法とを例示する。一般的に混合物はエーロゾルである。汚れた液体/気体の入口711は、好ましくはハウジング702の側部に配置され、液体の出口710は分離プレート705の上に配置され、清浄な気体の出口709は集滴された液体の出口710のかなり上の、ハウジングの頂部の近くに配置される。この構成によって、液体/気体の混合物を重力によって自然に分離することが可能となる。汚れた液体/気体の入口711の上には、容器702の外周の内側に封止可能に取り付けられた分離プレート705がある。各矩形形状の集滴装置は、矩形形状の中空竪管704上に取り付けられ、この竪管は分離プレート705に封止可能に固定される。分離プレート705は、各竪管704の中空内側チャンバと連通した、対応する開口部(図示せず)を有する。矩形形状の集滴要素700は、各竪管704の頂部に封止可能に取り付けられる。矩形形状の集滴要素は、底部キャップ715および硬質の頂部キャップ716の開口部と連通する媒体701の中央空隙と伴い、(図1および図2と同様に)構築される。矩形形状の集滴要素700には、孔が開けられた誘導装置725が設けられてよい。矩形形状の集滴要素は、支持体725が中央空隙に挿入されるように底部キャップの開口部が配置されるよう、容器内に配置される。支持体725は、集滴媒体要素を設置するために誘導装置としての役割を担う。矩形形状の集滴要素も、好ましくは台形形状である。気体と液体との混合物の流れは、内側から外である。この実施形態の竪管は、容器の下部部分に、液体集積ゾーンのための領域を提供する。気体は矩形形状の集滴要素700を通過し、ハウジングの頂部に上昇することになる。液体は集滴要素を通過し、容器の底部に重力によって蓄積することになる。
【0060】
気体/液体の混合物の流体の流れは、入口711を通り、中空竪管704を通って矩形形状のフィルタの底部キャップ715における開口部の中に入る。次に流体は矩形形状の集滴要素700の中央空隙に入る。次に流体は、内側から出る方法で媒体701を越えて移動して、分離プロセスを完了する。次に清浄な気体は、容器の上部に移動し、気体の出口709を通って集められる。図7Bは、容器の蓋720を伴うこの実施形態の断面を示す。容器の蓋720は、上述のように矩形形状の集滴要素を点検するために取り外すことができる。
【0061】
液体は、分離プロセスの間に液体蓄積ゾーンで蓄積することになる。集滴要素700は竪管によって分離プレート705から持ち上げられている。次に清浄な気体は、清浄な気体の出口709を通ってハウジング702を出て、その一方で液体は液体出口または排出部710を通して取り出される。この液体/気体の分離は、例えば天然ガス生産において特に重要である。より詳細には、ハウジングの内側における集滴要素の配置は、プリーツ型媒体を使用するときに媒体面積全体を増加させるだけではない。これは、より高い液体の積載を媒体にもたらし、より大きい表面積を伴う矩形形状の集滴装置は、より多くの繊維を有し、液体の滴を遮り、排出する。増加した媒体の表面積を貫通する気体を伴い、より低い圧力低下となり、それによって流れの抵抗は減少される。台形の集滴要素が、好ましい実施形態で使用されるとき、ガスの速度は、集滴要素間の追加の自由空間に向けて上方に移動するため減少する。結果は、各集滴要素間の環状速度を減少させることによって、より効果的な液体の取り出しとなる。
【0062】
集滴プロセスの助けを伴う重量による分離は、液体-気体の混合物が集滴媒体を横切るときに生じる。液体エーロゾルは、集滴媒体なしでは自然に分離しない。集滴媒体の大きい表面積は、媒体を貫通する気体の面速度を下げることによって分離プロセスを促進し、それによって液体エーロゾルの滴を、媒体の繊維によって捉える、または遮ることができる。一旦それらが遮られると、滴は媒体を通して合体し、増大し得る。次に滴は、気体の流れによる液圧抗力のため、媒体を押し通される。一旦滴が媒体を通過すると、滴は、重力によって気体流から分離するのに十分大きくなる。滴は集滴されて大きい質量を伴う大きいサイズとなるので、基本的に引力は気体の液圧抗力よりも大きい。矩形形状の集滴装置は、集滴装置間の適切な空間が可能となるよう配置され、それによって滴は、気体によって上方に運ばれるのではなく、重力によって落下することになる。
【0063】
次に、軽い液体と重い液体との混合物を分離するために設計されたアセンブリを示す、図8を参照する。ハウジング803は、異なる特定の重量を用いて、液体の重力分離を利用するために、水平に寝かせて示されていることに留意されたい。2つの液体相の分離のこのプロセスは、集滴のプロセスでもある。集滴要素は、より重い滴およびより軽い滴の形成を促進することで、媒体が分離プロセスの速度を高めることを介して、より重い液体およびより軽い液体の分離を促進させる。これは、単純な重力分離よりも分離プロセスの速度を高める。矩形形状の集滴要素800は、本発明の前出の実施形態における要素の使用と同様に、集滴を促進するためにアセンブリで使用される。集滴要素800は、分離プレート805にしっかりと取り付けられる。液体混合物は、入口811を通して導入される。次に液体は、分離プレート805の入口開口部(図示せず)を通り、矩形形状の集滴要素のキャップ802の開口部を通って、要素の内側の中央空隙に移動する。液体の流れは、内側から外側である。次に液体混合物は、内側から出る方法で中央空隙から媒体801を越えて移動して、分離プロセスを完了する。集滴された流体は、概ねそれらの密度によって分離され、その後、より重い流体はハウジングの底部に沈むことになり、次に重い液体の出口809を通って出る。その一方で、より軽い液体は頂部に浮遊し、次に軽い液体の出口810を通って出る。矩形形状の集滴要素は、好ましくは台形形状で、本明細書の説明のように作られる。支持体815は、分離プレート805上に取り付けて提供されてよく、上述と同じ方法で機能し、集滴要素を挿入するための誘導装置として使用される。
【0064】
集滴装置に矩形形状の要素を使用する利点は、要素を並べた配置を可能にする、積重ね配置であることである(図3Aで示すように)。水平方向の集滴装置に使用されると、矩形形状の集滴要素の各々は、各集滴装置の狭い側において、非多孔性の側部パネル820を有することができる。集滴装置の列は、図8に示すように、狭い側が容器の頂部および底部に面するよう、集滴ハウジングに積重ねられる。より重い流体がハウジングの底部に沈降する際に、より重い流体はその下方で集滴媒体と接触しない。なぜなら、矩形形状の集滴装置は並んでおり、媒体への接近を遮断する側部パネルを有して、より重い濾過された流体は落下することになるからである。これは、円筒形の集滴装置のアセンブリを使用するよりも利益がある。なぜなら、より重い流体のいくらかは、下方に位置付けられた円筒形集滴装置の外側に落ちることになり、集滴プロセスの効率に影響を与えるからである。円筒形要素は、より重い流体が容器の底部に落ちる際の干渉を排除するために、要素間の自由空間に効果的に整合させることができない。
【0065】
あるいは、図7Aおよび図7Bに示す実施形態を、液体/液体の分離のための集滴装置として使用することができる。より軽い流体は頂部に浮遊することになり、出口709を使用して取り出され、一方で、より重い流体は出口710を通して取り出される。
【0066】
参照する図9A図9B図10A、および図10Bは、いかにして本発明のフィルタが、一般に産業用途に使用される18インチ、および30インチの容器のフィルタハウジング内の空間を効果的に利用して、アセンブリ内に配置されるかを図示する。個々の円筒形形状のフィルタ要素が使用されるフィルタハウジングの内側における、従来の構成と比較すると、矩形形状のフィルタ構成は、より大きい濾過媒体の表面積を可能にし、一方ではハウジングの内側における一定の流体の流れを維持する。これらの図は、商業使用において、容器の入口ポイントにおける流体の流れを分配するために使用されることが多い、V型バッファを示す。
【0067】
本発明の効率は、固体を液体から濾過するための、矩形形状のフィルタアセンブリを使用して試験されてきた。図9Aおよび図9Bは、18インチ径の容器で、円筒形形状および矩形形状のフィルタの配置の比較である。図10Aおよび図10Bは、30インチ径の容器で、円筒形形状および矩形形状のフィルタの配置の比較である。これらの図は、2つの従来のサイズの容器におけるフィルタの配置の例示であり、同じタイプの配置を、容器に適合するようサイズが決められた矩形形状のフィルタ要素を伴う、任意のサイズの容器に使用することができる。設計に依拠して、様々な数の矩形フィルタ要素を、フィルタの全体表面積を増加させるために、フィルタハウジングの内側に提供することができる。空間は、循環のために流体を要素間に十分に流しながら、密にすることができる。濾過の全体効率は、円筒形カートリッジを使用する従来のフィルタと比較すると、より大きいフィルタの表面積によって増加され、矩形形状のフィルタ要素のサイズ、および/または濾過される流体に依拠して、18インチ径よりも大きい容器について、少なくとも58~175%だけ改善されることになる。データはプリーツ型媒体の使用に基づく。新規のアセンブリによって濾過され得る流体量の増加によって、フィルタの寿命は長くなり、最大7.5倍長いフィルタ寿命とすることができる。また、増加された濾過効率により、矩形形状のフィルタで満たされた、より小さい容器を使用して、円筒形フィルタを伴う、より大きい容器と同じ容量を濾過することができる。長くなったフィルタ寿命、およびより小さい容器の使用が可能であることは、本発明の全ての実施形態における利益である。
【0068】
表1は、セルロースのプリーツ型媒体の矩形形状のフィルタにおける様々なパラメータを、一般的な径のフィルタ容器における円筒形フィルタと比較している。18インチおよび30インチの容器は、図9Aおよび図9B、ならびに図10Aおよび図10Bに、それぞれ図示される。データはセルロースのプリーツ型媒体のものであるが、自然媒体の結果は、等価であり、セルロースと同様または類似の利益を有するものと想定される。矩形液状のフィルタは、容器に含まれるフィルタの数、フィルタ媒体の全表面を含む、全ての点で良好である。媒体表面の増加は、フィルタ効率の増加と比例する。
【0069】
【表1】
【0070】
同様のデータが、プリーツ型ポリプロピレン媒体に関して表2に表わされる。同様または類似の結果が、他の合成媒体にも想定され得る。
【0071】
【表2】
【0072】
本発明の更なる実施形態は、流体を濾過するための方法である。濾過される流体は、頂部キャップおよび底部を有する複数の矩形形状のフィルタを伴う、フィルタハウジングの中に導入される。媒体は矩形形状の頂部キャップから矩形形状の底部キャップまで延び、媒体の内側に、概ね矩形の中央空隙を提供する。流体は媒体の層を通過して、矩形形状のフィルタの中央における空隙に入る。微粒子はフィルタの外側に残る。濾過された流体は、流体がフィルタ媒体を通過した後に、中央空隙から集められる。これは、外側から内側への流れに対する方法である。
【0073】
あるいは、方法は内側から外側への流れに適用することができる。流体はフィルタハウジングの中に導入され、矩形形状のフィルタの各々に配置された中央空隙の中に入る。流体は、空隙を取り囲む媒体の層を通過してフィルタの外側に出て、微粒子は空隙内に残る。流体は、フィルタハウジングの分離チャンバに集められ、取り出される。
【0074】
別の実施形態は、液体を気体流から取り除く方法である。気体と液体との混合物が、容器の中に導入される。気体と液体との混合物は、複数の矩形形状の集滴装置を、フィルタ媒体の内側から外側へ通過する。気体は容器の頂部へ上昇できるようにされている。液体は容器の底部へ沈降できるようにされている。気体は容器の頂部から取り出され、一方で液体は容器の底部から取り出される。類似の方法を、複数の矩形形状の集滴装置を用いて、外側から内側への流れに使用することができる。
【0075】
本発明の更なる実施形態は、異なる特定の重力を用いて液体を分離する方法である。好ましい実施形態における第1のステップは、液体混合物を、水平軸にある容器の中に導入することである。液体混合物は、複数の矩形形状の集滴装置のうちの1つを、フィルタ媒体の内側から外側へ通過する。より軽い濾過された流体は容器の頂部に浮遊し、より重い濾過された流体は、濾過後に容器の底部へ沈む。より軽い液体は容器の頂部から集められ、より重い液体は容器の底部から集められる。類似の方法が、複数の矩形形状の集滴装置を用いて、外側から内側への流れに使用することができる。
【0076】
さらなる方法は、水平ではなく直立の容器を用いて、上述の気体と液体との分離と同じ方法を利用する、液体/液体の分離である。
なお、本発明には、以下の態様が含まれることを付記する。
〔態様1〕
フィルタ要素であって、
a)頂部および底部が互いに平行で、前記頂部と前記底部との間の長辺が、前記底部が前記頂部よりも広くなるよう張り出ている、台形状のプリーツ型フィルタ媒体と、
b)前記頂部から前記底部へ延びる前記台形の内側の前記プリーツ型媒体によって作り出される中央空隙と、
c)前記フィルタ要素の頂部の矩形の外形を維持した、前記プリーツ型媒体の前記頂部において前記媒体に固定された、硬質で概ね矩形である頂部キャップと、
d)前記プリーツ型媒体の前記中央空隙と連通する中央開口部を伴う、前記プリーツ型媒体の前記底部に固定された、概ね矩形の底部キャップと
を備え、
e)前記底部キャップは、前記台形媒体の張出し部を収容するために、より長い矩形である、前記フィルタ要素。
〔態様2〕
前記媒体は、自然媒体、合成媒体、セラミック媒体、ガラス媒体、および金属媒体の群から選択される、態様1に記載のフィルタ要素。
〔態様3〕
前記中央空隙への前記開口部は、前記頂部キャップ上にあり、底部キャップは硬質であり、前記媒体は、プリーツ型媒体および非プリーツ型媒体の群から選択される、態様1に記載のフィルタ要素。
〔態様4〕
フィルタアセンブリであって、
a)フィルタハウジングと、
b)前記フィルタハウジングへの、流体の入口と、
c)前記フィルタハウジングの内側外周に封止可能に固定された、分離プレートと、
d)前記フィルタハウジングに囲まれた、複数の矩形形状のフィルタであって、前記矩形形状のフィルタの各々は、フィルタ媒体によって取り囲まれた中央空隙、硬質の頂部キャップ、および底部キャップを有し、前記底部キャップは、前記頂部キャップから前記底部キャップへ延びた前記フィルタ媒体における前記中央空隙と連通するために、前記底部キャップに配置された開口部を伴う、複数の矩形形状のフィルタと
を備え、
e)各矩形形状のフィルタの前記底部キャップは、前記底部キャップの前記開口部に対応した開口部が設けられた前記分離プレートに取り付けられ、それによって濾過される流体は、フィルタ媒体層を通過して前記矩形形状のフィルタの前記中央空隙の中に入り、濾過された流体は、前記分離プレートの前記開口部を通過し、
f)チャンバが、前記フィルタハウジングの前記分離プレートの下方に設けられ、濾過された清浄な流体を集め、
g)前記分離プレートの下方の前記フィルタハウジングからの、清浄な流体の出口を備える、前記フィルタアセンブリ。
〔態様5〕
前記矩形形状のフィルタは、フィルタの底部に向かって増加する断面積を有し、概ね台形形状である、態様4に記載のフィルタアセンブリ。
〔態様6〕
各前記矩形形状のフィルタの前記頂部キャップ上にハンドルをさらに備える、態様4に記載のフィルタアセンブリ。
〔態様7〕
各フィルタ要素の前記中央空隙の各々の内側に、孔が開けられた支持体をさらに備え、前記孔が開けられた支持体は円形の前記分離プレートに取り付けられる、態様4に記載のフィルタアセンブリ。
〔態様8〕
前記フィルタ媒体は、プリーツ型媒体または非プリーツ型媒体の群から選択される、態様4に記載のフィルタアセンブリ。
〔態様9〕
前記フィルタハウジングは概ね円筒形であり、前記分離プレートは、前記ハウジングの内側に取り付けられ、概ね円形である、態様4に記載のフィルタアセンブリ。
〔態様10〕
フィルタアセンブリであって、
a)フィルタハウジングと、
b)前記フィルタハウジングへの、流体の入口と、
c)前記フィルタハウジングに囲まれた、複数の矩形形状のフィルタであって、前記矩形形状のフィルタの各々は、開口部を伴う矩形の頂部キャップ、矩形で硬質の底部キャップ、および前記頂部キャップの下から前記底部キャップまで延びて、前記頂部キャップの開口部と連通する中央空隙を伴うフィルタ媒体を有する、複数の矩形形状のフィルタと、 d)前記矩形フィルタの長さを収容するために前記フィルタハウジングの底部から離され、前記フィルタアセンブリ内の前記フィルタハウジングの内側外周に封止可能に固定された、分離プレートであって、前記分離プレートの上に延びる前記頂部キャップを伴う前記矩形形状のフィルタを、所定の箇所に受け入れかつ固定するための矩形の開口部が設けられる、分離プレートと
を備え、
e)前記頂部キャップにおける前記開口部は、濾過する流体を受け入れ、それによって流体は前記矩形形状のフィルタの前記中央空隙の中を通り、前記媒体を介して、前記分離プレートの下方の前記フィルタハウジングの中に入り、
f)清浄な流体は、前記フィルタハウジングの前記分離プレートの下方において、前記矩形フィルタ要素の外側の前記フィルタハウジングに集まり、
g)前記分離プレートの下の前記フィルタハウジングからの、清浄な流体の出口を備える、前記フィルタアセンブリ。
〔態様11〕
前記矩形形状のフィルタは、前記フィルタの底部に向かって減少する断面積を有し、概ね台形形状である、態様10に記載のフィルタアセンブリ。
〔態様12〕
前記フィルタアセンブリは概ね円筒形であり、前記分離プレートは、前記ハウジングの内側に取り付けられ、概ね円形である、態様10に記載のフィルタアセンブリ。
〔態様13〕
各前記矩形形状のフィルタの前記頂部キャップ上に、ハンドルをさらに備える、態様10に記載のフィルタアセンブリ。
〔態様14〕
前記フィルタは、前記分離プレートの底部から延びて、前記矩形形状のフィルタを受け入れるようサイズが決められたバスケットによって取り囲まれる、態様10に記載のフィルタアセンブリ。
〔態様15〕
前記フィルタ媒体は、プリーツ型媒体および非プリーツ型媒体の群から選択される、態様10に記載のフィルタアセンブリ。
〔態様16〕
重力の助けを得て重い流体と軽い流体との混合物を分離するために、水平に配置された円筒形フィルタハウジングの長軸方向で操作され得るアセンブリであって、
a)ハウジングと、
b)前記フィルタハウジングに配置された、流体の入口と、
c)前記ハウジングの内側外周に封止可能に固定された、分離プレートと、
d)前記ハウジングに囲まれた、複数の矩形形状の集滴要素であって、前記矩形形状の集滴要素の各々は、中央空隙と連通して、キャップ開口部と連通する開口部を有する前記分離プレートに取り付けられたキャップ、および前記矩形形状の集滴要素の、前記分離プレートに取り付けられた端部とは反対側端部の硬質キャップを有する、複数の矩形形状の集滴要素と
を備え、
e)分離される流体混合物は、前記分離プレートの開口部、および前記分離プレートに取り付けられた前記キャップを介して前記ハウジングの中を通り、前記矩形形状の集滴要素の前記中央空隙に入って前記媒体を貫通し、
f)分離された流体は、前記分離プレートの反対側の前記ハウジングに集められ、
g)より軽い流体は、前記ハウジングの頂部に浮遊し、より重い流体は前記ハウジングの底部に沈降し、
h)前記ハウジングには、より軽い流体を集めるために前記頂部に出口が設けられ、より重い流体を集めるために前記底部に出口が設けられる、前記アセンブリ。
〔態様17〕
気体と液体との混合物を分離するためのアセンブリであって、
a)ハウジングと、
b)気体と液体との混合物を導入するための、前記ハウジングの底部近くの入口と、
c)前記ハウジングの内側外周に封止可能に固定された、分離プレートと、
d)中央空隙を間に有し、前記分離プレートの上に取り付けられた、複数の矩形形状の集滴要素と、
e)複数の中空竪管であって、前記分離プレートの上、かつ前記竪管の中空空隙と連通する空隙を伴う前記矩形形状の集滴要素の下に取り付けられた、複数の中空竪管と、
f)前記中空竪管と連通した、前記分離プレートの開口部と、
g)前記分離プレートの上の、前記ハウジングにおける液体の出口と、
h)前記ハウジングの頂部に向けられた気体の出口と
を備える、前記アセンブリ。
〔態様18〕
流体を濾過する方法であって、
a)濾過される流体を、複数の矩形形状のフィルタを伴うフィルタハウジングの中に導入するステップと、
b)流体をフィルタ媒体に通過させ、各矩形形状のフィルタの内側の中央空隙に入れることによって、流体を複数の矩形形状のフィルタを通して濾過するステップと、
c)前記フィルタハウジングの分離チャンバにおいて、各矩形形状のフィルタの前記中央空隙から、濾過された流体を集めるステップと、
d)濾過された流体を前記フィルタハウジングから取り出すステップと
を含む、前記方法。
〔態様19〕
流体を濾過する方法であって
a)濾過される流体を、複数の矩形形状のフィルタを伴うフィルタハウジングの中に導入するステップと、
b)流体を、前記矩形形状のフィルタの各々に配置された中央空隙の中を通過させ、さらに流体を前記空隙を取り囲む媒体の層を通過させるステップと、
c)濾過された流体を、前記フィルタハウジングの分離チャンバに集めるステップと、
d)濾過された流体を前記フィルタハウジングから取り出すステップと
を含む、前記方法。
〔態様20〕
液体から気体を取り出す方法であって、
a)気体と液体との混合物を容器の中に導入するステップと、
b)気体と液体との混合物を、複数の矩形形状のフィルタの1つを通して、前記フィルタの内側の空隙から前記フィルタ媒体の外側へ通過させるステップと、
c)濾過された気体を前記容器の頂部へ上昇させるステップと、
d)液体を前記容器の底部に蓄積させるステップと、
e)濾過された気体を、前記容器の前記頂部から取り出すステップと、
f)液体を前記容器の前記底部から取り出すステップと
を含む、前記方法。
〔態様21〕
異なる特定の重力を用いて液体を分離する方法であって、
a)液体混合物を、水平軸上にある容器の中に導入するステップと、
b)液体混合物を、複数の矩形形状の集滴要素のうちの1つを通して、前記フィルタの内側の空隙から前記媒体の外側へ通過させるステップと、
c)濾過された、より軽い流体を、前記容器の頂部へ浮遊させるステップと、
d)濾過された、より重い流体を、前記容器の前記頂部へ沈めるステップと、
e)より軽い流体を、前記容器の前記頂部から集めるステップと、
f)より重い流体を、前記容器の底部から集めるステップと
を含む、前記方法。
〔態様22〕
液体混合物は、垂直容器の中に導入される、態様19に記載の異なる特定の重力を用いて液体を分離する方法。
【符号の説明】
【0077】
100 フィルタ要素
101 媒体
101a プリーツ
101b プリーツ
101c 媒体層
101d 媒体層
103 支持体
104 スチフナ
105 中央空隙
106 狭い側のパネル
111 頂部キャップ
112 リップ部
113 内側リップ部
121 底部キャップ
122 リップ部
123 開口部
124 内側リップ部
125 出口コネクタ、出口キャップ
126 ハンドル
130 入口、Oリング
135 蓋
201 フィルタハウジング、フィルタ容器
205 分離プレート
207 出口ポート、出口、開口部
208 フィルタレシーバ
209 清浄な流体の出口
425 Oリング
600 フィルタ要素
601 フィルタ媒体
605 分離プレート
607 開口部
609 出口
608 底部キャップ
610 頂部キャップ
611 入口
612 ハンドル
613 内側リップ部
614 外側リップ部
615 バスケット
615a バスケット構造
617 リップ部
620 中央空隙
621 外側リップ部
622 内側リップ部
625 蓋
700 集滴要素
701 媒体
702 ハウジング、容器
704 竪管
705 分離プレート
709 気体の出口
710 液体の出口
711 入口
715 底部キャップ
716 頂部キャップ
720 蓋
800 集滴要素
801 媒体
802 キャップ
803 ハウジング
805 分離プレート
809 重い液体の出口
810 軽い液体の出口
811 入口
815 支持体
820 側部パネル
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図4-1】
図4-2】
図5
図6-1】
図6-2】
図7
図8
図9
図10