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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】電子装置および電子システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0482 20130101AFI20221214BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
G06F3/0482
H04M1/00 U
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018098837
(22)【出願日】2018-05-23
(65)【公開番号】P2019204277
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-01-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】荒川 和也
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-095882(JP,A)
【文献】国際公開第2015/080197(WO,A1)
【文献】特開2016-085710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0482
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のアプリケーションを保有し、かつ、1つまたは複数のアプリケーションを実行可能な情報端末との接続を可能にする接続手段と、
複数の操作コマンドを含んだ画像を表示する表示手段と、
ユーザーからの前記画像上の操作コマンドに対する選択入力を受け取る入力手段と、
前記入力手段により入力された操作コマンドの操作指示を前記接続手段を介して情報端末へ送信する操作指示送信手段と、
前記操作指示に対する情報端末からの応答結果を取得する取得手段と、
前記操作指示に対する前記情報端末からの前記応答結果に応じて、前記画像上の前記操作指示を要求した操作コマンドの表示態様を変更する表示制御手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記取得手段により前記操作指示に対する前記応答結果を取得できなかった場合に、前記操作指示を要求した操作コマンドの表示態様を変更する、電子装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、所定時間内に前記操作指示に対する前記情報端末からの応答が無かった場合には、当該操作指示に対する前記応答結果を取得できなかったものとみなし、前記操作指示を要求した操作コマンドの表示態様を変更する、請求項に記載の電子装置。
【請求項3】
1つまたは複数のアプリケーションを保有し、かつ、1つまたは複数のアプリケーションを実行可能な情報端末との接続を可能にする接続手段と、
複数の操作コマンドを含んだ画像を表示する表示手段と、
ユーザーからの前記画像上の操作コマンドに対する選択入力を受け取る入力手段と、
前記入力手段により入力された操作コマンドの操作指示を前記接続手段を介して情報端末へ送信する操作指示送信手段と、
前記操作指示に対する情報端末からの応答結果を取得する取得手段と、
前記操作指示に対する前記情報端末からの前記応答結果に応じて、前記画像上の前記操作指示を要求した操作コマンドの表示態様を変更する表示制御手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記取得手段により情報端末から前記操作指示による操作が実行できない旨の前記応答結果を取得した場合に、前記操作指示を要求した操作コマンドの表示態様を変更する、電子装置。
【請求項4】
電子装置はさらに、情報を通知する通知手段を含み、
前記通知手段は、前記表示制御手段により前記操作コマンドの表示態様が変更されたことに応答して、当該操作コマンドの利用ができないことを示す情報を通知する、請求項1ないしいずれか1つに記載の電子装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、実行しているアプリケーションが他のアプリケーションに変更されたことに応答して、前記操作コマンドの表示態様を元の表示態様に戻す、請求項1ないし3いずれか1つに記載の電子装置。
【請求項6】
電子装置はさらに、アプリケーションごとに変更した表示態様を記憶する記憶手段を含み、
前記接続手段により前記記憶手段に記憶されているアプリケーションが起動されたことが検出された場合に、前記表示制御手段は、記憶されている前記操作コマンドの表示態様に変更する、請求項1ないしいずれか1つに記載の電子装置。
【請求項7】
請求項1ないしいずれか1つに記載の電子装置と、
前記電子装置に接続された情報端末とを有し、
情報端末は、前記電子装置が接続されたとき、実行しているアプリケーション情報を前記電子装置に転送する、電子システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末から取得したコンテンツデータを出力可能な電子装置に関し、特に、電子装置側から情報端末を制御するものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンなどに代表される多機能型の情報端末の利用が増加している。このような情報端末が車内に持ち込まれたとき、情報端末を車両に搭載された電子装置(以下、車載装置)と接続して連携することで、車載装置において情報端末の有する機能を利用することが可能となっている。例えば、情報端末にて音楽再生用のアプリケーションを起動した場合に、車載装置は、接続を介してアプリケーションの情報や再生されている音楽等のコンテンツデータを取得し、取得したデータに基づいて車載装置側で再生を行うことができる。また、ユーザーは、車載装置の画面に表示された操作コマンドをタッチ操作等することで、情報端末で再生されているコンテンツの動作を制御することができる。
【0003】
車載装置と情報端末の連携に関する技術として、外部機器が接続されたことに応じて、デフォルトの外部機器用画面を表示させることで、外部機器が切り替わっても操作性を低下させないようにするものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-269482
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
次に、本発明にかかる課題について説明する。図1は、車載装置の表示部160に表示された、車載装置に予め記憶されているデフォルトの操作画面である。161から168は操作コマンドであり、ユーザーによるタッチ操作等に連動して、選択された操作コマンドに対応した操作指示が情報端末へ送信され、情報端末は受信した操作指示に基づいて実行しているコンテンツを制御する。しかし、情報端末側で起動しているアプリケーションによっては、操作コマンド161から168のうち、使用できない操作コマンドが存在する場合がある。例えば、アプリケーションAでは操作コマンド161を使用できるが、アプリケーションBでは操作コマンド161が使用できないような場合などである。本来、接続時に操作コマンドの機能の使用可否を確認し、使用できる操作コマンドのみ表示することが可能であるが、アプリケーションによってはこの確認作業が上手くいかず、使用可否応答ができない場合がある。しかし、電子装置側では、この使用可否の確認時に応答しなかった操作コマンドは、使用できるものとして処理してしまうため、使用できない操作コマンドが使用できるものとして操作画面に表示されてしまうのである。また、上記の操作コマンドの使用可否確認作業が行われない車載装置の場合は、使用可否にかかわらず全ての操作コマンドが表示されてしまう。
【0006】
このような使用できない操作コマンドが操作画面に表示されてしまうと、その事実を知らないユーザーは、表示されている操作コマンドは使用できるものと認識しているため、使用できない操作コマンドを選択した際に該当する機能が実行されないと、ユーザーはなぜ機能が実行されないのかわからず困惑してしまう。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、情報端末との接続時の操作コマンドの使用可否確認作業がされない場合であっても、操作コマンドが使用できるか否かを的確にユーザーに提示できる電子装置および電子システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電子装置は、1つまたは複数のアプリケーションを保有し、かつ、1つまたは複数のアプリケーションを実行可能な情報端末との接続を可能にする接続手段と、複数の操作コマンドを含んだ画像を表示する表示手段と、ユーザーからの指示を受け取る入力手段と、前記入力手段により入力された操作コマンドの操作指示を前記接続手段を介して情報端末へ送信する操作指示送信手段と、前記操作指示に対する前記情報端末からの応答状況に応じて、前記画像上の前記操作指示を要求した操作コマンドの表示態様を変更する表示制御手段とを備える。
【0009】
ある実施態様では、電子装置はさらに、前記操作指示に対する情報端末からの応答結果を取得する取得手段を含み、前記表示制御手段は、前記取得手段により前記操作指示に対する応答結果を取得できなかった場合に、前記要求を出した操作コマンドの表示態様を変更する。ある実施態様では、前記表示制御手段は、所定時間内に前記操作指示に対する前記情報端末からの応答が無かった場合、当該操作指示に対する応答結果を取得できなかったものとみなし、前記要求を出した操作コマンドの表示態様を変更する。ある実施態様では、前記表示制御手段は、前記取得手段により情報端末から前記操作指示による操作が実行できない旨の応答結果を取得した場合に、前記操作指示を要求した操作コマンドの表示態様を変更する。ある実施態様では、電子装置はさらに、情報を通知する通知手段を含み、前記通知手段は、前記表示制御手段により前記操作コマンドの表示態様が変更されたことに応答して、当該操作コマンドの利用ができないことを示す情報を通知する。ある実施態様では、前記表示制御手段は、実行しているアプリケーションが他のアプリケーションに変更されたことに応答して、前記操作コマンドの表示態様を元の表示態様に戻す。ある実施態様では、電子装置はさらに、アプリケーションごとに変更した表示態様を記憶する記憶手段を含み、前記接続手段により前記記憶手段に記憶されているアプリケーションが起動されたことが検出された場合に、前記表示制御手段は、記憶されている前記操作コマンドの表示態様に変更する。
【0010】
本発明に係るシステムは、前記電子装置に接続された情報端末とを有し、情報端末は、前記電子装置が接続されたとき、実行しているアプリケーション情報を前記電子装置に転送する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、操作指示に対する応答状況から表示態様を変更するようにしたので、情報端末との接続時の操作コマンドの使用可否確認作業がされない場合であっても、ユーザーは操作コマンドが使用できるか否かを的確に把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】電子装置にて表示される外部機器用の操作画面である。
図2】本発明の実施例に係る通信システムの構成例を示す図である。
図3】本発明の実施例に係る車載装置の典型的な構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施例に係る表示制御プログラムの機能的な構成を示すブロック図である。
図5】本発明の実施例に係る情報端末の典型的な構成を示すブロック図である。
図6】本発明の実施例に係る表示制御プログラムの動作を説明する車載装置と情報端末のシーケンス図である。
図7】表示制御プログラムの実行による操作画面の遷移を示す図である。
図8】表示態様の変更の例図1である。
図9】表示態様の変更の例図2である。
図10】表示態様変更時の通知手段を示す例図である。
図11】アプリケーションの切り替え時の車載装置と情報端末のシーケンス図である。
図12】アプリケーションの切り替え時の操作画面を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る電子装置について具体化した一実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。本発明の好ましい実施形態は、電子装置は、移動体等の車両に搭載される。また、電子装置は、コンピュータ装置であり、例えば、ナビゲーション機能、オーディオ・ビデオデータを再生する機能、テレビ・ラジオ放送を受信する機能、アプリケーションソフトウェア(以下、アプリケーションと称す)を実行する機能などを統合的に備えることができる。また、情報端末は、好ましくは、情報を処理することができるポータブルな装置であり、通話機能、ナビゲーション機能、オーディオ・ビデオデータを再生する機能、テレビ・ラジオ放送を受信する機能、アプリケーションを実行する機能などを統合的に備える多機能型の端末であることができ、例えば、携帯電話機、スマートフォン、パームトップ型パーソナルコンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、タブレット型端末などである。また、情報端末は、外部ネットワーク接続したり、音声データや画像データを記憶したり、搭載したアプリケーションにより種々の機能を実行することができる。以下の実施例では、車載装置と情報端末とが接続されたシステムを例示する。
【0014】
車載装置は、情報端末に包含される通信機能を利用し、情報端末が有するオーディオデータやビデオデータなどの情報端末の機能を利用するための各種コンテンツデータを取得し、車載装置から出力することができる。これは、情報端末側のアプリケーションに基づくアイコン画像を車載装置の画面に表示させ、車載装置の操作部(タッチパネル)によって選択されたアプリケーションを実行するものや、接続時に情報端末が保有するアプリケーションの中で車載装置に対応したアプリケーションのみを読み出し、車載装置側で選択および実行するものなどであってよい。また、本実施例では、情報端末側で実行しているアプリケーションを車載装置側で操作をするためのデフォルトの操作画面を予め保有する。例えば、情報端末で音楽再生用のアプリケーションが実行された場合には、車載装置では、保有している操作画面の中から音楽再生用の操作画面に設定されている画面を表示する。
【実施例
【0015】
図2は、本発明の実施例に係る通信システムの構成例を示す図である。通信システム1は、車載装置10と情報端末30とを含む。車載装置10は、接続手段50を介して情報端末30との間で双方向のデータ通信を可能にする。接続手段50は、例えば、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)等の無線接続や、USB等の有線接続などである。通信されるデータには、オーディオデータ、ビデオデータ、制御データ等が包含される。情報端末30が車載装置10に接続されると、それぞれ連携した動作が可能になる。例えば、情報端末30のリソースを車載装置10が備える音響システムにより出力され得る。情報端末30のリソースは、情報端末自身が備えるデータやアプリケーションのみならず、情報端末30が外部のネットワークNWと通信することにより取得されたデータ等も含まれる。
【0016】
典型的な情報端末30は、スマートフォンであり、情報端末30は、3G、4G、LTE等の公衆無線回線を介して音声通話またはパケット通信する機能を備えている。さらに車載装置10やヘッドフォンセットなどを介して音声通話などを行うハンズフリー機能などを備えることが可能である。
【0017】
次に、図3は、本発明の実施例に係る車載装置の典型的な構成を示すブロック図である。本発明に係る車載装置10は、入力部100、コンテンツ再生部110、ナビゲーション部120、通信部130、接続部140、音声出力部150、表示部160、記憶部170、制御部180を含んで構成される。入力部100は、ユーザーからの指示を入力する。入力部100は、タッチパネルや入力キーデバイス、音声入力等によりユーザーからの入力を受け付け、入力された指示を制御部180へ提供する。例えば、図1のような操作画面において、操作コマンド161から168にて選択された操作コマンドの操作指示を、接続部140を介して送信することが可能である。なお、本実施例における操作コマンドとは、「再生」「停止」「一時停止」「早送り」「巻戻し」「リピート」「シャッフル」のような、コンテンツの動作を制御するものである。
【0018】
コンテンツ再生部110は、CD,DVD,ブルーレイディスク、メモリ媒体などに記録されたオーディオデータやビデオデータ、およびテレビ放送やラジオ放送を受信して、音声出力部150や表示部160を介して再生する。また、コンテンツ再生部110は、接続された情報端末30にコンテンツの再生要求を行い、情報端末30により再生されたコンテンツデータを受信し、音声出力部150や表示部160を介して再生する。ナビゲーション部120は、GPS衛星から送信される位置情報や、車両に搭載されたジャイロセンサや加速度センサ等の種々のセンサから得られる位置情報に基づき、自車位置周辺の道路地図を表示させたり、目的地までの経路の探索や案内を行う。通信部130は、外部のネットワーク等とのデータ通信を行うことを可能にする。
【0019】
接続部140は、情報端末30との接続を可能にする。接続部140は、有線接続または無線接続により、車載装置10と情報端末30間のデータ送受を可能にする。また、接続部140は、図2の車載装置10と情報端末30を接続する接続手段50に対応する。音声出力部150は、コンテンツ再生部110やナビゲーション部120のような、各種コンテンツの再生情報やナビゲーション情報などに係るオーディオデータをスピーカー等の音響システムから出力する。表示部160は、コンテンツ再生部110やナビゲーション部120のような、各種コンテンツの再生情報やナビゲーション情報などに係るビデオデータをディスプレイに表示する。さらに表示部160は、操作コマンドなどのような、コンテンツの動作を制御するための操作画面を表示する。
【0020】
記憶部170は、車載装置10が実行するアプリケーションやプログラム、道路地図データ、楽曲や映像等のコンテンツデータなどを記憶することができる。ある実施形態では、記憶部170には、情報端末30で実行されているアプリケーションやコンテンツデータを車載装置10で操作するための操作画面が記憶されている。これにより、例えば、情報端末30で実行されている音楽再生用のアプリケーションやコンテンツデータを車載装置10で操作するための音楽再生用の操作画面や、情報端末30で実行されている動画再生用のアプリケーションやコンテンツデータを車載装置10で操作するための動画再生用の操作画面などを記憶している。どの操作画面を表示するかは適宜設定可能であり、予め設定されているものや、ユーザーにより変更できるようなものであってもよい。
【0021】
また、ある実施形態では、記憶部170は、車載装置10が保有するアプリケーションを識別するためのID等の識別情報を記憶していてもよく、この識別情報を情報端末30へ送信することで所望のアプリケーションを情報端末側で起動させることが可能となる。また、車載装置10に情報端末30を接続した際に、情報端末30が保有するアプリケーションの中で、車載装置10で実行可能なアプリケーションのみ選出して車載装置側で選択できるようなものの場合は、情報端末30から送られてきたアプリケーション情報を車載装置側で接続の度に読み出して表示するため、記憶部170に常に識別情報を保存しておかなくてもよい。
【0022】
制御部180は、マイクロコントローラまたはマイクロプロセッサ等を含み、ROM/RAMあるいは記憶部170に記憶されたプログラムを実行することで各部の制御を行う。好ましい態様では、車載装置10に情報端末30が接続されたとき、制御部180は、車載装置10と情報端末30との連携動作を可能にする。これにより、車載装置10は、あたかも情報端末30の入出力デバイスとして機能することができ、情報端末30により生成されたオーディオデータやビデオデータが車載装置10から出力される。
【0023】
図4は、本発明の実施例に係る車載装置側に搭載される表示制御プログラムの機能的な構成を示すブロック図である。表示制御プログラム200は、接続検知部210、データ取得部220、操作画面表示部230、操作指示送信部240、応答検出部250、表示態様変更部260を含んで構成される。
【0024】
接続検知部210は、情報端末30が接続部140を介して車載装置10に接続されたか否かを検知する。接続手段は、有線接続でも無線接続でもよく、実施態様によって変形可能である。データ取得部220は、情報端末30にて実行されたコンテンツに関わる種々のデータの取得を行う。例えば、アプリケーションが起動された際に、アプリケーションの識別情報、再生されるオーディオデータやビデオデータ等の取得を行う。
【0025】
操作画面表示部230は、実行しているコンテンツに基づいて、記憶部170より対応する操作画面を取得し、表示部160に表示する。操作画面には、コンテンツを操作するための種々の操作コマンドが含まれている。好ましい態様では、再生するコンテンツに応じて異なる操作画面を表示する。例えば、音楽再生に適応した場合は、動画再生用の操作画面と異なり、「シャッフル」「リピート」「次のトラック」「前のトラック」などの音楽再生特有の操作コマンドを設けてもよい。また、操作画面における操作コマンド等が含まれるメニュー画面は、常に表示しているものでなくてもよく、操作画面の表示の仕方は変形可能である。操作指示送信部240は、選択された操作コマンドにおける操作指示を情報端末30へ接続部140を介して送信する。操作指示は操作コマンドと連動しており、例えば、操作コマンドで「再生」が選択された場合には、操作指示として「再生」が情報端末30へ送信されることになる。
【0026】
応答検出部250は、操作指示送信部240により送信された、操作指示に対する情報端末30からの応答を検出する。好ましくは、応答検出部250は、情報端末30へ操作指示を送信してから所定時間内の情報端末30からの応答を検出する。これにより、応答することができない機能や、応答に時間がかかってしまう機能を使用不可とみなすことができるようになる。所定時間の時間間隔は実施形態により適宜変更されるものであってよい。そして、応答検出部250により応答が検出された場合には、車載装置10は検出された応答結果に基づいてコンテンツの出力を行う。また、応答検出部250は、検出された応答結果が、操作指示を実行できないことを示すものであるかの検出ができるものであってもよい。
【0027】
表示態様変更部260は、応答検出部250により検出された応答結果に基づいて、操作画面における操作コマンドの表示態様を変更する。例えば、画像処理により該当する操作コマンドの表示色を変更したり、操作コマンドに斜線を重畳させたりする。また、ある実施態様では、予め記憶部160に操作画面の操作コマンドの表示態様が異なっている画像を複数記憶させておき、応答検出部250による応答結果に基づいて操作画面を切り替えることにより、操作コマンドの表示態様を変更させるものであってもよい。
【0028】
次に、図5は、本発明の実施例に係る情報端末の典型的な構成を示すブロック図である。本発明に係る情報端末30は、ユーザーからの入力を受け付ける入力部300、公衆電話回線網やネットワーク通信を介して通信を可能にする通信部310、ディスプレイの表示を制御する表示制御部320、スピーカーからの音声出力を制御する音声出力部330、車載装置10等の電子装置との間で接続手段50の接続を確立する接続部340、マイクロコントローラやマイクロプロセッサ等を含みプログラムを実行することで各部を制御する制御部350、オーディオ再生、ラジオ再生、ナビゲーションなど各種機能を実行するアプリケーションソフトウェア、車載装置10との連携に対応するためのプログラムなどを格納するプログラムメモリ360、および種々のデータを格納するデータメモリ370を備えている。
【0029】
次に、本発明の実施例に係る表示制御プログラム200の制御動作について、図6の車載装置と情報端末のシーケンス図を参照して説明する。まず、車載装置10が情報端末30と接続部140を介した接続状態にあるかを接続検知部210より検知し、接続を確立させる(S500)。車載装置10と情報端末30とが接続状態である場合に、車載装置10から情報端末30に対して、コンテンツの再生要求を出力する(S502)。好ましくは、表示部160にアイコン等で表示されているアプリケーションの中から、ユーザーにより選択されたアプリケーションの再生要求を情報端末30へ出力する。再生要求には、起動させたいアプリケーションのID等の識別情報を共に出力する。
【0030】
情報端末30は、再生要求に基づいてアプリケーションを起動し、そのアプリケーションの実行に伴うオーディオデータやビデオデータ等のコンテンツデータを車載装置10へ送信する(S504)。ここで、例えば、音楽再生用のアプリケーションが実行された場合には、オーディオデータのみ車載装置10へ送信され、動画再生用アプリケーションが実行された場合には、オーディオデータおよびビデオデータを車載装置10へ送信する。車載装置10は、情報端末30より送信されたコンテンツデータをデータ取得部220より取得する(S506)。
【0031】
次に、操作画面表示部230より、再生するコンテンツを操作するための操作コマンドを含んだ操作画面を表示部160へ表示する(S508)。ある実施態様では、アプリケーションの起動に応答して、記憶部170に予め記憶されている操作画面を自動的に選択して表示を行う。ユーザーは、画面に表示されている操作コマンドの中から所望の操作内容(再生や停止など)を選択し、操作指示送信部240により、情報端末30へ操作指示として送信する(S510)。
【0032】
情報端末30では、送信された操作指示に基づいてコンテンツの動作を制御する(S512)。例えば、車載装置10から「停止」の操作指示が要求された場合には、情報端末30では再生しているコンテンツを停止させるよう制御する。そして、操作指示に対する実行結果を車載装置10へ送信する。このとき、対象の操作指示が現在実行しているアプリケーションに対応していない場合には、情報端末30は操作指示を実行できないため応答しない。または、このような場合に、操作指示を実行できない事を示した実行結果を車載装置10へ送信するようなものであってもよい。
【0033】
次に、応答検出部250により、情報端末30からの操作指示に対する応答の有無を検出する(S514)。情報端末30からの応答が検出された場合はS516へ移行し、応答が検出されなかった場合はS518へ移行する。ここで、S514において、情報端末30からの応答が検出された場合は、当該応答結果が、要求されている操作指示の実行ができない事を示すものであるか否かの検出を行う(S516)。S514において、情報端末30からの応答が検出されなかった場合、または、S516において、検出された応答結果が、要求されている操作指示の実行ができない事を示すものであった場合には、表示態様変更部260により操作コマンドの表示態様を変更する(S518)。
【0034】
ここで、表示態様の変更について、図7を用いて詳細に説明する。図7は、情報端末30で音楽再生用のアプリケーションを起動した際に、車載装置10の表示部160に表示される操作画面である。まず、図7(a)に示すように、操作コマンド167の「シャッフル」を選択した場合、操作指示「シャッフル」を情報端末30へ送信する。ここで、実行しているアプリケーションは操作指示「シャッフル」に対応していないため、操作コマンド167の表示態様をグレーアウトさせる。次に、表示状態を維持したまま、(b)に示すように、操作コマンド161の「前のトラック」を選択した場合、操作指示「前のトラック」を情報端末30へ送信する。ここで、実行しているアプリケーションは操作指示「前のトラック」に対応していないため、操作コマンド161の表示態様を「シャッフル」と同様にグレーアウトさせる。
【0035】
次に、表示状態を維持したまま、(c)に示すように、操作コマンド168の「リピート」を選択した場合、操作指示「リピート」を情報端末30へ送信する。ここで、実行しているアプリケーションは操作指示「リピート」に対応しているため、「リピート」を実行して表示態様は変更しない。そして、表示状態を維持したまま、(d)に示すように、操作コマンド166の「次のトラック」を選択した場合、操作指示「次のトラック」を情報端末30へ送信する。ここで、実行しているアプリケーションは操作指示「次のトラック」に対応していないため、操作コマンド166の表示態様を「シャッフル」、「前のトラック」と同様にグレーアウトさせる。以上のように他の操作コマンドと表示態様を異ならせることで、ユーザーに対して、利用できない操作コマンドを示すことができるようになる。
【0036】
表示態様の変更形態は、対象の操作コマンドをグレーアウトするものだけでなく、例えば、図8に示すように対象の操作コマンドに斜線を重ねて表示するようなものであってもよく、または、図9に示すように対象の操作コマンドを非表示にするようにしてもよい。また、組み合わせてもよく、例えば、対象の操作コマンドに斜線を引き、かつ、グレーアウトさせるようにしてもよい。上記に示した例の他にも、通常の表示態様と異なる表示態様に変更するものであれば、変更後の表示態様は実施形態に合わせて適宜変更可能である。
【0037】
また、使用できない操作コマンドを表示態様変更部260により表示態様を変更すると同時に、表示画面上ないし音声にて、表示態様を変更した理由をユーザーに通知するようにしてもよい。例えば、図10に示すように、操作コマンド167の「シャッフル」が使用できなかった場合に、操作コマンド167をグレーアウトすると同時に「このコマンドは使用できません」のようなコメント169を表示部160上に表示する。これにより、ユーザーは表示態様が変更された理由を認識することができるようになるため、表示態様が突然変更されることによる不安感を解消できる。また、当該通知は表示態様が変更される度に行ってもよいし、最初の1回のみ通知するようにするものであってもよい。
【0038】
S514に戻り、応答検出部250により、情報端末30からの応答結果が検出され、かつ、検出された応答結果が情報端末30において操作指示が実行できない事を示すものではなかった場合には、情報端末30の実行結果を出力して処理を継続し、再度操作コマンドによる操作指示があった場合には、S510からS518の処理を行う。
【0039】
以上に説明した実施例によれば、情報端末側で実行することができない操作コマンドが操作画面に表示されている場合に、操作指示に対する応答結果の有無、または、実行できなかったことを示す応答結果が検出されたことに基づいて対象の操作コマンドの表示態様を変更するようにしたので、ユーザーは対象の操作コマンドが使用できない事を明確に把握することが可能となる。
【0040】
次に、実行しているアプリケーションを切り替えて、別のアプリケーションを実行した場合の操作画面の制御について、アプリケーション切り替え時の車載装置と情報端末のシーケンス図である図11と、アプリケーション切り替え時の操作画面の変動を示す図12を用いて説明する。まず、車載装置10と情報端末30とは接続手段50を介した接続状態にあり、情報端末側で音楽再生用のアプリケーションAが実行されており、車載装置側でアプリケーションAのコンテンツデータを取得して出力している(S600)。また、この時の操作画面は、図12(a)に示すように、表示態様変更部260により、既に表示態様が変更されているものとする。ここで、ユーザー操作により、アプリケーションAを停止して、新たにアプリケーションBの起動要求が行われる(S602)。なお、実施例では、車載装置側からアプリケーションの切り替えを行っているが、情報端末側を操作してアプリケーションを切り替えるものにも適応可能である。
【0041】
情報端末30は、起動要求に伴い、アプリケーションAを停止して、新たに音楽再生用のアプリケーションBを起動する(S604)。そして、起動したアプリケーションBの起動情報やコンテンツデータ等を車載装置10へ送信する。車載装置10では、コンテンツデータ取得部220によりアプリケーションBに関する情報を取得する(S606)。車載装置10では、新たなアプリケーションが実行されたことに応答して、図12(b)に示すように、操作画面における今まで変形した操作コマンドの表示態様を元の状態に戻す(S608)。そして、操作コマンドによる入力操作が行われると、上述の図6におけるS510からS518の処理を実行する。
【0042】
以上のように、アプリケーションを切り替えるごとに操作画面を元の状態に戻すことで、アプリケーションAでは使用できなかったが、アプリケーションBでは使用できる操作コマンドがあった場合に有効となる。また逆に、アプリケーションAでは使用できたが、アプリケーションBでは使用できない操作コマンドがある場合にも有効となる。
【0043】
また、ある実施態様では、車載装置10は、表示態様変更部260により変形された操作画面の情報をアプリケーションごとに記憶部170に記憶しておき、アプリケーションを起動した際に記憶されている操作画面に自動的に変更するようにしてもよい。これにより、使用できない操作コマンドは最初から表示態様が変更されているため、毎回操作指示による応答結果を検出する必要がなくなる。さらに、ユーザーは操作画面が表示された時点でどの操作コマンドが使用できないかを把握することが可能となる。
【0044】
本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 通信システム
10 車載装置
30 情報端末
50 接続手段
NW ネットワーク
160 表示部
161~168 操作コマンド
169 コメント
図1
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図12