IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社平和の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20221214BHJP
【FI】
A63F7/02 311Z
A63F7/02 304D
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2017055142
(22)【出願日】2017-03-21
(65)【公開番号】P2018153576
(43)【公開日】2018-10-04
【審査請求日】2019-06-24
【審判番号】
【審判請求日】2021-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100131303
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 徳人
(74)【代理人】
【識別番号】100070183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 公一
(72)【発明者】
【氏名】塩澤 孝哉
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 卓也
(72)【発明者】
【氏名】石原 佳嗣
(72)【発明者】
【氏名】笠原 豊
(72)【発明者】
【氏名】大久保 拓
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 康仁
【合議体】
【審判長】長崎 洋一
【審判官】太田 恒明
【審判官】三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-83053(JP,A)
【文献】実公平2-36546(JP,Y2)
【文献】実公平4-15258(JP,Y2)
【文献】特開2005-270274(JP,A)
【文献】特開2005-143687(JP,A)
【文献】特開2009-28219(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域を流下する遊技球が接触可能となるように配置され、所定範囲内で変位する可動体と、
前記所定範囲内の所定位置に対して光を照射することが可能な発光手段と、
前記発光手段を制御する発光制御手段と、を備え、
前記可動体の背面には、背面側が開放されるように箱状に肉抜きされた穴部が形成されており、前記穴部において、他の部分と比較して、厚みが小さくなっており、
前記発光手段は、前記所定位置に位置する前記可動体の前記穴部に対して光を照射可能となるように配置されており、
前記可動体は、前記穴部に対して照射された光を透過させることが可能であり、
前記所定位置として、第1位置と、第2位置と、を含み、
前記発光制御手段は、前記可動体が前記第1位置に位置する第1状態において、前記発光手段を前記穴部に対して光を照射可能となる態様で制御し、前記可動体が前記第2位置に位置する第2状態において、前記発光手段を前記穴部に対して光を照射可能となる態様で制御し、前記可動体が前記所定位置に位置しない第状態において、前記発光手段を他の態様で制御可能であることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定範囲内で変位する可動体を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定範囲内で変位する可動体を備える遊技機が知られている(特許文献1参照)。
この遊技機では、遊技盤の盤面において、始動入賞装置が配設されている。始動入賞装置は、羽根部材と、羽根部材の下方に配置された発光体と、を備えている。羽根部材は、遊技球が流入するのを許容する第1位置と、遊技球が流入するのを阻止する第2位置と、の間で回動する。そして、発光体は、羽根部材の回転軸に対して光を照射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-96855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遊技機では、遊技の興趣が低下する恐れがある。
すなわち、従来の遊技機では、発光体が、羽根部材の回転軸に対して光を照射する。これによって、羽根部材に対する遊技者の注目を十分に向上することができず、遊技の興趣が低下する恐れがある。
本発明の課題は、遊技の興趣を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、第一の発明に係る遊技機は、遊技領域を流下する遊技球が接触可能となるように配置され、所定範囲内で変位する可動体と、前記所定範囲内の所定位置に対して光を照射することが可能な発光手段と、前記発光手段を制御する発光制御手段と、を備え、前記可動体の背面には、背面側が開放されるように箱状に肉抜きされた穴部が形成されており、前記穴部において、他の部分と比較して、厚みが小さくなっており、前記発光手段は、前記所定位置に位置する前記可動体の前記穴部に対して光を照射可能となるように配置されており、前記可動体は、前記穴部に対して照射された光を透過させることが可能であり、前記所定位置として、第1位置と、第2位置と、を含み、前記発光制御手段は、前記可動体が前記第1位置に位置する第1状態において、前記発光手段を前記穴部に対して光を照射可能となる態様で制御し、前記可動体が前記第2位置に位置する第2状態において、前記発光手段を前記穴部に対して光を照射可能となる態様で制御し、前記可動体が前記所定位置に位置しない第状態において、前記発光手段を他の態様で制御可能であることを特徴とする。
第一の発明に係る遊技機では、可動体が、所定位置を含む所定範囲内で変位される。そして、可動体が所定位置に位置するときと、可動体が所定位置に位置しないときとで、発光手段を異なる状態に制御される。
これによって、可動体が所定位置に位置しているときには、第1態様で制御されている発光手段の光を可動体に対して照射し、可動体が所定位置に位置していないときには、発光手段を第2態様で制御することができる。
例えば、可動体が所定位置に位置するときに、発光手段を点灯し、可動体が所定位置に位置しないときに、発光手段を消灯する。
これによって、可動体が所定位置に位置しているときには、発光手段の光を可動体に対して照射し、可動体が所定位置に位置していないときには、発光手段による光の照射を停止することができる。
または、可動体が所定位置に位置するときに、発光手段を第1の色で点灯し、可動体が所定位置に位置しないときに、発光手段を第2の色で点灯する。
これによって、可動体が所定位置に位置しているときには、第1の色の光を可動体に対して照射し、可動体が所定位置に位置していないときには、発光手段を第2の色で発光させることができる。
または、可動体が所定位置に位置するときに、発光手段を第1の輝度で点灯し、可動体が所定位置に位置しないときに、発光手段を第1の輝度より低い第2の輝度で点灯する。
これによって、可動体が所定位置に位置しているときには、高い輝度の光を可動体に対して照射し、可動体が所定位置に位置していないときには、発光手段を低い輝度で発光させることができる。
したがって、第一の発明に係る遊技機によれば、所定位置に位置する可動体に対する遊技者の注目を向上することができ、遊技の興趣を向上することが可能となる。
ここで、所定範囲としては、後述する開閉片変位範囲が該当する。可動体としては、後述する開閉片72aが該当する。所定位置としては、後述する閉鎖位置、中間位置又は開放位置が該当する。発光手段としては、後述する開閉片ランプL1~L6が該当する。発光制御手段としては、後述する演出制御回路300が該当する。
または、所定範囲としては、後述する誘導片変位範囲が該当する。可動体としては、後述する誘導片73aが該当する。所定位置としては、後述する非補助位置、中間位置又は補助位置が該当する。発光手段としては、後述する誘導片ランプL7~L12が該当する。発光制御手段としては、後述する演出制御回路300が該当する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技の興趣を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】パチンコ機の全体構成を示す斜視図である。
図2】遊技盤の正面を示し、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。
図3】パチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
図4】CPU初期化処理を示すフローチャートである。
図5】メインループ処理を示すフローチャートである。
図6】電源遮断時退避処理を示すフローチャートである。
図7】タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
図8】スイッチ管理処理を示すフローチャートである。
図9】普図始動球検出処理を示すフローチャートである。
図10】特図1始動球検出処理を示すフローチャートである。
図11】特図2始動球検出処理を示すフローチャートである。
図12】特別図柄乱数取得処理を示すフローチャートである。
図13】特別遊技管理処理を示すフローチャートである。
図14】特図変動待ち処理を示すフローチャートである。
図15】特図変動中処理を示すフローチャートである。
図16】特図停止中処理を示すフローチャートである。
図17】大入賞口開放前処理を示すフローチャートである。
図18】特別電役開閉切替処理を示すフローチャートである。
図19】大入賞口開放制御処理を示すフローチャートである。
図20】大入賞口閉鎖有効処理を示すフローチャートである。
図21】大入賞口開放終了ウェイト処理を示すフローチャートである。
図22】普通遊技管理処理を示すフローチャートである。
図23】普図変動待ち処理を示すフローチャートである。
図24】普図変動中処理を示すフローチャートである。
図25】普図停止中処理を示すフローチャートである。
図26】普通電動役物開放前処理を示すフローチャートである。
図27】普通電役開閉切替処理を示すフローチャートである。
図28】普通電動役物開放制御処理を示すフローチャートである。
図29】普通電動役物閉鎖有効処理を示すフローチャートである。
図30】普通電動役物開放終了ウェイト処理を示すフローチャートである。
図31】サブタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
図32】コマンド解析処理を示すフローチャートである。
図33】第2大入賞装置を示す斜視図である。
図34】開閉片が閉鎖位置に配置されている状態の第2大入賞装置を示す正面図である。
図35】開閉片が中間位置に配置されている状態の第2大入賞装置を示す正面図である。
図36】開閉片が開放位置に配置されている状態の第2大入賞装置を示す正面図である。
図37】第2大入賞装置の背面板を拡大した状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態では、本発明に係る遊技機を、パチンコ機1に適用している。
【0011】
(パチンコ機1の全体構成)
まず、パチンコ機1の全体構成を説明する。
図1は、パチンコ機の全体構成を示す斜視図である。
図1に示すパチンコ機1は、矩形状の外枠2と、外枠2の前側に配設された内枠3と、内枠3の前側に配設された扉ユニット4と、を備えている。
内枠3は、矩形状に形成され、外枠2に対して開閉することが可能となるように配設されている。内枠3の内側には、遊技盤ユニット10(図2参照)が取り付けられている。
扉ユニット4は、矩形の扉状に形成され、外枠2に対して開閉することが可能となるように配設されている。これによって、扉ユニット4は、内枠3に取り付けられた遊技盤ユニット10(後述する遊技盤11)の正面側を開閉することが可能となっている。扉ユニット4は、略中央部に配設された透明板4aと、透明板4aの周囲に配設された装飾部4bと、透明板4aの下側に配設された受皿ユニット5と、受皿ユニット5の側方に配設された発射ハンドル6と、を備えている。
【0012】
透明板4aは、樹脂、ガラス等の透明な材料により平板状に形成され、内枠3に取り付けられた遊技盤ユニット10(遊技盤11)の正面側に配設される。これによって、遊技者は、透明板4aを介して、遊技盤ユニット10(遊技盤11)を視認することが可能となっている。
装飾部4bは、透明又は半透明の樹脂材料により形成され、前方に向かって膨出する形状を有している。装飾部4bの上側の各角部には、その内部に音発生装置(スピーカ)22(図3参照)が配設された音抜部4cが設けられている。各音抜部4cには、音発生装置22が出力する音声を通過させる複数の音抜孔が設けられている。また、装飾部4bには、複数の枠ランプ20(図3参照)が配設されている。各枠ランプ20は、ダイナミック点灯制御により駆動される発光素子(LED)を含んで構成されている。
【0013】
受皿ユニット5は、遊技球(貸球及び賞球)を受ける受皿5aと、受皿5aの前側に配設された演出ボタン5b及び回転型セレクター5cと、を有している。
演出ボタン5bは、略円柱状に形成され、受皿ユニット5から上方に向かって突出するように配設されている。演出ボタン5bは、遊技者による押下操作(下方に向かって押し込む操作)が可能となっている。受皿ユニット5の内部には、演出ボタン5bの押下操作を検出する第1操作検出スイッチ24(図3参照)が配設されている。第1操作検出スイッチ24は、演出ボタン5bが押下操作されるごとに、第1操作信号を演出制御回路300(図3参照)に対して出力する。
回転型セレクター5c(いわゆる「ジョグダイヤル」)は、略円筒状に形成され、演出ボタン5bの周囲を囲むように配設されている。回転型セレクター5cは、遊技者による回転操作(円筒軸を中心に回転させる操作)が可能となっている。受皿ユニット5の内部には、回転型セレクター5cの回転操作を検出する第2操作検出スイッチ25(図3参照)が配設されている。第2操作検出スイッチ25は、回転型セレクター5cが所定角度(例えば、60[°])回転操作されるごとに、第2操作信号を演出制御回路300に対して出力する。
【0014】
また、受皿ユニット5の上面には、貸出操作部7が配設されている。貸出操作部7は、球貸ボタン7aと、返却ボタン7bと、度数表示装置7cと、を有している。
ここで、パチンコ機1は、プリペイドカードに記録されている情報の読出し及び更新を行うことが可能なCRユニット500(図3参照)と通信可能に接続されている。そして、プリペイドカード(図示せず)がCRユニット500に挿入されると、CRユニット500に挿入されたプリペイドカードに記録されている有価媒体の残存度数が度数表示装置7cに表示される。
また、プリペイドカードがCRユニット500に挿入されている状態で球貸ボタン7aが操作されると、所定数の遊技球が受皿5aに払い出される。この際、払い出された遊技球の数に応じてプリペイドカードに記録されている有価媒体の残存度数が更新されて、更新された有価媒体の残存度数が度数表示装置7cに表示される。
さらに、有価媒体の残存度数が残っているプリペイドカードがCRユニット500に挿入されている状態で返却ボタン7bが操作されると、CRユニット500からプリペイドカードが返却される。
ここで、プリペイドカートとしては、例えば、磁気記憶媒体、記憶IC内蔵媒体等が該当する。
発射ハンドル6は、遊技者による回転操作が可能となっている。発射ハンドル6の内部には、発射ハンドル6が回転操作された角度を検出する発射ボリューム(図示せず)が配設されている。発射ボリュームは、検出した角度に応じた検出信号を払出制御回路400(図3参照)に対して出力する。
【0015】
(遊技盤ユニット10の構成)
次に、遊技盤ユニット10の構成を説明する。
図2は、遊技盤の正面を示し、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。図33は、第2大入賞装置を示す斜視図である。図34は、開閉片が閉鎖位置に配置されている状態の第2大入賞装置を示す正面図である。図35は、開閉片が中間位置に配置されている状態の第2大入賞装置を示す正面図である。図36は、開閉片が開放位置に配置されている状態の第2大入賞装置を示す正面図である。図37は、第2大入賞装置の背面板を拡大した状態を示す正面図である。
なお、図33から図36では、後述する正面板44,74及び側板が取り外された状態を示している。また、図37では、正面板44,74、側板、開閉片72a及び誘導片73aが取り外された状態を示している。
図2に示すように、遊技盤ユニット10は、セット板(図示せず)と、セット板に取り付けられた遊技盤11と、セット板に取り付けられた各種演出装置(メイン画像表示装置31等)と、を備えている。
セット板は、正面側が開放された箱状に形成されている。セット板の背面板における略中央部には、貫通孔からなる開口部が設けられている。
遊技盤11は、セット板の正面側に取り付けられている。遊技盤11は、樹脂により、平板状に形成されている。遊技盤11の略中央部には、貫通孔からなる開口部(図示せず)が設けられている。そして、遊技者は、遊技盤11に設けられた開口部及びセット板に設けられた開口部を介して、メイン画像表示装置31の表示画面31aを視認することが可能となっている。
遊技盤11の正面における開口部の周囲には、発射ハンドル6の回転操作に応じて打ち出された遊技球が流下する遊技領域30が形成されている。そして、遊技領域30には、遊技球が流下する経路として、メイン画像表示装置31の左側に形成された左側経路と、メイン画像表示装置31の右側に形成された右側経路と、が構成されている。
また、遊技盤11の遊技領域30には、複数の盤面ランプ21(図3参照)が配設されている。各盤面ランプ21は、ダイナミック点灯制御により駆動される発光素子(LED)を含んで構成されている。
【0016】
メイン画像表示装置31は、セット板の背面側に取り付けられている。メイン画像表示装置31は、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の可変表示装置によって構成される。メイン画像表示装置31は、演出画像を表示することが可能な表示画面31aを有している。
表示画面31aには、第1演出図柄z1(図示せず)が表示される3つの第1演出図柄表示領域a1~a3(図示せず)と、第2演出図柄z2(図示せず)が表示される1つの第2演出図柄表示領域a4(図示せず)と、を構成することが可能となっている。
第1演出図柄z1は、数字、文字、記号、キャラクター等の識別情報(図柄)を含んで構成されている。各第1演出図柄表示領域a1~a3では、第1演出図柄z1の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。第2演出図柄z2は、カラーバーから構成されている。第2演出図柄表示領域a4では、第2演出図柄z2の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。
演出図柄z1,z2の変動表示とは、各第1演出図柄表示領域a1~a3において、第1演出図柄z1が移動(スクロール)され、かつ、第2演出図柄表示領域a4に表示されている第2演出図柄z2の種類が変更される(カラーバーが表す色が、順次、変更される)表示をいう。
演出図柄z1,z2の停止表示とは、各第1演出図柄表示領域a1~a3の抽選結果表示位置において、一の種類の第1演出図柄z1が停止され、かつ、第2演出図柄表示領域a4において、一の種類の第2演出図柄z2が表示される(カラーバーが所定の色を表す)表示をいう。
そして、3つの第1演出図柄表示領域a1~a3において停止表示された第1演出図柄z1と、第2演出図柄表示領域a4において停止表示された第2演出図柄z2と、の組み合わせによって、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選)の結果が表示される。
また、表示画面31aには、保留図柄h(図示せず)が表示される保留図柄表示領域b1,b2(図示せず)を構成することが可能となっている。
保留図柄表示領域b1には、報知表示(特別図柄の変動表示及び停止表示)中の始動情報に対応する保留図柄hが表示される。保留図柄表示領域b2には、報知表示が保留されている始動情報に対応する保留図柄hが表示される。
【0017】
遊技領域30における表示画面31aの下方には、第1始動口51が設けられている。第1始動口51は、上向きに開口した入球口(いわゆる「ヘソ」)であり、常時、遊技球の入球が可能となっている。第1始動口51は、左側経路を流下する遊技球の入球が可能(右側経路を流下する遊技球の入球が不可能)となっている。
第1始動口51内には、特図1始動球検知センサ101(図3参照)が配設されている。特図1始動球検知センサ101は、第1始動口51に入球した遊技球(第1始動口51への遊技球の入球)の検出に応じて、検出信号を主制御回路200に対して出力する。主制御回路200は、特図1始動球検知センサ101からの検出信号の入力に応じて、第1特別図柄抽選を実行する。
遊技領域30における第1始動口51の左方には、左他入賞口55と、左下他入賞口56と、が設けられている。各他入賞口55,56は、上向きに開口した入球口であり、常時、遊技球の入球が可能となっている。各他入賞口55,56は、左側経路を流下する遊技球の入球が可能(右側経路を流下する遊技球の入球が不可能)となっている。
左上他入賞口55内には、左上他入賞球検知センサ105(図3参照)が配設されている。左上他入賞球検知センサ105は、左上他入賞口55に入球した遊技球(左上他入賞口55への遊技球の入球)の検出に応じて、検出信号を主制御回路200に対して出力する。主制御回路200は、左上他入賞球検知センサ105からの検出信号の入力に応じて、遊技球払出装置440に賞球の払い出し動作を実行させる。
左下他入賞口56内には、左下他入賞球検知センサ106(図3参照)が配設されている。左下他入賞球検知センサ106は、左下他入賞口56に入球した遊技球(左下他入賞口56への遊技球の入球)の検出に応じて、検出信号を主制御回路200に対して出力する。主制御回路200は、左下他入賞球検知センサ106からの検出信号の入力に応じて、遊技球払出装置440に賞球の払い出し動作を実行させる。
【0018】
遊技領域30における表示画面31aの右方には、始動ゲート50が設けられている。始動ゲート50は、常時、遊技球による通過が可能となるように形成されている。始動ゲート50は、右側経路を流下する遊技球の通過が可能(左側経路を流下する遊技球の通過が不可能)となっている。
始動ゲート50には、普図始動球検知センサ104(図3参照)が配設されている。普図始動球検知センサ104は、始動ゲート50を通過する遊技球(遊技球による始動ゲート50の通過)の検出に応じて、検出信号を主制御回路200に対して出力する。主制御回路200は、普図始動球検知センサ104からの検出信号の入力に応じて、普通図柄抽選を実行する。
【0019】
遊技領域30における始動ゲート50の下方には、第1大入賞装置40が設けられている。
図2及び図33から図36に示すように、第1大入賞装置40は、左側に向かって開口する入球口41と、入球口41を開閉する第1特別電動役物42(いわゆる「アタッカー」)と、入球口41から入球した遊技球を検出する第1大入賞球検知センサ103aと、を有している。
第1大入賞装置40は、右側経路を流下する遊技球の入球が可能(左側経路を流下する遊技球の入球が不可能)となっている。
第1特別電動役物42は、入球口41への遊技球の入球を不可能(困難)にする閉鎖状態と、入球口41への遊技球の入球を可能(容易)にする開放状態と、に変位することが可能となっている。
【0020】
具体的には、第1大入賞装置40は、背面板12と、正面板44(図2参照)と、側板(図示せず)と、により囲まれた内側領域45を有する箱状に形成されている。
背面板12は、平板状に形成されている。本実施形態では、背面板12は、透明又は半透明な材料(例えば、樹脂)により形成されている。これによって、背面板12は、光を通過(透過)させることが可能となっている。背面板12の正面は、遊技盤11の正面に対して略同一平面上に配置されている。
正面板44は、平板状に形成されている。正面板44は、背面板12に対して略並行に配置されている。背面板12及び正面板44は、遊技球による背面板12と正面板44との間の通過が可能となるように、所定の間隔で配置されている。
側板は、背面板12と正面板44とを、互いに連結するように配置されている。第1大入賞装置40では、側板の一部が開口されて、左側に向かって開口する入球口41が形成されている。
【0021】
第1特別電動役物42は、入球口41を開閉する開閉片42aと、開閉片42aを駆動する第1大入賞口ソレノイド65a(図3参照)と、を有している。
開閉片42aは、所定の長さを有する片状に形成されている。開閉片42aの下端部には、回転軸42bが挿通されている。回転軸42bは、奥行き方向(図2に示す奥行き方向)に沿って延びている。そして、開閉片42aは、回転軸42bを中心として、その上端側を、変位(開閉)させることが可能となっている。
具体的には、開閉片42aは、入球口41が閉鎖される閉鎖位置(図示せず)と、入球口41が開放される開放位置(図2及び図33図36参照)と、の間において、変位することが可能となっている。開閉片42aは、第1大入賞口ソレノイド65aによって変位(開閉)される。
そして、第1特別電動役物42が閉鎖状態に変位されているときには、開閉片42aが閉鎖位置に変位(配置)されることにより、右側経路を流下する遊技球の入球口41への入球が阻止される。一方、第1特別電動役物42が開放状態に変位されているときには、開閉片42aが開放位置に変位(配置)されることにより、開閉片42aの側面上に落下した遊技球が、入球口41を介して、内側領域45へ誘導される。
第1大入賞装置40は、通常時は、第1特別電動役物42が閉鎖状態とされて、遊技球の入球が不可能となっているが、後述するラウンド遊技において、第1特別電動役物42が開放状態とされて、遊技球の入球が可能となる。
第1大入賞球検知センサ103aは、内側領域45に配設されている。第1大入賞球検知センサ103aは、入球口41から入球した遊技球(入球口41への遊技球の入球)の検出に応じて、検出信号を主制御回路200に対して出力する。主制御回路200は、第1大入賞球検知センサ103aからの検出信号の入力に応じて、遊技球払出装置440に賞球の払い出し動作を実行させる。
第1大入賞装置40では、入球口41から内側領域45へ入球した遊技球は、第1大入賞球検知センサ103aにより検出された後に、排出孔46を介して、遊技盤11の背面側へ排出される。
【0022】
遊技領域30における第1大入賞装置40の下方には、第2大入賞装置70が設けられている。
図2及び図33から図36に示すように、第2大入賞装置70は、左側に向かって開口する入球口71と、入球口71を開閉する第2特別電動役物72(いわゆる「アタッカー」)と、入球口71への遊技球の入球を補助する補助電動役物73と、入球口71から入球した遊技球を検出する第2大入賞球検知センサ103bと、を有している。
第2大入賞装置70は、右側経路を流下する遊技球の入球が可能(左側経路を流下する遊技球の入球が不可能)となっている。
第2特別電動役物72は、入球口71への遊技球の入球を不可能(困難)にする閉鎖状態(図34参照)と、入球口71への遊技球の入球を可能(容易)にする開放状態(図36参照)と、に変位することが可能となっている。
補助電動役物73は、入球口71への遊技球の入球を補助しない非補助状態(図34参照)と、入球口71への遊技球の入球を補助する補助状態(図36参照)と、に変位することが可能となっている。
【0023】
具体的には、第2大入賞装置70は、背面板12と、正面板74(図2参照)と、側板(図示せず)と、により囲まれた内側領域75を有する箱状に形成されている。
正面板74は、平板状に形成されている。正面板74は、背面板12に対して略並行に配置されている。背面板12及び正面板74は、遊技球による背面板12と正面板74との間の通過が可能となるように、所定の間隔で配置されている。また、正面板74の背面は、正面板44の背面に対して略同一平面上に配置されている。
側板は、背面板12と正面板74とを、互いに連結するように配置されている。第2大入賞装置70では、側板の一部が開口されて、左側に向かって開口する入球口71が形成されている。
【0024】
第2特別電動役物72は、入球口71を開閉する開閉片72aと、開閉片72aを駆動する第2大入賞口ソレノイド65b(図3参照)と、を有している。
開閉片72aは、透明又は半透明の材料(例えば、樹脂等)により、所定の長さを有する片状に形成されている。これによって、開閉片72aは、光を通過(透過)させることが可能となっている。開閉片72aの背面には、肉抜き穴(図示せず)が形成されている。これによって、開閉片72aは、背面側が開放された箱状に形成されている。そして、開閉片72aでは、肉抜き穴が形成されている部分の奥行き方向の寸法(厚み)が、他の部分と比較して小さくなっている。
開閉片72aの正面72b及び背面(図示せず)のうち、少なくとも一方には、レンズカット加工が施されている。ここで、「開閉片72aの背面」とは、正面72bに対して表裏の関係にある面(肉抜き穴の底面)をいう。
本実施形態では、開閉片72aでは、正面72b及び背面のそれぞれに、レンズカット加工が施されている。特に、開閉片72aでは、正面72bと背面とで、互いに異なる種類のレンズカット加工が施されている。
ここで、レンズカット加工(レンズ加工)としては、ボールカット加工、ローレット加工(平目ローレット加工、綾目ローレット加工等)、ダイヤカット加工、アイスカット加工等を用いることができる。
具体的には、開閉片72aの背面には、平目ローレット加工が施されている。特に、開閉片72aの背面では、平目ローレット加工における各山(各凸条又は各溝)が、開閉片72aの長手方向に直交する方向(幅方向)に沿って延びている。これによって、開閉片72aの背面に対して照射された光を、開閉片72aの長手方向に拡散させることができる。ここで、「長手方向」とは、開閉片72aが延びる方向をいう。
一方、開閉片72aの正面72bには、アイスカット加工又はダイヤカット加工が施されている。これによって、開閉片72aを背面側から正面側へ通過する光を、不規則な方向に拡散させることができる。
開閉片72aの下端部には、回転軸72cが挿通されている。回転軸72cは、奥行き方向(図2に示す奥行き方向)に沿って延びている。そして、開閉片72aは、回転軸72cを中心として、その上端側を、変位(開閉)させることが可能となっている。
具体的には、開閉片72aは、入球口71が閉鎖される閉鎖位置(図34参照)と、入球口71が開放される開放位置(図36参照)と、を含む所定範囲(以下、「開閉片変位範囲」とする)内において変位することが可能となっている。開閉片72aは、第2大入賞口ソレノイド65bによって変位(開閉)される。
【0025】
補助電動役物73は、遊技球を誘導する誘導片73aと、誘導片73aを駆動する誘導片ソレノイド66(図3参照)と、を有している。
誘導片73aは、透明又は半透明の材料(樹脂等)により、所定の長さを有する片状に形成されている。これによって、誘導片73aは、光を通過(透過)させることが可能となっている。誘導片73aの背面には、肉抜き穴(図示せず)が形成されている。これによって、誘導片73aは、背面側が開放された箱状に形成されている。そして、誘導片73aでは、肉抜き穴が形成されている部分の奥行き方向の寸法(厚み)が、他の部分と比較して小さくなっている。
誘導片73aの正面73b及び背面(図示せず)のうち、少なくとも一方には、レンズカット加工が施されている。ここで、「誘導片73aの背面」とは、正面73bに対して表裏の関係にある面(肉抜き穴の底面)をいう。
本実施形態では、誘導片73aでは、正面72b及び背面のそれぞれに、レンズカット加工が施されている。特に、誘導片73aでは、正面72bと背面とで、互いに同一の種類のレンズカット加工が施されている。
具体的には、誘導片73aでは、正面73b及び背面のそれぞれに、平目ローレット加工が施されている。特に、誘導片73aの正面73b及び背面では、平目ローレット加工における各山(各凸条又は各溝)が、誘導片73aの長手方向に直交する方向(幅方向)に沿って延びている。これによって、誘導片73aの背面に対して照射された光を、誘導片73aの長手方向に拡散させることができる。また、誘導片73aを背面側から正面側へ通過する光を、誘導片73aの長手方向に拡散させることができる。ここで、「長手方向」とは、誘導片73aが延びる方向をいう。
誘導片73aの上端部には、回転軸73cが挿通されている。回転軸73cは、奥行き方向(図2に示す奥行き方向)に沿って延びている。そして、誘導片73aは、回転軸73cを中心として、その下端側を、変位(開閉)させることが可能となっている。
具体的には、誘導片73aは、遊技球を入球口71側(開閉片72a側)へ誘導しない(入球口71への遊技球の入球を補助しない)非補助位置(図34参照)と、遊技球を入球口71側(開閉片72a側)へ誘導する(入球口71への遊技球の入球を補助する)補助位置(図36参照)と、を含む所定範囲(以下、「誘導片変位範囲」とする)内において変位することが可能となっている。誘導片73aは、誘導片ソレノイド66によって変位(開閉)される。
【0026】
第2特別電動役物72及び補助電動役物73は、互いに同期して変位(駆動)される。
具体的には、第2特別電動役物72が閉鎖状態に変位されているときには、開閉片72aが閉鎖位置に変位(配置)される。これによって、右側経路を流下する遊技球の入球口71への入球が阻止される。
そして、第2特別電動役物72が閉鎖状態に変位されているときには、補助電動役物73が非補助状態に変位される。これによって、誘導片73aが非補助位置に変位(配置)され、右側経路を流下する遊技球は、下方へと流下する。
一方、特別電動役物72が開放状態に変位されているときには、開閉片72aが開放位置に変位(配置)される。これによって、開閉片72aの側面上に落下した遊技球が、入球口71を介して、内側領域75へ誘導される。
そして、特別電動役物72が開放状態に変位されているときには、補助電動役物73が補助状態に変位される。これによって、誘導片73aが補助位置に変位(配置)され、誘導片73aの側面上に落下した遊技球が、当該側面上を転動して、開閉片72aの側面上へ誘導される。
第2大入賞装置70は、通常時は、第2特別電動役物72が閉鎖状態(かつ、補助電動役物73が非補助状態)とされて、遊技球の入球が不可能となっているが、後述するラウンド遊技において、第2特別電動役物72が開放状態(かつ、補助電動役物73が補助状態)とされて、遊技球の入球が可能となる。
第2大入賞球検知センサ103bは、内側領域75に配設されている。第2大入賞球検知センサ103bは、入球口71から入球した遊技球(入球口71への遊技球の入球)の検出に応じて、検出信号を主制御回路200に対して出力する。主制御回路200は、第2大入賞球検知センサ103bからの検出信号の入力に応じて、遊技球払出装置440に賞球の払い出し動作を実行させる。
第2大入賞装置70では、入球口71から内側領域75へ入球した遊技球は、第2大入賞球検知センサ103bにより検出された後に、排出孔76を介して、遊技盤11の背面側へ排出される。
【0027】
特に、背面板12の背面側には、第1ランプ基板(図示せず)と、第2ランプ基板(図示せず)と、が配設されている。
図37に示すように、第1ランプ基板には、開閉片ランプL1~L6が実装されている。また、第2ランプ基板には、誘導片ランプL7~L12が実装されている。
各ランプL1~L12は、発光素子(本実施形態では、フルカラーLED)を含んで構成されている。本実施形態では、各ランプL1~L12は、スタティック点灯制御により駆動される。各ランプL1~L12は、正面側(背面板12側)に向かって光を照射する。
各ランプL1~L12の発光(点灯又は消灯)は、演出制御回路300により制御される。
【0028】
第1ランプ基板は、開閉片71aの背面側の位置に配置されている。
ここで、開閉片72aは、閉鎖位置(図34参照)と、中間位置(図35参照)と、開放位置(図36参照)と、を含む開閉片変位範囲内で変位される。「中間位置」は、閉鎖位置と開放位置との中間の位置となっている。
そして、各ランプL1,L2は、閉鎖位置に対して、光を照射することが可能となるように配置されている。すなわち、各ランプL1,L2は、閉鎖位置に位置する(配置されている)開閉片72aに対して、光を照射することが可能となるように配置されている。
具体的には、図34に示すように、各ランプL1,L2は、開閉片72aが閉鎖位置に配置されているときに、正面側から見て、開閉片72aの背面側に隠れる位置(開閉片72aにより正面側が被覆される位置)に配置されている。特に、各ランプL1,L2は、開閉片72aが閉鎖位置に配置されているときに、正面側から見て、開閉片72aのうち肉抜き穴が形成されている範囲の背面側に隠れる位置に配置されている。
ランプL1及びランプL2は、開閉片72aが閉鎖位置に配置されているときに、開閉片72aの長手方向に沿って並ぶように配置されている。すなわち、開閉片72aの回転軸72c、ランプL1及びランプL2は、一直線上に配置されている。
【0029】
各ランプL3,L4は、中間位置に対して、光を照射することが可能となるように配置されている。すなわち、各ランプL3,L4は、中間位置に位置する(配置されている)開閉片72aに対して、光を照射することが可能となるように配置されている。
具体的には、図35に示すように、各ランプL3,L4は、開閉片72aが中間位置に配置されているときに、正面側から見て、開閉片72aの背面側に隠れる位置(開閉片72aにより正面側が被覆される位置)に配置されている。特に、各ランプL3,L4は、開閉片72aが中間位置に配置されているときに、正面側から見て、開閉片72aのうち肉抜き穴が形成されている範囲の背面側に隠れる位置に配置されている。
ランプL3及びランプL4は、開閉片72aが中間位置に配置されているときに、開閉片72aの長手方向に沿って並ぶように配置されている。すなわち、開閉片72aの回転軸72c、ランプL3及びランプL4は、一直線上に配置されている。
【0030】
各ランプL5,L6は、開放位置に対して、光を照射することが可能となるように配置されている。すなわち、各ランプL5,L6は、開放位置に位置する(配置されている)開閉片72aに対して、光を照射することが可能となるように配置されている。
具体的には、図36に示すように、各ランプL5,L6は、開閉片72aが開放位置に配置されているときに、正面側から見て、開閉片72aの背面側に隠れる位置(開閉片72aにより正面側が被覆される位置)に配置されている。特に、各ランプL5,L6は、開閉片72aが開放位置に配置されているときに、正面側から見て、開閉片72aのうち肉抜き穴が形成されている範囲の背面側に隠れる位置に配置されている。
ランプL5及びランプL6は、開閉片72aが開放位置に配置されているときに、開閉片72aの長手方向に沿って並ぶように配置されている。すなわち、開閉片72aの回転軸72c、ランプL5及びランプL6は、一直線上に配置されている。
【0031】
また、図37に示すように、背面板12には、各ランプL1~L6に対応する貫通孔H1~H6が設けられている。すなわち、背面板12には、ランプL1に対応する貫通孔H1と、ランプL2に対応する貫通孔H2と、ランプL3に対応する貫通孔H3と、ランプL4に対応する貫通孔H4と、ランプL5に対応する貫通孔H5と、ランプL6に対応する貫通孔H6と、が設けられている。
各貫通孔H1~H6は、当該貫通孔に対応するランプL1~L6の正面側の位置に設けられている。すなわち、正面側から見て、各ランプL1~L6が配置されている位置と、当該ランプに対応する貫通孔H1~H6が設けられている位置とは、一致している。これによって、正面側から見て、各貫通孔H1~H6を介して、当該貫通孔に対応するランプL1~L6を視認することが可能となっている。
【0032】
各ランプL1~L6は、正面側に向かって、光を照射する。ここで、背面板12には、各ランプL1~L6に対応する貫通孔H1~H6が設けられている。これによって、各ランプL1~L6から照射された光は、背面板12により減衰(吸収)されることなく、当該ランプに対応する貫通孔H1~H6を通過して、開閉片72aの背面に対して照射される。
開閉片72aの背面に対して照射された光は、開閉片72aの背面から開閉片72aの内部へ入射する。ここで、開閉片72aの背面には、平目ローレット加工が施されている。これによって、開閉片72aの背面に対して照射された光は、開閉片72aの長手方向に拡散されて、開閉片72aの内部へ入射する。
開閉片72aの内部へ入射した光は、開閉片72aの内部を、奥行き方向に通過(透過)する。ここで、開閉片72aの背面には、肉抜き穴が形成されている。これによって、開閉片72aの奥行き方向の寸法(肉厚)を小さくすることができ、開閉片72aの内部を通過する光の減衰(吸収)が抑制される。
開閉片72aの内部を通過した光は、開閉片72aの正面から正面側に向かって出射する。ここで、開閉片72aの正面72bには、アイスカット加工又はダイヤカット加工が施されている。これによって、開閉片72aの内部を通過した光は、不規則な方向に拡散されて、開閉片72aの正面側に向かって出射する。
特に、開閉片72aでは、背面と正面72bとで、互いに異なる種類のレンズカット加工が施されている。これによって、ランプL1~L6の光が入射する面(背面)と、入射した光が出射する面(正面72b)とで、ランプL1~L6により照射された光が段階的に拡散される。したがって、開閉片72aに対して光を照射するランプの数が少なくても(または、各ランプにより照射される光の輝度が低くても)、ランプにより照射された光に基づく開閉片72aの発光態様を目立つものとすることができ、演出効果を向上することが可能となる。
【0033】
演出制御回路300は、後述する「大当たり5」に係る大当たり遊技状態の生起中に、ランプL1~L6の点灯制御を実行する。
この際、演出制御回路300は、開閉片72aの変位と、ランプL1~L6の点灯(発光)と、が同期するように、各ランプL1~L6の点灯(発光)を制御する。
すなわち、演出制御手段300は、開閉片72aが変位される際に、開閉片72aが配置されている位置(閉鎖位置、中間位置又は開放位置)に対応するランプL1~L6を点灯し、開閉片72aが配置されていない位置(閉鎖位置、中間位置又は開放位置)に対応するランプL1~L6を消灯する。
これによって、ランプL1~L6の点灯制御では、3つの位置(閉鎖位置、中間位置及び開放位置)のうち、1つの位置に対応するランプL1~L6が点灯され、2つ以上の位置に対応するランプL1~L6が同時期に点灯されることがない。
具体的には、開閉片72aが閉鎖位置に配置されているときには、閉鎖位置に対応するランプL1,L2が点灯される。このとき、中間位置に対応するランプL3,L4及び開放位置に対応するランプL5,L6は、消灯される。これによって、開閉片72aが閉鎖位置に配置されているときには、閉鎖位置に対応するランプL1,L2により、開閉片72aに対して光が照射される。
一方、開閉片72aが中間位置に配置されているときには、中間位置に対応するランプL3,L4が点灯される。このとき、閉鎖位置に対応するランプL1,L2及び開放位置に対応するランプL5,L6は、消灯される。これによって、開閉片72aが中間位置に配置されているときには、中間位置に対応するランプL3,L4により、開閉片72aに対して光が照射される。
一方、開閉片72aが開放位置に配置されているときには、開放位置に対応するランプL5,L6が点灯される。このとき、閉鎖位置に対応するランプL1,L2及び中間位置に対応するランプL3,L4は、消灯される。これによって、開閉片72aが開放位置に配置されているときには、開放位置に対応するランプL5,L6により、開閉片72aに対して光が照射される。
【0034】
具体的には、「大当たり5」に係る大当たり遊技状態の生起中には、各回のラウンド遊技の開始に応じて、開閉片72aが閉鎖位置から開放位置へ変位される。この際、開閉片72aの閉鎖位置から開放位置への変位に同期して、閉鎖位置に対応するランプL1,L2、中間位置に対応するランプL3,L4、開放位置に対応するランプL5,L6の順に、各位置に対応するランプL1~L6が、順次、点灯される。
また、各回のラウンド遊技中には、開閉片72aが開放位置に配置される。これに同期して、開放位置に対応するランプL5,L6が点灯される。
また、各回のラウンド遊技の終了に応じて、開閉片72aが開放位置から閉鎖位置へ変位される。この際、開閉片72aの開放位置から閉鎖位置への変位に同期して、開放位置に対応するランプL5,L6、中間位置に対応するランプL3,L4、閉鎖位置に対応するランプL1,L2の順に、各位置に対応するランプL1~L6が、順次、点灯される。
これによって、開閉片72aが変位されている期間中、3つの位置(閉鎖位置、中間位置及び開放位置)のうち、開閉片72aの位置に対応するランプL1~L6により、開閉片72aの背面に対して光が照射される。
したがって、あたかも、開閉片72aそれ自体が発光しているように演出することができ、特に、開閉片72aが発光を継続しながら変位しているように演出することができる。
【0035】
第2ランプ基板は、誘導片73aの背面側の位置に配置されている。
ここで、誘導片73aは、非補助位置(図34参照)と、中間位置(図35参照)と、補助位置(図36参照)と、を含む誘導片変位範囲内で変位される。「中間位置」は、非補助位置と補助位置との中間の位置となっている。
そして、各ランプL7,L8は、非補助位置に対して、光を照射することが可能となるように配置されている。すなわち、各ランプL7,L8は、非補助位置に位置する(配置されている)誘導片73aに対して、光を照射することが可能となるように配置されている。
具体的には、図34に示すように、各ランプL7,L8は、誘導片73aが非補助位置に配置されているときに、正面側から見て、誘導片73aの背面側に隠れる位置(誘導片73aにより正面側が被覆される位置)に配置されている。特に、各ランプL7,L8は、誘導片73aが非補助位置に配置されているときに、正面側から見て、誘導片73aのうち肉抜き穴が形成されている範囲の背面側に隠れる位置に配置されている。
ランプL7及びランプL8は、誘導片73aが非補助位置に配置されているときに、誘導片73aの長手方向に沿って並ぶように配置されている。すなわち、誘導片73aの回転軸73c、ランプL7及びランプL8は、一直線上に配置されている。
【0036】
各ランプL9,L10は、中間位置に対して、光を照射することが可能となるように配置されている。すなわち、各ランプL9,L10は、中間位置に位置する(配置されている)誘導片73aに対して、光を照射することが可能となるように配置されている。
具体的には、図35に示すように、各ランプL9,L10は、誘導片73aが中間位置に配置されているときに、正面側から見て、誘導片73aの背面側に隠れる位置(誘導片73aにより正面側が被覆される位置)に配置されている。特に、各ランプL9,L10は、誘導片73aが中間位置に配置されているときに、正面側から見て、誘導片73aのうち肉抜き穴が形成されている範囲の背面側に隠れる位置に配置されている。
ランプL9及びランプL10は、誘導片73aが中間位置に配置されているときに、誘導片73aの長手方向に沿って並ぶように配置されている。すなわち、誘導片73aの回転軸73c、ランプL9及びランプL10は、一直線上に配置されている。
【0037】
各ランプL11,L12は、補助位置に対して、光を照射することが可能となるように配置されている。すなわち、各ランプL11,L12は、補助位置に位置する(配置されている)誘導片73aに対して、光を照射することが可能となるように配置されている。
具体的には、図36に示すように、各ランプL11,L12は、誘導片73aが補助位置に配置されているときに、正面側から見て、誘導片73aの背面側に隠れる位置(誘導片73aにより正面側が被覆される位置)に配置されている。特に、各ランプL11,L12は、誘導片73aが補助位置に配置されているときに、正面側から見て、誘導片73aのうち肉抜き穴が形成されている範囲の背面側に隠れる位置に配置されている。
ランプL11及びランプL12は、誘導片73aが補助位置に配置されているときに、誘導片73aの長手方向に沿って並ぶように配置されている。すなわち、誘導片73aの回転軸73c、ランプL11及びランプL12は、一直線上に配置されている。
【0038】
また、図37に示すように、背面板12には、各ランプL7~L12に対応する貫通孔H7~H12が設けられている。すなわち、背面板12には、ランプL7に対応する貫通孔H7と、ランプL8に対応する貫通孔H8と、ランプL9に対応する貫通孔H9と、ランプL10に対応する貫通孔H10と、ランプL11に対応する貫通孔H11と、ランプL12に対応する貫通孔H12と、が設けられている。
各貫通孔H7~H12は、当該貫通孔に対応するランプL7~L12の正面側の位置に設けられている。すなわち、正面側から見て、各ランプL7~L12が配置されている位置と、当該ランプに対応する貫通孔H7~H12が設けられている位置とは、一致している。これによって、正面側から見て、各貫通孔H7~H12を介して、当該貫通孔に対応するランプL7~L12を視認することが可能となっている。
【0039】
各ランプL7~L12は、正面側に向かって、光を照射する。ここで、背面板12には、各ランプL7~L12に対応する貫通孔H7~H12が設けられている。これによって、各ランプL7~L12から照射された光は、背面板12により減衰(吸収)されることなく、当該ランプに対応する貫通孔H7~H12を通過して、誘導片73aの背面に対して照射される。
誘導片73aの背面に対して照射された光は、誘導片73aの背面から誘導片73aの内部へ入射する。ここで、誘導片73aの背面には、平目ローレット加工が施されている。これによって、誘導片73aの背面に対して照射された光は、誘導片73aの長手方向に拡散されて、誘導片73aの内部へ入射する。
誘導片73aの内部へ入射した光は、誘導片73aの内部を、奥行き方向に通過(透過)する。ここで、誘導片73aの背面には、肉抜き穴が形成されている。これによって、誘導片73aの奥行き方向の寸法(肉厚)を小さくすることができ、誘導片73aの内部を通過する光の減衰(吸収)が抑制される。
誘導片73aの内部を通過した光は、誘導片73aの正面から正面側に向かって出射する。ここで、誘導片73aの正面73bには、平目ローレット加工が施されている。これによって、誘導片73aの内部を通過した光は、誘導片73aの長手方向に更に拡散されて、誘導片73aの正面側に向かって出射する。
【0040】
演出制御回路300は、後述する「大当たり5」に係る大当たり遊技状態の生起中に、ランプL7~L12の点灯制御を実行する。
この際、演出制御回路300は、誘導片73aの変位と、ランプL7~L12の点灯(発光)と、が同期するように、各ランプL7~L12の点灯(発光)を制御する。
すなわち、演出制御手段300は、誘導片73aが変位される際に、誘導片73aが配置されている位置(非補助位置、中間位置又は補助位置)に対応するランプL7~L12を点灯し、補助片73aが配置されていない位置(非補助位置、中間位置又は補助位置)に対応するランプL7~L12を消灯する。
これによって、ランプL7~L12の点灯制御では、3つの位置(非補助位置、中間位置及び補助位置)のうち、1つの位置に対応するランプL7~L12が点灯され、2つ以上の位置に対応するランプL7~L12が同時期に点灯されることがない。
具体的には、誘導片73aが非補助位置に配置されているときには、非補助位置に対応するランプL7,L8が点灯される。このとき、中間位置に対応するランプL9,L10及び補助位置に対応するランプL11,L12は、消灯される。これによって、誘導片73aが非補助位置に配置されているときには、非補助位置に対応するランプL7,L8により、誘導片73aに対して光が照射される。
一方、誘導片73aが中間位置に配置されているときには、中間位置に対応するランプL9,L10が点灯される。このとき、非補助位置に対応するランプL7,L8及び補助位置に対応するランプL11,L12は、消灯される。これによって、誘導片73aが中間位置に配置されているときには、中間位置に対応するランプL9,L10により、誘導片73aに対して光が照射される。
一方、誘導片73aが補助位置に配置されているときには、補助位置に対応するランプL11,L12が点灯される。このとき、非補助位置に対応するランプL7,L8及び中間位置に対応するランプL9,L10は、消灯される。これによって、誘導片73aが補助位置に配置されているときには、補助位置に対応するランプL11,L12により、誘導片73aに対して光が照射される。
【0041】
具体的には、「大当たり5」に係る大当たり遊技状態の生起中には、各回のラウンド遊技の開始に応じて、誘導片73aが非補助位置から補助位置へ変位される。この際、誘導片73aの非補助位置から補助位置への変位に同期して、非補助位置に対応するランプL7,L8、中間位置に対応するランプL9,L10、補助位置に対応するランプL11,L12の順に、各位置に対応するランプL7~L12が、順次、点灯される。
また、各回のラウンド遊技中には、誘導片73aが補助位置に配置される。これに同期して、補助位置に対応するランプL11,L12が点灯される。
また、各回のラウンド遊技の終了に応じて、誘導片73aが補助位置から非補助位置へ変位される。この際、誘導片73aの補助位置から非補助位置への変位に同期して、補助位置に対応するランプL11,L12、中間位置に対応するランプL9,L10、非補助位置に対応するランプL7,L28の順に、各位置に対応するランプL7~L12が、順次、点灯される。
これによって、誘導片73aが変位されている期間中、3つの位置(非補助位置、中間位置及び補助位置)のうち、誘導片73aの位置に対応するランプL7~L12により、誘導片73aの背面に対して光が照射される。
したがって、あたかも、誘導片73aそれ自体が発光しているように演出することができ、特に、誘導片73aが発光を継続しながら変位しているように演出することができる。
【0042】
遊技領域30における第2大入賞装置70の下方には、第2始動口52が設けられている。第2始動口52には、第2始動口52への遊技球の入球を不可能にする閉鎖状態と、第2始動口52への遊技球の入球を可能にする開放状態と、に変位することが可能な普通電動役物(普通電役)52a(いわゆる「電動チューリップ」)が設けられている。
普通電動役物52aは、始動口ソレノイド64(図3参照)によって開閉される。第2始動口52は、通常時は、普通電動役物52aが閉鎖状態とされて、遊技球の入球が不可能となっているが、普通図柄抽選に当選した場合に、普通電動役物52aが開放状態とされて、遊技球の入球が可能となる。第2始動口52は、右側経路を流下する遊技球の入球が可能(左側経路を流下する遊技球の入球が不可能)となっている。
第2始動口52内には、特図2始動球検知センサ102(図3参照)が配設されている。特図2始動球検知センサ102は、第2始動口52に入球した遊技球(第2始動口52への遊技球の入球)の検出に応じて、検出信号を主制御回路200に対して出力する。主制御回路200は、特図2始動球検知センサ102からの検出信号の入力に応じて、第2特別図柄抽選を実行する。
【0043】
遊技領域30における最下方の位置には、いずれの入賞口(入球口)41,51,52,55,56,71にも入球(入賞)しなかった遊技球を排出するためのアウト口58が設けられている。
ここで、遊技盤11の背面側には、遊技領域30から排出された遊技球が通過する排出路(図示せず)が設けられている。そして、遊技盤11では、遊技領域30に打ち出された全ての遊技球(遊技領域30から排出された全ての遊技球)が、排出路を通過するように構成されている。すなわち、遊技領域30に打ち出された遊技球は、いずれかの入賞口41,51,52,55,56,71に入球することによって、又は、アウト口58を通過することによって、遊技領域30から排出される。
具体的には、各入賞口41,51,52,55,56,71に入球した遊技球は、当該入賞口内に配設された検知センサ101,102,103a,103b,105,106により検出された後に、排出路に誘導される。また、アウト口58から排出された遊技球は、排出路に誘導される。
排出路には、アウト球検知センサ109(図3参照)が配設されている。アウト球検知センサ109は、排出路を通過する遊技球(遊技領域30から排出された遊技球)の検出に応じて、検出信号を主制御回路200に対して出力する。これによって、遊技領域30から排出された全ての遊技球は、アウト球検知センサ109によって検出される。
ここで、本実施形態では、アウト球検知センサ109が、アウト口58から排出された遊技球のみを検出する構成としても構わない。
さらに、遊技領域30には、各入賞口41,51,52,55,56,71や始動ゲート50に遊技球を導くように複数の釘(図示せず)が配置されている。
【0044】
遊技盤11には、状態表示装置63(図3参照)が設けられている。状態表示装置63は、LED等によって構成されている。状態表示装置63には、特図1保留数表示器、特図2保留数表示器、普図保留数表示器、ラウンド数表示器、右打ち表示器等が含まれる。
図1保留数表示器には、第1特別図柄抽選の抽選結果の表示が保留されている回数(特図1保留数)が表示される。特図2保留数表示器には、第2特別図柄抽選の抽選結果の表示が保留されている回数(特図2保留数)が表示される。普図保留数表示器には、普通図柄抽選の抽選結果の表示が保留されている回数(普図保留数)が表示される。ラウンド数表示器には、大当たり遊技状態の種別(ラウンド遊技の実行回数)が表示される。右打ち表示器には、右側経路への遊技球の打ち出しの指示が表示される。
また、遊技盤11には、普図表示装置60(図3参照)と、特図1表示装置61(図3参照)と、特図2表示装置62(図3参照)と、が設けられている。各表示装置60,61,62は、7セグメントLED、ドットマトリクスLED等によって構成されている。
普図表示装置60は、数字や図柄等からなる普通図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、普図表示装置60では、停止表示された普通図柄によって、普通図柄抽選の結果が表示される。ここで、普図表示装置60に停止表示された普通図柄が特定の図柄となった場合には、遊技者に有利な遊技状態である普図当たり遊技状態が生起される。
【0045】
図1表示装置61は、数字や図柄等からなる第1特別図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、特図1表示装置61では、停止表示された第1特別図柄によって、第1特別図柄抽選の結果が表示される。特図2表示装置62は、数字や図柄等からなる第2特別図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、特図2表示装置62では、停止表示された第2特別図柄によって、第2特別図柄抽選の結果が表示される。
ここで、特図表示装置61,62における特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の表示と、演出図柄表示領域a1~a4における演出図柄z1,z2の表示とは、変動表示が開始される時期、停止表示が開始される時期及び停止表示された図柄が示す抽選結果のそれぞれについて対応付けられている。
そして、特図1表示装置61に停止表示された第1特別図柄(停止図柄)が特定の図柄となった場合、又は、特図2表示装置62において停止表示された第2特別図柄(停止図柄)が特定の図柄となった場合には、遊技者に有利な遊技状態である大当たり遊技状態が生起される。
また、パチンコ機1には、各種の異常状態を検出する各種異常検知センサ110(図3参照)が配設されている。各種異常検知センサ110には、電波を検出する電波検知センサ、磁気を検出する磁気検知センサ、振動を検出する振動検知センサ、内枠3の開放を検出する内枠開放センサ、扉ユニット4の開放を検出するガラス枠開放センサ等が含まれている。そして、各種異常検知センサ110は、各種の異常状態の検出に応じて、当該異常状態に対応する検出信号を主制御回路200に対して出力する。
【0046】
(制御系の構成)
次に、パチンコ機1における制御系の構成を説明する。
図3は、パチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、パチンコ機1は、主制御回路200と、演出制御回路300と、払出制御回路400と、各制御回路200,300,400等に電源(電力)を供給する電源回路600と、を備えている。
各制御回路200,300,400は、CPU(Central Processing Unit)と、遊技の進行に係るプログラム及び遊技の進行に必要なデータを格納するROM(Read Only Memory)と、CPUがROMに格納されているプログラムに基づく処理を進行するために使用される一時記憶領域となるRAM(Random Access Memory)と、を備えるマイクロコンピュータである。主制御回路200、演出制御回路300及び払出制御回路400は、それぞれ別々の基板に実装されている。
【0047】
主制御回路200は、CPU210と、ROM220と、RAM230と、入力ポート240と、出力ポート250と、周波数発生回路260と、ハード乱数発生回路270と、を備える。
入力ポート240は、複数の入力ポート(本実施形態では、入力ポート0、入力ポート1、入力ポート2及び入力ポート3)から構成されている。
入力ポート0には、各種異常検知センサ110からの検出信号、RAMクリアスイッチからのRAMクリア信号等が入力される。
入力ポート1には、第1大入賞球検知センサ103aからの検出信号、第2大入賞球検知センサ103bからの検出信号、左上他入賞球検知センサ105からの検出信号、左下他入賞球検知センサ106からの検出信号、アウト球検知センサ109からの検出信号等が入力される。
入力ポート2には、特図1始動球検知センサ101からの検出信号、特図2始動球検知センサ102からの検出信号、普図始動球検知センサ104からの検出信号、電源遮断検出回路からの電源遮断予告信号等が入力される。
入力ポート3には、払出制御回路400からの制御コマンドが入力される。
各入力ポート(入力ポート0~入力ポート2)には、各信号(各検知センサ)に対応する受信記憶領域が設けられている。各受信記憶領域には、当該受信記憶領域に対応する信号の受信状態を示す1ビットのデータが設定される。具体的には、各受信記憶領域には、当該受信記憶領域に対応する信号が入力されているときには、「1」が設定され、当該受信記憶領域に対応する信号が入力されていないときには、「0」が設定される。
【0048】
出力ポート250は、複数の出力ポート(本実施形態では、出力ポート0、出力ポート1及び出力ポート2)から構成されている。
出力ポート0は、各表示装置60~63及び各ソレノイド64,65a,65b,66に対して制御信号を出力する。
出力ポート1は、演出制御回路300に対して制御コマンドを送信する。
出力ポート2は、払出制御回路400に対して制御コマンドを送信する。また、出力ポート2は、払出制御回路400及び外部端子基板420を介して、ホールコンピュータ450に対して外部情報(賞球の払い出しに関する情報、エラー(異常状態)の発生に関する情報等)を出力する。
【0049】
出力ポート1は、送信用データレジスタ(図示せず)と、FIFO(First In First Out)バッファ(図示せず)と、送信用シフトレジスタ(図示せず)と、を有している。
送信用データレジスタは、後述するサブコマンド送信処理(ステップS2-4)に基づいて入力された制御コマンドを、FIFOバッファに対して出力する。
FIFOバッファは、複数のレジスタから構成され、複数の制御コマンドを記憶することが可能となっている。そして、FIFOバッファは、送信用データレジスタから入力された制御コマンドを記憶するとともに、記憶している制御コマンドを入力された順番で送信用シフトレジスタに対して出力する。
送信用シフトレジスタは、FIFOバッファから入力された制御コマンドについて、パラレル-シリアル変換を行い、シリアルデータとして、演出制御回路300に対して送信する。
【0050】
ROM220には、遊技の進行に係るプログラム及び遊技の進行に必要なデータが格納されている。特に、ROM220には、遊技の進行に必要なデータとして、各種抽選を実行するための抽選テーブル、演出制御回路300を制御するために必要な各種制御コマンド等が格納されている。
RAM230には、主制御回路200における入出力データ、演算処理のためのデータ、各種カウンタ(乱数カウンタ、タイマカウンタ等)、抽選結果や遊技状態を管理するフラグ等が一時的に記憶される。
特に、RAM230には、特図1始動球検知センサ101、特図2始動球検知センサ102及び普図始動球検知センサ104のそれぞれからの検出信号の入力を契機として取得される始動情報を記憶する領域が設けられている。ここで、始動情報とは、各検出信号の入力を契機として取得された各種乱数値等の情報をいう。
【0051】
周波数発生回路260は、所定のクロック周波数(本実施形態では、12[MHz])でクロック(同期信号)を発生させて、このクロックをCPU210及びハード乱数発生回路270のそれぞれに対して出力する。ハード乱数発生回路270は、普通図柄抽選の当たり乱数、第1特別図柄抽選の当たり乱数及び第2特別図柄抽選の当たり乱数のそれぞれを発生させる。ハード乱数発生回路270は、周波数発生回路260から1クロックが入力されるごとに、ループカウンタの値を所定の範囲内(例えば、0~65535の範囲内)において1ずつ更新することによって、当たり乱数を発生させる。本実施形態では、ハード乱数発生回路270のループカウンタの値は、0.083[μs](1[s]/12[MHz]=0.083[μs])ごとに更新される。
なお、ループカウンタは、普通図柄抽選、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選のそれぞれに対応するものが設定されている。
【0052】
演出制御回路300は、CPUと、ROMと、RAMと、入力ポートと、出力ポートと、を備えている。
演出制御回路300は、主制御回路200から受信した制御コマンドに基づいて、メイン画像表示装置31における演出画像の表示、各ランプ20,21,L1~L12の点灯(発光)、音発生装置22による音の出力、各種可動体を駆動するモータ(図示せず)の駆動等を制御する。
演出制御回路300のROMには、演出の進行に係るプログラム、演出の進行に必要なデータ等が格納されている。
演出制御回路300のRAMには、主制御回路200から受信した制御コマンド、演算処理を行うためのデータ等が一時的に記憶される。
演出制御回路300のCPUは、主制御回路200から受信した制御コマンドに基づいて、実行する演出の内容を決定する。そして、決定した演出の内容に対応する演出プログラム(演出制御テーブル)にしたがって、表示制御データ、音制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データ等を生成する。そして、生成した各制御データに基づく制御信号を、メイン画像表示装置31、音発生装置22、各ランプ20,21,L1~L12、各モータ等に対して出力する。
【0053】
払出制御回路400は、発射ボリュームから入力された検出信号に基づいて、遊技球発射装置430による遊技球の発射動作を制御する。
具体的には、払出制御回路400は、発射ボリュームから入力された検出信号に応じた強さで遊技球を遊技領域30に発射するように、遊技球発射装置430による遊技球の発射動作を制御する。
また、払出制御回路400は、主制御回路200から受信した制御コマンド及びCRユニット500から受信した球貸指示信号のそれぞれに基づいて、遊技球払出装置440による遊技球払出動作を制御する。
具体的には、球貸ボタン7aは、押下操作されたことに応じて、球貸操作信号を、接続基板410を介して、CRユニット500に対して送信する。そして、CRユニット500は、球貸操作信号を受信すると、挿入されているプリペイドカードに記録されている有価媒体の残存度数から所定数の貸球を払い出すために必要な度数を減算して、プリペイドカードにおける有価媒体の残存度数の記録を更新するとともに、所定数の遊技球の払い出しを指示する球貸指示信号を、接続基板410を介して、払出制御回路400に対して送信する。さらに、払出制御回路400は、球貸指示信号を受信すると、所定数の遊技球を払い出すように、遊技球払出装置440による遊技球の払出動作を制御する。
CRユニット500は、プリペイドカートが挿入されたとき及びプリペイドカードにおける有価媒体の残存度数の記録を更新したときのそれぞれにおいて、有価媒体の残存度数を示す度数信号を、接続基板410を介して、度数表示装置7cに対して送信する。そして、度数表示装置7cは、度数信号を受信すると、この度数信号が示す有価媒体の残存度数を表示する。
返却ボタン7bは、押下操作されたことに応じて、返却操作信号を、接続基板410を介して、CRユニット500に対して送信する。そして、CRユニット500は、返却操作信号を受信すると、有価媒体の残存度数が残っているプリペイドカードを返却(排出)する。
【0054】
(各種抽選について)
次に、パチンコ機1で実行される各種抽選について説明する。
パチンコ機1では、遊技球による始動ゲート50の通過を契機として、普通図柄抽選が実行される。そして、普通図柄抽選に当選した場合に、普図当たり遊技状態が生起される。普図当たり遊技状態では、普通電動役物52aが閉鎖状態から開放状態に変位(開放)されて、第2始動口52への遊技球の入球が可能となる。
本実施形態では、普通図柄抽選に当選した場合に生起される普図当たり遊技状態の種別として、「普図当たり」の1種類が設定されている。
【0055】
「普図当たり」に当選(普通図柄抽選に当選)した場合には、普図表示装置60において、普通図柄を「普図当たり図柄」で停止表示させるように制御する。
一方、普通図柄抽選に落選した場合には、普図表示装置60において、普通図柄を「はずれ図柄」で停止表示させるように制御する。
パチンコ機1では、遊技者に有利となる補助制御として、時短制御を実行することが可能となっている。
時短制御の実行中には、時短制御の停止中と比較して、特別図柄の変動表示を行う時間(以下、「変動時間」とする)が短縮される。本実施形態では、時短制御の実行中には、時短制御の停止中と比較して、普通図柄抽選の当選確率が向上されるとともに、普通図柄の変動表示を行う時間が短縮される。また、時短制御の実行中には、時短制御の停止中と比較して、普図当たり遊技状態において、普通電動役物52aの開放回数が増加されるとともに、普通電動役物52aの開放時間が延長される。
「普図当たり」に当選した場合には、普通電動役物52aの開放回数が、1[回]又は3[回]に設定され、各回における普通電動役物52aの開放時間が、0.5[s]又は2.0[s]に設定される。この際、時短制御の実行中には、普通電動役物52aの開放回数が、3[回]に設定されるとともに、各回における普通電動役物52aの開放時間が、2.0[s]に設定される。一方、時短制御の停止中には、普通電動役物52aの開放回数が、1[回]に設定されるとともに、各回における普通電動役物52aの開放時間が、0.5[s]に設定される。
【0056】
また、パチンコ機1では、第1始動口51への遊技球の入球を契機として、第1特別図柄抽選が実行され、第2始動口52への遊技球の入球を契機として、第2特別図柄抽選が実行される。そして、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選に当選した場合に、大当たり遊技状態が生起される。大当たり遊技状態では、特別電動役物42,72が閉鎖状態から開放状態に変位されるラウンド遊技が実行されて、大入賞装置40,70への遊技球の入球が可能な状態となる。
本実施形態では、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選)に当選した場合に生起される大当たり遊技状態の種別として、「大当たり1」~「大当たり5」が設定(規定)されている。
【0057】
「大当たり1」に当選した場合には、特図表示装置61,62において、特別図柄を「大当たり1図柄」で停止表示させるように制御する。この際、演出図柄表示領域a1~a4において、演出図柄z1,z2を「チャンス図柄」で停止表示させるように制御する。
ここで、「チャンス図柄」は、例えば、3つの演出図柄表示領域a1~a3の抽選結果表示位置に停止表示された演出図柄z1が、「2、2、2」等、同一の偶数の数字を示す「数字図柄」で揃うとともに、演出図柄表示領域a4に停止表示された演出図柄z2が所定色を示す態様とする。
「大当たり2」に当選した場合には、特図表示装置61,62において、特別図柄を「大当たり2図柄」で停止表示させるように制御する。この際、演出図柄表示領域a1~a4において、演出図柄z1,z2を「チャンス図柄」で停止表示させるように制御する。
「大当たり3」に当選した場合には、特図表示装置61,62において、特別図柄を「大当たり3図柄」で停止表示させるように制御する。この際、演出図柄表示領域a1~a4において、演出図柄z1,z2を「チャンス図柄」で停止表示させるように制御する。
「大当たり4」に当選した場合には、特図表示装置61,62において、特別図柄を「大当たり4図柄」で停止表示させるように制御する。この際、演出図柄表示領域a1~a4において、演出図柄z1,z2を「チャンス図柄」で停止表示させるように制御する。
「大当たり5」に当選した場合には、特図表示装置61,62において、特別図柄を「大当たり5図柄」で停止表示させるように制御する。この際、演出図柄表示領域a1~a4において、演出図柄z1,z2を「ボーナス図柄」で停止表示させるように制御する。
ここで、「ボーナス図柄」は、例えば、3つの演出図柄表示領域a1~a3の抽選結果表示位置に停止表示された演出図柄z1が、「7、7、7」等、同一の奇数の数字を示す「数字図柄」で揃うとともに、演出図柄表示領域a4に停止表示された演出図柄z2が所定色を示す態様とする。
【0058】
一方、特別図柄抽選に落選した場合(「はずれ」の場合)には、特図表示装置61,62において特別図柄を「はずれ図柄」で停止表示させるように制御する。この際、演出図柄表示領域a1~a4において、演出図柄z1,z2を「はずれ図柄」で停止表示させるように制御する。
ここで、「はずれ図柄」は、例えば、3つの演出図柄表示領域a1~a3に停止表示された演出図柄z1が、「1、6、9」等、少なくとも一の領域に停止表示された「数字図柄」が示す数字が、他の領域に停止表示された「数字図柄」が示す数字と異なる組み合わせとなるとともに、演出図柄表示領域a4に停止表示された演出図柄z2が所定色を示す態様とする。
【0059】
「大当たり1」~「大当たり5」に当選した場合には、大当たり遊技状態において、所定回数のラウンド遊技が実行される。
本実施形態では、「大当たり1」又は「大当たり4」に当選した場合には、大当たり遊技状態において、13[回]のラウンド遊技が実行される。一方、「大当たり2」に当選した場合には、大当たり遊技状態において、4[回]のラウンド遊技が実行される。一方、「大当たり3」に当選した場合には、大当たり遊技状態において、7[回]のラウンド遊技が実行される。一方、「大当たり5」に当選した場合には、大当たり遊技状態において、16[回]のラウンド遊技が実行される。
「大当たり1」~「大当たり4」に当選した場合には、各回のラウンド遊技において、第1特別電動役物42が開放状態に変位される。一方、「大当たり5」に当選した場合には、各回のラウンド遊技において、第2特別電動役物72が開放状態に変位される。
「大当たり1」~「大当たり4」に当選した場合には、各回のラウンド遊技における第1特別電動役物42の最長開放時間として、所定時間(本実施形態では、30.0[s])が設定される。また、各回のラウンド遊技における第1大入賞装置40(入球口41)への遊技球の入球数の上限として、所定上限数(本実施形態では、7[球])が設定される。
一方、「大当たり5」に当選した場合には、各回のラウンド遊技における第2特別電動役物72の最長開放時間として、所定時間(本実施形態では、30.0[s])が設定される。また、各回のラウンド遊技における第2大入賞装置70(入球口71)への遊技球の入球数の上限として、所定上限数(本実施形態では、9[球])が設定される。
そして、各回のラウンド遊技は、特別電動役物42,72が開放状態に変位されてから予め設定された最長開放時間が経過したこと、及び、当該ラウンド遊技中における大入賞装置40,70(入球口41,71)への遊技球の入球数が予め設定された所定上限数に達したこと、のうち一方の条件の成立に応じて終了される。
【0060】
ここで、パチンコ機1では、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選)の当選確率に係る遊技状態として、「特図低確率状態」と、「特図高確率状態」と、が設定されている。「特図低確率状態」では、特別図柄抽選の当選確率が、第1の確率(以下、「低確率」とする)(例えば、1/320)に設定される。一方、「特図高確率状態」では、特別図柄抽選の当選確率が、第1の確率より高い第2の確率(以下、「高確率」とする)(例えば、1/32)に設定される。なお、主制御回路200は、第1特別図柄抽選の当選確率と第2特別図柄抽選の当選確率とが同期するように、各抽選の当選確率を設定する。ここで、特別図柄抽選の当選確率とは、大当たり遊技状態が生起される「当たり」(「大当たり1」~「大当たり5」)に当選する確率をいう。
そして、「大当たり1」に当選した場合には、当該大当たり遊技状態の終了後から次回の大当たり遊技状態の生起前までの期間において、「特図低確率状態」が生起される。
一方、「大当たり2」~「大当たり5」に当選した場合には、当該大当たり遊技状態の終了後から次回の大当たり遊技状態の生起前までの期間において、「特図高確率状態」が生起される。
また、「大当たり1」~「大当たり5」に当選した場合には、当該大当たり遊技状態の終了後に、時短制御が実行される。
時短制御は、大当たり遊技状態の終了に応じて開始され、特別図柄抽選に当選したこと(大当たり図柄が停止表示されたこと)、及び、所定時短回数(本実施形態では、100[回])の特別図柄の報知表示(変動表示及び停止表示)が実行されたこと、のうち一方の成立に応じて終了される。
【0061】
(制御コマンドについて)
次に、主制御回路200から演出制御回路300に対して送信される制御コマンド、及び、主制御回路200と払出制御回路400との間で送受信される制御コマンドについて説明する。
主制御回路200と演出制御回路300とは、シリアル通信用のハーネスを介して互いに接続されている。ここで、主制御回路200と演出制御回路300との間における通信は、主制御回路200から演出制御回路300への一方向のみで行われ、演出制御回路300から主制御回路200への通信は行われない。
主制御回路200から演出制御回路300に対して送信される各制御コマンドは、制御コマンドの種類を示す1バイトの上位データと、制御コマンドの内容を示す1バイトの下位データと、から構成されている。
そして、主制御回路200は、シリアル通信によって、上位データ及び下位データから構成される制御コマンドを演出制御回路300に対して送信する。演出制御回路300では、主制御回路200から制御コマンドを受信すると、シリアル通信受信割込みが発生し、この割込み処理によって、制御コマンドのデータをRAMの所定領域に記憶する。
【0062】
パチンコ機1では、主制御回路200から演出制御回路300に対して送信される制御コマンドとして、図柄種別指定コマンド、第1変動パターン指定コマンド、第2変動パターン指定コマンド、停止指定コマンド、遊技状態指定コマンド、保留数指定コマンド、オープニング指定コマンド、ラウンド開始指定コマンド、ラウンド終了指定コマンド、エンディング指定コマンド、第1先読み指定コマンド、第2先読み指定コマンド、第3先読み指定コマンド等が設定されている。
図柄種別指定コマンドは、特別図柄の停止図柄の種別(特別図柄抽選の抽選結果)を指定するコマンドである。図柄種別指定コマンドは、特別図柄の停止図柄の種別として、「はずれ図柄」又は「大当たりp図柄」(「大当たり1図柄」~「大当たり5図柄」のうち一のもの)を指定する。図柄種別指定コマンドは、特別図柄の変動表示の開始時に送信される。本実施形態では、図柄種別指定コマンドは、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選のそれぞれに対応するものが設定されている。
【0063】
第1変動パターン指定コマンド及び第2変動パターン指定コマンドは、それぞれ、特別図柄の変動パターンの種別(変動パターン番号)を指定するコマンドである。本実施形態では、第1変動パターン指定コマンド及び第2変動パターン指定コマンドは、それぞれ、変動パターン番号を指定することによって、当該変動パターン番号に対応付けられている変動パターン(変動時間)を指定する。
第1変動パターン指定コマンドは、演出図柄の変動表示のうち前半期間の変動パターン(以下、「第1変動パターン」とする)の種別を指定する。
本実施形態では、第1変動パターンの種別として、互いに異なる変動時間が対応付けられた、m(複数)種類のものが設定されている。そして、第1変動パターン指定コマンドは、m種類の第1変動パターンの種別(変動パターン番号)のうち一のもの(「変動パターンm」)を指定する。
第2変動パターン指定コマンドは、演出図柄z1,z2の変動表示のうち後半期間の変動パターン(以下、「第2変動パターン」とする)の種別を指定する。
本実施形態では、第2変動パターンの種別として、互いに異なる変動時間が対応付けられた、n(複数)種類のものが設定されている。そして、第2変動パターン指定コマンドは、n種類の第2変動パターンの種別(変動パターン番号)のうち一のもの(「変動パターンn」)を指定する。
第1変動パターン指定コマンド及び第2変動パターン指定コマンドは、特別図柄の変動表示の開始時に送信される。
【0064】
停止指定コマンドは、特別図柄(演出図柄z1,z2)の停止表示を指定するコマンドである。停止指定コマンドは、特別図柄の停止表示の開始時に送信される。
遊技状態指定コマンドは、遊技状態(遊技状態オフセット値)を指定するコマンドである。
ここで、「遊技状態オフセット値」とは、遊技状態を指定する情報となっている。本実施形態では、遊技状態オフセット値として、時短制御フラグの値と、特図高確率状態フラグの値と、前回大当たり図柄フラグの値と、大当たり後回転数カウンタの値と、の組み合わせのそれぞれに対応する数値が設定されている。
そして、遊技状態指定コマンドは、一の遊技状態オフセット値を指定する。遊技状態指定コマンドは、電源投入時、後述する特別遊技フェーズの変更時等に送信される。
【0065】
保留数指定コマンドは、保留数を指定するコマンドである。本実施形態では、保留数指定コマンドは、保留数(特図1保留数又は特図2保留数)が「1」増加したこと、保留数が「1」減少したこと、保留数等を指定する。
ここで、「特図1保留数」とは、特図1表示装置61における第1特別図柄の報知表示(変動表示及び停止表示)が保留されている数をいう。また、「特図2保留数」とは、特図2表示装置62における第2特別図柄の報知表示(変動表示及び停止表示)が保留されている数をいう。
保留数指定コマンドは、電源投入時、始動情報の記憶時、特別図柄の変動表示の開始時等に送信される。本実施形態では、保留数指定コマンドとして、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選のそれぞれに対応するものが設定されている。
【0066】
オープニング指定コマンドは、オープニング期間の開始(大当たり遊技状態の開始)を指定するコマンドである。オープニング指定コマンドは、開始する大当たり遊技状態の種別(「大当たり1」~「大当たり5」のうちいずれか)を指定する。オープニング指定コマンドは、オープニング期間の開始時(大当たり遊技状態の開始時)に送信される。
ラウンド開始指定コマンドは、ラウンド遊技の開始を指定するコマンドである。ラウンド開始指定コマンドは、ラウンド遊技の開始時に送信される。
ラウンド終了指定コマンドは、ラウンド遊技の終了を指定するコマンドである。ラウンド終了指定コマンドは、ラウンド遊技の終了時に送信される。
エンディング指定コマンドは、エンディング期間の開始を指定するコマンドである。エンディング指定コマンドは、エンディング期間の開始時に送信される。
【0067】
第1先読み指定コマンドは、特別図柄の停止図柄の種別を指定するコマンドである。第1先読み指定コマンドは、特別図柄の停止図柄の種別として、「はずれ図柄」又は「大当たりp図柄」(「大当たり1図柄」~「大当たり5図柄」のうち一のもの)を指定する。本実施形態では、第1先読み指定コマンドは、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選のそれぞれに対応するものが設定されている。
第2先読み指定コマンドは、第1変動パターンの内容を指定するコマンドである。具体的には、第2先読み指定コマンドは、第1変動パターンの種別が不定であること(「変動パターン不定」)、又は、m種類の第1変動パターンの種別(変動パターン番号)うち一のもの(「変動パターンm」)を指定する。第2先読み指定コマンドは、始動情報記憶時に送信される。
第3先読み指定コマンドは、第2変動パターンの内容を指定するコマンドである。具体的には、第3先読み指定コマンドは、第2変動パターンの種別が不定であること(「変動パターン不定」)、又は、n種類の第2変動パターンの種別(変動パターン番号)うち一のもの(「変動パターンn」)を指定する。第3先読み指定コマンドは、始動情報記憶時に送信される。
【0068】
主制御回路200と払出制御回路400とは、シリアル通信用のハーネスを介して互いに接続されている。ここで、主制御回路200と払出制御回路400との間における通信は、双方向に行われる。主制御回路200と払出制御回路400との間において送受信される各制御コマンドは、1バイトのデータから構成されている。
そして、主制御回路200は、シリアル通信によって、制御コマンドを払出制御回路400に対して送信する。払出制御回路400では、主制御回路200から制御コマンドを受信すると、シリアル通信受信割込みが発生し、この割込み処理によって、制御コマンドのデータをRAMの所定領域に記憶する。また、払出制御回路400は、シリアル通信によって、制御コマンドを主制御回路200に対して送信する。主制御回路200では、払出制御回路400から制御コマンドを受信すると、シリアル通信受信割込みが発生し、この割込み処理によって、制御コマンドのデータをRAM230の所定領域に記憶する。
パチンコ機1では、主制御回路200から払出制御回路400に対して送信される制御コマンドとして、賞球数指定コマンド等が設定されている。
賞球数指定コマンドは、払い出しを行う賞球数を指定するコマンドである。本実施形態では、賞球数指定コマンドは、n個(n=1~15)の賞球の払い出しを指定する。賞球数指定コマンドは、払出制御回路400による賞球の払い出し動作の実行時に送信される。
また、パチンコ機1では、払出制御回路400から主制御回路200に対して送信される制御コマンドとして、払出中エラーの発生・解除、満タンエラーの発生・解除、球詰まりエラーの発生・解除等のそれぞれを指定する制御コマンドが設定されている。各制御コマンドは、各種エラーの発生・解除の検出時に送信される。
【0069】
(主制御回路200で実行される処理)
次に、主制御回路200で実行される処理を説明する。
まず、主制御回路200に構成されているハードウェアの機能について説明する。
パチンコ機1に電源が投入されると、ハード乱数発生回路270は、周波数発生回路260から1クロックが入力されるごと(本実施形態では、0.083[μs]ごと)に、ループカウンタの値を所定の範囲内(本実施形態では、0~65535の範囲内)において「1」ずつ更新するハード乱数更新処理を開始する。そして、ハード乱数更新処理によって、普通図柄抽選の当たり乱数、第1特別図柄抽選の大当たり乱数、及び、第2特別図柄抽選の大当たり乱数のそれぞれが更新される。なお、ハード乱数更新処理は、ハード乱数発生回路270(ハードウェア)の機能として実行され、後述するCPU210がソフトウェアに基づいて実行する処理とは独立して実行される。
また、パチンコ機1に電源が投入されると、出力ポート1(出力ポート250)の送信用シフトレジスタは、FIFOバッファに記憶されている制御コマンドを演出制御回路300に対して送信する制御コマンド送信処理を開始する。なお、制御コマンド送信処理は、出力ポート1(ハードウェア)の機能として実行され、後述するCPU210がソフトウェアに基づいて実行する処理とは独立して実行される。
【0070】
次に、主制御回路200のCPU210がROM220に記憶されている遊技の進行に係るプログラム(ソフトウェア)に基づいて実行する遊技制御処理について説明する。
図4は、CPU初期化処理を示すフローチャートである。
パチンコ機1に電源が投入されると、CPU210は、図4に示すCPU初期化処理を開始する。CPU初期化処理が開始されると、まず、ステップS1-1に移行する。
ステップS1-1では、初期設定処理を実行し、ステップS1-2に移行する。初期設定処理では、各種処理を実行するために必要な設定を行う。
具体的には、初期設定処理では、スタックポインタにスタック領域の先頭アドレスを設定する。また、割込みモードとして、ベクタ方式の割込モードを設定する。
ステップS1-2では、ウェイト処理時間設定処理を実行し、ステップS1-3に移行する。ウェイト処理時間設定処理では、所定のウェイト処理時間を、タイマカウンタに設定する。そして、タイマカウンタによる設定したウェイト処理時間の計測を開始する。
ステップS1-3では、RAMクリア信号読込処理を実行し、ステップS1-4に移行する。RAMクリア信号読込処理では、RAMクリア信号の読み込みを行う。
ここで、パチンコ機1には、ラムクリアスイッチ(図示せず)が設けられている。そして、ラムクリアスイッチが押下操作されている状態で電源が投入されると、ラムクリア信号が入力ポート240(入力ポート0)に入力される。
RAMクリア信号読込処理では、入力ポート240のラムクリア信号に対応する受信記憶領域に設定されている値(「1」又は「0」)を読み込む。
【0071】
ステップS1-4では、ステップS1-2で設定したウェイト処理時間が経過したか否かを判定し、ウェイト処理時間が経過したと判定した場合(Yes)には、ステップS1-5に移行し、ウェイト処理時間が経過していないと判定した場合(No)には、ステップS1-4の処理を繰り返す。
ステップS1-5では、RAMアクセス許可処理を実行して、ステップS1-6に移行する。RAMアクセス許可処理では、RAM230のワーク領域へのアクセスを許可するために必要な処理を実行する。
具体的には、RAMアクセス許可処理では、RAM230の所定領域において、RAMプロテクト値として、アクセス許可に対応する値を記憶する。これにより、CPU210によるRAM230のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS1-6では、ステップS1-3で読み込んだ値(ラムクリア信号に対応する受信記憶領域に設定されている値)に基づいて、ラムクリア信号が入力されているか否かを判定し、ラムクリア信号が入力されていないと判定した場合(No)には、ステップS1-7に移行し、ラムクリア信号が入力されていると判定した場合(Yes)には、ステップS1-16に移行する。
【0072】
ステップS1-7では、RAM230の電源遮断発生情報フラグ領域に電源遮断発生情報が保存されているか否かを判定し、電源遮断発生情報が保存されていると判定した場合(Yes)には、ステップS1-8に移行し、電源遮断発生情報が保存されていないと判定した場合(No)には、ステップS1-16に移行する。
ステップS1-8では、チェックサム算出処理を実行し、ステップS1-9に移行する。チェックサム算出処理では、バックアップ情報に基づいて、チェックサムを算出する。
ここで、「バックアップ情報」とは、RAM230のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むワーク領域)のうち、電源遮断発生情報フラグ領域及びチェックサムバッファ領域を除く全ての領域に記憶されている情報をいう。
ステップS1-9では、ステップS1-8で算出したチェックサムが正常であるか否かを判定し、チェックサムが正常であると判定した場合(Yes)には、ステップS1-10に移行し、チェックサムが正常でないと判定した場合(No)には、ステップS1-16に移行する。
ここで、ステップS1-8で算出したチェックサムの値が、チェックサムバッファ領域に保存されているチェックサムの値と一致している場合には、チェックサムが正常であると判定し、ステップS1-8で算出したチェックサムの値が、チェックサムバッファ領域に保存されているチェックサムの値と一致していない場合には、チェックサムが正常でないと判定する。
【0073】
ステップS1-10では、電源遮断発生情報解除処理を実行し、ステップS1-11に移行する。電源遮断発生情報解除処理では、RAM230の電源遮断発生情報フラグ領域に設定されている電源遮断発生情報を解除(消去)する。
ステップS1-11では、遊技状態復帰処理を実行し、ステップS1-12に移行する。遊技状態復帰処理では、バックアップ情報に基づいて、RAM230のワーク領域に各種の値を設定して、電源遮断の発生を検出した時の遊技状態を復帰させる。
具体的には、遊技状態復帰処理では、バックアップ情報に基づいて、各種フラグ(時短制御フラグ、特図高確率状態フラグ、前回大当たり図柄フラグ、特別遊技フェーズフラグ、普通遊技フェーズフラグ等)の値を設定するとともに、各種カウンタ(時短カウンタ、大当たり後回転数カウンタ等)の値を設定する。
これによって、バックアップ情報に基づいて、RAM230に記憶されている情報が、電源遮断の発生を検出した時の状態に復帰する。
ステップS1-12では、電源復帰時サブコマンド送信処理を実行し、ステップS1-13に移行する。電源復帰時サブコマンド送信処理では、電源遮断から復帰したことを指定するサブコマンド(主制御回路200から演出制御回路300に対して送信される制御コマンド)を、RAM230のサブコマンド出力要求バッファに記憶する。
ステップS1-13では、電源復帰時払出コマンド送信処理を実行し、ステップS1-14に移行する。電源復帰時払出コマンド送信処理では、電源遮断から復帰したことを指定する払出コマンド(主制御回路200から払出制御回路400に対して送信される制御コマンド)を、RAM230の払出コマンド出力要求バッファに記憶する。
【0074】
ステップS1-14では、演出復帰用サブコマンド送信処理を実行し、ステップS1-15に移行する。演出復帰用サブコマンド送信処理では、演出復帰用のサブコマンド(電源復帰時フェーズ指定コマンド、遊技状態指定コマンド、電源復帰指定コマンド等)を、RAM230のサブコマンド出力要求バッファに記憶する。
ここで、「電源復帰時フェーズ指定コマンド」は、演出を復帰する特別遊技フェーズを指定する制御コマンドである。
演出復帰用サブコマンド送信処理では、まず、RAM230の所定領域に設定されている特別遊技フェーズフラグの値に基づいて、現在の特別遊技フェーズを確認する。そして、確認した特別遊技フェーズを指定する電源復帰時フェーズ指定コマンドを、RAM230のサブコマンド出力要求バッファに記憶する。
また、現在の遊技状態に基づいて、遊技状態オフセット値を演算する。具体的には、RAM230の所定領域に設定されている時短制御フラグの値と、特図高確率状態フラグの値と、前回大当たり図柄フラグの値と、大当たり後回転数カウンタの値と、を確認して、この確認結果に対応する遊技状態オフセット値を演算する。そして、演算した遊技状態オフセット値を指定する遊技状態指定コマンドを、RAM230のサブコマンド出力要求バッファに記憶する。
ステップS1-15では、割込み設定処理を実行し、メインループ処理(ステップS2-1)に移行する。割込み初期設定処理では、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。
具体的には、CPU210は、割込みベクタレジスタを設定し、また、CTCに割込みカウント値(本実施形態では、4.0[ms])を設定する。
【0075】
ステップS1-16では、RAMクリア処理を実行し、ステップS1-17に移行する。RAMクリア処理では、RAM230の初期化を行う。
具体的には、RAMクリア処理では、RAM230(使用禁止領域を除く)に記憶されている情報をクリア(消去)する。これにより、RAM230のワーク領域及びスタック領域は全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
具体的には、RAM230の所定領域において、各種フラグ(時短制御フラグ、特図高確率状態フラグ、前回大当たり図柄フラグ、特別遊技フェーズフラグ、普通遊技フェーズフラグ等)の値として、所定の初期値を設定するとともに、各種カウンタ(時短カウンタ、大当たり後回転数カウンタ等)の値として、所定の初期値(本実施形態では、「0」)が設定される。
ステップS1-17では、RAMクリア時サブコマンド送信処理を実行し、ステップS1-18に移行する。RAMクリア時サブコマンド送信処理では、RAMクリアを実行されたことを指定するサブコマンドを、RAM230のサブコマンド出力要求バッファに記憶する。
ステップS1-18では、RAMクリア時払出コマンド送信処理を実行し、ステップS1-14に移行する。RAMクリア時払出コマンド送信処理では、RAMクリアを実行されたことを指定する払出コマンドを、RAM230の払出コマンド出力要求バッファに記憶する。
【0076】
次に、CPU210が実行するメインループ処理を説明する。
図5は、メインループ処理を示すフローチャートである。
CPU210は、図4に示すCPU初期化処理(ステップS1-15)が終了すると、図5に示すメインループ処理を開始する。メインループ処理が開始されると、まず、ステップS2-1に移行する。
ステップS2-1では、割込み禁止処理を実行して、ステップS2-2に移行する。割込み禁止処理では、他の処理の割込みを禁止する割込み禁止状態を設定する。これにより、割込み禁止状態が設定されている期間中には、後述する電源遮断時退避処理、タイマ割込み処理等の実行が禁止される。
ステップS2-2では、初期値乱数更新処理を実行し、ステップS2-3に移行する。初期値乱数更新処理では、初期値乱数を発生させるためのループカウンタの値を更新する。
ここで、「初期値乱数」とは、プログラム上で発生する乱数であるソフト乱数(当たり図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等)の初期値及び終了値を決定するための乱数である。
すなわち、ソフト乱数を発生させるループカウンタの値は、予め設定された初期値から終了値までの範囲内において更新される。そして、ソフト乱数を発生させるループカウンタの初期値及び終了値は、ループカウンタの値が終了値に達するごとに変更される。この際、ループカウンタの初期値及び終了値は、初期値乱数に基づいて決定される。
【0077】
ステップS2-3では、主コマンド解析処理を実行し、ステップS2-4に移行する。主コマンド解析処理では、払出制御回路400から受信した主コマンド(払出制御回路400から主制御回路200に対して送信される制御コマンド)を解析し、解析結果に応じた処理を実行する。
ステップS2-4では、サブコマンド送信処理を実行し、ステップS2-5に移行する。サブコマンド送信処理では、RAM230のサブコマンド出力要求バッファに記憶されているサブコマンドを、出力ポート250(出力ポート1)の送信用データレジスタに対して出力する。
これによって、送信用データレジスタに入力されたサブコマンドは、FIFOバッファに記憶(格納)される。そして、FIFOバッファに記憶されたサブコマンドは、送信用シフトレジスタによって、所定の順番で、演出制御回路300に対して送信される。
ステップS2-5では、割込み許可処理を実行し、ステップS2-6に移行する。割込み許可処理では、割込み禁止状態を解除する。これにより、ステップS2-5の割込み許可処理が実行されてからステップS2-1の割込み禁止処理が実行されるまでの期間中が、電源遮断時退避処理、タイマ割込み処理等の実行が許可された割込み許可期間となる。
ステップS2-6では、その他乱数更新処理を実行し、ステップS2-1に移行する。その他乱数更新処理では、ソフト乱数のうち当たり図柄乱数を除いたもの(リーチ乱数、変動パターン乱数等)の更新を行う。
【0078】
次に、CPU210が実行する電源遮断時退避処理を説明する。
図6は、電源遮断時退避処理を示すフローチャートである。
電源回路600には、電源遮断検出回路(図示せず)が接続されている。そして、電源遮断検出回路は、電源回路600が供給する電源電圧を監視して、電源電圧の値が所定の基準値を下回った場合に、電源遮断予告信号を主制御回路200に対して出力する。
CPU210は、電源遮断予告信号を受信すると、メインループ処理の割込み許可期間中において、図6に示す電源遮断時退避処理を開始する。電源遮断時退避処理が開始されると、まず、ステップS3-1に移行する。
ステップS3-1では、レジスタ退避処理を実行し、ステップS3-2に移行する。レジスタ退避処理では、メインループ処理の実行中に使用していたレジスタの値をRAM230の退避領域に退避させる。
ステップS3-2では、電源遮断予告信号読込処理を実行し、ステップS3-3に移行する。電源遮断予告信号読込処理では、電源遮断検出回路からの電源遮断予告信号の読み込みを行う。
具体的には、電源遮断予告信号読込処理では、入力ポート240の電源遮断予告信号に対応する受信記憶領域に設定されている値(「1」又は「0」)を読み込む。
ステップS3-3では、ステップS3-2で読み込んだ値(電源遮断予告信号に対応する受信記憶領域に設定されている値)に基づいて、電源遮断検出回路から電源遮断予告信号が入力されているか否かを判定(ビットチェック)し、電源遮断予告信号が入力されていると判定した場合(Yes)には、ステップS3-4に移行し、電源遮断予告信号が入力されていないと判定した場合(No)には、ステップS3-13に移行する。
【0079】
ステップS3-4では、出力ポート停止処理を実行し、ステップS3-5に移行する。出力ポート停止処理では、出力ポート250(出力ポート0~出力ポート2)による制御信号及び制御コマンドの出力を停止する。また、入力ポート240(入力ポート0~入力ポート3)への検出信号の入力を停止する。
ステップS3-5では、チェックサム保存処理を実行し、ステップS3-6に移行する。チェックサム保存処理では、RAM230のワーク領域のうち電源遮断発生情報フラグ領域及びチェックサムバッファ領域を除く全ての領域に記憶されている情報について、チェックサムを算出する。そして、算出したチェックサムの値を、チェックサムバッファ領域に保存する。
ステップS3-6では、電源遮断発生情報設定処理を実行し、ステップS3-7に移行する。電源遮断発生情報設定処理では、RAM230の電源遮断発生情報フラグ領域において、電源遮断発生情報を設定(保存)する。
ステップS3-7では、RAMアクセス禁止処理を実行し、ステップS3-8に移行する。RAMアクセス禁止処理では、RAM230のワーク領域へのアクセスを禁止するための処理を実行する。
具体的には、RAMアクセス禁止処理では、RAM230の所定領域において、RAMプロテクト値として、アクセス禁止に対応する値を記憶する。これにより、CPU210によるRAM230のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスが禁止された状態となる。
【0080】
ステップS3-8では、ループカウンタ設定処理を実行し、ステップS3-9に移行する。ループカウンタ設定処理では、復帰判定用ループカウンタの値として、所定の電源遮断予告信号読込回数を設定する。
ステップS3-9では、電源遮断予告信号読込処理を実行し、ステップS3-10に移行する。電源遮断予告信号読込処理では、電源遮断検出回路からの電源遮断予告信号の読み込みを行う。
具体的には、電源遮断予告信号読込処理では、入力ポート240の電源遮断予告信号に対応する受信記憶領域に設定されている値(「1」又は「0」)を読み込む。
ステップS3-10では、ステップS3-9で読み込んだ値(電源遮断予告信号に対応する受信記憶領域に設定されている値)に基づいて、電源遮断検出回路から電源遮断予告信号が入力されているか否かを判定し、電源遮断予告信号が入力されていないと判定した場合(No)には、ステップS3-11に移行し、電源遮断予告信号が入力されていると判定した場合(Yes)には、ステップS3-8に移行する。
ステップS3-11では、ループカウンタ更新処理を実行し、ステップS3-12に移行する。ループカウンタ更新処理では、復帰判定用ループカウンタに設定されている値から「1」を減算した値を、新たに復帰判定用ループカウンタに設定する。
ステップS3-12では、復帰判定用ループカウンタの値が「0」であるか否かを判定し、復帰判定用ループカウンタの値が「0」であると判定した場合(Yes)には、CPU初期化処理(ステップS1-1)に移行し、復帰判定用ループカウンタの値が「0」でないと判定した場合(No)には、ステップS3-9に移行する。
ステップS3-13では、レジスタ復帰処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。レジスタ復帰処理では、ステップS3-1で退避しておいたレジスタの値を復帰させる。そして、レジスタ復帰処理の終了後、メインループ処理(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
【0081】
次に、CPU210が実行するタイマ割込み処理を説明する。
図7は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
周波数発生回路260は、所定割込み周期(本実施形態では、4.0[ms])ごとに、割込み要求信号を発生させる。
CPU210は、割込み要求信号の発生に応じて、メインループ処理の割込み許可期間中において、図7に示すタイマ割込み処理を開始する。タイマ割込み処理が開始されると、まず、ステップS4-1に移行する。
ステップS4-1では、レジスタ退避処理を実行し、ステップS4-2に移行する。レジスタ退避処理では、メインループ処理の実行中に使用していた全てのレジスタの値をRAM230の退避領域に退避させる。
ステップS4-2では、割込み許可処理を実行し、ステップS4-3に移行する。割込み許可処理では、割込みを許可する。
ステップS4-3では、ダイナミックポート出力処理を実行し、ステップS4-4に移行する。ダイナミックポート出力処理では、各表示装置60~63(各LED)に対して、制御信号を出力する。
具体的には、ダイナミックポート出力処理では、RAM230のダイナミックポート出力要求バッファに設定されている駆動情報(駆動信号)を、出力ポート250(出力ポート0)に対して出力する。これによって、ダイナミックポート出力要求バッファに設定されている駆動信号に基づいて、各表示装置60~63(各LED)が、ダイナミック点灯方式により点灯制御される。
【0082】
ステップS4-4では、ポート入力処理を実行し、ステップS4-5に移行する。ポート入力処理では、最新のスイッチ状態を正確に取得する。
ここで、RAM230には、入力ポート0状態フラグ領域と、入力ポート1状態フラグ領域と、入力ポート2状態フラグ領域と、が設定されている。
入力ポート0状態フラグ領域は、入力ポート0に入力される各信号(各検知センサ)に対応するスイッチ状態記憶領域を含んで構成されている。各スイッチ状態記憶領域には、当該スイッチ状態記憶領域に対応する信号(検知センサ)のスイッチ状態(信号が入力されている状態、又は、信号が入力されていない状態)を示す1ビットのデータ(「1」又は「0」)が設定される。具体的には、各スイッチ状態記憶領域には、当該スイッチ状態記憶領域に対応する信号が入力されているときには、「1」が設定され、当該スイッチ状態記憶領域に対応する信号が入力されていないときには、「0」が設定される。
本実施形態では、入力ポート0状態フラグ領域は、電波検知センサからの検出信号に対応するスイッチ状態記憶領域と、磁気検知センサからの検出信号に対応するスイッチ状態記憶領域と、振動検知センサからの検出信号に対応するスイッチ状態記憶領域と、内枠開放センサからの検出信号に対応するスイッチ状態記憶領域と、ガラス枠開放センサからの検出信号に対応するするスイッチ状態記憶領域と、RAMクリアスイッチからのRAMクリア信号に対応するスイッチ状態記憶領域と、を含んで構成されている。
【0083】
入力ポート1状態フラグ領域は、入力ポート1に入力される各信号(各検知センサ)に対応するスイッチ状態記憶領域を含んで構成されている。各スイッチ状態記憶領域には、当該スイッチ状態記憶領域に対応する信号のスイッチ状態を示す1ビットのデータ(「1」又は「0」)が設定される。具体的には、各スイッチ状態記憶領域には、当該スイッチ状態記憶領域に対応する信号が入力されているときには、「1」が設定され、当該スイッチ状態記憶領域に対応する信号が入力されていないときには、「0」が設定される。
本実施形態では、入力ポート1状態フラグ領域は、左上他入賞球検知センサ105からの検出信号に対応するスイッチ状態記憶領域と、左下他入賞球検知センサ106からの検出信号に対応するスイッチ状態記憶領域と、第1大入賞球検知センサ103aからの検出信号に対応するスイッチ状態記憶領域と、第2大入賞球検知センサ103bからの検出信号に対応するスイッチ状態記憶領域と、アウト球検知センサ109からの検出信号に対応するスイッチ状態記憶領域と、を含んで構成されている。
【0084】
入力ポート2状態フラグ領域は、入力ポート2に入力される各信号(各検知センサ)に対応するスイッチ状態記憶領域を含んで構成されている。各スイッチ状態記憶領域には、当該スイッチ状態記憶領域に対応する信号のスイッチ状態を示す1ビットのデータ(「1」又は「0」)が設定される。具体的には、各スイッチ状態記憶領域には、当該スイッチ状態記憶領域に対応する信号が入力されているときには、「1」が設定され、当該スイッチ状態記憶領域に対応する信号が入力されていないときには、「0」が設定される。
本実施形態では、入力ポート2状態フラグ領域は、特図1始動球検知センサ101からの検出信号に対応するスイッチ状態記憶領域と、特図2始動球検知センサ102からの検出信号に対応するスイッチ状態記憶領域と、普図始動球検知センサ104からの検出信号に対応するスイッチ状態記憶領域と、電源遮断検出回路からの電源遮断予告信号に対応するスイッチ状態記憶領域と、を含んで構成されている。
【0085】
また、RAM230には、入力ポート1オン検出フラグ領域と、入力ポート2オン検出フラグ領域と、が設定されている。
入力ポート1オン検出フラグ領域は、入力ポート1に入力される各信号(各検知センサ)に対応するオン状態記憶領域を含んで構成されている。各オン状態記憶領域には、当該オン状態記憶領域に対応する信号についてオン状態を検出したか否かを示す1ビットのデータ(「1」又は「0」)が設定される。具体的には、各オン状態記憶領域には、当該オン状態記憶領域に対応する信号についてオン状態を検出したときには、「1」が設定され、当該オン状態記憶領域に対応する信号についてオン状態を検出していないときには、「0」が設定される。
ここで、「オン状態」とは、当該信号が入力されていない状態から当該信号が入力されている状態に変化した状態をいう。
本実施形態では、入力ポート1オン検出フラグ領域は、左上他入賞球検知センサ105からの検出信号に対応するオン状態記憶領域と、左下他入賞球検知センサ106からの検出信号に対応するオン状態記憶領域と、第1大入賞球検知センサ103aからの検出信号に対応するオン状態記憶領域と、第2大入賞球検知センサ103bからの検出信号に対応するオン状態記憶領域と、アウト球検知センサ109からの検出信号に対応するオン状態記憶領域と、を含んで構成されている。
【0086】
以下の説明では、左上他入賞球検知センサ105からの検出信号に対応するオン状態記憶領域に設定(格納)されている値を「左上他入賞口スイッチビットデータ」とし、左下他入賞球検知センサ106からの検出信号に対応するオン状態記憶領域に設定されている値を「左下他入賞口スイッチビットデータ」とし、第1大入賞球検知センサ103aからの検出信号に対応するオン状態記憶領域に設定されている値を「第1大入賞口スイッチビットデータ」とし、第2大入賞球検知センサ103bからの検出信号に対応するオン状態記憶領域に設定されている値を「第2大入賞口スイッチビットデータ」とし、アウト球検知センサ109からの検出信号に対応するオン状態記憶領域に設定されている値を「アウトスイッチビットデータ」とする。
すなわち、入力ポート1オン検出フラグ(入力ポート1オン検出フラグ領域に設定されている値)は、左上他入賞口スイッチビットデータと、左下他入賞口スイッチビットデータと、第1大入賞口スイッチビットデータと、第2大入賞口スイッチビットデータと、アウトスイッチビットデータと、を含んで構成されている。
【0087】
入力ポート2オン検出フラグ領域は、入力ポート2に入力される各信号(各検知センサ)に対応するオン状態記憶領域を含んで構成されている。各オン状態記憶領域には、当該オン状態記憶領域に対応する信号についてオン状態を検出したか否かを示す1ビットのデータ(「1」又は「0」)が設定される。具体的には、各オン状態記憶領域には、当該オン状態記憶領域に対応する信号についてオン状態を検出したときには、「1」が設定され、当該オン状態記憶領域に対応する信号についてオン状態を検出していないときには、「0」が設定される。
本実施形態では、入力ポート2オン検出フラグ領域は、特図1始動球検知センサ101からの検出信号に対応するオン状態記憶領域と、特図2始動球検知センサ102からの検出信号に対応するオン状態記憶領域と、普図始動球検知センサ104からの検出信号に対応するオン状態記憶領域と、電源遮断検出回路からの電源遮断予告信号に対応するオン状態記憶領域と、を含んで構成されている。
【0088】
以下の説明では、特図1始動球検知センサ101からの検出信号に対応するオン状態記憶領域に設定(格納)されている値を「第1始動口スイッチビットデータ」とし、特図2始動球検知センサ102からの検出信号に対応するオン状態記憶領域に設定されている値を「第2始動口スイッチビットデータ」とし、普図始動球検知センサ104からの検出信号に対応するオン状態記憶領域に設定されている値を「ゲートスイッチビットデータ」とし、電源遮断検出回路からの電源遮断予告信号に対応するオン状態記憶領域に設定されている値を「電源遮断スイッチビットデータ」とする。
すなわち、入力ポート2オン検出フラグ(入力ポート2オン検出フラグ領域に設定されている値)は、第1始動口スイッチビットデータと、第2始動口スイッチビットデータと、ゲートスイッチビットデータと、電源遮断スイッチビットデータと、を含んで構成されている。
【0089】
ポート入力処理では、まず、入力ポート0の各信号に対応する受信記憶領域に設定されている値(「1」又は「0」)を読み込む。そして、読み込んだ値に基づいて、入力ポート0状態フラグ領域の各スイッチ状態記憶領域の値を更新する。
具体的には、各信号に対応する受信記憶領域において「1」が設定されている場合には、当該信号に対応するスイッチ状態記憶領域において「1」を設定し、当該信号に対応する受信記憶領域において「0」が設定されている場合には、当該信号に対応するスイッチ状態記憶領域において「0」を設定する。
【0090】
次に、入力ポート1の各信号に対応する受信記憶領域に設定されている値(「1」又は「0」)を読み込む。そして、読み込んだ値と、入力ポート1状態フラグ領域の各スイッチ状態記憶領域に設定されている値(前回のステップS4-4に係る処理で設定した値)と、に基づいて、入力ポート1オン検出フラグ領域の各オン状態記憶領域の値(各スイッチビットデータ)を更新する。
具体的には、各信号について、当該信号に対応するスイッチ状態記憶領域に設定されている値(前回のステップS4-4に係る処理で設定した値)と、当該信号に対応する受信記憶領域に設定されている値と、を確認する。そして、各信号について、当該信号に対応するスイッチ状態記憶領域に「0」が設定されており、かつ、当該信号に対応する受信記憶領域に「1」が設定されている場合には、当該信号に対応するオン状態記憶領域において「1」を設定し、その他の場合には、当該信号に対応するオン状態記憶領域において「0」を設定する。
ここで、「その他の場合」とは、当該信号に対応するスイッチ状態記憶領域に「0」が設定されており、かつ、当該信号に対応する受信記憶領域に「0」が設定されている場合、当該信号に対応するスイッチ状態記憶領域に「1」が設定されており、かつ、当該信号に対応する受信記憶領域に「0」が設定されている場合、及び、当該信号に対応するスイッチ状態記憶領域に「1」が設定されており、かつ、当該信号に対応する受信記憶領域に「1」が設定されている場合をいう。
次に、読み込んだ値(入力ポート1の各信号に対応する受信記憶領域に設定されている値)に基づいて、入力ポート1状態フラグ領域の各スイッチ状態記憶領域の値を更新する。
具体的には、各信号に対応する受信記憶領域において「1」が設定されている場合には、当該信号に対応するスイッチ状態記憶領域において「1」を設定し、当該信号に対応する受信記憶領域において「0」が設定されている場合には、当該信号に対応するスイッチ状態記憶領域において「0」を設定する。
以上によって、各信号について、前回のステップS4-4でスイッチ状態記憶領域に設定された値が「0」であり、かつ、今回のステップS4-4でスイッチ状態記憶領域に設定される値が「1」である場合には、今回のステップS4-4でオン状態記憶領域に「1」が設定される(オン状態が検出される)。
【0091】
次に、入力ポート2の各信号に対応する受信記憶領域に設定されている値(「1」又は「0」)を読み込む。そして、読み込んだ値と、入力ポート2状態フラグ領域の各スイッチ状態記憶領域に設定されている値(前回のステップS4-4に係る処理で設定した値)と、に基づいて、入力ポート2オン検出フラグ領域の各オン状態記憶領域の値(スイッチビットデータ)を更新する。
具体的には、各信号について、当該信号に対応するスイッチ状態記憶領域に設定されている値(前回のステップS4-4に係る処理で設定した値)と、当該信号に対応する受信記憶領域に設定されている値と、を確認する。そして、各信号について、当該信号に対応するスイッチ状態記憶領域に「0」が設定されており、かつ、当該信号に対応する受信記憶領域に「1」が設定されている場合には、当該信号に対応するオン状態記憶領域において「1」を設定し、その他の場合には、当該信号に対応するオン状態記憶領域において「0」を設定する。
ここで、「その他の場合」とは、当該信号に対応するスイッチ状態記憶領域に「0」が設定されており、かつ、当該信号に対応する受信記憶領域に「0」が設定されている場合、当該信号に対応するスイッチ状態記憶領域に「1」が設定されており、かつ、当該信号に対応する受信記憶領域に「0」が設定されている場合、及び、当該信号に対応するスイッチ状態記憶領域に「1」が設定されており、かつ、当該信号に対応する受信記憶領域に「1」が設定されている場合をいう。
次に、読み込んだ値(入力ポート2の各信号に対応する受信記憶領域に設定されている値)に基づいて、入力ポート2状態フラグ領域の各スイッチ状態記憶領域の値を更新する。
具体的には、各信号に対応する受信記憶領域において「1」が設定されている場合には、当該信号に対応するスイッチ状態記憶領域において「1」を設定し、当該信号に対応する受信記憶領域において「0」が設定されている場合には、当該信号に対応するスイッチ状態記憶領域において「0」を設定する。
以上によって、各信号について、前回のステップS4-4でスイッチ状態記憶領域に設定された値が「0」であり、かつ、今回のステップS4-4でスイッチ状態記憶領域に設定される値が「1」である場合には、今回のステップS4-4でオン状態記憶領域に「1」が設定される(オン状態が検出される)。
【0092】
ステップS4-5では、タイマ更新処理を実行し、ステップS4-6に移行する。タイマ更新処理では、各種タイマを更新する。具体的には、タイマ更新処理では、各種タイマカウンタ(特別遊技タイマ、普通遊技タイマ、外部情報タイマ等)の値を更新する。
ステップS4-6では、初期値乱数更新処理を実行し、ステップS4-7に移行する。ステップS4-6の初期値乱数更新処理は、ステップS2-2の初期値乱数更新処理と同一の処理となっている。具体的には、初期値乱数更新処理では、初期値乱数を発生させるためのループカウンタの値を更新する。
ステップS4-7では、当たり図柄乱数更新処理を実行し、ステップS4-8に移行する。当たり図柄乱数更新処理では、ソフト乱数のうち当たり図柄乱数を発生させるためのループカウンタの値を更新する。
ステップS4-8では、スイッチ管理処理を実行し、ステップS4-9に移行する。スイッチ管理処理では、各始動球検知センサ101,102,104の状態(オン状態の検出の有無)に応じた処理(各種乱数の取得等)を実行する。スイッチ管理処理については、後述する。
ステップS4-9では、特別遊技管理処理を実行し、ステップS4-10に移行する。特別遊技管理処理では、特図表示装置61,62の動作及び特別電動役物42,72の動作を管理する。特別遊技管理処理については、後述する。
ステップS4-10では、普通遊技管理処理を実行し、ステップS4-11に移行する。普通遊技管理処理では、普図表示装置60の動作及び普通電動役物52aの動作を管理する。普通遊技管理処理については、後述する。
【0093】
ステップS4-11では、エラー管理処理を実行し、ステップS4-12に移行する。エラー管理処理では、各種エラー(異常状態)を判定し、判定結果に応じた設定を行う。
ステップS4-12では、入賞口スイッチ処理を実行し、ステップS4-13に移行する。入賞口スイッチ処理では、各検知センサ101,102,103a,103b,105,106,109の状態(オン状態の検出の有無)に応じた処理(各種カウンタの更新等)を実行する。
ステップS4-13では、払出制御管理処理を実行し、ステップS4-14に移行する。払出制御管理処理では、ステップS4-12で設定された賞球制御カウンタの値に基づいて、払出コマンドを生成し、生成した払出コマンドを送信する。
本実施形態では、賞球制御カウンタとして、第1大入賞装置40に入球した球技球の数が格納される賞球制御カウンタ1と、第2大入賞装置70に入球した球技球の数が格納される賞球制御カウンタ2と、他入賞口55,56に入球した球技球の数が格納される賞球制御カウンタ3と、第1始動口51に入球した球技球の数が格納される賞球制御カウンタ4と、第2始動口52に入球した球技球の数が格納される賞球制御カウンタ5と、が設定されている。
【0094】
そして、払出制御管理処理では、まず、賞球制御カウンタ1の値が「1」以上であるか否かを判定する。そして、賞球制御カウンタ1の値が「1」以上であると判定した場合には、所定数(本実施形態では、14[球])の賞球の払い出しを指定する払出コマンドを生成し、生成した払出コマンドを、RAM230の払出コマンド出力要求バッファに記憶する。これによって、所定数の賞球の払い出しを指定する払出コマンドが、払出制御回路400に対して送信される。その後、払出制御回路400は、遊技球払出装置440による当該賞球の払い出しが完了すると、当該払い出しの完了を指定する主コマンドを、主制御回路200に対して送信する。そして、当該払い出しの完了を指定する主コマンドの受信に応じて、賞球制御カウンタ1の値から「1」が減算される。
次に、賞球制御カウンタ2の値が「1」以上であるか否かを判定する。そして、賞球制御カウンタ2の値が「1」以上であると判定した場合には、所定数(本実施形態では、14[球])の賞球の払い出しを指定する払出コマンドを生成し、生成した払出コマンドを、RAM230の払出コマンド出力要求バッファに記憶する。これによって、所定数の賞球の払い出しを指定する払出コマンドが、払出制御回路400に対して送信される。その後、当該払い出しの完了を指定する主コマンドの受信に応じて、賞球制御カウンタ2の値から「1」が減算される。
次に、賞球制御カウンタ3の値が「1」以上であるか否かを判定する。そして、賞球制御カウンタ3の値が「1」以上であると判定した場合には、所定数(本実施形態では、4[球])の賞球の払い出しを指定する払出コマンドを生成し、生成した払出コマンドを、RAM230の払出コマンド出力要求バッファに記憶する。これによって、所定数の賞球の払い出しを指定する払出コマンドが、払出制御回路400に対して送信される。その後、当該払い出しの完了を指定する主コマンドの受信に応じて、賞球制御カウンタ3の値から「1」が減算される。
次に、賞球制御カウンタ4の値が「1」以上であるか否かを判定する。そして、賞球制御カウンタ4の値が「1」以上であると判定した場合には、所定数(本実施形態では、1[球])の賞球の払い出しを指定する払出コマンドを生成し、生成した払出コマンドを、RAM230の払出コマンド出力要求バッファに記憶する。これによって、所定数の賞球の払い出しを指定する払出コマンドが、払出制御回路400に対して送信される。その後、当該払い出しの完了を指定する主コマンドの受信に応じて、賞球制御カウンタ4の値から「1」が減算される。
次に、賞球制御カウンタ5の値が「1」以上であるか否かを判定する。そして、賞球制御カウンタ5の値が「1」以上であると判定した場合には、所定数(本実施形態では、1[球])の賞球の払い出しを指定する払出コマンドを生成し、生成した払出コマンドを、RAM230の払出コマンド出力要求バッファに記憶する。これによって、所定数の賞球の払い出しを指定する払出コマンドが、払出制御回路400に対して送信される。その後、当該払い出しの完了を指定する主コマンドの受信に応じて、賞球制御カウンタ5の値から「1」が減算される。
【0095】
ステップS4-14では、発射位置指定管理処理を実行し、ステップS4-15に移行する。発射位置指定管理処理では、発射位置の指定に関する処理を実行する。
具体的には、発射位置指定管理処理では、左側経路への遊技球の打ち出しを指定する状態から右側経路への遊技球の打ち出しを指定する状態への変更時(大当たり遊技状態の開始時等)に、右側経路への遊技球の打ち出しを指定するサブコマンドを、RAM230のサブコマンド出力要求バッファに記憶する。これによって、右側経路への遊技球の打ち出しを指定するサブコマンドが、演出制御回路300に対して送信される。
ステップS4-15では、外部情報管理処理を実行し、ステップS4-16に移行する。外部情報管理処理では、ホールコンピュータ450に対して出力する外部情報(外部信号)を設定する。
具体的には、外部情報管理処理では、外部情報用始動口カウンタの値が所定値(本実施形態では、1[球])に達しているか否かを判定する。そして、外部情報用始動口カウンタの値が所定値に達していると判定した場合には、始動口51,52への入球数が所定数に達したことを示す外部情報を、RAM230のポート出力要求バッファに記憶する。その後、外部情報用始動口カウンタの値から所定値(本実施形態では、1[球])を減算する。
次に、外部情報用アウトスイッチカウンタの値が所定値に達しているか否かを判定する。そして、外部情報用アウトスイッチカウンタの値が所定値に達していると判定した場合には、アウト球検知センサ109による遊技球の検出数が所定数に達したことを示す外部情報を、RAM230のポート出力要求バッファに記憶する。その後、外部情報用アウトスイッチカウンタの値から所定値を減算する。
次に、外部情報タイマ(タイマカウンタ)の値が「1」以上であるか否かを判定する。外部情報タイマの値が「1」以上であると判定した場合には、異常状態の発生を示す外部情報を、RAM230のポート出力要求バッファに記憶する。
【0096】
ステップS4-16では、試験信号管理処理を実行し、ステップS4-17に移行する。試験信号管理処理では、試験用の情報(試験信号)を設定する。
具体的には、試験信号管理処理では、内部状態(大当たり遊技状態、時短制御の実行状態、特別図柄抽選の確率状態等)を示す試験用の情報を、RAM230のポート出力要求バッファに記憶する。
ステップS4-17では、LED表示設定処理を実行し、ステップS4-18に移行する。LED表示設定処理では、各表示装置60~63(各LED)を点灯制御するための駆動情報(駆動信号)を、RAM230のダイナミックポート出力要求バッファに設定する。
ステップS4-18では、ソレノイドデータ設定処理を実行し、ステップS4-19に移行する。ソレノイドデータ設定処理では、各ソレノイド64,65に対して出力する駆動情報(駆動信号)を、RAM230のポート出力要求バッファに記憶する。
【0097】
ステップS4-19では、ポート出力処理を実行し、ステップS4-20に移行する。ポート出力処理では、ホールコンピュータ450、各ソレノイド64,65a,65b,66等に対して、各種信号を出力する。
具体的には、ポート出力処理では、ポート出力要求バッファに設定されている各種情報(外部信号、制御信号等)を、出力ポート250(出力ポート0)に対して出力する。これによって、ポート出力要求バッファに設定されている外部信号が、払出制御回路400及び外部端子基板420を介して、ホールコンピュータ450に対して出力される。また、ポート出力要求バッファに設定されている駆動信号に基づいて、各ソレノイド64,65a,65b,66が駆動制御される。
ステップS4-20では、レジスタ復帰処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。レジスタ復帰処理では、ステップS4-1で退避しておいたレジスタの値を復帰させる。そして、レジスタ復帰処理の終了後、メインループ処理(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
【0098】
次に、ステップS4-8のスイッチ管理処理を説明する。
図8は、スイッチ管理処理を示すフローチャートである。
スイッチ管理処理は、ステップS4-8において実行されると、図8に示すように、まず、ステップS5-1に移行する。
ステップS5-1では、普図始動球検知センサ104のオン状態を検出したか否かを判定し、普図始動球検知センサ104のオン状態を検出したと判定した場合(Yes)には、ステップS5-2に移行し、普図始動球検知センサ104のオン状態を検出していないと判定した場合(No)には、ステップS5-3に移行する。
ここで、普図始動球検知センサ104の検出信号に対応するオン状態記憶領域において「1」が設定されている場合(入力ポート2オン検出フラグのゲートスイッチビットデータが「1」である場合)には、普図始動球検知センサ104のオン状態を検出したと判定し、普図始動球検知センサ104の検出信号に対応するオン状態記憶領域において「0」が設定されている場合(入力ポート2オン検出フラグのゲートスイッチビットデータが「0」である場合)には、普図始動球検知センサ104のオン状態を検出していないと判定する。
ステップS5-2では、普図始動球検出処理を実行し、ステップS5-3に移行する。普図始動球検出処理については、後述する。
【0099】
ステップS5-3では、特図1始動球検知センサ101のオン状態を検出したか否かを判定し、特図1始動球検知センサ101のオン状態を検出したと判定した場合(Yes)には、ステップS5-4に移行し、特図1始動球検知センサ101のオン状態を検出していないと判定した場合(No)には、ステップS5-5に移行する。
ここで、特図1始動球検知センサ101の検出信号に対応するオン状態記憶領域において「1」が設定されている場合(入力ポート2オン検出フラグの第1始動口スイッチビットデータが「1」である場合)には、特図1始動球検知センサ101のオン状態を検出したと判定し、特図1始動球検知センサ101の検出信号に対応するオン状態記憶領域において「0」が設定されている場合(入力ポート2オン検出フラグの第1始動口スイッチビットデータが「0」である場合)には、特図1始動球検知センサ101のオン状態を検出していないと判定する。
ステップS5-4では、特図1始動球検出処理を実行し、ステップS5-5に移行する。特図1始動球検出処理については、後述する。
ステップS5-5では、特図2始動球検知センサ102のオン状態を検出したか否かを判定し、特図2始動球検知センサ102のオン状態を検出したと判定した場合(Yes)には、ステップS5-6に移行し、特図2始動球検知センサ102のオン状態を検出していないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-9)に移行する。
ここで、特図2始動球検知センサ102の検出信号に対応するオン状態記憶領域において「1」が設定されている場合(入力ポート2オン検出フラグの第2始動口スイッチビットデータが「1」である場合)には、特図2始動球検知センサ102のオン状態を検出したと判定し、特図2始動球検知センサ102の検出信号に対応するオン状態記憶領域において「0」が設定されている場合(入力ポート2オン検出フラグの第2始動口スイッチビットデータが「0」である場合)には、特図2始動球検知センサ102のオン状態を検出していないと判定する。
ステップS5-6では、特図2始動球検出処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-9)に移行する。特図2始動球検出処理については、後述する。
【0100】
次に、ステップS5-2の普図始動球検出処理を説明する。
図9は、普図始動球検出処理を示すフローチャートである。
普図始動球検出処理は、ステップS5-2において実行されると、図9に示すように、まず、ステップS6-1に移行する。
ステップS6-1では、普図乱数取得処理を実行し、ステップS6-2に移行する。普図乱数取得処理では、当たり乱数(乱数値)を、普通図柄抽選に対応するループカウンタから取得(ロード)する。
ステップS6-2では、普図保留数カウンタの値が上限値(本実施形態では、「1」)であるか否かを判定し、普図保留数カウンタの値が上限値でないと判定した場合(No)には、ステップS6-3に移行し、普図保留数カウンタの値が上限値であると判定した場合(Yes)には、一連の処理を終了して次の処理(ステップS5-3)に移行する。
ステップS6-3では、普図保留数カウンタ更新処理を実行し、ステップS6-4に移行する。普図保留数カウンタ更新処理では、普図保留数カウンタに設定されている値に「1」を加算した値を、新たに普図保留数カウンタに設定する。
ステップS6-4では、普図乱数保存処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS5-3)に移行する。普図乱数保存処理では、ステップS6-1で取得した当たり乱数を、普図始動情報として、RAM230の普図始動情報記憶領域に記憶する。
【0101】
次に、ステップS5-4の特図1始動球検出処理を説明する。
図10は、特図1始動球検出処理を示すフローチャートである。
図1始動球検出処理は、ステップS5-4において実行されると、図10に示すように、まず、ステップS7-1に移行する。
ステップS7-1では、特別図柄識別値設定処理を実行し、ステップS7-2に移行する。特別図柄識別値設定処理では、RAM230の特別図柄識別値設定領域において、第1特別図柄抽選に対応する特別図柄識別値を設定する。
ステップS7-2では、保留数カウンタアドレス設定処理を実行し、ステップS7-3に移行する。保留数カウンタアドレス設定処理では、RAM230の保留数カウンタアドレス設定領域において、特図1保留数カウンタのアドレスを設定する。
ステップS7-3では、特別図柄乱数取得処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS5-5)に移行する。特別図柄乱数取得処理については、後述する。
【0102】
次に、ステップS5-6の特図2始動球検出処理を説明する。
図11は、特図2始動球検出処理を示すフローチャートである。
図2始動球検出処理は、ステップS5-6において実行されると、図11に示すように、まず、ステップS8-1に移行する。
ステップS8-1では、特別図柄識別値設定処理を実行し、ステップS8-2に移行する。特別図柄識別値設定処理では、RAM230の特別図柄識別値設定領域において、第2特別図柄抽選に対応する特別図柄識別値を設定する。
ステップS8-2では、保留数カウンタアドレス設定処理を実行し、ステップS8-3に移行する。保留数カウンタアドレス設定処理では、RAM230の保留数カウンタアドレス領域において、特図2保留数カウンタのアドレスを設定する。
ステップS8-3では、特別図柄乱数取得処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-9)に移行する。特別図柄乱数取得処理については、後述する。
【0103】
次に、ステップS7-3,S8-3の特別図柄乱数取得処理を説明する。
図12は、特別図柄乱数取得処理を示すフローチャートである。
特別図柄乱数取得処理は、ステップS7-3,S8-3において実行されると、図12に示すように、まず、ステップS9-1に移行する。
ステップS9-1では、特別図柄識別値取得処理を実行し、ステップS9-2に移行する。特別図柄識別値取得処理では、RAM230の特別図柄識別値設定領域に設定されている特別図柄識別値を取得(ロード)する。
ステップS9-2では、特図保留数取得処理を実行し、ステップS9-3に移行する。特図保留数取得処理では、保留数カウンタアドレス領域に設定されているアドレスにより特定される特図保留数カウンタ(特図1保留数カウンタ又は特図2保留数カウンタ)の値(特図1保留数又は特図2保留数)を取得(ロード)する。
【0104】
ステップS9-3では、特図乱数取得処理を実行し、ステップS9-4に移行する。特図乱数取得処理では、大当たり乱数、大当り図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等の各種乱数(乱数値)を、各抽選に対応するループカウンタから取得(ロード)する。この際、ステップS9-1で取得した特別図柄識別値に基づいて、対応するループカウンタを選択する。
ステップS9-4では、ステップS9-2で取得した特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)が上限値(本実施形態では、「4」)であるか否かを判定し、特図保留数が上限値でないと判定した場合(No)には、ステップS9-5に移行し、特図保留数が上限値であると判定した場合(Yes)には、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-9又はS5-5)に移行する。
【0105】
ステップS9-5では、特図保留数カウンタ更新処理を実行し、ステップS9-6に移行する。特図保留数カウンタ更新処理では、保留数カウンタアドレス領域に設定されているアドレスにより特定される特図保留数カウンタ(特図1保留数カウンタ又は特図2保留数カウンタ)に設定されている値に「1」を加算した値を、新たに当該特図保留数カウンタに設定する。
ステップS9-6では、特図乱数保存処理を実行し、ステップS9-7に移行する。特図乱数保存処理では、ステップS9-3で取得した各種乱数を、特図始動情報(特図1始動情報又は特図2始動情報)として、RAM230の特図始動情報記憶領域(特図1始動情報記憶領域又は特図2始動情報記憶領域)に記憶する。この際、ステップS9-1で取得した特別図柄識別値が、第1特別図柄抽選に対応する値である場合には、特図1始動情報記憶領域に各種乱数(特図1始動情報)を記憶し、第2特別図柄抽選に対応する値である場合には、特図2始動情報記憶領域に各種乱数(特図2始動情報)を記憶する。
ステップS9-7では、保留数指定コマンド設定処理を実行し、ステップS9-8に移行する。保留数指定コマンド設定処理では、特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)が「1」増加したことを指定する保留数指定コマンドを、RAM230のサブコマンド出力要求バッファに記憶する。この際、ステップS9-1で取得した特別図柄識別値が、第1特別図柄抽選に対応する値である場合には、特図1保留数が「1」増加したことを指定する保留数指定コマンドを、RAM230のサブコマンド出力要求バッファに記憶し、第2特別図柄抽選に対応する値である場合には、特図2保留数が「1」増加したことを指定する保留数指定コマンドを、RAM230のサブコマンド出力要求バッファに記憶する。
【0106】
ステップS9-8では、事前判定処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-9又はS5-5)に移行する。事前判定処理では、ステップS9-6で特図始動情報記憶領域(特図1始動情報記憶領域又は特図2始動情報記憶領域)に保存(記憶)した始動情報(特図1始動情報又は特図2始動情報)(以下、「事前判定始動情報」とする)に基づいて、各種抽選結果を事前判定する。
本実施形態では、大当たり遊技状態の生起中に取得(記憶)された始動情報については、各種抽選結果の事前判定が実行されず、当該始動情報に基づく第1先読み指定コマンド、第2先読み指定コマンド及び第3先読み指定コマンドが送信されない。
また、時短制御の停止中に取得(記憶)された特図2始動情報については、各種抽選結果の事前判定が実行されず、当該始動情報に基づく第1先読み指定コマンド、第2先読み指定コマンド及び第3先読み指定コマンドが送信されない。
さらに、時短制御の実行中に取得(記憶)された特図1始動情報については、各種抽選結果の事前判定が実行されず、当該始動情報に基づく第1先読み指定コマンド、第2先読み指定コマンド及び第3先読み指定コマンドが送信されない。
以上により、大当たり遊技状態の非生起中、かつ、時短制御の停止中に、特図1始動情報が取得(記憶)された場合には、当該始動情報に基づいて、各種抽選結果の事前判定が実行され、当該事前判定の結果に応じて、第1先読み指定コマンド、第2先読み指定コマンド及び第3先読み指定コマンドが送信される。
また、大当たり遊技状態の非生起中、かつ、時短制御の実行中に、特図2始動情報が取得(記憶)された場合には、当該始動情報に基づいて、各種抽選結果の事前判定が実行され、当該事前判定の結果に応じて、第1先読み指定コマンド、第2先読み指定コマンド及び第3先読み指定コマンドが送信される。
なお、取得(記憶)された全ての始動情報について、各種抽選結果の事前判定が実行される構成としていも構わない。
【0107】
事前判定処理では、まず、大当たり遊技状態の生起中であるか否かを判定する(以下、「第1判定」とする)。ここで、後述するRAM230の特別遊技フェーズフラグ領域に設定されている値(特別遊技フェーズ)が、大当たり遊技状態に係る特別遊技フェーズ(「大入賞口開放前状態」、「大入賞口開放制御状態」、「大入賞口閉鎖有効状態」又は「大入賞口開放終了ウェイト状態」)に対応する値である場合には、大当たり遊技状態の生起中であると判定し、他の特別遊技フェーズに対応する値である場合には、大当たり遊技状態の生起中でないと判定する。
第1判定により大当たり遊技状態の生起中であると判定した場合には、当該処理を終了して次の処理(ステップS4-9又はステップS5-5)に移行する。
一方、第1判定により大当たり遊技状態の生起中でないと判定した場合には、更に、時短制御の実行中であるか否かを判定する(以下、「第2判定」とする)。ここで、RAM230の時短制御フラグ領域において、「1」が設定されている場合には、時短制御の実行中であると判定し、「0」が設定されている場合には、時短制御の実行中でない(時短制御の停止中である)と判定する。
第2判定により時短制御の実行中でないと判定した場合には、更に、ステップS9-6で保存(記憶)された事前判定始動情報が特図1始動情報であるか否かを判定する(以下、「第3判定」とする)。
第3判定により事前判定始動情報が特図1始動情報であると判定した場合には、後述する「抽選結果事前判定処理」を実行する。
一方、第3判定により事前判定始動情報が特図1始動情報でない(特図2始動情報である)と判定した場合には、当該処理を終了して次の処理(ステップS4-9又はステップS5-5)に移行する。
一方、第2判定により時短制御の実行中であると判定した場合には、更に、ステップS9-6で保存(記憶)された事前判定始動情報が特図2始動情報であるか否かを判定する(以下、「第4判定」とする)。
第4判定により事前判定始動情報が特図2始動情報であると判定した場合には、後述する「抽選結果事前判定処理」を実行する。
一方、第4判定により事前判定始動情報が特図2始動情報でない(特図1始動情報である)と判定した場合には、当該処理を終了して次の処理(ステップS4-9又はステップS5-5)に移行する。
【0108】
次に、「抽選結果事前判定処理」について説明する。
抽選結果事前判定処理では、まず、特別図柄抽選の結果(「大当たり」又は「はずれ」)を判定する事前特図当落判定処理を実行する。
ROM220には、特別図柄抽選の大当たり値が登録された特図当落抽選テーブルが格納されている。また、特図当落抽選テーブルとして、「特図低確率状態」に対応する特図当落抽選テーブルと、「特図高確率状態」に対応する特図当落抽選テーブルと、が格納されている。
「特図低確率状態」に対応する特図当落抽選テーブルでは、当選確率が第1の確率(本実施形態では、1/320)となるように、大当たり値が登録されている。一方、「特図高確率状態」に対応する特図当落抽選テーブルでは、当選確率が第1の確率より高い第2の確率(本実施形態では、1/32)となるように、大当たり値が登録されている。
事前特図当落判定処理では、事前判定始動情報に含まれる大当たり乱数と、現在の遊技状態(「特図高確率状態」又は「特図低確率状態」)に対応する特図当落抽選テーブルと、に基づいて、特別図柄抽選の結果が「大当たり」であるか否かを判定(事前特図当落判定)する。
具体的には、事前判定始動情報に含まれる大当たり乱数の値が、特図当落抽選テーブルに登録されている大当たり値と一致していると判定した場合には、特別図柄抽選の結果を「大当たり」(当選)と判定する。
一方、事前判定始動情報に含まれる大当たり乱数の値が、特図当落抽選テーブルに登録されている大当たり値と一致していないと判定した場合には、特別図柄抽選の結果を「はずれ」(落選)と判定する。
【0109】
抽選結果事前判定処理では、次に、特別図柄の停止図柄の種別(停止図柄番号)を判定する事前特図停止図柄判定処理を実行する。
ROM220には、当たり図柄乱数の値と、大当たり図柄の種別(「大当たり1図柄」~「大当たり5図柄」)と、の対応が登録された大当たり図柄抽選テーブルが格納されている。
また、大当たり図柄抽選テーブルとして、第1特別図柄抽選に対応する大当たり図柄抽選テーブルと、第2特別図柄抽選に対応する大当たり図柄抽選テーブルと、が格納されている。
そして、第1特別図柄抽選に対応する大当たり図柄抽選テーブルと、第2特別図柄抽選に対応する大当たり図柄抽選テーブルと、では、各大当たり図柄の種別(停止図柄番号)の選択確率が異なっている。
事前特図停止図柄判定処理では、事前特図当落判定により「大当たり」(当選)と判定された場合には、大当たり図柄の種別を判定する。
具体的には、事前判定始動情報が特図1始動情報である場合には、当該判定始動情報に含まれる当たり図柄乱数と、第1特別図柄抽選に対応する大当たり図柄抽選テーブルと、に基づいて、大当たり図柄の種別(停止図柄番号)を判定する。一方、判定始動情報が特図2始動情報である場合には、当該判定始動情報に含まれる当たり図柄乱数と、第2特別図柄抽選に対応する大当たり図柄抽選テーブルと、に基づいて、大当たり図柄の種別(停止図柄番号)を判定する。
一方、事前特図停止図柄判定処理では、事前特図当落判定により「はずれ」(落選)と判定された場合には、停止図柄の種別(停止図柄番号)として、「はずれ図柄」を判定する。
【0110】
抽選結果事前判定処理では、次に、第1先読み指定コマンド設定処理を実行する。
第1先読み指定コマンド設定処理では、事前特図停止図柄判定により判定された停止図柄の種別(停止図柄番号)を指定する第1先読み指定コマンドを、RAM230のサブコマンド出力要求バッファに記憶する。
【0111】
抽選結果事前判定処理では、次に、特別図柄の変動パターンの内容を判定する事前特図変動パターン判定処理を実行する。
事前変動パターン判定処理では、まず、事前判定始動情報(特図1始動情報又は特図2始動情報)に含まれるリーチ乱数の区分(種別)を判定する。
本実施形態では、リーチ乱数の区分として、「不定値」と、「固定値」と、が規定されている。
「不定値」とは、始動情報(特図1始動情報又は特図2始動情報)の取得(記憶)時には、変動パターンの種別(変動パターン番号)が決定されず、当該始動情報に基づく特別図柄の変動表示の開始時(ステップS11-7の実行時)に、その時の保留数(特図1保留数又は特図2保留数)等に基づいて、変動パターンの種別(変動パターン番号)が決定されるリーチ乱数の区分となっている。
「固定値」とは、特別図柄の変動表示の開始時(ステップS11-7の実行時)における保留数等に関わらず、始動情報(特図1始動情報又は特図2始動情報)の取得(記憶)時(ステップS9-8の実行時)に、変動パターンの種別(変動パターン番号)が決定されるリーチ乱数の区分となっている。
ROM220には、リーチ乱数と、リーチ乱数の区分と、の対応が登録された乱数区分判定テーブルが格納されている。
また、乱数区分判定テーブルとして、事前特図当落判定により当選(「大当たり」)と判定された場合に対応する当選時乱数区分判定テーブルと、事前特図当落判定により落選(「はずれ」)と判定された場合に対応する落選時乱数区分判定テーブルと、が格納されている。
そして、当選時乱数区分判定テーブルには、リーチ乱数の区分として、「固定値」のみが登録されている。一方、落選時乱数区分判定テーブルには、リーチ乱数の区分として、「不定値」及び「固定値」が登録されている。
本実施形態では、リーチ乱数の値は、「0」~「1999」の範囲内で更新される。そして、当選時乱数区分判定テーブルでは、「0」~「1999」の全てのリーチの値が「固定値」と規定されている。一方、落選時乱数区分判定テーブルでは、「0」~「1700」の範囲のリーチ乱数の値が「不定値」とされ、「1701」~「1999」の範囲のリーチ乱数の値が「固定値」と規定されている。
【0112】
リーチ乱数の区分を決定する際には、まず、事前特図当落判定を確認する。
そして、事前特図当落判定により当選(「大当たり」)と判定された場合には、事前判定始動情報(特図1始動情報又は特図2始動情報)に含まれるリーチ乱数と、当選時乱数区分判定テーブルと、に基づいて、リーチ乱数の区分を判定する(この場合には、「固定値」と判定される)。
一方、事前特図当落判定により落選(「はずれ」)と判定された場合には、事前判定始動情報(特図1始動情報)に含まれるリーチ乱数と、落選時乱数区分判定テーブルと、に基づいて、変動パターン乱数の区分を判定する(この場合には、「固定値」又は「不定値」と判定される)。
【0113】
事前変動パターン判定処理では、次に、第2変動パターンの内容を判定する。
ROM220には、リーチ乱数と、第2変動パターンの種別(変動パターン番号)と、の対応が登録された第2変動パターン抽選テーブルが格納されている。
また、第2変動パターン抽選テーブルとして、事前特図当落判定(または、後述する特図当落判定)により当選(「大当たり」)と判定された場合に対応する当選時第2変動パターン抽選テーブルと、事前特図当落判定(または、後述する特図当落判定)により落選(「はずれ」)と判定された場合に対応する落選時第2変動パターン抽選テーブルと、が格納されている。
また、落選時第2変動パターン抽選テーブルとして、リーチ乱数の区分が不定値である場合に対応する落選時不定値用第2変動パターン抽選テーブルと、リーチ乱数の区分が固定値である場合に対応する落選時固定値用第2変動パターン抽選テーブルと、が格納されている。
さらに、ROM220には、落選時不定値用第2変動パターン抽選テーブルとして、保留数(特図1保留数又は特図2保留数)と、時短制御の実行状況(実行中又は停止中)と、の組み合わせのそれぞれに対応する落選時不定値用第2変動パターン抽選テーブルが格納されている。
そして、保留数が多いほど短い変動時間が対応付けられている第2変動パターンの種別(変動パターン番号)が決定されるように、各保留数に対応する落選時不定値用第2変動パターン抽選テーブルの内容が設定されている。
【0114】
本実施形態では、第2変動パターンの種別(変動パターン番号)として、「通常変動」に属する種別と、「Nリーチ」に属する種別と、「SPリーチ」に属する種別と、が規定されている。
第2変動パターンの各種別の期待度は、期待度が高いものから順に、「SPリーチ」に属する種別、「Nリーチ」に属する種別、「通常変動」に属する種別(期待度高→期待度低)となるように規定されている。
「期待度」とは、当該第2変動パターンの種別が選択された場合に、大当たり遊技状態が生起される可能性(度合い)をいう(以下、同様)。
そして、当選時第2変動パターン抽選テーブルには、第2変動パターンの種別(変動パターン番号)として、「Nリーチ」に属する種別と、「SPリーチ」に属する種別と、が登録されている(「通常変動」に属する種別が登録されていない)。
また、落選時固定値用第2変動パターン抽選テーブルには、第2変動パターンの種別(変動パターン番号)として、「Nリーチ」に属する種別と、「SPリーチ」に属する種別と、が登録されている(「通常変動」に属する種別が登録されていない)。
一方、落選時不定値用第2変動パターン抽選テーブルには、第2変動パターンの種別(変動パターン番号)として、「通常変動」に属する種別のみが登録されている(「Nリーチ」に属する種別と、「SPリーチ」に属する種別と、が登録されていない)。
これによって、後述する特図変動パターン判定では、リーチ乱数の区分が「固定値」であると判定された場合には、第2変動パターンの種別(変動パターン番号)として、「Nリーチ」又は「SPリーチ」に属する種別が選択される。
一方、後述する特図変動パターン判定では、リーチ乱数の区分が「不定値」であると判定された場合には、第2変動パターンの種別(変動パターン番号)として、「通常変動」に属する種別が選択される。
【0115】
第2変動パターンの内容を判定する際には、まず、事前特図当落判定の結果を確認する。
そして、事前特図当落判定により当選(「大当たり」)と判定された場合には、事前判定始動情報(特図1始動情報又は特図2始動情報)に含まれるリーチ乱数と、当選時第2変動パターン抽選テーブルと、に基づいて、第2変動パターンの種別(変動パターン番号)を判定する。
一方、事前特図当落判定により落選(「はずれ」)と判定され、かつ、事前判定始動情報(特図1始動情報又は特図2始動情報)に含まれるリーチ乱数の区分が「固定値」であると判定された場合には、当該事前判定始動情報に含まれるリーチ乱数と、落選時固定値用第2変動パターン抽選テーブルと、に基づいて、第2変動パターンの種別(変動パターン番号)を判定する。
一方、事前特図当落判定により落選(「はずれ」)と判定され、かつ、事前判定始動情報(特図1始動情報又は特図2始動情報)に含まれるリーチ乱数の区分が「不定値」であると判定された場合には、第2変動パターンの内容として「変動パターン不定」を判定する。
【0116】
事前変動パターン判定処理では、次に、第1変動パターンの内容を判定する。
ROM220には、変動パターン乱数と、第1変動パターンの種別(変動パターン番号)と、の対応が登録された第1変動パターン抽選テーブルが格納されている。
また、第1変動パターン抽選テーブルとして、事前特図当落判定(または、後述する特図当落判定)により当選(「大当たり」)と判定された場合に対応する当選時第1変動パターン抽選テーブルと、事前特図当落判定(または、後述する特図当落判定)により落選(「はずれ」)と判定された場合に対応する落選時第1変動パターン抽選テーブルと、が格納されている。
また、落選時第1変動パターン抽選テーブルとして、リーチ乱数の区分が不定値である場合に対応する落選時不定値用第1変動パターン抽選テーブルと、リーチ乱数の区分が固定値である場合に対応する落選時固定値用第1変動パターン抽選テーブルと、が格納されている。
さらに、ROM220には、落選時不定値用第1変動パターン抽選テーブルとして、保留数(特図1保留数又は特図2保留数)と、時短制御の実行状況(実行中又は停止中)と、の組み合わせのそれぞれに対応する落選時不定値用第1変動パターン抽選テーブルが格納されている。
そして、保留数が多いほど短い変動時間が対応付けられている第1変動パターンの種別(変動パターン番号)が決定されるように、各保留数に対応する落選時不定値用第1変動パターン抽選テーブルの内容が設定されている。
【0117】
ここで、本実施形態では、第1変動パターンの種別(変動パターン番号)として、「通常変動」に属する種別と、「擬似連1」に属する種別と、「擬似連2」に属する種別と、「擬似連3」に属する種別と、が規定されている。
第1変動パターンの各種別の期待度は、期待度が高いものから順に、「擬似連3」に属する種別、「擬似連2」に属する種別、「擬似連1」に属する種別、「通常変動」に属する種別(期待度高→期待度低)となるように規定されている。
そして、当選時第1変動パターン抽選テーブルには、第1変動パターンの種別(変動パターン番号)として、「通常変動」に属する種別と、「擬似連1」に属する種別と、「擬似連2」に属する種別と、「擬似連3」に属する種別と、が登録されている。
また、落選時固定値用第1変動パターン抽選テーブルには、第1変動パターンの種別(変動パターン番号)として、「通常変動」に属する種別と、「擬似連1」に属する種別と、「擬似連2」に属する種別と、「擬似連3」に属する種別と、が登録されている。
一方、落選時不定値用第1変動パターン抽選テーブルには、第1変動パターンの種別(変動パターン番号)として、「通常変動」に属する種別のみが登録されている(「擬似連1」~「擬似連3」に属する種別が登録されていない)。
これによって、後述する特図変動パターン判定では、リーチ乱数の区分が「固定値」であると判定された場合には、第1変動パターンの種別(変動パターン番号)として、「通常変動」及び「擬似連1」~「擬似連3」のうちいずれかに属する種別が選択される。
一方、後述する特図変動パターン判定では、リーチ乱数の区分が「不定値」であると判定された場合には、第1変動パターンの種別(変動パターン番号)として、「通常変動」に属する種別が選択される。
【0118】
第1変動パターンの内容を決定する際には、まず、事前特図当落判定の結果を確認する。
そして、事前特図当落判定により当選(「大当たり」)と判定された場合には、事前判定始動情報(特図1始動情報又は特図2始動情報)に含まれる変動パターン乱数と、当選時第1変動パターン抽選テーブルと、に基づいて、第1変動パターンの種別(変動パターン番号)を判定する。
一方、事前特図当落判定により落選(「はずれ」)と判定され、かつ、事前判定始動情報(特図1始動情報又は特図2始動情報)に含まれるリーチ乱数の区分が「固定値」であると判定された場合には、当該事前判定始動情報に含まれる変動パターン乱数と、落選時固定値用第1変動パターン抽選テーブルと、に基づいて、第1変動パターンの種別(変動パターン番号)を判定する。
一方、事前特図当落判定により落選(「はずれ」)と判定され、かつ、事前判定始動情報(特図1始動情報又は特図2始動情報)に含まれるリーチ乱数の区分が「不定値」であると判定された場合には、第1変動パターンの内容として「変動パターン不定」を判定する。
【0119】
抽選結果事前判定処理では、次に、第2,第3先読み指定コマンド設定処理を実行し、当該抽選結果事前判定処理を終了して次の処理(ステップS4-9又はステップS5-5)に移行する。
第2,第3先読み指定コマンド設定処理では、当該抽選結果事前判定処理において判定された第1変動パターンの内容(「変動パターン番号」又は「変動パターン不定」)を指定する第2先読み指定コマンド、及び、当該抽選結果事前判定処理において判定された第2変動パターンの内容(「変動パターン番号」又は「変動パターン不定」)を指定する第3先読み指定コマンドを、RAM230のサブコマンド出力要求バッファに記憶する。
【0120】
以上により、事前判定始動情報に含まれるリーチ乱数の区分が「不定値」であると判定された場合には、具体的な変動パターンの種別(変動パターン番号)が判定されることなく、変動パターンが不定であることを指定する第2先読み指定コマンド及び第3先読み指定コマンドが演出制御回路300に対して送信される。
一方、事前判定始動情報に含まれるリーチ乱数の区分が「固定値」であると判定された場合には、具体的な変動パターンの種別(変動パターン番号)が判定されて、判定された変動パターンの種別(変動パターン番号)を指定する第2先読み指定コマンド及び第3先読み指定コマンドが演出制御回路300に対して送信される。
【0121】
次に、ステップS4-9の特別遊技管理処理を説明する。
図13は、特別遊技管理処理を示すフローチャートである。
本実施形態では、特別図柄抽選に基づいて実行される遊技(以下、「特別遊技」とする)の局面・段階(以下、「特別遊技フェーズ」とする)として、「特図変動待ち状態」、「特図変動中状態」、「特図停止図柄表示状態」、「大入賞口開放前状態」、「大入賞口開放制御状態」、「大入賞口閉鎖有効状態」及び「大入賞口開放終了ウェイト状態」の7つが規定されている。
そして、RAM230の特別遊技フェーズフラグ領域において、7つの特別遊技フェーズのうち一のものに対応する値(特別遊技フェーズフラグ)が設定される。
また、ROM220には、特別遊技を制御(実行)するための特別遊技制御モジュール(プログラム)として、各特別遊技フェーズに対応する特別遊技制御モジュールが格納されている。
そして、特別遊技管理処理では、RAM230の特別遊技フェーズフラグ領域に設定されている値に対応する特別遊技制御モジュールが選択され、選択された特別遊技制御モジュールに基づく処理が実行される。
【0122】
具体的には、特別遊技管理処理は、ステップS4-9において実行されると、図13に示すように、まず、ステップS10-1に移行する。
ステップS10-1では、特別遊技フェーズ取得処理を実行し、ステップS10-2に移行する。特別遊技フェーズ取得処理では、RAM230の特別遊技フェーズフラグ領域に設定されている値(特別遊技フェーズ)を取得(ロード)する。
ステップS10-2では、特別遊技制御モジュール取得処理を実行し、ステップS10-3に移行する。特別遊技制御モジュール取得処理では、ステップS10-1で取得した値(特別遊技フェーズ)に対応する特別遊技制御モジュールを読み出す。
ステップS10-3では、特別遊技制御モジュール実行処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-10)に移行する。特別遊技制御モジュール実行処理では、ステップS10-2で読み出した特別遊技制御モジュールに基づく処理を開始する。
具体的には、ステップS10-1で取得した値が、「特図変動待ち状態」に対応する値である場合には、後述する特図変動待ち処理が開始され、「特図変動中状態」に対応する値である場合には、後述する特図変動中処理が開始され、「特図停止図柄表示状態」に対応する値である場合には、後述する特図停止中処理が開始され、「大入賞口開放前状態」に対応する値である場合には、後述する大入賞口開放前処理が開始され、「大入賞口開放制御状態」に対応する値である場合には、後述する大入賞口開放制御処理が開始され、「大入賞口閉鎖有効状態」に対応する値である場合には、後述する大入賞口閉鎖有効処理が開始され、「大入賞口開放終了ウェイト状態」に対応する値である場合には、後述する大入賞口開放終了ウェイト処理が開始される。
【0123】
次に、ステップS10-3で実行される特図変動待ち処理を説明する。
図14は、特図変動待ち処理を示すフローチャートである。
特図変動待ち処理は、ステップS10-3において実行されると、図14に示すように、まず、ステップS11-1に移行する。
ステップS11-1では、特図2保留数カウンタの値が「1」以上であるか否かを判定し、特図2保留数カウンタの値が「1」以上でないと判定した場合(No)には、ステップS11-2に移行し、特図2保留数カウンタの値が「1」以上であると判定した場合(Yes)には、ステップS11-3に移行する。
ステップS11-2では、特図1保留数カウンタの値が「1」以上であるか否かを判定し、特図1保留数カウンタの値が「1」以上であると判定した場合(Yes)には、ステップS11-3に移行し、特図1保留数カウンタの値が「1」以上でないと判定した場合(Yes)には、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-10)に移行する。
【0124】
ステップS11-3では、特図保留数更新処理を実行し、ステップS11-4に移行する。特図保留数更新処理では、特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を更新する。
具体的には、特図保留数更新処理では、まず、RAM230の始動情報記憶領域(特図1始動情報記憶領域及び特図2始動情報記憶領域)に記憶されている始動情報(特図1始動情報及び特図2始動情報)のうち一の始動情報を、判定始動情報として選択する。
本実施形態では、特図2始動情報記憶領域に記憶されている特図2始動情報について、特図1始動情報記憶領域に記憶されている特図1始動情報に対して優先して、始動判定(特図当落判定、特図停止図柄判定、特図変動パターン判定等)を実行する。
したがって、特図2始動情報記憶領域において特図2始動情報が記憶されている場合には、特図2始動情報記憶領域に記憶されている特図2始動情報のうち、最も先に取得(記憶)されたものが、判定始動情報として選択される。
一方、特図2始動情報記憶領域において特図2始動情報が記憶されていない場合には、特図1始動情報記憶領域に記憶されている特図1始動情報のうち、最も先に取得(記憶)されたものが、判定始動情報として選択される。
次に、特図保留数カウンタ(特図1保留数カウンタ又は特図2保留数カウンタ)の値を更新する。この際、決定された判定始動情報が特図1始動情報である場合には、特図1保留数カウンタに設定されている値から「1」を減算した値を、新たに当該特図1保留数カウンタに設定する。一方、決定された判定始動情報が特図2始動情報である場合には、特図2保留数カウンタに設定されている値から「1」を減算した値を、新たに当該特図2保留数カウンタに設定する。
【0125】
ステップS11-4では、特図当落判定処理を実行し、ステップS11-5に移行する。特図当落判定処理では、特別図柄抽選の結果を判定する。
特図当落判定処理では、判定始動情報に含まれる大当たり乱数と、現在の遊技状態(「特図低確率状態」又は「特図高確率状態」)に対応する特図当落抽選テーブルと、に基づいて、特別図柄抽選の結果が「大当たり」であるか否かを判定(特図当落判定)する。
具体的には、判定始動情報に含まれる大当たり乱数の値が、特図当落抽選テーブルに登録されている大当たり値と一致していると判定した場合には、特別図柄抽選の結果を「大当たり」(当選)と判定する。
一方、判定始動情報に含まれる大当たり乱数の値が、特図当落抽選テーブルに登録されている大当たり値と一致していないと判定した場合には、特別図柄抽選の結果を「はずれ」(落選)と判定する。
【0126】
ステップS11-5では、特図停止図柄判定処理を実行し、ステップS11-6に移行する。特図停止図柄判定処理では、特別図柄の停止図柄の種別(停止図柄番号)を判定(特図停止図柄判定)する。
特図停止図柄判定処理では、特図当落判定により「大当たり」(当選)と判定された場合には、大当たり図柄の種別を判定する。
具体的には、判定始動情報が特図1始動情報である場合には、当該判定始動情報に含まれる当たり図柄乱数と、第1特別図柄抽選に対応する大当たり図柄抽選テーブルと、に基づいて、大当たり図柄の種別(停止図柄番号)を判定する。一方、判定始動情報が特図2始動情報である場合には、当該判定始動情報に含まれる当たり図柄乱数と、第2特別図柄抽選に対応する大当たり図柄抽選テーブルと、に基づいて、大当たり図柄の種別(停止図柄番号)を判定する。
一方、特図停止図柄判定処理では、特図当落判定により「はずれ」(落選)と判定された場合には、停止図柄の種別(停止図柄番号)として、「はずれ図柄」を判定する。
特図停止図柄判定処理では、次に、決定した停止図柄の種別(停止図柄番号)を、RAM230の停止図柄記憶領域に記憶する。
ステップS11-6では、図柄種別指定コマンド設定処理を実行し、ステップS11-7に移行する。図柄種別指定コマンド設定処理では、ステップS11-5で判定した停止図柄の種別(停止図柄番号)を指定する図柄種別指定コマンドを、サブコマンド出力要求バッファに格納する。
【0127】
ステップS11-7では、特図変動パターン判定処理を実行し、ステップS11-8に移行する。特図変動パターン判定処理では、特別図柄の変動パターンの種別(変動パターン番号)を判定(特図変動パターン判定)する。
特図変動パターン判定処理では、まず、判定始動情報(特図1始動情報又は特図2始動情報)に含まれるリーチ乱数の区分を判定する。
具体的には、特図当落判定により当選(「大当たり」)と判定された場合には、判定始動情報(特図1始動情報又は特図2始動情報)に含まれるリーチ乱数と、当選時乱数区分判定テーブルと、に基づいて、リーチ乱数の区分を判定する(この場合には、「固定値」と判定される)。
一方、特図当落判定により落選(「はずれ」)と判定された場合には、判定始動情報(特図1始動情報又は特図2始動情報)に含まれるリーチ乱数と、落選時乱数区分判定テーブルと、に基づいて、リーチ乱数の区分を判定する。
【0128】
特図変動パターン判定処理では、次に、第2変動パターンの種別を判定する。
具体的には、特図当落判定により当選(「大当たり」)と判定された場合には、判定始動情報(特図1始動情報又は特図2始動情報)に含まれるリーチ乱数と、当選時第2変動パターン抽選テーブルと、に基づいて、第2変動パターンの種別(変動パターン番号)を判定する。
一方、特図当落判定により落選(「はずれ」)と判定され、かつ、判定始動情報(特図1始動情報又は特図2始動情報)に含まれるリーチ乱数の区分が「固定値」であると判定された場合には、当該判定始動情報に含まれるリーチ乱数と、落選時固定値用第2変動パターン抽選テーブルと、に基づいて、第2変動パターンの種別(変動パターン番号)を判定する。
一方、特図当落判定により落選(「はずれ」)と判定され、かつ、判定始動情報(特図1始動情報又は特図2始動情報)に含まれるリーチ乱数の区分が「不定値」であると判定された場合には、現在の保留数(特図1保留数又は特図2保留数)と、現在の時短制御の実行状況(実行中又は停止中)と、の組み合わせに対応する落選時不定値用第2変動パターン抽選テーブルを読み出す。そして、判定始動情報に含まれるリーチ乱数と、読み出した落選時不定値用第2変動パターン抽選テーブルと、に基づいて、第2変動パターンの種別(変動パターン番号)を判定する。
【0129】
特図変動パターン判定処理では、次に、第1変動パターンの種別を判定する。
具体的には、特図当落判定により当選(「大当たり」)と判定された場合には、判定始動情報(特図1始動情報又は特図2始動情報)に含まれる変動パターン乱数と、当選時第1変動パターン抽選テーブルと、に基づいて、第1変動パターンの種別(変動パターン番号)を判定する。
一方、特図当落判定により落選(「はずれ」)と判定され、かつ、判定始動情報(特図1始動情報又は特図2始動情報)に含まれるリーチ乱数の区分が「固定値」であると判定された場合には、当該判定始動情報に含まれる変動パターン乱数と、落選時固定値用第1変動パターン抽選テーブルと、に基づいて、第1変動パターンの種別(変動パターン番号)を判定する。
一方、特図当落判定により落選(「はずれ」)と判定され、かつ、判定始動情報(特図1始動情報又は特図2始動情報)に含まれるリーチ乱数の区分が「不定値」であると判定された場合には、現在の保留数(特図1保留数又は特図2保留数)と、現在の時短制御の実行状況(実行中又は停止中)と、の組み合わせに対応する落選時不定値用第1変動パターン抽選テーブルを読み出す。そして、判定始動情報に含まれる変動パターン乱数と、読み出した落選時不定値用第1変動パターン抽選テーブルと、に基づいて、第1変動パターンの種別(変動パターン番号)を判定する。
【0130】
ステップS11-8では、変動パターンコマンド設定処理を実行し、ステップS11-9に移行する。変動パターンコマンド設定処理では、ステップS11-7で判定した第1変動パターンの種別(変動パターン番号)を指定する第1変動パターン指定コマンドを、サブコマンド出力要求バッファに格納する。また、ステップS11-7で判定した第2変動パターンの種別(変動パターン番号)を指定する第2変動パターン指定コマンドを、サブコマンド出力要求バッファに格納する。
ステップS11-9では、特図変動時間設定処理を実行し、ステップS11-10に移行する。特図変動時間設定処理では、ステップS11-7で判定した第1変動パターンの種別(変動パターン番号)に対応する変動時間(以下、「変動時間1」とする)を取得する。また、ステップS11-7で判定した第2変動パターンの種別(変動パターン番号)に対応する変動時間(以下、「変動時間2」とする)を取得する。そして、取得した変動時間1と変動時間2との合計時間を算出する。そして、算出した合計時間を、特別遊技タイマに設定する。
【0131】
ステップS11-10では、特図変動表示データ設定処理を実行し、ステップS11-11に移行する。特図変動表示データ設定処理では、特図表示装置61,62の変動表示を制御するためのデータを設定する。
具体的には、特図変動表示データ設定処理では、まず、特図表示タイマに、所定表示時間を設定する。
次に、判定始動情報が特図1始動情報である場合には、特図1表示装置61に対応する特図表示図柄カウンタに、所定の初期値を設定する。これによって、特図1表示装置61を構成する所定数のセグメントのうち、特図表示図柄カウンタの値に対応するセグメントが点灯制御される。
一方、判定始動情報が特図2始動情報である場合には、特図2表示装置62に対応する特図表示図柄カウンタに所定の初期値を設定する。これによって、特図2表示装置62を構成する所定数のセグメントのうち、特図表示図柄カウンタの値に対応するセグメントが点灯制御される。
【0132】
ステップS11-11では、保留数指定コマンド設定処理を実行し、ステップS11-12に移行する。保留数指定コマンド設定処理では、特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)が「1」減少したことを指定する保留数指定コマンドを、RAM230のサブコマンド出力要求バッファに記憶する。この際、判定始動情報が特図1始動情報である場合には、特図1保留数が「1」減少したことを指定する保留数指定コマンドを、RAM230のサブコマンド出力要求バッファに記憶し、判定始動情報が特図2始動情報である場合には、特図2保留数が「1」減少したことを指定する保留数指定コマンドを、RAM230のサブコマンド出力要求バッファに記憶する。
ステップS11-12では、特別遊技フェーズ更新処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-10)に移行する。特別遊技フェーズ更新処理では、RAM230の特別遊技フェーズフラグ領域において、「特図変動中状態」に対応する値を設定する。
【0133】
次に、ステップS10-3で実行される特図変動中処理を説明する。
図15は、特図変動中処理を示すフローチャートである。
特図変動中処理は、ステップS10-3において実行されると、図15に示すように、まず、ステップS12-1に移行する。
ステップS12-1では、特別遊技タイマの値が「0」であるか否かを判定し、特別遊技タイマの値が「0」でないと判定した場合(No)には、ステップS12-2に移行し、特別遊技タイマの値が「0」であると判定した場合(Yes)には、ステップS12-4に移行する。
ステップS12-2では、特図表示タイマの値が「0」であるか否かを判定し、特図表示タイマの値が「0」であると判定した場合(Yes)には、ステップS12-3に移行し、特図表示タイマの値が「0」でないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-10)に移行する。
ステップS12-3では、特図変動表示データ更新処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-10)に移行する。特図変動表示データ更新処理では、特図表示装置61,62の変動表示を制御するためのデータを更新する。
具体的には、特図変動表示データ更新処理では、特図表示図柄カウンタの値に「1」を加算した値を、新たに特図表示図柄カウンタに設定する。
【0134】
ステップS12-4では、特図停止表示データ設定処理を実行し、ステップS12-5に移行する。特図停止表示データ設定処理では、特図表示装置61,62の停止表示を制御するためのデータを設定する。
具体的には、特図停止表示データ設定処理では、RAM230の停止図柄記憶領域に記憶されている停止図柄の種別(停止図柄番号)を取得する。
次に、第1特別図柄の変動表示を終了する場合には、特図1表示装置61に対応する特図表示図柄カウンタに、取得した停止図柄の種別(停止図柄番号)に対応する値を設定する。これによって、特図1表示装置61を構成する所定数のセグメントのうち、特図表示図柄カウンタの値に対応するセグメントが点灯制御(停止表示)される。
一方、第2特別図柄の変動表示を終了する場合には、特図2表示装置62に対応する特図表示図柄カウンタに、取得した停止図柄の種別(停止図柄番号)に対応する値を設定する。これによって、特図2表示装置62を構成する所定数のセグメントのうち、特図表示図柄カウンタの値に対応するセグメントが点灯制御(停止表示)される。
ステップS12-5では、特図停止時間設定処理を実行し、ステップS12-6に移行する。特図停止時間設定処理では、所定の停止時間を、特別遊技タイマに設定する。
ステップS12-6では、停止指定コマンド設定処理を実行し、ステップS12-7に移行する。停止指定コマンド設定処理では、停止指定コマンドを、サブコマンド出力要求バッファに格納する。
ステップS12-7では、特別遊技フェーズ更新処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-10)に移行する。特別遊技フェーズ更新処理では、RAM230の特別遊技フェーズフラグ領域において、「特図停止図柄表示状態」に対応する値を設定する。
【0135】
次に、ステップS10-3で実行される特図停止中処理を説明する。
図16は、特図停止中処理を示すフローチャートである。
特図停止中処理は、ステップS10-3において実行されると、図16に示すように、まず、ステップS13-1に移行する。
ステップS13-1では、特別遊技タイマの値が「0」であるか否かを判定し、特別遊技タイマの値が「0」であると判定した場合(Yes)には、ステップS13-2に移行し、特別遊技タイマの値が「0」でないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-10)に移行する。
ステップS13-2では、停止図柄が「大当たり図柄」であるか否かを判定し、停止図柄が「大当たり図柄」でないと判定した場合(No)には、ステップS13-3に移行し、停止図柄が「大当たり図柄」であると判定した場合(Yes)には、ステップS13-6に移行する。
ステップS13-3では、時短制御の実行中であるか否かを判定し、時短制御の実行中であると判定した場合(Yes)には、ステップS13-4に移行し、時短制御の実行中でないと判定した場合(No)には、ステップS13-5に移行する。
ここで、RAM230の時短制御フラグ領域において、「1」が設定されている場合には、時短制御の実行中であると判定し、「0」が設定されている場合には、時短制御の実行中でないと判定する。
【0136】
ステップS13-4では、時短制御管理処理を実行し、ステップS13-5に移行する。時短制御管理処理では、時短制御を終了するか否かを判定する。
具体的には、時短制御管理処理では、まず、時短カウンタの値から「1」を減算した値を、新たに時短カウンタの値として設定する。
次に、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。そして、時短カウンタの値が「0」であると判定した場合(Yes)には、RAM230の時短制御フラグ領域に「0」を設定する(時短制御を停止する)。一方、時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合には、RAM230の時短制御フラグ領域に「1」が設定されている状態を維持する(時短制御が実行されている状態を維持する)。
ステップS13-5では、特別遊技フェーズ更新処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-10)に移行する。特別遊技フェーズ更新処理では、RAM230の特別遊技フェーズフラグ領域において、「特図変動待ち状態」に対応する値を設定する。
ステップS13-6では、遊技状態更新処理を実行し、ステップS13-7に移行する。遊技状態更新処理では、遊技状態を更新する。
具体的には、遊技状態更新処理では、RAM230の特図高確率状態フラグ領域に「0」を設定する。また、RAM230の時短制御フラグ領域に「0」を設定する。
【0137】
ステップS13-7では、特別電役制御データ設定処理を実行し、ステップS13-8に移行する。特別電役制御データ設定処理では、第1特別電動役物42又は第2特別電動役物72を開閉制御するための制御データを設定する。
ROM220には、大当たり遊技状態の各種別に対応する特別電役制御テーブルが格納されている。そして、各特別電役制御テーブルには、オープニング時間、大入賞口閉鎖有効時間、大入賞口閉鎖時間、エンディング時間、ラウンド遊技回数、各回のラウンド遊技において変位させる特別電動役物(第1特別電動役物42又は第2特別電動役物72)を指定する情報、各回のラウンド遊技に対応する開閉切替回数、各回の開閉切替に対応する制御データ(ソレノイド65a,65b,66に係るソレノイド制御データ)、制御時間データ)、各回のラウンド遊技に対応する所定上限数、各回のラウンド遊技に対応する最長開放時間等が規定されている。
特別電役制御データ設定処理では、停止図柄(大当たり図柄)の種別に対応する特別電役制御テーブルを読出し、読み出した特別電役制御テーブルを、RAM230の特別電役制御テーブル領域に設定する。
次に、特別電役連続作動回数カウンタに「0」を設定する。
【0138】
ステップS13-8では、オープニング時間設定処理を実行し、ステップS13-9に移行する。オープニング時間設定処理では、RAM230の特別電役制御テーブル領域に設定されている特別電役制御テーブルを参照して、所定のオープニング時間を、特別遊技タイマに設定する。
ステップS13-9では、オープニング指定コマンド設定処理を実行し、ステップS13-10に移行する。オープニング指定コマンド設定処理では、オープニング指定コマンドを、サブコマンド出力要求バッファに格納する。
ステップS13-10では、特別遊技フェーズ更新処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-10)に移行する。特別遊技フェーズ更新処理では、RAM230の特別遊技フェーズフラグ領域において、「大入賞口開放前状態」に対応する値を設定する。
【0139】
次に、ステップS10-3で実行される大入賞口開放前処理を説明する。
図17は、大入賞口開放前処理を示すフローチャートである。
大入賞口開放前処理は、ステップS10-3において実行されると、図17に示すように、まず、ステップS14-1に移行する。
ステップS14-1では、特別遊技タイマの値が「0」であるか否かを判定し、特別遊技タイマの値が「0」であると判定した場合(Yes)には、ステップS14-2に移行し、特別遊技タイマの値が「0」でないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-10)に移行する。
ステップS14-2では、特別電役連続作動回数カウンタ更新処理を実行し、ステップS14-3に移行する。特別電役連続作動回数カウンタ更新処理では、特別電役連続作動回数カウンタに設定されている値に「1」を加算した値を、新たに特別電役連続作動回数カウンタに設定する。
ステップS14-3では、ラウンド開始指定コマンド設定処理を実行し、ステップS14-4に移行する。ラウンド開始指定コマンド設定処理では、ラウンド開始指定コマンドを、サブコマンド出力要求バッファに格納する。
【0140】
ステップS14-4では、特別電役開閉切替回数設定処理を実行し、ステップS14-5に移行する。特別電役開閉切替回数設定処理では、RAM230の特別電役制御テーブル領域に設定されている特別電役制御テーブルを参照して、特別電役連続作動回数カウンタの値に対応する開閉切替回数を読み出す。そして、読み出した開閉切替回数を、特別電役開閉切替回数カウンタに設定する。
次に、特別電役入賞数カウンタの値として「0」を設定する。
ステップS14-5では、特別電役開閉切替処理を実行し、ステップS14-6に移行する。特別電役開閉切替処理については、後述する。
ステップS14-6では、特別遊技フェーズ更新処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-10)に移行する。特別遊技フェーズ更新処理では、RAM230の特別遊技フェーズフラグ領域において、「大入賞口開放制御状態」に対応する値を設定する。
【0141】
次に、ステップS14-5,S16-3の特別電役開閉切替処理を説明する。
図18は、特別電役開閉切替処理を示すフローチャートである。
特別電役開閉切替処理は、ステップS14-5,S16-3において実行されると、図18に示すように、まず、ステップS15-1に移行する。
ステップS15-1では、特別電役開閉切替回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し、特別電役開閉切替回数カウンタの値が「0」でないと判定した場合(No)には、ステップS15-2に移行し、特別電役開閉切替回数カウンタの値が「0」であると判定した場合(Yes)には、一連の処理を終了して次の処理(ステップS14-6又はS16-4)に移行する。
ステップS15-2では、特別電役制御データ設定処理を実行し、ステップS15-3に移行する。特別電役制御データ設定処理では、特別電動役物42,72を開放状態又は閉鎖状態に制御するための制御データを設定する。
具体的には、特別電役制御データ設定処理では、RAM230の特別電役制御テーブル領域に設定されている特別電役制御テーブルを参照して、特別電役開閉切替回数カウンタの値に対応するソレノイド制御データを読み出す。そして、読み出したソレノイド制御データ(通電又は通電停止を指定する制御データ)を、RAM230の所定領域に設定する。
この際、RAM230の特別電役制御テーブル領域に設定されている特別電役制御テーブルを参照して、当該特別電役制御テーブルに規定されている当該ラウンド遊技において変位させる特別電動役物(第1特別電動役物42又は第2特別電動役物72)を確認する。
そして、当該ラウンド遊技において変位させる特別電動役物として、第1特別電動役物42が規定されている場合には、読み出したソレノイド制御データを、RAM230の第1大入賞口ソレノイド65aに対応する領域に設定する。これによって、設定されたソレノイドデータに基づく第1大入賞口ソレノイド65aの制御が開始され、第1特別電動役物42が開放状態又は閉鎖状態に制御される。
一方、当該ラウンド遊技において変位させる特別電動役物として、第2特別電動役物72が規定されている場合には、読み出したソレノイド制御データを、RAM230の第2大入賞口ソレノイド65bに対応する領域に設定する。これによって、設定されたソレノイドデータに基づく第2大入賞口ソレノイド65bの制御が開始され、第2特別電動役物72が開放状態又は閉鎖状態に制御される。
また、読み出したソレノイド制御データに、誘導片ソレノイド66に対応するソレノイド制御データが含まれている場合には、当該ソレノイド制御データを、RAM230の誘導片ソレノイド66に対応する領域に設定する。これによって、設定されたソレノイドデータに基づく誘導片ソレノイド66の制御が開始され、補助電動役物73が補助状態又は非補助状態に制御される。
【0142】
ステップS15-3では、特別電役制御時間設定処理を実行し、ステップS15-4に移行する。特別電役制御時間設定処理では、ステップS15-2で設定したソレノイド制御データに基づく制御を継続する制御時間を設定する。
具体的には、特別電役制御時間設定処理では、RAM230の特別電役制御テーブル領域に設定されている特別電役制御テーブルを参照して、特別電役開閉切替回数カウンタの値に対応する制御時間を読み出す。そして、読み出した制御時間を、特別遊技タイマに設定する。
ステップS15-4では、特別電役開閉切替回数カウンタ更新処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS14-6又はS16-4)に移行する。特別電役開閉切替回数カウンタ更新処理では、特別電役開閉切替回数カウンタに設定されている値から「1」を減算した値を、新たに特別電役開閉切替回数カウンタに設定する。
【0143】
次に、ステップS10-3で実行される大入賞口開放制御処理を説明する。
図19は、大入賞口開放制御処理を示すフローチャートである。
大入賞口開放制御処理は、ステップS10-3において実行されると、図19に示すように、まず、ステップS16-1に移行する。
ステップS16-1では、特別遊技タイマの値が「0」であるか否かを判定し、特別遊技タイマの値が「0」であると判定した場合(Yes)には、ステップS16-2に移行し、特別遊技タイマの値が「0」でないと判定した場合(No)には、ステップS16-4に移行する。
ステップS16-2では、特別電役開閉切替回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し、特別電役開閉切替回数カウンタの値が「0」でないと判定した場合(No)には、ステップS16-3に移行し、特別電役開閉切替回数カウンタの値が「0」であると判定した場合(Yes)には、ステップS16-5に移行する。
ステップS16-3では、特別電役開閉切替処理(図18参照)を実行し、ステップS16-4に移行する。
ステップS16-4では、特別電役入賞数カウンタの値が所定上限値に達しているか否かを判定し、特別電役入賞数カウンタの値が所定の上限値に達していると判定した場合(Yes)には、ステップS16-5に移行し、特別電役入賞数カウンタの値が所定の上限値に達していないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-10)に移行する。
この際、RAM230の特別電役制御テーブル領域に設定されている特別電役制御テーブルを参照して、当該特別電役制御テーブルに規定されている所定上限数を取得して判定を行う。
【0144】
ステップS16-5では、大入賞口開放制御終了処理を実行し、ステップS16-6に移行する。大入賞口開放制御終了処理では、通電停止を指定するソレノイド制御データを、RAM230の所定領域に設定する。
この際、RAM230の特別電役制御テーブル領域に設定されている特別電役制御テーブルを参照して、当該特別電役制御テーブルに規定されている当該ラウンド遊技において変位させる特別電動役物(第1特別電動役物42又は第2特別電動役物72)を確認する。
そして、当該ラウンド遊技において変位させる特別電動役物として、第1特別電動役物42が規定されている場合には、読み出したソレノイド制御データを、RAM230の第1大入賞口ソレノイド65aに対応する領域に設定する。これによって、設定されたソレノイドデータに基づく第1大入賞口ソレノイド65aの制御が開始され、第1特別電動役物42が閉鎖状態に制御される。
一方、当該ラウンド遊技において変位させる特別電動役物として、第2特別電動役物72が規定されている場合には、読み出したソレノイド制御データを、RAM230の第2大入賞口ソレノイド65bに対応する領域に設定する。これによって、設定されたソレノイドデータに基づく第2大入賞口ソレノイド65bの制御が開始され、第2特別電動役物72が閉鎖状態に制御される。
また、読み出したソレノイド制御データに、誘導片ソレノイド66に対応するソレノイド制御データが含まれている場合には、当該ソレノイド制御データを、RAM230の誘導片ソレノイド66に対応する領域に設定する。これによって、設定されたソレノイドデータに基づく誘導片ソレノイド66の制御が開始され、補助電動役物73が非補助状態に制御される。
ステップS16-6では、大入賞口閉鎖有効時間設定処理を実行し、ステップS16-7に移行する。大入賞口閉鎖有効時間設定処理では、RAM230の特別電役制御テーブル領域に設定されている特別電役制御テーブルを参照して、所定の大入賞口閉鎖有効時間(インターバル時間)を、特別遊技タイマに設定する。
ステップS16-7では、ラウンド終了指定コマンド設定処理を実行し、ステップS16-8に移行する。ラウンド終了指定コマンド設定処理では、ラウンド終了指定コマンドを、サブコマンド出力要求バッファに格納する。
ステップS16-8では、特別遊技フェーズ更新処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-10)に移行する。特別遊技フェーズ更新処理では、RAM230の特別遊技フェーズフラグ領域において、「大入賞口閉鎖有効状態」に対応する値を設定する。
【0145】
次に、ステップS10-3で実行される大入賞口閉鎖有効処理を説明する。
図20は、大入賞口閉鎖有効処理を示すフローチャートである。
大入賞口閉鎖有効処理は、ステップS10-3において実行されると、図20に示すように、まず、ステップS17-1に移行する。
ステップS17-1では、特別遊技タイマの値が「0」であるか否かを判定し、特別遊技タイマの値が「0」であると判定した場合(Yes)には、ステップS17-2に移行し、特別遊技タイマの値が「0」でないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-10)に移行する。
ステップS17-2では、特別電役連続作動回数カウンタの値が規定値に達しているか否かを判定し、特別電役連続作動回数カウンタの値が規定値に達していないと判定した場合(No)には、ステップS17-3に移行し、特別電役連続作動回数カウンタの値が規定値に達していると判定した場合(Yes)には、ステップS17-5に移行する。
この際、RAM230の特別電役制御テーブル領域に設定されている特別電役制御テーブルを参照して、当該特別電役制御テーブルに規定されているラウンド遊技回数を規定値として取得して判定を行う。
ステップS17-3では、大入賞口閉鎖時間設定処理を実行し、ステップS17-4に移行する。大入賞口閉鎖時間設定処理では、RAM230の特別電役制御テーブル領域に設定されている特別電役制御テーブルを参照して、所定の大入賞口閉鎖時間を、特別遊技タイマに設定する。
ステップS17-4では、特別遊技フェーズ更新処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-10)に移行する。特別遊技フェーズ更新処理では、RAM230の特別遊技フェーズフラグ領域において、「大入賞口開放前状態」に対応する値を設定する。
【0146】
ステップS17-5では、エンディング時間設定処理を実行し、ステップS17-6に移行する。エンディング時間設定処理では、RAM230の特別電役制御テーブル領域に設定されている特別電役制御テーブルを参照して、所定のエンディング時間を、特別遊技タイマに設定する。
ステップS17-6では、エンディング指定コマンド設定処理を実行し、ステップS17-7に移行する。エンディング指定コマンド設定処理では、エンディング指定コマンドを、サブコマンド出力要求バッファに格納する。
ステップS17-7では、特別遊技フェーズ更新処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-10)に移行する。特別遊技フェーズ更新処理では、RAM230の特別遊技フェーズフラグ領域において、「大入賞口開放終了ウェイト状態」に対応する値を設定する。
【0147】
次に、ステップS10-3で実行される大入賞口開放終了ウェイト処理を説明する。
図21は、大入賞口開放終了ウェイト処理を示すフローチャートである。
大入賞口開放終了ウェイト処理は、ステップS10-3において実行されると、図21に示すように、まず、ステップS18-1に移行する。
ステップS18-1では、特別遊技タイマの値が「0」であるか否かを判定し、特別遊技タイマの値が「0」であると判定した場合(Yes)には、ステップS18-2に移行し、特別遊技タイマの値が「0」でないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-10)に移行する。
ステップS18-2では、遊技状態設定処理を実行し、ステップS18-3に移行する。遊技状態設定処理では、遊技状態を設定する。
具体的には、遊技状態設定処理では、停止図柄(大当たり図柄)の種別に応じて、RAM230の特図高確率状態フラグ領域の値を設定する。この際、停止図柄の種別が「大当たり1図柄」である場合には、RAM230の特図高確率状態フラグ領域に「0」を設定する。一方、停止図柄の種別が「大当たり2図柄」~「大当たり5図柄」のうちいずれかである場合には、RAM230の特図高確率状態フラグ領域に「1」を設定する。
次に、所定の時短回数(本実施形態では、100[回])を、時短カウンタに設定する。また、RAM230の時短制御フラグ領域に「1」を設定する。
次に、RAM230の前回大当たり図柄フラグ領域に、大当たり図柄の種別に対応する値を設定する。
ステップS18-3では、特別遊技フェーズ更新処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-10)に移行する。特別遊技フェーズ更新処理では、RAM230の特別遊技フェーズフラグ領域において、「特図変動待ち状態」に対応する値を設定する。
【0148】
次に、ステップS4-10の普通遊技管理処理を説明する。
図22は、普通遊技管理処理を示すフローチャートである。
ここで、本実施形態では、普通図柄抽選に基づいて実行される遊技(以下、「普通遊技」とする)の局面・段階(以下、「普通遊技フェーズ」とする)として、「普図変動待ち状態」、「普図変動中状態」、「普図停止図柄表示状態」、「普図電動役物開放前状態」、「普図電動役物開放制御状態」、「普図電動役物閉鎖有効状態」及び「普図電動役物開放終了ウェイト状態」の7つが規定されている。
そして、RAM230の普通遊技フェーズフラグ領域において、7つの普通遊技フェーズのうち一のものに対応する値(普通遊技フェーズフラグ)が設定される。
また、ROM220には、普通遊技を制御(実行)するための普通遊技制御モジュール(プログラム)として、各普通遊技フェーズに対応する普通遊技制御モジュールが格納されている。
そして、普通遊技管理処理では、RAM230の普通遊技フェーズフラグ領域に設定されている値に対応する普通遊技制御モジュールが選択され、選択された普通遊技制御モジュールに基づく処理が実行される。
【0149】
具体的には、普通遊技管理処理は、ステップS4-10において実行されると、図22に示すように、まず、ステップS19-1に移行する。
ステップS19-1では、普通遊技フェーズ取得処理を実行し、ステップS19-2に移行する。普通遊技フェーズ取得処理では、RAM230の普通遊技フェーズフラグ領域に設定されている値(普通遊技フェーズ)を取得(ロード)する。
ステップS19-2では、普通遊技制御モジュール取得処理を実行し、ステップS19-3に移行する。普通遊技制御モジュール取得処理では、ステップS19-1で取得した値(普通遊技フェーズ)に対応する普通遊技制御モジュールを読み出す。
ステップS19-3では、普通遊技制御モジュール実行処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-11)に移行する。普通遊技制御モジュール実行処理では、ステップS19-2で読み出した普通遊技制御モジュールに基づく処理を開始する。
具体的には、ステップS19-1で取得した値が、「普図変動待ち状態」に対応する値である場合には、後述する普図変動待ち処理が開始され、「普図変動中状態」に対応する値である場合には、後述する普図変動中処理が開始され、「普図停止図柄表示状態」に対応する値である場合には、後述する普図停止中処理が開始され、「普通電動役物開放前状態」に対応する値である場合には、後述する普通電動役物開放前処理が開始され、「普通電動役物開放制御状態」に対応する値である場合には、後述する普通電動役物開放制御処理が開始され、「普通電動役物閉鎖有効状態」に対応する値である場合には、後述する普通電動役物閉鎖有効処理が開始され、「普通電動役物開放終了ウェイト状態」に対応する値である場合には、後述する普通電動役物開放終了ウェイト処理が開始される。
【0150】
次に、ステップS19-3で実行される普図変動待ち処理を説明する。
図23は、普図変動待ち処理を示すフローチャートである。
普図変動待ち処理は、ステップS19-3において実行されると、図23に示すように、まず、ステップS20-1に移行する。
ステップS20-1では、普図保留数カウンタの値が「1」以上であるか否かを判定し、普図保留数カウンタの値が「1」以上であると判定した場合(Yes)には、ステップS20-2に移行し、普図保留数カウンタの値が「1」以上でないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-11)に移行する。
ステップS20-2では、普図保留数更新処理を実行し、ステップS20-3に移行する。普図保留数更新処理では、普図保留数を更新する。
具体的には、普図保留数更新処理では、RAM230の普図始動情報記憶領域に記憶されている普図始動情報のうち一の始動情報を、判定始動情報として選択する。
本実施形態では、普図始動情報記憶領域に記憶されている普図始動情報のうち、最も先に取得(記憶)された普図始動情報が、判定始動情報として選択される。
【0151】
ステップS20-3では、普図当落判定処理を実行し、ステップS20-4に移行する。普図当落判定処理では、普通図柄抽選の結果を判定(普図当落判定)する。
ROM220には、普通図柄抽選の当たり値が登録された普図当落抽選テーブルが格納されている。また、普図当落抽選テーブルとして、時短制御の実行中に対応する普図当落抽選テーブルと、時短制御の停止中に対応する普図当落抽選テーブルと、が格納されている。
時短制御の停止中に対応する普図当落抽選テーブルでは、当選確率が第1の確率(本実施形態では、1/99)となるように、当たり値が登録されている。一方、時短制御の実行中に対応する普図当落抽選テーブルでは、当選確率が第1の確率より高い第2の確率(本実施形態では、1/1)となるように、当たり値が登録されている。
そして、普図当落判定処理では、判定始動情報に含まれる当たり乱数と、現在の時短制御の実行状況(実行中又は停止中)に対応する普図当落抽選テーブルと、に基づいて、普図当落判定を実行する。
具体的には、判定始動情報に含まれる当たり乱数の値が当たり値と一致している場合には、普通図柄抽選の結果を「当たり」(当選)と判定する。
一方、判定始動情報に含まれる当たり乱数の値が当たり値と一致していない場合には、普通図柄抽選の結果を「はずれ」(落選)と判定する。
【0152】
ステップS20-4では、普図停止図柄判定処理を実行し、ステップS20-5に移行する。普図停止図柄判定処理では、普通図柄の停止図柄の種別(停止図柄番号)を判定(普図停止図柄判定)する。
具体的には、普図停止図柄判定処理では、普図当落判定により「当たり」(当選)と判定された場合には、停止図柄の種別(停止図柄番号)として、「普図当たり図柄」を判定する。
一方、普図当落判定により「はずれ」(落選)と判定された場合には、停止図柄の種別(停止図柄番号)として、「はずれ図柄」を判定する。
次に、決定した停止図柄の種別(停止図柄番号)を、RAM230の停止図柄記憶領域に記憶する。
ステップS20-5では、普図変動パターン判定処理を実行し、ステップS20-6に移行する。普図変動パターン判定処理では、普通図柄の変動パターンの種別(変動パターン番号)を判定(普図変動パターン判定)する。
具体的には、普図変動パターン判定処理では、時短制御を停止中である場合には、普図変動パターンの種別(変動パターン番号)として、第1の種別(本実施形態では、2.0[s]の変動時間に対応する種別)を判定する。
一方、時短制御を実行中である場合には、普図変動パターンの種別(変動パターン番号)として、第2の種別(本実施形態では、0.5[s]の変動時間に対応する種別)を判定する。
【0153】
ステップS20-6では、普図変動時間設定処理を実行し、ステップS20-7に移行する。普図変動時間設定処理では、ステップS20-6で判定した普図変動パターンの種別(変動パターン番号)に対応する変動時間を取得する。そして、取得した変動時間を、普通遊技タイマに設定する。
ステップS20-7では、普図変動表示データ設定処理を実行し、ステップS20-8に移行する。普図変動表示データ設定処理では、普図表示装置60の変動表示を制御するためのデータを設定する。
具体的には、普図変動表示データ設定処理では、まず、普図表示タイマに、所定表示時間を設定する。
次に、普図表示図柄カウンタに、所定の初期値を設定する。これによって、普図表示装置60を構成する所定数のセグメントのうち、普図表示図柄カウンタの値に対応するセグメントが点灯制御される。
ステップS20-8では、普通遊技フェーズ更新処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-11)に移行する。普通遊技フェーズ更新処理では、RAM230の普通遊技フェーズフラグ領域において、「普図変動中状態」に対応する値を設定する。
【0154】
次に、ステップS19-3で実行される普図変動中処理を説明する。
図24は、普図変動中処理を示すフローチャートである。
普図変動中処理は、ステップS19-3において実行されると、図24に示すように、まず、ステップS21-1に移行する。
ステップS21-1では、普通遊技タイマの値が「0」であるか否かを判定し、普通遊技タイマの値が「0」でないと判定した場合(No)には、ステップS21-2に移行し、普通遊技タイマの値が「0」であると判定した場合(Yes)には、ステップS21-4に移行する。
ステップS21-2では、普図表示タイマの値が「0」であるか否かを判定し、普図表示タイマの値が「0」であると判定した場合(Yes)には、ステップS21-3に移行し、普図表示タイマの値が「0」でないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-11)に移行する。
ステップS21-3では、普図変動表示データ更新処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-11)に移行する。普図変動表示データ更新処理では、普図表示装置60の変動表示を制御するためのデータを更新する。
具体的には、普図変動表示データ更新処理では、普図表示図柄カウンタの値に「1」を加算した値を、新たに普図表示図柄カウンタに設定する。
【0155】
ステップS21-4では、普図停止表示データ設定処理を実行し、ステップS21-5に移行する。普図停止表示データ設定処理では、普図表示装置60の停止表示を制御するためのデータを設定する。
具体的には、普図停止表示データ設定処理では、RAM230の停止図柄記憶領域に記憶されている停止図柄の種別(停止図柄番号)を取得する。
次に、普図表示図柄カウンタに、取得した停止図柄の種別(停止図柄番号)に対応する値を設定する。これによって、普図表示装置60を構成する所定数のセグメントのうち、普図表示図柄カウンタの値に対応するセグメントが点灯制御(停止表示)される。
ステップS21-5では、普図停止時間設定処理を実行し、ステップS21-6に移行する。普図停止時間設定処理では、所定の停止時間を、普通遊技タイマに設定する。
ステップS21-6では、普通遊技フェーズ更新処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-11)に移行する。普通遊技フェーズ更新処理では、RAM230の普通遊技フェーズフラグ領域において、「普図停止図柄表示状態」に対応する値を設定する。
【0156】
次に、ステップS19-3で実行される普図停止中処理を説明する。
図25は、普図停止中処理を示すフローチャートである。
普図停止中処理は、ステップS19-3において実行されると、図25に示すように、まず、ステップS22-1に移行する。
ステップS22-1では、普通遊技タイマの値が「0」であるか否かを判定し、普通遊技タイマの値が「0」であると判定した場合(Yes)には、ステップS22-2に移行し、普通遊技タイマの値が「0」でないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-11)に移行する。
ステップS22-2では、停止図柄が「普図当たり図柄」であるか否かを判定し、停止図柄が「普図当たり図柄」でないと判定した場合(No)には、ステップS22-3に移行し、停止図柄が「普図当たり図柄」であると判定した場合(Yes)には、ステップS22-4に移行する。
ステップS22-3では、普通遊技フェーズ更新処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-11)に移行する。普通遊技フェーズ更新処理では、RAM230の普通遊技フェーズフラグ領域において、「普図変動待ち状態」に対応する値を設定する。
ステップS22-4では、普通電役制御データ設定処理を実行し、ステップS22-5に移行する。普通電役制御データ設定処理では、普通電動役物52aを開閉制御するための制御データを設定する。
ROM220には、時短制御の実行状況(実行中又は停止中)に対応する普通電役制御テーブルが格納されている。そして、各普通電役制御テーブルには、普通電役開放前時間、普通電役閉鎖有効時間、開放終了ウェイト時間、開閉切替回数、各回の開閉切替に対応する制御データ(ソレノイド制御データ、制御時間データ)等が規定されている。
普通電役制御データ設定処理では、時短制御の実行状況(実行中又は停止中)に対応する普通電役制御テーブルを読出し、読み出した普通電役制御テーブルを、RAM230の普通電役制御テーブル領域に設定する。
次に、RAM230の普通電役制御テーブル領域に設定されている普通電役制御テーブルを参照して、開閉切替回数を読み出す。そして、読み出した開閉切替回数を、普通電役開閉切替回数カウンタに設定する。また、普通電役入賞数カウンタの値として「0」を設定する。
【0157】
ステップS22-5では、普通電役開放前時間設定処理を実行し、ステップS22-6に移行する。普通電役開放前時間設定処理では、RAM230の普通電役制御テーブル領域に設定されている普通電役制御テーブルを参照して、所定の普通電役開放前時間を、普通遊技タイマに設定する。
ステップS22-6では、普通遊技フェーズ更新処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-11)に移行する。普通遊技フェーズ更新処理では、RAM230の普通遊技フェーズフラグ領域において、「普通電動役物開放前状態」に対応する値を設定する。
【0158】
次に、ステップS19-3で実行される普通電動役物開放前処理を説明する。
図26は、普通電動役物開放前処理を示すフローチャートである。
普通電動役物開放前処理は、ステップS19-3において実行されると、図26に示すように、まず、ステップS23-1に移行する。
ステップS23-1では、普通遊技タイマの値が「0」であるか否かを判定し、普通遊技タイマの値が「0」であると判定した場合(Yes)には、ステップS23-2に移行し、普通遊技タイマの値が「0」でないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-11)に移行する。
ステップS23-2では、普通電役開閉切替処理を実行し、ステップS23-3に移行する。普通電役開閉切替処理については、後述する。
ステップS23-3では、普通遊技フェーズ更新処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-11)に移行する。普通遊技フェーズ更新処理では、RAM230の普通遊技フェーズフラグ領域において、「普通電動役物開放制御状態」に対応する値を設定する。
【0159】
次に、ステップS23-2,S25-3の普通電役開閉切替処理を説明する。
図27は、普通電役開閉切替処理を示すフローチャートである。
普通電役開閉切替処理は、ステップS23-2,S25-3において実行されると、図27に示すように、まず、ステップS24-1に移行する。
ステップS24-1では、普通電役開閉切替回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し、普通電役開閉切替回数カウンタの値が「0」でないと判定した場合(No)には、ステップS24-2に移行し、普通電役開閉切替回数カウンタの値が「0」であると判定した場合(Yes)には、一連の処理を終了して次の処理(ステップS23-3又はS25-4)に移行する。
ステップS24-2では、普通電役制御データ設定処理を実行し、ステップS24-3に移行する。普通電役制御データ設定処理では、普通電動役物52aを開放状態又は閉鎖状態に制御するための制御データを設定する。
具体的には、普通電役制御データ設定処理では、RAM230の普通電役制御テーブル領域に設定されている普通電役制御テーブルを参照して、普通電役開閉切替回数カウンタの値に対応するソレノイド制御データを読み出す。そして、読み出したソレノイド制御データ(通電又は通電停止を指定する制御データ)を、RAM230の所定領域に設定する。これによって、設定されたソレノイドデータに基づく始動口ソレノイド64の制御が開始され、普通電動役物52aが開放状態又は閉鎖状態に制御される。
【0160】
ステップS24-3では、普通電役制御時間設定処理を実行し、ステップS24-4に移行する。普通電役制御時間設定処理では、ステップS24-2で設定したソレノイド制御データに基づく制御を継続する制御時間を設定する。
具体的には、普通電役制御時間設定処理では、RAM230の普通電役制御テーブル領域に設定されている普通電役制御テーブルを参照して、普通電役開閉切替回数カウンタの値に対応する制御時間を読み出す。そして、読み出した制御時間を、普通遊技タイマに設定する。
ステップS24-4では、普通電役開閉切替回数カウンタ更新処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS23-3又はS25-4)に移行する。普通電役開閉切替回数カウンタ更新処理では、普通電役開閉切替回数カウンタに設定されている値から「1」を減算した値を、新たに普通電役開閉切替回数カウンタに設定する。
【0161】
次に、ステップS19-3で実行される普通電動役物開放制御処理を説明する。
図28は、普通電動役物開放制御処理を示すフローチャートである。
普通電動役物開放制御処理は、ステップS19-3において実行されると、図28に示すように、まず、ステップS25-1に移行する。
ステップS25-1では、普通遊技タイマの値が「0」であるか否かを判定し、普通遊技タイマの値が「0」であると判定した場合(Yes)には、ステップS25-2に移行し、普通遊技タイマの値が「0」でないと判定した場合(No)には、ステップS25-4に移行する。
ステップS25-2では、普通電役開閉切替回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し、普通電役開閉切替回数カウンタの値が「0」でないと判定した場合(No)には、ステップS25-3に移行し、普通電役開閉切替回数カウンタの値が「0」であると判定した場合(Yes)には、ステップS25-5に移行する。
ステップS25-3では、普通電役開閉切替処理(図27参照)を実行し、ステップS25-4に移行する。
ステップS25-4では、普通電役入賞数カウンタの値が所定の上限値(本実施形態では、3[球])に達しているか否かを判定し、普通電役入賞数カウンタの値が所定の上限値に達していると判定した場合(Yes)には、ステップS25-5に移行し、普通電役入賞数カウンタの値が所定の上限値に達していないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-11)に移行する。
【0162】
ステップS25-5では、普通電役開放制御終了処理を実行し、ステップS25-6に移行する。普通電役開放制御終了処理では、通電停止を指定するソレノイド制御データを、RAM230の所定領域に設定する。これによって、普通電動役物52aが閉鎖状態に制御される。
ステップS25-6では、普通電役閉鎖有効時間設定処理を実行し、ステップS25-7に移行する。普通電役閉鎖有効時間設定処理では、RAM230の普通電役制御テーブル領域に設定されている普通電役制御テーブルを参照して、所定の普通電役閉鎖有効時間を、普通遊技タイマに設定する。
ステップS25-7では、普通遊技フェーズ更新処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-11)に移行する。普通遊技フェーズ更新処理では、RAM230の普通遊技フェーズフラグ領域において、「普通電動役物閉鎖有効状態」に対応する値を設定する。
【0163】
次に、ステップS19-3で実行される普通電動役物閉鎖有効処理を説明する。
図29は、普通電動役物閉鎖有効処理を示すフローチャートである。
普通電動役物閉鎖有効処理は、ステップS19-3において実行されると、図29に示すように、まず、ステップS26-1に移行する。
ステップS26-1では、普通遊技タイマの値が「0」であるか否かを判定し、普通遊技タイマの値が「0」であると判定した場合(Yes)には、ステップS26-2に移行し、普通遊技タイマの値が「0」でないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-11)に移行する。
ステップS26-2では、開放終了ウェイト時間設定処理を実行し、ステップS26-3に移行する。開放終了ウェイト時間設定処理では、RAM230の普通電役制御テーブル領域に設定されている普通電役制御テーブルを参照して、所定の開放終了ウェイト時間を、普通遊技タイマに設定する。
ステップS26-3では、普通遊技フェーズ更新処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-11)に移行する。普通遊技フェーズ更新処理では、RAM230の普通遊技フェーズフラグ領域において、「普通電動役物開放終了ウェイト状態」に対応する値を設定する。
【0164】
次に、ステップS19-3で実行される普通電動役物開放終了ウェイト処理を説明する。
図30は、普通電動役物開放終了ウェイト処理を示すフローチャートである。
普通電動役物開放終了ウェイト処理は、ステップS19-3において実行されると、図30に示すように、まず、ステップS27-1に移行する。
ステップS27-1では、普通遊技タイマの値が「0」であるか否かを判定し、普通遊技タイマの値が「0」であると判定した場合(Yes)には、ステップS27-2に移行し、普通遊技タイマの値が「0」でないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-11)に移行する。
ステップS27-2では、普通遊技フェーズ更新処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS4-11)に移行する。普通遊技フェーズ更新処理では、RAM230の普通遊技フェーズフラグ領域において、「普図変動待ち状態」に対応する値を設定する。
【0165】
(演出制御回路300で実行される処理)
次に、演出制御回路300のCPUが実行する処理について説明する。
まず、演出制御回路300のCPUが実行するCPU初期化処理を説明する。
演出制御回路300には、リセット回路(図示せず)が配設されている。リセット回路は、パチンコ機1に電源が投入されると、リセット信号を発生する。
演出制御回路300のCPUは、リセット回路によるリセット信号の発生に応じて、CPU初期化処理(図示せず)を開始する。
CPU初期化処理が開始されると、まず、各種レジスタ、各種タイマ(フレームタイマ、フェーズタイマ等)、クロックパルス発振器、各種RAM等が初期化される。次に、各種演出用乱数を更新する演出用乱数更新処理が実行される。その後、後述する各種の割込み処理が実行されるまで、演出用乱数更新処理が繰り返し実行される。
【0166】
次に、演出制御回路300のCPUが実行するコマンド受信割込み処理を説明する。
演出制御回路300のCPUは、主制御回路200からの制御コマンドの受信に応じて、コマンド受信割込み処理(図示せず)を実行する。
コマンド受信割込み処理では、主制御回路200から受信した制御コマンドが、演出制御回路300のRAMの受信バッファ領域に記憶(格納)される。
【0167】
次に、演出制御回路300のCPUが実行するサブタイマ割込み処理を説明する。
図31は、サブタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
演出制御回路300は、クロックパルス発生回路を含んで構成されている。クロックパルス発生回路は、所定周期毎に、クロックパルス信号を発生させる。
演出制御回路300のCPUは、クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生に基づいて、所定周期毎に、図31に示すサブタイマ割込み処理を開始する。サブタイマ割込み処理が開始されると、まず、ステップS31-1に移行する。
ステップS31-1では、レジスタ退避処理を実行し、ステップS31-2に移行する。レジスタ退避処理では、レジスタの値をRAMの退避領域に退避させる。
ステップS31-2では、タイマ更新処理を実行し、ステップS31-3に移行する。タイマ更新処理では、演出制御回路300が備える各種タイマを更新する。
ステップS31-3では、コマンド解析処理を実行し、ステップS31-4に移行する。コマンド解析処理では、演出制御回路300のRAMの受信バッファに格納されている制御コマンドを解析し、受信した制御コマンドに応じた処理を実行する。コマンド解析処理については、後述する。
【0168】
ステップS31-4では、タイムスケジュール管理処理を実行し、ステップS31-5に移行する。タイムスケジュール管理処理では、各演出の進行を管理する。
ここで、演出制御回路300のROMには、各演出(変動演出の各態様、停止演出の各態様、予告演出の各態様、先読み予告演出の各態様、保留演出の各態様、オープニング演出の各態様、ラウンド演出の各態様、インターバル演出の各態様、エンディング演出の各態様等)に対応する演出制御テーブルが格納されている。
「演出制御テーブル」は、演出(表示演出、音演出、ランプ演出、可動体演出等)の進行を規定する情報となっている。
各演出制御テーブルには、複数のプロセスデータが、時系列に沿って登録されている。各プロセスデータには、一又は複数の指令情報が含まれている。各指令情報は、所定の演出(表示演出、音演出、ランプ演出又は可動体演出)の開始を指定する処理となっている。特に、各指令情報には、開始する演出の内容(表示演出番号、音演出番号、ランプ演出番号又は可動体演出番号)を指定する情報が含まれている。
【0169】
タイムスケジュール管理処理では、演出制御回路300のRAMの所定領域に設定されている各演出に対応する演出制御テーブルと、当該演出に対応する演出管理タイマ(当該演出の経過時間を計測する演出管理タイマ)の値と、に基づいて、当該演出の進行を管理する。
具体的には、各演出について、演出制御テーブルに登録されているプロセスデータのうち、現在の演出管理タイマの値に対応するプロセスデータに基づく処理を実行する。これによって、当該プロセスデータに含まれる指令情報が、演出制御回路300のRAMの所定領域に記憶(格納)される。
【0170】
ステップS31-5では、レジスタ復帰処理を実行し、サブタイマ割込み処理を終了する。レジスタ復帰処理では、ステップS31-1で退避しておいたレジスタの値を復帰させる。
【0171】
次に、ステップS31-3のコマンド解析処理を説明する。
図32は、コマンド解析処理を示すフローチャートである。
コマンド解析処理は、ステップS31-3で実行されると、図32に示すように、ステップS32-1に移行する。
ステップS32-1では、遊技状態コマンド受信処理を実行し、ステップS32-2に移行する。
遊技状態受信処理では、遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定する。そして、遊技状態指定コマンドを受信したと判定した場合には、各種演出フラグの設定を行う。
【0172】
ステップS32-2では、保留コマンド受信処理を実行し、ステップS32-3に移行する。
保留コマンド受信処理では、保留数(特図1保留数又は特図2保留数)が「1」増加したことを指定する保留数指定コマンドを受信したか否かを判定する。
そして、保留数が「1」増加したことを指定する保留数指定コマンドを受信したと判定した場合には、保留数カウンタ(特図1保留数カウンタ又は特図2保留数カウンタ)の値に「1」を加算する。また、「1」を加算した後の保留数カウンタの値に対応する保留演出の演出制御テーブルを読み出し、読み出した演出制御テーブルを、演出制御回路300のRAMの所定領域に設定する。これによって、現在の保留数カウンタの値に対応する保留演出が開始される。具体的には、保留図柄表示領域b2において、新たに取得された始動情報(特図1始動情報又は特図2始動情報)に対応する保留図柄hの表示が開始される。この際、新たに取得された始動情報(特図1始動情報又は特図2始動情報)に対応する保留図柄hとして、「白色」の保留図柄hが表示される。
保留コマンド受信処理では、次に、保留数が「1」減少したことを指定する保留数指定コマンドを受信したか否かを判定する。
そして、保留数が「1」減少したことを指定する保留数指定コマンドを受信したと判定した場合には、保留数カウンタ(特図1保留数カウンタ又は特図2保留数カウンタ)の値から「1」を減算する。また、「1」を減算した後の保留数カウンタの値に対応する保留演出の演出制御テーブルを読み出し、読み出した演出制御テーブルを、演出制御回路300のRAMの所定領域に設定する。これによって、現在の保留数カウンタの値に対応する保留演出が開始される。具体的には、保留図柄表示領域b2において、特別図柄の報知表示が開始された始動情報(特図1始動情報又は特図2始動情報)に対応する保留図柄hの表示が終了されるとともに、保留図柄表示領域b1において、当該始動情報に対応する保留図柄hの表示が開始される。
【0173】
ステップS32-3では、変動コマンド受信処理を実行し、ステップS32-4に移行する。
変動コマンド受信処理では、所定の制御コマンドを受信したか否かを判定する。ここで、所定の制御コマンドは、図柄種別指定コマンド、第1変動パターン指定コマンド及び第2変動パターン指定コマンドをいう。
そして、所定の制御コマンドを受信したと判定した場合には、まず、停止演出決定処理を実行する。
停止演出決定処理では、図柄種別指定コマンドが指定する停止図柄の種別に基づいて、停止演出の態様(停止演出番号)を決定する。そして、決定した停止演出番号を、演出制御回路300のRAMの所定領域に保存する。
所定の制御コマンドを受信したと判定した場合には、次に、変動演出決定処理を実行する。
演出制御回路300のROMには、変動演出抽選乱数と、変動演出の態様(変動演出番号)と、の対応が登録された変動演出抽選テーブルが格納されている。
また、変動演出抽選テーブルとして、第1変動パターンの各種別(各変動パターン番号)に対応する第1変動演出抽選テーブルと、第2変動パターンの各種別(各変動パターン番号)に対応する第2変動演出抽選テーブルと、が格納されている。
変動演出決定処理では、まず、所定の乱数カウンタから変動演出抽選乱数を取得する。また、第1変動パターン指定コマンドが指定する第1変動パターンの種別(変動パターン番号)に対応する第1変動パターン抽選テーブルと、第2変動パターン指定コマンドが指定する第2変動パターンの種別(変動パターン番号)に対応する第2変動パターン抽選テーブルと、を読み出す。
そして、取得した変動演出抽選乱数と、読み出した第1変動パターン抽選テーブルと、に基づいて、第1変動パターンに対応する変動演出の態様(変動演出番号)を決定する。また、取得した変動演出抽選乱数と、読み出した第2変動パターン抽選テーブルと、に基づいて、第2変動パターンに対応する変動演出の態様(変動演出番号)を決定する。
さらに、決定した第1変動パターンに係る変動演出の態様(変動演出番号)に対応する演出制御テーブルと、決定した第2変動パターンに係る変動演出の態様(変動演出番号)に対応する演出制御テーブルと、を読み出す。
また、読み出した演出制御テーブルを合成して、変動演出に係る演出制御テーブルを生成する。そして、生成した演出制御テーブルを、演出制御回路200のRAMの所定領域に設定する。これによって、変動演出が開始される。
【0174】
ステップS32-4では、停止コマンド受信処理を実行し、ステップS32-5に移行する。
停止コマンド受信処理では、停止指定コマンドを受信したか否かを判定する。
そして、停止指定コマンドを受信したと判定した場合には、停止演出設定処理を実行する。
停止演出設定処理では、ステップS32-3で決定した停止演出番号に対応する演出制御テーブルを読み出す。そして、読み出した演出制御テーブルを、演出制御回路200のRAMの所定領域に設定する。これによって、停止演出が開始される。
【0175】
ステップS32-5では、オープニングコマンド受信処理を実行し、ステップS32-6に移行する。
オープニングコマンド指定処理では、オープニング指定コマンドを受信したか否かを判定する。
そして、オープニング指定コマンドを受信したと判定した場合には、オープニング演出設定処理を実行する。
オープニング演出設定処理では、まず、演出制御回路300のRAMの大当たり種別フラグ領域において、オープニング指定コマンドが指定する大当たり遊技状態の種別(「大当たり1」~「大当たり5」)に対応する値を保存(記憶)する。また、ラウンド回数カウンタの値として、所定の初期値(本実形態では、「0」)を設定する。
次に、オープニング指定コマンドが指定する大当たり遊技状態の種別に対応する演出制御テーブル(オープニング演出の演出制御テーブル)を読み出す。そして、読み出した演出制御テーブルを、演出制御回路200のRAMの所定領域に設定する。これによって、オープニング演出が開始される。
本実施形態では、「大当たり5」に対応するオープニング演出として、特定オープニング演出が実行される。
特定オープニング演出は、表示演出と、音演出と、ランプ演出と、を含んで構成されている。特に、特定オープニング演出は、ランプ演出として、オープニング中ランプ演出を含んで構成されている。
オープニング中ランプ演出では、第1態様AによるランプL1~L6の点灯制御が実行されるとともに、第1態様BによるランプL7~L12の点灯制御が実行される。
第1態様AによるランプL1~L6の点灯制御は、オープニング期間の開始に応じて、開始される。そして、第1態様AによるランプL1~L6の点灯制御では、閉鎖位置に対応する各ランプL1,L2が点灯され、中間位置に対応する各ランプL3,L4及び開放位置に対応する各ランプL5,L6が消灯される。第1態様AによるランプL1~L6の点灯制御は、オープニング期間が終了するまで継続する。
この際、第1態様AによるランプL1~L6の点灯制御では、オープニング期間に対応する色で、各ランプL1~L6が点灯される。
第1態様BによるランプL7~L12の点灯制御は、オープニング期間の開始に応じて、開始される。第1態様BによるランプL7~L12の点灯制御では、非補助位置に対応する各ランプL7,L8が点灯され、中間位置に対応する各ランプL9,L10及び補助位置に対応する各ランプL11,L12が消灯される。第1態様BによるランプL7~L12の点灯制御は、オープニング期間が終了するまで継続する。
この際、第1態様BによるランプL7~L12の点灯制御では、オープニング期間に対応する色で、各ランプL7~L12が点灯される。
ここで、「オープニング期間」は、大当たり遊技状態の開始時から、1回目のラウンド遊技の開始時までの期間となっている。
これによって、オープニング中ランプ演出では、開閉片72aが閉鎖位置に配置されている期間中、閉鎖位置に対応するランプL1,L2が点灯されるとともに、誘導片73aが非補助位置に配置されている期間中、非補助位置に対応するランプL7,L8が点灯される。
【0176】
ステップS32-6では、ラウンド開始コマンド受信処理を実行し、ステップS32-7に移行する。
ラウンド開始コマンド指定処理では、ラウンド開始指定コマンドを受信したか否かを判定する。
そして、ラウンド開始指定コマンドを受信したと判定した場合には、ラウンド演出設定処理を実行する。
ラウンド演出設定処理では、まず、ラウンド回数カウンタの値に「1」を加算する。
次に、大当たり種別フラグ領域に設定されている値と、ラウンド回数カウンタの値と、の組み合わせに対応する演出制御テーブル(ラウンド演出の演出制御テーブル)を読み出す。そして、読み出した演出制御テーブルを、演出制御回路200のRAMの所定領域に設定する。これによって、ラウンド演出が開始される。
本実施形態では、「大当たり5」に対応するラウンド演出として、特定ラウンド演出が実行される。
特定ラウンド演出は、表示演出と、音演出と、ランプ演出と、を含んで構成されている。特に、特定ラウンド演出は、ランプ演出として、ラウンド中ランプ演出を含んで構成されている。
ラウンド中ランプ演出では、第2態様AによるランプL1~L6の点灯制御が実行されるとともに、第2態様BによるランプL7~L12の点灯制御が実行される。
第2態様AによるランプL1~L6の点灯制御は、ラウンド遊技の開始(開閉片72aの閉鎖位置から開放位置への変位の開始)に応じて、開始される。そして、第2態様AによるランプL1~L6の点灯制御では、閉鎖位置に対応する各ランプL1,L2、中間位置に対応する各ランプL3,L4、開放位置に対応する各ランプL5,L6の順に、各位置に対応するランプが点灯される。
具体的には、第2態様AによるランプL1~L6の点灯制御では、開閉片72aの変位に合わせて、開閉片72aが閉鎖位置に位置しているときには、閉鎖位置に対応する各ランプL1,L2が点灯され、開閉片72aが中間位置に位置しているときには、中間位置に対応する各ランプL3,L4が点灯され、開閉片72aが開放位置に位置しているときには、開放位置に対応する各ランプL5,L6が点灯されるように、予め、演出制御テーブルの内容が規定されている。
そして、第2態様AによるランプL1~L6の点灯制御は、ラウンド遊技が終了するまで継続される。すなわち、第2態様AによるランプL1~L6の点灯制御では、開放位置に対応する各ランプL5,L6の点灯が、ラウンド遊技が終了するまで継続される。
本実施形態では、第2態様AによるランプL1~L6の点灯制御では、ラウンド回数カウンタの値(ラウンド回数)に対応する色で、各ランプL1~L6が点灯される。
【0177】
第2態様BによるランプL7~L12の点灯制御は、ラウンド遊技の開始(補助片73aの非補助位置から補助位置への変位の開始)に応じて、開始される。そして、第2態様BによるランプL7~L12の点灯制御では、非補助位置に対応する各ランプL7,L8、中間位置に対応する各ランプL9,L10、補助位置に対応する各ランプL11,L12の順に、各位置に対応するランプが点灯される。
具体的には、第2態様BによるランプL7~L12の点灯制御では、誘導片73aの変位に合わせて、誘導片73aが非補助位置に位置しているときには、非補助位置に対応する各ランプL7,L8が点灯され、誘導片73aが中間位置に位置しているときには、中間位置に対応する各ランプL9,L10が点灯され、誘導片73aが補助位置に位置しているときには、補助位置に対応する各ランプL11,L12が点灯されるように、予め、演出制御テーブルの内容が規定されている。
そして、第2態様BによるランプL7~L12の点灯制御は、ラウンド遊技が終了するまで継続される。すなわち、第2態様BによるランプL11~L12の点灯制御では、補助位置に対応する各ランプL11,L12の点灯が、ラウンド遊技が終了するまで継続される。
本実施形態では、第2態様BによるランプL7~L12の点灯制御では、ラウンド回数カウンタの値(ラウンド回数)に対応する色で、各ランプL7~L12が点灯される。
これによって、ラウンド中ランプ演出では、開閉片72aの位置(閉鎖位置、中間位置又は開放位置)に対応するランプL1~L6が点灯されるとともに、誘導片73aの位置(非補助位置、中間位置又は補助位置)に対応するランプL7~L12が点灯される。
【0178】
ステップS32-7では、ラウンド終了コマンド受信処理を実行し、ステップS32-8に移行する。
ラウンド終了コマンド指定処理では、ラウンド終了指定コマンドを受信したか否かを判定する。
そして、ラウンド終了指定コマンドを受信したと判定した場合には、インターバル演出設定処理を実行する。
インターバル演出設定処理では、大当たり種別フラグ領域に設定されている値と、ラウンド回数カウンタの値と、の組み合わせに対応する演出制御テーブル(インターバル演出の演出制御テーブル)を読み出す。そして、読み出した演出制御テーブルを、演出制御回路200のRAMの所定領域に設定する。これによって、インターバル演出が開始される。
本実施形態では、「大当たり5」に対応するインターバル演出として、特定インターバル演出が実行される。
特定インターバル演出は、表示演出と、音演出と、ランプ演出と、を含んで構成されている。特に、特定インターバル演出は、ランプ演出として、インターバル中ランプ演出を含んで構成されている。
インターバル中ランプ演出では、第3態様AによるランプL1~L6の点灯制御が実行されるとともに、第3態様BによるランプL7~L12の点灯制御が実行される。
第3態様AによるランプL1~L6の点灯制御は、ラウンド遊技の終了(開閉片72aの開放位置から閉鎖位置への変位の開始)に応じて、開始される。そして、第3態様AによるランプL1~L6の点灯制御では、開放位置に対応する各ランプL5,L6、中間位置に対応する各ランプL3,L4、開放位置に対応する各ランプL1,L2の順に、各位置に対応するランプが点灯される。
具体的には、第3態様AによるランプL1~L6の点灯制御では、開閉片72aの変位に合わせて、開閉片72aが開放位置に位置しているときには、開放位置に対応する各ランプL5,L6が点灯され、開閉片72aが中間位置に位置しているときには、中間位置に対応する各ランプL3,L4が点灯され、開閉片72aが閉鎖位置に位置しているときには、閉鎖位置に対応する各ランプL1,L2が点灯されるように、予め、演出制御テーブルの内容が規定されている。
そして、第3態様AによるランプL1~L6の点灯制御は、インターバル期間が終了するまで継続される。すなわち、第3態様AによるランプL1~L6の点灯制御では、閉鎖位置に対応する各ランプL5,L6の点灯が、インターバル期間が終了するまで継続される。
本実施形態では、第3態様AによるランプL1~L6の点灯制御では、ラウンド回数カウンタの値(ラウンド回数)に対応する色で、各ランプL1~L6が点灯される。
【0179】
第3態様BによるランプL7~L12の点灯制御は、ラウンド遊技の終了(補助片73aの補助位置から非補助位置への変位の開始)に応じて、開始される。そして、第3態様BによるランプL7~L12の点灯制御では、補助位置に対応する各ランプL11,L12、中間位置に対応する各ランプL9,L10、非補助位置に対応する各ランプL7,L8の順に、各位置に対応するランプが点灯される。
具体的には、第3態様BによるランプL7~L12の点灯制御では、誘導片73aの変位に合わせて、誘導片73aが補助位置に位置しているときには、補助位置に対応する各ランプL11,L12が点灯され、誘導片73aが中間位置に位置しているときには、中間位置に対応する各ランプL9,L10が点灯され、誘導片73aが非補助位置に位置しているときには、非補助位置に対応する各ランプL7,L8が点灯されるように、予め、演出制御テーブルの内容が規定されている。
そして、第3態様BによるランプL7~L12の点灯制御は、インターバル期間が終了するまで継続される。すなわち、第3態様BによるランプL11~L12の点灯制御では、非補助位置に対応する各ランプL7,L8の点灯が、インターバル期間が終了するまで継続される。
本実施形態では、第3態様BによるランプL7~L12の点灯制御では、ラウンド回数カウンタの値(ラウンド回数)に対応する色で、各ランプL7~L12が点灯される。
ここで、「インターバル期間」は、各回のラウンド遊技の終了時から、次回のラウンド遊技の開始時又はエンディング期間の開始時までの期間となっている。
これによって、インターバル中ランプ演出では、開閉片72aの位置(開放位置、中間位置又は閉鎖位置)に対応するランプL1~L6が点灯されるとともに、誘導片73aの位置(補助位置、中間位置又は非補助位置)に対応するランプL7~L12が点灯される。
【0180】
ステップS32-8では、エンディングコマンド受信処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(ステップS31-4)に移行する。
エンディングコマンド指定処理では、エンディング指定コマンドを受信したか否かを判定する。
そして、エンディング指定コマンドを受信したと判定した場合には、エンディング演出設定処理を実行する。
エンディング演出設定処理では、大当たり種別フラグ領域に設定されている値に対応する演出制御テーブル(エンディング演出の演出制御テーブル)を読み出す。そして、読み出した演出制御テーブルを、演出制御回路200のRAMの所定領域に設定する。これによって、エンディング演出が開始される。
本実施形態では、「大当たり5」に対応するエンディング演出として、特定エンディング演出が実行される。
特定エンディング演出は、表示演出と、音演出と、ランプ演出と、を含んで構成されている。特に、特定エンディング演出は、ランプ演出として、エンディング中ランプ演出を含んで構成されている。
エンディング中ランプ演出では、上記の第1態様AによるランプL1~L6の点灯制御が実行されるとともに、上記の第1態様BによるランプL7~L12の点灯制御が実行される。
第1態様AによるランプL1~L6の点灯制御は、エンディング期間の開始に応じて、開始される。第1態様AによるランプL1~L6の点灯制御は、エンディング期間が終了するまで継続する。
この際、第1態様AによるランプL1~L6の点灯制御では、エンディング期間に対応する色で、各ランプL1~L6が点灯される。
第1態様BによるランプL7~L12の点灯制御は、エンディング期間の開始に応じて、開始される。第1態様BによるランプL7~L12の点灯制御は、エンディング期間が終了するまで継続する。
この際、第1態様BによるランプL7~L12の点灯制御では、エンディング期間に対応する色で、各ランプL7~L12が点灯される。
ここで、「エンディング期間」は、最終回のインターバル期間の終了時から大当たり遊技状態の終了時までの期間となっている。
これによって、エンディング中ランプ演出では、開閉片72aが閉鎖位置に配置されている期間中、閉鎖位置に対応するランプL1,L2が点灯されるとともに、誘導片73aが非補助位置に配置されている期間中、非補助位置に対応するランプL7,L8が点灯される。
【0181】
(パチンコ機1の動作)
次に、パチンコ機1の動作を説明する。
パチンコ機1では、始動口(第1始動口51又は第2始動口52)への遊技球の入球を契機として、大当たり乱数、大当り図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等等の各種乱数が取得されて(ステップS9-3)、取得された各種乱数が、始動情報(特図1始動情報又は特図2始動情報)として、RAM230の始動情報記憶領域(特図1始動情報記憶領域又は特図2始動情報記憶領域)に記憶される(ステップS9-6)。
そして、パチンコ機1では、始動情報記憶領域に記憶されている始動情報について、所定の順序で、特別図柄抽選の結果を判定する特図当落判定(ステップS11-4)と、特別図柄の停止図柄の種別を判定する特図停止図柄判定(ステップS11-5)と、特別図柄の変動パターンの種別(第1変動パターンの種別及び第2変動パターンの種別)を判定する特図変動パターン判定(ステップS11-7)と、を含む始動判定が実行される。
始動判定が実行されると、特図表示装置61,62において、特図変動パターン判定により判定された変動パターンの種別(変動時間)に応じて、特別図柄の変動表示が実行された後に、特図停止図柄判定により判定された停止図柄の種別に応じて、特別図柄の停止表示が実行される。
そして、特別当落判定により「大当たり」と判定された場合に、特別図柄の停止表示の終了後に、大当たり遊技状態が開始される。
大当たり遊技状態の生起中には、所定回数のラウンド遊技が実行される。
この際、特図停止図柄判定により「大当たり1図柄」~「大当たり4図柄」が判定された場合には、各回のラウンド遊技において、第1特別電動役物42が閉鎖状態から開放状態に変位され、第1大入賞装置40への遊技球の入球が可能となる。
一方、特図停止図柄判定により「大当たり5図柄」が判定された場合には、各回のラウンド遊技において、第2特別電動役物72が閉鎖状態から開放状態に変位され、第2大入賞装置70への遊技球の入球が可能となる。
【0182】
特に、パチンコ機1では、特図停止図柄判定により「大当たり5図柄」が判定された場合に、ランプL1~L12による演出(オープニング中ラウンド演出、ラウンド中ランプ演出、インターバル中ラウンド演出及びエンディング中ランプ演出)が実行される。
すなわち、大当たり遊技状態が生起される前には、開閉片72aが閉鎖位置に配置されるとともに、誘導片73aが非補助位置に配置される。
そして、「大当たり5図柄」に係る大当たり遊技状態では、その開始に応じて、オープニング期間が開始される。
オープニング期間中には、開閉片72aが閉鎖位置に配置される。そして、開閉片72aが閉鎖位置に配置されている期間中、閉鎖位置に対応する各ランプL1,L2が点灯される。
また、オープニング期間中には、誘導片73aが非補助位置に配置される。そして、誘導片73aが非補助位置に配置されている期間中、非補助位置に対応する各ランプL7,L8が点灯される。
【0183】
「大当たり5図柄」に係る大当たり遊技状態では、オープニング期間の終了に応じて、初回のラウンド遊技が開始される。また、各回のインターバル期間(最終回のインターバル期間を除く)の終了に応じて、ラウンド遊技が開始される。
各回のラウンド遊技中には、その開始に応じて、開閉片72aが閉鎖位置から開放位置へ向かって変位される。その後、開閉片72aは、当該ラウンド遊技の終了時まで、開放位置に配置される。そして、開閉片72aの変位中において、開閉片72aの位置に対応するランプL1~L6が点灯される。すなわち、開閉片72aの変位中において、開閉片72aが閉鎖位置に位置しているときには、閉鎖位置に対応するランプL1,L2が点灯され、開閉片72aが中間位置に位置しているときには、中間位置に対応するランプL3,L4が点灯され、開閉片72aが開放位置に位置しているときには、開放位置に対応するランプL5,L6が点灯される。その後、開閉片72aが開放位置に配置されている期間中、開放位置に対応するランプL5,L6が点灯される。
また、各回のラウンド遊技中には、その開始に応じて、誘導片73aが非補助位置から補助位置へ向かって変位される。その後、誘導片73aは、当該ラウンド遊技の終了時まで、補助位置に配置される。また、誘導片73aの変位中において、誘導片73aの位置に対応するランプL7~L12が点灯される。すなわち、誘導片73aの変位中において、誘導片73aが非補助位置に位置しているときには、非補助位置に対応するランプL7,L8が点灯され、誘導片73aが中間位置に位置しているときには、中間位置に対応するランプL9,L10が点灯され、誘導片73aが補助位置に位置しているときには、補助位置に対応するランプL11,L12が点灯される。その後、誘導片73aが補助位置に配置されている期間中、補助位置に対応するランプL11,L12が点灯される。
【0184】
「大当たり5図柄」に係る大当たり遊技状態では、各回のラウンド遊技の終了に応じて、インターバル期間が開始される。
各回のインターバル期間中には、その開始に応じて、開閉片72aが開放位置から閉鎖位置へ向かって変位される。その後、開閉片72aは、当該インターバル期間の終了時まで、閉鎖位置に配置される。また、開閉片72aの変位中において、開閉片72aの位置に対応するランプL1~L6が点灯される。すなわち、開閉片72aの変位中において、開閉片72aが開放位置に位置しているときには、開放位置に対応するランプL5,L6が点灯され、開閉片72aが中間位置に位置しているときには、中間位置に対応するランプL3,L4が点灯され、開閉片72aが閉鎖位置に位置しているときには、閉鎖位置に対応するランプL1,L2が点灯される。その後、開閉片72aが閉鎖位置に配置されている期間中、閉鎖位置に対応するランプL1,L2が点灯される。
また、各回のインターバル期間中には、その開始に応じて、誘導片73aが補助位置から非補助位置へ向かって変位される。その後、誘導片73aは、当該インターバル期間の終了時まで、非補助位置に配置される。また、誘導片73aの変位中において、誘導片73aの位置に対応するランプL7~L12が点灯される。すなわち、誘導片73aの変位中において、誘導片73aが補助位置に位置しているときには、補助位置に対応するランプL11,L12が点灯され、誘導片73aが中間位置に位置しているときには、中間位置に対応するランプL9,L10が点灯され、誘導片73aが非補助位置に位置しているときには、非補助位置に対応するランプL7,L8が点灯される。その後、誘導片73aが非補助位置に配置されている期間中、非補助位置に対応するランプL7,L8が点灯される。
【0185】
「大当たり5図柄」に係る大当たり遊技状態では、最終回のインターバル期間の終了に応じて、エンディング期間が開始される。
エンディング期間中には、開閉片72aが閉鎖位置に配置される。そして、開閉片72aが閉鎖位置に配置されている期間中、閉鎖位置に対応する各ランプL1,L2が点灯される。
また、エンディング期間中には、誘導片73aが非補助位置に配置される。そして、誘導片73aが非補助位置に配置されている期間中、非補助位置に対応する各ランプL7,L8が点灯される。
【0186】
(パチンコ機1の作用)
次に、パチンコ機1の作用について説明する。
パチンコ機1では、開閉片72aが、開閉片変位範囲内で変位される。そして、ランプL1,L2が、開閉片変位範囲内の閉鎖位置に対して光を照射する。また、ランプL2,L3が、開閉片変位範囲内の中間位置に対して光を照射する。さらに、ランプL5,L6が、開閉片変位範囲内の開放位置に対して光を照射する。
これによって、ランプL1,L2の光を、閉鎖位置に位置する開閉片72aに対して照射することができ、閉鎖位置に位置する開閉片72aに対する遊技者の注目を向上することが可能となる。
また、ランプL3,L4の光を、中間位置に位置する開閉片72aに対して照射することができ、中間位置に位置する開閉片72aに対する遊技者の注目を向上することが可能となる。
さらに、ランプL5,L6の光を、開放位置に位置する開閉片72aに対して照射することができ、開放位置に位置する開閉片72aに対する遊技者の注目を向上することが可能となる。
したがって、パチンコ機1によれば、遊技の興趣を向上することが可能となる。
特に、パチンコ機1では、開閉片72aが閉鎖位置に位置するときに、ランプL1,L2が点灯され、開閉片72aが閉鎖位置に位置しないときに、ランプL1,L2が消灯される。また、開閉片72aが中間位置に位置するときに、ランプL3,L4が点灯され、開閉片72aが中間位置に位置しないときに、ランプL3,L4が消灯される。さらに、開閉片72aが開放位置に位置するときに、ランプL5,L6が点灯され、開閉片72aが開放位置に位置しないときに、ランプL5,L6が消灯される。
これによって、開閉片72aが閉鎖位置に位置しているときには、ランプL1,L2の光を開閉片72aに対して照射し、開閉片72aが閉鎖位置に位置していないときには、ランプL1,L2による光の照射を停止することができる。
また、開閉片72aが中間位置に位置しているときには、ランプL3,L4の光を開閉片72aに対して照射し、開閉片72aが中間位置に位置していないときには、ランプL3,L4による光の照射を停止することができる。
さらに、開閉片72aが開放位置に位置しているときには、ランプL5,L6の光を開閉片72aに対して照射し、開閉片72aが開放位置に位置していないときには、ランプL5,L6による光の照射を停止することができる。
したがって、パチンコ機1によれば、開閉片72aの変位に対する遊技者の注目を向上することが可能となる。
【0187】
また、パチンコ機1では、誘導片73aが、誘導片変位範囲内で変位される。そして、ランプL7,L8が、誘導片変位範囲内の非補助位置に対して光を照射する。また、ランプL9,L10が、誘導片変位範囲内の中間位置に対して光を照射する。さらに、ランプL11,L12が、誘導片変位範囲内の補助位置に対して光を照射する。
これによって、ランプL7,L8の光を、非補助位置に位置する誘導片73aに対して照射することができ、非補助位置に位置する誘導片73aに対する遊技者の注目を向上することが可能となる。
また、ランプL9,L10の光を、中間位置に位置する誘導片73aに対して照射することができ、中間位置に位置する誘導片73aに対する遊技者の注目を向上することが可能となる。
さらに、ランプL11,L12の光を、補助位置に位置する誘導片73aに対して照射することができ、補助位置に位置する誘導片73aに対する遊技者の注目を向上することが可能となる。
したがって、パチンコ機1によれば、遊技の興趣を向上することが可能となる。
特に、パチンコ機1では、誘導片73aが非補助位置に位置するときに、ランプL7,L8が点灯され、誘導片73aが非補助位置に位置しないときに、ランプL7,L8が消灯される。また、誘導片73aが中間位置に位置するときに、ランプL9,L10が点灯され、誘導片73aが中間位置に位置しないときに、ランプL9,L10が消灯される。さらに、誘導片73aが補助位置に位置するときに、ランプL11,L12が点灯され、誘導片73aが補助位置に位置しないときに、ランプL11,L12が消灯される。
これによって、誘導片73aが非補助位置に位置しているときには、ランプL7,L8の光を誘導片73aに対して照射し、誘導片73aが非補助位置に位置していないときには、ランプL7,L8による光の照射を停止することができる。
また、誘導片73aが中間位置に位置しているときには、ランプL9,L10の光を誘導片73aに対して照射し、誘導片73aが中間位置に位置していないときには、ランプL9,L10による光の照射を停止することができる。
さらに、誘導片73aが補助位置に位置しているときには、ランプL11,L12の光を誘導片73aに対して照射し、誘導片73aが補助位置に位置していないときには、ランプL11,L12による光の照射を停止することができる。
したがって、パチンコ機1によれば、誘導片73aの変位に対する遊技者の注目を向上することが可能となる。
【0188】
また、パチンコ機1では、演出制御回路300が、主制御回路200により送信された制御コマンドの受信に基づいて、各ランプL1~L12の点灯制御を実行する。
具体的には、オープニング指定コマンドの受信に応じて、オープニング中ランプ演出(第1態様AによるランプL1~L6の点灯制御、及び、第1態様BによるランプL7~L12の点灯制御)が実行される。
また、ラウンド開始指定コマンドの受信に応じて、ラウンド中ランプ演出(第2態様AによるランプL1~L6の点灯制御、及び、第2態様BによるランプL7~L12の点灯制御)が実行される。これによって、開放位置から閉鎖位置へ向かう開閉片72aの変位に合わせて、開閉片72aの位置に対応するランプL1~L6が点灯される。また、補助位置から非補助位置へ向かう誘導片73aの変位に合わせて、誘導片73aの位置に対応するランプL7~L12が点灯される。
また、ラウンド終了指定コマンドの受信に応じて、インターバル中ランプ演出(第3態様AによるランプL1~L6の点灯制御、及び、第3態様BによるランプL7~L12の点灯制御)が実行される。これによって、閉鎖位置から開放位置へ向かう開閉片72aの変位に合わせて、開閉片72aの位置に対応するランプL1~L6が点灯される。また、非補助位置から補助位置へ向かう誘導片73aの変位に合わせて、誘導片73aの位置に対応するランプL7~L12が点灯される。
さらに、エンディング指定コマンドの受信に応じて、エンディング中ランプ演出(第1態様AによるランプL1~L6の点灯制御、及び、第1態様BによるランプL7~L12の点灯制御)が実行される。
以上によって、特別電動役物72が開放状態に変位されてから最長開放時間が経過したことに応じてラウンド遊技が終了される場合であっても、大入賞装置70への遊技球の入球数が所定上限数に達したことに応じてラウンド遊技が終了される場合であっても、開閉片72aの変位に合わせて、ランプL1~L6の点灯制御を実行することが可能となり、また、誘導片73aの変位に合わせて、ランプL7~L12の点灯制御を実行することが可能となる。
【0189】
(変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態では、種々の変更を行うことが可能である。
例えば、上記実施形態では、本発明を、開閉片72a及び誘導片42aのそれぞれに適用した例を示している。すなわち、本発明に係る「可動体」を、開閉片72a又は誘導片42aとして構成し、本発明に係る「発光手段」を、ランプL1~L12として構成している。
しかしながら、本発明は、所定範囲内で変位する可動体であれば、他の可動体に適用しても構わない。
特に、本発明は、遊技盤11の遊技領域30に配設され、遊技領域30を流下する遊技球に接触(干渉)する可能性がある可動体に適用することが好ましい。
すなわち、遊技領域30に配設されている可動体は、遊技球の接触(衝突)により衝撃が発生し、また、遊技球の接触(衝突)により静電気が発生する。このため、可動体に発光手段(基板)を配設すると、遊技球の接触により、発光手段(基板)が破損する恐れがある。
そこで、本発明を、遊技領域30に配設されている可動体に適用することで、可動体に発光手段(基板)を配設する必要がなくなり、発光手段(基板)の破損を防止することが可能となる。
ここで、遊技領域30を流下する遊技球に接触する可能性がある可動体としては、例えば、遊技球を複数の経路のうち一の経路に振り分ける振分け部材、保持した遊技球を誘導する誘導部材、入球口又は経路を開閉する開閉部材等が該当する。
具体的には、本発明を、普通電動役物52a(いわゆる「電動チューリップ」)に適用しても構わない。すなわち、本発明に係る「可動体」を、普通電動役物52aとして構成しても構わない。かかる構成とした場合には、普通電動役物52aの背面側の位置に、ランプ基板を配置する。また、ランプ基板において、普通電動役物52aが変位される範囲に含まれる複数の位置のそれぞれに対応するランプを実装する。さらに、各ランプについて、当該ランプに対応する位置に対して光を照射することが可能となるように構成する。そして、普通電動役物52aが各位置に位置しているときに、当該位置に対応するランプを点灯する(他の位置に対応するランプを消灯する)。
かかる構成とした場合には、普通電動役物52aの開放を開始するとき、及び、普通電動役物52aの開放を終了するとき、のそれぞれのタイミングで、主制御回路200から演出制御回路300に対して所定の制御コマンドを送信する。そして、演出制御回路300は、所定の制御コマンドの受信に応じて、各ランプの点灯制御を実行する。
または、本発明を、演出用の可動体(役物)に適用しても構わない。すなわち、本発明に係る「可動体」を、演出用の可動体として構成しても構わない。かかる構成とした場合には、演出用の可動体の背面側の位置に、ランプ基板を配置する。また、ランプ基板において、演出用の可動体が変位される範囲に含まれる複数の位置のそれぞれに対応するランプを実装する。さらに、各ランプについて、当該ランプに対応する位置に対して光を照射することが可能となるように構成する。そして、演出用の可動体が各位置に位置しているときに、当該位置に対応するランプを点灯する(他の位置に対応するランプを消灯する)。
かかる構成とした場合には、演出制御回路300のROMにおいて、演出用の可動体が所定態様で動作される動作パターンを規定する可動体制御プログラムと、当該動作パターンに合わせて各ランプが点灯される点灯パターンを規定するランプ制御プログラムと、を格納する。そして、演出制御回路300は、可動体制御プログラムの実行に応じて、ランプ制御プログラムを実行する。
【0190】
さらに、上記実施形態では、開閉片72aが閉鎖位置に位置しているときに、閉鎖位置に対応するランプL1,L2が点灯され、開閉片72aが閉鎖位置に位置していないときに、閉鎖位置に対応するランプL1,L2が消灯される。また、開閉片72aが中間位置に位置しているときに、中間位置に対応するランプL3,L4が点灯され、開閉片72aが中間位置に位置していないときに、中間位置に対応するランプL3,L4が消灯される。さらに、開閉片72aが開放位置に位置しているときに、開放位置に対応するランプL5,L6が点灯され、開閉片72aが開放位置に位置していないときに、開放位置に対応するランプL5,L6が消灯される。
同様に、誘導片73aが非補助位置に位置するときに、非補助位置に対応するランプL7,L8が点灯され、誘導片73aが非補助位置に位置しないときに、非補助位置に対応するランプL7,L8が消灯される。また、誘導片73aが中間位置に位置するときに、中間位置に対応するランプL9,L10が点灯され、誘導片73aが中間位置に位置しないときに、中間位置に対応するランプL9,L10が消灯される。さらに、誘導片73aが補助位置に位置するときに、補助位置に対応するランプL11,L12が点灯され、誘導片73aが補助位置に位置しないときに、補助位置に対応するランプL11,L12が消灯される。
しかしながら、上記実施形態又は変形例では、可動体(開閉片72,誘導片73a,普通電動役物52a、演出用の可動体等)が所定位置に位置するときと、可動体が当該所定位置に位置しないときとで、当該所定位置に対応する発光手段(ランプ)が異なる状態に制御される構成であれば、他の構成であっても構わない。
例えば、可動体が所定位置に位置するときに、当該所定位置に対応する発光手段を、「第1の色」で点灯し、可動体が当該所定位置に位置しないときに、発光手段を「第1の色」とは異なる「第2の色」で点灯する構成としても構わない。
具体的には、開閉片72aが閉鎖位置に位置しているときに、閉鎖位置に対応するランプL1,L2を「赤色」で点灯し、開閉片72aが閉鎖位置に位置していないときに、閉鎖位置に対応するランプL1,L2を「青色」で点灯する。また、開閉片72aが中間位置に位置しているときに、中間位置に対応するランプL3,L4を「赤色」で点灯し、開閉片72aが中間位置に位置していないときに、中間位置に対応するランプL3,L4を「青色」で点灯する。さらに、開閉片72aが開放位置に位置しているときに、開放位置に対応するランプL5,L6を「赤色」で点灯し、開閉片72aが開放位置に位置していないときに、開放位置に対応するランプL5,L6を「青色」で点灯する。
または、可動体が所定位置に位置するときに、発光手段を「第1の輝度」で点灯し、可動体が所定位置に位置しないときに、発光手段を「第1の輝度」より低い「第2の輝度」で点灯する構成としても構わない。
具体的には、開閉片72aが閉鎖位置に位置しているときに、閉鎖位置に対応するランプL1,L2を「第1の輝度」で点灯し、開閉片72aが閉鎖位置に位置していないときに、閉鎖位置に対応するランプL1,L2を「第2の輝度」で点灯する。また、開閉片72aが中間位置に位置しているときに、中間位置に対応するランプL3,L4を「第1の輝度」で点灯し、開閉片72aが中間位置に位置していないときに、中間位置に対応するランプL3,L4を「第2の輝度」で点灯する。さらに、開閉片72aが開放位置に位置しているときに、開放位置に対応するランプL5,L6を「第1の輝度」で点灯し、開閉片72aが開放位置に位置していないときに、開放位置に対応するランプL5,L6を「第2の輝度」で点灯する。
【符号の説明】
【0191】
1 パチンコ機
11 遊技盤
30 遊技領域
40 第1大入賞装置
41 入球口
42 第1特別電動役物
42a 開閉片
70 第2大入賞装置
71 入球口
72 第1特別電動役物
72a 開閉片
73 補助電動役物
73a 誘導片
12 背面板
L1~L6 開閉片ランプ
L7~L12 誘導片ランプ
200 主制御回路
300 演出制御回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37