(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】双眼ルーペ
(51)【国際特許分類】
G02B 23/18 20060101AFI20221214BHJP
G02C 9/04 20060101ALI20221214BHJP
G02B 25/00 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
G02B23/18
G02C9/04
G02B25/00 Z
(21)【出願番号】P 2018025792
(22)【出願日】2018-02-16
【審査請求日】2021-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】515182129
【氏名又は名称】米澤 きく子
(73)【特許権者】
【識別番号】515182130
【氏名又は名称】株式会社メディソレーユ
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【氏名又は名称】西山 善章
(74)【代理人】
【識別番号】100098062
【氏名又は名称】梅田 明彦
(74)【代理人】
【識別番号】100147599
【氏名又は名称】丹羽 匡孝
(72)【発明者】
【氏名】米澤 きく子
【審査官】岡田 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-022157(JP,A)
【文献】登録実用新案第3118648(JP,U)
【文献】米国特許第04834525(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 23/00-23/22
G02B 9/00-17/08
G02B 21/02-21/04
G02B 25/00-25/04
G02C 1/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手元の観察対象を拡大して見るための双眼ルーペであって、
眼鏡フレームと、
光学系を内蔵する一対のルーペ本体と、
前記ルーペ本体の焦点距離を調整する焦点調整レンズを具備する焦点調整部と、
前記ルーペ本体の接眼側端が挿入される筒状のホルダと、
前記ホルダに設けられて挿入された前記ルーペ本体を着脱可能に保持する第1取付部と、
前記ホルダの前記ルーペ本体が挿入される側と反対の端部に設けられて前記焦点調整部を着脱可能に保持する第2取付部と、
前記眼鏡フレームの左右のリムに取り付けられてそれぞれが前記ホルダを保持するルーペ支持部材と、を備え、
前記焦点調整部は、前記焦点調整レンズの周縁に磁性体で成るレンズ保持部を有し、当該レンズ保持部はピン状の磁石が挿入される孔部を有し、
前記第2取付部は、前記ホルダの前記焦点調整部が取り付けられる端面の周縁に等間隔で複数配置された前記レンズ保持部を吸引する磁石で構成され、
前記ホルダは、挿入された前記ルーペ本体が前記観察対象へ向くように、前記ルーペ支持部材の面に対して所定の角度で固定されている双眼ルーペ。
【請求項2】
前記第1取付部は磁石で構成され、前記ルーペ本体の接眼側端は、前記ホルダに挿入されたとき前記第1取付部に吸着する磁性体を備える請求項1に記載の双眼ルーペ。
【請求項3】
前記第1取付部は、前記ホルダの前記ルーペ本体の挿入側に形成される挿入孔及び係止孔から成る鈎型の溝で構成されて、前記ルーペ本体の側面に形成される突起が前記挿入孔を経て前記係止孔と嵌合することで、前記ホルダと前記ルーペ本体とが接続される請求項1に記載の双眼ルーペ。
【請求項4】
前記第1取付部は、前記ホルダの前記ルーペ本体の挿入側の端部の内周に形成されたメネジ部で構成され、前記ルーペ本体の接眼側端に形成されたオネジ部との螺合で前記ルーペ本体と前記ホルダとが接続される請求項1に記載の双眼ルーペ。
【請求項5】
前記ルーペ本体は、前記光学系による倍率が異なる複数種類が予め準備され、その中の一つが選択されて、前記第1取付部を介して前記ホルダに取り付けられる請求項1乃至4の何れか1項に記載の双眼ルーペ。
【請求項6】
前記焦点調整部は、前記焦点調整レンズによる焦点距離が異なる複数種類が予め準備され、その中の一つが選択されて、前記第2取付部を介して前記ホルダに取り付けられる請求項
1に記載の双眼ルーペ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療手術や精密工作作業の際に使用される双眼ルーペに関する。
【背景技術】
【0002】
双眼ルーペは、手元の局所的な観察対象を拡大して視認する手段として、従来から、医療分野、精密工作、宝石加工等の各分野において広く使用されている。これらの分野では、作業や操作に高い精度が要求されており、双眼ルーペは、優れた解像力、広い視野径、所定の焦点距離等に加えて、明るくクリアな画質を備えていることが望まれている。さらに、医療分野において用いられる双眼ルーペには、人命に関わることから、双眼ルーペの視力矯正及び乱視矯正は、施術者の視力に正確に適合させたものであることが求められている。
【0003】
しかしながら、従来の双眼ルーペにおいては、医療施術者の手作業に高い精度が要求されるにも関わらず、施術者の遠距離或いは近距離の視力を矯正するレンズの焦点距離を、作業中に変化する作業者の視力に合せることができないため、視力の変化に起因して視覚精度にムラが生じるという問題点があった。すなわち、人間の視力は、体調や疲労の程度によって常に変化し、また、同日であっても午前と午後とで変化するにも拘わらず、従来の双眼ルーペは、施術者の変動する視力に適合させることができず、不適正な視力の状態で双眼ルーペを使用して施術せざるを得なかった。
【0004】
そのため、従来から焦点距離が異なる複数種類の焦点調整部を予め準備しておき、その中の一つを選択して、その接眼部に着脱自在に装着可能にした双眼ルーペが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【文献】特許第5032332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、双眼ルーペの倍率に関しても、施術する部位に応じて必要な倍率が異なるため、数種類の双眼ルーペを用意しておき、その都度、最適な倍率の双眼ルーペを選択している。また、倍率を調整可能な双眼ルーペも用いられてはいるが、倍率が調整可能な双眼ルーペでも、固定倍率の双眼ルーペ程ではないにしても、調整可能な倍率範囲に応じて複数の双眼ルーペを用意しておき、その中から適宜、最適なものを選択して使用している。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、拡大の光学系を内蔵するルーペ本体も焦点調整部と同様に、所望の倍率に自由に差し替えることができる双眼ルーペを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る双眼ルーペは、手元の観察対象を拡大して見るための双眼ルーペであって、眼鏡フレームと、光学系を内蔵する一対のルーペ本体と、前記ルーペ本体の焦点距離を調整する焦点調整レンズを具備する焦点調整部と、前記ルーペ本体の接眼側端が挿入される筒状のホルダと、前記ホルダに設けられて挿入された前記ルーペ本体を着脱可能に保持する第1取付部と、前記ホルダの前記ルーペ本体が挿入される側と反対の端部に設けられて前記焦点調整部を着脱可能に保持する第2取付部と、前記眼鏡フレームの左右のリムに取り付けられてそれぞれが前記ホルダを保持するルーペ支持部材と、を備え、前記焦点調整部は、前記焦点調整レンズの周縁に磁性体で成るレンズ保持部を有し、当該レンズ保持部はピン状の磁石が挿入される孔部を有し、前記第2取付部は、前記ホルダの前記焦点調整部が取り付けられる端面の周縁に等間隔で複数配置された前記レンズ保持部を吸引する磁石で構成され、前記ホルダは、挿入された前記ルーペ本体が前記観察対象へ向くように、前記ルーペ支持部材の面に対して所定の角度で固定される。
【0008】
一つの実施形態によれば、前記第1取付部は磁石で構成されて、前記ルーペ本体の接眼側端は、前記ホルダに挿入されたとき前記第1取付部に吸着する磁性体を備えることで、ルーペ本体はホルダに磁石により着脱自在に取り付けられる。
【0009】
また、磁石以外にも、前記第1取付部を前記ホルダの前記ルーペ本体の挿入側に形成される挿入孔及び係止孔から成る鈎型の溝で構成し、前記ルーペ本体の側面に形成される突起が前記挿入孔を経て前記係止孔と嵌合することで、前記ホルダと前記ルーペ本体とが接続する。さらには、前記第1取付部を前記ホルダの前記ルーぺ本体の挿入側の端部の内周に形成されたメネジ部で構成して、前記ルーペ本体の接眼側端に形成されたオネジ部との螺合で前記ルーペ本体と前記ホルダとを接続してもよい。
【0010】
そして、前記ルーペ本体は、前記光学系による倍率が異なる複数種類が予め準備され、その中の一つが選択されて、前記第1取付部を介して前記ホルダに取り付けられる。
【0012】
また、磁石以外にも、第2取付部を前記ホルダの前記焦点調整部との接続側端部の外周又は内周に形成されたネジ部で構成して、前記焦点調整部の前記ホルダ側の端部の内周又は外周に形成されたネジ部との螺合により接続する。
【0013】
そして、前記焦点調整部は、前記焦点調整レンズによる焦点距離が異なる複数種類が予め準備され、その中の一つが選択されて、前記第2取付部を介して前記ホルダに取り付けられる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の双眼ルーペによれば、ルーペ支持部材に固定して取り付けたホルダに、ルーペ本体と焦点調整部とを着脱自在にしたことで、倍率が異なる複数種類の中から選択した倍率のルーペ本体と、焦点距離が異なる複数種類の中から選択した焦点距離の焦点調整部とに容易に付け替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係る双眼ルーペの全体の構成図を示す。
【
図2】
図1の双眼ルーペを上下で逆にして一方のルーペ本体を取り外した状態の説明図を示す。
【
図3】ルーペ本体とホルダと焦点調整部の側面図を示しており、ホルダと焦点調整部は断面図で示す。
【
図4】ルーペ本体とホルダと焦点調整部とを
図4の状態から組み合わせた状態を側面図で示す。
【
図6】双眼ルーペを着用して作業をしている状態の説明図を示す。
【
図7】キャリアレンズにルーペを取り付ける際の下方装着角度の説明図を示す。
【
図8】ルーペをキャリアレンズに取り付ける際の内側装着角度p,qについての説明図を示す。
【
図10】ネジ式による第1脱着部及び第2脱着部の構成を側断面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を図面に基づき説明する。
図1及び
図2は、本発明の一実施形態に係る双眼ルーペ100の全体構成を示している。双眼ルーペ100は、眼鏡フレーム1と、作業対象の像を拡大するための左右両眼に対応するルーペ本体2と、ルーペ本体2を保持するホルダ3と、ホルダ3を眼鏡フレーム1に取り付けるためのルーペ支持部材であるキャリアレンズ4と、使用者の視力を保障するための焦点調整部5とで構成されている。
【0017】
眼鏡フレーム1は通常の眼鏡と略同じ構造を有するもので、キャリアレンズ4が嵌め込まれるリム1aと、観察者の耳に掛けられるテンプル1bと両方のリム1aを繋ぐブリッジ1c、鼻あて部6とを有する。眼鏡フレーム1を構成する素材には、錆び難く可撓性を有するチタン等の金属や合成樹脂等が使用される。そして、テンプル1bには、着用者の顔の両側を保護する遮蔽部材7や双眼ルーペを着用した状態で保持するためのストラップ8を、必要に応じて取り付けることができる。
【0018】
キャリアレンズ4は、ルーペ本体2及び焦点調整部5をその両端で保持するホルダ3を支持する開口が穿設されており、ホルダ3はこの開口に嵌め込まれて、キャリアレンズ4の面に対して所定の角度を維持した状態で固定される。キャリアレンズ4を構成する素材は、必ずしも透明である必要はないが、観察者の手元方向の視野を広げるためには透明であることが好ましく、さらに視力の矯正を必要とする場合には矯正レンズを使用するが、視力の矯正が不要の場合は単なる透明ガラスであっても良い。この場合のレンズの材質は、ガラス又はプラスチックである。したがって、キャリアレンズ4は、ルーペ本体を支持するルーペ支持部材の機能と共に、必要に応じて、視力の矯正機能をも備えている。
【0019】
ルーペ本体2は、観察対象の像を所定の倍率、例えば2.5倍の倍率で調整された拡大の光学系を内蔵し、
図3及び
図4で示すように、接眼側端に位置している接眼筒2aとこれより徐々に外径を大きくしていく傾斜部2bを経て大径部を設けた対物筒2cとで構成されている。そして、接眼筒2aの後端には、磁石に吸着する磁性体のリング2dが装着されている。ここで、ルーペ本体2内のレンズを前後方向に移動可能に構成すれば、焦点調整を可能とすることが可能となる。
【0020】
焦点調整部5は、円形の焦点調整レンズ11と、焦点調整レンズ11が嵌め込まれる磁性体のレンズ保持部12とから構成されている。焦点調整レンズ11は、双眼ルーペ100の使用者が左右のルーペ本体2で対象を拡大して観察する際の視力を矯正するために、必要に応じてルーペ本体2に合せて用いられる遠距離又は近距離を補正するのみならず、乱視等を補正するレンズとすることもできる。そのために、
図3に示すように、焦点調整レンズ11の内側には焦点調整の高さを調整するための焦点調整リング16を備えるようにすると良い。また、双眼ルーペの使用者が普段は視力の矯正を必要としていなくても、処置中の視力の変動に際し焦点調整レンズ11を用いることで視力が確保される。
【0021】
ホルダ3は、プラスチック又は磁性体等の素材により形成され、ルーペ本体2の接眼筒2aの外径と略等しい内径を有して、底の中央に透孔が穿設された有底の筒体によって構成されている。そして、ホルダ3には、この底を挟んで内側にはルーペ本体2が取り外し自在なよう接眼筒2aを着脱可能にする第1取付部9が設けられ、外側には焦点調整部5が着脱可能な第2取付部10が設けられている。
【0022】
第1取付部9は、本例ではリング状の磁石で構成されて、ホルダ3の底の透孔の縁部3aによって係止されている。よって、ルーペ本体2の接眼筒2aをホルダ3に挿入したとき、リング2dが第1取付部9に吸着されて、ルーペ本体2はホルダ3に保持される。
【0023】
また、接眼筒2aの傾斜部2bとの境には、ホルダ3の対物側の端部に切り欠いて形成された係合部14と嵌合する突起13を設けている。これにより、接眼筒2aをホルダ3に挿入するとき、突起13が係合部14に係止されるまで挿入することになる。
【0024】
第1取付部9の他の例としては、
図5に示すように、ルーペ本体2の挿入方向に沿って形成される挿入孔14aと、挿入孔14aに連続するも挿入方向と直交する方向に形成される係止孔14bとを有する鈎型の形状の溝で構成する。この場合は、接眼筒2aをホルダ3へ挿入して、挿入孔14aに突起13を導入させ、次にルーペ本体2を回転させることで突起13を係止孔14bと嵌合させることで、ルーペ本体2をホルダ3との接続を確実にすることができる。
【0025】
このように、ルーペ本体2は、第1取付部9によってホルダ3から着脱自在であるから、倍率の異なるルーペ本体2に交換したいときなどは、ホルダ3からルーペ本体2を外し、別のルーペ本体2に差し替えることができる。
【0026】
第2取付部10は、本例では、係止部3aから軸方向に外方へ突出する4個の磁性体又は磁石のピンで構成している。このピンは、係止部3aから軸方向に外方へ突出するように、ホルダ3の端面の円周上に等間隔で配置されている。焦点調整部5のレンズ保持部12には、第2取付部10が挿入可能なピン孔15が穿設されており、第2取付部10をピン孔15に挿し込むことで、焦点調整部5は、レンズ保持部12が吸着されて、第2取付部10でホルダ3に保持される。よって、それぞれ焦点距離が異なる焦点調整レンズ11を備えた複数の焦点調整部5を用意しておき、ルーペ本体2を通しての観察対象への焦点を調整したいときには、適切な焦点距離の焦点調整部5と差し替えることができる。
【0027】
ホルダ3は、キャリアレンズ4に穿設した上記開口に嵌め込み、第1取付部9に取り付けたルーペ本体2が観察対象部の焦点に向くように、キャリアレンズ4の面に対して、所定の角度で固定される。具体的には、ホルダ3のキャリアレンズ4の面への取り付けは、ホルダ3にルーペ本体2を装着したときのルーペ本体2のキャリアレンズ4の平面を基準にしての下方装着角度r及び内側装着角度p,qと、双眼ルーペの使用者の瞳孔間距離PDにより決定される。これについて、以下に説明する。
【0028】
双眼ルーペ100は、
図6に示すような前傾姿勢を執って作業を行うときに、その手元の作業操作箇所Wの観察対象を拡大して観察するのに使用される。このとき、使用者は、左右のルーペ本体2を通して両眼の視線を手先の位置にある観察対象に集中させている。ここで、
図7を用いてこの場合の下方装着角度について説明すると、下方装着角度rは、キャリアレンズ4にホルダ3を介してルーペ本体2を取り付けるときに、キャリアレンズ4の面からの垂直線に対する下向きの取り付け角度であり、作業操作箇所Wからキャリアレンズ4までの距離Mとキャリアレンズ4の中心を通る鉛直線に直交する水平方向距離Nとで決まる角度βと、着用者が手術を行うときのキャリアレンズ4の前傾角度αとで求めることができる。
【0029】
内側装着角度p,qは、
図8に示すように、ホルダ3に装着した左右のルーペ本体2の先端を作業操作箇所Wに向けたときの視線が、眼鏡フレーム1の中心Oと作業操作箇所Wとを結ぶ線Lと作業操作箇所Wで交わるときの角度である。そして、中心Oは、使用者の鼻の中心線と左右の瞳孔を結ぶ線との交点であり、この中心Oから左右両眼の瞳孔中心までのそれぞれ距離PD1,PD2と、中心Oから作業操作箇所Wまでの線L上での距離とによって、左右のルーペ本体2の内側装着角度p,qをそれぞれ求めることができる。
【0030】
ルーペ本体2の下方装着角度r及び内側装着角度p,qが決まると、左右のキャリアレンズ4において両眼の瞳孔に対応する位置にホルダ3を挿入する開口を設けて、ホルダ3が下方装着角度r及び内側装着角度p、左のホルダ3が下方装着角度r及び内側装着角度qでキャリアレンズ4の面から突出するよう接着剤等で固定させて取り付けられる。そして、双眼ルーペ100は、ホルダ3の第1及び第2取付部のそれぞれにルーペ本体2と焦点調整部5が取り付けられて使用される。
【0031】
以上、詳述したように、本発明に係る双眼ルーペ100は、ホルダ3をキャリアレンズ4に固定して、ホルダ3の対物側に設けた第1取付部9でルーペ本体2を着脱自在とし、且つホルダ3の接眼側に設けた第2取付部10で焦点調整部5を着脱自在にしている。よって、作業操作箇所Wの観察対象に応じて倍率を変更する場合には、それに応じた倍率のルーペ本体2と交換することができる。また、視力を矯正する場合には、適切な焦点距離の焦点調整部5と交換することができる。ルーペ本体2は、それ自体が倍率の調整が可能なものであってもよい。この場合、異なる範囲で倍率が調整可能なルーペ本体2を複数用意しておいて、調整可能な範囲に必要な倍率を備えるルーペ本体2を差し替えて使用する。
【0032】
ルーペ本体2や焦点調整部5を着脱自在にする第1取付部9及び第2取付部10には種々の実施形態があり、上記に限定されるものではない。例えば、第2取付部10は、
図9に示すように、係止部3aからリング状に突出させた磁石であってもよい。このようにリング状の磁石で構成される第2取付部10の外径はレンズ保持部12の内径と略等しく、レンズ保持部12は第2取付部に嵌合して吸引されて、焦点調整部5はホルダ3に保持される。
【0033】
また、
図10は、ネジにより接続する第1及び第2取付部9,10の実施形態を示している。ここでの第1取付部9は、ホルダ3の内周に形成されて、ルーペ本体2の接眼筒2aの外周に形成されたオネジと螺合するネジ部で構成されている。そして、第2取付部10は、ホルダ3の焦点調整部5との接続側端部の外周に形成されて、焦点調整部5の内周に形成されたメネジと螺合するネジ部で構成されている。勿論、第1取付部9と第2取付部10でのルーペ本体2や焦点調整部5との接続は、何れか一方をネジ式にして、他方を磁石式にすることで、ネジ式と磁石式と組み合わせる構造であってもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 眼鏡フレーム
2 ルーペ本体
2d リング(磁性体)
3 ホルダ
4 キャリアレンズ(ルーペ支持部材)
5 焦点調整部
9 第1取付部
10 第2取付部
11 焦点調整レンズ
12 レンズ保持部
13 突起
14a 挿入孔
14b 係止孔
16 焦点調整リング