(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】滑落剤及びそれによる塗膜で被覆された物品
(51)【国際特許分類】
C09D 201/04 20060101AFI20221214BHJP
C09D 183/04 20060101ALI20221214BHJP
C09D 133/00 20060101ALI20221214BHJP
C09D 183/00 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
C09D201/04
C09D183/04
C09D133/00
C09D183/00
(21)【出願番号】P 2018116398
(22)【出願日】2018-06-19
【審査請求日】2021-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000208455
【氏名又は名称】大和製罐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092901
【氏名又は名称】岩橋 祐司
(72)【発明者】
【氏名】松川 義彦
【審査官】横山 敏志
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-036755(JP,A)
【文献】特開2008-049524(JP,A)
【文献】特開2014-139301(JP,A)
【文献】特開2017-149967(JP,A)
【文献】特許第5486157(JP,B2)
【文献】特開2017-133003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 1/00-201/10
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラジカル重合性を有する有機溶剤可溶性フッ素樹脂、片末端ラジカル重合性ポリシロキサン、および、非反応性ラジカル重合性メタクリレート系単量体を共重合したグラフト重合体と、
片末端反応性シリコーンオイルと、
硬化剤と、
有機溶剤と、を含
む滑落剤であって、
前記滑落剤に含まれる全ての有機溶剤のうち、比誘電率が3以下である非極性溶媒の割合が10体積%以上であることを特徴とする滑落剤。
【請求項2】
前記片末端反応性シリコーンオイルが、前記グラフト重合体100質量部に対して、1~10質量部であることを特徴とする請求項1記載の滑落剤。
【請求項3】
請求項1または2記載の滑落剤による塗膜が、表面に被覆されていることを特徴とする物品。
【請求項4】
前記塗膜の厚さが3~20μmであることを特徴とする請求項3記載の物品。
【請求項5】
前記滑落剤を塗布する前の基材のみのヘイズ値と前記滑落剤を塗布した後のヘイズ値との差が0.1~1%であることを特徴とする請求項3または4記載の物品。
【請求項6】
滑落剤による塗膜が表面に被覆されている物品であって、
前記滑落剤は、ラジカル重合性を有する有機溶剤可溶性フッ素樹脂、片末端ラジカル重合性ポリシロキサン、および、非反応性ラジカル重合性メタクリレート系単量体を共重合したグラフト重合体と、
片末端反応性シリコーンオイルと、
硬化剤と、
有機溶剤と、を含み、
前記塗膜の最大押し込み荷重が1mNである時の超微小押し込み硬さが、0.15GPa以下であることを特徴とする物品。
【請求項7】
滑落剤による塗膜が表面に被覆されている物品であって、
前記滑落剤は、ラジカル重合性を有する有機溶剤可溶性フッ素樹脂、片末端ラジカル重合性ポリシロキサン、および、非反応性ラジカル重合性メタクリレート系単量体を共重合したグラフト重合体と、
片末端反応性シリコーンオイルと、
硬化剤と、
有機溶剤と、を含み、
前記塗膜の表面に対して、荷重250g/cm
2、移動距離20mm、および、移動速度600mm/minの条件で、不織布を表面に沿って1000往復移動させるという摩耗処理の前後において、水10μLの転落角をそれぞれ測定する場合に、前記摩耗処理の前後の転落角の差が30度以下であることを特徴とする物品。
【請求項8】
前記塗膜が被覆されている基材が、透明ガラスであることを特徴とする請求項3から7のいずれかに記載の物品。
【請求項9】
前記塗膜が被覆されている物品が、太陽光パネル、窓ガラス、カーブミラー、農業ハウス用ガラス、屋外看板用ガラス、ガラス瓶のいずれかであることを特徴とする請求項3から8のいずれかに記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴除去性(滑水性、滑油性などの滑落性)の塗膜を形成するために用いられる滑落剤、およびこの滑落剤によって得られる塗膜に関する。
【背景技術】
【0002】
固体表面の水や油をわずかな角度で滑落させることは非常に重要であり、表面を水や油で濡らさないようにするだけでなく、その水や油に空気中の塵や埃などが付着することで固体表面が汚れてしまう事を防ぐことができる。
また、透明なガラスの場合、水滴などが付着することでガラスの透過性が失われ、例えば車の窓ガラスでは付着した水滴によって視界が悪くなるということが起こる。
従来の滑落性の良い塗膜を形成するものとして、特許文献1にキッチンの排水口に塗布する滑落剤が示されている。この滑落剤を塗布したキッチンの排水口は、水や食品などの油を滑落させることができ、排水口に水分や油分などの汚れが付着したまま放置されたときに起こる雑菌の繁殖によるヌメリを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の滑落剤では透明な塗膜にすることができない。キッチンの排水口では高い透明度は必要ないが、塗布する基材がガラスの場合、塗膜が不透明であるとその商品価値が下がり、車の窓ガラスなどへの使用には適さない。
また、長期間の使用を考えた場合、塗膜の耐久性が必要になる。しかし、特許文献1の滑落剤による塗膜では耐久性が低く、長期耐久性が必要な用途には適さない。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、優れた滑落性を維持したまま、塗膜の透明性を向上させて、長期使用に耐えうる耐久性を向上させることが可能な滑落剤を提供することを目的とする。また、その滑落剤で形成された塗膜を有する物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の滑落剤は、ラジカル重合性を有する有機溶剤可溶性フッ素樹脂、片末端ラジカル重合性ポリシロキサン、および、非反応性ラジカル重合性メタクリレート系単量体を共重合したグラフト重合体と、片末端反応性シリコーンオイルと、硬化剤と、有機溶剤と、を含むことを特徴とする。そして、前記滑落剤に含まれる全ての有機溶剤のうち、比誘電率が3以下である非極性溶媒の割合が10体積%以上であることを特徴とする。
【0007】
ここで、前記片末端反応性シリコーンオイルが、前記グラフト重合体100質量部に対して、1~10質量部であることが好ましい。
【0008】
本発明に係る物品は、前記滑落剤による塗膜が表面に被覆されていることを特徴とする。ここで、前記塗膜の厚さが3~20μmであることが好ましい。また、滑落剤を塗布する前の基材のみのヘイズ値と滑落剤を塗布した後のヘイズ値との差が0.1~1%であることが好ましい。さらに、前記塗膜の最大押し込み荷重が1mNである時の超微小押し込み硬さが、0.15GPa以下であることが好ましい。
【0009】
また、前記塗膜の表面に対して、荷重250g/cm2、移動距離20mm、および、移動速度600mm/minの条件で、不織布を表面に沿って1000往復移動させるという摩耗処理の前後において、水10μLの転落角をそれぞれ測定する場合に、前記摩耗処理の前後の転落角の差が30度以下であることが好ましい。
【0010】
本発明に係る物品としては、前記塗膜が被覆されている基材が透明ガラスであることが好ましく、例えば、太陽光パネル、窓ガラス、カーブミラー、農業ハウス用ガラス、屋外看板用ガラス、ガラス瓶であるとよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の滑落剤を用いれば、優れた滑落性を維持したまま、透明で長期使用可能な耐久性を有する塗膜を形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態について説明する。
本実施形態の滑落剤は、(1)ベース樹脂であるグラフト重合体と、(2)添加物としてのシリコーンオイルと、(3)ベース樹脂を架橋させる硬化剤と、(4)有機溶剤とを含む。
【0013】
(1)グラフト重合体として、(a)ラジカル重合性を有する有機溶剤可溶性フッ素樹脂、(b)片末端ラジカル重合性ポリシロキサン、及び、(c)非反応性ラジカル重合性メタクリレート系単量体を共重合したものを使用する。
【0014】
(2)添加するシリコーンオイルとして、片方の末端が反応性の有機官能基になっているものを使用する。シリコーンオイルの添加量は、ラジカル重合性を有する有機溶剤可溶性フッ素樹脂、片末端ラジカル重合性ポリシロキサン及び非反応性ラジカル重合性メタクリレート系単量体を共重合したグラフト重合体100質量部に対して1~10質量部である。1質量部未満では滑落性が不十分であり、10質量部より多くても滑落性が向上せず、コスト的に無駄である。
【0015】
(3)ベース樹脂を架橋させる硬化剤として、硬化後の塗膜を柔らかくするものを使用する。金属などとは違って樹脂の場合、柔らかい方が削れにくい、つまり耐磨耗性が良い。このような硬化剤を使用すれば、塗膜の残存率が高くなり、塗膜で被覆された製品を長期間使用することが可能になる。塗膜としての耐久性の向上に有効である。塗膜の硬化後の硬度として、塗膜の最大押し込み荷重が1mNである時の超微小押し込み硬さが0.15GPa以下であるものがよく、さらには0.13GPa以下のものが好適である。
【0016】
塗膜の耐摩耗性については、塗膜の表面に対して、荷重250g/cm2、移動距離20mm、および、移動速度600mm/minの条件で、不織布を表面に沿って1000往復移動させるという摩耗処理の前後において、水10μLの転落角の差が30度以下であるものが適する。上記の往復1000回の摩耗処理の前後における水10μLの転落角の差が30度を越えるものは、滑落性の経時劣化が激しく長期使用に耐えられない。
【0017】
(4)上記の各種樹脂を溶かすための溶媒として、低極性の有機溶剤を使用する。溶媒の目的として溶質を十分に溶解させることが重要であるが、十分な溶解を得るには溶質にあった溶媒を使用する必要がある。本実施形態では、滑落剤に含まれる全ての有機溶剤のうち、比誘電率が3以下である非極性溶媒の割合が10体積%以上であることにより、その目的を達成することができ、塗膜を透明化させることが可能となる。塗膜の透明度については、上記の溶媒を用いることで滑落剤を塗布する前の基材のみのヘイズ値と滑落剤を塗布した後のヘイズ値との差が0.1~1.0%になり、透明性を必要とする用途への製品展開が可能になる。
【0018】
本実施形態の滑落剤を基材に塗布後、加熱による乾燥等を施して作製された塗膜の厚さは、3~20μmとする。塗膜の厚さが3μm未満であると、柔らかい塗膜が作製されても、薄いために長期間の使用で塗膜が削れてしまう。逆に、20μm以上であると、現実的に使用する年数以上の過剰の膜厚となるため、コスト的に無駄となってしまう。
【0019】
本実施形態の塗膜を形成する対象としては、塗膜の透明度を活かせるガラス基材がよい。具体的な用途として、自動車やビル、住宅の窓ガラス、太陽光パネル、カーブミラー、農業ハウス用ガラス、屋外看板用ガラス、ガラス瓶などがある。
【実施例1】
【0020】
以下、実施例に基づいて本発明についてさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例の内容に限定されるものではない。
【0021】
表1は、各試験片に用いた滑落剤の配合表である。
【0022】
【0023】
<実施例1>
実施例1では、ラジカル重合性を有する有機溶剤可溶性フッ素樹脂と片末端ラジカル重合性ポリシロキサンと非反応性ラジカル重合性メタクリレート系単量体とを共重合したグラフト重合体をベース樹脂として使用し、シリコーンオイルとして片末端反応性シリコーンオイル、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートを使用した。
また、ベース樹脂及び硬化剤に含まれる有機溶剤以外に、有機溶剤として芳香族系炭化水素溶剤(比誘電率1.8、沸点150℃以上)を使用し、ベース樹脂100質量部、シリコーンオイル7質量部、硬化剤50質量部、有機溶剤38質量部として滑落剤を作製した。
この滑落剤をステンレス基材へワイヤーバー18番で塗布し200℃で1時間乾燥加熱処理をして塗膜を作製した。
なお、実施例1の滑落剤中に含まれる有機溶剤を表2に記す。
【0024】
【0025】
したがって、実施例1の滑落剤に含まれる全ての有機溶剤のうち、比誘電率が3以下のものは芳香族炭化水素及びキシレンであり、その合計は混合体積比で54.0%であった。
【0026】
<比較例1>
比較例1として、シリコーンオイルを添加しない以外は実施例1と同様に滑落剤及び塗膜を作製した。
なお、比較例1の滑落剤中に含まれる有機溶剤を表3に記す。シリコーンオイルは揮発分を含まないため、有機溶剤の条件は実施例1と同じである。
【0027】
【0028】
したがって、比較例1の滑落剤に含まれる全ての有機溶剤のうち、比誘電率が3以下のものは芳香族炭化水素及びキシレンであり、その合計は混合体積比で54.0%であった。
【0029】
<比較例2>
比較例2として、有機溶剤に酢酸ブチル100質量部を使用した以外は実施例1と同様に滑落剤及び塗膜を作製した。
なお、比較例2の滑落剤中に含まれる有機溶剤を表4に記す。
【0030】
【0031】
したがって、比較例2の滑落剤に含まれる全ての有機溶剤のうち、比誘電率が3以下のものはキシレンであり、その値は混合体積比で6.9%であった。
【0032】
<比較例3>
比較例3では、ワイヤーバー4番を使用した以外は実施例1と同様に滑落剤及び塗膜を作製した。
なお、比較例3の滑落剤中に含まれる有機溶剤は実施例1と同様である。
【0033】
<比較例4>
比較例4では、硬化剤にメラミン樹脂38質量部、有機溶剤に酢酸ブチル100質量部を使用した以外は実施例1と同様に滑落剤及び塗膜を作製した。なお、比較例4の滑落剤中に含まれる有機溶剤を表5に記す。
【0034】
【0035】
したがって、比較例4の滑落剤に含まれる全ての有機溶剤のうち、比誘電率が3以下のものはキシレンであり、その値は混合体積比で8.3%であった。
【0036】
<評価項目>
それぞれの塗膜に対して、次の項目を評価した。
水の滑落角 : 塗膜の上に純水10μLを載せて、基材を傾けたとき、純水の滑落した角度を測定した。90度傾けても滑落しない場合は、「×」とした。
油の滑落角 : 塗膜の上にオレイン酸10μLを載せて、基材を傾けたとき、オレイン酸の滑落した角度を測定した。90度傾けても滑落しない場合は、「×」とした。
塗膜の透明度 : 塗膜を目視にて、基材が見える場合は「透明」、見えない場合は「不透明」とした。
耐磨耗試験 : 金属プレートの平面圧子に1cm×1cmの不織布を貼り付けて、これを試験片の塗膜に重ねて、荷重250gをかけた状態で塗膜表面を擦った。具体的には、塗膜表面に対して、移動距離20mmおよび移動速度600mm/minの条件で、金属プレートの不織布を塗膜表面に沿って、1000往復移動させた。
硬度 : 超微小硬さ試験を行なった。具体的には、塗膜に下記の条件で冶具を押し込んだときの硬度(JIS Z 2255に準拠)を測定した。
最大押し込み荷重;1mN
圧子;Berkovich圧子(ダイアモンド、頂角115°)
負荷時間;30秒
保持時間;10秒
【0037】
表6にこれらの評価結果を示す。
【0038】
【0039】
<実施例2>
実施例2では、滑落剤を塗布する基材を透明ガラスにした以外は、実施例1と同様とした。
【0040】
<比較例5>
比較例5では、滑落剤を塗布していない透明ガラス基材のみを使用した。
【0041】
<評価項目>
それぞれの塗膜に対して、実施例1と同様に、水の滑落角および油の滑落角を評価した。
塗膜の透明度 : 塗膜の曇り度(ヘイズ)を、ヘイズ試験機「NDH-5000」(日本電色工業社製)を用いて測定した。
【0042】
表7にこれらの評価結果を示す。
【0043】
【0044】
表6の評価結果が示す通り、実施例1では塗膜は透明であり、水の滑落角も初期で29.5度であり、磨耗試験1000回後でも48.8度であり、試験前後の差は19.3度となり、耐摩耗性は良好だった。
比較例1ではシリコーンオイルを添加しなかった為、水の転落角が初期で28.2度、磨耗試験1000回後で64.8度となり、試験前後の差が36.6度となり、耐摩耗性は悪い結果だった。
比較例2では、有機溶剤に酢酸ブチルを使用したことにより、滑落剤に含まれる全ての有機溶剤の内の比誘電率が3以下である有機溶剤の混合体積比が6.9%と低くなったため、塗膜が不透明であった。また、硬度においても実施例1に対し硬くなっており、耐摩耗性に劣り、削れ易くなっていた。
比較例3では膜厚が2.6μmと薄いため、磨耗試験1000回後では、90度傾けても転落しないほど水の滑落性が悪化した。
比較例4では硬化剤にメラミン樹脂、有機溶剤に酢酸ブチルを使用したことにより、滑落剤に含まれる全ての有機溶剤の内の比誘電率が3以下である有機溶剤の混合体積比が8.3%と低くなったため、塗膜は不透明であった。
【0045】
以上より、実施例1の塗膜は、透明で滑落角も良く、また、柔らかく長期間の使用に耐えることが判った。
【0046】
また、表7の評価結果が示す通り、ガラスに塗布した実施例2でも、水の滑落角30.1度、油の滑落角17.5度が得られた。滑落剤を塗布していない基材のみの比較例5では、水・油ともに滑落角の結果が「×(90度傾けても転落しない)」であったことから、実施例2の結果は、より良好な結果と言える。また、透明度をヘイズ試験機で測定した結果は、ガラス基材のみの0.29%に対し、滑落剤を塗布したものは0.33%であり、滑落剤を塗布する前のガラス基材のみのヘイズ値と滑落剤を塗布した後のヘイズ値との差は0.04%であった。このことからガラス基材のみの場合とほぼ変わらない透明度が得られることが判った。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の滑落剤は、例えば、太陽光パネル、窓ガラス、カーブミラー、農業ハウス用ガラス、屋外看板用ガラス、ガラス瓶など、様々な産業分野の物品へ滑落性を付与するための材料として適用し、優れた滑落性を維持したまま、透明で長期使用可能な耐久性を有する塗膜を形成することができる。