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特許7193949多機能周辺機器のポリシーベースの構成システムおよび多機能周辺機器のポリシー管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】多機能周辺機器のポリシーベースの構成システムおよび多機能周辺機器のポリシー管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/44 20180101AFI20221214BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20221214BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
G06F9/44
H04N1/00 002B
B41J29/38
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018153314
(22)【出願日】2018-08-16
(65)【公開番号】P2019036311
(43)【公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-05-13
(31)【優先権主張番号】15/680,775
(32)【優先日】2017-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003362
【氏名又は名称】弁理士法人i.PARTNERS特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マリアンヌ コディマー
【審査官】多賀 実
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-177434(JP,A)
【文献】特開2015-069620(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
G06F 8/00-8/77
G06F 9/44-9/451
G06F 21/10
G06F 21/60-21/88
G03G 21/00
H04N 1/00
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理手段により管理される多機能周辺機器のポリシーベースの構成システムにおいて、
前記多機能周辺機器の管理のために利用されるポリシーに関するデータを記憶する記憶手段と、
前記多機能周辺機器の構成ポリシーの選択可能なリストに対応するポリシーリストを表示するディスプレイと、
前記ディスプレイに表示された前記ポリシーリストから前記多機能周辺機器の構成ポリシーを選択入力する入力手段と、
前記入力手段により選択入力されたポリシーが、追加型ポリシーか、又は単一タイプポリシーかを識別する識別手段と、
を具備し、
前記処理手段は、
前記識別手段により前記追加型ポリシーと識別した場合、前記多機能周辺機器の追加型ポリシーデータを前記記憶手段に記憶して追加し、
前記識別手段により前記単一タイプポリシーと識別した場合、前記多機能周辺機器の構成ポリシーの追加を拒否する
多機能周辺機器のポリシーベースの構成システム。
【請求項2】
前記処理手段は、前記識別手段により前記単一タイプポリシー識別した場合に、既存のデバイスポリシーを置換するようにさらに構成される、請求項に記載の多機能周辺機器のポリシーベースの構成システム。
【請求項3】
多機能周辺機器の管理のために利用されるポリシーに関するデータを記憶する記憶手段を有する多機能周辺機器のポリシー管理方法において、
前記多機能周辺機器の構成ポリシーの選択可能なリストに対応するポリシーリストをディスプレイに表示するステップと、
前記ディスプレイに表示された前記ポリシーリストから前記多機能周辺機器の構成ポリシーを選択入力する入力ステップと、
前記入力ステップにより選択入力されたポリシーが、追加型ポリシーか、又は単一タイプポリシーかを識別する識別ステップと、
前記識別ステップにより前記追加型ポリシーと識別した場合、前記多機能周辺機器の追加型ポリシーデータを前記記憶手段に記憶して追加するステップと、
前記識別ステップにより前記単一タイプポリシーと識別した場合、前記多機能周辺機器の構成ポリシーの追加を拒否するステップと、
を具備する多機能周辺機器のポリシー管理方法。
【請求項4】
前記識別ステップにより前記単一タイプポリシーと識別した場合に、既存のデバイスポリシーを置換するようにさらに構成される、請求項3に記載の多機能周辺機器のポリシー管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、多機能周辺機器のポリシーベースの構成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
文書処理装置には、プリンタ、複写機、スキャナ、および電子メールゲートウェイが含まれる。より最近では、これらの機能のうちの2つ以上を使用するデバイスがオフィス環境で見られる。これらのデバイスは、多機能周辺機器(multifunction peripherals/MFP)または多機能デバイス(multifunction devices/MFD)と呼ばれている。以下では、多機能周辺機器および多機能デバイスを単にデバイスと呼ぶことがある。本明細書で使用されるMFPは、単独で、または前述の機能の他のものと組み合わせた、プリンタを含むと理解される。
【0003】
MFPは単なる文書処理装置から、ネットワーク機能を有し、タブレット、スマートフォン、ワークステーション、サーバおよび他のMFPなどの他の装置との直接データ通信を行う装置に進化している。MFPは、紙使用量、コピー枚数、トナーレベル、環境条件、エラー条件などを含む多数の機械属性を監視する。MFPは、定期的にネットワークサーバに接続し、ファームウェア、アップデートなどのソフトウェアをチェックするようにプログラムすることができる。MFPは、多数のユーザのユーザ名、パスワード、および機器使用の保証書を記憶することができる。MFPは、使用状況レポートまたはエラーレポートを定期的に生成し、報告するよう、要求されることもある。他の多くのMFP機能は、特定のMFPに対して有効化またはカスタマイズされる。MFPの装置構成は、個々の装置ごとに設定することができる。しかし、特定の会社で、多数のMFPが同時にサービスを行っている場合には、多数のMFPに設定することが困難である。技術者が、多くの異なる場所に点在している多くのMFPに物理的に出向き、機器設定をしなければならない場合は、コストと時間が掛かる。特に、各マシンが同一または同様の方法で構成されるときに、非効率となるという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-211771号公報
【文献】特開2016- 38635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、デバイス管理に優れた多機能周辺機器のポリシーベースの構成システムおよび多機能周辺機器のポリシー管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的な実施形態によれば、多機能周辺機器のポリシーベースの設定に関する構成システムであって、プロセッサと、複数の多機能周辺装置の構成ポリシーのそれぞれのポリシーデータを格納するメモリを含む。選択可能なデバイスポリシーのリストが表示される。ユーザは、リストから1つまたは複数のデバイス設定ポリシーを選択し、プロセッサは選択されたデバイス設定ポリシーをテストする。ポリシーは、単一または追加型であるか識別される。選択されたポリシーは、単一のポリシータイプとして識別されない場合に追加される。
【0007】
また、実施形態によれば、多機能周辺機器のポリシーベースの構成システムは、処理手段により管理される多機能周辺機器において、前記多機能周辺機器の管理のために利用されるポリシーに関するデータを記憶する記憶手段と、前記多機能周辺機器の構成ポリシーの選択可能なリストに対応するポリシーリストを表示するディスプレイと、前記ディスプレイに表示された前記ポリシーリストから前記多機能周辺機器の構成ポリシーを選択入力する入力手段と、前記入力手段により選択入力されたポリシーが、追加型ポリシーか、又は単一タイプポリシーかを識別する識別手段と、を具備する。前記処理手段は、前記識別手段により前記追加型ポリシーと識別した場合、前記多機能周辺機器の追加型ポリシーデータを前記記憶手段に記憶して追加し、前記識別手段により前記単一タイプポリシーと識別した場合、前記多機能周辺機器の構成ポリシーの追加を拒否する
【0008】
様々な実施形態は、以下の説明、添付の特許請求の範囲および添付図面を介し、より良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】ポリシー設定および更新システムの例示的な実施形態を示す図である。
図2】文書描画システムの例示的な実施形態を示す図である。
図3】ポリシーの実装を達成するための操作の例示的な実施形態を示すフローチャートである。
図4】ポリシー追加のためのユーザインターフェース画面の例示的な実施形態を示す図である。
図5】ポリシー選択のためのユーザインターフェース画面の例示的な実施形態を示す図である。
図6】追加ポリシーのリストを提示するためのユーザインターフェースの例示的な実施形態を示す図である。
図7】デバイスからポリシーを選択的に除去するためのユーザインターフェースの例示的な実施形態を示す図である。
図8】グループポリシーの削除を選択するためのユーザインターフェースの例示的な実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態としてのシステムおよび方法を、図面を参照して詳細に説明する。本出願において、開示され、説明された実施例、配置、構成、構成部分、要素、装置、デバイス、デバイスに関する方法、システムなどへの変更は、適切に実現することができ、特定の用途に望ましいように変更可能である。この開示中、特定の技術、配置などを特定しているが、これは、例として挙げたものである。または、そのような技術、配置などの一般的な説明にすぎない。特定の詳細な記述、または実施例は、特定する意図ではなく、特に明記されていない限り、必須ということでも、限定されるべきものであると解釈されるべきではない。
【0011】
本実施形態で着目したポリシーという概念は、ネットワーク分野において、既に定着したものである。一般的に、ポリシーとは、規則、規約、またはルールという意味であり、ネットワーク管理で確立されたものであるが、昨今は、このポリシーというが急速に広がり、周辺機器端末の管理にも導入しようというものである。
【0012】
上述したように、MFPのポリシーに基づく制御は、柔軟で強力な装置設定の選択枝を提供する。現行のMFPデバイスは、組み込みソフトウェアおよびユーザインターフェースを備えており、これらにより、管理者またはサービス技術者がMFPデバイスの設定を行うことが可能となっている。これらMFPデバイスを遠隔、モニター管理等するツールが開発されており、例えば、e-Bridge Cloud Connect(eCC)というツールが存在する。このようなツールを使用することにより、デバイスの設定、さらにシステムの監視と制御がポリシーを介して完了する。ポリシーの作成は、設定とルールを手動で入力することにより、実現される。
【0013】
ここで、eCCアプリケーションに基づくデバイスポリシー(デバイス設定ファイル)の設定について説明する。なお、eCCアプリケーションについては、米国公開公報2018/0115666A1にも、その一例が開示されている。
【0014】
eCCアプリケーションを使用したデバイスの構成設定は、デバイスポリシーを設定することで完了する。ポリシーは、多数の属性を確立する為に使用される。これらの属性により、MFPまたは多数のMFPを監視し、その構成を設定する。ポリシーは、カテゴリに分類され、ポリシーの設定を直感的に行うためのテンプレートが用意されている。
【0015】
本実施形態のポリシーは、以下のカテゴリに分類される。
・ファームウェアアップデート
・デバイスエラー処理
・バックアップ
・バックアップ
・カスタム設定
・その他のポリシーカテゴリ
【0016】
それぞれのポリシーには、ドラフト版のポリシーと、発行済ポリシーとがある。ドラフト版ポリシーは、ユーザーからは見えず、利用することも出来ない。管理者は、ドラフト版としてポリシーを設定する。その後、ポリシーの機能をテストし、確認した後、発行することにより、ユーザーが使用できるようになる。この発行済ポリシーは、例えば、5個のフィールドを有する。これらフィールドは、(1)「ポリシー名」、(2)「カテゴリー」、(3)「アクション」、(4)「アップデート」、(5)「説明」、である。
「ポリシー名」は、テキストで記述される。上記のファームウエアアップデート等である。本実施形態では、「カテゴリー」は、システム上、ポップアップで、所定のものが複数表示され、ユーザーが選択できるようになっている(Menu Optionと呼ぶ)。ここでは、上記したように、ファームウェアアップデート、デバイスエラー処理、バックアップ、デバイス通信、カスタム設定、その他のポリシーカテゴリのいずれかを選択する。
【0017】
「アクション」は、Menu Optionで、システムから以下の候補が表示されるので、ユーザーが選択を行う。
・違反の表示=デバイスの状態として、「違反」を表示する。
・自動確定=ポリシーの設定内容を実行する。
・リブート=デバイスエラー状態が発生すると、アクション(リブート)を実行する。エラーが解除されるまで、リブートを継続する。
【0018】
次に「アップデート」は、Menu Optionで、システムから以下の候補が表示されるので、ユーザーが選択を行う。
・「デバイス通信のみの後」の場合、次回の通信サイクルの後、アップデートをおこなう。
・「デバイス通信又はリブートの後」の場合、次回のリブート又は次回の通信サイクルが完了した後(どちらか早い方が完了した後)、アップデートをおこなう。
ただし、多機能周辺機器の状態に依存して、上記の動作をポリシーの設定に沿って、実行する。
【0019】
次に「説明」のフィールドでは、ポリシーに関する関連情報が入力される。
「ファームウエアアップデート」ポリシーとは、多機能周辺機器に対し、ファームウエアパッケージのダウンロード及びその更新を指示するものである。この実施形態では、周辺機器端末と管理端末との間の標準的な交信タイミングを設定している。通常では、多機能端末の使用頻度の低い深夜に交信をおこなうよう設定されている。この交信にて、ポリシーを用いて、ファームウエアアップデートを行う。
「ファームウエアアップデート」ポリシーの内容について、簡単に説明する。ポリシーの形式はテンプレート化されており、上記したように、(1)「ポリシー名」、(2)「カテゴリー」、(3)「アクション」、(4)「アップデート」、(5)「説明」のフィールドを有している。
【0020】
作成の際には、まず、(1)「ポリシー名」に、管理者が、自社のルールに基づいて、名称を入力する。次に、「カテゴリー」にて、プダウンメニューにて、「ファームウエアアップデート」を選択する。「アクション」として、自動確定を選択する。自動確定を選択することにより、ポリシー違反が発生した場合、アップデートパッケージを生成することになる。本ポリシーでは、「アップデート」のフィールドではなく、「セッティング」というフィードルが設けられている。「セッティング」では、2つの選択肢があり、一つは、「予めシステム内に保管されたファームウアを利用する」と言う選択である。
【0021】
これを選択すると、システムにて必要なファイルを表示する。これを確認して選択すると、所定の時間にアップデートが実行される。もう一つが、ファームウアを手動入力するという選択肢である。これを選択すると、ファームウアの更新ファイルの保管場所を、ユーザー(管理者)が特定入力する。これにより、所定のプロセスを経て、ファームウアが更新される。
【0022】
リブート=デバイスエラー状態が発生すると、アクション(リブート)を実行する。エラーが解除されるまで、リブートを継続する。
デバイスエラー処理ポリシーは、多機能端末をモニターし、特定のエラーコードの有無をチェックする。特定のエラーコードが管理者端末、例えば、上記したeCCに送付された場合、これをポリシー違反として扱う。
「バックアップ」ポリシーは、デフォルトで、eCCは、過去7の端末機器から送付されたバックアップファイルを保存している。バックアップポリシーとしては、データの記憶に関する条件を定めている。
デバイス通信ポリシーでは、交信サイクルを変更指示する。この実施形態では、デフォルトでは、多機能周辺機器は、1日に1回eCCと交信する。
【0023】
「カスタムポリシー」は、デバイスのコードが、特定値に設定されているか否かをチェックするものである。例えば、黒のトナーレベルをモニターする場合を例に取り、概要を説明する。テンプレートでは、3つのフィールドが用意されている。第1のフィールドに、例えば、ポリシーでモニターする対象のコードを特定する。第2のフィールドにポリシーがモニターする条件を特定する。第3のフィールドにポリシーがモニターする値を特定する。黒のトナーを例にすると、第1のフィールドに対応し、黒トナーの量を対応つける。第3のフィールドに、15%という値を対応つける。第2のフィールドの条件として、「第1のフィールドの値(実機にて検出された黒トナーの量)が、第3のフィールドの値(15%)以上(等しいか、それより大きい)ること」という内容を対応つける。
これにより、ポリシーの内容と実機の状態とが一致しない場合、すなわち、黒トナーの量が15%を切ると、ポリシー違反となり、警告が発せられる。
【0024】
各MFPの実行データは、そのポリシーの設定内容と比較される。ポリシーには、着信データのパラメータ(ルール)のリストと、そのデータに基づいて実行する機能およびアクションが含まれる。着信データがポリシーのルールのパラメータの外にある場合は、ポリシー違反となる。ポリシー違反が発生すると、管理者用デバイスからMFPに対して警告が通知される。警告により、以下のようなポリシーアクションが開始される。
a.違反は、eCCポータルのデバイスページに表示される。
b.アクションを引き起こすようにポリシーが作成された場合、システムはこれらのアクションを実行する。
【0025】
通信シーケンスは、ポリシーによって設定可能であり、例えば、営業外時間帯に動作するように、設定可能である。一例として、ポリシーは、毎月1日に次のシーケンスを発生するように、更に指示することも可能である。
・登録
・アップデートの確認
・アップデートをダウンロードする(存在しない場合はスキップする)
・更新を実行する(存在しない場合はスキップする)
・更新されたデータセットを送信する
【0026】
警告が発生した場合、MFPポリシーは、例えば、ほぼリアルタイムで管理者用デバイスのクラウドサーバへの通信を開始することができる。MFPポリシーは、MFPに以下を送信するように指示することができる。
・MFP識別(セキュリティトークン)
・エラーコード
・警告の簡単な説明
・更新されたデータセットの送信
【0027】
各ポリシーカテゴリ内で、一連のルールまたは設定を定義することにより、ポリシーが作成される。デバイスに適用されると、ポリシー設定が適用され、指定された値または条件に達するとイベントが提起される。実装に関する懸案事項の1つは、ポリシーオブジェクトが単一のポリシーまたは多数のポリシーを含むポリシーのグループのいずれかであるときに、1つのポリシーオブジェクトのみをデバイスに適用するケースである。現在のシステムでは、既存のポリシーを置き換えずに、ポリシーをデバイスに追加できるようにすることは、困難である。
【0028】
そこで本実施形態では、デバイスまたはサービスクラウドが、適用された既存のポリシーを削除または置換する必要なく、選択された個別のポリシーをデバイス群に追加または削除することを可能にする実施形態を示す。
これにより、サービス技術者は、デバイスの設定が可能となり、もって、単一または複数のデバイスに対し、個々のポリシーを適用し、かつ、削除することが可能となり、現行のポリシー設定を破壊することなく、デバイスを監視する一時的な方法を実現できる。追加型ポリシーという概念により、ユーザは、既存のポリシーを持つデバイスにポリシーを追加できる。その際、必ずしも既存のポリシーを削除する必要はない、同様に、ユーザは、ポリシーセット全体を削除することなく、個々のポリシーを削除できる。
【0029】
図1は、1つまたは複数のMFPのポリシー設定および更新システム100の例示的な実施形態を示す。図1は、多機能周辺機器(デバイス)は物理的な表現を行っているが、データの論理的な流れを示している。ここで、MFPとしては、図1では、MFP104が例示されている。MFP104からのデバイスデータは、クラウドサーバから適宜構成された管理者用デバイス136と連携して動作するデータ記憶装置108から利用可能となる。管理者用デバイス136は、機能的に、MFP104の内部に組み込まれても良い。
【0030】
プロセッサ120は、ブロック112において、データ記憶装置108に格納されるデバイスデータを監視している。デバイスデータに違反が発生している場合、ブロック112で警告116を生成する。アラート(警告)116は、自動化されたポリシーの制御124または手動制御128に従って、適切にはクラウドサービスを介して管理者用デバイス136によってリモートコントロール132によって処理される。自動化されたポリシーベースの制御124は、サービス技術者140の装置148(例えば、携帯端末)、またはMFPインターフェース152によってアクセスされるウェブインターフェース144又はデバイスアップデートインターフェース156を介して、サービス技術者140に適切に指示される。
【0031】
ポリシー設定および更新システム100のデータ記憶装置108には、複数の多機能周辺機器(MFP)の構成ポリシーの各々のためのポリシーデータが格納される。管理者用デバイス136のディスプレイには、多機能周辺機器の構成ポリシーの選択可能リストに対応するポリシーリストが表示される。管理者用デバイス136の入力手段によって、ディスプレイに表示されたポリシーリストから選択された多機能周辺機器の構成ポリシーのユーザ選択が入力される。
【0032】
そして、プロセッサ120は、選択された多機能周辺機器の構成ポリシーをテストするように構成され、選択された多機能周辺機器の構成ポリシーを単一タイプポリシーとして識別できるか否かを判定する。そして、選択された多機能周辺機器の構成ポリシーが単一タイプポリシーとして識別されない場合、選択された多機能周辺機器の構成ポリシーを多機能周辺機器に追加する。一方、選択された多機能周辺機器の構成ポリシーが単一タイプポリシーである場合は、当該ポリシーがMFPのデバイス上に既に存在するかどうかを判定する。存在しない場合は、新しいポリシーとして追加される。存在する場合は、既存のポリシーが上書きされることを望むかどうかを決定するように促され、ユーザが上書きを希望する場合、既存のポリシーは置換される。ユーザが希望しない場合は、新しいポリシーは拒否される。
【0033】
ここで図2を参照すると、図1のMFP104などのMFP内に適切に含まれる文書描画システム200の例示的な実施形態が示されている。コントローラ201には、プロセッサ202によって示されるような1つまたは複数のプロセッサが、コントローラ201内に存在している。プロセッサ202を含む各プロセッサは、データバス212を介してROM204のような不揮発性メモリと、ランダムアクセスメモリ(RAM)206に適切に関連付けられる。
【0034】
プロセッサ202はまた、ストレージ・インターフェース(I/F)208とデータ通信しており、ストレージ216に対して、データの読み取り、書き込みを行っている。ストレージ216は、ハードディスク、光ディスク、ソリッド・ステートディスク、クラウドベースのストレージ、または当業者には理解されるような他の適切なデータストレージであってもよい。
【0035】
プロセッサ202はまた、ネットワークインターフェース(I/F)210とデータ通信を行う。ネットワークインターフェース210は、ネットワークインタフェースコントローラ(NIC)214へのインターフェースを提供し、これにより、任意の適切な有線または物理ネットワーク接続220へのデータパス、または無線ネットワークインターフェース218を介して、無線データ接続を実現している。無線接続の例としては、セルラ、Wi-Fi、ブルートゥース、NFC、無線ユニバーサルシリアルバス(無線USB)、衛星通信などが含まれる。有線インターフェースの例には、イーサネット(登録商標)、USB、IEEE1394(Fire Wire)、ライトニング、電話回線などが含まれる。
【0036】
プロセッサ202はまた、単一または複数のセンサ219とデータ通信しており、これらのセンサ219は、デバイスの状態や関連する環境に関するデータを提供する。データとしては、例示すると、デバイスの温度、周囲温度、湿度、デバイスの動作などがある。
【0037】
プロセッサ202はまた、意の適切なユーザ入力/出力(I/O)インターフェース(I/F)221とデータ通信することができる。このユーザインターフェース221により、ディスプレイ、キーボード、マウス、トラックボール、タッチスクリーンなどのユーザ周辺機器とのデータ通信が可能となっている。
ドキュメントプロセッサーインターフェース(I/F)222は、データバス212を介して、データ通信可能となっており、当該インターフェース222は、MFPの機能ユニット250とデータ通信を行う。
【0038】
図2に示された例では、これらの機能ユニット250は、コピーハードウェア240、スキャンハードウェア242、プリントハードウェア244、およびファックスハードウェア246を含み、これらは連携して、MFPの機能ハードウェアを構成している。機能ユニット250は、任意の適切なハードウェアまたはソフトウェアプラットフォームを含むインテリジェントユニットから適切に構成されることは、周知の通りである。
【0039】
ユーザインターフェース221のハードウェアモニタ(表示パネル)は、好適には、適切な監視システムと連携して、デバイスのイベントデータを提供する。更なる例として、監視システムは、ページカウンタ、センサ出力を含む。センサの例としては、消費可能レベルセンサ、温度センサ、電力品質センサ、デバイスエラーセンサ、ドア開放センサなどが挙げられる。データは、図2のストレージ216などの1つまたは複数のデバイスに適切に格納される。コントローラ201には、埋め込み型ウェブサーバシステムが搭載されている。このシステムは、デバイスの構成及び管理の為に機能する。ウェブインターフェースの例としては、東芝テック社(Toshiba TEC Corporation)から入手可能なTOP ACCESSコントローラで構成されている。
【0040】
次に、図3のフローチャートを参照して、実施形態の動作の一例を説明する。
この動作は、ポリシーの実装を行う為の好適な例を示す。ここでのポリシーは、実際には、単数でも複数でも良い。ここでのプロセスは、ブロック304で開始される。ユーザ、例えば、管理者用デバイス136の管理者またはサービス技術者140(以下では、単にユーザと表現することがある)は、管理者用デバイス136またはユーザインターフェース221の表示パネルを用いて、ブロック308にて、適用するポリシーを選択する。ポリシーは、以下でさらに詳細に説明するように、デバイスディスプレイ上で選択可能なフォーマットで適切にリスト化される。ユーザによりポリシーが選択されると、次に、ブロック312で検査され、それが単一タイプのポリシーであるかどうかが判定される。
【0041】
単一でない場合、ポリシーは追加型ポリシーであり、ブロック316でMFP構成に追加することができる。追加されたポリシーは、データ記憶装置108に格納され、ウェブインターフェース144又はデバイスアップデートインターフェース156を介してMFPへ反映される。
【0042】
一方、ポリシーが単一タイプポリシーである場合(ブロック312のYes)、ブロック320でテストが行われ、デバイス上に既に存在するかどうかを判定する。存在しない場合(ブロック320のNo)、上記ブロック316において新しいポリシーとして追加される。追加されたポリシーは、データ記憶装置108に格納され、ウェブインターフェース144又はデバイスアップデートインターフェース156を介してMFPへ反映される。
【0043】
デバイス上に既に存在する場合(ブロック320のYes)、ユーザは、ブロック324において、既存のポリシーが上書きされることを望むかどうかを決定するように促される。ユーザが上書きを希望する場合(ブロック324のYes)、既存のポリシーは、ブロック332で置換(既存のポリシーに上書き)される。ユーザが希望しない場合(ブロック324のNo)、新しいポリシーはブロック328で拒否される。置換されたポリシーは、データ記憶装置108に格納され、ウェブインターフェース144又はデバイスアップデートインターフェース156を介してMFPへ反映される。
【0044】
図4は、ポリシー追加のためのユーザインターフェース画面400の例示的な実施形態を示す。
ボックス404をユーザが選択すると、既存のポリシーが新しいポリシーに置き換えられることを、指示することになる。即ち、既存のデバイスのポリシーのリスト408がユーザインターフェース画面上400に生成される。ファームウェア更新ポリシー412、バックアップポリシー416、および通信ポリシー420は、単一タイプのポリシーであり、これが選択された場合、「既存の対応するポリシーはすべて上書きされる」と警告される。一方、カスタムポリシー424、デバイスエラー処理ポリシー428、および部門カウンタポリシー432は、追加的であり、これらが選択された場合、既存のポリシーを置換することなく追加することができる。
【0045】
図4の部門カウンターポリシー432は、デバイスまたは、プロセッサー120に対し、最新のユーザー部門(例えば、A社の営業部門)のデバイス利用カウンターの情報を、特定のメールアドレスに送信するよう、指示するものである。ここでも、「セッティング」として、誰に、何時、カウンター情報を送信するかを特定する。
【0046】
図5は、ユーザインターフェース画面500の例示的な実施形態を示す。この図では、以下の事項を選択できることを示している。この例で追加されるポリシーは、ファームウェア更新ポリシー504、デバイス通信ポリシー508、カスタムポリシー512,516、および省エネルギーポリシー520である。
【0047】
ユーザは、ボックス524が選択された場合、既存のデバイスポリシーを置換することが出来る。例えば、ファームウェア更新ポリシー504は、単一タイプのポリシーであって、ボックス524が選択された場合に、当該ポリシーは「FW Updatee W EISS2151」に置換される。ボックス524が選択されない場合には、破棄される。一方、カスタムポリシー512,516は追加ポリシーである。ユーザは、これらのポリシー512,516に対しては「追加」すべきか、または「削除」すべきかどうかを選択することができる。これらポリシー512,516が選択された場合、追加ポリシーまたは複数ポリシーに対し、複数のポリシー追加が可能となる。
【0048】
図6は、ユーザインターフェース600に関する実施形態を示している。このユーザインターフェース600は、様々な顧客608のための類似し、管理された装置604の追加ポリシーのリストを示している。図示の例では、ポリシー612をユーザが選択すると、「Arch Health Partners」の顧客に関連したデバイスに、トナー残量警告ポリシー「Toner Near Empty ALL TSB_CANV」を提供する。
【0049】
図7は、ユーザインターフェース700の例示的な実施形態を示す。このユーザインターフェース700は、デバイスからポリシーを選択的に除去するためのものである。
図8は、ユーザインターフェース800の例示的な実施形態を示す。このユーザインターフェース800は、グループポリシーの削除を選択するためのものである。
【0050】
特定の実施形態を説明してきたが、これらの実施形態は単なる例示として提示されたものであり、本発明の範囲を限定するものではない。実際に、本明細書に記載の新規な実施形態は、様々な他の形態で実施することができる。さらに、本発明の趣旨を逸脱することなく、本明細書に記載された実施形態の形態における様々な省略、置換、および変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物は、本発明の趣旨および範囲内にあるようなそのような形態または改変を包含するように意図されている。
【符号の説明】
【0051】
100…ポリシー設定および更新システム
104…MFP
108…データ記憶装置
112…データモニター
120…プロセッサ
124…自動化ポリシー制御
128…手動ポリシー制御
132…リモートコントロール
144…ウェブインターフェース
148…サービス技術者装置
152…MFPインターフェース
200…文書描画システム
201…コントローラ
250…機能ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8