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特許7193954支援システム、支援方法および支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】支援システム、支援方法および支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20221214BHJP
【FI】
G06Q50/20
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018160651
(22)【出願日】2018-08-29
(65)【公開番号】P2020035153
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】598057291
【氏名又は名称】株式会社富士通エフサス
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 雅文
(72)【発明者】
【氏名】大石 岬
(72)【発明者】
【氏名】西田 直人
(72)【発明者】
【氏名】大塚 秀治
(72)【発明者】
【氏名】矢野 孝三
(72)【発明者】
【氏名】山野 大偉治
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-110405(JP,A)
【文献】特開2014-092938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の敷地内に設置される複数のアクセスポイントにおけるユーザのアクセス履歴と、前記ユーザが所定の活動に参加したか否かを示す活動履歴であって、前記ユーザが前記所定の活動を行う場合にアクセスしたアクセスポイントの情報を含む前記活動履歴と、を参照し、前記活動履歴のアクセスポイントと前記アクセス履歴のアクセスポイントとの一致度が所定のレベルに達していないユーザを抽出する抽出部と、
前記複数のアクセスポイントにおいて実行中のアクセスの中から、前記抽出部が抽出したユーザのアクセスを検知する検知部と、
前記検知部が検知したアクセスに対応するアラートを出力する出力制御部と、
を備える支援システム。
【請求項2】
前記抽出部は、所定期間にわたって前記複数のアクセスポイントのいずれにもアクセスしていないユーザを抽出する、請求項1に記載の支援システム。
【請求項3】
前記検知部は、前記抽出部が抽出したユーザの現在地を検知し、
前記出力制御部は、前記検知部が検知した現在地を含むアラートを出力する、請求項1または2に記載の支援システム。
【請求項4】
前記検知部は、前記抽出部が抽出したユーザがアクセスするアクセスポイントの変化を検知し、
前記出力制御部は、変化後のアクセスポイントを含むアラートを出力する、請求項1からのいずれか1項に記載の支援システム。
【請求項5】
前記出力制御部は、前記複数のアクセスポイントと、前記複数のアクセスポイントにアクセス中のユーザと、を対応づけて表示し、前記検知部が検知したユーザを強調表示する、請求項1からのいずれか1項に記載の支援システム。
【請求項6】
前記出力制御部は、表示中のユーザに対する操作を検知すると、当該ユーザの詳細情報をさらに表示する、請求項に記載の支援システム。
【請求項7】
コンピュータに、
所定の敷地内に設置される複数のアクセスポイントにおけるユーザのアクセス履歴と、前記ユーザが所定の活動に参加したか否かを示す活動履歴であって、前記ユーザが前記所定の活動を行う場合にアクセスしたアクセスポイントの情報を含む前記活動履歴と、を参照し、前記活動履歴のアクセスポイントと前記アクセス履歴のアクセスポイントとの一致度が所定のレベルに達していないユーザを抽出させ、
前記複数のアクセスポイントにおいて実行中のアクセスの中から、抽出したユーザのアクセスを検知させ、
検知したアクセスに対応するアラートを出力させる、
ことを含む各処理を実行させる支援方法。
【請求項8】
所定の敷地内に設置される複数のアクセスポイントにおけるユーザのアクセス履歴と、前記ユーザが所定の活動に参加したか否かを示す活動履歴であって、前記ユーザが前記所定の活動を行う場合にアクセスしたアクセスポイントの情報を含む前記活動履歴と、を参照し、前記活動履歴のアクセスポイントと前記アクセス履歴のアクセスポイントとの一致度が所定のレベルに達していないユーザを抽出させ、
前記複数のアクセスポイントにおいて実行中のアクセスの中から、抽出したユーザのアクセスを検知させ、
検知したアクセスに対応するアラートを出力させる、
各手順を含む処理をコンピュータに実行させる支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支援システム、支援方法および支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
学生の学習支援を行うシステムが知られている。たとえば、生徒の出欠および遅刻の情報に基づき、ケア対象生徒を検出し、ケア対象生徒に対してケア対応処理を行うシステムが提案されている(特許文献1)。また、教育用ポイントカードを使用して生徒の成績などを向上させるためのポイント管理装置が提案されている(特許文献2)。また、学校施設内への不審者の侵入防止を図り、児童、生徒等の学校関係者の安全性の強化を図る学校管理システムが提案されている(特許文献3)。また、無線タグ付名札を所持した確認対象者の所在を確認する地域防犯システムが提案されている(特許文献4)。また、生徒の登下校状態を確実に管理可能な登下校管理システムが提案されている(特許文献5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-149840号公報
【文献】特開2005-202514号公報
【文献】特開2005-242560号公報
【文献】特開2007-042009号公報
【文献】特開2008-59395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一つの側面では、ユーザを支援する支援システム、支援方法および支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の案では、支援システムは、抽出部と、検知部と、出力制御部と、を備える。抽出部は、所定の敷地内に設置される複数のアクセスポイントにおけるユーザのアクセス履歴を参照し、所定の条件を満足するユーザを抽出する。検知部は、複数のアクセスポイントにおいて実行中のアクセスの中から、抽出部が抽出したユーザのアクセスを検知する。出力制御部は、検知部が検知したアクセスに対応するアラートを出力する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の1実施形態によれば、ユーザを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態に係る支援システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る支援システムに記憶されるアクセス情報の構成の一例を示す図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る支援システムに記憶されるユーザ情報の構成の一例を示す図である。
図4A図4Aは、第1の実施形態に係る支援システムに記憶される活動情報の構成の一例を示す図である。
図4B図4Bは、第1の実施形態に係る支援システムに記憶される活動情報の構成の一例を示す他の図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る支援システムに記憶される活動履歴情報の構成の一例を示す図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る支援処理の大まかな流れの一例を示すフローチャートである。
図7図7は、第1の実施形態に係る支援システムにおける抽出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8図8は、第1の実施形態に係る支援システムにおける検知処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9図9は、第1の実施形態に係る支援システムにおける表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10図10は、第1の実施形態に係る支援システムにおけるアラート処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11図11は、第1の実施形態に係る支援システムにおいて表示される表示画面の一例を示す図である。
図12図12は、第1の実施形態に係る支援システムにおいてユーザ端末に表示されるアラート画面の一例を示す図である。
図13図13は、実施形態に係る支援プログラムを実行するコンピュータの一例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、開示する支援システム、支援方法および支援プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態により発明が限定されるものではない。
【0009】
[第1の実施形態に係る支援システムの概要]
図1は、第1の実施形態に係る支援システム1の構成の一例を示す図である。支援システム1は、サーバ10と、所定の敷地内に設置される複数のアクセスポイントAP1乃至APn(nは4以上の自然数)と、を備える。
【0010】
サーバ10は、支援システム1の管理下にある所定の敷地内の施設等を利用するユーザが敷地内で行う活動から脱落することを防止し、ユーザを支援するための処理を実行する情報処理装置である。サーバ10は、ネットワークNWを介してアクセスポイントAP1乃至APnと通信可能に接続される。
【0011】
アクセスポイントAP1乃至APnは、ユーザ端末UTと無線通信接続することにより、ユーザ端末UTをネットワークNWにアクセスさせる。以下、特に区別する必要がないときは、アクセスポイントAP1乃至APnを総称的にアクセスポイントAPと呼ぶ。アクセスポイントAPは、ユーザ端末UTから送信されるアクセス要求に応じてユーザ端末UTを認証する。アクセスポイントAPは、認証に成功したユーザ端末UTをネットワークNWにアクセスさせる。アクセスポイントAPは、ユーザ端末UTの認証の際に、当該ユーザ端末UTを使用するユーザを一意に識別する情報を取得する。ユーザを一意に識別する情報とはたとえばユーザID(Identifier)や端末IDである。アクセスポイントAPにより取得されたユーザIDや端末IDは、当該ユーザの無線接続確立日時および無線接続切断日時とともに、サーバ10に送信されサーバ10内に格納される(アクセス情報、図2参照)。
【0012】
アクセスポイントAP1乃至APnはそれぞれ、所定の区域内に存在するユーザ端末UTとのみ無線接続を確立することができる。たとえば、図1の例では、アクセスポイントAP1はエリア1内のユーザ端末UTとの間で無線接続を確立することができる。また、アクセスポイントAP2,AP3はそれぞれエリア2,3内のユーザ端末UTとの間で無線接続を確立することができる。また、アクセスポイントAPnはエリアn内のユーザ端末UTとの間で無線接続を確立することができる。ユーザ端末UTがエリア間を移動すると、無線接続するアクセスポイントAPも変化する。なお、図1の例では、4つのアクセスポイントAP1乃至APnを図示するが、アクセスポイントAPの数は特に限定されない。本実施形態を実現する敷地の大きさや敷地内の建物の構造に応じて任意の数のアクセスポイントAPを設置することができる。
【0013】
ユーザ端末UTは、所定の敷地内の施設等を利用するユーザの情報処理端末である。ユーザ端末UTの種類は特に限定されない。ユーザ端末UTはWi-Fi(登録商標)等の無線接続または有線LANを利用して通信を実行できる情報処理端末であればよい。ユーザ端末UTはたとえば、スマートフォン等のユーザが携帯可能な端末またはパソコン教室等に設置される固定端末である。携帯可能なユーザ端末UTは、所定の敷地内に入ると自動的に最も近いアクセスポイントAPとの間で認証処理を実行しネットワークNWへの無線接続を開始する。同様に、固定端末もログインによりアクセスポイントAPを経由してネットワークNWに接続を行う。なお、ネットワークNWに無線接続するための処理は特に限定されない。接続確立時に、ユーザ端末UTのユーザを識別する情報がアクセスポイントAPによって取得される限り、任意の接続処理を採用することができる。
【0014】
ネットワークNWは、サーバ10とアクセスポイントAP1乃至APnとの間の通信を実現する情報処理網である。ネットワークNWはまた、アクセスポイントAP1乃至APnを介したユーザ端末UTによる通信を実現する。ネットワークNWはたとえば、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワークまたはそれらの組み合わせであってよい。また、ネットワークNWは、有線ネットワーク、無線ネットワークまたはそれらの組み合わせであってよい。ネットワークNWはたとえば、所定の敷地内で使用されるLANを含む。
【0015】
[サーバ10の構成の一例]
サーバ10は、記憶部110、制御部120、通信部130、入力部140、および出力部150を備える。
【0016】
記憶部110は、サーバ10における処理に使用される情報および処理の結果生成される情報を記憶する。記憶部110はたとえば、半導体メモリ素子や記憶装置である。半導体メモリ素子としては、VRAM(Video Random Access Memory)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ(flash memory)などが挙げられる。また、記憶装置としては、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置が挙げられる。記憶部110に記憶される情報については後述する。
【0017】
制御部120は、サーバ10の動作および機能を制御する。制御部120としてたとえば、各種の集積回路や電子回路を採用できる。また、制御部120に含まれる機能部の一部を別の集積回路や電子回路とすることもできる。例えば、集積回路としては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)が挙げられる。また、電子回路としては、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などが挙げられる。制御部120の機能および構成については後述する。
【0018】
通信部130は、ネットワークNWを介した他の装置等との通信を実現する機能部である。通信部130はたとえば、ルータ、スイッチ、モデム、ポート等を含む。
【0019】
入力部140は、サーバ10への外部からの情報の入力を実現する機能部である。入力部140はたとえば、キーボード、マウス、タッチパネル、マイクロフォンおよびそれらの周辺回路等を含む。
【0020】
出力部150は、サーバ10から外部への情報の出力を実現する機能部である。出力部150はたとえば、モニタ、スクリーン、スピーカ、プリンタおよびそれらの周辺回路等を含む。
【0021】
[記憶部110に記憶される情報の一例]
記憶部110は、アクセス記憶部111、ユーザ記憶部112および活動記憶部113を有する。
【0022】
(アクセス情報)
アクセス記憶部111は、アクセス情報を記憶する。アクセス情報は、アクセスポイントAP1乃至APnにおけるユーザ端末UTのアクセスの情報である。たとえば、アクセス情報は、アクセスポイントAP1乃至APnの各々にアクセスしたユーザ端末UTから取得されたユーザID、アクセスの開始日時すなわち通信の接続日時、アクセスの終了日時すなわち通信の切断日時を含む。また、アクセス情報は、アクセスポイントAP1乃至APnのいずれにおいてアクセスがあったかを示す情報を含む。アクセスポイントAP1乃至APnがそれぞれ所定の部屋や建物の階を通信可能範囲としている場合、アクセスポイントAPを識別する情報に対応付けて、部屋番号、建物名、階数等をアクセス情報に含めてもよい。
【0023】
図2は、第1の実施形態に係る支援システム1に記憶されるアクセス情報の構成の一例を示す図である。図2に示すアクセス情報は、「AP ID」、「APエリア名」、「接続時刻」、「切断時刻」、「端末ID」を含む。「AP ID」は、アクセスポイントAPを一意に識別するための情報である。「APエリア名」は、アクセスポイントAPに対応するエリアの名称である。たとえば、「APエリア名」として教室の番号である「101教室」や食堂を特定する「第1食堂」等の情報が記憶される。「接続時刻」は、当該APエリア名に対応するアクセスポイントAPにユーザ端末UTが接続した時刻である。「切断時刻」は、当該APエリア名に対応するアクセスポイントAPにおいてユーザ端末UTが通信を切断した時刻である。また、「端末ID」は当該APエリア名に対応するアクセスポイントAPに接続したユーザ端末UTを一意に識別する情報である。図2の例では、端末IDに基づきユーザを特定するが、アクセスポイントAPは端末IDに代えてユーザを特定する他の情報を取得しアクセス情報として記憶するように構成してもよい。
【0024】
図2の例では、「AP ID、AP101」に対応付けて、「APエリア名、101教室」、「接続時刻、20180707083456」、「切断時刻、20180707103745」、「ユーザID、890-JKJKGGH-231」が記憶される。これは、AP ID「AP101」で特定されるアクセスポイントAPに対応するエリアは、APエリア名「101教室」であることを示す。また、AP ID「AP101」で特定されるアクセスポイントAPには、2018年7月7日8時34分56秒に端末ID「890-JKJKGGH-231」で特定されるユーザ端末UTによる接続があったことを示す。また、当該ユーザ端末UTは、AP ID「AP101」で特定されるアクセスポイントAPを用いた通信を、2018年7月7日10時37分45秒に切断したことを示す。
【0025】
なお、図2に示すようにアクセス情報は、各アクセスポイントAPに対応付けて過去のアクセス情報から現在のアクセス情報までがアクセス履歴として記憶される。
【0026】
(ユーザ情報)
ユーザ記憶部112はユーザ情報を記憶する。ユーザ情報は、支援システム1の管理下の敷地内で活動するユーザの情報である。支援システム1が大学で利用される場合、ユーザは学生である。なお、ユーザとして教師や学内で働く人員を記憶してもよい。
【0027】
図3は、第1の実施形態に係る支援システム1に記憶されるユーザ情報の構成の一例を示す図である。ユーザ情報は、各ユーザを一意に特定することができる識別子と、アクセスポイントAPの認証処理により取得できる情報(図2の例では端末ID)と、を含む。
【0028】
ユーザを一意に特定できる識別子とはたとえば、ユーザID、学生番号、メールアドレス、端末IDなどである。アクセスポイントAPの認証処理により取得できる情報とは、たとえば、予め定められたユーザの認証用ID、端末IDなどである。
【0029】
図3の例では、ユーザ情報は、「学生番号」、「氏名」、「学年」、「学部」、「端末ID」、「メールアドレス」、「担当者」、「フラグ」を含む。「学生番号」は、各ユーザに付与されユーザを一意に特定する番号である。「氏名」は、対応する学生番号により特定されるユーザの氏名である。「学年」は、対応する学生番号により特定されるユーザの学年である。「学部」は、対応する学生番号により特定されるユーザが所属する学部である。「端末ID」は、対応する学生番号により特定されるユーザが使用しているユーザ端末UTを一意に特定する情報である。「メールアドレス」は、対応する学生番号により特定されるユーザが連絡先として登録しているメールアドレスである。「担当者」は、対応する学生番号により特定されるユーザの支援を行う担当者と当該担当者の連絡先である。「フラグ」は、対応する学生番号により特定されるユーザは支援が必要なユーザに指定されているか否かを示す標識である。
【0030】
たとえば、図3の例では、「学生番号、2018001」に対応付けて、「氏名、浅田哲也」、「学年、1」、「学部、経済」、「端末ID、994-FAAANQZ-001」、「メールアドレス、t.asada@ezwev.ne.jp」が記憶される。また、「学生番号、2018001」に対応付けて、「担当者、山田花子、hanachan@efef.ne.jp」、「フラグ、NA」が記憶される。これは、学生番号「2018001」で特定されるユーザ(学生)の氏名は「浅田哲也」であり、経済学部の1年生であることを示す。また、ユーザ「浅田哲也」が使用しているユーザ端末UTは、端末ID「994-FAAANQZ-001」で特定されることを示す。また、ユーザ「浅田哲也」が使用しているメールアドレスは、「t.asada@ezwev.ne.jp」であることを示す。また、ユーザ「浅田哲也」の支援を行う担当者は「山田花子」であり、山田花子の連絡先としてメールアドレス「hanachan@efef.ne.jp」が登録されていることを示す。また、ユーザ「浅田哲也」は、支援が必要なユーザに指定されていないことを示す。
【0031】
(活動情報および活動履歴情報)
活動記憶部113は、活動情報および活動履歴情報を記憶する。活動情報は、支援システム1の管理下の敷地内でユーザが実行する活動の情報である。活動情報はたとえば、学生の履修科目である。また、活動情報はたとえば、学生の所属するサークル、研究会その他の活動に関する情報である。活動履歴情報は、ユーザの活動情報として記憶されている活動を当該ユーザが実行したか否かの履歴である。たとえば、ユーザが履修科目の授業に出席したか否かを示す情報である。
【0032】
図4Aおよび図4Bは、第1の実施形態に係る支援システム1に記憶される活動情報の構成の一例を示す図である。図4Aの例では、活動情報は、「学生番号」、「科目コード」、「課外活動コード」を含む。「学生番号」は図3に示す学生番号と同様である。「科目コード」は、対応する学生番号により特定されるユーザが履修中の科目を一意に識別する符号である。「課外活動コード」は、対応する学生番号により特定されるユーザが参加中の課外活動を一意に識別する符号である。また、図4Bの例に示すように、活動情報はさらに、「科目/課外活動コード」、「内容」、「曜日・時限」、「APエリア名」を含む。「科目/課外活動コード」は、図4Aに示す「科目コード」、「課外活動コード」と同様である。「内容」は、対応する科目コードまたは課外活動コードで特定される授業や課外活動の内容である。「曜日・時限」は、対応する科目コードまたは課外活動コードで特定される授業や課外活動が実施される曜日および時限である。「APエリア名」は、図2のアクセス情報に含まれるAPエリア名と同様であり、対応する科目コードまたは課外活動コードで特定される授業や課外活動が行われるエリアを示す。なお、ここでは、エリアはアクセスポイントAPと一対一で対応するものとする。
【0033】
たとえば、「学生番号、2018001」に対応付けて、「科目コード、E01」が記憶される。また、「科目/課外活動コード、E01」に対応づけて、「内容、経済学概論」、「曜日・時限、水・2」、「APエリア名、101教室」が記憶される。これは、学生番号「2018001」で特定されるユーザ(図3、「浅田哲也」)は、科目コード「E01」で特定される授業を履修中であることを示す。また、科目コード「E01」で特定される授業は、「経済学概論」であり、水曜日の2時限目に101教室で授業が行われることを示す。
【0034】
図5は、第1の実施形態に係る支援システム1に記憶される活動履歴情報の構成の一例を示す図である。図5の例では、活動履歴情報は、「学生番号」、「年月日」、「時限」を含む。「学生番号」は活動情報に含まれる学生番号と同様である。「年月日」は、活動の年月日を示す。「時限」は活動の時限を示す。図5の例では、たとえば、「学生番号、2018001」に対応付けて、「年月日、20180416」、「時限、1,2,3,4,5,E」、「O,O,Y,Y,Y,O」が記憶されている。これは、学生番号「2018001」で特定されるユーザ(図3「浅田哲也」)は、2018年4月16日の第1時限から第5時限はそれぞれ「履修科目なし」「履修科目なし」「出席」「出席」「出席」であったことを示す。また、「課外活動」はしなかったことを示す。なお、ここで、「Y」は出席、「O」は履修科目なし、「N」は欠席を示す。また、「時限、E」は課外活動を示す。なお、支援システム1が活動履歴情報に含まれる「欠席」「出席」の情報を取得する態様は特に限定されない。たとえば、活動履歴情報は、ユーザが実際に授業に出席した際に教室の入口で学生カードに記録された情報の読み取りを行う等の処理によって記録されてもよい。
【0035】
なお、記憶部110に記憶される各情報は常にサーバ10に記憶しなくてもよい。たとえば、サーバ10とは別体の記憶装置等から、サーバ10における処理時に取得するものとしてもよい。
【0036】
[制御部120の各機能]
図1に戻り、制御部120について説明する。制御部120は、抽出部121、検知部122および出力制御部123を有する。
【0037】
抽出部121は、抽出処理を実行する。抽出部121は、アクセス情報を参照し、過去のアクセス情報が所定の条件を満足するユーザを抽出する。所定の条件とは、たとえば、所定期間にわたって複数のアクセスポイントAP1乃至APnのいずれにもアクセスしていないこと、である。所定の条件は、支援システム1の運用者またはユーザの支援担当者が設定する。抽出部121は、所定の条件を満足するユーザのユーザ情報にフラグ(図3、「F」)を付与する。ここで、所定の条件が複数設定される場合は、フラグも複数種類を区別できるように付与してもよい。
【0038】
検知部122は、検知処理を実行する。検知部122は、複数のアクセスポイントAP1乃至APnにおいて実行中のアクセスの中から、抽出部121が抽出したユーザのアクセスを検知する。
【0039】
まず、検知部122は、所定時間ごとに最新のアクセス情報をアクセス記憶部111から取得する。そして、検知部122は、所定時間ごとに最新のアクセス情報を反映した表示を行うよう、出力制御部123に表示処理を指示する。たとえば、検知部122は、アクセス情報に基づき、各アクセスポイントAPと当該アクセスポイントAPにアクセス中のユーザとを対応付けて表示するよう、出力制御部123に指示する。
【0040】
また、検知部122は、最新のアクセス情報およびユーザ情報に基づき、フラグが付与されているユーザがアクセス中か否かを判定する。そして、フラグが付与されているユーザがアクセス中であると判定した場合、検知部122は、アラート処理を実行するよう出力制御部123に指示する。アラート処理の指示は、当該ユーザを強調表示する指示を含む。
【0041】
出力制御部123は、検知部122の指示に応じて、アクセスポイントAPと当該アクセスポイントAPにアクセス中のユーザとを対応づけた画像等を表示画面に表示する。出力制御部123は、検知部122からアラート処理の実行を指示された場合、当該指示に応じて、検知部122が検知したユーザのアクセスに対応するアラートを出力する。たとえば、出力制御部123は、フラグが付与されているユーザがアクセス中と判定された場合に、当該ユーザに対応する担当者に通知を送信する。また、出力制御部123は、アラート処理の実行を指示された場合、表示画面上でフラグが付与されているユーザを強調表示する。
【0042】
[支援処理の大まかな流れ]
図6は、第1の実施形態に係る支援処理の大まかな流れの一例を示すフローチャートである。まず、抽出部121が抽出処理を実行する(ステップS61)。次に、検知部122は検知処理を実行する(ステップS62)。出力制御部123は、表示処理およびアラート処理を実行する(ステップS63)。これが、第1の実施形態に係る支援処理のおおまかな流れである。以下、図面を参照して、各処理の流れについてさらに説明する。
【0043】
[抽出処理の流れの一例]
図7は、第1の実施形態にかかる支援システム1における抽出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0044】
まず、抽出部121は、アクセス記憶部111からアクセス履歴を取得する(ステップS71)。抽出部121は次に、ユーザ記憶部112を参照し、ユーザを一人選択する(ステップS72)。抽出部121は、過去のアクセス履歴に基づき、選択したユーザのアクセス履歴が所定の条件を満足するか否かを判定する(ステップS73)。たとえば、抽出部121は、選択したユーザが過去1カ月等の所定期間にわたっていずれのアクセスポイントAPにもアクセスしていないかを判定する。所定の条件を満足すると判定した場合(ステップS73、Yes)、抽出部121は当該ユーザにフラグを付与する。すなわち、抽出部121は当該ユーザに対応付けてユーザ記憶部112にフラグを記憶させる(ステップS74)。そして、抽出部121は、未選択のユーザがいるか否かを判定する(ステップS75)。他方、所定の条件を満足しないと判定した場合(ステップS73、No)、抽出部121はステップS75に進む。そして、ステップS75で未選択のユーザがいると判定した場合(ステップS75、Yes)、抽出部121は、次のユーザを選択してステップS73からステップS74を繰り返す。他方、未選択のユーザがいないと判定した場合(ステップS75、No)、抽出部121は、処理を終了する。これで抽出処理が終了する。
【0045】
なお、ここでは、抽出処理を全てのユーザについて実行するものとして説明したが、抽出部121は、入力等により指定されたユーザ、期間または条件についてのみ抽出処理を実行するように構成してもよい。
【0046】
[検知処理の流れの一例]
図8は、第1の実施形態に係る支援システム1における検知処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0047】
検知部122は、まず、処理の開始から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS81)。所定時間はたとえば10分、15分等であり、支援システム1の運用者が設定することができる。所定時間が経過していないと判定した場合(ステップS81、No)、検知部122はステップS81を繰り返す。他方、所定時間が経過したと判定した場合(ステップS81、Yes)、検知部122は、アクセス記憶部111から最新のアクセス情報を取得する(ステップS82)。検知部122は、最新のアクセス情報と前回取得したアクセス情報との差分を抽出する(ステップS83)。そして、検知部122は新規アクセスの有無を判定する(ステップS84)。たとえば、検知部122は、前回取得したアクセス情報ではアクセス中ではなかったが、最新のアクセス情報ではアクセス中となっているユーザの有無を判定する。そして、検知部122は、新規アクセスなしと判定した場合(ステップS84、No)、出力制御部123に、最新のアクセス情報に対応する表示処理を実行するよう指示する(ステップS85)。他方、新規アクセスありと判定した場合(ステップS84、Yes)、検知部122は、当該新規アクセスはフラグが付与されたユーザによるものか否かを判定する(ステップS86)。そして、フラグが付与されたユーザによるものではないと判定した場合(ステップS86、No)、検知部122は、最新のアクセス情報に対応する表示処理を実行するよう、出力制御部123に指示する(ステップS85)。他方、フラグが付与されたユーザによるものであると判定した場合(ステップS86、Yes)、検知部1222は、出力制御部123に対してアラート処理および表示処理を指示する(ステップS87)。アラート処理の指示には、フラグが付与されたユーザを特定する情報が含まれる。そして、検知部122は、ステップS81に戻り処理を繰り返す。
【0048】
[表示処理の流れの一例]
図9は、第1の実施形態に係る支援システム1における表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0049】
出力制御部123の表示処理は検知部122から表示処理の指示を受信することで開始する。まず、出力制御部123は表示処理の指示を受信したか否かを判定する(ステップS91)。指示を受信していないと判定した場合(ステップS91、No)、出力制御部123は、ステップS91を繰り返す。他方、指示を受信したと判定した場合(ステップS91、Yes)、出力制御部123は、検知部122から指示された最新のアクセス情報に対応する表示を実行する。このとき、出力制御部123は、前回の指示の際のアクセス情報との差分が抽出されている場合は当該差分を表示に反映する(ステップS92)。そして、出力制御部123は、表示処理の指示と共にアラート処理の指示を受信したか否かを判定する(ステップS93)。指示を受信していないと判定した場合(ステップS93、No)、出力制御部123は、ステップS91に戻って処理を繰り返す。他方、指示を受信したと判定した場合(ステップS93、Yes)、出力制御部123は、フラグが付与されているユーザに対応する部分をモニタ等の表示画面上で強調表示する(ステップS94)。また、出力制御部123は、アラート処理を実行する(ステップS95)。アラート処理については次に図10を参照して説明する。そして、出力制御部123はステップS91に戻って処理を繰り返す。
【0050】
なお、出力制御部123は、ステップS94の強調表示において、表示画面上にアラートを表示してもよい。たとえば、「見守り対象学生、登校!」等のメッセージを表示してもよい。また、出力制御部123は、出力部150を制御して、フラグが付与されているユーザに関連する情報を表示画面に表示してもよい。たとえば、当該ユーザが欠席中の履修科目と欠席期間等を表示してもよい。
【0051】
[アラート処理の流れの一例]
図10は、第1の実施形態に係る支援システム1におけるアラート処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0052】
出力制御部123は、アラート処理の指示を受信したと判定した場合にアラート処理を実行する(図9、ステップS95)。出力制御部123は、アラート処理の指示において通知された、フラグが付与されているユーザに対応する担当者をユーザ記憶部112から抽出する(ステップS101)。たとえば、出力制御部123は、担当者を特定する情報と通知先を抽出する。そして、出力制御部123は、抽出した担当者の通知先にアラートを送る(ステップS102)。たとえば、出力制御部123は、通信部130を制御して、ユーザ記憶部112から抽出したメールアドレスに、フラグが付与されているユーザを特定する情報とユーザの現在地とを通知するメールを送信する。現在地とはたとえば、当該ユーザがアクセス中のアクセスポイントAPを特定する情報やAPエリア名等ユーザが現在いる場所を示す情報である。
【0053】
[表示画面の一例]
図11は、第1の実施形態に係る支援システム1において表示される表示画面の一例を示す図である。図11に示すように、第1の実施形態に係る支援システム1は、アクセスポイントAP各々に対応付けて、当該アクセスポイントAPにアクセス中のユーザを表示する。図11の例では、「102教室」「カフェテリア」等がそれぞれ一つのアクセスポイントAPに対応する。そして、「102教室」と対応づけて、「102教室」のアクセスポイントAPにアクセス中のユーザが矩形状のアイコンで表示される。また、アクセス中のユーザのアイコンを選択(たとえばクリック)すると、当該ユーザの詳細な情報がポップアップ表示される。たとえば、図11の例では、氏名、学年、学部などのユーザ情報が表示されている。また、支援システム1は、フラグが付与されているユーザを強調表示する。たとえば、支援システム1は、当該ユーザのアイコンを他のアイコンとは異なる色で表示したり、点滅表示したりする。
【0054】
図11に示す表示画面を、たとえば、警備室や教務室などに設置された情報処理装置等のモニタの表示画面に表示することで、警備員や教官が支援を必要とするユーザが敷地内にいることに迅速に気づくことができる。出力制御部123は、サーバ10から通信部130を介して他の情報処理装置に表示画面を表示するように構成してもよい。
【0055】
[アラート画面の一例]
図12は、第1の実施形態に係る支援システム1においてユーザ端末に表示されるアラート画面の一例を示す図である。アラート画面は、フラグが付されたユーザの担当者に送信されるメール等によってユーザ端末上に表示される。たとえば、担当者がサーバ10から送信されるメールを開封すると、フラグが付されたユーザの氏名、現在地、フラグが付された原因(所定の条件)などが表示される。図12の例では、氏名「浅田哲也」、「経済学部1年生」、「経済学概論の出席日数不足(現在0日)」、「現在の所在地:カフェテリア」などの情報が表示される。また、メールにはユーザの写真を添付してもよい。メールを受け取った担当者はアラート画面を見てユーザの現在地や状況を確認できる。担当者は、ユーザの現在地を知ることができるため、ユーザのいる場所に出向いて直接指導したり助言したりすることもできる。このため、支援システム1によればユーザの支援を効率的に実現できる。
【0056】
[変形例1:複数種類のフラグの付与]
上記第1の実施形態においては、支援システム1は、過去のアクセス情報に基づき支援が必要と考えられるユーザを抽出して、当該ユーザがアクセスポイントAPにアクセスした時に迅速に検知できるように構成した。さらにきめ細かくユーザを支援するために、支援システム1において、ユーザにフラグを付するための所定の条件を多様に設定することが可能である。
【0057】
たとえば、アクセスポイントAPにアクセスしているが、授業を欠席しているユーザは、支援が必要なユーザである可能性がある。また、敷地内に寮が併設されており、寮にもアクセスポイントAPが存在する場合、ユーザがアクセスポイントAPにアクセスしていても単に寮にいるだけで授業は欠席している可能性がある。
【0058】
そこで、支援システム1は、アクセスポイントAPに所定期間アクセスしていないユーザを抽出するだけでなく、他の要因を考慮して支援が必要なユーザを抽出する処理を実行することができる。たとえば、支援システム1は、所定条件の種類に応じて異なる種類のフラグをユーザ情報に付与することができる。たとえば、支援システム1は、次のフラグF1、F2、F3の3種類のフラグを付与することができる。
【0059】
(1)フラグF1:アクセスの有無に関係なく、活動(授業)の出席率が閾値以下のユーザに付与される。
(2)フラグF2:アクセスしている間の活動(授業)の出席率が閾値以下のユーザに付与される。たとえば、支援システム1は、アクセス履歴から抽出される、アクセス先のアクセスポイントAPと、活動情報から抽出される授業の場所に設置されているアクセスポイントAPと、の一致度を検知する。そして、支援システム1は、一致度が所定のレベルに達していない場合にフラグF2を付与する。
(3)フラグF3:フラグF2が付与されたユーザであって、アクセスしたアクセスポイントAPの場所が活動の場所(教室)以外である割合が閾値以上のユーザに付与される。たとえば、アクセスしたアクセスポイントAPの場所が常に寮であるユーザにフラグF3が付与される。
【0060】
まず、フラグF1は、アクセスポイントAPにアクセスしているか否かにかかわらず、本来出席すべき活動(授業)への出席率が低いユーザを抽出するためのフラグである。フラグF2は、敷地(大学)には来ているのに、その時間帯に本来出席すべき活動(授業)には参加していないユーザを抽出するためのフラグである。フラグF2が付与されるユーザは、たとえば、友人と遊ぶために大学に来ているが、授業には出席していないユーザである。フラグF3は、フラグF2が付与されるユーザのうち、アクセス場所が限定されているユーザを抽出するためのフラグである。フラグF3はたとえば、アクセスポイントAPが設置されている寮にいるためにアクセスはしているが授業には出席していないユーザや、終日カフェテリアにいて授業に出席していないユーザ等を抽出するために設定する。
【0061】
支援システム1は、抽出処理において、選択したユーザのアクセス履歴が所定の条件を満足するか否かを判定する際に、上記フラグF1乃至F3の条件に該当するか否かを併せて判定することができる。たとえば、抽出部121は、図7のステップS73において、アクセス履歴とともに活動履歴情報を参照し、該当するユーザにF1乃至F3を付与する。そして、検知部122は、図8のステップS86において、フラグF1乃至F3が付与されたユーザか否かも判定する。また、検知部122は、フラグの種類に応じて異なるアラートまたは表示を実行するように出力制御部123に指示することができる。
【0062】
このようにアクセス情報に加えて活動履歴情報を参照してフラグを付与することで、支援システム1Aはさらにきめ細やかなユーザ支援を実現することができる。
【0063】
[変形例2:追加の通知]
ところで、アクセスポイントAPを利用するユーザはアクセス中に敷地内を移動すると考えられる。そのため、アラート処理を一度実行して担当者に通知を送信した後、通知された現在地からユーザが移動する場合が考えられる。そこで、支援システム1は、フラグが付与されたユーザがアクセス中には、当該ユーザがアクセスするアクセスポイントAPの変化を検知して、変化があった場合に追加の通知処理を実行するようにしてもよい。この処理は、たとえば、検知部122に追加の処理を実行させることで実現できる。たとえば、図8のステップS83において、検知部122が差分を抽出する際に、アクセス中のユーザのアクセス先の変更を差分として抽出する。そして、フラグが付与されたユーザのアクセス先の変更があった場合は、ステップS85において検知部122がアラート処理を指示する。係る処理によって、支援システム1は、アクセスポイントの変更を担当者に通知することができ、アクセス中のユーザの足取りを容易に追跡することができる。
【0064】
[変形例3:対象とする施設等]
なお、上記第1の実施形態は、敷地として大学の構内を、ユーザとして大学生を想定して説明した。しかし、上記実施形態を適用する敷地およびユーザは特に限定されない。たとえば、リハビリ施設において患者を支援するために、上記実施形態を適用することができる。この場合、リハビリ施設の敷地内にアクセスポイントAPを設置する。そして、アクセスポイントAPへの患者のユーザ端末UTのアクセス状況をサーバに記録する。そして、サーバは、リハビリのための訓練や運動を実施する建物に設置されたアクセスポイントAPにアクセスしていない患者をアクセス情報に基づき抽出する。また、サーバは、自室や食堂などが設置された建物に設定されたアクセスポイントAPのみにアクセスしている患者を抽出する。そして、サーバは、当該患者のリハビリ不参加率が所定閾値を上回った後、当該患者がアクセスポイントAPにアクセスした時点でアラート処理を実行する。このように支援システムを構成すれば、リハビリ施設等の患者の支援を効果的に実現できる。同様に、キャンプや課外学習のための施設等においても上記実施形態を適用してユーザを支援することができる。このように、所定期間にわたって多数の人が集合生活をし、所定の活動に参加する場所において、上記実施形態を適用することができる。
【0065】
[第1の実施形態の効果]
上記のように、第1の実施形態に係る支援システム1は、抽出部121と検知部122と出力制御部123とを備える。抽出部121は、所定の敷地内に設置される複数のアクセスポイントAPにおけるユーザのアクセス履歴を参照し、所定の条件を満足するユーザを抽出する。検知部122は、複数のアクセスポイントAPにおいて実行中のアクセスの中から、抽出部121が抽出したユーザのアクセスを検知する。出力制御部123は、検知部122が検知したアクセスに対応するアラートを出力する。このため、支援システム1は、過去のアクセス履歴に基づき、支援が必要と考えられるユーザを抽出し、当該ユーザが敷地内に来たときに迅速に当該ユーザを検知することができる。また、支援システム1は、検知したアクセスに対応してアラートを出力するため、担当者他の人員は容易に当該ユーザが来たことに気づくことができる。このため、支援システム1は、効率的にユーザを支援することができる。
【0066】
また、上記支援システム1において、抽出部121は、所定期間にわたって複数のアクセスポイントAPのいずれにもアクセスしていないユーザを抽出する。このため、支援システム1は、不登校のユーザ等がいる場合に、迅速に当該ユーザを抽出することができる。また、支援システム1は、所定期間を柔軟に設定することで、多様なユーザの状況を容易に抽出することができる。
【0067】
また、上記支援システム1において、抽出部121は、ユーザが所定の活動に参加したか否かを示す活動履歴と、アクセス履歴と、を参照し、活動履歴とアクセス履歴との一致度が所定の条件を満足しないユーザを抽出する。このため、支援システム1は、敷地に来ているが、活動していないユーザを容易に抽出して支援することができる。
【0068】
また、上記支援システム1において、検知部122は、抽出部121が抽出したユーザの現在地を検知し、出力制御部123は、検知部122が検知した現在地を含むアラートを出力する。このため、支援システム1は、アラートにより担当者等に容易にユーザの現在地を通知することができる。
【0069】
また、上記支援システム1において、検知部122は、抽出部121が抽出したユーザがアクセスするアクセスポイントAPの変化を検知し、出力制御部123は、変化後のアクセスポイントAPを含むアラートを出力する。このため、支援システム1は、ユーザが敷地内を移動した場合でも、迅速に担当者等に通知を送ってユーザを追跡させることができる。
【0070】
また、上記支援システム1において、出力制御部123は、複数のアクセスポイントAPと、複数のアクセスポイントAPにアクセス中のユーザと、を対応づけて表示し、検知部122が検知したユーザを強調表示する。このため、支援システム1は、支援が必要なユーザの位置を視覚的に表示して担当者等の注意を促すことができる。
【0071】
また、上記支援システム1において、出力制御部123は、表示中のユーザに対する操作を検知すると、当該ユーザの詳細情報をさらに表示する。このため、支援システム1は、ユーザがどのような支援を必要としているか、担当者等に容易に確認させることができる。
【0072】
[第2の実施形態]
これまで開示の支援システム、支援方法および支援プログラムに関する実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
【0073】
[クラウドコンピューティングによる実装]
開示の支援プログラムは、クラウドシステムを構成するサーバに実装し、クラウドシステムを介して、異なるデータベース間で情報を連携させるために使用することができる。たとえば、クラウドシステムを利用して、全国に点在する事業所や支社においてネットワークに接続されて業務に使用される情報処理端末の情報を、一元的に管理することができる。
【0074】
[分散および統合]
図示した各装置の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0075】
[支援プログラム]
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをサーバ等のコンピュータからタブレット端末やノート型コンピュータ等のコンピュータに配布し、サーバとコンピュータとが処理を協働して実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図13を用いて、上記の実施例と同様の機能を有する支援プログラムを実行するコンピュータの一例について説明する。
【0076】
図13は、上記実施形態に係る支援プログラムを実行するコンピュータの一例について説明するための図である。図13に示すように、コンピュータ1000は、操作部1100と、ディスプレイ1200と、通信部1300とを有する。さらに、このコンピュータ1000は、CPU(Central Processing Unit)1400と、ROM(Read Only Memory)1500と、RAM(Random Access Memory)1600と、HDD(Hard Disk Drive)1700とを有する。これら1100~1700の各部はバス1800を介して接続される。
【0077】
HDD1700には、図13に示すように、上記の第1の実施形態で示した各部と同様の機能を発揮するモジュールを実装することができる支援プログラム1700aが予め記憶される。この支援プログラム1700aについては、図1に示した各々の各構成要素と同様、適宜統合または分離してもよい。すなわち、HDD1700に記憶される各データは、常に全てのデータがHDD1700に記憶される必要はなく、処理に必要なデータのみがHDD1700に記憶されればよい。
【0078】
そして、CPU1400が、支援プログラム1700aの各モジュールをHDD1700から読み出してRAM1600に展開する。これによって、図13に示すように、支援プログラム1700aは、支援プロセス1600aとして機能する。この支援プロセス1600aは、HDD1700から読み出した各種データを適宜RAM1600上の自身に割り当てられた領域に展開し、この展開した各種データに基づいて各種処理を実行する。なお、支援プロセス1600aは、図1に示した各処理部にて実行される処理を含む。また、CPU1400上で仮想的に実現される各処理部は、常に全ての処理部がCPU1400上で動作する必要はなく、必要な処理部のみが仮想的に実現されればよい。
【0079】
なお、上記の支援プログラム1700aについては、必ずしも最初からHDD1700やROM1500に記憶させておく必要はない。たとえば、コンピュータ1000に挿入されるフレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させる。または、DVD(Digital Versatile Disc)ディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させる。そして、コンピュータ1000がこれらの可搬用の物理媒体から各プログラムを取得して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN、WAN(Wide Area Network)などを介してコンピュータ1000に接続される他のコンピュータまたはサーバ装置などに各プログラムを記憶させておいてもよい。そして、コンピュータ1000がこれらから各プログラムを取得して実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 支援システム
10 サーバ(支援装置)
110 記憶部
111 アクセス記憶部
112 ユーザ記憶部
113 活動記憶部
120 制御部
121 抽出部
122 検知部
123 出力制御部
130 通信部
140 入力部
150 出力部(表示部)
AP1~APn アクセスポイント
UT ユーザ端末
NW ネットワーク
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13