IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社第一興商の特許一覧

<>
  • 特許-駐車料金算出システム、精算装置 図1
  • 特許-駐車料金算出システム、精算装置 図2
  • 特許-駐車料金算出システム、精算装置 図3
  • 特許-駐車料金算出システム、精算装置 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】駐車料金算出システム、精算装置
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20221214BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20221214BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20221214BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20221214BHJP
【FI】
G07B15/00 510
G07G1/12 361E
G06Q50/10
G06Q30/02 320
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018183841
(22)【出願日】2018-09-28
(65)【公開番号】P2020052900
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-06-25
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】岡本 史郎
(72)【発明者】
【氏名】糸川 透
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-137804(JP,A)
【文献】特開2006-047399(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 11/00-17/04
G07G 1/12
G06Q 50/10
G06Q 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が所有する携帯端末と、駐車場に設置された精算装置を含む駐車料金算出システムであって、
前記携帯端末は、
前記精算装置に対し、少なくとも前記携帯端末を識別するための端末識別情報を含む各種情報を送信する情報送信部と、
カラオケ装置を含むカラオケシステムへのログイン時刻、ログアウト時刻、及び当該カラオケ装置が設置されているカラオケ店舗を識別するための店舗識別情報を含む利用者情報を生成する生成部と、
を有し、
前記精算装置は、
駐車料金の割引を行う対象となるカラオケ店舗を識別するための割引店舗識別情報を記憶する識別情報記憶部と、
前記携帯端末を所有する利用者が駐車場に車を入庫した入庫時刻を当該携帯端末の端末識別情報と関連付けて記憶する入庫時刻記憶部と、
前記携帯端末から前記端末識別情報を受信した際、当該端末識別情報が前記入庫時刻記憶部に記憶されていない場合には、当該端末識別情報と前記入庫時刻とを関連付けて前記入庫時刻記憶部に記憶させ、当該端末識別情報が前記入庫時刻記憶部に記憶されている場合には、当該端末識別情報が関連付けられている前記入庫時刻を読み出す情報処理部と、
前記携帯端末から前記端末識別情報と併せて前記利用者情報を受信した場合、前記識別情報記憶部に、当該利用者情報に含まれる前記店舗識別情報と一致する前記割引店舗識別情報が記憶されているかどうかを判定する判定部と、
読み出した前記入庫時刻及び現在時刻に基づいて駐車料金を算出する算出部であって、一致する前記割引店舗識別情報が記憶されていると判定された場合には、前記利用者情報に含まれるログイン時刻からログアウト時刻までの時間を、カラオケ店舗を利用した時間として判断し、当該時間に応じて割引をした駐車料金を算出する算出部と、
を有する駐車料金算出システム。
【請求項2】
前記精算装置は、提示部を介し、算出された前記駐車料金を利用者に対して提示する提示制御部を有することを特徴とする請求項1記載の駐車料金算出システム。
【請求項3】
駐車場に設置された精算装置であって、
駐車料金の割引を行う対象となるカラオケ店舗を識別するための割引店舗識別情報を記憶する識別情報記憶部と、
携帯端末を所有する利用者が駐車場に車を入庫した入庫時刻を当該携帯端末の端末識別情報と関連付けて記憶する入庫時刻記憶部と、
前記携帯端末から当該携帯端末を識別するための端末識別情報を受信した際、当該端末識別情報が前記入庫時刻記憶部に記憶されていない場合には、当該端末識別情報と前記入庫時刻とを関連付けて前記入庫時刻記憶部に記憶させ、当該端末識別情報が前記入庫時刻記憶部に記憶されている場合には、当該端末識別情報が関連付けられている前記入庫時刻を読み出す情報処理部と、
前記携帯端末から前記端末識別情報と併せて、カラオケ装置を含むカラオケシステムへのログイン時刻、ログアウト時刻、及び当該カラオケ装置が設置されているカラオケ店舗を識別するための店舗識別情報を含む利用者情報を受信した場合、前記識別情報記憶部に、当該利用者情報に含まれる前記店舗識別情報と一致する前記割引店舗識別情報が記憶されているかどうかを判定する判定部と、
読み出した前記入庫時刻及び現在時刻に基づいて駐車料金を算出する算出部であって、一致する前記割引店舗識別情報が記憶されていると判定された場合には、前記利用者情報に含まれるログイン時刻からログアウト時刻までの時間を、カラオケ店舗を利用した時間として判断し、当該時間に応じて割引をした駐車料金を算出する算出部と、
を有する精算装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は駐車料金算出システム、及び精算装置に関する。
【0002】
複数人でカラオケ歌唱を行う際、各利用者が自家用車でカラオケ店舗を訪れることがある。
【0003】
この際、郊外にあるカラオケ店舗は、利用者のための専用駐車場を敷地内に備えているところが大半である。一方、駅前や繁華街に立地するカラオケ店舗は、敷地内に専用の駐車場を設けることが困難である。
【0004】
そこで、このようなカラオケ店舗は、近隣の有料駐車場と提携し、利用者に対してカラオケ店舗の利用時間分の駐車料金を無料とする割引サービスを提供している。
【0005】
利用者は、たとえば、入庫時に発券された駐車券をカラオケ店舗に提示し、利用時間分の無料駐車券を受け取ることにより割引サービスを受けることができる。この場合、利用者が駐車券を提示し忘れた場合には、割引サービスを受けることができない。
【0006】
そこで、特許文献1には、駐車場への入庫時刻と利用者の電子マネーIDとを関連付けることにより、電子マネーで支払われた代金に基づいて無料駐車時間を抽出し、抽出された無料駐車時間を割り引いた駐車料金を、電子マネーから引き落とす技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2010-286928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1の技術は、カラオケ店舗のように複数の利用者でカラオケ歌唱を行った場合であっても、利用代金の支払いをした利用者しか割引サービスを受けることができない。
【0009】
たとえば、5名の利用者がそれぞれの自家用車でカラオケ店舗を訪れた場合であっても、特許文献1の技術によれば、割引サービスを受けられるのはカラオケ店舗の利用代金を支払った1名だけであり、他の利用者は従来同様、駐車券を提示する必要があり煩雑である。
【0010】
本発明の目的は、複数の利用者でカラオケ店舗を利用する際であっても、それぞれの利用者が駐車料金の割引を簡易に受けることが可能な駐車料金算出システム及び精算装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための主たる発明は、利用者が所有する携帯端末と、駐車場に設置された精算装置を含む駐車料金算出システムであって、前記携帯端末は、前記精算装置に対し、少なくとも前記携帯端末を識別するための端末識別情報を含む各種情報を送信する情報送信部と、カラオケ装置を含むカラオケシステムへのログイン時刻、ログアウト時刻、及び当該カラオケ装置が設置されているカラオケ店舗を識別するための店舗識別情報を含む利用者情報を生成する生成部と、を有し、前記精算装置は、駐車料金の割引を行う対象となるカラオケ店舗を識別するための割引店舗識別情報を記憶する識別情報記憶部と、前記携帯端末を所有する利用者が駐車場に車を入庫した入庫時刻を当該携帯端末の端末識別情報と関連付けて記憶する入庫時刻記憶部と、前記携帯端末から前記端末識別情報を受信した際、当該端末識別情報が前記入庫時刻記憶部に記憶されていない場合には、当該端末識別情報と前記入庫時刻とを関連付けて前記入庫時刻記憶部に記憶させ、当該端末識別情報が前記入庫時刻記憶部に記憶されている場合には、当該携帯端末情報が関連付けられている前記入庫時刻を読み出す情報処理部と、前記携帯端末から前記端末識別情報と併せて前記利用者情報を受信した場合、前記識別情報記憶部に、当該利用者情報に含まれる前記店舗識別情報と一致する前記割引店舗識別情報が記憶されているかどうかを判定する判定部と、読み出した前記入庫時刻及び現在時刻に基づいて駐車料金を算出する算出部であって、一致する前記割引店舗識別情報が記憶されていると判定された場合には、前記利用者情報に含まれるログイン時刻及びログアウト時刻に基づいて割引をした駐車料金を算出する算出部と、を有する駐車料金算出システムである。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の利用者でカラオケ店舗を利用する際であっても、それぞれの利用者が駐車料金の割引を簡易に受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る駐車料金算出システムを示した図である。
図2】実施形態に係る携帯端末の構成を示す図である。
図3】実施形態に係る精算装置の構成を示す図である。
図4】実施形態に係る駐車料金算出システムの処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1図4を参照して、第1実施形態に係る駐車料金算出システムについて説明する。
【0015】
==駐車料金算出システム==
駐車料金算出システム1は、携帯端末Mと、精算装置Cを含む。
【0016】
携帯端末Mは、利用者Uが所有するスマートフォン等である。携帯端末Mには、駐車料金算出システムを利用するための専用アプリケーションソフトウェア(以下、「専用アプリ」)がインストールされている。専用アプリは、サーバ装置S(後述)や、サーバ装置Sが提供するWebサイトからダウンロードすることで入手できる。
【0017】
携帯端末Mはカラオケ装置Kと通信可能に接続される。カラオケ装置Kは、利用者が選曲した楽曲のカラオケ演奏、及び利用者がカラオケ歌唱を行うための装置である。カラオケ装置Kは、カラオケ店舗Xに設置されている。サーバ装置Sは、カラオケ装置Kに関する各種情報の管理、カラオケ装置Kから送信される情報の処理を行うコンピュータである。カラオケ装置Kとサーバ装置Sは、カラオケシステムKSを構成する。
【0018】
携帯端末Mとカラオケ装置Kは、ペアリングされることで互いに通信可能となる。ペアリングは公知の手法を利用することができる。ペアリングは、たとえば、カラオケ装置Kが設置されたカラオケルームへ利用者が入室した後、携帯端末Mで専用アプリを起動させた場合に実行される。ペアリングされた後、利用者は、専用アプリを利用して、カラオケシステムKSへのログイン操作やログアウト操作を行うことができる(詳細は後述)。
【0019】
精算装置Cは、駐車場Pに設置される。精算装置Cは、入庫時刻と現在時刻に基づいて、駐車場の利用代金(駐車料金)を算出する。この例において、カラオケ店舗Xと駐車場Pは提携している。従って、カラオケ店舗Xの利用者は、駐車場Pの駐車料金の割引を受けることができる(詳細は後述)。精算装置Cと携帯端末Mとは、一般的な近距離無線通信技術により通信可能となっている。
【0020】
なお、専用アプリは、主にカラオケ店舗の利用者による利用を想定している。一方、利用者が、カラオケ店舗を利用する目的で当該カラオケ店舗と提携している駐車場に入庫した後に、カラオケルームが満室であったり、急に所用ができたなどの諸事情によりカラオケ店舗を利用せずに出庫することもありうる。従って、専用アプリは、最初からカラオケ店舗の利用を目的としない利用者(以下、「一般客」)であっても、通常の入庫や出庫の際に利用できる。そのため、専用アプリは、サーバ装置Sが提供するWebサイトだけでなく、駐車場の管理者が提供するWebサイト等からダウンロードすることも可能である。
【0021】
==携帯端末==
図2に示すように、携帯端末Mは、記憶部10、通信部11、表示部12、入力部13、及び制御部14を備える。
【0022】
[記憶部・通信部・表示部・入力部]
記憶部10は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。記憶部10は、たとえば、携帯端末を識別するため端末識別情報(端末ID)を記憶している。端末識別情報は、各携帯端末固有の情報である。通信部11は、ペアリングされたカラオケ装置Kとの接続や、精算装置Cへの各種情報の送信等を行うためのインターフェースを提供する。表示部12は、各種情報を表示させるディスプレイである。入力部13は、利用者が各種指示入力を行うための構成である。入力部13は、たとえば、利用者が各情報を入力するための操作ボタンである。表示部12をタッチパネル形式で構成し、入力部13として用いてもよい。
【0023】
[制御部]
制御部14は、携帯端末Mにおける各種の制御を行う。制御部14は、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0024】
携帯端末Mで専用アプリを起動することにより、制御部14は、情報送信部14a及び生成部14bとして機能する(図2参照)。
【0025】
(情報送信部)
情報送信部14aは、精算装置Cに対し、少なくとも携帯端末を識別するための端末識別情報を含む各種情報を送信する。
【0026】
利用者Uは、駐車場Pへの入庫時、専用アプリを起動させた携帯端末Mを精算装置Cにかざす。情報送信部14aは、携帯端末Mの端末IDを記憶部10から読み出し、精算装置Cに送信する。
【0027】
一方、利用者Uは、出庫時、再び、専用アプリを起動させた携帯端末Mを精算装置Cにかざす。この場合、情報送信部14aは、携帯端末Mの端末IDと併せて、携帯端末Mに記憶された利用者情報(後述)を精算装置Cに送信する。なお、携帯端末Mに利用者情報が記憶されていない場合、情報送信部14aは、端末IDのみを精算装置Cに送信する。
【0028】
(生成部)
生成部14bは、カラオケ装置Kを含むカラオケシステムKSへのログイン時刻、ログアウト時刻、及びカラオケ装置Kが設置されているカラオケ店舗を識別するための店舗識別情報を含む利用者情報を生成する。
【0029】
利用者Uは、カラオケシステムKSの利用にあたって、最初にログイン操作(自己の利用者IDやパスワードの入力)を行なう。カラオケシステムKSにログインすることにより、歌唱履歴の記録等、各種サービスを受けることが可能となる。
【0030】
具体的に、利用者は、専用アプリを起動した携帯端末Mを介して、利用者ID及びパスワードを入力する。携帯端末Mは、入力された利用者ID及びパスワードをサーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sは、受信した利用者ID及びパスワードに基づいて当該利用者IDに対応する利用者がカラオケシステムKSにログインする処理を行う。ログイン処理が完了した後、サーバ装置Sは、カラオケ装置Kを介して携帯端末Mに対し、ログイン処理が完了した時刻、及びカラオケ装置Kが設置されているカラオケ店舗を識別するための店舗識別情報(店舗ID)を送信する。携帯端末Mは、受信したそれらの情報を記憶部10に一時的に記憶する。ログイン処理が完了した時刻は、「ログイン時刻」の一例である。なお、携帯端末Mでログイン操作を行った時刻を「ログイン時刻」としてもよい。
【0031】
一方、利用者Uは、カラオケシステムKSの利用を終了する際、ログアウト操作を行なう。具体的に、利用者Uは、専用アプリを起動した携帯端末Mを介して、ログアウトの指示を行う。携帯端末Mは、ログアウトの指示に基づいて、利用者IDをサーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sは、受信した利用者IDに基づいて当該利用者IDに対応する利用者がカラオケシステムKSからログアウトする処理を行う。ログアウト処理が完了した後、サーバ装置Sは、カラオケ装置Kを介して携帯端末Mに対し、ログアウト処理が完了した時刻を送信する。携帯端末Mは、受信したログアウト処理が完了した時刻を、ログイン時に記憶した情報と併せ、利用者情報として記憶部10に一時的に記憶する。ログアウト処理が完了した時刻は、「ログアウト時刻」の一例である。なお、携帯端末Mでログアウト操作を行った時刻を「ログアウト時刻」としてもよい。
【0032】
なお、利用者がログイン操作やログアウト操作を行わなかった場合、生成部14bは、利用者情報を生成できない。すなわち、記憶部10に利用者情報が記憶されることは無い。
【0033】
==精算装置==
図3に示すように、精算装置Cは、記憶部20、通信部21、提示部22、入力部23、及び制御部24を備える。
【0034】
[記憶部]
記憶部20は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。本実施形態に係る記憶部20の記憶領域の一部は、識別情報記憶部20a及び入庫時刻記憶部20bとして機能する。
【0035】
(識別情報記憶部)
識別情報記憶部20aは、駐車料金の割引を行う対象となるカラオケ店舗を識別するための割引店舗識別情報を記憶する。
【0036】
カラオケ店舗の担当者は、提携先の駐車場の管理者に対して、予め店舗の識別情報(店舗ID)を知らせる。管理者は、入力部23を介し、当該店舗IDを駐車料金の割引を行う対象となるカラオケ店舗の店舗IDとして登録する。識別情報記憶部20aは、登録された店舗IDを割引店舗識別情報として記憶する。
【0037】
(入庫時刻記憶部)
入庫時刻記憶部20bは、携帯端末を所有する利用者が駐車場に車を入庫した入庫時刻を当該携帯端末の端末識別情報と関連付けて記憶する。
【0038】
具体的に、入庫時刻は、利用者が専用アプリを起動させた携帯端末を精算装置Cにかざした時刻(すなわち、精算装置Cが携帯端末から端末IDを受信した時刻)である。
【0039】
[通信部、提示部、入力部]
通信部21は、携帯端末との通信を行うためのインターフェースを提供する。提示部22は、各種情報を表示させるディスプレイや各種情報を放音させるスピーカである。入力部23は、利用者が各種指示入力を行うための構成である。入力部23は、たとえば、利用者が各情報を入力するための操作ボタンである。提示部22をタッチパネル形式で構成し、入力部23として用いてもよい。
【0040】
[制御部]
制御部24は、精算装置Cにおける各種の制御を行う。制御部24は、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0041】
図3に示すように、制御部24は、情報処理部24a、判定部24b、算出部24c、及び提示制御部24dとして機能する。
【0042】
(情報処理部)
情報処理部24aは、携帯端末から端末識別情報を受信した際、当該端末識別情報が入庫時刻記憶部20bに記憶されていない場合には、当該端末識別情報と入庫時刻とを関連付けて入庫時刻記憶部20bに記憶させる。一方、情報処理部24aは、当該端末識別情報が入庫時刻記憶部20bに記憶されている場合には、当該携帯端末情報が関連付けられている入庫時刻を読み出す。
【0043】
具体的に、情報処理部24aは、携帯端末Mから端末IDを受信した際に、当該端末IDと同じIDが、入庫時刻記憶部20bに記憶されているかどうかを確認する。
【0044】
たとえば、自家用車を駐車場Pに停めた利用者Uは、カラオケ店舗Xに移動する前に、専用アプリを起動させた携帯端末Mを精算装置Cにかざす。この場合、携帯端末Mの情報送信部14aは、携帯端末Mの端末IDを記憶部10から読み出し、精算装置Cに送信する。情報処理部24aは、受信した携帯端末Mの端末IDが、入庫時刻記憶部20bに記憶されているかどうかを確認する。
【0045】
利用者Uが自家用車を駐車場Pに停めた時点において、入庫時刻記憶部20bには、利用者Uが所有する携帯端末Mの端末IDは未だ記憶されていない。この場合、情報処理部24aは、端末IDに入庫時刻を関連付けて入庫時刻記憶部20bに記憶させる。
【0046】
一方、カラオケ歌唱を終了し、カラオケ店舗Xから駐車場Pに戻ってきた利用者Uは、専用アプリを起動させた携帯端末Mを精算装置Cにかざす。この場合、情報送信部14aは、少なくとも携帯端末Mの端末IDを精算装置Cに送信する(利用者情報が併せて送信された場合についての処理は後述)。情報処理部24aは、受信した携帯端末Mの端末IDが、入庫時刻記憶部20bに記憶されているかどうかを確認する。
【0047】
上述の通り、自家用車を駐車場Pに停めた際に利用者Uは専用アプリを起動させた携帯端末Mを精算装置Cにかざしている。よって、入庫時刻記憶部20bには、利用者Uが所有する携帯端末Mの端末IDが記憶されている。この場合、情報処理部24aは、入庫時刻記憶部20bから、当該端末IDが関連付けられている入庫時刻を読み出す。
【0048】
(判定部)
判定部24bは、携帯端末から端末識別情報と併せて利用者情報を受信した場合、識別情報記憶部20aに、当該利用者情報に含まれる店舗識別情報と一致する割引店舗識別情報が記憶されているかどうかを判定する。
【0049】
仮に、入庫時刻記憶部20bにある携帯端末の端末IDと入庫時刻が記憶されていたとしても、携帯端末を所有する利用者が利用したカラオケ店舗が駐車場と提携していない場合、当該利用者は駐車料金の割引を受けることはできない。また、カラオケシステムKSにログインしなかった利用者や、そもそもカラオケ店舗を利用していない一般客も、駐車料金の割引を受けることはできない。ここで、これらの利用者が所有する携帯端末を精算装置Cにかざしたとしても、利用者情報を送信することはない。
【0050】
そこで判定部24bは、最初に、携帯端末から端末識別情報と併せて利用者情報を受信したかどうかを判定する。利用者情報を受信していない場合、判定部24bは、その旨を算出部24cに出力する。
【0051】
携帯端末から端末識別情報と併せて利用者情報を受信した場合、判定部24bは、利用者情報に含まれる店舗識別情報に基づいて、駐車料金の割引を受けることができる利用者であるかどうかを判定する。判定は、受信した利用者情報に含まれる店舗識別情報(店舗ID)と同じ情報(店舗ID)が、識別情報記憶部20aに記憶されているかどうかにより行う。判定部24bは、判定結果を算出部24cに出力する。
【0052】
(算出部)
算出部24cは、読み出した入庫時刻及び現在時刻に基づいて駐車料金を算出する。また、本実施形態に係る算出部24cは、一致する割引店舗識別情報が記憶されていると判定された場合には、利用者情報に含まれるログイン時刻及びログアウト時刻に基づいて割引をした駐車料金を算出する。
【0053】
算出部24cは、読み出した入庫時刻及び現在時刻に基づいて駐車料金を算出する。現在時刻は、出庫時に利用者が専用アプリを起動させた携帯端末を精算装置Cにかざした時刻(すなわち、精算装置Cが携帯端末から端末IDを受信した時刻)である。駐車料金は、予め所定の金額が設定されている。駐車料金は、駐車場の管理者等によって任意の金額を設定できる。駐車料金は、たとえば、均一料金(例:「200円/時間」)であってもよいし、時間帯に応じて異なる料金(例:24:00から9:00までは「200円/時間」、9:00から24:00までは「400円/時間」)であってもよい。或いは、駐車料金は、経過時間によって異なる料金(「1時間まで200円」それ以降は「400円/時間」)であってもよい。
【0054】
上述の通り、駐車場Pと提携していないカラオケ店舗を利用した利用者やカラオケシステムKSにログインしなかった利用者、或いはカラオケ店舗を利用しない一般客は、駐車料金の割引を受けることができない。
【0055】
このような者がたとえば、10:00(入庫時刻)~14:00(現在時刻)まで駐車料金「200円/時間」の駐車場Pを利用した場合、算出部24cは、800円(200円×4時間)の料金を算出する。
【0056】
一方、判定部24bにより、一致する割引店舗識別情報が記憶されていると判定された場合、算出部24cは、利用者情報に含まれるログイン時刻及びログアウト時刻に基づいて割引をした駐車料金を算出する。
【0057】
たとえば、駐車場Pの駐車料金が「200円/時間」であるとする。利用者Uは、カラオケ店舗Xを利用するにあたり、10:00に自家用車を駐車場Pに駐車し、携帯端末Mを介して端末IDを駐車場Pの精算装置Cに送信したとする。この場合、精算装置Cの入庫時刻記憶部20bは、利用者Uが所有する携帯端末Mの端末ID及び入庫時刻「10:00」を記憶する。その後、利用者Uは、カラオケ店舗Xにおいて、11:00にカラオケシステムKSにログインし、13:00にログアウトしたとする。
【0058】
その後、カラオケ店舗Xを退店した利用者Uが14:00に携帯端末Mを精算装置Cにかざした場合、携帯端末Mの情報送信部14aは、端末IDと併せて、カラオケ店舗Xの店舗ID、ログイン時刻「11:00」、及びログアウト時刻「13:00」を含む利用者情報を精算装置Cに対して送信する。この場合、上述の通り、情報処理部24aは、携帯端末Mの端末IDが関連付けられている入庫時刻「10:00」を読み出す。
【0059】
ここで、判定部24bは、識別情報記憶部20aに、利用者情報に含まれるカラオケ店舗Xの店舗IDと一致する割引店舗識別情報が記憶されていると判定したとする。
【0060】
この場合、算出部24cは、利用者Uが駐車場Pを利用した時間(入庫時刻「10:00」~現在時刻「14:00」)のうち、「11:00~13:00」を、カラオケ店舗Xを利用した時間として判断し、その時刻に応じて駐車料金の割引を行う。割引は、予め設定した条件により行われる。たとえば、算出部24cは、駐車場Pの利用時間「10:00~14:00」のうち、カラオケ店舗Xを利用した時間「11:00~13:00」を除いた時間分(2時間分)の料金(200円×2時間=400円)を割引した駐車料金として算出する。
【0061】
(提示制御部)
提示制御部24dは、提示部22を介し、算出された駐車料金を利用者に対して提示する。駐車料金の提示は、様々な方法で行うことができる。たとえば、提示部24dは、精算装置Cのディスプレイに算出された駐車料金を表示する。或いは、提示部24dは、精算装置Cのスピーカから算出された駐車料金の金額を放音する。
【0062】
==駐車料金算出システムにおける処理について==
次に、図4を参照して本実施形態に係る駐車料金算出システム1における処理の具体例について述べる。図4は、駐車料金算出システム1における処理を示すフローチャートである。
【0063】
利用者Uは、駐車場への入庫時、専用アプリを起動した携帯端末Mを精算装置Cにかざす。
【0064】
携帯端末Mの情報送信部14aは、精算装置Cに対し、携帯端末Mの端末IDを送信する(端末IDの送信。ステップ10)。
【0065】
情報処理部24aは、携帯端末Mから端末IDを受信した際、端末IDと入庫時刻とを関連付けて入庫時刻記憶部20bに記憶させる(端末IDと入庫時刻を記憶。ステップ11)。
【0066】
その後、利用者Uは、カラオケ店舗に移動し、カラオケ装置Kを介してカラオケシステムKSへのログイン操作を行う。携帯端末Mは、利用者Uの操作に基づいて、カラオケシステムKSへのログインを行う(カラオケシステムへのログイン。ステップ12)。生成部14bは、カラオケ装置Kからログイン時刻及びカラオケ店舗の店舗IDを取得し、記憶部10に記憶させる(ログイン時刻及び店舗IDを記憶。ステップ13)。
【0067】
利用者Uは、カラオケシステムKSの利用を終了する際、ログアウト操作を行なう。利用者Uの操作に基づいて、カラオケシステムKSからログアウトする(カラオケシステムからログアウト。ステップ14)。生成部14bは、カラオケ装置Kからログアウト時刻を取得し、ステップ13で記憶した情報と併せて利用者情報として記憶部10に記憶する(ログアウト時刻を記憶。ステップ15)。
【0068】
利用者Uは、駐車場からの出庫時、再度、専用アプリを起動した携帯端末Mを精算装置Cにかざす。情報送信部14aは、端末ID及びステップ13及びステップ15で記憶した各種情報を含む利用者情報を精算装置Cに送信する(端末ID及び利用者情報の送信。ステップ16)。
【0069】
情報処理部24aは、携帯端末Mから受信した端末IDが関連付けられている入庫時刻を入庫時刻記憶部20bから読み出す(入庫時刻の読み出し。ステップ17)。
【0070】
算出部24cは、ステップ17で読み出した入庫時刻及び現在時刻に基づいて駐車料金を算出する(駐車料金の算出。ステップ18)。
【0071】
判定部24bは、識別情報記憶部20aに、ステップ16で送信された利用者情報に含まれる店舗IDと一致する店舗ID(割引店舗識別情報)が記憶されているかどうかを判定する。
【0072】
一致する店舗IDが記憶されていると判定された場合(ステップ19でYの場合)、算出部24cは、ステップ18で算出した駐車料金を、利用者情報に含まれるログイン時刻及びログアウト時刻に基づいて割引することで、駐車料金を算出する(割引をした駐車料金を算出。ステップ20)。
【0073】
提示制御部24dは、提示部22を介し、ステップ18またはステップ20で算出した駐車料金を利用者に提示する(駐車料金の提示。ステップ21)。
【0074】
なお、上記フローチャートでは、ステップ16において利用者情報が送信される例について述べた。一方、上述の通り、カラオケ店舗を利用しない一般客が駐車場を利用した場合等には、利用者情報が送信されない。このような場合、判定部24bは、携帯端末から端末識別情報と併せて利用者情報を受信したかどうかを判定する。利用者情報を受信していない場合、判定部24bは、その旨を算出部24cに出力する。算出部24cは、入庫時刻及び現在時刻に基づいて、正規の駐車料金(割引をしない駐車料金)を算出する。
【0075】
また、本実施形態では、利用者UがカラオケシステムKSにログインを行なった際に、生成部14bが、カラオケ装置Kからログイン時刻及びカラオケ店舗の店舗IDを取得し、記憶部10に記憶させたが、これに限られない。たとえば、利用者UがカラオケシステムKSからログアウトを行った際に、生成部14bが、カラオケ装置Kからログイン時刻、カラオケ店舗の店舗ID、及びログアウト時刻をまとめて取得し、利用者情報として記憶部10に記憶してもよい。また、生成部14bは、ログイン時刻とログアウト時刻としてログイン時刻及びログアウト時刻に基づいたカラオケ店舗の利用時間を取得し、店舗IDを含めた利用者情報を生成してもよい。更に、生成部14bがカラオケ装置Kから取得するのはカラオケ店舗の店舗IDのみとすることも可能である。この場合、生成部14bは、ログイン操作及びログアウト操作が行われたタイミングで携帯端末Mの時計機能を参照し、ログイン時刻及びログアウト時刻を特定し、取得した店舗IDを含めた利用者情報として記憶部10に記憶させる。
【0076】
以上から明らかなように、本実施形態に係る駐車料金算出システム1は、利用者が所有する携帯端末Mと、駐車場Pに設置された精算装置Cを含む。携帯端末Mは、精算装置Cに対し、少なくとも携帯端末Mを識別するための端末識別情報を含む各種情報を送信する情報送信部14aと、カラオケ装置Kを含むカラオケシステムKSへのログイン時刻、ログアウト時刻、及びカラオケ装置Kが設置されているカラオケ店舗Xを識別するための店舗識別情報を含む利用者情報を生成する生成部14bと、を有する。精算装置Cは、駐車料金の割引を行う対象となるカラオケ店舗を識別するための割引店舗識別情報を記憶する識別情報記憶部20aと、携帯端末Mを所有する利用者が駐車場Pに車を入庫した入庫時刻を携帯端末Mの端末識別情報と関連付けて記憶する入庫時刻記憶部20bと、携帯端末Mから端末識別情報を受信した際、当該端末識別情報が入庫時刻記憶部20bに記憶されていない場合には、当該端末識別情報と入庫時刻とを関連付けて入庫時刻記憶部20bに記憶させ、当該端末識別情報が入庫時刻記憶部20aに記憶されている場合には、当該携帯端末情報が関連付けられている入庫時刻を読み出す情報処理部24aと、携帯端末Mから端末識別情報と併せて利用者情報を受信した場合、識別情報記憶部20aに、当該利用者情報に含まれる店舗識別情報と一致する割引店舗識別情報が記憶されているかどうかを判定する判定部24bと、読み出した入庫時刻及び現在時刻に基づいて駐車料金を算出する算出部24cであって、一致する割引店舗識別情報が記憶されていると判定された場合には、利用者情報に含まれるログイン時刻及びログアウト時刻に基づいて割引をした駐車料金を算出する算出部24cと、を有する。
【0077】
このような駐車料金算出システム1によれば、利用者毎に入庫時刻及び現在時刻に基づいて駐車料金を算出することができる。その際、ログイン時刻及びログアウト時刻を参照することにより、利用者毎に駐車料金の割引を行うことができる。従って、カラオケ店舗のように複数の利用者でカラオケ歌唱を行った場合であっても、利用者全員が割引サービスを受けることが可能となる。また、割引サービスを希望する利用者は、入庫時及び出庫時に、自己の所有する携帯端末Mを精算装置Cにかざし、且つカラオケシステムKSへのログイン操作及びログアウト操作を行うだけでよい。従って、カラオケ店舗に、駐車券を提示して無料駐車券を受け取るといった煩雑な作業を行わなくともよい。なお、カラオケシステムKSへのログイン操作及びログアウト操作は、カラオケ装置Kを利用する際に通常行う作業であり、割引サービス利用のため特別に行うものではない。すなわち、本実施形態に係る駐車料金算出システム1によれば、複数の利用者でカラオケ店舗を利用する際であっても、それぞれの利用者が駐車料金の割引を簡易に受けることができる。
【0078】
また、本実施形態に係る精算装置Cは、提示部22を介し、算出された駐車料金を利用者に対して提示する提示制御部24dを有する。このように算出した駐車料金を提示することにより、利用者は支払うべき具体的な金額を容易に把握できる。
【0079】
更に、本実施形態に係る精算装置Cは、駐車場に設置される。精算装置Cは、駐車料金の割引を行う対象となるカラオケ店舗を識別するための割引店舗識別情報を記憶する識別情報記憶部20aと、携帯端末Mを所有する利用者が駐車場に車を入庫した入庫時刻を携帯端末Mの端末識別情報と関連付けて記憶する入庫時刻記憶部20bと、携帯端末Mから携帯端末Mを識別するための端末識別情報を受信した際、当該端末識別情報が入庫時刻記憶部20bに記憶されていない場合には、当該端末識別情報と入庫時刻とを関連付けて入庫時刻記憶部20bに記憶させ、当該端末識別情報が入庫時刻記憶部20bに記憶されている場合には、当該携帯端末情報が関連付けられている入庫時刻を読み出す情報処理部24aと、携帯端末Mから端末識別情報と併せて、カラオケ装置Kを含むカラオケシステムKSへのログイン時刻、ログアウト時刻、及びカラオケ装置Kが設置されているカラオケ店舗Xを識別するための店舗識別情報を含む利用者情報を受信した場合、識別情報記憶部20aに、当該利用者情報に含まれる店舗識別情報と一致する割引店舗識別情報が記憶されているかどうかを判定する判定部24bと、読み出した入庫時刻及び現在時刻に基づいて駐車料金を算出する算出部24cであって、一致する割引店舗識別情報が記憶されていると判定された場合には、利用者情報に含まれるログイン時刻及びログアウト時刻に基づいて割引をした駐車料金を算出する算出部24cと、を有する。このような精算装置Cによれば、複数の利用者でカラオケ店舗を利用する際であっても、それぞれの利用者が駐車料金の割引を簡易に受けることができる。
【0080】
<その他>
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0081】
1 駐車料金算出システム
14a 情報送信部
14b 生成部
20a 識別情報記憶部
20b 入庫時刻記憶部
24a 情報処理部
24b 判定部
24c 算出部
24d 提示制御部
C 精算装置
K カラオケ装置
KS カラオケシステム
M 携帯端末
S サーバ装置
図1
図2
図3
図4