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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】遮蔽装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/322 20060101AFI20221214BHJP
   E06B 9/84 20060101ALI20221214BHJP
   A47H 5/032 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
E06B9/322
E06B9/84 A
A47H5/032
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018224305
(22)【出願日】2018-11-29
(65)【公開番号】P2020084691
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-10-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100143568
【弁理士】
【氏名又は名称】英 貢
(72)【発明者】
【氏名】阿坂 翼
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-020132(JP,A)
【文献】特開昭51-074448(JP,A)
【文献】特開2014-031715(JP,A)
【文献】特開2006-200153(JP,A)
【文献】登録実用新案第3194531(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0053534(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/24-9/388
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向又は前後方向に配設される一対の遮蔽材について、当該一対の遮蔽材の各々に係る複数本の駆動軸の回転によっ開閉可能とする遮蔽装置であって、
前記1本又は複数本の駆動軸の回転を操作するための操作装置を備え、
前記操作装置は、
互いに独立して回転する一対の操作プーリーと、
前記一対の操作プーリーの各々にそれぞれ一端を接続し、それぞれ他端に1段又は複数段のグリップ部材を取着して垂下させるための一対の操作コードと、
前記一対の操作コードをそれぞれ巻き上げるよう前記一対の操作プーリーに対してそれぞれ互いに逆方向の回転に付勢力を付与する付勢手段と、
当該付勢力に抗して回転させる一対の操作プーリーのうち一方の回転を、前記遮蔽材の開閉に係る駆動軸に伝達させるための回転伝達機構と、を有し、
前記一対の操作プーリーは、前記一対の操作プーリーの中心軸が同軸上となるように並設されており、前記複数本の駆動軸の各々は、前記一対の操作プーリーの中心軸に対して、非同軸上に配設されており、
前記回転伝達機構は、当該付勢力に抗して回転させる一対の操作プーリーのうち一方の回転を前記複数本の駆動軸の一方に伝達する第1のギヤ機構と、当該付勢力に抗して回転させる一対の操作プーリーのうち他方の回転を前記複数本の駆動軸の他方に伝達する第2のギヤ機構と、を備えることを特徴とする遮蔽装置。
【請求項2】
前記操作装置は、前記一対の操作コードのうち当該付勢力に抗した一方の操作コードの引き操作で、当該一方の操作コードに対応する操作プーリーのみを回転させ、当該他方の操作コードに対応する操作プーリーの回転を停止させる回転制御手段を更に有することを特徴とする、請求項1に記載の遮蔽装置。
【請求項3】
記付勢手段は、ぜんまいバネで構成され、且つ前記ぜんまいバネの一端が前記一対の操作プーリーのうち一方に係止され、前記ぜんまいバネの他端が前記一対の操作プーリーのうち他方に係止され、
前記回転制御手段として、前記一対の操作コードのうち当該付勢力に抗した一方の操作コードの引き操作で、他方の操作コードに対応するグリップ部材の最頂部が前記一対の操作プーリーを独立して回転可能に支持する支持ケースに対し直接又は緩衝材を経て当接したときに、当該一方の操作コードに対応する操作プーリーのみを回転させ、当該他方の操作コードに対応する操作プーリーの回転を停止させるように構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の遮蔽装置。
【請求項4】
前記一対の操作プーリーの中心軸が、前記複数本の駆動軸間の略中央に位置するように配設されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の遮蔽装置。
【請求項5】
前記回転伝達機構を経て、当該付勢力に抗して回転させる一対の操作プーリーのうち一方の回転を入力し、前記一対の遮蔽材のうち一方の遮蔽材の開閉に係る駆動軸に伝達出力する第1のクラッチ部と、
前記回転伝達機構を経て、当該付勢力に抗して回転させる一対の操作プーリーのうち他方の回転を入力し、前記一対の遮蔽材のうち他方の遮蔽材の開閉に係る駆動軸に伝達出力する第2のクラッチ部と、
前記一対の遮蔽材のうち一方の遮蔽材の自重降下を防止するために該遮蔽材の開閉に係る駆動軸の回転をロック可能とする第1のストッパー部と、
前記一対の遮蔽材のうち他方の遮蔽材の自重降下を防止するために該遮蔽材の開閉に係る駆動軸の回転をロック可能とする第2のストッパー部と、を更に備え、
前記付勢手段による付勢力は、前記一対の操作コードのうちいずれの操作コードによっても、前記第1のストッパー部及び前記第2のストッパー部のロックを同時に解除可能とするように設定されていることを特徴とする、請求項からのいずれか一項に記載の遮蔽装置。
【請求項6】
1本の駆動軸の回転によって一つの遮蔽材を開閉可能とする遮蔽装置であって、
前記1本の駆動軸の回転を操作するための操作装置を備え、
前記操作装置は、
互いに独立して回転する一対の操作プーリーと、
前記一対の操作プーリーの各々にそれぞれ一端を接続し、それぞれ他端に1段又は複数段のグリップ部材を取着して垂下させるための一対の操作コードと、
前記一対の操作コードをそれぞれ巻き上げるよう前記一対の操作プーリーに対してそれぞれ互いに逆方向の回転に付勢力を付与する付勢手段と、
当該付勢力に抗して回転させる一対の操作プーリーのうち一方の回転を、前記遮蔽材の開閉に係る駆動軸に伝達させるための回転伝達機構と、を有し、
前記一対の操作プーリーは、前記一対の操作プーリーの中心軸が同軸上となるように並設されており
前記1本の駆動軸は、前記一対の操作プーリーの中心軸に対して、非同軸上に配設されていることを特徴とす遮蔽装置。
【請求項7】
前記回転伝達機構は、当該付勢力に抗して回転させる一対の操作プーリーのうち一方の回転を前記駆動軸に伝達するギヤ機構を備え、当該付勢力に抗して回転させる一対の操作プーリーのうち他方の回転は前記駆動軸に非伝達とすることを特徴とする、請求項に記載の遮蔽装置。
【請求項8】
前記回転伝達機構を経て、当該付勢力に抗して回転させる一対の操作プーリーのうち一方の回転を入力し、前記駆動軸に伝達出力するクラッチ部と、
前記遮蔽材の自重降下を防止するために前記駆動軸の回転をロック可能とするストッパー部と、を更に備え、
前記付勢手段による付勢力は、前記一対の操作コードのうちいずれの操作コードによっても、前記ストッパー部のロックを解除可能とするように設定されていることを特徴とする、請求項又はに記載の遮蔽装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーンや、スラット、カーテン等の遮蔽材をヘッドボックスから吊下支持し、その遮蔽材を昇降して採光量を調節可能とするプリーツスクリーン、横型ブラインド、たくし上げカーテン、カーテンレール等に関するものであり、特に、双方向に回転する操作源から回転伝達された入力軸の回転を一方向の回転に変換して、昇降操作対象の遮蔽材の駆動軸へ回転伝達する遮蔽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリーツスクリーンは、上下方向に折り曲げ可能としたスクリーンをヘッドボックスから吊下支持し、そのスクリーンを操作装置により昇降して採光量を適宜に調節するものである。
【0003】
一般的に1枚のスクリーンをヘッドボックスから吊下支持するプリーツスクリーンでは、このスクリーンをドレープ生地(遮光性生地)やレース生地(採光性生地)とし、そのスクリーンの畳み込みにより採光量を調整することができる。
【0004】
また、プリーツスクリーンの一種類として、上下方向にジグザグ状に折り曲げ可能としたスクリーンを異なる生地の上部スクリーンと下部スクリーンとで構成し、上部スクリーンの下端縁と下部スクリーンの上端縁を中間レールに取着し、中間レールとボトムレールをそれぞれ独立した昇降コードで吊下支持したものがある。
【0005】
このような上部スクリーンと下部スクリーンを持つプリーツスクリーンでは、上部スクリーンを採光性生地とし下部スクリーンを遮光性生地とするか、或いは逆に、上部スクリーンを遮光性生地とし下部スクリーンを採光性生地とするなど、様々な組み合わせの生地を中間レールで分離することができる。そして、上部スクリーンと下部スクリーンのいずれか一方又は双方を畳み込むことで採光量を調節することができ、採光量調節の自由度を高めている。また、中間レールを1つとすることに限らず、複数の中間レールとし3枚以上のスクリーンの組み合わせとすることもできる。
【0006】
ところで、遮蔽装置の中には、ヘッドボックスの一端に回動可能に支持された操作プーリーに無端状の操作コードを掛装し、その操作コードを操作して操作プーリーを回転させることにより、遮蔽材を昇降させるものがある。しかしながら、このような無端状の操作コードが操作プーリーから垂下されていると、操作コードの無端縁が室内を移動する居住者やその他の移動物体に引っ掛かることがある。
【0007】
このため、この無端状の操作コードに対し、通常の操作時に作用する引張力を超えるような過度な荷重が作用するときには、その引張力により分離されて居住者の安全を確保するセーフティ機能を有する連結部を設けたものもある。ただし、この連結部は一定の引張保持力を持つため、その引張保持力未満の荷重に対してセーフティ機能は働かない。
【0008】
そこで、操作に係るコードを無端状とせずに巻取コードと把持コードとを結び付けたものとし、その巻取コードの一端を操作プーリーに連結し、当該操作プーリーをぜんまいバネの付勢力で巻取コードの部分を巻き上げ可能とし、操作プーリーの一方向のみの回転を遮蔽材の昇降に係る回転軸に伝達可能とするクラッチ機構を設けたブラインドが開示されている(例えば、特許文献1参照)。尚、特許文献1の技法では、操作プーリーに直接巻回される巻取コードの下端に把持コードを結び付け、その把持コードの下端に操作つまみを取り付けたものとし、当該巻取コードの下端と把持コードの上端との結び目の部分に、把持コードの巻回を防止させるためのコード留具(当該文献ではストッパと称される)を設けたものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特許第4440802号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1の技法では、操作コードを無端状としていないため、幼児等に対する安全性に関して有利なものとなっている。しかしながら、特許文献1の技法では、一つの操作装置で一つの遮蔽材のみを昇降する構造となっているため、例えば複数の遮蔽材の昇降を別個の操作コードで独立して操作可能とする遮蔽装置に対しては、当該操作装置を複数設ける必要があり、当該昇降操作に係る装置の大型化やコストが増大するという問題がある。
【0011】
また、操作コードを無端状とせずに、複数の遮蔽材の昇降を別個の操作コードで独立して操作可能とする遮蔽装置を構成するには、より操作性の優れた操作装置の構成が望まれる。
【0012】
本発明は、上述の問題に鑑みて、小型化、低廉化及び操作性の向上を図りつつ、安全性を高めることができる遮蔽装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明による遮蔽装置は、上下方向又は前後方向に配設される一対の遮蔽材について、当該一対の遮蔽材の各々に係る複数本の駆動軸の回転によっ開閉可能とする遮蔽装置であって、前記1本又は複数本の駆動軸の回転を操作するための操作装置を備え、前記操作装置は、互いに独立して回転する一対の操作プーリーと、前記一対の操作プーリーの各々にそれぞれ一端を接続し、それぞれ他端に1段又は複数段のグリップ部材を取着して垂下させるための一対の操作コードと、前記一対の操作コードをそれぞれ巻き上げるよう前記一対の操作プーリーに対してそれぞれ互いに逆方向の回転に付勢力を付与する付勢手段と、当該付勢力に抗して回転させる一対の操作プーリーのうち一方の回転を、前記遮蔽材の開閉に係る駆動軸に伝達させるための回転伝達機構と、を有し、前記一対の操作プーリーは、前記一対の操作プーリーの中心軸が同軸上となるように並設されており、前記複数本の駆動軸の各々は、前記一対の操作プーリーの中心軸に対して、非同軸上に配設されており、前記回転伝達機構は、当該付勢力に抗して回転させる一対の操作プーリーのうち一方の回転を前記複数本の駆動軸の一方に伝達する第1のギヤ機構と、当該付勢力に抗して回転させる一対の操作プーリーのうち他方の回転を前記複数本の駆動軸の他方に伝達する第2のギヤ機構と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明による遮蔽装置において、前記操作装置は、前記一対の操作コードのうち当該付勢力に抗した一方の操作コードの引き操作で、当該一方の操作コードに対応する操作プーリーのみを回転させ、当該他方の操作コードに対応する操作プーリーの回転を停止させる回転制御手段を更に有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明による遮蔽装置において、記付勢手段は、ぜんまいバネで構成され、且つ前記ぜんまいバネの一端が前記一対の操作プーリーのうち一方に係止され、前記ぜんまいバネの他端が前記一対の操作プーリーのうち他方に係止され、前記回転制御手段として、前記一対の操作コードのうち当該付勢力に抗した一方の操作コードの引き操作で、他方の操作コードに対応するグリップ部材の最頂部が前記一対の操作プーリーを独立して回転可能に支持する支持ケースに対し直接又は緩衝材を経て当接したときに、当該一方の操作コードに対応する操作プーリーのみを回転させ、当該他方の操作コードに対応する操作プーリーの回転を停止させるように構成されていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明による遮蔽装置において、前記一対の操作プーリーの中心軸が、前記複数本の駆動軸間の略中央に位置するように配設されていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明による遮蔽装置において、前記回転伝達機構を経て、当該付勢力に抗して回転させる一対の操作プーリーのうち一方の回転を入力し、前記一対の遮蔽材のうち一方の遮蔽材の開閉に係る駆動軸に伝達出力する第1のクラッチ部と、前記回転伝達機構を経て、当該付勢力に抗して回転させる一対の操作プーリーのうち他方の回転を入力し、前記一対の遮蔽材のうち他方の遮蔽材の開閉に係る駆動軸に伝達出力する第2のクラッチ部と、前記一対の遮蔽材のうち一方の遮蔽材の自重降下を防止するために該遮蔽材の開閉に係る駆動軸の回転をロック可能とする第1のストッパー部と、前記一対の遮蔽材のうち他方の遮蔽材の自重降下を防止するために該遮蔽材の開閉に係る駆動軸の回転をロック可能とする第2のストッパー部と、を更に備え、前記付勢手段による付勢力は、前記一対の操作コードのうちいずれの操作コードによっても、前記第1のストッパー部及び前記第2のストッパー部のロックを同時に解除可能とするように設定されていることを特徴とする。
【0020】
また、本発明による遮蔽装置1本の駆動軸の回転によって一つの遮蔽材を開閉可能とする遮蔽装置であって、前記1本の駆動軸の回転を操作するための操作装置を備え、前記操作装置は、互いに独立して回転する一対の操作プーリーと、前記一対の操作プーリーの各々にそれぞれ一端を接続し、それぞれ他端に1段又は複数段のグリップ部材を取着して垂下させるための一対の操作コードと、前記一対の操作コードをそれぞれ巻き上げるよう前記一対の操作プーリーに対してそれぞれ互いに逆方向の回転に付勢力を付与する付勢手段と、当該付勢力に抗して回転させる一対の操作プーリーのうち一方の回転を、前記遮蔽材の開閉に係る駆動軸に伝達させるための回転伝達機構と、を有し、前記一対の操作プーリーは、前記一対の操作プーリーの中心軸が同軸上となるように並設されており前記1本の駆動軸は、前記一対の操作プーリーの中心軸に対して、非同軸上に配設されていることを特徴とする。
【0021】
また、本発明による遮蔽装置において、前記回転伝達機構は、当該付勢力に抗して回転させる一対の操作プーリーのうち一方の回転を前記駆動軸に伝達するギヤ機構を備え、当該付勢力に抗して回転させる一対の操作プーリーのうち他方の回転は前記駆動軸に非伝達とすることを特徴とする。
【0022】
また、本発明による遮蔽装置において、前記回転伝達機構を経て、当該付勢力に抗して回転させる一対の操作プーリーのうち一方の回転を入力し、前記駆動軸に伝達出力するクラッチ部と、前記遮蔽材の自重降下を防止するために前記駆動軸の回転をロック可能とするストッパー部と、を更に備え、前記付勢手段による付勢力は、前記一対の操作コードのうちいずれの操作コードによっても、前記ストッパー部のロックを解除可能とするように設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、操作装置に係る小型化、低廉化及び操作性の向上を図りつつ、安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】(a),(b)は、それぞれ本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンの概略構成を示す平面図及び正面図である。
図2】本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンの概略構成を示す側面図である。
図3】本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンにおける操作装置の概略構成を示す斜視図である。
図4】本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンにおける操作装置の概略構成を示す分解斜視図である。
図5】本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンにおける操作装置の概略構成を示す断面平面図である。
図6】(a)乃至(c)は、それぞれ本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンにおける操作装置の動作を説明するための透視側面図である。
図7】(a),(b)は、それぞれ本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンにおける操作装置の動作を説明するための断面平面図である。
図8】(a),(b)は、それぞれ本発明による第2実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンの概略構成を示す平面図及び正面図である。
図9】本発明による第2実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンの概略構成を示す側面図である。
図10】(a),(b)は、それぞれ本発明による他の実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンの概略構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明による各実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンを説明する。尚、本願明細書中、図1(b)に示すプリーツスクリーンの正面図に対して、図示上方及び図示下方をそれぞれ上方向(又は上側)及び下方向(又は下側)と定義し、図示左方向をプリーツスクリーンの左側、及び、図示右方向をプリーツスクリーンの右側と定義して説明する。また、図1(b)の正面図を視認する側を前側(室内側)とし、その反対側を後側(室外側)とする。
【0026】
〔第1実施形態〕
(全体構成)
図1(a),(b)は、それぞれ本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンの概略構成を示す平面図及び正面図である。また、図2は、本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンの概略構成を示す側面図である。
【0027】
図1及び図2に示すプリーツスクリーンは、ヘッドボックス1から上部スクリーン11Uが吊下支持され、上部スクリーン11Uの下端に中間レール20が取着されている。また、中間レール20から下部スクリーン11Lが吊下支持され、下部スクリーン11Lの下端にボトムレール12が取着されている。
【0028】
上部スクリーン11Uは、例えば遮光性の生地をジグザグ状に折り畳み可能としたものであり、下部スクリーン11Lは例えばレース生地等の半透過性を備えた生地をジグザグ状に折り畳み可能としたものであり、いずれも遮蔽材として構成される。尚、上部スクリーン11U及び下部スクリーン11Lの生地種は、本例に限らず種々のものを利用できる。
【0029】
ヘッドボックス1から垂下される昇降コード17は、上部スクリーン11Uの背面を垂下した後、中間レール20を貫通し、さらに下部スクリーン11Lを貫通して、その下端がボトムレール12に取着されている。また、ヘッドボックス1から垂下される昇降コード18は、上部スクリーン11Uを貫通して、その下端が中間レール20に取着されている。
【0030】
図2に示すように、上部スクリーン11U及び下部スクリーン11Lの背面側には、ヘッドボックス1及び中間レール20間と、中間レール20及びボトムレール12間に、それぞれピッチ保持コード22,23が配設されている。各ピッチ保持コード22,23は、上部スクリーン11U及び下部スクリーン11Lの折り目のピッチを一定にするように動作する。上部スクリーン11Uの背面側のピッチ保持コード22にて等間隔に多数設けられた環状の支持コード22aには、昇降コード17,18が挿通されている。また、下部スクリーン11Lの背面側のピッチ保持コード23にて等間隔に多数設けられた環状の支持コード23aには、昇降コード17が挿通されている。
【0031】
そして、中間レール20を下降させて上部スクリーン11Uを引き伸ばすとき、上部スクリーン11Uが支持コード22aに支持されて、上部スクリーン11Uの折り目がほぼ等間隔に保持されるようになっている。また、ボトムレール12を下降させて下部スクリーン11Lを引き伸ばすとき、下部スクリーン11Lが支持コード23aに支持されて、下部スクリーン11Lの折り目がほぼ等間隔に保持されるようになっている。
【0032】
昇降コード17,18の各上端部は、ヘッドボックス1内で支持部材に回転可能に支持される巻取軸5R,5Fにそれぞれ巻着されている。即ち、巻取軸5R,5Fの各々はヘッドボックス1内において前後方向に並列する状態で支持部材に回転可能に支持されている。
【0033】
そして、昇降コード17の上端部が巻取軸5Rに巻着され、また昇降コード18の上端部が第2の巻取軸5Fに巻着され、各昇降コード17,18は、それぞれ巻取軸5R,5Fに対し互いに逆方向に巻着されている。また、各昇降コード17,18は、それぞれ巻取軸5R,5Fの回転に基づいて、螺旋状に巻き取られ、或いは巻戻されるようになっている。巻取軸5Rには六角棒状の駆動軸7Rが相対回転不能に挿通され、駆動軸7Rが回転すれば巻取軸5Rも一体となって回転する。同様に、巻取軸5Fには六角棒状の駆動軸7Fが相対回転不能に挿通されており、駆動軸7Fが回転すれば巻取軸5Fも一体となって回転する。駆動軸7Rの一端はクラッチ部4Rの出力軸に連結され、駆動軸7Fの一端はクラッチ部4Fの出力軸に連結され、各クラッチ部4R,4Fは同一構造で構成されている。
【0034】
ヘッドボックス1の一方の端部には、詳細に後述するが、操作装置3が取着されている。操作装置3の基端側における支持ケース31内で一対の操作プーリー32,34が回転可能に支持され、一対の操作プーリー32,34は、それぞれの一対の操作プーリー32,34の中心軸が同軸上となるように並設されている。そして、一対の操作プーリー32,34の各々には、それぞれ一対の操作コード13,14の一端が接続されて前後に下方へ垂下されている。また、一対の操作プーリー32,34を支持ケース31内に収容して軸支する蓋ケース35が支持ケース31に固定され、蓋ケース35は操作プーリー34の中心軸を突出させて回転可能に支持している。
【0035】
操作コード13の他端には、連結用操作コード13aを利用して複数段のグリップ部材15U,15Lが取着されている。尚、連結用操作コード13aは複数段のグリップ部材15U,15Lを連結する操作コード13とは別のコードとしてもよいが、本例では、操作コード13と連結用操作コード13aは1本のコードで構成され、上段側のグリップ部材15Uが操作コード13上の所望位置で固定できるように水平方向で2部材を互いに操作コード13を挟み込んで嵌着するものとなっている。また、下段側のグリップ部材15Lもグリップ部材15Uと同構造とすることで、操作コード13(連結用操作コード13a)の長さを所望長さに調節して取着できるようになっている。
【0036】
同様に、操作コード14の他端には、連結用操作コード14aを利用して複数段のグリップ部材16U,16Lが取着されている。尚、連結用操作コード14aは複数段のグリップ部材16U,16Lを連結する操作コード14とは別のコードとしてもよいが、本例では、操作コード14と連結用操作コード14aは1本のコードで構成され、上段側のグリップ部材16Uが操作コード14上の所望位置で固定できるように水平方向で2部材を互いに操作コード14を挟み込んで嵌着するものとなっている。また、下段側のグリップ部材16Lもグリップ部材16Uと同構造とすることで、操作コード14(連結用操作コード14a)の長さを所望長さに調節して取着できるようになっている。
【0037】
操作装置3には、操作プーリー32の当該一方向の回転を駆動軸7Fに伝達するための回転伝達機構(後述する回転伝達軸36及び被動ギヤ部材38)が設けられ、この回転伝達軸36及び被動ギヤ部材38を介して作動するクラッチ部4Fにより、操作コード13の引き操作を行ったときのみ上部スクリーン11Uの開閉に係る駆動軸7Fが回転するようになっている。
【0038】
また、操作装置3には、操作プーリー34の当該他方向の回転を駆動軸7Rに伝達するための回転伝達機構(後述する被動ギヤ部材37)が設けられ、この被動ギヤ部材37を介して作動するクラッチ部4Rにより、操作コード14の引き操作を行ったときのみ下部スクリーン11Lの開閉に係る駆動軸7Rが回転するようになっている。
【0039】
各駆動軸7R,7Fは、それぞれヘッドボックス1内のストッパー部8R,8Fに挿通されている。ストッパー部8Rは、ボトムレール12の引き上げ操作の後に操作コード14を手放したとき、下部スクリーン17の開閉に係る駆動軸7Rの回転をロックして、ボトムレール12の自重降下を防止する公知の作用をなす。ストッパー部8Fは、中間レール20の引き上げ操作の後に操作コード13を手放したとき、上部スクリーン18の開閉に係る駆動軸7Fの回転をロックして、中間レール20の自重降下を防止する公知の作用をなす。
【0040】
尚、操作コード13の僅かな引き操作後の手放しで操作プーリー32を回転させ、回転伝達機構(後述する回転伝達軸36及び被動ギヤ部材38)を介してクラッチ部4Fを作動させ、駆動軸7Fを僅かに回転させることで、ストッパー部8Fのロックを解除することができ、中間レール20を自重降下させることができる。同様に、操作コード14の僅かな引き操作後の手放しで操作プーリー34を回転させ、回転伝達機構(後述する被動ギヤ部材37)を介してクラッチ部4Rを作動させ、駆動軸7Rを僅かに回転させることで、ストッパー部8Rのロックを解除することができ、ボトムレール12を自重降下させることができる。
【0041】
また、ストッパー部8R,8Fの側方にそれぞれガバナー装置9R,9Fが配置されている。各ガバナー装置9R,9Fは、それぞれボトムレール12及び中間レール20を自重降下させる際に、その降下速度を一定以下に維持するよう制動する装置である。ただし、このようなガバナー装置は必ずしも設けずともよい。
【0042】
ヘッドボックス1の他方の端部には、巻取軸5Rにおける昇降コード17の最大巻戻し量を設定してボトムレール12の下限位置を設定する下限リミット装置10Rが配設されている。尚、本例では、巻取軸5Fにおける昇降コード18の最大巻戻し量を設定するための下限リミット装置を設けていないが、巻取軸5Fにおける昇降コード18の最大巻戻し量を設定して中間レール20の下限位置を設定する下限リミット装置を配設してもよい。ただし、このような下限リミット装置は必ずしも設けずともよい。
【0043】
上述したように、本実施形態に係る操作装置3は、操作コード13の引き操作を行ったときのみ上部スクリーン11Uの開閉に係る駆動軸7Fが回転し、操作コード14の引き操作を行ったときのみ下部スクリーン11Lの開閉に係る駆動軸7Rが回転するようになっている。
【0044】
以下、より具体的に、図3乃至図7を参照して、本実施形態に係る操作装置3について説明する。
【0045】
(操作装置の構成)
まず、図3は、本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンにおける操作装置3の概略構成を示す斜視図である。また、図4は操作装置3の概略構成を示す分解斜視図であり、図5は操作装置3の概略構成を示す断面平面図である。
【0046】
図3乃至図5に示すように、本実施形態に係る操作装置3は、支持ケース31と、一対の操作プーリー32,34と、ぜんまいバネ33と、蓋ケース35と、回転伝達軸36と、被動ギヤ部材37,38と、を備える。
【0047】
支持ケース31は、一対の操作プーリー32,34をそれぞれ独立して回転可能に軸支して収容し、一対の操作プーリー32,34の各々により巻き上げ可能にされるそれぞれ操作コード13,14の垂下を案内する。より具体的には、支持ケース31には、一対の操作プーリー32,34を回転可能に収容する周壁311が設けられ、支持ケース31の側壁に形成される軸孔312に操作プーリー32の一方の中心軸321が回転可能に軸支される。
【0048】
操作プーリー32の図示左方の他方の中心軸322には、長孔形状の係止孔323が穿設されている。また、操作プーリー34には片側中心軸342が設けられ、片側中心軸342にはその軸方向に貫通する貫通孔345が形成されている。この貫通孔345には、回転伝達軸36の軸部361が相対回転可能に挿通され、その軸部361における基端部362が、操作プーリー32における長孔形状の係止孔323と相対回転不能に嵌合する。従って、操作プーリー32が回転すると、これに同期して回転伝達軸36も一体となって回転するが、操作プーリー34が回転しても、これに同期して回転伝達軸36が一体となって回転することはない。このため、一対の操作プーリー32,34は、それぞれ独立して回転可能になっている。
【0049】
本実施形態の例では、一対の操作プーリー32,34は、各操作プーリー32,34の中心軸が同軸上となるように並設されており、一対の操作プーリー32,34間にぜんまいバネ33を収容されるように操作プーリー34には周壁341が形成されている。そして、ぜんまいバネ33の一端331が操作プーリー32の中心軸322上に形成される係止部324にて係止され、ぜんまいバネ33の他端332が操作プーリー34の周壁341上に形成される係止部344にて係止される。
【0050】
また、一対の操作プーリー32,34を独立して回転可能に支持する支持ケース314には、操作プーリー32により巻回される操作コード13の垂下を案内するための曲面貫通孔で形成されたコード案内部313と、操作プーリー34により巻回される操作コード14の垂下を案内するためのガイド片で形成されたコード案内部314とが形成されている。
【0051】
そして、操作コード13の引き操作を行うと、操作コード14に取着される複数段のグリップ部材16U,16Lの最頂部(つまり、本実施形態の例ではグリップ部材16Uの頂部)が支持ケース314の底部に当接するため操作プーリー34の回転が停止されて、操作プーリー32の回転にぜんまいバネ33の付勢力が付与されるようになる。
【0052】
同様に、操作コード14の引き操作を行うと、操作コード13に取着される複数段のグリップ部材15U,15Lの最頂部(つまり、本実施形態の例ではグリップ部材15Uの頂部)が支持ケース314の底部に当接するため操作プーリー32の回転が停止されて、操作プーリー34の回転にぜんまいバネ33の付勢力が付与されるようになる。
【0053】
このように、ぜんまいバネ33は、一対の操作コード13,14をそれぞれ巻き上げるよう一対の操作プーリー32,34に対してそれぞれ互いに逆方向の回転に付勢力を付与するものとなる。
【0054】
尚、それぞれのグリップ部材15U及びグリップ部材16Uの上方に、当該当接の衝撃を緩和するために、例えばゴム材や可撓性の合成樹脂材等で形成された緩衝材(図示せず)を設けてもよい。
【0055】
従って、操作装置3は、一対の操作コード13,14のうち当該付勢力に抗した一方の操作コードの引き操作で、他方の操作コードに対応する複数段のグリップ部材の最頂部が支持ケース31に対し直接又は緩衝材を経て当接したときに、当該一方の操作コードに対応する操作プーリーのみを回転させ、当該他方の操作コードに対応する操作プーリーの回転を停止させる回転制御手段を有するものとして構成されている。このため、操作コードを無端状とする必要がなく、自動的に巻き上げ可能となるので、操作性、及び安全性の高い操作装置3が実現される。
【0056】
また、一対の操作プーリー32,34は、支持ケース31における周壁311で回転支持されながら収容されるだけでなく、操作プーリー34の周壁341は、操作プーリー32に形成される凹周壁325で相対回転可能に支持され、更に、一対の操作プーリー32,34を支持ケース31内に収容して軸支する蓋ケース35が支持ケース31に固定されると、蓋ケース35に形成される軸孔351にて操作プーリー34から突出する片側中心軸342が回転可能に支持される。このため、独立して回転する一対の操作プーリー32,34を設ける場合でも、極めて小型化され、且つ低廉な操作装置3が実現される。
【0057】
また、軸方向に並設される一対の操作プーリー32,34の中心軸は、複数本の駆動軸7R,7Fの各々に対して非同軸上に配設されており、特に、複数本の駆動軸7R,7F間の略中央に位置するように配設されている。この観点からも、極めて小型化された操作装置3が実現される。
【0058】
一対の操作プーリー32,34が支持ケース31に収容された状態で、蓋ケース35が支持ケース31に固定される。支持ケース31と蓋ケース35の固定は、本例では支持ケース31に形成される各ネジ孔314に対応する位置に、蓋ケース35にも各ネジ孔356が形成されており、取付ネジ(図示せず)を用いて固定されるようになっている。
【0059】
一対の操作プーリー32,34を収容して蓋ケース35が支持ケース31に固定されると、蓋ケース35に形成される軸孔351から、操作プーリー34における片側中心軸342の先端に形成される回転伝達ギヤ343が露出する。
【0060】
操作プーリー34における回転伝達ギヤ343は、操作プーリー32と一体となって回転する回転伝達軸36の軸部361に対しては相対回転可能となって、回転伝達軸36の先端に形成される伝達ギヤ363と隣接配置される。
【0061】
被動ギヤ部材37は、蓋ケース35に対して回転可能に支持される。より具体的には、蓋ケース35に形成される固定軸352が被動ギヤ部材37の軸方向に貫通する貫通孔374に挿通されて回転支持され、且つ被動ギヤ部材37の先端側に形成される円筒部373が蓋ケース35に形成される一部開口した周壁353の先端部に回転支持される。
【0062】
被動ギヤ部材37が蓋ケース35に対して回転可能に支持されると、蓋ケース35の周壁353の当該一部開口した開口部を介して、被動ギヤ部材37の基端側に設けられる被動ギヤ371が操作プーリー34における回転伝達ギヤ343と噛合する。
【0063】
一方、被動ギヤ部材38も、被動ギヤ部材37と前後方向に並設される位置で、蓋ケース35に対して回転可能に支持される。より具体的には、蓋ケース35に形成される固定軸354が被動ギヤ部材38の軸方向に貫通する貫通孔384に挿通されて回転支持され、且つ被動ギヤ部材38の先端側に形成される円筒部383が蓋ケース35に形成される一部開口した周壁355の先端部に回転支持される。
【0064】
被動ギヤ部材38が蓋ケース35に対して回転可能に支持されると、蓋ケース35の周壁355の当該一部開口した開口部を介して、被動ギヤ部材38の基端側に設けられる被動ギヤ381が回転伝達軸36の先端に形成される伝達ギヤ363と噛合する。尚、被動ギヤ部材37,38が蓋ケース35に対して回転可能に支持される状態では、回転伝達軸36の伝達ギヤ363が、被動ギヤ部材37における被動ギヤ371及び円筒部373間の小径軸372に位置して互いに干渉しないようになっている。
【0065】
このように、回転伝達軸36及び被動ギヤ部材37,38は、極めて小型化が実現される配置となっており、操作装置3における操作プーリー32,34のうち操作プーリー32の一方の回転を駆動軸7Fに、操作プーリー34の他方の回転を駆動軸7に伝達させるための回転伝達機構として構成される。
【0066】
つまり、蓋ケース35に形成される固定軸352にはクラッチ部4Rに形成される固定軸40の基端部を相対回転不能に係合させる半円状の係合溝(図示略)が穿設されており、同じく蓋ケース35に形成される固定軸354にはクラッチ部4Fに形成される固定軸40の基端部を相対回転不能に係合させる半円状の係合溝(図示略)が穿設されている。
【0067】
そして、被動ギヤ部材37の円筒部373に穿設される一対の凹部375に、クラッチ部4Rの入力軸41に形成される一対の凸片(図示略)が係合し、被動ギヤ部材37が回転すると、クラッチ部4Rの入力軸41も同方向に一体となって回転する。クラッチ部4Rの入力軸41の回転は、クラッチ部4Rのクラッチスプリング421の作用で作動するクラッチ機構42により、操作コード14の引き操作で回転する操作プーリー34の回転のみがクラッチ部4Rの出力軸43に伝達され、この出力軸43が回転すると駆動軸7Rも一体となって回転し、ボトムレール12が上昇する。そして、操作コード14の引き操作を繰り返すことで、所望位置までボトムレール12を上昇させることができる。ボトムレール12を降下させたいときは、操作コード14の僅かな引き操作後の手放しでクラッチ部4Rのロックを解除して、自重降下させることができる。
【0068】
また、被動ギヤ部材38の円筒部383に穿設される一対の凹部385に、クラッチ部4Fの入力軸41に形成される一対の凸片(図示略)が係合し、被動ギヤ部材38が回転すると、クラッチ部4Fの入力軸41も同方向に一体となって回転する。クラッチ部4Fの入力軸41の回転は、クラッチ部4Fのクラッチスプリング421の作用で作動するクラッチ機構42により、操作コード13の引き操作で回転する操作プーリー32の回転のみがクラッチ部4Fの出力軸43に伝達され、この出力軸43が回転すると駆動軸7Fも一体となって回転し、中間レール20が上昇する。そして、操作コード13の引き操作を繰り返すことで、所望位置まで中間レール20を上昇させることができる。中間レール20を降下させたいときは、操作コード13の僅かな引き操作後の手放しでクラッチ部4Fのロックを解除して、自重降下させることができる。
【0069】
(操作装置の動作)
より具体的に、図6及び図7を参照して、操作装置3の動作を説明する。図6(a)乃至(c)は、それぞれ本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンにおける操作装置3の動作を説明するための透視側面図であり、図7(a),(b)は、操作装置3の動作を説明するための断面平面図である。
【0070】
上述したように、支持ケース31内では、各操作コード13,14を巻き上げるようそれぞれの一対の操作プーリー32,34に対して、それぞれ互いに逆方向の回転に付勢力を付与する付勢手段として、ぜんまいバネ33が設けられている。
【0071】
まず、図6(a)及び図7(a)を参照するに、操作コード13の引き操作で操作プーリー32は図示A方向に回転し、操作コード13を手放すとぜんまいバネ33の付勢力で操作プーリー32は図示A方向とは逆方向に回転して、操作コード13が巻き上げられる(図6(c)参照)。
【0072】
そして、図7(a)に示すように操作コード13の引き操作により当該付勢力に抗して回転させる操作プーリー32の図示A方向の回転は、回転伝達軸36を介して図示A方向の回転とは逆方向(図示C方向)の回転になるよう被動ギヤ部材38に伝達され、被動ギヤ部材38の回転はクラッチ部4Fの入力軸41に同方向に回転伝達される。そして、クラッチ部4Fの入力軸41の回転は、クラッチ部4Fの出力軸43に同方向に回転伝達され、その出力軸43に対して一体となって回転するように係合する駆動軸7Fが図示C方向に回転する。駆動軸7Fの回転で第2の巻取軸5Fが同期回転して第2の昇降コード18が巻き取られ、中間レール20が上昇する。
【0073】
クラッチ部4Fの基本動作についてより具体的に説明すると、クラッチ部4Fの中心に設けられているクラッチ部4F用の固定軸40は支持ケース31に固定される蓋ケース35に対して相対回転不能に固定される。そして、クラッチ部4Fに設けられているクラッチ機構42は、当該固定軸40に巻き付けられるクラッチスプリング421の作用で当該入力軸41の図示C方向の回転のみを当該出力軸43に回転伝達し、当該入力軸41の図示C方向とは逆方向の回転は当該出力軸43に非伝達とする。このため、ぜんまいバネ33の付勢力で操作プーリー32が操作コード13を巻き上げる方向に回転するときは駆動軸7Fが回転せず、巻取軸5Fも回転しないようになっている。従って、操作プーリー32の図示A方向の回転を駆動軸7Fに伝達するための回転伝達機構として構成される回転伝達軸36及び被動ギヤ部材38と、クラッチ部4Fにより、操作コード13の引き操作を行ったときのみ上部スクリーン11Uの開閉に係る駆動軸7Fが回転する。
【0074】
一方、図6(b)及び図7(b)を参照するに、操作コード14の引き操作で操作プーリー34は図示B方向に回転し、操作コード14を手放すとぜんまいバネ33の付勢力で操作プーリー34は図示B方向とは逆方向に回転して、操作コード14が巻き上げられる(図6(c)参照)。
【0075】
そして、図7(b)に示すように操作コード14の引き操作により当該付勢力に抗して回転させる操作プーリー34の図示B方向の回転は、図示B方向の回転とは逆方向(図示D方向)の回転になるよう被動ギヤ部材37に伝達され、被動ギヤ部材37の回転はクラッチ部4Rの入力軸41に同方向に回転伝達される。そして、クラッチ部4Rの入力軸41の回転は、クラッチ部4Rの出力軸43に同方向に回転伝達され、その出力軸43に対して一体となって回転するように係合する駆動軸7Rが図示D方向に回転する。駆動軸7Rの回転で第1の巻取軸5Rが同期回転して第1の昇降コード17が巻き取られ、ボトムレール12が上昇する。
【0076】
クラッチ部4Rの基本動作についてより具体的に説明すると、クラッチ部4Rの中心に設けられているクラッチ部4R用の固定軸40は支持ケース31に固定される蓋ケース35に対して相対回転不能に固定される。そして、クラッチ部4Rに設けられているクラッチ機構42は、当該固定軸40に巻き付けられるクラッチスプリング421の作用で当該入力軸41の図示D方向の回転のみを当該出力軸43に回転伝達し、当該入力軸41の図示D方向の回転とは逆方向の回転は当該出力軸43に非伝達とする。このため、ぜんまいバネ33の付勢力で操作プーリー34が操作コード14を巻き上げる方向に回転するときは駆動軸7Rが回転せず、巻取軸5Rも回転しないようになっている。従って、操作プーリー34の図示B方向の回転を駆動軸7Rに伝達するための回転伝達機構として構成される被動ギヤ部材37と、クラッチ部4Rにより、操作コード14の引き操作を行ったときのみ下部スクリーン11Lの開閉に係る駆動軸7Rが回転する。
【0077】
ところで、上記までの動作の説明では、操作コード13の引き操作を行ったときのみ上部スクリーン11Uの開閉に係る駆動軸7Fが回転し、操作コード14の引き操作を行ったときのみ下部スクリーン11Lの開閉に係る駆動軸7Rが回転するとして説明したが、実際には、操作コード13の僅かな引き操作後の手放しで、操作コード14に係る操作プーリー34に反動回転が僅かに生じ、同様に操作コード14の僅かな引き操作後の手放しで、操作コード13に係る操作プーリー32に反動回転が僅かに生じるようにして、複数本の駆動軸7R,7Fの各々を僅かに回転させ、上部スクリーン11U及び下部スクリーン11Lを一括して自重降下させる構成とすることができる。
【0078】
つまり、一対の操作コード13,14のいずれについても引き操作を開放して(各グリップ部材を手放して)、一対の操作コード13,14の各々がそれぞれ一対の操作プーリー32,34に巻き上げられる状態では、各グリップ部材の最頂部が支持ケース31の底部に完全に当接するようにぜんまいバネ33の付勢力を調節して設定することは可能である。しかし、図1(b)及び図2、或いは図6(c)に示すように、或る程度、各グリップ部材の最頂部が支持ケース31の底部から離れた位置(操作コード13,14が外部から視認できる位置)で停止するようにしてもよい。即ち、ぜんまいバネ33の付勢力で各グリップ部材の最頂部が支持ケース31の底部から離れた位置で停止するとしても、一対の操作コード13,14のうちいずれか一方の僅かな引き操作後の手放しで、他方の操作コードに係る操作プーリーに反動回転が僅かに生じて、複数本の駆動軸7R,7Fの各々を僅かに回転させることができるようにぜんまいバネ33の付勢力を調節して設定するのが好適である。これにより、一対の操作コード13,14のいずれによっても、各駆動軸7R,7Fの回転をそれぞれロックするように作動しているストッパー部8R,8Fに対して、同時にロック解除させ、上部スクリーン11U及び下部スクリーン11Lを一括して自重降下させることができ、使い勝手が向上する。
【0079】
以上のように、本実施形態に係る遮蔽装置によれば、操作装置3に係る小型化、低廉化及び操作性の向上を図りつつ、安全性を高めることができる。
【0080】
〔第2実施形態〕
(全体構成)
図8(a),(b)は、それぞれ本発明による第2実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンの概略構成を示す平面図及び正面図である。また、図9は、本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンの概略構成を示す側面図である。尚、図8及び図9において、第1実施形態と同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
【0081】
上述した第1実施形態では、本発明に係る操作装置3を適用する遮蔽装置として、上下方向に配設される一対の遮蔽材(上部スクリーン11U及び下部スクリーン11L)からなり、複数本の駆動軸7R,7Fの各々の回転で当該一対の遮蔽材(上部スクリーン11U及び下部スクリーン11L)の各々の開閉を行うプリーツスクリーンを説明した。そして、第1実施形態では、複数本の駆動軸7R,7Fの各々は、操作装置3における一対の操作プーリー32,34の同軸上となる中心軸に対して、非同軸上に配設され、特に、一対の操作プーリー32,34の中心軸が、前記複数本の駆動軸7R,7F間の略中央に位置するように配設されている例を説明した。
【0082】
一方、図8及び図9に示す第2実施形態では、本発明に係る操作装置3を適用する遮蔽装置として、一つの遮蔽材(スクリーン11)からなり、1本の駆動軸7の回転で当該一つの遮蔽材(スクリーン11)の開閉を行うプリーツスクリーンを説明する。そして、第2実施形態では、図8(a)に示すように、1本の駆動軸7は、操作装置3における一対の操作プーリー32,34の同軸上となる中心軸に対して、非同軸上に配設されている。
【0083】
また、図8(a)に示すように、第2実施形態に係る操作装置3は、図4に示す回転伝達軸36及び被動ギヤ部材38を取り除いた、支持ケース31と、一対の操作プーリー32,34と、ぜんまいバネ33と、蓋ケース35と、被動ギヤ部材37と、を備えるものとなっている。
【0084】
図8及び図9に示すプリーツスクリーンは、ヘッドボックス1からスクリーン11が吊下支持され、スクリーン11の下端にボトムレール12が取着されている。ヘッドボックス1から垂下される昇降コード17は、スクリーン11を貫通して、その下端がボトムレール12に取着されている。
【0085】
図9に示すように、スクリーン11の背面側には、ヘッドボックス1及びボトムレール12間に、ピッチ保持コード22が配設されている。ピッチ保持コード22は、スクリーン11の折り目のピッチを一定にするように動作する。ピッチ保持コード22にて等間隔に多数設けられた環状の支持コード22aには、昇降コード17が挿通されている。
【0086】
そして、ボトムレール12を下降させてスクリーン11を引き伸ばすとき、スクリーン11が支持コード23aに支持されて、スクリーン11の折り目がほぼ等間隔に保持されるようになっている。
【0087】
昇降コード17の上端部は、ヘッドボックス1内で支持部材に回転可能に支持される巻取軸5に巻着されている。昇降コード17は、巻取軸5の回転に基づいて、螺旋状に巻き取られ、或いは巻戻されるようになっている。巻取軸5には六角棒状の駆動軸7が相対回転不能に挿通され、駆動軸7が回転すれば巻取軸5も一体となって回転する。
【0088】
ヘッドボックス1の一方の端部には、上述したように、図4に示す回転伝達軸36及び被動ギヤ部材38を取り除いた、支持ケース31と、一対の操作プーリー32,34と、ぜんまいバネ33と、蓋ケース35と、被動ギヤ部材37と、を備える操作装置3が取着されている。
【0089】
第1実施形態と同様に、本実施形態に係る操作装置3においても、操作装置3の基端側における支持ケース31内で一対の操作プーリー32,34が回転可能に支持され、一対の操作プーリー32,34は、それぞれの一対の操作プーリー32,34の中心軸が同軸上となるように並設されている。そして、一対の操作プーリー32,34の各々には、それぞれ一対の操作コード13,14の一端が接続されて前後に下方へ垂下されている。また、一対の操作プーリー32,34を支持ケース31内に収容して軸支する蓋ケース35が支持ケース31に固定され、蓋ケース35は操作プーリー34の中心軸を突出させて回転可能に支持している。
【0090】
第1実施形態と同様に、本実施形態に係る操作装置3においても、操作コード13の他端には、連結用操作コード13aを利用して複数段のグリップ部材15U,15Lが取着されている。尚、連結用操作コード13aは複数段のグリップ部材15U,15Lを連結する操作コード13とは別のコードとしてもよいが、本例では、操作コード13と連結用操作コード13aは1本のコードで構成され、上段側のグリップ部材15Uが操作コード13上の所望位置で固定できるように水平方向で2部材を互いに操作コード13を挟み込んで嵌着するものとなっている。また、下段側のグリップ部材15Lもグリップ部材15Uと同構造とすることで、操作コード13(連結用操作コード13a)の長さを所望長さに調節して取着できるようになっている。
【0091】
同様に、操作コード14の他端には、連結用操作コード14aを利用して複数段のグリップ部材16U,16Lが取着されている。尚、連結用操作コード14aは複数段のグリップ部材16U,16Lを連結する操作コード14とは別のコードとしてもよいが、本例では、操作コード14と連結用操作コード14aは1本のコードで構成され、上段側のグリップ部材16Uが操作コード14上の所望位置で固定できるように水平方向で2部材を互いに操作コード14を挟み込んで嵌着するものとなっている。また、下段側のグリップ部材16Lもグリップ部材16Uと同構造とすることで、操作コード14(連結用操作コード14a)の長さを所望長さに調節して取着できるようになっている。
【0092】
本実施形態に係る操作装置3では、操作コード13の引き操作に基づく操作プーリー32の回転は、駆動軸7に非伝達とされる。
【0093】
一方、本実施形態に係る操作装置3において、操作コード14の引き操作に基づく操作プーリー34の回転は、第1実施形態と同様に、回転伝達機構(被動ギヤ部材37)を介して作動するクラッチ部4により、操作コード14の引き操作を行ったときのみスクリーン11の開閉に係る駆動軸7が回転するようになっている。尚、本実施形態に係るクラッチ部4の構造は、第1実施形態に係るクラッチ部4R,4Fと同一である。
【0094】
駆動軸7は、それぞれヘッドボックス1内のストッパー部8に挿通されている。ストッパー部8は、ボトムレール12の引き上げ操作の後に操作コード14を手放したとき、駆動軸7の回転をロックして、ボトムレール12の自重降下を防止する公知の作用をなす。
【0095】
尚、操作コード14の僅かな引き操作後の手放しで操作プーリー34を回転させ、回転伝達機構(被動ギヤ部材37)を介してクラッチ部4を作動させ、駆動軸7を僅かに回転させることで、ストッパー部8のロックを解除することができ、ボトムレール12を自重降下させることができる。
【0096】
また、ストッパー部8の側方にガバナー装置9が配置されている。ガバナー装置9は、ボトムレール12を自重降下させる際に、その降下速度を一定以下に維持するよう制動する装置である。ただし、このようなガバナー装置9は必ずしも設けずともよい。
【0097】
ヘッドボックス1の他方の端部には、巻取軸5における昇降コード17の最大巻戻し量を設定してボトムレール12の下限位置を設定する下限リミット装置10が配設されている。ただし、このような下限リミット装置10は必ずしも設けずともよい。
【0098】
上述したように、本実施形態に係る操作装置3は、操作コード13の引き操作を行ったとしても駆動軸7は回転しないが、操作コード14の引き操作を行ったときのみスクリーン11の開閉に係る駆動軸7が回転するようになっている。
【0099】
これは、図4に示す操作装置3から、回転伝達軸36及び被動ギヤ部材38を取り除いた被動ギヤ部材37のみが、当該回転伝達機構として構成されるためであり、即ち、本実施形態の操作装置3は、ぜんまいバネ33の当該付勢力に抗して回転させる一対の操作プーリー32,34のうち操作プーリー34の回転を駆動軸7に伝達するギヤ機構(回転伝達ギヤ343及び被動ギヤ部材37の被動ギヤ371)を備え、当該付勢力に抗して回転させる一対の操作プーリーのうち他方の回転は駆動軸7に非伝達としている。
【0100】
ただし、ぜんまいバネ33による当該付勢力は、一対の操作コード1314のいずれによっても、ストッパー部8のロックを解除可能とするように設定されている。即ち、一対の操作コード13,14のうちいずれか一方の僅かな引き操作後の手放しで、他方の操作コードに係る操作プーリーに反動回転が僅かに生じて、複数本の駆動軸7R,7Fの各々を僅かに回転させることができるようにぜんまいバネ33の付勢力を調節して設定している。これにより、一対の操作コード13,14のいずれによっても、駆動軸7の回転をロックするように作動しているストッパー部8に対してロック解除させ、スクリーン11を自重降下させることができ、使い勝手が向上する。
【0101】
そして、第1実施形態及び第2実施形態に係る双方の操作装置3は、各部品が共通化されているため、第2実施形態に係る操作装置3においても第1実施形態に係る操作装置3の利点を包含しており、汎用性及び低廉化に優れたものとなる。また、図2及び図9を対比して理解されるように、見た目をほとんど同じくすることができるという利点がある。
【0102】
以上のように、本実施形態に係る遮蔽装置によれば、操作装置3に係る小型化、低廉化及び操作性の向上を図りつつ、安全性を高めることができる。
【0103】
〔他の実施形態〕
図10(a),(b)は、それぞれ本発明による他の実施形態の遮蔽装置として構成されるプリーツスクリーンの概略構成を示す側面図である。尚、図10において、第1及び第2実施形態と同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
【0104】
上述した第1及び第2実施形態では、各操作コード13,14にそれぞれ複数段のグリップ部材15U,15L、及び16U,16Lを設ける例を説明したが、その変形例として、図10(a),(b)にそれぞれ示すように、各操作コード13,14にそれぞれ比較的長尺な1段のグリップ部材15,16を設ける構成としてもよい。図10(a),(b)では、比較的長尺なボールチェーンで構成した1段のグリップ部材15,16を操作コード13,14に取着した例を示しているが、棒状体(好ましくは或る程度弾性を持つ柱状体)で構成してもよい。
【0105】
また、上述した第1及び第2実施形態では、特定の中間レール20又は特定のボトムレール12の形状を例示して説明したが、図10(a),(b)にそれぞれ示すように、種々の形状の中間レール20又はボトムレール12とすることができる。
【0106】
また、上述した第1及び第2実施形態では、特定の昇降コード17又は昇降コード18の配設方法を例示して説明したが、繻子の配設方法を利用することができる。例えば図10(a)に示すように、上部スクリーン11Uに対して昇降コード17,18の双方を貫通させ、昇降コード18の下端は中間レール20に取着し、昇降コード17の下端は中間レール20を貫通させボトムレール12に取着してもよい。そして、図10(a),(b)に示すように、昇降コード17がヘッドボックス1からボトムレール12まで真っ直ぐに垂下させるものとしてもよい。
【0107】
図10に係る実施形態における操作装置3の構成自体は、上述した第1及び第2実施形態と同様とすることができる。
【0108】
従って、図10に示す実施形態においても、第1実施形態及び第2実施形態に係る利点を包含しており、汎用性及び低廉化に優れたものとなる。また、図10(a),(b)の対比から理解されるように、見た目をほとんど同じくすることができるという利点がある。
【0109】
以上のように、本実施形態に係る遮蔽装置によれば、操作装置3に係る小型化、低廉化及び操作性の向上を図りつつ、安全性を高めることができる。
【0110】
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、プリーツスクリーンに対し本発明に係る操作装置3を適用する例を説明したが、スクリーンや、スラット、カーテン等の遮蔽材をヘッドボックスから吊下支持し、その遮蔽材を開閉して採光量を調節可能とする他の形態のプリーツスクリーン、横型ブラインド、たくし上げカーテン、カーテンレール等の用途にも利用できる。また、遮蔽材として上下方向に配設される一対の遮蔽材の例を説明したが、前後方向に配設される一対の遮蔽材であってもよい。更に、グリップ部材を把持して操作する場合に限らず、巻取軸に巻き取られる操作コード自体を引き出し掴んで操作してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明によれば、遮蔽装置を構成する際に、小型化、低廉化及び操作性の向上を図りつつ、安全性を高めることができるので、プリーツスクリーン、横型ブラインド、たくし上げカーテン、カーテンレール等の遮蔽装置の用途に有用である。
【符号の説明】
【0112】
1 ヘッドボックス
3 操作装置
4,4R,4L クラッチ部
5,5R,5F 巻取軸
7,7R,7F 駆動軸
8,8R,8F ストッパー部
9,9R,9F ガバナー装置
10,10R 下限リミット装置
11 スクリーン
11U 上部スクリーン(遮蔽材)
11L 下部スクリーン(遮蔽材)
12 ボトムレール
13,14 操作コード
13a,14a 連結用操作コード
15,16,15U,15L,16U,16L グリップ部材
17,18 昇降コード
20 中間レール
31 支持ケース
32,34 操作プーリー
33 ぜんまいバネ(付勢手段)
35 蓋ケース
36 回転伝達軸(回転伝達機構の一部)
37,38 被動ギヤ部材(回転伝達機構の一部)
343 回転伝達ギヤ
363 伝達ギヤ
371,381 被動ギヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10