(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】泡吐出器
(51)【国際特許分類】
B65D 47/34 20060101AFI20221214BHJP
B05B 1/02 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
B65D47/34 110
B05B1/02 101
(21)【出願番号】P 2018229837
(22)【出願日】2018-12-07
【審査請求日】2021-09-08
(31)【優先権主張番号】P 2017240240
(32)【優先日】2017-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】青山 涼平
(72)【発明者】
【氏名】酒寄 直子
(72)【発明者】
【氏名】八島 昇
(72)【発明者】
【氏名】小栗 伸司
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-110799(JP,A)
【文献】特開2012-250722(JP,A)
【文献】特開2005-013945(JP,A)
【文献】特開2012-001216(JP,A)
【文献】特開2002-086029(JP,A)
【文献】特開2016-034858(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/34
B05B 1/02
B65D 47/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体から泡を生成するフォーマー機構と、
前記フォーマー機構に液体を供給する液体供給部と、
前記フォーマー機構に気体を供給する気体供給部と、
前記フォーマー機構により生成された前記泡を吐出する吐出口と、
前記フォーマー機構から前記吐出口に向かう前記泡が通過する泡流路と、
を備え、
前記フォーマー機構は、
前記液体供給部から供給される前記液体と、前記気体供給部から供給される前記気体と、が出合う混合部と、
前記液体供給部から前記混合部に供給される前記液体が通過する液体流路と、
前記気体供給部から前記混合部に供給される前記気体が通過する気体流路と、
を有し、
前記泡流路は、前記混合部に対して下流側に隣接している隣接泡流路を含み、
前記液体流路は、前記混合部に対して上流側に隣接していて前記混合部に対して開口している液体入口を有する隣接液体流路を含み、
前記気体流路は、前記混合部に対して上流側に隣接していて前記混合部に対して開口している気体入口をそれぞれ有する複数の隣接気体流路を含み、
前記液体入口は、前記複数の隣接気体流路から前記気体入口を介して前記混合部に供給される前記気体どうしの合流部と対応する位置に配置されて
おり、
前記フォーマー機構は、1つ又は複数の前記隣接液体流路を有し、
個々の前記隣接液体流路に対応して前記混合部が配置されており、
前記フォーマー機構は、複数の前記混合部を備え、
前記泡流路は、個々の前記混合部に対応して、個別の前記隣接泡流路を備えている泡吐出器。
【請求項2】
前記泡流路は、前記隣接泡流路の下流側に隣接していて前記隣接泡流路よりも流路面積が大きい拡大泡流路を含み、
前記複数の前記混合部とそれぞれ対応する前記隣接泡流路が一の前記拡大泡流路に合流している請求項
1に記載の泡吐出器。
【請求項3】
液体から泡を生成するフォーマー機構と、
前記フォーマー機構に液体を供給する液体供給部と、
前記フォーマー機構に気体を供給する気体供給部と、
前記フォーマー機構により生成された前記泡を吐出する吐出口と、
前記フォーマー機構から前記吐出口に向かう前記泡が通過する泡流路と、
を備え、
前記フォーマー機構は、
前記液体供給部から供給される前記液体と、前記気体供給部から供給される前記気体と、が出合う混合部と、
前記液体供給部から前記混合部に供給される前記液体が通過する液体流路と、
前記気体供給部から前記混合部に供給される前記気体が通過する気体流路と、
を有し、
前記泡流路は、前記混合部に対して下流側に隣接している隣接泡流路を含み、
前記液体流路は、前記混合部に対して上流側に隣接していて前記混合部に対して開口している液体入口を有する隣接液体流路を含み、
前記気体流路は、前記混合部に対して上流側に隣接していて前記混合部に対して開口している気体入口をそれぞれ有する複数の隣接気体流路を含み、
前記液体入口は、前記複数の隣接気体流路から前記気体入口を介して前記混合部に供給される前記気体どうしの合流部と対応する位置に配置されて
おり、
前記フォーマー機構は、1つ又は複数の前記隣接液体流路を有し、
個々の前記隣接液体流路に対応して前記混合部が配置されており、
個々の前記混合部に対応して、専用の前記複数の隣接気体流路が配置されており、
前記フォーマー機構は、複数の前記混合部を備えているとともに、互いに隣り合う前記混合部のうち一方の前記混合部と対応する前記隣接気体流路と他方の前記混合部と対応する前記隣接気体流路とを相互に仕切る仕切部を有する泡吐出器。
【請求項4】
液体から泡を生成するフォーマー機構と、
前記フォーマー機構に液体を供給する液体供給部と、
前記フォーマー機構に気体を供給する気体供給部と、
前記フォーマー機構により生成された前記泡を吐出する吐出口と、
前記フォーマー機構から前記吐出口に向かう前記泡が通過する泡流路と、
を備え、
前記フォーマー機構は、
前記液体供給部から供給される前記液体と、前記気体供給部から供給される前記気体と、が出合う混合部と、
前記液体供給部から前記混合部に供給される前記液体が通過する液体流路と、
前記気体供給部から前記混合部に供給される前記気体が通過する気体流路と、
を有し、
前記泡流路は、前記混合部に対して下流側に隣接している隣接泡流路を含み、
前記液体流路は、前記混合部に対して上流側に隣接していて前記混合部に対して開口している液体入口を有する隣接液体流路を含み、
前記気体流路は、前記混合部に対して上流側に隣接していて前記混合部に対して開口している気体入口をそれぞれ有する複数の隣接気体流路を含み、
前記液体入口は、前記複数の隣接気体流路から前記気体入口を介して前記混合部に供給される前記気体どうしの合流部と対応する位置に配置されて
おり、
前記フォーマー機構は、1つ又は複数の前記隣接液体流路を有し、
個々の前記隣接液体流路に対応して前記混合部が配置されており、
前記フォーマー機構は、複数の前記混合部を備え、
前記液体流路は、前記隣接液体流路に対して上流側に隣接していて前記隣接液体流路よりも流路面積が大きい大径液体流路を含み、
前記複数の混合部は、前記大径液体流路の下流側端部の周囲に配置されており、
複数の前記隣接液体流路が、前記大径液体流路の軸方向に対して交差する面内方向において、前記大径液体流路の下流側端部から周囲に向けて延びている泡吐出器。
【請求項5】
液体から泡を生成するフォーマー機構と、
前記フォーマー機構に液体を供給する液体供給部と、
前記フォーマー機構に気体を供給する気体供給部と、
前記フォーマー機構により生成された前記泡を吐出する吐出口と、
前記フォーマー機構から前記吐出口に向かう前記泡が通過する泡流路と、
を備え、
前記フォーマー機構は、
前記液体供給部から供給される前記液体と、前記気体供給部から供給される前記気体と、が出合う混合部と、
前記液体供給部から前記混合部に供給される前記液体が通過する液体流路と、
前記気体供給部から前記混合部に供給される前記気体が通過する気体流路と、
を有し、
前記泡流路は、前記混合部に対して下流側に隣接している隣接泡流路を含み、
前記液体流路は、前記混合部に対して上流側に隣接していて前記混合部に対して開口している液体入口を有する隣接液体流路を含み、
前記気体流路は、前記混合部に対して上流側に隣接していて前記混合部に対して開口している気体入口をそれぞれ有する複数の隣接気体流路を含み、
前記液体入口は、前記複数の隣接気体流路から前記気体入口を介して前記混合部に供給される前記気体どうしの合流部と対応する位置に配置されて
おり、
前記隣接泡流路の流路面積は、前記混合部の前記隣接泡流路の軸方向に対して直交する内腔断面積の最大値と同じであるか又は当該内腔断面積よりも小さい泡吐出器。
【請求項6】
前記隣接泡流路の長さは、前記隣接泡流路の前記軸方向における前記気体入口の寸法よりも長い請求項
5に記載の泡吐出器。
【請求項7】
液体から泡を生成するフォーマー機構と、
前記フォーマー機構に液体を供給する液体供給部と、
前記フォーマー機構に気体を供給する気体供給部と、
前記フォーマー機構により生成された前記泡を吐出する吐出口と、
前記フォーマー機構から前記吐出口に向かう前記泡が通過する泡流路と、
を備え、
前記フォーマー機構は、
前記液体供給部から供給される前記液体と、前記気体供給部から供給される前記気体と、が出合う混合部と、
前記液体供給部から前記混合部に供給される前記液体が通過する液体流路と、
前記気体供給部から前記混合部に供給される前記気体が通過する気体流路と、
を有し、
前記泡流路は、前記混合部に対して下流側に隣接している隣接泡流路を含み、
前記液体流路は、前記混合部に対して上流側に隣接していて前記混合部に対して開口している液体入口を有する隣接液体流路を含み、
前記気体流路は、前記混合部に対して上流側に隣接していて前記混合部に対して開口している気体入口をそれぞれ有する複数の隣接気体流路を含み、
前記液体入口は、前記複数の隣接気体流路から前記気体入口を介して前記混合部に供給される前記気体どうしの合流部と対応する位置に配置されて
おり、
前記隣接泡流路は、前記混合部に対して開口している泡出口を有し、
前記フォーマー機構は、複数の前記混合部を備え、
前記複数の混合部の各々は、複数の前記気体入口と、前記液体入口と、前記泡出口と、壁面と、によって画定されている泡吐出器。
【請求項8】
前記フォーマー機構は、1つ又は複数の前記隣接液体流路を有し、
個々の前記隣接液体流路に対応して前記混合部が配置されている請求項
5から7のいずれか一項に記載の泡吐出器。
【請求項9】
個々の前記混合部に対応して、専用の前記複数の隣接気体流路が配置されている請求項
1から8のいずれか一項に記載の泡吐出器。
【請求項10】
前記フォーマー機構は、1つ又は複数の前記混合部を有し、
個々の前記混合部に対応して、一対の前記隣接気体流路が配置されており、当該一対の隣接気体流路から対応する前記混合部への前記気体の供給方向が、互いに対向している請求項1から9のいずれか一項に記載の泡吐出器。
【請求項11】
前記フォーマー機構は、1つ又は複数の前記混合部を備え、
個々の前記混合部に対応して、3つの前記隣接気体流路が配置されており、これら3つの隣接気体流路から対応する前記混合部への前記気体の供給方向が、同一の平面に位置しているとともに、前記隣接液体流路から当該混合部への前記液体の供給方向が、当該平面に対して交差する方向となっている請求項1から9のいずれか一項に記載の泡吐出器。
【請求項12】
前記液体を貯留する貯留容器と、
前記貯留容器に装着される装着部と、
を備え、
前記フォーマー機構、前記吐出口、及び、前記泡流路は、前記装着部に保持されている請求項1から1
1のいずれか一項に記載の泡吐出器。
【請求項13】
請求項1
2に記載の泡吐出器と、
前記貯留容器に充填された前記液体と、
を備える液体詰め品。
【請求項14】
液体を貯留する貯留容器に装着される装着部と、
前記装着部に保持され、前記液体から泡を生成するフォーマー機構と、
前記装着部に保持され、前記フォーマー機構に液体を供給する液体供給部と、
前記装着部に保持され、前記フォーマー機構に気体を供給する気体供給部と、
前記装着部に保持され、前記フォーマー機構により生成された前記泡を吐出する吐出口と、
前記装着部に保持され、前記フォーマー機構から前記吐出口に向かう前記泡が通過する泡流路と、
を備え、
前記フォーマー機構は、
前記液体供給部から供給される前記液体と、前記気体供給部から供給される前記気体と、が出合う混合部と、
前記液体供給部から前記混合部に供給される前記液体が通過する液体流路と、
前記気体供給部から前記混合部に供給される前記気体が通過する気体流路と、
を有し、
前記泡流路は、前記混合部に対して下流側に隣接している隣接泡流路を含み、
前記液体流路は、前記混合部に対して上流側に隣接していて前記混合部に対して開口している液体入口を有する隣接液体流路を含み、
前記気体流路は、前記混合部に対して上流側に隣接していて前記混合部に対して開口している気体入口をそれぞれ有する複数の隣接気体流路を含み、
前記液体入口は、前記複数の隣接気体流路から前記気体入口を介して前記混合部に供給される前記気体どうしの合流部と対応する位置に配置されて
おり、
前記フォーマー機構は、1つ又は複数の前記隣接液体流路を有し、
個々の前記隣接液体流路に対応して前記混合部が配置されており、
前記フォーマー機構は、複数の前記混合部を備え、
前記泡流路は、個々の前記混合部に対応して、個別の前記隣接泡流路を備えている泡吐出キャップ。
【請求項15】
液体を貯留する貯留容器に装着される装着部と、
前記装着部に保持され、前記液体から泡を生成するフォーマー機構と、
前記装着部に保持され、前記フォーマー機構に液体を供給する液体供給部と、
前記装着部に保持され、前記フォーマー機構に気体を供給する気体供給部と、
前記装着部に保持され、前記フォーマー機構により生成された前記泡を吐出する吐出口と、
前記装着部に保持され、前記フォーマー機構から前記吐出口に向かう前記泡が通過する泡流路と、
を備え、
前記フォーマー機構は、
前記液体供給部から供給される前記液体と、前記気体供給部から供給される前記気体と、が出合う混合部と、
前記液体供給部から前記混合部に供給される前記液体が通過する液体流路と、
前記気体供給部から前記混合部に供給される前記気体が通過する気体流路と、
を有し、
前記泡流路は、前記混合部に対して下流側に隣接している隣接泡流路を含み、
前記液体流路は、前記混合部に対して上流側に隣接していて前記混合部に対して開口している液体入口を有する隣接液体流路を含み、
前記気体流路は、前記混合部に対して上流側に隣接していて前記混合部に対して開口している気体入口をそれぞれ有する複数の隣接気体流路を含み、
前記液体入口は、前記複数の隣接気体流路から前記気体入口を介して前記混合部に供給される前記気体どうしの合流部と対応する位置に配置されて
おり、
前記隣接泡流路の流路面積は、前記混合部の前記隣接泡流路の軸方向に対して直交する内腔断面積の最大値と同じであるか又は当該内腔断面積よりも小さい泡吐出キャップ。
【請求項16】
液体を貯留する貯留容器に装着される装着部と、
前記装着部に保持され、前記液体から泡を生成するフォーマー機構と、
前記装着部に保持され、前記フォーマー機構に液体を供給する液体供給部と、
前記装着部に保持され、前記フォーマー機構に気体を供給する気体供給部と、
前記装着部に保持され、前記フォーマー機構により生成された前記泡を吐出する吐出口と、
前記装着部に保持され、前記フォーマー機構から前記吐出口に向かう前記泡が通過する泡流路と、
を備え、
前記フォーマー機構は、
前記液体供給部から供給される前記液体と、前記気体供給部から供給される前記気体と、が出合う混合部と、
前記液体供給部から前記混合部に供給される前記液体が通過する液体流路と、
前記気体供給部から前記混合部に供給される前記気体が通過する気体流路と、
を有し、
前記泡流路は、前記混合部に対して下流側に隣接している隣接泡流路を含み、
前記液体流路は、前記混合部に対して上流側に隣接していて前記混合部に対して開口している液体入口を有する隣接液体流路を含み、
前記気体流路は、前記混合部に対して上流側に隣接していて前記混合部に対して開口している気体入口をそれぞれ有する複数の隣接気体流路を含み、
前記液体入口は、前記複数の隣接気体流路から前記気体入口を介して前記混合部に供給される前記気体どうしの合流部と対応する位置に配置されて
おり、
前記隣接泡流路は、前記混合部に対して開口している泡出口を有し、
前記フォーマー機構は、複数の前記混合部を備え、
前記複数の混合部の各々は、複数の前記気体入口と、前記液体入口と、前記泡出口と、壁面と、によって画定されている泡吐出キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、泡吐出器、液体詰め品、及び、泡吐出キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
内容物を泡化して吐出する泡吐出器としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1の泡吐出器は、液体ポンプと、液体ポンプの周囲に配置された気体ポンプと、を有しており、液体ポンプから圧送された液体と、気体ポンプから圧送された気体は、液体ポンプの上方に配置されたボール弁を介して混合部(同文献の合流空間)に流入し合流するように構成されている。液体ポンプから圧送される液体は、混合部の下方からほぼ直上して混合部に流入する一方で、気体ポンプから圧送される気体は、混合部の周囲から混合部に流入するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者の検討によれば、特許文献1の構造の泡吐出器のフォーマー機構では、内容物の性状によっては、液体と気体とを十分に混合して十分に均一な泡を生成することが必ずしも容易ではなく、構造について改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、より良好に気液を混合して十分に均一な泡を生成することが可能な構造の泡吐出器、液体詰め品、及び、泡吐出キャップに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、液体から泡を生成するフォーマー機構と、
前記フォーマー機構に液体を供給する液体供給部と、
前記フォーマー機構に気体を供給する気体供給部と、
前記フォーマー機構により生成された前記泡を吐出する吐出口と、
前記フォーマー機構から前記吐出口に向かう前記泡が通過する泡流路と、
を備え、
前記フォーマー機構は、
前記液体供給部から供給される前記液体と、前記気体供給部から供給される前記気体と、が出合う混合部と、
前記液体供給部から前記混合部に供給される前記液体が通過する液体流路と、
前記気体供給部から前記混合部に供給される前記気体が通過する気体流路と、
を有し、
前記泡流路は、前記混合部に対して下流側に隣接している隣接泡流路を含み、
前記液体流路は、前記混合部に対して上流側に隣接していて前記混合部に対して開口している液体入口を有する隣接液体流路を含み、
前記気体流路は、前記混合部に対して上流側に隣接していて前記混合部に対して開口している気体入口をそれぞれ有する複数の隣接気体流路を含み、
前記液体入口は、前記複数の隣接気体流路から前記気体入口を介して前記混合部に供給される前記気体どうしの合流部と対応する位置に配置されている泡吐出器に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より良好に気液を混合して十分に均一な泡を生成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1(a)は第1実施形態に係る泡吐出器の模式図であり、
図1(b)は
図1(a)に示すB部の拡大図である。
【
図2】第1実施形態に係る泡吐出器のフォーマー機構のより詳細な構造の例を示す断面図である。
【
図3】
図3(a)及び
図3(b)は
図2に示す構造のフォーマー機構を用いて泡を吐出するときの様子を撮像した写真を示す図である。
【
図4】第2実施形態に係る泡吐出器の側面図である。
【
図5】第2実施形態に係る泡吐出キャップの側断面図である。
【
図7】
図7(a)及び
図7(b)は第2実施形態に係る泡吐出器のフォーマー機構を構成する第1部材を示す図であり、このうち
図7(a)は平面図、
図7(b)は斜視図である。
【
図8】第2実施形態に係る泡吐出器のフォーマー機構を構成する第1部材と第2部材とを組み付けた状態を示す平面図である。
【
図14】第3実施形態に係る泡吐出キャップの側断面図である。
【
図16】
図16(a)及び
図16(b)は第3実施形態に係る泡吐出器のフォーマー機構を構成する第1部材を示す図であり、このうち
図16(a)は平面図、
図16(b)は斜視図である。
【
図17】
図17(a)及び
図17(b)は第3実施形態に係る泡吐出器のフォーマー機構を構成する第2部材を示す図であり、このうち
図17(a)は平面図、
図17(b)は底面図である。
【
図18】第3実施形態に係る泡吐出器のフォーマー機構を構成する第1部材と第2部材とを組み付けた状態を示す平面図である。
【
図20】
図18のB-B線の位置で切断した泡吐出器の断面図である。
【
図28】第4実施形態に係る泡吐出器の断面図である。
【
図29】
図29(a)は変形例1に係る泡吐出器を説明するための模式図であり、
図29(b)は変形例2に係る泡吐出器を説明するための模式図であり、
図29(c)は変形例3に係る泡吐出器を説明するための模式図である。
【
図30】
図30(a)は変形例4に係る泡吐出器を説明するための模式図であり、
図30(b)は変形例5に係る泡吐出器を説明するための模式図である。
【
図31】
図31(a)は変形例6に係る泡吐出器を説明するための模式図であり、
図31(b)は変形例7に係る泡吐出器を説明するための模式図である。
【
図32】変形例8に係る泡吐出器を説明するための模式図である。
【
図34】
図34(a)、
図34(b)、
図34(c)、
図34(d)、
図34(e)、
図34(f)及び
図34(g)は、それぞれ実施例8、実施例9、実施例10、実施例11、実施例12、実施例13及び実施例14により生成された泡の写真を示す図である。
【
図35】
図35(a)、
図35(b)、
図35(c)、
図35(d)、
図35(e)、
図35(f)及び
図35(g)は、それぞれ実施例15、実施例16、実施例17、実施例18、実施例19、実施例20及び実施例21により生成された泡の写真を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。
【0010】
〔第1実施形態〕
先ず、
図1(a)から
図2を用いて第1実施形態に係る泡吐出器100を説明する。
【0011】
図1(a)に示すように、本実施形態に係る泡吐出器100は、液体から泡を生成するフォーマー機構20と、フォーマー機構20に液体を供給する液体供給部29と、フォーマー機構20に気体を供給する気体供給部28と、フォーマー機構20により生成された泡を吐出する吐出口41と、フォーマー機構20から吐出口41に向かう泡が通過する泡流路90とを備える。フォーマー機構20は、液体供給部29から供給される液体と、気体供給部28から供給される気体と、が出合う混合部21と、液体供給部29から混合部21に供給される液体が通過する液体流路50と、気体供給部28から混合部21に供給される気体が通過する気体流路70とを有する。泡流路90は、混合部21に対して下流側に隣接している隣接泡流路91を含む。液体流路50は、混合部21に対して上流側に隣接していて混合部21に対して開口している液体入口52を有する隣接液体流路51を含む。気体流路70は、混合部21に対して上流側に隣接していて混合部21に対して開口している気体入口72をそれぞれ有する複数の隣接気体流路71を含む。
図1(b)に示すように、液体入口52は、複数の隣接気体流路71から気体入口72を介して混合部21に供給される気体どうしの合流部22と対応する位置に配置されている。
なお、隣接泡流路91は、混合部21に対して開口している泡出口92を有する。
【0012】
本実施形態の場合、混合部21の数が1つであり、混合部21に対して、隣接気体流路71aと隣接気体流路71bとの2つの隣接気体流路71が気体を供給し、1つの隣接液体流路51が液体を供給するようになっている。また、混合部21に対して、1つの隣接泡流路91が配置されている。
また、個々の混合部21に対応して一対の隣接気体流路71が配置されている。換言すれば、個々の混合部21に対応して、専用の複数の(例えば一対の)隣接気体流路71が配置されている。また、個々の混合部21に対応して配置されている隣接液体流路51の数が1であるとともに、個々の隣接液体流路51に対応して混合部21が配置されている。また、個々の混合部21に対応して配置されている隣接泡流路91の数が1である。
ただし、本発明は、この例に限らず、フォーマー機構20は、複数の隣接液体流路51を有し、個々の隣接液体流路51に対応して個別に混合部21が配置されていてもよい。
すなわち、フォーマー機構20は、1つ又は複数の隣接液体流路51を有し、個々の隣接液体流路51に対応して混合部21が配置されている。
また、本発明において、個々の混合部21に対応して3つ以上の隣接気体流路71が配置されていてもよいし、個々の混合部21に対応して2つ以上の隣接液体流路51が配置されていてもよいし、個々の混合部21に対応して2つ以上の隣接泡流路91が配置されていてもよい。
【0013】
図1(b)に示すように、各気体入口72は、各隣接気体流路71の下流端であり、各隣接気体流路71における混合部21との接続端である。気体入口72aは、隣接気体流路71aの下流端であり、気体入口72bは、隣接気体流路71bの下流端である。
液体入口52は、隣接液体流路51の下流端であり、隣接液体流路51における混合部21との接続端である。
泡出口92は、隣接泡流路91の上流端であり、隣接泡流路91における混合部21との接続端である。
【0014】
ここで、混合部21を画定する複数の面のうちの1つ以上の面が、仮想面と壁面とを含んで構成されていたり、壁面を含まない仮想面であったりしてもよい。
本実施形態の場合、混合部21は、例えば、直方体形状であり、気体入口72a、気体入口72b、液体入口52及び泡出口92(それぞれ壁面を含まない仮想面)が、混合部21を画定する6つの面のうちの4つの面の1つずつを構成しており、残り2つの面は、
図1(b)の紙面における混合部21の手前側及び奥側をそれぞれ画定する壁面となっている。つまり、混合部21は、複数の気体入口72と、液体入口52と、泡出口92と、壁面と、によって画定されている。
【0015】
上述のように、本発明において、フォーマー機構20は、複数の混合部21を有していてもよい。すなわち、一例として、フォーマー機構20は、複数の混合部21を備え、複数の混合部21の各々は、複数の気体入口72と、液体入口52と、泡出口92と、壁面と、によって画定されている。
【0016】
合流部22とは、複数の隣接気体流路71から気体入口72を介して混合部21に供給される気体どうしが合流し、これら隣接気体流路71から混合部21に供給される気体の流れが均衡し、気体どうしの押し合いが生じる部位である。
ここで、本明細書において、混合部21内の領域であって、当該混合部21に対応して配置されている複数の隣接気体流路71を各隣接気体流路71の下流端における軸心の方向にそれぞれ延長した領域どうしが重複する領域と、当該混合部21に対応して配置されている隣接液体流路51を当該隣接液体流路51の下流端における軸心の方向に延長した領域とが重複する領域を、気液接触領域23と称する。
図1(b)において、気液接触領域23にはハッチングを付している。
合流部22とは、気液接触領域23内の部位であって、一の混合部21に対して開口している複数の気体入口72どうしの中間に位置する部位である。
本実施形態の場合、一の混合部21に対応して、一対の隣接気体流路71が配置されており、当該一対の隣接気体流路71から対応する混合部21への気体の供給方向が、互いに対向している。隣接気体流路71a、71bの気体入口72a、72bどうしが互いに平行に対向している。また、隣接液体流路51の軸心AX3は、軸心AX1、AX2に対して直交している。この場合、
図1(b)に示すように、合流部22は、2つの気体入口72a、72bどうしの中間に位置する仮想面である。
ただし、本発明において、フォーマー機構20は、複数の混合部21を有していてもよく、この場合に、個々の混合部21に対応して、一対の隣接気体流路71が配置されており、当該一対の隣接気体流路71から対応する混合部21への気体の供給方向が互いに対向していてもよい。
このように、フォーマー機構20は、1つ又は複数の混合部21を有し、個々の混合部21に対応して、一対の隣接気体流路71が配置されており、当該一対の隣接気体流路71から対応する混合部21への気体の供給方向が、互いに対向している。
【0017】
より詳細には、本実施形態の場合、隣接気体流路71a、71bはそれぞれ直線状に延在しており、隣接気体流路71a、71bはそれぞれ断面形状が矩形であり、気体入口72aは隣接気体流路71aの軸心に対して直交する矩形の開口であり、気体入口72bは隣接気体流路71bの軸心に対して直交する矩形の開口である。また、気体入口72aと気体入口72bとは互いに同一形状及び互いに同一面積に形成されている。つまり、混合部21に対して開口している気体入口72の形状が互いに等しく、混合部21に対して開口している気体入口72の面積が互いに等しい。また、隣接気体流路71aの軸心AX1と隣接気体流路71bの軸心AX2とが互いに同一直線上に配置されている。隣接液体流路51は断面形状が矩形である。そして、混合部21の全体が気液接触領域23となっており、混合部21と気液接触領域23とは互いに等しい。また、隣接液体流路51は直線状に延在しており、隣接液体流路51の軸心AX3は、軸心AX1、AX2に対して直交している。また、隣接泡流路91は直線状に延在しており、隣接泡流路91の軸心AX4は、軸心AX3と同一直線上に配置されている。
本実施形態の場合、合流部22は、2つの気体入口72a、72bどうしの中間に位置し、気体入口72a、72bと同じ形状及び寸法の仮想的な面(仮想面)である。
【0018】
なお、一の混合部21に対して3つ以上の隣接気体流路71が配置されており、これら3つ以上の隣接気体流路71の軸心が互いに同一平面上に配置されている場合、合流部22は、これら3つの隣接気体流路71の軸心どうしの交点を含み、且つ、当該平面に対して直交する仮想的な線(仮想線)となる。
また、一の混合部21に対して3つ以上の隣接気体流路71が配置されており、これら隣接気体流路71の軸心が同一平面上には存在しない場合、合流部22は、仮想的な点(仮想点)となる。
【0019】
液体入口52が合流部22と対応する位置に配置されているとは、液体入口52を隣接液体流路51の下流端における軸心AX3の方向に視たときに、液体入口52と合流部22とが重なる(液体入口52の少なくとも一部分と合流部22の少なくとも一部分とが重なる)ことである。
液体入口52は合流部22の近傍に配置されていることが好ましい。例えば、液体入口52と合流部22との距離は、液体入口52の直径以下であることが好ましい。また、液体入口52は合流部22に対して直に接する位置に配置されていることが更に好ましい。
図1(a)に示すように、本実施形態の場合、液体入口52は合流部22に対して直に接している。
【0020】
また、混合部21のうち、隣接液体流路51の延長上の領域(以下、延長上領域)を挟む両側の位置に、それぞれ気体入口72が配置されていることが好ましい。
ここで、延長上領域は、混合部21において、隣接液体流路51の下流端における軸心AX3の方向に視たときに、隣接液体流路51と重なる領域である。ここで、延長上領域と隣接液体流路51との間に障害物が存在しないことが好ましい。ただし、流体の流れを阻害するような障害物が、延長上領域と隣接液体流路51との間に存在していても良い。
延長上領域は、混合部21の一部の領域であっても良いし、混合部21の全体であってもよい。本実施形態の場合、延長上領域は、混合部21の全体である。
なお、延長上領域は、上記気液接触領域23を含む領域である。本実施形態の場合、延長上領域と、気液接触領域23と、混合部21とは、互いに等しい。
延長上領域を挟む両側の位置にそれぞれ気体入口72が配置されているとは、隣接液体流路51の下流端における軸心AX3の延長線を間に挟む両側の領域に、それぞれ気体入口72が配置されていることである。
そして、各気体入口72を介して混合部21に流入する気体が、延長上領域を挟む両側の領域から、延長上領域に到達するように、各気体入口72が配置されている。
【0021】
また、隣接液体流路51の延長上の領域(延長上領域)を挟む両側の位置に配置されている気体入口72の各々が、当該領域の方を向いていることが好ましい。
気体入口72が延長上領域の方を向いているとは、隣接気体流路71の下流端における軸心の方向に視たときに、気体入口72のいずれかの部位が延長上領域と重なる(気体入口72の少なくとも一部分と延長上領域の少なくとも一部分とが重なる)ことを意味する。延長上領域と気体入口72との間に障害物が存在しないことが好ましいが、流体の流れを阻害するような障害物が延長上領域と気体入口72との間に存在していても良い。
【0022】
上述のように、本実施形態では、一の混合部21に対して一対の隣接気体流路71が配置されている。この場合に、一の混合部21に対して開口している気体入口72どうしが当該混合部21を間に挟んで互いに対向していることが好ましい。一の混合部21に対して開口している気体入口72どうしが混合部21を間に挟んで互いに対向しているとは、一対の隣接気体流路71のうち一方の隣接気体流路71aの下流端における軸心AX1の方向に視たときに、当該隣接気体流路71aの気体入口72aが、混合部21並びに他方の隣接気体流路71bの気体入口72bと重なる(気体入口72aの少なくとも一部分が、混合部21の少なくとも一部分と気体入口72bの少なくとも一部分と重なる)とともに、他方の隣接気体流路71aの下流端における軸心AX2の方向に視たときに、当該隣接気体流路71bの気体入口72bが、混合部21並びに一方の隣接気体流路71aの気体入口72aと重なる(気体入口72bの少なくとも一部分が、混合部21の少なくとも一部分と気体入口72aの少なくとも一部分と重なる)ことを意味する。
【0023】
以下、本実施形態に係る泡吐出器100の構成についてより詳細に説明する。
本実施形態の場合、隣接液体流路51の軸方向(軸心AX3の方向)に対して直交する混合部21の内腔断面積の最大値は、隣接液体流路51の流路面積と同じである。
ここで、隣接液体流路51の流路面積は、隣接液体流路51の軸方向に対して直交する隣接液体流路51の内腔断面積の平均値であり、隣接液体流路51の容積を隣接液体流路51の長さで除した値である。
隣接液体流路51の軸方向に対して直交する混合部21の内腔断面積の最大値は、隣接液体流路51の流路面積よりも小さいことも好ましい。
すなわち、隣接液体流路51の軸方向に対して直交する混合部21の内腔断面積の最大値は、隣接液体流路51の流路面積と同じであるか又は当該流路面積よりも小さい。
なお、隣接液体流路51が直線状でない場合、隣接液体流路51の下流端における軸方向に対して直交する混合部21の内腔断面積の最大値が、隣接液体流路51の流路面積と同じであるか又は当該流路面積よりも小さいことが好ましい。
【0024】
本実施形態の場合、隣接泡流路91の流路面積は、混合部21の隣接泡流路91の軸方向(軸心AX4の方向)に対して直交する内腔断面積(隣接泡流路91の軸方向に対して直交する混合部21の内腔断面積)の最大値と同じである。
ここで、隣接泡流路91の流路面積は、隣接泡流路91の軸方向に対して直交する隣接泡流路91の内腔断面積の平均値であり、隣接泡流路91の容積を隣接泡流路91の長さで除した値である。
隣接泡流路91の流路面積は、隣接泡流路91の軸方向に対して直交する混合部21の内腔断面積の最大値よりも小さいことも好ましい。
すなわち、隣接泡流路91の流路面積は、隣接泡流路91の軸方向に対して直交する混合部21の内腔断面積の最大値と同じであるか又は当該内腔断面積よりも小さい。
なお、隣接泡流路91が直線状でない場合、隣接泡流路91の上流端における軸心に対して直交する混合部21の内腔断面積の最大値が、隣接泡流路91の流路面積と同じであるか又は当該流路面積よりも小さいことが好ましい。
より好ましくは、隣接泡流路91の流路面積は、混合部21の容積を隣接泡流路91の軸方向における混合部21の寸法で除した値(隣接泡流路91の軸方向に対して直交する混合部21の内腔断面積の平均値)と同じであるか又は当該値よりも小さい。
【0025】
泡出口92の開口面積は、隣接液体流路51の流路面積よりも小さいか、又は、隣接液体流路51の流路面積と等しいことが好ましい。
泡出口92の開口面積は、隣接泡流路91の軸方向に対して直交する混合部21の内腔断面積よりも小さいか、又は、当該内腔断面積と等しいことが好ましい。
更に、隣接泡流路91の軸方向に対して直交する混合部21の内腔断面積が、当該混合部21と対応する気体入口72の開口面積よりも大きいことが好ましい。一の混合部21と対応して複数の気体入口72が配置されている場合には、これら気体入口72の開口面積の合計値よりも、隣接泡流路91の軸方向に対して直交する混合部21の内腔断面積が大きいことが好ましい。
【0026】
本実施形態の場合、隣接泡流路91の長さは、隣接泡流路91の軸方向における気体入口72の寸法よりも長い。更に言えば、隣接泡流路91の長さは、隣接泡流路91の軸方向における混合部21の寸法よりも長い。
【0027】
また、本実施形態の場合、隣接泡流路91と隣接液体流路51とは、混合部21を基準として互いに反対側に配置されている。そして、泡出口92と液体入口52とは、混合部21を間に挟んで互いに対向している。泡出口92と液体入口52とが混合部21を間に挟んで互いに対向しているとは、隣接泡流路91の上流端における軸心の方向に視たときに、泡出口92が、混合部21及び液体入口52と重なる(泡出口92の少なくとも一部分が混合部21の少なくとも一部分及び液体入口52の少なくとも一部分と重なる)とともに、隣接液体流路51の下流端における軸心の方向に視たときに、液体入口52が、混合部21及び泡出口92と重なる(液体入口52の少なくとも一部分が混合部21の少なくとも一部分及び泡出口92の少なくとも一部分と重なる)ことを意味する。
【0028】
より詳細には、本実施形態の場合、
図2に示すように、泡流路90は、隣接泡流路91に対して下流側に隣接していて隣接泡流路91よりも流路面積が大きい拡大泡流路93を含む。このため、生成された泡が隣接泡流路91を塞いでしまうことを抑制でき、より好適に連続的な泡の生成が可能となる。
【0029】
ここで、
図3(a)及び
図3(b)は、
図2に示す構造のフォーマー機構を用いて泡を吐出するときの様子を撮像した写真を示す図である。
図3(a)及び
図3(b)に示すように、隣接液体流路51から混合部21に供給される液体により液柱80が形成され、この液柱80が隣接気体流路71bから遠ざかる方向及び隣接気体流路71aから遠ざかる方向に順次に(交互に)高速で揺れ動き、液柱80から断続的に細かい泡が生じる動作が確認された。このような動作により、数多くの細かい泡が生成された。
このような動作が生じる理由は定かではないが、一方の隣接気体流路71aから混合部21に供給される気体の圧力が他方の隣接気体流路71bから混合部21に供給される気体の圧力を下回る(他方の隣接気体流路71bから混合部21に供給される気体の圧力が他方の隣接気体流路71bから混合部21に供給される気体の圧力を上回る)タイミングと、一方の隣接気体流路71aから混合部21に供給される気体の圧力が他方の隣接気体流路71bから混合部21に供給される気体の圧力を上回る(他方の隣接気体流路71bから混合部21に供給される気体の圧力が他方の隣接気体流路71bから混合部21に供給される気体の圧力を下回る)タイミングと、が短い時間間隔で順次に(交互に)生じることが理由と考えられる。
【0030】
液柱80は、混合部21から隣接泡流路91に亘る範囲に形成され、混合部21から拡大泡流路93に亘る範囲に形成されるときもあった。つまり、泡の生成は、混合部21の他、隣接泡流路91や拡大泡流路93においても行われうる。
【0031】
このように、少なくとも隣接泡流路91は、液体により構成される液柱80が、混合部21に対して開口している複数の隣接気体流路71の各々の気体入口72から遠ざかる方向に向けて順次に揺れ動く揺動領域を構成している。
より詳細には、本実施形態の場合、一の混合部21に対して一対の隣接気体流路71が配置されており、揺動領域において、液柱80が交互に揺れ動く。
【0032】
図2に示す構造のフォーマー機構を用いて泡を吐出することにより、混合部21においてより良好に気液を混合することが可能となる。このため、十分に均一で細かい泡を生成することが容易となる。
泡吐出器100は、一般的なフォーマー機構が有するメッシュを備えていないが、それでも、十分に均一で細かい泡を生成することが可能である。このため、メッシュの目詰まりが生じないようにできる。
また、高粘度の液体等、泡化が容易ではない液体についても、容易に泡化することが可能である。
【0033】
また、詳細については後述する実施例で説明するが、
図2に示す構造のフォーマー機構を用いて泡を吐出することにより、混合部21に対して単位時間あたりに供給される気体及び液体の量によらず、泡のきめ細かさを均一にできる。
【0034】
本実施形態によれば、液体入口52が、複数の隣接気体流路71から気体入口72を介して混合部21に供給される気体どうしの合流部22と対応する位置に配置されているため、上述したような液柱の揺動を行わせるなどにより、気流による液体の泡化を効果的に行うことができる。よって、良好に気液を混合して十分に均一な泡を生成することが可能となる。
【0035】
また、個々の隣接液体流路51に対応して個別の混合部21が配置されているので、混合部21からの気体や液体の逃げ場が制限されるため、混合部21における気液の混合をより確実に行うことができる。
また、個々の混合部21に対応して、専用の複数の隣接気体流路71が配置されていることによって、より一層、混合部21からの気体や液体の逃げ場が制限されるため、混合部21における気液の混合をより確実に行うことができる。
【0036】
また、隣接泡流路91の流路面積は、隣接泡流路91の軸方向に対して直交する混合部21の内腔断面積の最大値と同じであるため、上述したような液柱の揺動を、限られた空間内で行うことができ、且つ、液柱の周囲を通過する気流の流路も制限される。よって、より良好に、細かい泡を断続的に生成することができる。
【0037】
また、隣接泡流路91の長さは、隣接泡流路91の軸方向における気体入口72の寸法よりも長い。つまり、混合部21の後段において、流路面積が制限された、十分な長さの領域を備えていることになる。よって、上述したような液柱の揺動をより確実に行いながら、細かい泡を断続的に生成することができる。
【0038】
また、一対の隣接気体流路71a、71bから対応する混合部21への気体の供給方向が互いに対向しているので、合流部22においてより良好に気流どうしの押し合いが生じるようにできる。よって、上述したような液柱の揺動をより確実に行いながら、細かい泡を断続的に生成することができる。
【0039】
〔第2実施形態〕
次に、
図4から
図13を用いて第2実施形態を説明する。
本実施形態に係る泡吐出器100は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係る泡吐出器100と相違しており、その他の点では上記の第1実施形態に係る泡吐出器100と同様に構成されている。
以下においては、泡吐出器100の構成要素の位置関係の説明を簡単にするため、
図4における下方向が下方、その反対方向が上方であるものとする。ただし、これらの方向は、泡吐出器100の製造時及び使用時における方向を制限するものではない。
【0040】
図4に示すように、泡吐出器100は、液体101を貯留する貯留容器10と、貯留容器10に対して着脱可能に装着される泡吐出キャップ200と、を備えて構成されている。
【0041】
貯留容器10の形状は特に限定されないが、例えば、
図4に示すように、貯留容器10は、筒状の胴部11と、胴部11の上側に連接されている円筒状の口頸部13と、胴部11の下端を閉塞している底部14と、を有する形状となっている。口頸部13の上端には開口が形成されている。
貯留容器10には、液体101が充填されている。
【0042】
本実施形態に係る液体詰め品500は、泡吐出器100と、貯留容器10に充填された液体101と、を備えて構成されている。
【0043】
本実施形態では、液体101としては、ハンドソープを代表例として挙げることができるが、これに限られず、洗顔料、クレンジング剤、食器用洗剤、整髪料、ボディソープ、髭剃り用クリーム、ファンデーションや美容液等の肌用化粧料、染毛剤、消毒薬など、泡状で用いられる種々のものを例示することができる。
泡化する前の液体101の粘度は、特に限定されないが、例えば、20℃において1mPa・s以上10mPa・s以下とすることができる。
また、本実施形態に係る泡吐出器100は、20℃において10mPa・s以上100mPa・s以下の例えばシャンプーも良好に泡化することができ、更に高粘性の液体101の泡化に適した構造となっており、例えば、20℃において100mPa・s以上の粘度の液体101についても、好適に泡化することが可能である。
なお、粘度測定にはB型粘度計を使用し、測定される粘度域に適したローター及び回転数を選択することができる。
【0044】
泡吐出器100は、貯留容器10に常圧で貯留された液体101をフォーマー機構20の混合部21(
図12等)にて空気と接触させることにより、液体101を泡状に変化させる。
本実施形態の場合、泡吐出器100は、例えば、手押し操作により泡を吐出するポンプ容器であり、ヘッド部材(ヘッド部)30の操作受部31が押下されることにより、液体101を泡化して泡とし、当該泡を吐出する。本実施形態の場合、フォーマー機構20に液体101を供給する液体供給部は、例えば液体ポンプの液体シリンダであり、フォーマー機構20に気体を供給する気体供給部は、例えば気体ポンプの気体シリンダである。
ただし、本発明は、この例に限らず、泡吐出器は、貯留容器が圧搾されることにより泡を吐出するように構成された、いわゆるスクイズボトルであってもよいし、モータ等を備える電動式の泡ディスペンサであってもよい。
【0045】
図5に示すように、泡吐出キャップ200は、螺合等の止着方法によって口頸部13(
図4)に対して着脱可能に装着される円筒状の装着部111を有するキャップ部材110と、キャップ部材110に固定されていて液体ポンプ及び気体ポンプのシリンダを構成するシリンダ部材120と、押下操作を受け付ける操作受部31を有するヘッド部材30と、を備えている。
装着部111が口頸部13に対して装着されることにより、泡吐出キャップ200の全体が口頸部13に装着される。なお、装着部111は、
図5に示されるように2重筒構造に形成されていて、そのうち内側の筒状部が口頸部13に対して螺合するようになっていても良いし、一重の筒状に構成されていても良い。口頸部13に泡吐出キャップ200が装着されることにより、泡吐出キャップ200によって口頸部13の開口が閉塞される。
【0046】
キャップ部材110は、装着部111の上端部を閉塞している環状閉塞部112と、装着部111よりも小径の円筒状に形成されているとともに環状閉塞部112の中央部から上方に起立している起立筒部113と、を備えている。
【0047】
シリンダ部材120は、キャップ部材110の環状閉塞部112の下面側に固定された円筒形状の気体シリンダ構成部121と、気体シリンダ構成部121よりも小径の円筒形状の液体シリンダ構成部122と、環状連結部123と、を備えている。環状連結部123は、気体シリンダ構成部121の下端部と液体シリンダ構成部122の上端部とを相互に連結しており、液体シリンダ構成部122は環状連結部123から垂下している。
なお、気体シリンダ構成部121、液体シリンダ構成部122、装着部111及び起立筒部113は、相互に同軸に配置されている。
【0048】
気体シリンダ構成部121の上端部は、環状閉塞部112の下面側に対して嵌合することなどによって、環状閉塞部112に対して固定されている。
気体ポンプのシリンダ(気体シリンダ)は、気体シリンダ構成部121と環状連結部123とを備えて構成されている。
気体ポンプのピストンは、後述する気体ピストン150により構成されている。
以下、気体シリンダ構成部121の内部空間において、気体ピストン150と環状連結部123との間の部分を、気体ポンプ室210と称する。
気体ポンプ室210の容積は、気体ピストン150の上下動に伴って拡縮する。
【0049】
一方、液体ポンプのシリンダ(液体シリンダ)は、液体シリンダ構成部122を備えて構成されている。
液体ポンプのピストンは、後述する液ピストン140を備えて構成されている。
液体ポンプ室220は、後述する液体排出弁と液体吸入弁との間の空間である。液体ポンプ室220の容積は、液ピストン140及び後述するピストンガイド130の上下動に伴って拡縮する。
【0050】
液体シリンダ(液体供給部)は、内部の液体101を加圧して当該液体101をフォーマー機構20に供給するように構成されている。
気体シリンダ(気体供給部)は、液体シリンダの周囲に配置され、内部の気体を加圧して当該気体をフォーマー機構20に供給するように構成されている。
【0051】
より詳細には、泡吐出器100は、装着部111に対して上下動可能に装着部111に保持されているとともに装着部111に対して相対的に押し下げられるヘッド部材30を備えており、フォーマー機構20、吐出口41及び泡流路90は、ヘッド部材30に保持されている。
そして、ヘッド部材30が装着部111に対して相対的に押し下げられる際に、液体供給部の内部(液体ポンプ室220の内部)の液体101と気体供給部の内部(気体ポンプ室210の内部)の気体とがそれぞれ加圧されてフォーマー機構20に供給されるようになっている。
【0052】
液体シリンダ構成部122は、上下に延在するストレート形状のストレート部122aと、ストレート部122aの下方に連接されているとともに下方に向けて縮径している縮径部122bと、を備えている。
ストレート部122aの下端部の内周には、コイルバネ170の下端を受けるバネ受部126aが形成されている。このバネ受部126aは、液体シリンダ構成部122の下端部の内周に等角度間隔などの所定角度間隔で形成された複数のリブ126における上側の端面により構成されている。
縮径部122bの内周面における下部は、後述するポペット160の下端部により構成された弁体162が液密に密着可能な弁座127を構成している。
【0053】
更に、シリンダ部材120は、液体シリンダ構成部122の下方に連接されている円筒状のチューブ保持部125を備えている。このチューブ保持部125に対してディップチューブ128の上端部が挿入されることによって、該ディップチューブ128がシリンダ部材120の下端部に保持されている。このディップチューブ128を介して、貯留容器10内の液体101を液体ポンプ室220内に吸引可能となっている。
【0054】
なお、シリンダ部材120の上端部には、パッキン190が外嵌されている。キャップ部材110が貯留容器10に対して螺合により装着された状態で、パッキン190が口頸部13の上端に対して周回状に気密に密着することにより、貯留容器10の内部空間が密閉されるようになっている。
【0055】
また、気体シリンダ構成部121には、当該気体シリンダ構成部121の内外を貫通している貫通孔129が形成されている。ヘッド部材30が上死点に位置する状態で、貫通孔129は後述する気体ピストン150の外周リング部153によって塞がれるようになっている。
【0056】
ヘッド部材30は、押下操作を受ける操作受部31と、操作受部31から下方に垂下している2重の筒状部、すなわち内筒部32及び外筒部33を有している。内筒部32及び外筒部33の上端は操作受部31によって閉塞されている。
内筒部32は、外筒部33よりも長く下方に延びている。内筒部32は、キャップ部材110の起立筒部113に挿入されている。
内筒部32は、装着部111によって間接的に(シリンダ部材120、コイルバネ170等を介して間接的に)保持されている。
ヘッド部材30は、コイルバネ170の付勢に抗して上死点から下死点までの範囲内での押下操作が可能であり、押下操作が解除されるとコイルバネ170の付勢に従って上死点に復帰する。
ヘッド部材30は、キャップ部材110に対して相対的に上下動し、この上下動の際に、内筒部32は起立筒部113によりガイドされる。外筒部33の内径は、起立筒部113の外径よりも大径に設定されており、ヘッド部材30が押下された際に、起立筒部113は外筒部33と内筒部32との間の間隙に収容される。
【0057】
また、ヘッド部材30は、ノズル部40を一体に有している。ノズル部40は、操作受部31から水平に突出している。ノズル部40の内部空間は、内筒部32の上端部において、内筒部32の内部空間と連通している。吐出口41は、ノズル部40の先端に形成されている。
【0058】
ヘッド部材30が押し下げられていない通常の状態(通常状態)においては、コイルバネ170の作用により、キャップ部材110及びシリンダ部材120に対するヘッド部材30の上下方向位置が上限位置(上死点)に維持される(
図5)。この上限位置は、例えば、後述する気体ピストン150のピストン部152の上端がシリンダ部材120の環状閉塞部112に当接する位置となっている。
一方、使用者がコイルバネ170の付勢に抗してヘッド部材30を押し下げる操作を行うことにより、ヘッド部材30はキャップ部材110及びシリンダ部材120に対して相対的に下降する。なお、ヘッド部材30の下限位置(下死点)は、例えば、後述するピストンガイド130のフランジ部133の下端がシリンダ部材120の環状連結部123に当接する位置となっている。
【0059】
ここで、フォーマー機構20は、ヘッド部材30の内筒部32内に収容され、内筒部32によって保持されている。また、ヘッド部材30は、シリンダ部材120、コイルバネ170、液ピストン140及びピストンガイド130を介して間接的に、装着部111によって保持されている。また、ヘッド部材30は、吐出口41を含んで構成されている。
このように、泡吐出器100は、液体101を貯留する貯留容器10と、貯留容器10に装着される装着部111と、を備え、フォーマー機構20、吐出口41、及び、泡流路90は、装着部111に保持されている。
【0060】
泡吐出キャップ200は、更に、ピストンガイド130、液ピストン140、気体ピストン150、吸入弁部材155、ポペット160、コイルバネ170及びボール弁180を備えている。
このうちピストンガイド130はヘッド部材30に固定されており、液ピストン140はピストンガイド130を介してヘッド部材30に固定されている。従って、ヘッド部材30、ピストンガイド130及び液ピストン140は一体に上下動する。
また、気体ピストン150は、ピストンガイド130に遊挿状態で外嵌めされており、ピストンガイド130に対して相対的に上下動可能となっている。吸入弁部材155は、気体ピストン150に固定されている。
ポペット160は、液ピストン140に挿入され、該液ピストン140に対して相対的に上下動可能となっている。
ポペット160には、コイルバネ170が遊挿状態で外嵌されている。
ボール弁180は、後述する弁座部131と後述する第1部材810の突起部811a(
図6)の下端との間において、上下動可能に保持されている。
【0061】
ピストンガイド130は、上下に長尺な円筒状(円管状)に形成されており、当該ピストンガイド130の上端部がヘッド部材30の内筒部32の下端部に挿入されて、該内筒部32に対して固定されている。ピストンガイド130は、ヘッド部材30の内筒部32の下端から下方に垂下している。
ピストンガイド130の上端部の内部には、円筒状の弁座部131が形成されており、この弁座部131上にボール弁180が配置されている。なお、ボール弁180と弁座部131とにより液体排出弁が構成されている。ピストンガイド130における弁座部131の上方の部位の内部空間は、ボール弁180と、第1部材810の第1部分811及び第2部分812と、を収容する収容空間132を構成している。収容空間132は、弁座部131の中央に形成された貫通孔131aを介して、ピストンガイド130における弁座部131よりも下側の内部空間(つまり液体ポンプ室220)と連通している。
ピストンガイド130の上下方向における中央部にはフランジ部133が形成されており、フランジ部133の上面には円環状の弁構成溝134が形成されている。
ピストンガイド130の上部には、気体ピストン150の筒状部151が遊挿状態で外嵌されている。ここでいうピストンガイド130の上部とは、ピストンガイド130におけるフランジ部133よりも上側の部分であって、且つ、ピストンガイド130において内筒部32に挿入及び固定されている部分よりも下側の部分である。
フランジ部133の上面の弁構成溝134と、気体ピストン150の筒状部151の下端部と、により気体排出弁が構成されている。
更に、ピストンガイド130において筒状部151が外嵌されている部分の外周面には、それぞれ上下に延在する複数の流路構成溝135(
図10)が形成されている。この流路構成溝135と気体ピストン150の筒状部151の内周面との間の間隙は、気体排出弁を介して気体ポンプ室210から流出する気体が通過する流路211(
図10)を構成している。
ピストンガイド130におけるフランジ部133よりも下側の部分の外径寸法は、液体シリンダ構成部122のストレート部122aの内径寸法よりも若干小さい程度に設定されており、当該部分は、ピストンガイド130が上下動する際にストレート部122aによってガイドされる。
ピストンガイド130において弁座部131よりも下側の部分(ただし、液ピストン140が挿入固定(例えば圧入固定)されている部分よりも上側の部分)の内周面には、それぞれ上下に延在する複数のリブ136が形成されている。これらリブ136は、ポペット160に対して圧接状態で接触可能である。
【0062】
液ピストン140は、円筒状(円管状)に形成されている。液ピストン140の下端部には、径方向外方に張り出した形状の外周ピストン部141が形成されている。
液ピストン140における外周ピストン部141よりも上側の部分は、ピストンガイド130の下端部に挿入され且つ固定されている(例えば圧入固定されている)。
また、液ピストン140の外周ピストン部141は、液体シリンダ構成部122のストレート部122aに挿入されている。外周ピストン部141の外径寸法は、ストレート部122aの内径寸法と同等に設定されている。外周ピストン部141は、ストレート部122aの内周面に対して周回状に液密に接しており、当該外周ピストン部141が上下動する際に、ストレート部122aの内周面に対して摺動する。
外周ピストン部141の内周面は、コイルバネ170の上端を受ける斜め段差形状のバネ受部142を含んでいる。
液ピストン140の上端部は、他部よりも内径が小さい括れ部143となっている。
【0063】
気体ピストン150は、円筒状に形成されているとともにピストンガイド130の上部(フランジ部133よりも上側の部分)に対して遊挿状態で外嵌されている筒状部151と、筒状部151から径方向外方に張り出しているピストン部152と、を備えている。
筒状部151は、ピストンガイド130の上部に対して相対的に上下に摺動可能となっている。
なお、筒状部151の上端部は、内筒部32の下端部に挿入されている。筒状部151の下端部は、ピストンガイド130のフランジ部133の上面の弁構成溝134に対して嵌入可能な形状に形成されている。
ピストン部152の周縁部には、外周リング部153が形成されている。外周リング部153は、気体シリンダ構成部121の内周面に対して周回状に気密に接しており、気体ピストン150が上下動する際に、気体シリンダ構成部121の内周面に対して摺動する。
ピストンガイド130に対する筒状部151の相対移動(上下動)の下限位置は、筒状部151の下端部が弁構成溝134に突き当たって気体排出弁が閉状態となる位置である。
一方、内筒部32の下端部の内周面は、ピストンガイド130及び内筒部32に対して筒状部151が上昇することを規制する上動規制部32aを含んでいる。すなわち、ピストンガイド130に対する筒状部151の相対移動(上下動)の上限位置は、筒状部151の下端部が弁構成溝134から離間することにより気体排出弁が開状態となった後、筒状部151の上端部が上動規制部32aにより移動規制される位置である。
ピストン部152における筒状部151の近傍の部分には、当該ピストン部152を上下に貫通している複数の吸入開口154が形成されている。
【0064】
気体ピストン150の筒状部151における下部には、環状の吸入弁部材155が外嵌されている。吸入弁部材155は、径方向外方に張り出した環状の膜である弁体を有している。
なお、吸入弁部材155の弁体とピストン部152の下面とにより、気体吸引弁が構成されている。
ヘッド部材30の押し下げ時、すなわち気体ポンプ室210の収縮時には、吸入弁部材155の弁体がピストン部152の下面に密着することにより吸入開口154が下側から閉塞されるようになっている。
一方、ヘッド部材30の上昇時、すなわち気体ポンプ室210の拡大時には、吸入弁部材155の弁体がピストン部152の下面から離間することにより吸入開口154を介して気体ポンプ室210内に外気が取り込まれるようになっている。
【0065】
ポペット160は、上下に長尺な棒状の部材であり、液ピストン140を貫通した状態で、ピストンガイド130の内部から液体シリンダ構成部122の内部に亘って挿通されている。
ポペット160の上端部161は、ポペット160の上下方向における中間部よりも大径に形成されており、ピストンガイド130の複数のリブ136に対して圧接状態で接触するようになっている。ポペット160の上端部161は、液ピストン140の括れ部143の内径よりも大径に形成されており、下方への移動が括れ部143によって規制されている。
ポペット160の下端部は、弁体162を構成している。弁体162は、ポペット160の上下方向における中間部よりも大径に形成されている。弁体162の下面は、シリンダ部材120の弁座127に対して液密に密着可能な円錐状の形状の部分を含んでいる。なお、弁体162と弁座127とにより液体吸入弁が構成されている。弁体162の上端部には、コイルバネ170から下向きの付勢を受けるバネ受部162aが形成されている。
【0066】
コイルバネ170は、ポペット160の中間部に対して遊挿状態で外嵌めされている。コイルバネ170は、圧縮型のコイルバネであり、シリンダ部材120のバネ受部126aと液ピストン140のバネ受部142との間に圧縮状態で保持されている。このため、コイルバネ170は、シリンダ部材120から反力を得て、液ピストン140、ピストンガイド130及びヘッド部材30を上方に付勢している。
また、コイルバネ170の下端は、バネ受部126aだけでなくポペット160のバネ受部162aを下方に付勢するようになっている。
【0067】
ここで、バネ受部162aの高さ位置がシリンダ部材120のバネ受部126aの高さ位置と揃う位置よりもポペット160が僅かに下方に移動可能なように、ポペット160及びシリンダ部材120の形状及び寸法が設定されている。そして、ヘッド部材30が押下されてピストンガイド130が下降する際に、ピストンガイド130の複数のリブ136とポペット160の上端部161との摩擦によりポペット160がピストンガイド130に従動することで、ポペット160の弁体162の下面がシリンダ部材120の弁座127に対して液密に密着するようになっている。このとき、バネ受部162aはコイルバネ170の下端から離間して下降する。その後、弁体162の下面が弁座127に密着した後、さらにヘッド部材30、ピストンガイド130及び液ピストン140が一体に下降する際には、弁体162の下降は弁座127によって規制される。このため、ピストンガイド130の複数のリブ136がポペット160の上端部161に対して摩擦的に摺動しながら、ピストンガイド130がポペット160に対して相対的に下降する。
一方、ヘッド部材30に対する押下操作が解除されて、液ピストン140、ピストンガイド130及びヘッド部材30がコイルバネ170の付勢に従って一体に上昇する際には、先ず、バネ受部162aがコイルバネ170の下端に当接するまでポペット160がピストンガイド130に従動して上昇する。これにより、弁体162と弁座127とが離間する。その後、液ピストン140、ピストンガイド130及びヘッド部材30は、引き続き、コイルバネ170の付勢に従って一体に上昇する。このとき、ポペット160の上昇はコイルバネ170によって規制されるため、ポペット160の上端部161がピストンガイド130の複数のリブ136に対して摩擦的に摺動しながら、ピストンガイド130がポペット160に対して相対的に上昇する。
このように、ポペット160の弁体162は、コイルバネ170の下端と弁座127との間隙において僅かな上下動が許容されており、弁体162の上下動に伴い液体ポンプ室220の下端部の液体吸入弁が開閉するようになっている。
【0068】
ここで、気体ポンプ室210及び液体ポンプ室220からフォーマー機構20への気体及び液体101の供給経路についてそれぞれ説明する。
【0069】
ヘッド部材30が押下操作されることにより液体ポンプ室220が収縮する。このとき、液体ポンプ室220内の液体101が加圧されることにより、ボール弁180と弁座部131とにより構成される液体排出弁が開き、液体ポンプ室220内の液体101が液体排出弁を介して収容空間132に流入し、更に、収容空間132の上部に配置された第1部材810の孔815内、すなわちフォーマー機構20の液体流路50の隣接液体流路51(
図6、
図9)(後述)に供給されるようになっている。
詳細は後述するが、液体101は、隣接液体流路51から混合部21(
図6、
図9)に供給されるようになっている。
【0070】
また、ヘッド部材30が押下操作されることにより気体ポンプ室210も収縮する。このとき、気体ポンプ室210内の気体が加圧されるとともに、気体ピストン150がピストンガイド130に対して僅かに上昇することにより筒状部151の下端部と弁構成溝134とにより構成される気体排出弁が開き、気体ポンプ室210内の気体が、気体排出弁と、筒状部151とピストンガイド130との間の流路211(
図10)と、を介して上方に送気される。
【0071】
気体ピストン150の筒状部151の上方には、内筒部32の下端部の内周面とピストンガイド130の外周面との間隙により構成された筒状気体流路212(
図5)が配置されている。流路211の上端は、筒状気体流路212の下端に連通している。
更に、筒状気体流路212の上側には、それぞれ上下に延在する複数の軸方向流路213(
図5)が、ピストンガイド130の上端部の周囲に間欠的に形成されている。本実施形態の場合、3つの軸方向流路213が等角度間隔で配置されている。より詳細には、例えば、内筒部32の下端部の内周面に、上下に延在する3つの溝32b(
図5、
図6)が形成されており、3つの溝32bとピストンガイド130の上端部の外周面との間隙により軸方向流路213が構成されている。筒状気体流路212は各軸方向流路213に連通している。
【0072】
軸方向流路213の上側には、第1部材810の第3部分813(後述)の周囲に周回状に配置された周回状流路214(
図6)が設けられている。周回状流路214に対して軸方向流路213の上端部が連通している。
周回状流路214の上側には、第1部材300の第4部分814(後述)の外周面に沿って上下に延在する複数の軸方向気体流路73(
図6)が配置されている。これら軸方向気体流路73の下端部に対して周回状流路214が連通している。
【0073】
詳細は後述するが、気体は、軸方向気体流路73から隣接気体流路71a、71b、71c(
図6、
図9、
図12)に供給されるようになっている。
このように、流路211を介して上方に送られた気体は、筒状気体流路212、軸方向流路213、周回状流路214、軸方向気体流路73をこの順に通って、隣接気体流路71に供給され、隣接気体流路71から混合部21に供給されるようになっている。
【0074】
また、混合部21の上方に隣接泡流路91(
図6)が配置されており、更に隣接泡流路91の上方に拡大泡流路93(
図6)が配置されている。
【0075】
フォーマー機構20を実現するための部品構成は特に限定されないが、一例として、それぞれ以下に説明する第1部材810(
図7(a)、
図7(b))と第2部材820(
図6、
図9)を組み合わせることにより、フォーマー機構20が構成されている。
【0076】
第1部材810は、それぞれ円柱状に形成された第1部分811、第2部分812、第3部分813及び第4部分814を備えている。第1部分811の上側に第2部分812が連接されており、第2部分812の上側に第3部分813が連接されており、第3部分813の上側に第4部分814が連接されている。第1部分811よりも第2部分812が大径に形成されており、第2部分812よりも第3部分813が大径に形成されており、第3部分813よりも第4部分814が大径に形成されている。第1部分811、第2部分812、第3部分813及び第4部分814は、互いに同軸に配置されており、これらの軸心は上下方向に延在している。第1部材810は、更に、第1部分811から下方に突出している複数(例えば4つ)の突起部811aを備えている。
【0077】
第2部分812、第3部分813及び第4部分814において、第1部分811よりも径方向における外側に位置する部分には、これら第2部分812、第3部分813及び第4部分814を上下に貫通する複数の孔815が形成されている。これら孔815は、第1部材810の周方向において間欠的に配置されている。より詳細には、例えば、8つの孔815が等角度間隔で配置されている(
図7(a))。これら孔815の内腔断面積は、例えば、下部において相対的に大きく、上部において相対的に小さい。これら孔815の上部の内部空間は、例えば円柱状に形成されている。各孔815は、例えば、互いに同一の大きさに形成されている。
【0078】
第4部分814の外周面には、第4部分814の周方向において間欠的に配置された複数(例えば24本)の軸方向気体溝816が形成されている。各軸方向気体溝816は、上下に延在しており、第4部分814の下端から上端に亘って形成されている(
図7(a))。
個々の軸方向気体溝816は、例えば、全体に一定の深さ及び幅に形成されている。また、各軸方向気体溝816は、例えば、互いに同じ深さ及び幅に形成されている。
本実施形態の場合、各軸方向気体溝816の軸方向に対して直交する軸方向気体溝816の断面形状は、正方形状となっている。ただし、本発明において、各軸方向気体溝816の断面形状は、この例に限らない。
【0079】
第4部分814の上面には、第4部分814の周方向において間欠的に配置された複数(例えば8つ)の第1上面溝817と、第4部分814の周方向において間欠的に配置された複数(例えば8つ)の第2上面溝818と、第4部分814の周方向において間欠的に配置された複数(例えば8つ)の第3上面溝819と、が形成されている。
平面視において、第1上面溝817、第3上面溝819、及び、第2上面溝818が、時計回りにこの順で繰り返し配置されている。
各第1上面溝817は、各孔815と1対1で対応している。各第2上面溝818は、各孔815と1対1で対応している。各第3上面溝819は、各孔815と1対1で対応している。
各第1上面溝817は、第4部分814の上面において、L字状に形成されている。各第1上面溝817は、第4部分814の上面において、径方向における外側の端部から径方向における内側に向けて対応する孔815の近傍まで延び、更に、屈曲して対応する孔815に達している。
各第2上面溝818は、第4部分814の上面において、逆L字状に形成されている。各第2上面溝818は、第4部分814の上面において、径方向における外側の端部から径方向における内側に向けて対応する孔815の近傍まで延び、更に、屈曲して対応する孔815に達している。第1上面溝817が屈曲している方向と、第2上面溝818が屈曲している方向とは、互いに反対方向である。
各第3上面溝819は、第4部分814の上面において、径方向における外側の端部から径方向における内側に向けて直線状に延在している。各第3上面溝819における内周側の端部は、対応する孔815に達している。
各軸方向気体溝816は、複数の第1上面溝817、複数の第3上面溝819又は複数の第2上面溝818のいずれか1つと1対1で対応している。複数の第1上面溝817と1対1で対応している軸方向気体溝816の上端部は、対応する第1上面溝817における外周側の端部に接続している。複数の第2上面溝818と1対1で対応している軸方向気体溝816の上端部は、対応する第2上面溝818における外周側の端部に接続している。複数の第3上面溝819と1対1で対応している軸方向気体溝816の上端部は、対応する第3上面溝819における外周側の端部に接続している。
個々の第1上面溝817は、例えば、全体に一定の深さ及び幅に形成されている。また、各第1上面溝817は、例えば、互いに同じ深さ及び幅に形成されている。
個々の第2上面溝818は、例えば、全体に一定の深さ及び幅に形成されている。また、各第2上面溝818は、例えば、互いに同じ深さ及び幅に形成されている。
個々の第3上面溝819は、例えば、全体に一定の深さ及び幅に形成されている。また、各第3上面溝819は、例えば、互いに同じ深さ及び幅に形成されている。
また、軸方向気体溝816、第1上面溝817、第2上面溝818及び第3上面溝819は、例えば、互いに同じ深さ及び幅に形成されている。
本実施形態の場合、各第1上面溝817の軸方向に対して直交する第1上面溝817の断面形状、各第2上面溝818の軸方向に対して直交する第2上面溝818の断面形状、及び、各第3上面溝819の軸方向に対して直交する第3上面溝819の断面形状は、それぞれ正方形状となっている。ただし、本発明において、各第1上面溝817、各第2上面溝818、及び、各第3上面溝819の断面形状は、この例に限らない。
第4部分814の上面には、例えば、一対の凹部810aが形成されている。
【0080】
図6、
図8及び
図9に示すように、第2部材820は、例えば、円筒状の筒部822と、筒部822の下端を閉塞している平板状の板部823と、を備えて構成されている。
筒部822の軸方向は上下に延在している。板部823は水平に配置されている。筒部822及び板部823の外径は、第1部材810の第4部分814の外径と略等しい。
板部823には、当該板部823を上下に貫通する複数の孔824が形成されている。これら孔824は板部823の周方向において間欠的に配置されている。より詳細には、例えば、8つの孔824が等角度間隔で配置されている。孔824の内部空間は、例えば、円柱状に形成されている。各孔824は、例えば、互いに同じ内径に形成されている。
第2部材820は、例えば、板部823から下方に突出している一対の凸部820aを有する。各凸部820aは、第1部材810の各凹部810aと対応する位置に設けられている。
【0081】
図6及び
図9に示すように、第1部材810の各凹部810aに第2部材820の各凸部820aが嵌入することによって、第1部材810と第2部材820とが相互に組み付けられている。第2部材820の板部823の下面と、第1部材810の第4部分814の上面とが、相互に面接触し気密に密着している。
ここで、第1部材810の孔815と第2部材820の孔824とは、1対1で対応している。そして、各孔815の直上に、対応する孔824が配置されている。
例えば、孔815の上部と、孔824とは、互いに同じ内径となっているとともに、互いに同軸に配置されている。
【0082】
図6に示すように、内筒部32の内部には、第1部材810の第3部分813及び第4部分814と、第2部材820と、を収容及び保持する保持部32cが形成されている。保持部32cの内部空間は円柱状の空間である。第1部材810と第2部材820とが相互に組み付けられた状態で、第1部材810の第3部分813及び第4部分814と、第2部材820と、が保持部32cに嵌入固定されている。
第1部材810の第2部分812は、ピストンガイド130の上端部に対して嵌入固定されている。第2部分812の外周面は、ピストンガイド130の上端部の内周面に対して周回状に気密に密着している。
第1部材810の第1部分811は、ピストンガイド130の上端部に挿入されている。第1部材810の第1部分811の突起部811aは、収容空間132の内部に配置されている。
第1部材810の第3部分813の外周面と保持部32cの内周面との間には、周回状流路214が形成されている。
【0083】
図11に示すように、第1部材810の第4部分814の外周面の各軸方向気体溝816と保持部32cの内周面との間には、上下に延在する軸方向気体流路73が形成されている(
図11)。
第1部材810の各孔815の内部空間の上端部は、混合部21を構成している。つまり、本実施形態の場合、フォーマー機構20は、合計8個の混合部21を有する。これら混合部21は、同一の円周上に配置されている。
混合部21は、例えば、孔815の内部空間のうち、第1上面溝817、第2上面溝818及び第3上面溝819の底面よりも上側の部分である。
第1部材810の各孔815の内部空間のうち、混合部21よりも下側の部分は、隣接液体流路51を構成している。
隣接液体流路51の軸心の方向は、上下方向となっている。隣接液体流路51から混合部21に対して上向きに液体が供給されるようになっている。
【0084】
図12に示すように、第1部材810の第4部分814の上面の各第1上面溝817と第2部材820の板部823の下面との間には、隣接気体流路71aが形成されている。
第1部材810の第4部分814の上面の各第2上面溝818と第2部材820の板部823の下面との間には、隣接気体流路71bが形成されている。
第1部材810の第4部分814の上面の各第3上面溝819と第2部材820の板部823の下面との間には、隣接気体流路71cが形成されている。
隣接気体流路71a、隣接気体流路71b及び隣接気体流路71cは、例えば、それぞれ水平に延在している。
【0085】
図6及び
図9に示すように、第2部材820の各孔824の内部空間により隣接泡流路91が構成されている。
第2部材820の筒部822の凹部821の内部空間により拡大泡流路93が構成されている。
【0086】
本実施形態の場合、フォーマー機構20は、一の混合部21に対応して、それぞれ複数(例えば3つ)の隣接気体流路71、すなわち隣接気体流路71a、71b、71cを有する。つまり、フォーマー機構20は、例えば、合計で24個の隣接気体流路71を有する。
本実施形態の場合、フォーマー機構20は、個々の混合部21に対応して、それぞれ1つずつの隣接液体流路51を有する。
本実施形態の場合、各隣接気体流路71の流路面積は、隣接液体流路51の流路面積よりも小さい。
隣接気体流路71aの下流端、すなわち、混合部21に対する隣接気体流路71aの接続端は、気体入口72aである。同様に、隣接気体流路71bの下流端は気体入口72bであり、隣接気体流路71cの下流端は気体入口72cである。
【0087】
本実施形態の場合、
図13に示すように、隣接気体流路71aの下流端における軸心AX1の方向と、隣接気体流路71bの下流端における軸心AX2の方向と、隣接気体流路71cの下流端における軸心AX13の方向とは、例えば、互いに120度異なる向きとなっている。混合部21の周囲に3つの気体入口72a、72b、72cが等角度間隔で配置されている。
【0088】
このように、本実施形態の場合、フォーマー機構20は、複数の混合部21を備え、個々の混合部21に対応して、3つの隣接気体流路71(隣接気体流路71a、71b、71c)が配置されており、これら3つの隣接気体流路71から対応する混合部21への気体の供給方向が、同一の平面(例えば水平面)に位置しているとともに、隣接液体流路51から当該混合部21への液体の供給方向が、当該平面に対して交差(例えば直交)する方向となっている。
このような構成により、一の混合部21に対して2つの隣接気体流路71から気体を供給する場合と比べて、液柱が高速で揺れ動く周期が短くなる結果、泡がよりきめ細かくなる。
なお、本発明は、フォーマー機構20が複数の混合部21を備える例に限らず、フォーマー機構20が備える混合部21の数が1つである場合に、当該混合部21に対応して3つの隣接気体流路71が配置されており、これら3つの隣接気体流路71から混合部21への気体の供給方向が、同一の平面に位置しているとともに、隣接液体流路51から当該混合部21への液体の供給方向が、当該平面に対して交差する方向となっていてもよい。この場合も、同様に、液柱が高速で揺れ動く周期が短くなる結果、泡がよりきめ細かくなる。
【0089】
一の混合部21に対して3つの隣接気体流路71から気体を供給する方向は、本実施形態のように120度間隔であることが、液中が高速で揺れ動く周期の均等性の観点から好ましい。
ただし、本発明はこの例に限らず、一の混合部21に対して3つの隣接気体流路71から気体を供給する方向は、不等間隔であってもよい。一例として、互いに対向する2つの方向からと、これら2つの方向に対して直交する1つの方向から、それぞれ混合部21に対して気体が供給されてもよい。すなわち、例えば、一の混合部21の周囲に3つの隣接気体流路71がT字状に配置されていてもよい。
【0090】
図13に示すように、本実施形態の場合、気液接触領域23は、隣接気体流路71aの下流端における軸心AX1の方向に隣接気体流路71aを延長した領域と、隣接気体流路71bの下流端における軸心AX2の方向に隣接気体流路71bを延長した領域と、隣接気体流路71cの下流端における軸心AX13の方向に隣接気体流路71cを延長した領域と、隣接液体流路51の軸心の方向に隣接液体流路51を延長した領域と、が重複する領域である。
図13において、気液接触領域23にはハッチングを付している。
また、合流部22は、気体入口72a、気体入口72b及び気体入口72cの中間に位置している。
本実施形態の場合、気体入口72a、気体入口72b及び気体入口72cが互いに120度異なる方向を向いている。このため、合流部22は、面ではなく、上下に延在する線となる。
【0091】
図6及び
図9に示すように、各混合部21の上側には、隣接泡流路91が配置されており、隣接泡流路91は上下に延在している。つまり、フォーマー機構20は、複数(例えば8つ)の隣接泡流路91を有する。隣接泡流路91の断面形状は、例えば円形となっている。本実施形態の場合、隣接泡流路91の内部空間は円柱状に形成されており、隣接泡流路91の断面積は一定である。ただし、隣接泡流路91は、拡大泡流路93に向かって徐々に(テーパー状に)拡大又は縮小していてもよいし、段階的に拡大又は縮小していてもよい。
本実施形態の場合、隣接液体流路51の軸心方向と隣接泡流路91の軸心方向とが互いに同軸に配置されている。
【0092】
ここで、本実施形態のように、隣接液体流路51の断面形状及び混合部21の断面形状が円形であり、隣接泡流路91の断面形状も円形である場合の好ましい寸法の関係について説明する。この場合、隣接泡流路91の直径は、混合部21の直径と同じであるか、又は、混合部21の直径よりも小さいことが好ましい。隣接泡流路91の直径は、隣接液体流路51の直径と同じであるか、又は、隣接液体流路51の直径よりも小さいことが好ましい。
なお、隣接泡流路91の断面形状は円形であるが隣接液体流路51の断面形状及び混合部21の断面形状が正方形の場合、隣接泡流路91の直径は、混合部21の断面形状における一辺の長さと同じであるか、又は、当該一辺の長さよりも小さいことが好ましく、隣接液体流路51の断面形状における一辺の長さと同じであるか、又は、当該一辺の長さよりも小さいことが好ましい。
【0093】
本実施形態の場合、隣接液体流路51及び隣接泡流路91の軸心の方向(上下方向)において、気体入口72a、72b、72cの寸法と混合部21の寸法とが互いに等しい。また、隣接液体流路51及び隣接泡流路91の軸心の方向において、気体入口72a、72b、72cの位置と混合部21の位置とが互いに一致している。
ただし、隣接液体流路51及び隣接泡流路91の軸周りの方向において、各気体入口72a、72b、72cの周囲(両側)には、混合部21を画定する壁面が存在している。
このため、混合部21に十分な量の液体を供給しつつ、この液体に各気体入口72a、72b、72cから気体を供給することができる。気液混合に供される液体の不足を抑制できるので、安定的かつ連続的に気液の混合を行うようにでき、連続的に泡を生成することが可能となる。
【0094】
本実施形態の場合、個々の気体入口72の面積は、液体入口52の面積よりも小さい。より詳細には、液体入口52の面積は、気体入口72の面積の3倍よりも大きい。つまり、3つの気体入口72a、72b、72cの面積の合計値よりも液体入口52の面積が大きい。
すなわち、一の混合部21に対応して配置された個々の気体入口72の面積が、一の混合部21に対応して配置された液体入口52の面積よりも小さい。
また、一の混合部21に対応して配置された気体入口72の合計面積が、一の混合部21に対応して配置された液体入口52の面積よりも小さい。
ただし、本発明は、この例に限らず、一の混合部21に対応して配置された気体入口72の合計面積が、一の混合部21に対応して配置された液体入口52の面積と等しくても良いし、当該面積よりも大きくても良い。
【0095】
本実施形態の場合、隣接泡流路91の流路面積は、隣接泡流路91の軸方向に対して直交する混合部21の内腔断面積(隣接泡流路91の軸方向に対して直交する混合部21の内腔断面積)の最大値と等しい。よって、本実施形態の場合も、液柱の揺動を、限られた空間内で行うことができる。
【0096】
また、本実施形態の場合も、隣接泡流路91の長さは、隣接泡流路91の軸方向における気体入口72の寸法よりも長い。よって、上述したような液柱の揺動をより確実に行いながら、細かい泡を断続的に生成することができる。
より詳細には、隣接泡流路91の長さは、隣接泡流路91の軸方向における混合部21の寸法よりも長い。
【0097】
このように、フォーマー機構20は、複数の混合部21を備え、泡流路90は、個々の混合部21に対応して個別の隣接泡流路91を備えている。このような構成により、混合部21が複数存在する場合であっても、各混合部21で生じた液柱が隣接泡流路91において揺れ動く範囲が制限されるため、液柱が高速で交互に揺れ動く動作を好適に実現できる。
更に、隣接泡流路91の上側には拡大泡流路93が配置されている。各隣接泡流路91は、1つの拡大泡流路93に合流している。すなわち、泡流路90は、隣接泡流路91の下流側に隣接していて隣接泡流路91よりも流路面積が大きい拡大泡流路93を含み、複数の混合部21とそれぞれ対応する隣接泡流路91が一の拡大泡流路93に合流している。
よって、複数の混合部21にて気液を混合することにより生成された泡を、拡大泡流路93に合流させて、まとめて吐出口41から吐出することができる。
【0098】
内筒部32の内部空間のうち、第2部材400の上方の空間は、拡大泡流路93から流入する泡が通過する流路32dを構成している。
流路32dの上端は、ノズル部40の内部空間を介して、吐出口41と連通している。
【0099】
本実施形態の場合、気体流路70は、軸方向気体流路73及び隣接気体流路71により構成されている。
本実施形態の場合、液体流路50は、隣接液体流路51により構成されている。
【0100】
泡吐出器100は以上のように構成されている。
【0101】
なお、泡吐出キャップ200は、泡吐出器100の構成のうち貯留容器10を除く部分により構成されている。
すなわち、泡吐出キャップ200は、液体101を貯留する貯留容器10に装着される装着部111と、装着部111に保持され液体101から泡を生成するフォーマー機構20と、装着部111に保持されフォーマー機構20に液体を供給する液体供給部と、装着部111に保持されフォーマー機構20に気体を供給する気体供給部と、装着部111に保持されフォーマー機構20により生成された泡を吐出する吐出口41と、装着部111に保持されフォーマー機構20から吐出口41に向かう泡が通過する泡流路90とを備えている。フォーマー機構20の構成は、上述した通りである。
【0102】
次に、動作を説明する。
【0103】
先ず、ヘッド部材30が押下操作されていない通常状態では、
図5に示すように、ヘッド部材30は上死点位置に存在している。
この状態では、ポペット160の弁体162のバネ受部162aがコイルバネ170の下端に接しており、弁体162は弁座127から僅かに上方に離間している。つまり、液体吸入弁は開状態である。また、ボール弁180は弁座部131に接しており、液体排出弁は閉状態である。
また、気体ピストン150の筒状部151の下端部はピストンガイド130のフランジ部133の上面の弁構成溝134に対して嵌入しており、気体排出弁は閉状態である。また、吸入弁部材155の弁体は気体ピストン150のピストン部152の下面に接触しており、気体吸引弁は閉状態である。また、気体シリンダ構成部121の貫通孔129は、気体ピストン150の外周リング部153によって塞がれている。
【0104】
ヘッド部材30が押下されることにより、ヘッド部材30と一体にピストンガイド130及び液ピストン140が下降する。この下降に伴い、コイルバネ170が圧縮されるとともに、液体ポンプ室220の容積が縮小する。
ピストンガイド130及び液ピストン140が下降する過程の初期において、ポペット160は、ピストンガイド130のリブ136との摩擦によりピストンガイド130に従動して僅かに下降する。これにより、弁体162が弁座127に対して液密に密着し、液体吸入弁が閉状態となる。
液体吸入弁が閉状態となった後、更に液ピストン140が下降することにより、液体ポンプ室220内の液体101が加圧され、当該液体101が上方に圧送される。つまり、液体101の圧力によってボール弁180が弁座部131から浮き上がり、液体排出弁が開状態となるとともに、液体101が、液体ポンプ室220から液体排出弁及び収容空間132を介して液体流路50の各隣接液体流路51に分配されて流入する。
ここで、隣接液体流路51は等角度間隔で配置されており、各隣接液体流路51の流路面積は互いに等しい。このため、各隣接液体流路51に対して均等に液体101が流入する。
更に、液体101は、各隣接液体流路51を通過して、各隣接液体流路51の上側に連接されている混合部21に対し、各隣接液体流路51の上端の液体入口52を介して流入する。
【0105】
また、ヘッド部材30が押下されることにより、気体ポンプ室210内の気体が圧縮されることによってフォーマー機構20に圧送される。
すなわち、液ピストン140及びピストンガイド130が下降する過程の初期において、気体ピストン150はピストンガイド130に対して相対的に上昇(ただし、気体ピストン150は、シリンダ部材120に対しては実質的に静止又は僅かに下降)する。これにより、気体ピストン150の筒状部151の下端部がフランジ部133の弁構成溝134から上方に離間することによって気体排出弁が開状態となる。
その後、筒状部151の上端部が内筒部32の上動規制部32aに接触することにより、ヘッド部材30及びピストンガイド130に対する気体ピストン150の相対的な上昇が規制され、以降、気体ピストン150はヘッド部材30及びピストンガイド130と一体的に下降する。これにより、気体ポンプ室210内の気体が加圧される。
よって、気体ポンプ室210内の気体は、気体排出弁、流路211(
図10)、筒状気体流路212(
図5)、軸方向流路213(
図5、
図6)、周回状流路214(
図5、
図6)をこの順に介して、気体流路70の24個の軸方向気体流路73(
図6、
図9、
図11)に均等に分配供給される。
更に、気体は、24個の軸方向気体流路73の各々から、対応する隣接気体流路71に供給される。すなわち、8つの隣接気体流路71a、8つの隣接気体流路71b、及び、8つの隣接気体流路71cに対して、均等に気体が供給される。
そして、各混合部21に対して、対応する隣接気体流路71a、71b、71cから、気体入口72a、72b、72cを介して、気体が流入する。
【0106】
つまり、各混合部21に対して、各隣接気体流路71a、71b、71cから気体入口72a、72b、72cを介して気体が供給されるとともに、隣接液体流路51から液体入口52を介して液体が供給され、気体と液体とが混合部21にて混合される。
ここで、本実施形態の場合も、液体入口52が、隣接気体流路71a、71b、71cから気体入口72a、72b、72cを介して混合部21に供給される気体どうしの合流部22と対応する位置に配置されている。このため、気流による液体の泡化を効果的に行うことができる。すなわち、例えば、第1実施形態で説明したように、隣接液体流路51から混合部21に供給される液体により液柱が形成される。そして、一の混合部21と対応する3つの隣接気体流路71a、71b、71cから順次に当該混合部21に気体が供給される動作が繰り返される。このため、液柱は、隣接気体流路71aから遠ざかる方向、隣接気体流路71bから遠ざかる方向、及び、隣接気体流路71cから遠ざかる方向に高速で順次に周回状に揺れ動き、液柱から断続的に細かい泡が生じる。
よって、良好に気液を混合して十分に均一な泡を生成することが可能となる。
【0107】
ここで、本実施形態の場合、個々の隣接気体流路71と対応して個別の軸方向気体流路73が設けられている。このため、後述する第3実施形態のような、一の軸方向気体流路73から複数(2つ)の隣接気体流路71に気体が分配される場合と比べて、気体が低圧で軸方向気体流路73を通過できるため、ヘッド部材30の押下げに要する力の大きさを低減できる。しかも、各隣接気体流路71に対し、より均等に気体を分配供給しやすくなり、これによって、カニ泡と呼ばれる大きめの泡が生成されることも抑制でき、生成される泡の品質を安定化できる。
【0108】
本実施形態の場合も、泡吐出器100は、一般的なフォーマー機構が有するメッシュを備えていないが、それでも、十分に均一で細かい泡を生成することが可能である。このため、メッシュの目詰まりが生じないようにできる。
また、高粘度の液体等、泡化が容易ではない液体についても、容易に泡化することが可能である。
【0109】
また、個々の隣接液体流路51に対応して、それぞれ個別の混合部21が配置されている。このため、混合部21からの気体や液体の逃げ場が制限されるため、混合部21における気液の混合をより確実に行うことができる。
また、個々の混合部21に対応して、専用の複数の隣接気体流路71が配置されていることによって、より一層、混合部21からの気体や液体の逃げ場が制限されるため、混合部21における気液の混合をより確実に行うことができる。
【0110】
なお、泡の生成は、混合部21の他、隣接泡流路91や拡大泡流路93においても行われうる。
すなわち、混合部21や隣接泡流路91で生成された泡は、拡大泡流路93に合流し、ここでも更に泡が細かくなる場合がある。
泡は、拡大泡流路93から流路32dとノズル部40の内部空間とを介して吐出口41から外部に吐出される。
【0111】
その後、ヘッド部材30に対する押下操作が解除されると、コイルバネ170が弾性復帰することにより伸長する。このため、液ピストン140がコイルバネ170により付勢されて上昇し、液ピストン140と一体にピストンガイド130及びヘッド部材30が上昇する。この際には、液体ポンプ室220が拡大することにより液体ポンプ室220が負圧となるためボール弁180は弁座部131に接触し、液体排出弁は閉状態となる。
【0112】
ピストンガイド130が上昇する過程で、ポペット160はリブ136との摩擦によりピストンガイド130に従動して僅かに上昇する。これにより、弁体162が弁座127から離間し、液体吸入弁が開状態となる。弁体162のバネ受部162aがコイルバネ170の下端に接触して以降は、ポペット160の上昇は停止し、リブ136がポペット160に対して摺動しながら、ピストンガイド130が上昇する。
ピストンガイド130及び液ピストン140が更に上昇して液体ポンプ室220が拡大することにより、貯留容器10内の液体101がディップチューブ128を介して液体ポンプ室220内に吸引される。
【0113】
また、ピストンガイド130が上昇する過程で、ピストンガイド130は気体ピストン150に対して相対的に上昇し、フランジ部133の弁構成溝134に対し、気体ピストン150の筒状部151の下端が嵌入する。これにより、気体排出弁が閉状態となる。
ピストンガイド130が更に上昇する際には、気体ピストン150はピストンガイド130と一体に上昇する。
気体ピストン150が上昇して気体ポンプ室210が拡大することにより、気体ポンプ室210内が負圧となるため、吸入弁部材155の弁体がピストン部152の下面から離間して気体吸入弁が開状態となる。これにより、泡吐出器100の外部の空気が、起立筒部113の上端と外筒部33の下端との間隙、起立筒部113と内筒部32との間隙、環状閉塞部112とピストン部152との間隙、及び、ピストン部152の吸入開口154及び気体吸入弁を介して、気体ポンプ室210内に流入する。
ヘッド部材30、ピストンガイド130、液ピストン140及び気体ピストン150の上昇は、例えば、環状閉塞部112によってピストン部152の上昇が規制されることによって停止する。
【0114】
なお、押下操作解除後のヘッド部材30等の上昇時に、貯留容器10内の液体101が液体ポンプ室220内に吸引されることにより、貯留容器10内における液体101の液面よりも上方の空間は、容積が拡大するため負圧となる。
ただし、その後にヘッド部材30が押下されて、貫通孔129が外周リング部153によって塞がれた状態から塞がれていない状態に移行することにより、泡吐出器100の外部の空気が、起立筒部113の上端と外筒部33の下端との間隙、起立筒部113と内筒部32との間隙、環状閉塞部112とピストン部152との間隙、及び、貫通孔129を介して、貯留容器10内に流入する。これにより、貯留容器10内における液体101の液面よりも上方の空間は大気圧に復帰する。
【0115】
ここで説明した泡吐出キャップ200の構造および動作は一例であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、その他の広く知られている構造のものを本実施形態に適用しても何ら差し支えが無い。
【0116】
以上のような第2実施形態によっても、液体入口52が、複数の隣接気体流路71から気体入口72を介して混合部21に供給される気体どうしの合流部22と対応する位置に配置されているため、上述したような液柱の揺動を行わせるなどにより、気流による液体の泡化を効果的に行うことができる。よって、良好に気液を混合して十分に均一な泡を生成することが可能となる。
【0117】
〔第3実施形態〕
次に、
図4と
図14から
図27を用いて第3実施形態を説明する。
図16(a)、
図17(a)及び
図18におけるA-A線の位置は互いに対応しており、
図16(a)、
図17(a)及び
図18におけるB-B線の位置は互いに対応している。
本実施形態に係る泡吐出器100のフォーマー機構20は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係る泡吐出器100のフォーマー機構20と相違しており、その他の点では上記の第1実施形態に係る泡吐出器100のフォーマー機構20と同様に構成されている。
また、本実施形態に係る泡吐出器100及び泡吐出キャップ200は、フォーマー機構20以外の構成については、上記の第2実施形態に係る泡吐出器100及び泡吐出キャップ200と同様に構成されている。
【0118】
上記の第2実施形態では、フォーマー機構20は、第1部材810と第2部材820とを備えて構成されているのに対し、本実施形態の場合、一例として、それぞれ以下に説明する第1部材300(
図16(a)、
図16(b))と第2部材400(
図17(a)、
図17(b))とを組み合わせることにより、フォーマー機構20が構成されている。
【0119】
図15、
図16(a)、
図16(b)、
図19及び
図20のいずれかに示すように、第1部材300は、筒状の部材であり、当該第1部材300の軸心は上下方向に延在している。
第1部材300は、第1筒部311と、第1筒部311の上側に連接された第2筒部312と、第2筒部312の上側の連接された第3筒部313と、第3筒部313の上側に連接された第4筒部314と、第1筒部311から下方に突出している複数(例えば4つ)の突起部321と、を備えて構成されている。
第1筒部311の下部は、例えば、下方に向けてテーパー状に縮径している。
第2筒部312は、第1筒部311よりも大径に形成されている。
第3筒部313は、第2筒部312よりも更に大径に形成されている。
第4筒部314は、第3筒部313よりも小径に形成されている。
第1筒部311、第2筒部312、第3筒部313及び第4筒部314は、互いに同軸に配置されている。
第1部材300の中央部には、当該第1部材300を上下に貫通する中央孔301が形成されている。
【0120】
第3筒部313の外周面には、周方向において間欠的に配置された複数の外周切欠形状部331が形成されている。外周切欠形状部331は、第3筒部313の下端から上端に亘って形成されている。より詳細には、例えば、8つの外周切欠形状部331が等角度間隔で配置されている。
【0121】
第3筒部313の上面には、それぞれ径方向に延在する複数の径方向気体溝341が形成されている。各径方向気体溝341は、第3筒部313の周方向において、各外周切欠形状部331の中央位置に配置されている。従って、本実施形態の場合、8つの径方向気体溝341が等角度間隔で配置されている。径方向気体溝341は、第3筒部313の上面において、径方向の外側の端から内側の端に亘って延在している。
【0122】
更に、第3筒部313の上面において、外周切欠形状部331及び径方向気体溝341を避けた位置には、複数(例えば2つ)の位置合わせ凹部390が形成されている。
【0123】
第4筒部314の外周面には、周方向において間欠的に配置された複数の軸方向気体溝342が形成されている。各軸方向気体溝342は、各径方向気体溝341の内側の端部から上方に延びている。従って、本実施形態の場合、8つの軸方向気体溝342が等角度間隔で配置されている。軸方向気体溝342は、第4筒部314の外周面の下端から上端に亘って形成されている。
【0124】
第4筒部314の上面には、周方向において間欠的に配置された複数の径方向溝345が形成されている。各径方向溝345は、第4筒部314の上面において、径方向の内側の端から外側の端部に亘って径方向に延在している。径方向溝345における径方向の外側の端部は、例えば、平面視弧状に膨出した溝先端部346となっている。
径方向溝345は、例えば、径方向における位置にかかわらず一定の深さ(上下寸法)及び幅に形成されている。
各径方向溝345は、第1部材300の周方向において、隣り合う軸方向気体溝342が配置されている位置どうしの中間位置に配置されている。
【0125】
更に、第4筒部314の上面の周縁部には、径方向溝345よりも浅い周縁周回溝344が形成されている。周縁周回溝344は、隣り合う径方向溝345の径方向における外側の端部付近どうしを繋いでいる。各周縁周回溝344は、第1部材300の中心軸を中心とする円弧状に形成されている。周縁周回溝344は、例えば、周方向における位置にかかわらず一定の深さ(上下寸法)及び幅に形成されている。
【0126】
図15、
図17(a)、
図17(b)、
図19及び
図20のいずれかに示すように、第2部材400は、例えば、円筒形状の筒部410と、円板状の板部420と、を備えて構成されている。
筒部410の軸心は上下方向に延在している。
板部420は、筒部410の内部であって、当該筒部410上端と下端との中間位置において水平に配置されている。板部420は、例えば、筒部410の上下方向における中心よりも下側に配置されている。
筒部410内において、板部420よりも上側の空間は、凹部411であり、板部420よりも下側の空間は、凹部412である。
例えば、凹部411の内径は、凹部412の内径よりも大きく設定されている。
板部420には、凹部411から凹部412に亘って板部420を上下に貫通している複数(例えば8つ)の孔421が形成されている。
孔421は、筒部410の軸心の周囲に等角度間隔で配置されている。
図17(b)に示すように、筒部410の下面には、複数(例えば2つ)の位置合わせ突起490が形成されている。
なお、凹部411には、段差部413が形成されていてもよい。凹部411において、段差部413よりも上側の部分の内径は、段差部413よりも下側の部分の内径よりも若干大きくなっている。
【0127】
図15、
図19、
図20及び
図21に示すように、凹部412の内径は、第4筒部314の外径と同等に設定されており、凹部412内に第4筒部314が嵌入することによって、第1部材300と第2部材400とが相互に組み付けられている。
ここで、各位置合わせ凹部390内に、それぞれ位置合わせ突起490が嵌入するようにして、第1部材300と第2部材400とが組み付けられており、これにより、第1部材300と第2部材400とが周方向において互いに位置合わせされている。
図18に示すように、平面視において、各孔421が、径方向溝345の径方向における外側の端部近傍に配置されている。
第4筒部314の上面は、板部420の下面に対して気密に密着している。
第4筒部314の外周面は、凹部412の内周面に対して気密に密着している。
筒部410の外径は、第3筒部313の外径と同等に設定されている。
【0128】
図15に示すように、内筒部32の内部には、相互に組み付けられた状態の第1部材300及び第2部材400を収容及び保持する保持部32cが形成されている。保持部32cの内部空間は円柱状の空間である。保持部32cには、相互に組み付けられた状態の第1部材300及び第2部材400が嵌入固定されている。
第1筒部311は、ピストンガイド130の上端部に対して嵌入固定されている。
突起部321は、収容空間132の内部に配置されている。
【0129】
第1筒部311の外周面は、ピストンガイド130の上端部の内周面に対して周回状に気密に密着している。
第2筒部312の外周面と保持部32cの内周面との間には、周回状流路214(
図20)が形成されている。
外周切欠形状部331により、第3筒部313の外周面と保持部32cの内周面との間には、軸方向連通気体流路75(
図20)が形成されている。本実施形態の場合、フォーマー機構20は、複数(例えば8つ)の軸方向連通気体流路75を有する。
中央孔301の内部空間により大径液体流路53が構成されている。
【0130】
第3筒部313の上面と筒部410の下面との間には、周回状気体流路74(
図20、
図22)が形成されている。周回状気体流路74は、径方向気体溝341内の空間も含んでいる。
第4筒部314の外周面は、軸方向気体溝342を除き、凹部412の内周面に対して気密に密着している。軸方向気体溝342により、第4筒部314の外周面と凹部412の内周面との間には、上下に延在する軸方向気体流路73(
図20、
図23)が形成されている。本実施形態の場合、フォーマー機構20は、複数(例えば8つ)の軸方向気体流路73を有する。軸方向気体流路73は、大径液体流路53に対して平行に延在している。つまり、軸方向気体流路73(交差気体流路)は、大径液体流路53に対して並列な方向に延在している。また、複数の軸方向気体流路73(交差気体流路)が、大径液体流路53の周囲に間欠的に配置されている。
【0131】
第4筒部314の上面は、径方向溝345(溝先端部346を含む)と周縁周回溝344とを除き、板部420の下面に対して気密に密着している。
径方向溝345により、第4筒部314の上面と板部420の下面との間には、隣接液体流路51と混合部21とが形成されている。
隣接液体流路51は、径方向溝345において、周縁周回溝344との交差部よりも径方向内側の部分と、板部420との間に形成されている。
ここで、大径液体流路53は隣接液体流路51よりも流路面積が大きい。また、各隣接液体流路51は、大径液体流路53の軸方向に対して交差(例えば直交)する方向に、大径液体流路53の下流側端部から周囲に延びている。
混合部21は、径方向溝345において、周縁周回溝344との交差部並びに当該交差部よりも径方向外側の部分(溝先端部346)と、板部420との間に形成されている。
本実施形態の場合も、隣接液体流路51の軸方向に対して直交する混合部21の内腔断面積の最大値は、隣接液体流路51の流路面積と同じである。
本実施形態の場合、フォーマー機構20は、個々の混合部21に対応して、それぞれ1つずつの隣接液体流路51を有する。
本実施形態の場合、フォーマー機構20は、放射状に配置された複数(例えば8つ)の隣接液体流路51と、複数(例えば8つ)の混合部21と、を有する。
複数の混合部21は、円周に沿って配置されており、複数の隣接液体流路51は、この円周の内側において放射状に配置されている。
【0132】
このように、フォーマー機構20は、複数の混合部21を備え、液体流路50は、隣接液体流路51に対して上流側に隣接していて隣接液体流路51よりも流路面積が大きい大径液体流路53を含み、複数の混合部21は、大径液体流路53の下流側端部の周囲に配置されており、複数の隣接液体流路51が、大径液体流路53の軸方向に対して交差する面内方向において、大径液体流路53の下流側端部から周囲に向けて延びている。
このような構造により、フォーマー機構20が複数の混合部21を備える構成を好適に実現することができる。
【0133】
また、周縁周回溝344により、第4筒部314の上面と板部420の下面との間には、隣接気体流路71が形成されている。
ここで、周縁周回溝344と軸方向気体溝342とは、軸方向気体溝342の上端部である溝上端部343において相互に連通している。つまり、軸方向気体流路73の上端部は隣接気体流路71に対して連通している。
図24及び
図25に示すように、各軸方向気体流路73の上端部から、それぞれ2つの隣接気体流路71に分枝している。各隣接気体流路71は、水平に弧状に延在している。
本実施形態の場合、フォーマー機構20は、一の混合部21に対応して、それぞれ複数(例えば一対)の隣接気体流路71を有する。つまり、フォーマー機構20は、例えば、合計で16個の隣接気体流路71を有する。
本実施形態の場合、隣接気体流路71の流路面積は、隣接液体流路51の流路面積よりも小さい。
個々の隣接気体流路71は、円周に沿って配置された環状の流路の一部分ずつにより構成されている。
【0134】
このように、気体流路70は、隣接気体流路71に対して上流側に隣接していて隣接気体流路71に対して交差する方向に延在している交差気体流路(軸方向気体流路73)を含み、一の交差気体流路が、一の混合部21と対応する一対の隣接気体流路71の一方(隣接気体流路71a)と、他の混合部21と対応する一対の隣接気体流路71の一方(隣接気体流路71a)と、に分枝している。
【0135】
図25から
図27に示すように、本実施形態の場合、気液接触領域23は、隣接気体流路71aの下流端における軸心AX1の方向に隣接気体流路71aを延長した領域と、隣接気体流路71bの下流端における軸心AX2の方向に隣接気体流路71bを延長した領域と、隣接液体流路51の軸心AX3の方向に隣接液体流路51を延長した領域と、が重複する領域である。
また、合流部22は、気体入口72aと気体入口72bとの中間に位置している。
本実施形態の場合、気体入口72aと気体入口72bとは厳密には互いに平行とはなっていないため、厳密には、合流部22は面ではなく線となるが、実質的に気体入口72aと気体入口72bとが互いに平行に配置されているため、
図25及び
図26に示すように、便宜的に、合流部22を面として表している。
径方向溝345の径方向外側の端部に弧状に膨出した溝先端部346が形成されていることにより、気液接触領域23及び合流部22が平面視における混合部21の中心付近に配置されている。
【0136】
また、
図18、
図26及び
図27に示すように、各混合部21の上側には、隣接泡流路91が配置されており、隣接泡流路91は上下に延在している。つまり、フォーマー機構20は、複数(例えば8つ)の隣接泡流路91を有する。隣接泡流路91の断面形状は、例えば円形となっている。隣接泡流路91は、拡大泡流路93に向かって徐々に(テーパー状に)拡大又は縮小していてもよいし、段階的に拡大又は縮小していてもよい。
【0137】
本実施形態の場合、
図26及び
図27に示すように、隣接泡流路91の軸心AX4の方向における気体入口72a、72bの寸法は、当該方向における混合部21の寸法よりも小さく、気体入口72a、72bは混合部21における隣接泡流路91側の端部において開口している。
このため、混合部21における隣接泡流路91側の端部に対して気体が供給されるようになっており、混合部21における隣接泡流路91側とは反対側の端部においては液体をストックできるようになっている。よって、気液混合に供される液体の不足を抑制できるので、安定的かつ連続的に気液の混合を行うようにでき、連続的に泡を生成することが可能となる。
より詳細には、気体入口72a、72bの上下寸法は、混合部21の上下寸法よりも小さく、気体入口72a、72bは、混合部21の上端部において開口している。
【0138】
本実施形態の場合、個々の気体入口72の面積は、液体入口52の面積よりも小さい。より詳細には、液体入口52の面積は、気体入口72の面積の2倍以上となっている。
すなわち、一の混合部21に対応して配置された個々の気体入口72の面積が、一の混合部21に対応して配置された液体入口52の面積よりも小さい。
また、一の混合部21に対応して配置された気体入口72の合計面積が、一の混合部21に対応して配置された液体入口52の面積よりも小さい。
ただし、本発明は、この例に限らず、一の混合部21に対応して配置された気体入口72の合計面積が、一の混合部21に対応して配置された液体入口52の面積と等しくても良いし、当該面積よりも大きくても良い。
【0139】
なお、
図18に示すように、平面視において、各隣接泡流路91は、各混合部21の内側に収まっている。本実施形態の場合、隣接泡流路91の流路面積は、混合部21の隣接泡流路91の軸方向に対して直交する内腔断面積(隣接泡流路91の軸方向に対して直交する混合部21の内腔断面積)の最大値よりも小さい。よって、第1実施形態で説明したような液柱の揺動を、より限られた空間内で行うことができ、且つ、液柱の周囲を通過する気流の流路も制限される。よって、より良好に、細かい泡を断続的に生成することができる。
本実施形態の場合、混合部21を画定する面のうち、泡出口92を含む面は、泡出口92と当該泡出口92の周囲の壁面(板部420の下面)とにより構成されている。
【0140】
また、本実施形態の場合も、隣接泡流路91の長さは、隣接泡流路91の軸方向における気体入口72の寸法よりも長い。よって、上述したような液柱の揺動をより確実に行いながら、細かい泡を断続的に生成することができる。
より詳細には、隣接泡流路91の長さは、隣接泡流路91の軸方向における混合部21の寸法よりも長い。
【0141】
本実施形態の場合、隣接液体流路51の軸心AX3と隣接泡流路91の軸心AX4とが互いに交差(例えば直交)している。
【0142】
更に、隣接泡流路91の上側には拡大泡流路93が配置されている。各隣接泡流路91は、1つの拡大泡流路93に合流している。
すなわち、フォーマー機構20は、複数の混合部21を備え、泡流路90は、個々の混合部21に対応して個別の隣接泡流路91を備え、泡流路90は、隣接泡流路91の下流側に隣接していて隣接泡流路91よりも流路面積が大きい拡大泡流路93を含み、複数の混合部21とそれぞれ対応する隣接泡流路91が一の拡大泡流路93に合流している。
よって、複数の混合部21にて気液を混合することにより生成された泡を、拡大泡流路93に合流させて、まとめて吐出口41から吐出することができる。
【0143】
内筒部32の内部空間のうち、第2部材400の上方の空間は、拡大泡流路93から流入する泡が通過する流路32dを構成している。
流路32dの上端は、ノズル部40の内部空間を介して、吐出口41と連通している。
【0144】
本実施形態の場合、気体流路70は、軸方向連通気体流路75、周回状気体流路74、軸方向気体流路73及び隣接気体流路71により構成されている。
図24に示すように、軸方向気体流路73から隣接気体流路71に供給された気体は、隣接気体流路71aと気体入口72bとに分枝し、それぞれ対応する混合部21に供給される。
【0145】
本実施形態の場合、液体流路50は、大径液体流路53及び隣接液体流路51により構成されている。大径液体流路53は、隣接液体流路51よりも流路面積が大きい。
【0146】
本実施形態の場合、ボール弁180は、弁座部131と第1部材300の突起部321の下端との間において、上下動可能に保持されている。
ピストンガイド130における弁座部131の上方の部位の内部空間は、ボール弁180と、第1部材300の第1筒部311と、を収容する収容空間132を構成している。
本実施形態の場合、ヘッド部材30が押下操作されることにより液体ポンプ室220内の液体101が加圧されることにより、ボール弁180と弁座部131とにより構成される液体排出弁が開き、液体ポンプ室220内の液体101が液体排出弁を介して収容空間132に流入し、更に、収容空間132の上方に配置された第1部材300の中央孔301内、すなわちフォーマー機構20の液体流路50の大径液体流路53に供給されるようになっている。液体101は、大径液体流路53から隣接液体流路51(
図15、
図24)に供給され、更に混合部21(
図24)に供給されるようになっている。
【0147】
本実施形態の場合、軸方向流路213の上側には、第1部材300の第2筒部312(後述)の周囲に周回状に配置された周回状流路214(
図14、
図15)が設けられている。
周回状流路214の上側には、第1部材300の第3筒部313(後述)の外周面に沿って上下に延在する複数の軸方向連通気体流路75(
図20)が配置されている。これら軸方向連通気体流路75の下端部に対して周回状流路214が連通している。
軸方向連通気体流路75の上側には、第1部材300の第3筒部313の上面と後述する第2部材400の筒部410の下面との間に位置する周回状気体流路74(
図20)が配置されている。周回状気体流路74に対して、各軸方向連通気体流路75の上端部が連通している。
気体は、周回状気体流路74から軸方向気体流路73(
図20)に供給され、更に、隣接気体流路71(
図20、
図24)に供給されるようになっている。
このように、流路211を介して上方に送られた気体は、筒状気体流路212、軸方向流路213、周回状流路214、周回状気体流路74、軸方向気体流路73をこの順に通って、隣接気体流路71に供給されるようになっている。
【0148】
泡吐出器100は以上のように構成されている。
【0149】
次に、動作を説明する。
【0150】
先ず、ヘッド部材30が押下操作されていない通常状態では、
図14に示すように、ヘッド部材30は上死点位置に存在している。
ヘッド部材30が押下されることにより、液体ポンプ室220内の液体101が加圧され、当該液体101が、液体ポンプ室220から液体排出弁及び収容空間132を介して液体流路50の大径液体流路53に流入する。
更に、液体101は、大径液体流路53の上端部から8つの隣接液体流路51に分枝して流れる。
ここで、隣接液体流路51は大径液体流路53の周囲に等角度間隔で配置されており、各隣接液体流路51の流路幅は互いに等しい。このため、各隣接液体流路51に対して均等に液体101が流入する。
更に、液体101は、各隣接液体流路51を通過して、各隣接液体流路51の径方向外側の端部に連接されている混合部21に対し、各隣接液体流路51の液体入口52を介して流入する。
【0151】
また、ヘッド部材30が押下されることにより、気体ポンプ室210内の気体が圧縮されることによってフォーマー機構20に圧送される。
すなわち、気体ポンプ室210内の気体は、気体排出弁、流路211(
図10)、筒状気体流路212(
図14)、軸方向流路213(
図14、
図15)、周回状流路214(
図15、
図21)をこの順に介して、気体流路70の8つの軸方向連通気体流路75(
図22)に均等に分配供給される。
8つの軸方向連通気体流路75に流入した気体は、これら軸方向連通気体流路75を通過した後、周回状気体流路74にて一旦合流し、その後、更に、8つの軸方向気体流路73(
図22、
図23)に均等に分配供給される。
更に、気体は、8つの軸方向気体流路73の各々から、2つずつの隣接気体流路71a、71bに分枝する。
そして、各混合部21に対して、対応する隣接気体流路71a、71bから、気体入口72a、72bを介して、気体が流入する。
【0152】
つまり、各混合部21に対して、各隣接気体流路71a、71bから気体入口72a、72bを介して気体が供給されるとともに、隣接液体流路51から液体入口52を介して液体が供給され、気体と液体とが混合部21にて混合される。
ここで、本実施形態の場合も、液体入口52が、隣接気体流路71a、71bから気体入口72a、72bを介して混合部21に供給される気体どうしの合流部22と対応する位置に配置されている。このため、気流による液体の泡化を効果的に行うことができる。すなわち、例えば、第1実施形態で説明したように、隣接液体流路51から混合部21に供給される液体により液柱が形成され、この液柱が隣接気体流路71bから遠ざかる方向及び隣接気体流路71aから遠ざかる方向に高速で交互に揺れ動き、液柱から断続的に細かい泡が生じる動作が行われる。
よって、良好に気液を混合して十分に均一な泡を生成することが可能となる。
【0153】
また、個々の隣接液体流路51に対応して、それぞれ個別の混合部21が配置されている。このため、混合部21からの気体や液体の逃げ場が制限されるため、混合部21における気液の混合をより確実に行うことができる。
また、個々の混合部21に対応して、専用の複数の隣接気体流路71が配置されていることによって、より一層、混合部21からの気体や液体の逃げ場が制限されるため、混合部21における気液の混合をより確実に行うことができる。
【0154】
また、一対の隣接気体流路71a、71bから対応する混合部21への気体の供給方向が互いに対向しているので、合流部22においてより良好に気流どうしの押し合いが生じるようにできる。よって、上述したような液柱の揺動をより確実に行いながら、細かい泡を断続的に生成することができる。
【0155】
なお、泡の生成は、混合部21の他、隣接泡流路91や拡大泡流路93においても行われうる。
すなわち、混合部21や隣接泡流路91で生成された泡は、拡大泡流路93に合流し、ここでも更に泡が細かくなる場合がある。
泡は、拡大泡流路93から流路32dとノズル部40の内部空間とを介して吐出口41から外部に吐出される。
【0156】
以上のような第3実施形態によっても、液体入口52が、複数の隣接気体流路71から気体入口72を介して混合部21に供給される気体どうしの合流部22と対応する位置に配置されているため、上述したような液柱の揺動を行わせるなどにより、気流による液体の泡化を効果的に行うことができる。よって、良好に気液を混合して十分に均一な泡を生成することが可能となる。
【0157】
〔第4実施形態〕
次に、
図28を用いて第4実施形態に係る泡吐出器について説明する。本実施形態に係る泡吐出器は、フォーマー機構20が仕切部350を有する点で、上記の第3実施形態に係る泡吐出器100と相違しており、その他の点では、上記の第3実施形態に係る泡吐出器100と同様に構成されている。
【0158】
本実施形態の場合、第1部材300は、仕切部350を有する。仕切部350によって、上記の第3実施形態における軸方向気体流路73が2つに分断されているとともに、上記の第3実施形態において互いに隣り合って配置されている隣接気体流路71aと隣接気体流路71bとが互いに仕切られている。
このため、各軸方向気体流路73は、上記の第2実施形態と同様に、個々の隣接気体流路71a、71bに専用の流路となっている。
【0159】
本実施形態によれば、一の混合部21に対して隣接気体流路71a、71bからそれぞれ供給される気体の圧力がより安定することが期待でき、従って、より安定的にきめ細かで均一な泡を生成できるようになることが期待できる。
また、各軸方向気体流路73がそれぞれ一対の隣接気体流路71に共用の流路である場合(第3実施形態)と比べて、泡のきめ細かさの均一性に関し、混合部21に対して単位時間あたりに供給される気体及び液体の量に対する依存性がより低下する。
また、各軸方向気体流路73がそれぞれ一対の隣接気体流路71に共用の流路である場合(第3実施形態)と比べて、ヘッド部材30の押下げに要する力の大きさが低下する。
【0160】
<変形例1>
図29(a)に示す変形例1の場合、隣接泡流路91の流路面積が隣接泡流路91の軸心AX4に対して直交する混合部21の内腔断面積よりも小さく、隣接気体流路71の流路面積が隣接液体流路51の流路面積よりも小さい点で、上記の第1実施形態と相違しており、その他の点では上記の第1実施形態と同様である。
なお、本変形例の場合、混合部21を画定する面のうち、泡出口92を含む面は、泡出口92と当該泡出口92の周囲の壁面とにより構成されている。
【0161】
<変形例2>
図29(b)に示す変形例2の場合、隣接液体流路51の軸心AX3に対して直交する混合部21の内腔断面積が隣接液体流路51の流路面積よりも大きく、隣接気体流路71の流路面積が隣接液体流路51の流路面積よりも大きい点で、上記の第1実施形態と相違しており、その他の点では上記の第1実施形態と同様である。
なお、本変形例の場合、混合部21を画定する面のうち、液体入口52を含む面は、泡出口92と当該液体入口52の周囲の壁面とにより構成されている。
【0162】
<変形例3>
図29(c)に示す変形例3の場合、隣接気体流路71の流路面積が隣接液体流路51の流路面積よりも大きい点で、変形例2と相違しており、その他の点では変形例2と同様である。
【0163】
<変形例4>
図30(a)に示す変形例4の場合、隣接気体流路71aの軸心AX1と隣接気体流路71bの軸心AX2とが隣接液体流路51の軸心AX3に対して90度未満の角度で交差しており、気体入口72aと気体入口72bとが互いに平行に対向している点で、上記の第1実施形態と相違しており、その他の点では上記の第1実施形態と同様である。隣接気体流路71a、71bから混合部21への気体の流れ方向は、隣接液体流路51から混合部21への液体の流れ方向に対して順方向となっている。
【0164】
<変形例5>
図30(b)に示す変形例5の場合は、隣接気体流路71aから混合部21への気体の流れ方向が、隣接液体流路51から混合部21への液体の流れ方向に対して順方向ではなく逆方向である点で、変形例4と相違しており、その他の点では変形例4と同様である。
【0165】
<変形例6>
図31(a)に示す変形例6の場合は、隣接気体流路71aの軸心AX1と隣接気体流路71bの軸心AX2とが互いに平行であるが互いにずれた位置に配置されている。気体入口72aと気体入口72bとは互いに平行に対向しているが、気体入口72aの一部分と気体入口72bの一部分とが対向しており、残りの部分どうしは対向していない。本変形例の場合も、その他の点では、上記の第1実施形態と同様である。
本変形例の場合、上記の第1実施形態と比べて、隣接液体流路51及び隣接泡流路91の軸心AX3、AX4の方向における気液接触領域23の寸法が小さくなる。
【0166】
<変形例7>
図31(b)に示す変形例7の場合は、混合部21を画定する面のうち、液体入口52を含む面、気体入口72aを含む面、気体入口72bを含む面、及び、泡出口92を含む面が、それぞれ周囲の壁面を含んで構成されている。
本変形例の場合も、その他の点では、上記の第1実施形態と同様である。
【0167】
<変形例8>
図32に示す変形例8の場合は、一の混合部21に対応して3つずつの隣接気体流路71(隣接気体流路71a、71b、71c)が配置されている。一の混合部21に対応する3つの隣接気体流路71は、例えば、同一平面上においてそれぞれ延在している。
隣接気体流路71aは、混合部21を基準として隣接液体流路51と対向する位置に配置されている。
図32に示すように、隣接気体流路71aの気体入口72aと、隣接気体流路71aの気体入口72である気体入口72aと、隣接気体流路71bの気体入口72である気体入口72bと、隣接気体流路71cの気体入口72である気体入口72cとが、混合部21の中心を基準として略等角度間隔で配置されていることが好ましい。このようにすることにより、各隣接気体流路71から混合部21に対して均等に気体を供給することができる。
また、一の混合部21に対応する3つの隣接気体流路71から混合部21に対する気体の供給方向が等角度間隔に配置されるように、これら3つの隣接気体流路71の軸心が、混合部21の中心を基準として略等角度間隔で配置されていることが好ましい。このため、周縁周回溝344は、軸方向気体流路73の下流端にて折れ曲がった折れ線状に形成されている。一の混合部21に対応する3つの隣接気体流路71から混合部21に対する気体の供給方向が等角度間隔に配置されていることによっても、各隣接気体流路71から混合部21に対して均等に気体を供給することができる。
本変形例の場合、一の混合部21に対応する隣接気体流路71の数が2つの場合と比べて、単位時間あたりに液柱が揺動する回数が増大し、単位時間に発生する泡の数が増加する(この点は、上記の第2実施形態と同様である)。このため、よりきめ細かい泡を生成することが可能となる。
【0168】
なお、上記の各実施形態及び各変形例において、泡吐出器100及び泡吐出キャップ200の各構成要素は、個々に独立した存在である必要はない。複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
【0169】
本発明は上述の各実施形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0170】
例えば、隣接液体流路51は、液体入口52に向けて縮径(徐々に(テーパー状に)縮径、又は、段階的に縮径)していてもよい。
また、隣接気体流路71は、気体入口72に向けて縮径(徐々に(テーパー状に)縮径、又は、段階的に縮径)していてもよい。
【0171】
また、泡吐出器100は、必要に応じて、メッシュを備えていてもよい。例えば、第2実施形態及び第3実施形態においては、一端又は両端にメッシュが設けられた筒状の部材を第2部材400の凹部411内に配置することができる。
【0172】
また、一の混合部21に対して一対の隣接気体流路71a、71bが配置されている場合に、気体入口72aの開口面積と気体入口72bの開口面積とが若干異なっていてもよい。このようにすることによって、気体入口72aから混合部21に供給される気流の圧力と気体入口72bから混合部21に供給される気流の圧力とが初期状態からアンバランスになるため、上述したような液柱の揺動をより速やかに開始できることが期待できる。
【0173】
上記実施形態は、以下の技術思想を包含する。
<1>液体から泡を生成するフォーマー機構と、
前記フォーマー機構に液体を供給する液体供給部と、
前記フォーマー機構に気体を供給する気体供給部と、
前記フォーマー機構により生成された前記泡を吐出する吐出口と、
前記フォーマー機構から前記吐出口に向かう前記泡が通過する泡流路と、
を備え、
前記フォーマー機構は、
前記液体供給部から供給される前記液体と、前記気体供給部から供給される前記気体と、が出合う混合部と、
前記液体供給部から前記混合部に供給される前記液体が通過する液体流路と、
前記気体供給部から前記混合部に供給される前記気体が通過する気体流路と、
を有し、
前記泡流路は、前記混合部に対して下流側に隣接している隣接泡流路を含み、
前記液体流路は、前記混合部に対して上流側に隣接していて前記混合部に対して開口している液体入口を有する隣接液体流路を含み、
前記気体流路は、前記混合部に対して上流側に隣接していて前記混合部に対して開口している気体入口をそれぞれ有する複数の隣接気体流路を含み、
前記液体入口は、前記複数の隣接気体流路から前記気体入口を介して前記混合部に供給される前記気体どうしの合流部と対応する位置に配置されている泡吐出器。
<2>前記フォーマー機構は、1つ又は複数の前記隣接液体流路を有し、
個々の前記隣接液体流路に対応して前記混合部が配置されている<1>に記載の泡吐出器。
<3>個々の前記混合部に対応して、専用の前記複数の隣接気体流路が配置されている<2>に記載の泡吐出器。
<4>前記フォーマー機構は、複数の前記混合部を備えているとともに、互いに隣り合う前記混合部のうち一方の前記混合部と対応する前記隣接気体流路と他方の前記混合部と対応する前記隣接気体流路とを相互に仕切る仕切部を有する<3>に記載の泡吐出器。
<5>前記フォーマー機構は、複数の前記混合部を備え、
前記液体流路は、前記隣接液体流路に対して上流側に隣接していて前記隣接液体流路よりも流路面積が大きい大径液体流路を含み、
前記複数の混合部は、前記大径液体流路の下流側端部の周囲に配置されており、
複数の前記隣接液体流路が、前記大径液体流路の軸方向に対して交差する面内方向において、前記大径液体流路の下流側端部から周囲に向けて延びている<2>から<4>のいずれか一項に記載の泡吐出器。
<6>前記フォーマー機構は、複数の前記混合部を備え、
前記泡流路は、個々の前記混合部に対応して、個別の前記隣接泡流路を備えている<2>から<5>のいずれか一項に記載の泡吐出器。
<7>前記泡流路は、前記隣接泡流路の下流側に隣接していて前記隣接泡流路よりも流路面積が大きい拡大泡流路を含み、
前記複数の前記混合部とそれぞれ対応する前記隣接泡流路が一の前記拡大泡流路に合流している<6>に記載の泡吐出器。
<8>前記隣接泡流路の流路面積は、前記混合部の前記隣接泡流路の軸方向に対して直交する内腔断面積の最大値と同じであるか又は当該内腔断面積よりも小さい<1>から<7>のいずれか一項に記載の泡吐出器。
<9>前記隣接泡流路の長さは、前記隣接泡流路の前記軸方向における前記気体入口の寸法よりも長い<8>に記載の泡吐出器。
<10>前記フォーマー機構は、1つ又は複数の前記混合部を有し、
個々の前記混合部に対応して、一対の前記隣接気体流路が配置されており、当該一対の隣接気体流路から対応する前記混合部への前記気体の供給方向が、互いに対向している<1>から<9>のいずれか一項に記載の泡吐出器。
<11>前記フォーマー機構は、1つ又は複数の前記混合部を備え、
個々の前記混合部に対応して、3つの前記隣接気体流路が配置されており、これら3つの隣接気体流路から対応する前記混合部への前記気体の供給方向が、同一の平面に位置しているとともに、前記隣接液体流路から当該混合部への前記液体の供給方向が、当該平面に対して交差する方向となっている<1>から<9>のいずれか一項に記載の泡吐出器。
<12>前記隣接泡流路は、前記混合部に対して開口している泡出口を有する<1>から<11>のいずれか一項に記載の泡吐出器。
<13>前記フォーマー機構は、複数の前記混合部を備え、
前記複数の混合部の各々は、複数の前記気体入口と、前記液体入口と、前記泡出口と、壁面と、によって画定されている<12>に記載の泡吐出器。
<14>前記液体を貯留する貯留容器と、
前記貯留容器に装着される装着部と、
を備え、
前記フォーマー機構、前記吐出口、及び、前記泡流路は、前記装着部に保持されている<1>から<13>のいずれか一項に記載の泡吐出器。
【0174】
<15>前記隣接泡流路の長さは、前記隣接泡流路の前記軸方向における前記混合部の寸法よりも長い上記いずれか一項に記載の泡吐出器。
<16>前記泡流路は、前記隣接泡流路に対して下流側に隣接していて前記隣接泡流路よりも流路面積が大きい拡大泡流路を含む上記いずれか一項に記載の泡吐出器。
<17>前記複数の混合部は、円周に沿って配置されており、
前記複数の隣接液体流路は、前記円周の内側において放射状に配置されている上記いずれか一項に記載の泡吐出器。
<18>個々の前記隣接気体流路は、前記円周に沿って配置された環状の流路の一部分ずつにより構成されている<17>に記載の泡吐出器。
<19>前記隣接液体流路の軸心と前記隣接泡流路の軸心とが互いに交差している上記いずれか一項に記載の泡吐出器。
<20>個々の前記混合部に対応して配置されている前記隣接泡流路の数が、1である上記いずれか一項に記載の泡吐出器。
<21>個々の前記混合部に対応して配置されている前記隣接液体流路の数が、1である上記いずれか一項に記載の泡吐出器。
【0175】
<22>前記気体流路は、前記隣接気体流路に対して上流側に隣接していて前記隣接気体流路に対して交差する方向に延在している交差気体流路を含み、
一の前記交差気体流路が、一の前記混合部と対応する一対の前記隣接気体流路の一方と、他の前記混合部と対応する一対の前記隣接気体流路の一方と、に分枝している上記いずれか一項に記載の泡吐出器。
<23>一の前記混合部に対応して、一対の前記隣接気体流路が配置されており、
前記気体流路は、前記隣接気体流路に対して上流側に隣接していて前記隣接気体流路に対して交差する方向に延在している交差気体流路を含み、
一の前記交差気体流路が、一の前記混合部と対応する一対の前記隣接気体流路の一方と、他の前記混合部と対応する一対の前記隣接気体流路の一方と、に分枝しており、
前記交差気体流路は、前記大径液体流路に対して並列な方向に延在している上記いずれか一項に記載の泡吐出器。
<24>複数の前記交差気体流路が、前記大径液体流路の周囲に間欠的に配置されている上記いずれか一項に記載の泡吐出器。
<25>前記隣接泡流路と前記隣接液体流路とは、前記混合部を基準として互いに反対側に配置されている上記いずれか一項に記載の泡吐出器。
<26>前記液体供給部は、内部の液体を加圧して当該液体を前記フォーマー機構に供給するように構成され、
前記気体供給部は、前記液体供給部の周囲に配置され、内部の気体を加圧して当該気体を前記フォーマー機構に供給するように構成されている上記いずれか一項に記載の泡吐出器。
<27>前記装着部に対して上下動可能に前記装着部に保持され、前記装着部に対して相対的に押し下げられるヘッド部を備え、
前記フォーマー機構及び前記吐出口は、前記ヘッド部に保持されており、
前記ヘッド部が前記装着部に対して相対的に押し下げられる際に、前記液体供給部の内部の前記液体と前記気体供給部の内部の前記気体とがそれぞれ加圧されて前記フォーマー機構に供給される上記いずれか一項に記載の泡吐出器。
【0176】
<28>少なくとも前記隣接泡流路は、前記液体により構成される液柱が、前記混合部に対して開口している前記複数の隣接気体流路の各々の前記気体入口から遠ざかる方向に向けて順次に揺れ動く揺動領域を構成している上記いずれか一項に記載の泡吐出器。
<29>一の前記混合部に対して一対の前記隣接気体流路が配置されており、
前記揺動領域において、前記液柱が交互に揺れ動く<24>に記載の泡吐出器。
<30>一の前記混合部に対して3つ以上の前記隣接気体流路が配置されており、
前記3つ以上の隣接気体流路の軸心が互いに同一平面上に配置されている上記いずれか一項に記載の泡吐出器。
<31>前記隣接液体流路は直線状に延在している上記いずれか一項に記載の泡吐出器。
<32>前記隣接泡流路は直線状に延在している上記いずれか一項に記載の泡吐出器。
<33>前記混合部のうち、前記隣接液体流路の延長上の領域を挟む両側の位置に、それぞれ前記気体入口が配置されている上記いずれか一項に記載の泡吐出器。
<34>前記隣接液体流路の延長上の領域を挟む両側の位置に配置されている前記気体入口の各々が、当該領域の方を向いている<33>に記載の泡吐出器。
<35>一の前記混合部に対して一対の前記隣接気体流路が配置されており、
前記一の混合部に対して開口している前記気体入口どうしが当該混合部を間に挟んで互いに対向している上記いずれか一項に記載の泡吐出器。
<36>前記混合部に対して開口している前記気体入口の形状が互いに等しい上記いずれか一項に記載の泡吐出器。
<37>前記混合部に対して開口している前記気体入口の面積が互いに等しい上記いずれか一項に記載の泡吐出器。
<38>一の混合部に対応して配置された前記気体入口の合計面積が、一の混合部に対応して配置された前記液体入口の面積と同じであるか又は当該面積よりも小さい上記いずれか一項に記載の泡吐出器。
<39>一の混合部に対応して配置された個々の前記気体入口の面積が、一の混合部に対応して配置された前記液体入口の面積よりも小さい上記いずれか一項に記載の泡吐出器。
【0177】
<40>上記いずれか一項に記載の泡吐出器と、
前記貯留容器に充填された前記液体と、
を備える液体詰め品。
<41>液体を貯留する貯留容器に装着される装着部と、
前記装着部に保持され、前記液体から泡を生成するフォーマー機構と、
前記装着部に保持され、前記フォーマー機構に液体を供給する液体供給部と、
前記装着部に保持され、前記フォーマー機構に気体を供給する気体供給部と、
前記装着部に保持され、前記フォーマー機構により生成された前記泡を吐出する吐出口と、
前記装着部に保持され、前記フォーマー機構から前記吐出口に向かう前記泡が通過する泡流路と、
を備え、
前記フォーマー機構は、
前記液体供給部から供給される前記液体と、前記気体供給部から供給される前記気体と、が出合う混合部と、
前記液体供給部から前記混合部に供給される前記液体が通過する液体流路と、
前記気体供給部から前記混合部に供給される前記気体が通過する気体流路と、
を有し、
前記泡流路は、前記混合部に対して下流側に隣接している隣接泡流路を含み、
前記液体流路は、前記混合部に対して上流側に隣接していて前記混合部に対して開口している液体入口を有する隣接液体流路を含み、
前記気体流路は、前記混合部に対して上流側に隣接していて前記混合部に対して開口している気体入口をそれぞれ有する複数の隣接気体流路を含み、
前記液体入口は、前記複数の隣接気体流路から前記気体入口を介して前記混合部に供給される前記気体どうしの合流部と対応する位置に配置されている泡吐出キャップ。
【実施例】
【0178】
以下、
図33(a)から
図35(g)を用いて実施例を説明する。
図33(a)から
図35(g)の各々は、第1実施形態と同様の構造(
図2と同様に拡大泡流路を含む構造)のフォーマー機構を用いて泡を生成して泡をシャーレ上に吐出し、泡とシャーレとを撮像した写真である。なお、泡吐出器の全体構造は、第3実施形態と同様のものを用い、第3実施形態のフォーマー機構の代わりに、第1実施形態と同様のフォーマー機構を組み込んだ。
このうち
図33(a)から
図33(g)の各々は、隣接泡流路の泡出口を直径0.5mmの円形とし、隣接液体流路の液体入口を一辺が0.5mmの正方形とし、各隣接気体流路の気体入口を一辺が0.35mmの正方形とした例(以下、実施例1)である。
図34(a)から
図34(g)の各々は、隣接泡流路の泡出口を直径0.79mmの円形とし、隣接液体流路の液体入口を一辺が0.3mmの正方形とし、各隣接気体流路の気体入口を一辺が0.5mmの正方形とした例である(以下、実施例2)。
図35(a)から
図35(g)の各々は、隣接泡流路の泡出口を直径0.5mmの円形とし、隣接液体流路の液体入口を一辺が0.7mmの正方形とし、各隣接気体流路の気体入口を一辺が0.3mmの正方形とした例である(以下、実施例3)。
実施例1、2、3のいずれにおいても、気液比すなわち混合部21に供給される気体と液体との体積比(気体の体積/液体の体積)は13とした。
従って、実施例1、2、3のいずれにおいても、混合部に対して単位時間あたりに供給される気体及び液体の量は同じであるが、混合部に対して供給される気体の流速は、実施例3が最も速く、次に実施例1が速く、実施例2が最も遅い。また、混合部に対して供給される液体の流速は、実施例2が最も速く、次に実施例1が速く、実施例3が最も遅い。
なお、実施例1、2、3のいずれにおいても、メッシュは用いていない。
【0179】
図33(a)、
図34(a)及び
図35(a)はヘッド部の押し速度を5mm/秒としたときの泡を、
図33(b)、
図34(b)及び
図35(b)はヘッド部の押し速度を10mm/秒としたときの泡を、
図33(c)、
図34(c)及び
図35(c)はヘッド部の押し速度を20mm/秒としたときの泡を、
図33(d)、
図34(d)及び
図35(d)はヘッド部の押し速度を30mm/秒としたときの泡を、
図33(e)、
図34(e)及び
図35(e)はヘッド部の押し速度を40mm/秒としたときの泡を、
図33(f)、
図34(f)及び
図35(f)はヘッド部の押し速度を50mm/秒としたときの泡を、
図33(g)、
図34(g)及び
図35(g)はヘッド部の押し速度を60mm/秒としたときの泡を、それぞれ示す。
【0180】
実施例1、2、3のいずれにおいても、ヘッド部の押し速度(つまり混合部に対して単位時間あたりに供給される気体及び液体の量)にかかわらず、泡のきめ細かさはほぼ均一となった。
そのようになる理由は、ヘッド部の押し速度が大きくなると、上述したような液柱の揺動の周期が短くなるが、混合部に対して単位時間あたりに供給される気体の量も多くなることであると考えられる。
【0181】
また、実施例1では実施例2よりも泡がきめ細かくなり、実施例3では実施例1よりも更に泡がきめ細かくなった。このことから、2つの気体入口の合計面積が液体入口の面積と同等以下の場合に、泡をきめ細かくする効果が高まることが分かった。換言すれば、混合部に供給される気体の流速をある程度以上大きくすることによって、泡をきめ細かくすることができると考えられる。
なお、実施例2の場合も、メッシュを用いることによって、十分にきめ細かい泡を生成することができた。
【符号の説明】
【0182】
10 貯留容器
11 胴部
13 口頸部
14 底部
20 フォーマー機構
21 混合部
22 合流部
23 気液接触領域
28 気体供給部
29 液体供給部
30 ヘッド部材(ヘッド部)
31 操作受部
32 内筒部
32a 上動規制部
32b 溝
32c 保持部
32d 流路
33 外筒部
40 ノズル部
41 吐出口
50 液体流路
51 隣接液体流路
52 液体入口
53 大径液体流路
70 気体流路
71、71a、71b、71c 隣接気体流路
72、72a、72b、72c 気体入口
73 軸方向気体流路
74 周回状気体流路
75 軸方向連通気体流路
80 液柱
90 泡流路
91 隣接泡流路
92 泡出口
93 拡大泡流路
100 泡吐出器
101 液体
110 キャップ部材
111 装着部
112 環状閉塞部
113 起立筒部
120 シリンダ部材
121 気体シリンダ構成部
122 液体シリンダ構成部
122a ストレート部
122b 縮径部
123 環状連結部
125 チューブ保持部
126 リブ
126a バネ受部
127 弁座
128 ディップチューブ
129 貫通孔
130 ピストンガイド
131 弁座部
131a 貫通孔
132 収容空間
133 フランジ部
134 弁構成溝
135 流路構成溝
136 リブ
140 液ピストン
141 外周ピストン部
142 バネ受部
143 括れ部
150 気体ピストン
151 筒状部
152 ピストン部
153 外周リング部
154 吸入開口
155 吸入弁部材
160 ポペット
161 上端部
162 弁体
162a バネ受部
170 コイルバネ
180 ボール弁
190 パッキン
200 泡吐出キャップ
210 気体ポンプ室
211 流路
212 筒状気体流路
213 軸方向流路
214 周回状流路
220 液体ポンプ室
300 第1部材
301 中央孔
311 第1筒部
312 第2筒部
313 第3筒部
314 第4筒部
321 突起部
331 外周切欠形状部
341 径方向気体溝
342 軸方向気体溝
343 溝上端部
344 周縁周回溝
345 径方向溝
346 溝先端部
350 仕切部
390 位置合わせ凹部
400 第2部材
410 筒部
411 凹部
412 凹部
413 段差部
420 板部
421 孔
490 位置合わせ突起
500 液体詰め品
810 第1部材
810a 凹部
811 第1部分
811a 突起部
812 第2部分
813 第3部分
814 第4部分
815 孔
816 軸方向気体溝
817 第1上面溝
818 第2上面溝
819 第3上面溝
820 第2部材
820a 凸部
821 凹部
822 筒部
823 板部
824 孔