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特許7194029光源位置決定装置及び日射シミュレーション方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】光源位置決定装置及び日射シミュレーション方法
(51)【国際特許分類】
   G09B 25/04 20060101AFI20221214BHJP
   G09B 9/00 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
G09B25/04
G09B9/00 K
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019011436
(22)【出願日】2019-01-25
(65)【公開番号】P2020118898
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2022-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000004673
【氏名又は名称】パナソニックホームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】松岡 繁
【審査官】右田 純生
(56)【参考文献】
【文献】特開昭54-148628(JP,A)
【文献】特開昭54-011783(JP,A)
【文献】実開昭51-098658(JP,U)
【文献】特開2006-065261(JP,A)
【文献】特開昭54-005781(JP,A)
【文献】特開2005-174242(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103632605(CN,A)
【文献】米国特許第04881899(US,A)
【文献】中国実用新案第201667166(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 25/04
G09B 9/00
G01C 1/00- 1/08
G01W 1/12
G06C 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意に定められた第1の位置と、予め定められた時期かつ予め定められた時刻の太陽の位置との関係を、太陽光以外の光源を用いて再現するために、前記第1の位置に対する前記光源の位置を決定するための装置であって、
影生成部と、影受け部とを含み、
前記影生成部は、前記光源からの光を受けて影を生成するものであり、
前記影生成部には、前記影に特定の時刻を示す目盛りを付加するための目盛り模様が形成されており、
前記影受け部は、前記第1の位置に合わせて置くための第2の位置が定義されており、かつ、前記影受け部は、前記影生成部の前記影及びそこからはみ出す前記光源の光を受け得る受面を有し、
前記受面は、前記光源が、前記第2の位置に対して、予め定められた時期かつ予め定められた時刻の太陽の位置を再現するように位置決めされたことを、前記影の前記目盛りとの関係で識別させる識別部を有する、
光源位置決定装置。
【請求項2】
前記第2の位置は、前記受面に定義されている、請求項1記載の光源位置決定装置。
【請求項3】
前記識別部は、前記第2の位置に設けられている、請求項1又は2記載の光源位置決定装置。
【請求項4】
前記識別部は、前記目盛りを前記第2の位置に合わせるためのマークである、請求項1ないし3のいずれかに記載の光源位置決定装置。
【請求項5】
前記影受け部には、前記第1の位置の東西南北に合わせるための目印が設けられている、請求項1ないし4のいずれかに記載の光源位置決定装置。
【請求項6】
前記時期は、夏至、春分、秋分及び冬至の少なくとも一つを含む、請求項1ないし5のいずれかに記載の光源位置決定装置。
【請求項7】
前記影生成部は、複数の時期を再現するために複数設けられている、請求項1ないし6のいずれかに記載の光源位置決定装置。
【請求項8】
前記影受け部の少なくとも一部は、前記第1の位置を含む平面に沿った平面部分を含む、請求項1ないし7のいずれかに記載の光源位置決定装置。
【請求項9】
前記影生成部は、前記影受け部から上方に延びている、請求項8記載の光源位置決定装置。
【請求項10】
前記影生成部の少なくとも一部は、前記影受け部に対して傾斜している、請求項9記載の光源位置決定装置。
【請求項11】
前記影生成部は、上に凸の円弧状に延びる上部エッジを含む、請求項9又は10記載の光源位置決定装置。
【請求項12】
前記上部エッジには、前記目盛り模様が設けられている請求項11記載の光源位置決定装置。
【請求項13】
前記目盛り模様は、日の出から日の入りまでの時間帯のうちの複数の時刻に対応して複数設けられている、請求項1ないし12のいずれかに記載の光源位置決定装置。
【請求項14】
前記目盛り模様は、前記影の輪郭に凹部及び凸部を形成する、請求項1ないし13のいずれかに記載の光源位置決定装置。
【請求項15】
前記凹部及び前記凸部の少なくとも一方は、互いに異なる少なくとも2種類の形状を有している、請求項14記載の光源位置決定装置。
【請求項16】
請求項1ないし15のいずれかに記載の前記光源位置決定装置を用いて、前記第1の位置における前記太陽光による日射を、前記光源からの光で再現するための方法であって、
前記第1の位置に前記第2の位置を合わせて、前記光源位置決定装置を配置する工程と、
前記光源の光を前記影生成部に照射して、前記影を前記受面に生成する工程と、
前記目盛りと前記識別部との関係に基づいて、前記光源が前記位置決めされたことを識別する工程とを含む、
日射シミュレーション方法。
【請求項17】
前記光源位置決定装置を前記第1の位置から取り除く工程と、
前記第1の位置に、日当たり調査の対象物を配置する工程とを含む、請求項16記載の日射シミュレーション方法。
【請求項18】
前記対象物は、建物の図面及び模型の少なくとも一方を含む、請求項17記載の日射シミュレーション方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光以外の光源を位置決めするための光源位置決定装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1は、建物への太陽光線の照射位置が変化する状態をシミュレーションするための方法を提案している。この方法では、先ず、予め入力された年月日及び時間等の情報から、太陽の照射角等を演算する。次に、疑似の太陽光線を照射するための点光源を、演算結果に基づいて移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平07-072785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の方法では、演算回路を内蔵した制御手段や、演算結果に基づいて点光源を移動させるための移動手段等の装置が必要であり、多くのコストを要するという問題があった。
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、光源を低コストで位置決めすることが可能な光源位置決定装置、及び、日射シミュレーション方法を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、任意に定められた第1の位置と、予め定められた時期かつ予め定められた時刻の太陽の位置との関係を、太陽光以外の光源を用いて再現するために、前記第1の位置に対する前記光源の位置を決定するための装置であって、影生成部と、影受け部とを含み、前記影生成部は、前記光源からの光を受けて影を生成するものであり、前記影生成部には、前記影に特定の時刻を示す目盛りを付加するための目盛り模様が形成されており、前記影受け部は、前記第1の位置に合わせて置くための第2の位置が定義されており、かつ、前記影受け部は、前記影生成部の前記影及びそこからはみ出す前記光源の光を受け得る受面を有し、前記受面は、前記光源が、前記第2の位置に対して、予め定められた時期かつ予め定められた時刻の太陽の位置を再現するように位置決めされたことを、前記影の前記目盛りとの関係で識別させる識別部を有することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る前記光源位置決定装置において、前記第2の位置は、前記受面に定義されていてもよい。
【0008】
本発明に係る前記光源位置決定装置において、前記識別部は、前記第2の位置に設けられていてもよい。
【0009】
本発明に係る前記光源位置決定装置において、前記識別部は、前記目盛りを前記第2の位置に合わせるためのマークであってもよい。
【0010】
本発明に係る前記光源位置決定装置において、前記影受け部には、前記第1の位置の東西南北に合わせるための目印が設けられていてもよい。
【0011】
本発明に係る前記光源位置決定装置において、前記時期は、夏至、春分、秋分及び冬至の少なくとも一つを含んでもよい。
【0012】
本発明に係る前記光源位置決定装置において、前記影生成部は、複数の時期を再現するために複数設けられていてもよい。
【0013】
本発明に係る前記光源位置決定装置において、前記影受け部の少なくとも一部は、前記第1の位置を含む平面に沿った平面部分を含んでもよい。
【0014】
本発明に係る前記光源位置決定装置において、前記影生成部は、前記影受け部から上方に延びていてもよい。
【0015】
本発明に係る前記光源位置決定装置において、前記影生成部の少なくとも一部は、前記影受け部に対して傾斜していてもよい。
【0016】
本発明に係る前記光源位置決定装置において、前記影生成部は、上に凸の円弧状に延びる上部エッジを含んでもよい。
【0017】
本発明に係る前記光源位置決定装置において、前記上部エッジには、前記目盛り模様が設けられていてもよい。
【0018】
本発明に係る前記光源位置決定装置において、前記目盛り模様は、日の出から日の入りまでの時間帯のうちの複数の時刻に対応して複数設けられていてもよい。
【0019】
本発明に係る前記光源位置決定装置において、前記目盛り模様は、前記影の輪郭に凹部及び凸部を形成してもよい。
【0020】
本発明に係る前記光源位置決定装置において、前記凹部及び前記凸部の少なくとも一方は、互いに異なる少なくとも2種類の形状を有していてもよい。
【0021】
本発明は、請求項1ないし15のいずれかに記載の前記光源位置決定装置を用いて、前記第1の位置における前記太陽光による日射を、前記光源からの光で再現するための方法であって、前記第1の位置に前記第2の位置を合わせて、前記光源位置決定装置を配置する工程と、前記光源の光を前記影生成部に照射して、前記影を前記受面に生成する工程と、前記目盛りと前記識別部との関係に基づいて、前記光源が前記位置決めされたことを識別する工程とを含むことを特徴とする。
【0022】
本発明に係る前記日射シミュレーション方法において、前記光源位置決定装置を前記第1の位置から取り除く工程と、前記第1の位置に、日当たり調査の対象物を配置する工程とを含んでもよい。
【0023】
本発明に係る前記日射シミュレーション方法において、前記対象物は、建物の図面及び模型の少なくとも一方を含んでもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明の光源位置決定装置は、影生成部が、目盛りが付加された影を生成する。また、本発明の光源位置決定装置の影受け部は、識別部を有し、この識別部は、前記影の前記目盛りとの関係で、前記光源が所望の位置に位置決めされたことを識別することができる。したがって、本発明の装置は、低コストで、前記光源を所望の位置に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】日射シミュレーション方法によって日当たりの調査が行われる対象物、光源、及び、光源位置決定装置の一例を示す斜視図である。
図2】光源位置決定装置の一例を示す斜視図である。
図3】光源位置決定装置の側面図である。
図4】第1影生成部以外の影生成部を省略した光源位置決定装置の一例を示す斜視図である。
図5】第2影生成部以外の影生成部を省略した光源位置決定装置の一例を示す斜視図である。
図6】第3影生成部以外の影生成部を省略した光源位置決定装置の一例を示す斜視図である。
図7】時期が夏至であり、かつ、時刻が12時の太陽の位置に、光源が位置決めされたときの影の一例を示す図である。
図8】時期が春分又は秋分であり、かつ、時刻が12時の太陽の位置に、光源が位置決めされたときの影の一例を示す図である
図9】時期が冬至であり、かつ、時刻が12時の太陽の位置に、光源が位置決めされたときの影の一例を示す図である。
図10】本発明の他の実施形態の光源位置決定装置の一例を示す斜視図である。
図11図10の光源位置決定装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。なお、各図面は、発明の内容の理解を高めるためのものであり、誇張された表示が含まれる他、各図面間において、縮尺等は厳密に一致していない点が予め指摘される。図1は、日射シミュレーション方法によって日当たりの調査が行われる対象物2、光源3、及び、光源位置決定装置4の一例を示す斜視図である。
【0027】
対象物2としては、日当たりの調査が行われるものであれば、適宜採用することができる。対象物2の一例としては、建物の図面5及び模型6などが挙げられる。本実施形態の対象物2は、建物の図面5及び模型6の双方を含んでいるが、建物の図面5及び模型6の少なくとも一方が含まれていてもよい。
【0028】
図面5としては、建物の間取り図である場合が例示される。模型6としては、窓等の外壁開口部のみを部分的に表したものが例示される。なお、模型6としては、建物全体を表した模型でもよいし、居住者を表した人形や、樹木を表した模型などがさらに含まれてもよい。これらの対象物2は、例えば、平滑な上面を有するテーブル8に配置されているが、床や地面等に配置されていてもよい。
【0029】
光源3は、太陽光(図示省略)以外のものであれば、適宜採用することができる。本実施形態の光源3には、照明装置が採用されている。照明装置としては、例えば、発光ダイオード(LED)、有機EL及び蛍光灯等から適宜選択することができるが、光の指向性が強い発光ダイオード(LED)が採用されるのが望ましい。また、本実施形態の照明装置は、電球型に形成されているが、例えば、直管型等に形成されるものでもよい。
【0030】
本実施形態の光源3は、支持手段10によって支持されており、対象物2の上方の空間の任意の位置に配置されている。本実施形態の支持手段10は、例えば、テーブル8に固定されたフレキシブルアームスタンドとして構成されているが、光源3を支持できるものであれば、このような態様に限定されない。
【0031】
光源位置決定装置4は、任意に定められた第1の位置11と、予め定められた時期かつ予め定められた時刻の太陽の位置との関係を、光源3を用いて再現するために、第1の位置11に対する光源3の位置を決定するためのものである。
【0032】
第1の位置11は、太陽光による日射を、光源3からの光で再現したい位置に設定される。本実施形態の第1の位置11は、対象物2が配置される位置(例えば、図面5の間取りの任意の位置)に設定される。
【0033】
時期については、太陽光による日射を再現したい時期(例えば、1年のうちの所定の日)を適宜設定することができる。時期には、例えば、太陽の南中高度が最も高い夏至、南中高度が最も低い冬至、並びに、南中高度がそれらの中間となる春分及び秋分の少なくとも一つが含まれるのが望ましい。本実施形態では、季節毎に異なる日射を再現するために、夏至、春分、秋分及び冬至の全てを含んでいる。
【0034】
時刻については、太陽光による日射を再現したい時刻(日の出から日の入りまでの時間帯から選択される時刻)であれば、特に限定されない。本実施形態では、上述の時期(例えば、夏至など)での日の出から日の入りまでの時間帯において、一時間毎(例えば、…10時、11時、12時、…)に、時刻が設定される。これにより、日の出から日の入りまでの任意の時刻において、太陽光による日射を再現することができる。なお、時刻については、日の出から日の入りまでの時間帯のうち、特定の時間帯(例えば、西日の強い時間帯等)のみに限定されてもよいし、一つの時刻(例えば、12時)のみに限定されてもよい。
【0035】
図2は、光源位置決定装置4の一例を示す斜視図である。図3は、光源位置決定装置4の側面図である。図3において、後述の支持部18(図2に示す)を省略して示している。光源位置決定装置4は、影生成部15と、影受け部16とを含んで構成されている。これらの影生成部15及び影受け部16は、一体に形成されているが、互いに離間していてもよい。影生成部15及び影受け部16を構成する材料としては、例えば、紙材、不織布や織布といった布材、樹脂、及び、金属等が採用することができる。本実施形態の影生成部15及び影受け部16は、コスト面で優れる紙材で形成されている。
【0036】
影生成部15は、光源3からの光を受けて影21(図3に示す)を生成するためのものである。本実施形態では、複数の時期(例えば、夏至、春分及び秋分、並びに、冬至)の太陽の位置をそれぞれ再現するために、それらの時期に対応する複数の影生成部15が設けられている。なお、特定の時期の太陽の位置を再現する場合には、一つの影生成部15のみで構成されてもよい。
【0037】
上述したように、本実施形態において、太陽光による日射を再現したい時期は、夏至、春分、秋分及び冬至の全てを含んでいる。このため、本実施形態の影生成部15は、夏至を再現するための第1影生成部15A、春分及び秋分を再現するための第2影生成部15B、及び、冬至を再現するための第3影生成部15Cを含んでいる。
【0038】
図4は、第1影生成部15A以外の影生成部15を省略した光源位置決定装置4の一例を示す斜視図である。図5は、第2影生成部15B以外の影生成部15を省略した光源位置決定装置4の一例を示す斜視図である。図6は、第3影生成部15C以外の影生成部15を省略した光源位置決定装置4の一例を示す斜視図である。
【0039】
図3に示されるように、本実施形態の各影生成部15A、15B及び15Cは、板状に形成されているが、このような態様に限定されない。各影生成部15A、15B及び15Cは、影受け部16から上方に延びている。図4図6に示されるように、各影生成部15A、15B及び15Cは、それらの下方に設けられた支持部18を介して、影受け部16に固定されている。
【0040】
図3に示されるように、影生成部15(影生成部15A、15B及び15C)の少なくとも一部は、影受け部16に対して傾斜している。本実施形態の各影生成部15A、15B及び15Cは、影受け部16に対して、同一の方向に、同一の角度θで傾斜している。このため、各影生成部15A、15B及び15Cは、側面視において、平行に配置されている。
【0041】
各影生成部15A、15B及び15Cの傾斜方向については、適宜設定することができる。本実施形態では、光源位置決定装置4において、南Sが設定される方向に向かって傾斜している。
【0042】
各影生成部15A、15B及び15Cの影受け部16に対する角度θについては、適宜設定することができる。本実施形態の角度θは、春分及び秋分の南中高度(例えば、55度)と同一に設定されている。これにより、第1影生成部15Aは、春分及び秋分よりも高い夏至の南中高度に配された光源3の光を受けると、角度θで傾斜している部分によって、南Sが設定される方向に影21を生成することができる。一方、第3影生成部15Cは、春分及び秋分よりも低い冬至の南中高度に配された光源3の光を受けると、角度θで傾斜している部分によって、北Nが設定される方向に影21を生成することができる。なお、第2影生成部15Bは、春分及び秋分の南中高度に配された光源3の光を受けると、角度θで傾斜している部分(後述の突出部27を除く)では、その厚みによって生成される影21を除いて、実質的に影21を生成しない。
【0043】
図4図6に示されるように、各影生成部15A、15B及び15Cは、上に凸の円弧状に延びる上部エッジ20を含んで構成されている。図5に示されるように、第2影生成部15Bの下端側には、影受け部16に定義された後述の第2の位置12(識別部38)を露出させるための開口24が設けられている。
【0044】
図7は、時期が夏至であり、かつ、時刻が12時の太陽の位置に、光源3(図3に示す)が位置決めされたときの影21の一例を示す図である。図8は、時期が春分又は秋分であり、かつ、時刻が12時の太陽の位置に、光源3(図3に示す)が位置決めされたときの影21の一例を示す図である。図9は、時期が冬至であり、かつ、時刻が12時の太陽の位置に、光源3(図3に示す)が位置決めされたときの影21の一例を示す図である。図7図9において、影受け部16に付された表示(例えば、日の出の時間及び日の入りの時間)の一部を省略して示している。
【0045】
図7図9に示されるように、各影生成部15A、15B及び15Cには、影21に特定の時刻を示す目盛り22を付加するための目盛り模様23が形成されている。図4図6に示されるように、本実施形態の目盛り模様23は、上部エッジ20に設けられている。
【0046】
本実施形態の目盛り模様23は、日の出から日の入りまでの時間帯のうち、複数の時刻に対応して複数設けられている。このため、前記時間帯が最も長い夏至を再現するための第1影生成部15Aの上部エッジ20(図4に示す)の長さは、第2影生成部15B(図5に示す)及び第3影生成部15C(図6に示す)に比べて大きく形成されている。また、前記時間帯が最も短い冬至を再現するための第3影生成部15Cの上部エッジ20(図6に示す)の長さは、第1影生成部15A(図4に示す)及び第2影生成部15B(図5に示す)に比べて小さく形成されている。
【0047】
図4に示されるように、第1影生成部15Aの目盛り模様23は、夏至の日の出(例えば、4時45分)から日の入り(例えば、19時04分)までの時間帯において、一時間ごと(例えば、5時~19時ごと)に設けられている。なお、太陽光による日射を再現したい時刻が、特定の時間帯(例えば、西日の強い時間帯等)のみに限定される場合や、一つの時刻(例えば、12時)のみに限定される場合には、その時刻に対応する目盛り模様23のみが形成される。
【0048】
本実施形態の第1影生成部15Aの目盛り模様23は、上部エッジ20から半径方向内側に凹んでいる。これにより、第1影生成部15Aの目盛り模様23は、図7に示されるように、影21に付加される目盛り22として、影21の輪郭に凹部25を形成することができる。
【0049】
本実施形態では、第2の位置12に対して、光源3(図3に示す)が、予め定められた時期(本例では、夏至)かつ予め定められた時刻(本例では、5時~19時のいずれか)の太陽の位置を再現するように位置決めされたときに、光源3と第2の位置12とを通る直線41(図3に示す)上に、その時刻に対応する目盛り模様23が形成されている。このような目盛り模様23は、第2の位置12(後述の識別部38)に、その時刻を示す目盛り22(凹部25)を形成することができる。図7では、時期が夏至であり、かつ、時刻が12時の太陽の位置に、光源3が位置決めされたときに、第2の位置12(後述の識別部38)に、12時に対応する目盛り模様23によって目盛り22(凹部25)が形成されている。
【0050】
図7に示されるように、凹部25(目盛り22)は、互いに異なる少なくとも2種類の形状を有するのが望ましい。これにより、各凹部25が示す時刻(例えば、5時~19時のいずれか)を、容易に識別することができる。
【0051】
図4に示されるように、本実施形態では、8時、12時及び16時に対応する目盛り模様23が矩形状に凹んでいる。これにより、図7に示されるように、それらの目盛り模様23で形成される影21の目盛り22(凹部25)も、矩形状に形成される。一方、図4に示されるように、その他の時刻(5時及び6時など)に対応する目盛り模様23は、V字状に凹んでいる。これにより、図7に示されるように、それらの目盛り模様23で形成される影21の目盛り22(凹部25)も、V字状に形成される。このように、凹部25は、互いに異なる少なくとも2種類の形状を有することで、各凹部25が示す時刻(即ち、各凹部25を形成する目盛り模様23の時刻)を、容易に識別することができる。なお、凹部25は、これらの形状に限定されるわけではなく、例えば、円弧状など適宜形成することができる。また、各凹部25は、それぞれ異なる形状であってもよい。
【0052】
図5に示されるように、第2影生成部15Bの目盛り模様23は、春分及び秋分の日の出(例えば、6時)から日の入り(例えば、18時)までの時間帯において、一時間ごと(例えば、7時~17時ごと)に設けられている。なお、太陽光による日射を再現したい時刻が、特定の時間帯(例えば、西日の強い時間帯等)のみに限定される場合や、一つの時刻(例えば、12時)のみに限定される場合には、その時刻に対応する目盛り模様23のみが形成される。
【0053】
本実施形態の第2影生成部15Bの目盛り模様23は、上部エッジ20から突出する一対の突出部27、27で形成されている。一対の突出部27、27の間は、V字状に凹んでいるが、例えば、矩形状に凹んでいてもよい。これらの突出部27、27は、図3及び図5に示されるように、第2影生成部15Bの厚さ方向の一方側に向かって(本実施形態では、北Nに向かって)折り曲げられている。これにより、第2影生成部15Bの目盛り模様23は、図8に示されるように、影21に付加される目盛り22として、影21の輪郭に、一対の凸部29、29、及び、一対の凸部29、29の間の凹部30を形成することができる。
【0054】
本実施形態では、第2の位置12に対して、光源3(図3に示す)が、予め定められた時期(本例では、春分又は秋分)かつ予め定められた時刻(本例では、7時~17時のいずれか)の太陽の位置を再現するように位置決めされたときに、光源3と第2の位置12とを通る直線42(図3に示す)上に、その時刻に対応する目盛り模様23(一対の突出部27、27の間で凹む部分)が形成されている。このような目盛り模様23は、第2の位置12(後述の識別部38)に、その時刻を示す目盛り22(本実施形態では、凹部30)を形成することができる。図8では、時期が春分及び秋分であり、かつ、時刻が12時の太陽の位置に、光源3が位置決めされたときに、第2の位置12(後述の識別部38)に、12時に対応する目盛り模様23によって目盛り22(凹部30)が形成されている。
【0055】
本実施形態の一対の凸部29、29及び凹部30(目盛り22)の少なくとも一方は、それぞれ同一の形状に形成されているが、互いに異なる少なくとも2種類の形状に形成されてもよい。これにより、一対の凸部29、29及び凹部30が示す時刻(例えば、7時~17時のいずれか)を、容易に識別することができる。
【0056】
図6に示されるように、第3影生成部15Cの目盛り模様23は、冬至の日の出(例えば、7時01分)から日の入り(例えば、16時51分)までの時間帯において、一時間ごとに(例えば、8時~16時)に設けられている。なお、太陽光による日射を再現したい時刻が、特定の時間帯(例えば、西日の強い時間帯等)のみに限定される場合や、一つの時刻(例えば、12時)のみに限定される場合には、その時刻に対応する目盛り模様23のみが形成される。
【0057】
本実施形態の第3影生成部15Cの目盛り模様23は、第1影生成部15Aの目盛り模様23と同様に、上部エッジ20から半径方向内側に凹んでいる。これにより、第3影生成部15Cの目盛り模様23は、図9に示されるように、影21に付加される目盛り22として、影21の輪郭に凹部31を形成することができる。
【0058】
本実施形態では、第2の位置12に対して、光源3が、予め定められた時期(本例、冬至)かつ予め定められた時刻(本例では、8時~16時のいずれか)の太陽の位置を再現するように位置決めされたときに、光源3と第2の位置12とを通る直線43(図3に示す)上に、その時刻に対応した目盛り模様23が形成されている。このような目盛り模様23は、第2の位置12(後述の識別部38)に、その時刻を示す目盛り22(凹部31)を形成することができる。図9では、時期が冬至であり、かつ、時刻が12時の太陽の位置に、光源3が位置決めされたときに、第2の位置12(後述の識別部38)に、12時に対応する目盛り模様23によって目盛り22(凹部31)が形成されている。
【0059】
凹部31(目盛り22)は、互いに異なる少なくとも2種類の形状を有するのが望ましい。これにより、各凹部31が示す時刻(例えば、8時~16時のいずれか)を、容易に識別することができる。
【0060】
図6に示されるように、本実施形態では、8時、12時及び16時に対応する目盛り模様23が、矩形状に凹んでおり、その他の時刻(9時及び10時など)に対応する目盛り模様23が、V字状に凹んでいる。これらの目盛り模様23により、図9に示されるように、凹部31は、互いに異なる少なくとも2種類の形状(本例では、矩形状及びV字状)に形成されるため、各凹部31が示す時刻を、容易に識別することができる。
【0061】
図3及び図7図9に示されるように、影受け部16は、影生成部15の影21及びそこからはみ出す光源3の光を受け得る受面33を有するものである。図3に示されるように、影受け部16の少なくとも一部は、第1の位置11(図1及び図3に示す)を含む平面に沿った平面部分34を含んでいる。本実施形態の影受け部16は、平面部分34のみを含む板状に形成されているが、このような態様に限定されない。本実施形態の影受け部16は、平面部分34の上面に、受面33が形成されている。図7図9に示されるように、平面部分34は、平面視において円形状に形成されているが、このような態様に限定されない。
【0062】
図3及び図4図6に示されるように、影受け部16には、第1の位置11(図1及び図3に示す)に合わせて置くための第2の位置12が定義されている。第2の位置12は、受面33に定義されている。本実施形態の第2の位置12は、受面33に設けられたマークとして構成されている。このようなマークにより、第2の位置12を、第1の位置11に容易に合わせることができる。
【0063】
さらに、影受け部16には、図7に示されるように、第1の位置11(図1及び図3に示す)の東西南北に合わせるための目印36が設けられている。本実施形態において、第1の位置11の東西南北は、図1に示した対象物2(図面5及び模型6)に予め設定されている。本実施形態の目印36は、第2の位置12と同様に、受面33に定義されている。
【0064】
目印36は、図1に示した第1の位置11(第2の位置12)に対して北側を示す第1目印36a、第1の位置11に対して南側を示す第2目印36b、第1の位置11に対して東側を示す第3目印36c、及び、第1の位置11に対して西側を示す第4目印36dの少なくとも1つを含んでおり、本実施形態では、第1目印36a~第4目印36dの全てを含んでいる。このような目印36は、影受け部16(光源位置決定装置4)を、第1の位置11の東西南北に合わせて配置するのに役立つ。本実施形態の各目印36a~36dは、それぞれの方角を示す文字(N、S、E及びW)として構成されているが、例えば、矢印等の模様で構成されてもよい。
【0065】
受面33は、光源3(図3に示す)が、第2の位置12に対して、予め定められた時期かつ予め定められた時刻の太陽の位置を再現するように位置決めされたことを、影21の目盛り22との関係で識別させる識別部38を有している。本実施形態の識別部38は、第2の位置12に設けられており、目盛り22を第2の位置12に合わせるためのマークとして構成されている。本実施形態の識別部38は、第2の位置12のマークで定義されている。
【0066】
このような識別部38は、第2の位置12に対して、光源3が、予め定められた時期(即ち、夏至、春分及び秋分、並びに、冬至から選択される任意の時期)かつ予め定められた時刻(即ち、各目盛り22(凹部25、30及び31)を形成する目盛り模様23の任意の時刻)の太陽の位置を再現するように位置決めされたときに、第2の位置12に、その時刻を示す目盛り22が形成されたことを容易に識別するのに役立つ。
【0067】
識別部38の形状については、適宜設定することができる。本実施形態の識別部38の形状は、円形状に設定されている。識別部38の大きさについても、適宜設定することができる。識別部38の大きさは、目盛り22(凹部25、30及び31)の大きさよりも小さく形成されていてもよい。これにより、目盛り22の中に、識別部38を配置することができるため、第2の位置12に、目盛り22が形成されたことを容易に識別することができる。
【0068】
次に、光源位置決定装置4を用いた日射シミュレーション方法について説明する。日射シミュレーション方法では、図1に示されるように、第1の位置11における太陽光による日射を、光源3からの光で再現する。再現される太陽光による日射の時期及び時刻については、適宜設定することができる。本実施形態の日射シミュレーションでは、時期が夏至であり、かつ、時刻が12時の太陽の位置を、光源3によって再現される場合について説明する。
【0069】
本実施形態の日射シミュレーション方法では、先ず、図3に示されるように、第1の位置11(図1に示す)に、光源位置決定装置4の第2の位置12(図5に示す)を合わせて、光源位置決定装置4を配置する工程(以下、「第1工程」ということがある。)が行われる。上述したように、本実施形態の第1の位置11は、対象物2を配置する位置(例えば、図面5の間取りの任意の位置)に設定される。第1工程では、第1の位置11の上に、影受け部16の第2の位置12が配置される。これにより、第1工程では、第1の位置11に第2の位置12を合わせて、光源位置決定装置4を配置することができる。
【0070】
さらに、本実施形態の第1工程では、図7に示した影受け部16の目印36(第1目印36a~第4目印36d)が、第1の位置11(図1に示す)の方角(東西南北)に合うように、光源位置決定装置4が配置されている。これにより、第1工程では、対象物2に予め設定された方角(東西南北)と、光源位置決定装置4の方角とを合わせることができる。
【0071】
第1工程では、光源位置決定装置4に対して、光源3の光を遮るもの(例えば、図1に示した模型6等)を取り除いておくのが望ましい。これにより、後述の第2工程において、光源3の光を、影生成部15(図3に示す)に確実に照射することができる。
【0072】
次に、本実施形態の日射シミュレーション方法では、図3に示されるように、光源3の光を影生成部15に照射して、影生成部15の影21を受面33に生成する工程(以下、「第2工程」ということがある。)が行われる。第2工程では、先ず、影生成部15に光源3を向ける。本実施形態では、時期が夏至であり、かつ、時刻が12時の太陽の位置を再現するため、少なくとも第1影生成部15Aに光源3が向けられる。次に、第2工程では、光源3の光を、影生成部15に照射する。これにより、光源3からの光を受けた影生成部15は、影受け部16の受面33に影を生成することができる。
【0073】
次に、本実施形態の日射シミュレーション方法では、図7に示されるように、目盛り22と識別部38との関係に基づいて、光源3(図3に示す)が位置決めされたことを識別する工程(以下、「第3工程」ということがある。)が実施される。本実施形態では、時期が夏至であり、かつ、時刻が12時の太陽の位置を再現する。このため、本実施形態の第3工程では、第1影生成部15Aの12時に対応する目盛り模様23によって形成された目盛り22(凹部25)が、識別部38に配置されるように、光源3の位置を調節する。この光源3の位置の調節によって、12時に対応する目盛り22(凹部25)が識別部38に配置されることにより、第3工程では、その光源3が、予め定められた時期(本例では、夏至)かつ予め定められた時刻(本例では、12時)の太陽の位置を再現するように位置決めされたことを識別することができる。
【0074】
本実施形態では、第2影生成部15Bの下端に、第2の位置12(識別部38)を露出させるための開口24(図5に示す)が設けられている。このため、図2及び図3に示されるように、第1影生成部15A、第2影生成部15B及び第3影生成部15Cが配置されていても、図7に示されるように、第1影生成部15Aによって形成される目盛り22を、第2の位置12(識別部38)に合わせることができる。
【0075】
このように、本実施形態の光源位置決定装置4及び日射シミュレーション方法は、影21の目盛り22と、識別部38との関係に基づいて、光源3が、第2の位置12に対して、予め定められた時期(本例では、夏至)かつ予め定められた時刻(本例では、12時)の太陽の位置を再現するように位置決めされたこと識別することができる。これにより、本実施形態の光源位置決定装置4及び日射シミュレーション方法は、上記特許文献1のような演算回路を内蔵した制御手段(図示省略)や、演算結果に基づいて点光源を移動させるための移動手段(図示省略)等の装置を必要とすることなく、光源3を位置決めすることができる。したがって、本実施形態の光源位置決定装置4及び日射シミュレーション方法は、低コストで、光源3を所望の位置に決定することができる。
【0076】
次に、本実施形態の日射シミュレーション方法では、光源位置決定装置4を第1の位置11から取り除く工程(以下、「第4工程」ということがある。)が行われる。これにより、第4工程では、図1に示されるように、光源位置決定装置4によって覆われていた第1の位置11を露出させることができるため、所望の位置(本例では、夏至の12時の太陽の位置)に決定された光源3からの光を、第1の位置11に照射させることができる。
【0077】
次に、本実施形態の日射シミュレーション方法では、第1の位置11に、対象物2(例えば、図1に示した窓等の外壁開口部のみを部分的に表した模型6等)を配置する工程(以下、「第5工程」ということがある。)が行われる。第5工程S5では、第1工程で取り除かれていた模型も配置される。これにより、日射シミュレーション方法では、第1の位置11において、対象物2への太陽光による日射を再現することができる。これにより、日射シミュレーション方法は、対象物2の日当たり調査(例えば、窓等の開口からの太陽光(西日など)の入り方や、樹木による太陽光の遮断効果など)を効果的に行うことができる。したがって、本実施形態の日射シミュレーション方法は、例えば、住宅の設計初期段階や住宅のリフォーム時において、居室の採光等を事前に確認するのに役立つ。
【0078】
これまでの実施形態では、図7に示されるように、識別部38が第2の位置12に設けられたが、このような態様に限定されない。例えば、影受け部16において、第2の位置12が遮られており、かつ、その遮るものが受面33として構成されている場合には、その受面33に、識別部38が設けられてもよい。図10は、本発明の他の実施形態の光源位置決定装置4の一例を示す斜視図である。図11は、図10の光源位置決定装置4の側面図である。この実施形態において、これまでの実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略することがある。
【0079】
この実施形態の影受け部16は、第1の位置11(図11に示す)を含む平面に沿った第1部分16a、第1部分16aから上下に延びる一対の第2部分16b、16b、及び、第2部分16b、16bの上端間を水平に延びる第3部分16cを含んで構成されている。第1部分16aの下面には、第1の位置11に合わせて置くための第2の位置12(図11に示す)が設けられている。この第2の位置12は、第2部分16b、16b及び第3部分16cによって遮られている(覆われている)。
【0080】
この実施形態の影受け部16には、第1影生成部15A、第2影生成部15B及び第3影生成部15Cを差し込むためのスリット(図示省略)が設けられている。本実施形態のスリットは、第2部分16b、16b及び第3部分16cに設けられている。このようなスリットに、第1影生成部15A、第2影生成部15B及び第3影生成部15Cが差し込まれることにより、各影生成部15A~15Cを影受け部16に対して傾斜させつつ、影受け部16から上方に延びるように配置することができる。
【0081】
この実施形態の影受け部16は、第1部分16a、第2部分16b、16b及び第3部分16cの外面に、影生成部15A~15Cの影(図示省略)、及び、そこからはみ出す光源3(図3に示す)の光を受け得る受面33が形成されている。
【0082】
この実施形態では、図11に示されるように、第2の位置12に対して、光源3(図3に示す)が、予め定められた時期かつ予め定められた時刻(即ち、目盛り模様23の任意の時刻)の太陽の位置を再現するように位置決めされたときに、その時期及び時刻に対応した目盛り模様23、光源3、及び、第2の位置12を通る直線45と、受面33とが交わる部分に、識別部38が設けられている。図11では、第2部分16b、16bcの外面(受面33)に設けられる識別部38のみを表示しているが、第3部分16cにも識別部38(図示省略)が設けられている。各識別部38は、各目盛り模様23によって形成される目盛り22(図示省略)に対応するようにそれぞれ設けられている。
【0083】
この実施形態では、これまでの実施形態のように、第2の位置12に識別部38を設けられなくても、各目盛り模様23によって形成される目盛り22(図示省略)が、その目盛り22に対応して設けられた識別部38に合わせられることにより、第2の位置12に対する所望の位置に、光源3(図3に示す)が位置決めされたことを識別することができる。
【0084】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【符号の説明】
【0085】
4 光源位置決定装置
15 影生成部
16 影受け部
23 目盛り模様
33 受面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11