(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】リーン車両のサイドスタンド装置
(51)【国際特許分類】
B62H 1/02 20060101AFI20221214BHJP
【FI】
B62H1/02 E
(21)【出願番号】P 2019106710
(22)【出願日】2019-06-07
【審査請求日】2022-01-28
(73)【特許権者】
【識別番号】521431099
【氏名又は名称】カワサキモータース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】牧村 和樹
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 和也
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-202648(JP,A)
【文献】米国特許第04971347(US,A)
【文献】実開昭59-114384(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62H 1/02 - 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレームに固定され、第1被係止部を有するブラケットと、
前記ブラケットに支軸を介して揺動自在に接続され、第2被係止部を有し、着地状態と跳ね上げ状態との間で揺動するスタンド部材と、
前記第1被係止部に係止される第1係止端部と、前記第2被係止部に係止される第2係止端部とを有し、前記ブラケットと前記スタンド部材との間に張設されたバネと、を備え、
前記ブラケット又は前記スタンド部材の少なくとも一方は、車幅方向外方に突出したピンを有し、
前記第1被係止部又は前記第2被係止部の少なくとも一方の被係止部は、前記ピンに形成されており、
前記ピンは、その先端と前記被係止部との間において部分的に強度を低くした低強度部を有する、リーン車両のサイドスタンド装置。
【請求項2】
前記低強度部は、前記ピンの外周面を窪ませてなる、請求項1に記載のリーン車両のサイドスタンド装置。
【請求項3】
前記被係止部は、前記ピンの軸線周りに形成された環状凹部である、請求項2に記載のリーン車両のサイドスタンド装置。
【請求項4】
前記ピンの前記低強度部における最小径は、前記ピンの前記被係止部における最小径よりも小さい、請求項3に記載のリーン車両のサイドスタンド装置。
【請求項5】
前記低強度部の最小径をなす底部は、前記ピンの軸線方向において、前記被係止部の最小径をなす底部よりも短い、請求項3又は4に記載のリーン車両のサイドスタンド装置。
【請求項6】
前記低強度部の外面の最小曲率半径は、前記被係止部の外面の最小曲率半径よりも小さい、請求項3乃至5のいずれか1項に記載のリーン車両のサイドスタンド装置。
【請求項7】
前記ピンは、ピン本体と、前記ピン本体の軸線に直交する方向に前記ピン本体から突出した突出部材とを有し、
前記被係止部は、前記突出部材に設けられる、請求項1に記載のリーン車両のサイドスタンド装置。
【請求項8】
前記低強度部は、前記ピンのうち前記低強度部以外の部分よりも強度の低い材質を有する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のリーン車両のサイドスタンド装置。
【請求項9】
前記低強度部は、前記ピンの前記先端よりも前記被係止部に近い位置に設けられている、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のリーン車両のサイドスタンド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リーン車両のサイドスタンド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動二輪車の駐車時に使用されるサイドスタンド装置が開示されている。サイドスタンド装置は、車体フレームの左側下部に固定されたブラケットと、当該ブラケットに支軸を介して揺動自在に接続されたスタンドバーとを備え、ブラケットから突出するピンとスタンドバーから突出するフック部とにバネが係止される。これにより、ユーザーがスタンドバーを足で操作する際に、バネの付勢力によりスタンドバーが円滑に揺動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、自動二輪車が転倒等してピンの先端に衝撃が加わった場合には、ピンが破壊されて、ピンにバネを係止できなくなる可能性がある。なお、サイドスタンド装置は、車体を傾斜させて走行するリーン車両であれば、二輪車以外の車両にも利用され得る。
【0005】
そこで本発明は、リーン車両のサイドスタンド装置のピンの長寿命化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るリーン車両のサイドスタンド装置は、車体フレームに固定され、第1被係止部を有するブラケットと、前記ブラケットに支軸を介して揺動自在に接続され、第2被係止部を有し、着地状態と跳ね上げ状態との間で揺動するスタンド部材と、前記第1被係止部に係止される第1係止端部と、前記第2被係止部に係止される第2係止端部とを有し、前記ブラケットと前記スタンド部材との間に張設されたバネと、を備え、前記ブラケット又は前記スタンド部材の少なくとも一方は、車幅方向外方に突出したピンを有し、前記第1被係止部又は前記第2被係止部の少なくとも一方の被係止部は、前記ピンに形成されており、前記ピンは、その先端と前記被係止部との間において部分的に強度を低くした低い低強度部を有する。
【0007】
前記構成によれば、リーン車両が転倒等してピンの先端に衝撃が加わった場合に、低強度部に応力が集中してピンが低強度部で破断し、ピンの被係止部の破壊を抑制でき、低強度部が力学的なヒューズとして機能する。このように、ピンの先端に衝撃が加わった場合に、被係止部よりも優先して低強度部が破壊されるので、ピンにバネを係止できなくなる事態が回避され、ピンを長寿命化できる。
【0008】
一例として、前記被係止部は、前記ピンの軸線周りに形成された環状凹部である構成としてもよい。
【0009】
前記構成によれば、リーン車両が転倒等してピンの先端に衝撃が加わった場合には、被係止部よりも優先して低強度部が破壊され、応力集中が発生し易い環状凹部の被係止部を好適に保護できる。
【0010】
一例として、前記ピンの前記低強度部における最小径は、前記ピンの前記被係止部における最小径よりも小さい構成としてもよい。
【0011】
前記構成によれば、ピンにおいて低強度部に応力集中を発生させやすく、被係止部よりも優先して低強度部で破壊させやすくできる。
【0012】
一例として、前記低強度部の最小径をなす底部は、前記ピンの軸線方向において、前記被係止部の最小径をなす底部よりも短い構成としてもよい。
【0013】
前記構成によれば、ピンにおいて低強度部に応力集中を発生させやすく、被係止部よりも優先して低強度部で破壊させやすくできる。
【0014】
一例として、前記低強度部の外面の最小曲率半径は、前記被係止部の外面の最小曲率半径よりも小さい構成としてもよい。
【0015】
前記構成によれば、ピンにおいて低強度部に応力集中を発生させやすく、被係止部よりも優先して低強度部で破壊させやすくできる。
【0016】
一例として、前記ピンは、ピン本体と、前記ピン本体の軸線に直交する方向に前記ピン本体から突出した突出部材とを有し、前記被係止部は、前記突出部材に設けられる構成としてもよい。
【0017】
前記構成によれば、リーン車両が転倒等してピンの先端に衝撃が加わった場合に、被係止部よりも優先して低強度部が破壊され、被係止部を好適に保護できる。
【0018】
一例として、前記低強度部は、前記ピンのうち前記低強度部以外の部分よりも強度の低い材質を有する構成としてもよい。
【0019】
前記構成によれば、ピンの外周面を窪ませなくても低強度部を設けることができる。
【0020】
一例として、前記低強度部は、前記ピンの前記先端よりも前記被係止部に近い位置に設けられている構成としてもよい。
【0021】
前記構成によれば、ピンの先端に衝撃が加わったときに、低強度部にモーメントが作用して、ピンの低強度部における破壊を発生させやすくできる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、リーン車両のサイドスタンド装置のピンの長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】
図1に示す自動二輪車のサイドスタンド装置の側面図である。
【
図3】
図2に示すサイドスタンド装置のピン及びその近傍の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、自動二輪車に乗車した運転者から見た方向を基準とする。
【0025】
図1は、実施形態に係る自動二輪車1の側面図である。
図1に示すように、自動二輪車1は、前輪2及び後輪3を備える。前輪2は、フロントフォーク4に接続され、フロントフォーク4は、ヘッドパイプ5に回転自在に支持されたステアリングシャフト(図示せず)に支持される。ステアリングシャフトには、運転者Rが把持するバー型のハンドル6が略車幅方向の左右に延びるように取り付けられる。ハンドル6は、自動二輪車1の操舵のために運転者Rの操作によって前記ステアリングシャフトを通じて前輪2を操舵するために回動する。
【0026】
ヘッドパイプ5からは左右一対のメインフレーム7が下方に傾斜しながら後方へ延び、メインフレーム7の後部にピボットフレーム8が接続される。即ち、ヘッドパイプ6、メインフレーム7及びピボットフレーム8が、車体フレーム10を構成する。ピボットフレーム8には、スイングアーム11の前端部が軸支され、スイングアーム11の後端部に後輪3が軸支される。ハンドル6の後方には、燃料タンク12が配置される。燃料タンク12の後方には、運転者Rが跨って着座するシート13が配置される。
【0027】
燃料タンク12は、その少なくとも一部がメインフレーム7よりも上方に位置し、シート13に前側から隣接し、シート13よりも上方に突出している。運転者Rは、燃料タンク12の後部を脚の内側面で挟んだ状態で運転する。前輪2と後輪3との間には、メインフレーム7及びピボットフレーム8に支持されたエンジンEが配置される。エンジンEの出力軸には変速機13が接続され、変速機13から出力される駆動力がチェーン又はベルトを介して後輪3に伝達される。車体フレーム10のピボットフレーム8には、サイドスタンド装置20が固定される。
【0028】
図2は、
図1に示す自動二輪車1のサイドスタンド装置20の側面図である。
図2に示すように、サイドスタンド装置20は、ブラケット21、ピン22、スタンドバー24、バネ28等を備える。ブラケット21は、車体フレーム10の側部(具体的には、ピボットフレーム8の下側の側部)に固定される。ピン22は、ブラケット21から車幅方向外方(例えば、左方)に突出している。スタンドバー24は、略直線状に延びる。ピン22は、バネ28の第1係止端部28aが係止される第1被係止部22aを有する。第1被係止部22aは、ピン22の外周面を窪ませた環状凹部である。
【0029】
スタンドバー24は、スタンド本体部30と、スタンド本体部30から突出した突出部31と、突出部31に設けられたピン32とを備える。スタンド本体部30は、軸支部30aと、地面に着地する足部30cと、軸支部30aから足部30cに向けて直線状に延びるロッド部30bとを有する。軸支部30aは、ボルト状の支軸26及びナット27によりブラケット21に対して回転自在に接続される。これにより、スタンドバー24は、ブラケット21に対して支軸26を介して揺動自在に接続される。
【0030】
図2において、実線のスタンドバー24は跳ね上げ状態(非使用状態)を示し、二点鎖線のスタンドバー24は着地状態(使用状態)を示す。着地状態のスタンドバー24は、駐車時に側方に傾斜した自動二輪車1が転倒しないように車体フレーム10を支持する。跳ね上げ状態のスタンドバー24では、側面視において、自動二輪車1の他部品29(例えば、シフトチェンジレバー等)がスタンド本体部30に車幅方向外側から重なる。そのため、突出部31は、スタンド本体部30の中途部分からスタンドバー24の跳上げ方向とは逆方向に突出し、突出部31から車幅方向外方(左方)にピン32が突出している。このようにして、第2被係止部32aは、スタンド本体部30に対し、スタンドバー24の跳上げ方向とは逆方向にオフセット配置される。ピン32は、バネ28の第2係止端部28bが係止される第2被係止部32aを有する。第2被係止部32aは、ピン32の外周面を窪ませた環状凹部である。
【0031】
バネ28は、コイルバネ部28cと、コイルバネ部28cの一方側に設けられたフック状の第1係止端部28aと、コイルバネ部28cの他方側に設けられたフック状の第2係止端部28bとを有する。バネ28の第1係止端部28aをブラケット21のピン22の第1被係止部22aに係止し、バネ28の第2係止端部28bをスタンドバー24のピン32の第2被係止部32aに係止することで、コイルバネ部28cの付勢力によってバネ28がピン22とスタンドバー24との間に張設される。なお、
図2の例では、ピン22とスタンドバー24との間に1つのバネ28のみを張設しているが、複数のバネを張設してもよい。
【0032】
図3は、
図2に示すサイドスタンド装置20のピン32及びその近傍の平面図である。
図3に示すように、ピン32の第2被係止部32aは、ピン32の軸線X周りに形成された環状凹部である。ピン32は、ピン32の先端32bと第2被係止部32aとの間においてピン32の外周面を窪ませてなる低強度部32cを有する。即ち、低強度部32cは、ピン32の先端232bと被係止部232aとの間において部分的に強度を低くした部分である。低強度部32cは、第2被係止部32aよりも強度が低い。具体的には、低強度部32cは、ピン32のうち低強度部32c以外の部分よりも強度が低い。低強度部32cは、ピン32の先端32bよりも第2被係止部32aに近い位置に設けられている。低強度部32cの最小径L1をなす底部32caは、ピン32の軸線X方向において、第2被係止部32aの最小径L2をなす底部32aaよりも短い。一例として、低強度部32cは、断面略V形状であり、第2被係止部32aは、断面略U形状である。
【0033】
ピン32の低強度部32cにおける最小径L1は、ピン32の第2被係止部32aにおける最小径L2よりも小さい。ピン32の低強度部32cの外面の最小曲率半径は、ピン32の第2被係止部32aの外面の最小曲率半径よりも小さい。
図3の例では、断面略V形状の低強度部32cは、底部32caにおいて最小曲率半径を有し、断面略U形状の第2被係止部32aは、底部32aaと側部32abとの間の境界において最小曲率半径を有する。
【0034】
以上に説明した構成によれば、自動二輪車1が転倒等してピン32の先端32bに衝撃が加わった場合に、低強度部32cに応力が集中し、ピン32の第2被係止部32aに応力が集中することが抑制され、低強度部32cが力学的なヒューズとして機能する。よって、ピン32の先端32bに衝撃が加わった場合に、第2被係止部32aよりも優先して低強度部32cが破壊されるので、ピン32にバネ28を係止できなくなる事態が回避され、ピン32を長寿命化できる。
【0035】
また、低強度部32cは、ピン32の先端32bよりも第2被係止部32aに近い位置に設けられているので、ピン32の先端32bに衝撃が加わったときに、低強度部32cにモーメントが作用して、ピン32の低強度部32cにおける破壊を発生させやすくできる。また、ピン32の低強度部32cにおける最小径L1は、ピン32の第2被係止部32cにおける最小径L2よりも小さいので、ピン32において低強度部32cに応力集中を発生させやすく、第2被係止部32aよりも優先して低強度部32cで破壊させやすくできる。また、低強度部32cの最小径L1をなす底部32caは、ピン32の軸線X方向において、第2被係止部32aの最小径L2をなす底部32aaよりも短いので、ピン32において低強度部32cに応力集中を発生させやすく、第2被係止部32aよりも優先して低強度部32cで破壊させやすくできる。また、低強度部32cの外面の最小曲率半径は、第2被係止部32aの外面の最小曲率半径よりも小さいので、ピン32において低強度部32cに応力集中を発生させやすく、第2被係止部32aよりも優先して低強度部32cで破壊させやすくできる。
【0036】
図4は、第1変形例の
図3相当の図面である。なお、前述した実施形態と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。
図4に示すように、第1変形例では、ピン132は、円柱状のピン本体133と、ピン本体133の軸線Xに直交する方向にピン本体133から突出した突出部材134が設けられる。
図4の例では、突出部材134は、板状であるが、他の形態(例えば、フック状)であってもよい。突出部材134は、被係止部134aを有する。
図4の例では、被係止部134aは、被係止孔であるが、他の形態(例えば、溝)でもよい。
【0037】
ピン本体133は、その外周面を窪ませてなる低強度部133b(例えば、環状凹部)を有する。低強度部133bは、ピン本体133の先端133aよりも突出部材134(被係止部134a)に近い位置に設けられている。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0038】
このような構成によれば、自動二輪車1が転倒等してピン132の先端133aに衝撃が加わった場合に、突出部材134(被係止部134a)よりも優先して低強度部133bが破壊され、ピン132にバネ28を係止できなくなる事態が回避され、ピン132を長寿命化できる。
【0039】
図5は、第2変形例の
図3相当の図面である。なお、前述した実施形態と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、第2変形例では、ピン232は、その先端232bと被係止部232aとの間において、部分的に強度を低くした低強度部232cを有する。なお、被係止部232aは、前述した被係止部32aと同じである。低強度部232cは、それに隣接する部位と面一の外周面を有する一方で、低強度部232cは、ピン232のうち低強度部232c以外の部分よりも強度の低い材質を有する。
【0040】
低強度部232cの形成には、種々の方法が考えられる。例えば、低強度部232cは、ピン232のうち低強度部232c以外の部分よりも強度の低い材料が用いられてもよい。あるいは、ピン232のうち低強度部232c以外の部分に表面処理を施し、低強度部232cのみ表面処理を施さないことにより、低強度部232cの強度を低くしてもよい。当該表面処理は、例えば、メッキ加工、窒化処理、WPC処理等を採用し得る。これによれば、ピン232の外周面を窪ませなくても低強度部232cを設けることができる。
【0041】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、その構成を変更、追加、又は削除することができる。例えば、前記実施形態では、自動二輪車を例示したが、車体が側方に傾斜し得るリーン車両であれば、他の形態の車両(例えば、三輪車)でもよい。前記実施形態では、低強度部32cをピン32に設けたが、ピン22に設けてもよい。また、ピン22,32の何れか一方は、ピンの代わりに他の形状を有する部材(例えば、フック)でもよい。低強度部は、少なくともピンの下側部分に設けられるとよい。そうすれば、自動二輪車の転倒時にはピンの先端に地面から上方に向けて荷重が掛かることでピンの下側部分に引張応力が生じるため、ピンの低強度部が円滑にヒューズ機能を発揮できる。低強度部は、ピンの周方向の一部のみを窪ませた形状としてもよい。例えば、環状凹部として、ピンの周方向に非連続に複数の窪みをミシン目状に設けてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 自動二輪車(リーン車両)
10 車体フレーム
20 サイドスタンド装置
21 ブラケット
22a 第1被係止部
22 ピン
24 スタンドバー(スタンド部材)
26 支軸
28 バネ
28a 第1係止端部
28b 第2係止端部
32,132,232 ピン
32a 第2被係止部
32b 先端
32c 低強度部
133 ピン本体
133a 先端
133b 低強度部
134 突出部材
234a 第2被係止部
233b 低強度部
X 軸線