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特許7194084情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/9035 20190101AFI20221214BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20221214BHJP
【FI】
G06F16/9035
G06Q30/02 398
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019126497
(22)【出願日】2019-07-05
(65)【公開番号】P2021012547
(43)【公開日】2021-02-04
【審査請求日】2021-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】増山 毅司
(72)【発明者】
【氏名】小林 隼人
(72)【発明者】
【氏名】村尾 一真
(72)【発明者】
【氏名】小林 健
(72)【発明者】
【氏名】日暮 立
(72)【発明者】
【氏名】谷塚 太一
(72)【発明者】
【氏名】田渕 義宗
【審査官】齊藤 貴孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-109787(JP,A)
【文献】特開2012-155616(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0132788(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102663001(CN,A)
【文献】南川 敦宣、外1名,発言履歴からの性格推定手法に関する一考察,電子情報通信学会2011年総合大会講演論文集 基礎・境界,日本,社団法人電子情報通信学会,2011年02月28日,p.206
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに配信されるコンテンツの種別に対応するカテゴリ毎に当該カテゴリでの前記ユーザの性格を推定する推定部と、
前記推定部により推定された性格に応じて、前記ユーザに対するコンテンツの配信に関する所定の制御を行う制御部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記推定部は、前記コンテンツの種別として、広告種別のコンテンツである広告コンテンツに対応するカテゴリ毎に当該カテゴリでの前記ユーザの性格を推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記推定部は、ユーザの性格と、当該性格のユーザの行動であって、前記カテゴリに分類される行動との関係性に基づいて、前記カテゴリ毎に当該カテゴリでの処理対象のユーザの性格を推定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記推定部は、各性格のユーザの行動傾向であって、前記カテゴリ毎の当該ユーザの行動傾向に関する特徴情報に基づいて、前記カテゴリ毎に当該カテゴリでの処理対象のユーザの性格を推定する
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記推定部は、前記行動傾向と、前記処理対象のユーザの行動を示す行動情報であって、前記カテゴリ毎の行動情報とを比較することにより、前記カテゴリ毎に当該カテゴリでの処理対象のユーザの性格を推定する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記推定部は、ユーザの性格と、当該性格のユーザの行動であって、前記カテゴリに分類される行動との関係性を学習したモデルに対して、処理対象のユーザの行動を示す行動情報であって、前記カテゴリのうち所定のカテゴリでの行動情報を適用することにより、当該所定のカテゴリでの処理対象のユーザの性格を推定する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記カテゴリのうち所定のカテゴリに属するコンテンツをユーザに配信する場合、配信候補のコンテンツのうち、当該所定のカテゴリでの当該ユーザの性格であって、前記推定部により推定された性格に応じた情報を含むコンテンツを配信対象のコンテンツとして決定する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記カテゴリのうち所定のカテゴリに属するコンテンツをユーザに配信する場合、当該所定のカテゴリでの当該ユーザの性格であって、前記推定部により推定された性格に応じた画像情報を当該コンテンツに表示される表示対象の画像情報として決定する
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記カテゴリのうち所定のカテゴリに属するコンテンツをユーザに配信する場合、当該コンテンツの表示態様を、当該所定のカテゴリでの当該ユーザの性格であって、前記推定部により推定された性格に応じた表示態様へと変更する
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記表示態様として、前記所定のカテゴリに属するコンテンツに含まれる文章の表現を、当該所定のカテゴリでの前記ユーザの性格であって、前記推定部により推定された性格に応じた表現へと変更する
ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記表示態様として、前記所定のカテゴリに属するコンテンツに含まれる文章の文字スタイルを、当該所定のカテゴリでの前記ユーザの性格であって、前記推定部により推定された性格に応じた文字スタイルへと変更する
ことを特徴とする請求項9または10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記表示態様として、前記所定のカテゴリに属するコンテンツに含まれるアイコンの態様を、当該所定のカテゴリでの前記ユーザの性格であって、前記推定部により推定された性格に応じた態様へと変更する
ことを特徴とする請求項9~11のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記コンテンツの入稿元から、前記カテゴリのうち所望するカテゴリ、および、前記推定部による推定される候補の性格のうち所望する性格の指定を受け付ける受付部をさらに有し、
前記制御部は、前記推定部により性格が推定されたユーザのうち、前記入稿元により指定されたカテゴリおよび性格に対応するユーザに対して、前記入稿元により入稿されたコンテンツが配信されるよう制御する
ことを特徴とする請求項1~12のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記推定部により推定された性格であって、第1の期間での前記ユーザの性格に変化が生じたか否かを判定する判定部をさらに有し、
前記制御部は、前記推定部により推定された性格に変化が生じたと判定された場合には、当該性格から変化した変化後の性格に応じて、コンテンツの配信に関する所定の制御を行う
ことを特徴とする請求項1~13のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記判定部は、前記第1の期間より短い期間であって、現在の時間経過に対応する期間である第2の期間において取得された前記ユーザのユーザ情報と、前記推定部により推定された性格との変化の関係性に基づいて、前記推定部により推定された性格に変化が生じたか否かを判定する
ことを特徴とする請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記判定部は、前記ユーザ情報に基づき推定された前記ユーザの性格であって、前記第2の期間での前記ユーザの性格と、前記推定部により推定された性格との変化の関係性に基づいて、前記推定部により推定された性格に変化が生じたか否かを判定する
ことを特徴とする請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
ユーザに配信されるコンテンツの種別に対応するカテゴリ毎に当該カテゴリでの前記ユーザの性格を推定する推定工程と、
前記推定工程により推定された性格に応じて、コンテンツの配信に関する所定の制御を行う制御工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項18】
ユーザに配信されるコンテンツの種別に対応するカテゴリ毎に当該カテゴリでの前記ユーザの性格を推定する推定手順と、
前記推定手順により推定された性格に応じて、コンテンツの配信に関する所定の制御を行う制御手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な情報を利用者に提供する情報提供技術が知られている。このような情報提供技術の一例として、情報提供先となる利用者の属性に応じて、提供対象となる情報を選択する技術が知られている。例えば、特許文献1には、記事からユーザの嗜好に合わせた記事を選択するために記事にタグを付与する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-224622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、ユーザの性格に応じてより最適な情報をユーザに提供することができるとは限らない。例えば、ユーザはファッションのカテゴリでは派手目の表現や製品を好む性格にあるが、家電のカテゴリではスペック重視の表現や製品を好む性格あるといったように、カテゴリ毎に性格が異なる場合があるが、上記の従来技術では、単にユーザの嗜好に応じたコンテンツが提供されるよう制御しているに過ぎず、カテゴリ毎のユーザの性格を判別している訳ではない。このため、上記の従来技術では、ユーザの性格に応じてより最適な情報をユーザに提供することができるとは限らない。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザの性格に応じてより最適な情報をユーザに提供することのできる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願にかかる情報処理装置は、ユーザに配信されるコンテンツの種別に対応するカテゴリ毎に当該カテゴリでの前記ユーザの性格を推定する推定部と、前記推定部により推定された性格に応じて、前記ユーザに対するコンテンツの配信に関する所定の制御を行う制御部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、ユーザの性格に応じてより最適な情報をユーザに提供することができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態にかかる情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態にかかる情報処理装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態にかかるコンテンツ記憶部の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態にかかる情報処理の情報処理手順を示すフローチャートである。
図6図6は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願にかかる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ説明する。なお、この実施形態により本願にかかる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理の一例〕
図1を用いて、実施形態にかかる情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態にかかる情報処理の一例を示す図である。実施形態にかかる情報処理は、図1に示す情報処理装置100によって行われる。
【0011】
図1の説明に先立って、図2を用いて、実施形態にかかる情報処理システムについて説明する。図2は、実施形態にかかる情報処理システム1の構成例を示す図である。実施形態にかかる情報処理システム1は、図2に示すように、端末装置10と、外部装置30と、情報処理装置100とを含む。端末装置10、外部装置30、情報処理装置100は、ネットワークNを介して有線または無線により通信可能に接続される。なお、図2に示す情報処理システム1には、複数台の端末装置10や、複数台の外部装置30や、複数台の情報処理装置100が含まれてよい。
【0012】
端末装置10は、ユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。端末装置10は、ユーザによるインターネット上の行動に応じて、様々な情報処理を実行する。例えば、端末装置10は、表示画面に各種のコンテンツを表示することによりユーザによる閲覧行動を可能にする。また、例えば、端末装置10は、表示画面に各種の商品情報を表示することによりユーザによる購買行動を実現する。もちろん、ユーザによるインターネット上の行動は、閲覧行動や購買行動に限定されるものではない。例えば、インターネット上の行動としては、所定のSNSサイトに対して投稿される文章の入力行動等も挙げられる。
【0013】
外部装置30は、各種サービスを提供するサーバ装置である。例えば、外部装置30は、サービスの数だけ存在するが、本実施形態では、説明を簡単にするために、1台の外部装置30が各種サービスを提供しているものとする。例えば、外部装置30は、ニュース記事等の記事コンテンツが一覧表示されるようなポータルサイトを提供する。また、外部装置30は、例えば、ショッピングサービス、オークションサービス、検索サービス、情報共有サービス、動画配信サービス等の各種サービスを提供する。また、これらサービスに対応するページでは、適宜、広告コンテンツの表示も行われる。また、外部装置30、および、後述する情報処理装置100を管理する事業者は同一であるものとする。したがって、上記の各種サービスは、かかる事業者に運営されるサービスとも言い換えることができる。
【0014】
ここで、実施形態にかかる情報処理が行われるにあたっての前提について説明する。人の性格とは繊細なもので、カテゴリ毎に性格が分かれていることによりカテゴリに応じて好みが異なる場合がある。例えば、同じ人物でも、自分が身に付けるファッション(服装・装飾品など)については外交的な性格が影響して注目が集まりそうな表現や製品に惹かれるが、家の中で使うような家電製品や家具等については真面目な性格が影響してスペック重視された表現やシンプルな形状の製品を好み、また、趣味や冠婚葬祭については不安定な性格が影響して内向的な表現を好むなど、カテゴリ毎の性格に応じて、好みの表現方法等が異なることが考えられる。したがって、カテゴリ毎の性格に合わせて提供するコンテンツを決めたり、カテゴリ毎の性格に合わせてコンテンツの表現を変えることが出来れば、ユーザの性格に応じてより最適な情報を提供することができるようになると考えられる。
【0015】
上記の前提を踏まえて、実施形態にかかる情報処理装置100は、以下の情報処理を行う。具体的には、情報処理装置100は、ユーザに配信されるコンテンツの種別に対応するカテゴリ毎に当該カテゴリでのユーザの性格を推定する。そして、情報処理装置100は、推定したカテゴリ毎の性格に応じて、ユーザに対するコンテンツの配信に関する所定の制御を行う。例えば、情報処理装置100は、コンテンツの種別として、広告種別のコンテンツである広告コンテンツに対応するカテゴリ毎に当該カテゴリでのユーザの性格を推定する。
【0016】
例えば、情報処理装置100は、ユーザの性格と、当該性格のユーザの行動であって、各カテゴリに分類される行動との関係性に基づいて、カテゴリ毎に当該カテゴリでの処理対象のユーザの性格を推定する。例えば、情報処理装置100は、性格毎のユーザの行動傾向であって、カテゴリ毎の当該ユーザの行動傾向に基づいて、前記カテゴリ毎に当該カテゴリでの処理対象のユーザの性格を推定する。例えば、情報処理装置100は、行動傾向と、処理対象のユーザの行動を示す行動情報であって、カテゴリ毎の行動情報とを比較することにより、カテゴリ毎に当該カテゴリでの処理対象のユーザの性格を推定する。
【0017】
ここからは、図1を用いて実施形態にかかる情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態にかかる情報処理の一例を示す図である。図1では、実施形態にかかる情報処理の一例を手順を追って説明する。また、情報処理装置100が有する記憶部についても適宜説明する。
【0018】
まず、情報処理装置100は、サンプルユーザの性格を推定する推定処理を行う(ステップS11)。サンプルユーザとは、後述するモデルや正解データを生成するために情報が利用されるユーザである。また、以下では、サンプルユーザを「Sユーザ」と表記する場合がある。
【0019】
例えば、情報処理装置100は、所定の性格診断手法により、各Sユーザの性格を診断(各Sユーザがどの性格特性であるか診断)し、診断結果を診断結果記憶部121に格納する。例えば、情報処理装置100は、Big5とよばれる性格診断手法を用いて、開放性、真面目さ、外向性、協調性、精神安定性といった5項目の性格特性毎にスコアを算出し、算出したスコアに基づいて、各Sユーザがどの性格特性に最も当てはまるかを診断することができる。例えば、情報処理装置100は、Sユーザのうち、ユーザU1についてBig5を行った結果、開放性で最も高いスコアが得られたとすると、ユーザU1は性格特性「開放的」との診断結果を得る。言い換えれば、情報処理装置100は、ユーザU1は開放的な性格(開放性が高い性格)との診断結果を得る。
【0020】
なお、情報処理装置100は、エコグラムと呼ばれる性格診断手法により、「厳しさ度」、「優しさ度」、「冷静度」、「自由気まま度」、「従順度」といった性格特性のスコアを算出し、算出したスコアに基づいて、各Sユーザがどの性格特性に最も当てはまるかを診断してもよい。また、情報処理装置100は、OKグラムと呼ばれる性格診断手法により、「他者否定性」、「他者肯定性」、「自己否定性」、「自己肯定性」といった性格特性のスコアを算出し、算出したスコアに基づいて、各Sユーザがどの性格特性に最も当てはまるかを診断してもよい。
【0021】
また、このような性格診断結果は、例えば、予め各Sユーザに対していくつかの質問を行い、質問に対する回答に基づき得られた情報であってもよい。また、このような性格診断結果は、例えば、占いサイトやお見合いサイト等、Sユーザに対して提供された各種サービスにおける利用履歴から推定されたものであってもよい。本実施形態では、Big5に基づく性格診断結果を例に説明することにする。
【0022】
診断結果記憶部121は、各Sユーザに対する性格診断で得られた性格診断結果を記憶する。図1の例では、診断結果記憶部121は、「性格特性」、「ユーザID」といった項目を有する。「性格特性」は、Big5での診断結果で得られる性格特性の候補を示す。「性格特性」には、開放的、真面目、外向的、協調的、精神不安定といった5項目が存在する。「ユーザID」は、対応する「性格特性」に属するSユーザを識別する識別情報を示す。
【0023】
図1に示す診断結果記憶部121の例では、性格特性「開放的」に対して、ユーザID「U1、U3、U5」等が対応付けられている。かかる例は、情報処理装置100が、Big5により、ユーザU1、ユーザU3、ユーザU5に対して性格特性「開放的」との診断結果を得たことを示す。つまり、ユーザU1、U3、U5は、「開放的な性格」との診断結果が得られたことを示す。
【0024】
次に、情報処理装置100は、広告カテゴリ毎に、当該広告カテゴリに分類されるSユーザの行動履歴であって、性格特性毎のSユーザの行動履歴を振り分け、振り分けた結果を分析結果記憶部122に格納する(ステップS12)。ここで、コンテンツの種別としては、広告コンテンツ、記事コンテンツ、動画コンテンツ等の様々なものが存在するが、本実施形態では、コンテンツの種別として広告コンテンツを一例として挙げることにする。このため、広告カテゴリとは、例えば、どのようなカテゴリの内容を広告するものであるのかその分類を示すものである。例えば、広告カテゴリは、広告コンテンツに対して割り振られるカテゴリであって、「ファッション」、「家電」、「食品」、「生活雑貨」、「冠婚葬祭」等の様々なものが存在する。このため、例えば、広告カテゴリ「ファッション」に分類されるSユーザの行動履歴というのは、衣類や装飾品等ファッションに関するコンテンツを閲覧する、衣類や装飾品等ファッションに関する広告コンテンツを選択する、衣類や装飾品等ファッションに関する商品を検索する、衣類や装飾品等ファッションに関する商品を購入する等の各種行動履歴が挙げられる。その他のカテゴリについても同様のことがいえるため省略する。
【0025】
ステップS12の説明に戻る。例えば、情報処理装置100は、広告カテゴリ毎に、当該広告カテゴリに分類されるSユーザの行動履歴であって、性格特性毎のSユーザのネット上での各種行動を示す行動履歴を振り分ける。この点について、図1に示す分析結果記憶部122の例を用いて説明する。
【0026】
分析結果記憶部122は、性格特性と、当該性格特性のSユーザが行った行動との関係性が分析された分析結果に関する情報をさらに記憶するが、かかる分析処理については、ステップS13で詳細に説明する。
【0027】
図1の例では、分析結果記憶部122は、「性格特性」、「広告カテゴリ」、「行動履歴」、「行動傾向」といった項目を有する。「行動傾向」についてはステップS13の内容と絡めて説明する。「性格特性」は、Big5での性格診断での診断結果で得られる性格特性の候補を示す。「広告カテゴリ」は、広告コンテンツに対して割り振られるカテゴリを示す。
【0028】
「行動履歴」は、各性格特性のSユーザのインターネット上での行動であって、各広告カテゴリに分類される(応じた)行動を示す行動情報の履歴を示す。インターネット上での行動としては、コンテンツの閲覧履歴、選択履歴、検索履歴、購買(購入)履歴等が挙げられるが、もちろんこれだけに限定されない。また、例えば、「行動履歴」を「閲覧履歴」とすると、例えば、性格特性「開放的」および広告カテゴリ「ファッション」に対応する「閲覧履歴」は、性格特性「開放的」のユーザが、衣類や装飾品等ファッションに関するコンテンツとして、どのようなコンテンツを閲覧したかを示す履歴情報を示す。この一例として、かかる「閲覧履歴」は、閲覧されたコンテンツのURL、閲覧されたコンテンツの見出し文や詳細文の文字列(テキスト)を含む閲覧履歴である。図1に示す分析結果記憶部122では、情報処理装置100は、性格特性「開放的」に対応する「行動履歴」に対して、AcDA11、AcDA32、AcDA43等を振り分けている。かかる例は、例えば、開放的な性格のユーザは、AcDA11、AcDA32、AcDA43等で示されるコンテンツを閲覧した例を示す。
【0029】
次に、情報処理装置100は、性格特性と、当該性格特性のサンプルユーザの行動であって、各広告カテゴリに分類される行動との関係性を分析する(ステップS13)。例えば、情報処理装置100は、分析結果記憶部122に記憶される履歴情報(各性格特性に対応する広告カテゴリ毎の履歴情報)に基づいて、各性格特性のSユーザの行動傾向であって、広告カテゴリ毎のSユーザの行動傾向を分析する。例えば、情報処理装置100は、履歴情報に基づいて、各性格特性のSユーザは広告カテゴリ毎にどのような文字列(単語や表現)を好む傾向にあるか、どのような商品を閲覧、検索、購入する傾向にあるかといった行動傾向を分析する。そして、情報処理装置100は、分析結果として得られた「行動傾向」を示す情報を分析結果記憶部122に格納する。
【0030】
なお、行動傾向は、どのような文字列(単語や表現)を好む傾向にあるかといった観点から、その文字列を示す特徴語であってもよい。具体的には、行動傾向は、対応する性格特性のSユーザに閲覧されたコンテンツ中に頻出する単語や表現、すなわち特徴語であってもよい。例えば、情報処理装置100は、相互情報量という指標を用いた分析処理を行うことができる。例えば、情報処理装置100は、閲覧されたコンテンツに含まれる言葉と、当該コンテンツを閲覧したSユーザの性格特性との間での相互情報量を算出し、算出した相互情報量が所定値以上の言葉を、当該性格特性に応じた特徴語として分類する。例えば、情報処理装置100は、閲覧されたコンテンツから単語や頻出する表現等といった文字列を抽出し、抽出した文字列と性格特性との間の相互情報量を計算する。そして、情報処理装置100は、相互情報量の値が高い方から順に所定の数の特徴語をその性格特性に応じた特徴語として分類(選択)する。
【0031】
また、情報処理装置100は、ステップS13での分析結果(分類結果)を用いて、性格特性が未知のユーザであって、Big5用の回答も得られていないような未知ユーザについて、性格特性を推定するためのモデルを生成し、生成したモデルも分析結果として分析結果記憶部122に格納しておくこともできる。
【0032】
例えば、情報処理装置100は、性格特性と当該性格特性に対応する広告カテゴリ毎の行動履歴との関係性を学習することにより、所定の広告カテゴリでの未知ユーザの行動を示す行動情報が入力された場合に、所定のカテゴリでの未知ユーザの性格特性を示す情報を出力するモデルを生成することができる。この一例として、例えば、情報処理装置100は、性格特性と、当該性格特性に対応する広告カテゴリ毎の特徴語との関係性を学習することにより、未知ユーザの所定の広告カテゴリでの行動情報が入力された場合に、この未知ユーザの所定のカテゴリでの性格特性を示す情報を出力するモデルを生成することができる。例えば、情報処理装置100は、所定の広告カテゴリでの行動履歴によって示される特徴語をモデルに入力した際に、その特徴語と対応する性格特性を示す情報を出力するように、バックプロパゲーション等の技術を用いてモデルの学習を行うことでモデルを生成する。なお、情報処理装置100は、性格特性毎に、入力された特徴語と当該性格特性とが対応する確度を示すスコアを出力するようなモデルの学習を行ってもよい。
【0033】
図1に示す分析結果記憶部122では、情報処理装置100は、例えば、性格特性「開放的」および広告カテゴリ「ファッション」に対応する「行動履歴」に対して、FE11、FE32を入力している。かかる例は、開放的な性格のユーザは、FE11やFE32で示される行動を起こす傾向にある例を示す。さらにいうなら、かかる例は、開放的な性格のユーザは、FE11やFE32で示される文字列(例えば、単語、表現等)を好む傾向にある例を示す。
【0034】
次に、情報処理装置100は、処理対象のユーザの行動を示す行動情報を取得し、この行動が属する広告カテゴリに対してこの行動の行動情報を振り分ける(ステップS14)。処理対象のユーザとは、この後、広告カテゴリ毎の性格特性が推定され、推定結果に応じてコンテンツ配信に関する制御が行われる対象のユーザである。図1の例では、処理対象のユーザとして、ユーザUx1を例に用いることにする。また、ユーザUx1は、Big5での性格診断が行われておらず現時点で性格が未知な未知ユーザである。したがって、情報処理装置100は、ユーザUx1の行動情報を例えば外部装置30から取得し、どの行動がどの広告カテゴリに属するかを判定することで、広告カテゴリに対して行動情報を振り分ける。また、情報処理装置100は、振り分けた結果をユーザ情報記憶部123に格納する。
【0035】
図1の例では、ユーザ情報記憶部123は、「ユーザID」、「広告カテゴリ」、「行動情報」、「推定結果」といった項目を有する。「推定結果」についてはステップS15の内容と絡めて説明する。「ユーザID」は、処理対象のユーザを識別する識別情報を示す。「広告カテゴリ」は、広告コンテンツに対して割り振られるカテゴリを示す。すなわち、図1に示すユーザ情報記憶部123では、情報処理装置100が、ユーザUx1の行動情報を取得し、取得した行動情報が示す行動の中に、広告カテゴリ「ファッション」に分類される行動を示す行動情報FE11が存在していたことにより、広告カテゴリ「ファッション」に対して行動情報FE11を振り分けた例を示す。
【0036】
次に、情報処理装置100は、処理対象ユーザ(図1の例では、ユーザUx1)の行動情報(ユーザ情報記憶部123に記憶される行動情報)であって、広告カテゴリ毎の行動情報と、分析結果記憶部122に記憶される行動傾向とのマッチング(比較)により、広告カテゴリ毎に、当該広告カテゴリでの処理対象のユーザの性格特性を推定する(ステップS15)。また、情報処理装置100は、推定結果である性格特性をユーザ情報記憶部123に格納する。
【0037】
ユーザUx1について、ユーザ情報記憶部123の「行動情報」と、分析結果記憶部122の「行動傾向」とを比較した場合、ユーザ情報記憶部123の例によると、ユーザUx1は広告カテゴリ「ファッション」に分類される行動として、行動情報FE11に示される行動を行っている。また、分析結果記憶部122によると、行動情報FE11に示される行動と一致(または類似)する行動を示す行動情報FE11が、性格特性「開放的」に対応付けられた広告カテゴリ「ファッション」での行動傾向として格納されている。そして、かかる例は、ユーザUx1が、性格特性「開放的」のユーザがファッションの分野で好む傾向にある表現を好んでいたり、性格特性「開放的」のユーザがファッションの分野で起こす傾向にある行動を取っていることを示す。このようなことから、情報処理装置100は、ユーザUx1について、広告カテゴリ「ファッション」での性格特性として「開放的」を推定する。そして、情報処理装置100は、ユーザ情報記憶部123において、ユーザID「Ux1」、広告カテゴリ「ファッション」、行動情報「FE11」に対応する「推定結果」として「開放的」を入力する。
【0038】
また、ユーザ情報記憶部123の例によると、ユーザUx1は広告カテゴリ「家電」に分類される行動として、行動情報FE47に示される行動を行っている。また、分析結果記憶部122によると、行動情報FE47に示される行動と一致(または類似)する行動を示す行動情報FE47が、性格特性「真面目」に対応付けられた広告カテゴリ「家電」での行動傾向として格納されている。そして、かかる例は、ユーザUx1が、性格特性「真面目」のユーザが家電の分野で好む傾向にある表現を好んでいたり、性格特性「開放的」のユーザが家電の分野で起こす傾向にある行動を取っていることを示す。このようなことから、情報処理装置100は、ユーザUx1について、広告カテゴリ「家電」での性格特性として「真面目」を推定する。そして、情報処理装置100は、ユーザ情報記憶部123において、ユーザID「Ux1」、広告カテゴリ「家電」、行動情報「FE47」に対応する「推定結果」として「真面目」を入力する。
【0039】
また、ユーザ情報記憶部123の例によると、ユーザUx1は広告カテゴリ「冠婚葬祭」に分類される行動として、行動情報FE77に示される行動を行っている。また、分析結果記憶部122によると、行動情報FE77に示される行動と一致(または類似)する行動を示す行動情報FE77が、性格特性「精神不安定」に対応付けられた広告カテゴリ「冠婚葬祭」での行動傾向として格納されている。そして、かかる例は、ユーザUx1が、性格特性「精神不安定」のユーザが冠婚葬祭の分野で好む傾向にある表現を好んでいたり、性格特性「精神不安定」のユーザが冠婚葬祭の分野で起こす傾向にある行動を取っていることを示す。このようなことから、情報処理装置100は、ユーザUx1について、広告カテゴリ「冠婚葬祭」での性格特性として「精神不安定」を推定する。そして、情報処理装置100は、ユーザ情報記憶部123において、ユーザID「Ux1」、広告カテゴリ「冠婚葬祭」、行動情報「FE77」に対応する「推定結果」として「精神不安定」を入力する。
【0040】
次に、情報処理装置100は、推定した性格特性に応じて、処理対象のユーザであるユーザUx1に対するコンテンツの配信に関する所定の制御を行う。図1の例では、コンテンツは、広告コンテンツであるものとして説明するが、コンテンツは広告コンテンツに限定されない。例えば、広告コンテンツは記事コンテンツであってもよいし、画像コンテンツであってもよい。例えば、情報処理装置100は、所定の制御として、図1に示すような5つの制御処理を行うことができる。もちろん、情報処理装置100は、これ以外の情報処理を行うこともできる。
【0041】
1つ目の制御処理について説明する。情報処理装置100は、広告カテゴリのうち所定の広告カテゴリに属する広告コンテンツをユーザUx1に配信する場合、配信候補のコンテンツのうち、当該所定のカテゴリでのユーザUx1の性格特性に応じた対象に関する情報を含む広告コンテンツを配信対象のコンテンツとして決定する。例えば、情報処理装置100は、広告カテゴリ「家電」に属する広告コンテンツをユーザUx1に配信するとする。また、情報処理装置100は、ステップS15での推定処理において、広告カテゴリ「家電」でのユーザUx1の性格特性として「真面目」を推定しているものとする。
【0042】
ここで、広告カテゴリ「家電」において「真面目」ということから、このような性格特性の人物は家電に関してはスペック重視の表現を好む傾向にあることが判明しているとする。かかる場合、情報処理装置100は、広告カテゴリ「家電」に属する広告コンテンツのうち、スペックの詳細情報(性格に応じた情報の一例)が記載された広告コンテンツをユーザUx1に対する配信対象の広告コンテンツとして決定する。
【0043】
また、広告カテゴリ「家電」において「真面目」ということから、このような性格特性の人物は家電に関してはシンプルな作りの製品を好む傾向にあることが判明しているとする。かかる場合、情報処理装置100は、広告カテゴリ「家電」に属する広告コンテンツのうち、シンプルな家電に関する情報(性格に応じた情報の一例)が記載された広告コンテンツをユーザUx1に対する配信対象の広告コンテンツとして決定する。
【0044】
2つ目の制御処理について説明する。情報処理装置100は、広告カテゴリのうち所定の広告カテゴリに属する広告コンテンツをユーザUx1に配信する場合、当該所定の広告カテゴリでのユーザUx1の性格特性に応じた画像情報を当該広告コンテンツに表示される表示対象の画像情報として決定する。例えば、情報処理装置100は、広告カテゴリ「家電」に属する広告コンテンツコンテンツのうち、広告コンテンツAD1をユーザUx1に配信する配信対象の広告コンテンツとして決定しているとする。また、情報処理装置100は、ステップS15での推定処理において、広告カテゴリ「家電」でのユーザUx1の性格特性として「真面目」を推定しているものとする。
【0045】
ここで、広告カテゴリ「家電」において「真面目」ということから、このような性格特性の人物は家電に関してはシンプルな見た目を好む傾向にあることが判明しているとする。かかる場合、情報処理装置100は、シンプルな見た目の画像情報を広告コンテンツに表示される表示対象の画像情報として決定する。例えば、広告コンテンツAD1の入稿元(広告主)が、広告コンテンツAD1に表示される表示候補の画像情報を複数入稿しているとする。そうすると、情報処理装置100は、候補の画像情報の中からシンプルな見た目の画像情報を広告コンテンツに表示される表示対象の画像情報として決定する。
【0046】
3つ目の制御処理について説明する。情報処理装置100は、広告カテゴリのうち所定の広告カテゴリに属する広告コンテンツをユーザUx1に配信する場合、当該所定のコンテンツの表示態様を、当該所定のカテゴリでのユーザUx1の性格特性に応じた表示態様へと変更する。例えば、情報処理装置100は、表示態様として、所定の広告カテゴリに属する広告コンテンツに含まれる文章の表現を、当該所定の広告カテゴリでの当該ユーザの性格特性に応じた表現へと変更する。また、情報処理装置100は、表示態様として、所定の広告カテゴリに属する広告コンテンツに含まれる文章の文字スタイルを、当該所定の広告カテゴリでの当該ユーザの性格特性に応じた文字スタイルへと変更する。
【0047】
例えば、情報処理装置100は、広告カテゴリ「ファッション」に属する広告コンテンツコンテンツのうち、広告コンテンツAD2をユーザUx1に配信する配信対象の広告コンテンツとして決定しているとする。また、情報処理装置100は、ステップS15での推定処理において、広告カテゴリ「ファッション」でのユーザUx1の性格特性として「外交的」を推定しているものとする。
【0048】
ここで、広告カテゴリ「ファッション」において「外交的」ということから、このような性格特性の人物はファッションに関しては他人からの注目を好む傾向にあることが判明しているとする。かかる場合、情報処理装置100は、広告コンテンツAD2に含まれる文章の表現を、性格特性「外交的」に応じた表現へと変更する。例えば、情報処理装置100は、広告コンテンツAD2に含まれる文章に対して「皆の目はくぎ付け」等といった文章を追加する、あるいは、広告コンテンツAD2に含まれる文章の一部を「皆の目はくぎ付け」等といった文章に置き換えることにより、元の文章の表現を外交的な人物が好みそうな表現に変更する。なお、情報処理装置100は、性格特性毎に当該性格特性の人物が好む文章をテンプレートとして保持しておくことにより上記のような変更を行うことができる。また、情報処理装置100は、ファッションに関しては他人からの注目を好む傾向にあるとのことから、広告コンテンツAD2に含まれる文章のうち、例えば、キーワードとなる単語をボールド体にしたり、広告コンテンツAD2に含まれる文章に対して絵文字を多用する等の変更を行ってもよい。
【0049】
4つ目の制御処理について説明する。情報処理装置100は、広告カテゴリのうち所定の広告カテゴリに属するコンテンツをユーザUx1に配信する場合、当該広告コンテンツに含まれるアイコンの表示態様を、当該所定の広告カテゴリでのユーザUx1の性格特性に応じた表示態様へと変更する。例えば、情報処理装置100は、広告カテゴリ「ファッション」に属する広告コンテンツコンテンツのうち、広告コンテンツAD2をユーザUx1に配信する配信対象の広告コンテンツとして決定しているとする。また、情報処理装置100は、ステップS15での推定処理において、広告カテゴリ「ファッション」でのユーザUx1の性格特性として「外交的」を推定しているものとする。
【0050】
かかる場合、情報処理装置100は、広告コンテンツAD2に含まれるアイコンの表示態様を、性格特性「外交的」に応じた表示態様へと変更する。例えば、情報処理装置100は、広告コンテンツAD2に含まれるアイコンの色度を制御することにより、かかるアイコンの色合いがより目立つ色合いとなるよう調整する。
【0051】
5つ目の制御処理について説明する。情報処理装置100は、広告コンテンツの入稿元(広告主)から、広告カテゴリの候補のうち所望する広告カテゴリ、および、性格特性の候補のうち所望する性格特性の指定を受け付ける。そして、情報処理装置100は、性格特性が推定されたユーザのうち、入稿元により指定された広告カテゴリおよび性格特性に対応するユーザに対して、入稿元により入稿された広告コンテンツが配信されるよう制御する。例えば、情報処理装置100は、広告主C3から広告コンテンツAD3の入稿を受け付けているものとする。また、情報処理装置100は、広告主C3から広告カテゴリ「ファッション」および性格特性「開放的」の指定を受け付けているとする。そして、このような指定は、広告主C3が、広告カテゴリ「ファッション」において性格特性「開放的」のユーザに対して広告コンテンツAD3を配信するよう指定していることを示す。したがって、かかる例では、情報処理装置100は、広告カテゴリ「ファッション」において性格特性「開放的」のユーザを広告コンテンツAD3の配信先と定める。そして、情報処理装置100は、このようなユーザに広告コンテンツAD3が配信されるよう制御する。
【0052】
さて、これまで図1を用いて説明してきたように、実施形態にかかる情報処理装置100は、ユーザに配信されるコンテンツの種別に対応するカテゴリ毎に当該カテゴリでのユーザの性格を推定し、推定した性格に応じて、ユーザに対するコンテンツの配信に関する所定の制御を行う。例えば、人の性格というのは、長期的に見れば一様なものであるが、ファッション分野では開放的、家電分野では真面目といったように嗜好性等の影響を受ける場合があるため、カテゴリ毎に細分化することができる。実施形態にかかる情報処理装置100は、このように細分化された性格それぞれに応じてコンテンツ配信に関する制御を行うため、性格毎に当該性格に最適な情報を提供することができる。
【0053】
〔2.情報処理バリエーションについて〕
上記実施形態にかかる情報処理装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報処理装置100の他の実施形態について説明する。
【0054】
人の性格はその人の人間性の形成に寄与するものであるため、長期的には変化することの無い一様なものと解釈できる。一方で、人は、会話している最中、あるいは、運転している最中等に、周りの状況に応じて、性格が一時的に変化する場合がある。例えば、普段は明るく開放的な性格である人も、会話の中で嫌な出来事を思い出したりすると、一時的に精神不安定な性格に変わってしまう場合がある。このような前提のもと、ユーザUx1の例を用いてより具体的に説明する。ユーザUx1は、広告カテゴリ「ファッション」では性格特性「開放的」と推定されているとする。しかし、ユーザUx1は、広告カテゴリ「ファッション」において常に一様な性格特性であるとは限らない。つまり、ユーザUx1は、広告カテゴリ「ファッション」では常に開放的な性格であるとは限らない。
【0055】
例えば、ユーザUx1は、所定の対話エージェントシステムと対話しているとする。ユーザUx1は、普段は開放的な性格(長期的な性格)のためファッション分野では明るい表現や派手な製品を好むにも拘らず、対話の中でファッションに関する嫌な出来事を思い出してしまったことにより、気持ちが落ち込み一時的に性格に変化が生じ(短期的な性格)、控えめな表現や製品の方に注目するようになる場合がある。また、ユーザUx1は、ファッションに関する話題でこれ以上対話したくないと考えるようになるかもしれない。このようなとき、対話エージェントシステムが、ファッションに関する明るめの話題を提供したり、ファッションに関する話題での会話を継続したりするとユーザUx1は気分を害する可能性がある。また、一時的に性格に変化が生じ、控えめな表現や製品の方に注目するようになったタイミングで、表現や派手な製品の広告コンテンツが配信されたとしても、ユーザUx1がそのような広告コンテンツに興味を示す可能性は低い。
【0056】
一方で、変化後の性格にも対応した出力制御を対話エージェントシステムに対して行ったり、変化後の性格にも対応したコンテンツ配信に関する制御を行うことが出来れば、ユーザに対する満足度をより高めることができるようになると考えられる。
【0057】
以上の前提を踏まえて、実施形態にかかる情報処理装置100は、長期的な性格に応じた制御であって、コンテンツの配信に関する所定の制御(例えば、図1のステップS16で説明した制御処理)を行うだけでなく、性格の変化に応じた情報の制御も行う。すなわち、情報処理装置100は、長期的な性格から短期的な性格へと一時的に変化したことを検知すると、変化後の性格に応じてユーザに対するコンテンツの配信に関する所定の制御を行う。この点まとめると、情報処理装置100は、処理対象のユーザについて、ステップS16で推定した広告カテゴリでの性格特性であって、第1の期間での性格特性(長期的な性格)のうちの少なくともいずれか1つの性格特性に変化が生じたか否かを判定する。そして、情報処理装置100は、推定した性格特性に変化が生じたと判定した場合には、当該性格特性から変化した変化後の性格特性に応じて、コンテンツの配信に関する所定の制御を行う。
【0058】
例えば、情報処理装置100は、第1の期間より短い期間であって、現在の時間経過に対応する期間である第2の期間において取得されたユーザのユーザ情報と、各広告カテゴリでの性格特性との変化の関係性に基づいて、各広告カテゴリでの性格特性のいずれかに変化が生じたか否かを判定する。例えば、情報処理装置100は、ユーザ情報に基づき推定されたユーザの性格特性であって、第2の期間でのユーザの性格特性と、各広告カテゴリでの性格特性との変化の関係性に基づいて、広告カテゴリでの性格特性のいずれかに変化が生じたか否かを判定する。
【0059】
そして、情報処理装置100は、各カテゴリでの性格に変化が生じたと判定した場合には、変化後の性格に応じて、ユーザの発話入力に対する対話エージェントシステムの応答に関する応答制御を行う。例えば、情報処理装置100は、変化後の性格に応じて、対話エージェントシステムによる応答の応答態様を制御する。
【0060】
また、情報処理装置100は、性格特性に変化が生じたと判定した場合には、配信候補のコンテンツのうち変化後の性格特性に応じたコンテンツを、ユーザに配信される配信対象のコンテンツとして決定する。また、情報処理装置100は、配信候補のコンテンツの中から決定された配信対象のコンテンツの表示態様を変化後の性格特性に応じて制御する。これにより、情報処理装置100は、性格の一時的な変化に応じた情報の出し分けを実現することができる。また、この結果、情報処理装置100は、ユーザの満足度を高めることができる。
【0061】
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、図3を用いて、実施形態にかかる情報処理装置100について説明する。図3は、実施形態にかかる情報処理装置100の構成例を示す図である。図3に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。例えば、情報処理装置100は、図1で説明した情報処理を行うサーバ装置である。
【0062】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、端末装置10、対話システム20、外部装置30との間で情報の送受信を行う。
【0063】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、診断結果記憶部121と、分析結果記憶部122と、ユーザ情報記憶部123と、コンテンツ記憶部124とを有する。診断結果記憶部121、分析結果記憶部122、ユーザ情報記憶部123については図1で説明済みであるため、ここでの説明は省略する。
【0064】
(コンテンツ記憶部124について)
コンテンツ記憶部124は、コンテンツに関する各種情報を記憶する。本実施形態では、コンテンツ記憶部124は、広告コンテンツに関する各種情報を記憶するものとする。ここで、図4に実施形態にかかるコンテンツ記憶部124の一例を示す。図4の例では、コンテンツ記憶部124は、「広告主ID」、「広告ID」、「広告コンテンツ」、「ターゲティング条件」といった項目を有する。また、「ターゲティング条件」には、「広告カテゴリ」および「性格特性」といった項目が含まれる。
【0065】
「広告主ID」は、広告主を識別する情報を示す。「広告ID」は、対応する「広告主ID」によって識別される広告主によって入稿された広告コンテンツを識別する識別情報を示す。「広告コンテンツ」は、入稿された広告コンテンツそのもの、つまり広告データを示す。広告コンテンツは、広告文を含むテキスト情報であってもよいし、広告画像や広告動画であってもよい。
【0066】
「ターゲティング条件」は、広告コンテンツが配信されるユーザを絞り込むための条件情報を示す。そして、「ターゲティング条件」には、「広告カテゴリ」および「性格特性」が含まれる。これは、どのような広告カテゴリにおいてどのような性格特性にあるユーザを、広告コンテンツの配信先として絞り込ませるかを条件付けるものである。
【0067】
図4の例では、広告主ID「C1」によって識別される広告主(広告主C1)が、広告ID「AD1」によって識別される広告コンテンツ(広告コンテンツAD1)を入稿している例を示す。また、図4の例では、広告コンテンツAD1は、データDA1で示される広告コンテンツである例を示す。また、図4の例では、広告主C1が、広告カテゴリ「ファッション」において性格特性「開放的」のユーザに絞り込んで広告コンテンツAD1を配信するよう指定していることを示す。
【0068】
(制御部130について)
制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0069】
図3に示すように、制御部130は、取得部131と、推定部132と、分析部133と、入稿受付部134と、配信制御部135と、判定部136とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0070】
(取得部131について)
取得部131は、各種情報を取得する。例えば、取得部131は、外部装置30からユーザの行動履歴を取得する。例えば、取得部131は、行動履歴として、発話履歴やネット上での行動履歴を取得する。
【0071】
また、取得部131は、推定部132により推定された性格特性を示す情報や、分析部133による分析結果を取得する。例えば、診断結果記憶部121に記憶される性格特性(診断結果)が情報処理に利用される際には、取得部131は、診断結果記憶部121から処理に必要な情報を取得し、対応する処理部へと送信する。また、例えば、分析結果記憶部122に記憶される分析結果が情報処理に利用される際には、取得部131は、分析結果記憶部122から処理に必要な情報を取得し、対応する処理部へと送信する。また、例えば、ユーザ情報記憶部123に記憶される推定結果が情報処理に利用される際には、取得部131は、ユーザ情報記憶部123から処理に必要な情報を取得し、対応する処理部へと送信する。
【0072】
(推定部132について)
推定部132は、ユーザの性格を推定する。例えば、所定の性格診断手法(Big5、エコグラム、OKグラム等)で性格特性を診断するのに必要な情報が揃っているユーザ、すなわちサンプルユーザについては、かかる情報を用いて、所定の性格診断手法により性格特性を推定する。また、推定部132は、所定の性格診断手法での診断結果を診断結果記憶部121に格納する。
【0073】
また、推定部132は、ユーザに配信されるコンテンツの種別に対応するカテゴリ毎に当該カテゴリでのユーザの性格を推定する。例えば、推定部132は、コンテンツの種別として、広告種別のコンテンツである広告コンテンツに対応するカテゴリ毎に当該カテゴリでのユーザの性格を推定する。例えば、推定部132は、ユーザの性格と、当該性格のユーザの行動であって、各カテゴリに分類される行動との関係性に基づいて、カテゴリ毎に当該カテゴリでの処理対象のユーザの性格を推定する。
【0074】
この一例として、推定部132は、各性格のユーザの行動傾向であって、広告カテゴリ毎の当該ユーザの行動傾向に関する特徴情報に基づいて、広告カテゴリ毎に当該カテゴリでの処理対象のユーザの性格を推定する。例えば、推定部132は、行動傾向と、処理対象のユーザの行動を示す行動情報であって、広告カテゴリ毎の行動情報とを比較することにより、広告カテゴリ毎に当該広告カテゴリでの処理対象のユーザの性格を推定する。行動傾向や特徴情報の分析は、後述する分析部133によって行われる。
【0075】
また、図1の例によると、推定部132は、処理対象ユーザの行動情報(ユーザ情報記憶部123に記憶される行動情報)であって、広告カテゴリ毎の行動情報と、分析結果記憶部122に記憶される行動傾向とのマッチング(比較)により、広告カテゴリ毎に、当該広告カテゴリでの処理対象のユーザの性格特性を推定する。また、推定部132は、推定結果である性格特性をユーザ情報記憶部123に格納する。
【0076】
また、他の一例としては、推定部132は、ユーザの性格と、当該性格のユーザの行動であって、各カテゴリに分類される行動との関係性を学習したモデルに対して、処理対象のユーザの行動を示す行動情報であって、カテゴリのうち所定のカテゴリでの行動情報を適用することにより、当該所定のカテゴリでの処理対象のユーザの性格を推定する。かかるモデルの生成は、後述する分析部133によって行われる。また、上記の点から、推定部132は、例えば、図1で説明したステップS11、S15の処理を行う。
【0077】
(分析部133について)
分析部133は、性格特性と、当該性格特性のSユーザの行動であって、各カテゴリに分類される行動との関係性を分析する。例えば、分析部133は、分析結果記憶部122に記憶される行動履歴に基づいて、各性格特性のSユーザの行動傾向であって、カテゴリ毎のSユーザの行動傾向を分析する。例えば、分析部133は、行動履歴に基づいて、各性格特性のSユーザはカテゴリ毎にどのような文字列(単語や表現)を好む傾向にあるか、どのような商品を閲覧、検索、購入する傾向にあるかといった行動傾向を分析する。
【0078】
ここで、行動傾向は、どのような文字列(単語や表現)を好む傾向にあるかといった観点から、その文字列を示す特徴語であってもよい。具体的には、行動傾向は、対応する性格特性のSユーザに閲覧されたコンテンツ中に頻出する単語や表現、すなわち特徴語であってもよい。そうすると、このような特徴語を抽出するために、分析部133は、相互情報量という指標を用いた分析処理を行うことができる。例えば、分析部133は、閲覧されたコンテンツに含まれる言葉と、当該コンテンツを閲覧したSユーザの性格特性との間での相互情報量を算出し、算出した相互情報量が所定値以上の言葉を、当該性格特性に応じた特徴語として分類する。例えば、分析部133は、閲覧されたコンテンツから単語や頻出する表現等といった文字列を抽出し、抽出した文字列と性格特性との間の相互情報量を計算する。そして、分析部133は、相互情報量の値が高い方から順に所定の数の特徴語をその性格特性に応じた特徴語として分類(選択)する。
【0079】
また、分析部133は、上記分析結果(例えば、特徴語)を用いて、性格特性が未知のユーザであって、Big5用の回答も得られていないような未知ユーザについて、性格特性を推定するためのモデルを生成し、生成したモデルも分析結果として分析結果記憶部122に格納しておくこともできる。
【0080】
例えば、分析部133は、性格特性と当該性格特性に対応するカテゴリ毎の行動履歴との関係性を学習することにより、所定の広告カテゴリでの未知ユーザの行動を示す行動情報が入力された場合に、所定の広告カテゴリでの未知ユーザの性格特性を示す情報を出力するモデルを生成することができる。この一例として、例えば、分析部133は、性格特性と、当該性格特性に対応する広告カテゴリ毎の特徴語との関係性を学習することにより、未知ユーザの所定の広告カテゴリでの行動情報が入力された場合に、この未知ユーザの所定の広告カテゴリでの性格特性を示す情報を出力するモデルを生成することができる。例えば、分析部133は、所定の広告カテゴリでの行動履歴によって示される特徴語をモデルに入力した際に、その特徴語と対応する性格特性を示す情報を出力するように、バックプロパゲーション等の技術を用いてモデルの学習を行うことでモデルを生成する。このようなことから、分析部133は、例えば、図1で説明したステップS12、S13の処理を行う。
【0081】
(入稿受付部134について)
入稿受付部134は、コンテンツの入稿を受け付ける。また、入稿受付部134は、コンテンツ配信に関する条件情報の指定を受け付ける。例えば、入稿受付部134は、広告主から広告コンテンツの入稿を受け付けるとともに、ターゲティング条件の指定を受け付ける。また、入稿受付部134は、受け付けた情報をコンテンツ記憶部124に格納する。つまり、入稿受付部134は、コンテンツの入稿元から、広告カテゴリのうち所望するカテゴリ、および、推定部132による推定される候補の性格特性のうち所望する性格特性の指定を受け付ける。
【0082】
(配信制御部135について)
配信制御部135は、推定部132により推定された性格特性に応じて、ユーザに対するコンテンツの配信に関する所定の制御を行う。例えば、配信制御部135は、カテゴリのうち所定のカテゴリに属するコンテンツをユーザに配信する場合、配信候補のコンテンツのうち、当該所定のカテゴリでの当該ユーザの性格特性であって、推定部132により推定された性格特性に応じた情報を含むコンテンツを配信対象のコンテンツとして決定する。また、例えば、配信制御部135は、カテゴリのうち所定のカテゴリに属するコンテンツをユーザに配信する場合、当該所定のカテゴリでの当該ユーザの性格であって、推定部132により推定された性格に応じた画像情報を当該コンテンツに表示される表示対象の画像情報として決定する。
【0083】
また、例えば、配信制御部135は、カテゴリのうち所定のカテゴリに属するコンテンツをユーザに配信する場合、当該コンテンツの表示態様を、当該所定のカテゴリでの当該ユーザの性格特性であって、推定部132により推定された性格特性に応じた表示態様へと変更する。例えば、配信制御部135は、所定のカテゴリに属するコンテンツに含まれる文章の表現を、当該所定のカテゴリでのユーザの性格特性に応じた表現へと変更する。また、例えば、配信制御部135は、所定のカテゴリに属するコンテンツに含まれる文章の文字スタイルを、当該所定のカテゴリでのユーザの性格特性に応じた文字スタイルへと変更する。また、例えば、配信制御部135は、所定のカテゴリに属するコンテンツに含まれるアイコンの態様を、当該所定のカテゴリでのユーザの性格特性に応じた態様へと変更する。
【0084】
また、配信制御部135は、上記のように制御したコンテンツがユーザ(処理対象のユーザ)に配信されるよう配信制御も行うことができる。
【0085】
(判定部136について)
判定部136は、推定部132により推定された性格特性であって、第1の期間でのユーザ(処理対象のユーザ)の性格特性(カテゴリ毎の性格特性)に変化が生じたか否かを判定する。また、配信制御部135は、推定部132により推定された性格特性に変化が生じたと判定された場合には、当該性格特性から変化した変化後の性格特性に応じて、コンテンツの配信に関する所定の制御を行う。例えば、配信制御部135は、性格特性に変化が生じたと判定された場合には、ユーザの発話入力に対する対話エージェントシステムの応答に関する応答制御を行うことができる。また、例えば、配信制御部135は、性格特性に変化が生じたと判定された場合には、配信候補のコンテンツのうち変化後の性格特性に応じたコンテンツを、ユーザに配信される配信対象のコンテンツとして決定することができる。また、配信制御部135は、性格特性に変化が生じたと判定された場合には、ユーザに配信される配信対象のコンテンツの表示態様を変化後の性格特性に応じて制御することができる。
【0086】
そして、例えば、判定部136は、第1の期間より短い期間であって、現在の時間経過に対応する期間である第2の期間において取得されたユーザのユーザ情報と、推定部132により推定された性格特性との変化の関係性に基づいて、推定部132により推定された性格特性に変化が生じたか否かを判定する。ここで、第2の期間において取得されたユーザのユーザ情報とは、例えば、この期間において、ユーザが例えば対話エージェントシステムに対して行った発話を示す発話情報である。そうすると、判定部136は、このユーザ情報に基づき推定されたユーザの性格特性であって、第2の期間でのユーザの性格特性と、推定部132により推定された性格特性との変化の関係性に基づいて、推定部132により推定された性格特性に変化が生じたか否かを判定する。
【0087】
〔4.処理手順〕
次に、図5を用いて、実施形態にかかる情報処理の手順について説明する。図5は、実施形態にかかる情報処理の情報処理手順を示すフローチャートである。なお、図5では、コンテンツを広告コンテンツ、カテゴリを広告カテゴリとして説明する。
【0088】
まず、推定部132は、Sユーザの性格診断を行う(ステップS101)。例えば、推定部132は、Big5等の性格診断手法を用いて、Sユーザがどのような性格特性に属する性格であるかを診断(推定)する。また、推定部132は、診断結果を診断結果記憶部121に格納する。
【0089】
次に、分析部133は、広告カテゴリ毎に、当該広告カテゴリに分類される行動履歴であって、性格特性毎のSユーザの行動履歴を振り分け、振り分けた結果を分析結果記憶部122に格納する(ステップS102)。
【0090】
次に、分析部133は、性格特性と、当該性格特性のSユーザの行動であって、各広告カテゴリに分類される行動との関係性を分析する(ステップS103)。例えば、分析部133は、分析結果記憶部122に記憶される履歴情報(各性格特性に対応する広告カテゴリ毎の履歴情報)に基づいて、各性格特性のSユーザの行動傾向であって、広告カテゴリ毎のSユーザの行動傾向を分析する。例えば、分析部133は、履歴情報に基づいて、各性格特性のSユーザは広告カテゴリ毎にどのような文字列(単語や表現)を好む傾向にあるか、どのような商品を閲覧、検索、購入する傾向にあるかといった行動傾向を分析する。このような傾向として、分析部133は、例えば、特徴語の分析を行うことができる。また、取得部131は、処理対象のユーザの行動情報を取得を取得する(ステップS104)。
【0091】
このような状態において、推定部132は、処理対象ユーザの行動情報(ユーザ情報記憶部123に記憶される行動情報)であって、広告カテゴリ毎の行動情報と、分析結果記憶部122に記憶される行動傾向とのマッチング(比較)により、広告カテゴリ毎に、当該広告カテゴリでの処理対象のユーザの性格特性を推定する(ステップS105)。
【0092】
次に、配信制御部135は、推定部132によりステップS105で推定された性格特性に応じて、処理対象のユーザに対するコンテンツの配信に関する所定の制御を行う(ステップS106)。例えば、配信制御部135は、広告カテゴリのうち所定の広告カテゴリに属する広告コンテンツを処理対象のユーザに配信する場合、当該広告コンテンツの表示態様を、当該所定の広告カテゴリでの当該ユーザの性格特性であって、推定部132により推定された性格特性に応じた表示態様へと変更する。また、配信制御部135は、推定部132により性格特性が推定されたユーザのうち、入稿元により指定された広告カテゴリおよび性格特性に対応するユーザに対して、入稿元により入稿された広告コンテンツが配信されるよう制御することもできる。
【0093】
〔5.ハードウェア構成〕
また、上記実施形態にかかる情報処理装置100は、例えば図6に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図6は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0094】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0095】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
【0096】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0097】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0098】
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0099】
〔6.その他〕
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0100】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0101】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受付部は、受付手段や受付回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0102】
1 情報処理システム
10 端末装置
30 外部装置
100 情報処理装置
120 記憶部
121 診断結果記憶部
122 分析結果記憶部
123 ユーザ情報記憶部
124 コンテンツ記憶部
130 制御部
131 取得部
132 推定部
133 分析部
134 入稿受付部
135 配信制御部
136 判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6