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特許7194103積層造形における金属材料堆積の技法および関係するシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】積層造形における金属材料堆積の技法および関係するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 10/10 20210101AFI20221214BHJP
   B22F 3/105 20060101ALI20221214BHJP
   B22F 10/38 20210101ALI20221214BHJP
   B22F 10/40 20210101ALI20221214BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20221214BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALI20221214BHJP
   C23C 18/31 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
B22F10/10
B22F3/105
B22F10/38
B22F10/40
B33Y10/00
B33Y80/00
C23C18/31 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019520797
(86)(22)【出願日】2017-10-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-14
(86)【国際出願番号】 US2017056941
(87)【国際公開番号】W WO2018075488
(87)【国際公開日】2018-04-26
【審査請求日】2020-10-16
(31)【優先権主張番号】62/409,773
(32)【優先日】2016-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516373915
【氏名又は名称】フォームラブス,インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】FORMLABS,INC.
【住所又は居所原語表記】35 Medford Street, Suite No.1, Somerville, Massachusetts 02143 U. S. A.
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】スラクツカ,マルチン
(72)【発明者】
【氏名】ズグリス,ザチャリー
(72)【発明者】
【氏名】ケーター,マシュー
【審査官】中西 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-018146(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0152314(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第103805972(CN,A)
【文献】国際公開第2015/106020(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 10/00-12/90
B22F 3/16
B29C 64/00-64/40
B33Y 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層造形によって金属物体を形成する方法であって、
外部表面を有する第1の物体の幾何学的記述を取得すること、
前記第1の物体の前記外部表面によって境界を決められるとともに、1以上の空隙を有する、第2の物体の幾何学的記述を生成すること、
前記第2の物体の前記幾何学的記述に基づいて積層造形によって前記第2の物体を造形すること、および
前記第2の物体上に金属材料を堆積させることを含み、
前記金属材料は前記第2の物体の前記空隙中に堆積され、
前記第2の物体は、反復セルユニットの格子を含み、前記セルユニットはそれぞれ、少なくとも1つの空隙をその中に含み、
前記第1の物体の幾何学的記述に基づいて格子のセルユニットのサイズを決定することをさらに含み、
格子のセルユニットのサイズは、第1の物体の表面からの深さが増すにつれて、サイズが増大する、前記方法。
【請求項2】
前記金属材料を堆積させることは、無電解堆積工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記堆積ステップは、第2の物体の全表面にわたり金属材料を、一定進度で堆積させる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第2の物体の幾何学的記述は、第2の物体上に材料を堆積させるステップ中に予期される堆積量に基づく距離だけ、第1の物体の外部表面からオフセットされるように配設される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第2の物体は第1の材料から造形され、堆積された材料は第2の材料である方法であって、第2の材料の堆積に続いて、第2の物体から第1の材料を除去することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
積層造形デバイスによって形成されたスケルトン構造に基づいて物体を形成する方法において、前記物体は、前記スケルトン構造に材料を堆積させる工程によって形成される、方法であって、
前記物体の3次元モデルに基づいて、第1の物体の外部表面によって境界を決められるとともに、1以上の空隙を有する、前記スケルトン構造の幾何学的記述を生成すること、
ただし、前記スケルトン構造の幾何学的記述は、材料を前記スケルトン構造上に堆積させる工程中に予測される堆積量に基づく距離だけ、前記第1の物体の外部表面からオフセットされるように配設されており、
第2の物体は反復セルユニットの格子を含み、前記セルユニットはそれぞれ少なくとも1つの空隙をその中に含む、および
少なくとも1つのプロセッサを使用して、前記積層造形デバイスによって実行されると、前記積層造形デバイスに前記スケルトン構造を造形させる命令を生成すること
を含み、
格子のセルユニットのサイズは、物体の表面からの深さが増すにつれて、サイズが増大する、前記方法。
【請求項7】
スケルトン構造の幾何学的記述を生成することが、物体の3次元モデルに基づいて格子のセルユニットのサイズを求めることをさらに含む、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、積層造形(additive fabrication)(例えば、3Dプリンティング)デバイスを使用して、金属材料を含む部品を造形するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関係出願の相互参照
本出願は、本明細書に参照によりその全文が組み入れられる、「Techniques for Metallic Material Deposition in Additive Fabrication」という名称の、2016年10月18日出願の米国特許仮出願第62/409773号の、35USC§119(e)の下での利益を主張するものである。
【0003】
積層造形、例えば3次元(3D)プリンティングは、典型的には、構築材料の部分を特定の場所で凝固させることによって、物体を製作する技法を提供する。積層造形技術としては、ステレオリソグラフィ、選択堆積モデリングまたは溶融堆積モデリング(selective or fused deposition modeling)、直接複合材製造(direct composite manufacturing)、積層物体製造(laminated object manufacturing)、選択相エリア堆積(selective phase area deposition)、多相ジェット凝固(multi-phase jet solidification)、弾道粒子製造(ballistic particle manufacturing)、粒子堆積(particle deposition)、レーザ焼結(laser sintering)またはそれらの組み合わせが挙げられる。多くの積層造形技術は、典型的には所望の物体の断面である連続層を形成することによって部品を製造する。典型的には、各層は、それが先に形成された層またはその上に物体が構築される基材のいずれかに接着するように形成される。
【0004】
ステレオリソグラフィと呼ばれる、積層造形への一アプローチにおいては、典型的には、最初に基板上に、次いで、互いに重ねて、硬化性高分子樹脂の薄層を連続的に形成することによって、固体物体が作成される。活性光線(actinic radiation)への露光によって、液体樹脂の薄層が硬化され、これによって薄層を強化させて、先に硬化された層、または構築プラットフォームの底面に固着させる。
【発明の概要】
【0005】
いくつかの観点によれば、積層造形によって金属物体を形成する方法であって、外部表面を有する第1の物体の幾何学的記述を取得すること、前記第1の物体の前記外部表面によって境界が決められて、1以上の空隙を有する、第2の物体の幾何学的記述を生成すること、前記第2の物体の前記幾何学的記述に基づいて積層造形によって前記第2の物体を造形すること、および前記第2の物体上に金属材料を堆積させることを含み、前記金属材料は前記第2の物体の前記空隙中に堆積される、方法が提供される。
【0006】
いくつかの観点によれば、積層造形によって形成されたスケルトン構造に基づき、スケルトン構造に材料を堆積させる工程によって形成される、物体を形成する方法であって、物体の3次元モデルに基づいて、第1の物体の外部表面によって境界を決められて、1以上の空隙を有する、スケルトン構造の幾何学的記述を生成すること、ただし、スケルトン構造の幾何学的記述は、材料をスケルトン構造上に堆積させる工程中に予測される堆積量に基づく距離だけ、第1の物体の外部表面からオフセットされるように配設されており、第2の物体は、少なくとも1つの空隙をその中に含む、繰り返すユニットセルの格子を含む、および少なくとも1つのプロセッサを使用して、積層造形デバイスによって実行されると、積層造形デバイスにスケルトン構造を造形させる命令を生成することを含む方法が提供される。
【0007】
前述の装置および方法実施態様は、上述の、またはさらに詳細に後述する観点、特徴および行為の任意好適な組合せで実現することができる。本教示の、これらの、またはその他の観点、実施態様、および特徴は、添付の図面と合わせた、以下の説明からより完全に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下の図を参照して、様々な観点および実施態様について説明する。図は必ずしも実寸通りではないことを理解されたい。図面において、様々な図に示されている、それぞれの同一の、またはほぼ同一の構成要素は、同じ数字で表わされている。分かり易くするために、すべての図面において、すべての構成要素がラベル付けされているとは限らない。
【0009】
図1図1は、いくつかの実施態様による、骨組みメッシュ部品(skeletal mesh part)を製作する方法のフローチャートである。
図2A-B】図2Aおよび図2Bは、いくつかの実施態様による、骨組みメッシュ部品を形成するのに適する格子構造を示す図である。
図3図3は、造形用の物体の断面と、後続の堆積工程中に物体を形成するように構成された、骨組みメッシュ構造とを示す図である。
図4図4は、いくつかの実施態様による、本発明の観点を実施するのに適するシステムのブロック図である。
図5】本発明の観点がその上で実現される、計算システム環境の例を示す図である。
【0010】
様々な種類のプラスチック、セラミック、ワックス、および金属を含む、多様な異なる種類の材料から物体、または「部品」を積層造形するのに、様々な技法を適用することができる。金属を使用しての造形は、望まれる選択肢となることが多いが、当該技術においてそれを実行するのに知られている現行の解決策は、コストが過大であること、性能が不満足であること、またはその他の制限があるために、満足のゆくものでないことが多い。
【0011】
一例として、直接金属レーザ焼結(Direct Metal Laser Sintering)(またはDMLS)と呼ばれることもある1つの技法は、大規模なユーザ訓練、実質的なサービスおよび後処理、大規模な安全予防措置、および高価な機器を必要とする。溶融金属浸透または溶融金属鋳造などの、その他の後処理技法も、溶融金属の使用や、溶融金属の使用に伴う様々な安全問題および機器コスト問題を含む、その他の短所がある。金属材料からの部品の積層造形を近似することを試みる一技法は、電気メッキによって積層造形された部品を後処理することであり、この場合には、比較的薄い層の金属が、積層造形部品の表面上に堆積される。そのような複合部品は、通常、金属部品の外観と、増大した強度などの、いくぶん改変された材料特性を有する。しかしながら、この技法の使用は、比較的薄い層の金属を部品の外部表面への堆積させることに限定されており、部品の内部領域は改変されないままである。さらに、多種類の部品幾何学形状が、電気メッキ堆積工程においての使用に適性がない可能性がある。
【0012】
本発明の観点は、様々な金属を含む、広範囲の潜在的な材料から、部品を効率的かつ効果的に積層造形することを有利に可能にする。特に、本発明の実施態様は、所望の部品から抽出されるか、またはスケルトン材料を使用して形成される、先行部品を形成するための、様々な実行可能な積層造形技法の1以上を利用することができる。本明細書においてはスケルトン構造とも呼ばれる先行部品を、無電解堆積工程(electroless deposition process)に対して準備してもよく、この場合に、1種以上の対象材料がスケルトン構造上に堆積される。結果として得られるスケルトン構造と対象材料の複合物は、次いで、実質的に堆積材料で形成された造形部品を構成してもよい。通常は部品の外部表面上だけに金属堆積を生じる、電気メッキなどの従来技術堆積技法と異なり、無電解堆積工程と共にスケルトン構造を使用すると、実質的に部品の内部エリア全体に堆積を生じさせた部品の形成を可能にする。そのような実施態様は、それによって、スケルトン構造の形成における、ステレオリソグラフィのような、より低コストで高精度な積層造形技法の使用を可能にし、同時に実質的に金属材料特性を発揮する部品が得られる。
【0013】
本明細書において記載された技法を使用して製造された部品は、直ちに使用するための十分な寸法精度を有することができるのが、場合によっては、製造された部品を「ニアネット(near net)」形状部品とみなし、その他の成形工程によってそれをさらに修正してもよい。所望の寸法の最終部品を製造するために、例えば、コンピュータ制御ミリングなどの、金属物体に使用するのに適する工程を、ニアネット形状部品に適用してもよい。
【0014】
いくつかの実施態様によれば、最初のステップにおいて、積層造形デバイスは、様々な技法を使用し、かつ1種以上の好適な材料を使用して、所望の部品のためのスケルトン構造を造形してもよい。好適な材料としては、後続の堆積工程における、金属堆積に対する開始堆積部位(initiating deposition site)を提供することのできるものが挙げられる。実施態様によっては、スケルトン構造を、本明細書においては電気を通すことのできる任意の材料または材料の組合せを意味する、「金属材料」から造形するのが有利なことがある。例えば、金属材料には、1種以上の導電性金属、導電性ポリマー、および/または導電性ポリマー複合材を含めてもよい。その他の実施態様においては、導電性は望ましくない場合があり、その他の材料を使用して、スケルトン構造上に材料を堆積させてもよい。
【0015】
アディティブ法(additive method)およびサブトラクティブ法(subtractive method)の両方を含む、スケルトン構造を形成するために好適な材料を成形する任意の技法を、使用できる可能性がある。しかしながら、最も有利には、本発明の実施態様は、積層造形技法を使用して、1種以上の好適なスケルトン材料から、一層毎にスケルトン構造を形成することができる。実施態様によっては、スケルトンを形成するために、機械加工またはリソグラフィックエッチングなどの、従来式のサブトラクティブ技法を使用してもよい。
【0016】
いくつかの実施態様によれば、造形されたスケルトン構造の幾何学形状が、スケルトン構造の造形に続くステップ中の、金属材料の堆積を実質的に制御することができる。本明細書において使用される無電解堆積の実証例のような、いくつかの好適な堆積工程は、堆積反応を開始するために、部品に対して電荷または電流を印加する必要なく、所与の時点においてスケルトン構造全体にわたって均一である、既知の進度(rate)で材料を堆積させることができる。
【0017】
少なくともいくつかの使用事例においては、最も有利なプロセスは、圧力または温度の変化などの環境変化に応じて、溶液から堆積部位へと自発的かつ選択的に堆積が発生するプロセスである。したがって、実施態様によっては、スケルトン構造幾何学形状は、金属材料堆積の場所に影響を与えるように配置かつ/または成形された、要素を備えて構成してもよい。積層造形デバイス内部に位置し、かつ/または積層造形デバイスから離隔された、例えば、1以上の計算デバイスは、1以上の好適なスケルトン構造を上述の方法で形成し、後続の金属材料堆積ステップにおいて使用するために、様々なアルゴリズム的および経験的な技法を適用してもよい。代替的または追加的に、スケルトン構造を生成かつ/または修正するときに、(例えば、ユーザによる)マニュアル入力を使用してもよい。
【0018】
いくつかの実施態様によれば、スケルトン構造上への金属材料の無電解堆積中の堆積は、スケルトン構造の表面領域で始めることができる。そのような堆積工程は、無電解堆積反応化学が好ましい間であって、スケルトン構造の一部分からの金属堆積フロントがスケルトン構造の別の部分からの金属堆積フロントと交差するまで、かつ/または先に堆積した金属材料がスケルトン構造の部分が追加の堆積材料へアクセスするのを妨げるまで、続けてもよい。スケルトン内部の空隙空間を包囲する要素間の距離のような、スケルトン構造の構造要素の場所、形状および/または方位は、例えば、前記空隙を充填する材料の堆積の程度およびタイミングを実質的に制御することができる。
【0019】
スケルトン構造の形状を決定する一例として、スケルトン構造の形状の計算は、所望の部品の幾何学的構造を分析し、部品とほぼ同じ寸法を有する空間充填格子(space-filling lattice)を生成することによって行ってもよい。本明細書において言及するような格子は、反復構造(repeated structure)(例えば、原型セル(primitive cell))を含み、それが占有する体積の全部より少ない部分を充填する、3次元形状である。例えば、格子は、単位セルの全部未満を充填する、3次元構造を含む、原型セルの3次元における規則的なタイリング(tiling)から生成してもよい。いくつかの実施態様によれば、スケルトン構造は、そのような格子によって記述することができる。
【0020】
一般に、スケルトン構造が格子によって記述されるときには、格子構造は、堆積工程中に充填すべき格子内部の空隙に対して十分な構造を提供しながら、体積において最小であるのが好ましい。本明細書において言及されるときには、空隙とは、そのまわりに格子の部分が位置するスケルトン構造の内部の空の空間を意味する。堆積が実行されると、内部空隙は材料層が格子空間から外向きに成長するための空間を提供するという理由で、内部空隙はスケルトン構造の重要な特徴である。さらに、そのような空隙のサイズと、スケルトン構造が所望の部品よりも小さく配設される程度との比較も重要である。例えば、空隙が大きすぎる場合には、空隙はまだ充填されていないが、部品は、所望のサイズとなるのに十分な材料堆積を有していることがある。
【0021】
いくつかの実施態様によれば、最大限度のメタライゼーション(metallization)をもたらすことのできる、格子構造のための最小の体積を、部品に対して求めることができる。最小体積は、スケルトン構造がそれから造形される、選択された材料に対して、およびスケルトン構造を造形するのに使用される造形技法に対して、可能な最小体積としてもよい。
【0022】
本発明者らは、本明細書に記載の技法に対する重要観点は、格子構造内部のセルサイズ(例えば、反復原型セルのサイズ)の選択にあることを認識し理解した。造形されるスケルトン構造を表わす格子構造を生成するときに、格子のセルに対する様々な異なるサイズを選択してもよい。実施態様によっては、格子セルは、スケルトン構造全体にわたり、一定のサイズと体積であってもよい。一般に、セル体積が大きくなると、結果として、スケルトン構造の全体体積の減少によって、メタライゼーションの比率がより高い造形部品が得られることになる。しかしながら、格子セル体積が大きくなると、堆積後に、最終部品において最終解像度が下がり、部品精度が低下する場合がある。このことは、一部には、より大きい格子セルは、一般的に、所望の部品におけるより小さい特徴を捕捉することができないことによる。
【0023】
実施態様によっては、スケルトン構造を記述するのに使用される1以上のタイプの原型セルに対する格子セルサイズは、スケルトン構造の内部の場所、表面からの深さ、および/または堆積された材料によってセルが完全に囲まれる順番などの、その他パラメータを含む、様々なパラメータに基づいて、構造内部の位置とともに変化するように選択してもよい。一例として、造形された部品の最終の表面を形成する、スケルトン構造の部分を包含する格子セルは、スケルトン構造の本体部分(bulk part)を包含する格子セルよりも小さくなるように選択してもよい。そのようなアプローチによれば、表面特徴に対するより高い有効解像度を生み出すことができる。スケルトン要素に対する可変セルサイズは、スケルトン構造の特定の部分が、堆積された金属材料によって未熟状態で囲まれ、堆積空隙が、新鮮な堆積材料へのアクセス不能となりとり残される機会を増大させる。そのような場合には、堆積工程中に、そのような空隙へのアクセスが保存されるような、形状を有するスケルトン構造を生成することが有利なことがある。
【0024】
実施態様によっては、後続のステップのためのスケルトン構造を準備するために、特定の処理ステップを無電解堆積工程の前に行ってもよい。一例として、選択された造形方法によっては、ステレオリソグラフィ技法によって形成された部品に対する、活性光線事後硬化および樹脂残留物の清浄化などの、特定の後処理ステップが有利なことがある。実施態様によっては、後続の無電解堆積工程に対して、他の点では適性の低い、または適性の無いスケルトン構造に対して、特定の処理ステップを、適用してもよい。一例として、特定の無電解堆積工程に適性のない材料で造形されたスケルトン構造を、無電解堆積工程により適した1種以上の被覆材料で、被覆してもよい。前記被覆は、電気メッキ、粉末被覆、噴霧、および/またはその他の技法などの、様々な方法で付加することができる。
【0025】
いくつかの実施態様によれば、スケルトン構造は、無電解堆積工程を経てもよい。好適な無電解堆積工程は、結果として、スケルトン構造上への、金属材料のような材料の堆積を生じる。特に、無電解堆積工程は、結果として、堆積材料が、スケルトン構造材料に加えて、先に堆積された材料へと優先的にひきつけられる。結果として、無電解堆積工程が続くにつれて、堆積材料は、次第により深くまで堆積されて、スケルトン構造の1以上の表面から外側に進行することができる。上述のように、スケルトン構造の幾何学形状は、有利には、スケルトン構造内部の内部空隙内などにおいて、堆積された材料による所望の充填量を有する最終部品を生成するように、進行する堆積エリアを、交差させるように選択してもよい。
【0026】
以下の説明は、いくつかの実施態様による、本発明の特定の観点をさらに説明するために提供される。第1のステップにおいて、造形のための部品が選択される。前記部品の幾何学的記述が分析されて、部品に対するスケルトン構造の幾何学的記述が計算される。いくつかの使用例においては、例えば、所望の部品に対する幾何形状は、そのような空隙のすべてがオープンセル形の均一な格子構造を形成するように、均一な空隙を部品全体にわたり形成させることによって、スケルトン化することができる。一例として、スケルトン構造は、方形プリズムセルを有する、正則立方格子構造から形成してもよい。そのようなスケルトン幾何学形状の幾何学的モデルは、ソース部品幾何学形状から、形成することができる。一例として、正則立方体格子構造を、ソース部品の寸法を完全に囲むのに十分な体積で生成することができる。次いで、好適なアルゴリズムを使用して、格子構造とソース部品の幾何学形状の間の幾何学的ブーリアン論理積(geometric Boolean intersection)の適用によって、前記格子構造を、ソース部品の幾何学形状と組み合わせることができる。
【0027】
造形しようとする部品の形状に基づいてスケルトン構造を求める例証的な工程が、図1に示されている。ソース多角形メッシュ101が、最終的な所望の部品のためのマニホルド閉局面(manifold closed surface)を記述する、任意好適なフォーマットで提供される。後続の処理に対して、前記メッシュは、ソースメッシュ内部に囲まれた体積を細密に近似する、ボクセルベース表現103に変換102されるか、またはラスタ化される。そのようなボクセル化(voxelization)は、http://www.openvdb.org/で入手可能な、Open VDB libraryの使用を含む、多様な方法で実行してもよい。一般に、本発明者らは、部品寸法のミリメートル当たり10ボクセルのラスタ化(rasterization)が、許容できる結果に対して十分な解像度であることを見出した。ボクセル化工程に続いて、予期される堆積工程の近似深さだけ、ボクセルモデルの表面をオフセットさせる104ことによって、ボクセルモデルの体積が低減される。そのようなオフセット処理は、Open VDB libraryに含まれるLevelSetFilterオフセット機能の使用によることを含み、任意の数の方法で実行してもよい。実施態様によっては、本発明者らは、2mmの予期される堆積、したがって、2mmのオフセットが、許容できる結果をもたらすことを見出した。
【0028】
次いで、オフセット部品形状105は、オフセット形状105内に完全に包含された各ボクセルの中心を特定し、それによってセル中心107の配列を形成するために、ステップ106においてさらに処理してもよい。後続のステップ108において、所望の部品のオフセット体積105内で構造を形成するために、セル中心107および1以上のセル形状およびサイズを、選択してもよい。このスケルトンメッシュ構造109は、求められたセル中心に位置する反復セルユニットの格子としてもよい。幾何学形状がセルを周辺のセルに接続することを可能にする限り、各格子セルを隣接セルに連結するストラットの立方体または八面体のケージのような、様々なセル幾何学形状を、反復セルユニットに使用してもよい。
【0029】
実施態様によっては、本発明者らは、直径が約500ミクロンの複数の相互接続された円筒状ストラットを含むセルユニットが、許容できる結果をもたらすことを見出した。前記セルの寸法および形状は変化することがあるが、本発明者らは、予期される堆積深さのほぼ2倍+セルストラット直径に等しい直径を有する均一なセルが、許容できる結果をもたらすことを見出した。そのようなセルは、有利には、堆積工程がセルの内部空間のできる限り多くを充填することを可能にし、同時に、堆積材料が格子構造内部のより深くに位置するセル中に侵入し続けることを可能にする筈である。
【0030】
本発明者らは、図2A~2Bに示されるような、修正八面体形のセル201を有する正則格子構造が、スケルトン構造を形成するための体積効率の高い構造を提供することができることを認識し、理解した。特に、本発明者らは、図2Bに示されるように、ダイアモンドベース格子に中心支持柱202を追加することによって、セル体積の内部部分を未熟状態で囲む、側面要素への堆積による、格子セル内部での中心空隙の形成を回避することができることを見出した。
【0031】
実施態様によっては、スケルトン構造を、約0.2mm×0.2mmの正方形断面を有するストラットで形成してもよい。いくつかの使用例において、格子セルのサイズが増大するときに、この断面を一定に保持してもよく、これによって堆積金属に対するスケルトン材料の比率を低減することができる。しかしながら、より大きい格子は、表面仕上げと最終造形部品の精度とを低下させる傾向にある。実施態様によっては、本発明者らは、セル内のストラット間の典型的な開口が、幅および高さにおいて約0.8mmとなるように、格子セル内部の空隙体積に対する材料体積の比として4:1を選択した。
【0032】
セル形状およびサイズの選択に続いて、スケルトン構造を形成するために、反復セル形状の格子構造を作成してもよい。この構造の幾何学的記述は、ポリゴンメッシュまたはボクセルのような様々なフォーマットで維持してもよく、またブール論理積(Boolean intersection)によるなどで、オフセット部品のボクセルモデルと組み合わせてもよい。理想的には、前記組合せは、ボクセルの中心点にセルを設置することになる。実施態様によっては、閉鎖格子構造を形成するために、ボクセルモデルの表面を越えて延びるセル構造の部分と、継ぎ当てられたセル格子に結果的に生じる開口縁端とを除去する。次いで、結果として得られる格子構造を、後続の造形ステップのための、任意好適なフォーマットに準備してもよい。
【0033】
次いで、スケルトン構造109を、上述のように、Form2 3Dプリンタにおけるなど、ステレオリソグラフィ技法の使用によることを含み、任意の数の方法で造形してもよい。この例証的な実施態様において、405nmの活性光線に感度のある、任意のアクリレート系およびラジカル硬化型フォトポリマー樹脂などの、Form2 3Dプリンタと整合性のある、標準的なフォトポリマー樹脂を使用してもよい。そのような材料は容易に造形できるのに対して、典型的なフォトポリマー樹脂は、後続の無電解堆積工程に対する適当な核生成部位を提供することができない。結果として、材料の堆積のためのスケルトン構造を準備するために、1以上のステップをとる必要がある。
【0034】
いくつかの実施態様によれば、スケルトン構造は、スケルトン構造を、球状325アルミニウムメッシュ粉末のような、噴霧化(atomized)金属材料粉末により被覆することによって、材料の堆積のために準備してもよい。このスケルトン構造は、噴霧化金属材料粉末の導入の前に、任意選択で、接着剤(例えば、コンタクト型接着剤(contact adhesive))で被覆してもよい。
【0035】
実施態様によっては、1種以上の接着剤の使用に追加して、またはその代替として、スケルトン構造の表面上での硬化無しのフォトポリマー樹脂の残留粘着特性を、噴霧化および/または粉末化された金属材料をスケルトン構造の表面上に粘着させるのに利用してもよい。樹脂の粘着特性を利用するとき、粉末被覆スケルトン構造を追加の活性光線に露光させることは、硬化工程を完了させて、粘着された粉末をスケルトン構造の表面に固定するのに有利な場合がある。実施態様によっては、2.5mW/cmの405nm光の下で、60℃で60分の完全ポスト硬化サイクルが、粉末被覆部品に適用される。
【0036】
実施態様によっては、圧縮空気および/または振動の使用によるなどの、後続のステップの前に、スケルトン構造の表面から、外部からの、固定されていない粉末を除去してもよい。実施態様によっては、固定されていない粉末の除去は、少なくとも90%の濃度のイソプロピルアルコールで部品を洗浄し、続いて熱い水道水により、外れやすい金属粒子を除去することを伴ってもよい。
【0037】
選択された無電解堆積工程の化学作用に基づいて、任意の粉末化された導電性材料(複数種を含む)を含む、任意好適な金属材料を、スケルトン構造の表面に塗布してもよい。例えば、粉末化されたアルミニウムを、上記の技法のいずれかによって、スケルトン構造に塗布してもよい。
【0038】
実施態様によっては、噴霧化された粉末材料を、液体の、硬化されていないフォトポリマー樹脂中に、それを造形工程において使用する前に、直接、導入してもよい。そのような樹脂の導入によって、形成されたスケルトン構造は、表面に露出された粉末粒子を生じ、それによって後続の化学反応のための開始部位を提供する。例えば、1~5重量%の噴霧化アルミニウム粉末を、Formlabs社により市販されているメタクリルフォトポリマー樹脂である、Formlabs Clear Gneral Purpose Resinのバージョン2の中に導入してもよい。さらに別の例として、参照により本明細書に組み入れられている、WangおよびZhouによる、「Initiator-Integrated 3D Printing Enables the Formation of Complex Metallic Architectures」、ACS Applied Materials & Interfaces, December 2013 (DOI: 10.1021/am4050822)に記載されているように、2-(2-ブロモイソブチリロキシ)エチルメタクリレート(BrMA)を、フォトポリマー材料およびその上に堆積された金属中に組み入れてもよい。
【0039】
スケルトン構造の準備に続いて、無電解堆積工程を開始してもよい。この実証例においては、無電解メッキ技法を使用して、スケルトン構造上にニッケルを堆積させるために、無電解ニッケルメッキシステムを使用してもよい。気付かれるように、無電解メッキ手順は、いかなる種類の電気接続も必要としない点において、より一般的に利用される電解メッキ手順とは異なる。その代わりに、堆積は、反応容器内で適当な温度に加熱された、異なる溶液の反応によって発生させられる。次いで、メッキしようとするスケルトン構造を、反応チャンバに付加してもよく、有利には、最適な流体流を可能にするために、吊り下げるか、または取り付けてもよい。この接続は、ワックス無しの紐、ポリマーフィラメント、ステンレス鋼ワイヤ、既存の支持構造、またはスケルトンに付加された、その他の代替的な機構によって行ってもよい。次いで、スケルトン構造の表面上へ、堆積が自発的に始まり、前記表面が開始部位を提供する。場合によっては、反応チャンバ内で使用される化学混合物は、所望の反応が発生することを確実にするために、化学物質レベルの進行追跡と維持を必要とすることがある。この例においては、Caswell Inc.によって刊行されたElectroless Nickel Plating Tutorial手順に従って、Caswell Inc.から入手可能な無電解ニッケルメッキ材料を使用した。
【0040】
一般に、無電解プロセスの様々な化学作用が可能であり、その化学作用は、典型的には、次亜リン酸のニッケル塩などのイオン源、次亜リン酸ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボラン、またはヒドラジンなどの還元剤、錯化剤、および/または種々の安定剤または抑制剤からなる。
【0041】
このプロセスの1つの重要な要件は、無電解メッキ溶液の「最大負荷」を考慮することである。すなわち、Caswell Inc.によって供給されるもののような、ある一定の体積の無電解メッキ溶液は、典型的には、材料のある一定の表面積以下をメッキするのに使用することができる。一例として、やはりCaswll Inc.から入手可能な5 Pint Solution Kitは、表面材料の75inまでのメッキにだけ使用することが推奨される。
【0042】
所望の部品に対して決定されたスケルトン構造は、一般に、所望の部品の表面積よりも大きい表面積を有する。スケルトン構造の表面積は、3Dモデルの表面積を計算する様々な方法の内の任意のものを使用して計算することが可能であり、計算された表面積は、無電解メッキ溶液の負荷を求めるときに、使用することができる。場合によっては、メッキ溶液の負荷を求める際に使用される計算のための有効表面積は、最適には、時間に対するスケルトンの表面積の積分として表わされる。
【0043】
実施態様によっては、メッキ溶液の負荷を求めるのに使用される表面積は、堆積期間中に減少しないと仮定してもよく、したがって保守的な評価値を与える。堆積工程の完了に続いて、堆積された材料を加えたスケルトン構造を、反応容器から除去して、脱イオン水または他の洗浄液を使用して外部からの物質を除去することができる。反応チャンバ内で使用された化学物質は、多くの場合に、最大反応限界に達していなければ、保持して再使用することができる。
【0044】
メッキに続いて、被メッキ部品の材料特性または表面仕上げを向上させるために、様々な後処理技法を選ぶことができる。一例として、被メッキ部品は、CNC精密ミリング、サンディング(sanding)、および/またはその他の研磨などの、追加のサブトラクティブ処理ステップを経てもよい。追加的に、または代替的に、被メッキ部品は、追加の材料を表面上に堆積させるために、電気メッキまたは無電解メッキなどの、追加のメッキステップを経てもよい。
【0045】
実施態様によっては、被メッキ部品には、スケルトンを造形するのに使用された材料を除去する、「バーンアウト(burn-out)」ステップを実施してもよい。バーンアウト工程の結果として今は空となった、スケルトン構造によって先に占有されていた体積は、次いで、焼結部品の空隙空間中に金属材料を導入するための処理によるなど、1種以上の材料によって充填してもよい。結果として、最終部品は、スケルトン構造の除去と置換とによって、実質的に金属材料だけで構成することができる。
【0046】
この金属材料堆積工程をより良好にモデル化し、最適化するために、計算モデルと実験検証を使用してもよい。一例として、堆積を、表面が浴の本体にアクセスできなくなるまで、スケルトン構造の表面に適用される、モルフォロジー演算(morphological dilation)としてモデル化してもよい。その点において、表面は、反応物が使い尽くされメッキがより早く停止するように、堆積浴の本体における堆積化学物質から隔離されるように決めてもよい。モデルは、3D空間内の点iを考慮して、以下のようにして構築することができる。第1に、モデルは、点iにおけるモデルの表面までのユークリッド距離としてd(i)を定義することができる。理解されるように、点iからモデルの外側へ任意多数の経路がある。したがって、所与の経路pに対して、以下の関係が維持されるように、その経路が横断されるときの、最小のモデル-経路距離(minimum model-path distance)として、D(p)を定義する。
【数1】
【0047】
堆積材料が、潜在的な堆積のために、表面へと移動するときに、キャリア液体は、スケルトン構造および/または前記スケルトン上に堆積された材料に起因する1以上の内部拘束(internal restriction)を横切らなくてはならない。これらの拘束は、十分に狭い「ネック」であれば、場所iにおけるさらなる堆積を防止することがある。したがって、特定の場所iに対して、モデルは、サイズ最小狭小経路(size least narrow path)を求めて、以下の関係を計算しなくてはならない。
【数2】
【0048】
この知見に基づいて、モデルは、材料の目標メッキ深さをtとして、以下の式が真であるときに限り、場所iにおける金属材料の堆積を仮定しなくてはならない。
【数3】
【0049】
先述のパラメータに基づいて、シミュレーション戦略を、離散空間モデルを使用するように選んでもよい。離散グリッドは、面、縁、および角に沿って接続されたグラフとして扱われる。この離散グリッドにおいて、pbest(i)について解くことは、以下の表に示されるマッピングで、ダイクストラ法(Dijkstra’s algorithm)と同形である。
【表1】
【0050】
そのようなシミュレーションの結果は、経験的結果を反映することが見出されている。したがって、そのようなシミュレーションは、最終プロセスにおいて、特に所望の成果を達成するために、植え付け深さ(planting depth)およびスケルトン構造などの、特性に対する最適パラメータを選択するのに使用してもよい。
【0051】
図3は、造形のための物体の横断面と、後続の堆積工程中に物体を形成するように構成されたスケルトンメッシュ構造とを示す。所与の物体に対して1つの可能なスケルトン構造を示すために、図3の例は、物体310に基づいて求められたスケルトン構造320の横断面を示す。上述のように、所望の物体は、その物体のためのスケルトン構造を最初に生成することによって造形してもよく、このスケルトン構造は、積層造形デバイスによって続いて造形され、次いで材料堆積工程が実行されると、結果として所望の物体となる。したがって、スケルトン320は、物体310に応じるとともに、造形後のスケルトンに続いて適用される、既知の堆積工程に応じて構成される。例証的なスケルトン320は、(横断面が示されている)格子から形成され、物体の表面に近接して、より小さい格子構造を含み、その結果、詳細さの低減を代償として物体の内部においてスケルトンを形成するのに使用する材料を少なくしながら、(目に見える)表面においてより詳細を生成することができる。
【0052】
図4は、いくつかの実施態様によれば、本発明の観点を実施するのに好適なシステムのブロック図である。システム400は、積層造形デバイスによって積層造形を行う命令を生成し、続いて積層造形デバイスを動作させて物体を造形するのに適したシステムを示す。例えば、本明細書に記載されたスケルトン構造を造形する命令を、システム400内で生成して、次いで構造を造形することができる。意図する金属堆積工程に関連する様々なパラメータが、システム400によって記憶されて、スケルトン構造を生成するときにアクセスされて、それによって造形されたスケルトンが、その堆積工程での使用のために構成される。
【0053】
いくつかの実施態様によれば、コンピュータシステム410は、それぞれがスケルトン構造のような物体の断面を含むことのできる、2次元層を生成するソフトウェアを実行することができる。次いで、デバイスによって実行されると、層を造形し、それによって物体を造形する、命令がこの層データから生成されて、積層造形デバイス420のような、積層造形デバイスに供給することができる。そのような命令は、任意好適な有線および/または無線の通信接続を含む、リンク415を介して伝達することができる。実施態様によっては、単独のハウジングがコンピュータデバイス410と積層造形デバイス420とを保持し、リンク415が、システム400のハウジング内で2つのモジュールを接続する、内部リンクとなるようにされる。
【0054】
図5は、本明細書に記載された技法をその上で実現することのできる、好適なコンピュータシステム環境500の例を示す。例えば、計算システム環境500は、図7に示すコンピュータシステム410の一部または全部を形成してもよい。計算システム環境500は、好適な計算環境の一例にすぎず、本明細書に記載の技法の使用または機能の範囲に対していかなる制限をも示唆するものではない。また、計算環境500は、例示的動作環境500において示された構成要素のいずれか一つ、または組合せに関して何らかの依存性または要件を有するものと解釈されるべきではない。
【0055】
本明細書に記載の技法は、多数のその他汎用または専用の計算システム環境または構成と共に動作可能である。本明細書に記載の技法との使用に適する、よく知られている計算システム、環境、および/または構成の例としては、それに限定はされないが、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドまたはラップトップデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、セットトップボックス(set top boxes)、プログラマブル家電、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、上記のシステムまたはデバイスのいずれかを含む分散計算環境、その他が挙げられる。
【0056】
計算環境は、プログラムモジュールのような、コンピュータ実行可能命令を実行してもよい。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実施するか、または特定の抽象データ型を実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造、その他を含む。本明細書に記載の技法は、通信ネットワークを介してリンクされたリモート処理装置によってタスクが実施される、分散計算環境において実施してもよい。分散計算環境において、プログラムモジュールは、メモリ記憶装置を含む、ローカルおよびリモートのコンピュータ記憶媒体の両方に位置してもよい。
【0057】
図5を参照すると、本明細書に記載の技法を実現するための例示的システムは、コンピュータ510の形式の汎用計算装置を含む。コンピュータ510のコンポーネントとしては、それに限定はされないが、処理ユニット520、システムメモリ530、および処理ユニット520に対するシステムメモリを含む、様々なシステムコンポーネントを接続する、システムバス521を挙げることができる。システムバス521は、メモリバスまたはメモリコントローラ、周辺バス、および多様なバスアーキテクチャのいずれかを使用するローカルバスを含む、いくつかのタイプのバス構造のいずれかとしてもよい。例としてであって、限定ではなく、そのようなアーキテクチャとしては、業界標準アーキテクチャ(ISA:Industry Standard Architecture)バス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バス、拡張ISA(EISA)バス、ビデオエレクトロニクス規格協会(VESA)ローカルバス、およびメザニンバス(Mezzanine bus)とも呼ばれるPCI(Peripheral Component Interconnect)バスがある。
【0058】
コンピュータ510は、通常、多様なコンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ510によってアクセスが可能であって、揮発性および不揮発性の媒体、リムーバブルおよびノンリムーバブルな媒体を含む、任意の利用可能な媒体とすることができる。例としてであって、限定ではなく、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を含めてもよい。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールまたはその他のデータなどの情報の記憶のための任意の方法または技術において実現される、揮発性および不揮発性の、およびリムーバブルおよびノンリムーバブルな媒体を含む。コンピュータ記憶媒体としては、それに限定はされないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)またはその他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶装置、あるいは所望の情報を記憶するために使用され、コンピュータ810によってアクセス可能である、その他の媒体が含まれる。通信媒体は、通常、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または搬送波または他のトランスポート機構などの変調データ信号内の他のデータを具現するとともに、任意の情報配信媒体を含む。「変調データ信号」の用語は、その信号内に情報を符号化するような方法で、設定または変更された、その特徴の1以上を有する信号を意味する。例としてであって、限定ではなく、通信媒体には、有線ネットワークまたは直接有線接続などの、有線媒体、および音響、RF、赤外線およびその他の無線媒体などの無線媒体を含む。上記の任意のものの組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲に含めるべきである。
【0059】
システムメモリ530は、読取り専用メモリ(ROM)531およびランダムアクセスメモリ(RAM)532などの、揮発性および/または不揮発性のメモリの形態でのコンピュータ記憶媒体を含む。スタートアップ時など、コンピュータ510内部の要素間の情報の転送を助ける基本ルーチンを包含する、ベーシックインプット/アウトプットシステム533(BIOS)は、通常、ROM531に記憶される。RAM532は、通常、処理ユニット520に直ちにアクセス可能であって、かつ/または現在、それによって動作されているデータおよび/またはプログラムモジュールを収納する。例示としてであって、限定ではなく、図5は、オペレーティングシステム534、アプリケーションプログラム535、その他のプログラムモジュール536、およびプログラムデータ537を示す。
【0060】
コンピュータ510にはまた、その他のリムーバブル/ノンリムーバブルな、揮発性/不揮発性のコンピュータ記憶媒体を含めてもよい。例示にすぎないが、図5は、ノンリムーバブルな不揮発性磁気媒体との間で読み書きを行うハードディスクドライブ541、フラッシュメモリなどのリムーバブルな不揮発性メモリ552との間で読み書きを行う、フラッシュドライブ551、またはCD-ROMまたは他の光学媒体のような、リムーバブルな不揮発性光ディスク556との間で読み書きを行う、光ディスクドライブ555を示す。例示的なオペレーティング環境において使用することのできる、その他のリムーバブル/ノンリムーバブル、揮発性/不揮発性のコンピュータ記憶媒体としては、それに限定はされないが、磁気テープカセット、フラッシュメモリカード、デジタル多用途ディスク、デジタルビデオテープ、ソリッドステートRAM、ソリッドステートROM、その他が挙げられる。ハードディスクドライブ541は、通常、インターフェイス540のような、ノンリムーバブルメモリインターフェイスを通して、システムバス521に接続されており、磁気ディスクドライブ551および光学ディスクドライブ555は、通常、インターフェイス550のような、リムーバブルメモリインターフェイスによってシステムバス521に接続されている。
【0061】
上記で考察され、図5に示されたドライブと、関連するコンピュータ記憶媒体は、コンピュータ510用のコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、およびその他のデータの記憶を提供する。図5において、例えば、ハードディスクドライブ541は、オペレーティングシステム544、アプリケーションプログラム545、その他のプログラムモジュール546、およびプログラムデータ547を記憶しているのが図示されている。なお、これらのコンポーネントは、オペレーティングシステム534、アプリケーションプログラム535、その他のプログラムモジュール536、およびプログラムデータ537と同じであるか、または異なる可能性があることに留意されたい。オペレーティングシステム544、アプリケーションプログラム545、その他のプログラムモジュール546、およびプログラムデータ547は、ここでは、少なくとも異なるコピーであることを示すために、異なる番号が与えられている。ユーザは、キーボード562、および一般にマウス、トラックボールまたはタッチパッドと呼ばれるポインティングデバイス561などの、入力デバイスを介してコマンドおよび情報をコンピュータ510に入力することができる。その他の入力デバイス(図示せず)としては、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、衛星放送受信アンテナ、スキャナ、その他が挙げられる。これら、およびその他の入力デバイスは、システムバスに接続されたユーザ入力インターフェイス560を介して処理ユニット520に接続されることが多いが、パラレルポート、ゲームポートまたはユニバーサルシリアルバス(USB)などの、その他のインターフェイスおよびバスアーキテクチャによって接続してもよい。モニタ591およびその他のタイプのディスプレイデバイスはまた、ビデオインターフェイス590のようなインターフェイスを介してシステムバス521に接続されている。コンピュータには、モニタに加えて、スピーカ597およびプリンタ596などのその他の周辺出力装置も含めることができ、これらは出力周辺インターフェイス595を介して接続することができる。
【0062】
コンピュータ510は、リモートコンピュータ580のような、1以上のリモートコンピュータへの論理接続を使用してネットワーク化された環境で動作することができる。リモートコンピュータ580は、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピアデバイス、またはその他の一般的なネットワークノードとすることができ、図5にはメモリ記憶装置581だけが示されているが、典型的には、コンピュータ510に関して上述した要素の多くまたはすべてを含む。図5に示された論理接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)571およびワイドエリアネットワーク(WAN)573を含むが、他のネットワークも含んでもよい。そのようなネットワーキング環境は、オフィス、企業規模のコンピュータネットワーク、イントラネット、およびインターネットにおいて普及している。
【0063】
LANネットワーキング環境において使用されるときには、コンピュータ510は、ネットワークインターフェイスまたはアダプタ570を介してLAN571に接続される。WANネットワーキング環境において使用されるときには、コンピュータ510は、通常、インターネットのようなWAN573上で通信を確立するための、モデム572またはその他の手段を含む。モデム572は、内蔵でも外付けでもよく、ユーザ入力インターフェイス560またはその他の適切な機構を介して、システムバス521に接続することができる。ネットワーク環境においては、コンピュータ510に関して示したプログラムモジュール、またはその部分を、リモートメモリ記憶装置に格納することができる。例としてであって、限定ではなく、図5は、リモートアプリケーションプログラム585を、メモリ装置581に常駐するものとして示している。図示のネットワーク接続は例示的なものであり、コンピュータ間で通信リンクを確立するその他の手段を使用できることが理解されるであろう。
【0064】
このように本発明の少なくとも1つの実施態様のいくつかの観点について説明してきたが、当業者であれば、様々な変更、修正、および改良を容易に思い付くであろうことを理解されたい。
【0065】
そのような変更、修正、および改良は、この開示の一部であることを意図しており、本発明の趣旨と範囲内に含めることを意図している。さらに、本発明の利点が示されているが、本明細書に記載の技術のすべての実施態様が、すべての記載された利点を含むとは限らないことを理解されたい。いくつかの実施態様は、本明細書において有利であるとして記載されたいずれの特徴も実現しなくてもよく、場合によっては、さらに別の実施態様を達成するために、記載された特徴のうちの1以上を実現してもよい。したがって、前述の説明および図面は、例示にすぎない。
【0066】
本明細書に記載された技術の上述の実施態様は、多数の方法のうちの任意の方法で実現することができる。例えば、それらの実施態様は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せを使用して実現することができる。ソフトウェアで実現されるとき、ソフトウェアコードは、単一のコンピュータにおいて提供されるか、複数のコンピュータに分散されるかにかかわらず、任意の適切なプロセッサまたはプロセッサの集合体上で実行することができる。そのようなプロセッサは、CPUチップ、GPUチップ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、またはコプロセッサなどの名称で、当該技術分野で知られている市販の集積回路部品を含む、集積回路コンポーネントにおける1以上のプロセッサと共に、集積回路として実装してもよい。あるいは、プロセッサは、ASICのようなカスタム回路、またはプログラマブルロジックデバイスを構成して得られるセミカスタム回路、に実装してもよい。さらに代替として、プロセッサは、市販されているか、セミカスタムであるか、またはカスタムであるかにかかわらず、より大きな回路または半導体デバイスの一部分としてもよい。具体的な例として、いくつかの市販のマイクロプロセッサは、それらのコアのうちの1つまたはサブセットがプロセッサを構成し得るように、複数のコアを有する。しかしながら、プロセッサは、任意適切なフォーマットの回路を使用して実現することができる。
【0067】
さらに、コンピュータは、ラックマウント型コンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、またはタブレット型コンピュータなどの複数の形態のいずれかで具現することができることを理解すべきである。加えて、コンピュータは、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、スマートフォンまたはその他の任意適切な携帯型または固定型の電子デバイスを含む、一般にコンピュータとはみなされないが、適切な処理能力を有するデバイスに埋め込むことができる。
【0068】
また、コンピュータは1以上の入力デバイスおよび出力デバイスを有してもよい。これらのデバイスは、とりわけ、ユーザインターフェイスを提示するために使用することができる。ユーザインターフェイスを提供するのに使用することのできる、出力デバイスの例としては、出力の視覚提示のためのプリンタまたはディスプレイスクリーン、および出力の聴覚提示のためのスピーカまたはその他の音響生成装置が挙げられる。ユーザインターフェイスに使用することができる入力デバイスの例としては、キーボード、ならびにマウス、タッチパッド、およびデジタイジングタブレットなどの、ポインティングデバイスが挙げられる。別の例として、コンピュータは、音声認識または他の可聴フォーマットで入力情報を受け取ってもよい。
【0069】
そのようなコンピュータは、ローカルエリアネットワーク、あるいは企業ネットワークまたはインターネットなどのワイドエリアネットワークを含む、任意適切な形態での1以上のネットワークによって相互接続することができる。そのようなネットワークは、任意適切な技術に基づいてもよく、任意適切なプロトコルに従って動作してもよく、また無線ネットワーク、有線ネットワーク、または光ファイバネットワークを含んでもよい。
【0070】
また、本明細書で概説した様々な方法またはプロセスは、様々なオペレーティングシステムまたはプラットフォームのうちの任意のものを採用する1以上のプロセッサ上で実行可能なソフトウェアとしてコーディングすることができる。さらに、そのようなソフトウェアは、多数の適切なプログラミング言語および/またはプログラミングツールもしくはスクリプトツールのいずれかを使用して書かれてもよく、実行可能な機械語コード、またはフレームワークもしくは仮想マシン上で実行される中間コードとしてコンパイルされてもよい。
【0071】
この点において、本発明は、1以上のコンピュータまたは他のプロセッサ上で実行されると、上述の本発明の様々な実施態様を実現する方法を実行する1以上のプログラムで符号化された、コンピュータ可読記憶媒体(または複数のコンピュータ可読媒体)(例えばコンピュータメモリ、1以上のフロッピーディスク、コンパクトディスク(CD)、光ディスク、デジタルビデオディスク(DVD)、磁気テープ、フラッシュメモリ、フィールドプログラマブルゲートアレイにおける回路構成、またはその他の半導体デバイス、あるいはその他の有形のコンピュータ記憶媒体)として具現することができる。前述の例から明らかなように、コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ実行可能命令を非一時的形態で提供するのに十分な時間にわたって情報を保持することができる。そのような1以上のコンピュータ可読記憶媒体は、その上に記憶された1以上のプログラムを1以上の異なるコンピュータまたは他のプロセッサにロードして、上述のような本発明の様々な観点を実施できるように可搬型とすることができる。本明細書で使用されるとき、用語「コンピュータ可読記憶媒体」は、製品(すなわち、製造物品)または機械と見なすことができる、非一時的コンピュータ可読媒体のみを包含する。代替的または追加的に、本発明は、伝搬信号のようなコンピュータ可読記憶媒体以外のコンピュータ可読媒体として具現することができる。
【0072】
「プログラム」または「ソフトウェア」という用語は、本明細書で使用されるときには、上述のような本発明の様々な観点を実現するように、コンピュータまたはその他のプロセッサをプログラムするために使用することのできる、任意のタイプのコンピュータコードまたはコンピュータ実行可能命令の集合を指して総称的に使用される。さらに、この実施態様の一観点によれば、実行時に本発明の方法を実行する1以上のコンピュータプログラムは、単一のコンピュータまたはプロセッサ上に常駐する必要はなく、本発明の様々な観点を実現するために多数の異なるコンピュータまたはプロセッサの間に、モジュール方式で分散させてもよいことを理解すべきである。
【0073】
コンピュータ実行可能命令は、1以上のコンピュータまたは他のデバイスによって実行されるプログラムモジュールのような、多くの形態としてもよい。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造、その他を含む。通常、プログラムモジュールの機能は、様々な実施態様において、必要に応じて組み合わせ、または分散させることができる。
【0074】
また、データ構造は、任意の適切な形態でコンピュータ可読媒体に記憶することができる。説明を簡単にするために、データ構造は、データ構造における場所を介して、関係するフィールドを有するように示すことができる。そのような関係は、フィールド間の関係を伝達するコンピュータ可読媒体内の場所にフィールド用の記憶域を割り当てることによっても同様に達成することができる。しかし、ポインタ、タグ、またはデータ要素間の関係を確立する他のメカニズムの使用を含む、データ構造のフィールド内の情報間の関係を確立するために、任意適切なメカニズムを使用することができる。
【0075】
本発明の様々な態様は、単独で、組み合わせて、または前述の実施態様において具体的に説明されていない、さまざまな配設において使用してもよく、したがってその応用において、前述の説明に記載されるか、または図面に示された詳細および配設に限定されない。例えば、一実施態様に記載された観点は、任意の方法で、その他の実施態様に記載された観点と組み合わせてもよい。
【0076】
また、本発明は、その例を提示した方法として具現してもよい。本方法の部分として実施される動作は、任意適当に順序付けしてもよい。したがって、説明用の実施態様では逐次動作として示されていても、動作が図示された順序とは異なる順序で実行される実施態様を構成することが可能であり、それはいくつかの動作を同時に実行することを含むことができる。
【0077】
さらに、いくつかの動作は「ユーザ」によって行われるものとして説明される。「ユーザ」は単一の個人である必要はなく、実施態様によっては、「ユーザ」に起因する動作は、コンピュータ支援ツールまたはその他のメカニズムと組み合わせて、個人のチームおよび/または個人によって実行されてもよいことを理解すべきである。
【0078】
クレーム要素を修飾するためにクレームにおいて「第1」、「第2」、「第3」などの序数の用語を使用することは、それ自体では、あるクレーム要素の別のクレーム要素に対する優先度、優先順位、順序、あるいはメソッドの動作が実行される時系列順序を暗示するものではなく、クレーム要素を区別するために、特定の名前を持つ1つのクレーム要素を、同じ名前を持つ別の要素と区別するための(ただし序数用語の使用のための)ラベルとして使用される。
【0079】
また、本明細書で使用されている表現および用語は説明を目的としており、限定と見なされるべきではない。本明細書における、「含む(including)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」、「包含する(containing)」、「involving(伴う)」、およびそれらの変形形態を使用することは、その後に列挙される項目およびその等価物、ならびに追加の項目を包含することを意味する。
図1
図2A-B】
図3
図4
図5