(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】ステビオール配糖体レバウジオシドD4のレバウジオシドEからの生合成製造
(51)【国際特許分類】
C12N 15/54 20060101AFI20221214BHJP
C12N 9/10 20060101ALI20221214BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20221214BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20221214BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20221214BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20221214BHJP
C12P 19/46 20060101ALI20221214BHJP
C12N 9/42 20060101ALI20221214BHJP
C12N 15/56 20060101ALI20221214BHJP
A23L 27/00 20160101ALI20221214BHJP
C12N 15/63 20060101ALN20221214BHJP
【FI】
C12N15/54
C12N9/10 ZNA
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P19/46
C12N9/42
C12N15/56
A23L27/00 E
A23L27/00 101A
C12N15/63 Z
(21)【出願番号】P 2019548665
(86)(22)【出願日】2017-12-04
(86)【国際出願番号】 US2017064430
(87)【国際公開番号】W WO2018164747
(87)【国際公開日】2018-09-13
【審査請求日】2020-12-04
(32)【優先日】2017-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516131979
【氏名又は名称】コナゲン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100162422
【氏名又は名称】志村 将
(72)【発明者】
【氏名】マオ グオホン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィック ジェイコブ エドワード
(72)【発明者】
【氏名】バトン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ルオ ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ウー イーリン
(72)【発明者】
【氏名】ユー シャオダン
【審査官】中村 俊之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/171555(WO,A1)
【文献】特表2016-527892(JP,A)
【文献】国際公開第2016/073740(WO,A1)
【文献】特表2017-500056(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 27/00
C12N 15/00- 15/90
C12P 1/00- 41/00
C12N 1/15
C12N 1/19
C12N 1/21
C12N 5/10
C12N 9/10
C12N 9/42
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レバウジオシドD4を含むステビオール配糖体組成物を製造する方法であって、(i)配列番号7に記載のアミノ酸配列を有するC1m2
及び配列番号9に記載のアミノ酸配列を有するC1m3
から選択されるUDP-グリコシルトランスフェラーゼである組換えポリペプチドと共に、レバウジオシドEを含む基質と、(ii)UDP-グルコースとを反応混合物中でインキュベートすることを含み、それによってレバウジオシドEが前記UDP-グリコシルトランスフェラーゼによりレバウジオシドD4に変換され、
レバウジオシドD4が以下の化学構造を有する、
前記方法。
【請求項2】
前記基質が、前記反応混合物中で、ステビオシドのレバウジオシドEへの変換により提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
スクロース、UDP及びUDP-グルコースの存在下、前記基質及び前記組換えポリペプチドと共に組換えスクロースシンターゼをインキュベートすることをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記組換えスクロースシンターゼが、アラビドプシス属(Arabidopsis)スクロースシンターゼ1、アラビドプシス属(Arabidopsis)スクロースシンターゼ3及びビグナ・ラディアテ(Vigna radiate)スクロースシンターゼからなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記スクロースシンターゼがアラビドプシス・タリアナ(Arabidopsis thaliana)スクロースシンターゼ1である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記組換えポリペプチドが、配列番号7のC1m2である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記組換えポリペプチドが、配列番号9のC1m3である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記ステビオール配糖体組成物中のレバウジオシドD4をレバウジオシドMに変換することをさらに含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
配列番号1のUGT76G1、配列番号3のCP1、及び配列番号13のCR1から選択される酵素によりレバウジオシドD4をレバウジオシドMに変換する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
配列番号11に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むHV1酵素によりステビオシドをレバウジオシドEに変換する、請求項2~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
配列番号8又は配列番号10に対して少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むベクターにより形質転換された宿主細胞において、前記組換えポリペプチドを発現させる、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記宿主細胞が、エシェリキア属(Escherichia)、サルモネラ属(Salmonella)、バチルス属(Bacillus)、アシネトバクター属(Acinetobacter)、ストレプトミセス属(Streptomyces)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、メチロサイナス属(Methylosinus)、メチロモナス属(Methylomonas)、ロドコッカス属(Rhodococcus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、ロドバクター属(Rhodobacter)、シネコシスティス属(Synechocystis)、サッカロミセス属(Saccharomyces)、ジゴサッカロミセス属(Zygosaccharomyces)、クルイベロミセス属(Kluyveromyces)、カンジダ属(Candida)、ハンゼヌラ属(Hansenula)、デバリオミセス属(Debaryomyces)、ムコール属(Mucor)、ピキア属(Pichia)、トルロプシス属(Torulopsis)、アスペルギルス属(Aspergillus)、アルツロボトリス属(Arthrobotlys)、ブレビバクテリア属(Brevibacteria)、ミクロバクテリウム属(Microbacterium)、アルスロバクター属(Arthrobacter)、シトロバクター属(Citrobacter)、クレブシエラ属(Klebsiella)、パンテア属(Pantoea)、及びクロストリジウム属(Clostridium)からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
甘味料としての使用のために、前記ステビオール配糖体組成物からレバウジオシドD4又はレバウジオシドMを精製すること
をさらに含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
レバウジオシドD4又はレバウジオシドMを甘味料組成物に組み込むことをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
得られたステビオール配糖体組成物を甘味料組成物に組み込むことをさらに含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年3月6日に出願された米国仮特許出願第62/467,467号明細書に対する優先権を主張するものであり、その内容は参照によってその全体が本明細書中に援用される。
【0002】
本発明の分野は、選択された微生物内へ遺伝子操作された生合成経路を用いる、特定のステビオール配糖体の製造において有用な方法及びプロセスに関する。より具体的には、本開示は、酵素変換によりレバウジオシドE(「Reb E」)から合成することができる、これまで知られていなかったレバウジオシドであるレバウジオシドD4(「Reb D4」)の製造に関する。
【背景技術】
【0003】
いくつかのステビオール配糖体は、ステビア・レバウジアナ(Stevia rebaudiana)の葉中の化合物として見出され、食品、飼料及び飲料における高甘味度の低カロリー甘味料として広く使用されている。これらの天然に存在するステビオール配糖体は、同じ基本ジテルペン構造(ステビオール骨格)を有するが、ステビオール骨格のC13位及びC19位のその炭水化物残基修飾(例えば、グルコース、ラムノース、及びキシロース残基)の数及び構造が異なる。興味深いことに、基本ステビオール構造の糖「装飾」におけるこれらの変化は、劇的且つ予想外に、個々のステビオール配糖体自体の特性に影響を与える。これらの特徴には、いくつかある中で特に、風味プロファイル、結晶点、溶解度及び認知される甘味が含まれるが、これらに限定されない。既知の構造を有するステビオール配糖体には、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドM及びズルコシドAが含まれる。商業的な使用の観点から、レバウジオシドMは一般に安全であると認められるようになり(すなわち、「GRAS」状態を有する)、食品及び飲料市場における広範囲の使用について研究されている。
【0004】
乾燥重量ベースで、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドC、及びズルコシドAはそれぞれ、野生型ステビア(Stevia)の葉において見出されるステビオール配糖体の全重量の9.1、3.8、0.6、及び0.30パーセントを占めるが、Reb Eなどの他のステビオール配糖体は、それよりも大幅に少ない量で存在し、Reb D4は全く存在しない。ステビア・レバウジアナ(Stevia rebaudiana)植物からの抽出物は市販されており、このような抽出物では、ほとんどの場合、ステビオシド及びレバウジオシドAが主成分である。比較して、他の既知のステビオール配糖体は、通常、少量又は微量成分としてステビア抽出物中に存在する。例えば、典型的な市販調製物中のレバウジオシドAの量は、全ステビオール配糖体含量の約20%から90%超まで様々であり得るが、レバウジオシドBの量は約1~2%、レバウジオシドCの量は約7~15%、そしてレバウジオシドDの量は全ステビオール配糖体の約2%であり得る。このような抽出物中に、レバウジオシドMは、無視できるほど少量しか存在しない。興味深いことに、レバウジオシドEも、ステビア・レバウジアナ(Stevia rebaudiana)植物種中に存在する最も少ない量のステビオール配糖体のうちの1つであり、存在する全配糖体の0.5%未満を占める。
【0005】
天然甘味料として、上述のように、異なるステビオール配糖体はそれぞれ、異なる甘味度、「口当たり」、及びこれらに関連する特定の後味を有する。砂糖(すなわち、「スクロース」)と比べて、ステビオール配糖体の甘味は著しく高い。例えば、ステビオシドはスクロースよりも100~150倍甘いが、多数の風味試験で気付かれるように苦い後味を有し、一方レバウジオシドA及びEは、スクロースよりも250~450倍甘く、後味プロファイルはステビオシドよりもはるかに良好である。しかしながら、これらのステビオール配糖体は、それ自体、依然として注目すべき後味を保持する。従って、ステビア抽出物の風味プロファイルは抽出物中の種々のステビオール配糖体の相対含量によって大きく影響を受け、そしてこれは、基礎となる植物が経験する環境条件及び使用される抽出プロセスによって影響され得ることが一般的に知られている。植物生産、気象条件及び抽出条件におけるこれらの変動は、ステビア抽出物中のステビオール配糖体の一貫性のない組成をもたらし得るので、風味プロファイルは、抽出生成物のバッチによって大きく異なる。またステビア抽出物の風味プロファイルは、抽出プロセス後に生成物中に残存する植物由来又は環境由来の汚染物質(例えば、色素、脂質、タンパク質、フェノール類及び糖類など)によっても影響され得る。これらの汚染物質は、通常、独自の異臭を有し、得られる抽出物を消費者製品における使用に望ましくなくする。さらに、ステビア抽出物中の量が少ないステビオールレバウジオシドの個々の又は特定の組合せを単離する費用は、コスト及びリソース面で非常に高い。いくつかの特定のステビオール配糖体の品質及び有効性が限られていると仮定すると、商業的な供給は、生物変換により良好に対処することが可能であり、ここで、対象の配糖体の産生を特異的に増大させるために、必要とされる酵素を保有し、商業的に重要な発酵プロセスを使用するように、天然酵素、又は特定の微生物を改変することができる。例えば、ステビオシドからReb Eへの生物変換は、改変された微生物による発酵経路を用いて既に報告されている(米国特許出願公開第2016/0207954号明細書として公開された米国特許出願第15/016,589号明細書(Yu et al.)を参照)。あるいは、他の非生物学的合成手段を使用して、対象のステビオール配糖体を開発することができる。
【0006】
従って、より良好でより一貫性のある風味プロファイルを有するステビオール配糖体を市販の製品として開発することが必要とされ、そしてこのような望ましい配糖体の製造が商業的にできるだけ費用効率が高くなり得るように、このようなステビオール配糖体が比較的一般的な出発基質(例えば、より大量にあるステビオール配糖体など)を出発分子として利用することが必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、例えば細胞系において、Reb D4をReb Eから製造する方法を包含する。
【0008】
特に、本開示は、特定のUDP-グリコシルトランスフェラーゼによる、(13-[(2-O-β-D-グルコピラノシル-β-D-グルコピラノシル)オキシ]ent-カウラ-16-エン-19-酸-[(2-O-β-D-グルコピラノシル-3-O-β-D-グルコピラノシル-β-D-グルコピラノシル)エステル])として特定されるステビオール配糖体レバウジオシドD4「Reb D4」のReb Eからの製造を提供する。
【0009】
本方法は、特定の合成経路を用いて特定のステビオール配糖体を合成するためのアプローチを提供する。
【0010】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号7のアミノ酸配列を含む突然変異体CP1酵素を提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号7に対して少なくとも90%(例えば、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む組換えポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、本明細書に記載される突然変異体CP1酵素、例えば、配列番号7のアミノ酸配列を含む突然変異体CP1酵素と同じ又は実質的に同じ活性を有する。
【0011】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号8のヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号8に対して少なくとも90%(例えば、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%)の同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、本明細書に記載される突然変異体CP1酵素、例えば、配列番号7のアミノ酸配列を含む突然変異体CP1酵素をコードする。
【0012】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号9のアミノ酸配列を含む突然変異体CP1酵素を提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号9に対して少なくとも90%(例えば、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む組換えポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、本明細書に記載される突然変異体CP1酵素、例えば、配列番号9のアミノ酸配列を含む突然変異体CP1酵素と同じ又は実質的に同じ活性を有する。
【0013】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号10のヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号10に対して少なくとも90%(例えば、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%)の同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、本明細書に記載される突然変異体CP1酵素、例えば、配列番号9のアミノ酸配列を含む突然変異体CP1酵素をコードする。
【0014】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号11のアミノ酸配列を含む突然変異体HV1酵素を提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号11に対して少なくとも90%(例えば、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む組換えポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、本明細書に記載される突然変異体HV1酵素、例えば、配列番号11のアミノ酸配列を含む突然変異体HV1酵素と同じ又は実質的に同じ活性を有する。
【0015】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号12のヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号12に対して少なくとも90%(例えば、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%)の同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、本明細書に記載される突然変異体HV1酵素、例えば、配列番号11のアミノ酸配列を含む突然変異体HV1酵素をコードする。
【0016】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号7のアミノ酸配列を有するC1m2酵素を産生することができるベクターを含む宿主細胞を提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号9のアミノ酸配列を有するC1m3酵素を産生することができるベクターを含む宿主細胞を提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号11のアミノ酸配列を有する突然変異体HV1酵素を産生することができるベクターを含む宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、細菌、酵母、糸状菌、シアノバクテリア藻類及び植物細胞からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、エシェリキア属(Escherichia)、サルモネラ属(Salmonella)、バチルス属(Bacillus)、アシネトバクター属(Acinetobacter)、ストレプトミセス属(Streptomyces)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、メチロサイナス属(Methylosinus)、メチロモナス属(Methylomonas)、ロドコッカス属(Rhodococcus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、ロドバクター属(Rhodobacter)、シネコシスティス属(Synechocystis)、サッカロミセス属(Saccharomyces)、ジゴサッカロミセス属(Zygosaccharomyces)、クルイベロミセス属(Kluyveromyces)、カンジダ属(Candida)、ハンゼヌラ属(Hansenula)、デバリオミセス属(Debaryomyces)、ムコール属(Mucor)、ピキア属(Pichia)、トルロプシス属(Torulopsis)、アスペルギルス属(Aspergillus)、アルツロボトリス属(Arthrobotlys)、ブレビバクテリア属(Brevibacteria)、ミクロバクテリウム属(Microbacterium)、アルスロバクター属(Arthrobacter)、シトロバクター属(Citrobacter)、エシェリキア属(Escherichia)、クレブシエラ属(Klebsiella)、パンテア属(Pantoea)、サルモネラ属(Salmonella) コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、クロストリジウム属(Clostridium)、及びクロストリジウム・アセトブチリカム(Clostridium acetobutylicum)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、大豆、菜種、ヒマワリ、ワタ、コーン、タバコ、アルファルファ、小麦、大麦、オート麦、ソルガム、イネ、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、パースニップ、メロン、ニンジン、セロリ、パセリ、トマト、ジャガイモ、イチゴ、ピーナッツ、ブドウ、グラスシード作物(grass seed crop)、サトウダイコン、サトウキビ、豆、エンドウ豆、ライ麦、アマ、広葉樹、針葉樹、飼料草、アラビドプシス・タリアナ(Arabidopsis thaliana)、イネ(オリザ・サティバ(Oryza sativa))、ホルデウム・ウルガレ(Hordeum yulgare)、スイッチグラス(パニクム・ヴィルガツム(Panicum vigratum))、ヤマカモジグサ(Brachypodium)種、アブラナ(Brassica)種、及びクランベ・アビシニカ(Crambe abyssinica)からなる群から選択される植物から単離された細胞である。
【0017】
いくつかの態様では、本開示はステビオール配糖体組成物の製造方法を提供し、本方法は、配列番号7に対して少なくとも80%(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む組換えポリペプチドと共に基質をインキュベートすることを含む。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、配列番号7に対して少なくとも80%(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%)の同一性を有するUDP-グリコシルトランスフェラーゼである。いくつかの実施形態では、基質は、ステビオシド又はレバウジオシドE及びこれらの組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、本方法により製造されるステビオール配糖体化合物はレバウジオシドD4であり、従って、ステビオール配糖体組成物はレバウジオシドD4を含む。
【0018】
いくつかの態様では、本開示はレバウジオシドD4の製造方法を提供し、本方法は、配列番号7に対して少なくとも90%(例えば、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む組換えポリペプチドと共に基質をインキュベートすることを含む。いくつかの実施形態では、基質は、Reb E、ステビオシド、及びこれらの組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、本方法は、基質及び組換えポリペプチドと共に組換えスクロースシンターゼをインキュベートすることをさらに含む。
【0019】
いくつかの態様では、本開示は、レバウジオシドD4をレバウジオシドEから合成するための方法を提供し、本方法は、(a)レバウジオシドEと、スクロース、ウリジン二リン酸(UDP)及びウリジン二リン酸グルコース(UDP-グルコース)からなる群から選択される基質と、C1m2とを含む反応混合物を調製することと、(b)反応混合物を、レバウジオシドD4を生成するのに十分な時間にわたってインキュベートすることとを含み、ここで、レバウジオシドEにグルコースが共有結合されて、レバウジオシドD4が生成される。いくつかの実施形態では、本方法は、反応混合物にスクロースシンターゼを添加することをさらに含む。いくつかの実施形態では、スクロースシンターゼは、アラビドプシス属(Arabidopsis)スクロースシンターゼ1、アラビドプシス属(Arabidopsis)スクロースシンターゼ3及びビグナ・ラディアテ(Vigna radiate)スクロースシンターゼからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、スクロースシンターゼは、アラビドプシス・タリアナ(Arabidopsis thaliana)スクロースシンターゼ1である。いくつかの実施形態では、生成されるReb D4は、70%を超えて(例えば、70%を超えて、75%を超えて、80%を超えて、85%を超えて、90%を超えて、91%を超えて、92%を超えて、93%を超えて、94%を超えて、95%を超えて、96%を超えて、97%を超えて、98%を超えて、99%を超えて、又は100%)純粋である。いくつかの実施形態では、本方法は、反応混合物にHV1酵素を添加することをさらに含む。
【0020】
いくつかの態様では、本開示は、レバウジオシドD4をレバウジオシドEから合成するための方法を提供し、本方法は、(a)レバウジオシドEと、スクロース、ウリジン二リン酸(UDP)及びウリジン二リン酸グルコース(UDP-グルコース)からなる群から選択される基質と、C1m3とを含む反応混合物を調製することと、(b)反応混合物を、レバウジオシドD4を生成するのに十分な時間にわたってインキュベートすることとを含み、ここで、レバウジオシドEにグルコースが共有結合されて、レバウジオシドD4が生成される。いくつかの実施形態では、本方法は、反応混合物にスクロースシンターゼを添加することをさらに含む。いくつかの実施形態では、スクロースシンターゼは、アラビドプシス属(Arabidopsis)スクロースシンターゼ1、アラビドプシス属(Arabidopsis)スクロースシンターゼ3及びビグナ・ラディアテ(Vigna radiate)スクロースシンターゼからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、スクロースシンターゼは、アラビドプシス・タリアナ(Arabidopsis thaliana)スクロースシンターゼ1である。いくつかの実施形態では、生成されるReb D4は、70%を超えて(例えば、70%を超えて、75%を超えて、80%を超えて、85%を超えて、90%を超えて、91%を超えて、92%を超えて、93%を超えて、94%を超えて、95%を超えて、96%を超えて、97%を超えて、98%を超えて、99%を超えて、又は100%)純粋である。いくつかの実施形態では、本方法は、反応混合物にHV1酵素を添加することをさらに含む。
【0021】
いくつかの態様では、本開示は、上記の方法又は本明細書中で他に記載される方法によって製造されるステビオール配糖体組成物又はステビオール配糖体を含む甘味料を提供する。
【0022】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号5のアミノ酸配列を含むGXT6酵素を提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号5に対して少なくとも90%(例えば、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む組換えポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態では、組換えポリペプチドは、本明細書に記載されるGXT6酵素、例えば、配列番号5のアミノ酸配列を含むGXT6酵素と同じ又は実質的に同じ活性を有する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号5のアミノ酸配列を有するGXT6酵素を産生することができるベクターを含む宿主細胞を提供する。
【0023】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号6のヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。
【0024】
いくつかの態様では、本開示は、配列番号3を含むCP1酵素を提供する。いくつかの態様では、本開示は、配列番号4のヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。
【0025】
いくつかの態様では、本開示は、
図9に記載される酵素及び基質、又はそのサブセットを用いて(例えば、ステビオシド、Reb E、又はReb D4から出発し、そして/あるいはHV1、C1m2、C1m3、UGT76G1、CP1及び/又はCR1を利用して)Reb Mを製造する方法を提供する。いくつかの実施形態では、Reb Mは、
図9に記載される酵素及び基質、又はそのサブセットを含有するインビトロ反応混合物を用いて(例えば、ステビオシド、Reb E、又はReb D4から出発し、そして/あるいはHV1、C1m2、C1m3、UGT76G1、CP1及び/又はCR1を利用して)製造される。いくつかの実施形態では、Reb Mは、
図9に記載される酵素、又はそのサブセット(例えば、HV1、C1m2、C1m3、UGT76G1、CP1及び/又はCR1)を発現する細胞においてインビボで産生され、ここで、細胞は、
図14に記載される基質(例えば、ステビオシド、Reb E、又はReb D4)と共にインキュベートされる。いくつかの実施形態では、細胞は酵母細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は細菌細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は植物細胞である。
【0026】
製品/商業的有用性の観点から、米国の市場にはステビオール配糖体を含有する製品が数ダース存在し、鎮痛剤から害虫忌避剤まで全てのものにおいて、そして食品においても健康補助食品としても使用することができる。ステビオール配糖体を含有する製品は、エアロゾル、液体、ゲル又は顆粒剤であり得る。
【0027】
実施形態における細胞系については、それは、細菌、酵母、及びこれらの組合せ、又は選択された遺伝子による遺伝子形質転換と、その後の、ステビオールからの所望のステビオール配糖体の生合成製造とを可能にし得る任意の細胞系からなる群から選択される。最も好ましい微生物系において、所望のステビオール配糖体化合物を製造するために大腸菌(E.coli)が使用される。
【0028】
本開示は種々の修正及び代替形態を許容できるが、その特定の実施形態が例として図面に示されており、本明細書において詳細に記載されるであろう。しかしながら、本明細書で提示される図面及び詳細な説明は、本開示を開示される特定の実施形態に限定することは意図されず、反対に、本発明が、特許請求の範囲により定義される本開示の趣旨及び範囲内に包含される全ての修正物、等価物、及び代替物を網羅できることは理解されるべきである。
【0029】
本発明の他の特徴及び利点は、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な記載において明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】Reb EからReb D4を製造する、ステビオール配糖体の生合成経路を示す。
【
図2】C1m2及びC1m3酵素により触媒される、Reb D4のReb Eからのインビトロでの製造を示す。A:レバウジオシドE(「Reb E」)の標準物を示す。B:レバウジオシドD4(「Reb D4」)の標準物を示す。C1m2(C)及びC1m3(D)により16時間で酵素的に生成されたReb D4。
【
図3】C1m2突然変異体により生成された化合物のLC-MS分析を示す。
【
図4】C1m3突然変異体により生成された化合物のLC-MS分析を示す。
【
図5】GXT6βグルコシダーゼによるReb D4、Reb E及びReb Dの加水分解を示す。GXT6βグルコシダーゼによるReb D4、Reb E及びReb Dの16時間の加水分解。A:レバウジオシドD(「Reb D」)、レバウジオシドM(「Reb M」)及びレバウジオシドA(「Reb A」)の標準物を示す。B:レバウジオシドE(「Reb E」)、レバウジオシドKA(「KA」)、ステビオシド(「ST」)及びルブソシド(「Rub」)の標準物を示す。C:レバウジオシドD4(「Reb D4」)及びReb WB2(「WB2」)の標準物を示す。D:レバウジオシドWB1(「WB1」)及びReb WB2(「WB2」)の標準物を示す。E:Reb Eの加水分解を示す。F:D4の加水分解。G:Reb Dの加水分解を示す。
【
図6】C1m2及びC1m3突然変異体によるReb EからReb D4への生物変換を確認するために、生成された化合物の加水分解を示す。A:レバウジオシドD(「Reb D」)、レバウジオシドM(「Reb M」)及びレバウジオシドA(「Reb A」)の標準物を示す。B:レバウジオシドE(「Reb E」)、レバウジオシドKA(「KA」)、ステビオシド(「ST」)及びルブソシド(「Rub」)の標準物を示す。C:レバウジオシドD4(「Reb D4」)及びReb WB2(「WB2」)の標準物を示す。D:レバウジオシドWB1(「WB1」)及びReb WB2(「WB2」)の標準物を示す。C1m2(E)及びC1m3(F)によるReb Eの16時間の生物変換。GXT6による生成された化合物の16時間の加水分解。G:C1m2反応において生成された化合物の加水分解を示す。H:C1m3反応において生成された化合物の加水分解を示す。
【
図7】Hv1と、C1m2又はC1m3との酵素の組合せによるReb D4のステビオシドからのインビトロ生成を示す。A:レバウジオシドD(「Reb D」)、レバウジオシドM(「Reb M」)及びレバウジオシドA(「Reb A」)の標準物を示す。B:レバウジオシドE(「Reb E」)及びステビオシド(「ST」)の標準物を示す。C:レバウジオシドD4(「Reb D4」)の標準物を示す。Reb D4は、HV1と、C1m2(D)又はC1m3(E)との組合せにより16時間で生成させた。
【
図8】HV1と、C1m2(A)又はC1m3(B)との組合せにより生成されたReb D4のLC-MS分析を示す。
【
図9】Reb Mのステビオシドからの生合成経路を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本明細書中で使用される用語の説明:
ステビオール配糖体は南米の植物ステビア・レバウジアナ(Stevia rebaudiana)(キク科(Asteraceae))の葉の甘味の原因となる化合物の種類であり、食品、飼料及び飲料における甘味料として使用され得る。
【0032】
定義:
細胞系は、異所性タンパク質の発現を提供する任意の細胞である。これには、細菌、酵母、植物細胞及び動物細胞が含まれる。これには、原核細胞及び真核細胞の両方が含まれる。またこれには、リボソームなどの細胞成分に基づいたタンパク質のインビトロ発現も含まれる。
【0033】
コード配列は、当業者にとってのその通常及び慣例の意味が与えられるべきであり、特定のアミノ酸配列をコードするDNA配列を指すために制限なく使用される。
【0034】
細胞系を成長させる。成長には、細胞の増殖及び分裂を可能にし得る適切な培地を提供することが含まれる。また、細胞又は細胞成分が組換えタンパク質を翻訳及び作製できるように資源を提供することも含まれる。
【0035】
タンパク質発現。タンパク質の産生は遺伝子発現後に起こり得る。これは、DNAがメッセンジャーRNA(mRNA)に転写された後の段階からなる。mRNAは次にポリペプチド鎖に翻訳され、これは、最終的にタンパク質に折り畳まれる。DNAは、核酸を意図的に細胞内に導入するプロセスであるトランスフェクションを介して細胞内に存在する。この用語は、真核細胞における非ウィルス法に使用されることが多い。また、これは、他の方法及び細胞型を指してもよいが、他の用語が好ましい。細菌、植物細胞を含む非動物真核細胞における非ウィルスDNA転移を説明するためには「形質転換」が使用されることが多い。動物細胞では、形質転換はこれらの細胞における癌性状態への進行(発癌)を指すためにも使用されるので、トランスフェクションが好ましい用語である。形質導入は、ウィルス媒介のDNA転移を説明するために使用されることが多い。形質転換、形質導入、及びウィルス感染は、本出願のトランスフェクションの定義に含まれる。
【0036】
酵母。本開示によると、酵母は、真菌界のメンバーに分類される真核単細胞微生物である。酵母は多細胞祖先から進化した単細胞生物であるが、本開示に有用ないくつかの種は、仮性菌糸又は偽菌糸として知られている糸状の結合した出芽細胞を形成することにより、多細胞の特徴を発現する能力を有するものである。
【0037】
本開示で使用されるUGT酵素の名前は、UGT Nomenclature Committeeにより採用された命名法(Mackenzie et al.,”The UDP glycosyltransferase gene super family:recommended nomenclature updated based on evolutionary divergence,”PHARMACOGENETICS,1997,vol.7,pp.255-269)と一致しており、これは、ファミリー番号、サブファミリーを示す文字、及び個々の遺伝子の番号の組合せによりUGT遺伝子を分類する。例えば、「UGT76G1」という名前は、UGTファミリー番号76(植物由来)、サブファミリーG、及び遺伝子番号1に属する遺伝子によりコードされるUGT酵素を指す。
【0038】
構造用語:
本明細書で使用される場合、単数形「a、an」及び「the」は、内容が他に明白に指示しない限り、複数の指示対照を含む。
【0039】
「含む(include)」、「有する(have)」又は同様の用語が説明又は特許請求の範囲において使用される限りにおいて、このような用語は、「含む(comprise)」が特許請求の範囲において移行語として使用される場合に解釈されるように、「含む(comprise)」という用語と同様に包括的であることが意図される。
【0040】
「例示的」という用語は、本明細書において、「実施例、例、又は例証としての役割を果たすこと」を意味するために使用される。「例示的」であると本明細書に記載される任意の実施形態は、必ずしも、他の実施形態よりも好ましい又は有利であると解釈されるとは限らない。
【0041】
「相補的」という用語は、当業者にとってのその通常及び慣例の意味が与えられるべきであり、互いにハイブリダイズすることができるヌクレオチド塩基間の関係を説明するために制限なく使用される。例えば、DNAに関しては、アデノシンはチミンに相補的であり、シトシンはグアニンに相補的である。従って、本技術は、添付の配列表において報告される完全な配列に相補的である単離核酸断片、並びにそれらの実質的に同様の核酸配列も含む。
【0042】
「核酸」及び「ヌクレオチド」という用語は、当業者にとってのそのそれぞれの通常及び慣例の意味が与えられるべきであり、デオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチド、及び一本鎖又は二本鎖形態のいずれかのこれらのポリマーを指すために制限なく使用される。特に限定されない限り、この用語は、参照核酸と同様の結合特性を有し、且つ天然に存在するヌクレオチドと同様に代謝される、天然ヌクレオチドの既知の類似体を含有する核酸を包含する。他に記載されない限り、特定の核酸配列は、その保存的に改変された又は縮重変異体(例えば、縮重コドン置換)及び相補的配列、並びに明確に示された配列を暗黙に包含する。
【0043】
「単離(された)」という用語は、当業者にとってのその通常及び慣例の意味が与えられるべきであり、単離核酸又は単離ポリペプチドとの関連で使用される場合、人の手によりその天然環境から離れて存在し、従って天然の産物ではない核酸又はポリペプチドを指すために制限なく使用される。単離された核酸又はポリペプチドは精製形態で存在することもできるし、あるいは例えば遺伝子導入宿主細胞内などの非天然環境において存在することもできる。
【0044】
「インキュベートする(incubating)」及び「インキュベーション」という用語は、本明細書で使用される場合、2つ以上の化学的又は生物学的実体(例えば、化合物及び酵素など)を混合し、これらを、ステビオール配糖体組成物を生じさせるのに有利な条件下で相互作用させるプロセスを意味する。
【0045】
「縮重変異体」という用語は、1つ又は複数の縮重コドン置換によって参照核酸配列とは異なる残基配列を有する核酸配列を指す。縮重コドン置換は、1つ又は複数の選択された(又は全ての)コドンの第3の位置が混合塩基及び/又はデオキシイノシン残基によって置換された配列を作成することにより達成することができる。核酸配列及びその縮重変異体の全ては、同じアミノ酸又はポリペプチドを発現するであろう。
【0046】
「ポリペプチド」、「タンパク質」、及び「ペプチド」という用語は、当業者にとってのそのそれぞれの通常及び慣例の意味が与えられるべきであり、3つの用語は互換的に使用されることもあり、そのサイズ又は機能に関係なく、アミノ酸、又はアミノ酸類似体のポリマーを指すために制限なく使用される。「タンパク質」は比較的大きいポリペプチドに関して使用されることが多く、「ペプチド」は小さいポリペプチドに関して使用されることが多いが、当該技術分野におけるこれらの用語の使用は重複しており、変動する。「ポリペプチド」という用語は、本明細書で使用される場合、他に言及されない限り、ペプチド、ポリペプチド、及びタンパク質を指す。「タンパク質」、「ポリペプチド」、及び「ペプチド」という用語は、ポリヌクレオチド産物を指す場合に、本明細書では互換的に使用される。従って、例示的なポリペプチドは、ポリヌクレオチド産物、天然に存在するタンパク質、相同体、オルソログ、パラログ、断片及び他の等価物、変異体、並びに上記のものの類似体を含む。
【0047】
「ポリペプチド断片」及び「断片」という用語は、参照ポリペプチドに関して使用される場合、当業者にとってのその通常及び慣例の意味が与えられるべきであり、参照ポリペプチド自体と比べてアミノ酸残基が欠失しているが、残りのアミノ酸配列は通常参照ポリペプチドにおける対応する位置と同一であるポリペプチドを指すために制限なく使用される。このような欠失は、参照ポリペプチドのアミノ末端又はカルボキシ末端、あるいは両方において起こり得る。
【0048】
ポリペプチド又はタンパク質の「機能的断片」という用語は、全長ポリペプチド又はタンパク質の一部分であり、そして全長ポリペプチド又はタンパク質と実質的に同じ生物活性を有するか、あるいは実質的に同じ機能を実行する(例えば、同じ酵素反応を実行する)ペプチド断片を指す。
【0049】
互換的に使用される「変異体ポリペプチド」、「改変アミノ酸配列」、又は「改変ポリペプチド」という用語は、1つ又は複数のアミノ酸によって、例えば、1つ又は複数のアミノ酸置換、欠失、及び/又は付加によって参照ポリペプチドとは異なるアミノ酸配列を指す。一態様では、変異体は、参照ポリペプチドの能力のいくらか又は全てを保持する「機能的変異体」である。
【0050】
「機能的変異体」という用語はさらに、保存的に置換された変異体を含む。「保存的に置換された変異体」という用語は、1つ又は複数の保存的アミノ酸置換によって参照ペプチドとは異なり、参照ペプチドの活性のいくらか又は全てを保持するアミノ酸配列を有するペプチドを指す。「保存的アミノ酸置換」は、機能的に同様の残基によるアミノ酸残基の置換である。保存的置換の例としては、1つの非極性(疎水性)残基、例えばイソロイシン、バリン、ロイシン若しくはメチオニンと、別のものとの置換;1つの荷電若しくは極性(親水性)残基と、別のものとの置換、例えば、アルギニンとリジンとの間の置換、グルタミンとアスパラギンとの間の置換、スレオニンとセリンとの間の置換;1つの塩基性残基、例えばリジン若しくはアルギニンと、別のものとの置換;又は1つの酸性残基、例えばアスパラギン酸若しくはグルタミン酸と、別のものとの置換;又は1つの芳香族残基、例えばフェニルアラニン、チロシン、若しくはトリプトファンと、別のものとの置換が挙げられる。このような置換は、タンパク質又はポリペプチドの見かけの分子量又は等電点に対してほとんど又は全く影響を与えないことが予想される。「保存的に置換された変異体」という語句は、化学的に誘導された残基によって残基が置換されたペプチドも含むが、ただし、得られるペプチドが本明細書に記載される参照ペプチドの活性のいくらか又は全てを保持することを条件とする。
【0051】
本技術のポリペプチドに関連する「変異体」という用語はさらに、参照ポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、そしてさらに100%同一であるアミノ酸配列を有する、機能的に活性なポリペプチドを含む。
【0052】
「相同」という用語は、その文法的形態及びスペリングバリエーションの全てにおいて、「共通の進化的起源」を有するポリヌクレオチド又はポリペプチドの間の関係を指し、スーパーファミリーからのポリヌクレオチド又はポリペプチドと、異なる種からの相同ポリヌクレオチド又はタンパク質とが含まれる(Reeck et al.,CELL 50:667,1987)。このようなポリヌクレオチド又はポリペプチドは、同一性パーセントに関するか、又は保存位置における特異的アミノ酸若しくはモチーフの存在に関するかにかかわらず、その配列類似性に反映されるような配列相同性を有する。例えば、2つの相同ポリペプチドは、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも900 少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、そしてさらに100%同一であるアミノ酸配列を有することができる。
【0053】
「適切な制御配列」は、当業者にとってのその通常及び慣例の意味が与えられるべきであり、コード配列の上流側(5’非コード配列)、その中、又は下流側(3’非コード配列)に位置し、そして関連するコード配列の転写、RNAプロセシング若しくは安定性、又は翻訳に影響するヌクレオチド配列を指すために制限なく使用される。制御配列は、プロモーター、翻訳リーダー配列、イントロン、及びポリアデニル化認識配列を含み得る。
【0054】
「プロモーター」は、当業者にとってのその通常及び慣例の意味が与えられるべきであり、コード配列又は機能的RNAの発現を制御することができるDNA配列を指すために制限なく使用される。一般に、コード配列は、プロモーター配列に対して3’側に位置する。プロモーターは、その全体が天然遺伝子に由来してもよいし、あるいは天然に見出される異なるプロモーターに由来する異なる要素から構成されてもよいし、あるいはさらに、合成DNAセグメントを含んでいてもよい。異なるプロモーターは、異なる組織又は細胞型において、又は異なる発生段階で、又は異なる環境条件に応答して遺伝子の発現を指示し得ることが当業者により理解される。ほとんどの時点でほとんどの細胞型において遺伝子を発現させるプロモーターは、一般に、「構成的プロモーター」と呼ばれる。ほとんどの場合、制御配列の正確な境界は完全には定義されていないので、異なる長さのDNA断片が同一のプロモーター活性を有し得ることは、さらに認識される。
【0055】
「機能的に連結された」という用語は、一方の機能が他方により影響されるような、単一の核酸断片における核酸配列の関連性を指す。例えば、プロモーターは、そのコード配列の発現に影響を与えることができる場合に、コード配列と機能的に連結されている(すなわち、コード配列は、プロモーターの転写制御下にある)。コード配列は、センス方向又はアンチセンス方向に制御配列と機能的に連結され得る。
【0056】
「発現」という用語は、本明細書で使用される場合、当業者にとってのその通常及び慣例の意味が与えられるべきであり、本技術の核酸断片に由来するセンス(mRNA)又はアンチセンスRNAの転写及び安定な蓄積を指すために制限なく使用される。「過剰発現」は、正常又は非形質転換生物における産生レベルを超える、遺伝子導入又は組換え生物における遺伝子産物の産生を指す。
【0057】
「形質転換」は、当業者にとってのその通常及び慣例の意味が与えられるべきであり、ポリヌクレオチドの標的細胞内への転移を指すために制限なく使用される。転移されたポリヌクレオチドは標的細胞のゲノム又は染色体DNA内に取り込まれ、遺伝学的に安定した遺伝をもたらすこともできるし、あるいは宿主染色体と関係なく複製することもできる。形質転換された核酸断片を含有する宿主生物は、「遺伝子導入」又は「形質転換」と呼ばれる。
【0058】
「形質転換」、「遺伝子導入」、及び「組換え」という用語は、本明細書において宿主細胞と関連して使用される場合、当業者にとってのそのそれぞれの通常及び慣例の意味が与えられるべきであり、異種核酸分子が導入された宿主生物の細胞、例えば植物又は微生物細胞を指すために制限なく使用される。核酸分子は宿主細胞のゲノム内に安定して組み込まれることもできるし、あるいは核酸分子は染色体外分子として存在することもできる。このような染色体外分子は自己複製することができる。形質転換された細胞、組織、又は対象は、形質転換プロセスの最終産物だけでなく、その遺伝子導入子孫も包含することが理解される。
【0059】
「組換え」、「異種」、及び「外因性」という用語は、本明細書においてポリヌクレオチドと関連して使用される場合、当業者にとってのそのそれぞれの通常及び慣例の意味が与えられるべきであり、特定の宿主細胞に対して外来性である起源に由来するか、あるいは同じ起源に由来する場合はその元の形態から改変されたポリヌクレオチド(例えば、DNA配列又は遺伝子)を指すために制限なく使用される。従って、宿主細胞中の異種遺伝子は、特定の宿主細胞に対して内因性であるが、例えば、部位特異的変異誘発又は他の組換え技術の使用により改変された遺伝子を含む。この用語は、天然に存在するDNA配列の天然に存在しない複数コピーも含む。従って、この用語は、細胞に対して外来性又は異種であるか、あるいは細胞に対して相同であるが、その要素が通常見出されない宿主細胞内の位置又は形態にあるDNAセグメントを指す。
【0060】
同様に、「組換え」、「異種」及び「外因性」という用語は、本明細書においてポリペプチド又はアミノ酸配列と関連して使用される場合、特定の宿主細胞に対して外来性である起源に由来するか、あるいは同じ起源に由来する場合はその元の形態から改変されたポリペプチド又はアミノ酸配列を意味する。従って、組換えDNAセグメントは宿主細胞において発現されて、組換えポリペプチドを生じることができる。
【0061】
「プラスミド」、「ベクター」、及び「カセット」という用語は、当業者にとってのそのそれぞれの通常及び慣例の意味が与えられるべきであり、細胞の中央代謝の一部ではなく、通常環状二本鎖DNA分子の形態である遺伝子を保有することが多い染色体外要素を指すために制限なく使用される。このような要素は、任意の起源に由来する自己複製配列、ゲノム組込み配列、ファージ又はヌクレオチド配列、線状又は環状の一本鎖又は二本鎖DNA又はRNAであってもよく、ここで、いくつかのヌクレオチド配列は、選択された遺伝子産物のためのプロモーター断片及びDNA配列を、適切な3’非翻訳配列と共に細胞内に導入することができる特有の構成に連結又は組換えられている。「形質転換カセット」は、外来性遺伝子を含有し、外来性遺伝子に加えて特定の宿主細胞の形質転換を促進する要素を有する特定のベクターを指す。「発現カセット」は、外来性遺伝子を含有し、外来性遺伝子に加えて、外来性宿主におけるその遺伝子の発現の増強を可能にする要素を有する特定のベクターを指す。
【0062】
本開示は、一部分において、Reb D4の製造におけるReb Eの使用に関する。生物学的観点から、全てのステビオール配糖体はステビオールの一連のグリコシル化反応によって形成され、これは通常、ウリジン5’-ジホスホグルコース(UDP-グルコース)を糖部分の供与体として用いて、UDP-グリコシルトランスフェラーゼ(UGT)酵素により触媒される。植物において、UGTは、グルコース残基をUDP-グルコースからステビオールへ転移させることができる非常に多様な酵素群である。これらの反応では、ステビオシドは、種々のレバウジオシド化合物の生合成における中間体であることが多い。例えば、ステビオシドのC-13-O-グルコースのC-3’のステビオシドのグリコシル化はレバウジオシドAをもたらし、ステビオシドの19-O-グルコース位置のC-2’のグリコシル化はレバウジオシドEをもたらす。
【0063】
本開示によると、レバウジオシドEの特異的及び定方向のグリコシル化(C-19-O-グルコースにおける)はReb EからレバウジオシドReb D4を生じることができ、これは次に、さらにUGT酵素によるReb D4のグリコシル化に向けて進められ、レバウジオシドMを生じることができる。Reb D4をReb Eから酵素的に生成するための合成ステップはこれまで報告されていない。ステビオール配糖体の生合成経路の第1の重要なステップは、酵素KAHの活性によるent-カウレン酸からステビオールへの変換を含む。UGT76G1は、レバウジオシドBを形成するステビオールビオシド、及びレバウジオシドAの生成をもたらすステビオシドに対して複数のグルコシル化活性を提示することが示されている。さらに、KAH、UGT85C2、UGT74G1及びUGT76G1の相互作用親和性はent-カウレン酸及びステビオールについて評価されている。KAHについて予測されるモデルは、リガンドステビオールに対して最高の親和性を示し、続いてステビオールモノシド及びent-カウレン酸に対して親和性を示した。UGT76G1の三次元モデルの結合結果により、ent-カウレン酸に対するその最高の結合親和性が示唆されたが、これらの酵素は、ステビオール配糖体の生合成経路において2つ以上のリガンドと相互作用をする能力を有することも示唆される。本開示によると、UGT76G1内のドメインにおける突然変異はグルコシル化活性の特異的な変化を引き起こし、代替のレバウジオシドの生成をもたらすことができる。
【0064】
本開示によると、ステビア抽出物の風味品質を改善するための実践的なアプローチは、概してより望ましい風味特性を有するレバウジオシド化合物の収率を増大させ、そしてより生産的な合成経路によりこれを行なうことである。試験されるステビオール配糖体のうち、多くの人は、様々な食品及び飲料での使用のためにReb Mが最も望ましい風味及び化学的性質を有すると考える。しかしながら、上記のように、植物には、この化合物がその葉の中に無視できるほど少量しか存在せず、従って、この配糖体の大規模製造を可能にするために、そして食品及び飲料産業に代替甘味料を提供するために、代替的な生合成プロセスを開発することが必要である。この経路の一部が本明聖書において提供される。
【0065】
従って、より良好でより一貫性のある風味プロファイルを有するステビオール配糖体を市販の製品として開発することが必要とされ、そしてこのような望ましい配糖体の製造が商業的にできるだけ費用効率が高くなり得るように、このようなステビオール配糖体は比較的一般的な出発基質(例えば、より大量にあるステビオール配糖体など)を出発分子として利用することが必要とされている。本開示は、ステビオシドからレバウジオシドEを介してレバウジオシドD4を製造する方法を提供する。
【0066】
さらに、植物からの抽出プロセスは通常、ステビオール配糖体の回収のためにヘキサン、クロロホルム、及びエタノールのような溶媒を用いる固液抽出技術を使用する(Catchpole et al.,2003)。しかしながら、溶媒抽出はそれ自体がエネルギー集約的であり、毒性廃棄物処理の問題につながり、植物自体を成長させるために広大な面積を必要とし、そして微量成分を回収するためにさらなる精製を必要とする生成物をもたらす。この結果として、ステビオール配糖体の製造コストを低減し、大規模栽培及び加工の環境影響を少なくするために新しい製造方法も必要とされている(Yao et al.,1994)。1つのこのような可能性のある解決法は、商業に利用可能な所望のステビオール配糖体の選択性、存在量及び純度を増大させる特定の微生物種における産生を可能にする発酵生物変換技術の使用である。
【0067】
上記に加えて、消費者は、食品、飼料、フレーバー又は薬用成分の天然の生物学的な源を良いと認め、積極的に求める一方で、ソーシング、一貫性のある風味プロファイル、及び環境的に持続可能な製造についても関心がある。この状況に対して、本開示の微生物発酵及び製造方法は、無機合成又は現在の植物抽出技術よりも天然なやり方でそれを行いながら、様々な産業及び研究に有用な量のReb D4を提供する。
【0068】
従って、ヒト及び動物の消費をさらに可能にするために経済的且つ便利にReb D4を製造する新規の方法の開発が必要とされている。特に、本開示は、遺伝子操作された微生物を介して、Reb Eを使用してReb D4を製造するための方法を提供する。
【0069】
本開示は、Reb Eからの対象のステビオール配糖体Reb D4の製造に関し、UGT酵素を用いてその変換を可能にする。本技術は、ステビオール配糖体を合成するために1,3-19-O-グルコースグリコシル化活性及び1,3-13-O-グルコースグリコシル化活性などのUDPグリコシルトランスフェラーゼ活性を有する組換えポリペプチドを提供する。本技術の組換えポリペプチドは、ステビオール配糖体化合物の生合成のために有用である。本開示において、UDP-グリコシルトランスフェラーゼ(UGT)は、糖残基を活性化供与体分子(通常、UDP-グルコース)から受容体分子へ転移させる酵素を指す。1,3-19-O-グルコースグリコシル化活性は、糖部分をレバウジオシドEの19-Oグルコース部分のC-3’へ転移させて、レバウジオシドD4を生じる酵素活性を指す(Reb D4)(
図14)。
【0070】
合成生物学
本明細書で使用される標準組換えDNA及び分子クローニング技術は当該技術分野においてよく知られており、例えば、Sambrook,J.,Fritsch,E.F.and Maniatis,T.MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,2nd ed.;Cold Spring Harbor Laboratory:Cold Spring Harbor,N.Y.,1989(以下、「Maniatis」);及びSilhavy,T.J.,Bennan,M.L.and Enquist,L.W.EXPERIMENTS WITH GENE FUSIONS;Cold Spring Harbor Laboratory:Cold Spring Harbor,N.Y.,1984;及びAusubel,F.M.et al.,IN CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,GREENE PUBLISHING AND WILEY-INTERSCIENCEにより出版,1987によって記載されている(これらのそれぞれの全体は、参照によって本明細書中に援用される)。
【0071】
グリコシル化は、生物活性と、植物の天然産物の貯蔵とを制御する広範な反応であると考えられることが多い。小分子のグリコシル化は、今まで研究されてきたほとんどの植物種におけるトランスフェラーゼのスーパーファミリーにより触媒される。これらのグリコシルトランスフェラーゼ(GT)は60を超えるファミリーに分類されている。これらのうち、UDPグリコシルトランスフェラーゼ(UGT)としても知られているファミリー1GT酵素は、UDP-活性化糖部分を特定の受容体分子へ転移させる。これらは、ステビオール配糖体中にこのような糖部分を転移させて、種々のレバウジオシドを形成する分子である。これらのUGTのそれぞれは、その独自の活性プロファイルと、その活性化糖部分を転移させる好ましい構造位置とを有する。
【0072】
産生系
原核生物におけるタンパク質の発現は、ほとんどの場合、融合又は非融合タンパク質のいずれかの発現を指示する構成的又は誘導性プロモーターを含有するベクターを用いて細菌宿主細胞において実行される。融合ベクターは、その中にコードされたタンパク質、通常は組換えタンパク質のアミノ末端にいくつかのアミノ酸を付加する。このような融合ベクターは、通常、3つの目的を果たす:1)組換えタンパク質の発現を増大させること;2)組換えタンパク質の溶解度を増大させること;及び3)アフィニティー精製におけるリガンドとしての役割を果たすことにより組換えタンパク質の精製を補助すること。多くの場合、融合タンパク質の精製の後に、組換えタンパク質を融合部分から分離できるようにするために、融合部分と組換えタンパク質との接合部にタンパク質分解的切断部位が導入される。このようなベクターは本開示の範囲内に含まれる。
【0073】
実施形態において、発現ベクターは、細菌細胞における組換えポリペプチドの発現のための遺伝要素を含む。細菌細胞における転写及び翻訳のための要素は、プロモーター、タンパク質複合体のコード領域、及び転写ターミネーターを含むことができる。
【0074】
当業者は、発現ベクターの調製に利用可能な分子生物学的技術を認識するであろう。本技術の発現ベクターへの取込みのために使用されるポリヌクレオチドは、上記のように、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの日常的な技術により調製することができる。
【0075】
相補的な付着末端を介してDNAをベクターに機能的に連結するためにいくつかの分子生物学的技術が開発されている。一実施形態では、ベクターDNAに挿入すべき核酸分子に相補的ホモポリマートラクトが付加され得る。ベクター及び核酸分子は次に、相補的ホモポリマーのテール間の水素結合により連結されて、組換えDNA分子を形成する。
【0076】
代替の実施形態では、提供される1つ又は複数の制限部位を含有する合成リンカーを使用して、本技術のポリヌクレオチドを発現ベクターに機能的に連結する。実施形態では、ポリヌクレオチドは、制限エンドヌクレアーゼ消化により生成される。実施形態では、核酸分子は、バクテリオファージT4DNAポリメラーゼ又は大腸菌(E.coli)DNAポリメラーゼI(突出3’-一本鎖末端をその3’-5’-エキソヌクレアーゼ活性により除去し、陥凹3’末端をその重合活性により埋める酵素)によって処理され、それにより平滑末端DNAセグメントが生成される。平滑末端セグメントは次に、バクテリオファージT4DNAリガーゼなどの、平滑末端DNA分子の連結を触媒することができる酵素の存在下で、多量のモル過剰のリンカー分子と共にインキュベートされる。従って、反応の生成物は、高分子リンカー配列をその末端に有するポリヌクレオチドである。これらのポリヌクレオチドは次に適切な制限酵素により切断され、ポリヌクレオチドの末端に適合する末端を生じる酵素で切断された発現ベクターに連結される。
【0077】
あるいは、連結に依存しないクローニング(ligation-independent cloning)(LIC)部位を有するベクターを使用することができる。次に、制限消化又は連結を伴うことなく、必要とされるPCR増幅ポリヌクレオチドがLICベクターにクローニングされ得る(Aslanidis and de Jong,NUCL.ACID.RES.18 6069-74,(1990)、Haun,et al,BIOTECHNIQUES 13,515-18(1992)(参照によって本明細書と一致する範囲で本明細書中に援用される))。
【0078】
実施形態において、選択されたプラスミド内への挿入のために、対象のポリヌクレオチドを単離及び/又は改変するためには、PCRを使用することが適切である。配列のPCR調製で使用するのに適切なプライマーは、必要とされる核酸分子のコード領域を単離し、制限エンドヌクレアーゼ又はLIC部位を付加し、所望のリーディングフレーム内にコード領域を配置するように設計することができる。
【0079】
実施形態において、本技術の発現ベクター内への取込みのためのポリヌクレオチドは、適切なオリゴヌクレオチドプライマーを用いるPCRを使用して調製される。コード領域は増幅され、プライマー自体は増幅配列産物内に取り込まれる。実施形態において、増幅プライマーは制限エンドヌクレアーゼ認識部位を含有し、これは、増幅配列産物が適切なベクター内にクローニングされることを可能にする。
【0080】
発現ベクターは、従来の形質転換又はトランスフェクション技術により植物又は微生物宿主細胞内に導入され得る。本技術の発現ベクターによる適切な細胞の形質転換は当該技術分野において既知の方法によって達成され、通常、ベクター及び細胞のタイプの両方に依存する。適切な技術には、リン酸カルシウム又は塩化カルシウム共沈、DEAE-デキストラン媒介トランスフェクション、リポフェクション、ケモポレーション(chemoporation)又はエレクトロポレーションが含まれる。
【0081】
うまく形質転換された細胞、すなわち発現ベクターを含有する細胞は、当該技術分野においてよく知られた技術により特定され得る。例えば、本技術の発現ベクターがトランスフェクトされた細胞を培養して、本明細書に記載されるポリペプチドを生成させることができる。当該技術分野においてよく知られた技術により、発現ベクターDNAの存在について細胞を検査することができる。
【0082】
宿主細胞は、既に記載された発現ベクターの単一コピー、あるいは発現ベクターの複数コピーを含有することができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、形質転換細胞は動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、藻類細胞、真菌細胞、又は酵母細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、キャノーラ植物細胞、ナタネ植物細胞、ヤシ植物細胞、ヒマワリ植物細胞、綿植物細胞、コーン植物細胞、ピーナッツ植物細胞、亜麻植物細胞、ゴマ植物細胞、大豆植物細胞、及びペチュニア植物細胞からなる群から選択される植物細胞である
【0084】
微生物宿主細胞発現系、及び外来性タンパク質の高レベルの発現を指示する制御配列を含有する発現ベクターは、当業者によく知られている。これらはいずれも、微生物宿主細胞における本技術の組換えポリペプチドの発現のためのベクターを構築するために使用され得る。これらのベクターは次に、本技術の組換えポリペプチドの高レベルの発現を可能にするために、形質転換により適切な微生物に導入され得る。
【0085】
適切な微生物宿主細胞の形質転換のために有用なベクター又はカセットは当該技術分野においてよく知られている。通常、ベクター又はカセットは、関連のポリヌクレオチドの転写及び翻訳を指示する配列、選択可能なマーカー、並びに自己複製又は染色体組込みを可能にする配列を含有する。適切なベクターは、転写開始制御を含有するポリヌクレオチドの5’の領域と、転写終結を制御するDNA断片の3’の領域とを含む。両方の制御領域が形質転換宿主細胞と相同の遺伝子に由来するのが好ましいが、このような制御領域は、宿主として選択された特定の種にネイティブな遺伝子に由来する必要はないと理解されるべきである。
【0086】
所望の微生物宿主細胞における組換えポリペプチドの発現を指示するのに有用な開始制御領域又はプロモーターは多数あり、当業者によく知られている。これらの遺伝子を駆動することができるプロモーターは実質的にどれも本技術に適しており、CYCI、HIS3、GALI、GALIO、ADHI、PGK、PH05、GAPDH、ADCI、TRPI、URA3、LEU2、ENO、TPI(サッカロミセス属(Saccharomyces)における発現に有用);AOXI(ピキア属(Pichia)における発現に有用);並びにlac、trp、JPL、IPR、T7、tac、及びtrc(大腸菌(Escherichia coli)における発現に有用)が含まれるが、これらに限定されない。
【0087】
また終結制御領域は微生物宿主にネイティブな種々の遺伝子に由来してもよい。終結部位は、任意選択的に、本明細書に記載される微生物宿主のために含まれ得る。
【0088】
植物細胞において、本技術の発現ベクターは、所望の組織において所望の発生段階で本技術の組換えポリペプチドの発現を指示することができるプロモーターに機能的に連結されたコード領域を含むことができる。便宜上、発現されるポリヌクレオチドは、同じポリヌクレオチドに由来するプロモーター配列及び翻訳リーダー配列を含み得る。転写終結シグナルをコードする3’非コード配列も存在すべきである。発現ベクターは、ポリヌクレオチドの発現を促進するために1つ又は複数のイントロンも含み得る。
【0089】
植物宿主細胞の場合、本技術のベクター配列において、コード領域の発現を誘導することができる任意のプロモーター及び任意のターミネーターの任意の組合せが使用され得る。プロモーター及びターミネーターのいくつかの適切な例には、ノパリンシンターゼ(nos)、オクトピンシンターゼ(ocs)及びカリフラワーモザイクウイルス(CaMV)遺伝子からのものが含まれる。使用され得る効率的な植物プロモーターの1つのタイプは、高レベル植物プロモーターである。本技術の発現ベクターと機能的に連結しているこのようなプロモーターは、ベクターの発現を促進できなければならない。本技術において使用され得る高レベル植物プロモーターには、例えばダイズ由来のリブロース-1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼの小サブユニット(ss)のプロモーター(Berry-Lowe et al.,J.MOLECULAR AND APP.GEN.,1:483 498(1982)、その全体は、本明細書と一致する範囲で本明細書中に援用される)、及びクロロフィルalb結合タンパク質のプロモーターが含まれる。これらの2つのプロモーターは植物細胞において光誘導性であることが知られている(例えば、GENETIC ENGINEERING OF PLANTS,AN AGRICULTURAL PERSPECTIVE,A.Cashmore,Plenum,N.Y.(1983)、pages 29 38;Coruzzi,G.et al.,The Journal of Biological CHEMISTRY、258:1399(1983)、及びDunsmuir,P.et al.,JOURNAL OF MOLECULAR AND APPLIED GENETICS,2:285(1983)を参照、これらはそれぞれ、参照によって本明細書と一致する範囲で本明細書中に援用される)。
【0090】
Reb Eの前駆体の合成
既に述べたように、ステビオール配糖体は、南米の植物ステビア・レバウジアナ(Stevia rebaudiana)(キク科(Asteraceae))の葉、及び植物ゴショイチゴ(Rubus chingii)(バラ科(Rosaceae))における甘味の原因となる化合物である。これらの化合物はグリコシル化ジテルペンである。特に、これらの分子は、そのヒドロキシル水素原子がグルコース分子で置換されてエステルが形成され、ヒドロキシル水素がグルコース及びラムノースの組合せで置換されてアセタールが形成されたステビオール分子と考えられる。
【0091】
本開示における対象の化合物を製造する1つの方法は、化学的に誘導されるか、あるいは細菌及び/又は酵母などの操作された微生物における生合成によって産生されるステビオール又はルボソシド(rubososide)などの一般的又は安価な前駆体を使用し、既知の又は安価な方法によってReb Eなどの標的のステビオール配糖体を合成することである。
【0092】
本開示の態様は、ステビオールを産生することができる微生物系において酵素を組換えで発現させることを含む方法に関する。一般に、このような酵素は、コパリル二リン酸シンターゼ(CPS)、カウレンシンターゼ(KS)及びゲラニルゲラニル二リン酸シンターゼ(geranylgeranyl diphosphate to synthase)(GGPPS)酵素を含み得る。これは、非メバロン酸(MEP)経路又はメバロン酸経路(MVA)などの内因性イソプレノイド合成経路を発現する微生物株において起こるべきである。いくつかの実施形態では、細胞は、大腸菌(E.coli)を含む細菌細胞、又はサッカロミセス属(Saccharomyces)細胞、ピキア属(Pichia)細胞、若しくはヤロウイア(Yarrowia)細胞などの酵母細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は藻類細胞又は植物細胞である。
【0093】
その後、化学合成で使用するために発酵培養物から前駆体が回収される。通常、これは、細胞培養物からのステビオール(カウレンでもあり得るが)、又はステビオール配糖体である。いくつかの実施形態では、ステビオール、カウレン及び/又はステビオール配糖体は気相から回収されるが、他の実施形態では、細胞培養物に有機層又は高分子樹脂が添加され、カウレン、ステビオール及び/又はステビオール配糖体は、有機層又は高分子樹脂から回収される。いくつかの実施形態では、ステビオール配糖体は、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF又はズルコシドAから選択される。いくつかの実施形態では、産生されるテルペノイドは、ステビオビオシド(steviobioside)又はステビオシドである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの酵素ステップ、例えば、1つ又は複数のグリコシル化ステップがエキソビボで実施されることも認識されるはずである。
【0094】
本開示の一部はReb Eステビオール配糖体の製造であり、これは次に、さらなる酵素変換を受けてReb D4になる。本開示によると、微生物により産生されるステビオールを所望のステビオール配糖体(ここでは、Reb D4)に変換するための生合成は、糖部分のステビオール骨格への多段階の化学的構築を用いて、ジテルペノイドステビオールがルブソシド及びステビオシドから変換される場合に起こる。
【0095】
ステビオール配糖体の生合成
本明細書に記載されるように、本技術の組換えポリペプチドはUDP-グリコシルトランスフェラーゼ活性を有し、天然に存在しないか、あるいは通常天然源において存在量が少ないステビオール配糖体(例えば、それぞれ、レバウジオシドD4及びレバウジオシドM)を調製するための生合成方法を開発するのに有用である。本技術の組換えポリペプチドはUDP-グリコシルトランスフェラーゼ活性を有し、レバウジオシドD4などの新規のステビオール配糖体を調製し、レバウジオシドMの合成製造に達するための生合成方法を開発するのに有用である。
【0096】
基質は、1つ又は複数のUDPグリコシルトランスフェラーゼにより触媒される反応でステビオール配糖体化合物に変換されることが可能な任意の天然又は合成化合物であり得る。例えば、基質は、天然ステビア抽出物、ステビオール、ステビオール-13-O-グルコシド、ステビオール-19-O-グルコシド、ステビオール-1,2-ビオシド、ルブソシド、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドG又はレバウジオシドEであり得る。基質は、純粋な化合物又は異なる化合物の混合物であり得る。好ましくは、基質は、ルブソシド、ステビオシド、ステビオール、レバウジオシドA、レバウジオシドE及びこれらの組合せからなる群から選択される化合物を含む。
【0097】
また本明細書に記載される方法は、ステビオール配糖体化合物の生合成全体の効率を改善するか、又は結果を改変するために、本明細書に記載される組換えペプチドを1つ又は複数の付加的な酵素と組み合わせて機能させるカップリング反応系も提供する。例えば、付加的な酵素は、グリコシル化反応で産生されるUDPを変換してUDP-グルコースに戻す(例えば、グルコース残基の供与体としてスクロースを使用して)ことにより、グリコシル化反応に必要なUDP-グルコースを再生することが可能であり、これにより、グリコシル化反応の効率が改善される。いくつかの実施形態では、酵素はスクロースシンターゼである。いくつかの実施形態では、付加的な酵素は、アラビドプシス属(Arabidopsis)スクロースシンターゼ1、アラビドプシス属(Arabidopsis)スクロースシンターゼ3又はビグナ・ラディアテ(Vigna radiate)スクロースシンターゼである。このような酵素は、例えば、参照によって本明細書中に援用される米国特許第9,522,929号明細書において開示されている。
【0098】
別の実施形態では、本技術の方法はさらに、組換えスクロースシンターゼ、基質、及び本明細書に記載される組換えポリペプチドと共に、組換えUDP-グリコシルトランスフェラーゼをインキュベートすることを含む。組換えUDP-グリコシルトランスフェラーゼは、本技術の組換えポリペプチドにより触媒されるものとは異なるグリコシル化反応を触媒することができる。
【0099】
適切なUDP-グリコシルトランスフェラーゼは、ステビオール配糖体化合物の生合成において1つ又は複数の反応を触媒することができると当該技術分野において知られている、又は本明細書に記載された任意のUGT、例えば、UGT85C2、UGT74G1、UGT76G1、又はこれらの機能的相同体を含む。
【0100】
通常、本技術のインビトロ法では、UDP-グルコースは、約0.2mM~約5mM、好ましくは約0.5mM~約2mM、より好ましくは約0.7mM~約1.5mMの濃度で緩衝液中に含まれる。実施形態において、組換えスクロースシンターゼが反応に含まれる場合、スクロースも約100mM~約500mM、好ましくは約200mM~約400mM、より好ましくは約250mM~約350mMの濃度で緩衝液中に含まれる。
【0101】
通常、本技術のインビトロ法では、組換えポリペプチド対基質の重量比は、乾燥重量ベースで、約1:100~約1:5、好ましくは約1:50~約1:10、より好ましくは約1:25~約1:15である。
【0102】
通常、インビトロ法の反応温度は約20℃~約40℃であり、適切には25℃~約37℃、より適切には28℃~約32℃である。
【0103】
当業者は、本明細書に記載される方法により製造されるステビオール配糖体組成物をさらに精製し、所望のフレーバー又は甘味料組成物を得るために他のステビオール配糖体、フレーバー、又は甘味料と混合することが可能であることを認識するであろう。例えば、本明細書に記載されるように製造されたレバウジオシドM又はReb D4が強化された組成物を、主要なステビオール配糖体としてレバウジオシドAを含有する天然ステビア抽出物と、又は他の合成若しくは天然ステビオール配糖体製品と混合して、所望の甘味料組成物を作ることができる。あるいは、本明細書に記載されるステビオール配糖体組成物から得られる実質的に精製されたステビオール配糖体(例えば、レバウジオシドD4)は、他の甘味料、例えば、スクロース、マルトデキストリン、アスパルテーム、スクラロース、ネオテーム、アセスルファムカリウム、及びサッカリンと組み合わせることができる。当該技術分野において知られているように、他の甘味料に対するステビオール配糖体の量を調整して、所望の風味を得ることができる。本明細書に記載されるステビオール配糖体組成物(レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドD4、レバウジオシドM又はこれらの組合せを含む)は、食品(例えば、飲料、ソフトドリンク、アイスクリーム、乳製品、菓子類、シリアル、チューインガム、焼いた食品など)、健康補助食品、医学的栄養、及び医薬品中に含まれ得る。
【0104】
当業者は、本明細書に記載される方法により製造されるステビオール配糖体組成物をさらに精製し、所望のフレーバー又は甘味料組成物を得るために他のステビオール配糖体、フレーバー、又は甘味料と混合することが可能であることを認識するであろう。例えば、本明細書に記載されるように製造されたレバウジオシドD4が強化された組成物を、主要なステビオール配糖体としてレバウジオシドAを含有する天然ステビア抽出物と、又は他の合成若しくは天然ステビオール配糖体製品と混合して、所望の甘味料組成物を作ることができる。あるいは、本明細書に記載されるステビオール配糖体組成物から得られる実質的に精製されたステビオール配糖体(例えば、レバウジオシドD4)は、他の甘味料、例えば、スクロース、マルトデキストリン、アスパルテーム、スクラロース、ネオテーム、アセスルファムカリウム、及びサッカリンと組み合わせることができる。当該技術分野において知られているように、他の甘味料に対するステビオール配糖体の量を調整して、所望の風味を得ることができる。本明細書に記載されるステビオール配糖体組成物(レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドD4、レバウジオシドM又はこれらの組合せを含む)は、食品(例えば、飲料、ソフトドリンク、アイスクリーム、乳製品、菓子類、シリアル、チューインガム、焼いた食品など)、健康補助食品、医学的栄養、及び医薬品中に含まれ得る。
【0105】
同一性スコアリングを用いた配列類似性の分析
本明細書で使用される場合、「配列同一性」は、最適に整列された2つのポリヌクレオチド又はペプチド配列が構成要素(例えば、ヌクレオチド又はアミノ酸)のアライメントのウィンドウ全体にわたって不変である程度を指す。試験配列及び参照配列の整列されたセグメントの「同一性分率」は、整列された2つの配列により共有される同一の構成要素の数を、参照配列セグメント(すなわち、参照配列全体又は参照配列のより小さい画定された部分)中の構成要素の総数で割ったものである。
【0106】
本明細書で使用される場合、「配列同一性パーセント」又は「同一性パーセント」という用語は、2つの配列が最適に整列された(適切なヌクレオチドの挿入、欠失、又はギャップが、比較のウィンドウにわたって、合計して参照配列の20パーセント未満である)ときに、試験(「対象」)ポリヌクレオチド分子(又はその相補鎖)と比べて、参照(「クエリ―」)ポリヌクレオチド分子(又はその相補鎖)の線状ポリヌクレオチド配列中における同一のヌクレオチドの割合を指す。比較ウィンドウを整列させるための配列の最適なアライメントは当業者に良く知られており、Smith及びWatermanの局所相同性アルゴリズム、Needleman及びWunschの相同性アライメントアルゴリズム、Pearson及びLipmanの類似性検索法などのツールによって、好ましくは、これらのアルゴリズムのコンピュータ化された実行、例えば、GCG(登録商標)Wisconsin Package(登録商標)(Accelrys Inc.,Burlington,MA)の一部として利用可能なGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTAなどによって実施され得る。試験配列及び参照配列の整列されたセグメントの「同一性分率」は、整列された2つの配列により共有される同一の構成要素の数を、参照配列セグメント(すなわち、参照配列全体又は参照配列のより小さい画定された部分)中の構成要素の総数で割ったものである。配列同一性パーセントは、同一性分率に100を掛けたもので表される。1つ又は複数のポリヌクレオチド配列の比較は、全長ポリヌクレオチド配列若しくはその一部に対するか、又はより長いポリヌクレオチド配列に対するものであり得る。本開示の目的のために、「同一性パーセント」は、翻訳されたヌクレオチド配列についてはBLASTXバージョン2.0、そしてポリヌクレオチド配列についてはBLASTNバージョン2.0を用いて決定されてもよい。
【0107】
配列同一性のパーセントは、好ましくは、Sequence Analysis Software Package(商標)(バージョン10;Genetics Computer Group,Inc.,Madison,WI)の「Best Fit」又は「Gap」プログラムを用いて決定される。「Gap」は、Needleman及びWunsch(Needleman and Wunsch,JOURNAL OF MOLECULAR BIOLOGY 48:443-453,1970)のアルゴリズムを利用して、マッチの数を最大化すると共に、ギャップの数を最小化する2つの配列のアライメントを見出す。「BestFit」は、2つの配列間の類似性の最良セグメントの最適なアライメントを実施し、Smith及びWatermanの局所相同性アルゴリズム(Smith and Waterman,ADVANCES IN APPLIED MATHEMATICS,2:482-489,1981、Smith et al.,NUCLEIC ACIDS RESEARCH 11:2205-2220,1983)を用いて、マッチの数を最大化するためにギャップを挿入する。同一性パーセントは、最も好ましくは、「Best Fit」プログラムを用いて決定される。
【0108】
配列同一性を決定するための有用な方法は、National Library of Medicine,National Institute of Health,Bethesda,Md.20894においてNational Center Biotechnology Information(NCBI)から公に入手可能なBasic Local Alignment Search Tool(BLAST)プログラムにも開示されている;BLAST Manual,Altschul et al.,NCBI,NLM,NIH;Altschul et al.,J.MOL.BIOL.215:403-410(1990)を参照されたい;バージョン2.0以上のBLASTプログラムは、ギャップ(欠失及び挿入)のアライメントへの導入を可能にする;ペプチド配列については、配列同一性を決定するためにBLASTXを使用することができる;そしてポリヌクレオチド配列については、配列同一性を決定するためにBLASTNを使用することができる。
【0109】
本明細書で使用される場合、「実質的な配列同一性パーセント」という用語は、少なくとも約70%の配列同一性、少なくとも約80%の配列同一性、少なくとも約85%の同一性、少なくとも約90%の配列同一性、又はさらにより大きい配列同一性、例えば、約98%又は約99%の配列同一性である配列同一性パーセントを指す。従って、本発明の一実施形態は、本明細書に記載されるポリヌクレオチド配列との少なくとも約70%の配列同一性、少なくとも約80%の配列同一性、少なくとも約85%の同一性、少なくとも約90%の配列同一性、又はさらにより大きい配列同一性、例えば、約98%又は約99%の配列同一性を有するポリヌクレオチド分子である。本開示のC1m2及びC1m3配列の活性を有するポリヌクレオチド分子は、様々なステビオール配糖体の産生を指示することができ、本明細書で提供されるポリヌクレオチド配列に対して実質的な配列同一性パーセントを有し、本開示の範囲内に包含される。
【0110】
同一性及び類似性
同一性は、配列のアライメントの後に一対の配列の間で同じであるアミノ酸の分率であり(これは、配列情報又は構造情報又は何らかの他の情報のみを用いて行なうことができるが、通常は配列情報のみに基づく)、類似性は、いくつかの類似性マトリックスを使用するアライメントに基づいて割り当てられたスコアである。類似性インデックスは、以下のBLOSUM62、PAM250、若しくはGONNET、又はタンパク質の配列アライメントのために当業者により使用される任意のマトリックスのいずれか1つであり得る。
【0111】
同一性は、2つのサブ配列間の一致の度合いである(配列間にギャップはない)。25%以上の同一性は機能の類似性を意味し、18~25%の同一性は、構造又は機能の類似性を意味する。2つの完全に無関係又はランダムな配列(残基が100を超える)が20%よりも高い同一性を有し得ることに留意する。類似性は、2つの配列が比較されたときの、これらの間の類似の度合いである。これは、その同一性に依存する。
【0112】
上記の記載から明らかであるように、本開示の特定の態様は、本明細書に示される実施例の具体的な詳細によって限定されず、従って、他の修正及び適用又はその等価物に当業者が気付き得ることが考えられる。従って、特許請求の範囲は、本開示の趣旨及び範囲から逸脱しないこのような修正及び適用の全てを包含することが意図される。
【0113】
さらに、他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本開示の実施又は試験において、本明細書に記載されるものと類似又は等価の任意の方法及び材料を使用することができるが、好ましい方法及び材料は上記に記載される。
【0114】
上記の発明は、理解を目的として例証及び実施例によりいくらか詳細に記載されているが、特定の変化及び修正が実施され得ることは、当業者には明らかであろう。従って、説明及び実施例は、特許請求の範囲により画定される本発明の範囲を限定すると解釈されてはならない。
【0115】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本開示の実施又は試験において、本明細書に記載されるものと類似又は等価の任意の方法及び材料を使用することができるが、好ましい材料及び方法は以下に記載される。
【0116】
本開示は、以下の非限定的な実施例を考慮してより詳細に理解されるであろう。これらの実施例は本技術の好ましい実施形態を示しているが、単なる例証として示されることは理解されるべきである。上記の考察及びこれらの実施例から、当業者は本技術の本質的な特徴を確認することができ、その趣旨及び範囲から逸脱することなく、種々の使用及び条件に適合させるために本技術の種々の変化及び修正を行なうことができる。
【実施例】
【0117】
1.Reb D4の酵素合成
Reb D4を生成する酵素法はいくつかある。Reb Eから出発する1つの方法がここで提示される。
【0118】
発現構築物を大腸菌(E.coli)BL21(DE3)に形質転換させ、続いてこれを、0.8~1.0のOD600に到達するまで、50μg/mLのカナマイシンを含有するLB培地中37℃で成長させた。1mMのイソプロピルβ-D-1-チオガラクトピラノシド(IPTG)の添加によりタンパク質発現を誘導し、培養物を16℃で22時間、さらに成長させた。遠心分離(3,000xg;10分;4℃)により細胞を回収した。細胞ペレットを捕集し、直ちに使用するか、あるいは-80℃で貯蔵した。
【0119】
細胞ペレットを溶解緩衝液(50mMのリン酸カリウム緩衝液、pH7.2、25μg/mlのリゾチーム、5μg/mlのデオキシリボヌクレアーゼI、20mMのイミダゾール、500mMのNaCl、10%のグリセロール、及び0.4%のTRITON X-100)中に再懸濁させた。4℃で超音波処理により細胞を破壊し、遠心分離(18,000xg;30分)により細胞片を浄化した。上清を平衡化(平衡化緩衝液:50mMのリン酸カリウム緩衝液、pH7.2、20mMのイミダゾール、500mMのNaCl、10%のグリセロール)Ni-NTA(Qiagen)アフィニティカラムにロードした。タンパク質サンプルをロードした後、カラムを平衡化緩衝液で洗浄して、非結合汚染物質タンパク質を除去した。Hisタグ化B-glu1組換えポリペプチドを、250mMのイミダゾールを含有する平衡化緩衝液により溶出させた。
【0120】
HPLC分析は、クォータナリポンプ、温度制御されたカラムコンパートメント、オートサンプラー及びUV吸光度検出器を含むDionex UPLC ultimate 3000システム(Sunnyvale,CA)を用いて実施した。ステビオール配糖体のキャラクタリゼーションのためにガードカラムを有するSynergi Hydro-RPカラムを使用した。HPLC分析における溶出のために水中のアセトニトリルを使用した。検出波長は210nmであった。
【0121】
突然変異酵素
UGT76G1の構造に基づいて、一連の循環置換(circular permutation)(PLoS computational Biology,2012;BIOINFORMATICS,2015)及び1組の突然変異を設計し、その機能を試験した。循環置換分析は、対象の酵素を開発又は改変するための強力な手段である。循環置換のいくつかのバージョンの試験の後、UGT76G1の1つのバージョンにおいて著しい活性が見出された。この循環突然変異「循環置換1」(「CP1」)は、ステビオールコアのグルコシル化に関して著しい活性を実証した。本開示に従って、CP1酵素の活性を研究し、Reb D4からReb Mへの変換を補助するその能力を評価した。大まかに言えば、CP1は、そのドメインが転換され、同定された突然変異部位を有するUGT76G1の変異体である。
【0122】
CP1のモデリング分析に基づいて、CP1酵素の複数の突然変異部位を選択して、Reb EからReb D4への生物変換を試験した。一連のこのような突然変異の後、グリコシル化活性及びステビオールコアの装飾に関して望ましい機能を果たし得る少数の突然変異体を単離した。野生型CP1からの位置的な突然変異体は表1に提供される。これらの酵素を手にして、Reb Eを直接レバウジオシドD4に生物変換することができる遺伝子改変微生物を発生させた。例えば、2つのCP1突然変異体(C1m2及びC1m3)は、Reb EからReb D4への生物変換のために高い酵素活性を有することが見出された。C1m2(配列番号7)は2つの突然変異部位を含み、C1m3(配列番号9)は、CP1配列から3つの突然変異部位を含有する。
【0123】
【0124】
2.Reb EからReb D4を生成するための活性を有するUGT突然変異体の同定
Reb EからレバウジオシドD4へのインビトロでの変換を確認するために、ステビオール配糖体基質としてReb Eを用いて、C1m2及びC1m3酵素突然変異体をアッセイした。組換えポリペプチド(10μg)を200μLのインビトロ反応系で試験した。反応系は、50mMのリン酸カリウム緩衝液、pH7.2、3mMのMgCl2、1mg/mlのReb E基質、及び1mMのUDP-グルコースを含有した。反応を37℃で実施し、200μLの1-ブタノールの添加により終結させた。サンプルを200μLの1-ブタノールで3回抽出した。プールした画分を乾燥させ、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)分析のために70μLの80%のメタノール中に溶解させた。
【0125】
HPLC分析は、クォータナリポンプ、温度制御されたカラムコンパートメント、オートサンプラー及びUV吸光度検出器を含むDionex UPLC ultimate 3000システム(Sunnyvale,CA)を用いて実施した。ステビオール配糖体のキャラクタリゼーションのためにガードカラムを有するSynergi Hydro-RPカラムを使用した。HPLC分析における溶出のために水中のアセトニトリルを使用した。検出波長は210nmであった。Reb D及びReb D4は、HPLCプロファイルにおいて異なる保持時間を有する。しかしながら、Reb D4及びReb Eは、近接した保持時間を有する(
図2、A及びB)。
【0126】
図2に示されるように、C1m2及びC1m3酵素は、Reb Eを、Reb D4標準物と同様の保持時間を有する化合物に変換することができ、これらの2つの突然変異体は、Reb D4生成のための酵素活性を有することが示される。
【0127】
3.LC-MS分析によるReb D4の生成の同定
図2に示されるように、Reb E及びReb D4の保持時間は非常に近接している。現在のHPLC法では、反応においてReb EとReb D4とを区別するのは困難である。Reb EからReb D4への変換を確認するために、生成された化合物をLC-MS分析により分析した。
【0128】
関連の反応においてReb D4化合物を同定するために、C1m2及びC1m3の生物変換からのサンプルを、Synergy Hydro-RPカラムを用いるLC-MSにより分析した。移動相Aは水中0.1%のギ酸であり、移動相Bはアセトニトリル中0.1%のギ酸であった。流速は0.5ml/分であった。移動相Bを20%のBから開始し、2分間保持した。次に、15分かけて45%のBまでの直線勾配を行った。次に、Bの%を0.5分かけて90%まで上昇させ、その後8分間保持した。0.5分かけて開始条件を再構築し、次の注入の前に、カラムの再平衡化のためにさらに4.5分間保持した。Bruker Impact IIにおいて陽イオンモードで最適化された方法によりサンプルの質量分析を行った。Funnel 1 RFを400Vp-p、Funnel 2 RFを400Vp-pに保ち、移動時間(Transfer time)を120μs及びプレパルスストレージ(pre-pulse storage)を15μsとした。各測定の最後にギ酸ナトリウムクラスターを用いて、m/zスケールの完全較正を行った。原料をきれいに保つために、第2の/任意選択的な6ポートバルブを用いて、最初の2分間全ての溶離液を転向させて廃棄した。
【0129】
図3及び4に示されるように、生成された化合物は、Reb D4と同じ分子量を有する。Reb E基質も同じ保持時間で検出され得る。これらの結果は、これらの反応におけるReb D4の生成がC1m2又はC1m3酵素により触媒されたことを支持する証拠を提供する。
【0130】
4.酵素アッセイによるReb D4の生成の同定
本開示に従って、Reb D4の生成を確認するために酵素アッセイを確立した。βグルコシダーゼアッセイを修正して、関連の反応におけるReb D4の生成を検出した。このアッセイにおいて、βグルコシダーゼはステビオール配糖体を加水分解して、グルコース基を除去することができる。スクリーニングの後、βグルコシダーゼ(GXT6、配列番号5)は、Reb D4、Reb E及びReb Dを加水分解するための特定の酵素活性を有することが見出された。従って、酵素アッセイは、本開示の反応中に存在する3つの化合物を区別するように作成した。
【0131】
図5に示されるように、GXT6は、Reb D4をReb WB1に加水分解することができる。Reb EはGXT6によってステビオシド及びルブソシドに加水分解され、Reb DはGXT6によってReb Aに加水分解され得る。全ての化合物はHPLCプロファイルにおいて異なる保持時間を有し、明白に区別することができる。
【0132】
C1m2及びC1m3によるReb Eの生物変換から生成された化合物を用いて、同じ酵素反応を実行した。
図6に示されるように、C1m2及びC1m3反応では、Reb WB1のみが生成され得る。C1m2及びC1m3反応では、より少ないReb A及びルブソシドが生成するか、あるいは全く生成することができない。これらの結果は、C1m2及びC1m3反応におけるReb D4の生合成を確認する証拠を提供した。C1m2及びC1m3は、Reb EをReb D4に変換するための主要な酵素活性を有し、Reb EをReb Dに変換するための活性はより少ないか、あるいは全くない。
【0133】
本開示に従って、C1m2及びC1m3酵素の作用によりReb Eを加水分解して、Reb Mを生成した。行った測定のそれぞれにおいて、本開示の生合成経路が予測し得ることと共に、化合物が生成された。
【0134】
5.酵素反応によるステビオシドからReb D4への生物変換
ステビオシドからレバウジオシドD4へのインビトロでの変換を確認するために、ステビオール配糖体基質としてステビオシドを用いて、HV1、C1m2及びC1m3酵素をアッセイした。反応系は、50mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.2)、3mMのMgCl2、1mg/mlのステビオシド、1mMのUDP-グルコース、HV1及びC1m2又はC1m3を含有した。反応を37℃で実施し、1-ブタノールの添加により終結させた。サンプルを1-ブタノールで3回抽出した。プールした画分を乾燥させ、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)分析のために80%のメタノール中に溶解させた。上記の記載のように、HPLC分析を実施した。
【0135】
図7に示されるように、HV1と、C1m2又はC1m3との組合せは、ステビオシドをReb D4に変換することができる。反応において、ステビオシドはHV1酵素によってReb Eに変換され、次に、生成されたReb Eは、C1m2又はC1m3酵素によってReb D4に変換され得る。関連の反応におけるReb D4化合物を同定するために、Synergy Hydro-RPカラムを用いるLC-MSによりサンプルを分析した。
図8に示されるように、生成された化合物(保持時間9.1分)は、Reb D4と同じ分子量を有する。Reb E基質も同じ保持時間で検出することができる。これらの結果は、反応におけるReb D4の生成を支持する証拠を提供する。
【0136】
本開示に従って、生物変換系に入れたときにReb D4のReb Eからの生成を可能にする2つのUGT突然変異体を開発した。ステビオシドからReb MへのReb D4を介した生合成経路全体を確認した(
図9)。ステビオシドは、前述のHV1酵素によってReb Eに変換され、次に、Reb Eは、本明細書に記載されるC1m2又はC1m3酵素によってReb D4に変換され得る。最後に、Reb D4は、UGT76G1、CP1及びCR1からの酵素の1つによってReb Mに変換され得る。
【0137】
Reb EをReb D4に変換するためにUGT突然変異体を同定した。構造モデリング分析に基づき、Reb EをReb D4に変換するその能力について、CP1酵素(それ自体、UGT76G1の循環バージョン(circular version)である)のいくつかの突然変異体バリエーションをスクリーニングした。2つの突然変異体がこの能力を有することが見出され、C1m2及びC1m3として同定された。
【0138】
上記のように、Reb D4の生成を同定するためにLC-MS法を確立した。HPLCプロファイルにおいて示されるように、Reb E及びReb D4の保持時間は非常に近接している。ほとんどの現存するHPLC法では、反応におけるReb EとReb D4とを区別するのは困難である。Reb EからReb D4への変換を確認するために、生成された化合物を、LC-MS分析により分析した。Reb D4化合物は、C1m2及びC1m3酵素の両方によるReb Eの生物変換において検出することができる。
【0139】
上記のように、Reb D4の生成を確認するために酵素アッセイを確立した。関連の反応におけるReb D4の生成を確認するために、Reb D4、Reb E及びReb Dステビオール配糖体を区別するためにβグルコシダーゼアッセイを作成した。このアッセイにおいて、βグルコシダーゼはステビオール配糖体を加水分解して、グルコース基を除去することができる。GXT6は、Reb D4、Red E及びReb Dを加水分解するための特定の酵素活性を有する。従って、本開示の反応中に存在する3つの化合物を区別するために酵素アッセイを作成した。酵素アッセイの後、関連の反応におけるReb D4の存在を確認し、Reb EからのReb D4の合成のためのC1m2及びC1m3の酵素活性が支持された。
【0140】
対象の配列:
配列:
UGT76G1配列:
UGT76G1配列 アミノ酸配列:(配列番号1)
【0141】
【0142】
CP1配列:
CP1配列 アミノ酸:(配列番号3)
【0143】
【0144】
GXT6:アミノ酸。ストレプトミセス(Streptomyces)種GXT6由来(配列番号5)
【0145】
GXT6:DNA 大腸菌(E.coli)に対するコドン最適化(配列番号6)
【0146】
C1m2:突然変異酵素のアミノ酸配列(配列番号7)
【0147】
【0148】
C1m3:突然変異酵素のアミノ酸配列(配列番号9)
【0149】
C1m3:突然変異酵素のDNA配列(配列番号10)
【0150】
【0151】
【0152】
【0153】
【0154】
産業上の利用可能性/技術分野の記述
本開示は、食品、飼料、飲料、および薬理学的な産業における適用性を有する。本開示は、一般に、改変された微生物株によるステビオール配糖体の生合成製造法に関する。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕配列番号7のアミノ酸配列を含む突然変異体CP1酵素。
〔2〕配列番号7に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む組換えポリペプチド。
〔3〕配列番号8のヌクレオチド配列を含む核酸。
〔4〕配列番号8に対して少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸。
〔5〕配列番号9のアミノ酸配列を含む突然変異体CP1酵素。
〔6〕配列番号9に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む組換えポリペプチド。
〔7〕配列番号10のヌクレオチド配列を含む核酸。
〔8〕配列番号10に対して少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸。
〔9〕配列番号11のアミノ酸配列を含む突然変異体HV1酵素。
〔10〕配列番号11に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む組換えポリペプチド。
〔11〕配列番号12のヌクレオチド配列を含む核酸。
〔12〕配列番号12に対して少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸。
〔13〕配列番号7のアミノ酸配列を有するC1m2酵素を産生することができるベクターを含む宿主細胞。
〔14〕前記宿主細胞が、細菌、酵母、糸状菌、シアノバクテリア藻類及び植物細胞からなる群から選択される、前記〔13〕に記載の宿主細胞。
〔15〕前記宿主細胞が、エシェリキア属(Escherichia)、サルモネラ属(Salmonella)、バチルス属(Bacillus)、アシネトバクター属(Acinetobacter)、ストレプトミセス属(Streptomyces)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、メチロサイナス属(Methylosinus)、メチロモナス属(Methylomonas)、ロドコッカス属(Rhodococcus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、ロドバクター属(Rhodobacter)、シネコシスティス属(Synechocystis)、サッカロミセス属(Saccharomyces)、ジゴサッカロミセス属(Zygosaccharomyces)、クルイベロミセス属(Kluyveromyces)、カンジダ属(Candida)、ハンゼヌラ属(Hansenula)、デバリオミセス属(Debaryomyces)、ムコール属(Mucor)、ピキア属(Pichia)、トルロプシス属(Torulopsis)、アスペルギルス属(Aspergillus)、アルツロボトリス属(Arthrobotlys)、ブレビバクテリア属(Brevibacteria)、ミクロバクテリウム属(Microbacterium)、アルスロバクター属(Arthrobacter)、シトロバクター属(Citrobacter)、エシェリキア属(Escherichia)、クレブシエラ属(Klebsiella)、パンテア属(Pantoea)、サルモネラ属(Salmonella) コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、クロストリジウム属(Clostridium)、及びクロストリジウム・アセトブチリカム(Clostridium acetobutylicum)からなる群から選択される、前記〔13〕に記載の宿主細胞。
〔16〕前記宿主細胞が、大豆、菜種、ヒマワリ、ワタ、コーン、タバコ、アルファルファ、小麦、大麦、オート麦、ソルガム、イネ、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、パースニップ、メロン、ニンジン、セロリ、パセリ、トマト、ジャガイモ、イチゴ、ピーナッツ、ブドウ、グラスシード作物、サトウダイコン、サトウキビ、豆、エンドウ豆、ライ麦、アマ、広葉樹、針葉樹、飼料草、アラビドプシス・タリアナ(Arabidopsis thaliana)、イネ(オリザ・サティバ(Oryza sativa))、ホルデウム・ウルガレ(Hordeum yulgare)、スイッチグラス(パニクム・ヴィルガツム(Panicum vigratum))、ヤマカモジグサ(Brachypodium)種、アブラナ(Brassica)種、及びクランベ・アビシニカ(Crambe abyssinica)からなる群から選択される植物から単離された細胞である、前記〔13〕に記載の宿主細胞。
〔17〕ステビオール配糖体組成物を製造する方法であって、配列番号7に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む組換えポリペプチドと共に基質をインキュベートすることを含む方法。
〔18〕前記組換えポリペプチドが、配列番号7に対して少なくとも80%の同一性を有するUDP-グリコシルトランスフェラーゼである、前記〔17〕に記載の方法。
〔19〕前記基質が、ステビオシド又はレバウジオシドE及びこれらの組合せからなる群から選択される、前記〔17〕に記載の方法。
〔20〕前記方法により製造されるステビオール配糖体化合物がレバウジオシドD4であり、前記ステビオール配糖体組成物がレバウジオシドD4を含む、前記〔17〕に記載の方法。
〔21〕前記〔20〕に記載の方法によって製造されたステビオール配糖体組成物を含む甘味料。
〔22〕レバウジオシドD4を製造する方法であって、配列番号7に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む組換えポリペプチドと共に基質をインキュベートすることを含む方法。
〔23〕前記基質が、Reb E、ステビオシド、及びこれらの組合せからなる群から選択される、前記〔22〕に記載の方法。
〔24〕前記基質及び前記組換えポリペプチドと共に組換えスクロースシンターゼをインキュベートすることをさらに含む、前記〔23〕に記載の方法。
〔25〕レバウジオシドD4をレバウジオシドEから合成するための方法であって、
レバウジオシドEと、スクロース、ウリジン二リン酸(UDP)及びウリジン二リン酸グルコース(UDP-グルコース)からなる群から選択される基質と、C1m2とを含む反応混合物を調製することと、
前記反応混合物を、レバウジオシドD4を生成するのに十分な時間にわたってインキュベートすることと
を含み、前記レバウジオシドEにグルコースが共有結合されて、レバウジオシドD4が生成される、方法。
〔26〕前記反応混合物にスクロースシンターゼを添加することをさらに含む、前記〔25〕に記載の方法。
〔27〕前記スクロースシンターゼが、アラビドプシス属(Arabidopsis)スクロースシンターゼ1、アラビドプシス属(Arabidopsis)スクロースシンターゼ3及びビグナ・ラディアテ(Vigna radiate)スクロースシンターゼからなる群から選択される、前記〔26〕に記載の方法。
〔28〕前記スクロースシンターゼがアラビドプシス・タリアナ(Arabidopsis thaliana)スクロースシンターゼ1である、前記〔27〕に記載の方法。
〔29〕レバウジオシドD4をレバウジオシドEから合成するための方法であって、
レバウジオシドEと、スクロース、ウリジン二リン酸(UDP)及びウリジン二リン酸グルコース(UDP-グルコース)からなる群から選択される基質と、C1m3とを含む反応混合物を調製することと、
前記反応混合物を、レバウジオシドD4を生成するのに十分な時間にわたってインキュベートすることと
を含み、前記レバウジオシドEにグルコースが共有結合されて、レバウジオシドD4が生成される、方法。
〔30〕前記反応混合物にスクロースシンターゼを添加することをさらに含む、前記〔29〕に記載の方法。
〔31〕前記スクロースシンターゼが、アラビドプシス属(Arabidopsis)スクロースシンターゼ1、アラビドプシス属(Arabidopsis)スクロースシンターゼ3及びビグナ・ラディアテ(Vigna radiate)スクロースシンターゼからなる群から選択される、前記〔30〕に記載の方法。
〔32〕前記スクロースシンターゼがアラビドプシス・タリアナ(Arabidopsis thaliana)スクロースシンターゼ1である、前記〔31〕に記載の方法。
〔33〕生成された前記Reb D4が70%を超えて純粋である、前記〔29〕に記載の方法。
〔34〕前記反応混合物にHV1酵素を添加することをさらに含む、前記〔29〕に記載の方法。
〔35〕前記反応混合物にHV1酵素を添加することをさらに含む、前記〔25〕に記載の方法。
〔36〕配列番号5を含むGXT6酵素。
〔37〕配列番号6のヌクレオチド配列を含む核酸。
〔38〕配列番号5に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む組換えポリペプチド。
〔39〕配列番号3を含むCP1酵素。
〔40〕配列番号4のヌクレオチド配列を含む核酸。
〔41〕配列番号9のアミノ酸配列を有するC1m3酵素を産生することができるベクターを含む宿主細胞。
〔42〕前記宿主細胞が、細菌、酵母、糸状菌、シアノバクテリア藻類及び植物細胞からなる群から選択される、前記〔41〕に記載の宿主細胞。
〔43〕前記宿主細胞が、エシェリキア属(Escherichia)、サルモネラ属(Salmonella)、バチルス属(Bacillus)、アシネトバクター属(Acinetobacter)、ストレプトミセス属(Streptomyces)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、メチロサイナス属(Methylosinus)、メチロモナス属(Methylomonas)、ロドコッカス属(Rhodococcus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、ロドバクター属(Rhodobacter)、シネコシスティス属(Synechocystis)、サッカロミセス属(Saccharomyces)、ジゴサッカロミセス属(Zygosaccharomyces)、クルイベロミセス属(Kluyveromyces)、カンジダ属(Candida)、ハンゼヌラ属(Hansenula)、デバリオミセス属(Debaryomyces)、ムコール属(Mucor)、ピキア属(Pichia)、トルロプシス属(Torulopsis)、アスペルギルス属(Aspergillus)、アルツロボトリス属(Arthrobotlys)、ブレビバクテリア属(Brevibacteria)、ミクロバクテリウム属(Microbacterium)、アルスロバクター属(Arthrobacter)、シトロバクター属(Citrobacter)、エシェリキア属(Escherichia)、クレブシエラ属(Klebsiella)、パンテア属(Pantoea)、サルモネラ属(Salmonella) コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、クロストリジウム属(Clostridium)、及びクロストリジウム・アセトブチリカム(Clostridium acetobutylicum)からなる群から選択される、前記〔41〕に記載の宿主細胞。
〔44〕前記宿主細胞が、大豆、菜種、ヒマワリ、ワタ、コーン、タバコ、アルファルファ、小麦、大麦、オート麦、ソルガム、イネ、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、パースニップ、メロン、ニンジン、セロリ、パセリ、トマト、ジャガイモ、イチゴ、ピーナッツ、ブドウ、グラスシード作物、サトウダイコン、サトウキビ、豆、エンドウ豆、ライ麦、アマ、広葉樹、針葉樹、飼料草、アラビドプシス・タリアナ(Arabidopsis thaliana)、イネ(オリザ・サティバ(Oryza sativa))、ホルデウム・ウルガレ(Hordeum yulgare)、スイッチグラス(パニクム・ヴィルガツム(Panicum vigratum))、ヤマカモジグサ(Brachypodium)種、アブラナ(Brassica)種、及びクランベ・アビシニカ(Crambe abyssinica)からなる群から選択される植物から単離された細胞である、前記〔41〕に記載の宿主細胞。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1'〕レバウジオシドD4を含むステビオール配糖体組成物を製造する方法であって、配列番号7又は配列番号9に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むUDP-グリコシルトランスフェラーゼである組換えポリペプチド、及びUDP-グルコースと共に、レバウジオシドEを含む基質を反応混合物中でインキュベートすることを含み、それによってレバウジオシドEが前記UDP-グリコシルトランスフェラーゼによりレバウジオシドD4に変換され、
レバウジオシドD4が以下の化学構造を有する、
前記方法。
〔2'〕前記基質が、前記反応混合物中で、ステビオシドのレバウジオシドEへの変換により提供される、前記〔1'〕に記載の方法。
〔3'〕スクロース、UDP及びUDP-グルコースの存在下、前記基質及び前記組換えポリペプチドと共に組換えスクロースシンターゼをインキュベートすることをさらに含む、前記〔1'〕又は〔2'〕に記載の方法。
〔4'〕前記組換えスクロースシンターゼが、アラビドプシス属(Arabidopsis)スクロースシンターゼ1、アラビドプシス属(Arabidopsis)スクロースシンターゼ3及びビグナ・ラディアテ(Vigna radiate)スクロースシンターゼからなる群から選択される、前記〔3'〕に記載の方法。
〔5'〕前記スクロースシンターゼがアラビドプシス・タリアナ(Arabidopsis thaliana)スクロースシンターゼ1である、前記〔4'〕に記載の方法。
〔6'〕前記組換えポリペプチドが、配列番号7のC1m2である、前記〔1'〕~〔5'〕のいずれか1項に記載の方法。
〔7'〕前記組換えポリペプチドが、配列番号9のC1m3である、前記〔1'〕~〔5'〕のいずれか1項に記載の方法。
〔8'〕前記ステビオール配糖体組成物中のレバウジオシドD4をレバウジオシドMに変換することをさらに含む、前記〔1'〕~〔7'〕のいずれか1項に記載の方法。
〔9'〕配列番号1のUGT76G1、配列番号3のCP1、及び配列番号13のCR1から選択される酵素によりレバウジオシドD4をレバウジオシドMに変換する、前記〔8'〕に記載の方法。
〔10'〕配列番号11に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むHV1酵素によりステビオシドをレバウジオシドEに変換する、前記〔2'〕~〔9'〕のいずれか1項に記載の方法。
〔11'〕配列番号8又は配列番号10に対して少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むベクターにより形質転換された宿主細胞において、前記組換えポリペプチドを発現させる、前記〔1'〕~〔10'〕のいずれか1項に記載の方法。
〔12'〕前記宿主細胞が、エシェリキア属(Escherichia)、サルモネラ属(Salmonella)、バチルス属(Bacillus)、アシネトバクター属(Acinetobacter)、ストレプトミセス属(Streptomyces)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、メチロサイナス属(Methylosinus)、メチロモナス属(Methylomonas)、ロドコッカス属(Rhodococcus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、ロドバクター属(Rhodobacter)、シネコシスティス属(Synechocystis)、サッカロミセス属(Saccharomyces)、ジゴサッカロミセス属(Zygosaccharomyces)、クルイベロミセス属(Kluyveromyces)、カンジダ属(Candida)、ハンゼヌラ属(Hansenula)、デバリオミセス属(Debaryomyces)、ムコール属(Mucor)、ピキア属(Pichia)、トルロプシス属(Torulopsis)、アスペルギルス属(Aspergillus)、アルツロボトリス属(Arthrobotlys)、ブレビバクテリア属(Brevibacteria)、ミクロバクテリウム属(Microbacterium)、アルスロバクター属(Arthrobacter)、シトロバクター属(Citrobacter)、クレブシエラ属(Klebsiella)、パンテア属(Pantoea)、及びクロストリジウム属(Clostridium)からなる群から選択される、前記〔11'〕に記載の方法。
〔13'〕甘味料としての使用のために、前記ステビオール配糖体組成物からレバウジオシドD4又はレバウジオシドMを精製することさらに含む、前記〔1'〕~〔12'〕のいずれか1項に記載の方法。
〔14'〕レバウジオシドD4又はレバウジオシドMを甘味料組成物に組み込むことをさらに含む、前記〔13'〕に記載の方法。
〔15'〕得られたステビオール配糖体組成物を甘味料組成物に組み込むことをさらに含む、前記〔1'〕~〔12'〕のいずれか1項に記載の方法。
【0155】
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【配列表】