(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】空気調和機の操作装置及び空気調和機
(51)【国際特許分類】
F24F 11/74 20180101AFI20221214BHJP
F24F 11/56 20180101ALI20221214BHJP
【FI】
F24F11/74
F24F11/56
(21)【出願番号】P 2020506001
(86)(22)【出願日】2018-03-13
(86)【国際出願番号】 JP2018009809
(87)【国際公開番号】W WO2019175986
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2020-02-05
【審判番号】
【審判請求日】2022-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】青島 琢磨
【合議体】
【審判長】間中 耕治
【審判官】松下 聡
【審判官】菅家 裕輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-56974(JP,A)
【文献】特開2013-76493(JP,A)
【文献】特開2014-190686(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F1/00-13/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機が吹き送る風の向きと量とを特定するための第1の複数のボタンと、
前記空気調和機の少なくとも一部を象徴する物とを備え、
前記第1の複数のボタンの各々は、前記空気調和機が吹き送る風の向きと量との複数の組のいずれかひとつに対応付けられていると共に、ひとつの面において、前記空気調和機の少なくとも一部を象徴する物から放射状に広がる複数の線のうちのいずれかひとつの上に配置されている
空気調和機の操作装置。
【請求項2】
前記複数の線の各々は、前記空気調和機が吹き送る風の複数の向きのいずれかひとつに対応しており、
前記複数の線の各々の上には、前記第1の複数のボタンのうちの複数のボタンが配置されており、
前記複数の線の各々に配置されているボタンに対応付けられている組の風の量は、前記少なくとも一部を象徴する物から離れるにしたがって大きくなり又は小さくなり、
前記空気調和機が吹き送る風の前記複数の向きのうちの任意のひとつの向きが第1の向きであり、前記複数の向きのうちの前記第1の向きの一方の側の隣の向きが第2の向きであり、前記複数の向きのうちの前記第1の向きの他方の側の隣の向きが第3の向きであり、前記複数の線のうちの任意の線が第1の線であり、前記複数の線のうちの前記第1の線の一方の側の隣の線が第2の線であり、前記複数の線のうちの前記第1の線の他方の側の隣の線が第3の線であると定義される場合、前記第1の線は前記第1の向きに対応しており、前記第2の線は前記第2の向きに対応しており、前記第3の線は前記第3の向きに対応している
請求項1に記載の空気調和機の操作装置。
【請求項3】
前記空気調和機が吹き送る風の向きと量とを特定するための第2の複数のボタンと、
前記空気調和機の前記一部と異なる一部を象徴する物とを更に備え、
前記第1の複数のボタンの各々は、前記空気調和機の第1の吹き出し口が吹き送る風の向きと量との複数の組のいずれかひとつに対応付けられており、
前記第2の複数のボタンの各々は、前記空気調和機の第2の吹き出し口が吹き送る風の向きと量との複数の組のいずれかひとつに対応付けられていると共に、前記ひとつの面の前記第1の複数のボタンと前記空気調和機の前記一
部を象徴する物とが配置されている領域と異なる領域において、前記空気調和機の前記一部と異なる一部を象徴する物から放射状に広がる複数の線のうちのいずれかひとつの上に配置されている
請求項1に記載の空気調和機の操作装置。
【請求項4】
前記第1の複数のボタンの各々は、少なくとも押下された場合に発光する発光素子を有する
請求項1から3のいずれか1項に記載の空気調和機の操作装置。
【請求項5】
前記複数の線の各々は、前記空気調和機が吹き送る風の複数の向きのいずれかひとつに対応しており、
前記複数の線の各々の上には、前記第1の複数のボタンのうちの複数のボタンが配置されており、
前記空気調和機が人感センサを用いて前記空気調和機が配置されている位置からユーザが存在する位置の向きである第1の向きに風を吹き送っている場合、
前記第1の複数のボタンのうちの前記第1の向きに対応付けられている複数の組のボタンのうちの前記一部を象徴する物から最も離れた位置に配置されているボタンが有する前記発光素子は、点灯し、
前記第1の向きに対応付けられている複数の組のボタンのうちの前記一部を象徴する物から最も離れた位置に配置されているボタンより前記一部を象徴する物の側に配置されているボタンが有する前記発光素子は、前記一部を象徴する物からの距離の順に点滅する
請求項4に記載の空気調和機の操作装置。
【請求項6】
複数の第2発光素子を更に備え、
前記複数の第2発光素子の各々は、前記複数の線のうちの対応するひとつの線の上に配置されており、
前記複数の線の各々は、前記複数の第2発光素子のうちのいずれかひとつに対応しており、
前記空気調和機が人感センサを用いて前記空気調和機が配置されている位置からユーザが存在する位置の向きである第1の向きと異なる第2の向きに風を吹き送っている場合、前記複数の第2発光素子のうちの前記第1の向きに対応する線の上に設けられている第2発光素子は、点灯する
請求項1から4のいずれか1項に記載の空気調和機の操作装置。
【請求項7】
請求項1から4のいずれか1項に記載の空気調和機の操作装置と、
ユーザの指が前記第1の複数のボタンの上をスライドしていることと前記指がスライドした後に停止したこととを検出する検出部と、
前記指が前記第1の複数のボタンの上をスライドした後に停止したことが前記検出部によって検出された場合、前記第1の複数のボタンのうちの前記指が停止したボタンに対応付けられている向きと量とで送風を行わせる制御部と
を備える空気調和機。
【請求項8】
ベーンを更に備え、
前記指が前記第1の複数のボタンの上をスライドして停止した後に前記指が再度スライドして再度停止した場合、前記指が最初に停止したボタンである第1のボタンに対応付けられている組の量と前記指が最後に停止したボタンである第2のボタンに対応付けられている組の量とが同じであるとき、前記制御部は、前記第1のボタンに対応付けられている向きと前記第2のボタンに対応付けられている向きとの間で前記ベーンをスイングさせる
請求項7に記載の空気調和機。
【請求項9】
請求項1から4のいずれか1項に記載の空気調和機の操作装置と、
ユーザの指が前記第1の複数のボタンのうちのいずれかひとつのボタンを押下したことを検出する検出部と、
前記指が前記第1の複数のボタンのうちのいずれかひとつのボタンを押下したことが前記検出部によって検出された場合、前記第1の複数のボタンのうちの前記指が押下したボタンに対応付けられている組の向きと量とで送風を行わせる制御部と
を備える空気調和機。
【請求項10】
ベーンを更に備え、
前記指が前記第1の複数のボタンのうちのいずれかひとつのボタンを押下した後に前記指がスライドして停止した場合、前記指が押下したボタンである第1のボタンに対応付けられている組の量と前記指が停止したボタンである第2のボタンに対応付けられている組の量とが同じであるとき、前記制御部は、前記第1のボタンに対応付けられている向きと前記第2のボタンに対応付けられている向きとの間で前記ベーンをスイングさせる
請求項9に記載の空気調和機。
【請求項11】
請求項1から4のいずれか1項に記載の空気調和機の操作装置と、
風を吹き送るための複数のベーンと、
前記第1の複数のボタンのうちの風の量が同じで風の向きが異なる組に対応付けられている第1のボタンと第2のボタンとが同時に押下された場合に前記第1のボタンと前記第2のボタンとが同時に押下されたことを検出する検出部と、
前記第1のボタンと前記第2のボタンとが同時に押下されたことが検出部によって検出された場合、前記複数のベーンのうちの第1のベーンについて、前記検出部によって検出された前記第1のボタンに対応付けられている組の向きに風を吹き送らせ、前記複数のベーンのうちの第2のベーンについて、前記検出部によって検出された前記第2のボタンに対応付けられている組の向きに風を吹き送らせる制御を行う制御部と
を備える空気調和機。
【請求項12】
請求項4に記載の空気調和機の操作装置と、
前記第1の複数のボタンのうちの設定された自動運転時に前記空気調和機が吹き送っている風の向きと量との組に対応するボタンが有する前記発光素子を点灯させる制御部と
を備える空気調和機。
【請求項13】
請求項1から4のいずれか1項に記載の空気調和機の操作装置と、
風を吹き送らせない向きを示す情報を受け付ける受付部と、
設定された自動運転時に前記受付部が前記情報を受け付けた場合、前記情報が示す向きに風を吹き送らせない制御を行う制御部と
を備える空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機が吹き送る風の向きをユーザが指定するための空気調和機の操作装置及び空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和機が吹き送る風の向きを特定する仮想ボタンを表示し、空気調和機が吹き送る風の向きの指定をユーザに行わせるリモートコントローラが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、ユーザは、空気調和機が吹き送る風の向きの指定を比較的容易に行うことができるが、空気調和機が吹き送る風の量の指定を比較的容易に行うことができない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、空気調和機が吹き送る風の向きと量との双方の指定をユーザに比較的容易に行わせることができる空気調和機の操作装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る空気調和機の操作装置は、空気調和機が吹き送る風の向きと量とを特定するための第1の複数のボタンと、前記空気調和機の少なくとも一部を象徴する物とを有する。前記第1の複数のボタンの各々は、前記空気調和機が吹き送る風の向きと量との複数の組のいずれかひとつに対応付けられていると共に、ひとつの面において、前記空気調和機の少なくとも一部を象徴する物から放射状に広がる複数の線のうちのいずれかひとつの上に配置されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る空気調和機の操作装置は、空気調和機が吹き送る風の向きと量との双方の指定をユーザに比較的容易に行わせることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る空気調和機の正面を模式的に示す図
【
図2】実施の形態1に係る空気調和機の操作装置の構成を模式的に示す図
【
図3】実施の形態1に係る空気調和機の操作装置が有する第1の複数のボタンの各々が発光素子を有することを説明するための図
【
図4】実施の形態1に係る空気調和機の操作装置が有する発光素子を説明するための空気調和機の操作装置の一部の断面を模式的に示す図
【
図5】実施の形態1に係る空気調和機の構成の一部を示す図
【
図6】実施の形態1に係る空気調和機が有するベーンの向きを説明するための第1図
【
図7】実施の形態1に係る空気調和機が有するベーンの向きを説明するための第2図
【
図8】実施の形態1に係る空気調和機が自動運転を行っている場合の空気調和機の操作装置の例を説明するための図
【
図9】実施の形態2に係る空気調和機の側面を模式的に示す図
【
図10】実施の形態2に係る空気調和機の操作装置の構成を模式的に示す図
【
図11】実施の形態2に係る空気調和機の構成の一部を示す図
【
図12】実施の形態2に係る空気調和機が有するベーンの向きを説明するための図
【
図13】実施の形態1に係る空気調和機が有する検出部、制御部及び受付部の少なくとも一部の機能がプロセッサによって実現される場合のプロセッサを示す図
【
図14】実施の形態1に係る空気調和機が有する検出部、制御部及び受付部を構成する少なくとも一部が処理回路によって実現される場合の処理回路を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施の形態に係る空気調和機の操作装置及び空気調和機を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る空気調和機1の正面を模式的に示す図である。空気調和機1は、例えば床に配置される装置である。空気調和機1の正面は、ひとつの面の例である。空気調和機1は、風を吹き送る第1の吹き出し口11と、風を吹き送る第2の吹き出し口12とを有する。第1の吹き出し口11は、第2の吹き出し口12より空気調和機1の上面13の側に設けられている。第2の吹き出し口12は、第1の吹き出し口11より空気調和機1の底面14の側に設けられている。つまり、第1の吹き出し口11は上段の吹き出し口であり、第2の吹き出し口12は下段の吹き出し口である。
【0011】
第1の吹き出し口11の内部には、第1ベーン11a、第2ベーン11b、第3ベーン11c及び第4ベーン11dが設けられている。第2の吹き出し口12の内部には、第5ベーン12a、第6ベーン12b、第7ベーン12c及び第8ベーン12dが設けられている。各ベーンは、空気調和機1が吹き送る風の向きを変化させるためのものである。各ベーンは、第1の吹き出し口11又は第2の吹き出し口12の内部に設けられているので破線で示されている。ベーンの個数は、上記の例の個数に限定されない。
【0012】
各ベーンは、上面13が鉛直方向の相対的に上方に位置し底面14が鉛直方向の相対的に下方に位置して空気調和機1が配置された状態において、水平方向に回動する機能を有する。例えば、第1の吹き出し口11について、ユーザが立って又は座って空気調和機1の正面を見た場合に相対的に左側に位置する第1ベーン11a及び第2ベーン11bは左側に向くことができ、相対的に右側に位置する第3ベーン11c及び第4ベーン11dは右側に向くことができる。第1ベーン11a及び第2ベーン11bは右側に向くこともでき、第3ベーン11c及び第4ベーン11dは左側に向くこともできる。
【0013】
実施の形態1では、上記の状態を想定し、上下方向及び左右方向の各々を、ユーザが立って又は座って空気調和機1の正面を見た場合の方向と定義する。加えて、空気調和機1は、複数の向きに風を吹き送る機能を有している。実施の形態1では、空気調和機1が5個の向きに風を吹き送る機能を有することを想定する。
【0014】
具体的には、第1の吹き出し口11及び第2の吹き出し口12の各々が左右方向における5個の向きに風を吹き送ることができることを想定する。更に言うと、第1の吹き出し口11及び第2の吹き出し口12の各々は、左向き、左斜め前向き、前向き、右斜め前向き及び右向きの5個の向きに風を吹き送ることができることを想定する。上記の「前向き」は、空気調和機1の内部の第1の位置から第1の位置と同じ高さの空気調和機1の正面の位置への向きである。
【0015】
空気調和機1は、人の存在を検出する人感センサ15を更に有する。人感センサ15は、空気調和機1の正面に設けられている。例えば、人感センサ15は、人の位置及び体温を検出する。空気調和機1は、ユーザが空気調和機1を操作するための空気調和機の操作装置16を更に有する。以下では、「空気調和機の操作装置16」を「操作装置16」と記載する場合がある。操作装置16は、空気調和機1の筐体の正面に設けられている。
【0016】
図2は、実施の形態1に係る空気調和機の操作装置16の構成を模式的に示す図である。操作装置16は、空気調和機1の筐体の正面の第1の領域17に配置されている第1の複数のボタン20と、当該正面の第2の領域18に配置されている第2の複数のボタン30とを有する。第1の領域17は、第1の吹き出し口11に対応していて、相対的に上方に位置する。第2の領域18は、第2の吹き出し口12に対応していて、相対的に下方に位置する。第1の複数のボタン20及び第2の複数のボタン30は、空気調和機1が吹き送る風の向きと量とを特定するためのボタンである。
【0017】
第1の複数のボタン20及び第2の複数のボタン30の各々は、空気調和機1が吹き送る風の向きと量との複数の組のいずれかひとつに対応付けられている。更に言うと、第1の複数のボタン20の各々は、空気調和機1の第1の吹き出し口11が吹き送る風の向きと量との複数の組のいずれかひとつに対応付けられている。第2の複数のボタン30の各々は、空気調和機1の第2の吹き出し口12が吹き送る風の向きと量との複数の組のいずれかひとつに対応付けられている。
【0018】
操作装置16は、空気調和機1の第1の吹き出し口11を象徴する物2を有している。第1の吹き出し口11を象徴する物2は、第1の領域17に配置されている。第1の複数のボタン20の各々は、空気調和機1の筐体の正面において、空気調和機1の第1の吹き出し口11を象徴する物2から放射状に広がる複数の線21a-21eのうちのいずれかひとつの上に第1の複数のボタン20のうちの他のボタンと重なることなく配置されている。更に言うと、第1の複数のボタン20は、第1の吹き出し口11を象徴する物2から放射状に広がる扇状の領域に配置されている。第1の吹き出し口11を象徴する物2は、空気調和機1の少なくとも一部を象徴する物の例である。複数の線21a-21eは、仮想の線である。空気調和機1の筐体の正面は、ひとつの面の例である。
【0019】
複数の線21a-21eの各々は、空気調和機1が吹き送る風の複数の向きのいずれかひとつに対応している。上述の通り、第1の吹き出し口11は、左向き、左斜め前向き、前向き、右斜め前向き及び右向きの5個の向きに風を吹き送ることができる。線21aは左向きに対応しており、線21bは左斜め前向きに対応しており、線21cは前向きに対応しており、線21dは右斜め前向きに対応しており、線21eは右向きに対応している。
【0020】
複数の線21a-21eの各々の上には、第1の複数のボタン20のうちの4個のボタンが配置されている。当該4個のボタンは、第1の複数のボタン20のうちの複数のボタンの例である。具体的には、線21aの上には、ボタン20a、ボタン20b、ボタン20c及びボタン20dが配置されている。線21bの上には、ボタン20eを含む4個のボタンが配置されている。線21cの上には、ボタン20y及びボタン20zを含む4個のボタンが配置されている。線21dの上には、ボタン20δを含む4個のボタンが配置されている。線21eの上には、ボタン20h、ボタン20j、ボタン20k及びボタン20mが配置されている。
【0021】
複数の線21a-21eの各々に配置されているボタンに対応付けられている組の風の量は、第1の吹き出し口11を象徴する物2から離れるにしたがって大きくなる。つまり、複数の線21a-21eの各々に配置されている4個のボタンのうちの第1の吹き出し口11を象徴する物2に相対的に近い位置に配置されているボタンには、相対的に少ない風の量が対応付けられている。上記の4個のボタンのうちの第1の吹き出し口11を象徴する物2から相対的に遠い位置に配置されているボタンには、相対的に多い風の量が対応付けられている。
【0022】
具体的には、複数の線21aに配置されているボタン20a、ボタン20b、ボタン20c及びボタン20dについて、ボタン20aには最も少ない風量である第1の量が対応付けられており、ボタン20bには第1の量より多い第2の量が対応付けられており、ボタン20cには第2の量より多い第3の量が対応付けられており、ボタン20dには最も多い風量である第4の量が対応付けられている。
【0023】
空気調和機1が吹き送る風の複数の向きのうちの任意のひとつの向きが第1の向きであり、当該複数の向きのうちの第1の向きの一方の側の隣の向きが第2の向きであり、当該複数の向きのうちの第1の向きの他方の側の隣の向きが第3の向きであり、複数の線21a-21eのうちの任意の線が第1の線であり、複数の線21a-21eのうちの第1の線の一方の側の隣の線が第2の線であり、複数の線21a-21eのうちの第1の線の他方の側の隣の線が第3の線であると定義される場合を想定する。この場合、第1の線は第1の向きに対応しており、第2の線は第2の向きに対応しており、第3の線は第3の向きに対応している。つまり、複数の線21a-21eの各々は、空気調和機1が吹き送る風の複数の向きがひとつの回転方向に変化する順に配置されている。
【0024】
操作装置16は、空気調和機1の第2の吹き出し口12を象徴する物3を有している。第2の吹き出し口12を象徴する物3は、第2の領域18に配置されている。第2の複数のボタン30の各々は、第1の複数のボタン20の各々と同様に配置されている。すなわち、第2の複数のボタン30の各々は、空気調和機1の筐体の正面において、空気調和機1の第2の吹き出し口12を象徴する物3から放射状に広がる複数の線31a-31eのうちのいずれかひとつの上に第2の複数のボタン30のうちの他のボタンと重なることなく配置されている。更に言うと、第2の複数のボタン30は、第2の吹き出し口12を象徴する物3から放射状に広がる扇状の領域に配置されている。第2の吹き出し口12を象徴する物3は、空気調和機1の上記の一部と異なる一部を象徴する物の例である。複数の線31a-31eは、仮想の線である。
【0025】
複数の線31a-31eの各々は、空気調和機1が吹き送る風の複数の向きのいずれかひとつに対応している。上述の通り、第2の吹き出し口12は、左向き、左斜め前向き、前向き、右斜め前向き及び右向きの5個の向きに風を吹き送ることができる。線31aは左向きに対応しており、線31bは左斜め前向きに対応しており、線31cは前向きに対応しており、線31dは右斜め前向きに対応しており、線31eは右向きに対応している。
【0026】
複数の線31a-31eの各々の上には、第2の複数のボタン30のうちの4個のボタンが配置されている。当該4個のボタンは、第2の複数のボタン30のうちの複数のボタンの例である。具体的には、線31aの上には、ボタン30a、ボタン30b、ボタン30c及びボタン30dが配置されている。線31eの上には、ボタン30h、ボタン30j、ボタン30k及びボタン30mが配置されている。
【0027】
複数の線31a-31eの各々に配置されているボタンに対応付けられている組の風の量は、第2の吹き出し口12を象徴する物3から離れるにしたがって大きくなる。つまり、複数の線31a-31eの各々に配置されている4個のボタンのうちの第2の吹き出し口12を象徴する物3に相対的に近い位置に配置されているボタンには、相対的に少ない風の量が対応付けられている。上記の4個のボタンのうちの第2の吹き出し口12を象徴する物3から相対的に遠い位置に配置されているボタンには、相対的に多い風の量が対応付けられている。
【0028】
具体的には、複数の線31aに配置されているボタン30a、ボタン30b、ボタン30c及びボタン30dについて、ボタン30aには最も少ない風量である第1の量が対応付けられており、ボタン30bには第1の量より多い第2の量が対応付けられており、ボタン30cには第2の量より多い第3の量が対応付けられており、ボタン30dには最も多い風量である第4の量が対応付けられている。
【0029】
空気調和機1が吹き送る風の複数の向きのうちの任意のひとつの向きが第1の向きであり、当該複数の向きのうちの第1の向きの一方の側の隣の向きが第2の向きであり、当該複数の向きのうちの第1の向きの他方の側の隣の向きが第3の向きであり、複数の線31a-31eのうちの任意の線が第1の線であり、複数の線31a-31eのうちの第1の線の一方の側の隣の線が第2の線であり、複数の線31a-31eのうちの第1の線の他方の側の隣の線が第3の線であると定義される場合を想定する。この場合、第1の線は第1の向きに対応しており、第2の線は第2の向きに対応しており、第3の線は第3の向きに対応している。つまり、複数の線31a-31eの各々は、空気調和機1が吹き送る風の複数の向きがひとつの回転方向に変化する順に配置されている。
【0030】
第1の複数のボタン20の各々は、少なくとも押下された場合に発光する発光素子を有する。発光素子の例は、発光ダイオードである。
図3は、実施の形態1に係る空気調和機の操作装置16が有する第1の複数のボタン20の各々が発光素子を有することを説明するための図である。
図3において、発光素子は、第1の複数のボタン20の各々の中央部に四角い形状で示されているものである。具体的には、ボタン20aは発光素子22aを有し、ボタン20dは発光素子22dを有し、ボタン20zは発光素子22zを有し、ボタン20hは発光素子22hを有する。発光素子の形状は、四角い形状に限定されない。
【0031】
図4は、実施の形態1に係る空気調和機の操作装置16が有する発光素子22を説明するための空気調和機の操作装置16の一部の断面を模式的に示す図である。
図4における破線は、複数の線21a-21e及び複数の線31a-31eの各々の線に配置されている4個のボタンの各々を他のボタンと区別するために示された仮想の線である。操作装置16は、静電容量式のタッチパネルによって構成されている。静電容量式のタッチパネルでは、ユーザの指が操作装置16に近づくと静電容量が変化する。そのため、操作装置16は、ユーザの指が第1の複数のボタン20の上をスライドしたこと及び当該指が第1の複数のボタン20のうちのいずれかのボタンを押下したことを検出部が検出することを可能にする。検出部については、後に説明する。
【0032】
操作装置16は、透明でユーザの指に触れられるパネル41と、各ボタンに対応する電極42と、パネル41より空気調和機1の内側に位置するフィルム43とを有する。電極42は、パネル41とフィルム43とによって挟まれている。操作装置16は、フィルム43より空気調和機1の内側に位置する基板44と、基板44に設けられている発光素子22とを更に有する。発光素子22は、基板44の二つの平面のうちのフィルム43に相対的に近い側の面に設けられている。操作装置16は、電極42と基板44とを接続する電気配線45を更に有する。
【0033】
ユーザの指がボタンに近づく又はボタンを押下すると静電容量が変化するので、ユーザの指が近づいたボタン又は当該指が押下したボタンに対応する発光素子22に印加される電圧が変化し、発光素子22は点灯する。第2の複数のボタン30の各々も、第1の複数のボタン20の各々と同様に、少なくとも押下された場合に発光する発光素子を有する。
【0034】
図5は、実施の形態1に係る空気調和機1の構成の一部を示す図である。空気調和機1は、操作装置16と、ユーザの指が操作装置16の第1の複数のボタン20の上をスライドしていることと指がスライドした後に停止したこととを検出する検出部51とを有する。空気調和機1は、指が第1の複数のボタン20の上をスライドした後に停止したことが検出部51によって検出された場合、第1の複数のボタン20のうちの指が停止したボタンに対応付けられている組の向きと量とで送風を行わせる制御部52を更に有する。
【0035】
検出部51は、ユーザの指が操作装置16の第2の複数のボタン30の上をスライドしていることと指がスライドした後に停止したこととを検出する。制御部52は、指が第2の複数のボタン30の上をスライドした後に停止したことが検出部51によって検出された場合、第2の複数のボタン30のうちの指が停止したボタンに対応付けられている組の向きと量とで送風を行わせる。上述の通り、第2の複数のボタン30の構成は、第1の複数のボタン20の構成と同じである。そのため、以下では説明の便宜上、第1の複数のボタン20に関連する事項を説明する。
図5では、第1ベーン11a、第2ベーン11b、第3ベーン11c及び第4ベーン11dは、「ベーン11x」と記載されている。つまり、空気調和機1は、ベーン11xを有する。
【0036】
例えば、ユーザの指が
図2の矢印で示される第1の進行の向き23にスライドしてボタン20cで停止した場合、つまり、当該指が第1の複数のボタン20のうちのボタン20a、ボタン20b、ボタン20cの順にスライドしてボタン20cで停止した場合、検出部51は、当該指が第1の進行の向き23にスライドしてボタン20cで停止したことを検出する。制御部52は、ボタン20cに対応付けられている組の向きと量とで送風を行わせる制御を行う。
【0037】
図6は、実施の形態1に係る空気調和機1が有するベーン11xの向きを説明するための第1図である。ボタン20cに対応付けられている組の向きが左向きであるので、
図6に示す通り、制御部52は、第1ベーン11a、第2ベーン11b、第3ベーン11c及び第4ベーン11dを左に向かせる。ボタン20cには、3番目の量も対応付けられている。そのため、空気調和機1は、左向きに3番目の量で風を吹き送る。
【0038】
上述の場合、ボタン20a、ボタン20b及びボタン20cの各々が有する発光素子は、対応するボタンに指が触れられると点灯する。つまり、ボタン20a、ボタン20b及びボタン20cの各々が有する3個の発光素子は、第1の進行の向き23に順に点灯する。ボタン20a、ボタン20b及びボタン20cの各々が有する発光素子が点灯するので、ユーザは、空気調和機1が左向きに3番目の量で風を吹き送っていることを視覚的に認識することができる。
【0039】
なお、ユーザの指がスライドすることなくボタン20cを押下した場合、検出部51は、当該指がボタン20cを押下したことを検出する。制御部52は、ボタン20cに対応付けられている組の向きと量とで送風を行わせる制御を行う。つまり、検出部51は、ユーザの指が第1の複数のボタン20のうちのいずれかひとつのボタンを押下したことを検出する機能を有する。制御部52は、当該指が第1の複数のボタン20のうちのいずれかひとつのボタンを押下したことが検出部51によって検出された場合、第1の複数のボタン20のうちの当該指が押下したボタンに対応付けられている組の向きと量とで送風を行わせる機能を有する。
【0040】
制御部52は、ユーザの指が第1の複数のボタン20の上をスライドして停止した後に当該指が再度スライドして再度停止した場合、当該指が最初に停止したボタンに対応付けられている組の量と当該指が最後に停止したボタンに対応付けられている組の量とが同じであるとき、当該指が最初に停止したボタンに対応付けられている向きと当該指が最後に停止したボタンに対応付けられている向きとの間でベーンをスイングさせる機能を有する。
【0041】
具体的には、ユーザの指が第1の複数のボタン20の上を
図2の第1の進行の向き23にスライドしてボタン20dで停止した後に当該指がボタン20eの向きに再度スライドしてボタン20eで再度停止した場合、制御部52は、ボタン20dに対応付けられている向きとボタン20eに対応付けられている向きとの間で第1ベーン11a、第2ベーン11b、第3ベーン11c及び第4ベーン11dをスイングさせる。
【0042】
ボタン20dは線21aの上に配置されており、線21aは左向きに対応する。ボタン20eは線21bの上に配置されており、線21bは左斜め前向きに対応する。そのため、制御部52が行う制御によって、空気調和機1は左向きと左斜め前向きとに交互に風を吹き送る。この場合、ボタン20d及びボタン20eの各々が有する発光素子は交互に発光してもよい。これにより、空気調和機1は、ベーン11xがスイングしていることをユーザに認識させてもよい。
【0043】
なお、例えばユーザの指がボタン20dからボタン20bにスライドしてボタン20bで停止した場合、又は当該指がボタン20bを押下した場合、ボタン20a及びボタン20bの各々が有する発光素子が点灯する。
【0044】
制御部52は、ユーザの指が第1の複数のボタン20のうちのいずれかひとつのボタンを押下した後に当該指がスライドして停止した場合、当該指が押下したボタンに対応付けられている組の量と当該指が停止したボタンに対応付けられている組の量とが同じであるとき、当該指が押下したボタンに対応付けられている向きと当該指が停止したボタンに対応付けられている向きとの間でベーン11xをスイングさせる機能を有する。
【0045】
検出部51は、第1の複数のボタン20のうちの風の量が同じで風の向きが異なる2個のボタンが同時に押下された場合に当該2個のボタンが同時に押下されたことを検出する機能を有する。制御部52は、当該2個のボタンが同時に押下されたことが検出部51によって検出された場合、ベーン11xのうちの第1のベーンについて、検出部51によって検出された当該2個のボタンのうちの一方のボタンに対応付けられている組の向きに風を吹き送らせ、ベーン11xのうちの第2のベーンについて、検出部51によって検出された当該2個のボタンのうちの他方のボタンに対応付けられている組の向きに風を吹き送らせる制御を行う機能を有する。
【0046】
図7は、実施の形態1に係る空気調和機1が有するベーン11xの向きを説明するための第2図である。ボタン20cがベーン11xのうちの第1ベーン11a及び第2ベーン11bに対応付けられていて、ボタン20yが複数のベーン11xのうちの第3ベーン11c及び第4ベーン11dに対応付けられていることを想定する。ボタン20cは、線21aの上の位置であってボタン20dより第1の吹き出し口11を象徴する物2の側の位置に配置されているボタンである。ボタン20yは、線21cの上の位置であってボタン20zより第1の吹き出し口11を象徴する物2の側の位置に配置されているボタンである。
【0047】
この場合、ユーザの指がボタン20cとボタン20yとを同時に押下したとき、制御部52は、第1ベーン11a及び第2ベーン11bを左に向かせ、第3ベーン11c及び第4ベーン11dを左右のいずれの向きにも向かせない。つまり、制御部52は、第1ベーン11a及び第2ベーン11bについて左向きの風を吹き送らせる制御を行い、第3ベーン11c及び第4ベーン11dについて前向きの風を吹き送らせる制御を行う。
【0048】
ボタン20c及びボタン20yの各々に対応付けられている組の風の量は、3番目の量である。そのため、空気調和機1は、3番目の量で風を吹き送る。ボタン20cと線21aの上のボタン20cより第1の吹き出し口11を象徴する物2の側のボタンとが点灯し、ボタン20yと線21cの上のボタン20yより第1の吹き出し口11を象徴する物2の側のボタンとが点灯する。これにより、ユーザは、空気調和機1が3番目の量で左向きの風と前向きの風とを吹き送っていることを認識することができる。
【0049】
制御部52は、第1の複数のボタン20のうちの設定された自動運転時に空気調和機1が吹き送っている風の向きと量との組に対応するボタンが有する発光素子を点灯させる機能を有する。自動運転は、ユーザの操作によらず、空気調和機1が例えば人感センサ15が行う検出によって得られた情報をもとに自動で動作することである。
【0050】
例えば空気調和機1が人感センサ15が行う検出によって得られた情報をもとに自動運転を行っている場合、制御部52が行う制御によって、第1の複数のボタン20のうちの空気調和機1が吹き送っている風の向きと量との組に対応するボタンが有する発光素子が点灯する。そのため、ユーザは、自動運転時に空気調和機1が吹き送っている風の向きと量とを認識することができる。
【0051】
空気調和機1が人感センサ15を用いて空気調和機1が配置されている位置からユーザが存在する位置の向きに風を吹き送っている場合を想定する。この場合、第1の複数のボタン20のうちの当該向きに対応付けられている組の複数のボタンのうちの第1の吹き出し口11を象徴する物2から最も離れた位置に配置されているボタンが有する発光素子は、点滅又は点灯してもよい。
【0052】
当該向きに対応付けられている組の複数のボタンのうちの第1の吹き出し口11を象徴する物2から最も離れた位置に配置されているボタンより第1の吹き出し口11を象徴する物2の側に配置されている各ボタンが有する発光素子は、第1の吹き出し口11を象徴する物2からの距離の順に点滅してもよい。これにより、ユーザは、空気調和機1が当該向きに風を吹き送っていることを認識することができる。
【0053】
図8は、実施の形態1に係る空気調和機1が自動運転を行っている場合の空気調和機の操作装置16の例を説明するための図である。ユーザが、空気調和機1が前向きに風を吹き送っている場合に空気調和機1からの風を直接受ける状況を想定する。当該状況において、空気調和機1が最も多い風量である4番目の量で風を吹き送っていることを更に想定する。この場合、ボタン20zに前向きと4番目の量との組が対応付けられているので、制御部52は、ボタン20zが有する発光素子を点灯又は点滅させる。
【0054】
例えば、制御部52は、ボタン20zが配置されている線21cのボタン20zより第1の吹き出し口11を象徴する物2の側のボタン20w、ボタン20x及びボタン20yの各々が有する発光素子を、第1の吹き出し口11を象徴する物2からの距離の順に点滅させる。ボタン20zが有する発光素子が点灯又は点滅し、ボタン20w、ボタン20x及びボタン20yの各々が有する発光素子が順に点滅することにより、ユーザは、空気調和機1が前向きに最も多い風量である4番目の量で風を吹き送っていることを認識することができる。なお、ボタン20w、ボタン20x及びボタン20yの各々が有する発光素子は、点滅ではなく点灯してもよい。
【0055】
例えば、空気調和機1が最も多い風量である4番目の量で前向きに風を吹き送っていて、第1のユーザが空気調和機1からの風を直接受けている状況を想定する。当該状況において、空気調和機1が最も多い風量である4番目の量で右斜め前向きにも風を吹き送っていて、第2のユーザが空気調和機1からの風を直接受けている状況を想定する。ボタン20zに対応付けられている組の風の向きが前向きであって、当該組の風の量が4番目の量である。ボタン20δに対応付けられている組の風の向きが右斜め前向きであって、当該組の風の量が4番目の量である。そのため、当該状況において、制御部52は、ボタン20z及びボタンδの各々が有する発光素子を点灯又は点滅させる。
【0056】
例えば、制御部52は、ボタン20zが配置されている線21cのボタン20zより第1の吹き出し口11を象徴する物2の側のボタン20w、ボタン20x及びボタン20yの各々が有する発光素子を、第1の吹き出し口11を象徴する物2からの距離の順に点滅させる。加えて、制御部52は、ボタン20δが配置されている線21dのボタン20δより第1の吹き出し口11を象徴する物2の側のボタン20α、ボタン20β及びボタン20γの各々が有する発光素子を、第1の吹き出し口11を象徴する物2からの距離の順に点滅させる。
【0057】
ボタン20zが有する発光素子が点灯又は点滅するので、第1のユーザは、空気調和機1が前向きに最も多い風量である4番目の量で風を吹き送っていることを認識することができる。ボタン20δが有する発光素子が点灯又は点滅するので、第2のユーザは、空気調和機1が右斜め前向きに最も多い風量である4番目の量で風を吹き送っていることを認識することができる。
【0058】
図2及び
図8に示す通り、操作装置16は、第2発光素子24a、第2発光素子24b、第2発光素子24c、第2発光素子24d及び第2発光素子24eを更に有する。第2発光素子24a、第2発光素子24b、第2発光素子24c、第2発光素子24d及び第2発光素子24eは、複数の第2発光素子の例である。複数の第2発光素子24a-24eの各々は、複数の線21a-21eのうちのアルファベットの文字が同じである線の上において、第1の吹き出し口11を象徴する物2から最も離れたボタンの外側に配置されている。第2発光素子24a、第2発光素子24b、第2発光素子24c、第2発光素子24d及び第2発光素子24eの形状は、人の形を模式的に示す形状であってもよい。
【0059】
具体的には、第2発光素子24aは、線21aに対応付けられており、線21aの第1の吹き出し口11を象徴する物2から最も離れたボタン20dより、第1の吹き出し口11を象徴する物2から遠い位置に配置されている。第2発光素子24bは、線21bに対応付けられており、線21bの第1の吹き出し口11を象徴する物2から最も離れたボタン20eより、第1の吹き出し口11を象徴する物2から遠い位置に配置されている。第2発光素子24c、第2発光素子24d及び第2発光素子24eの各々も、第2発光素子24a及び第2発光素子24bと同様に、
図2及び
図8に示すように配置されている。
【0060】
空気調和機1が人感センサ15を用いて空気調和機1が配置されている位置からユーザが存在する位置への向きと異なる向きに風を吹き送っている状況を想定する。この場合、複数の第2発光素子24a-24eのうちの空気調和機1が配置されている位置からユーザが存在する位置への向きに対応する線の上に設けられている第2発光素子は、点灯する。
【0061】
空気調和機1が人感センサ15を用いて空気調和機1が左斜め前向きに風を吹き送っている場合、第2発光素子24bが点灯する。なお、第2発光素子24bが位置する線21bに配置されているボタン20p、ボタン20s、ボタン20t及びボタン20eの各々が有する発光素子は、第1の吹き出し口11を象徴する物2からの距離の順に点滅してもよい。この場合、空気調和機1が左斜め前向きに最も多い風量である4番目の量で風を吹き送っているとき、ボタン20p、ボタン20s及びボタン20t及びボタンeの各々が有する発光素子が順に点滅する動作が繰り返された後にボタン20eが有する発光素子が点灯してもよい。
【0062】
図5に示す通り、空気調和機1は、風を吹き送らせない向きを示す情報を受け付ける受付部53を更に有する。空気調和機1が配置される部屋に柱が存在する場合がある。その場合、空気調和機1が柱に向かって風を吹き送っても、風は当該部屋にいる人に適切に送られない。空気調和機1が設定された自動運転時に受付部53が風を吹き送らせない向きを示す情報を受け付けた場合、制御部52は、当該情報が示す向きに風を吹き送らせない制御を行う。具体的には、制御部52は、ベーン11xに、当該情報が示す向きに風を吹き送らせない制御を行う。
【0063】
風を吹き送らせない向きが空気調和機1から柱への向きであることを示す情報をユーザが空気調和機1に入力して受付部53が当該情報を受け付けると、制御部52は、空気調和機1から柱への向きに風を吹き送らせない制御を行う。その結果、風がユーザに適切に送られる可能性が高まる。つまり、空気調和機1は、風をユーザに適切に吹き送らせる可能性を高めることができる。なお、操作装置16は、ユーザが風を吹き送らせない向きを示す情報を空気調和機1に入力するためのボタンを有していてもよい。その場合、ユーザが当該ボタンを用いて空気調和機1に入力した情報は、受付部53に受け付けられる。当該ボタンは、第1の複数のボタン20のうちの第1の吹き出し口11を象徴する物2から最も離れた位置に配置されているボタンの一部であってもよい。
【0064】
上述の通り、空気調和機の操作装置16は、空気調和機1が吹き送る風の向きと量とを特定するための第1の複数のボタン20を有する。第1の複数のボタン20の各々は、空気調和機1が吹き送る風の向きと量との複数の組のいずれかひとつに対応付けられていると共に、空気調和機1の正面において、吹き出し口11を象徴する物2から放射状に広がる複数の線21a-21eのうちのいずれかひとつの上に配置されている。したがって、空気調和機の操作装置16は、空気調和機1が吹き送る風の向き及び量の双方の指定をユーザに比較的容易に行わせることができる。
【0065】
複数の線21a-21eの各々は、空気調和機1が吹き送る風の複数の向きのいずれかひとつに対応している。複数の線21a-21eの各々の上には、第1の複数のボタン20のうちの複数のボタンが配置されている。複数の線21a-21eの各々に配置されているボタンに対応付けられている組の風の量は、吹き出し口11を象徴する物2から離れるにしたがって大きくなる。
【0066】
空気調和機1が吹き送る風の複数の向きのうちの任意のひとつの向きが第1の向きであり、当該複数の向きのうちの第1の向きの一方の側の隣の向きが第2の向きであり、当該複数の向きのうちの第1の向きの他方の側の隣の向きが第3の向きであり、複数の線21a-21eのうちの任意の線が第1の線であり、複数の線21a-21eのうちの第1の線の一方の側の隣の線が第2の線であり、複数の線21a-21eのうちの第1の線の他方の側の隣の線が第3の線であると定義される場合、第1の線は第1の向きに対応しており、第2の線は第2の向きに対応しており、第3の線は第3の向きに対応している。
【0067】
そのため、ユーザは、空気調和機の操作装置16を使用する場合、視覚と方向についての常識とをもとに、空気調和機1が吹き送る風の向き及び量の双方についての指定を比較的容易に行うことができる。方向についての常識は、相対的に左の向きは相対的に左に配置されている物に対応し、相対的に右の向きは相対的に右に配置されている物に対応するという知識である。
【0068】
加えて、ユーザが空気調和機の操作装置16を用いて空気調和機1を操作した場合、空気調和機1は、ユーザの操作にしたがった動作を行う。すなわち、空気調和機1は、ユーザが空気調和機の操作装置16を用いて行った操作にしたがって運転することができる。
【0069】
なお、上述した実施の形態1では、複数の線21a-21eの各々に配置されているボタンに対応付けられている組の風の量は、第1の吹き出し口11を象徴する物2から離れるにしたがって大きくなる。しかしながら、複数の線21a-21eの各々に配置されているボタンに対応付けられている組の風の量は、第1の吹き出し口11を象徴する物2から離れるにしたがって小さくなってもよい。
【0070】
実施の形態2.
図9は、実施の形態2に係る空気調和機1Aの側面を模式的に示す図である。空気調和機1Aは、例えば床に配置される装置であって、風を吹き送る。
図10は、実施の形態2に係る空気調和機の操作装置16Aの構成を模式的に示す図である。以下では、「空気調和機の操作装置16A」を「操作装置16A」と記載する場合がある。操作装置16Aは、空気調和機1Aの筐体の正面に設けられている。
【0071】
鉛直線の上において空気調和機1Aの上面19aが空気調和機1Aの底面19bより鉛直上方の側に配置された状態を想定する。
図10は、当該状態において、ユーザが立って又は座って空気調和機1Aの正面を見た場合に認識される操作装置16Aを模式的に示している。空気調和機1Aの正面は、ひとつの面の例である。操作装置16Aは、空気調和機1Aが吹き送る風の向きを特定するためのボタン61a、ボタン61b、ボタン61c及びボタン61dを有する。ボタン61a、ボタン61b、ボタン61c及びボタン61dは、複数のボタンの例である。
【0072】
ボタン61a、ボタン61b、ボタン61c及びボタン61dの各々は、空気調和機1Aが吹き送る風の複数の向きのいずれかひとつに対応付けられていると共に、空気調和機1Aの正面のひとつの線62の上に配置されている。更に言うと、ボタン61a、ボタン61b、ボタン61c及びボタン61dの各々は、上記の線62の上に、ボタン61a、ボタン61b、ボタン61c及びボタン61dのうちの他のボタンと重なることなく配置されている。線62は、上記の状態において鉛直線であって、仮想の線である。当該状態において、ボタン61a及びボタン61bには空気調和機1Aが吹き送る風の相対的に上向きが対応付けられており、ボタン61c及びボタン61dには空気調和機1Aが吹き送る風の相対的に下向きが対応付けられている。
【0073】
ボタン61a、ボタン61b、ボタン61c及びボタン61dの各々は、少なくとも押下された場合に発光する発光素子を有する。発光素子の例は、発光ダイオードである。具体的には、ボタン61aは発光素子63aを有し、ボタン61bは発光素子63bを有し、ボタン61cは発光素子63cを有し、ボタン61dは発光素子63dを有する。
図10では、発光素子は四角い形状で示されている。発光素子の形状は、四角い形状に限定されない。
【0074】
図11は、実施の形態2に係る空気調和機1Aの構成の一部を示す図である。空気調和機1Aは、風を吹き送る装置であって、操作装置16Aと、上記の状態において相対的に鉛直上方に位置する上ベーン64と、上記の状態において相対的に鉛直下方に位置する下ベーン65とを有する。空気調和機1Aは、ボタン61a、ボタン61b、ボタン61c及びボタン61dのうちのいずれかひとつが押下された場合に押下されたボタンを検出する検出部66を更に有する。検出部66は、ボタン61aとボタン61bとのうちの一方とボタン61cとボタン61dとのうちの一方とが同時に押下された場合に2個のボタンが同時に押下されたことを検出する機能も有する。
【0075】
空気調和機1Aは、上ベーン64及び下ベーン65について、ボタン61a、ボタン61b、ボタン61c及びボタン61dのうちのいずれかひとつが押下された場合に検出部66によって検出されたボタンに対応付けられている向きに風を吹き送らせる制御を行う制御部67を更に有する。制御部67は、ボタン61aとボタン61bとのうちの一方とボタン61cとボタン61dとのうちの一方とが同時に押下されたことが検出部66によって検出された場合、上ベーン64について上向きに風を吹き送らせる制御を行い、下ベーン65について下向きに風を吹き送らせる制御を行う。
【0076】
図12は、実施の形態2に係る空気調和機1Aが有するベーンの向きを説明するための図である。実施の形態2の具体例では、
図11に示される上ベーン64は第1上ベーン64aと第2上ベーン64bとによって構成されており、
図11に示される下ベーン65は第1下ベーン65aと第2下ベーン65bとによって構成されている。第1上ベーン64a、第2上ベーン64b、第1下ベーン65a及び第2下ベーン65bは、空気調和機1Aの内部に設けられている。
【0077】
例えばボタン61aとボタン61bとのうちの一方とボタン61cとボタン61dとのうちの一方とが同時に押下された場合、制御部67は、第1上ベーン64a及び第2上ベーン64bを上に向けて、第1上ベーン64a及び第2上ベーン64bについて上向きに風を吹き送らせる制御を行う。制御部67は、第1下ベーン65a及び第2下ベーン65bを下に向けて、第1下ベーン65a及び第2下ベーン65bについて下向きに風を吹き送らせる制御を行う。
【0078】
例えばボタン61aのみが押下された場合、制御部67は、第1上ベーン64a、第2上ベーン64b、第1下ベーン65a及び第2下ベーン65bを上に向けて、第1上ベーン64a、第2上ベーン64b、第1下ベーン65a及び第2下ベーン65bについて上向きに風を吹き送らせる制御を行う。
【0079】
上述の通り、空気調和機の操作装置16Aは、空気調和機1Aが吹き送る風の向きを特定するための複数のボタンを有する。複数のボタンの各々は、空気調和機1Aが吹き送る風の複数の向きのいずれかひとつに対応付けられていると共に、空気調和機1Aの正面の線62の上に配置されている。したがって、空気調和機の操作装置16Aは、空気調和機1Aが吹き送る風の向きの指定をユーザに比較的容易に行わせることができる。
【0080】
加えて、ユーザが空気調和機の操作装置16Aを用いて空気調和機1Aを操作した場合、空気調和機1Aは、ユーザの操作にしたがった動作を行う。すなわち、空気調和機1Aは、ユーザが空気調和機の操作装置16Aを用いて行った操作にしたがって運転することができる。
【0081】
図13は、実施の形態1に係る空気調和機1が有する検出部51、制御部52及び受付部53の少なくとも一部の機能がプロセッサ81によって実現される場合のプロセッサ81を示す図である。つまり、検出部51、制御部52及び受付部53の少なくとも一部の機能は、メモリ82に格納されるプログラムを実行するプロセッサ81によって実現されてもよい。プロセッサ81は、CPU(Central Processing Unit)、マイクロコンピュータ、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、又はDSP(Digital Signal Processor)である。
図13には、メモリ82も示されている。
【0082】
検出部51、制御部52及び受付部53の少なくとも一部の機能がプロセッサ81によって実現される場合、当該一部の機能は、プロセッサ81と、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェア及びファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア又はファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ82に格納される。プロセッサ81は、メモリ82に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、検出部51、制御部52及び受付部53の少なくとも一部の機能を実現する。
【0083】
すなわち、検出部51、制御部52及び受付部53の少なくとも一部の機能がプロセッサ81によって実現される場合、空気調和機1は、検出部51、制御部52及び受付部53の少なくとも一部によって実行されるステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ82を有する。メモリ82に格納されるプログラムは、検出部51、制御部52及び受付部53の少なくとも一部が実行する手順又は方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
【0084】
メモリ82は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク又はDVD(Digital Versatile Disk)等である。
【0085】
図14は、実施の形態1に係る空気調和機1が有する検出部51、制御部52及び受付部53を構成する少なくとも一部が処理回路83によって実現される場合の処理回路83を示す図である。つまり、検出部51、制御部52及び受付部53の少なくとも一部は、処理回路83によって実現されてもよい。
【0086】
処理回路83は、専用のハードウェアである。処理回路83は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものである。検出部51、制御部52及び受付部53の一部は、残部とは別個の専用のハードウェアであってもよい。
【0087】
実施の形態2に係る空気調和機1Aにおける検出部66及び制御部67が有する複数の機能の一部は、プロセッサ81と同じ機能を有するプロセッサによって実現されてもよい。検出部66及び制御部67が有する複数の機能の一部がプロセッサによって実現される場合、空気調和機1Aは、当該一部の機能に対応するステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリを有する。当該メモリは、メモリ82と同じ機能を有するメモリである。
【0088】
実施の形態2に係る空気調和機1Aが有する検出部66及び制御部67を構成する少なくとも一部の構成要素は、処理回路83と同じ機能を有する処理回路によって実現されてもよい。
【0089】
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略又は変更することも可能である。
【符号の説明】
【0090】
1,1A 空気調和機、2 第1の吹き出し口を象徴する物、3 第2の吹き出し口を象徴する物、11 第1の吹き出し口、11a 第1ベーン、11b 第2ベーン、11c 第3ベーン、11d 第4ベーン、11x ベーン、12 第2の吹き出し口、12a 第5ベーン、12b 第6ベーン、12c 第7ベーン、12d 第8ベーン、13,19a 上面、14,19b 底面、15 人感センサ、16,16A 空気調和機の操作装置、17 第1の領域、18 第2の領域、20 第1の複数のボタン、20a,20b,20c,20d,20e,20h,20j,20k,20m,20p,20s,20t,20w,20x,20y,20z,20α,20β,20γ,20δ,30a,30b,30c,30d,30h,30j,30k,30m,61a,61b,61c,61d ボタン、21a,21b,21c,21d,21e,31a,31b,31c,31d,31e,62 線、22,22a,22d,22h,22z,63a,63b,63c,63d 発光素子、23 第1の進行の向き、24a,24b,24c,24d,24e 第2発光素子、30 第2の複数のボタン、41 パネル、42 電極、43 フィルム、44 基板、45 電気配線、51,66 検出部、52,67 制御部、53 受付部、64 上ベーン、64a 第1上ベーン、64b 第2上ベーン、65 下ベーン、65a 第1下ベーン、65b 第2下ベーン、81 プロセッサ、82 メモリ、83 処理回路。