(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】収納棚ベース及びファニチャー又は家電機器
(51)【国際特許分類】
A47B 55/00 20060101AFI20221214BHJP
F25D 25/02 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
A47B55/00
F25D25/02 G
F25D25/02 F
(21)【出願番号】P 2020512437
(86)(22)【出願日】2018-08-27
(86)【国際出願番号】 EP2018072993
(87)【国際公開番号】W WO2019042922
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】102017120160.2
(32)【優先日】2017-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】504467554
【氏名又は名称】ポール ヘティッヒ ゲーエムベーハー ウント ツェーオー. カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レハーゲ, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】マッテス, アンドレアス
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-163687(JP,A)
【文献】特開2012-149838(JP,A)
【文献】特開平09-042829(JP,A)
【文献】特開2008-278985(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 46/00
A47B 55/00
F25D 25/02
B65G 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファニチャー(11)又は家電機器(12)用の収納棚ベース(1)であって、
前記ファニチャー(11)又は前記家電機器(12)の本体(13,14)に配置される支持プレート(3)と、
前記支持プレート(3)に対して確実にガイドされ且つ回転移動及び並進移動を同時に可能である収納棚(4)とを備え、
前記支持プレート(3)及び前記収納棚(4)の互いに向き合う受け面(31,42)はそれぞれ、少なくとも大部分が閉じられた周方向の転走溝(33,43,44)を有し、前記転走溝(33,43,44)内では、転動要素(10)がガイドされ、
前記収納棚(4)は、開動作において初期ポジションから中間ポジションまで前記支持プレート(3)に対して移動可能であり、前記中間ポジションでは、前記収納棚(4)は回転方向(R1,R2)に前記支持プレート(3)に対して回転され且つ所定の方向(A)に位置がずらされ、前記収納棚(4)は、閉動作において前記中間ポジションから前記初期ポジションに戻るまで移動可能である又はさらに前記回転方向(R1,R2)に前記初期ポジションに対して180°にわたって回転されたポジションにまで移動可能である、収納棚ベース(1)において、
前記収納棚ベース(1)は、前記収納棚(4)の前記閉動作を支持する閉支持デバイスを有することを特徴とする、収納棚ベース(1)。
【請求項2】
前記ファニチャー(11)又は前記家電機器(12)の前記本体(13,14)に不動であるように留め付けられ且つその上に前記支持プレート(3)が配置されるベースプレート(2)を備え、前記閉支持デバイスは、前記ベースプレート(2)と前記支持プレート(3)との間で機能することを特徴とする、請求項1に記載の収納棚ベース(1)。
【請求項3】
前記閉支持デバイスは、前記ベースプレート(2)と前記支持プレート(3)との間の楔形状のウェブとして、又は、リブ付き構造として設計されることを特徴とする、請求項2に記載の収納棚ベース(1)。
【請求項4】
前記収納棚(4)の前記閉動作を支持する前記閉支持デバイスは、前記ベースプレート(
2)又は
前記支持プレート(3)上に
、少なくとも1つの段状部(36,37)として設計されることを特徴とする、請求項2に記載の収納棚ベース(1)。
【請求項5】
前記転動要素(10)の回転軸又は回転位置がある平面が、前記楔形状のウェブによって、
又は、前記リブ付き構造によって
、水平面に対して傾斜されることを特徴とする、請求項
3に記載の収納棚ベース(1)。
【請求項6】
前記転動要素(10)の回転軸又は回転位置がある平面が、前記少なくとも1つの段状部(36)によって、水平面に対して傾斜されることを特徴とする、請求項4に記載の収納棚ベース(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの段状部(36,37)は、前記ベースプレート(2)又は前記支持プレート(3)に一体的に形成されることを特徴とする、請求項4
又は6に記載の収納棚ベース(1)。
【請求項8】
前記段状部(36)の高さ(h)は、閉方向での前記ベースプレート(2)に対する前記支持プレート(3)の傾斜が1°と5°との間であるように寸法付けられることを特徴とする、請求項4、
6又は
7に記載の収納棚ベース(1)。
【請求項9】
前記段状部(36)の高さ(h)は、前記閉方向での前記ベースプレート(2)に対する前記支持プレート(3)の傾斜が1°と2°との間であるように寸法付けられることを特徴とする、請求項
8に記載の収納棚ベース(1)。
【請求項10】
前記転走溝(33,43,44)の幾何学的形状は、前記初期ポジションへの到達直前の前記収納棚(4)の移動が並進要素を含むように設計されることを特徴とする、請求項1~
9のいずれか一項に記載の収納棚ベース(1)。
【請求項11】
前記転走溝(33,43,44)の幾何学的形状は、前記収納棚(4)の移動方向が前記初期ポジションへの到達直前に略直線的であるように設計されることを特徴とする、請求項1~
10のいずれか一項に記載の収納棚ベース(1)。
【請求項12】
請求項1~
11のいずれか一項に記載の少なくとも1つの収納棚ベース(1)を有する本体(13)を備えるファニチャー(11)。
【請求項13】
請求項1~
11のいずれか一項に記載の少なくとも1つの収納棚ベース(1)を有する本体(14)を備える
、家電機器(12)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブル部分に係るファニチャー又は家電機器用の収納棚ベース及びファニチャー又は家電機器に関する。
【背景技術】
【0002】
支持プレートと、支持プレート上でガイドされる収納棚とが、ベースプレート上に配置され且つ回転移動及び並進移動を同時に行うことができるタイプの収納棚ベースがあり、当該収納棚ベースは、ファニチャー又は冷蔵庫若しくは冷凍庫等の家電機器の収納スペースにおいて、他のタイプではアクセスできない表面にアクセスすることを可能にする。
【0003】
例えば、ターンテーブルを搭載する収納棚ベースは既知であり、当該収納棚ベースでは、ターンテーブルは収納棚ベースのベースプレートに直接的に設置される(独国特許出願公開第4216765号明細書)。
【0004】
過去に公開された独国特許出願公開第102017106170号明細書は、支持プレートに対して確実にガイドされ且つ回転移動及び並進移動を同時に行うことができる収納棚を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】独国特許出願公開第4216765号明細書
【文献】独国特許出願公開第102017106170号明細書
【発明の概要】
【0006】
これらの先行技術の収納棚ベースの不都合な点は、例えば、ファニチャー又は家電機器の扉によって閉ざされた収納空間で収納棚がとる収納棚の初期ポジションに必ずしも至らないということが時々あることである。
【0007】
もし、この初期ポジションに至らない場合、初期ポジションから積み降ろしを対象とする中間ポジションまで収納棚を移動させる次の試みがなされている間に、支持プレート上の収納棚の支持部に機能不良が引き起こされる可能性がある。扉がもはや適正に閉じないということも起こり得る。最悪の場合、強い力で扉を閉じよう試みることによって、収納棚が損傷し得る。
【0008】
本発明の目的は、収納棚が規定の初期ポジションへと挿入されたときに当該初期ポジションに確実に至るようなファニチャー又は家電機器用の収納棚ベースを提供することである。
【0009】
この目的は、請求項1の特徴を有するファニチャー又は家電機器用の収納棚ベースによって解決され、請求項11の特徴を有するファニチャーによって解決され、請求項12の特徴を有する家電機器によって解決される。
【0010】
本発明に係る収納棚ベースは、ファニチャー又は家電機器の本体に配置される支持プレートを備える。
【0011】
収納棚ベースはまた、支持プレートに対して確実にガイドされ且つ回転移動及び並進移動を同時に可能である収納棚を備え、互いに向き合う支持プレート及び収納棚の受け面は、少なくとも大部分が閉じられた周方向の溝を有し、当該溝内では、転動要素がガイドされる。
【0012】
収納棚は、開動作において初期ポジションから中間ポジションまで支持プレートに対して移動可能であり、中間ポジションでは、収納棚は支持プレートに対して一方向に回転され且つ所定の方向に位置をずらされる。収納棚は、閉動作において中間ポジションから初期ポジションに戻るまで移動可能である。収納棚ベースは、収納棚の閉動作を支持する閉支持デバイスを有する。
【0013】
閉支持体を組み込むことによって、規定の初期ポジションへの到達が容易になる。
【0014】
本発明の有利な実施態様例が、従属請求項の主題である。
【0015】
収納棚のさらなる有利な点は、収納棚が、ファニチャー又は家電機器の本体に不動であるように固定され且つその上に支持プレートが配置されるベースプレートを備え、閉支持デバイスがベースプレートと支持プレートとの間で機能することである。
【0016】
有利な実施態様によると、閉支持デバイスは、ベースプレートと支持プレートとの間において、楔形状のウェブ又はリブ付き構造によって形成される。当該ウェブ又はリブ付き構造は、ベースプレート上及び支持プレート上のいずれかに形成されてもよい。
【0017】
又は、上記ウェブ又はリブ付き構造は、ベースプレート及び/又は支持プレートに配置される分割された構成要素によって形成されてもよい。
【0018】
収納棚ベースの別の有利な実施態様例によると、収納棚の閉動作を支持する閉支持デバイスは、ベースプレート上又は支持プレート上に、好ましくは、ベースプレートに向き合う支持プレートの下側面上の前縁の領域に、少なくとも1つの段状部として設計される。
【0019】
このような段状部は、ベースプレート及び/又は支持プレートに取り付ける又は一体的に形成するのに、容易且つ安価である。
【0020】
さらに、このような段状部は、構成において小型を維持することができ、これ故、収納棚ベースの全体の高さにごくわずかな影響しか与えない。
【0021】
好ましくは、段状部は支持プレートに一体的に形成される。このような段状部が支持プレートに取り付けられることも考えられ得る。
【0022】
段状部は、水平面に関して支持プレート及び収納棚の互いに向き合う受け面が共同して形成する傾斜を生み出し、その結果、転動要素の回転軸又は回転位置がある平面も、水平面に関して傾斜する。
【0023】
有利な実施態様例によると、段状部の高さは、閉方向でのベースプレートに対する支持プレートの傾斜が1°と5°との間、好ましくは1°と2°との間であるように寸法付けられる。
【0024】
このような傾斜は、収納棚がその初期ポジションに確実に格納されながらも同時に収納棚ベースの全体の高さがほとんど影響を受けないようにするのに十分である。低い傾斜は、収納棚上に配置された物が滑動することを防ぎもする。
【0025】
本発明の別の有利な実施態様例によると、転走溝の幾何学的形状は、初期ポジションへの到達直前の収納棚の移動が並進要素を含むようなものであり、初期ポジションへの到達直前の収納棚の移動方向は、略直線的である場合に特に有利である。特に、このことによって、収納棚を規定の初期ポジションに移動させることが可能になる。
【0026】
本発明に係る収納棚ベースは、好ましくは、ファニチャーにおいて使用されることができる、又は、特に冷蔵庫又は冷凍庫といった家電機器において使用されることができる。さらに、ファニチャー又は家電機器はそれぞれ、収納棚ベースを受け入れるための本体を有する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、本発明に係る収納棚ベースの一実施態様例の分解斜視図である。
【
図2】
図2は、分解して示されるベースプレート、支持プレート及びベースプレートホルダの斜視図である。
【
図4】
図4は、収納棚ベースが中に組み込まれたファニチャーの斜視図である。
【
図5】
図5は、収納棚ベースが中に組み込まれた冷蔵庫として設計される家電機器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下において、本発明の好ましい実施態様例が添付の図面を用いてより詳細に説明される。
【0029】
以下の図の説明において、頂、底、左、右、前及び後等の用語は、各図において選択される収納棚ベース、ベースプレート、支持プレート、収納棚、ベースプレートホルダ及び段状部等の例示的な表現及び位置に単に言及するに過ぎない。これらの用語は、限定するものとして理解されるべきではなく、すなわち、これらの言及は、様々な作用ポジション又は鏡面対照的な解釈等に起因して変わり得る。
【0030】
図1において、参照符号1は、収納棚ベースを全体として示す。
【0031】
収納棚ベース1は、ベースプレート2と支持プレート3とを有し、ベースプレート2は、ファニチャー11又は家電機器12の本体13,14に固定されることができ、支持プレート3は、ベースプレート2上に配置される。
【0032】
当該支持プレート3上において、回転移動及び並進移動を同時に行うことができる収納棚4がある。回転移動及び並進移動を同時に確実にガイドするために、支持プレート3及び収納棚4における互いに向き合う受け面31,42はそれぞれ、少なくとも大部分が閉じられた周方向の転走溝33,34,43,44,45,46を有し、当該転走溝内において、転動要素10(複数)がガイドされる。ここで使用される転動要素10は、特に玉である。
【0033】
支持プレート3は、ベースプレート2に取り外し可能に留め付けられる、又は、支持プレート3は、
図1に示すように、ファニチャー11又は家電機器12の本体13,14にベースプレート2を固定するベースプレートホルダ5に取り外し可能に留め付けられる。
【0034】
図1及び
図2に示すように、収納棚4の支持を向上するために、内側転走溝33,43,44と、外側転走溝34,45,46とが、収納棚4に向き合う支持プレート3の受け面31内と支持プレート3に向き合う収納棚4の受け面42内との両方に導入される。
【0035】
支持プレート3の内側転走溝33は、閉じられた周方向の転走溝として設計される。外側転走溝34は、収納棚ベース1の前側部に向かって開放している。
【0036】
収納棚4に回転移動及び並進移動を同時にさせるために、部分的に重なる2つの内側転走溝43,44と、同様に部分的に重なる2つの外側転走溝45,46とがそれぞれ、収納棚4の受け面42内に導入されている。全ての転走溝43,44,45,46は、閉じられた周方向の転走溝として設計される。
【0037】
上記転動要素10の紛失を防ぐために、複数の転動要素10は、転動要素ケージ9に収容される。ここでは、転動要素ケージ9は、4つのアームを有する円形状リングの形状をしており、4つのアームは、円形状リングから半径方向外側に向かって延び、4つのアームの自由端のそれぞれでは、さらなる転動要素10が収容される。
【0038】
内側転走溝33,43,44と外側転走溝34,45,46との両方は、力が収納棚4に水平方向に加えられたとき、収納棚4が以下のように移動することができるように、形作られている。つまり、力が収納棚4に水平方向に加えられたとき、収納棚4は、
図1に示すような支持プレート3に対する収納棚4の向きに対応する初期位置から、
図4に示す中間ポジションを経由して移動することができる。
図4に示す中間ポジションは、90°回転された積み降ろしポジションにある下側の収納棚4についてのポジションであり、当該積み降ろしポジションでは、収納棚4は、90°回転されているだけでなく、積み降ろしを容易にするために所定の距離Aだけ位置をずらされてもいる。
【0039】
初期ポジションに戻す移動は、閉方向に水平方向に力を与えることによって、又は、回転方向を逆転しつつ初期ポジションへ戻すように力を与えることによって、同様に単純に行われる。閉方向の場合、収納棚4は、最初の回転方向を維持しつつ初期ポジションに対して180°回転されたポジションにまで移動される。
【0040】
図1及び
図2に示すように、ベースプレートホルダ5は、収納棚ベース1を、ファニチャー11又は家電機器12の本体13,14に留め付けるために用いられる。この目的のために、ベースプレートホルダ5は、ベースプレート2の後縁22の周りに係合する。
【0041】
ここで示される実施態様例では、支持プレート3をベースプレート2上の固定ポジションで固定するために、支持プレート3はまた、接続エレメント6を介してベースプレートホルダ5に接続されもする。ベースプレートホルダ5は、本体13,14に支持プレート3を後付けするための補助具の可能な一形態を表す。
【0042】
この目的のために、ベースプレートホルダ5は2つのリセス54を有し、2つのリセス54内にはそれぞれ、支持プレート3の後縁から延びる接続エレメント6が挿入されることができる。
【0043】
接続エレメント6はそれぞれ、リセス54内へ押し込まれると、形状的に嵌まる又は摩擦により係止されるかたちでベースプレートホルダ5内に保持される。
【0044】
閉ポジションへの収納棚4の信頼性のある収納を確実にするために、支持プレート3は、ベースプレート2上で水平方向で均等に支持されず、ベースプレートホルダ5の方向に後方へ向かって僅かに傾けられる。
【0045】
この目的のために、
図1、
図2及び
図3に示すように、段状部36が、ベースプレート2に向き合う支持プレート3の前縁の下側面に形成される。
【0046】
ここで示される特定の実施態様例では、2つのこのような段状部36,37が一体的に形成され、内側の段状部36は、支持プレート3に向き合うベースプレート2の上側部21上に載り、このとき、ベースプレート2の前縁23は、外側の段状部37の鉛直方向の内側表面上に載る。なお、外側の段状部37の上記内側表面は、ベースプレート2を前側で覆う。
【0047】
1つの段状部のみを設け、当該段状部を用いて、支持プレート3の前縁がベースプレート2上に載るようにすることも考えられ得る。
【0048】
支持プレート3の下側面32に取り付けられる分割された構成要素として、又は、ベースプレート2の上側部22に取り付けられる分割された構成要素として、段状部を設計することも考えられ得る。
【0049】
支持プレート3の前縁に一体的に形成される段状部の代わりとして、ベースプレート2に向き合う支持プレート3の下側面は、支持プレート3の上側部に対して表面全体にわたって斜めに傾斜して延びてもよい。上記下側面はリブ付きのかたちで配置されてもよい。
【0050】
楔形状のウェブが、ベースプレート2と支持プレート3との間に配置されてもよい。
【0051】
段状部36の高さhは、閉方向でのベースプレート2に対する支持プレート3の傾きが1°と5°との間であるように、寸法付けられる。
【0052】
閉方向でのベースプレート2に対する支持プレート3の傾きは、1°と2°との間であることが特に好ましい。
【0053】
ベースプレートホルダ5の方向で上記段状部によって生成される支持プレート3の勾配があることによって、中間ポジションから初期ポジションに収納棚4を移動させる又は収納棚4を180°回転させて初期ポジションに移動させるために、ユーザが収納棚4を動作させた後、収納棚4は信頼性のある格納動作を十分に行うことができる。
【0054】
内側転走溝33,43,44の幾何学的形状と、存在する場合の外側転走溝34,45,46の幾何学的形状とは、好ましくは、初期ポジションに到達する直前の収納棚4の移動方向が並進要素を含む又は凡そ直線的でさえもあるように、設計され、それにより、収納棚4に存在するポテンシャルエネルギーが、規定の初期ポジションへの到達前に運動量に変換される。その結果、ユーザによって収納棚4がさらに押圧されなくても、収納棚4はその初期ポジションに確実に到達する。
【0055】
図1及び
図2に示すように、ベースプレートホルダ5は、スロット52の上方に第2リセス55を有し、第2リセス55は、傾動防護エレメント7を収容する役割を果たす。
【0056】
このような傾動防護エレメント7は、支持プレート3上に配置もされ、収納棚4の上縁48を部分的に覆うように形作られもする。又は、傾動防護エレメントは、収納棚4内の溝に係合するように設計されてもよい。
【0057】
傾動防護エレメント7は、収納棚4の棚面41に平行な傾動軸を中心として収納棚4が傾動することを防ぐ役割を果たす。このような傾動は、負荷が収納棚4の棚面41に不均等に分布する場合に特に起こり得る。
【0058】
傾動防護エレメント7は、好ましくはC形の引掛けフックとして設計され、傾動防護エレメント7の1つのセクション73は、支持プレート3の後縁から突出し上方へ曲げられている。
【0059】
平坦な中央セクション72は、上記セクション73に隣接し、中央セクション72は、収納棚4の棚面41を囲む壁部の鉛直方向の高さに適応する高さで延びる。中央セクション72に隣接する傾動防護エレメント7の屈曲端部71は、上記壁部の上縁48を越えて突出し、傾動が起こった場合に収納棚4が傾動することを防ぐ。
【0060】
支持プレート3及び収納棚4は、軸方向の固定のために固定デバイス8を用いて互いに固定される。
【0061】
図1に示すように、固定デバイス8はネジ81を有し、ネジ81は、支持プレート3のスロット35を通って下方から突出し、これにより、収納棚4が支持プレート3に対してスライド移動することを可能にする。
【0062】
低摩擦のスライド移動を可能にするために、ワッシャ82及び摺動リング83がネジ81に配置され、摺動リング83は、スロット35の領域におけるベースプレート2に面した支持プレート3の下側面と接触している。ベースプレート2に対して支持プレート3が傾いていることによって、支持プレート3を越えて下方に突出するネジ81の頭部が、ベースプレート2上にこすれないようにすることが、確実にもなる。
【0063】
収納棚4との軸方向の固定のために、搭載ブラケット47が収納棚4の棚面41に挿入され、搭載ブラケット47は、キャップ84によってカバーされる。
【0064】
当該キャップ84のネジ81に面する下側面には、雌ネジを有するネジ穴が設けられ、ネジ81は、当該ネジ穴内に捩じ込まれることでキャップ84をその搭載ポジションで軸方向に保持することができる。
【0065】
ベースプレート2は、ガラスプレートとして設計されることができる。ベースプレート2を、木製プレート又はプラスチック若しくは金属製のプレートとして設計することも考えられ得る。支持プレート3及び収納棚4は、好ましくは、プラスチック又はガラスで生成される。
【0066】
例えば、特に冷蔵庫又は冷凍庫のような冷蔵装置として設計される家電機器12の場合、例えばガラスプレートの形態である既に存在するベースプレート2は、収納棚ベース1を生成するために、支持プレート及び収納棚を安定させ且つ組み込むのに使用可能であるということが、特に有利である。なお、上記の収納棚ベース1は、並進移動及び回転移動を同時に行うことができ、それにより特に積み降ろしが容易であるものである。
【0067】
図4は、本発明に係るファニチャー11の収納棚ベース(複数)を示し、ファニチャー11は、収納棚ベース1(複数)が配置される本体13を有する。
【0068】
図5は、本ケースでは冷蔵器具である本発明に係る家電機器12の収納棚ベース(複数)を示し、家電機器12は、収納棚ベース1(複数)が配置される本体14を有する。
【符号の説明】
【0069】
1 収納棚ベース
2 ベースプレート
21 上側部
22 縁
23 縁
3 支持プレート
31 受け面
32 下側面
33 転走溝
34 転走溝
35 スロット
36 段状部
37 段状部
4 収納棚
41 棚面
42 受け面
43 転走溝
44 転走溝
45 転走溝
46 転走溝
47 搭載ブラケット
48 上縁
5 ベースプレートホルダ
52 スロット
54 第1リセス
55 第2リセス
6 接続エレメント
7 傾動防護エレメント
8 固定デバイス
81 ネジ
82 ワッシャ
83 摺動リング
84 キャップ
9 転動要素ケージ
10 転動要素
11 ファニチャー
12 家電機器
13 本体
14 本体
A 方向
R1 回転方向
R2 回転方向
h 高さ