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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】自律型車両のフリート管理
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20221214BHJP
   G08G 1/123 20060101ALI20221214BHJP
   G01C 21/36 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G08G1/123 A
G01C21/36
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020528466
(86)(22)【出願日】2018-11-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-18
(86)【国際出願番号】 US2018059403
(87)【国際公開番号】W WO2019118091
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-07-13
(31)【優先権主張番号】15/838,650
(32)【優先日】2017-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】コレイン,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】フィーンストラ,ローレンス,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ハーバック,ジョシュア,セス
(72)【発明者】
【氏名】パターソン,キャサリン
【審査官】増子 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-174208(JP,A)
【文献】国際公開第2016/079966(WO,A1)
【文献】特開2017-142728(JP,A)
【文献】国際公開第2017/068698(WO,A1)
【文献】特開2007-310745(JP,A)
【文献】特開2011-002318(JP,A)
【文献】特開2005-115883(JP,A)
【文献】特開2008-210249(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0323565(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0210590(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
B60W 10/00 - 10/30
B60W 30/00 - 60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人車両のフリートを、前記フリートの車両を駐車するための複数の駐車場所に割り当てる方法であって、
1つ以上のプロセッサによって、前記フリートの前記車両の場所を特定することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記複数の駐車場所の各々における利用可能なスペースの数を特定することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記複数の駐車場所のうちの1つにまだ配置されていない前記フリートの前記車両のサブセットを特定することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記利用可能なスペースの数および前記サブセットの前記特定された場所に基づいて、前記サブセットの各車両を前記複数の駐車場所のそれぞれの割り当てられた駐車場所に割り当てる少なくとも1つの割り当てを判定することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記サブセットの前記車両が前記それぞれの割り当てられた駐車場所に到達するための時間コスト値を判定することによって、前記少なくとも1つの割り当ての総コストを判定することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記総コストに基づいて、前記フリートに前記少なくとも1つの割り当てを送信することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの割り当てを送信した後、前記フリートに命令を送信し、それにより前記サブセットのすべての車両を、前記少なくとも1つの割り当てに従って対応するそれぞれの割り当てられた駐車場所に移動させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの割り当ての総コストを判定することは、さらに、前記サブセットのすべての車両が割り当てられた駐車場所に駐車するのにどのくらいかかるかのコスト値を判定することによって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの割り当ての総コストを判定することは、さらに、前記複数の駐車場所の各駐車場所で利用可能なスペースの数のコスト値を判定することによって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの割り当ての総コストを判定することは、さらに、前記サブセットの任意の車両が所与の駐車場所の取込帯域幅よりも大きい速度で前記所与の駐車場所に到達するかどうかのコスト値を判定することによって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの割り当ての総コストを判定することは、さらに、それぞれの割り当てられた駐車場所に前記サブセットを送ることが交通渋滞の懸念を引き起こすかどうかのコスト値を判定することによって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
それぞれの割り当てられた駐車場所に前記サブセットを送ることが前記少なくとも1つの割り当てに対して交通渋滞の懸念を引き起こコスト値を判定することは、
前記少なくとも1つの割り当てに従って、前記サブセットの各車両がそれぞれの割り当てられた駐車場所に到達するための経路を判定することと、
各経路に対して、複数のセグメントを判定することと、
前記複数のセグメントの各々に対して、前記セグメントを横断する前記サブセットの車両の数を特定することと、を含む前記少なくとも1つの割り当てに対して交通渋滞を引き起こし、それぞれの割り当てられた駐車場所に前記サブセットを送前記コスト値が、前記複数のセグメントの各々に対する前記車両の数に基づいて、前記少なくとも1つの割り当てに対して交通渋滞を引き起こす、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記フリートの各車両から、前記車両のステータスを特定する定期的なブロードキャストを受信することと、
サービスを必要とする前記フリートのうちの第1の車両を、前記第1の車両から受信した前記定期的なブロードキャストに基づいて特定することと、
前記複数の駐車場所のうちの第1の駐車場所に前記第1の車両を割り当てることと、
前記第1の車両を割り当てた後、前記サブセットから前記第1の車両を削除することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の車両から受信した前記定期的なブロードキャストが、前記第1の車両のサービスニーズを特定し、前記複数の駐車場所の各場所は、サービス機能のセットに関連し、前記第1の車両が、前記サービスニーズと前記第1の駐車場所の前記サービス機能のセットに基づいて、前記第1の駐車場所に割り当てられる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の車両を前記第1の駐車場所に割り当てた後、前記第1の駐車場所における前記利用可能なスペースの数を調整することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの割り当てに従って、対応するそれぞれの割り当てられた駐車場所に向かって操縦するために、前記サブセットの各車両にナビゲーション命令のセットを送信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記利用可能なスペースの数と前記フリートの前記車両の前記特定された場所に基づいて、前記サブセットの各車両を前記複数の駐車場所のそれぞれ割り当てられた駐車場所に割り当てるための複数の割り当ての判定することと、
前記複数の割り当ての各割り当てに対して、前記サブセットの車両が前記それぞれの割り当てられた駐車場所に到達するための時間使用して総コストを判定することと、をさらに含み、前記少なくとも1つの割り当てを送信することが、前記1つ以上のプロセッサによって、前記複数の割り当ての前記判定された総コストおよび前記少なくとも1つの割り当ての前記総コストに基づいて、前記少なくとも1つの割り当てを選択することを含み、前記少なくとも1つの割り当てを送信することが、前記選択することにさらに基づく、方法。
【請求項13】
前記選択することが、前記少なくとも1つの割り当ての総コストが、前記複数の割り当ての前記総コストのすべてよりも低いことにさらに基づく、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの割り当てを送信することが、閾値を満たす前記総コストにさらに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記フリートの少なくとも第2のサブセットに対して制限ルールを判定することと、
前記フリートの各所与の車両が、前記制限ルールがその所与の車両に適用されるかどうかを判定するための命令で、前記フリートに前記制限ルールをブロードキャストすることと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記制限ルールは、前記第2のサブセットの高速道路運転を制限する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記制限ルールは、前記制限ルールで定義された速度制限を超える速度制限を有する道路での前記第2のサブセットの運転を制限する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
無人車両のフリートを、前記フリートの車両を駐車するための複数の駐車場所に割り当てるためのシステムであって、
前記フリートの前記車両の場所を特定することと、
複数の駐車場所の各々における利用可能なスペースの数を特定することと、
前記複数の場所のうちの1つにまだ位置付けられていない前記フリートの前記車両のサブセットを特定することと、
前記利用可能なスペースの数および前記サブセットの前記特定された場所に基づいて、前記サブセットの各車両を前記複数の駐車場所のそれぞれの割り当てられた駐車場所に割り当てる少なくとも1つの割り当てを判定することと、
前記サブセットの車両が前記それぞれの割り当てられた場所に到達するための時間コスト値を判定することによって、前記少なくとも1つの割り当ての総コストを判定することと、
前記総コストに基づいて、前記フリートに前記少なくとも1つの割り当てを送信することと、をするように構成されている1つ以上のプロセッサを含む、システム。
【請求項19】
前記1つ以上のプロセッサは、前記割り当てを送信した後、前記フリートに命令を送信し、それにより、前記サブセットのすべての車両を、前記少なくとも1つの割り当てに従ってそれぞれの割り当てられた場所に移動させるようにさらに構成されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記フリートをさらに含む、請求項18に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「Fleet Management For Autonomous Vehicles」と題する、2017年12月12日に出願された、米国特許出願第15/838,650号の出願日の利益を主張し、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
人間の運転手を必要としない車両などの自律型車両が、ある場所から別の場所への乗員乗客または物品の輸送を支援するために使用され得る。かかる車両は、乗員乗客がピックアップ場所または目的地などのいくつかの初期入力を提供することができ、かつ車両がその場所に車両自体を操縦する、完全な自律モードで動作することができる。したがって、そのような車両は、輸送サービスを提供するために使用され得る。
【0003】
輸送サービスを提供する他のシステムは、通常、どのように車両を操作するかについて判定する役割を担う運転手または車掌を含む。このようなサービスは、車両を特定の場所に派遣して輸送サービスを提供するだけでなく、フリート管理や車両のステージングの指示を提供できるバックエンドサーバシステムを含むことがある。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様は、無人車両のフリートを、フリートの車両を駐車するための複数の駐車場所に割り当てるための方法を提供する。本方法は、1つ以上のプロセッサによって、フリートの車両の場所を特定することと、1つ以上のプロセッサによって、複数の駐車場所の各々における利用可能なスペースの数を特定することと、1つ以上のプロセッサによって、複数の駐車場所のうちの1つにまだ配置されていないフリートの車両のサブセットを特定することと、1つ以上のプロセッサによって、利用可能なスペースの数およびサブセットの特定された場所に基づいて、サブセットの各車両を複数の駐車場所のそれぞれの割り当てられた駐車場所に割り当てる少なくとも1つの割り当てを判定することと、1つ以上のプロセッサによって、サブセットの車両がそれぞれの割り当てられた駐車場所にどれだけ早く到達できるかを含む複数の要因の各々のコスト値を判定することによって、少なくとも1つの割り当ての総コストを判定することと、1つ以上のプロセッサによって、総コストに基づいて、フリートに少なくとも1つの割り当てを送信することと、を含む。
【0005】
一例では、本方法はまた、少なくとも1つの割り当てを送信した後、フリートに命令を送信し、それによりサブセットのすべての車両を、少なくとも1つの割り当てに従って対応するそれぞれの割り当てられた駐車場所に移動させることを含む。別の例では、複数の要因は、サブセットのすべての車両が割り当てられた駐車場所に駐車するのにどのくらいかかるかを含む。別の例では、複数の要因が、複数の駐車場所の各駐車場所で利用可能なスペースの数を含む。別の例では、複数の要因は、サブセットの任意の車両が所与の駐車場所の取込帯域幅よりも大きい速度で所与の駐車場所に到達するかどうかを含む。
【0006】
別の例では、複数の要因は、それぞれの割り当てられた駐車場所にサブセットを送ることが交通渋滞の懸念を引き起こすかどうかを含む。この例では、割り当てられた駐車場所にサブセットを送る要因のコスト値を判定することは、少なくとも1つの割り当てに従って、サブセットの各車両がそれぞれの割り当てられた駐車場所に到達するための経路を判定することと、各経路に対して、複数のセグメントを判定することと、複数のセグメントの各々に対して、セグメントを横断するサブセットの車両の数を特定することであって、サブセットをそれぞれの割り当てられた駐車場所に送信する要因のコスト値が、少なくとも1つの割り当てに対して、複数のセグメントの各々に対する車両の数に基づいて、交通渋滞を引き起こす、特定することと、を含む少なくとも1つの割り当てに対して交通渋滞を引き起こす。
【0007】
別の例では、方法はまた、フリートの各車両から、車両のステータスを特定する定期的なブロードキャストを受信することと、サービスを必要とするフリートのうちの第1の車両を、第1の車両から受信した定期的なブロードキャストに基づいて特定することと、複数の駐車場所のうちの第1の駐車場所に第1の車両を割り当てることと、第1の車両を割り当てた後、サブセットから第1の車両を削除することと、を含む。この例では、第1の車両から受信した定期的なブロードキャストが、第1の車両のサービスニーズを特定し、複数の駐車場所の各場所は、サービス機能のセットに関連し、第1の車両が、サービスニーズと第1の駐車場所のサービス機能のセットに基づいて、第1の駐車場所に割り当てられる。追加的または代替的には、本方法はまた、第1の車両を第1の駐車場所に割り当てた後、第1の駐車場所における利用可能な駐車スペースの数を調整することを含む。別の例では、本方法はまた、少なくとも1つの割り当てに従って、対応するそれぞれの割り当てられた駐車場所に向かって操縦するために、サブセットの各車両にナビゲーション命令のセットを送信することを含む。
【0008】
別の例では、方法はまた、1つ以上のプロセッサによって、利用可能なスペースの数とフリートの車両の特定された場所に基づいて、サブセットの各車両を複数の駐車場所のそれぞれ割り当てられた駐車場所に割り当てるための複数の割り当ての判定することと、複数の割り当ての各割り当てに対して、サブセットの車両がそれぞれの割り当てられた駐車場所にどれだけ早く到達できるかを含む複数の要因を使用して総コストを判定し、少なくとも1つの割り当てを送信することが、1つ以上のプロセッサによって、複数の割り当ての判定された総コストおよび少なくとも1つの割り当ての総コストに基づいて、少なくとも1つの割り当てを選択することを含み、少なくとも1つの割り当てを送信することが、選択することにさらに基づく。この例では、選択することが、少なくとも1つの割り当ての総コストが、複数の割り当ての総コストのすべてよりも低いことにさらに基づく。
【0009】
別の例では、少なくとも1つの割り当てを送信することが、閾値を満たす総コストにさらに基づく。別の例では、方法はまた、フリートの少なくとも第2のサブセットに対して制限ルールを判定することと、フリートの各所与の車両が、制限ルールがその所与の車両に適用されるかどうかを判定するための命令で、フリートに制限ルールをブロードキャストすることと、を含む。この例では、制限ルールは、第2のサブセットの高速道路運転を制限する。追加的または代替的に、制限ルールで定義された速度制限を超える速度制限を有する道路での第2のサブセットの運転を制限する。
【0010】
本開示の別の態様は、無人車両のフリートを、フリートの車両を駐車するための複数の駐車場所に割り当てるためのシステムを提供する。このシステムは、フリートの車両の場所を特定することと、複数の駐車場所の各々における利用可能なスペースの数を特定することと、複数の場所のうちの1つにまだ配置されていないフリートの車両のサブセットを特定することと、利用可能なスペースの数およびサブセットの特定された場所に基づいて、サブセットの各車両を複数の駐車場所のそれぞれの割り当てられた駐車場所に割り当てる少なくとも1つの割り当てを判定することと、サブセットの車両がそれぞれの割り当てられた場所にどれだけ早く到達できるかを含む複数の要因の各々のコスト値を判定することによって、少なくとも1つの割り当ての総コストを判定することと、総コストに基づいて、フリートに少なくとも1つの割り当てを送信することと、をするように構成されている1つ以上のプロセッサを含む。
【0011】
一例では、1つ以上のプロセッサは、割り当てを送信した後、フリートに命令を送信し、それにより、サブセットのすべての車両を、少なくとも1つの割り当てに従ってそれぞれの割り当てられた場所に移動させるようにさらに構成されている。別の例では、システムはまた、フリートを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】典型的な実施形態による例示的な車両の機能図である。
図2】本開示の態様による地図情報の一例である。
図3】本開示の態様による車両の例示的な外観図である。
図4】典型的な実施形態による例示的なシステムの絵図である。
図5】本開示の態様による、図4のシステムの機能図である。
図6】本開示の態様による地理的区域の例示的な鳥瞰図である。
図7】本開示の態様によるデータの表現例である。
図8A】本開示の態様による例示的な表である。
図8B】本開示の態様による例示的な表である。
図9A】本開示の態様による例示的な表である。
図9B】本開示の態様による例示的な表である。
図10】本開示の態様によるデータの表現例である。
図11】本開示の態様による例示的なフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
概要
本技術は、自律型車両のフリートをどのように分配するかを判定するためのシステムに関する。例えば、運転手および/または設定されたスケジュール(バスや電車の場合)を含む通常の車両輸送サービスとは異なり、移動中の乗員乗客または貨物に輸送サービスを提供し得る自律型車両のフリートは、緊急事態または他のそのような状況が発生した場合に、車両のフリートが足止めされる、または公道から撤去する必要がある状況に対応できなくてはならない。例えば、悪天候、特定のソフトウェアまたはハードウェアのエラーの発見、原因不明の衝突などの場合に、これが必要になることがある。
【0014】
効果的な方法でこれを行うには、そのような車両がいつ、どのように、例えばサービスのために、またはフリートの足止めの場合に、駐車場所に戻る必要があるかを判定する必要がある。これらの駐車場所は、可用性、取り込み帯域幅、利用可能なサービスなどの異なる特性を有することがある。したがって、フリートにおける車両の数と異なる特性を持つ駐車場所が増えるにつれて、これらの駐車場所に車両をどのように分配するかを判定するのが非常に複雑であり、非常に迅速である。
【0015】
停車場所は、車両のための駐車区域またはスペースを含む決まった固定の場所であってもよい。そのための各駐車場所には、所定の数の駐車スポットがある。例えば、駐車場所は、オープン区域、駐車場、またはパーキングデッキ、倉庫、カーポートなどの建物、またはスタックパーキングシステムなどの駐車車両に適した他の構造物が含む。これらの駐車場所の全部または一部はまた、日陰、燃料補給または充電ステーション、洗浄サービス、メンテナンスサービスなどの特定の機能を有してもよく、または単に「ステージングパッド」または車両が駐車して行程に割り当てられるのを待機できる場所であってもよい。上記のように、駐車場所が、任意の所与の時点で「取り込む」ことができる利用可能な人間のオペレータの数に依存する、車両を受け入れるための特定の帯域幅を有してもよい。
【0016】
バックエンド派遣サーバシステム(派遣システム)は、駐車場所と車両の両方と通信し得る。バックエンドシステムは、車両の場所と、利用可能なスポットの数を含む駐車場所のステータスも追跡し得る。
【0017】
フリートの車両が動き回っているため、それらは絶えず派遣システムにそれらのステータスをブロードキャストしてもよい。車両に乗員乗客がいない場合に、派遣システムはこの情報を使用して、車両を、その車両のニーズを満たす利用可能な最も近い駐車場所に割り当てることができる。そのため、バックエンドシステムは、割り当てられた駐車場所で利用可能なスペースの数を1つ少なくするように更新することができる。このプロセスは、メンテナンスが必要な車両と割り当てられた駐車場所に対して実行され得る。
【0018】
同時に、特定の駐車場所にまだ派遣されていない、または既に駐車場所にいる、フリートの他のすべての車両について、派遣システムは、フリートが足止めされる場合にそれらの車両がどこに行くべきかを判定することができる。この場合、派遣システムは、いくつかの異なる要因を考慮に入れることができる。各要因にはコストを割り当てることができる。
【0019】
派遣システムは、車両の様々な配置を反復処理することができ、各反復は、全体または総コストに関連付けられ得る。反復処理は、前の反復の全体的なコストに最大のコストをもたらした1つ以上の車両の割り当てを調整することによって区別され得る。反復処理は、コストを削減できなくなるまで(つまり、次の反復によって全体のコストが増加するまで)、または閾値が満たされるまで継続され得る。
【0020】
最も低い総コストに関連する反復、または閾値を満たす最初の反復を選択して、車両を駐車場所に割り当てるために使用することができる。これらの割り当ては、フリートのすべての車両にブロードキャストされるか、各車両に個別の指示として送信される。いくつかの例では、割り当ては、車両が割り当てられた駐車場所に到達するための指示のセット(ナビゲーション命令)を含み得る。さらに、車両の割り当ては定期的に実行され、新しい駐車場所の場所がフリートの各車両に設定される。一例として、これは毎秒数回程度であり得る。
【0021】
車両を駐車場所に割り当てることに加えて、派遣システムはまた、フリート全体または特定の車両にルールまたは要件を設定することができる。これらの要件に適用する必要がある応答または動作は、禁止されている状況によって異なることがある。要件は、それらの要件の対象となる車両のみに送信され得るが、代わりに、要件はフリートのすべての車両に送信され得る。このようにして、個々の車両のコンピューティングデバイスのそれぞれに、要件がその車両に適用されるかどうかを判定するタスクを課すことができる。
【0022】
場合によっては、派遣システムシステムはまた、サービス中の車両の数を制御することがある。これは、フリートの車両の予想または実際の需要、および上記の機能のいずれかに従って行われ得る。例えば、派遣システムは、その区域で需要が高い、または需要が高くなると予想される場合に、特定の車両を特定の場所に送って、待機させることがある。
【0023】
本明細書で説明する機能により、派遣システムはフリートの車両の個々のニーズに効率的かつ継続的に対処すると同時に、変化する状況に対処し、緊急時にフリートを「足止め(ground)」する最も効率的かつ安全な方法を予測すると同時に、継続的に配車サービスの車両供給を最適化することができる。
【0024】
例示的なシステム
図1に示されるように、本開示の一態様による車両100は、様々な構成要素を含む。本開示の特定の態様は、特定のタイプの車両に関連して特に有用であるが、車両は、どのタイプの車両であってもよく、乗用車、トラック、オートバイ、バス、レクリエーション用車両などを含むが、これらに限定されない。車両は、1つ以上のプロセッサ120、メモリ130、および汎用コンピューティングデバイスに通常存在する他の構成要素を含むコンピューティングデバイス110などの1つ以上の制御コンピューティングデバイスを有することができる。
【0025】
メモリ130は、1つ以上のプロセッサ120によってアクセス可能である情報を記憶し、その情報には、プロセッサ120によって実行または別様に使用され得る命令134およびデータ132が含まれる。メモリ130は、プロセッサによってアクセス可能である情報を記憶することができる任意のタイプのメモリであってもよく、それらには、コンピューティングデバイス可読媒体、またはハードドライブ、メモリカード、ROM、RAM、DVD、もしくは他の光ディスク、ならびに他の書き込み可能および読み取り専用メモリなどの電子デバイスを使って読み取ることができるデータを記憶する他の媒体が含まれる。システムおよび方法は、上記の異なる組み合わせを含んでもよく、それによって、命令およびデータの様々な部分が、様々なタイプの媒体に記憶される。
【0026】
命令134は、プロセッサにより直接的に(マシンコードなど)または間接的に(スクリプトなど)実行される任意の一連の命令であってもよい。例えば、命令は、コンピューティングデバイス可読媒体上のコンピューティングデバイスコードとして記憶されてもよい。その点において、「命令」および「プログラム」という用語は、本明細書では、区別なく使用され得る。命令は、プロセッサによる直接処理のための物体コード形式で、または要求に応じて解釈されるか、もしくは予めコンパイルされる独立したソースコードモジュールのスクリプトもしくはコレクションを含む、任意の他のコンピューティングデバイス言語で記憶されてもよい。命令の機能、方法、およびルーチンについては、以下でさらに詳細に説明される。
【0027】
データ132は、命令134に従ってプロセッサ120によって検索、記憶、または修正されてもよい。例えば、特許請求の範囲の主題は、いかなる特定のデータ構造にも限定されないが、データは、コンピューティングデバイスレジスタ内に、すなわち、複数の異なるフィールドおよびレコードを有する表、XMLドキュメント、またはフラットファイルとしてリレーショナルデータベース内に記憶されてもよい。データはまた、任意のコンピューティングデバイス可読形式でフォーマットされてもよい。
【0028】
1つ以上のプロセッサ120は、市販されているCPUなどの任意の従来のプロセッサであってもよい。別の方法として、1つ以上のプロセッサは、ASICまたは他のハードウェアベースプロセッサなどの専用デバイスであってもよい。図1は、プロセッサ、メモリ、およびコンピューティングデバイス110の他の要素を同じブロック内にあるものとして機能的に例示しているが、プロセッサ、コンピューティングデバイス、またはメモリは、実際には、同じ物理的な筐体内に格納されていてもいなくてもよい、複数のプロセッサ、コンピューティングデバイス、またはメモリを含むことができることは、当業者により、理解されるであろう。例えば、メモリは、ハードドライブ、またはコンピューティングデバイス110の筐体とは異なる筐体内に配置された他の記憶媒体であってもよい。したがって、プロセッサまたはコンピューティングデバイスへの言及は、並行に動作してもしなくてもよいプロセッサまたはコンピューティングデバイスまたはメモリの集合体への言及を含むことを理解されたい。
【0029】
コンピューティングデバイス110は、上述したプロセッサおよびメモリ、ならびにユーザ入力150(例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーンおよび/またはマイクロフォン)、様々な電子ディスプレイ(例えば、スクリーン、または情報を表示するように動作可能である任意の他の電気デバイスを有するモニタ)などのコンピューティングデバイスと接続して通常使用されるすべての構成要素であってもよい。この例では、車両は、内部の電子ディスプレイ152、ならびに1つ以上のスピーカ154を含み、情報または音響映像体験を提供する。この点について、内部の電子ディスプレイ152は、車両100の車内に位置付けられてもよく、コンピューティングデバイス110によって使用されて、車両100内の乗員乗客に情報を提供してもよい。
【0030】
コンピューティングデバイス110はまた、1つ以上の無線ネットワーク接続156も含み、以下に詳細に説明するクライアントコンピューティングデバイスおよびサーバコンピューティングデバイスなどの他のコンピューティングデバイスとの通信を容易にしてもよい。無線ネットワーク接続には、ブルートゥース、ブルートゥースローエネルギー(LE)、携帯電話接続などの短距離通信プロトコル、ならびにインターネット、World Wide Web、イントラネット、仮想プライベートネットワーク、ワイドエリアネットワーク、ローカルネットワーク、1つ以上の企業に専用の通信プロトコルを使用するプライベートネットワーク、イーサネット、WiFi、およびHTTPを含む様々な構成およびプロトコル、ならびに上記の様々な組み合わせが含まれてもよい。
【0031】
一例では、コンピューティングデバイス110は、車両100に組み込まれた自律運転コンピューティングシステムであってもよい。この自律運転コンピューティングシステムは、メモリ130のプライマリ車両制御コードに従って車両100の動きを制御するために、車両の様々な構成要素と通信することが可能であり得る。例えば、図1に戻ると、コンピューティングデバイス110は、メモリ130の命令134に従って車両100の移動、速度などを制御するために、減速システム160、加速システム162、ステアリングシステム164、信号システム166、ナビゲーションシステム168、測位システム170、知覚システム172、および動力システム174(すなわち、車両のエンジンまたはモータ)などの、車両100の様々なシステムと通信してもよい。また、これらのシステムは、コンピューティングデバイス110の外部にあるものとして示されているが、実際には、これらのシステムもまた、車両100を制御するための自律運転コンピューティングシステムとして再度、コンピューティングデバイス110の中に組み込まれてもよい。
【0032】
一例として、コンピューティングデバイス110は、車両の速度を制御するために、車両のブレーキ、アクセルペダル、および/またはエンジン、もしくはモータなどの減速システム160および/または加速システム162のうちの1つ以上のアクチュエータと相互作用してもよい。同様に、ハンドル、ステアリングシャフト、ならびに/またはラックアンドピニオン式システム内のピニオンおよびラックなどのステアリングシステム164の1つ以上のアクチュエータが、車両100の方向を制御するために、コンピューティングデバイス110によって使用されてもよい。例えば、乗用車またはトラックなどの車両100が道路上で使用するために構成されている場合、ステアリングシステムは、車両の向きを変えるために車輪の角度を制御するための1つ以上のアクチュエータを含んでもよい。信号システム166は、例えば、必要に応じて方向指示器またはブレーキライトを点灯させることによって、車両の意図を他の運転手または車両に知らせるために、コンピューティングデバイス110によって使用され得る。
【0033】
ナビゲーションシステム168は、ある場所までのルートを判定および追従するために、コンピューティングデバイス110によって使用され得る。この点について、ナビゲーションシステム168および/またはデータ132は、詳細な地図情報、例えば、道路の形状および標高、車線ライン、交差点、横断歩道、速度制限、交通信号、建物、標識、リアルタイム交通情報、植生、または他のそのような対象物および情報を特定する高精密地図を格納することができる。
【0034】
図2は、交差点202および204を含む、車道の区分に関する地図情報200の例である。この例では、地図情報200は、車線境界線210、212、214、信号機220、222、横断歩道230、歩道240、一時停止標識250、252、および譲れの標識260の形状、場所、ならびに他の特性を識別する情報を含む。車両が運転できる区域は、車両がマップ情報の様々な場所で概して走行すべき場所および方向を示す、1つ以上のレール270、272、および274と関連付けられ得る。例えば、車両は、車線境界線210と車線境界線212との間の車線内を運転するときにレール270に追従し得、交差点204で右折するために、レール272に移行し得る。その後、車両は、レール274に追従し得る。もちろん、レールの数および性質を考慮して、数本のみが、簡潔さおよび理解を容易にするために地図情報200内に図示される。
【0035】
上記の特徴に加えて、地図情報が、駐車場所の場所と特性を特定してもよい。駐車場所は、車両の駐車区域またはスペースを含む固定された場所であってもよい。各駐車場所が、所定の数の駐車スポットを有してもよい。さらに、一部の駐車場所は、日陰(車両とセンサーを行程と行程の間、涼しく保つため)、燃料補給または充電ステーション、洗浄サービス、メンテナンスサービスなどの機能を有してもよい。この点について、地図情報は、駐車場所280、282、ならびに駐車スペース290~294を特定する。
【0036】
一部の駐車場所は、車両が、例えば燃料や電力の使用を回避するために完全にオフにするように長時間、または車両がまさに「サービス中」であるが、乗員乗客もしくは行程に割り当てられない短時間にわたって駐車および待機することを可能にすることができる。例えば、スポット290は日陰を提供することができ、スポット292は、燃料補給、検査、または他のメンテナンス作業のためのメンテナンス機能を含み得る。
【0037】
他の駐車場所は、単に「ステージングパッド」、または1台以上の車両が駐車して割り当てられる乗員乗客を待機できる場所であってもよい。これらのステージングパッドの場所は、ショッピングモール、駅、スタジアムなどの乗員乗客が多い区域の近くに配置されることが好ましい。この点について、駐車場所282のスポット294は、需要が多い区域の近くに容易に到着することができるステージングパッド場所あってもよい。
【0038】
本明細書では地図情報は、画像ベースの地図として示されているが、地図情報は、完全に画像ベースである必要はない(例えば、ラスタ)。例えば、地図情報が、1つ以上の道路グラフ、または道路、車線、交差点、およびこれらの特徴間の接続などの情報のグラフネットワークを含み得る。各特徴は、グラフデータとして記憶されてもよく、地理的場所などの情報と関連付けられてもよく、いずれにせよ、他の関連する特徴にリンクされ、例えば、一時停止標識は、道路や交差点などにリンクされてもよい。いくつかの例では、関連付けられたデータは、道路グラフのグリッドベースのインデックスを含んで、ある道路グラフの特徴の効率的な検索を可能にし得る。
【0039】
測位システム170は、地図上または地球上の車両の相対的または絶対的位置を判定するために、コンピューティングデバイス110によって使用され得る。例えば、測位システム170は、デバイスの緯度、経度、および/または標高の位置を判定するためのGPS受信機を含むことができる。レーザベースの位置決めシステム、慣性支援GPS、またはカメラベースの位置決めなどの他の位置特定システムもまた、車両の位置を特定するために使用することができる。車両の位置は、緯度、経度、および標高などの絶対的な地理的位置だけでなく、多くの場合、より少ないノイズでその絶対的な地理的位置を判定することができる、車両のすぐ周りにある他の自動車に対する位置などの相対的な位置情報を含むことができる。
【0040】
測位システム170はまた、車両の方向および速度、またはそれらの変化を判定するための加速度計、ジャイロスコープ、または別の方向/速度検出デバイスなどの、コンピューティングデバイス110と通信する他のデバイスを含み得る。単なる例として、加速デバイスは、重力の方向、または重力に対して垂直な平面に対する車両の縦揺れ、偏揺れ、または横揺れ(またはそれらの変化)を判定することができる。このデバイスはまた、速度の増減、およびそのような変化の方向を追跡することもできる。本明細書で説明したように、デバイスの位置および配向データの提供は、コンピューティングデバイス110、他のコンピューティングデバイス、および上記の組み合わせに自動的に提供され得る。
【0041】
知覚システム172はまた、他の車両、道路内の障害物、交通信号、標識、樹木などの車両の外部にある対象物を検出するために1つ以上の構成要素を含む。例えば、知覚システム172は、レーザ、ソナー、レーダー、カメラ、および/またはコンピューティングデバイス110が処理することができるデータを記録する任意の他の検出デバイスを含んでもよい。車両がミニバンなどの乗用車両である場合には、ミニバンは、屋根または他の都合のよい位置に搭載されるレーザまたは他のセンサを含んでもよい。例えば、図3は、車両100の例示的な外観図である。この例では、屋上にある筐体310およびドーム状筐体312は、ライダーセンサ、ならびに各種のカメラおよびレーダーユニットを含んでもよい。さらに、車両100の前端部に配置された筐体320、ならびに車両の運転手側および助手席側の筐体330、332は、各々、ライダーセンサを格納することができる。例えば、筐体330は、運転手ドア360の前部に配置されている。車両100はまた、車両100の屋根の上にさらに配置されたレーダーユニットおよび/またはカメラのための筐体340、342も含む。追加のレーダユニットおよびカメラ(図示せず)は、車両100の前端および後端に、および/または屋根または屋上ハウジング310に沿った他の位置に配置されることができる。
【0042】
コンピューティングデバイス110は、様々な構成要素を制御することによって車両の方向および速度を制御してもよい。例として、コンピューティングデバイス110は、詳細な地図情報およびナビゲーションシステム168からのデータを使用して、車両を目的地の場所に完全に自律的にナビゲートしてもよい。コンピューティングデバイス110は、車両の場所を判定するために測位システム170を使用し、その場所に安全に到着する必要があるとき、物体を検出かつ物体に対応するために知覚システム172を使用してもよい。そうするために、コンピューティングデバイス110は、車両を、(例えば、加速システム162により、エンジンに提供される燃料または他のエネルギーを増加させることによって)加速させ、(例えば、エンジンに供給される燃料を低減させ、ギヤを切り替え、および/または減速システム160によりブレーキをかけることによって)減速させ、(例えば、ステアリングシステム164により、車両100の前輪または後輪の向きを変えることによって)方向を変更させ、(例えば、信号システム166の方向指示器を点灯することによって)かかる変更を伝えさせてもよい。このため、加速システム162および減速システム160は、車両のエンジンと車両の車輪との間に様々な構成要素を含む、動力伝達装置の一部であり得る。再び、これらのシステムを制御することによって、コンピューティングデバイス110はまた、車両を自律的に操縦するために、車両の動力伝達装置を制御してもよい。
【0043】
車両100のコンピューティングデバイス110はまた、輸送サービスの一部であるコンピューティングデバイスならびに他のコンピューティングデバイスなどの他のコンピューティングデバイスとの間で情報を受信または転送することができる。図4および図5は、それぞれ、例示的なシステム400の絵図および機能図であり、システムは、ネットワーク460を介して接続された複数のコンピューティングデバイス410、420、430、440、および記憶システム450を含む。システム400はまた、車両100、および車両100と同じまたは類似に構成され得る車両100A、100Bを含む。簡潔にするため、いくつかの車両およびコンピューティングデバイスのみを図示しているが、典型的なシステムは、これよりもはるかに多くのものを含み得る。
【0044】
図4に示されるように、コンピューティングデバイス410、420、430、440の各々は、1つ以上のプロセッサ、メモリ、データ、および命令を含むことができる。そのようなプロセッサ、メモリ、データ、および命令は、コンピューティングデバイス110の1つ以上のプロセッサ120、メモリ130、データ132、および命令134と同様に構成されてもよい。
【0045】
ネットワーク460および仲介ノードは、ブルートゥース、ブルートゥースLE、インターネット、World Wide Web、イントラネット、仮想プライベートネットワーク、ワイドエリアネットワーク、ローカルネットワーク、1つ以上の企業に専用の通信プロトコルを使用するプライベートネットワーク、イーサネット、WiFi、およびHTTP、ならびに上記の様々な組み合わせなどの短距離通信プロトコルを含む様々な構成およびプロトコルを含んでもよい。そのような通信は、モデムおよび無線インターフェースなどの、他のコンピューティングデバイスとの間でデータを送受信することができる任意のデバイスによって容易に行われ得る。
【0046】
一例では、1つ以上のコンピューティングデバイス110は、他のコンピューティングデバイスとの間でデータを受信、処理、および送信する目的で、ネットワークの異なるノードと情報を交換する、複数のコンピューティングデバイスを有する1つ以上のサーバ、例えば、負荷分散サーバファームを含み得る。例えば、1つ以上のコンピューティングデバイス410は、ネットワーク460を介して、車両100のコンピューティングデバイス110、または車両100A、100Bの類似のコンピューティングデバイス、ならびにコンピューティングデバイス420、430、440と通信することが可能である1つ以上のサーバコンピューティングデバイスを含み得る。例えば、車両100、100A、100Bは、サーバコンピューティングデバイスによって様々な場所に派遣される車両のフリートの一部であり得る。この点について、サーバコンピューティングデバイス410は、派遣システムとして機能することができる。さらに、フリートの車両は、車両のそれぞれの測位システムによって提供されるサーバコンピューティングデバイスの位置情報、および以下でさらに説明する車両のステータスに関する他の情報を定期的に送信でき、1つ以上のサーバコンピューティングデバイスは、フリートの各車両の場所とステータスを追跡することができる。
【0047】
加えて、サーバコンピューティングデバイス410は、ネットワーク460を使用して、コンピューティングデバイス420、430、440のディスプレイ424、434、444などのディスプレイ上に、ユーザ422、432、442などのユーザに情報を送信および提示することができる。この点について、コンピューティングデバイス420、430、440は、クライアントコンピューティングデバイスとみなされてもよい。
【0048】
図4に示すように、各クライアントコンピューティングデバイス420、430、440は、ユーザ422、432、442が使用することを意図されたパーソナルコンピューティングデバイスであってもよく、1つ以上のプロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU))、データおよび命令を記憶するメモリ(例えば、RAMおよび内蔵ハードドライブ)、ディスプレイ424、434、444などのディスプレイ(例えば、画面を有するモニタ、タッチスクリーン、プロジェクタ、テレビ、または情報を表示するように動作可能である他のデバイス)、およびユーザ入力デバイス426、436、446(例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーン、またはマイクロフホン)を含む、パーソナルコンピューティングデバイスと接続して通常使用されるすべての構成要素を有し得る。クライアントコンピューティングデバイスはまた、ビデオストリームを記録するためのカメラ、スピーカ、ネットワークインターフェースデバイス、およびこれらの要素を互いに接続するために使用されるすべての構成要素を含んでもよい。
【0049】
クライアントコンピューティングデバイス420、430、および440は、各々、フルサイズのパーソナルコンピューティングデバイスを含んでもよいが、代替的に、インターネットなどのネットワークを介してサーバとデータを無線で交換することが可能であるモバイルコンピューティングデバイスを含んでもよい。ほんの一例として、クライアントコンピューティングデバイス420は、携帯電話、または無線対応PDA、タブレットPC、ウェアラブルコンピューティングデバイスもしくはシステムなどのデバイス、またはインターネットもしくは他のネットワークを介して情報を取得することができるネットブックであってもよい。別の例では、クライアントコンピューティングデバイス430は、図4に示すように、腕時計として示されるウェアラブルコンピューティングシステムであってもよい。一例として、ユーザは、小型キーボード、キーパッド、マイクロフォンを使用して、カメラを用いた映像信号、またはタッチスクリーンを使用して、情報を入力し得る。
【0050】
いくつかの例では、クライアントコンピューティングデバイス440は、フリートの車両に駐車場所サービスを提供するために駐車場所の管理者またはオペレータによって使用されるコンシェルジュワークステーションであってもよい。例えば、ユーザ442は、駐車場所ワークステーション440を使用して、以下でさらに論じられるように、派遣システム410によって生成された「ワーク指示」を受信し、および/またはフリートの車両の様々なメンテナンスサービスおよび通信動作を実行する駐車場所オペレータであり得る。この点について、駐車場所ワークステーション440は駐車場所280に配置されてもよいが、そのようなサービスは駐車場所282では利用できないため、駐車場所282は駐車場所ワークステーションを必要としなくてもよい。図4および図5には、単一の駐車場所ワークステーション440のみが示されているが、通常のシステムには、任意の数のかかるワークステーションが含まれてもよい。
【0051】
メモリ130と同様に、記憶システム450は、ハードドライブ、メモリカード、ROM、RAM、DVD、CD-ROM、書き込み可能メモリ、および読み出し専用メモリなどの、サーバコンピューティングデバイス410によりアクセス可能である情報を記憶することができる、任意のタイプのコンピュータ化された記憶装置であり得る。さらに、記憶システム450は、データが、同じまたは異なる地理的位置に物理的に配置され得る複数の異なる記憶デバイス上に格納される分散型記憶システムを含んでもよい。記憶システム450は、図4および図5に示すように、ネットワーク460を介してコンピューティングデバイスに接続されてもよく、かつ/またはコンピューティングデバイス110、410、420、430、440などのいずれかに直接接続されるか、もしくは組み込まれてもよい。
【0052】
記憶システム450は、以下でより詳細に説明されるように、様々なタイプの情報を記憶することができる。この情報は、本明細書で記載する特徴のうちのいくつかまたはすべてを実行するために、1つ以上のサーバコンピューティングデバイス410などのサーバコンピューティングデバイスによって検索または別様にアクセスされ得る。一例として、記憶システム450の情報は、上述のように、フリートの各車両および駐車場所のステータスおよび特性、ならびに上述の地図情報を含み得る。
【0053】
例えば、フリートの車両が動き回ると、それらは、絶えずおよび/または定期的に、派遣システム410にそれらのステータスをブロードキャストし得る。これは、例えば、冷却もしくは日陰、燃料補給もしくは充電、洗浄、定期点検(サービスの非常に長い時間、行程、もしくはマイル)、センサーの再校正(障害または定期メンテナンスに対処するため)、また他のメンテナンスを車両が必要とするかどうかを含み得る。派遣システム410は、この情報を記憶システム450に記憶することができる。以下でさらに説明するように、図8Aは、フリートの車両のステータスを追跡するための例示的な表である。
【0054】
さらに、派遣システムはこの情報を使用して、車両のニーズを満たす、利用可能な最も近い駐車場所に車両を割り当てることができる。この点について、派遣システム410は、所与の駐車場所について駐車場所ワークステーションに送信されるワーク指示を作成して、駐車場所の駐車場所オペレータに車両の必要性を通知することができる。ワーク指示および対応するステータスはまた、必要に応じて、記憶システム450に記憶および/または更新され得る。
【0055】
上記のように、スポットの場所および数に加えて、記憶システム450の情報は、駐車場所の特性を含み得る。これには、駐車場所が日陰、ワイヤレスネットワークアクセス(例えば、WiFi(R)など)、燃料補給または充電ステーション、洗浄サービス、およびメンテナンスサービスを提供することができるかどうかを含み得る。さらに、記憶システム450の情報は、人員配置(例えば、勤務中の駐車場所オペレータの数)、帯域幅(人員配置、または一度に格納できる車両の数に関連する)、および到達可能性の詳細を含み得る。例えば、上記のように、駐車場所には、任意の所与の時間で「取り入れる」(例えば、検査、駐車など)ことができる利用可能な人間のオペレータの数に依存する、車両を受け入れるための特定の帯域幅を有し得る。例えば、駐車場所282は実際にはステージングパッドの場所であり、駐車場所オペレータがその場所で車両を取り入れることが必要とされないため、駐車場所280の帯域幅は1分あたり1台の車両であり得るが、駐車場所282は、実際には帯域幅を有しないことがある。また、一部の駐車場は、他の場所よりも(渋滞または駐車場に通じる道路の他の制限等により)到達して、駐車するまでに時間がかかることがある。以下でさらに説明するように、図8Bは、フリートの車両のステータスを追跡するための例示的な表である。
【0056】
輸送サービスをユーザに提供するために、記憶システム450の情報は、1つ以上のサーバコンピューティングデバイスに対してユーザを特定するために使用することができる資格情報などのユーザアカウント情報(例えば、従来の単一要素認証の場合のユーザ名およびパスワード、ならびにランダムな識別子、生体認証などの多要素認証で通常使用される他のタイプの資格情報)を含み得る。ユーザアカウント情報はまた、ユーザの名前、連絡先情報、ユーザのクライアントコンピューティングデバイス(または、同じユーザアカウントで複数のデバイスが使用されている場合はデバイス)の識別情報などの個人情報、ユーザに関する1つ以上の固有の信号、および他のユーザのプリファレンスまたは設定データを含み得る。設定データは、乗員乗客が車両の位置特定および/または特定を支援することを要求することを示す設定を含み得る。このような設定は、「音声通信補助」または「聴覚障害」の設定を含み得る。これらの設定は、視覚障害の有無に関係なく、ここで説明されている車両サービスのすべてのユーザが利用可能であり得る。さらに、本明細書で説明する例は、ユーザまたは乗員乗客の設定に基づいて可聴キューおよび他の情報を提供することについて説明しているが、可聴キューは、このような設定に関係なく、本明細書で説明するようにすべての乗員乗客に対して提供され得る。
【0057】
記憶システム450はまた、ユーザに表示するためにクライアントコンピューティングデバイスに提供され得る情報を記憶してもよい。例えば、記憶システム450は、所与のピックアップ場所または目的地について車両が停止する可能性が高い区域を判定するための所定の距離情報を記憶し得る。記憶システム450はまた、以下で論じられるように、ユーザに表示され得る図式、アイコン、および他の項目を記憶し得る。
【0058】
例示的な方法
上述し、図に例示した動作に加えて、様々な動作が、ここで説明される。以下の動作は、以降に説明された正確な順序で実行される必要はないことを理解されたい。むしろ、様々なステップが、異なる順序で、または同時に処理されてもよく、ステップもまた、追加または省略されてもよい。
【0059】
一態様では、ユーザは、輸送サービス、またはむしろ車両を要求するためのアプリケーションをクライアントコンピューティングデバイスにダウンロードすることができる。例えば、ユーザ422および432は、電子メールのリンクを介して、ウェブサイトから直接、またはアプリケーションストアからクライアントコンピューティングデバイス420および430にアプリケーションをダウンロードすることができる。例えば、クライアントコンピューティングデバイスは、例えば、1つ以上のサーバコンピューティングデバイス110にネットワークを介してアプリケーションの要求を送信し、それに応答して、アプリケーションを受信することができる。アプリケーションは、クライアントコンピューティングデバイスにローカルにインストールされ得る。
【0060】
次いで、ユーザは自分のクライアントコンピューティングデバイスを使用して、アプリケーションにアクセスし、車両を要求することができる。一例として、ユーザ432などのユーザは、クライアントコンピューティングデバイス430を使用して、1つ以上のサーバコンピューティングデバイス410に車両についての要求を送信することができる。この一部として、ユーザは、車両が停車できるサービス区域内の任意の場所で、ピックアップ場所、目的地、場合によっては1つ以上の中間停止場所を特定することができる。
【0061】
上述のように、フリートの車両は動き回り、それらは絶えず派遣システムにそれらのステータスを報告する。例えば、各車両の測位システム170は、車両のコンピューティングデバイス110に車両の場所および位置を提供することができる。次に、コンピューティングデバイス110は、この情報を派遣システム410に送信することができる。車両の場所に加えて、車両の異なるシステムはまた、コンピューティングデバイス110に情報を送信することができる。これは、例えば、冷却もしくは日陰、燃料補給もしくは充電、洗浄、定期点検(非常に長い時間、行程、もしくはマイルでのサービス後)、センサーの再校正(障害または定期メンテナンスに対処するため)、また他のメンテナンスを車両が必要とするかどうかを含み得る。これはまた、派遣システム410に送信されてもよい。
【0062】
上記のように、派遣システム410は、ステータス報告を受信し、記憶システム450内の各車両のステータスを追跡することができる。例えば、図6は、交差点602および604を含む道路600の区画で操縦されている車両100、100Aおよび110Bを示す。図6の例では、交差点602および604は、それぞれ地図情報200の交差点202および204に対応する。この例では、車線境界線610、612、および614は、車線境界線210、212、および214の形状、場所、および他の特性にそれぞれ対応する。同様に、横断歩道630は、横断歩道230の形状、場所、および他の特性にそれぞれ対応し、歩道640は、歩道240に対応し、交通信号灯620、622は、交通信号灯220、222にそれぞれ対応し、一時停止標識650、652は、一時停止標識250、252にそれぞれ対応し、譲れの標識660は、譲れの標識260に対応する。さらに、駐車場所680、682は駐車場所280、282に対応し、駐車スペース690、692は駐車スペース290~294に対応する。
【0063】
各車両は、定期的または絶えず、ネットワーク460を使用して派遣システムにステータス報告を提供することができる。図7は、地図情報200にオーバーレイされた、派遣システムによって追跡される情報の例を示す。例えば、車両100、100A、および100Bの各々は、その場所ならびに他のステータス情報を報告することができる。この例では、車両100はセンサーの1つでシステム障害を報告しており、乗員乗客を含んでいない。車両100Aは乗車中であるか、または乗員乗客に輸送サービスを提供している。車両100Bは、輸送サービスを提供するために利用可能である(すなわち、乗員乗客または貨物をピックアップまたはドロップオフする途中ではない)。
【0064】
派遣システム410は、これらのステータス報告を使用して、記憶システム450を更新することができる。したがって、派遣システム410は、各車両のステータスを経時的に追跡することができる。ステータス報告を使用することに加えて、派遣410はまた、各車両がサービスしているまたはサービスしていない時間数、車両が検査されてからの時間数、車両のセンサーが校正されてからの時間数などの情報を追跡することができる。上記のように、図8Aは、フリートの車両のステータスを追跡するための例示的な表800Aである。見て分かるように、表800aは、車両100、100A、および100Bについて派遣システムが利用可能な最新の情報を含む。
【0065】
車両のステータスに加えて、派遣システムはまた、駐車場所のステータスを追跡することができる。これは、例えば利用可能な駐車スペースの数、勤務中の駐車場所オペレータの数、および(ガスまたは電気チャージについての)利用可能な補給ステーション、メンテナンスベイの数などの利用可能なサービスを含み得る。例えば、図7では、駐車場所280は現在2つの利用可能な駐車スポットと2つの駐車場所オペレータが勤務中であり、ステージングパッド場所である駐車場所282は現在1つの利用可能な駐車スポットがあるが、勤務中の駐車場所オペレータがいない。上記のように、図8Aは、フリートの車両のステータスを追跡するための例示的な表800Aである。見て分かるように、表800Bは、駐車場所280および282には派遣システムが利用できる最新の情報を含む。
【0066】
車両の要求に応答して、派遣システムは、フリートの利用可能な車両を特定し、その車両を、現在乗員乗客であるユーザに割り当てることができる。図7の例では、車両100Bのみが利用可能であり、要求に応答して割り当てられ得る。しかしながら、派遣システム410は、時間または距離において乗員乗客のピックアップ場所への近接性、車両の可用性、乗員乗客の目的地に対する車両の将来の予想される行程の場所、(相乗りのために)同じまたはその近く場所への行程を要求する他のユーザの場所に基づいて車両を割り当て得る。この点について、上述のように、派遣410は、フリートの車両の総数および場所、「サービス中」または乗員乗客をピックアップ可能な車両およびその総数、ならびに現在乗車サービスを提供している車両およびその総数(乗員乗客または貨物をピックアップするか、および/または乗員乗客または貨物を目的地に輸送している途中)を追跡することができる。
【0067】
車両100Bなどの車両が行程に割り当てられると、派遣システム410は、派遣命令を車両に送信することができる。これらの命令は、ピックアップ場所、目的地、およびユーザのクライアントコンピューティングデバイスを認証するための認証情報を特定することができる。派遣システム410はまた、記憶システム450内の車両100Bのステータスを更新することができる。例えば、図9の表900Aは、表800Aと比較して、車両100Bの更新情報を提供する。
【0068】
車両が障害またはサービスの必要性を報告しているとき、派遣システム410は、その車両のニーズを満たす利用可能な最も近い駐車場所にその車両を割り当てることができる。割り当てられると、派遣システム410は、割り当てられた駐車場所に進むようにその車両に命令を送ることができ、車両のコンピューティングデバイスは、それに応じて車両を制御することができる。例えば、車両100は障害、例えば車両の知覚システム172のセンサー過熱を報告している。派遣システム410は、駐車場所280を、車両100に日陰を提供することができる最も近い駐車場所として特定することができる。したがって、派遣システム410は、車両100を駐車場所280に割り当て、例えばネットワーク460を使用して車両100に命令を送信して、駐車場所280に向かって直接進むことができる。車両100のコンピューティングデバイス110は、命令を受信し、車両を駐車場所280に再ルーティングすることができる。
【0069】
車両が障害またはサービスの必要性を報告し、現在1人以上の乗員乗客および/または貨物を輸送している場合、車両は、駐車場所に向かって進む前に1人以上の乗員乗客および/または貨物を降車させるするように指示されてもよい。したがって、乗員乗客および/または貨物がなくなると、車両は割り当てられた駐車場所に向かって進む。車両が安全に進むことができない場合など、障害が深刻である場合、別の車両が車両に会うように割り当てられ、駐車場所オペレータがその車両に会うように送られて、車両が停止した場所の障害に対処するか、または車両を駐車場所に戻すことができる。
【0070】
車両を駐車場所に割り当てるときに、派遣システムは、駐車場所オペレータに車両のニーズを通知するために駐車場所に送信される「ワーク指示」を作成することができる。車両100の例では、ワーク指示が生成され、駐車場所ワークステーション440に送信され得る。派遣システム410は、割り当てられた駐車場所で利用可能なスペースの数が1つ少なくなるように、記憶システム450を更新することができる。例えば、派遣システム410は車両100を駐車場所280に割り当て、派遣システムは図9Bの例示的な表900Bに示されるように駐車場所280の利用可能な駐車スポットの数を2から1に更新することができる。図10を見ると、車両100は現在駐車場所280に割り当てられており、駐車場所280は1つの利用可能な駐車スペースを有している。これは、車両100がまだ駐車場所280に到達していない場合でも当てはまる。このプロセスは、メンテナンスが必要な車両と割り当てられた駐車場所に対して実行され得る。
【0071】
同時に、特定の駐車場所にまだ派遣されていない、または既に駐車場所にいるフリートの他のすべての車両について、派遣システム410は、車両が足止めされる場合にそれらの車両がどこに行くべきかを判定し得る。この点について、派遣システムは、駐車場所にまだ割り当てられていない車両のフリートのサブセットを判定することができる。図9A~10に戻ると、車両100は既に駐車場所280に割り当てられているので、派遣システム410は、フリートが足止めされる場合に車両100Aおよび100Bがどこに行くべきかを判定しなければならない。
【0072】
サブセットの車両について、派遣システム410は、例えば、1つ以上の異なる車両を異なる駐車場所に割り当てるなど、車両の異なる配置を反復処理することができる。図9の例では、簡単にするために、2つの可能な割り当てしかない。第1の割り当てでは、車両100Aが駐車場所280に割り当られ、車両100Bを駐車場所282に割り当てられ得る。第2の割り当てでは、車両100Aが駐車場所282に割り当てられ、車両100Bを駐車場所280に割り当てられ得る。
【0073】
サブセットの割り当てごとに、フリートの残りの車両が割り当てられた駐車場所にどのくらい早く到達することができるか(すべての車の合計時間と最長時間)各車両の駐車にかかる時間(すべての車の合計時間)、各駐車場所で利用可能なスペースの数、車両が駐車場所の帯域幅より大きい速度で駐車場所に到達するかどうか、および車両を特定の駐車場所を送ることが渋滞の問題(すなわち、交通渋滞)を引き起こすかどうかを調べることによって、コストが判定され得る。
【0074】
これらの要素の各々にはコストを割り当てることができる。例えば、フリートのすべての車両が割り当てられた駐車場所に到達するための合計時間、すべての車両が割り当てられた駐車場所に駐車するための合計時間、各駐車場所で利用可能なスペースの数、各駐車場所の帯域幅、および混雑の問題の各々にコストが割り当てられ得る。図9の例では、所与の割り当てについて、派遣システム410は、車両100Aおよび100Bが割り当てられた駐車場所に到達するための合計時間を判定することができ、この合計時間はコストに変換され得る。
【0075】
例えば、車両100Aと100Bは、最初の割り当てに対して割り当てられた駐車場所に到達するのに2分、2番目の割り当てに対して割り当てられた駐車場所に到達するのに5分かかり得る。車両100Bは駐車場所280に入るには速すぎてターンできない可能性があり、駐車場所280に到達するためにブロックの周りをUターンまたは動き回る必要がある可能性があるため、第2の割り当てはより長くなり得る。これらの値は各々、それぞれの割り当ての個別のコストにそれぞれ変換され得る。コストは任意のスケールにすることができ、意味のある上限を設定する必要はない。例えば、車両Aが駐車場所280に到達するためのコストが「30」であり得、一方、車両100Bが駐車場所280に到達するためのコストが「680」であり得る。車両が駐車場所の位置に到達するための総コストは、これらの値の単純な合計または「710」になり得る。
【0076】
さらに、車両が駐車場所に駐車するための合計時間も判定され、コストに変換され得る。図9の例では、駐車する時間はほぼ同じであってもよい。例えば、これらの場所の性質を考えると、車両が駐車場所282に駐車するのに10秒かかり、駐車場所280に駐車するのに40秒かかることがある。例えば、人間オペレータの数(人間オペレータが車両を乗っている場合)、交通渋滞、他の車両の移動を待たなければならないこと、駐車スポットの物理的な配置などによって、これは異なることがある。
【0077】
別の例として、駐車スポットの数および帯域幅が判定され、コストに変換されてもよい。例えば、各駐車場所へのコストは、駐車場所の帯域幅およびその駐車場所に送られる各追加車両の駐車場所における利用可能なスペースの数を減らすために判定されてもよい。この例については、以下でさらに説明する。渋滞の例に目を向けると、派遣システムは、車両によって使用される同じマップにアクセスしてどのように2つの場所の間をどのようにナビゲートするかを判定するため、派遣システムは、どのルートであれば各車両が場所に到達するかを(実際に車両と通信せずに)判定することができる。すべての車両のルートを比較して、各ルートの個々の道路セグメントのコストを判定することができる。各セグメントには、そのセグメントを通過する車両の数に基づいてコストが割り当てられる(足止め中、または足止め中の任意の時間帯)。これらのコストは、追加の車両ごとに非線形的に増加することがある。言い換えると、1つのセグメントの4台の車両のコストは、同じセグメントの2台の車両のコストの2倍以上になる。
【0078】
例えば、個々のコストをすべて合計することにより、これらの個々のコストを各要素、全体または合計のコストに使用する。一例として、個々のコストは、単純な合計、または重要度に応じて異なる要素に異なる重みが付けられる加重合計として単純に加算される。反復処理は、前の反復の総コストに最大のコストをもたらした1つ以上の車両の割り当てを調整することによって区別され得る。反復処理は、コストを削減できなくなるまで(つまり、次の反復によって全体のコストが増加するまで)、または合計コストが満たされ、例えば、閾値以下になるまで継続し得る。この閾値は、任意の所与の時点で割り当てられる車両の総数、現在の交通状況、輸送サービスの現在の需要などに基づいて判定され得る許容可能な総コストに対応してもよい。
【0079】
最も低い総コストに関連するか、または閾値を満たす反復が選択され、車両を駐車場所に割り当てるために使用されてもよい。これらの割り当ては、フリートのすべての車両にブロードキャストされるか、各車両に個別の指示として送信される。いくつかの例では、割り当ては、車両が割り当てられた駐車場所に到達するための指示(ナビゲーション命令)のセットを含み得る。
【0080】
単純な例を使用して、容量と帯域幅が無限であり、輻輳がない(または単にこれらの要因を無視する)と想定し、駐車場所までの距離のみに依存している場合、100Aと100Bの両方を駐車場所280に割り当てることができる。ただし、帯域幅と容量を考慮すると、駐車場所280にすでに40台の駐車している車があり、駐車場所282がほぼ空である場合、車両100Aと100Bの両方を駐車場所280に送ることにより、駐車場所280の減少した帯域幅と容量の追加コストにより、この割り当ての方が全体コストが低い可能性があるため、車両100Aを駐車場所280ではなく駐車場所282に割り当ててもよい。同時に、車両100Bについては、駐車場所280の減少した帯域幅と容量の追加コストにより、割り当ての全体コストが高くなりすぎるにはいたらず、車両100Bを依然として駐車場所280に割り当ててもよい。ここでも、例えば、距離、駐車場所に到達する時間、駐車場所に駐車する時間、混雑、容量、帯域幅など、上記の各コストを使用して、各割り当ての全体コストを判定し、最低コストの割り当てを特定してもよい。
【0081】
いくつかの例では、個々のコストが調整されてもよい。例えば、混雑または帯域幅のコストが高い場合、派遣システムは、車両の特定のルートを組み込んで異なる場所での混雑を調整するか、または車両が駐車場に到達する速度を調整することにより、次の反復でこれらのコストを調整してもよい。これは、特定の車両を「サークル」またはループで走行させるか、これらの車両の方向のセットに従って駐車場所に到達する前に、より長い経路をたどることによって達成され得る。もちろん、派遣システムがステータス報告または他の追跡情報に基づいて、個々の車両の割り当てを検討している場合、派遣システムは混雑コストを考慮する必要はない。
【0082】
車両の割り当ては定期的に実行され、新しい駐車場所の位置がフリートの各車両に設定され得る。一例として、これは毎秒数回程度であり得る。これにより、現在位置と駐車場所のステータスを考えると、フリートの足止めの場合に、すべての車両が常に最適な駐車場所で更新される、より堅牢なシステムが提供される。
【0083】
車両を駐車場所に割り当てることに加えて、派遣システムは、フリート全体(つまり、すべての車両が足止め)または特定の車両に対してルールまたは要件を設定することもできる。例えば、雨が降っているときや雨が降ろうとしているときに、ハイウェイまたは高速道路での運転を制限する必要があることがある。このような要件の別の例として、依然として古いバージョンのソフトウェアまたは地図バージョンであるすべての車両が駐車場所に戻るか、高速道路、急な丘、特定の気象条件などを回避すべきであることであり得る。別の例では、特定の地理的区域で特定のタイプのセンサーがない車両は、雪、雨、ほこりなどの嵐の持続時間にわたってプルオーバすべきである。他の例としては、特定のハードウェアまたはソフトウェアバージョンを有する車両が乗員乗客に輸送サービスを実行するか、もしくは公道を自律運転することを制限するか、または車両が正確に定義された閾値内で自律化センサーテストに合格し、その結果が所定の日数内、例えば先週以内にある場合を除いて、運転手またはテスト運転手として活動することができる乗員乗客なしでは、自律的に運転することを制限する。
【0084】
これらの要件に適用すべき応答または動作は、禁止された状況(物理的な場所、気象条件など)によって異なることがある。これらの行動は、車両を(1)可能な限り早く停止させる(潜在的に車線内でも)、(2)いくらかの制限時間内にこの環境または区域を出るよう試み、これが不可能な場合、(車線またはプルオーバのいずれかで)停止させる(3)この環境をできるだけ早く出させる、(4)通常の操作に従って(つまり、変更なしで)続行させることを含み得る。さらに、行動(1)~(3)はまた、禁止された状況ではないが、その状況に入りそうな車両に対応する影響を与えてもよい。そのような場合、(1)は、特定の区域または環境に入る前に車両を停止および/またはプルオーバさせることを伴うかもしれないが、(2)または(3)は、少し時間であればその環境にいることを許容してもよい。
【0085】
要件は、それらの要件の対象となる車両のみに送信され得るが、代わりに、要件はフリートのすべての車両に送信され得る。このようにして、個別の車両のコンピューティングデバイスの各々に、要件がその車両に適用されるかどうかを判定するタスクを課すことができる。
【0086】
いくつかの例では、派遣システムはまた、サービス中の車両の数を制御してもよい。これは、フリートの車両の予想または実際の需要、および上記の機能のいずれかに従って行われ得る。例えば、派遣システムは、需要がその区域で高いか、または高くなると予想されるときに、特定の車両を「ステージングパッド」の場所に送ってもよい。
【0087】
図11は、上述したように、無人車両のフリートを、フリートの車両を駐車するための複数の駐車場所位置に割り当てるためのいくつかの例の例示的なフロー図800を含む。この例では、フロー図のステップは、派遣システム410のプロセッサなど、1つ以上のコンピューティングデバイスの1つ以上のプロセッサによって実行され得る。ブロック1110では、フリートの車両の場所が追跡される。ブロック1120では、複数の駐車場所の各々における利用可能なスペースの数が追跡される。ブロック1130では、複数の駐車場所位置の1つにおいていまだ配置されていないフリートのサブセットが特定される。ブロック1140では、少なくとも1つの割り当ては、利用可能なスペースの数およびサブセットの特定された位置に従って、サブセットの各車両を複数の駐車場所のそれぞれの駐車場所に割り当てる。ブロック1150では、サブセットの車両がそれぞれの割り当てられた駐車場所位置にどれだけ早く到達できるかを含む複数の要因のコスト値を判定することにより、少なくとも1つの割り当ての総コストが判定される。ブロック1160では、総コストに基づいて、少なくとも1つの割り当てがフリートに送信される。
【0088】
特段の記述がない限り、前述の代替例は、相互に排他的ではないが、独自の利点を達成するために様々な組み合わせで実施することができる。上述した特徴のこれらおよび他の変形ならびに組み合わせは、特許請求の範囲によって定義される主題から逸脱せずに利用され得るため、前述の実施形態の説明は、特許請求の範囲によって定義された主題を限定するものとしてではなく、例示するものとしてみなされるべきである。加えて、本明細書に説明された実施例、ならびに「など」、「含む」などとして表現された語句の提供は、特許請求の範囲の主題を特定の例に限定するものと解釈されるべきではなく、むしろ、それらの例は、多くの可能性のある実施形態のうちの単なる1つを例示することが意図されている。さらに、異なる図面中の同じ参照番号は、同じまたは類似の要素を識別することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11