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特許7194190フィルタリングシステム、装置、及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】フィルタリングシステム、装置、及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61G 13/10 20060101AFI20221214BHJP
   B03C 3/40 20060101ALI20221214BHJP
   B03C 3/155 20060101ALI20221214BHJP
   B03C 3/011 20060101ALI20221214BHJP
   B03C 3/019 20060101ALI20221214BHJP
   B03C 3/41 20060101ALI20221214BHJP
   B03C 3/49 20060101ALI20221214BHJP
   B03C 3/74 20060101ALI20221214BHJP
   A61G 10/02 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
A61G13/10
B03C3/40 A
B03C3/155 A
B03C3/011
B03C3/019
B03C3/41 A
B03C3/49
B03C3/74 A
A61G10/02 Z
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020543598
(86)(22)【出願日】2019-10-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(86)【国際出願番号】 US2019058149
(87)【国際公開番号】W WO2020087007
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-05-21
(31)【優先権主張番号】62/750,878
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520142893
【氏名又は名称】バッファロー フィルター エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】BUFFALO FILTER LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】シマンスキー,マーク シー
(72)【発明者】
【氏名】チミアック,マイケル エー
(72)【発明者】
【氏名】シュヴェツォフ,キリーロ
(72)【発明者】
【氏名】ペペ,グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ボナーノ,サマンサ
【審査官】岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0303964(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0062791(US,A1)
【文献】特開2016-214553(JP,A)
【文献】特開平06-142551(JP,A)
【文献】特開昭53-010178(JP,A)
【文献】特表2018-528011(JP,A)
【文献】特開2007-100635(JP,A)
【文献】特開2013-087821(JP,A)
【文献】米国特許第01478798(US,A)
【文献】実開昭51-019082(JP,U)
【文献】実開昭50-065072(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 13/10
B03C 3/40
B03C 3/155
B03C 3/011
B03C 3/019
B03C 3/41
B03C 3/49
B03C 3/74
A61G 10/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体排気システムであって、
中を通る流体管を有する外科装置と、
前記流体管と流体的に結合された真空チューブと、
ハウジングと、出口ポートに流体連通した入口ポートと、第1フィルターと、第2フィルターとを備え、前記入口ポートが前記真空チューブおよび前記流体管と流体的に結合された静電集塵器であって、
該静電集塵器が、
前記ハウジング内に位置し電源と電気的に結合された電極であって、前記入口ポートを通るプルーム内の複数の粒子をイオン化するように働きうる電極と、
該電極の下流に位置しイオン化された前記複数の粒子を引き寄せるように働きうる少なくとも1つの収集面と、
少なくとも1つの前記収集面から前記複数の粒子を受け取るように働きうる収集トレイと、を有し、
前記第1フィルターは、前記ハウジング内で前記入口ポートの近くに位置し、前記入口ポートからの流体の流れから粗い粒子を取り除くように働くことができ、前記第2フィルターは、前記ハウジング内で前記出口ポートの近くに位置し、前記出口ポートへの流体の流れから粒子を取り除くように働くことができる静電集塵器と、
前記静電集塵器の前記出口ポート、前記流体管および、前記真空チューブと流体的に結合された真空源であって、前記流体管、前記真空チューブ、及び前記静電集塵器を通る前記流体の流れを生成するように動作可能な真空源と
前記入口ポートの外面の近くに位置する多岐管を備え、該多岐管は、流体の流れから液体を除去するように働きうる流体トラップを含む多岐管と、
を備え、
前記静電集塵器は、前記流体の流れ内の逆に帯電した粒子の少なくとも一部を捕えるように帯電される集塵セルを備える、流体排気システム。
【請求項2】
前記静電集塵器は前記真空チューブの途中に位置する、請求項1記載の流体排気システム。
【請求項3】
前記流体の流れ内の前記静電集塵器の下流に位置する高効率粒子空気フィルターを更に備える請求項1記載の流体排気システム。
【請求項4】
前記真空チューブは、前記外科装置と前記ハウジングの間に流体的に結合された第1部分と、前記ハウジングと前記真空源の間に流体的に結合された第2部分とを備える請求項記載の流体排気システム。
【請求項5】
前記静電集塵器と電気的に結合され前記収集面を帯電させるように動作可能な電源を更に備える請求項1記載の流体排気システム。
【請求項6】
前記静電集塵器と電気的に結合された電源を更に備え、前記外科装置は少なくとも第1ボタン及び第2ボタンを備え、前記第1及び第2ボタンの少なくとも一方は前記電源を制御するように働きうる、請求項1記載の流体排気システム。
【請求項7】
前記真空源の動作中に該流体排気システムを通る前記流体の流れを遮断するように働きうるバルブを更に備える請求項1記載の流体排気システム。
【請求項8】
前記バルブは前記静電集塵器のハウジング内に位置し、前記バルブは前記ハウジングの入口ポート内に配置され、第3ボタンが前記バルブを開閉するように働きうる、請求項8記載の流体排気システム。
【請求項9】
中を通る流体管を有する外科装置を準備するステップと、
前記流体管と流体的に結合された真空チューブを準備するステップと、
静電集塵器の出口、前記流体管、および前記真空チューブと流体的に結合され流体の流れを生成するように動作可能な真空源を準備するステップと、
前記流体の流れ内に配置された静電集塵器であって、プルームから複数の粒子を前記プルームの流れへの抗力を生成することなく取り除くように働きうる静電集塵器を準備するステップであって、
該静電集塵器が、
ハウジングと、出口ポートに流体連通した入口ポートと、第1フィルターと、第2フィルターとを備え、前記入口ポートが前記真空チューブおよび前記流体管と流体的に結合され、前記ハウジング内に位置し電源と電気的に結合された電極であって、前記入口ポートを通るプルーム内の複数の粒子をイオン化するように働きうる電極と、該電極の下流に位置し該電極の下流に位置しイオン化された前記複数の粒子を引き寄せるように働きうる少なくとも1つの収集面と、
少なくとも1つの前記収集面から前記複数の粒子を受け取るように働きうる収集トレイと、を有し、
前記第1フィルターは、前記ハウジング内で前記入口ポートの近くに位置し、前記入口ポートからの流体の流れから粗い粒子を取り除くように働くことができ、前記第2フィルターは、前記ハウジング内で前記出口ポートの近くに位置し、前記出口ポートへの流体の流れから粒子を取り除くように働くことができる静電集塵器を準備するステップと、
前記入口ポートの外面の近くに位置する多岐管を備え、該多岐管は、流体の流れから液体を除去するように働きうる流体トラップを含む多岐管を準備するステップ
を含む方法。
【請求項10】
前記静電集塵器と電気的に結合された電源を準備するステップを更に含む請求項10記載の方法。
【請求項11】
前記収集面は管の半径方向内側面から成り、前記収集面の縦軸は垂直に配置される、請求項記載の流体排気システム
【請求項12】
前記電極は前記管内に同軸で位置するワイヤーを含む、請求項11記載の流体排気システム
【請求項13】
前記流体排気システムは、さらに、前記ハウジング内に位置し少なくとも一部の粒子を前記収集面から前記収集トレイへ移すように動作可能な清掃要素を備え、該清掃要素は平面エラストマー・ブレードと、前記ブレードを通る開口であって、前記電極が同軸で通って位置する開口と、前記ブレードと結合されたシャフトと、前記シャフトと結合され前記ブレードを前記管を少なくとも部分的に通って動かすように動作可能なアクチュエータとを備える、請求項11記載の流体排気システム
【請求項14】
前記アクチュエータと電気的に結合されたコントローラと、前記収集面の近くに位置し前記コントローラと電気的に接続されたセンサーとを更に備え、前記収集面の電気量が所定の値未満である時、前記コントローラは前記アクチュエータを作動させるように動作可能である、請求項13記載の流体排気システム
【請求項15】
前記収集面は(1)少なくとも2つの同軸で入れ子の管、(2)ハチの巣形状に配置された少なくとも3つの六角形管、及び(3)垂直に配置された板のうち少なくとも1つから成る、請求項記載の流体排気システム
【請求項16】
記多岐管は前記ハウジング内に位置する無線周波数識別読取り器と通信する無線周波数識別タグをえる、請求項記載の流体排気システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概ね、排気、より具体的には、医療処置時の向上した蒸気排気能力に関する。
【背景技術】
【0002】
有毒な又は別の仕方で有害な外科蒸気及びエアロゾル、又は噴煙が手術中に発生する場合がある。例えば、外科エネルギーが細胞に伝わると、熱が生成され細胞内液体の蒸発を引き起こすことがある。細胞内液体を蒸発させることは、その細胞内の圧力を増加させ、最終的に細胞膜を破裂させる。水蒸気を成分とする蒸気のプルーム(上昇流)が手術室又は診察室の雰囲気中に放出される。同時に、外科エネルギーにより生成された熱はその細胞内のタンパク質及び他の有機物を焦がし、隣接する細胞の熱壊死を引き起こすことがある。細胞の焦げはまた、有害な汚染物質、例えば炭化した細胞断片及び気体炭化水素を放出する場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記に鑑みて、排気のための方法及び装置を提供することが本開示の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は流体排気装置を規定する。第1の代表的な実施形態では、流体排気システムは中を通る流体管を有する外科装置を備える。本装置は前記流体管と流体的に結合された真空チューブと、前記流体管と流体的に結合された静電集塵器であって、イオン化された粒子を引き寄せるように働きうる少なくとも1つの収集面を有する静電集塵器とを更に備える。加えて、本システムは前記真空チューブと流体的に結合された真空源であって、前記流体管、前記真空チューブ、及び前記静電集塵器を通る流体の流れを生成するように動作可能な真空源を備える。前記静電集塵器は、前記流体の流れ内の逆に帯電した粒子の少なくとも一部を捕えるように帯電される集塵セルを備える。
【0005】
第2の代表的な実施形態では、方法は、中を通る流体管を有する外科装置を準備するステップと、前記流体管と流体的に結合された真空チューブを準備するステップと、前記真空チューブと流体的に結合され流体の流れを生成するように動作可能な真空源を準備するステップとを含む。本方法は前記流体の流れ内に配置された静電集塵器であって、プルームから複数の粒子を前記プルームの流れへの抗力を生成することなく取り除くように働きうる静電集塵器を準備するステップを更に含む。
【0006】
第3の代表的な実施形態では、流体排気システムは中を通る流体管を有する外科装置と、前記外科装置と流体的に結合された真空チューブとを備える。真空源が前記真空チューブと流体的に結合され、その真空源は流体の流れを生成するように動作可能である。本システムは前記真空源により生成される圧力に影響することなく前記外科装置を通る前記流体の流れを遮断するように働きうるバルブを更に備える。
【0007】
第4の代表的な実施形態では、静電集塵器は流体連通した入口ポート及び出口ポートを有するハウジングを備える。電極が前記ハウジング内に位置し電源と電気的に結合され、その電極はプルーム内の複数の粒子をイオン化するように働きうる。本静電集塵器は前記電極の下流に位置し前記電源と電気的に結合された収集面を更に備え、前記電源は電荷を前記収集面に提供するように動作可能である。加えて、収集トレイが前記収集面の下に位置し、清掃要素が前記ハウジング内に位置し少なくとも一部の粒子を前記収集面から前記収集トレイへ移すように動作可能である。
【0008】
本開示の実施形態を下記に記載するが、本開示は記載された実施形態に限定されず、本開示の様々な部分変更が基本原理から逸脱することなく可能であることは理解されるべきである。従って、本開示の範囲は添付の請求項によりのみ決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付図面は本明細書の一部を成す。本明細書に記載された図面は本開示の対象物の実施形態を例示し、本開示の選択された原理及び教示を例示する。しかし、図面は本開示の対象物の可能な実施形態の全てを示してはいないし、本開示の範囲をどのようにも限定するように意図されていない。
図1】本開示の実施形態に係る代表的な排気システムの概略図を示す。
図2】本開示の実施形態に係る代表的な外科装置を示す。
図3】代表的な外科装置の一部の断面図を示す。
図4】本開示の実施形態に係る代表的な静電集塵器の概略図を示す。
図5】本開示の実施形態に係る代表的な静電集塵器の別の概略図を示す。
図6】本開示の実施形態に係る代表的な静電集塵器の別の概略図を示す。
図7】本開示の別の実施形態に係る代表的な排気システムの概略図を示す。
図8】本開示の更に別の実施形態に係る代表的な排気システムの概略図を示す。
図9】本開示の実施形態に係る代表的な静電集塵器の別の概略図を示す。
図10】本開示の代表的な実施形態を実行するための方法及び装置に係るフロー図を示す。
図11】本開示の実施形態に係る別の代表的な外科装置を示す。
図12】本開示の実施形態に係る別の代表的な外科装置を示す。
図13図4に示された集塵セル200の平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明はそうでないと明示される場合以外は、様々な他の向き及びステップ順序を取ってもよいことは理解されるべきである。添付図面に例示され下記に説明される特定の組立体及びシステムは単に本明細書に明記された発明概念の代表的な実施形態であることも理解されるべきである。従って、そうでないと明示されない限り、開示された実施形態に関係する特定の寸法、方向、又は他の物理的特性は限定していると考えられるべきでない。また、本書に記載された様々な実施形態の類似の構成要素は、本出願のこの項内で通常同様の符号で示されることがあるが、そうでないこともある。
【0011】
以下の明細で使用されるように、向きの用語、例えば「水平の」、「垂直の」、「左」、「右」、「上へ」、及び「下へ」、及びそれらの形容詞的及び副詞的派生語(例えば、「水平に」、「右の方へ」、「上の方へ」など)は、特定の図が読み手に面する時に単に例示した構造体の向きを示す。同様に、用語「内方へ」及び「外方へ」は通常、必要に応じて伸長又は回転の軸に対する表面の向きを示す。
【0012】
上記に鑑みて、手術中に生成される手術プルームの少なくとも一部を効率的かつ効果的に取り除くことができる流体排気システムの必要性が残る。
【0013】
図1に示すように、1つの実施形態では、排気システム100(流体排気システムとも呼ばれる)は、静電集塵器組立体106とチューブ104を介して流体連通する外科装置102を含んでもよい。チューブ104の第1端は外科装置102の基部端に配置された継手108(図2に示す)と封止接続されてもよく、チューブ104の第2端は静電集塵器組立体106の流体入口110と封止接続されてもよい。チューブ104の実施形態は取り外し可能に又は固定して取り付けられて継手108及び流体入口110と封止接続を形成してもよいことは理解されるべきである。第2チューブ112は静電集塵器組立体106の流体出口114と封止接続された第1端と真空動力源116の流体入口118と封止接続された第2端とを有してもよい。第2チューブ112の実施形態は取り外し可能に又は固定して取り付けられて流体入口118及び流体出口114と封止接続を形成する第2チューブ112を含む。1つの実施形態では、真空動力源116は医療施設の壁内に設置された中央真空装置であってもよいし、静電集塵器組立体106に隣接して又はから離れて置かれた別の独立した真空装置であってもよい。真空動力源116は外科装置102、チューブ104、静電集塵器組立体106、及び第2チューブ112を通る流体流を生成する又は駆り立てるように動作可能である。
【0014】
図2及び3に示すように、1つの実施形態では、外科装置102は切断要素120及び縦軸122を有する電気手術ペンシルを含んでもよい。外科装置102はまた、流体管126(図3参照)を囲う中空の本体124を備えてよい。1つの実施形態では、流体管126は電気手術ペンシル中空本体124の縦軸122を共通の軸として末端128から基端130まで延在する。図2に示すように、切断要素120は電気手術ペンシル中空本体124の末端128に配置されてよい。
【0015】
図2を参照すると、1つの実施形態では、切断要素120は少なくとも1つの電極を備えてよい。少なくとも1つの電極120は切断及び/又は凝固のために患者組織に電流を印加するために使用されてよい。他の実施形態では、切断要素120はこれらに限定されないが超音波メス又はレーザーメスから成ってもよい。
【0016】
図3に示すように、ポート132は電気手術ペンシル中空本体124の基端130に配置され流体管126と流体連通してよい。1つの実施形態では、継手108は流体管134が貫通しているかかり付き継手から成ってもよい。継手108は電気手術ペンシル基端130と結合され、ポート132と流体連通する。他の実施形態では、継手108は他の構成のコネクターから成ってもよい。例えば、雌コネクターをかかり付き継手108の代わりに利用してもよい。継手、従って、流体管134の内径をできるだけ大きく保つために雌コネクターを利用してもよい。
【0017】
図2に示すように、電気手術ペンシル末端128に中空本体流体管126と流体連通する入口136を設けてもよい。外科装置102の動作中、それにより生成された外科蒸気は中空本体入口136に入り、中空本体流体管126を通ってポート132に達する。ポート132から外科蒸気は継手108を通ってチューブ104に伝えられる。従って、処置から出る外科蒸気及び破片は外科装置102を通ってチューブ104に運ばれることがある。チューブ104から外科蒸気及び破片は静電集塵器組立体106に運ばれる。用語外科蒸気は本書で用語プルームと交換可能に使用されてよい。本開示の実施形態は流体、蒸気及び/又はプルームを排気するように動作可能であるとして説明されることがあるが、実施形態はまた、気体、流体、及び/又は粒子を排気するように動作可能であることは理解されるべきである。
【0018】
図2に示すように、1つの実施形態では、外科装置102に、切断要素120に異なるレベルの電流を供給する切断ボタン138及び凝固ボタン140を設けてもよい。1つの実施形態では、切断ボタン138は切断要素電極120を第1電力レベルで通電するように動作可能であり、凝固ボタン140は切断要素電極120を第2電力レベルで通電するように動作可能である。1つの実施形態では、第1電力レベルは第2電力レベルより高くてよい。切断ボタン138及び凝固ボタン140はまた、静電集塵器組立体106を作動させるように動作可能であってもよい。1つの実施形態では、外科装置102を作動させることは同時に又はほぼ同時に静電集塵器組立体106も作動させる。外科装置102を停止させることは同時に又はほぼ同時に静電集塵器組立体106も停止させてよい。1つの実施形態では、静電集塵器組立体106は、外科装置102が停止した後で、静電集塵器組立体106が自ら停止する前の設定された期間、活動状態を維持してもよい。図2及び3は外科装置102を電気外科装置として例示するが、実施形態は、流体排気が必要な外科環境又は医療環境で使用されるいずれかの種類の医療機器である外科装置102を含むことは理解されるべきである。例えば、外科装置102の実施形態は、トロカール、吸引装置などを含む。
【0019】
図11に示すように、流体排気システム100の別の実施形態では、外科装置102は棒102Aを備えてもよい。棒102Aは、流体管126Aが画定され貫通する中空略円筒体124Aから成ってもよい。棒102Aの末端128Aに入口136Aを設けてもよく、棒102Aの基端130Aに出口132Aを設けてもよい。棒入口136Aは棒出口132Aと棒を貫通する流体管126Aを介して流体連通してよい。基端130Aはチューブ104と接続されて棒出口132Aがチューブ104と流体連通してもよい。棒管126Aは一定又は変更可能な直径を有してもよい。
【0020】
図12に示すように、流体排気システム100の別の実施形態では、外科装置102は可撓管102Bであってもよい。可撓管102Bは、流体管が画定され貫通する中空略円筒体124Bから成ってもよい。可撓管102Bの末端128Bに入口136Bを設けてもよく、可撓管102Bの基端130Bに出口132Bを設けてもよい。可撓管入口136Bは可撓管出口132Bと可撓管を貫通する流体管を介して流体連通してよい。基端130Bはチューブ104と接続されて可撓管出口132Bがチューブ104と流体連通してもよい。別の実施形態では、可撓管基端130Bは多岐管142又は静電集塵器組立体入口110と直接結合されてもよい。可撓管102Bを貫通する管は概ね一定又は変更可能な直径を有してもよい。
【0021】
別の実施形態では、外科装置102は変更可能な断面積を有するノズルを備えてもよい。取り外し可能なスポンジガード103(図11参照)が、包帯などの故意でない吸引を防ぐために外科装置102の末端の周りに配置されてもよい。スポンジガード103の実施形態は、より大きな物体(例えば、スポンジ、ガーゼ、パッドなど)が流体管126Aに入れないように入口136Aを覆うように働きうる多孔性で弾力性ネット又はカバーを提供する。スポンジガード103の実施形態は、蒸気、破片、及び/又は粒子がスポンジガード103の多数の孔137Aを通るのを許し、その結果、蒸気、破片、及び/又は粒子が流体管126Aに入りうるように働きうる。
【0022】
図1に示すように、1つの実施形態では、多岐管142がチューブ104と静電集塵器組立体106の間の流体排気システム100の流体路内に配置されてよい。多岐管142は入口110と流体連通するように静電集塵器組立体106の流体入口110に装着されてもよい。チューブ104の第2端は多岐管142の入口と結合されてもよい。別の実施形態では、多岐管142は、チューブ104が流体入口110と直接結合され、流体入口110が多岐管142に流体的に結合されるように静電集塵器組立体106の内部に装着されてもよい。多岐管142は外科蒸気の一部を捕えるための流体トラップ143を備えてもよい。流体トラップ143は外科蒸気から液体、例えばこれに限定されないが水を除去するように働きうる。多岐管142は流体トラップ143により捕えられた液体のレベルを見るための窓を備えてもよい。1つの実施形態では、流体トラップ143は冷却トラップ又は凝縮器から成ってもよい。
【0023】
1つの実施形態では、多岐管142は、多岐管142の識別情報を保持し送信する無線周波数識別タグ144(RFID)を備えてもよい。識別情報は多岐管142の製造国、型、及び/又は状態を含む。多岐管142の状態は多岐管142が製造された年、多岐管142が使用されてきた時間長さ、及び/又は流体トラップ143が正常に機能していない又は多岐管142を通過する流体及び粒子を適正にフィルタリングしていないので交換されるべきか否かを含んでもよい。静電集塵器組立体106は多岐管142のRFID144を認識できるRFID読取り器146を備えてもよい。静電集塵器RFID読取り器146が、多岐管142が必要な製品仕様、製造国、型、状態、及び/又は流体トラップ143が交換されるべきか否かを有していると認定する場合のみ流体排気システム100又は静電集塵器組立体106が動作するように、部品認定を保証するために多岐管142のRFID144は利用されてもよい。
【0024】
静電集塵器組立体106はハウジング148、中空管161、及びハウジング148内の流体入口110に配置されたバルブ147を更に備えてもよい。流体入口110及び流体出口114は中空管161を介して流体連通する。ハウジング148は流体入口110及び流体出口114を含んでもよい。1つの実施形態では、真空動力源116の動作中に、バルブ147は流体入口110と流体連通し静電集塵器組立体106を通る外科蒸気、流体、及び/又は粒子の流れを流体入口110で又はの近くで遮断するように動作可能であってもよい。図1に示すように、バルブ147は静電集塵器流体入口110内に位置してもよい。1つの実施形態では、外科装置102はバルブ147を操作できる。例えば、外科装置102が作動されるとバルブ147が開き、外科装置102が停止されるとバルブ147が閉じるように、切断ボタン138及び凝固ボタン140はバルブ147を開閉するように動作可能であってもよい。他の実施形態では、バルブ147の開及び/又は閉状態はハウジング148上又は内に配置されたキーパッド又はボタン149により操作可能で、ボタン149は医療スタッフ又はユーザーにより操作可能であってもよい。バルブ147の実施形態は、外科蒸気、流体、及び/又は粒子の流れがチューブ112に入るのを妨げる又は遮断するようにバルブ147が動作可能であるように出口114の近く又は内に位置するバルブ147を含むことは理解されるべきである。
【0025】
静電集塵器組立体106はハウジング148内の中空管161に配置された粒子フィルター150を更に備えてもよい。フィルター150は下流に位置し流体入口110に流体的に接続されている。粒子フィルター150は、静電集塵器組立体106に入った後、静電集塵器組立体106を通る外科蒸気又は流体の流れ内のどんな粗い粒子も捕えてよい。粒子フィルター150は交換可能で静電集塵器組立体106から取り外し可能で、粒子フィルター150に蓄積された粒子が静電集塵器組立体106を通る流体流量を所定の閾値未満に減らさないことを保証する。複数の実施形態は、粒子フィルター150の製造国、型、状態、及び/又はフィルター率などの情報を保持し送信するように働きうるRFIDタグ151を有する粒子フィルター150を含む。複数の実施形態は、RFIDタグ151と通信しRFIDタグ151により保持された情報を読み出すように動作可能なRFID読取り器153を含む静電集塵器組立体106を更に含む。RFIDタグ151及びRFID読取り器153は、静電集塵器106が動作し所定の基準内でフィルタリングを続けるように部品認定を保証するために利用されてもよい。
【0026】
図1を参照すると、静電集塵セル200が静電集塵器組立体ハウジング148内の中空管161中で粒子フィルター150の下流に配置されてもよい。集塵セル200は収集面201を有する。収集面201の実施形態は、電極212(図4に示す)と逆に帯電されるように働きうる1つ又は複数の平面を含む。電源202は集塵セル200と電気的に接続され電流を集塵セル200に選択的に供給する。1つの実施形態では、電源202は建物の交流(AC)電源であってもよい。別の実施形態では、電源202はこれらに限定されないが再充電可能電池又は交換可能電池であってもよい。動作時、集塵セル200は、静電集塵器組立体106を通過する流体、外科蒸気、及び/又は粒子の流れ中に浮遊する粒子の少なくとも一部に帯電を引き起こす。帯電した粒子の少なくとも一部は次に集塵セル200により捕えられ、それらの粒子は流体、外科蒸気、及び/又は粒子の流れから取り除かれる。静電集塵セル200は、帯電が粒子収集サイトに対して起こる一段構成又は帯電が粒子収集サイトの上流の粒子に起こる二段構成を有してもよい。
【0027】
1つの実施形態では、静電集塵器106はまた、集塵セル200の下又は近くに配置された収集トレイ152を備えてもよく、収集トレイ152は集塵セル200から粒子又は他の物質を集め、捕え、及び保持する可能性がある。収集トレイ152は外科蒸気、流体、及び/又は粒子から集塵セル200により取り除かれた粒子であって、集塵セル200上又は内に静電気力により保持されない粒子を蓄積してもよい。言い換えれば、収集トレイ152は蓄積された粒子であって、蓄積された粒子に働く重力が集塵セル200の静電気力より大きく蓄積された粒子は集塵セル200から落ちるか又は取り除かれるので、集塵セル200上又は内に留まらない粒子を受け取り保持するように働きうる。収集トレイ152は取り外し可能な部品であってもよく、所定の量の粒子が収集トレイ152内に蓄積すると、収集トレイ152は交換されてよい。別の実施形態では、収集トレイ152は取り外し可能であってもよく、収集トレイ152は粒子を取り除かれ静電集塵器組立体ハウジング148内に再取り付けされてもよい。
【0028】
第2粒子フィルター154はハウジング148内で流体出口114の近くに配置されてよい。第2粒子フィルター154は外科蒸気内の集塵セル200により除去されなかったどんな粗い粒子もチューブ112に入る前に捕える可能性がある。第2粒子フィルター154はそれに蓄積された粒子が静電集塵器組立体106を通る流体流量を所定の閾値未満に減らさないことを保証するために交換可能である。1つの実施形態では、第2粒子フィルター154は高効率粒子空気フィルターである。複数の実施形態は、粒子フィルター154の製造国、型、状態、及び/又はフィルター率などの情報を保持し送信するように働きうるRFIDタグ155を有する粒子フィルター154を含む。複数の実施形態は、RFIDタグ155と通信しRFIDタグ155により保持された情報を読み出すように動作可能なRFID読取り器157を含む静電集塵器組立体106を更に含む。RFIDタグ155及びRFID読取り器157は、静電集塵器106が動作し所定の基準内でフィルタリングを続けるように部品認定を保証するために利用されてもよい。
【0029】
1つの実施形態では、図4に示すように、静電集塵セル200は複数の中空円筒形収集管210を備えてよい。それらの収集管210は2つ以上の交互にずれた列状に配置され、各列が隣接する列に入り込んだ概ねハチの巣形状になってもよい。1つの実施形態では、描かれていないが、収集管210は中空六角形プリズム形状を有してもよい。収集管210の縦軸は概ね垂直向きであってよい。静電集塵セル200はまた、複数の放電電極212を備えてもよい。放電電極212は収集管210を通って概ね同軸で配置されてもよい。外科蒸気内の粒子を帯電させるために放電電極212は電源202と電気連通している。
【0030】
動作時、外科蒸気、流体、及び/又は粒子は静電集塵器組立体入口110を通って中空管161に伝えられ、粒子フィルター150を通り、次に収集管210を通り、そこで放電電極212は外科蒸気、流体、及び/又は粒子内に残っている粒子の少なくとも一部を帯電させるか又はイオン化する。収集管210が放電電極212により帯電された粒子を引き寄せるように働きうるように収集管210は放電電極212と逆に帯電される。イオン化された粒子は次に収集管210の半径方向内側の収集面上に蓄積される。収集管210上に蓄積されていないイオン化された粒子は収集トレイ152により捕えられてもよい。集塵セル200を通過した後、外科蒸気は次に第2粒子フィルター154を通過し出口114から出る。
【0031】
収集管210の収集面と電極212とは逆に帯電されうる。1つの実施形態では、電源202は(1)放電電極212に負電圧を誘起し、(2)収集管210の収集面に正電圧を誘起するように利用されてもよい。別の実施形態では、電源202は放電電極212に負電圧を誘起するように利用されてもよい。この実施形態では、収集管210の収集面はグランドに接続されてもよい。更に別の実施形態では、電源202は放電電極212に正電圧を誘起するように利用されてもよい。この実施形態では、収集管210の収集面はグランドに接続されるか又は負電圧が電源202により誘起されてもよい。1つの実施形態では、放電電極212と収集管210の収集面との電位差は7キロボルト(7kV)である。放電電極212と収集管210の収集面との電位差は7kVより大きくてもよいが、放電電極212と収集面の間の望ましくないアーク放電が十分に高い電位差で発生することがある。
【0032】
1つの実施形態では、収集管210は清掃するために静電集塵器組立体ハウジング148から一時的に取り外されて再取り付けされてもよい。或いは又は清掃可能であると共に、収集管210は使い捨てかつ交換可能であってもよい。動作中、収集管210の収集面がグランドに接続されていない実施形態では、ハウジング148内のアクセスパネル213を開くと、収集面はグランドに接続される。取り外しの前に収集面をグランドに接続することは、収集管210を静電集塵器組立体106から取り外しているどんな人への収集面の残留電圧による危害も防ぐことを保証する。
【0033】
別の実施形態では、図4及び13に示すように、静電集塵器組立体106は集塵セル200の収集面から沈着物及び蓄積された粒子を少なくとも部分的に取り除く清掃要素300を備えてもよい。図13を参照すると、図4に描かれた清掃要素300の平面図が示されている。清掃要素300は複数の環状ブレード302であって、各ブレード302は1つの収集管210を通って動きうるように配置された環状ブレード302を備えてもよい。言い換えると、各収集管210は、その収集管210の半径方向内側面から蓄積された粒子を取り除くための対応する環状ブレード302を有する。ブレード302の半径方向外側の縁は、ブレード302が収集管210を通って動く時、収集面317に接触するように配置される。収集面317は収集管210の半径方向内側面上に位置する。ブレード302は収集面317から蓄積された粒子を取り除くように収集管210の縦軸に沿って動くように動作可能である。1つの実施形態では、ブレード302はエラストマー材料から成ってもよい。その中に配置された放電電極212を収容するように1つ以上の開口304がブレード302を通って配置されてもよい。加えて、ブレード302はハウジング148内で直線的動きが可能な第1シャフト306と固定して結合されてよい。アクチュエータ組立体310がブレード302を収集管210を通って動かすためにハウジング148内に配置されてもよい。1つの実施形態では、アクチュエータ組立体310はブラシレス直流(BLDC)モーターなどの動力源312を備えてもよい。動力源312はピニオン歯車314とシャフト316を介して結合されてもよい。ピニオン歯車314はシャフト306上の複数の歯と噛み合い係合してよい。他の実施形態では、アクチュエータ組立体310は他のリニアアクチュエータを備えてもよい。
【0034】
収集管210を通るブレード302の動きは、収集管210の半径方向内側収集面317に沿ってブレード302を滑らせて粒子を収集トレイ152に移動させる。複数のブレード302は動力源312により複数の他の収集管210を通って動かされてもよい。他の実施形態では、追加のブレード302が追加のアクチュエータ組立体310により動かされてもよい。アクチュエータ組立体310はコントローラ318と電気的に接続されてもよい。1つの実施形態では、コントローラ318は少なくとも1つの収集面の電気量の変化を検出可能な少なくとも1つのセンサー320と通信してもよい。センサー320は、少なくとも1つの収集面の電荷量が所定の電圧未満に減少した(収集面上の蓄積された粒子の集合は電荷を遮蔽するか又は減らすので)ことを示す信号をコントローラ318に送信すると、コントローラ318はアクチュエータ組立体310を動作させる。1つの実施形態では、センサー320はホール効果センサーから成ってもよい。センサー320は信号を無線通信又は有線接続によりコントローラ318に送信してよい。
【0035】
別の実施形態では、図5に示すように、静電集塵セル200は複数の収集板220を備えてもよい。収集板220は概ね垂直平面状で概ね互いに平行に配置されてもよい。この実施形態では、静電集塵セル200はまた、収集板220の上流に水平に配置された複数の放電電極222を備えてもよい。動作時、外科蒸気、流体、及び/又は粒子は静電集塵器組立体入口110を通り、粒子フィルター150を通り、次に放電電極222上及びの周りに伝えられ、そこで外科蒸気、流体、及び/又は粒子内に残っている粒子の少なくとも一部は帯電又はイオン化される。外科蒸気、流体、及び/又は粒子は次に複数の収集板220の間を通り、そこでイオン化された粒子はそれらの収集面上に蓄積される。収集板220上に蓄積されないイオン化された粒子は収集トレイ152により捕えられる可能性がある。複数の実施形態は、収集板220の表面上に所定の量の粒子が蓄積した後、過剰なイオン化された粒子は中空管161を通って収集トレイ152に落ちうるように収集トレイ152が収集板220の下に位置すると規定する。所定の量の蓄積した粒子が追加のイオン化された粒子を落下させるのは、収集板220の表面上のイオン化された粒子の量が追加のイオン化された粒子が収集板220に引き寄せられるのを阻止し、重力がイオン化された粒子と収集板220の間の磁気引力より大きくなるように働きうる時に、発生する。集塵セル200を通過した後、外科蒸気は次に第2粒子フィルター154を通過し出口114から出る。
【0036】
収集板220の収集面と放電電極222とは逆に帯電される。1つの実施形態では、電源202は放電電極222に負電圧を誘起し、収集板220の収集面に正電圧を誘起するように利用されてもよい。別の実施形態では、電源202は放電電極222に負電圧を誘起するように利用され、収集板220の収集面はグランドに接続されてもよい。更に別の実施形態では、電源202は放電電極222に正電圧を誘起するように利用され、収集板220の収集面はグランドに接続されるか又は負電圧が電源202により誘起されてもよい。1つの実施形態では、放電電極222と収集板220の収集面との電位差は7キロボルト(7kV)である。放電電極222と収集板220の収集面との電位差は7kVより大きくてもよいが、放電電極222と収集面の間の望ましくないアーク放電が十分に高い電位差で発生することがある。
【0037】
1つの実施形態では、収集板220は清掃するために静電集塵器組立体ハウジング148から一時的に取り外されて再取り付けされてもよい。或いは又は清掃可能であると共に、収集板220は使い捨てかつ交換可能であってもよい。動作中、収集板220の収集面がグランドに接続されていない実施形態では、ハウジング148内のアクセスパネル213を開くと、収集面はグランドに接続される。取り外しの前に収集面をグランドに接続することは、収集板220を静電集塵器組立体106から取り外しているどんな人への収集面の残留電圧による危害も防ぐことを保証する。
【0038】
図6を参照すると、別の実施形態では、静電集塵器組立体106は集塵セル200の収集面から沈着物及び蓄積された粒子を少なくとも部分的に取り除く清掃要素400を備えてもよい。清掃要素400は複数のブレード402を備えてもよい。各ブレード402は2つの板220間で板220の外側平面表面上に配置されてよい。ブレード402はエラストマー材料からできていてもよい。ブレード402の動きの間、各ブレード402の互いに反対側の縁は収集板220の収集面と接触している。ブレード402は、アクチュエーション組立体410と動作可能に結合され横切って配置されたアーム404と結合されてもよい。
【0039】
アクチュエータ組立体410はコントローラ418と電気的に接続されてもよい。1つの実施形態では、コントローラ418は少なくとも1つの収集面の電気量の変化を検出可能な少なくとも1つのセンサー420と通信してもよい。センサー420は、少なくとも1つの収集面の電荷量が所定の電圧未満に減少したことを示す信号をコントローラ418に送信すると、コントローラ418は、ブレード402を動かし蓄積した粒子を板220の表面から除去するようにアクチュエータ組立体410を動作させる。1つの実施形態では、センサー420はホール効果センサーから成ってもよい。センサー420は信号を無線通信又は有線接続によりコントローラ418に送信してよい。
【0040】
1つの実施形態では、清掃要素400は流体を収集板220の収集面に噴霧して沈着物を少なくとも部分的に取り除いて収集トレイ152に移動させるように働きうるノズル422を備えてもよい。ノズル422はブレード402と独立に又は共に利用されてもよい。ノズル422は、コントローラ418がノズル422を作動又は停止させ流体を収集板220の収集面に選択的に噴霧できるようにコントローラ418に動作可能に結合されてもよい。
【0041】
図9に示すように、別の実施形態では、静電集塵セル200は複数の同軸中空円筒形収集管230を備えてもよい。これらの収集管230は、追加の収集管が同軸で半径方向内側に配置された外側収集管を含んでもよい。収集管230の縦軸は概ね垂直向きであってよい。放電電極212の少なくとも1つが半径方向最内側収集管230を通って概ね同軸で配置されてもよく、追加の放電電極212は複数の他の収集管230の半径方向の間に配置されてもよい。外科蒸気内の粒子を帯電させるために放電電極212は電源202と電気連通している。
【0042】
収集管230の収集面と放電電極212とは逆に帯電される。1つの実施形態では、電源202は放電電極212に負電圧を誘起し、収集管230の収集面に正電圧を誘起するように利用されてもよい。別の実施形態では、電源202は放電電極212に負電圧を誘起するように利用され、収集管230の収集面はグランドに接続されてもよい。更に別の実施形態では、電源202は放電電極212に正電圧を誘起するように利用され、収集管230の収集面はグランドに接続されるか又は負電圧が電源202により誘起されてもよい。1つの実施形態では、放電電極212と収集管230の収集面との電位差は7キロボルト(7kV)である。放電電極212と収集管230の収集面との電位差は7kVより大きくてもよいが、放電電極212と収集面の間の望ましくないアーク放電が十分に高い電位差で発生することがある。
【0043】
1つの実施形態では、収集管230は清掃するために静電集塵器組立体ハウジング148から一時的に取り外されて再取り付けされてもよい。或いは又は清掃可能であると共に、収集管230は使い捨てかつ交換可能であってもよい。動作中、収集管230の収集面がグランドに接続されていない実施形態では、ハウジング148内のアクセスパネル213を開くと、収集面はグランドに接続される。取り外しの前に収集面をグランドに接続することは、収集管230を静電集塵器組立体106から取り外しているどんな人への収集面の残留電圧による危害も防ぐことを保証する。
【0044】
図9を続けて参照すると、別の実施形態では、静電集塵器組立体106は集塵セル200の収集面から沈着物及び蓄積された粒子を少なくとも部分的に取り除く清掃要素500を備えてもよい。清掃要素500は環状のブレード502を備えてもよく、ブレード502は収集管230の半径方向外側収集面と半径方向内側収集面の間を動くように配置される。ブレード502の半径方向外側縁と半径方向内側縁は、ブレードが収集管230を通って下降する時、それぞれ収集面と接触するように配置される。1つの実施形態では、ブレード502はエラストマー材料からできていてもよい。その中に配置された放電電極212を収容するように1つ以上の開口504がブレード502を通って配置されてもよい。加えて、ブレード502はハウジング148内で直線的動きが可能な第1シャフト506と固定して結合されてよい。第2シャフト508が、ブレード502の向きを動きの間、支持するためにブレード502とスライド可能に結合されてもよい。アクチュエータ組立体510がブレード502を収集管230を通って動かすためにハウジング148内に配置されてもよい。1つの実施形態では、アクチュエータ組立体510はブラシレス直流(BLDC)モーターなどの動力源512を備えてもよい。動力源512はピニオン歯車514とシャフト516を介して結合されてもよい。ピニオン歯車514はシャフト506上の複数の歯と噛み合い係合してよい。他の実施形態では、アクチュエータ組立体510は他のリニアアクチュエータを備えてもよい。
【0045】
別の実施形態では、静電集塵セル200はメッシュ402から成る収集面を有してもよい(図7に示す)。メッシュ402は網、連続気泡金属発泡体、ワイヤーウール、又はワイヤースポンジから成ってもよい。上記実施形態に記載したように、放電電極212と収集面との電位差は収集面上のイオン化された粒子の蓄積を容易にする。メッシュ402収集面は、流体排気システム100を通る流量に最小の影響を与えながら、外科蒸気からイオン化された粒子を引き寄せる。
【0046】
図1を参照すると、静電集塵器組立体106は真空動力源入口118の近くに配置されてもよい。この実施形態では、静電集塵器組立体106は医療スタッフ又はユーザーの便宜のために手術エリア内を移動させられてもよい。静電集塵器組立体106は静電集塵器組立体106の可動性を増すために選択的にロックする車輪902を備えてもよい。別の実施形態では、図7に示すように、静電集塵器組立体106は壁160に真空動力源入口118の所又は近くに装着されてもよい。この実施形態では、静電集塵器組立体流体出口114と真空動力源116の間の流体連通のための第2チューブ112が不要になる可能性がある。更に別の実施形態では、図8に示すように、静電集塵器組立体106の少なくとも一部は壁160内に位置してもよい。
【0047】
1つの実施形態では、コントローラ318は一組のプログラム命令(ソフトウェアとも呼ばれることがある)の制御の下で動作するプロセッサを含んでもよい。コントローラ318はまた、プログラム命令を記憶するメモリ319及びプロセッサ321(図4に示す)を含んでもよい。メモリ319はまた、識別コード及び収集面電気量記録をある期間記憶できる。コントローラ318は清掃要素を動作させるためにアクチュエータ組立体310に信号を出力してもよい。コントローラ318はまた、ユーザーと対話し収集面が清掃又は交換されるべき時を示すように動作可能なユーザーインターフェース323に信号を出力してもよい。ユーザーインターフェース323は静電集塵器組立体106の一部として含まれてもよいし、独立の装置に含まれてもよい。複数の実施形態はユーザーが静電集塵器106、外科装置102、及び/又は真空源116を、ユーザーインターフェース323を介して作動できると規定する。ユーザーインターフェース323の実施形態はキーパッド、タッチスクリーン、ボタン、コンピュータインターフェースなどを含む。
【0048】
実際には、本開示の実施形態は外科装置102からチューブ104、流体入口110、中空管161、フィルター150、集塵セル200、収集トレイ152、及び流体出口114を通り真空動力源116への流体の流れを生成又は駆り立てるように動作可能な真空動力源116を提供する。中空管161に入る流体及び粒子はフィルター150に流れ、より大きな粒子及び蒸気はフィルター150により流体の流れから取り除かれる。流体の流れは次に電極(例えば、212、222など)により負か又は正に帯電させられる。帯電した流体の流れは次に電極と逆に帯電された集塵セル(例えば、200)を通るか又は通り越す。通過する流体の流れは集塵セルに向かって引き寄せられ集塵セル上に蓄積する。次に残りの流体の流れはどれも収集トレイ152を通り越すか近くを通り静電集塵器106から出て真空動力源116に達する。幾つかの実施形態では、集塵セルが帯電した粒子を十分蓄積しこれ以上粒子を引き寄せられない時、集塵セル200は清掃要素300により清掃されうる。他の実施形態では、集塵セル200は、蓄積した粒子を人手で除去できるように静電集塵器内に取り外し可能に取り付けられる。
【0049】
流体排気システムを提供する方法の実施形態に係る簡略化された論理フロー図を描く図10を参照する。この方法はブロック1002から始まる。このブロックは、中を通る流体管を有する外科装置を準備すること、外科装置流体管と流体的に結合された真空チューブを準備すること、その真空チューブと流体的に結合され流体流を生成するように動作可能な真空源を準備すること、及び流体流中に配置された静電集塵器を準備することを表明する。ブロック1004は次に静電集塵器はプルームの流れへの抗力を生成することなくプルームから複数の粒子を取り除くように動作可能であると表明する。ブロック1006は電源が静電集塵器と電気的に結合されると表明する。ブロック1008は静電集塵器を動作させることは真空源のノイズレベルを増加させないと述べ、ブロック1010は静電集塵器を動作させることは真空源の出力を増加させないと表明する。
【0050】
図10の論理図は方法の動作、又はコンピュータ読取可能媒体に記憶されたコンピュータプログラム命令の実行の結果を例示すると考えられてもよい。論理図はまた、装置の部品がその装置を動作させるように構成される特定のやり方と考えられてもよい。
【0051】
上述した静電集塵器組立体106の実施形態を2つの粒子フィルター及び静電収集器を有するとして説明したが、実施形態は1つ又はゼロ個の粒子フィルターを有する静電集塵器組立体106を含むことは理解されるべきである。
【0052】
本明細書に記載された実施形態の1つ以上の特徴が結合されて追加の記載されていない実施形態を生成する可能性がある。様々な実施形態が上記に詳細に説明されたが、限定ではなく例として提示されたと理解されるべきである。開示された対象物は、それの範囲、要旨、又は本質的特性から逸脱することなく他の具体的な形態、変形、及び部分変更で具現化されてもよいことは当業者には明らかであろう。従って、上述した実施形態は全ての点で限定ではなく例示と考えられるべきである。本発明の範囲は添付の請求項により示され、それらの等価物の意図及び範囲内に入る全ての変更を包含するように意図されている。
【符号の説明】
【0053】
100 排気システム
102 外科装置
104、112 チューブ
106 静電集塵器組立体
108 継手
110 流体入口
114 流体出口
116 真空動力源
120 切断要素
124 電気手術ペンシル中空本体
126 流体管
138 切断ボタン
140 凝固ボタン
142 多岐管
144 無線周波数識別タグ(RFID)
146 RFID読取り器
147 バルブ
148 静電集塵器組立体ハウジング
150 粒子フィルター
152 収集トレイ
154 第2粒子フィルター
161 中空管
200 静電集塵セル
201 収集面
202 電源
210 収集管
212 放電電極
310 アクチュエータ組立体
312 動力源
314 ピニオン歯車
316 シャフト
317 収集面
318 コントローラ
320 センサー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図12
図13