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特許7194217障害物速度確定方法、装置、電子機器、記憶媒体およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】障害物速度確定方法、装置、電子機器、記憶媒体およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/246 20170101AFI20221214BHJP
【FI】
G06T7/246
【請求項の数】 19
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021043325
(22)【出願日】2021-03-17
(65)【公開番号】P2021119458
(43)【公開日】2021-08-12
【審査請求日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】202010188560.X
(32)【優先日】2020-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514322098
【氏名又は名称】ベイジン バイドゥ ネットコム サイエンス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing Baidu Netcom Science Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】2/F Baidu Campus, No.10, Shangdi 10th Street, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ハオ
(72)【発明者】
【氏名】ワン, リャン
(72)【発明者】
【氏名】マー, ユー
【審査官】佐藤 実
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0341263(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00 - 7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
障害物の、第1時刻における世界座標系の第1点群データ及び第2時刻における世界座標系の第2点群データを取得するステップと、
前記第1点群データの第1投影面及び前記第2点群データの第2投影面を確定するステップと、
前記第1点群データを前記第1投影面における所定サイズのグリッド内に投影し、第1グリッド投影データを得るステップと、
前記第1グリッド投影データに基づいて前記第1点群分布情報を確定するステップと、
前記第2点群データを前記第2投影面における所定サイズのグリッド内に投影し、第2グリッド投影データを得るステップと、
前記第2グリッド投影データに基づいて前記第2点群分布情報を確定するステップと、
前記第1点群分布情報及び前記第2点群分布情報に基づいて、前記第1点群データ又は前記第2点群データを移動することにより、前記第1点群データの投影と前記第1点群データの投影が重なるように、前記第1点群データと前記第2点群データを位置合わせするステップであって、前記点群分布情報は、グリッド内に投影されたデータ点の個数、グリッドと障害物境界との間の距離パラメータ、一列のグリッド内に投影されたデータ点の個数、及び前記障害物の行方向におけるグリッド長のうちの少なくとも一種を含む、ステップと、
前記位置合わせの際に変位したグリッド数と、第1投影面及び第2投影面のグリッドペアの表示割合とに基づいて、位置合わせされたデータ点ペアにおける2つのデータ点の間の距離を決定し、位置合わせされたデータ点ペアにおける2つのデータ点の間の距離に基づいて前記障害物の相対移動速度を確定するステップであって、前記位置合わせされたデータ点ペアは、位置合わせ後に重なったデータ点ペアであり、当該データ点ペアのうちの一方のデータ点は前記第1点群データに属し、他方のデータ点は前記第2点群データに属する、ステップと、を含むことを特徴とする障害物速度確定方法。
【請求項2】
前記第1点群データの第1投影面を確定するステップは、
前記相対移動速度の少なくとも1つの方向に基づいて、少なくとも1つの投影方向を確定するステップと、
地面に垂直な方向と前記少なくとも1つの投影方向とをそれぞれ組み合わせるステップと、
組み合わせによる方向ペアに基づいて、少なくとも1つの前記第1投影面を作成するステップと、を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記第1点群データを前記第1投影面における所定サイズのグリッド内に投影し、第1グリッド投影データを得るステップは、
前記第1点群データを前記第1点群データの重心を原点とする三次元座標系に変換するステップであって、前記座標系の2つの座標軸からなる平面が前記第1投影面である、ステップと、
前記座標系の原点を中心として、前記第1投影面を所定サイズのグリッドに分割するステップと、
変換後の第1点群データを分割されたグリッドに投影し、前記第1グリッド投影データを得るステップと、を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記第1点群データを前記第1投影面における所定サイズのグリッド内に投影し、第1グリッド投影データを得るステップは、
前記第1点群データのサイズ及び前記グリッドのサイズに応じて、前記第1点群データの前記グリッドにおける表示割合を確定するステップと、
前記表示割合に従って、前記第1点群データを前記グリッドに投影し、前記第1グリッド投影データを得るステップと、を含むことを特徴とする請求項またはに記載の方法。
【請求項5】
前記第1グリッド投影データに基づいて前記第1点群分布情報を確定するステップは、
グリッド内に投影されたデータ点の個数が0より大きい場合、該グリッドと障害物境界との間の距離パラメータを0とするステップと、
グリッド内に投影されたデータ点の個数が0以下である場合、行方向に沿って該グリッドに最も近く、且つ投影されたデータ点の個数が0より大きい目標グリッドを検索するステップと、
前記グリッドと前記目標グリッドとの間のグリッド数に応じて、前記グリッドの前記距離パラメータを確定するステップと、
確定された前記距離パラメータを前記第1点群分布情報とするステップと、を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1点群データ又は前記第2点群データを移動することにより、前記第1点群データと前記第2点群データを位置合わせするステップは、
前記障害物の向きに応じて、前記第1点群データ又は前記第2点群データを移動するステップと、
前記第1点群分布情報及び前記第2点群分布情報に基づいて、移動後の前記第1点群データと前記第2点群データとの間のマッチング度を算出するステップと、
算出されたマッチング度に基づいて、前記第1点群データと前記第2点群データの位置合わせ位置を確定するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記算出されたマッチング度に基づいて、前記第1点群データと前記第2点群データの位置合わせ位置を確定するステップは、
少なくとも2回移動した後に算出されたマッチング度を正規化し、毎回の移動が実際の変位に該当する確率を得るステップと、
前記確率に基づいて変位期待値を算出し、算出された変位期待値を最適移動距離とするステップと、
前記最適移動距離だけ移動した位置を前記位置合わせ位置とするステップと、を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記位置合わせされたデータ点ペアにおける2つのデータ点の間の距離に基づいて前記障害物の相対移動速度を確定するステップは、
位置合わせされたデータ点ペアにおける2つのデータ点の間の距離に基づいて、前記障害物の、前記第1時刻と前記第2時刻との間にわたる目標移動距離を確定するステップと、
前記目標移動距離に基づいて、前記障害物の相対移動速度を確定するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
障害物の、第1時刻における世界座標系の第1点群データ及び第2時刻における世界座標系の第2点群データを取得するためのデータ取得モジュールと、
点群位置合わせモジュールであって、
前記第1点群データの第1投影面及び前記第2点群データの第2投影面を確定し、
前記第1点群データを前記第1投影面における所定サイズのグリッド内に投影し、第1グリッド投影データを得、
前記第1グリッド投影データに基づいて前記第1点群分布情報を確定し、
前記第2点群データを前記第2投影面における所定サイズのグリッド内に投影し、第2グリッド投影データを得、
前記第2グリッド投影データに基づいて前記第2点群分布情報を確定し、
前記第1点群分布情報及び前記第2点群分布情報に基づいて、前記第1点群データ又は前記第2点群データを移動することにより、前記第1点群データの投影と前記第1点群データの投影が重なるように、前記第1点群データと前記第2点群データを位置合わせするように構成され、前記点群分布情報は、グリッド内に投影されたデータ点の個数、グリッドと障害物境界との間の距離パラメータ、一列のグリッド内に投影されたデータ点の個数、及び前記障害物の行方向におけるグリッド長のうちの少なくとも一種を含む、点群位置合わせモジュールと、
前記位置合わせの際に変位したグリッド数と、第1投影面及び第2投影面のグリッドペアの表示割合とに基づいて、位置合わせされたデータ点ペアにおける2つのデータ点の間の距離を決定し、位置合わせされたデータ点ペアにおける2つのデータ点の間の距離に基づいて前記障害物の相対移動速度を確定するための速度確定モジュールであって、前記位置合わせされたデータ点ペアは、位置合わせ後に重なったデータ点ペアであり、当該データ点ペアのうちの一方のデータ点は前記第1点群データに属し、他方のデータ点は前記第2点群データに属する、速度確定モジュールと、を含むことを特徴とする障害物速度確定装置。
【請求項10】
前記第1点群データの第1投影面を確定するステップは、
前記相対移動速度の少なくとも1つの方向に基づいて、少なくとも1つの投影方向を確定するステップと、
地面に垂直な方向と前記少なくとも1つの投影方向とをそれぞれ組み合わせるステップと、
組み合わせによる方向ペアに基づいて、少なくとも1つの前記第1投影面を作成するステップと、を含むことを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記第1点群データを前記第1投影面における所定サイズのグリッド内に投影し、第1グリッド投影データを得るステップは、
前記第1点群データを前記第1点群データの重心を原点とする三次元座標系に変換するステップであって、前記座標系の2つの座標軸からなる平面が前記第1投影面である、ステップと、
前記座標系の原点を中心として、前記第1投影面を所定サイズのグリッドに分割するステップと、
変換後の第1点群データを分割されたグリッドに投影し、前記第1グリッド投影データを得るステップと、を含むことを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項12】
前記第1点群データを前記第1投影面における所定サイズのグリッド内に投影し、第1グリッド投影データを得るステップは、
前記第1点群データのサイズ及び前記グリッドのサイズに応じて、前記第1点群データの前記グリッドにおける表示割合を確定するステップと、
前記表示割合に従って、前記第1点群データを前記グリッドに投影し、前記第1グリッド投影データを得るステップと、を含むことを特徴とする請求項または11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1グリッド投影データに基づいて前記第1点群分布情報を確定するステップは、
グリッド内に投影されたデータ点の個数が0より大きい場合、該グリッドと障害物境界との間の距離パラメータを0とするステップと、
グリッド内に投影されたデータ点の個数が0以下である場合、行方向に沿って該グリッドに最も近く、且つ投影されたデータ点の個数が0より大きい目標グリッドを検索するステップと、
前記グリッドと前記目標グリッドとの間のグリッド数に応じて、前記グリッドの前記距離パラメータを確定するステップと、
確定された前記距離パラメータを前記第1点群分布情報とするステップと、を含むことを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項14】
前記点群位置合わせモジュールは、
前記障害物の向きに応じて、前記第1点群データ又は前記第2点群データを移動するための点群移動ユニットと、
前記第1点群分布情報及び前記第2点群分布情報に基づいて、移動後の前記第1点群データと前記第2点群データとの間のマッチング度を算出するためのマッチング度計算ユニットと、
算出されたマッチング度に基づいて、前記第1点群データと前記第2点群データの位置合わせ位置を確定するための位置合わせ位置確定ユニットと、を含むことを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項15】
前記位置合わせ位置確定ユニットは、
少なくとも2回移動した後に算出されたマッチング度を正規化し、毎回の移動が実際の変位に該当する確率を得るステップと、
前記確率に基づいて変位期待値を算出し、算出された変位期待値を最適移動距離とするステップと、
前記最適移動距離だけ移動した位置を前記位置合わせ位置とするステップとを行うように構成されることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記速度確定モジュールは、
位置合わせされたデータ点ペアにおける2つのデータ点の間の距離に基づいて、前記障害物の、前記第1時刻と前記第2時刻との間にわたる目標移動距離を確定するための距離確定ユニットと、
前記目標移動距離に基づいて、前記障害物の相対移動速度を確定するための速度確定ユニットと、を含むことを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項17】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリとを備える電子機器であって、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な指令が格納されており、前記指令が前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに請求項1~のいずれか1項に記載の方法が実行される、ことを特徴とする電子機器。
【請求項18】
コンピュータ指令が格納されている非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータ指令は前記コンピュータに請求項1~のいずれか1項に記載の方法を実行させるために用いられることを特徴とする非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
プロセッサにより実行されると、請求項1~のいずれか1項に記載の方法を実現する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施例はデータ処理技術分野に関し、特に自動運転技術に関する。特に、本出願の実施例は障害物速度確定方法、装置、電子機器、記憶媒体およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
障害物の予測は無人車システムにおいて非常に重要なモジュールであり、安定的で正確な速度は障害物の次の行動を予測することに非常に重要である。
現在の無人運転システムは、障害物追跡を行う際に、障害物の重心(centroid)位置の変化に基づいて障害物の観測速度を算出することが多い。遮蔽等の理由により点群座標を用いて算出された重心位置の変動が大きく、該方法により算出された観測速度の誤差が大きい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本出願の実施例は障害物速度の精度を向上させるための障害物速度確定方法、装置、電子機器、記憶媒体およびコンピュータプログラムを提供する。
【0004】
本出願の実施例は障害物速度確定方法を提供し、該方法は、
障害物の、第1時刻における第1点群データ及び第2時刻における第2点群データを取得するステップと、
前記第1点群データ又は前記第2点群データを移動することにより、前記第1点群データと前記第2点群データを位置合わせ(registration)するステップと、
位置合わせされたデータ点ペアにおける2つのデータ点の間の距離に基づいて前記障害物の移動速度を確定するステップであって、前記位置合わせされたデータ点ペアのうちの一方のデータ点は前記第1点群データに属し、他方のデータ点は前記第2点群データに属する、ステップと、を含む。
【0005】
本出願の実施例は、前記第1点群データ又は前記第2点群データを移動し、前記第1点群データと前記第2点群データに対して位置合わせを行う過程を追加することにより、点群データが不完全な場合でも、正確に位置合わせされたデータ点ペアを見つけることができ、それにより遮蔽問題が効果的に解消され、障害物速度確定の正確率を向上させることができる。
【0006】
さらに、前記第1点群データと前記第2点群データを位置合わせするステップは、
前記第1点群データの第1点群分布情報及び前記第2点群データの第2点群分布情報を確定するステップと、
前記第1点群分布情報及び前記第2点群分布情報に基づいて、前記第1点群データと前記第2点群データを位置合わせするステップと、を含む。
【0007】
該技術的特徴によると、本出願の実施例は前記第1点群分布情報及び前記第2点群分布情報に基づいて、前記第1点群データと前記第2点群データに対して位置合わせを行うことにより、データ点に基づいて位置合わせを直接行うことに比べ、本出願の実施例はデータ点ごとに対して位置合わせの計算を行う必要がないため、計算量が低減され、位置合わせ効率を向上させることができる。
【0008】
さらに、前記第1点群データの第1点群分布情報を確定するステップは、
前記第1点群データの第1投影面を確定するステップと、
前記第1点群データを前記第1投影面における所定サイズのグリッド内に投影し、第1グリッド投影データを得るステップと、
前記第1グリッド投影データに基づいて前記第1点群分布情報を確定するステップと、を含む。
【0009】
該技術的特徴によると、本出願の実施例は前記第1点群データを前記第1投影面における所定サイズのグリッド内に投影することにより、グリッドの投影データに基づいて、第1点群分布情報を確定し、それにより点群分布情報を確定しやすく、点群分布情報による障害物の記述正確率を向上させることができる。
【0010】
さらに、前記第1点群データの第1投影面を確定するステップは、
前記移動速度の少なくとも1つの方向に基づいて、少なくとも1つの投影方向を確定するステップと、
地面に垂直な方向と前記少なくとも1つの投影方向とをそれぞれ組み合わせるステップと、
組み合わせによる方向ペアに基づいて、少なくとも1つの前記第1投影面を作成するステップと、を含む。
【0011】
該技術的特徴によると、本出願の実施例は前記移動速度の少なくとも1つの方向に基づいて、少なくとも1つの投影方向を確定し、地面に垂直な方向をそれぞれ前記少なくとも1つの投影方向と組み合わせて、組み合わせによる方向ペアに基づいて、少なくとも1つの前記第1投影面を構成することにより、移動速度の少なくとも1つの方向に基づいて、少なくとも1つの第1投影面を確定し、さらに異なる方向の移動速度を確定することができる。
【0012】
さらに、前記第1点群データを前記第1投影面における所定サイズのグリッド内に投影し、第1グリッド投影データを得るステップは、
前記第1点群データを前記第1点群データの重心を原点とする三次元座標系に変換するステップであって、前記座標系の2つの座標軸からなる平面が前記第1投影面である、ステップと、
前記座標系の原点を中心として、前記第1投影面を所定サイズのグリッドに分割するステップと、
変換後の第1点群データを分割されたグリッドに投影し、前記第1グリッド投影データを得るステップと、を含む。
【0013】
該技術的特徴によると、本出願の実施例は前記第1点群データを前記第1点群データの重心を原点とする三次元座標系に変換し、前記座標系の原点を中心とし、前記第1投影面を所定サイズのグリッドに分割し、変換後の第1点群データを分割されたグリッドに投影することにより、第1点群データの投影点がグリッドの中心を分布中心として分布し、さらに後続の位置合わせの計算が容易になる。
【0014】
さらに、前記第1点群データを前記第1投影面における所定サイズのグリッド内に投影し、第1グリッド投影データを得るステップは、
前記第1点群データのサイズ及び前記グリッドのサイズに応じて、前記第1点群データの前記グリッドにおける表示割合を確定するステップと、
前記表示割合に従って、前記第1点群データを前記グリッドに投影し、前記第1グリッド投影データを得るステップと、を含む。
【0015】
該技術的特徴によると、本出願の実施例は、前記第1点群データのサイズ及び前記グリッドのサイズに基づいて、前記第1点群データの前記グリッドにおける表示割合を確定し、前記表示割合に基づいて、前記第1点群データを前記グリッドに投影し、前記第1グリッド投影データを得ることにより、第1点群データにおける全てのデータ点を前記グリッドに投影し、完全な点群分布情報を得ることができる。
【0016】
さらに、前記第1グリッド投影データに基づいて前記第1点群分布情報を確定するステップは、
グリッド内に投影されたデータ点の個数が0より大きい場合、該グリッドと障害物境界との間の距離パラメータを0とするステップと、
グリッド内に投影されたデータ点の個数が0以下である場合、行方向に沿って該グリッドに最も近く、且つ投影されたデータ点の個数が0より大きい目標グリッドを検索するステップと、
前記グリッドと前記目標グリッドとの間のグリッド数に応じて、前記グリッドの前記距離パラメータを確定するステップと、
確定された前記距離パラメータを前記第1点群分布情報とするステップと、を含む。
【0017】
該技術的特徴によると、本出願の実施例は、グリッド内に投影されたデータ点の個数に応じて該グリッドと障害物境界との間の距離パラメータを確定することにより、第1点群分布情報を確定できる。
【0018】
さらに、前記点群分布情報は、グリッド内に投影されたデータ点の個数、グリッドと障害物境界との間の距離パラメータ、一列のグリッド内に投影されたデータ点の個数、及び前記障害物の行方向におけるグリッド長のうちの少なくとも一種を含む。
【0019】
該技術的特徴によると、本出願の実施例は、グリッド内に投影されたデータ点の個数、グリッドと障害物境界との間の距離パラメータ、一列のグリッド内に投影されたデータ点の個数、及び前記障害物の行方向におけるグリッド長のうちの少なくとも1種に基づいて、点群データの位置合わせを行うことにより、点群データの位置合わせの精度が向上する。
【0020】
前記第1点群データ又は前記第2点群データを移動することにより、前記第1点群データと前記第2点群データを位置合わせするステップは、
前記障害物の向きに応じて、前記第1点群データ又は前記第2点群データを移動するステップと、
前記第1点群分布情報及び前記第2点群分布情報に基づいて、移動後の前記第1点群データと前記第2点群データとの間のマッチング度を算出するステップと、
算出されたマッチング度に基づいて、前記第1点群データと前記第2点群データの位置合わせ位置を確定するステップと、を含む。
【0021】
該技術的特徴によると、本出願の実施例は、前記目標方向に基づいて前記第1点群データの投影点を移動し、前記第1点群分布情報と前記第2点群分布情報に基づいて移動後の前記第1点群データと前記第2点群データとの間のマッチング度を算出し、算出されたマッチング度に基づいて前記第1点群データと前記第2点群データの前記目標方向における位置合わせ位置を確定することにより、前記第1点群データ及び前記第2点群データを位置合わせすることができる。
【0022】
さらに、算出されたマッチング度に基づいて、前記第1点群データと前記第2点群データの位置合わせ位置を確定するステップは、
少なくとも2回移動した後に算出されたマッチング度を正規化し、毎回の移動が実際の変位に該当する確率を得るステップと、
前記確率に基づいて変位期待値を算出し、算出された変位期待値を最適移動距離とするステップと、
前記最適移動距離だけ移動した位置を前記位置合わせ位置とするステップとを含む。
【0023】
該技術的特徴によると、本出願の実施例は、少なくとも2回移動した後に算出されたマッチング度を利用し、移動距離に対して最適な推定を行うことにより、移動距離の判定精度を向上させ、さらに位置合わせ位置の判定精度を向上させることができる。
【0024】
さらに、位置合わせされたデータ点ペアにおける2つのデータ点の間の距離に基づいて前記障害物の移動速度を確定するステップは、
位置合わせされたデータ点ペアにおける2つのデータ点の間の距離に基づいて、前記障害物の、前記第1時刻と前記第2時刻との間にわたる目標移動距離を確定するステップと、
前記目標移動距離に基づいて、前記障害物の移動速度を確定するステップと、を含む。
【0025】
該技術的特徴によると、本出願の実施例は、位置合わせされたデータ点ペアにおける2つのデータ点の間の距離に基づいて前記障害物の前記第1時刻と前記第2時刻との間の目標移動距離を確定し、前記目標移動距離に基づいて前記障害物の移動速度を確定することにより、障害物の移動速度を確定することができる。
【0026】
本出願の実施例は障害物速度確定装置を提供し、該装置は、
障害物の第1時刻における第1点群データ及び第2時刻における第2点群データを取得するためのデータ取得モジュールと、
前記第1点群データ又は前記第2点群データを移動することにより、前記第1点群データと前記第2点群データを位置合わせするための点群位置合わせモジュールと、
位置合わせされたデータ点ペアにおける2つのデータ点の間の距離に基づいて前記障害物の移動速度を確定するための速度確定モジュールであって、前記位置合わせされたデータ点ペアのうちの一方のデータ点は前記第1点群データに属し、他方のデータ点は前記第2点群データに属する、速度確定モジュールと、を含む。
【0027】
さらに、前記点群位置合わせモジュールは、
前記第1点群データの第1点群分布情報及び前記第2点群データの第2点群分布情報を確定するための分布情報確定ユニットと、
前記第1点群分布情報及び前記第2点群分布情報に基づいて、前記第1点群データと前記第2点群データを位置合わせするための点群位置合わせユニットと、を含む。
【0028】
さらに、前記分布情報確定ユニットは、
前記第1点群データの第1投影面を確定するステップと、
前記第1点群データを前記第1投影面における所定サイズのグリッド内に投影し、第1グリッド投影データを得るステップと、
前記第1グリッド投影データに基づいて前記第1点群分布情報を確定するステップと、を行うように構成される。
【0029】
さらに、前記第1点群データの第1投影面を確定するステップは、
前記移動速度の少なくとも1つの方向に基づいて、少なくとも1つの投影方向を確定するステップと、
地面に垂直な方向と前記少なくとも1つの投影方向とをそれぞれ組み合わせるステップと、
組み合わせによる方向ペアに基づいて、少なくとも1つの前記第1投影面を作成するステップと、を含む。
【0030】
さらに、前記第1点群データを前記第1投影面における所定サイズのグリッド内に投影し、第1グリッド投影データを得るステップは、
前記第1点群データを前記第1点群データの重心を原点とする三次元座標系に変換するステップであって、前記座標系の2つの座標軸からなる平面が前記第1投影面である、ステップと、
前記座標系の原点を中心として、前記第1投影面を所定サイズのグリッドに分割するステップと、
変換後の第1点群データを分割されたグリッドに投影し、前記第1グリッド投影データを得るステップと、を含む。
【0031】
さらに、前記第1点群データを前記第1投影面における所定サイズのグリッド内に投影し、第1グリッド投影データを得るステップは、
前記第1点群データのサイズ及び前記グリッドのサイズに応じて、前記第1点群データの前記グリッドにおける表示割合を確定するステップと、
前記表示割合に従って、前記第1点群データを前記グリッドに投影し、前記第1グリッド投影データを得るステップと、を含む。
【0032】
さらに、前記第1グリッド投影データに基づいて前記第1点群分布情報を確定するステップは、
グリッド内に投影されたデータ点の個数が0より大きい場合、該グリッドと障害物境界との間の距離パラメータを0とするステップと、
グリッド内に投影されたデータ点の個数が0以下である場合、行方向に沿って該グリッドに最も近く、且つ投影されたデータ点の個数が0より大きい目標グリッドを検索するステップと、
前記グリッドと前記目標グリッドとの間のグリッド数に応じて、前記グリッドの前記距離パラメータを確定するステップと、
確定された前記距離パラメータを前記第1点群分布情報とするステップと、を含む。
【0033】
さらに、前記点群分布情報は、グリッド内に投影されたデータ点の個数、グリッドと障害物境界との間の距離パラメータ、一列のグリッド内に投影されたデータ点の個数、及び前記障害物の行方向におけるグリッド長のうちの少なくとも一種を含む。
【0034】
さらに、前記点群位置合わせモジュールは、
前記障害物の向きに応じて、前記第1点群データ又は前記第2点群データを移動するための点群移動ユニットと、
前記第1点群分布情報及び前記第2点群分布情報に基づいて、移動後の前記第1点群データと前記第2点群データとの間のマッチング度を算出するためのマッチング度計算ユニットと、
算出されたマッチング度に基づいて、前記第1点群データと前記第2点群データの位置合わせ位置を確定するための位置合わせ位置確定ユニットと、を含む。
【0035】
さらに、前記位置合わせ位置確定ユニットは、
少なくとも2回移動した後に算出されたマッチング度を正規化し、毎回の移動が実際の変位に該当する確率を得るステップと、
前記確率に基づいて変位期待値を算出し、算出された変位期待値を最適移動距離とするステップと、
前記最適移動距離だけ移動した位置を前記位置合わせ位置とするステップとを行うように構成される。
【0036】
さらに、前記速度確定モジュールは、
位置合わせされたデータ点ペアにおける2つのデータ点の間の距離に基づいて、前記障害物の、前記第1時刻と前記第2時刻との間にわたる目標移動距離を確定するための距離確定ユニットと、
前記目標移動距離に基づいて、前記障害物の移動速度を確定するための速度確定ユニットと、を含む。
【0037】
本出願の実施例はさらに、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリとを備える電子機器において、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な指令が格納されており、前記指令が前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに本出願の実施例のいずれかに記載の方法が実行される電子機器を提供する。
【0038】
本出願の実施例はさらに、コンピュータ指令が格納されている非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ指令は前記コンピュータに本出願の実施例のいずれかに記載の方法を実行させるためのものである非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0039】
本出願の実施例はさらに、プロセッサにより実行されると、本出願の実施例のいずれかに記載の方法を実現するコンピュータプログラムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図面は本出願をよりよく理解するために用いられ、本出願に対する限定を構成しない。
図1】本出願の第1実施例の提供する障害物速度確定方法のフローチャートである。
図2】本出願の第2実施例の提供する障害物速度確定方法のフローチャートである。
図3】本出願の第3実施例の提供する障害物速度確定方法のフローチャートである。
図4】本出願の第4実施例の提供する障害物速度確定方法のフローチャートである。
図5】本出願の第5実施例の提供する障害物速度確定装置の構造概略図である。
図6】本出願の実施例に係る障害物速度確定方法を実現するための電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下に図面を参照して本出願の例示的な実施例を説明し、ここでは理解に役立つため、本出願の実施例の様々な詳細が記載されるが、これらは単なる例示的なものに過ぎない。従って、本出願の範囲および要旨を逸脱しない限り、当業者が本明細書の実施例に対して様々な変更や修正を行うことができることは自明である。なお、以下の説明では、明確化及び簡略化のため、公知の機能及び構成については説明を省略する。
【0042】
第1実施例
【0043】
図1は、本出願の第1実施例の提供する障害物速度確定方法のフローチャートである。本実施例は、障害物の2つの時刻における点群データに基づいて、障害物の移動速度を確定する場合に適用できる。特に、本実施例は、自動運転車両が収集された障害物の2つの時刻における点群データに基づいて障害物の移動速度を確定し、且つ障害物の移動速度に基づいて自車の制御を行う場合に適用することができる。
【0044】
この方法は、ソフトウェアおよび/またはハードウェアによって実現することができる障害物速度確定装置によって実現することができる。図1を参照し、本出願の実施例の提供する障害物速度確定方法は、S110~S130を含む。
【0045】
S110:障害物の第1時刻における第1点群データ及び第2時刻における第2点群データを取得する。
【0046】
具体的には、障害物は、自車の走行を阻害する任意のオブジェクトであってもよい。典型的には、障害物は自車前方の走行車両である。
【0047】
障害物の点群データは、自車に配置されたセンサによって取得されることができる。
【0048】
S120:前記第1点群データ又は前記第2点群データを移動することにより、前記第1点群データと前記第2点群データを位置合わせする。
【0049】
具体的には、前記第1点群データ又は前記第2点群データを移動することにより、前記第1点群データと前記第2点群データを位置合わせするステップは、
前記第1点群データ又は前記第2点群データを移動するステップと、
前記第1点群データにおける各データ点と前記第2点群データにおける各データ点との間の位置関係に基づいて、移動後の前記第1点群データと前記第2点群データとの間のマッチング度を算出するステップと、
算出されたマッチング度に基づいて、前記第1点群データと前記第2点群データの位置合わせ位置を確定するステップと、を含む。
【0050】
S130:位置合わせされたデータ点ペアにおける2つのデータ点の間の距離に基づいて前記障害物の移動速度を確定し、前記位置合わせされたデータ点ペアのうちの一方のデータ点は前記第1点群データに属し、他方のデータ点は前記第2点群データに属する。
【0051】
ここで、位置合わせされたデータ点ペアとは、位置合わせ後に重なったデータ点ペアを指し、該データ点ペアのうちの1つのデータ点は第1点群データに属し、他のデータ点は第2点群データに属する。
【0052】
具体的に、位置合わせされたデータ点ペアにおける2つのデータ点の間の距離に基づいて前記障害物の移動速度を確定するステップは、
位置合わせされたデータ点ペアにおける2つのデータ点の間の距離に基づいて、前記障害物の、前記第1時刻と前記第2時刻との間にわたる目標移動距離を確定するステップと、
前記目標移動距離に基づいて、前記障害物の移動速度を確定するステップと、を含む。
【0053】
具体的に、前記目標移動距離に基づいて、前記障害物の移動速度を確定するステップは、
前記第1時刻と前記第2時刻との間の時間差を確定するステップと、
前記目標移動距離と前記時間差に基づいて、前記障害物の移動速度を確定するステップと、を含む。
【0054】
本出願の実施例は、前記第1点群データ又は前記第2点群データを移動し、前記第1点群データと前記第2点群データに対して位置合わせを行うプロセスを追加することにより、点群データが不完全な場合でも、正確に位置合わせされたデータ点ペアを見つけることができ、それにより遮蔽問題が効果的に解消され、障害物速度確定の正確率を向上させることができる。
【0055】
計算量を低減し、位置合わせ効率を向上させるために、前記第1点群データ又は前記第2点群データを移動することにより、前記第1点群データと前記第2点群データを位置合わせするステップは、
前記障害物の向きに応じて、前記第1点群データ又は前記第2点群データを移動するステップと、
前記第1点群分布情報、及び前記第2点群分布情報に基づいて、移動後の前記第1点群データと前記第2点群データとの間のマッチング度を算出するステップと、
算出されたマッチング度に基づいて、前記第1点群データと前記第2点群データの位置合わせ位置を確定するステップと、を含む。
【0056】
第1点群分布情報は第1点群データの点群分布情報である。
【0057】
第2点群分布情報は第2点群データの点群分布情報である。
【0058】
点群分布情報は、点群データにおける各データ点の位置分布状況を示す情報である。
【0059】
具体的には、前記点群分布情報は、データ点の局所分布密度、データ点と障害物境界との距離、データ点の縦方向分布密度、及び障害物の横方向長さのうちの少なくとも1種を含む。
【0060】
具体的には、データ点の局所分布密度を確定することは、
点群データにおけるデータ点に対してグリッド分割を行い、各グリッド内に入るデータ点の個数を統計することと、
各グリッド内に入るデータ点の個数に基づいて、データ点の局所分布密度を確定することと、を含む。
【0061】
データ点と障害物境界との距離を確定することは、
点群データに基づいて障害物境界を確定することと、
障害物境界に基づいて、点群データにおけるデータ点と障害物境界との距離を確定することと、を含む。
【0062】
データ点の縦方向分布密度を確定することは、
点群データにおけるデータ点に対して列分割を行い、列ごとに含まれるデータ点の個数を統計することと、
統計された列ごとに含まれるデータ点の個数に基づいて、データ点の縦方向分布密度を確定することと、を含む。
【0063】
障害物の横方向の長さを確定することは、
投影後のデータ点に対して行分割を行い、行ごとに含まれるデータ点の個数を統計することと、
統計の結果のうちの最大値を障害物の横方向の長さとすることと、を含む。
【0064】
具体的には、算出されたマッチング度に基づいて、前記第1点群データと前記第2点群データの位置合わせ位置を確定するステップは、
少なくとも2回移動した後に算出されたマッチング度を正規化し、毎回の移動が実際の変位に該当する確率を得るステップと、
前記確率に基づいて変位期待値を算出し、算出された変位期待値を最適移動距離とするステップと、
前記最適移動距離だけ移動した位置を前記位置合わせ位置とするステップとを含む。
【0065】
該技術的特徴によると、本出願の実施例は、少なくとも2回移動した後に算出されたマッチング度を利用し、移動距離に対して最適な推定を行うことにより、移動距離の確定精度が向上し、さらに位置合わせ位置の確定精度が向上する。
【0066】
第2実施例
【0067】
図2は、本出願の第2実施例により提供される障害物速度確定方法のフローチャートである。本実施例は上記実施例に基づいて提出された選択可能なものである。図2を参照し、本出願の実施例により提供される障害物速度確定方法は、S210~S240を含む。
【0068】
S210:障害物の、第1時刻における第1点群データ及び第2時刻における第2点群データを取得する。
【0069】
S220:前記第1点群データの第1点群分布情報及び前記第2点群データの第2点群分布情報を確定する。
【0070】
具体的には、前記第1点群データの第1点群分布情報を確定することは、
前記第1点群データの最小外接多角形を確定し、確定された最小外接多角形を前記第1点群データの第1点群分布情報とすることを含む。
【0071】
S230:前記第1点群データ又は前記第2点群データを移動することにより、前記第1点群分布情報及び前記第2点群分布情報に基づいて、前記第1点群データと前記第2点群データを位置合わせする。
【0072】
S240:位置合わせされたデータ点ペアにおける2つのデータ点の間の距離に基づいて前記障害物の移動速度を確定し、前記位置合わせされたデータ点ペアのうちの一方のデータ点は前記第1点群データに属し、他方のデータ点は前記第2点群データに属する。
【0073】
本出願の実施例は、前記第1点群分布情報及び前記第2点群分布情報に基づいて、前記第1点群データと前記第2点群データに対して位置合わせを行うことにより、データ点に基づいて位置合わせを直接行うことに比べ、本出願の実施例はデータ点ごとに対して位置合わせの計算を行う必要がないため、計算量が低減され、位置合わせ効率を向上させることができる。
【0074】
第3実施例
【0075】
図3は、本出願の第3実施例により提供される障害物速度確定方法のフローチャートである。本実施例は上記実施例に基づいて提出された選択可能なものである。図3を参照し、本出願の実施例により提供される障害物速度確定方法は、S310~S340を含む。
【0076】
S310:障害物の、第1時刻における第1点群データ及び第2時刻における第2点群データを取得する。
【0077】
S320:前記第1点群データの第1点群分布情報及び前記第2点群データの第2点群分布情報を確定する。
【0078】
ここで、前記第1点群データの第1点群分布情報を確定することは、
前記第1点群データの第1投影面を確定することと、
前記第1点群データを前記第1投影面における所定サイズのグリッド内に投影し、第1グリッド投影データを得ることと、
前記第1グリッド投影データに基づいて前記第1点群分布情報を確定することと、を含む。
【0079】
ここで、前記第1投影面は前記第1点群データを投影する平面である。
【0080】
具体的には、前記第1点群データの第1投影面を確定することは、
前記移動速度の少なくとも1つの方向に基づいて、少なくとも1つの投影方向を確定することと、
地面に垂直な方向と前記少なくとも1つの投影方向とをそれぞれ組み合わせることと、
組み合わせによる方向ペアに基づいて、少なくとも1つの前記第1投影面を作成することと、を含む。
【0081】
ここで、速度は、ある瞬間の時点における移動点の移動の速度および方向を表すベクトルであるため、移動速度は方向を有する。
【0082】
具体的には、前記移動速度の少なくとも一つの方向が予め設定されていてもよい。
【0083】
方向ペアには、地面に垂直な方向及び投影方向が含まれる。
【0084】
具体的には、前記少なくとも1つの投影方向は、障害物の向き及び障害物の垂直方向を含み、前記障害物の垂直方向は水平面において障害物の向きに垂直な方向である。
【0085】
本実施例は、第1点群分布情報を例として、点群分布情報確定方法の説明を行う。任意選択的に、上記確定ロジックは第2点群分布情報の確定にも適用できる。
【0086】
S330:前記第1点群データ又は前記第2点群データを移動することにより、前記第1点群分布情報及び前記第2点群分布情報に基づいて、前記第1点群データと前記第2点群データを位置合わせする。
【0087】
S340:位置合わせされたデータ点ペアにおける2つのデータ点の間の距離に基づいて前記障害物の移動速度を確定し、前記位置合わせされたデータ点ペアのうちの一方のデータ点は前記第1点群データに属し、他方のデータ点は前記第2点群データに属する。
【0088】
本出願の実施例は、前記第1点群データを前記第1投影面における所定サイズのグリッド内に投影することにより、グリッドの投影データに基づいて、第1点群分布情報を確定することにより、点群分布情報の確定が容易になり、第1点群分布情報の第1点群データに対する記述精度を向上させることができる。
【0089】
さらに、前記第1点群データを前記第1投影面における所定サイズのグリッド内に投影し、第1グリッド投影データを得ることは、
前記第1点群データを前記第1点群データの重心を原点とする三次元座標系に変換することであって、前記座標系の2つの座標軸からなる平面は前記第1投影面である、ことと、
前記座標系の原点を中心として、前記第1投影面を所定サイズのグリッドに分割することと、
変換後の第1点群データを分割されたグリッドに投影し、前記第1グリッド投影データを得ることと、を含む。
【0090】
該技術的特徴によると、本出願の実施例は前記第1点群データを前記第1点群データの重心を原点とする三次元座標系に変換し、前記座標系の原点を中心とし、前記第1投影面に対して所定サイズのグリッド分割を行い、変換後の第1点群データを分割されたグリッドに投影することにより、第1点群データの投影点がグリッドの中心を分布中心として分布することで、後続の位置合わせの計算が容易になる。
【0091】
さらに、前記第1グリッド投影データに基づいて前記第1点群分布情報を確定することは、
グリッド内に投影されたデータ点の個数が0より大きい場合、該グリッドと障害物境界との間の距離パラメータを0とすることと、
グリッド内に投影されたデータ点の個数が0以下である場合、行方向に沿って該グリッドに最も近く、且つ投影されたデータ点の個数が0より大きい目標グリッドを検索することと、
前記グリッドと前記目標グリッドとの間のグリッド数に基づいて、前記グリッドの前記距離パラメータを確定することと、
確定された前記距離パラメータを前記第1点群分布情報とすることと、を含む。
【0092】
該技術的特徴によると、本出願の実施例は、グリッド内に投影されたデータ点の個数に応じて、該グリッドと障害物境界との間の距離パラメータを確定することにより、第1点群分布情報の確定が実現される。
【0093】
第1点群データにおける全てのデータ点を前記グリッドに投影し、完全な点群分布情報を得るために、前記第1点群データを前記第1投影面における所定サイズのグリッド内に投影し、第1グリッド投影データを得ることは、
前記第1点群データのサイズ及び前記グリッドのサイズに基づいて、前記第1点群データの前記グリッドにおける表示割合を確定することと、
前記表示割合に基づいて、前記第1点群データを前記グリッドに投影し、前記第1グリッド投影データを得ることと、を含む。
【0094】
任意選択的に、前記点群分布情報は、グリッド内に投影されたデータ点の個数、グリッドと障害物境界との間の距離パラメータ、一列のグリッド内に投影されたデータ点の個数、及び前記障害物の行方向におけるグリッド長のうちの少なくとも一種を含む。
【0095】
具体的には、グリッド内に投影されたデータ点の個数は、各グリッドに関連付けられるデータ点の個数と理解されることもできる。
【0096】
グリッドと障害物境界との間の距離パラメータは、各グリッドとそのグリッドより距離が最も近い障害物境界との間の距離であると理解されることもできる。
【0097】
一列のグリッド内に投影されたデータ点の個数は、各列のグリッドに関連付けられるデータの個数と理解されることもできる。
【0098】
前記障害物の行方向におけるグリッド長は、障害物の所属する各行のグリッドのうち、長さが最も大きい行グリッドに含まれるグリッド数であると理解されることもできる。
【0099】
該技術的特徴によると、本出願の実施例は、グリッド内に投影されたデータ点の個数、グリッドと障害物境界との間の距離パラメータ、一列のグリッド内に投影されたデータ点の個数、及び前記障害物の行方向におけるグリッド長のうちの少なくとも1種に基づいて、点群の位置合わせを行い、それにより点群データの位置合わせ精度が向上する。
【0100】
第4実施例
【0101】
図4は、本出願の第4実施例により提供される障害物速度確定方法のフローチャートである。本実施例は上記実施例に基づいて提出された選択可能なものである。図4を参照し、本出願の実施例により提供される障害物速度確定方法は、(1)~(6)を含む。
【0102】
(1)障害物の時刻t0における第1点群データ及び時刻t1における第2点群データを取得する。該点群データの所属する座標系は世界座標系であり、第1点群データの重心を確定し、c0とし、第2点群データの重心を確定し、c1とする。
【0103】
(2)第1点群データをc0を原点とする第1座標系に変換し、第2点群データをc1を原点とする第2座標系に変換する。ここで、2つの座標系の第1座標軸の方向はいずれも該時刻における障害物の向きであり、第2座標軸の方向は障害物の垂直方向であり、第3座標軸の方向は地面に垂直な方向である。
【0104】
(3)第1座標系の第1平面と第2平面、及び第2座標系の第3平面と第4平面に対してそれぞれ所定サイズのグリッド分割を行う。前記第1平面は第1座標系の第1座標軸と第3座標軸からなる平面であり、前記第2平面は第1座標系の第2座標軸と第3座標軸からなる平面であり、前記第3平面は第2座標系の第1座標軸と第3座標軸からなる平面であり、前記第4平面は第2座標系の第2座標軸と第3座標軸からなる平面である。点群データのサイズとグリッドのサイズに基づいて、点群データのグリッドにおける表示割合を確定する。表示割合に基づいて、第1点群データをそれぞれ第1平面と第2平面のグリッドに投影し、第2点群データの分布を第3平面と第4平面のグリッドに投影し、且つ各平面における以下の3種の特徴を統計する。
【0105】
A、各グリッドに関連付けられるデータ点の個数を統計し、且つ各グリッドの距離パラメータを確定する。該距離パラメータの確定ロジックは、グリッドに関連付けられるデータ点の個数が0より大きければ、該パラメータ値を0とし、そうでなければ、それぞれ第1座標軸の正方向及び負方向に沿って現在グリッドに最も近く、且つ関連付けられるデータ点の個数が0より大きい目標グリッドを検索し、現在グリッドと目標グリッドとの間のグリッド数の二乗を現在グリッドの距離パラメータ値とする。
【0106】
B、各列グリッドに関連付けられるデータ点の個数を統計する。
【0107】
C、障害物の行方向におけるグリッド長。
【0108】
(4)第1平面におけるグリッド及び第3平面におけるグリッドに対して第1ストライドの移動を行う。上記3種の特徴に基づいて、移動後の第1平面のグリッドと第3平面のグリッド、及び第2平面のグリッドと第4平面のグリッドをマッチングする。マッチング度に基づいて、候補マッチング範囲を確定する。第2ストライドに基づいて、候補マッチング範囲内で細粒度変位(fine-grained displacement)及びマッチングを行い、ここで、第2ストライドは第1ストライドよりも小さい。
【0109】
上記3種の特徴に基づいて、移動距離がsである時のマッチング度は以下のように算出される。
【0110】
【数1】
【0111】
式中、prob[s]はマッチング度である。
【0112】
【数2】
【0113】
【数3】
【0114】
式中、nは移動距離である。
score_aはA特徴類似度スコアである。
【0115】
具体的には、
【0116】
【数4】
【0117】
式中、
【0118】
【数5】
【0119】
source.countは、t1時刻のグリッドと重なるt0時刻のグリッドに関連付けられるデータ点の個数を指し、target.distはt0時刻のグリッドと重なるt1時刻のグリッドの距離パラメータ値を指し、scale及びepsilonはパラメータである。
score_bは、B特徴類似度スコアであり、具体的には
【0120】
【数6】
【0121】
ここで、
【0122】
【数7】
【0123】
source.point_densityは、t1時刻の列グリッドと重なるt0時刻の列グリッドのデータ点の個数を指す。target.point_densityは、t0時刻の列グリッドと重なるt1時刻の列グリッドのデータ点の個数を指す。
Score_cは、C特徴類似度スコアであり、具体的には、t0時刻のグリッドとt1時刻のグリッドの、行方向に交差する長さが0より大きければ、
【0124】
【数8】
【0125】
そうでなければ
【0126】
【数9】
【0127】
ここで、
【0128】
【数10】
【0129】
source.lは、t1時刻の列グリッドと重なるt0時刻の障害物の行方向におけるグリッド長であり、target.lは、t1時刻の列グリッドと重なるt1時刻の障害物の行方向におけるグリッド長である。
【0130】
(5)細粒度マッチングによって得られたマッチング度に基づいて、毎回の細粒度変位が実際の変位に該当する確率を算出し、確率に基づいて変位期待値を算出し、且つ算出された変位期待値を最適推定変位のグリッド数とする。
【0131】
(6)第1平面及び第3平面に基づいて算出された、最適推定変位のグリッド数及び各グリッドペアの表示割合に基づいて、障害物の第1方向における相対移動速度を確定し、第2平面及び第4平面に基づいて算出された、最適推定変位のグリッド数及び各グリッドペアの表示割合に基づいて、障害物の第2方向における相対移動速度を確定し、確定された相対移動速度を世界座標系に変換し、障害物の実移動速度を得、得られた実移動速度を障害物の速度観測値とする。
【0132】
本出願の実施例は以下の技術的効果を実現することができる。
【0133】
点群を2つの二次元平面に投影してマッチングを行い、且つ粗密検索方法(coarse to fine search method)を用いることにより、正確性を保証する前提でマッチング効率を大幅に向上できる。
【0134】
二次元平面に投影された点群情報を用いて3種の特徴を算出し、これらの3種の特徴を用いてマッチングを行うことにより、マッチングの精度を比較的よく向上させることができる。
【0135】
重心及び向き情報を用いて点群をローカル座標系に変換して投影することで、計算が容易になる。
【0136】
マッチング度を用いて各変位が実際の変位である確率を計算して変位期待値及び平方偏差を求めることにより変位の確定精度を向上させることができる。
【0137】
第5実施例
【0138】
図5は、本出願の第5実施例により提供される障害物速度確定装置の構造概略図である。図5を参照し、本実施例に係る障害物速度確定装置500は、データ取得モジュール501、点群位置合わせモジュール502及び速度確定モジュール503を含む。
【0139】
データ取得モジュール501は、障害物の第1時刻における第1点群データ及び第2時刻における第2点群データを取得するように構成される。
【0140】
点群位置合わせモジュール502は、前記第1点群データ又は前記第2点群データを移動することにより、前記第1点群データと前記第2点群データを位置合わせするように構成される。
【0141】
速度確定モジュール503は、位置合わせされたデータ点ペアにおける2つのデータ点の間の距離に基づいて前記障害物の移動速度を確定するように構成され、前記位置合わせされたデータ点ペアのうちの一方のデータ点は前記第1点群データに属し、他方のデータ点は前記第2点群データに属する。
【0142】
本出願の実施例は、前記第1点群データ又は前記第2点群データを移動し、前記第1点群データと前記第2点群データに対して位置合わせを行うプロセスを追加することにより、点群データが不完全な場合でも、正確に位置合わせされたデータ点ペアを見つけることができ、それにより遮蔽問題が効果的に解消され、障害物速度確定の正確率を向上させることができる。
【0143】
さらに、前記点群位置合わせモジュールは、
前記第1点群データの第1点群分布情報及び前記第2点群データの第2点群分布情報を確定するための分布情報確定ユニットと、
前記第1点群分布情報及び前記第2点群分布情報に基づいて、前記第1点群データと前記第2点群データを位置合わせするための点群位置合わせユニットと、を含む。
【0144】
さらに、前記分布情報確定ユニットは、
前記第1点群データの第1投影面を確定することと、
前記第1点群データを前記第1投影面における所定サイズのグリッド内に投影し、第1グリッド投影データを得ることと、
前記第1グリッド投影データに基づいて前記第1点群分布情報を確定することと、を行うように構成される。
【0145】
さらに、前記第1点群データの第1投影面を確定することは、
前記移動速度の少なくとも1つの方向に基づいて、少なくとも1つの投影方向を確定することと、
地面に垂直な方向と前記少なくとも1つの投影方向とをそれぞれ組み合わせることと、
組み合わせによる方向ペアに基づいて、少なくとも1つの前記第1投影面を作成することと、を含む。
【0146】
さらに、前記第1点群データを前記第1投影面における所定サイズのグリッド内に投影し、第1グリッド投影データを得ることは、
前記第1点群データを前記第1点群データの重心を原点とする三次元座標系に変換することであって、前記座標系の2つの座標軸からなる平面は前記第1投影面である、ことと、
前記座標系の原点を中心として、前記第1投影面を所定サイズのグリッドに分割することと、
変換後の第1点群データを分割されたグリッドに投影し、前記第1グリッド投影データを得ることと、を含む。
【0147】
さらに、前記第1点群データを前記第1投影面における所定サイズのグリッド内に投影し、第1グリッド投影データを得ることは、
前記第1点群データのサイズ及び前記グリッドのサイズに基づいて、前記第1点群データの前記グリッドにおける表示割合を確定することと、
前記表示割合に基づいて、前記第1点群データを前記グリッドに投影し、前記第1グリッド投影データを得ることと、を含む。
【0148】
さらに、前記第1グリッド投影データに基づいて前記第1点群分布情報を確定することは、
グリッド内に投影されたデータ点の個数が0より大きい場合、該グリッドと障害物境界との間の距離パラメータを0とすることと、
グリッド内に投影されたデータ点の個数が0以下である場合、行方向に沿って該グリッドに最も近く且つ投影されたデータ点の個数が0より大きい目標グリッドを検索することと、
前記グリッドと前記目標グリッドとの間のグリッド数に基づいて、前記グリッドの前記距離パラメータを確定することと、
確定された前記距離パラメータを前記第1点群分布情報とすることと、を含む。
【0149】
さらに、前記点群分布情報は、グリッド内に投影されたデータ点の個数、グリッドと障害物境界との間の距離パラメータ、一列のグリッド内に投影されたデータ点の個数、及び前記障害物の行方向におけるグリッド長のうちの少なくとも一種を含む。
【0150】
さらに、前記点群位置合わせモジュールは、
前記障害物の向きに基づいて、前記第1点群データ又は前記第2点群データを移動するための点群移動ユニットと、
前記第1点群分布情報及び前記第2点群分布情報に基づいて、移動後の前記第1点群データと前記第2点群データとの間のマッチング度を算出するためのマッチング度計算ユニットと、
算出されたマッチング度に基づいて、前記第1点群データと前記第2点群データの位置合わせ位置を確定するための位置合わせ位置確定ユニットと、を含む。
【0151】
さらに、前記位置合わせ位置確定ユニットは、
少なくとも2回移動した後に算出されたマッチング度を正規化し、毎回の移動が実際の変位に該当する確率を得ることと、
前記確率に基づいて変位期待値を算出し、算出された変位期待値を最適移動距離とすることと、
前記最適移動距離だけ移動した位置を前記位置合わせ位置とすることとを行うように構成される。
【0152】
さらに、前記速度確定モジュールは、
位置合わせされたデータ点ペアにおける2つのデータ点の間の距離に基づいて、前記障害物の、前記第1時刻と前記第2時刻との間にわたる目標移動距離を確定するための距離確定ユニットと、
前記目標移動距離に基づいて、前記障害物の移動速度を確定するための速度確定ユニットと、を含む。
【0153】
第6実施例
【0154】
本出願の実施例によれば、本出願はさらに電子機器及び読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0155】
図6に示すように、本出願の実施例に係る障害物速度確定方法を実現するための電子機器のブロック図である。電子機器は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、作業台、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレード型サーバ、大型コンピュータおよびその他の適切なコンピュータ等の様々な形態のデジタルコンピュータを表す。また、電子機器は、個人デジタル処理、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブル機器およびその他の類似するコンピューティングデバイス等の様々な形態のモバイルデバイスを表すことができる。なお、ここで示したコンポーネント、それらの接続関係、およびそれらの機能はあくまでも一例であり、ここで説明および/または要求した本出願の実現を限定することを意図するものではない。
【0156】
図6に示すように、該電子機器は、1つ又は複数のプロセッサ601、メモリ602、及び各コンポーネントを接続するためのインタフェース(高速インタフェース及び低速インタフェースを含む)を含む。各コンポーネントは、互いに異なるバスで接続されており、共通のマザーボード上に実装されていてもよいし、必要に応じて他の方式で実装されていてもよい。プロセッサは電子機器内で実行される指令を処理することができ、インターフェースに結合された表示装置等の外部入出力装置に、グラフィカルユーザインタフェース(GUI,Graphical User Interface)のグラフィック情報を表示するために指令をメモリ内またはメモリ上に格納することを含む。他の実施形態では、必要に応じて、複数のプロセッサおよび/または複数のバスおよび複数のメモリを、複数のメモリとともに使用することができる。また、複数の電子機器が接続されていてもよく、各機器は、例えば、サーバアレイ、ブレードサーバ群またはマルチプロセッサシステムなど、一部の必要な動作を提供する。図6では、1つのプロセッサ601を例としている。
【0157】
メモリ602は、本出願が提供する非一時的コンピュータ可読記憶媒体である。ここで、前記メモリは、少なくとも1つのプロセッサが実行可能な指令を格納しており、それにより前記少なくとも1つのプロセッサに本出願が提供する障害物速度確定方法を実行させる。本出願の非一時的コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータ指令を格納し、該コンピュータ指令はコンピュータに本出願が提供する障害物速度確定方法を実行させるために用いられる。
【0158】
メモリ602は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体として、非一時的ソフトウェアプログラム、非一時的コンピュータ実行可能なプログラム及びモジュールを格納することに用いることができ、例えば本出願の実施例における障害物速度確定方法に対応するプログラム指令/モジュール(例えば、図5に示すデータ取得モジュール501、点群位置合わせモジュール502及び速度確定モジュール503)。プロセッサ601は、メモリ602に格納された非一時的ソフトウェアプログラム、指令及びモジュールを実行することにより、サーバの各種機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、すなわち上記方法の実施例における障害物速度確定方法を実現する。
【0159】
メモリ602は、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションを記憶できるプログラム記憶領域、及び障害物速度確定に応じて端末装置の使用に作成されるデータ等を記憶できるデータ記憶領域を備える。また、メモリ602は高速ランダムアクセスメモリを含むことができ、また非一時的メモリ(例えば、少なくとも1つの磁気ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス又はその他の非一時的ソリッドステート記憶装置)を含むことができる。いくつかの実施例において、メモリ602はオプションとして、プロセッサ601に対して遠隔に配置されたメモリを含むことができ、これらのリモートメモリは、ネットワークを介して障害物速度確定のための電子機器に接続することができる。上記ネットワークとしては、例えば、インターネット、企業イントラネット、ブロックチェーンネットワーク、ローカルエリアネットワーク、移動体通信網及びこれらの組み合わせなどが挙げられるが、それらに限定されない。
【0160】
障害物速度確定方法の電子機器はさらに、入力装置603及び出力装置604を含む。プロセッサ601、メモリ602、入力装置603及び出力装置604は、バス又はその他の方式で接続されていてもよく、図6ではバスで接続されている例を示している。
【0161】
例えばタッチパネル、キーパッド、マウス、トラックパッド、タッチパッド、ポインティングデバイス、1つまたは複数のマウスボタン、トラックボール、ジョイスティック等の入力装置603は、入力された数字や文字情報を受信でき、障害物速度確定のための電子機器のユーザ設定及び機能制御に関するキー信号入力を生成することができる。出力装置604は表示装置、補助照明装置(例えば、LED)及び触覚フィードバック装置(例えば、振動モータ)等を含むことができる。該表示装置は、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ及びプラズマディスプレイを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、表示装置はタッチパネルであってもよい。
【0162】
ここで説明するシステム及び技術の様々な実施形態はデジタル電子回路システム、集積回路システム、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit,ASIC)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせにおいて実現することができる。これらの様々な実施形態は、1つ又は複数のコンピュータプログラムに実装され、該1つ又は複数のコンピュータプログラムは少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステムにおいて実行及び/又は解釈することができ、該プログラマブルプロセッサは専用又は汎用プログラマブルプロセッサであってもよく、記憶システム、少なくとも1つの入力装置及び少なくとも1つの出力装置からデータ及び指令を受信することができ、且つデータ及び指令を該記憶システム、該少なくとも1つの入力装置及び該少なくとも1つの出力装置に伝送することを含み得る。
【0163】
これらのコンピュータプログラムは、プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション又はコードとも呼ばれ、プログラマブルプロセッサの機械命令を含み、且つ高度プロセス及び/又はオブジェクト指向のプログラミング言語、及び/又はアセンブリ言語/機械語を利用して実現することができる。ここで、「機械可読媒体」及び「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに供給するための任意のコンピュータプログラム製品、装置、及び/又はデバイス(たとえば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLD))を意味し、機械可読信号である機械命令を受信する機械可読媒体を含む。「機械可読信号」という用語は、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに供給するための任意の信号を意味する。
【0164】
ユーザとのインタラクションを提供するために、ここで説明するシステムと技術は、ユーザに情報を表示するための表示装置(例えば、陰極線管(Cathode Ray Tube,CRT)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、キーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウスまたはトラックボール)とを備えるコンピュータ上で実現することができ、ユーザが該キーボード及び該ポインティングデバイスを介してコンピュータに入力を提供できる。他の種類の装置は、さらにユーザとのインタラクションを提供することに用いることができる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックであるいかなる形態のセンシングフィードバックであってもよく、且つ音入力、音声入力又は、触覚入力を含むいかなる形態でユーザからの入力を受信してもよい。
【0165】
ここで説明したシステム及び技術は、バックグラウンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、データサーバ)に実施されてもよく、又はミドルウェアコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、アプリケーションサーバ)に実施されてもよく、又はフロントエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、グラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを有するユーザコンピュータ)に実施されてもよく、ユーザは該グラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを介してここで説明したシステム及び技術の実施形態とインタラクションしてもよく、又はこのようなバックグラウンドコンポーネント、ミドルウェアコンポーネント又はフロントエンドコンポーネントのいずれかの組み合わせを含むコンピューティングシステムに実施されてもよい。また、システムの各構成要素間は、通信ネットワーク等の任意の形態または媒体を介してデジタルデータ通信により接続されていてもよい。通信ネットワークとしては、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット、ブロックチェーンネットワーク等が挙げられる。
【0166】
コンピュータシステムは、クライアントとサーバとを含んでもよい。クライアントとサーバは、通常、互いに離れており、通信ネットワークを介してインタラクションを行う。クライアントとサーバとの関係は、互いにクライアント-サーバの関係を有するコンピュータプログラムをそれぞれのコンピュータ上で動作することによって生成される。
【0167】
なお、上述した様々な形態のフローを用いて、ステップを改めて並び替え、追加または削除を行うことができる。例えば、本出願に記載された各ステップは、本出願に開示された技術案の所望の結果が達成できる限り、並行して実行されてもよいし、順番に実行されてもよいし、異なる順序で実行されてもよい。本明細書はここで制限しない。
【0168】
上記具体的な実施形態は、本出願の保護範囲を限定するものではない。設計要件および他の要因に従って、様々な修正、組み合わせ、再組合、および置換を行うことができることを当業者は理解すべきである。本出願の精神および原理内で行われたあらゆる補正、同等置換および改善などは、いずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6