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特許7194234表示処理装置、表示処理方法、および表示処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】表示処理装置、表示処理方法、および表示処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 11/20 20060101AFI20221214BHJP
【FI】
G06T11/20 600
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021101906
(22)【出願日】2021-06-18
【審査請求日】2022-04-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 ナレ
(72)【発明者】
【氏名】駒宮 大己
(72)【発明者】
【氏名】劉 静瑛
(72)【発明者】
【氏名】上杉 堅生
【審査官】村松 貴士
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-108757(JP,A)
【文献】特開2017-211381(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正負の値を各々とり得る複数種別の特徴度の最小値と最大値とを特定する範囲特定部と、
前記範囲特定部によって特定された前記種別毎の前記特徴度における最小値から最大値までの範囲で前記複数種別の前記特徴度を示すレーダチャート上における前記種別毎の前記特徴度のゼロ位置を特定するゼロ位置特定部と、
前記ゼロ位置特定部によって特定された前記種別毎の前記ゼロ位置が前記レーダチャート上で明示された状態の前記レーダチャートを表示部に表示させる表示処理部と、を備える
ことを特徴とする表示処理装置。
【請求項2】
正負の値を各々とり得る複数種別の特徴度を示すレーダチャートであって前記種別毎の前記特徴度における最小値から最大値までの範囲で前記種別毎の前記特徴度を示すレーダチャート上における前記種別毎の前記特徴度のゼロ位置を特定するゼロ位置特定部と、
前記ゼロ位置特定部によって特定された前記種別毎の前記ゼロ位置が前記レーダチャート上で明示された状態の前記レーダチャートを表示部に表示させる表示処理部と、を備え、
前記表示処理部は、
時間の経過に伴う前記範囲の変化によって変化する前記ゼロ位置が時系列順に切り替わる前記レーダチャートを前記表示部に表示させる
ことを特徴とする表示処理装置。
【請求項3】
前記表示処理部は、
前記種別毎の前記ゼロ位置を結んだ線が前記レーダチャート上に配置された状態の前記レーダチャートを前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の表示処理装置。
【請求項4】
前記表示処理部は、
中心からの前記特徴度の前記ゼロ位置が前記複数種別間で共通のレーダチャート上で前記種別毎の前記ゼロ位置が明示された状態の前記レーダチャートを前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の表示処理装置。
【請求項5】
前記表示処理部は、
中心からの前記特徴度の前記ゼロ位置が前記複数種別間で共通のレーダチャートと、前記種別毎の前記特徴度における最小値から最大値までの範囲で前記種別毎の前記特徴度を示すレーダチャートとを選択的に前記種別毎の前記ゼロ位置が明示された前記レーダチャートとして前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の表示処理装置。
【請求項6】
前記特徴度の種別の選択を受け付ける受付部と、
前記受付部によって選択が受け付けられた種別の特徴度を示す情報を含む特徴度情報を取得する情報取得部と、を備え、
前記レーダチャートは、
前記情報取得部で取得された前記特徴度情報に基づいて生成される
ことを特徴とする請求項1~のいずれか一つに記載の表示処理装置。
【請求項7】
前記表示処理部は、
複数のターゲットの各々における前記複数種別の前記特徴度を示すレーダチャートを前記種別毎の前記ゼロ位置が明示された状態で前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1~のいずれか一つに記載の表示処理装置。
【請求項8】
前記複数のターゲットの各々における前記複数種別の前記特徴度は、
前記複数のターゲットのうち対応するターゲットに含まれる複数のターゲット要素における前記複数種別の前記特徴度の平均値である
ことを特徴とする請求項に記載の表示処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する表示処理方法であって、
正負の値を各々とり得る複数種別の特徴度の最小値と最大値とを特定する範囲特定工程と、
前記範囲特定工程によって特定された前記種別毎の前記特徴度における最小値から最大値までの範囲で前記複数種別の前記特徴度を示すレーダチャート上における前記種別毎の前記特徴度のゼロ位置を特定するゼロ位置特定工程と、
前記ゼロ位置特定工程によって特定された前記種別毎の前記ゼロ位置が前記レーダチャート上で明示された状態の前記レーダチャートを表示部に表示させる表示処理工程と、を含む
ことを特徴とする表示処理方法。
【請求項10】
コンピュータが実行する表示処理方法であって、
正負の値を各々とり得る複数種別の特徴度を示すレーダチャートであって前記種別毎の前記特徴度における最小値から最大値までの範囲で前記種別毎の前記特徴度を示すレーダチャート上における前記種別毎の前記特徴度のゼロ位置を特定するゼロ位置特定工程と、
前記ゼロ位置特定工程によって特定された前記種別毎の前記ゼロ位置が前記レーダチャート上で明示された状態の前記レーダチャートを表示部に表示させる表示処理工程と、を含み、
前記表示処理工程は、
時間の経過に伴う前記範囲の変化によって変化する前記ゼロ位置が時系列順に切り替わる前記レーダチャートを前記表示部に表示させる
ことを特徴とする表示処理方法。
【請求項11】
正負の値を各々とり得る複数種別の特徴度の最小値と最大値とを特定する範囲特定手順と、
前記範囲特定手順によって特定された前記種別毎の前記特徴度における最小値から最大値までの範囲で前記複数種別の前記特徴度を示すレーダチャート上における前記種別毎の前記特徴度のゼロ位置を特定するゼロ位置特定手順と、
前記ゼロ位置特定手順によって特定された前記種別毎の前記ゼロ位置が前記レーダチャート上で明示された状態の前記レーダチャートを表示部に表示させる表示処理手順と、をコンピュータに実行させる
ことを特徴とする表示処理プログラム。
【請求項12】
正負の値を各々とり得る複数種別の特徴度を示すレーダチャートであって前記種別毎の前記特徴度における最小値から最大値までの範囲で前記種別毎の前記特徴度を示すレーダチャート上における前記種別毎の前記特徴度のゼロ位置を特定するゼロ位置特定手順と、
前記ゼロ位置特定手順によって特定された前記種別毎の前記ゼロ位置が前記レーダチャート上で明示された状態の前記レーダチャートを表示部に表示させる表示処理手順と、をコンピュータに実行させ、
前記表示処理手順は、
時間の経過に伴う前記範囲の変化によって変化する前記ゼロ位置が時系列順に切り替わる前記レーダチャートを前記表示部に表示させる
ことを特徴とする表示処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示処理装置、表示処理方法、および表示処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数種別の項目が複数の軸に割り当てられたレーダチャートを表示する技術が知られている。例えば、特許文献1には、工業プロセスにおける複数の状態量の状態変化(例えば、圧力、温度、流量など)の各々を対応する軸に割り当てたレーダチャートにおいて、各軸の中点に基準となるステータスを表示することで、複数の状態量の変化を容易に把握可能とする技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-250695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術は、状態量が一定となる状態量の値を軸の中点としてステータスを表示する技術であり、ターゲットにおける複数種別の特徴度を示すレーダチャートを表示する技術ではない。複数種別の特徴度をレーダチャートで表示する場合においては、各特徴度が正負の値をとり得る場合があり、このような場合において、各種別の特徴度が正の値なのか負の値なのかを把握することが難しい場合がある。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、各種別の特徴度が正の値なのか負の値なのかを容易に把握することができるレーダチャートを表示部に表示する表示処理装置、表示処理方法、および表示処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る表示処理装置は、ゼロ位置特定部と、表示処理部とを備える。ゼロ位置特定部は、正負の値を各々とり得る複数種別の特徴度を示すレーダチャート上における種別毎の特徴度のゼロ位置を特定する。表示処理部は、ゼロ位置特定部によって特定された種別毎のゼロ位置がレーダチャート上で明示された状態のレーダチャートを表示部に表示させる。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、各種別の特徴度が正の値なのか負の値なのかを容易に把握することができるレーダチャートを表示部に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る表示処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る表示処理装置の構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る表示処理装置の種別情報記憶部に記憶される種別情報の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る表示処理装置の特徴度情報記憶部に記憶されるターゲット情報の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る表示処理装置の特徴度情報記憶部に記憶されたパーソン情報の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る表示処理装置によって表示部に表示されるレーダチャートを含む表示画面の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る表示処理装置によって表示部に表示されるレーダチャートを含む表示画面の他の例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る表示処理装置によって表示部に表示されるレーダチャートを含む表示画面のさらに他の例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る表示処理装置による表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10図10は、実施形態に係る表示処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る表示処理装置、表示処理方法、および表示処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る表示処理装置、表示処理方法、および表示処理プログラムが限定されるものではない。
【0010】
[1.表示処理方法]
図1は、実施形態に係る表示処理の一例を示す図であり、本実施形態においては表示処理装置1により表示処理方法が実行される。
【0011】
図1に示すように、表示処理装置1は、表示部11と、処理部13と、特徴度情報記憶部21とを備える。特徴度情報記憶部21は、特徴度情報を記憶している。特徴度情報には、例えば、ターゲットにおける複数種別の特徴度を示す情報が含まれる。ターゲットは、特定の属性を有するパーソン群であり、例えば、30代、男性、および既婚の属性を有するパーソンのグループ、または40代~50代の経営者であるパーソンのグループなどである。なお、パーソンは、例えば、各種のウェブサービスを利用するユーザであるが、かかる例に限定されない。
【0012】
複数種別の特徴度は、例えば、複数種別の角度からターゲットの特徴を示す情報である。複数種別の角度からターゲットの特徴を示す情報は、例えば、複数種別の分野に対するターゲットの興味関心の度合いを示す情報、複数種別の分野に対するターゲットの行動時間の割合を示す情報、または複数種別の分野に対するターゲットの能力の度合いを示す情報などである。なお、ターゲットの要素であるターゲット要素は、パーソンに限定されず、人間以外の動物、会社、建造物、製品、工場、または地域などであってもよい。
【0013】
表示処理装置1の処理部13は、特徴度情報記憶部21に記憶されている特徴度情報に基づいて、ターゲットにおける複数種別の特徴度を示すレーダチャート50を表示部11に表示させる。図1に示す例では、レーダチャート50は、ターゲットXにおける複数種別の特徴度として、ターゲットXにおける複数の種別A,B,C,D,E,F,G,H,I,Jの特徴度が多角形により示されている。
【0014】
これら複数種別の特徴度の各々は、正負の値をとり得る特徴度である。この場合、従来のレーダチャートでは各種別の特徴度が正の値なのか負の値なのかを把握することが難しい。そこで、実施形態に係るレーダチャート50では、レーダチャート50上の種別毎の特徴度のゼロ位置が明示される。これにより、ターゲットにおける各種別の特徴度が正の値なのか負の値なのかを容易に把握することができる。
【0015】
また、図1に示すレーダチャート50では、隣り合う特徴度同士が直線で結ばれて構成される多角形と同様に、隣り合う種別同士のゼロ位置を結ぶ多角形が示されている。これにより、レーダチャート50において複数種別の特徴度が正の値なのか負の値なのかをさらに把握し易くすることができる。
【0016】
ここで、表示処理装置1によるレーダチャート50の表示処理について説明する。表示処理装置1の処理部13は、特徴度情報記憶部21から特徴度情報を取得し、取得した特徴度情報に基づいて、複数種別の特徴度を示すレーダチャート50を生成する(ステップS10)。
【0017】
また、処理部13は、ステップS10で生成されるレーダチャート50上における種別毎の特徴度のゼロ位置を特定する(ステップS11)。そして、処理部13は、ステップS11で特定された種別毎のゼロ位置がレーダチャート50上で明示された状態のレーダチャート50を表示部11に表示させる(ステップS12)。
【0018】
図1に示すレーダチャート50は、種別毎の特徴度における最小値から最大値までの範囲で種別毎の特徴度を示すレーダチャートである。図1に示すレーダチャート50では、中心を共通とし大きさが異なる7つの正10角形が示されており、7つの正10角形に共通の中心から最も大きな正10角形の各角を結ぶ不図示の軸(以下、仮想軸と記載する場合がある)で、各種別の特徴度における最小値から最大値までの範囲が示される。
【0019】
処理部13は、例えば、種別毎に設けられた仮想軸上に種別毎の特徴度の値をプロットし、隣接する仮想軸上の特徴度の値同士を直線で結ぶことで、特徴度図形を生成する。図1に示す例では、種別が10個であることから、仮想軸は、10本である。かかる10本の仮想軸は、レーダチャート50の中心から互いに異なる方向に放射状に延在し且つ互いに同一の長さである。処理部13は、10個の特徴度の各々を不図示の10本の仮想軸のうち対応する仮想軸にプロットする。
【0020】
処理部13は、例えば、種別毎の特徴度における最小値と最大値とから種別毎のゼロ位置を特定する。そして、処理部13は、例えば、仮想軸上に種別毎のゼロ位置をプロットし、隣接する仮想軸上のゼロ位置同士を直線で結ぶことで、レーダチャート50上にゼロ位置図形を配置する。
【0021】
そして、処理部13は、種別毎のゼロ位置が明示された状態のレーダチャート50を表示部11に表示させる。なお、レーダチャート50は、種別毎のゼロ位置が明示された状態で表示部11に表示されればよく、図1に示す例に限定されない。例えば、処理部13は、レーダチャート50において、上述したゼロ位置図形に代えて、不図示の軸上に種別毎のゼロ位置を示す図形をレーダチャート50に配置することもできる。ゼロ位置を示す図形は、例えば、太い直線、丸点、または多角形の点などである。
【0022】
このように、表示処理装置1は、種別毎のゼロ位置が明示された状態のレーダチャート50を表示部11に表示させることができることから、各種別の特徴度が正の値なのか負の値なのかを容易に把握することができる。以下、表示処理装置1が行う表示処理について具体的に説明する。
【0023】
[2.表示処理装置1]
図2は、実施形態に係る表示処理装置の構成例を示す図である。図2に示すように、実施形態に係る表示処理装置1は、操作部10と、表示部11と、記憶部12と、処理部13とを備える。
【0024】
[2.1.操作部10]
操作部10は、例えば、文字、数字、およびスペースを入力するためのキー、エンターキーおよび矢印キーなどを含むキーボード、マウス、および電源ボタンなどを含む。なお、表示処理装置1は、操作部10を有しない構成であってもよい。この場合、表示処理装置1には、外付けの操作部10が接続される。
【0025】
[2.2.表示部11]
表示部11は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro Luminescence)などのディスプレイである。なお、表示処理装置1は、表示部11を有しない構成であってもよい。この場合、表示処理装置1には、外付けの表示部11が接続される。
【0026】
[2.3.記憶部12]
記憶部12は、種別情報記憶部20と、特徴度情報記憶部21と、時系列情報記憶部22とを備える。種別情報記憶部20は、複数種別の情報を記憶する。図3は、実施形態に係る表示処理装置の種別情報記憶部に記憶される種別情報の一例を示す図である。
【0027】
図3に示すように、「種別ID(Identifier)」と「種別名」とが互いに関連付けられた情報である。「種別ID」は、種別を識別するための情報である。「種別名」は、種別の名称を示す情報である。
【0028】
図3に示す例では、種別ID「K1」の種別名は、「ニュース/情報メディア」であり、種別ID「K2」の種別名は、「メディア/エンターテイメント」であり、種別ID「K3」の種別名は、「ゲーム」である。また、種別ID「K4」の種別名は、「旅行/出張」であり、種別ID「K5」の種別名は、「美容/健康」であり、種別ID「K6」の種別名は、「ショッピング」である。
【0029】
図2に示す特徴度情報記憶部21は、ターゲットの特徴度情報であるターゲット情報と、パーソンの特徴度情報であるパーソン情報とを記憶する。ターゲットは、特定の属性を有するパーソン群である。ターゲット情報は、例えば、ターゲットにおける複数種別の特徴度を示す情報が含まれ、パーソン情報は、例えば、パーソンにおける複数種別の特徴度を示す情報が含まれる。パーソンは、ターゲット要素の一例である。
【0030】
図4は、実施形態に係る表示処理装置の特徴度情報記憶部に記憶されるターゲット情報の一例を示す図である。図4に示すように、ターゲット情報は、「ターゲットID」と「特徴度」とが互いに関連付けられた情報である。「ターゲットID」は、ターゲットを識別するための情報である。「特徴度」は、種別毎の特徴度を示す情報を含む。
【0031】
図4に示すターゲットID「T1」のターゲットでは、種別ID「K1」の種別の特徴度が「9.9」であり、種別ID「K2」の種別の特徴度が「5.9」であり、種別ID「K3」の種別の特徴度が「-1.2」であり、種別ID「K4」の種別の特徴度が「4.8」であり、種別ID「K5」の種別の特徴度が「2.9」である。
【0032】
また、ターゲットID「T2」のターゲットでは、種別ID「K1」の種別の特徴度が「9.8」であり、種別ID「K2」の種別の特徴度が「8.1」であり、種別ID「K3」の種別の特徴度が「3.4」であり、種別ID「K4」の種別の特徴度が「-1.3」であり、種別ID「K5」の種別の特徴度が「-0.6」である。
【0033】
また、ターゲットID「T3」のターゲットでは、種別ID「K1」の種別の特徴度が「5.2」であり、種別ID「K2」の種別の特徴度が「2.9」であり、種別ID「K3」の種別の特徴度が「1.9」であり、種別ID「K4」の種別の特徴度が「0.2」であり、種別ID「K5」の種別の特徴度が「2.2」である。
【0034】
図5は、実施形態に係る表示処理装置の特徴度情報記憶部に記憶されたパーソン情報の一例を示す図である。図5に示すように、パーソン情報は、「パーソンID」と、「ターゲットID」と、「属性」と、「特徴度」とが互いに関連付けられた情報である。
【0035】
「パーソンID」は、パーソンを識別するための情報である。「ターゲットID」は、図4に示す「ターゲットID」と同じであり、パーソンが属するターゲットのターゲットIDである。
【0036】
「属性」は、パーソンの属性を示す情報である。パーソンの属性は、例えば、人口統計学的なパーソンの属性であるデモグラフィック属性を含む。なお、パーソンの属性は、パーソンの価値観、ライフスタイル、性格、嗜好などを示す属性であるサイコグラフィック属性を含んでいてもよい。「特徴度」は、パーソンの種別毎の特徴度を示す情報である。
【0037】
図5に示す例では、パーソンID「P1」のパーソンは、ターゲットID「T1」のターゲットの属性に属し、性別が「男性」であり、年齢が「45」才であり、種別ID「K1」の種別の特徴度が「9.8」であり、種別ID「K2」の種別の特徴度が「6.2」であり、種別ID「K3」の種別の特徴度が「1.2」である。
【0038】
また、パーソンID「P2」のパーソンは、ターゲットID「T3」のターゲットの属性に属し、性別が「女性」であり、年齢が「28」才であり、種別ID「K1」の種別の特徴度が「10」であり、種別ID「K2」の種別の特徴度が「5.4」であり、種別ID「K3」の種別の特徴度が「0.8」である。
【0039】
図2に示す時系列情報記憶部22は、時系列情報を記憶する。時系列情報は、ターゲットの種別毎の特徴度を示す情報と、パーソンの種別毎の特徴度を示す情報と、種別毎のゼロ位置を示す情報と、日時を示す情報とが互いに関連付けられた情報である。時系列情報のうちターゲットの種別毎の特徴度を示す情報と種別毎のゼロ位置を示す情報とは例えば処理部13によって生成され、その他の情報は例えば外部装置から不図示の通信部を介して処理部13によって取得される。
【0040】
[2.4.処理部13]
図2に示すように、処理部13は、受付部30と、情報取得部31と、特徴度算出部32と、範囲特定部33と、レーダチャート生成部34と、ゼロ位置特定部35と、表示処理部36とを備える。
【0041】
[2.4.1.受付部30]
受付部30は、表示処理装置1のユーザの操作部10への操作によるユーザの要求を受け付ける。例えば、受付部30は、レーダチャート表示要求、ターゲット追加要求、ターゲット変更要求、表示切替要求、または時系列表示要求などの各種の要求を受け付ける。
【0042】
レーダチャート表示要求は、レーダチャート50を表示部11に表示させるための要求であり、レーダチャート50に表示させる特徴度として指定された特徴度の種別を示す情報とレーダチャート50に表示させるターゲットとして指定されたターゲットを特定する情報とが含まれる。
【0043】
ターゲット追加要求は、表示部11に表示されているレーダチャート50に別のターゲットの種別毎の特徴度を追加するための要求であり、レーダチャート50に追加で特徴度を表示するターゲットとして指定されたターゲットを特定する情報を含む。
【0044】
ターゲット変更要求は、表示部11に表示されているレーダチャート50に種別毎の特徴度が表示されるターゲットを変更するための要求であり、レーダチャート50に種別毎の特徴度が表示される変更後のターゲットとして指定されたターゲットを特定する情報を含む。
【0045】
表示切替要求は、表示モードを第1モードと第2モードとの間で切り替えるための要求である。第1モードは、特徴度のゼロ位置が複数種別間で共通のレーダチャート50を表示するモードであり、第2モードは、種別毎の特徴度における最小値から最大値までの範囲で種別毎の特徴度を示すレーダチャート50を表示するモードである。以下において、特徴度における最小値から最大値までの範囲を特徴度範囲と記載する場合がある。
【0046】
時系列表示要求は、時間の経過に伴う特徴度範囲の変化によって変化するゼロ位置を時系列順に切り替えて表示部11に表示させるための要求である。時系列表示要求には、レーダチャート50に表示させる特徴度として指定された特徴度の種別を示す情報とレーダチャート50に表示させるターゲットとして指定されたターゲットを特定する情報とが含まれる。また、時系列表示要求には、レーダチャート50に表示させる特徴度の期間として指定された期間を示す情報も含まれる。
【0047】
以下において、レーダチャート表示要求、ターゲット追加要求、またはターゲット変更要求で指定されるターゲットを指定ターゲットと記載し、レーダチャート表示要求、ターゲット追加要求、またはターゲット変更要求で指定される種別を指定種別と記載する場合がある。
【0048】
[2.4.2.情報取得部31]
情報取得部31は、ターゲットにおける複数種別の特徴度を示す情報およびパーソンにおける複数種別の特徴度を示す情報を特徴度情報記憶部21から取得する。例えば、受付部30によって、レーダチャート表示要求、ターゲット追加要求、ターゲット変更要求、または時系列表示要求が受け付けられたとする。
【0049】
この場合、情報取得部31は、指定ターゲットにおける各指定種別の特徴度を示す情報を特徴度情報記憶部21から取得する。また、情報取得部31は、指定ターゲットに属するパーソンにおける各指定種別の特徴度を示す情報を特徴度情報記憶部21から取得する。また、情報取得部31は、各指定種別の名称を示す情報を種別情報記憶部20から取得する。指定ターゲットは、上述したように、要求で指定されるターゲットであり、指定種別は、要求で指定される種別である。
【0050】
[2.4.3.特徴度算出部32]
特徴度算出部32は、情報取得部31によって取得されたパーソンにおける指定種別毎の特徴度を示す情報に基づいて、指定ターゲットの指定種別毎の特徴度を算出する。指定ターゲットの指定種別毎の特徴度は、指定ターゲットに属する複数のパーソンにおける指定種別毎の特徴度の平均値である。
【0051】
特徴度算出部32は、例えば、指定ターゲットがターゲットID「T1」のターゲットである場合、ターゲットID「T1」が関連付けられた複数のパーソンの種別毎の特徴度のうち指定種別毎の特徴度をパーソン情報から抽出する。そして、特徴度算出部32は、抽出した指定種別毎の特徴度の平均値を指定ターゲットの指定種別毎の特徴度として算出する。
【0052】
特徴度算出部32は、算出した指定ターゲットの指定種別毎の特徴度を示す特徴度情報をターゲット情報に追加したり、算出した指定ターゲットの指定種別毎の特徴度を示す特徴度情報でターゲット情報を更新したりする。
【0053】
特徴度算出部32は、例えば、受付部30によってレーダチャート表示要求またはターゲット追加要求が受け付けられた場合に、表示対象となる指定ターゲットの指定種別毎の特徴度を算出する。なお、特徴度算出部32は、予め設定された周期で、各ターゲットの種別毎の特徴度を算出することもできる。
【0054】
[2.4.4.範囲特定部33]
範囲特定部33は、情報取得部31によって取得されたパーソンにおける指定種別毎の特徴度を示す情報に基づいて、表示対象となる指定ターゲットの指定種別毎の特徴度の最小値と最大値とを判定し、指定種別毎に特徴度の最小値から最大値までの範囲である特徴度範囲を特定する。
【0055】
範囲特定部33は、表示対象となる指定ターゲットが複数である場合、複数の指定ターゲットの特徴度の最小値と最大値とを指定種別毎に判定することで、指定種別毎の特徴度範囲を特定する。換言すれば、範囲特定部33は、複数の指定ターゲットに属する複数のパーソンの特徴度のうち最も大きい特徴度と最も小さい特徴度を指定種別毎に特定することで、指定種別毎の特徴度範囲を特定する。
【0056】
[2.4.5.レーダチャート生成部34]
レーダチャート生成部34は、情報取得部31によって取得された指定ターゲットにおける指定種別毎の特徴度を示す情報と、範囲特定部33によって特定された指定種別毎の特徴度範囲とに基づいて、レーダチャート50を生成する。
【0057】
レーダチャート生成部34は、表示モードが第1モードである場合、特徴度のゼロ位置が複数の指定種別間で共通するレーダチャート50を生成する。例えば、レーダチャート生成部34は、最大値が正の値であり、最小値が負の値である場合、各指定種別における最大値の絶対値に対する最小値の絶対値の比率である正負比率を算出し、複数の指定種別における正負比率の平均値を平均正負比率として算出する。
【0058】
レーダチャート生成部34は、各仮想軸の正の範囲に対する負の範囲の比率が平均正負比率となるように、レーダチャート50の各仮想軸を設定する。これにより、特徴度のゼロ位置が複数の指定種別間で共通する仮想軸が設定される。
【0059】
レーダチャート生成部34は、各指定種別について、特徴度の最大値および最小値が仮想軸から外れないように仮想軸の目盛りを設定する。例えば、レーダチャート生成部34は、特徴度の最大値を仮想軸の先端位置にした場合に、特徴度の最小値が仮想軸から外れなければ、特徴度の最大値を仮想軸の先端位置にすることができる。また、例えば、レーダチャート生成部34は、特徴度の最小値を仮想軸の基端位置にした場合に、特徴度の最大値が仮想軸から外れなければ、特徴度の最小値を仮想軸の基端位置にすることができる。仮想軸の基端位置は、レーダチャート50の中心位置であり、仮想軸の先端位置は、レーダチャート50の中心位置から最も遠い位置である。
【0060】
レーダチャート生成部34は、上述のように正負の範囲を設定した各仮想軸上に指定ターゲットにおける指定種別毎の特徴度をプロットし、隣り合う特徴度同士を直線で結ぶことで生成された特徴度図形を含むレーダチャート50を生成する。レーダチャート50には、中心を共通とし大きさが異なる複数の多角形または複数の円で示される目盛り図形が配置される。これにより、表示処理装置1のユーザは、プロットされた特徴度の仮想軸上のおおよその位置を容易に把握することができる。
【0061】
上述した例では、レーダチャート生成部34は、各仮想軸の正の範囲に対する負の範囲の比率が平均正負比率となるように、レーダチャート50の各仮想軸を設定するが、各仮想軸の設定はかかる例に限定されない。
【0062】
例えば、レーダチャート生成部34は、各仮想軸の正の範囲に対する負の範囲の比率が最小の正負比率または最大の正負比率となるように、レーダチャート50の各仮想軸を設定することもできる。また、仮想軸上の範囲および目盛りは、正負比率に関わらず、固定であってもよい。
【0063】
レーダチャート生成部34は、表示モードが第2モードである場合、指定種別毎の特徴度における最小値から最大値までの範囲で指定種別毎の特徴度を示すレーダチャート50を生成する。換言すれば、レーダチャート生成部34は、各指定種別の特徴度範囲を対応する仮想軸上の範囲と一致させた複数の仮想軸上で指定種別毎の特徴度を示すレーダチャート50を生成する。
【0064】
表示モードが第2モードである場合に生成されるレーダチャート50では、各特徴度の最小値がレーダチャート50の中心に位置する仮想軸の基端位置に設定され、各特徴度の最大値が仮想軸の先端位置に設定される。
【0065】
[2.4.6.ゼロ位置特定部35]
ゼロ位置特定部35は、レーダチャート50上における指定種別毎の特徴度のゼロ位置を特定する。ゼロ位置特定部35は、例えば、レーダチャート生成部34から通知される複数の仮想軸の情報に基づいて、指定種別毎の特徴度のゼロ位置を特定することもできる。
【0066】
例えば、ゼロ位置特定部35は、仮想軸の正の範囲に対する負の範囲の比率がレーダチャート生成部34から通知される場合、各仮想軸の正の範囲に対する負の範囲の比率に基づいて、指定種別毎の特徴度のゼロ位置を特定することができる。
【0067】
また、ゼロ位置特定部35は、複数の仮想軸の目盛りの情報がレーダチャート生成部34から通知される場合、複数の仮想軸の目盛りがゼロである位置に基づいて、指定種別毎の特徴度のゼロ位置を特定することができる。
【0068】
ゼロ位置特定部35は、範囲特定部33によって特定された指定種別毎の特徴度範囲と、表示モードとに基づいて、指定種別毎の特徴度のゼロ位置を特定することもできる。例えば、ゼロ位置特定部35は、表示モードが第1モードである場合、レーダチャート生成部34と同様に、平均正負比率を算出し、平均正負比率から指定種別毎の特徴度のゼロ位置を特定することができる。
【0069】
また、ゼロ位置特定部35は、表示モードが第2モードである場合、レーダチャート生成部34と同様に、指定種別毎の正負比率を算出し、指定種別毎の正負比率から指定種別毎の特徴度のゼロ位置を特定することができる。ゼロ位置特定部35は、指定種別毎の特徴度範囲と表示モードとに基づいて指定種別毎の特徴度のゼロ位置を特定する場合、レーダチャート生成部34の一部として機能してもよい。
【0070】
なお、ゼロ位置特定部35は、表示モードが第1モードである場合、ゼロ位置図形が後述する目盛り図形を構成する複数の多角形と同じ大きさになる位置になるようにレーダチャート50を生成することもできる。
【0071】
[2.4.7.表示処理部36]
表示処理部36は、レーダチャート生成部34によって生成されたレーダチャート50上にゼロ位置特定部35によって特定された指定種別毎のゼロ位置が明示された状態のレーダチャート50を表示部11に表示させる。
【0072】
表示モードが第1モードである場合に生成されたレーダチャート50上で明示される種別毎のゼロ位置は、指定種別に対応する仮想軸の基端位置または先端位置からの距離が同じである。表示モードが第1モードである場合に生成されたレーダチャート50には、中心を共通とし大きさが異なる複数の多角形または複数の円で示される目盛り図形が含まれており、隣接する指定種別のゼロ位置同士を直線または曲線で結んで構成されるゼロ位置図形は、目盛り図形と同じ多角形または円で示される。
【0073】
表示モードが第2モードである場合に生成されたレーダチャート50上で明示される指定種別毎のゼロ位置は、指定種別毎の特徴度範囲に応じた位置になる。レーダチャート50では、目盛り図形に加えて、隣接する指定種別のゼロ位置同士を直線または曲線で結んで構成されるゼロ位置図形が明示される。
【0074】
表示処理部36は、例えば、受付部30によってレーダチャート表示要求が受け付けられた場合に、レーダチャート生成部34によりレーダチャート50上にゼロ位置特定部35によって特定された指定種別毎のゼロ位置が明示された状態のレーダチャート50を表示部11に表示させる。
【0075】
図6は、実施形態に係る表示処理装置によって表示部に表示されるレーダチャートを含む表示画面の一例を示す図である。図6に示す表示画面60には、レーダチャート50と、表示切替ボタン61と、ターゲット選択ボタン62と、時系列表示ボタン63とが含まれる。図6に示すレーダチャート50は、表示モードが第2モードである場合に表示部11に表示されるレーダチャート50である。
【0076】
レーダチャート50は、目盛り図形51と、特徴度図形52と、ゼロ位置図形53とを含む。目盛り図形51は、中心を共通とし大きさが異なる複数の多角形を含み、これら複数の多角形は、共通の中心から等間隔で配列される。図6に示すレーダチャート50は、10種類の特徴度を示すため、目盛り図形51を構成する各多角形は、正10角形である。なお、目盛り図形51は、中心を共通とし大きさが異なる複数の円、すなわち同心円であってもよい。
【0077】
図6に示すレーダチャート50で示される特徴度の種別は、「ニュース/情報メディア」、「メディア/エンターテイメント」、「ゲーム」、「旅行/出張」、「美容/健康」、「ショッピング」、「グルメ/料理」、「投資」、「銀行/金融」、および「ライフ/趣味」である。
【0078】
特徴度図形52は、指定ターゲットにおける指定種別毎の特徴度の値を目盛り図形51において指定種別毎に設けられた仮想軸上にプロットし、隣接する仮想軸上の特徴度の値同士を線で結ぶことで生成される。
【0079】
ゼロ位置図形53は、レーダチャート50における指定種別毎の特徴度のゼロ位置を目盛り図形51において指定種別毎に設けられた仮想軸上にプロットし、隣接する仮想軸上のゼロ位置同士を線で結ぶことで生成される。
【0080】
表示切替ボタン61は、表示モードの切り替えを行うためのボタンである。表示処理装置1のユーザによる操作部10への操作によって表示切替ボタン61が押下されることで、受付部30によって表示切替要求が受け付けられる。
【0081】
図7は、実施形態に係る表示処理装置によって表示部に表示されるレーダチャートを含む表示画面の他の例を示す図である。図7に示すレーダチャート50は、表示モードが第1モードである場合に表示部11に表示されるレーダチャート50であり、例えば、図6に示す表示画面60における表示切替ボタン61が押下された場合に表示される。
【0082】
図7に示すレーダチャート50におけるゼロ位置図形53は、特徴度のゼロ位置が複数種別間で共通であるため、目盛り図形51に含まれる多角形と同じ形状の多角形である。なお、目盛り図形51に含まれる図形が円である場合、ゼロ位置図形53は、円であってもよい。なお、図7に示す表示画面60における表示切替ボタン61が押下された場合、図6に示す表示画面60に戻る。このように、図7に示すレーダチャート50と図6に示すレーダチャート50とは表示部11に選択的に表示される。
【0083】
ターゲット選択ボタン62は、指定ターゲットを選択するためのボタンである。表示処理装置1のユーザによる操作部10への操作によってターゲット選択ボタン62が押下され、その後に表示画面60に表示されるターゲット一覧からユーザによる操作部10への操作によって1以上のターゲットが選択されることで、受付部30によってターゲット追加要求またはターゲット変更要求が受け付けられる。
【0084】
図8は、実施形態に係る表示処理装置によって表示部に表示されるレーダチャートを含む表示画面のさらに他の例を示す図である。図8に示すレーダチャート50は、表示モードが第2モードである場合に表示部11に表示されるレーダチャート50であり、例えば、図6に示す表示画面60におけるターゲット選択ボタン62などが操作された場合に表示される。
【0085】
図8に示すレーダチャート50では、2つの指定ターゲットにおける特徴度図形52,52Aが含まれる。図8に示す特徴度図形52は、図6に示す特徴度図形52と同じである。図8に示すレーダチャート50では、図6に示すレーダチャート50から、別の指定ターゲットの特徴度図形52Aが追加されている。
【0086】
なお、レーダチャート50に表示できる特徴度図形の数は、2つに限定されず、3つ以上であってもよい。このように、表示処理装置1では、複数の指定ターゲットにおける特徴度図形52,52Aを表示することができ、これにより、表示処理装置1のユーザは、複数の指定ターゲット間の特徴の相違を容易に把握することができる。
【0087】
図6図8に示す時系列表示ボタン63は、時間の経過に伴う特徴度範囲の変化によって変化する種別毎のゼロ位置および特徴度を時系列順に切り替えて表示部11に表示させるためのボタンである。表示処理装置1のユーザによる操作部10への操作によって時系列表示ボタン63が押下されることにより、受付部30によって時系列表示要求が受け付けられる。
【0088】
表示処理部36は、受付部30によって時系列表示要求が受け付けられた場合に、時系列情報記憶部22から時系列情報を取得し、取得した時系列情報に基づいて、時間の経過に伴う特徴度範囲の変化によって変化する種別毎のゼロ位置および特徴度が時系列順に切り替わるレーダチャート50を表示部11に表示させる。
【0089】
例えば、処理部13は、1ヶ月周期で各ターゲットの種別毎の特徴度とゼロ位置とが時系列情報記憶部22の時系列情報に追加される場合、レーダチャート50において、指定種別毎の1ヶ月間隔の特徴度とゼロ位置とを時系列順に切り替えて表示する。これにより、表示処理装置1のユーザは、種別毎の特徴度とゼロ位置との変化を容易に把握することができる。
【0090】
[3.表示処理装置1の処理フロー]
次に、実施形態に係る表示処理装置1による表示処理の手順について説明する。図9は、実施形態に係る表示処理装置による表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0091】
図9に示すように、表示処理装置1の処理部13は、レーダチャート表示要求を受け付ける(ステップS20)。そして、処理部13は、レーダチャート表示要求に含まれる指定ターゲットの情報および指定種別の情報に基づいて、指定ターゲットにおける指定種別毎の特徴度の情報を含む特徴度情報を特徴度情報記憶部21から取得する(ステップS21)。
【0092】
次に、処理部13は、ステップS21で取得した特徴度情報に基づいて、各指定種別の特徴度の範囲である特徴度範囲を特定する(ステップS22)。そして、処理部13は、ステップS21で取得した特徴度情報と、ステップS22で特定した指定種別毎の特徴度範囲とに基づいて、レーダチャート50を生成する(ステップS23)。また、処理部13は、レーダチャート50上における指定種別毎の特徴度のゼロ位置を特定する(ステップS24)。
【0093】
次に、処理部13は、レーダチャート50上における指定種別毎の特徴度のゼロ位置を明示した状態のレーダチャート50を含む表示画面60を表示部11に表示させる(ステップS25)。
【0094】
次に、処理部13は、表示切替要求があるか否かを判定する(ステップS26)。処理部13は、表示切替要求があると判定した場合(ステップS26:Yes)、表示部11に表示されている表示画面60のレーダチャート50を切り替える(ステップS27)。ステップS27において、表示部11に表示されている表示画面60のレーダチャート50が例えば図6に示すレーダチャート50である場合に表示切替要求があると判定した場合、図7に示すレーダチャート50を表示部11に表示させる。
【0095】
処理部13は、ステップS27の処理が終了した場合、または表示切替要求がないと判定した場合(ステップS26:No)、ターゲット追加要求があるか否かを判定する(ステップS28)。処理部13は、ターゲット追加要求があると判定した場合(ステップS28:Yes)、レーダチャート50にターゲットの情報を追加する(ステップS29)。ステップS29でレーダチャート50に追加されるターゲットの情報は、表示切替要求で指定される指定ターゲットにおける指定種別毎の特徴度の情報である。
【0096】
処理部13は、ステップS29の処理が終了した場合、またはターゲット追加要求がないと判定した場合(ステップS28:No)、時系列表示要求があるか否かを判定する(ステップS30)。処理部13は、時系列表示要求があると判定した場合(ステップS30:Yes)、時系列情報記憶部22に記憶された時系列情報に基づいて、時系列表示処理を行う(ステップS31)。処理部13は、時系列表示処理において、時間の経過に伴う特徴度範囲の変化によって変化する指定種別毎のゼロ位置および特徴度が時系列順に切り替わるレーダチャート50を表示部11に表示させる。
【0097】
処理部13は、ステップS31の処理が終了した場合、または時系列表示要求がないと判定した場合(ステップS30:No)、動作終了タイミングになったか否かを判定する(ステップS32)。処理部13は、例えば、表示処理装置1の電源がオフにされた場合、または操作部10への操作によってレーダチャート50の表示処理を終了するための操作が行われたと判定した場合に、動作終了タイミングになったと判定する。
【0098】
処理部13は、動作終了タイミングになっていないと判定した場合(ステップS32:No)、処理をステップS26へ移行し、動作終了タイミングになったと判定した場合(ステップS32:Yes)、図9に示す処理を終了する。
【0099】
[4.その他]
上述した例では、レーダチャート50において、特徴度の値がプロットされる種別毎の軸を仮想軸としたが、処理部13は、特徴度の値がプロットされる種別毎の軸を明示したレーダチャート50を生成することもできる。
【0100】
また、表示処理装置1は、サーバ装置で構成されてもよく、クライアント装置で構成されてもよく、サーバ装置とクライアント装置とで構成されてもよい。
【0101】
また、処理部13は、時系列表示処理が終了した後、時系列情報に含まれるゼロ位置の指定種別毎の最大値と最小値とを明示した状態のレーダチャート50を表示部11に表示させることもできる。この場合、隣接する指定種別同士の最大値を直線または曲線で結んだ図形と隣接する指定種別同士の最小値を直線または曲線で結んだ図形とを明示した状態のレーダチャート50を表示部11に表示させることができる。
【0102】
また、処理部13は、ゼロ位置図形53が中心に対して凹部が形成されないように、レーダチャート50における指定種別の配置を変更することができる。例えば、処理部13は、複数の指定種別のうちゼロ位置が最小の指定種別と最大の指定種別とをレーダチャート50で対向する位置に配置し、ゼロ位置が最大の指定種別からゼロ位置が最小の指定種別に向けてゼロ位置が順番に小さくなるように指定種別を配置する。レーダチャート50で対向する位置とは、例えば、図1における種別Aの位置と種別Fの位置である。
【0103】
[5.ハードウェア構成]
なお、実施形態における表示処理装置1は、例えば図10に示すような構成のコンピュータ80によって実現される。図10は、実施形態に係る表示処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ80は、CPU(Central Processing Unit)81、RAM(Random Access Memory)82、ROM(Read Only Memory)83、HDD(Hard Disk Drive)84、通信インターフェイス(I/F)85、入出力インターフェイス(I/F)86、およびメディアインターフェイス(I/F)87を備える。
【0104】
CPU81は、ROM83またはHDD84に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM83は、コンピュータ80の起動時にCPU81によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ80のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0105】
HDD84は、CPU81によって実行されるプログラムおよび当該プログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス85は、通信ネットワークを介して他の機器からデータを受信してCPU81へ送り、CPU81が生成したデータを、通信ネットワークを介して他の機器へ送信する。
【0106】
CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU81は、生成したデータを、入出力インターフェイス86を介して出力装置へ出力する。
【0107】
メディアインターフェイス87は、記録媒体88に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM82を介してCPU81に提供する。CPU81は、当該プログラムを、メディアインターフェイス87を介して記録媒体88からRAM82上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体88は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0108】
コンピュータ80が表示処理装置1として機能する場合、コンピュータ80のCPU81は、RAM82上にロードされたプログラムを実行することにより、処理部13の機能を実現する。また、HDD84は、記憶部12の機能を実現する。コンピュータ80のCPU81は、これらのプログラムを、記録媒体88から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信ネットワークを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0109】
[6.効果]
実施形態に係る表示処理装置1は、ゼロ位置特定部35と、表示処理部36とを備える。ゼロ位置特定部35は、正負の値を各々とり得る複数種別の特徴度を示すレーダチャート50上における種別毎の特徴度のゼロ位置を特定する。表示処理部36は、ゼロ位置特定部35によって特定された種別毎のゼロ位置がレーダチャート50上で明示された状態のレーダチャート50を表示部11に表示させる。これにより、表示処理装置1は、各種別の特徴度が正の値なのか負の値なのかをユーザに容易に把握させることができるレーダチャート50を表示部11に表示することができる。
【0110】
また、表示処理部36は、種別毎のゼロ位置を結んだ線がレーダチャート50上に配置された状態のレーダチャート50を表示部11に表示させる。これにより、表示処理装置1は、各種別の特徴度が正の値なのか負の値なのかをより容易にユーザに把握させることができるレーダチャート50を表示部11に表示することができる。
【0111】
また、表示処理部36は、中心からの特徴度のゼロ位置が複数種別間で共通のレーダチャート50上で種別毎のゼロ位置が明示された状態のレーダチャート50を表示部11に表示させる。これにより、表示処理装置1は、各種別の特徴度が正の値なのか負の値なのかをより容易にユーザに把握させることができるレーダチャート50を表示部11に表示することができる。
【0112】
また、表示処理部36は、種別毎の特徴度における最小値から最大値までの範囲で種別毎の特徴度を示すレーダチャート50で種別毎のゼロ位置が明示された状態のレーダチャート50を表示部11に表示させる。これにより、表示処理装置1は、各種別の特徴度が正の値なのか負の値なのかをより容易にユーザに把握させることができるレーダチャート50を表示部11に表示することができる。
【0113】
また、表示処理部36は、中心からの特徴度のゼロ位置が複数種別間で共通のレーダチャート50と、種別毎の特徴度における最小値から最大値までの範囲である特徴度範囲で種別毎の特徴度を示すレーダチャート50とを選択的に種別毎のゼロ位置が明示されたレーダチャート50として表示部11に表示させる。これにより、表示処理装置1は、ゼロ位置の設定方法が異なるレーダチャート50であっても、各種別の特徴度が正の値なのか負の値なのかをより容易にユーザに把握させることができるレーダチャート50を表示部11に表示することができる。
【0114】
また、表示処理部36は、時間の経過に伴う特徴度範囲の変化によって変化するゼロ位置が時系列順に切り替わるレーダチャート50を表示部11に表示させる。これにより、表示処理装置1は、ゼロ位置の変化をユーザに容易に把握させることができる。
【0115】
また、表示処理装置1は、特徴度の種別の選択を受け付ける受付部30と、受付部30によって選択が受け付けられた種別の特徴度を示す情報を含む特徴度情報を取得する情報取得部31とを備える。レーダチャート50は、情報取得部31で取得された特徴度情報に基づいて生成される。これにより、表示処理装置1は、ユーザの所望する種別の特徴度を表示したレーダチャート50を表示部11に表示させることができる。
【0116】
また、表示処理部36は、複数のターゲットの各々における複数種別の特徴度を示すレーダチャート50を種別毎のゼロ位置が明示された状態で表示部11に表示させる。これにより、表示処理装置1は、複数の指定ターゲット間の特徴の相違をユーザに容易に把握させることができる。
【0117】
また、複数のターゲットの各々における複数種別の特徴度は、複数のターゲットのうち対応するターゲットに含まれる複数のターゲット要素における複数種別の特徴度の平均値である。これにより、表示処理装置1は、各ターゲットにおける複数種別の特徴度を適切に表示することができる。
【0118】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者には明らかである。また、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0119】
1 表示処理装置
10 操作部
11 表示部
12 記憶部
13 処理部
20 種別情報記憶部
21 特徴度情報記憶部
22 時系列情報記憶部
30 受付部
31 情報取得部
32 特徴度算出部
33 範囲特定部
34 レーダチャート生成部
35 ゼロ位置特定部
36 表示処理部
50 レーダチャート
51 目盛り図形
52,52A 特徴度図形
53 ゼロ位置図形
60 表示画面
61 表示切替ボタン
62 ターゲット選択ボタン
63 時系列表示ボタン
【要約】
【課題】各種別の特徴度が正の値なのか負の値なのかを容易に把握することができるレーダチャートを表示部に表示する表示処理装置、表示処理方法、および表示処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本願に係る表示処理装置は、ゼロ位置特定部と、表示処理部とを備える。ゼロ位置特定部は、正負の値を各々とり得る複数種別の特徴度を示すレーダチャート上における種別毎の特徴度のゼロ位置を特定する。表示処理部は、ゼロ位置特定部によって特定された種別毎のゼロ位置がレーダチャート上で明示された状態のレーダチャートを表示部に表示させる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10