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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】インプリント装置および物品製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20221214BHJP
   B29C 59/02 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
H01L21/30 502D
B29C59/02 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021121937
(22)【出願日】2021-07-26
(62)【分割の表示】P 2017125586の分割
【原出願日】2017-06-27
(65)【公開番号】P2021176200
(43)【公開日】2021-11-04
【審査請求日】2021-08-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 亮
【審査官】今井 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-061029(JP,A)
【文献】特開2013-008815(JP,A)
【文献】特開2010-239118(JP,A)
【文献】特開2008-071839(JP,A)
【文献】特開2016-021544(JP,A)
【文献】特開2012-060074(JP,A)
【文献】特開2013-051359(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027、21/30
B29C 59/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モールドを使って基板の複数のショット領域にパターンを形成するインプリント装置であって、
前記基板を駆動する基板駆動機構と、
前記基板の前記複数のショット領域の各々に対して、前記基板駆動機構によって前記基板が駆動された状態で、インプリント材の配置パターンを規定する複数の制御情報のうちインプリント材を配置するべきショット領域に対して割り当てられた制御情報に従ってインプリント材を配置するディスペンサと、
前記ディスペンサによって前記基板に配置されたインプリント材とモールドとが接触した状態でインプリント材を硬化させる硬化部と、
前記複数のショット領域のうちグループを構成する少なくとも2つのショット領域に対してインプリント材が前記ディスペンサによって連続的に配置された後に前記硬化部によって連続的に硬化される処理が、グループごとに行われるように、前記基板駆動機構、前記ディスペンサおよび前記硬化部を制御する制御部と、を備え、
前記複数のショット領域は、複数の種類のショット領域を含み、
前記制御部は、互いに異なる種類のショット領域である第1ショット領域および第2ショット領域を1つのグループに含める場合には、前記グループに含まれない第3ショット領域が前記第1ショット領域と前記第2ショット領域とによって挟まれるように前記第1ショット領域および前記第2ショット領域を決定する、
ことを特徴とするインプリント装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記複数の制御情報のうち前記ディスペンサを制御するために次に使用するべき制御情報をロードするメモリを含み、前記メモリにロードされた制御情報に従って前記ディスペンサを制御し、
各グループを構成する少なくとも2つのショット領域のそれぞれに対するインプリント材の配置は、前記基板駆動機構によって前記基板を連続的に駆動しながら行われ、
前記制御部は、前記第1ショット領域に対するインプリト材の配置が終了した後、前記第3ショット領域が前記ディスペンサの前を通過している間に、前記第2ショット領域に割り当てられた制御情報を前記メモリにロードする、
ことを特徴とする請求項に記載のインプリント装置。
【請求項3】
前記複数の種類のショット領域は、形状が前記基板のエッジによって規定される複数の種類の第1種ショット領域と、前記複数の種類の第1種ショット領域が配置された領域に隣接する複数の第2種ショット領域と、前記複数の第2種ショット領域が配置された領域の内側に配置された複数の第3種ショット領域とを含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のインプリント装置。
【請求項4】
前記第1ショット領域は、前記第1種ショット領域であり、前記第2ショット領域は、前記第3種ショット領域であり、前記第3ショット領域は前記第2種ショット領域である、
ことを特徴とする請求項に記載のインプリント装置。
【請求項5】
請求項1乃至のうちいずれか1項に記載のインプリント装置を用いて基板の上にパターンを形成する工程と、
前記工程において前記パターンが形成された基板の処理を行う工程と、
を含み、前記処理が行われた基板から物品を製造することを特徴とする物品製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプリント装置および物品製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インプリント装置は、基板の上に配置されたインプリント材にモールドを接触させた状態でインプリント材を硬化させることによって基板の上にインプリント材の硬化物からなるパターンを形成する。基板の上にパターンを形成する手順としては、インプリント装置において、基板の1つのショット領域に対してディスペンサによってインプリント材を配置し、そのインプリント材にモールドを接触させ硬化させる処理をショット領域ごとに行うという手順がある。あるいは、インプリント装置において、基板の少なくとも2つのショット領域に対してディスペンサによって連続的にインプリント材を配置し、その後、各ショット領域のインプリント材にモールドを接触させ硬化させるという手順もある。あるいは、インプリント装置の外部に配置されたディスペンサによって基板の複数のショット領域にインプリト材を配置し、その後、インプリント装置において、各ショット領域のインプリント材にモールドを接触させ硬化させるという手順もある。
【0003】
特許文献1には、基板を移動させながら基板のn個のショット領域に対して連続的にインプリント材を塗布し、その後、各ショット領域のインプリント材にモールドのパターンを転写する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-61029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既に各ショット領域にパターンが形成された基板の上にパターンを形成する場合、各ショット領域が配置誤差を有しうることを考慮する必要がある。配置誤差は、X軸方向、Y軸方向またはZ軸周りの回転の誤差を含みうる。基板をX方向に連続的に移動させながらディスペンサによって少なくとも2つのショット領域に対して連続的にインプリント材を配置する場合を考える。この場合、ショット領域間のスクライブラインがディスペンサの下を通過する間に、次のショット領域の配置誤差に応じて基板ステージの位置又は姿勢を補正す必要がある。よって、連続的にインプリント材を配置するべきショット領域のそれぞれの配置誤差の間の差が許容よりも大きいと、この補正が不十分になり、インプリント材が目標位置からずれた位置に配置されうる。これにより、形成されるパターンに欠陥が生じうる。
【0006】
本発明は、上記の課題認識を契機としてなされたものであり、少なくとも2つのショット領域に対してインプリント材を連続的に配置するために有利な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの側面は、モールドを使って基板の複数のショット領域にパターンを形成するインプリント装置に係り、前記インプリント装置は、前記基板を駆動する基板駆動機構と、前記基板の前記複数のショット領域の各々に対して、前記基板駆動機構によって前記基板が駆動された状態で、インプリント材の配置パターンを規定する複数の制御情報のうちインプリント材を配置するべきショット領域に対して割り当てられた制御情報に従ってインプリント材を配置するディスペンサと、前記ディスペンサによって前記基板に配置されたインプリント材とモールドとが接触した状態でインプリント材を硬化させる硬化部と、前記複数のショット領域のうちグループを構成する少なくとも2つのショット領域に対してインプリント材が前記ディスペンサによって連続的に配置された後に前記硬化部によって連続的に硬化される処理が、グループごとに行われるように、前記基板駆動機構、前記ディスペンサおよび前記硬化部を制御する制御部と、を備え、前記複数のショット領域は、複数の種類のショット領域を含み、前記制御部は、互いに異なる種類のショット領域である第1ショット領域および第2ショット領域を1つのグループに含める場合には、前記グループに含まれない第3ショット領域が前記第1ショット領域と前記第2ショット領域とによって挟まれるように前記第1ショット領域および前記第2ショット領域を決定する
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、少なくとも2つのショット領域に対してインプリント材を連続的に配置するために有利な技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1および第2実施形態のインプリント装置の構成を例示する図。
図2】インプリント装置の動作例を説明するための図。
図3】インプリント装置の動作例を説明するための図。
図4】基板の複数のショット領域のそれぞれの配置誤差としての回転誤差に基づいて配置順序(およびグループ)を決定する動作を説明するための図。
図5】基板の複数のショット領域のそれぞれの配置誤差としての位置誤差に基づいて配置順序(およびグループ)を決定する動作を説明するための図。
図6】本発明の第2実施形態を説明するための図。
図7】物品製造方法を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本発明をその例示的な実施形態を通して説明する。
【0011】
図1には、本発明の第1実施形態のインプリント装置IMPの構成が示されている。インプリント装置IMPは、モールドMを使って基板Sの複数のショット領域にパターンを形成するように構成されうる。より具体的には、インプリント装置IMPは、基板Sのショット領域にインプリント材IMを配置し、インプリント材IMにモールドMを接触させ、その状態でインプリント材IMを硬化させるように構成されうる。この動作によって、インプリント材IMの硬化物からなるパターンを基板Sの上に形成される。
【0012】
インプリント材としては、硬化用のエネルギーが与えられることにより硬化する硬化性組成物(未硬化状態の樹脂と呼ぶこともある)が用いられる。硬化用のエネルギーとしては、電磁波、熱等が用いられうる。電磁波は、例えば、その波長が10nm以上1mm以下の範囲から選択される光、例えば、赤外線、可視光線、紫外線などでありうる。硬化性組成物は、光の照射により、あるいは、加熱により硬化する組成物でありうる。これらのうち、光の照射により硬化する光硬化性組成物は、少なくとも重合性化合物と光重合開始剤とを含有し、必要に応じて非重合性化合物または溶剤を更に含有してもよい。非重合性化合物は、増感剤、水素供与体、内添型離型剤、界面活性剤、酸化防止剤、ポリマー成分などの群から選択される少なくとも一種である。インプリント材は、液滴状、或いは複数の液滴が繋がってできた島状又は膜状となって基板上に配置されうる。インプリント材の粘度(25℃における粘度)は、例えば、1mPa・s以上100mPa・s以下でありうる。基板の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、金属、半導体、樹脂等が用いられうる。必要に応じて、基板の表面に、基板とは別の材料からなる部材が設けられてもよい。基板は、例えば、シリコンウエハ、化合物半導体ウエハ、石英ガラスである。
【0013】
本明細書および添付図面では、基板Sの表面に平行な方向をXY平面とするXYZ座標系において方向を示す。XYZ座標系におけるX軸、Y軸、Z軸にそれぞれ平行な方向をX方向、Y方向、Z方向とし、X軸周りの回転、Y軸周りの回転、Z軸周りの回転をそれぞれθX、θY、θZとする。X軸、Y軸、Z軸に関する制御または駆動は、それぞれX軸に平行な方向、Y軸に平行な方向、Z軸に平行な方向に関する制御または駆動を意味する。また、θX軸、θY軸、θZ軸に関する制御または駆動は、それぞれX軸に平行な軸の周りの回転、Y軸に平行な軸の周りの回転、Z軸に平行な軸の周りの回転に関する制御または駆動を意味する。また、位置は、X軸、Y軸、Z軸の座標に基づいて特定されうる情報であり、姿勢は、θX軸、θY軸、θZ軸の値で特定されうる情報である。位置決めは、位置および/または姿勢を制御することを意味する。位置合わせは、基板およびモールドの少なくとも一方の位置および/または姿勢の制御を含みうる。
【0014】
インプリント装置IMPは、基板Sを保持し駆動する基板駆動機構SDM、モールドMを保持し駆動するモールド駆動機構MDMを備えうる。また、インプリト装置IMPは、基板Sのパターン形成対象のショット領域の上のインプリト材を硬化させる硬化部CUを備えうる。また、インプリント装置IMPは、基板Sの少なくとも2つのショット領域に対して連続的にインプリント材を配置するディスペンサDSP、および、基板Sの複数のショット領域の配置誤差を計測する計測器MAを備えうる。また、インプリント装置IMPは、基板駆動機構SDM、モールド駆動機構MDM、硬化部CU、ディスペンサDSPおよび計測器MAを制御する制御部CNTを備えうる。
【0015】
基板駆動機構SDMおよびモールド駆動機構MDMは、基板SとモールドMとの相対位置が調整されるように基板SおよびモールドMの少なくとも一方を駆動する駆動機構を構成する。該駆動機構による相対位置の調整は、基板Sの上のインプリント材に対するモールドMの接触、および、インプリント材の硬化物からなるパターンからのモールドMの分離のための駆動を含む。基板駆動機構SDMは、基板Sを複数の軸(例えば、X軸、Y軸、θZ軸の3軸、好ましくは、X軸、Y軸、Z軸、θX軸、θY軸、θZ軸の6軸)について駆動するように構成されうる。モールド駆動機構MDMは、モールドMを複数の軸(例えば、Z軸、θX軸、θY軸の3軸、好ましくは、X軸、Y軸、Z軸、θX軸、θY軸、θZ軸の6軸)について駆動するように構成されうる。基板駆動機構SDMは、基板Sを保持する基板保持部SHと、基板保持部SHを駆動することによって基板Sを駆動するアクチュエータ(例えば、リニアモータ、電磁アクチュエータ)とを含みうる。
【0016】
硬化部CUは、基板Sのショット領域の上のインプリント材IMとモールドMのパターン領域PRとが接触し、パターン領域PRの凹部にインプリント材IMが充填された状態で、該ショット領域の上のインプリント材IMに硬化用のエネルギーを照射する。これにより、該ショット領域の上には、インプリント材IMの硬化物からなるパターンが形成される。
【0017】
ディスペンサDSPは、基板Sのショット領域にインプリント材IMを配置する。より具体的には、ディスペンサDSPは、制御部CNTによる制御の下で、基板駆動機構SDMによって基板Sが走査軸(X軸)に平行な方向に駆動された状態で、制御情報に従ってインプリント材IMを吐出する。これによって、基板Sのショット領域にインプリント材IMを配置する。制御情報は、ショット領域に対するインプリント材IMの配置パターンを規定する情報(例えば、ショット領域における相対的な位置を示す座標情報)でありる。制御情報は、例えば、ドロップレシピなどと呼ばれうる。計測器MAは、基板Sの複数のショット領域の配置誤差を計測する。該配置誤差は、X軸に関する配置誤差(ΔX;位置誤差)、Y軸に関する配置誤差(ΔY;位置誤差)、θZ軸に関する配置誤差(ΔθZ;回転誤差)を含みうる。計測器MAは、例えば、基板Sの複数のショット領域にそれぞれ設けられたマークの位置を検出することによって基板Sの複数のショット領域の配置誤差を計測しうる。
【0018】
制御部CNTは、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Arrayの略。)などのPLD(Programmable Logic Deviceの略。)、又は、ASIC(Application Specific Integrated Circuitの略。)、又は、プログラムが組み込まれた汎用コンピュータ、又は、これらの全部または一部の組み合わせによって構成されうる。
【0019】
制御部CNTは、基板Sの複数のショット領域のそれぞれの配置誤差に基づいて、該複数のショット領域のそれぞれに対してディスペンサDSPによってインプリント材IMを配置する順序(以下、配置順序)を決定するように構成されうる。制御部CNTは、該複数のショット領域のうち少なくとも2つのショット領域に対してディスペンサDSPによって連続的にインプリント材IMが配置された後に該少なくとも2つのショット領域のそれぞれに配置されたインプリント材を硬化部CUに硬化させうる。制御部CNTは、配置順序の他、ディスペンサにDSPよって連続的にインプリント材IMを配置するべきショット領域のグループを決定しうる。制御部CNTは、例えば、走査軸(X軸)に平行な方向(行方向)に並んだショット領域のそれぞれの配置誤差に基づいて、配置順序およびグループを決定しうる。
【0020】
以下、図2および図3を参照しながらインプリント装置IMPの動作例を説明する。図2および図3には、基板Sの全てのショット領域のうちの一部のショット領域SR1~SR8が模式的に示されている。この動作は、制御部CNTが基板駆動機構SDM、ディスペンサDSP、モールド駆動機構MDMおよび硬化部CUを制御することによってなされうる。
【0021】
ここでは、ショット領域SR3~SR5が1つのグループを構成するものとする。インプリント装置IMPは、1つのグループを構成するショット領域SR3~SR5に対してディスペンサDSPによって連続的にインプリント材IMが配置され、その後、ショット領域SR3~SR5のインプリント材IMに順次にモールドMを接触させ硬化させる。
【0022】
まず、図2(a)~(c)に例示されるように、グループを構成するショット領域SR3~SR5に対して、基板駆動機構SDMによって基板Sが走査軸(X軸)に平行な方向に連続的に駆動されながらディスペンサDSPからインプリント材IMが吐出される。ディスペンサDSPからのインプリント材IMの吐出は、制御情報に従って制御される。これによって、グループを構成するショット領域SR3~SR5の上にインプリント材IMが配置される。
【0023】
次いで、図3(a)~(c)に例示されるように、グループを構成するショット領域SR3~SR5のインプリント材IMに順次にモールドMのパターン領域を接触させ硬化させる。より具体的には、まず、ショット領域SR3の上のインプリント材IMにモールドMのパターン領域が接触するように、基板駆動機構SDMおよびモールド駆動機構MDMの少なくとも一方が駆動される。次いで、ショット領域SR3の上のインプリント材IMがモールドMのパターン領域に形成された凹部に充填された後に、硬化部CUによって硬化用のエネルギーCEがショット領域SR3の上のインプリント材IMに照射される。これによって、ショット領域SR3の上のインプリント材IMが硬化し、インプリント材IMの硬化物からなるパターンがショット領域SR3の上に形成される。次いで、ショット領域SR3の上のインプリント材IMの硬化物からなるパターンからモールドMのパターン領域が分離されるように、基板駆動機構SDMおよびモールド駆動機構MDMの少なくとも一方が駆動される。
【0024】
次いで、ショット領域SR4の上のインプリント材IMにモールドMのパターン領域が接触するように、基板駆動機構SDMおよびモールド駆動機構MDMの少なくとも一方が駆動される。次いで、ショット領域SR4の上のインプリント材IMがモールドMのパターン領域に形成された凹部に充填された後に、硬化部CUによって硬化用のエネルギーCEがショット領域SR4の上のインプリント材IMに照射される。これによって、ショット領域SR4の上のインプリント材IMが硬化し、インプリント材IMの硬化物からなるパターンがショット領域SR4の上に形成される。次いで、ショット領域SR4の上のインプリント材IMの硬化物からなるパターンからモールドMのパターン領域が分離されるように、基板駆動機構SDMおよびモールド駆動機構MDMの少なくとも一方が駆動される。
【0025】
次いで、ショット領域SR5の上のインプリント材IMにモールドMのパターン領域が接触するように、基板駆動機構SDMおよびモールド駆動機構MDMの少なくとも一方が駆動される。次いで、ショット領域SR5の上のインプリント材IMがモールドMのパターン領域に形成された凹部に充填された後に、硬化部CUによって硬化用のエネルギーCEがショット領域SR5の上のインプリント材IMに照射される。これによって、ショット領域SR5の上のインプリント材IMが硬化し、インプリント材IMの硬化物からなるパターンがショット領域SR5の上に形成される。次いで、ショット領域SR5の上のインプリント材IMの硬化物からなるパターンからモールドMのパターン領域が分離されるように、基板駆動機構SDMおよびモールド駆動機構MDMの少なくとも一方が駆動される。
【0026】
以下、図4を参照しながら、基板Sの複数のショット領域のそれぞれの配置誤差としての回転誤差に基づいて配置順序(およびグループ)を決定する動作について説明する。回転誤差は、基板Sの表面(XY平面に並行な面)に直交するZ軸の周り回転誤差である。なお、図4において、ショット領域SR11~SR16は、基板Sの全てのショット領域のうちの一部のショット領域である。ショット領域SR11~SR16は、走査軸(X軸)に平行な方向に配置されている。図4(a)には、ショット領域SR11~SR16に回転誤差がない状態が例示されている。この状態では、ショット領域SR11~SR16のうち任意の個数のショット領域に対してディスペンサDSPによって連続的にインプリト材IMが配置されるように基板駆動機構SDMおよびディスペンサDSPを制御しうる。連続的にインプリント材IMが配置される最大のショット領域の個数は、例えば、インプリント材IMが基板上に供給されてからモールドMのパターン領域が接触するまでの揮発量を考慮して決定することができる。
【0027】
図4(b)、(c)には、ショット領域SR11、SR13、SR15に第1範囲内の回転誤差が存在し、ショット領域SR12、SR14、SR16に第1範囲とは異なる第2範囲内の回転誤差が存在する状態が例示されている。ショット領域SR11、SR13、SR15は、それぞれの回転誤差の相互の差が閾値より小さいショット領域である。また、ショット領域SR12、SR14、SR16は、それぞれの回転誤差の相互の差が閾値より小さいショット領域である。この場合、制御部CNTは、ショット領域SR11、SR13、SR15を1つのグループとし、ショット領域SR12、SR14、SR16を他の1つのグループとするように基板Sの複数のショット領域をグループ分けしうる。
【0028】
閾値は、それに基づいて1つのグループを構成するように決定されたショット領域に対してインプリント材IMを連続的に配置することができるように設定されうる。この例では、ショット領域SR11に対するインプリント材IMの配置の後に、ショット領域SR12がディスペンサDSPの前を通過し、ショット領域SR13に対してインプリント材IMが配置される。よって、ショット領域SR12がディスペンサDSPの前を通過する間に、ショット領域SR13の回転誤差に応じて、ショット領域SR13に正しくインプリント材IMが配置されるように、基板駆動機構SDMによって基板Sの位置および姿勢が補正される。閾値は、このような補正が可能なように設定されうる。
【0029】
他の例において、制御部CNTは、1つのグループを構成するショット領域のうち互いに隣り合うショット領域のそれぞれの回転誤差の差が閾値より小さくなるように各グループを構成しうる。例えば、1つのグループを構成するショット領域SR11、SR13、SR15は、ショット領域SR11、SR13、SR15のうち互いに隣り合うショット領域のそれぞれの回転誤差の差が閾値より小さい。また、1つのグループを構成するショット領域SR12、SR14、SR16は、ショット領域SR12、SR14、SR16のうち互いに隣り合うショット領域のそれぞれの回転誤差の差が閾値より小さい。
【0030】
図4(b)の例では、基板Sが基板駆動機構SDMによって走査軸に平行な第1方向(-X方向)に連続的に駆動されながら第1グループのショット領域SR11、SR13、S15に対してディスペンサDSPによってインプリント材IMが配置される。その後、基板Sが基板駆動機構SDMによって走査軸に平行な第2方向(+X方向)に連続的に駆動されながら第1グループのショット領域SR11、SR13、SR15に対してディスペンサDSPによってインプリント材IMが配置される。第1方向および第2方向は、互いに反対の方向である。このように、図4(b)の例では、第1方向への基板Sの駆動および第2方向への基板Sの駆動の際に、第1グループのショット領域SR11、SR13、SR15に対してディスペンサDSPによってインプリント材IMが配置される。
【0031】
図4(b)の例では、次に、基板Sが基板駆動機構SDMによって走査軸に平行な第1方向(-X方向)に連続的に駆動されながら第2グループのショット領域SR12、SR14、SR16に対してディスペンサDSPによってインプリント材IMが配置される。その後、基板Sが基板駆動機構SDMによって走査軸に平行な第2方向(+X方向)に連続的に駆動されながら第2グループのショット領域SR12、SR14、SR16に対してディスペンサDSPによってインプリント材IMが配置される。このように、図4(b)の例では、第1方向への基板Sの駆動および第2方向への基板Sの駆動の際に、第2グループのショット領域SR12、SR14、SR16に対してディスペンサDSPによってインプリント材IMが配置される。
【0032】
図4(c)の例では、基板Sが基板駆動機構SDMによって走査軸に平行な第1方向(-X方向)に連続的に駆動されながら第1グループのショット領域SR11、SR13、S15に対してディスペンサDSPによってインプリント材IMが配置される。これによって、第1グループのショット領域SR11、SR13、S15に対するインプリント材IMの配置が完了する。このように、図4(c)の例では、第1方向(-X方向)への基板Sの駆動の際に、第1グループのショット領域SR11、SR13、SR15に対するディスペンサDSPによるインプリント材IMの配置が完了する。
【0033】
図4(c)の例では、次に、基板Sが基板駆動機構SDMによって走査軸に平行な第2方向(+X方向)に連続的に駆動されながら第2グループのショット領域SR16、SR14、SR12に対してディスペンサDSPによってインプリント材IMが配置される。これによって、第2グループのショット領域SR16、SR14、S12に対するインプリント材IMの配置が完了する。このように、図4(c)の例では、第2方向(+X方向)への基板Sの駆動の際に、第2グループのショット領域SR16、SR14、SR12に対するディスペンサDSPによるインプリント材IMの配置が完了する。
【0034】
以下、図5を参照しながら、基板Sの複数のショット領域のそれぞれの配置誤差としての位置誤差(基板Sの表面に平行な方向における誤差)に基づいて配置順序(およびグループ)を決定する動作について説明する。図5(a)には、ショット領域SR11~SR16に位置誤差がない状態が例示されている。この状態では、ショット領域SR11~SR16のうち任意の個数のショット領域に対してディスペンサDSPによって連続的にインプリト材IMが配置されるように基板駆動機構SDMおよびディスペンサDSPを制御しうる。連続的にインプリント材IMが配置される最大のショット領域の個数は、例えば、インプリント材IMが基板上に供給されてからモールドMのパターン領域が接触するまでの揮発量を考慮して決定することができる。
【0035】
図5(b)、(c)には、ショット領域SR11、SR13、SR15に第1範囲内の位置誤差が存在し、ショット領域SR12、SR14、SR16に第1範囲とは異なる第2範囲内の位置誤差が存在する状態が例示されている。ショット領域SR11、SR13、SR15は、それぞれの位置誤差の相互の差が閾値より小さいショット領域である。また、ショット領域SR12、SR14、SR16は、それぞれの位置誤差の相互の差が閾値より小さいショット領域である。この場合、制御部CNTは、ショット領域SR11、SR13、SR15を1つのグループとし、ショット領域SR12、SR14、SR16を他の1つのグループとするように基板Sの複数のショット領域をグループ分けしうる。
【0036】
閾値は、それに基づいて1つのグループを構成するように決定されたショット領域に対してインプリント材IMを連続的に配置することができるように設定されうる。この例では、ショット領域SR11に対するインプリント材IMの配置の後に、ショット領域SR12がディスペンサDSPの前を通過し、ショット領域SR13に対するインプリント材IMが配置される。よって、ショット領域SR12がディスペンサDSPの前を通過する間に、ショット領域SR11、SR13の位置誤差に応じて、ショット領域SR13に正しくインプリント材IMが配置されるように、基板駆動機構SDMによって基板Sの位置が補正される。閾値は、このような補正が可能なように設定されうる。
【0037】
他の例において、制御部CNTは、1つのグループを構成するショット領域のうち互いに隣り合うショット領域のそれぞれの位置誤差の差が閾値より小さくなるように各グループを構成しうる。例えば、1つのグループを構成するショット領域SR11、SR13、SR15は、ショット領域SR11、SR13、SR15のうち互いに隣り合うショット領域のそれぞれの位置誤差の差が閾値より小さい。また、1つのグループを構成するショット領域SR12、SR14、SR16は、ショット領域SR12、SR14、SR16のうち互いに隣り合うショット領域のそれぞれの位置誤差の差が閾値より小さい。
【0038】
図5(b)の例では、基板Sが基板駆動機構SDMによって走査軸に平行な第1方向(-X方向)に連続的に駆動されながら第1グループのショット領域SR11、SR13、S15に対してディスペンサDSPによってインプリント材IMが配置される。その後、基板Sが基板駆動機構SDMによって走査軸に平行な第2方向(+X方向)に連続的に駆動されながら第1グループのショット領域SR11、SR13、SR15に対してディスペンサDSPによってインプリント材IMが配置される。ここで、第1方向および第2方向は、互いに反対の方向である。このように、図5(b)の例では、第1方向への基板Sの駆動および第2方向への基板Sの駆動の際に、第1グループのショット領域SR11、SR13、SR15に対してディスペンサDSPによってインプリント材IMが配置される。
【0039】
図5(b)の例では、次に、基板Sが基板駆動機構SDMによって走査軸に平行な第1方向(-X方向)に連続的に駆動されながら第2グループのショット領域SR12、SR14、SR16に対してディスペンサDSPによってインプリント材IMが配置される。その後、基板Sが基板駆動機構SDMによって走査軸に平行な第2方向(+X方向)に連続的に駆動されながら第2グループのショット領域SR12、SR14、SR16に対してディスペンサDSPによってインプリント材IMが配置される。このように、図5(b)の例では、第1方向への基板Sの駆動および第2方向への基板Sの駆動の際に、第2グループのショット領域SR12、SR14、SR16に対してディスペンサDSPによってインプリント材IMが配置される。
【0040】
図5(c)の例では、基板Sが基板駆動機構SDMによって走査軸に平行な第1方向(-X方向)に連続的に駆動されながら第1グループのショット領域SR11、SR13、S15に対してディスペンサDSPによってインプリント材IMが配置される。これによって、第1グループのショット領域SR11、SR13、S15に対するインプリント材IMの配置が完了する。このように、図5(c)の例では、第1方向への基板Sの駆動の際に、第1グループのショット領域SR11、SR13、SR15に対するディスペンサDSPによるインプリント材IMの配置が完了する。
【0041】
図5(c)の例では、次に、基板Sが基板駆動機構SDMによって走査軸に平行な第2方向(+X方向)に連続的に駆動されながら第2グループのショット領域SR16、SR14、SR12に対してディスペンサDSPによってインプリント材IMが配置される。これによって、第2グループのショット領域SR16、SR14、S12に対するインプリント材IMの配置が完了する。このように、図5(c)の例では、第2方向への基板Sの駆動の際に、第2グループのショット領域SR16、SR14、SR12に対するディスペンサDSPによるインプリント材IMの配置が完了する。
【0042】
以下、図6を参照しながら本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態として説明しない事項は、上記の第1実施形態に従いうる。第2実施形態では、ディスペンサDSPは、基板Sの複数のショット領域の各々に対して、基板駆動機構SDMによって基板Sが駆動された状態で、インプリント材IMを配置する。この際に、ディスペンサDSPは、インプリント材の配置パターンを規定する複数の制御情報のうちインプリント材IMを配置すべきショット領域に対して割り当てられた制御情報に従って該ショット領域に対してインプリント材IMを配置する。
【0043】
また、制御部CNTは、基板Sの複数のショット領域を複数のグループにグループ分けする。各グループは、少なくとも2つのショット領域を含みうる。制御部CNTは、グループを構成する少なくとも2つのショット領域に対してインプリント材がディスペンサDSPによって連続的に配置された後に硬化部CUによって連続的に硬化されるインプリント処理を制御する。ここで、制御部CNTは、インプリント処理がグループごとに行われるように、基板駆動機構SDM、ディスペンサDSPおよび硬化部CUを制御するように構成されうる。
【0044】
基板Sの複数のショット領域は、複数の種類のショット領域を含みうる。数の制御情報は、1つの制御情報が1つの種類のショット領域に対応するように複数の種類のショット領域にそれぞれに対して割り当てられうる。制御部CNTは、基板Sの複数のショット領域に対する複数の制御情報の割り当てに応じてグループを決定するように構成されうる。
【0045】
図6には、基板Sにおける複数のショット領域の配列が例示されている。複数の種類のショット領域は、複数の種類の第1種ショット領域312と、複数の第2種ショット領域311と、複数の第3種ショット領域310とを含みうる。ここで、複数の種類の第1種ショット領域312は、形状が基板Sのエッジによって規定されるショット領域である。第1種ショット領域312は、その位置に応じた形状を有する。よって、複数の種類の第1種ショット領域312が存在しうる。第2種ショット領域311は、複数の種類の第1種ショット領域312が配置された領域に隣接するショット領域であり、矩形形状を有しうる。複数の第3種ショット領域は、複数の第2種ショット領域311が配置された領域の内側に配置されたショット領域であり、矩形形状を有しうる。
【0046】
制御部CNTは、複数の制御情報のうちディスペンサDSPを制御するために次に使用するべき制御情報をロードするメモリMEMを含みうる(図1参照)。制御部CNTは、メモリMEMにロードされた制御情報に従ってディスペンサDSPを制御するように構成されうる。次にインプリント材IMを配置するべきショット領域に割り当てられた制御情報がメモリMEMにロードされるまでは、制御部CNTは、該ショット領域にインプリント材IMが配置されるようにディスペンサDSPを制御することができない。
【0047】
以下、基板Sに配列された複数のショット領域のうち図6に示されたショット領域701~711に注目して説明を続ける。ショット領域701~711は、インプリント材IMを基板Sの上に配置する際に基板駆動機構SDMによる基板Sの走査軸に平行な方向に配列されている。制御部CNTは、ショット領域701~711を第1グループ720、第2グループ721、第3グループ722にグループ分けしうる。第1グループ720は、ショット領域701~711のうちの一部のショット領域701、703~705で構成される。第2グループ721は、ショット領域701~711のうちの他の一部のショット領域707~709、711で構成される。第3グループ722は、ショット領域701~711のうちの更に他の一部のショット領域702、706、710で構成される。各グループを構成する少なくとも2つのショット領域のそれぞれに対するインプリント材の配置IMは、基板駆動機構SDMによって基板Sを連続的に駆動しながら行われうる。
【0048】
制御部CNT互いに異なる種類のショット領域である第1ショット領域701および第2ショット領域703~705を1つのグループ(第1グループ720)に含める場合を考える。この場合、制御部CNTは、該グループに含まれない第3ショット領域702が第1ショット領域701と第2ショット領域703~705とによって挟まれるように第1ショット領域701および第2ショット領域703~705を決定しうる。これは、第1グループ720のショット領域701、703~705に対して連続的にインプリント材を配置する際に、第3ショット領域702がディスペンサDSPの前を通過する時間を確保するためである。この時間は、第2ショット領域703~705のための制御情報をメモリMEMにロードするために使われうる。
【0049】
制御部CNTは、第1ショット領域701に対するインプリト材IMの配置が終了した後、第3ショット領域702がディスペンサDSPの前を通過している間に、第2ショット領域703~705に割り当てられた制御情報をメモリMEMにロードしうる。
【0050】
インプリント装置を用いて形成した硬化物のパターンは、各種物品の少なくとも一部に恒久的に、或いは各種物品を製造する際に一時的に、用いられる。物品とは、電気回路素子、光学素子、MEMS、記録素子、センサ、或いは、型等である。電気回路素子としては、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、MRAMのような、揮発性或いは不揮発性の半導体メモリや、LSI、CCD、イメージセンサ、FPGAのような半導体素子等が挙げられる。型としては、インプリント用のモールド等が挙げられる。
【0051】
硬化物のパターンは、上記物品の少なくとも一部の構成部材として、そのまま用いられるか、或いは、レジストマスクとして一時的に用いられる。基板の加工工程においてエッチング又はイオン注入等が行われた後、レジストマスクは除去される。
【0052】
次に、インプリント装置によって基板にパターンを形成し、該パターンが形成された基板を処理し、該処理が行われた基板から物品を製造する物品製造方法について説明する。図7(a)に示すように、絶縁体等の被加工材2zが表面に形成されたシリコンウエハ等の基板1zを用意し、続いて、インクジェット法等により、被加工材2zの表面にインプリント材3zを付与する。ここでは、複数の液滴状になったインプリント材3zが基板上に付与された様子を示している。
【0053】
図7(b)に示すように、インプリント用のモールド4zを、その凹凸パターンが形成された側を基板上のインプリント材3zに向け、対向させる。図7(c)に示すように、インプリント材3zが付与された基板1とモールド4zとを接触させ、圧力を加える。インプリント材3zはモールド4zと被加工材2zとの隙間に充填される。この状態で硬化用のエネルギーとして光をモールド4zを透して照射すると、インプリント材3zは硬化する。
【0054】
図7(d)に示すように、インプリント材3zを硬化させた後、モールド4zと基板1zを引き離すと、基板1z上にインプリント材3zの硬化物のパターンが形成される。この硬化物のパターンは、型の凹部が硬化物の凸部に、型の凹部が硬化物の凸部に対応した形状になっており、即ち、インプリント材3zにモールド4zの凹凸パターンが転写されたことになる。
【0055】
図7(e)に示すように、硬化物のパターンを耐エッチングマスクとしてエッチングを行うと、被加工材2zの表面のうち、硬化物が無いか或いは薄く残存した部分が除去され、溝5zとなる。図7(f)に示すように、硬化物のパターンを除去すると、被加工材2zの表面に溝5zが形成された物品を得ることができる。ここでは硬化物のパターンを除去したが、加工後も除去せずに、例えば、半導体素子等に含まれる層間絶縁用の膜、つまり、物品の構成部材として利用してもよい。
【符号の説明】
【0056】
IMP:インプリント装置、S:基板、M:モールド、SDM:基板駆動機構、MDM:モールド駆動機構、DSP:ディスペンサ、MA:計測器、CU:硬化部、CNT:制御部、MEM:メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7