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▶ 洪 偉祐の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-13
(45)【発行日】2022-12-21
(54)【発明の名称】パテ均し方法及びセット
(51)【国際特許分類】
   E04F 21/16 20060101AFI20221214BHJP
   E04G 21/10 20060101ALI20221214BHJP
   E04G 21/20 20060101ALI20221214BHJP
【FI】
E04F21/16 Z
E04G21/10 Z
E04G21/20
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021167642
(22)【出願日】2021-10-12
(65)【公開番号】P2022066169
(43)【公開日】2022-04-28
【審査請求日】2021-10-13
(31)【優先権主張番号】109135837
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】519242252
【氏名又は名称】洪 偉祐
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】洪 偉祐
【審査官】清水 督史
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-128065(JP,A)
【文献】特開2011-256580(JP,A)
【文献】国際公開第00/010786(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第103603483(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 21/16
E04G 21/10
E04G 21/20
E04F 21/00
E04F 21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に第一位置固定点、第二位置固定点、第三位置固定点及び第四位置固定点を設置し、第一参考方向において前記第一位置固定点と前記第二位置固定点とが相対し、前記第三位置固定点と前記第四位置固定点とが相対する工程と、
第一昇降案内件を前記第一位置固定点と前記第二位置固定点の間に固定し、そして、第二昇降案内件を前記第三位置固定点と前記第四位置固定点の間に固定する工程と、
第一変位モジュールを前記第一昇降案内件に変位可能に連接し、第二変位モジュールを前記第二昇降案内件に変位可能に連接する工程と、
第一刮ぎ線の一端を前記第一位置固定点に固定すると共に、順番に前記第一変位モジュールと前記第二変位モジュールに巻着し、前記第一刮ぎ線の他端を前記第四位置固定点に固定する工程と、
第二刮ぎ線の一端を前記第三位置固定点に固定すると共に、順番に前記第二変位モジュールと前記第一変位モジュールに巻着し、前記第二刮ぎ線の他端を前記第二位置固定点に固定する工程と、
前記第一変位モジュールと前記第二変位モジュールを駆動し、前記壁面を平らにするように、前記第一刮ぎ線及び前記第二刮ぎ線において前記第一変位モジュールと前記第二変位モジュールの間に位置する箇所により、パテを付けた前記壁面における平坦でない箇所を刮ぎ取る工程とを含むことを特徴とするパテ均し方法。
【請求項2】
二つの端辺位置固定ユニットと、二つの昇降案内件と、二つの変位モジュールと、二つの刮ぎ線を含み、
前記二つの端辺位置固定ユニットはそれぞれに第一参考方向上において相対する第一位置固定モジュールと第二位置固定モジュールを有し、前記二つの端辺位置固定ユニットの第一位置固定モジュールは第二参考方向において間隔をもって設置され、
二つの昇降案内件はそれぞれ前記二つの端辺位置固定ユニットの第一位置固定モジュールと第二位置固定モジュールの間に固定され、
二つの変位モジュールは変位可能でそれぞれ前記二つの昇降案内件を連接し、
二つの刮ぎ線はそれぞれに前記二つの変位モジュールに巻着し、一つの刮ぎ線の第一端により第一側の端辺位置固定ユニットの第一位置固定モジュールに固定し、第二端により第二側の端辺位置固定ユニットの第二位置固定モジュールに固定し、もう一つの刮ぎ線の第一端により第二側の端辺位置固定ユニットの第一位置固定モジュールに固定し、第二端により第一側の端辺位置固定ユニットの第二位置固定モジュールに固定することを特徴とするパテ均しセット。
【請求項3】
前記第一位置固定モジュール及び前記第二位置固定モジュールはそれぞれに位置固定柱を結合する糸通し装置を有し、前記刮ぎ線は前記第一位置固定モジュール及び前記第二位置固定モジュールの糸通し装置を貫通し、前記第一位置固定モジュールは前記糸通し装置を結合する引張装置を有し、前記引張装置は前記刮ぎ線を引っ張る、ことを特徴とする請求項2に記載のパテ均しセット。
【請求項4】
前記昇降案内件は線であり、前記昇降案内件は前記第一位置固定モジュール及び前記第二位置固定モジュールの糸通し装置を貫通し、前記第一位置固定モジュールは前記糸通し装置を結合するもう一つの引張装置を有し、前記もう一つの引張装置は前記昇降案内件を引っ張る、ことを特徴とする請求項3に記載のパテ均しセット。
【請求項5】
前記第一位置固定モジュール及び前記第二位置固定モジュールはそれぞれに前記糸通し装置を結合する弾性片を有し、ネジが前記糸通し装置と前記弾性片を貫通して前記位置固定柱に螺合し、前記弾性片は前記糸通し装置を押して前記ネジの頭部に接触させるように前記弾性片の複数の尖部が壁面に当接する、ことを特徴とする請求項3に記載のパテ均しセット。
【請求項6】
前記変位モジュールは互いに連通する第一結合溝及び第二結合溝を有する本体を有し、前記第一結合溝及び前記第二結合溝の開口方向は同じ平面に位置せず、前記昇降案内件は前記第一結合溝及び前記第二結合溝を結合することを特徴とする請求項2に記載のパテ均しセット。
【請求項7】
前記変位モジュールは前記変位モジュールの本体に設けられる第一ギア及び第二ギアを有し、前記一つの刮ぎ線は第一側に位置する端辺位置固定ユニットおよび第一側に位置する前記変位モジュールの第一ギアと第二側に位置する端辺位置固定ユニットおよび第二側に位置する前記変位モジュールの第二ギアに巻着し、前記もう一つの刮ぎ線は第二側に位置する端辺位置固定ユニットおよび第二側に位置する前記変位モジュールの第一ギアと第一側に位置する端辺位置固定ユニットおよび第一側に位置する前記変位モジュールの第二ギアに巻着することを特徴とする請求項2に記載のパテ均しセット。
【請求項8】
前記第一ギア及び前記第二ギアはそれぞれ環状溝を有し、前記二つの刮ぎ線は前記第一ギア及び前記第二ギアの二つの環状溝に位置制限されることを特徴とする請求項7に記載のパテ均しセット。
【請求項9】
前記変位モジュールは駆動件を有し、駆動件の回転ギアは前記第一ギアと前記第二ギアに噛合することを特徴とする請求項7に記載のパテ均しセット。
【請求項10】
前記二つの刮ぎ線における前記第一位置固定モジュールと前記変位モジュールの間の線と、前記二つの刮ぎ線における前記第二位置固定モジュールと前記変位モジュールの間の線とは、共に第一参考方向に平行することを特徴とする請求項2に記載のパテ均しセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パテ均し方法及びセットに関するものであり、特に、天井または壁面を均すことができるパテ均し方法及びセットに係るものである。
【背景技術】
【0002】
建築物の仕切りの材料として多種な材料が使われている。デザイナーまたはクライアントは、仕切りの強度、防音或いは作業現場などの条件を考える上、例えば、れんが塀、RCコンクリート塀或いはライトコンパートメント塀などの適当な作業方式を選ぶ。一般的には、れんが塀或いはRCコンクリート塀の形成過程において、ペンキを塗る作業或いは、タイルの貼付作業を順調に進めるため、パテの粗付け及びパテの細付けにより、壁面を均さなければならない。その中、「パテの粗付け」というのは、高い粘度のセメントをベースとなる壁に塗り、或いは吹きつけることにより所定の厚さに達してから、セメント層の表面を均すことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】台湾公告第M494810号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、「パテの粗付け」の施工方法はセメント層を塗り、或いは吹きつけた後、セメント層において比較的突起する箇所のセメントを刮ぎ取り、セメント層が平坦になるように、セメントの表面に長い尺を往復移動させるものである。しかしながら、前記の施工方法では、尺の力作用の方向、均一度及び力の強度などの様々な因子により、最終的に均し効果を影響するため、老練な職人が必要であるが、相応する人事費も掛かる。さらに、作業全般を老練な職人一人に任せる場合、体力と時間に限りがあるため、作業効率が下がり、ひいては工期の延長だけでなく、高額な人事コストがかかってしまう。よって、作業現場でセメント層の表面を均す作業を一名や二名のアシスタントに任せるのが現状である。
【0005】
言い換えると、現在の「パテの粗付け」の施工方法は複数の職人が必要であり、そして、均しの施工方法は理論的に簡単なもので、使用される道具も簡単なものであるが、長い経験の累積による作業がないと、予期する成果を達することができず、或いは、繰り返す修正作業により作業時間を消耗してしまう。また、老練な職人でも大量な体力や時間が必要なため、作業効率を向上させることや、コストの削減も難しくなる。また、前記のパテを均す作業は、セメントをベースとなる壁に塗り、或いは吹きつけた後の作業だけではなく、ペンキを塗る前のパテを均す作業も必要なため、同じ問題があった。
【0006】
これに鑑みて、従来のパテ均し方法を改善する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するため、自動化及び効率化できる大面積の均し作業を完成することができ、ひいては作業効率及び施工品質を向上させることができるパテ均し方法を提供することを目的とする。
【0008】
本発明はさらに、操作しやすく、経験に頼りすぎることがなく、人事コストを低減するパテ均し方法を提供することを目的とする。
【0009】
本発明はさらに、使用便利性を向上させるパテ均しセットを提供することを目的とする。
【0010】
本発明はさらに、組立便利性を向上させるパテ均しセットを提供することを目的とする。
【0011】
本発明において、「前」、「後」、「左」、「右」、「上(頂)」、「下(底)」、「内」、「外」、「側面」等の方向に関する用語は、主に図面の方向を参照するものであり、上記の各方向に関する用語は、本発明の各実施例を説明する或いは理解できるように用いられるものであり、本発明を限定するものではない。
【0012】
本発明における部分或いは構造において、使用された「一」或いは「一個」等の助数詞は、都合のために使用し、本発明の請求の範囲について通常の意義を与えるもので、本発明において一個または少なくとも一個を解釈すべき、且つ、明確に別の意味を指していないかぎり、一つである意味は複数の場合も含まれている。
【0013】
本発明において、「結合」、「合成」、「組み立て」、等の近似用語は、主に、連接しても破壊せずに分離することができ、或いは、連接して分離することが不可能という形を含み、当業者には、連接しようとする部分の材質または組み立ての形により選択することができるものを指す
【0014】
本発明のパテ均し方法は、壁面に第一位置固定点、第二位置固定点、第三位置固定点及び第四位置固定点を設置し、第一参考方向において前記第一位置固定点と前記第二位置固定点とが相対し、前記第三位置固定点と前記第四位置固定点とが相対する工程と、
第一昇降案内件を前記第一位置固定点と前記第二位置固定点の間に固定し、そして、第二昇降案内件を前記第三位置固定点と前記第四位置固定点の間に固定する工程と、
第一変位モジュールを前記第一昇降案内件に変位可能に連接し、第二変位モジュールを前記第二昇降案内件に変位可能に連接する工程と、
第一刮ぎ線の一端を前記第一位置固定点に固定すると共に、順番に前記第一変位モジュールと前記第二変位モジュールに巻着し、前記第一刮ぎ線の他端を前記第四位置固定点に固定する工程と、
第二刮ぎ線の一端を前記第三位置固定点に固定すると共に、順番に前記第二変位モジュールと前記第一変位モジュールに巻着し、前記第二刮ぎ線の他端を前記第二位置固定点に固定する工程と、
前記第一変位モジュールと前記第二変位モジュールを駆動し、前記壁面を平らにするように、前記第一刮ぎ線及び前記第二刮ぎ線において前記第一変位モジュールと前記第二変位モジュールの間に位置する箇所により、パテを付けた前記壁面における平坦でない箇所を刮ぎ取る工程とを含む。
【0015】
本発明のパテ均しセットは、二つの端辺位置固定ユニットと、二つの昇降案内件と、二つの変位モジュールと、二つの刮ぎ線を含み、前記二つの端辺位置固定ユニットはそれぞれ第一参考方向上において相対する第一位置固定モジュールと第二位置固定モジュールを有し、前記二つの端辺位置固定ユニットの第一位置固定モジュールは第二参考方向において間隔をもって設置され、
二つの昇降案内件はそれぞれ前記二つの端辺位置固定ユニットの第一位置固定モジュールと第二位置固定モジュールの間に固定され、
二つの変位モジュールは変位可能でそれぞれ前記に二つの昇降案内件を連接し、
二つの刮ぎ線はそれぞれに前記二つの変位モジュールに巻着し、一つの刮ぎ線の第一端により第一側の端辺位置固定ユニットの第一位置固定モジュールに固定し、第二端により第二側の端辺位置固定ユニットの第二位置固定モジュールに固定し、もう一つの刮ぎ線の第
一端により第二側の端辺位置固定ユニットの第一位置固定モジュールに固定し、第二端により第一側の端辺位置固定ユニットの第二位置固定モジュールに固定する。
【0016】
よって、本発明のパテ均し方法及びセットは、二つの変位モジュールが二つの昇降案内件に対して変位し、そして第一刮ぎ線と第二刮ぎ線において第一変位モジュールと第二変位モジュールの間に位置する箇所でパテ領域の平坦でない箇所を刮ぎ取ることにより、自動化的に及び効率化的に大面積の均す作業を完成し、作業時間を節約し、且つ、経験の累積に対して過度な依頼をせずに、人事コストを低減すると共に、作業人員が技術的或いは体力の負荷による問題を避けることができ、作業効率及び施工品質を向上させる効果を有する。
【0017】
また、前記第一位置固定モジュール及び前記第二位置固定モジュールはそれぞれに位置固定柱を結合する糸通し装置を有し、前記刮ぎ線は前記第一位置固定モジュール及び前記第二位置固定モジュールの糸通し装置を貫通し、前記第一位置固定モジュールは前記糸通し装置を結合する引張装置を有し、前記引張装置は前記刮ぎ線を引っ張る。よって、刮ぎ線の脱落または垂下を避け、均し品質を向上させる効果を有する。
効果を有する。
【0018】
また、前記昇降案内件は線であり、前記昇降案内件は前記第一位置固定モジュール及び前記第二位置固定モジュールの糸通し装置を貫通し、前記第一位置固定モジュールは前記糸通し装置を結合するもう一つの引張装置を有し、前記もう一つの引張装置は前記昇降案内件を引っ張る。よって、昇降案内件の脱落または垂下を避け、第二変位モジュールの流暢性を向上させる効果を有する。
【0019】
また、前記第一位置固定モジュール及び前記第二位置固定モジュールはそれぞれに前記糸通し装置を結合する弾性片を有し、ネジが前記糸通し装置と前記弾性片を貫通して前記位置固定柱に螺合し、前記弾性片は前記糸通し装置を押して前記ネジの頭部に接触させるように前記弾性片の複数の尖部が壁面に当接する。よって、糸通し装置は選択的に壁面を寄ったり離したりすることにより、刮ぎ線と壁面との距離を調整することができ、使用便利性を向上させる効果を有する。
【0020】
また、前記変位モジュールは互いに連通する第一結合溝及び第二結合溝を有する本体を有し、前記第一結合溝及び前記第二結合溝の開口方向は同じ平面に位置せず、前記昇降案内件は前記第一結合溝及び前記第二結合溝を結合する。よって、昇降案内件が本体から離脱することを避け、本体が昇降案内件に対して第一位置固定モジュールと第二位置固定モジュールの間に流暢に変位することができ、変位流暢性を向上させる効果を有する。
【0021】
また、前記変位モジュールは前記本体に設けられる第一ギア及び第二ギアを有し、前記一つの刮ぎ線は第一側に位置する端辺位置固定ユニットの第一ギアと第二側に位置する端辺位置固定ユニットの第二ギアに巻着し、前記もう一つの刮ぎ線は第二側に位置する端辺位置固定ユニットの第一ギアと第一側に位置する端辺位置固定ユニットの第二ギアに巻着する、よって、構造簡易なので組立しやすく、組立便利性を向上させる効果を有する。
【0022】
また、前記第一ギア及び前記第二ギアはそれぞれ環状溝を有し、前記二つの刮ぎ線は前記第一ギア及び前記第二ギアの二つの環状溝に位置制限される。よって、構造簡易なので製造しやすく、製造コストを低減する効果を有する。
【0023】
また、前記変位モジュールは駆動件を有し、駆動件の回転ギアは前記第一ギアと前記第二ギアに噛合する。よって、回転ギアが第一ギアと第二ギアの回転を連動することができ、作動流暢性を向上させる効果を有する。
【0024】
また、前記二つの刮ぎ線における前記第一位置固定モジュールと前記変位モジュールの間の線と、前記二つの刮ぎ線における前記第二位置固定モジュールと前記変位モジュールの間の線とは、共に第一参考方向に平行する。よって、第一変位モジュール3aと第二変位モジュール3bは同時に上または下に向いて変位する際、前記二つの刮ぎ線が平坦でない箇所を刮ぎ取りやすくなり、均し品質を向上させる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明の一実施例の流れ図である。
図2図2は、本発明の一実施例の組立斜視図である。
図3図3は、本発明の一実施例の変位モジュールの組立図である。
図4図4は、本発明の一実施例の組立正面図。
図5図5は、図4の作動図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施の一形態について、以下、図面を参照して説明する。
【0027】
図1、2に示されるように、本発明のパテ均し方法は壁或いは天井に用いられることができ、本発明では限定されず、本実施例において、パテ均し方法が壁面Tに用いられる場合を例として説明する。本発明のパテ均し方法は次の工程を含み、壁面Tに第一位置固定点P1、第二位置固定点P2、第三位置固定点P3及び第四位置固定点P4を設置し、第一参考方向Y1において、第一位置固定点P1と第二位置固定点P2とが相対し、第三位置固定点P3と第四位置固定点P4とが上下方向において相対する。且つ、第二参考方向Y2において、第一位置固定点P1と第三位置固定点P3とが相対し、第二位置固定点P2と第四位置固定点P4とが相対することができる。
【0028】
次、第一昇降案内件2aを第一位置固定点P1と第二位置固定点P2の間に固定し、そして、第二昇降案内件2bを第三位置固定点P3と第四位置固定点P4の間に固定する。その中、第一昇降案内件2a及び第二昇降案内件2bはレール又は線であってもよく、第一昇降案内件2aと第二昇降案内件2bとが平行することができる。
【0029】
次、第一変位モジュール3aが第一昇降案内件2aに沿って第一位置固定点P1と第二位置固定点P2の間に変位するように、第一変位モジュール3aを第一昇降案内件2aに連接させる。且つ、第二変位モジュール3bが第二昇降案内件2bに沿って第三位置固定点P3と第四位置固定点P4の間に変位するように、第二変位モジュール3bを第二昇降案内件2bに連接させる。
【0030】
そして、第一刮ぎ線4aの第一端41を第一位置固定点P1に固定し、順番に第一変位モジュール3aと第二変位モジュール3bに巻着した後、、第一刮ぎ線4aの第二端42を第四位置固定点P4に固定させ、第一刮ぎ線4aにおいて第一変位モジュール3aと第二変位モジュール3bの間に位置する箇所が壁面Tに接触することができるようにする。そして、第二刮ぎ線4bの第一端41を第三位置固定点P3に固定させ、順番に第二変位モジュール3bと第一変位モジュール3aに巻着した後、第二刮ぎ線4bの第二端42を第二位置固定点P2に固定させ、第二刮ぎ線4bにおいて第一変位モジュール3aと第二変位モジュール3bの間に位置する箇所が壁面Tに接触することができるようにする。
【0031】
最後、作業人員は壁面Tにパテ領域T1を形成するようにパテを付けることができる。そして、第一変位モジュール3aと第二変位モジュール3bを駆動し、図5に示すように、第一変位モジュール3aと第二変位モジュール3bを同時に第一参考方向Y1に沿って変位させることにより(即ち、上に或いは下に変位させる)、第一刮ぎ線4a及び第二刮
ぎ線4bにおいて第一変位モジュール3aと第二変位モジュール3bの間に位置する箇所により、パテ領域T1における平坦でない箇所を刮ぎ取る。よって、自動化及び効率化できる大面積の均し作業を完成でき、且つ、経験に頼りすぎることがなく、人事コストを低減することができる。
【0032】
注意すべきことは、他の実施例において、第一昇降案内件2aを第一位置固定点P1と第三位置固定点P3の間に固定させ、そして、第二昇降案内件2bを第二位置固定点P2と第四位置固定点P4の間に固定させてもよく、また、第一変位モジュール3aを変位自在に第一昇降案内件2aに連接させ、第二変位モジュール3bを変位自在に第二昇降案内件2bに連接させてもよく、第一変位モジュール3aと第二変位モジュール3bを同時に第二参考方向Y2に沿って変位させ、第一変位モジュール3aと第二変位モジュール3bを左に或いは右に向いて変位させるようにすることができる。よって、長方形の壁面に用いられることができる。
【0033】
図2に示すように、前記の本実施例のパテ均し方法を実行するパテ均しセットであり、パテ均しセットは二つの端辺位置固定ユニット1と、二つの昇降案内件2と、二つの変位モジュール3と、二つの刮ぎ線4を含む。二つの昇降案内件2はそれぞれ二つの端辺位置固定ユニット1に固定され、二つの変位モジュール3は自在に変位するように二つの昇降案内件2に連接され、二つの刮ぎ線4はそれぞれ二つの変位モジュール3に巻着する。
【0034】
二つの端辺位置固定ユニット1は壁面Tに位置する。二つの端辺位置固定ユニット1はそれぞれに第一参考方向Y1において相対する第一位置固定モジュール1aと第二位置固定モジュール1bを有する。二つの端辺位置固定ユニット1の第一位置固定モジュール1aは第二参考方向Y2に間隔をもって設置され、二つの端辺位置固定ユニット1の第一位置固定モジュール1aはそれぞれに第一位置固定点P1と第三位置固定点P3を形成することができ、二つの端辺位置固定ユニット1の第二位置固定モジュール1bは第二参考方向Y2に間隔をもって設置され、二つの端辺位置固定ユニット1の第二位置固定モジュール1bはそれぞれに第二位置固定点P2と第四位置固定点P4を形成することができる。
【0035】
図1、2に示すように、第一位置固定モジュール1a及び第二位置固定モジュール1bの態様は本発明において制限されず、本実施例では、第一位置固定モジュール1a及び第二位置固定モジュール1bはそれぞれ糸通し装置12を有し、それら糸通し装置12は位置固定柱11を結合し、位置固定柱11が図1に示されるように予めに壁面Tに固定設置され、位置固定柱11が壁面Tと糸通し装置12の間に結合されるようにする。糸通し装置12は昇降案内件2及び刮ぎ線4が貫通するのに用いられることができる。第一位置固定モジュール1aは二つの引張装置13を有することができる。二つの引張装置13は糸通し装置12を結合し、糸通し装置12における第二位置固定モジュール1bを離れる端部に位置する。二つの引張装置13は昇降案内件2及び刮ぎ線4が貫通するのに用いられ、二つの引張装置13は昇降案内件2及び刮ぎ線4を引っ張るのに用いられることができる。
【0036】
また、第一位置固定モジュール1a及び第二位置固定モジュール1bはそれぞれ弾性片14を有する。弾性片14は位置固定柱11と糸通し装置12の間に位置するように、糸通し装置12を結合することができる。弾性片14の複数の尖部141は壁面Tに向かうことができ、ネジFが糸通し装置12と弾性片14を貫通し位置固定柱11に螺合すると共に、弾性片14の複数の尖部141が壁面Tに当接することができる。これにより、弾性片14は糸通し装置12を押してネジFの頭部に接触させる。よって、糸通し装置12を選択的に壁面Tに寄せたり壁面Tから離したりすることにより、刮ぎ線4と壁面Tとの距離を調整することができる。
【0037】
二つの昇降案内件2はそれぞれ二つの端辺位置固定ユニット1の第一位置固定モジュール1aと第二位置固定モジュール1bの間に固定される。二つの昇降案内件2はそれぞれ前記の第一昇降案内件2aと第二昇降案内件2bである。第一昇降案内件2aおよび第二昇降案内件2bはレール又は線であってもよく、本実施例では第一昇降案内件2aおよび第二昇降案内件2bは選択的に線である。第一昇降案内件2aおよび第二昇降案内件2bは第一位置固定モジュール1a及び第二位置固定モジュール1bの糸通し装置12を貫通することにより、第一昇降案内件2aが第一位置固定点P1と第二位置固定点P2の間に固定され、そして、第二昇降案内件2bが第三位置固定点P3と第四位置固定点P4の間に固定されることができる。また、第一昇降案内件2aおよび第二昇降案内件2bはどちらも第一位置固定モジュール1aの一つの引張装置13を貫通し、その引張装置13が第一昇降案内件2aおよび第二昇降案内件2bの脱落または垂下を避けるように第一昇降案内件2aと第二昇降案内件2bを引張することができる。
【0038】
図2、3に示すように、二つの変位モジュール3は変位可能にそれぞれ第一昇降案内件2aおよび第二昇降案内件2bを連接し、二つの変位モジュール3は前記の第一変位モジュール3aと第二変位モジュール3bである。変位モジュール3は本体31を有し、本体31は互いに連通する第一結合溝311及び第二結合溝312を有することができる。昇降案内件2は第一結合溝311及び第二結合溝312を結合することができ、且つ、昇降案内件2が本体31から離脱することを避け、本体31が昇降案内件2に対して第一位置固定モジュール1aと第二位置固定モジュール1bの間に流暢に変位するように、第一結合溝311及び第二結合溝312の開口方向は同じ平面に位置しないことが好ましい。
【0039】
また、変位モジュール3は本体31に設けられる第一ギア32及び第二ギア33を有することができ、第一ギア32及び第二ギア33はそれぞれ環状溝321、331を有し、二つの刮ぎ線4が第一ギア32及び第二ギア33の二つの環状溝321、331に位置制限されることができる。また、変位モジュール3は駆動件34を有し、駆動件34が選択的にステッパモータである。駆動件34の回転ギア341は第一ギア32と第二ギア33に噛合することで、第一ギア32と第二ギア33が回転ギア341と連動して回転することができる。さらに、駆動件34は振動機能を有することが好ましい。
【0040】
二つの刮ぎ線4は第一変位モジュール3aと第二変位モジュール3bに巻着することができ、二つの刮ぎ線4は前記の第一刮ぎ線4a、第二刮ぎ線4bである。詳しく言うと、第一刮ぎ線4aは第一変位モジュール3aの第一ギア32と第二変位モジュール3bの第二ギア33に巻着すると共に、第一刮ぎ線4aの第一端41により第一側A1の端辺位置固定ユニット1の第一位置固定モジュール1aに固定し、そして、第一刮ぎ線4aの第二端42により第二側A2の端辺位置固定ユニット1の第二位置固定モジュール1bに固定することで、第一刮ぎ線4aにおいて第一変位モジュール3aと第二変位モジュール3bの間に位置する箇所がパテ領域T1に接触することができるようにする。
【0041】
さらに、第二刮ぎ線4bは第二変位モジュール3bの第一ギア32と第一変位モジュール3aの第二ギア33に巻着すると共に、第二刮ぎ線4bの第一端41により第二側A2の端辺位置固定ユニット1の第一位置固定モジュール1aに固定し、そして、第二刮ぎ線4bの第二端42により第一側A1の端辺位置固定ユニット1の第二位置固定モジュール1bに固定することで、第二刮ぎ線4bにおいて第一変位モジュール3aと第二変位モジュール3bの間に位置する箇所がパテ領域T1に接触し、且つ、第一刮ぎ線4aと第二刮ぎ線4bにおいて第一変位モジュール3aと第二変位モジュール3bの間に位置する箇所が交差することができるようにする。
【0042】
また、第一刮ぎ線4aと第二刮ぎ線4bとは共に第一位置固定モジュール1aのもう一つの引張装置13を貫通し、その引張装置13が第一刮ぎ線4aと第二刮ぎ線4bの脱落
または垂下を避けるように第一刮ぎ線4aと第二刮ぎ線4bを引張することができる。さらに、二つの刮ぎ線4における第一位置固定モジュール1aと変位モジュール3の間の線と、二つの刮ぎ線4における第二位置固定モジュール1bと変位モジュール3の間の線とは、共に第一参考方向Y1に平行することが好ましい。よって、第一変位モジュール3aと第二変位モジュール3bとが同時に変位する際、二つの刮ぎ線4が平坦でない箇所を刮ぎ取りやすくなる。
【0043】
図4、5に示すように、本発明のパテ均しセットを組立完成した後、作業人員がパテ領域T1を形成するように予めにパテを付けてからパテ均しセットを使用して均し作業を行い、或いは、パテを付けながらパテ均しセットを使用して均し作業を行ってもよく、本発明では限定しない。本発明のパテ均しセットを使用する際、駆動件34により第一ギア32と第二ギア33の回転を駆動し、第一変位モジュール3aと第二変位モジュール3bとが同時に第一参考方向Y1に沿って変位すると共に、第一刮ぎ線4aと第二刮ぎ線4bにおいて第一変位モジュール3aと第二変位モジュール3bの間に位置する箇所により、パテ領域T1を均す。よって、自動化的に及び効率化的に大面積の均し作業を完成し、且つ、経験に頼りすぎることがなく、人事コストを低減することができる。
【0044】
また、均し作業を行う際、駆動件34は振動機能を有することで、第一刮ぎ線4aと第二刮ぎ線4bが微振動を発生させ、均し作業の流暢性を向上させることができる。さらに、均し作業を完成した後、前記のセットを壁面Tから取り除き、人力でパテ領域T1の周縁を平らにするように刮ぎ、パテ領域T1を全体的に平らになるようにすることができる。
【0045】
綜合すると、本発明のパテ均し方法及びセットは、二つの変位モジュールが二つの昇降案内件に対して変位し、そして第一刮ぎ線と第二刮ぎ線において第一変位モジュールと第二変位モジュールの間に位置する箇所でパテ領域の平坦でない箇所を刮ぎ取ることにより、自動化的に及び効率化的に大面積の均し作業を完成し、作業時間を節約し、且つ、経験に頼りすぎることがなく、人事コストを低減すると共に、作業人員が技術的或いは体力の負荷による問題を避けることができ、作業効率及び施工品質を向上させる効果を有する。
【0046】
本発明は、その精神と必須の特徴事項から逸脱することなく他のやり方で実施することができる。従って、本明細書に記載した好ましい実施形態は例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0047】
1 端辺位置固定ユニット
1a 第一位置固定モジュール
1b 第二位置固定モジュール
11 位置固定柱
12 糸通し装置
13 引張装置
14 弾性片
141 尖部
2 昇降案内件
2a 第一昇降案内件
2b 第二昇降案内件
3 変位モジュール
3a 第一変位モジュール
3b 第二変位モジュール
31 本体
311 第一結合溝
312 第二結合溝
32 第一ギア
321 環状溝
33 第二ギア
331 環状溝
34 駆動件
341 回転ギア
4 刮ぎ線
4a 第一刮ぎ線
4b 第二刮ぎ線
41 第一端
42 第二端
A1 第一側
A2 第二側
F ネジ
P1 第一位置固定点
P2 第二位置固定点
P3 第三位置固定点
P4 第四位置固定点
T 壁面
T1 パテ領域
Y1 第一参考方向
Y2 第二参考方向
図1
図2
図3
図4
図5